特許第6619114号(P6619114)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6619114-チケット管理システムおよびプログラム 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6619114
(24)【登録日】2019年11月22日
(45)【発行日】2019年12月11日
(54)【発明の名称】チケット管理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/02 20120101AFI20191202BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20191202BHJP
【FI】
   G06Q10/02
   G06Q50/10
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-80838(P2019-80838)
(22)【出願日】2019年4月22日
【審査請求日】2019年4月22日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503194934
【氏名又は名称】アビームコンサルティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】竹井 昭人
(72)【発明者】
【氏名】高見 航平
(72)【発明者】
【氏名】資延 香里
【審査官】 山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−189865(JP,A)
【文献】 特許第6483219(JP,B1)
【文献】 特開2017−016442(JP,A)
【文献】 特開2006−018692(JP,A)
【文献】 特開2007−072510(JP,A)
【文献】 特開2003−006366(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0185394(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のユーザが操作する第1のユーザ端末から、チケットの購入依頼を受信する購入依頼受付部と、
前記第1のユーザ端末から、前記第1のユーザを特定可能な第1の個人データを受信する、個人データ取得部と、
前記第1の個人データを含むチケットデータを生成するチケットデータ生成部と、
前記チケットデータを前記第1のユーザ端末に送信するチケットデータ送信部と、
前記第1のユーザ端末から、第2のユーザへの前記チケットの譲渡依頼と共に、前記チケットデータと、前記第2のユーザが操作する第2のユーザ端末のアドレス情報を受信する譲渡依頼受付部と、を備え、
前記譲渡依頼受付部において譲渡依頼を受信した場合には、
前記個人データ取得部は、前記第2のユーザ端末から、前記第2のユーザを特定可能な第2の個人データを受信し、
前記チケットデータ生成部は、前記第1のユーザ端末から受信したチケットデータに含まれる前記第1の個人データを、前記第2の個人データに置き換え、
前記チケットデータ送信部は、前記第2のユーザ端末に、個人データを置き換えたチケットデータを送信し、
前記第1の個人データは前記第1のユーザの顔写真、前記第2の個人データは前記第2のユーザの顔写真であり、
前記チケットデータ生成部は、
受信した顔写真に基づいて、複数の画像データを用いたギャザリングアートによって顔画像を再現し、再現した顔画像をチケットデータに含める、チケット管理システム。
【請求項2】
前記譲渡依頼受付部は、前記第2のユーザから前記第1のユーザへ前記チケットの対価として支払われた金額の情報を取得し、
前記第1のユーザから前記第2のユーザへ前記チケットが譲渡されたこと、および譲渡の際に前記第2のユーザから前記第1のユーザに支払われた金額の情報を記録する、譲渡履歴管理部を備えた、請求項に記載のチケット管理システム。
【請求項3】
前記譲渡依頼受付部は、
前記チケットの対価として支払われた金額が所定額以上の場合には、前記第1のユーザ端末および/または前記第2のユーザ端末に、前記チケットの譲渡が行えない旨を通知する、請求項に記載のチケット管理システム。
【請求項4】
コンピュータを、
第1のユーザが操作する第1のユーザ端末から、チケットの購入依頼を受信する購入依頼受付部と、
前記第1のユーザ端末から、前記第1のユーザを特定可能な第1の個人データを受信する、個人データ取得部と、
前記第1の個人データを含むチケットデータを生成するチケットデータ生成部と、
前記チケットデータを前記第1のユーザ端末に送信するチケットデータ送信部と、
前記第1のユーザ端末から、第2のユーザへの前記チケットの譲渡依頼と共に、前記チケットデータと、前記第2のユーザが操作する第2のユーザ端末のアドレス情報を受信する譲渡依頼受付部と、して機能させ
前記譲渡依頼受付部において譲渡依頼を受信した場合には、
前記個人データ取得部は、前記第2のユーザ端末から、前記第2のユーザを特定可能な第2の個人データを受信し、
前記チケットデータ生成部は、前記第1のユーザ端末から受信したチケットデータに含まれる前記第1の個人データを、前記第2の個人データに置き換え、
前記チケットデータ送信部は、前記第2のユーザ端末に、個人データを置き換えたチケットデータを送信し、
前記第1の個人データは前記第1のユーザの顔写真、前記第2の個人データは前記第2のユーザの顔写真であり、
前記チケットデータ生成部は、
受信した顔写真に基づいて、複数の画像データを用いたギャザリングアートによって顔画像を再現し、再現した顔画像をチケットデータに含める、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子チケットの発行や転売を管理するチケット管理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンサートやスポーツの試合のチケットの高額転売や偽造などのトラブルが問題になっている。チケット額の高騰は、会場における物品の売り上げにも影響し、興行主にとっても深刻な問題となっている。例えば、特許文献1には、チケットに利用者本人の顔写真画像と認証コードを含むようにすることで、利用者の本人確認を可能にし、偽造や不当転売を防止することが記載されている。
【0003】
一方で、チケットの購入者がやむ負えない事情で当日コンサート等に行けなくなった場合に、正当なルートでチケットを譲る仕組みも必要とされている。
【0004】
例えば、特許文献2には、電子チケットを他者に譲渡する際、チケットデータをチケット管理サービスのサーバへ送信し、正当性が確認されたら、サーバから譲渡先の利用者の端末に、チケットデータが送信されるシステムが記載されている。また、引用文献3には、チケットの転売希望者がサーバにチケット情報を登録し、購入希望者は、登録されている転売チケットの情報を検索して購入希望をサーバに送信し、サーバが転売処理を行うシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−201997号公報
【特許文献2】特開2005−100235号公報
【特許文献3】特開2003−50899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
引用文献1の方法は、購入者と利用者の同一性の確保に有効で、偽造も行いにくいが、必要な場合に他人に譲渡するのには向いていない。また、引用文献2や3のシステムでは、高額転売や偽造チケットの転売は避けられても、入場時に正当な利用者であることを確認する方法がない。
【0007】
そこで本発明の目的は、必要な転売は可能にしながら、偽造や正当な利用者以外の者による利用を防止することができるチケット管理システムを提供できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るチケット管理システムは、第1のユーザが操作する第1のユーザ端末から、チケットの購入依頼を受信する購入依頼受付部と、前記第1のユーザ端末から、前記第1のユーザを特定可能な第1の個人データを受信する、個人データ取得部と、前記第1の個人データを含むチケットデータを生成するチケットデータ生成部と、前記チケットデータを前記第1のユーザ端末に送信するチケットデータ送信部と、前記第1のユーザ端末から、第2のユーザへの前記チケットの譲渡依頼と共に、前記チケットデータと、前記第2のユーザが操作する第2のユーザ端末のアドレス情報を受信する譲渡依頼受付部と、を備え、前記譲渡依頼受付部において譲渡依頼を受信した場合には、前記個人データ取得部は、前記第2のユーザ端末から、前記第2のユーザを特定可能な第2の個人データを受信し、前記チケットデータ生成部は、前記第1のユーザ端末から受信したチケットデータに含まれる前記第1の個人データを、前記第2の個人データに置き換え、前記チケットデータ送信部は、前記第2のユーザ端末に、個人データを置き換えたチケットデータを送信するものである。
【0009】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、第1のユーザが操作する第1のユーザ端末から、チケットの購入依頼を受信する購入依頼受付部と、前記第1のユーザ端末から、前記第1のユーザを特定可能な第1の個人データを受信する、個人データ取得部と、前記第1の個人データを含むチケットデータを生成するチケットデータ生成部と、前記チケットデータを前記第1のユーザ端末に送信するチケットデータ送信部と、前記第1のユーザ端末から、第2のユーザへの前記チケットの譲渡依頼と共に、前記チケットデータと、前記第2のユーザが操作する第2のユーザ端末のアドレス情報を受信する譲渡依頼受付部と、して機能させ前記譲渡依頼受付部において譲渡依頼を受信した場合には、前記個人データ取得部は、前記第2のユーザ端末から、前記第2のユーザを特定可能な第2の個人データを受信し、前記チケットデータ生成部は、前記第1のユーザ端末から受信したチケットデータに含まれる前記第1の個人データを、前記第2の個人データに置き換え、前記チケットデータ送信部は、前記第2のユーザ端末に、個人データを置き換えたチケットデータを送信するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、必要な転売は可能にしながら、偽造や正当な利用者以外の者による利用を防止することができるチケット管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態による、チケット管理システム1の構成を示すブロック図。
図2】本発明の実施の形態による、チケット管理システム1によるチケット流通管理の流れを示すフローチャート。
図3】本発明の実施の形態による、チケット管理システム1における、ユーザ端末20に表示されるチケットの画像を例示する図。
図4】本発明の実施の形態による、チケット管理システム1における、ユーザ端末20に表示されるチケット譲渡依頼情報を入力する画面を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態によるチケット管理システム1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、チケット管理システム1は、管理サーバ10と、ユーザ端末(第1のユーザ端末、第2のユーザ端末)20を含んでいる。管理サーバ10とユーザ端末20は、通信ネットワークにより接続されている。チケット管理システム1は、コンサートやスポーツの試合などのイベントのチケットの販売管理を興行主等に代わって実施するシステムである。さらに、チケット管理システム1は、チケットを購入した利用者がやむを得ない理由で他人にチケットを譲る場合の転売も管理する。また、イベント当日に会場において、入場者が提示したチケットが正当なものか否かを確認する処理(顔写真の照合やコード情報の確認等)にも利用することができる。
【0013】
通信ネットワークは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0014】
管理サーバ10は、汎用的なコンピュータによって構成され、そのコンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現する。図1に示すように、管理サーバ10は、制御装置(購入依頼受付部、個人データ取得部、チケットデータ生成部、チケットデータ送信部、譲渡依頼受付部、譲渡履歴管理部)11と外部記憶装置12を備えている。制御装置11は、CPU、ROMやRAM等のメモリ、入力インタフェース、出力インタフェース、通信インタフェース及びこれらを結ぶバス等を備えている。制御装置11は、CPUがROM等に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。外部記憶装置12は、ハードディスクドライブ等である。
【0015】
外部記憶装置12は、チケット流通履歴記憶部101を実装している。チケット流通履歴記憶部101には、販売業者からチケットを購入した第1の消費者(購入者)への販売情報、第1の消費者から第2の消費者への転売に関する情報が含まれる。
【0016】
ユーザ端末20は、ユーザが、チケット管理システム1が提供するチケットの発行や転売のサービスを利用するために使用する端末である。ユーザ端末20は、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ノートPC(パーソナルコンピュータ)、PC、携帯情報端末(PDA)、ウェアラブルデバイスなど、通信ネットワークを介して管理サーバ10と通信が可能な端末である。図1に示すように、ユーザ端末20は、プロセッサ21、キーボードやマウス、各種操作ボタンやタッチパネルなどの入力装置22、液晶ディスプレイなどの表示装置23、通信ネットワークに接続するための通信インタフェース24、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)などの記憶資源25を備えている。記憶資源25には、プロセッサ21が実行するコンピュータプログラムが記憶されている。
【0017】
次に、チケット管理システム1による、チケット流通管理について説明する。図2は、チケット管理システム1によるチケット流通管理の流れを示すフローチャートである。ここでは、チケット販売代理業者からユーザX(第1のユーザ)がコンサートチケットを購入し、その後、ユーザY(第2のユーザ)にチケットを転売する場合を例に説明する。
【0018】
ユーザXは、自身のユーザ端末20を操作して、チケット管理システム1のアプリを起動、またはオンラインの専用サイトにアクセスする(ステップS101)。
【0019】
ユーザXは、ユーザ端末20を操作してチケットの購入ページを表示し、購入を希望するチケットの種類、日程、席種、枚数当を指定して購入手続きの操作を行う(ステップS102)。
【0020】
購入ページには、自身の顔写真を送信するよう促すメッセージが表示される。ユーザXが、自身の顔写真を登録する操作を行うと、登録された顔写真は管理サーバ10に送信される(ステップS103)。
【0021】
管理サーバ10は、受信した顔写真をギャザリングアートに加工する(ステップS104)。例えば、アーティストのコンサートチケットであれば、ユーザXの顔をアーティストの顔写真を用いたモザイクアートに加工してもよい。
【0022】
管理サーバ10は、ユーザXに送るチケットデータを生成する(ステップS105)。チケットデータには、ユーザXの氏名、日程、席種、座席番号、チケットを特定するコード情報等の他、ギャザリングアートに加工したユーザXの顔写真を含める。なお、チケットデータの生成は、管理サーバ10以外の装置で行ってもよい。
【0023】
管理サーバ10は、ユーザXのユーザ端末20に、生成したチケットデータを送信する(ステップS106)。なお、チケットの購入から一定期間後に、ユーザ端末20にチケットが受け取れるようになった旨をメール等で通知し、通知を受け取ったユーザXが、チケット管理システム1にアクセスして、チケットデータをダウンロードするようにしてもよい。ユーザ端末20の表示装置23には、受信したチケットデータに基づいて、図3に例示するようなチケットの画像が表示される。図3に示すように、コンサート名や日程、座席番号の他、ギャザリングアートに加工したユーザXの顔写真が表示される。また、チケットを特定するコード情報(二次元コード等)などを表示するようにしてもよい。
【0024】
続いて、ユーザXがやむ負えない事情によりチケットを譲りたい場合の処理について説明する。ユーザXは、チケットを他人に譲りたい場合には、図3のチケット画像に表示されている譲渡希望ボタンB1にタッチすることにより、譲渡依頼の操作を行う。ユーザXによって譲渡依頼の操作が行われると(ステップS107:YES)、表示装置23にチケット譲渡依頼情報を入力する画面が表示される(ステップS108)。
【0025】
図4は、表示装置23にチケット譲渡依頼情報を入力する画面を例示する図である。図4に示すように、チケット譲渡依頼情報として、譲渡先のユーザYの氏名、年齢、ユーザYのユーザ端末20のアドレスの他、チケットの対価としてユーザXが受け取る(または受け取った)金額の情報を入力する。なお、ユーザXとユーザYとの間での対価の授受の方法は特に限定されない。また、実際の対価の授受は、チケットデータの前であっても後であってもよい。
【0026】
ユーザXがチケット譲渡依頼情報を完了して、譲渡依頼情報送信ボタンB2にタッチすると、管理サーバ10に入力されたチケット譲渡依頼情報と、譲渡したいチケットのチケットデータが送信される(ステップS109)。
【0027】
管理サーバ10は、譲渡依頼情報を受信すると、譲渡先のユーザYのユーザ端末20に、ユーザXからのチケット譲渡依頼を受け付けた旨を通知する(ステップS110)。具体的には、チケットの内容(コンサート名、日程、席種、枚数等)と、転売金額(対価)の情報を通知すると共に、ユーザYに、自身の顔写真を送信するよう促すメッセージを通知する。
【0028】
ユーザYが、自身の顔写真を登録する操作を行うと、登録された顔写真は管理サーバ10に送信される(ステップS111)。管理サーバ10は、受信したユーザYの顔写真をギャザリングアートに加工する(ステップS112)。例えば、アーティストのコンサートチケットであれば、ユーザYの顔をアーティストの顔写真を用いたモザイクアートに加工してもよい。
【0029】
管理サーバ10は、ユーザYに送るチケットデータを生成する(ステップS113)。具体的には、ユーザXから送られたチケットデータの、氏名のデータをユーザYの氏名に置換すると共に、ギャザリングアートに加工した顔写真をユーザYのものに置換する。
【0030】
管理サーバ10は、ユーザYのユーザ端末20に、生成したチケットデータを送信する(ステップS114)。なお、ユーザYのユーザ端末20にチケットが受け取れるようになった旨をメール等で通知し、通知を受け取ったユーザYが、チケット管理システム1にアクセスして、チケットデータをダウンロードするようにしてもよい。ユーザYのユーザ端末20は、受信したチケットデータに基づいて、表示装置23にチケットの画像を表示する。
【0031】
ユーザYは、コンサート当日に、入場口でユーザ端末20にチケット画像を表示して入場する。入場の際は、会場のスタッフがギャザリングアートに加工された顔写真で本人確認を行うことができる。本実施形態によれば、チケットが最初の購入者から他者へ転売されている場合でも、新たな持ち主の顔写真に変更されているため、転売の有無に関わりなく本人確認を行うことができる。また、チケット管理システム1から発行された正当なチケットであることを確認するため、チケット管理システム1に記録されている加工写真との照合を行ってもよい。
【0032】
また、管理サーバ10は、チケット流通履歴記憶部101に、チケットの流通に関する情報を記録する。具体的には、ユーザXによるチケット購入情報(チケットの種類、日程、席種、枚数、金額等)と、ユーザXからユーザYへの転売に関する情報(チケットの種類、日程、席種、枚数、金額等)を記録する。これにより、例えば頻繁に転売を行っているユーザや高額での転売を行っているユーザなどの情報を得ることができる。また、チケットの流通に関する情報は、興行主も閲覧することができる。興行主は、ユーザのチケットの購入状況に基づいて、各ユーザの関心が高い分野の情報を取得し、各ユーザへの販売促進等に活用することができる。
【0033】
以上のように、本実施形態によれば、チケットを購入したユーザXは、チケットを他人に譲渡したい場合には、譲る相手(ユーザY)を指定して譲渡依頼の操作を行うことにより、簡易にチケットの譲渡を行うことができる。また、管理サーバ10は、ユーザXから受け取ったチケットに添付されたユーザXの顔写真を、ユーザYの顔写真に置き換えて、ユーザYに送信する。このように、管理サーバ10を介してチケットの転売を行うことで、チケットの偽造や高額転売を防止できると共に、チケットの顔写真を新たな持ち主のものに入れ替えることで、チケット利用時の本人確認も行うことができる。また、譲る相手がファンクラブなどの登録会員など特定の相手に制限されないので、汎用性の高い譲渡手段を提供することができる。
【0034】
また、チケットに添付する顔写真には、ユーザから提供された写真をギャザリングアートに加工したものを用いることにより、チケット偽造の難易度をさらに高くすると共に、エンターテイメントの要素も追加され、チケット自体の付加価値を高くすることができる。また、ギャザリングアートで加工した顔写真は、通常の顔写真のように目視で本人かどうかの確認を行うことができると共に、全く同じものを作成することが難しいため、チケットの正当性を証明するコード情報のような役割を果たすこともできる。
【0035】
また、管理サーバ10は、チケットの譲渡に関する履歴情報を記録するようにした。これにより、転売額に問題があるユーザの情報などを管理することができる。例えば、転売額に問題があるユーザのメールアドレスをブラックリストで管理し、チケットの購入や譲渡に一定の制限を設けるようにしてもよい。また、興行主が履歴情報を閲覧し、利用者の関心が高いイベントの販売促進に活用することもできる。
【0036】
また、管理サーバ10は、譲渡依頼を受け付けた際、転売額が所定額以上の場合には、譲渡依頼を受け付けないようにしてもよい。具体的には、譲渡を依頼したユーザのユーザ端末20から受信したチケット額(対価)が、所定額以上の場合には、ユーザ端末20に、譲渡は行えない旨の通知を送信するようにしてもよい。また、この通知は譲渡先のユーザのユーザ端末20にも送信するようにしてもよい。また、チケット譲渡依頼情報として取得した譲渡先のユーザの年齢が、所定の年齢以下の場合には、譲渡は行えない旨の通知を送信するようにしてもよい。
【0037】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【符号の説明】
【0038】
1…チケット管理システム
10…管理サーバ
11…制御装置
12…外部記憶装置
20…ユーザ端末
21…プロセッサ
22…入力装置
23…表示装置
24…通信インタフェース
25…記憶資源
101…チケット流通履歴記憶部
【要約】      (修正有)
【課題】必要な転売は可能にしながら、偽造や正当な利用者以外の者による利用を防止するチケット管理システムを提供する。
【解決手段】チケット管理システムは、第1のユーザ端末からチケットの購入依頼を受信する購入依頼受付部と、第1のユーザを特定可能な第1の個人データを受信する個人データ取得部と、第1の個人データを含むチケットデータを生成するチケットデータ生成部と、チケットデータを第1のユーザ端末に送信するチケットデータ送信部と、第1のユーザ端末から、第2のユーザへのチケットの譲渡依頼と共に、チケットデータと、第2のユーザが操作する第2のユーザ端末のアドレス情報を受信する譲渡依頼受付部と、を備える。譲渡依頼を受信した場合には、第1のユーザ端末から受信したチケットデータに含まれる第1の個人データを、第2の個人データに置き換え、第2のユーザ端末に、個人データを置き換えたチケットデータを送信する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4