(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コントローラは、所定の信号を検出しているときに、検出した前記気圧に基づいて前記ハウジングが把持されているかを判別する制御を実行する請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本出願に係る携帯電子機器、制御方法、及び制御プログラムを実施するための実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下では、携帯電子機器の例として、スマートフォンについて説明する。
【0010】
(実施形態1)
図1から
図3を参照しながら、実施形態1に係る携帯電子機器としてのスマートフォン1の全体的な構成について説明する。
図1から
図3に示すように、スマートフォン1は、ハウジング20を有する。ハウジング20は、フロントフェイス1Aと、バックフェイス1Bと、サイドフェイス1C1〜1C4とを有する。フロントフェイス1Aは、ハウジング20の正面である。バックフェイス1Bは、ハウジング20の背面である。サイドフェイス1C1〜1C4は、フロントフェイス1Aとバックフェイス1Bとを接続する側面である。以下では、サイドフェイス1C1〜1C4を、どの面であるかを特定することなく、サイドフェイス1Cと総称することがある。
【0011】
スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3A〜3Cと、照度センサ4と、近接センサ5と、レシーバ7と、マイク8と、カメラ12とをフロントフェイス1Aに有する。スマートフォン1は、スピーカ11と、カメラ13とをバックフェイス1Bに有する。スマートフォン1は、ボタン3D〜3Fと、コネクタ14とをサイドフェイス1Cに有する。以下では、ボタン3A〜3Fを、どのボタンであるかを特定することなく、ボタン3と総称することがある。
【0012】
タッチスクリーンディスプレイ2は、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。
図1の例では、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bはそれぞれ略長方形状であるが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの形状はこれに限定されない。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、それぞれが正方形又は円形等のどのような形状もとりうる。
図1の例では、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは重ねて配置されているが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの配置はこれに限定されない。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、例えば、並べて配置されてもよいし、離して配置されてもよい。
図1の例では、ディスプレイ2Aの長辺はタッチスクリーン2Bの長辺に沿っており、ディスプレイ2Aの短辺はタッチスクリーン2Bの短辺に沿っているが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの重ね方はこれに限定されない。ディスプレイ2Aとタッチスクリーン2Bとが重ねて配置される場合、例えば、ディスプレイ2Aの1ないし複数の辺がタッチスクリーン2Bのいずれの辺とも沿っていなくてもよい。
【0013】
ディスプレイ2Aは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro−Luminescence Display)、又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro−Luminescence Display)等の表示デバイスを備える。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、及び図形等を表示する。
【0014】
タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーン2Bに対する指、ペン、又はスタイラスペン等の接触を検出する。タッチスクリーン2Bは、複数の指、ペン、又はスタイラスペン等がタッチスクリーン2Bに接触した位置を検出することができる。以下の説明では、タッチスクリーン2Bに対して接触する指、ペン、又はスタイラスペン等を、「接触オブジェクト」又は「接触物」と呼ぶことがある。
【0015】
タッチスクリーン2Bの検出方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式(又は超音波方式)、赤外線方式、電磁誘導方式、及び荷重検出方式等の任意の方式でよい。以下の説明では、説明を簡単にするため、利用者はスマートフォン1を操作するために指を用いてタッチスクリーン2Bに接触するものと想定する。
【0016】
スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bにより検出された接触、接触が検出された位置、接触が検出された位置の変化、接触が検出された間隔、及び接触が検出された回数の少なくとも1つに基づいてジェスチャの種別を判別する。ジェスチャは、タッチスクリーン2Bに対して行われる操作である。スマートフォン1によって判別されるジェスチャは、例えば、タッチ、ロングタッチ、リリース、スワイプ、タップ、ダブルタップ、ロングタップ、ドラッグ、フリック、ピンチイン、及びピンチアウトを含むがこれらに限定されない。
【0017】
スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bを介して判別するこれらのジェスチャに従って動作を行う。このため、利用者にとって直感的で使いやすい操作性が実現される。判別されるジェスチャに従ってスマートフォン1が行う動作は、ディスプレイ2Aに表示されている画面に応じて異なることがある。以下の説明では、説明を簡単にするために、「タッチスクリーン2Bが接触を検出し、検出された接触に基づいてジェスチャの種別をスマートフォン1がXと判別すること」を、「スマートフォンがXを検出する」、又は「コントローラがXを検出する」と記載することがある。
【0018】
スマートフォン1のハウジング20は、封止構造を備える。ハウジング20は、封止構造によって内部への水の侵入が妨げられた空間となっている。スマートフォン1は、封止構造を実現するために、ハウジング20に形成された開口部を、気体は通すが液体は通さない機能性部材、およびキャップ等によって閉塞している。気体は通すが液体は通さない機能性部材は、例えば、ゴアテックス(登録商標)などを用いて実現される。本実施形態では、ハウジング20は、タッチスクリーンディスプレイ2及びボタン3を有する。この場合、スマートフォン1は、ハウジング20とタッチスクリーンディスプレイ2及びボタン3との隙間への水の侵入を、気体は通すが液体は通さない機能性部材等によって、妨げている。
【0019】
図4は、スマートフォン1のブロック図である。スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3と、照度センサ4と、近接センサ5と、通信ユニット6と、レシーバ7と、マイク8と、ストレージ9と、コントローラ10と、スピーカ11と、カメラ12及び13と、コネクタ14と、加速度センサ15と、方位センサ16と、ジャイロスコープ17と、気圧センサ19とを有する。
【0020】
タッチスクリーンディスプレイ2は、上述したように、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、又は図形等を表示する。タッチスクリーン2Bは、接触を検出する。コントローラ10は、スマートフォン1に対するジェスチャを検出する。具体的には、コントローラ10は、タッチスクリーン2Bと協働することによって、タッチスクリーン2B(タッチスクリーンディスプレイ2)に対する操作(ジェスチャ)を検出する。
【0021】
ボタン3は、利用者によって操作される。ボタン3は、ボタン3A〜ボタン3Fを有する。コントローラ10はボタン3と協働することによってボタン3に対する操作を検出する。ボタン3に対する操作は、例えば、クリック、ダブルクリック、トリプルクリック、プッシュ、及びマルチプッシュを含むが、これらに限定されない。
【0022】
ボタン3A〜3Cは、例えば、ホームボタン、バックボタン又はメニューボタンである。ボタン3Dは、例えば、スマートフォン1のパワーオン/オフボタンである。ボタン3Dは、スリープ/スリープ解除ボタンを兼ねてもよい。ボタン3E及び3Fは、例えば、音量ボタンである。
【0023】
照度センサ4は、スマートフォン1の周囲光の照度を検出する。照度は、照度センサ4の測定面の単位面積に入射する光束の値である。照度センサ4は、例えば、ディスプレイ2Aの輝度の調整に用いられる。近接センサ5は、近隣の物体の存在を非接触で検出する。近接センサ5は、磁界の変化又は超音波の反射波の帰還時間の変化等に基づいて物体の存在を検出する。近接センサ5は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ2が顔に近付けられたことを検出する。照度センサ4及び近接センサ5は、一つのセンサとして構成されていてもよい。照度センサ4は、近接センサとして用いられてもよい。
【0024】
通信ユニット6は、無線により通信する。通信ユニット6によってサポートされる通信方式は、無線通信規格である。無線通信規格として、例えば、2G、3G、4G等のセルラーフォンの通信規格がある。セルラーフォンの通信規格として、例えば、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA2000、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、PHS(Personal Handy−phone System)等がある。無線通信規格として、さらに、例えば、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IEEE802.11、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)等がある。通信ユニット6は、上述した通信規格の1つ又は複数をサポートしていてもよい。
【0025】
レシーバ7及びスピーカ11は、音出力部である。レシーバ7及びスピーカ11は、コントローラ10から送信される音信号を音として出力する。レシーバ7は、例えば、通話時に相手の声を出力するために用いられる。スピーカ11は、例えば、着信音及び音楽を出力するために用いられる。レシーバ7及びスピーカ11の一方が、他方の機能を兼ねてもよい。マイク8は、音入力部である。マイク8は、利用者の音声等を音信号へ変換してコントローラ10へ送信する。
【0026】
ストレージ9は、プログラム及びデータを記憶する。ストレージ9は、コントローラ10の処理結果を一時的に記憶する作業領域としても利用される。ストレージ9は、半導体記憶媒体、及び磁気記憶媒体等の任意の非一過的(non−transitory)な記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、複数の種類の記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。ストレージ9は、RAM(Random Access Memory)等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでよい。
【0027】
ストレージ9に記憶されるプログラムには、フォアグランド又はバックグランドで実行されるアプリケーションと、アプリケーションの動作を支援する制御プログラムとが含まれる。アプリケーションは、例えば、ディスプレイ2Aに画面を表示させ、タッチスクリーン2Bを介して検出されるジェスチャに応じた処理をコントローラ10に実行させる。制御プログラムは、例えば、OSである。アプリケーション及び制御プログラムは、通信ユニット6による無線通信又は非一過的な記憶媒体を介してストレージ9にインストールされてもよい。
【0028】
ストレージ9は、例えば、制御プログラム9A、気圧データ9X、モードデータ9Y、及び設定データ9Zを記憶する。気圧データ9Xは、スマートフォン1に作用する気圧を示す情報を含む。モードデータ9Yは、スマートフォン1のモードを示す情報を含む。設定データ9Zは、スマートフォン1の動作に関する各種の設定に関する情報を含む。
【0029】
制御プログラム9Aは、スマートフォン1を稼働させるための各種制御に関する機能を提供する。制御プログラム9Aは、例えば、通信ユニット6、レシーバ7、及びマイク8等を制御することによって、通話を実現させる。制御プログラム9Aが提供する機能には、タッチスクリーン2Bを介して検出されたジェスチャに応じて、ディスプレイ2Aに表示されている情報を変更する等の各種制御を行う機能が含まれる。制御プログラム9Aが提供する機能には、気圧センサ19を制御することによって、ハウジング20内の気圧に応じた各種制御を行う機能が含まれる。制御プログラム9Aが提供する機能は、他のプログラムが提供する機能と組み合わせて利用されることがある。
【0030】
制御プログラム9Aは、気圧センサ19が検出した気圧の値に基づいて、ハウジング20が利用者等によって把持されたことを判別するための機能を提供する。ハウジング20の把持とは、利用者がハウジング20を掴むこと、利用者がハウジング20を握ること、利用者がハウジング20を保持している状態から強く握ること等を含む。ハウジング20の把持は、上述したタッチスクリーンディスプレイ2に対するジェスチャとは異なる操作である。把持されたことの判別方法については、後述する。ハウジング20の把持は、利用者の手、指等がタッチスクリーンディスプレイ2以外のハウジング20の部分を把持する場合、ハウジング20及びタッチスクリーンディスプレイ2に手、指等がかかる場合を含む。制御プログラム9Aは、通信ユニット6による通信を介して通話を行うための機能を提供する。
【0031】
制御プログラム9Aは、加速度センサ15の検出結果に基づいて、利用者がハウジング20を手で持っている状態であるかを判別するための機能を提供してもよい。例えば、スマートフォン1は、加速度センサ15を用いることにより、利用者がスマートフォン1を手で持っている状態の振動の周波数及び振幅等のパターンを取得することができる。スマートフォン1は、取得結果と、予め用意された第1の加速度パターンとを照らし合わせて、利用者がハウジング20を手で持っている状態であるかを判別することができる。第1の加速度パターンとは、利用者がスマートフォン1を手で持っている状態にあるときに加速度センサ15によって特徴的に検出される加速度のパターンであればよい。加速度パターンは、例えば、試験者が実際にスマートフォン1を手で持っている状態における加速度センサ15の検出値を予め取得することにより用意できる。第1の加速度パターンは、1ないし複数用意すればよい。第1の加速度パターンは、試験者が実際にスマートフォン1を手で持ち上げる動作時における加速度センサ15の検出値に基づいて取得した加速度パターンを含むことができる。
【0032】
制御プログラム9Aは、加速度センサ15の検出結果に基づいて、スマートフォン1が机等に置かれた又は鞄等に収容された状態(以下、静止状態という)を判別するための機能を提供してもよい。
【0033】
スマートフォン1は、加速度センサ15を用いることにより、静止状態の振動の周波数及び振幅等のパターンを取得することができる。スマートフォン1は、取得結果と、予め用意された第2の加速度パターンとを照らし合わせて、静止状態を判別できる。第2の加速度パターンは、例えば、実際にスマートフォン1が静止状態における加速度センサ15の検出値を予め取得することにより用意すればよい。
【0034】
なお、第1の加速度パターン及び第2の加速度パターンは、ストレージ9等に記憶すればよい。
【0035】
気圧データ9Xには、複数の気圧情報が時系列的に記憶される。気圧情報は、時間と、気圧の値といった項目を含む。時間は、気圧センサ19によって気圧を検出した時間を示す。気圧の値は、気圧センサ19によって検出した気圧の値を示す。
【0036】
スマートフォン1は、複数のモードを有している。例えば、複数のモードは、待機モード、報知モード、通話モード、留守番モード、公共モード、テレビ電話モード等を含む。待機モードは、スマートフォン1が待機しているモードである。報知モードは、スマートフォン1が通話の着信、電子メールの受信等を報知しているモードである。報知モードは、利用者の設定に対応する複数の設定モードを含む。例えば、設定モードは、マナーモード、サイレントモード、ボリューム0モード等を含む。マナーモードは、通知音、着信音を出力せず、バイブレータでハウジング20を振動させるモードである。サイレントモードは、タッチスクリーンディスプレイ2への表示のみを行い、通知音、着信音を出力させず振動を発生させないモードである。ボリューム0モードは、音声の出力値を0として報知するモードである。
【0037】
通話モードは、相手側の電子機器との間で通話が可能なモードである。留守番モードは、着信を報知せずに留守番電話センター等に転送するモードである。公共モードとは、運転中や利用を控えたい公共の場所などで着信した場合に、発信者に電話に出られないことをガイダンス等で応答するモードである。テレビ電話モードとは、相手側の電子機器との間でテレビ電話が可能なモードである。なお、スマートフォン1は、上述したモード以外のモードを含んでもよい。
【0038】
モードデータ9Yは、移行したモードを示すモード情報を記憶している。そして、スマートフォン1は、モード情報に対応するモードの処理を実行している。例えば、モードデータ9Yに報知モードが記憶されている場合、スマートフォン1は、通話の着信、電子メールの受信等を報知する処理を実行している。
【0039】
設定データ9Zは、スマートフォン1のハウジング20に対する把持に関する判別を行うための判別条件データを含む。判定条件データは、制御プログラム9Aの実行により、スマートフォン1が気圧センサ19によって検出した気圧の値に基づいて、ハウジング20が利用者によって把持されたと判定するための条件を含む。例えば、判別条件データは、利用者がハウジング20を把持したときに、ハウジング20内で生じる気圧の変動パターン、所定時間当たりの気圧変化量の範囲等が含まれる。
【0040】
コントローラ10は、演算処理装置である。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、SoC(System−on−a−chip)、MCU(Micro Control Unit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、及びコプロセッサを含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、スマートフォン1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。
【0041】
具体的には、コントローラ10は、ストレージ9に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、ストレージ9に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。そして、コントローラ10は、データ及び命令に応じて機能部を制御し、それによって各種機能を実現する。機能部は、例えば、ディスプレイ2A、通信ユニット6、レシーバ7、及びスピーカ11を含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、検出部の検出結果に応じて、制御を変更することがある。検出部は、例えば、タッチスクリーン2B、ボタン3、照度センサ4、近接センサ5、マイク8、カメラ12、カメラ13、加速度センサ15、方位センサ16、ジャイロスコープ17、及び気圧センサ19を含むが、これらに限定されない。
【0042】
コントローラ10は、例えば、制御プログラム9Aを実行することにより、タッチスクリーン2Bを介して検出されたジェスチャに応じて、ディスプレイ2Aに表示されている情報を変更する等の各種制御を実行する。
【0043】
カメラ12は、フロントフェイス1Aに面している物体を撮影するインカメラである。カメラ13は、バックフェイス1Bに面している物体を撮影するアウトカメラである。
【0044】
コネクタ14は、他の装置が接続される端子である。コネクタ14は、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)、ライトピーク(サンダーボルト(登録商標))、イヤホンマイクコネクタのような汎用的な端子であってもよい。コネクタ14は、Dockコネクタのような専用の端子でもよい。コネクタ14に接続される装置は、例えば、外部ストレージ、スピーカ、及び通信装置を含むが、これらに限定されない。
【0045】
加速度センサ15は、スマートフォン1に働く加速度の方向及び大きさを検出する。方位センサ16は、地磁気の向きを検出する。ジャイロスコープ17は、スマートフォン1の角度及び角速度を検出する。気圧センサ19は、スマートフォン1に作用する気圧を検出する。加速度センサ15、方位センサ16、ジャイロスコープ17、及び気圧センサ19の検出結果は、スマートフォン1の位置及び姿勢の変化を検出するために、組み合わせて利用される。
【0046】
図4においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、通信ユニット6による無線通信で他の装置からダウンロードされてもよい。
図4においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、ストレージ9に含まれる読み取り装置が読み取り可能な非一過的な記憶媒体に記憶されていてもよい。
図4においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、コネクタ14に接続される読み取り装置が読み取り可能な非一過的な記憶媒体に記憶されていてもよい。非一過的な記憶媒体は、例えば、CD(登録商標)、DVD(登録商標)、Blu−ray(登録商標)等の光ディスク、光磁気ディスク、磁気記憶媒体、メモリカード、及びソリッドステート記憶媒体を含むが、これらに限定されない。
【0047】
図4に示したスマートフォン1の構成は例であり、本発明の要旨を損なわない範囲において適宜変更してよい。例えば、ボタン3の数と種類は
図4の例に限定されない。スマートフォン1は、画面に関する操作のためのボタンとして、ボタン3A〜3Cに代えて、テンキー配列又はQWERTY配列等のボタンを備えていてもよい。スマートフォン1は、画面に関する操作のために、ボタンを1つだけ備えてもよいし、ボタンを備えなくてもよい。
図4に示した例では、スマートフォン1が2つのカメラを備えるが、スマートフォン1は、1つのカメラのみを備えてもよいし、カメラを備えなくてもよい。
図4に示した例では、スマートフォン1が位置及び姿勢を検出するために4種類のセンサを備えるが、スマートフォン1は、このうちいくつかのセンサを備えなくてもよい。あるいは、スマートフォン1は、位置及び姿勢の少なくとも1つを検出するための他の種類のセンサを備えてもよい。
【0048】
スマートフォン1は、開放状態と封止状態とを有する。開放状態とは、ハウジング20の封止が不完全であり、ハウジング20内の気圧と外部の気圧が同じとなる状態である。例えば、開放状態は、ハウジング20の開口部がキャップによって閉塞できていない状態を含む。スマートフォン1は、開放状態である場合、利用者によって操作、把持されてもハウジング20内の気圧変動が少ない。
【0049】
封止状態とは、ハウジング20内への水の侵入が妨げられている状態である。例えば、封止状態は、ハウジング20の開口部がキャップによって閉塞できている状態を含む。封止状態では、ハウジング20の開口が開放状態に比べて気体が抜けにくくなるため、ハウジング20の内部には、開口が開放されている場合に比べて気圧が一時的に高くなるなどの現象が生じる。
【0050】
封止状態である場合、スマートフォン1は、利用者の手、指等によって把持されると、ハウジング20に歪みが生じることで、ハウジング20内の体積が小さくなり、ハウジング20内の気圧が上昇する。そして、利用者が把持していた手、指等の力を緩めた場合、手、指等をハウジング20から離した場合等に、スマートフォン1は、ハウジング20内の体積が把持前の状態に戻り、その反動でハウジング20内の気圧が一気に下降する。スマートフォン1は、気圧センサ19によって検出したハウジング20内の気圧変動に基づいて、ハウジング20の把持状態を判別する。
【0051】
以下の説明では、スマートフォン1は、封止状態であることを前提に説明するが、これに限定されない。例えば、開放状態でもハウジング20内では気圧変動が生じる場合、スマートフォン1は、開放状態の判別条件とハウジング20内の気圧変動とに基づいて、ハウジング20の把持状態を判別してもよい。
【0052】
図5を参照しながら、スマートフォン1による通話の着信に係る制御について説明する。
図5は、スマートフォン1による通話の着信に係る制御の例を示す図である。以下の説明においては、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略することがある。
【0053】
スマートフォン1は、通信ユニット6を介して、相手側の電子機器からの着信の信号を検出すると、ステップS11として、当該電子機器からの着信を報知する報知モードに移行する。例えば、待機している待機モードで着信の信号を検出した場合、スマートフォン1は、待機モードから報知モードに移行する。そして、報知モードに移行したスマートフォン1は、着信中を示す着信画面60aをタッチスクリーンディスプレイ2(ディスプレイ2A)に表示する。スマートフォン1は、着信画面60aを表示するとともに、着信音、振動、ランプの点滅等によって、利用者に着信を報知してもよい。
【0054】
図5に示す例では、着信画面60aは、ボタン61と、表示領域62とを含む。ボタン61は、着信に応答するためのボタンである。表示領域62には、着信中であることを示すメッセージが表示される。通常、利用者は、スマートフォン1で通話を行う場合、ハウジング20のサイドフェイス1C3及び1C4を把持し、スマートフォン1を縦長の状態で利用する。そのため、スマートフォン1は、ハウジング20のサイドフェイス1C3及び1C4が利用者によって把持された場合に、ハウジング20内で生じる気圧変動を検出する。
【0055】
ステップS11では、着信に気付いた利用者は、着信に応答するために、ボタン61を選択するという通常のオフフック操作に代わり、その手H等でスマートフォン1のハウジング20を強く把持している。
図5に示す例では、利用者は、スマートフォン1の左右のサイドフェイス1C3とサイドフェイス1C4とが互いに近付く方向に、強く把持している。その結果、スマートフォン1にハウジング20内は、ハウジング20に生じた歪み量に応じて気圧が上昇する。そして、報知モードである場合、スマートフォン1は、気圧センサ19によって検出した気圧データ9Xに基づいて、判別条件を満たすハウジング20内の気圧の上昇を検出すると、ハウジング20が利用者によって把持されたと判別する。
【0056】
スマートフォン1のハウジング20内の気圧変動は、利用者によるハウジング20の把持の他にも、タッチスクリーンディスプレイ2に対する押下操作、大気圧の変化、高度の変化等によって生じる。このため、スマートフォン1は、ハウジング20の把持による気圧変動とその他による気圧変動とを区別する必要がある。ハウジング20が利用者によって把持された場合、ハウジング20に生じる気圧変動は、タッチスクリーンディスプレイ2に対する押下操作よりも大きく、大気圧及び高度の変化よりも短時間で変化する。本実施形態では、スマートフォン1は、ハウジング20内で生じた気圧変動が、ハウジング20に対する把持によるものか、それ以外の要因によるものかを判別するための判別条件を示す判別条件データを設定データ9Zに記憶している。例えば、判別条件データは、所定時間当たりの気圧の変化量、変動パターン等が含まれる。
【0057】
スマートフォン1は、ハウジング20が利用者によって把持されたと判別すると、ステップS12として、現状の報知モードから通話モードに移行し、通話中を示す通話画面60bをタッチスクリーンディスプレイ2(ディスプレイ2A)に表示する。
図5に示す例では、通話画面60bは、ボタン63と、表示領域64とを含む。ボタン63は、通話を切断するためのボタンである。表示領域64には、通話中であることを示すメッセージが表示される。そして、利用者は、スマートフォン1を耳に近付けて通話を行う。
【0058】
このように、スマートフォン1は、ハウジング20内の気圧を示す気圧データ9Xの用途を広げることで、ハウジング20に対する利用者の把持操作を有効とすることが可能となり、スマートフォン1の操作性を向上させることができる。例えば、スマートフォン1が着信を報知している場合に、利用者は、手袋をしていたり、片方の手が塞がっていたりすることがある。このような場合に、利用者は、タッチスクリーンディスプレイ2を操作せずに、ハウジング20を把持するだけでよい。しかも、スマートフォン1は、利用者がタッチスクリーンディスプレイ2を操作しなくても、モードを移行することができる。その結果、スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2の誤検出防止の条件を高めることができるので、誤検出防止の精度を向上させることができる。さらに、スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2以外のハウジング20の表面等に、利用者の操作を検出するためのセンサ等を設ける必要がなくなる。
【0059】
図6を参照しながら、スマートフォン1による着信に関する制御の処理手順について説明する。
図6は、スマートフォン1による制御の例の処理手順を示すフローチャートである。
図6に示す処理手順は、コントローラ10が制御プログラム9Aを実行することによって実現される。
図6に示す処理手順は、ハウジング20に対する把持操作の機能が有効である場合に実行される。
【0060】
図6に示すように、スマートフォン1のコントローラ10は、ステップS101として、通信ユニット6を介して着信の信号を検出したかを判別する。着信の信号を検出していない場合(ステップS101,No)、コントローラ10は、ステップS101の処理を繰り返す。
【0061】
着信の信号を検出している場合(ステップS101,Yes)、コントローラ10は、ステップS102に進む。コントローラ10は、ステップS102として、報知モードに移行する。具体的には、現状のモードが待機モードであった場合、コントローラ10は、モードデータ9Yに記憶している待機モードを示す情報を移行前のモードとして記憶し、移行する報知モードを示す情報を記憶する。
【0062】
コントローラ10は、ステップS103として、報知モードに応じた処理を実行する。具体的には、コントローラ10は、上述した着信画面60aをタッチスクリーンディスプレイ2(ディスプレイ2A)に表示させ、着信音、振動、ランプの点滅等によって利用者に着信を報知させるための制御を行う。
【0063】
コントローラ10は、ステップS104として、気圧センサ19によってハウジング20内の気圧を検出し、検出結果を気圧データ9Xに記憶する。そして、コントローラ10は、ステップS105として、検出した気圧に基づいて、ハウジング20が把持されたかを判別する。具体的には、コントローラ10は、気圧データ9Xに基づいて所定時間当たりの気圧の変化量を求め、当該気圧の変化量が設定データ9Zの判別条件データが示す判別条件を満たしている場合に、ハウジング20が把持されたと判別する。
【0064】
ハウジング20が把持された場合(ステップS106,Yes)、コントローラ10は、ステップS107に進む。コントローラ10は、ステップS107として、報知モードから通知モードに移行する。具体的には、コントローラ10は、移行する通話モードを示す情報をモードデータ9Yに記憶する。
【0065】
コントローラ10は、ステップS108として、報知モードに応じた処理を終了し、通話に応じた処理を実行する。具体的には、コントローラ10は、通信ユニット6を介して通話相手と通話をするための処理、上述した通話画面60bをタッチスクリーンディスプレイ2に表示させる処理等を実行する。その後、コントローラ10は、
図6に示す処理手順を終了する。
【0066】
ハウジング20が把持されていない場合(ステップS106,No)、コントローラ10は、ステップS109に進む。コントローラ10は、ステップS109において、タッチスクリーンディスプレイ2を介して、応答操作を検出したかを判別する。具体的には、コントローラ10は、
図5に示す着信画面60aのボタン61に対するジェスチャを検出した場合に、応答操作を検出したと判別する。
【0067】
応答操作を検出した場合(ステップS109,Yes)、コントローラ10は、既に説明したステップS107に進む。コントローラ10は、ステップS107及びステップS108の処理が終了すると、
図6に示す処理手順を終了する。
【0068】
応答操作を検出していない場合(ステップS109,No)、コントローラ10は、ステップS110に進む。コントローラ10は、ステップS110として、通信ユニット6を介して、着信が終了したかを判別する。コントローラ10は、相手側の電子機器からの着信の信号がなくなった場合に、着信が終了したと判別する。
【0069】
着信が終了していない場合、すなわち、着信中である場合(ステップS110,No)、コントローラ10は、既に説明したステップS104に進み、ハウジング20内の気圧の検出、応答操作の検出等を継続する。
【0070】
着信が終了している場合(ステップS110,Yes)、コントローラ10は、ステップS111に進む。コントローラ10は、ステップS111として、報知モードに応じた処理を終了させる。そして、コントローラ10は、ステップS112として、報知モードから移行前のモードに移行する。その後、コントローラ10は、
図6に示す処理手順を終了する。
【0071】
本実施形態では、スマートフォン1は、
図6に示す処理手順として、モードを移行する処理を設けた場合について説明したが、これに限定されない。例えば、
図6に示す処理手順は、スマートフォン1のモードを移項するステップS102、S107、及びS112の処理を設けなくてもよい。
【0072】
上記の本実施形態では、スマートフォン1は、ハウジング20内の気圧を検出する場合にのみ、気圧センサ19を動作させるように制御することで、電力消費を低減させることができる。
【0073】
(実施形態2)
以下に実施形態2に係るスマートフォンについて説明する。実施形態2に係るスマートフォンは、制御プログラム9Aの機能が異なる点を除いて、
図1から4に示したスマートフォン1と同様の構成を有する。そこで、以下では、スマートフォン1を例として用いて、実施形態2について説明する。
【0074】
図7A及び
図7Bを参照しながら、スマートフォン1における把持パターンの例について説明する。
図7A及び
図7Bは、スマートフォン1の把持パターンの例を示す図である。スマートフォン1におけるハウジング20の歪み量は、把持パターンによって異なる。例えば、スマートフォン1は、
図7Aに示す把持パターンP1と、
図7Bに示す把持パターンP2とを有する。
【0075】
把持パターンP1は、主に通話時に用いられる把持パターンである。把持パターンP1は、スマートフォン1のサイドフェイス1C3とサイドフェイス1C4とを把持するパターンである。把持パターンP2は、通話時以外の動画の再生等に用いられる把持パターンである。把持パターンP2は、スマートフォン1のサイドフェイス1C1とサイドフェイス1C2とを把持するパターンである。
【0076】
把持パターンP1は、利用者が把持パターンP2よりも把持し易く、利用者がハウジング20に力を加え易い。把持パターンP1は、利用者がスマートフォン1を縦長の状態で把持するので、横長の把持パターンP2よりも、ハウジング20の歪み量は大きくなる。本実施形態では、スマートフォン1は、実験、シミュレーション等に基づいた把持パターン毎の気圧の変化量の範囲に基づいて、ハウジング20に対する把持パターンP1、P2を特定し、特定した把持パターンに対応するモードに移行する。
【0077】
例えば、報知モードのスマートフォン1は、所定時間当たりの気圧変化量が第1の範囲内である場合に、把持パターンP1と判別し、通話モードに移行する。この場合、スマートフォン1は、着信の報知を終了し、上記通話画面60bをタッチスクリーンディスプレイ2に表示する。また、報知モードのスマートフォン1は、所定時間当たりの気圧変化量が第1の範囲とは異なる第2の範囲内である場合、把持パターンP2と判別し、留守番モードに移行する。この場合、スマートフォン1は、着信の報知を終了し、通信ユニット6を介して着信を留守番電話センター等に転送する。
【0078】
このように、スマートフォン1は、ハウジング20の把持パターンに基づいて、移行させるモードを現状のモードから移行可能な複数のモードの中から選択する。このため、利用者は、ハウジング20の把持パターンによって移行させたいモードを選択することができるため、スマートフォン1の操作性をさらに向上させることができる。スマートフォン1は、現状のモードから移行可能なモードをタッチスクリーンディスプレイ2に表示すれば、利用者が移行可能なモードを確認できるので、利便性を向上させることができる。
【0079】
本実施形態では、スマートフォン1は、報知モードから移行可能な移行先モードが通話モードと留守番モードである場合について説明したが、これに限定されない。例えば、3つ以上の把持パターンを特定できる場合、スマートフォン1は、移行させるモードを3つ以上のモードの中から選択できるように構成されてもよい。
【0080】
図8を参照しながら、スマートフォン1による着信に関する他の制御の処理手順について説明する。
図8は、実施形態2に係るスマートフォン1による制御の例の処理手順を示すフローチャートである。
図8に示す処理手順は、コントローラ10が制御プログラム9Aを実行することにより実現される。
図8に示す処理手順は、ハウジング20に対する把持操作の機能が有効である場合に実行される。
【0081】
図8に示す例では、ステップS101からステップS112の処理は、
図6に示すステップS101からステップS112の処理と同一であるため、異なる部分のみを説明し、同一部分の説明は省略する。
【0082】
図8に示すように、ハウジング20が把持された場合(ステップS106,Yes)、コントローラ10は、ステップS120に進む。コントローラ10は、ステップS120として、把持パターンP1であるかを判別する。具体的には、コントローラ10は、上記ステップS105で求めた所定時間当たりの気圧の変化量が、上記第1の範囲である場合に、把持パターンP1であると判別する。
【0083】
把持パターンP1である場合(ステップS120,Yes)、コントローラ10は、既に説明したステップS107及びステップS108の処理を行う。すなわち、コントローラ10は、通話モードに応じた処理を行う。その後、コントローラ10は、
図8に示す処理手順を終了する。
【0084】
把持パターンP1ではない場合、すなわち把持パターンP2である場合(ステップS120,No)、コントローラ10は、ステップS121に進む。コントローラ10は、ステップS121として、報知モードから留守番モードに移行する。具体的には、コントローラ10は、移行する留守番モードを示す情報をモードデータ9Yに記憶する。
【0085】
コントローラ10は、ステップS122として、報知モードに応じた処理を終了し、留守番モードに応じた処理を実行する。具体的には、コントローラ10は、通信ユニット6を介して、着信を留守番電話センター等に転送することにより、留守番電話センター等から相手側の電子機器に着信できない旨を通知させる。その後、コントローラ10は、
図8に示す処理手順を終了する。
【0086】
上記の実施形態では、スマートフォン1は、ハウジング20内の気圧に基づいて把持パターンP1、P2を判別する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、スマートフォン1は、気圧センサ19によって検出した気圧の変化量と、ジャイロスコープ17によって検出したスマートフォン1の姿勢とを組み合わせて把持パターンを検出するように構成されてもよい。例えば、スマートフォン1が縦長と横長とで把持されたときの気圧変化量の差が小さい場合、あるいは、気圧変化量が等しい場合、スマートフォン1は、その姿勢を考慮することで、把持パターンを判別することができる。
【0087】
(実施形態3)
以下に実施形態3に係るスマートフォンについて説明する。実施形態3に係るスマートフォンは、制御プログラム9Aの機能が異なる点を除いて、
図1から4に示したスマートフォン1と同様の構成を有する。そこで、以下では、スマートフォン1を例として用いて、実施形態3について説明する。
【0088】
図9を参照しながら、スマートフォン1による通話の着信に係る制御について説明する。
図9は、実施形態3に係るスマートフォン1による通話の着信に係る制御の例を示す図である。以下の説明においては、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略することがある。
【0089】
スマートフォン1は、通信ユニット6を介して、相手側の電子機器からの着信の信号を検出すると、ステップS21として、当該電子機器からの着信を報知する報知モードに移行し、上記の着信画面60aをタッチスクリーンディスプレイ2(ディスプレイ2A)に表示する。スマートフォン1は、着信画面60aを表示するとともに、着信音、振動、ランプの点滅等によって、利用者に着信を報知してもよい。そして、スマートフォン1は、加速度センサ15の検出結果に基づいて、利用者がスマートフォン1を手Hに持っているかを判別する。
【0090】
ステップS21では、着信に気付いた利用者は、スマートフォン1を手Hで持っている。
図9に示す例では、利用者は、ハウジング20のサイドフェイス1C3及び1C4を把持している。その結果、利用者がスマートフォン1を手Hに持っていると判別した場合、スマートフォン1は、気圧センサ19によってハウジング20内の気圧を検出する。
【0091】
ステップS22では、利用者は、着信に応答するために、ボタン61を選択するという通常のオフフック操作に代わり、保持していた手Hでスマートフォン1のハウジング20を強く把持している。その結果、スマートフォン1のハウジング20内は、ハウジング20が歪むことにより、気圧が上昇する。そして、報知モードである場合、スマートフォン1は、気圧センサ19によってハウジング20内の気圧の上昇を検出すると、ハウジング20が利用者によって把持されたと判別する。
【0092】
スマートフォン1は、ハウジング20が利用者によって把持されたと判別すると、ステップS23として、報知モードから通話モードに移行し、上記の通話画面60bをタッチスクリーンディスプレイ2(ディスプレイ2A)に表示する。そして、利用者は、スマートフォン1を用いて通話を行う。
【0093】
このように、スマートフォン1は、報知モードである場合に、利用者がスマートフォン1を手Hに持っていることを判別してから、把持しているかを判別する。例えば、スマートフォン1は、利用者のポケットに入れられた状態、カバンの中に入れられた状態等である場合に、ハウジング20に加重が加わって気圧変動が生じるおそれがある。このような場合でも、スマートフォン1は、利用者が手Hに持っている状態を判別したときに、ハウジング20内の気圧を検出するので、把持状態の判別精度を向上させることができる。また、スマートフォン1は、利用者が手Hに持っていると判別した場合に、気圧センサ19を動作させるように制御すれば、消費電力を低減することができる。
【0094】
本実施形態では、スマートフォン1は、加速度センサ15の検出結果に基づいて、利用者がスマートフォン1を手Hに持っているかを判別する場合について説明するが、これに限定されない。例えば、スマートフォン1は、近接センサ、紫外線センサ等によって自機が外気と触れている状態にあるか否かの判定結果と、加速度センサ15の検出結果とに基づいて、利用者がスマートフォン1を手Hに持っているかを判別してもよい。スマートフォン1は、ジャイロスコープ17により自機の回転パターンを取得し、取得結果と、予め用意された利用者がスマートフォン1を手で持っている状態にあるときの回転パターンとを照らし合わせることで、利用者がスマートフォン1を手Hに持っている状態であるかの判別精度を上げるための補助としてもよい。回転パターンは、例えば、試験者が実際にスマートフォン1を手で持っている状態におけるジャイロセンサの検出値を予め取得することにより用意される。回転パターンは、1ないし複数用意される。回転パターンは、ストレージ9等に記憶される。
【0095】
図10を参照しながら、スマートフォン1による着信に関する他の制御の処理手順について説明する。
図10は、実施形態3に係るスマートフォン1による制御の例の処理手順を示すフローチャートである。
図10に示す処理手順は、コントローラ10が制御プログラム9Aを実行することにより実現される。
図10に示す処理手順は、ハウジング20に対する把持操作の機能が有効である場合に実行される。
【0096】
図10に示す例では、ステップS101からステップS112の処理は、
図6に示すステップS101からステップS112の処理と同一であるため、異なる部分のみを説明し、同一部分の説明は省略する。
【0097】
図10に示すように、ステップS103で報知モードに応じた処理を実行すると、コントローラ10は、ステップS131に進む。コントローラ10は、ステップS131として、加速度センサ15の検出結果に基づいて、スマートフォン1を利用者が手Hに持っているかを判別する。
【0098】
利用者が手Hに持っていると判別した場合(ステップS132,Yes)、コントローラ10は、既に説明したステップS104以降の処理を行う。利用者が手Hに持っていないと判別した場合(ステップS132,No)、コントローラ10は、既に説明したステップS109以降の処理を行う。
【0099】
ステップS110で、着信が終了してない場合(ステップS110,No)、コントローラ10は、既に説明したステップS131に進む。すなわち、コントローラ10は、ステップS131以降の処理を繰り返すことで、利用者が手Hに持っていない場合、着信の報知によって利用者がスマートフォン1を手Hに持つのを待つ。
【0100】
本実施形態では、スマートフォン1は、着信の報知モードに移行した後に、利用者がスマートフォン1を手Hに持っているかを判別する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、スマートフォン1は、着信を検出し、報知モードに移行する前に、利用者がスマートフォン1を手Hに持っているかを判別するように構成されてもよい。スマートフォン1は、利用者がスマートフォン1を手Hに持っているか否かを逐次的に判別して判別結果をストレージ9等に記憶し、把持していると判別したときに、把持していると判別した時点における手Hに持っているか否かの判別結果に基づいて、利用者がスマートフォン1を手Hに持っているかを判別するように構成されてもよい。
【0101】
(実施形態4)
以下に実施形態4に係るスマートフォンについて説明する。実施形態4に係るスマートフォンは、制御プログラム9Aの機能が異なる点を除いて、
図1から4に示したスマートフォン1と同様の構成を有する。そこで、以下では、スマートフォン1を例として用いて、実施形態4について説明する。
【0102】
図11を参照しながら、スマートフォン1による通話の着信に係る制御について説明する。
図11は、実施形態4に係るスマートフォン1による通話の着信に係る制御の例を示す図である。以下の説明においては、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略することがある。
【0103】
スマートフォン1は、通信ユニット6を介して、相手側の電子機器からの着信の信号を検出すると、ステップS31として、当該電子機器からの着信を報知する報知モードに移行し、上記の着信画面60aをタッチスクリーンディスプレイ2(ディスプレイ2A)に表示する。スマートフォン1は、着信画面60aを表示するとともに、着信音、振動、ランプの点滅等によって、利用者に着信を報知してもよい。その場合、スマートフォン1は、加速度センサ15の検出結果に基づいて、利用者がスマートフォン1を手Hに持っているかを判別する。
【0104】
ステップS31では、利用者は、スマートフォン1を持っていない状態である。そして、利用者がスマートフォン1を手Hに持っていないと判別した場合、スマートフォン1は、気圧センサ19によってハウジング20内の気圧を検出する。
【0105】
ステップS32では、スマートフォン1を持っていない状態で、着信に気付いた利用者は、スマートフォン1を公共モードに移行させるために、その手Hで静止状態のスマートフォン1のハウジング20を強く把持している。
図11に示す例では、利用者は、ハウジング20のサイドフェイス1C3及び1C4を把持している。その後、利用者は、スマートフォン1から手Hを離している。ハウジング20を強く把持した結果、スマートフォン1のハウジング20内は、気圧が上昇する。そして、スマートフォン1は、気圧センサ19によってハウジング20内の気圧の上昇を検出すると、報知モードかつ利用者がスマートフォン1を持っていなかった状態である場合に、ハウジング20が利用者によって把持されたと判別する。
【0106】
スマートフォン1は、静止状態で、ハウジング20が利用者によって把持されたと判別すると、ステップS33として、報知モードから公共モードに移行する。そして、スマートフォン1は、公共モードに移行すると、公共モードに移行したことを示す通知画面60cをタッチスクリーンディスプレイ2(ディスプレイ2A)に表示する。
図11に示す例では、通知画面60cは、表示領域65を含む。表示領域65には、公共モードに移行したことを示すメッセージが表示される。その結果、利用者は、スマートフォン1を公共モードに切り替えられたことを確認する。そして、スマートフォン1は、発信者に対して電話に出られないことをガイダンス等で応答する。
【0107】
このように、スマートフォン1は、報知モードである場合に、利用者がスマートフォン1を手Hに持っていない状態を判別してから、把持しているかを判別する。例えば、利用者は、着信が報知されているにも係わらず、スマートフォン1を持ち上げない場合、何らかの理由によって電話に出られない可能性が高い。このような場合に、利用者は、スマートフォン1のディスプレイ2Aの表示内容を確認せずに、ハウジング20を把持するだけで、スマートフォン1を報知モードから公共モードに移行させることができるので、スマートフォン1の操作性を向上させることができる。さらに、利用者は、スマートフォン1をカバン、ポケット等から出さずに、カバン、ポケット等の中でハウジング20を把持するだけでよいので、スマートフォン1の利便性を向上させることができる。
【0108】
図12を参照しながら、スマートフォン1による着信に関する他の制御の処理手順について説明する。
図12は、実施形態4に係るスマートフォン1による制御の例の処理手順を示すフローチャートである。
図12に示す処理手順は、コントローラ10が制御プログラム9Aを実行することにより実現される。
図12に示す処理手順は、ハウジング20に対する把持操作の機能が有効である場合に実行される。
【0109】
図12に示す例では、ステップS101からステップS112の処理は、
図6に示すステップS101からステップS112の処理と同一であるため、異なる部分のみを説明し、同一部分の説明は省略する。
【0110】
図12に示すように、ステップS103で報知モードに応じた処理を実行すると、コントローラ10は、ステップS141に進む。コントローラ10は、ステップS141として、加速度センサ15の検出結果に基づいて、スマートフォン1を利用者が手Hに持っているかを判別し、その判別結果をストレージ9等に記憶する。そして、コントローラ10は、既に説明したステップS104からステップS106の処理を実行する。
【0111】
ハウジング20が把持されていない場合(ステップS106,No)、コントローラ10は、既に説明したステップS109以降の処理を行う。そして、着信が終了していない場合(ステップS110,No)、コントローラ10は、既に説明したステップS141に進む。
【0112】
ハウジング20が把持されている場合(ステップS106,Yes)、コントローラ10は、ステップS142に進む。そして、ステップS141で利用者が持っていると判別した場合(ステップS142,Yes)、コントローラ10は、既に説明したステップS107及びステップS108を実行する。その後、コントローラ10は、
図12に示す処理手順を終了する。
【0113】
ステップS141で利用者が持っていないと判別した場合(ステップS142,No)、コントローラ10は、ステップS143に進む。コントローラ10は、ステップS143として、報知モードから公共モードに移行する。具体的には、コントローラ10は、公共モードを示す情報をモードデータ9Yに記憶し、公共モードに移行したことを示す通知画面60cをタッチスクリーンディスプレイ2(ディスプレイ2A)に表示させる。
【0114】
コントローラ10は、ステップS144として、報知モードに応じた処理を終了し、公共モードに応じた処理を実行する。具体的には、コントローラ10は、通信ユニット6を介して、発信者に電話に出られないことをガイダンス等で応答するための制御を実行する。その後、コントローラ10は、
図12に示す処理手順を終了する。
【0115】
本出願の開示する実施形態は、発明の要旨及び範囲を逸脱しない範囲で変更することができる。さらに、本出願の開示する実施形態及びその変形例は、適宜組み合わせることができる。例えば、上記の実施形態は、以下のように変形してもよい。
【0116】
例えば、
図4に示した各プログラムは、複数のモジュールに分割されていてもよいし、他のプログラムと結合されていてもよい。
【0117】
上記の実施形態では、スマートフォン1は、通話モードの場合に、気圧センサ19によってハウジング20内の気圧の検出を継続し、ハウジング20の把持を検出すると、通話を切断するモードに移行するように構成してもよい。その結果、利用者は、ハウジング20の把持操作だけで、通話の開始及び終了を操作することができるため、操作性を向上させることができる。
【0118】
上記の実施形態では、スマートフォン1は、通話の着信を報知する報知モードの場合に、ハウジング20の把持を検出すると、通話モードに移行する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、スマートフォン1は、報知モードの場合に、タッチスクリーンディスプレイ2を介して応答操作を検出すると、通話モードに移行し、かつ、ハウジング20の把持を検出すると、公共モードに移行するように構成されてもよい。例えば、スマートフォン1は、電子メールの受信を報知している報知モードの場合に、ハウジング20の把持を検出すると、報知している受信メールを表示する閲覧モードに移行するように構成されてもよい。
【0119】
上記の実施形態では、気圧センサを備える携帯電子機器の例として、スマートフォンについて説明したが、添付の請求項に係る携帯電子機器は、スマートフォンに限定されない。添付の請求項に係る携帯電子機器は、スマートフォン以外の携帯電子機器であってもよい。携帯電子機器は、例えば、モバイルフォン、タブレット、携帯型パソコン、デジタルカメラ、メディアプレイヤ、電子書籍リーダ、ナビゲータ、及びゲーム機を含むが、これに限定されない。
【0120】
添付の請求項に係る技術を完全かつ明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、添付の請求項は、上記実施形態に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成を具現化するように構成されるべきである。