(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記生成手段は前記服薬状況レポートに前記患者識別子に対応する患者から聞き取った前記医薬品の自覚症状のある副作用の情報を含めて生成することを特徴とする請求項3に記載の服薬情報提供装置。
前記取得された服薬情報に含まれた医薬品について、異なる医療機関において処方された医薬品の重複を判定する判定手段をさらに備え、前記送信手段は前記端末に前記医薬品の重複の判定結果を送信することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の服薬情報提供装置。
前記取得された服薬情報に含まれた医薬品について、副作用を生じる医薬品の有無を判定する手段をさらに備え、前記送信手段は前記端末に前記副作用を生じる医薬品の有無の判定結果を送信することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の服薬情報提供装置。
前記取得された服薬情報に含まれた医薬品について、慎重な投与が必要な医薬品の有無を判定する手段をさらに備え、前記送信手段は前記端末に前記慎重な投与が必要な医薬品の有無の判定結果を送信することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の服薬情報提供装置。
前記生成手段は前記服薬状況レポートに前記慎重な投与が必要な医薬品の有無の判定結果の情報を含めて生成することを特徴とする請求項10に記載の服薬情報提供装置。
前記取得された服薬情報に含まれた医薬品について、相互作用を生じる医薬品の有無を判定する手段をさらに備え、前記送信手段は前記端末に前記相互作用を生じる医薬品の有無の判定結果を送信することを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の服薬情報提供装置。
患者を識別する患者識別子と、医療機関識別子と、前記患者に対して調剤された医薬品の情報とを関連付けて記憶部に記憶した記憶手段とを備えたコンピュータにより実行される服薬情報提供方法であって、
前記記憶手段から、同一の患者識別子に関連付けられた所定の期間内の医薬品の情報および前記医薬品を処方した複数の医療機関の情報を取得するステップと、
前記取得された医薬品の情報および複数の医療機関の情報を含む服薬情報を端末へ送信し、前記医薬品の情報を、前記医薬品を処方した医療機関ごとにグループ化して表示させるステップと、
前記患者識別子に対応する患者から聞き取った情報に基づいて前記医療機関ごとに編集された前記服薬情報を前記端末から受信するステップと、
前記編集された服薬情報に基づいて、前記医療機関ごとに、前記医療機関が処方した医薬品の情報及び前記患者から聞き取った情報を含む服薬状況レポートを生成するステップと
を備えたことを特徴とする服薬情報提供方法。
患者を識別する患者識別子と、医療機関識別子と、前記患者に対して調剤された医薬品の情報とを関連付けて記憶部に記憶した記憶手段とを備えたコンピュータにより実行される服薬情報提供方法であって、
前記記憶手段から、同一の患者識別子に関連付けられた所定の期間内の医薬品の情報および前記医薬品を処方した医療機関の情報を取得するステップと、
前記取得された医薬品の情報および医療機関の情報を含む服薬情報を端末へ送信するステップと、
前記患者識別子に対応する患者から聞き取った情報に基づいて編集された前記服薬情報を前記端末から受信するステップと、
前記服薬情報に基づいて、前記医療機関ごとに、前記医療機関が処方した医薬品の情報及び前記患者から聞き取った情報を含む服薬状況レポートを生成するステップと
を備え、
前記編集された前記服薬情報は、前記患者識別子に対応する患者から聞き取った自覚症状のある副作用の情報を含み、
前記同一の患者識別子に関連付けられた所定の期間内の医薬品の情報のうちから、自覚症状のある副作用に対応する医薬品の情報を特定するステップと、
前記特定された医薬品の情報を前記端末に表示させるステップと
をさらに備えたことを特徴とする服薬情報提供方法。
患者を識別する患者識別子と、医療機関識別子と、前記患者に対して調剤された医薬品の情報とを関連付けて記憶部に記憶した記憶手段とを備えたコンピュータにより実行される服薬情報提供方法であって、
前記記憶手段から、同一の患者識別子に関連付けられた所定の期間内の医薬品の情報および前記医薬品を処方した医療機関の情報を取得するステップと、
前記取得された服薬情報に含まれた医薬品について、異なる医療機関において処方された医薬品の重複を判定するステップと、
前記取得された医薬品の情報および医療機関の情報を含む服薬情報を端末へ送信するステップであって、前記服薬情報は前記医薬品の重複の判定結果を含む、ステップと、
前記患者識別子に対応する患者から聞き取った情報に基づいて編集された前記服薬情報を前記端末から受信するステップと、
前記服薬情報に基づいて、前記医療機関ごとに、前記医療機関が処方した医薬品の情報及び前記患者から聞き取った情報を含む服薬状況レポートを生成するステップと
を備え、
前記記憶手段は、前記医薬品の情報と傷病名の情報とを対応付けた第1の情報と、前記患者の傷病名と診療開始日とを対応付けた第2の情報とをさらに記憶しており、
前記重複すると判定された医薬品の情報に対応する傷病名の情報を、前記第1の情報に基づいて特定するステップと、
前記特定された傷病名に対応する診療開始日を、前記第2の情報に基づいて特定するステップと、
前記重複すると判定された医薬品を処方した医療機関のうち、最先の診療開始日に対応する医療機関以外の医療機関に対し、前記重複すると判定された医薬品の処方を中止するよう通知するステップと
をさらに備えたことを特徴とする服薬情報提供方法。
患者を識別する患者識別子と、医療機関識別子と、前記患者に対して調剤された医薬品の情報とを関連付けて記憶した記憶手段とを備えたコンピュータにより実行される服薬情報提供方法であって、
前記記憶手段から、同一の患者識別子に関連付けられた所定の期間内の医薬品の情報および前記医薬品を処方した複数の医療機関の情報を取得するステップと、
前記取得された医薬品の情報および複数の医療機関の情報を含む服薬情報を、前記医薬品を処方した医療機関ごとにグループ化して表示するステップと、
前記患者識別子に対応する患者から聞き取った情報に基づいて前記表示された服薬情報を前記医療機関ごとに編集するステップと、
前記編集された服薬情報に基づいて、前記医療機関ごとに、前記医療機関が処方した医薬品の情報及び前記患者から聞き取った情報を含む服薬状況レポートを生成するステップと
を備えたことを特徴とする服薬情報提供方法。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0041】
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る服薬情報提供システム100の全体像を概略的に示す図である。
【0042】
同図に示すように、本実施形態に係る服薬情報提供システム100は、保険者サーバ102と、審査支払機関サーバ103と、服薬情報提供装置104と、医師用端末114とを含む。
【0043】
保険者サーバ102は、市町村や健康保険組合等の保険者によって操作および管理されるサーバコンピュータであり、審査支払機関から提供されるレセプト(診療報酬明細書)の情報を記憶し、その管理を行う。
【0044】
ここで、「レセプト」とは、患者が受けた保険診療に対して医療機関が作成する医療報酬の明細書であり、医科により作成される医科レセプト、歯科により作成される歯科レセプト、薬局による調剤に応じて作成される調剤レセプト、傷病名と診療行為との組み合わせの分類をもとに1日当たりの包括診療部分の医療費が決められる計算方式に基づくDPCレセプトを含むことができる。
【0045】
また、「医療機関」とは、保険診療を行う医科および歯科、ならびに医療機関が発行した処方箋に基づいて医薬品の調剤を行う保険薬局を含むことができる。
【0046】
また、「審査支払機関」とは、支払基金と国保中央会とを含む。
【0047】
服薬情報提供装置104は、保険者サーバ102または審査支払機関サーバ103に記憶されたレセプトの情報に基づいて服薬状況レポート112を作成するサーバコンピュータである。保険者サーバ102または審査支払機関サーバ103に記憶されたレセプトの情報は、服薬情報提供装置104のオペレータに郵送で提供され、オペレータにより服薬情報提供装置104に入力される。あるいは、服薬情報提供装置104は総合行政ネットワーク(LGWAN)に接続され、当該LGWANを介して保険者サーバ102または審査支払機関サーバ103からレセプトの情報を受信する。ここで、「服薬」とは医薬品を服用することを意味し、内服薬と外用薬の服用のいずれをも含む。服薬状況レポートは画像データとして生成され、紙等の印刷媒体に印刷して、例えば薬剤を処方したかかりつけの医師108に郵送される。あるいは、服薬状況レポートは被保険者である患者に提供してもよい。また、服薬状況レポートの画像データは、医師108の所有する医師用端末114に表示のために送信してもよく、さらには調剤薬局の薬局用端末110に表示のために提供することとしても良い。
【0048】
審査支払機関サーバ103は、審査支払機関(社会保険診療報酬支払基金(支払基金)または国民健康保険団体連合会(国保連))によって操作および管理されるサーバコンピュータであり、医療機関から提供されるレセプトの情報を記憶し、その管理を行う。審査支払機関サーバ103は、LGWANを通じて保険者サーバ102および服薬情報提供装置104に接続される。服薬情報提供装置104は服薬情報分析サーバ118および服薬情報提供サーバ120を含んでいる。服薬情報分析サーバ118は後述する医薬品の重複判定等の分析処理を行う。服薬情報提供サーバ120は後述する服薬状況レポートの生成や薬局用端末110へ提供する画面の生成等を行う。
【0049】
薬局用端末110は薬剤師115により操作されるコンピュータであり、例えば患者からヒアリングした情報や患者から提示される患者識別子117が入力される。薬局用端末110に入力された情報は服薬情報提供装置104に送信され得る。
【0050】
ここで、患者識別子117は2次元バーコードにより構成して患者に提供することとしてもよい。例えば、患者識別子117は、保険者等から患者に提供される通知書116に含めておくことができる。この場合、通知書116は患者ごとに服薬情報を記載した服薬情報通知書とすることができる。通知書116を受け取った患者は、薬局で当該通知書を提示し、薬局では当該通知書内の患者識別子117をバーコードリーダ等の入力手段により読み取って、薬局用端末に入力することとしてもよい。
【0051】
あるいはまた、患者識別子117として個人識別コード等の他の識別情報を用いることとしてもよい。
【0052】
薬局用端末110、医師用端末114、保険者サーバ102、服薬情報提供装置104の機能の全てまたは一部分は、本発明に係る服薬情報提供方法または服薬情報提供装置を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することとしてもよい。
【0053】
ここで、「コンピュータシステム」は、単一のコンピュータによって実装しても良く、ネットワークに接続された複数のコンピュータによって実現することとしても良い。また、コンピュータ読取可能な記憶媒体は、揮発性および不揮発性のいずれの媒体をも含む。
【0054】
図2は、本実施形態に係る服薬情報提供装置104の機能構成を概略的に示す機能ブロック図である。服薬情報提供装置104は、少なくとも、通信部202、レセプト取得部204、レポート作成部206、表示部208、入力部210、および記憶部224がバス228を介して電気的に接続され、種々の情報を相互に送受信することができるように構成されている。
【0055】
通信部202は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等の通信ネットワークに接続され、外部のコンピュータと情報の送受信を行うものである。
【0056】
また、通信部202は、印刷装置に接続され、服薬情報提供装置104により作成された服薬状況レポートの画像データを当該印刷装置に送信し印刷させる機能を有する。通信部202は、具体的には所定の通信プロトコルに準拠した通信インタフェース等により構成される。
【0057】
レセプト取得部204は、記憶部224からレセプトおよび当該レセプトに関連する種々の情報を取得するために構成される。
【0058】
レポート作成部206は、レセプト取得部204により取得された情報に基づいて服薬状況レポートを作成するために構成される。
【0059】
レセプト取得部204およびレポート作成部206は具体的には、演算処理装置として構成される。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMCU(Micro Control Unit)等を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0060】
表示部208は、服薬情報提供装置104の演算処理装置により作成された画像を生成して表示するものであり、液晶ディスプレイ等により構成される。
【0061】
入力部210はオペレータにより情報を入力するためのものであり、キーボード、マウス、タッチパネル・ディスプレイ等により構成される。
【0062】
記憶部224は、種々のレセプトデータを記憶したレセプトDB(Data Base)212、患者データを記憶した患者DB214、病院医療機関データおよび薬局医療機関データを記憶した医療機関マスタ216、医薬品データを記憶した医薬品マスタ218、傷病名データを記憶した傷病名マスタ220、症状ごとに一般名コードおよび分類コードを記憶した症状マスタ230、本発明に関わる機能を実現するためのコンピュータプログラムを記憶したプログラム記憶部222、および情報処理に用いられるデータを記憶するデータ記憶部226を含む。
【0063】
以下、記憶部224に記憶されるデータの詳細について説明する。
【0064】
図3は、レセプトDB212に記憶される医科レセプトデータの例を示す図である。医科レセプトデータは、区分と、名称と、値とが対応付けられたデータである。
【0065】
区分は、頭書き、傷病名、摘要の情報を含むことができる。
【0066】
頭書きは、患者に関する情報であり、診療年月、都道府県コード、病院医療機関コード、点数表コード、保険種別、本人・家族、保険者番号、被保険者証記号、被保険者証番号、氏名、性別、生年、生月、生日を含むことができる。
【0067】
診療年月は患者が診療を受けた年および月を示す。医薬品が病院内で調剤された場合には、診療年月が調剤を行った年月となる。
【0068】
都道府県コードは医療機関の所在地である都道府県を識別する。
【0069】
病院医療機関コードは、患者が診療を受けた医療機関を識別する。
【0070】
点数表コードは点数の計算に用いる点数表の番号を示し、例えば 医科レセプトの場合は「1」、歯科レセプトの場合は「3」、調剤レセプトの場合は「4」である。同一の病院に医科と歯科が併存する場合は、それぞれ別のコードが与えられる。
【0071】
保険種別は国民健康保険、後期高齢者医療等の保険の種別を特定する。
【0072】
本人・家族、保険者番号、被保険者証記号、被保険者証番号、氏名、性別、生年、生月、生日は診療を受けた患者に関する個人の情報が記録される。
【0073】
傷病名は、傷病名コードを含む。傷病名コードは、例えばレセプト電算処理用コードやICD10分類コードを含むことができる。
【0074】
摘要は、算定日情報を含む診療行為レコード、医薬品レコード、特定器材レコード、コメントレコードから構成される。診療行為レコードは、患者が受けた診療の診療識別(診療識別コード)、診療行為コード、数量、点数、および回数等に関する情報を含む。ここで、医科レセプトの診療識別は、以下のコード番号と対応付けられている。
【0076】
上記の表に示すように、診療識別の20番台は院内処方が行われたことを示し、30番台は医薬品の院内投与が行われたことを示す。また、診療識別の14番は在宅患者訪問診療等を識別するものであり、20番台と同様に院内処方に含めて分類することとしてもよい。本実施形態では、この診療識別を使用して院内処方、院内投与を判断するが、その具体的処理については後述する。
【0077】
医薬品レコードは、診療識別、医薬品コード、使用量、点数、回数、算定日情報等を含む。ここで、算定日情報は、医薬品コードごとに、1日の情報から31日までの情報が対応付けられている。日毎の情報は、医薬品コードに対応する医薬品を処方した回数が記録される。従って、医薬品レコードの医薬品コードに対応付けられた算定日情報を参照することにより、当該医薬品コードに対応する医薬品を処方した日を確認することができる。さらに、院内処方の場合は、医薬品を処方した日を調剤した日と判断することができる。
【0078】
特定器材レコードは、診療識別、特定器材コード、使用量、点数、回数等に関する情報を含む。コメントレコードは、診療識別、コメントコード、文字データ等に関する情報を含む。摘要に含まれる種々のコードには、例えばレセプト電算処理用コードを使用することができる。
【0079】
図4は、レセプトDB212に記憶される調剤レセプトデータの例を示す図である。調剤レセプトのデータ構成は、区分「頭書き」については医科レセプトとほぼ同様であるが、処方箋を発行した病院等の病院医療機関コードに加えて薬局の薬局医療機関コードが設定される点、および区分「傷病名」が無い点において相違する。
【0080】
また、区分「摘要」は、処方基本レコード、調剤情報レコード、医薬品レコード、特定器材レコード、コメントレコード、摘要欄レコード、基本料・薬学管理レコード、および分割技術料レコードから構成される。処方基本レコードには医薬品の剤形と用法に関する情報(剤形コード、用法コード等)が記録される。調剤情報レコードには処方月日、調剤月日、調剤数量、調剤行為コードが記録される。ここで、調剤行為コードには、かかりつけ薬剤師指導料・かかりつけ薬剤師包括管理料が含まれる。医薬品レコードには医薬品コード、使用量が記録される。特定器材レコードには特定器材の情報が記録される。コメントレコードにはコメントが記録される。摘要欄レコードには摘要情報が記録される。基本料・薬学管理料レコードには調剤基本料、薬学管理料が記録される。分割技術料レコードには、分割対象点数、分割技術料が記録される。
【0081】
調剤情報レコードの処方月日は、医薬品が処方された月日を特定する。また、調剤月日は、医薬品が調剤された月日を特定する。従って、摘要の医薬品コードに対応付けられた調剤月日の情報を参照することにより、当該医薬品コードに対応する医薬品を調剤した日を確認することができる。
【0082】
図5は、患者DB214に記憶される患者データの例を示す図である。同図に示すように、患者データは、被保険者証記号、被保険者証番号、および氏名が対応付けられている。被保険者証記号および被保険者証番号は、健康保険証に記載されている記号および番号である。氏名には患者の氏名の文字列が記録される。
【0083】
図6は、医療機関マスタ216に記憶される病院医療機関データおよび薬局医療機関データの例を示す図である。病院医療機関データは、
図6(a)に示すように、病院医療機関コードと病院名とが対応付けて記録される。病院医療機関コードは、診療を行う病院、診療所、及び歯科等の医療機関コードが記録される。病院名には、診療を行った医療機関の名称を示す文字列が記録される。薬局医療機関データは、
図6(b)に示すように、薬局医療機関コードと薬局名とが対応付けられている。薬局医療機関コードは調剤を行う薬局の医療機関コードが記録される。薬局名には、調剤を行った薬局の名称を示す文字列が記録される。
【0084】
図7は、医薬品マスタ218に記録される医薬品データの例を示す図である。医薬品データは、医薬品コードと、一般名コードと、医薬品名と、備考とが対応付けられている。医薬品コードは、レセプト電算処理システム用コード、薬価単位に設定されている薬価基準収載医薬品コード、および統一名収載品目の個々の商品に対して付与される個別医薬品コード(YJコード)のいずれを使用することもできるが、これらに限定されるものではない。医薬品名には、医薬品の名称を示す文字列が記録される。一般名コードは医薬品を成分や剤形毎に分類したコードである。後発医薬品(ジェネリック医薬品)の領域には、対応する医薬品が後発医薬品であるかを示すフラグが記録される。具体的には、後発品の場合は0、後発医薬品以外は1が設定される。備考には剤形等の情報が記録される。
【0085】
図8は、傷病名マスタ220に記録される傷病名データの例を示す。傷病名データは、傷病名コードと、傷病名と、分類コードが対応付けて記録される。傷病名コードはレセプト電算処理用コードを使用することができる。傷病名には、傷病名を示す文字列が記録される。分類コードは傷病名を分類するためのコードである。
【0086】
次に、
図9に示すフロー図を参照し、本実施形態に係る服薬情報提供システム100により実行される方法の手順について説明する。以下の説明において、服薬情報提供装置104は、レセプトDB212から指定された同一の患者識別子に関連付けられた所定の期間内の医薬品の情報および医薬品を処方した医療機関の情報を取得する。服薬情報提供装置104は、取得された医薬品の情報および医療機関の情報を含む服薬情報を薬局用端末110へ送信する。次いで、薬局用端末110から、編集された服薬情報を受信する。ここで、編集された服薬情報は、患者識別子に対応する患者から聞き取った情報を含む。そして、服薬情報提供装置104は、服薬情報に基づいて、医療機関ごとに、医療機関が処方した医薬品の情報及び患者から聞き取った情報を含む服薬状況レポートを生成する。
【0087】
他方、薬局用端末110は、患者を識別する患者識別子を入力する。次いで、薬局用端末110は、入力部から入力された患者識別子を服薬情報提供装置104に送信する。次いで、服薬情報提供装置104から、患者識別子に関連付けられた所定の期間内の医薬品の情報および医薬品を処方した医療機関の情報を含む服薬情報を受信する。次いで、受信部により受信された服薬情報を表示部に表示する。そして、患者から聞き取った情報に基づいて表示部に表示された服薬情報を編集する。
【0088】
具体的には、ステップS902において、薬局用端末110は、患者識別子の入力を受ける。患者識別子として、例えば被保険者証記号と被保険者証番号との組み合わせを用いることができるが、本発明はこれに限定されるものではなく、患者を識別するための任意の情報を用いることができる。ここで、患者識別子は2次元バーコードとして構成されてもよい。例えば、当該2次元バーコードが印刷されたはがきを保険者から患者へ郵送し、この用紙を患者が薬局へ持参し、薬局においてこの用紙の2次元バーコードをバーコードリーダで読み取って、薬局用端末110に入力することとしてもよい。
【0089】
ついで、ステップS904に進み、薬局用端末110から服薬情報提供装置104に患者識別子を送信する。服薬情報提供装置104は、受信した患者識別子に基づいて患者の服薬に関する情報(服薬情報)を生成し、薬局用端末110に返信する。薬局用端末110は、受信した服薬情報を表示する。
【0090】
なお、薬局用端末110において、個人識別コード(第1の患者識別子)と、被保険者証記号と被保険者証番号との組み合わせ(第2の患者識別子)とを対応付けた表を記憶しておき、第1の患者識別子の入力を受けた場合に対応する第2の患者識別子を取得して、これを服薬情報提供装置104に送信することとしても良い。
【0091】
ステップS906〜S910において、薬剤師は、薬局用端末110の表示部に表示された服薬情報を閲覧しながら、患者から服薬情報についての聞き取りを行い、聞き取った情報を薬局用端末110に入力する。まず、ステップS906において、薬剤師は薬局用端末110を操作して、表示部に最近の処方の編集画面を表示し、患者から最近の処方の聞き取りを行い、薬局用端末110に入力する。次いで、ステップS908において、薬剤師は薬局用端末110を操作して、表示部に残薬の編集画面を表示し、残薬の状況の聞き取りを行う。残薬は、患者が薬剤を飲み忘れたり、多種類の薬剤を処方されて適切に服用できなかったりした場合などに生じる薬の飲み残しの種類または数の情報を含み得る。
【0092】
次いで、ステップS910において、薬剤師は薬局用端末110を操作して、表示部に副作用の編集画面を表示し、患者から副作用を含む自覚症状の訴えについての聞き取を行い、聞き取った情報を薬局用端末110に入力する。自覚症状に係る訴えの情報は、患者の服薬に伴い自覚するふらつきや転倒等の症状を含み、その症状は患者が副作用として認識しているか否かを問わない。
【0093】
ここで、患者から聞き取った自覚症状の情報を薬局用端末110から服薬情報提供装置104に送信し、服薬情報提供装置104では受け取った情報に基づいて、当該自覚症状に関連する可能性のある医薬品を判定し、薬局用端末110に提示することとしてもよい。この処理の具体例は後述する。
【0094】
次に、ステップS912において、薬剤師は薬局用端末110を操作して、表示部に医薬品の重複の確認画面を表示し、必要に応じてコメントを薬局用端末110に入力する。次いで、ステップS914において、薬剤師は薬局用端末110を操作して、表示部に相互作用の確認画面を表示し、必要に応じてコメントを薬局用端末110に入力する。次いで、ステップS916において、薬剤師は薬局用端末110を操作して、表示部に慎重投与状況の確認画面を表示し、必要に応じてコメントを薬局用端末110に入力する。さらに、ステップS918において、所見の入力画面を表示し、必要に応じて所見を薬局用端末110に入力する。薬局用端末110に入力された情報は、ステップS920において服薬情報提供装置104に送信される。服薬情報提供装置104は、受信した情報に基づいて服薬状況レポートを生成し、薬局用端末110に接続された印刷装置に服薬状況レポートを送信して印刷を行わせる等の出力処理を行う。ここで、服薬情報提供装置104は薬局用端末110に、服薬状況レポートの対象となった医療機関の診療科および医師名と、服薬状況レポートの出力ボタンとを対応させた一覧表示させる。薬剤師は所望の出力ボタンを押下して対応する服薬状況レポートの生成を指示する。服薬情報提供装置104は薬局用端末110からの指示に応答して服薬状況レポートのファイルを生成し、薬局用端末110へ返送する。薬剤師は服薬状況レポートのファイルを開いて印刷した後、ファクシミリで医療機関に送付する。あるいは、薬剤師は服薬状況レポートを電子メールで医療機関に送付する。
【0095】
次に、
図10〜19を参照し、上述した
図9の各ステップの具体的な動作について説明する。
【0096】
図10は、
図9のステップS904において、服薬情報提供装置104および薬局用端末110により実行される服薬情報の取得および表示方法の手順を示すフローチャートである。ステップS1002において、服薬情報提供装置104は、受信した患者識別子に対応する患者の名前等の情報を患者DB214から取得する。次いで、ステップS1004に進み、患者識別子に対応する患者のレセプトのうち、所定の期間内、例えば1箇月以内に発行されたものをレセプトDB212から取得する。ここで、次いで、医薬品マスタ218を参照し、患者のレセプトに含まれている医薬品コードに対応する医薬品の情報を取得する。
【0097】
次いで、ステップS1006に進み、患者に対して異なる医療機関で発行されたレセプトについて、処方された医薬品の重複の有無を判定する。
【0098】
次いで、ステップS1008に進み、患者に対して発行されたレセプトについて、相互作用を生じる医薬品の有無を判定する。
【0099】
次いで、ステップS1010に進み、患者に対して発行されたレセプトについて、慎重な投与を必要とする医薬品の有無を確認する。
【0100】
そして、ステップS1012において、処方された医薬品の副作用の有無を判定する。
【0101】
次に、
図11を参照し、ステップS1006において行われる医薬品の重複の判定処理について説明する。本実施形態では、医薬品コードとして薬価基準収載医薬品コードを使用する。例として、メトレート錠2mgの薬価基準収載医薬品コードを以下に示す。
3999 016 F 1 02 2
【0102】
このコードは、以下のような情報から構成される。
薬効分類:3999
成分:016
剤形:F
規格単位番号:1
銘柄別番号:02
チェックディジット:2
【0103】
このコードを採用する場合は、以下のようにして重複を確認する方法を採用することができる。
【0104】
薬価基準収載医薬品コードは上位7桁によって日本標準商品分類コード(薬効)、成分を識別し、上位8桁以降によって剤形、規格単位番号、銘柄等が識別される。そこで、異なる医療機関が発行したレセプトについて、対象となる医薬品の処方開始日から投与日数の期間を投与期間として、投与期間の重複があるかを判定する。さらに、当該コードの上7桁のみを突き合わせて重複を判定することによって、同様の成分で異なる銘柄の医薬品を検出することができる。
【0105】
ステップS1110において、レセプトから1つの医薬品コードを取得する。
【0106】
ついで、ステップS1114において、対象となる薬剤の処方開始日から投与日数の期間を投与期間として、投与期間の重複があるかを判定する。さらに、取得された医薬品コードと、取得されたレセプト内の他の医薬品コードとを突き合わせる。
【0107】
ついで、ステップS1116において、突合せの結果一致した医薬品コードが見つかったか否かを判定する。
【0108】
ステップS1116において一致した医薬品コードが見つかったと判定した場合、ステップS1118へ進み、当該医薬品コードをデータ記憶部226に記憶し、ステップS1320へ進む。一方、ステップS1116において一致した医薬品コードが見つからなかったと判定した場合、直接ステップS1120に進む。
【0109】
ステップS1120において、選択した医薬品コードを次回の突合せから除去する。
【0110】
以上の処理を、患者のレセプトに含まれた全ての医薬品コードについて繰り返し(ステップS1108〜ステップS1122)、医薬品の重複の判定処理を終了する。
【0111】
上述した実施形態では、医薬品コードとして薬価基準収載医薬品コードを使用した場合、重複した医薬品コードがあるか否かを判定することによって、同一または類似の成分を有する医薬品を検出することが可能となる。しかしながら、医薬品コードとして薬価基準収載医薬品コード以外のコードを使用した場合、異なる医薬品コードであっても同一または類似の成分を有する医薬品が存在し得る。そこで、薬価基準収載医薬品コード以外のコードを使用した場合の重複判定処理について、以下に説明する。
【0112】
本実施形態に係る服薬情報提供装置104の記憶部224には、類似医薬品マスタが記憶される。
図12は、本実施形態に係る類似医薬品マスタに含まれる類似医薬品データの例を示す。同図に示すように、類似医薬品マスタは、1つの医薬品コードに、同一または類似の成分を有する1つまたは複数の医薬品の医薬品コード(類似医薬品コード)が対応付けられている。
【0113】
また、服薬情報提供装置104のデータ記憶部226には、本実施形態において見つけられた類似する医薬品の医薬品コードを記憶する領域が設けられ、以下の処理においてこの領域が使用される。
【0114】
図13は、上記のように構成された服薬情報提供装置104により実施される医薬品の重複の確認処理を示す。この処理は、
図11に示す医薬品の重複の判定処理に代えて行うことができる。ステップS1310において、類似医薬品マスタ1312を検索し、レセプトから選択された1つの医薬品コードに対応する類似医薬品コードを選択する。
【0115】
ついで、ステップS1314において、対象となる薬剤の処方開始日から投与日数の期間を投与期間として、投与期間の重複があるかを判定する。さらに、取得されたレセプト内の他の医薬品コードと、取得された類似医薬品コードとを突き合わせる。
【0116】
ついで、ステップS1316において、突合せの結果一致した医薬品コードが見つかったか否かを判定する。
【0117】
ステップS1316において一致した医薬品コードが見つかったと判定した場合、ステップS1318へ進み、当該医薬品コードをデータ記憶部226に記憶し、ステップS1320へ進む。一方、ステップS1316において一致した医薬品コードが見つからなかったと判定した場合、直接ステップS1320に進む。
【0118】
ステップS1320において、選択した医薬品コードを次回の突合せから除去する。
【0119】
以上の処理を、患者のレセプトに含まれた全ての医薬品コードについて繰り返す(ステップS1308〜ステップS1322)。
【0120】
以上説明した処理によれば、同一または類似の成分を有する服薬情報を提供することができる。
【0121】
次に、
図10のステップS1008において行われる相互作用判定について説明する。服薬情報提供装置104から薬局用端末110に提供される情報により、相互作用を生じ得る医薬品の情報を提供するため、服薬情報提供装置104の記憶部224には、相互作用マスタを記憶する。
図14は、本実施形態に係る相互作用マスタに含まれる相互作用データの例を示す図である。同図に示すように、相互作用データは、医薬品コードと、相互作用医薬品コードと、備考とが対応付けられている。相互作用医薬品コードには、左欄の医薬品コードに対応する医薬品と相互作用を生じ得る1種以上の医薬品コードが記録される。右欄の備考には、具体的な相互作用の内容を記録することができる。
【0122】
また、本実施形態において用いられるデータ記憶部226には、相互作用を生じ得る医薬品の医薬品コードを記憶する領域が設けられ、以下の処理において使用される。
【0123】
図15は、上記のように構成された服薬情報提供装置104により実施される相互作用判定の手順を示すフローチャートである。ステップS1702において、相互作用マスタ1704を検索し、レセプトから選択された1つの医薬品コードに対応する相互作用医薬品コードを取得する。
【0124】
ついで、ステップS1706において、取得されたレセプト内の他の医薬品コードと、取得された相互作用医薬品コードとを突き合わせる。
【0125】
ついで、ステップS1708において、突合せの結果一致した医薬品コードが見つかったか否かを判定する。
【0126】
ステップS1708において一致した医薬品コードが見つかったと判定した場合、ステップS1710に進み、一致した医薬品コードをデータ記憶部226に記憶し、ステップS1712へ進む。一方、ステップS1708において一致した医薬品コードが見つからなかったと判定した場合、直接S1712に進む。
【0127】
ステップS1712において、選択した医薬品コードを次回の突合せから除去する。
【0128】
以上の処理を、患者のレセプトに含まれた全ての医薬品コードについて繰り返す(ステップS1701〜ステップS1714)。
【0129】
以上説明した処理によれば、相互作用が生じ得る医薬品の情報を提供することができる。
【0130】
次に、
図10のステップS1010において行われる慎重投与判定について説明する。服薬情報提供装置104から薬局用端末110に提供される情報により、慎重投与が必要とされる医薬品を薬局用端末110に表示させるため、服薬情報提供装置104は、その記憶部224に、慎重投与マスタを記憶する。
図16は、本実施形態に係る服薬情報提供装置104の慎重投与マスタに含まれる慎重投与データの例を示す。同図に示すように、本実施形態に係る慎重投与データには、慎重投与医薬品コードと、備考とが対応付けられている。慎重投与医薬品コードは、例えば「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」で慎重投与薬に指定されている医薬品の医薬品コードが記録される。また、慎重投与医薬品コードは、医薬品の添付文書に記載された内容、例えば「原則禁忌」、「慎重投与」、ならびに高齢者、妊婦および小児等の「特定の背景を有する患者に関する注意」等に関する情報が記載された医薬品の医薬品コードが記録されてもよい。
【0131】
また、本実施形態において用いられるデータ記憶部226には、慎重な投与が必要な医薬品の医薬品コードを記憶するための領域が設けられ、以下の処理において使用される。
【0132】
次に、
図17のフローチャートを参照し、慎重投与判定の手順について説明する。
【0133】
ステップS1402において、慎重投与マスタ1404を検索し、レセプト情報から取得された医薬品コードと、慎重投与データに記憶された慎重投与医薬品コードとを突き合わせる。次いで、ステップS1406において、いずれかの慎重投与医薬品コードと一致した医薬品コードがある場合は、ステップS1408に進み、一致した医薬品コードをデータ記憶部226に記憶する。以上の処理を、患者のレセプトに含まれた全ての医薬品コードについて繰り返す(ステップS1401〜S1409)。
【0134】
以上説明したように、本実施形態によれば、慎重投与が必要な医薬品の情報を提供することができる。
【0135】
次に、ステップS1012において行われる患者の副作用の判定について説明する。服薬情報提供装置104から薬局用端末110に提供される情報により、副作用を生じ得る医薬品の情報を提供するため、服薬情報提供装置104の記憶部224に、副作用マスタを記憶する。
図18は、本実施形態に係る副作用マスタに含まれる副作用データの例を示す図である。同図に示すように、副作用データは、副作用医薬品コードと、副作用を特定する副作用コードと、備考とが対応付けられている。副作用医薬品コードには、副作用を生じ得る1種以上の医薬品コードが記録される。右欄の備考には、具体的な副作用の内容、例えば「食欲低下」、「ふらつき・転倒」等の情報や医薬品の添付文書の記載内容を記録することができる。
【0136】
また、本実施形態において用いられるデータ記憶部226には、副作用医薬品コードを記憶する領域が設けられ、以下の処理において使用される。
【0137】
図19は、上記のように構成された服薬情報提供装置により実施される副作用判定の手順を示すフローチャートである。
【0138】
ステップS2106において、レセプト内の1つの医薬品コードと、副作用マスタ2108内で特定された副作用医薬品コードとを突き合わせる。
【0139】
ついで、ステップS2110において、突合せの結果一致した医薬品コードが見つかったか否かを判定する。
【0140】
ステップS2110において一致した医薬品コードが見つかったと判定した場合、ステップS2112に進み、一致した医薬品コードをデータ記憶部226に記憶する。
【0141】
以上の処理を、患者のレセプトに含まれた全ての医薬品コードについて繰り返す(ステップS2102〜ステップS2114)。
【0142】
以上説明した処理によれば、副作用を生じ得る医薬品の情報を提供することができる。
【0143】
このように、服薬情報提供装置104は、
図9のステップS904において、
図10に示す処理を行った後、患者の服薬情報を返信する。この際、服薬情報中に含まれている医薬品の情報に、重複があることを示す情報、相互作用を生じる医薬品が含まれていることを示す情報、慎重な投与が必要な医薬品であることを示す情報、および副作用の情報を対応付けた服薬情報の画像を生成して、薬局用端末110に返信する。これらの情報の対応付けは、
図11、13、15、17および19に示したフローにおいて、データ記憶部226に記憶された医薬品コードに基づいて行われる。
【0144】
次に、
図20〜28を参照し、薬局用端末110の表示部に表示される画像の例について説明する。
【0145】
図20は、ステップS904において薬局用端末110に表示される服薬情報の例を示す図である。
【0146】
同図に示すように、患者の情報を表示するための領域1802には、患者DB214から取得された情報が表示される。
【0147】
また、服薬情報を表示する領域1804に、レセプトを発行した医療機関、調剤した医療機関ごとに、医薬品の情報が表示される。医薬品の情報は、医薬品マスタ218から取得された医薬品名、医薬品レコードから取得された数量、回数、調剤日、剤形(内服・外用)の情報を含む。ここで、医薬品の情報は、
図20に示すように用法ごとにグループ化して表示することとしてもよい。この場合、医薬品の情報は、例えば調剤レセプトデータの処方基本レコードに含まれた用法コードごとにグループ化することとしてもよい。
図20に示す例では、1日3回食前服用、1日3回食後服用、1日2回朝昼食前服用に該当する医薬品を、それぞれグループ化して表示されている。
【0148】
また、
図20に示す例では、医薬品の名称に対応付けて、後発医薬品であることを示す情報を表示する領域1814、重複があることを示す情報を表示する領域1806、相互作用を生じる医薬品が含まれていることを示す情報を表示する領域1808、および慎重な投与が必要な医薬品であることを示す情報を表示する領域1810が含まれており、それぞれ該当する医薬品に丸印もしくは、医薬品同士の関連性を示す番号が表示されている。
【0149】
ここで、後発医薬品であることを示す情報は、医薬品マスタ218内の後発医薬品であるかを示すフラグに基づいて表示される。
【0150】
また、服薬情報に表示される丸印等の情報は、
図21に示すように薬局用端末110の入力装置を使用して選択可能なリンクとして構成されてもよい。この場合、服薬情報提供装置104は、このリンクが選択された際に、薬局用端末110に表示させるべき情報を併せて返信するものとすることができる。
図21に示す例では、リンクを選択することにより対応する情報を含むウインドウの画像を表示させている。
【0151】
重複した医薬品があることを示すリンクが選択された場合、ウインドウに表示させる情報は、予め登録したメッセージとすることができる。また、相互作用を生じる医薬品が含まれていることを示すリンクが選択された場合、ウインドウに表示させる情報を、相互作用マスタに含まれている備考の情報とすることができる。また、慎重な投与が必要な医薬品であることを示すリンクが選択された場合、ウインドウに表示させる情報を、慎重投与マスタに含まれている備考の情報とすることができる。
【0152】
次に、
図9のステップS906において実行される画面表示のための動作について説明する。
図20において薬局用端末110に表示されているボタン1812が選択された場合、薬局用端末110は最近の処方の編集画面の生成を服薬情報提供装置104に要求する。服薬情報提供装置104は、この要求に応答して最近の処方の編集画面を生成し、薬局用端末110に返信する。結果として、薬局用端末110は
図22に示す画面を表示させる。同図に示す例では、
図20に表示された情報のうち、用法・用量によるグループ化が行われていない点、および領域1814、1806、1808および1810に代えて、最近の処方の有無を入力するためのチェックボックス2002が表示される点において相違する。
図22に示す画像は服薬情報提供装置104に蓄積された情報に基づいて生成されるため、すべてのチェックボックス内に、医薬品が処方されていることを示すチェックマークが表示されている。この情報は、患者に対して処方された最新の薬剤の情報とは相違している場合がある。このため、薬剤師において患者から最近の処方に関する情報を聞き取りながら、表示されているチェックボックス2002のうちから、直近で処方されていない医薬品に対応するチェックボックスを選択してチェックマークを除去する。そして、ボタン2004が選択された場合、薬局用端末110は内部の記憶装置に、最近の処方の有無に関する情報を医薬品の情報と対応付けて記憶し、
図23の残薬の聞き取り画面を表示する。同図に示すように、薬局用端末110は、領域2202に、上記チェックボックスが選択された医薬品、すなわち最近処方されている医薬品の情報のみを一覧形式で表示する。
【0153】
次に、
図9のステップS908において行われる画面表示のための動作について説明する。
図22においてボタン2004が選択された場合、薬局用端末110は残薬の入力画面の生成を服薬情報提供装置104に要求する。服薬情報提供装置104は、この要求に応答して残薬の入力画面を生成し、薬局用端末110に返信する。結果として、薬局用端末110は
図23に示す画面を表示する。同図に示す例では、領域2202に医薬品の情報を、医薬品を処方した医療機関ごと、および医薬品を調剤した医療機関ごとに表示している。また、領域2202に、残薬の数量(残数)を入力するための領域2204を表示する。
【0154】
医療機関ごとに医薬品の情報をまとめた画像を生成する処理は、具体的には以下のように行われる。調剤レセプトの場合、
図4に示すように「頭書き」の部分に薬局医療機関コードと病院医療機関コードとが含まれているため、これら2つのコードに基づいて医薬品の情報をグループ化する。
【0155】
また、領域2202の下部に、医療機関に向けたコメントの入力領域2206が表示される。薬剤師は薬局用端末110を操作し、同図に示す画面を閲覧しながら患者から残薬の状況を聞き取り、表示されている医薬品名に対応する残数の情報を領域2204に、およびコメントを入力領域2206にそれぞれ入力する。ここで、入力すべきコメントの定型文を薬局用端末110の記憶装置に登録しておくこととしてもよい。この場合、医療機関に対応するボタン2210を選択することにより登録された定型文を呼び出し、入力領域2206に入力することとしてもよい。あるいは、薬剤師が入力したコメントを定型文として新たに登録することとしてもよい。この場合、コメントに対応するボタン2208を選択することにより、薬局用端末110に登録することとしてもよい。
【0156】
また、患者から聞き取った残薬に該当する医療機関と医薬品が、領域2202に表示された医療機関と医薬品にない場合、医療機関と医薬品を追加することを可能としてもよい。例えば、領域2202の最右列の領域に示すように、医療機関名に対応させてボタン2216を設け、当該ボタンの操作に応じて、医薬品名、数量、回数、調剤日、剤形等の情報を追加することを可能としてもよい。
【0157】
さらに、画面上にボタン2214を表示し、当該ボタンの操作に応じて、医療機関の情報を追加することを可能としてもよい。
【0158】
次に、
図9のステップS910において行われる画面表示のための動作について説明する。
図23に示す画面においてボタン2212が選択された場合、薬局用端末110は副作用の編集画面の生成を服薬情報提供装置104に要求する。服薬情報提供装置104は、この要求に応答して副作用の編集画面を生成し、薬局用端末110に返信する。結果として、薬局用端末110は
図24に示す画面を表示する。同図に示す例では、医薬品の情報を表示する領域2502に、自覚症状の領域2506、医療機関名の領域2508、医薬品名の領域2510が表示されている。また、領域2502の1列目(最左列)に、副作用の具体的内容を選択するためのチェックボックスが表示される。医療機関名の領域2508には、副作用を生じる医薬品を処方した医療機関の名称が表示される。医薬品名の領域2510には、自覚症状に対応する医薬品名が表示される。
【0159】
具体的には、この画面は服薬情報提供装置104において次のように生成される。まず、
図19に示す処理においてデータ記憶部226に記憶された医薬品コードがあるかを判断する。副作用を生じる医薬品コードが記憶されている場合、対応付けられた医薬品について副作用マスタの備考欄の情報を領域2502の1列目(最左列)の情報とする。次に、レセプトを参照し、副作用の情報が対応付けられている医薬品について、当該医薬品を処方した医療機関の医療機関コードを取得し、医療機関マスタ216から医療機関コードに対応する医療機関名を取得する。次いで、医薬品マスタ218から、副作用を生じる医薬品の医薬品コードに対応する医薬品名を取得する。
【0160】
薬剤師においては、
図24に表示される画面を閲覧しながら患者から自覚症状の聞き取りを行い、領域2504内のチェックボックスのうち該当する自覚症状に対応するものを選択する。また、領域2510内のチェックボックスのうち、実際に処方されている医薬品のうちから問題があると考えられる医薬品のチェックボックスを選択する。
【0161】
なお、領域2502の領域2514に示すように、医薬品の添付文書に記載されている内容を表示することとしてもよい。この場合、同図に示すように「ふらつき」等の添付文書記載内容の文字列にリンクを設定し、当該リンクが選択された際、より詳細な添付文書記載内容を含むウインドウを新たに表示させるように構成することができる。
【0162】
次に、
図9のステップS912において行われる画面表示のための動作を説明する。
図24の画面においてボタン2512が選択されると、薬局用端末110は重複状況の確認画面の生成を服薬情報提供装置104に要求する。服薬情報提供装置104は、この要求に応答して重複状況の確認画面を生成し、薬局用端末110に返信する。結果として、薬局用端末110は
図25に示す画面を表示する。同図に示す例では重複した医薬を処方した医療機関の医療機関名の領域2604と、重複した医薬品名の領域2606とが表示されている。具体的には、
図11および13に示す処理においてデータ記憶部226に記憶された医薬品コードに基づいて医薬品マスタ218から取得された医薬品名と、当該医薬品を処方した医療機関の医療機関コードに基づいて医療機関マスタ216から取得された医療機関名とが対応付けて表示される。
【0163】
また、同図に示す画面にはコメントの入力領域2608が表示される。薬剤師は医療機関へ向けたコメントを入力領域2608に入力することができる。ここで、入力すべきコメントの定型文を薬局用端末110の記憶装置に登録しておくこととしてもよい。この場合、医療機関に対応するボタン2610を選択することにより登録された定型文を呼び出し、入力領域2613に入力することとしてもよい。あるいは、薬剤師が入力したコメントを定型文として新たに登録することとしてもよい。この場合、コメントに対応するボタン2612を選択することにより、薬局用端末110に登録することとしてもよい。
【0164】
また、重複した医薬品を処方している医療機関のうちから医療機関を選択して処方の変更を依頼すべくコメントを入力することとしてもよい。例えば、医療機関を選択するための領域に表示されているオプションボタン2614のうちから、処方の変更を依頼する医療機関に対応するオプションボタンを選択することにより、依頼先を切り替える定型コメントを入力領域2613に入力することとしてもよい。
【0165】
ここで、重複した医薬品が複数の医療機関から処方されていた場合、どの医療機関による医薬品の処方を中止すべきかを判断する必要がある。この判断のための情報として、
図25に示すように、診療開始日2615を表示させることとしてもよい。この表示処理により、薬剤師は診療開始日が最先の医療機関による処方を継続させる一方、他の医療機関による当該医薬品の処方を中止するよう通知することが可能となる。
【0166】
ところで、医薬品の診療開始日の情報は、医科レセプトに含まれているが、調剤レセプトには含まれていない。そこで、以下のように重複した医薬品の各々について診療開始日を特定する。
【0167】
医科レセプトに含まれている疾病欄には、傷病名に対応する診療開始日の情報が記載される。そこで、
図26に示すように、重複した医薬品の医薬品コードを用いて、対象となる患者のレセプトの情報を参照し、当該医薬品コードを含む医科レセプトと、その医科レセプト内で当該医薬品コードに対応する傷病名および診療開始日を特定する。
【0168】
図26は、調剤薬局aおよび調剤薬局bで調剤された医薬品Xについて重複と判定された場合に診療開始日を特定する方法の例を示している。同図に示す例では、医薬品Xの医薬品コードを用いてレセプトの検索を行い、医療機関Aおよび医療機関Bで発行された医科レセプトを特定している。さらに、この2つの医科レセプトについて、医薬品Xに対応する傷病名Y、および病名Yの診療開始日2010/4/1および2010/10/1を特定している。この方法は、具体的には特許文献2に記載されている症状マスタを参照する方法を応用して行うことができる。
図27は、症状マスタ230に記憶されている症状データの例を示す図である。症状データには一般名コードと、傷病名分類コードとが対応付けられている。一般名コードは、医薬品の添付文書に記載される医薬品の一般名をコード化した値であり、上述した医薬品データに含まれている一般名コードに対応する。
【0169】
図28は、医科レセプトのデータに含まれているデータの一部を示す図である。医科レセプトにおいて、傷病名コードは診療開始日と対応付けられている。
【0170】
このように、症状マスタ230は、医薬品マスタ218に記憶された医薬品の情報と、傷病名マスタに記憶された傷病名の情報とを対応付ける役割を担っている。また、医科レセプトのデータは、患者の傷病名と診療開始日とを対応付けたデータを含んでいる。
【0171】
次に、
図29を参照し、重複すると判定された医薬品コードに対応する診療開始日を特定する手順を説明する。
【0172】
まず、対象となる医薬品コードを、医薬品マスタ218の医薬品コードと照合し、一致した医薬品コードに対応する一般名コードを医薬品マスタ326から抽出する(1)。
【0173】
次いで、抽出した一般名コードを用いて症状マスタ230を検索し、該当する一般名コードに対応する傷病名分類コードを読み出す(2)。
【0174】
次いで、読み出した傷病名分類コードと傷病名マスタ220の分類コードを照合し、一致した分類コードに対応する傷病名コードを傷病名マスタ220から読み出す(3)。
【0175】
そして、医科レセプトデータを検索し、(3)において読み出された傷病名コードに対応付けられた診療開始日を特定する(4)。
【0176】
このようにして、重複すると判定された医薬品の情報に対応する傷病名の情報を、医薬品マスタ218、症状マスタ230および傷病名マスタ220に基づいて特定し、特定された傷病名に対応する診療開始日を、医科レセプトのデータに基づいて特定することが可能となる。
【0177】
次に、
図9のステップS914において行われる画面表示のための動作を説明する。
【0178】
図25の画面においてボタン2616が選択されると、薬局用端末110は相互作用の確認画面の生成を服薬情報提供装置104に要求する。服薬情報提供装置104は、この要求に応答して相互作用の確認画面を生成し、薬局用端末110に返信する。結果として、薬局用端末110は
図30に示す画面を表示する。同図に示す例では、領域2702に、相互作用を生じる医薬品を処方した医療機関の医療機関名2704と、医薬品名2706とが対応付けて表示されている。具体的には、
図15に示す処理においてデータ記憶部226に記憶された医薬品コードに基づいて医薬品マスタ218から取得された医薬品名と、当該医薬品を処方した医療機関の医療機関コードに基づいて医療機関マスタ216から取得された医療機関名とが対応付けて表示される。
【0179】
また、同図に示す画面にはコメントの入力領域2708が表示される。薬剤師は医療機関へ向けたコメントを入力領域2708に入力することができる。ここで、入力すべきコメントを定型文として薬局用端末110の記憶装置に登録しておくこととしてもよい。この場合、医療機関に対応するボタン2710を選択することにより登録された定型文を呼び出し、入力領域2708に入力することとしてもよい。あるいは、薬剤師が入力したコメントを定型文として新たに登録することとしてもよい。この場合、コメントに対応するボタン2712を選択することにより、薬局用端末110に登録することとしてもよい。
【0180】
また、相互作用を生じる医薬品を処方している医療機関のうちから医療機関を選択して処方の変更を依頼すべくコメントを入力することとしてもよい。例えば、医療機関を選択するための領域に表示されているオプションボタン2714のうちから、処方の変更を依頼する医療機関に対応するオプションボタンを選択することにより、依頼先を切り替える定型コメントを入力領域2708に入力することとしてもよい。
【0181】
次に、
図9のステップS916において行われる画面表示のための動作を説明する。
【0182】
図30の画面においてボタン2716が選択されると、薬局用端末110は慎重投与状況の確認画面の生成を服薬情報提供装置104に要求する。服薬情報提供装置104は、この要求に応答して慎重投与状況の確認画面を生成し、薬局用端末110に返信する。結果として、薬局用端末110は
図31に示す画面を表示する。同図に示す例では領域2802に、慎重投与が必要な医薬品を処方した医療機関の医療機関名2804と、医薬品名2806とが対応付けて表示されている。具体的には、
図17に示す処理においてデータ記憶部226に記憶された医薬品コードに基づいて医薬品マスタ218から取得された医薬品名と、当該医薬品を処方した医療機関の医療機関コードに基づいて医療機関マスタ216から取得された医療機関名とが対応付けて表示される。
【0183】
また、同図に示す画面にはコメントの入力領域2808が表示される。薬剤師は医療機関へ向けたコメントを入力領域2808に入力することができる。ここで、入力すべきコメントを定型文として薬局用端末110の記憶装置に登録しておくこととしてもよい。この場合、医療機関に対応するボタン2810を選択することにより登録された定型文を呼び出し、入力領域2808に入力することとしてもよい。あるいは、薬剤師が入力したコメントを定型文として新たに登録することとしてもよい。この場合、コメントに対応するボタン2812を選択することにより、薬局用端末110に登録することとしてもよい。
【0184】
次に、
図9のステップS918において行われる所見の入力の動作を説明する。
図31の画面においてボタン2814が選択されると、薬局用端末110は所見の入力画面の生成を服薬情報提供装置104に要求する。服薬情報提供装置104は、この要求に応答して所見の入力画面を生成し、薬局用端末110に返信する。結果として、薬局用端末110は
図32に示す画面を表示する。同図に示す例では領域2902に、レセプトに記載の医薬品を処方した医療機関名の領域2904と、コメントの入力領域2906とが対応付けて表示されている。
【0185】
薬剤師は医療機関へ向けたコメントを入力領域2906に入力することができる。ここで、入力すべきコメントを定型文として薬局用端末110の記憶装置に登録しておくこととしてもよい。この場合、医療機関に対応するボタン2908を選択することにより登録された定型文を呼び出し、入力領域2906に入力することとしてもよい。あるいは、薬剤師が入力したコメントを定型文として新たに登録することとしてもよい。この場合、コメントに対応するボタン2910を選択することにより、薬局用端末110に登録することとしてもよい。
【0186】
次に、
図9のステップS920において行われる動作を説明する。
図32の画面においてボタン2912が選択されると、薬局用端末110はステップS906〜S918において編集された医薬品に関する情報を服薬情報提供装置104に送信し、服薬状況レポートの作成を要求する。服薬情報提供装置104は受信した情報に基づいて服薬状況レポートを作成する。
【0187】
図33は服薬状況レポートの例を示す。同図において、服薬状況レポートは、副作用に関する情報3002、残薬の状況3004、重複に関する情報3006、相互作用に関する情報3008、慎重な投与が必要な医薬品に関する情報3010を含んでいる。また、それぞれの情報には薬剤師が入力したコメントが対応付けて表示されている。このように、服薬情報提供装置104は、薬局用端末110から受信した服薬情報に基づいて、医療機関ごとに、医療機関が処方した医薬品の情報及び患者から聞き取った情報を含む服薬状況レポートを生成することが可能となる。
【0188】
(第2実施形態)
次に、患者に対して処方された医薬品の情報のうちから、後発医薬品の候補を選択および通知して、薬局または医療機関の支援を行う第2実施形態について説明する。本実施形態において、服薬情報提供装置104はレセプトDB212から指定された同一の患者識別子に対応付けられた所定の期間内の医薬品の情報を取得し、取得された服薬情報に含まれた医薬品について、医薬品マスタ218に記憶された情報に基づいて後発医薬品の候補を判定し、判定の結果を出力する。
【0189】
図34は、本実施形態に係る処理の流れを示す図である。本実施形態に係る医薬品マスタ218には、医薬品コードとして薬価基準記載医薬品コードが採用される。薬価基準収載医薬品コードの上位9桁には、医薬品の成分、剤形、銘柄等の規格が割り振られている。そのため、コードの上位9桁が一致する医薬品は、同等の効果が期待できる。
【0190】
また、医薬品マスタ218には、後発医薬品か否かを区別する後発医薬品フラグが設けられている。
【0191】
図34に示す処理は
図10に示すステップS904の処理と同様であるが、ステップS1004とS1006との間に、対象の医薬品が後発医薬品であるか否かの判定を行う処理(ステップS1005)が追加される点において異なる。
【0192】
ステップS1005において行われる処理の詳細について説明する。まず、患者に対して発行されたレセプトの情報のうち、所定の期間内、例えば1箇月以内に発行されたものをレセプトDB212から取得する。ここで対象とするレセプトは、医科外来(薬剤情報提供料が発行されるもの)、および調剤のレセプトを含むことができる。
【0193】
次に、対象の医薬品が後発医薬品であるか否かを、以下の手順で判定する。
【0194】
1)医薬品マスタ218の後発医薬品フラグを参照し、対象の医薬品が後発医薬品であるかどうかを確認する。
【0195】
2)後発医薬品である場合、対象の医薬品の情報と後発医薬品であることを示す情報(フラグ)とを対応付けて記憶部224に記憶する。この情報は、例えばレセプトDB212内に記憶することができる。
【0196】
ここで記憶されるフラグは、薬局用端末110に表示させる画面を生成する際に、後発医薬品であることを示す情報を表示するために参照される。例えば、
図20に示す画面を生成する際にフラグを参照し、対象の医薬品が後発医薬品であれば、領域1814の対応するセルに〇印を表示させる。
【0197】
(第3実施形態)
次に、医薬品の重複の判定処理に関する本発明の第3実施形態について説明する。
図11を参照して上述した判定処理では医薬品コードを突き合わせて重複を判定したが、本実施形態では、医薬品の薬理作用に基づいて重複を判定する。したがって、例えば、患者に対して処方された医薬品の情報の中に、異なる成分が含まれていても、薬理作用が同様の医薬品の場合は重複と判定する。この判定処理は、
図11に示した処理に追加して行うことができる。
【0198】
図35は、服薬情報提供装置104の記憶部224に記憶される医薬品データの構造を示す。同図に示す構造では、薬効分類に薬理作用、成分、商品(医薬品)が対応付けられている。ここで、薬理作用の分類は、例えば中央社会保険医療協議会資料に基づいて設定することができる。服薬情報提供装置104は、この構造を参照することにより、HMG−CoA還元酵素阻害剤に含まれるすべての医薬品、すなわちメバロチン錠5 5mg、メバロチン錠10 10mg、メバロチン細粒0.5%、プラバスタチンNa錠5mg等を重複する医薬品として判定することができる。さらに、プラバスタチンナトリウムを含む医薬品に加えて、シンバスタチンまたはフルバスタチンナトリウムを含む医薬品についても重複する医薬品として判定することができる。
【0199】
(第4実施形態)
次に、医薬品の重複の判定処理に関する本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態では、薬理作用に加えて、他の条件を考慮して医薬品の重複を判定する。この判定処理は、
図11に示した処理に追加して行うことができる。
【0200】
図36は、本実施形態の他の例を示す。同図に示す構造では、薬効分類に薬理作用、作用時間、成分、商品(医薬品)が対応付けられている。服薬情報提供装置104は、この構造を参照することにより、患者に対して処方された医薬品の情報の中に、作用時間が同じ医薬品が含まれている場合に重複と判断する。例えば、短時間作用型の催眠鎮静剤、すなわちハルシオン0.25mg錠、トリアゾラム錠0.125mg、アモバン錠7.5等はすべて重複と判定することができる。また、同じ薬理作用であっても中間作用型の医薬品、または長時間作用型の医薬品は、短時間作用型の医薬品と重複しないと判定することができる。
【0201】
(第5実施形態)
次に、医薬品の重複の判定処理に関する本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態では、薬理作用に関わらず同一の配合剤を含む医薬品を重複と判定する。この判定処理は、
図11に示した処理に追加して行うことができる。
【0202】
図11を参照した説明では、医薬品の成分に基づく重複のチェックを、薬価基準収載医薬品コードの上位7桁を突き合わせることにより行った。しかしながら、薬価基準収載医薬品コードの場合、同一成分で薬効分類が異なる場合がある。例えば、エクセグラン錠100mgの場合、薬価基準収載医薬品コードは1139005F1023であり、成分にゾニザミドを含み、薬効分類は113(抗てんかん剤)である。他方、トレリーフOD錠25mgの薬価基準収載医薬品コードは1169015F2022であり、成分にゾニザミドを含むが、薬効分類は116(抗パーキンソン剤)である。本実施形態では、エクセグラン錠100mgおよびトレリーフOD錠25mgが処方されている場合であっても重複する医薬品と判定する。
【0203】
図37は、服薬情報提供装置104の記憶部224に記憶される医薬品データの構造の他の例を示す。同図に示す構造では、薬効分類に薬理作用、成分、商品(医薬品)が対応付けられている。ここで、カデュエット配合錠4番は成分がアムロジピンベシル酸塩/アトルバスタチンカルシウム水和物であり、血管拡張剤と高脂血症用剤が配合されている。服薬情報提供装置104は、この構造を参照し、患者に対して処方された医薬品の情報の中に、配合剤(成分)が同じものが含まれている場合に重複と判定する。例えば、アムロジン錠5mgおよびカデュエット配合錠4番が処方されている場合、両剤にアムロジピンベシル酸塩が含まれているため、重複と判定する。
【0204】
(第6実施形態)
次に、上述した実施形態におけるシステム構成の変形例について説明する。
【0205】
図38は、本発明の第6実施形態に係る服薬情報提供システム3900の全体像を概略的に示す図である。
【0206】
同図に示すように、本実施形態に係る服薬情報提供システム3900は、保険者サーバ3902と、審査支払機関サーバ103と、レポート作成サーバ3904と、医師用端末114とを含む。
【0207】
保険者サーバ3902は、第1実施形態に係る服薬情報提供装置104の服薬情報分析サーバ118および服薬情報提供サーバ120と同様の機能をそれぞれが有する服薬情報分析サーバ3918および服薬情報提供サーバ3920を含む。但し、保険者サーバ3902は服薬状況レポート112を作成する機能を有しておらず、保険者サーバ3902と通信可能に接続されたレポート作成サーバ3904が当該機能を有する。
【0208】
また、保険者サーバ3902は薬局用端末110と通信可能に接続され、薬局用端末110へ提供する画面の生成等を行うように構成される。
【0209】
本実施形態では、保険者サーバ3902とレポート作成サーバ3904との組み合わせによって服薬情報提供装置が構成される。
【0210】
なお、レポート作成サーバ3904の機能を保険者サーバ3902に実装してもよく、この場合は保険者サーバ3902が服薬情報提供装置として機能する。
【0211】
(第7実施形態)
次に、上述した実施形態におけるシステム構成の別の変形例について説明する。
【0212】
図39は、本発明の第7実施形態に係る服薬情報提供システム4000の全体像を概略的に示す図である。
【0213】
同図に示すように、本実施形態に係る服薬情報提供システム4000は、保険者サーバ102と、審査支払機関サーバ4003と、レポート作成サーバ3904と、医師用端末114とを含む。
【0214】
審査支払機関サーバ4003は、第1実施形態に係る服薬情報提供装置104の服薬情報分析サーバ118および服薬情報提供サーバ120と同様の機能をそれぞれが有する服薬情報分析サーバ4018および服薬情報提供サーバ4020を含む。但し、審査支払機関サーバ4003は服薬状況レポート112を作成する機能を有しておらず、審査支払機関サーバ4003と通信可能に接続されたレポート作成サーバ3904が当該機能を有する。
【0215】
また、審査支払機関サーバ4003は薬局用端末110と通信可能に接続され、薬局用端末110へ提供する画面の生成等を行うように構成される。
【0216】
本実施形態では、審査支払機関サーバ4003とレポート作成サーバ3904との組み合わせによって服薬情報提供装置が構成される。
【0217】
なお、レポート作成サーバ3904の機能を審査支払機関サーバ4003に実装してもよく、この場合は審査支払機関サーバ4003が服薬情報提供装置として機能する。
【0218】
(第8実施形態)
次に、上述した実施形態におけるシステム構成の別の変形例について説明する。
【0219】
図40は、本発明の第8実施形態に係る服薬情報提供システム4100の全体像を概略的に示す図である。
【0220】
同図に示すように、本実施形態に係る服薬情報提供システム4100は、保険者サーバ102と、審査支払機関サーバ103と、レポート作成サーバ3904と、医師用端末114と、薬局用端末4110を含む。
【0221】
薬局用端末4110は、第1実施形態に係る服薬情報提供装置104の服薬情報分析サーバ118および服薬情報提供サーバ120と同様の機能をそれぞれが有する服薬情報分析サーバ4118および服薬情報提供サーバ4120を含む。但し、薬局用端末4110は服薬状況レポート112を作成する機能を有しておらず、薬局用端末4110と通信可能に接続されたレポート作成サーバ3904が当該機能を有する。
【0222】
本実施形態では、薬局用端末4110とレポート作成サーバ3904との組み合わせによって服薬情報提供装置が構成される。
【0223】
なお、レポート作成サーバ3904を薬局用端末4110に実装してもよく、この場合は薬局用端末4110が服薬情報提供装置として機能する。
【0224】
本実施形態に係る服薬情報提供装置として機能する薬局用端末4110は、審査支払機関サーバ103または保険者サーバ102から提供される服薬情報に基づいて情報処理を行う。すなわち、当該服薬情報提供装置は、審査支払機関サーバ103または保険者サーバ102から提供される服薬情報に基づいて、患者を識別する患者識別子と、医療機関識別子と、患者に対して調剤された医薬品の情報とを関連付けて記憶部に記憶し、記憶部から、指定された同一の患者識別子に関連付けられた所定の期間内の医薬品の情報および医薬品を処方した医療機関の情報を取得し、取得された医薬品の情報および医療機関の情報を含む服薬情報を表示し、患者識別子に対応する患者から聞き取った情報に基づいて表示された服薬情報を編集し、編集された服薬情報に基づいて、医療機関ごとに、医療機関が処方した医薬品の情報及び患者から聞き取った情報を含む服薬状況レポートを生成する等の処理を行うように構成される。
【0225】
(第9実施形態)
上述した実施形態では、審査支払機関サーバ103により集約された情報に基づいて服薬情報提供装置が服薬情報を提供するための各処理を行った。本発明の第9の実施形態では、患者に関連する医薬品の情報および医療機関の情報の少なくとも一部を患者識別子から取得する。本実施形態では、患者に関連する医薬品の情報および医療機関の情報を患者識別子117の中に含めておき、服薬情報提供装置は患者識別子117から当該情報を取得して服薬情報を提供するための各処理を行う。
【0226】
図10を参照し、本実施形態に係る服薬情報提供装置により実行される方法の手順を説明する。まず、患者に提供する患者識別子117に、対応する患者のレセプトのうち、所定の期間内、例えば1箇月以内に発行されたものに含まれている医薬品コード等の情報を含めておく。
【0227】
ステップS1002において、服薬情報提供装置104は、受信した患者識別子に対応する患者の名前等の情報を患者DB214から取得する。次いで、ステップS1004に進み、対応する患者のレセプトのうち、1箇月以内に発行されたものに含まれている医薬品コードを患者識別子117から取得する。次いで、医薬品マスタ218を参照し、患者のレセプトに含まれている医薬品コードに対応する医薬品の情報を取得する。ステップS1006以降の処理は、上述した実施形態と同様である。
【0228】
このように患者のレセプトに含まれているコード等の情報を患者識別子に含めておくことにより、レセプトDBへアクセスする処理を省略することができる。
【0229】
(第10実施形態)
次に、
図9のステップS910において行われる追加の実施形態について説明する。本実施形態では、患者から聞き取った自覚症状の情報を薬局用端末110から服薬情報提供装置104に送信する。服薬情報提供装置104では、受け取った情報に基づいて、当該自覚症状に関連する可能性のある医薬品を判定し、薬局用端末110に提示する。
【0230】
本実施形態に係る服薬情報提供装置104は、医薬品の情報と副作用の識別情報とを関連付けて記憶した副作用マスタ2108を有する。服薬情報提供装置104は、患者識別子に対応する副作用コードを受信し、受信された副作用コードに関連付けられた医薬品の情報を取得する。そして、取得された医薬品の情報を薬局用端末110に送信する。
【0231】
図41は、本実施形態に係る処理の手順を示すフローチャートである。
【0232】
まず、薬剤師は薬局用端末110を操作して、表示部に副作用の編集画面を表示し、患者から副作用を含む自覚症状の訴えについての聞き取を行い、聞き取った情報を薬局用端末110に入力する。ここで、自覚症状に係る訴えの情報は、患者の服薬に伴い自覚するふらつきや転倒等の症状を含み、その症状は患者が副作用として認識しているか否かを問わない。
【0233】
自覚症状の情報の入力は、自覚症状に対応する副作用コードを用いて行うことができる。例えば、薬剤師が聞き取った自覚症状に対応する副作用コードを直接入力することとしてもよい。あるいは、薬局用端末110に副作用を示す文字列と副作用コードとの対応表を記憶しておき、当該記憶された対応表を利用することとしてもよい。この場合、薬剤師が薬局用端末110にこの対応表を表示させ、対応表から自覚症状に対応する副作用コードを選択することにより入力するようにしても良い。患者から聞き取った自覚症状に対応する副作用コードは、薬局用端末110から服薬情報提供装置104に送信される。(ステップS4202)。
【0234】
次いで、服薬情報提供装置104は、自覚症状に関連する可能性のある医薬品の医薬品コードを特定する(ステップS4204)。この処理は、副作用マスタ2108を参照して行う。
【0235】
図18に示すように、副作用マスタ2108に含まれる副作用データは、副作用医薬品コードと、副作用を特定する副作用コードと、備考とが対応付けられている。副作用医薬品コードには、副作用を生じ得る1種以上の医薬品コードが記録される。右欄の備考には、具体的な副作用の内容、例えば「食欲低下」、「ふらつき・転倒」等の情報や医薬品の添付文書の記載内容を記録することができる。服薬情報提供装置104は、受信した副作用コードと、副作用データに含まれる副作用コードとの突き合わせを行う。突き合わせの結果、一致した副作用コードがある場合、当該副作用コードに対応する副作用医薬品コードを特定する。
【0236】
次いで、ステップS4206に進み、一致した副作用医薬品コードが特定されない場合は処理を終了する(Noルート)。他方、一致した副作用医薬品コードが特定された場合は(Yesルート)、ステップS4210において、レセプト内の1つの医薬品コードと、副作用マスタ2108内で特定された副作用医薬品コードとを突き合わせる。
【0237】
ついで、ステップS4212において、突合せの結果一致した医薬品コードが見つかったか否かを判定する。
【0238】
ステップS4212において一致した医薬品コードが見つかったと判定した場合、ステップS4214に進み、一致した医薬品コードをデータ記憶部226に記憶する。
【0239】
以上の処理を、患者のレセプトに含まれた全ての医薬品コードについて繰り返す(ステップS4210〜ステップS4216)。そして、服薬情報提供装置104は、データ記憶部226に記憶された医薬品コードを薬局用端末110に返送する。
【0240】
次いで、ステップS4216に進み、自覚症状に関連する可能性のある医薬品の情報を表示する。この処理は、薬局用端末110は、受信した医薬品コードに対応する医薬品の情報を表示させることにより行う。その後、処理はステップS912へ進む。
【0241】
なお、自覚症状に関連する可能性のある医薬品の情報は、ステップS920において服薬状況レポートに含めて表示させることとしてもよい。
【0242】
以上説明した処理によれば、患者を識別する患者識別子と、患者に対して調剤された医薬品の情報とを関連付けて記憶したレセプトDBと、医薬品の情報と副作用の識別情報とを関連付けて記憶した副作用マスタとを備えたコンピュータにおいて、患者識別子に対応する副作用の識別情報を受信し、受信された副作用の識別情報に関連付けられた医薬品の情報を副作用マスタから取得し、取得された医薬品の情報とレセプトDBに記憶された医薬品の情報とを突き合わせ、突き合わせの結果一致した医薬品の情報の情報を含む服薬状況レポートを生成することができる。したがって、患者から聞き取った自覚症状に関する情報に基づいて、患者に処方された医薬品のうちから、自覚症状に関連する可能性のある医薬品を特定することが可能となる。
【0243】
(第11実施形態)
上述した実施形態では、薬局用端末110は、患者を識別する患者識別子を入力し、入力された患者識別子を服薬情報提供装置104等に送信し、服薬情報提供装置104等から服薬情報を受信し、受信された服薬情報を表示部に表示し、患者から聞き取った情報に基づいて表示部に表示された服薬情報を編集する例について説明した。この薬局用端末110の機能は、医師用端末114に実装されることとしてもよい。
【0244】
本実施形態では、医師用端末114は、患者を識別する患者識別子を入力し、入力された患者識別子を服薬情報提供装置104に送信し、服薬情報提供装置104から服薬情報を受信し、受信された服薬情報を表示部に表示し、患者から聞き取った情報に基づいて表示部に表示された服薬情報を編集する。
【0245】
したがって、医師において、薬剤師から服薬状況レポートを受けとる処理を経ることなく服薬情報を取得することができる。
【0246】
(第12実施形態)
上述した実施形態では、服薬状況レポートの作成を服薬情報提供装置104またはレポート作成サーバ3904において行う例について説明した。この服薬状況レポートを作成する機能は、薬局用端末110または医師用端末114に実装することとしてもよい。本実施形態に係る服薬情報提供システム100により実行される服薬情報の提供方法では、
図9に示すフロー図のステップS904において、薬局用端末110は、患者識別子に基づいて患者の服薬に関する情報(服薬情報)を生成し、服薬情報を表示する。
【0247】
(第13実施形態)
次に、患者識別子を患者から提供することなく、服薬情報提供装置から薬局または医療機関へ服薬情報を提供する実施形態について説明する。
【0248】
図42は、本実施形態に係る服薬情報提供システムの全体像を概略的に示す図である。服薬情報システム4300は、
図1に示す服薬情報システム100の一部に対応しているため、
図1と同様の符号が付された構成要素の詳細な説明は省略する。
図42を参照し、本実施形態に係る処理の手順を説明する。
【0249】
保険者サーバ102に記憶されたレセプトの情報は、所定の期間内、例えば1箇月ごとに、服薬情報提供装置104のオペレータに郵送で提供され、オペレータにより服薬情報提供装置104のレセプトDB212に入力される。あるいは、服薬情報提供装置104は総合行政ネットワーク(LGWAN)に接続され、当該LGWANを介して保険者サーバ102からレセプトの情報を受信する。服薬情報提供装置104は、保険者サーバ102に記憶されたレセプトの情報の分析を行う。この分析は、上述した医薬品の重複判定、相互作用を生じる医薬品の有無を判定、慎重な投与を必要とする医薬品の有無の確認等を含む((1))。
【0250】
次に、服薬情報提供装置104から、分析対象の医薬品を処方した薬局の薬局用端末110に対し、分析結果の情報の提供を受けることへの同意確認を行う((2))。この同意確認は、具体的には電子メール等を送付することにより行う。この場合、服薬情報提供装置104は、調剤レセプトに記載される薬局医療機関コードと対応する薬局の薬局用端末の電子メールアドレスを予め記憶しておく。そして、分析対象の医薬品が記載された調剤レセプトから薬局医療機関コードを取得し、取得された薬局医療機関コードに対応する薬局用端末110の電子メールアドレスを、送信先アドレスとして用いる。同意確認は、例えば、「貴薬局にはポリファーマシーの可能性のある患者が〇人います:情報提供を求める場合は、以下に同意ください。」という文言と共に同意内容を記載した電子メール等を服薬情報提供装置104から薬局用端末110に送付することにより行うこととしてもよい。
【0251】
薬局用端末110のオペレータ(薬剤師)は、受信された同意内容に対する同意の意思を表示する情報を薬局用端末110から服薬情報提供装置104へ送信する((3))。ここで、同意の意思を表示する情報は電子メール等を用いて行うものとすることができる。服薬情報提供装置104は、同意の意思を表示する情報の受信に応答して、分析結果の情報を提供する((4))。分析結果は、医薬品の重複、相互作用を生じる医薬品、または慎重な投与を必要とする医薬品と、患者識別子とを対応付けた情報とすることができる。薬局用端末110のオペレータ(薬剤師)は、服薬情報提供装置104から受信された分析結果の情報に基づいて、患者4302に対し服薬指導を行う((5))。あるいは、薬局用端末110において服薬状況レポートの作成、もしくは服薬情報提供装置104に対する服薬状況レポートの作成要求を行う。作成された服薬状況レポートは、例えば医師108の医師用端末114に送信することとしてもよい。
【0252】
同様の処理は、医師用端末114に関して行うこととしてもよい。この場合、服薬情報提供装置104から医師用端末114に対し、分析結果の情報の提供を受けることへの同意確認を行う((2)’)。この同意確認は、具体的には電子メール等を送付することにより行う。この場合、服薬情報提供装置104は、医科レセプトに記載される病院医療機関コードと対応する医師の医師用端末の電子メールアドレスを予め記憶しておく。そして、分析対象の医薬品が記載された医科レセプトから病院医療機関コードを取得し、取得された病院医療機関コードに対応する医師用端末114の電子メールアドレスを、送信先アドレスとして用いる。同意確認は、例えば、「貴(医療)機関にはポリファーマシーの可能性のある患者が〇人います:情報提供を求める場合は、以下に同意ください。」という文言と共に同意内容を記載した電子メール等を服薬情報提供装置104から医師用端末114に送付することにより同意確認を行うこととしてもよい。
【0253】
医師用端末114のオペレータ(医師)は、受信された同意内容に対する同意の意思を表示する情報を医師用端末114から服薬情報提供装置104へ送信する((3)’)。服薬情報提供装置104は、同意の意思を表示する情報の受信に応答して、分析結果の情報を提供する((4)’)。医師用端末114のオペレータ(医師)は、服薬情報提供装置104から受信された分析結果の情報に基づいて患者4302に対し服薬指導を行う((5)’)。あるいは、医師用端末114において、服薬状況レポートの作成、もしくは服薬情報提供装置104に対する服薬状況レポートの作成要求を行う。
【0254】
このような構成により、薬剤師や医師から患者に服薬情報を提供するにあたって、患者識別子の情報を患者から薬剤師や医師に提供する必要がなくなる。
【0255】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されず、他の種々の変形および修正が可能である。また、以上説明した複数の実施形態は、適宜それぞれの形態を二つ以上組み合わせて使用することが可能であることはいうまでもない。
【解決手段】服薬情報提供装置104は、レセプトDB212から、指定された患者識別子に関連付けられた所定の期間内の医薬品の情報および医薬品を処方した医療機関の情報を取得する。取得された医薬品の情報および医療機関の情報を含む服薬情報を薬局用端末110へ送信し、医薬品の情報を、医薬品を処方した医療機関ごとにグループ化して表示させる。薬局用端末110から、編集された服薬情報を受信する。編集された服薬情報は、患者識別子に対応する患者から聞き取った情報を含む。服薬情報に基づいて、医療機関ごとに、医療機関が処方した医薬品の情報及び患者から聞き取った情報を含む服薬状況レポートを生成する。