特許第6619110号(P6619110)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6619110受信装置および受信方法、放送信号の送信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6619110
(24)【登録日】2019年11月22日
(45)【発行日】2019年12月11日
(54)【発明の名称】受信装置および受信方法、放送信号の送信方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/436 20110101AFI20191202BHJP
   H04N 21/434 20110101ALI20191202BHJP
【FI】
   H04N21/436
   H04N21/434
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-8568(P2019-8568)
(22)【出願日】2019年1月22日
(62)【分割の表示】特願2018-115452(P2018-115452)の分割
【原出願日】2011年8月31日
(65)【公開番号】特開2019-57957(P2019-57957A)
(43)【公開日】2019年4月11日
【審査請求日】2019年1月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】繁田 千穂子
(72)【発明者】
【氏名】会津 宏幸
(72)【発明者】
【氏名】福島 道弘
(72)【発明者】
【氏名】坂本 典哉
【審査官】 冨田 高史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−045605(JP,A)
【文献】 特開2007−013819(JP,A)
【文献】 Luiz Fernando Gomes Soares et al.,Ginga-NCL: Declarative middleware for multimedia IPTV services,IEEE Communications Magazine,IEEE,2010年 5月27日,Volume: 48 , Issue: 6 , June 2010,pp.74-81,IEL Online,URL,https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=5473867
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 − 21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信部と表示部と通信部とを備える受信装置において、
放送信号は放送番組の映像データとPSIまたはSIを含み、
第1及び第2の表示画面のうち前記映像データを表示させる表示画面を示す識別情報が、前記PSIまたは前記SI内に含まれ、
前記識別情報はチャネル単位で設定可能であり、
前記受信部が前記放送信号を受信し、
前記識別情報が前記第1の表示画面を示す場合、前記映像データを前記表示部に表示し、
前記識別情報が前記第2の表示画面を示す場合、前記映像データを前記通信部から外部装置に送信する受信装置。
【請求項2】
放送信号は放送番組の映像データとPSIまたはSIを含み、
第1及び第2の表示画面のうち前記映像データを表示させるべき表示画面を示す識別情報が、前記PSIまたは前記SI内に含まれ、
前記識別情報はチャネル単位で設定可能であり、
受信装置が前記放送信号を受信し、
前記識別情報が前記第1の表示画面を示す場合、前記映像データを前記受信装置に表示し、
前記識別情報が前記第2の表示画面を示す場合、前記映像データを前記受信装置から外部装置に送信する受信方法。
【請求項3】
放送番組の映像データとPSIまたはSIとを含む放送信号を送信する放送信号の送信方法において、
前記PSIまたは前記SIが識別情報を含み、
第1及び第2の表示画面のうち前記映像データを表示させるべき表示画面を前記識別情報が示し、
前記識別情報はチャネル単位で設定可能であり、
前記識別情報が前記第1の表示画面を示す場合には、前記映像データを受信装置に表示させ、
前記識別情報が前記第2の表示画面を示す場合には、前記映像データを前記受信装置から外部装置に送信させる放送信号の送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、受信装置および受信方法、放送信号の送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放送番組の映像データと共にデータ放送用のデータを受信し、ユーザが選局した番組に応じたデータ放送の情報を表示画面に表示させる技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−258849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここでユーザが、放送番組の映像を表示する画面とは別の画面も視聴している場合、これらの画面に放送番組に応じた好適な情報を表示できることが好ましい。
そこで本発明の実施形態は、放送番組に応じた好適な映像を表示画面に表示させることができる受信装置および受信方法、放送信号の送信方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、実施形態の受信装置は受信部と表示部と通信部から構成され、上記受信部で放送信号を受信する。
またこの放送信号は放送番組の映像データまたは表示データとPSIまたはSIを含み、このPSIまたはSIが識別情報を含む。ここでこの識別情報は、第1及び第2の表示画面のうち前記映像データまたは表示データを表示させる表示画面を示す。
そして前記識別情報が前記第1の表示画面を示す場合には、上記の表示部に映像データまたは表示データを表示する。また前記識別情報が第2の表示画面を示す場合には、映像データまたは表示データを上記通信部から外部装置に送信する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の受信装置の利用形態例を示す図。
図2】実施形態の受信装置及び情報端末のシステム構成例を示す図。
図3】実施形態の受信装置が表示する設定画面例を示す図。
図4】実施形態の受信装置が受信するデータのデータ構成例を示す図。
図5】実施形態の受信装置が受信するデータのデータ構成例と、受信装置及び情報端末が表示する画面例とを示す図。
図6】実施形態の受信装置が表示する画面例を示す図。
図7】実施形態の受信装置による設定処理に係る処理フローを示す図。
図8】実施形態の受信装置によるデータ受信に係る処理フローを示す図。
図9】実施形態の情報端末によるデータ受信に係る処理フローを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は本実施形態に係る受信装置の利用形態例を示す図である。本実施形態に係る受信装置は、例えばテレビ装置400として実現されている。ここで、放送基地局100は例えば放送番組の放送信号を送信する放送基地局であり、例えばMPEG2−TS形式のストリームとしてチャンネル毎の映像データ等を送信する。また放送基地局100は、放送チャンネル毎の表示データを例えばHTMLやCSS、JavaScript(登録商標)等の形式で記述されたデータとして送信する。
【0008】
サーバ装置200は、放送基地局100が送信する放送チャンネル毎の表示データを送信する。なお本実施形態において放送チャンネル毎の表示データは、放送基地局100が放送信号に重畳させて送信されるものであっても、サーバ装置200からネットワークを経由して送信されるものであっても、またはこれら両方から送信されるものであってもよい。また表示データの内容としては、例えば放送番組の内容に関連する情報(例えば、出演者情報、関連番組情報、放送信号のMPEG2−TSに搭載されない言語の字幕等)や、放送信号からの映像データに重畳させることで高画質化させることができる追加映像データ等が挙げられる。なお本実施形態においては、表示データという言葉を用いて説明を行うが、表示データは表示画面に文字及び画像等の映像を表示させるためのデータであり、映像データの一種として考えてもよい。
【0009】
なお、放送信号に重畳されるストリームには、映像や音声毎のES(Elementary Stream)や、これらESに関するPSI(Program specific Information)/SI(Service Information)が含まれる。そして当該PSI/SIには、例えば出力装置情報が含まれる。なお出力装置情報は、放送基地局100及びサーバ装置200等から送信される表示データを表示させる画面を示す識別子や、当該出力装置情報のパケットが搭載されているTSストリームの映像データを表示させる画面を示す識別子等を含んでいる。また出力装置情報は、当該出力装置情報のパケットが搭載されているTSストリームに複数の映像ストリームが重畳されている場合、夫々の映像ストリームを表示させる画面を示す識別子を含んでいても良い。
【0010】
出力装置情報の例としては、例えば、PSI/SIに、出力情報テーブル(OIT:Output device Information Table)などのテーブルを用意する、または、DVB(Digital Video Broadcasting)のTS 102 809に定義されているAIT(Application Information Table)のような既存のテーブルに出力装置情報として“受信装置(第1画面)に出力/外部装置(第2画面)に出力/受信装置と外部装置の両方に出力”などをdescriptorとして定義することが考えられる。さらに、別の出力装置情報の例については図4を参照して後述する。
【0011】
テレビ装置400は、映像データ及び表示データを放送基地局100及びサーバ装置200等から受信すると、当該データが第1画面用のデータであるか第2画面用のデータであるかを出力装置情報等に基づいて判別する。そしてテレビ装置400は、第1画面用のデータを表示し、第2画面用のデータを外部装置(本実施形態においては情報端末500)に出力する。またテレビ装置400は、放送信号に重畳されたあるチャンネルのTSストリームの出力装置情報に出力画面についての識別子が含まれる場合、当該識別子に基づいて映像データ及び表示データを自装置用と外部装置用とに分離し、夫々の装置に表示させる。テレビ装置400は、第1画面や第2画面に表示される放送番組の映像データや表示データ等のデータ(表示情報)を、放送信号やサーバ装置200からの信号に含まれる識別情報に基づいて分離して、第1画面及び第2画面に表示させる。
【0012】
なお、本実施形態において、第1画面は例えば放送信号を受信する装置(テレビ装置400)の表示画面を、第2画面は例えば放送信号を受信する装置と通信可能な外部装置(情報端末)を指すが、第1画面と第2画面に対応する画面は必ずしもこれに限るものではない。つまり、例えばテレビ装置400の表示画面を2つの領域に分割してこれらを第1画面及び第2画面としてもよい。
【0013】
図2はテレビ装置400及び情報端末500のシステム構成例を示す図である。本実施形態においてテレビ装置400と情報端末500とは、例えば直接通信やホームネットワーク経由の通信により接続可能となっている。
【0014】
まずテレビ装置400のシステム構成例を説明する。テレビ装置400は、チューナ401、デマルチプレクサ402、通信部403、制御部404、ブラウザ部405、HTTPサーバ部406、記憶部407、映像デコード部408、GUI処理部409、表示処理部410、表示部411等を備える。
【0015】
チューナ401は放送信号を受信する受信部であり、デマルチプレクサ402は、受信された放送信号に重畳された各種データを分離する分離部である。デマルチプレクサ402は、放送信号に重畳された映像データを映像デコード部408に、音声データを音声デコード部(不図示)に、出力装置情報及び表示データを制御部404に出力する。
【0016】
なおデマルチプレクサ402は、放送信号に出力装置情報が含まれ、また当該出力装置情報に、映像データの出力装置(表示先の画面)に関する識別子が含まれている場合、当該識別子に基づいたモジュールに映像データを出力しても良い。即ち、例えば放送信号のTSにメイン映像のストリームとサブ映像(字幕等)のストリームが含まれ、サブ映像のストリームに第2画面を示す識別子が対応付けられている場合、デマルチプレクサ402は、当該サブ映像ストリームを制御部404に出力してもよい。なおこの場合にサブ映像ストリームは制御部404の制御により情報端末500に送信される。
【0017】
通信部403は外部装置との通信を実行する。ここで通信部403は、サーバ装置200から表示データを受信しても良い。そして通信部403は、表示データを受信した場合には当該表示データを制御部404に出力する。また通信部403は、制御部404から映像データ及び表示データとアドレスとが入力されると、当該データを当該アドレス宛に送信する。
【0018】
制御部404は、出力装置情報と映像データ及び表示データとが入力されると、当該データを出力装置情報に基づいた画面に出力させるよう制御する。即ち制御部404は、第1画面用であると出力装置情報に示される映像データ及び表示データを映像でコード部408またはGUI処理部409に出力し、第2画面用であると出力装置情報に示される映像データ及び表示データを通信部403から情報端末500に送信させる。
【0019】
なお制御部404は、入力される映像データ及び表示データに所定識別子が含まれる場合に、当該識別子を所定の画面に出力させるようにしても良い。即ち、前述の出力装置情報が入力されない場合であっても、映像データ及び表示データに含まれる所定識別子に基づいて、当該データが何れの画面用であるかを判別し、出力先の画面を選択・決定する。
【0020】
ここで制御部404はブラウザ部405を備え、当該ブラウザ部405は、HTML、CSS,JavaScript(登録商標)形式で記述されたファイルデータを解析/処理する。そしてブラウザ部405は、ひとつのファイルデータ中に第1画面用と第2画面用の表示データが含まれる場合、これらを抽出・分離する。またブラウザ部405は、第1画面用の表示データ中に、表示画面に表示すべき映像のインターネットアドレスが含まれる場合、通信部403を用いて当該アドレスからデータを取得する。そしてブラウザ部405は、取得したデータを映像デコード部408またはGUI処理部409に出力する。
【0021】
また制御部404は、第2画面用の映像データ及び表示データを表示させる装置を選択する。ここで制御部404は、映像データ及び表示データの送信先として例えば予め登録された装置を選択しても良いし、あるいは送信先の装置を選択させるための設定画面を表示し、当該画面に対するユーザ操作に基づいて装置を選択しても良い。そして制御部404は、送信先として選択した装置のアドレスと映像データ及び表示データとを通信部403に出力する。
【0022】
HTTPサーバ部406は、一般的なWebサーバ機能を有するモジュールである。HTTPサーバ部406は、ブラウザ部405からの要求に応じて、記憶部407に記憶したデータを当該ブラウザ部405に出力する。
【0023】
記憶部407は、映像データ及び表示データを記憶する機能を有する。なお映像データ及び表示データの記憶については図8を参照して後述する。
映像デコード部408は、デマルチプレクサ402やブラウザ部405から入力された映像データをデコードする。またGUI処理部409は、制御部404から入力されたHTML、CSS、JavaScript(登録商標)形式等で記述された表示データから、表示処理部410が処理可能な形式の表示データを生成する。
【0024】
そして表示処理部410は、映像デコード部408がデコードした映像データとGUI処理部409が生成した表示データとを重畳し、重畳したデータを表示部411が表示可能な形式の映像信号に変換する。そして表示部411は当該映像信号を用いて映像を表示する。
【0025】
次に情報端末500を説明する。情報端末500は、通信部501、制御部502、ブラウザ部503、記憶部504、映像デコード部505、GUI処理部506、表示処理部507、表示部508等を備える。
【0026】
通信部501は、テレビ装置400から送信された第2画面用の映像データ及び表示データ及び第2画面用の映像データ及び表示データを受信し、制御部502に出力する。
【0027】
制御部502は、ブラウザ部503を備え、第2画面用のHTML、CSS、JavaScript(登録商標)形式等の表示データが入力されると、当該表示データをGUI処理部506に出力するとともにデータの内容を解析/処理する。そして制御部502は、表示データ中に、表示画面に表示すべき映像のインターネットアドレスが含まれる場合、通信部501を用いて当該アドレスからデータを取得し、映像デコード部505またはGUI処理部506に出力する。また制御部502は、通信部501から映像データのストリームが入力されると、当該データを映像デコード部505に出力する。
【0028】
記憶部504は、映像データ及び表示データを記憶する機能を有する。当該記憶機能については図10にて説明する。
映像デコード部505は、制御部502から入力された映像データをデコードする。またGUI処理部506は、制御部502から入力されたHTML、CSS、JavaScript(登録商標)形式等の表示データから、表示処理部507が処理可能な形式の表示データを生成する。
【0029】
そして表示処理部507は、映像デコード部505がデコードした映像データとGUI処理部506が生成した表示データとを重畳し、重畳したデータを表示部508が表示可能な形式の映像信号に変換する。そして表示部508は当該映像信号を用いて映像を表示する。
【0030】
図3は、テレビ装置400が表示する表示設定画面の画面例である。テレビ装置400の制御部404は、当該設定画面を表示部411に表示させる。そして当該設定画面に対するユーザからの操作入力に基づいて、放送信号やネットワークから受信する映像データ及び表示データを表示させる画面(装置)を選択する。
【0031】
図3の画面においては、「受信装置(第1画面)のみ」、「外部装置(第2画面)のみ」、及び「受信装置と外部装置の両方」のうち何れかひとつの設定を選択可能となっている。ここで、「受信装置(第1画面)のみ」は、放送信号を受信する装置(テレビ装置400)にのみ映像データ及び表示データを表示させる設定である。また「外部装置(第2画面)のみ」は、テレビ装置に通信接続された外部装置(情報端末500)にのみ映像データ及び表示データを表示させる設定である。そして「受信装置と外部装置の両方」は、これらのどちらの装置(どちらの画面)にも映像データ及び表示データを表示させる設定である。
【0032】
図4は、放送基地局100が放送信号に重畳させる出力装置情報のデータ構成例を示す図である。図4(A)の例では、表示データaaa.txtとbbb.txtとccc.txtとddd.txtとについて、夫々表示画面とチャンネルとが対応付けて示されている。なおこれらの表示データは夫々放送信号に重畳されていてもよく、この場合にテレビ装置400は、チューナ401で表示データを受信する。あるいはテレビ装置400は、表示データを取得するためのアドレスをチャンネル毎に記憶し、チャンネルを選局した場合に当該アドレスから表示データを受信しても良い。
【0033】
またこれらのテキストデータは、例えばHTMLやCSS、JavaScript(登録商標)等の形式で記述されている。なお表示データのファイル形式はテキスト形式に限らない。また、テキストデータ以外の映像ストリームなども同様に出力装置情報に基づいて出力先の画面が判定され、判定結果に応じて出力される。即ち図4(A)の出力装置情報においては、放送波に重畳されている放送番組の映像ストリーム毎に、これらストリームの映像を表示させる画面についての情報が対応付けられていても良い。
【0034】
ここで、aaa.txtとccc.txtは夫々チャンネル1に関連する表示データであり、aaa.txtは第1画面用の表示データ、ccc.txtは第2画面用の表示データである。つまりテレビ装置400の表示データの表示設定が、図3の「受信装置と外部装置の両方」になっている場合、テレビ装置400はaaa.txtに基づいた映像を自装置の表示画面に表示させ、ccc.txtを情報端末500に送信して当該ccc.txtに基づいた映像を表示させる。
【0035】
また、テレビ装置400の表示設定が図3の「受信装置(第1画面)のみ」になっている場合、テレビ装置400はaaa.txtに基づいた映像を自装置の表示画面に表示させるが、ccc.txtを情報端末500に送信しない。そして、テレビ装置400の表示設定が図3の「外部装置(第2画面)のみ」になっている場合、テレビ装置400は、ccc.txtを情報端末500に送信して当該データの映像を表示させるが、aaa.txtに基づいた映像を自装置の表示画面に表示させない。
【0036】
また、bbb.txtとddd.txtは夫々チャンネル2に関連する表示データであり、bbb.txtは第1画面用の表示データ、ddd.txtは第2画面用の表示データである。しかし、bbb.txt及びddd.txtはaaa.txt及びccc.txtとは異なり、どちらも別画面に表示することが可能となっている。このため、例えばテレビ装置400の設定が、図3の「受信装置(第1画面)のみ」となっている場合、テレビ装置400にbbb.txtに基づいた映像とddd.txtに基づいた映像とを併せて表示させることができる。しかし制御部404は、必ずしもbbb.txtの映像とddd.txtの映像を併せて表示させるよう制御しなくとも良く、これらを併せて表示するか否かは例えばユーザからの操作入力に応じて設定してもよい。
【0037】
図4(B)の例において、出力装置情報は、図4(A)とは異なり、表示データのファイル名ではなくアドレスを格納している。制御部404は、図4(B)の出力装置情報が入力されると、現在選局して映像を表示しているチャンネルの表示データのアドレスを抽出し、通信部403を用いて当該アドレスからデータを取得する。そして制御部404は、取得したデータを当該出力装置情報と図3の表示設定画面による表示設定とに基づいた画面に表示させる。
【0038】
なお、図4(A)及び図4(B)に示す出力装置情報は、例えば1のチャンネルにおいて番組が切り替わる毎や番組のシーンが切り替わる毎に、表示データ毎のファイル名や表示先等の内容が更新されても良い。そして放送基地局100は、送信している番組や番組シーン毎に異なる好適な表示データを送信しても良い。
【0039】
図5は表示データのデータ構成例を示す図である。図4では、第1画面用と第2画面用の表示データが夫々異なるファイルとなっている場合を説明したが、第1画面用と第2画面用の表示データは図5(A)に示すようにひとつのファイル中に記述されていても良い。
【0040】
図5(A)に示す表示データのファイルには、第1画面用のデータP1と第2画面用のデータP2が含まれているとする。このファイルを通常のブラウザを用いて画面に表示させると、画面P10のように表示される。このとき画面P10には、第1画面用の画像P11と第2画面用の画像P12が配置される。なお画像P12は、データP2に含まれるアドレスが指定するWebページの内容を示すものである。
【0041】
そして本実施形態においては、制御部404は例えばiframe要素を第2画面用の表示データの識別子として認識する。即ち制御部404は、入力された表示データにインラインフレームであることを示す<iframe>及び</iframe>の文字列が含まれている場合、<iframe>と</iframe>とに挟まれている部分を第2画面用の表示データであると判別し、第1画面用と第2画面用の表示データを分離する。
【0042】
図5(B)は、制御部404により分離された第1画面用の表示データのデータ構成例と、当該表示データを用いて表示する画面の例である。図5(B)の表示データにおいてはインラインフレームの要素は削除されており、当該表示データを用いた表示画面は画面P20のようになる。
【0043】
図5(C)は、制御部404が生成した第2画面用の表示データのデータ構成例と、当該表示データを用いて表示する画面の例である。制御部404は、図5(A)の表示データから分離・抽出したインラインフレームを用いて新たなHTML文書を生成し、これを第2画面用の表示データとして設定する。当該表示データにおいては、インラインフレームの枠のサイズ等が指定されているため、表示される画面P30においては枠画像P31の中にWebページの内容が表示される。
【0044】
図5(D)は、制御部404が生成した第2画面用の表示データの他のデータ構成例と、当該表示データを用いて表示する画面の例である。制御部404は、図5(A)の表示データから分離・抽出したインラインフレームにsrc属性が存在する場合、「src=」の文字列に続く文字列からインターネットアドレスを抽出し、当該アドレスを第2画面用の表示データとして設定する。そして表示データを用いた表示画面においては、アドレスが指定するWebページの内容が画面P40の全体に表示される。なお、図5(C)及び図5(D)の何れの形態で表示させるかについては、ユーザの操作入力に基づいて設定することが可能である。
【0045】
なお、HTML等においては、インラインフレーム内部のスクリプトプログラムと、親ノード側のスクリプトプログラムはイベントシステムを通じて、メッセージング(データの受け渡し)が行われることがある。この場合に制御部404がインラインフレームを単に分離してしまうと、メッセージングができなくなることがある。このため制御部404は、生成する第1画面用のブラウザ部405向けのHTMLおよび、第2画面用のブラウザ部503向けのHTMLに、ブラウザ部405とブラウザ503との間でのメッセージングを補うスクリプト(JavaScript(登録商標))を生成し、埋め込んでもよい。
【0046】
図6は、テレビ装置400の表示部411を第1画面及び第2画面として設定した場合の表示画面例を示す図である。図6(A)に示す画面R10においては、第1領域R11と第2領域R13とが配置される。第1領域R11には、放送番組の映像と、第1画面用の表示データR12とが表示される。また第2領域R13には、第2画面用の表示データが表示される。なおテレビ装置100は、放送番組の映像を必ずしも第1領域R10に表示させずともよく、第2領域R13に表示させても良い。即ち、テレビ装置400は、PSI/SI情報に含まれる出力装置情報が示す画面に放送番組の映像を表示させることができる。
【0047】
図6(B)及び(C)に示す画面R20及びR30においては、第1画面と第2画面とが切り替え可能に表示され、また第1画面と第2画面とを切り替えるための切り替え画像R21及びR31が表示される。
【0048】
なお図6においては、第1画面用の表示データとして図5(B)に示した表示データを用い、第2表示用の表示データとして図5(D)に示した表示データを用いた場合を示したが、第1及び第2画面の表示に用いる表示データの形式は他の形式であってもよい。つまり、例えば第2画面に図5(A)の表示データを用いた画面を表示し、第1画面には放送番組の映像だけを表示させても良い。また第2画面の表示データとして図5(D)の形式ではなく図5(D)の形式のデータを用い、http://www.bbb.co.jpのアドレスから取得されるデータに基づいた画像を第2画面に表示させても良い。そして、何れの形式の表示データを用いて表示するかについてはユーザ操作に基づいて設定できる。
【0049】
図7は、テレビ装置400による表示設定に係る処理フロー例を示す図である。
まず表示部411は、図3に示した表示設定画面を表示する(S701)。続いて制御部404は、図示しない操作受付部へのユーザからの操作入力を受け付ける(S702)。そして制御部404は、当該操作入力に基づいて、表示データの映像を表示させる装置(画面)を設定し(S703)、当該フローは完了する。
【0050】
図8は、テレビ装置400による映像データ及び表示データ受信及び映像表示に係る処理フロー例を示す図である。
まずテレビ装置400は、表示画面に表示させるデータ(表示情報)、即ち映像データ及び表示データを受信する(S801)。ここでテレビ装置400は、例えば放送信号に重畳されたデータをチューナ401により受信しても良いし、或いはサーバ装置200が格納しているデータを通信部403により受信しても良い。ここで、テレビ装置400は、自装置の表示設定が図3の「受信装置(第1画面)のみ」になっている場合であって(S802の「受信装置のみ」)、S801で受信したデータに第1画面用のデータが含まれている場合(S803のYes)、第1画面用のデータを表示する(S804)。一方S803において第1画面用のデータが含まれていなかった場合(S803のNo)、図8のフローは完了する。
【0051】
また、S802においてテレビ装置400は、表示設定が図3の「外部装置(第2画面)のみ」又は「受信装置と外部装置の両方」となっている場合であって(S802の「外部装置のみ」「受信装置と外部装置」)、S801で受信したデータに第2画面用のデータが含まれる場合(S805のYes)、第1画面用のデータと第2画面用のデータを分離する(S806)。なお、ここで例えば図5に示したように、ひとつのファイル中から例えばiframe要素に囲まれた部分を分離させて第2画面用表示データとする場合、iframe要素の部分が削除された第1画面用表示データのレイアウトが崩れる恐れがある。このため制御部404は、削除したiframe要素の部分に対して例えばdiv要素等を挿入すること等によりレイアウトを揃えてもよい。
【0052】
続いてテレビ装置400は、自装置に外部装置が通信接続されているか否かを判別する(S807)。なおここでテレビ装置400は、例えば予め登録している外部装置が接続されているか否かを判別しても良い。そして、外部装置が接続されている場合(S807のYes)、テレビ装置400は、第2画面用のデータを外部装置(情報端末500)に送信する(S808)。そしてテレビ装置400は、表示設定が「受信装置と外部装置の両方」の場合S803の処理を実行し、表示設定が「外部装置(第2画面)のみ」の場合はフローを完了させる。
【0053】
一方、S807において外部装置が接続されていない場合(S807のNo)、テレビ装置400は、外部装置に送信できないデータを保存するか否かを選択する(S810)。なおテレビ装置400は、データ保存するか否かを例えば予めユーザ操作により設定し、当該設定に基づいてS810の選択を行っても良い。そしてデータ保存する場合(S810のYes)、テレビ装置400は第2画面用のデータを記憶部407に記憶させ(S811)、そうでない場合は第2画面用のデータを破棄する(S812)。そしてテレビ装置400は、第2画面用のデータを記憶した後に外部装置が接続された場合、記憶したデータを外部装置に送信しても良い。
【0054】
なお、本フローのS808において、例えば予め登録された外部装置が接続されていない場合、テレビ装置400は、第2画面用の画面データを図示しない通信サーバ経由で情報端末500に送信しても良い。即ち、情報端末500がホームネットワーク範囲外やテレビ装置400との直接通信範囲外に位置しているものの、移動体通信等のネットワーク圏内に位置している場合では、当該移動体通信の通信サーバ経由で第2画面用のデータを送信できることが好ましい。しかしながら通信料等が発生する場合もあるため、この場合に送信するデータの形式としては、図5(D)に示したアドレス形式のように、データサイズが小さいものが好ましい。そしてこの場合にテレビ装置400は、第2画面用のデータと情報端末500のアドレスとを通信サーバ宛に送信する。
【0055】
また本フローにおいては、基地局100やサーバ装置200等のテレビ装置外部から受けた表示データを分離してテレビ装置400と情報端末500とに表示させるための処理を中心に説明したが、テレビ装置400は自装置で記憶したデータを分離し、分離したデータを別々の装置に表示させてもよい。即ち、例えば図4の(B)のように、アドレスにより表示データを指定する場合等において、当該アドレスはテレビ装置400内のアドレスを指定してもよい。そしてこの場合に制御部404は、HTTPサーバ部406にアドレスを送信し、当該送信に対する応答として表示データを受け取る。
【0056】
次に図9を参照して、情報端末500による表示データの受信及び映像表示に係るフローを説明する。
まず情報端末500は、テレビ装置400から送信される、映像データや表示データ等のデータ(表示情報)を受信するか否かを決定する(S901)。なお情報端末500は、テレビ装置400からデータが送信された場合にユーザに問い合わせて操作入力を受けることにより当該決定を行ってもよいし、或いは予めデータを受信するか否かを設定していても良い。
【0057】
情報端末500は、データを受信すると(S902)、続いて当該データを表示するか否かを決定する(S903)。そして表示すると決定した場合には(S903のYes)、情報端末500はデータを表示する(S904)。一方、表示しない場合(S903のNo)、情報端末500は、受信したデータを保存するか否かを決定する(S905)。そして保存すると決定した場合(S905のYes)、情報端末500は受信したデータを記憶部504に記憶させ(S906)、保存しない場合はデータを破棄する(S907)。
【0058】
なお、本実施形態においては、受信装置が表示画面を備えるテレビ装置400であるとして説明しているが、受信装置は表示画面を備えていなくともよい。即ち実施形態の受信装置は、例えばセットトップボックスのように、放送信号やネットワーク信号を受信する機能を有し、外部表示装置に映像を出力する装置であっても良い。そしてこの場合に受信装置は、例えば当該外部表示装置の表示画面を第1画面、通信接続により接続される外部装置(情報端末500)の表示画面を第2画面として上記の実施形態の処理を実行しても良い。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0060】
100…放送基地局、200…サーバ装置、400…テレビ装置、401…チューナ、402…デマルチプレクサ、403…通信部、404…制御部、405…ブラウザ部、406…HTTPサーバ部、407…記憶部、408…映像デコード部、409…GUI処理部、410…表示処理部、411…表示部、500…情報端末、501…通信部、502…制御部、503…ブラウザ部、504…記憶部、505…映像デコード部、506…GUI処理部、507…表示処理部、508…表示部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9