(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6619118
(24)【登録日】2019年11月22日
(45)【発行日】2019年12月11日
(54)【発明の名称】レンズモジュール
(51)【国際特許分類】
G02B 7/02 20060101AFI20191202BHJP
【FI】
G02B7/02 B
G02B7/02 A
G02B7/02 D
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-133202(P2019-133202)
(22)【出願日】2019年7月19日
【審査請求日】2019年8月15日
(31)【優先権主張番号】201821293131.3
(32)【優先日】2018年8月10日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515311349
【氏名又は名称】エーエーシー テクノロジーズ ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(72)【発明者】
【氏名】韋伝冬
【審査官】
越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−99900(JP,A)
【文献】
実開昭58−168702(JP,U)
【文献】
実開昭62−181910(JP,U)
【文献】
特開昭61−107310(JP,A)
【文献】
特開2003−75701(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02−7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光貫通孔が開設された鏡筒と、鏡筒内に設置されたレンズ群とを備え、前記レンズ群が少なくとも1枚のレンズを含み、前記鏡筒が、前記レンズに当接する内側面と、前記内側面に対向して設けられた外側面とを備えるレンズモジュールであって、
前記レンズが、光学部と前記光学部を囲むように設置された支持部を備え、
前記支持部が、物体側に面する物体側の面と、前記物体側の面に対向して設置された像側の面と、前記物体側の面と前記像側の面とを接続する側面と、前記側面と前記像側の面とを接続する傾斜面とを備え、
前記内側面は、前記レンズに当接する第1当接面と、前記第1当接面から光軸から離れる方向に折り曲げて延在する延出面と、前記延出面に接続された第2当接面とを備え、
前記側面が前記第1当接面に当接され、前記側面に前記側面から前記第2当接面に向かっての方向に延在する突起が設けら、前記突起が前記第2当接面と間隔を置いて設置され、
前記突起、前記側面、前記延出面、及び前記第2当接面によって第1接着剤収容溝を形成し、前記傾斜面、前記突起、及び前記第2当接面によって第2接着剤収容溝を形成することを特徴とするレンズモジュール。
【請求項2】
前記突起が、前記側面に固定された固定部及び前記固定部から前記側面の一端から離れて像側へ垂直的に延在する垂直部を備えることを特徴とする請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項3】
前記突起が前記支持部を囲むように設置されていることを特徴とする請求項2に記載のレンズモジュール。
【請求項4】
前記レンズと貼り合わせて設置された遮光部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項5】
前記遮光部材が中空環状構造であることを特徴とする請求項4に記載のレンズモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結像技術の分野に関し、特に、レンズモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展に伴い、携帯型の電子機器は絶えずにスマート化、小型化へ発展しつつある。デジタルカメラの以外、タブレットPC、携帯電話などの携帯型の電子機器にも撮影機能を有するレンズモジュールが配置されて、レンズモジュールに対しての撮影要求もますます高くなっている。
【0003】
従来技術において、電子機器におけるカメラのレンズモジュール構造は一般的には非球面レンズ及び外部固定構造部材から構成され、さらに遮光シート、遮光板、接続部及びストッパに合わせてレンズモジュール全体を構成する。そのうち、ストッパのところで接着剤を塗布することによりレンズモジュール構造部材全体を固定し、この方式で固定力が不充分で、レンズの間を緩みやすくし、これによって結像不安定性が生じる。
【0004】
したがって、上記技術問題を解消するために、新規のレンズモジュールを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、構造強度が高く、接続が安定したレンズモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の実施形態は、レンズモジュールを提供する。光光貫通孔が開設された鏡筒と、鏡筒内に設置されたレンズ群とを備え、前記レンズ群が少なくとも1枚のレンズを含み、前記鏡筒が、前記レンズに当接する内側面と、前記内側面に対向して設けられた外側面とを備え、前記レンズが、光学部と前記光学部を囲むように設置された支持部を備え、前記支持部が、物体側に面する物体側の面と、前記物体側の面に対向して設置された像側の面と、前記物体側の面と前記像側の面とを接続する側面と、前記側面と前記像側の面とを接続する傾斜面とを備え、前記内側面は、前記レンズに当接する第1当接面と、前記第1当接面から光軸から離れる方向に折り曲げて延在する延出面と、前記延出面に接続された第2当接面とを備え、前記側面が前記第1当接面に当接され、前記側面に前記側面から前記第2当接面に向かっての方向に延在する突起が設けら、前記突起が前記第2当接面と間隔を置いて設置され、前記突起、前記側面、前記延出面、及び前記第2当接面によって第1接着剤収容溝を形成し、前記傾斜面、前記突起、及び前記第2当接面によって第2接着剤収容溝を形成する。
【0007】
前記突起が、前記側面に固定された固定部及び前記固定部から前記側面の一端から離れて像側へ垂直的に延在する垂直部を備えることことが好ましい。
【0008】
前記突起が前記支持部を囲むように設置されていることが好ましい。
【0009】
前記レンズモジュールは、前記レンズと貼り合わせて設置された遮光部材をさらに備えることが好ましい。
【0010】
前記遮光部材が中空環状構造であることが好ましい。
【0011】
従来の技術に比べて、本発明のレンズモジュールは前記レンズの前記支持部に突起を設置し、前記突起が前記鏡筒と間隔を開け、且つ前記突起は接着剤溝を2つの部分に分けて、接着剤の接着面積を増加させ、レンズの配列を緊密にし、レンズモジュールの信頼性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明における実施例の技術方案をより明確に説明するために、以下で実施例の説明に使用される図面について簡単に説明する。下記の図面は本発明の幾つかの実施例に過ぎないが、進歩性のある労働をせずにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることもできることは、当業者にとっては自明なことである。
【
図1】
図1は、本発明レンズモジュールの第1実施例の断面図である。
【
図2】
図2は、本発明レンズモジュールの第2実施例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術方案を明確かつ完全に説明する。当然ながら、説明した実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎなく、すべての実施例ではない。当業者が本発明の実施例に基づいて進歩性のある労働をしない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0014】
図1及び
図2に示すように、前記レンズモジュール100は、鏡筒1と、レンズ2、押えリング3を備える。
【0015】
前記鏡筒1に光通過孔1001が設けられ、前記鏡筒1は、前記レンズ2に取り付け位置を提供することに用いられる。前記鏡筒1は、前記レンズ2に当接する内側面11と、前記内側面11に対向して設置された外側表面12を備える。前記内側面11は、前記レンズに当接する第1当接面111と、前記第1当接面111から前記光通過孔1001が位置した直線から離れる方向に向かって折り曲げて延在する延出面112と、前記延出面112に接続された第2当接面113とを備える。
【0016】
前記レンズ2は複数枚であり、複数枚の前記レンズ2は物体側から像側に向かって順に緊密に配列されてレンズ群を形成する。複数枚の前記レンズ2を用いて配列して前記レンズモジュール100が結像する時により細かく表示することができる。前記レンズ2は、光学部21と、光学部21を囲むように設置された支持部22とを備え、光学部21は光学結像に用いられ、前記支持部22は前記光学部21に支持を提供することに用いられる。
【0017】
支持部22は、物体側の面221と、物体側の面221に対向して設置された像側の面222と、前記物体側の面221と前記像側の面222とを接続する側面223と、前記側面223と前記像側の面222とを接続する傾斜面224とを備える。前記側面223は前記第1当接面111に当接される。
【0018】
図1及び
図3に示すように、前記側面223には突起2231が設けられている。前記突起2231は前記側面223から前記第2当接面113に向かっての方向に延在し、前記突起2231は前記第2当接面113と間隔を置いて設置される。前記側面223、前記延出面112及び前記突起2231によって前記第1接着剤収容溝1010を形成し、前記突起2231、前記傾斜面224及び前記第2当接面113によって第2接着剤収容溝1011を形成する。前記第1接着剤収容溝1010と前記第2接着剤収容溝1011が導通している
【0019】
前記突起2231を採用することによって、前記第1接着剤収容溝1010と前記第2接着剤収容溝1011を形成することで、接着剤の接着面積を増加させ、前記レンズ2をより緊密に配列させ、前記レンズモジュール100の信頼性がより高くになる。
【0020】
図2及び
図4に示すように、前記突起2231はL字型構造である。前記突起2231は、前記側面に固定された固定部22311及び前記固定部22311から像側へ垂直的に延在する垂直部22312を備え、前記垂直部22312と前記内側面11とが間隔を置いて設置される。接着剤を塗布した後、接着剤が前記第1接着剤収容溝1010と前記第2接着剤収容溝1011に充填される。前記垂直部22312が前記第2接着剤収容溝1011内に延在することにより接着剤の接着面積をさらに増加させ、前記レンズモジュール100の信頼性をさらに向上させる。前記垂直部22312は前記第1接着剤収容溝1010の方向に延在してもよく、同様に実現可能であることが明らかになる。
【0021】
本発明は上記構成に限定されるものではなく、接着剤の接着面積を増加させることができる他の構成を採用することも可能であり、これも本発明の保護範囲に属するべきである。
【0022】
前記遮光部材3は中空環状構造であり、前記遮光部材3は前記レンズ2と貼り合わせて設置され、前記遮光部材3は複数であり、各遮光部材3は各2つの前記レンズ2の間に挟まれて設置される。前記遮光部材3は遮光シート31及び遮光板32を含み、前記遮光部材3は迷光を遮光し、前記レンズモジュール100の結像品質を向上させる。
【0023】
従来の技術に比べて、本発明のレンズモジュールは前記レンズの前記支持部に突起を設置し、前記突起が前記鏡筒と間隔を開け、且つ前記突起は接着剤溝を2つの部分に分けて、接着剤の接着面積を増加させ、レンズの配列を緊密にし、レンズモジュールの信頼性を向上させる。
【0024】
以上に説明されたのは、本発明の実施例に過ぎなく、当業者にとっては、本発明の構想から逸脱しない限り、さらに改良することができ、これらの改良も本発明の保護範囲に含まれると理解できるはずである。
【要約】
【課題】本発明は、レンズモジュールを提供する。
【解決手段】レンズモジュールは、鏡筒と、レンズ群とを備え、前記レンズ群が少なくとも1枚のレンズを備え、前記鏡筒が内側面と外側面とを備え、前記レンズが光学部と支持部を備え、前記支持部が物体側の面、像側の面、側面、及び傾斜面を備え、前記内側面が第1当接面、延出面、及び第2当接面を備え、前記側面が前記第1当接面に当接され、前記側面に前記側面から前記第2当接面に向かっての方向に延在する突起が設けら、前記突起が前記第2当接面と間隔を置いて設置され、前記突起、前記側面、前記延出面、及び前記第2当接面によって第1接着剤収容溝を形成し、前記傾斜面、前記突起、及び前記第2当接面によって第2接着剤収容溝を形成する。従来の技術に比べて、本発明に係るレンズモジュールの構造強度が高く、接続が安定し、信頼性が高い。
【選択図】
図1