(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明に係る眼科装置の実施形態の例について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この明細書において引用された文献の記載内容や任意の公知技術を、以下の実施形態に援用することが可能である。
【0011】
実施形態に係る眼科装置は、被検眼のデータを光学的に取得する取得部と、当該眼科装置を操作するためのユーザインターフェイス(User Interface:以下、UI)部と、1以上のハードスイッチとを含む。取得部の機能は、被検眼の特性を測定するための光学系(測定部)や被検眼の画像を撮影するための光学系(撮影部)等により実現可能である。以下、実施形態に係る眼科装置は、検者等によるUI部やハードスイッチに対する操作を受け、任意の自覚検査及び/又は任意の他覚検査を単体で実行可能であるものとする。
【0012】
たとえば、眼科装置は、自覚検査として、遠用検査、近用検査、コントラスト検査、グレア検査などを実行可能であり、かつ、他覚検査として、他覚屈折測定、角膜形状測定などを実行可能な検眼装置(オートレフケラトメータ)であってよい。しかし、実施形態に係る眼科装置はこれに限定されるものではない。本発明を適用可能な眼科装置として、眼底撮影装置や、光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography:以下、OCT)装置や、眼軸長測定装置や、眼圧計などがある。眼底撮影装置は、眼底を撮影する装置である。OCT装置は、眼底や前眼部などの被検眼の任意の部位をOCTを用いて画像化する装置である。眼軸長測定装置は、たとえば、被検眼に光を照射することにより角膜頂点位置から網膜前面までの距離を眼軸長として測定する装置である。眼圧計は、たとえば、圧縮空気が吹き付けられた被検眼の前眼部を照明することにより取得された角膜からの戻り光の光量と圧縮空気の圧力等とに基づいて眼圧を測定する装置である。
【0013】
以下、眼科装置の前後方向をZ方向とし、左右方向をX方向とし、上下方向をY方向とする。
【0014】
[眼科装置]
図1及び
図2に、実施形態に係る眼科装置の構成例を示す。
図1は、実施形態に係る眼科装置の外観構成の概略図を表す。
図2は、実施形態に係る眼科装置の制御系の構成例のブロック図を表す。
【0015】
眼科装置1は、ベース2と、測定ヘッド3と、あご受け部4と、UI部10と、操作ユニット20とを含む。あご受け部4には、額当て5が設けられている。被検者は、あご受け部4にあごを置き、額当て5に額を当てた状態で検査を受ける。
【0016】
(測定ヘッド)
測定ヘッド3の内部には、公知の測定光学系6が設けられている。測定光学系6は、被検眼の前眼部、角膜、眼底等のデータを取得するために用いられる。測定光学系6は、被検眼の前眼部、角膜、眼底等の観察や撮影を行うための光学系であってよい。
【0017】
測定ヘッド3は、眼屈折力測定部3Aと、角膜形状測定部3Bと、眼圧測定部3Cと、角膜厚測定部3Dとを含む。
【0018】
眼屈折力測定部3Aは、近赤外光を被検眼の網膜に投影し、網膜からの反射像を取得するための光学系を備えている。演算処理部200は、眼屈折力測定部3Aにより取得された被検眼の網膜からの反射像に対して演算処理を施すことにより、被検眼を正視と同じ状態にするのに必要な補正レンズの球面屈折力、円柱屈折力及び乱視軸方向を算出する。
【0019】
角膜形状測定部3Bは、ケラトリングを被検眼の角膜に投影し、角膜表面からの反射像を取得するための光学系を備えている。演算処理部200は、角膜形状測定部3Bにより取得された被検眼の角膜表面からの反射像に対して演算処理を施すことにより、角膜曲率半径を算出し、算出された角膜曲率半径から角膜屈折力、角膜乱視度及び角膜乱視軸方向を算出する。
【0020】
眼圧測定部3Cは、測定ノズルから空気を被検眼の角膜にあて、当該角膜の一定面積を平面にするために要したシリンダー内の圧力を検知するための構成を備えている。演算処理部200は、眼圧測定部3Cにより検知された圧力を用いて演算処理を行うことにより眼圧値を算出する。
【0021】
角膜厚測定部3Dは、被検眼の角膜に対して斜めからスリット光を投影し、角膜表面及び角膜裏面からの反射光を受光するための光学系を備えている。演算処理部200は、角膜厚測定部3Dにより受光された反射光を用いて演算処理を行うことにより角膜厚を算出する。
【0022】
測定ヘッド3は、複数のアライメントモードで眼科装置1のアライメントを実行するためのアライメント手段を備えている。測定ヘッド3は、アライメント手段として、Z方向のアライメントを行うためのZアライメント投影系と、XY方向のアライメントを行うためのXYアライメントスポット投影系とを含む。
【0023】
Zアライメント投影系は、たとえば、光源と、検出素子とを含む。光源は、光を被検眼の角膜に投影する。検出素子は、光源により角膜に投影された光の戻り光を検出する。角膜頂点の位置がZ方向に移動すると検出素子に投影される戻り光の位置が変化する。この戻り光の位置の変化に基づいて測定光学系6を制御することにより、手動又は自動でZ方向のアライメントを行うことが可能である。手動でアライメントを行う場合、UI部10又は操作ユニット20が用いられる。
【0024】
XYアライメントスポット投影系は、たとえば、光源を含む。光源から光の光路は測定光学系6の光路に合成される。光源からの光は、たとえば、測定光学系6の光路を経由して、被検眼の角膜に投影される。被検眼に投影された光は、角膜で反射され、撮影用に別途に設けられた撮像素子に投影される。所定のアライメント目標位置に対する撮像素子に投影された戻り光の位置のずれに基づいて測定光学系6を制御することにより、、手動又は自動によりXY方向のアライメントを行うことが可能である。手動でアライメントを行う場合、UI部10又は操作ユニット20が用いられる。
【0025】
(ベース)
ベース2には、測定ヘッド3やあご受け部4を駆動する公知の駆動系8が設けられている。駆動系8は、移動機構81と、駆動部82とを含む。移動機構81は、上下方向、左右方向及び前後方向のうち少なくとも1つの方向に測定ヘッド3を移動したり、上下方向にあご受け部4を移動したりする。駆動部82は、移動機構81を駆動する。
【0026】
移動機構81は、上下移動機構81Aと、左右移動機構81Bと、前後移動機構81Cと、あご受け移動機構81Dとを含む。駆動部82は、上下駆動部82Aと、左右駆動部82Bと、前後駆動部82Cと、あご受け駆動部82Dとを含む。上下移動機構81Aは、測定ヘッド3を上下方向に移動する。上下駆動部82Aは、上下移動機構81Aを駆動する。左右移動機構81Bは、測定ヘッド3を左右方向に移動する。左右駆動部82Bは、左右移動機構81Bを駆動する。前後移動機構81Cは、測定ヘッド3を前後方向に移動する。前後駆動部82Cは、前後移動機構81Cを駆動する。あご受け移動機構81Dは、あご受け部4を上下方向に移動する。あご受け駆動部82Dは、あご受け移動機構81Dを駆動する。このような駆動系8の構成は、たとえば特開2008−61715号公報に記載されるように公知である。測定ヘッド3は、駆動系8により駆動されることで、ベース2に対して上下方向、左右方向及び前後方向に移動される。それにより、あご受け部4に保持されている被検者の顔に対する測定ヘッド3の位置が変更される。あご受け部4は、駆動系8により駆動されることで、ベース2に対して上下方向に移動される。それにより、あご受け部4に保持されている被検者の顔の位置が変更される。
【0027】
(UI部)
UI部10は、タップ操作、長押し操作、ドラッグ操作などのタッチ操作が可能なタッチパネルディスプレイ10aを含む。タッチパネルディスプレイ10aの画面には、眼科装置1を操作するためのグラフィカルユーザインターフェイス(Graphical User Interface:以下、GUI)や被検眼の像や検査結果などが表示される。タッチパネルディスプレイ10aの画面に表示されるGUIには、操作用オブジェクトが含まれる。操作用オブジェクトには、ボタンオブジェクト、チェックボックスオブジェクト、ラジオボタンオブジェクト、スクロールバーオブジェクトなどがある。たとえば、タッチパネルディスプレイ10aの画面に表示されたボタンオブジェクト(以下、ボタン)に対してタッチ操作が行われたとき、当該タッチ操作の操作内容が特定され、特定された操作内容に応じて測定ヘッド3等が制御される。
【0028】
UI部10は、水平方向及び垂直方向のそれぞれに回動可能に測定ヘッド3の頂部9に取り付けられている。UI部10の回動により回動前後のタッチパネルディスプレイ10aの画面の上下方向又は左右方向が逆方向になる場合、眼科装置1は、回動前後で当該画面に表示される画像の見た目上の位置が同じ位置になるように画像情報に対する制御を行うことが可能である。たとえば、眼科装置1は、UI部10の回動に応じて、画像情報の上下方向又は左右方向の反転制御を行う。このような制御は、たとえば特開2012−148030号公報に記載されるように公知である。
【0029】
向き検出部11は、タッチパネルディスプレイ10aの画面の向きを検出する。向き検出部11は、UI部10の水平方向の回動軸回りの回動方向及び回動角度と、UI部10の垂直方向の回動軸回りの回動方向及び回動角度とを検出することによりタッチパネルディスプレイ10aの画面の向きを検出することが可能である。向き検出部11による検出結果は、制御部100に送られる。なお、向き検出部11は、水平方向及び垂直方向のそれぞれの回動軸回りの回動方向及び回動角度を制御部100に送信してもよい。
【0030】
(操作ユニット)
操作ユニット20は、眼科装置1に対して着脱可能である。たとえば、操作ユニット20は、眼科装置1の底面に設けられた複数の脚部1aのうち少なくとも1つに係合する係合部20aを含む。脚部1aに係合部20a係合させることにより、眼科装置1に装着された操作ユニット20の移動を規制することができる。
【0031】
操作ユニット20は、1以上のハードスイッチ21と、コントロールレバー22とを含む。
【0032】
ハードスイッチ21には、押しボタンスイッチ、ロッカースイッチ、タクタイルスイッチ、ディップスイッチなどがある。操作ユニット20は、ハードスイッチ21に対する操作(たとえば、押下操作)を検出するための操作検出手段を含む。検出手段による検出結果は、制御部100に送られる。この実施形態では、操作ユニット20は、ハードスイッチ21として、第1スイッチ部21aと、第2スイッチ部21bとを含む。第1スイッチ部21a及び第2スイッチ部21bのそれぞれは、押しボタンスイッチである。操作ユニット20は、操作検出手段として、第1スイッチ部21a及び第2スイッチ部21bのそれぞれに対する押下操作を検出するハードスイッチ操作検出部を含む。
【0033】
コントロールレバー22は、たとえば、操作レバーと、操作レバーの基端を傾倒可能に支持する支持部とを含む。操作レバーは、支持軸と、支持軸の先端に設けられた把持部とを含む。支持軸の基端には、支持部が接続される。把持部は、支持軸の回りを回動可能に保持され回動操作を行うための操作ノブと、押下操作を行うための測定スイッチとを含む。測定スイッチは、把持部の頂部に設けられる。支持部は、支持軸に対する前後方向への傾倒操作による傾倒方向及び傾倒角度と、支持軸に対する左右方向への傾倒操作による傾倒方向及び傾倒角度とを検出する2つのポテンショメータを含む。また、支持部は、操作ノブに対する回動操作による支持軸の回りの回動方向と回動角度とを検出するロータリエンコーダと、測定スイッチに対する押下操作による測定スイッチ操作を検出する測定スイッチ操作検出部とを含む。
【0034】
眼科装置1と操作ユニット20とは、たとえば、USB(Universal Serial Bus)規格に準拠したUSBケーブルで接続される。眼科装置1は、USBケーブルを介して操作ユニット20に対して電源を供給するとともに、前述のハードスイッチ操作検出部、2つのポテンショメータ、ロータリエンコーダ及び測定スイッチ操作検出部を制御するための制御信号を送信する。操作ユニット20は、眼科装置1からの制御信号を受け、ハードスイッチ21やコントロールレバー22に対して行われた操作内容に対応した操作検出信号をUSBケーブルを介して眼科装置1に対して送信する。
【0035】
コントロールレバー22(操作レバー)は、ハードスイッチ21(第1スイッチ部21a及び第2スイッチ部21bの少なくとも1つ)の近傍に設けられていてよい。それにより、検者は、コントロールレバー22(操作レバー)を把持しつつハードスイッチ21に対する押下操作を行うことが可能になり、操作中に視線を移動させることなく傾倒操作や押下操作を行うことができる。
【0036】
(出力部)
出力部90は、測定光学系6を用いて取得された測定結果を出力する。この実施形態では、出力部90は、測定結果のプリントアウトを行う。出力部90は、測定光学系6を用いて取得された被検眼の画像をプリントアウトすることも可能である。出力部90は、測定モードに応じた出力レイアウトで測定結果等をプリントアウトすることが可能である。出力レイアウトは、任意に変更可能である。
【0037】
(制御部)
眼科装置1の制御系は、制御部100を中心に構成される。制御部100は、たとえば、マイクロプロセッサ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクドライブ等を含む。制御部100には、主制御部110と記憶部120とが設けられている。
【0038】
主制御部110は、眼科装置1の各部の制御を行う。特に、主制御部110は、測定ヘッド3、UI部10、向き検出部11、駆動系8(駆動部82)、操作ユニット20及び演算処理部200等を制御する。
【0039】
測定ヘッド3に対する制御としては、たとえば、被検眼に対する光学系の位置合わせを行うためのアライメントや、被検眼の特性の測定又は被検眼の撮影を行うための光学系の制御などがある。眼科装置1は、複数の測定モードで動作可能である。測定モードには、眼屈折力測定や角膜形状測定を行うためのR/K測定モードと、眼圧測定や角膜厚測定を行うためのT/P測定モードと、R/K測定モードでの測定とT/P測定モードでの測定とを連続で実行するR/K→T/P測定モードとがある。R/K測定モードには、眼屈折力測定を単独で行うためのREFモードと、角膜形状測定を単独で行うためのKRTモードと、眼屈折力測定と角膜形状測定とを連続で行うR/Kモードとがある。T/P測定モードには、眼圧測定を単独で行うためのTONOモードと、眼圧測定と角膜厚測定とを連続で実行するT/Pモードとがある。主制御部110は、眼屈折力測定部3A、角膜形状測定部3B、眼圧測定部3C及び角膜厚測定部3Dを制御することにより、測定モードに応じた被検眼の測定等の制御を実行する。
【0040】
UI部10に対する制御としては、測定ヘッド3を用いて取得された被検眼の画像やGUIの表示制御や、タッチパネルディスプレイ10aに対するタッチ操作の受付制御などがある。向き検出部11に対する制御としては、タッチパネルディスプレイ10aの画面の向きの検出結果の取得制御などがある。駆動系8(駆動部82)に対する制御としては、たとえば、上下駆動部82A、左右駆動部82B、前後駆動部82C及びあご受け駆動部82Dに対する駆動制御などがある。
【0041】
操作ユニット20に対する制御としては、コントロールレバー22に対する傾倒操作、第1スイッチ部21aに対する押下操作及び第2スイッチ部21bに対する押下操作などの各種操作の受付制御などがある。主制御部110は、UI部10又は操作ユニット20に対して行われた操作内容に基づいて、眼科装置1の各部の制御を行う。
【0042】
演算処理部200に対する制御としては、測定ヘッド3の各部を用いて前述のように取得された反射像等を用いた演算処理の制御などがある。
【0043】
主制御部110は、対応付け部111と、動作制御部112と、表示制御部113とを含む。
【0044】
対応付け部111は、第1スイッチ部21a及び第2スイッチ部21bの少なくとも1つに、タッチパネルディスプレイ10aに表示されているGUIに含まれる操作用オブジェクトを対応付ける(関連付ける)。以下、
図3及び
図4を用いて、対応付け部111の動作について説明する。
【0045】
図3及び
図4に、タッチパネルディスプレイ10aの画面に表示されたGUIの一例を示す。
図3は、R/K測定モードのときのGUIの一例を表す。
図4は、T/P測定モードのときのGUIの一例を表す。
図4において、
図3と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0046】
R/K測定モードのとき、
図3に示すように、タッチパネルディスプレイ10aの画面には、表示部G1と、操作用オブジェクト配置部G2とが設けられる。表示部G1には、被検者ID(患者ID)、検者ID、測定モード、測定結果、アライメントマーク、被検眼の画像などが表示される。操作用オブジェクト配置部G2には、複数の操作用オブジェクトが表示される。操作用オブジェクト配置部G2には、Rボタンgb1、あご受け上下動ボタンgb2、測定モードボタンgb3、モードボタンgb4、Lボタンgb5、測定ヘッド前進/後進ボタンgb6、スタートボタンgb7、オート/マニュアルボタンgb8が表示される。あご受け上下動ボタンgb2は、上方向の移動ボタンと下方向の移動ボタンとを含む。測定ヘッド前進/後進ボタンgb6は、前進方向の移動ボタンと後進方向の移動ボタンとを含む。また、操作用オブジェクト配置部G2には、白内障モードボタンgb10、固視標ボタンgb11、FOGボタンgb12、プリントボタンgb13などが更に表示される。
【0047】
Rボタンgb1は、検査対象眼として右眼を選択するためのボタンである。Rボタンgb1に対してタッチ操作が行われたとき、主制御部110(動作制御部112)は、左右駆動部82B等を制御することにより測定ヘッド3を右眼の測定位置に移動する。
【0048】
あご受け上下動ボタンgb2は、あご受け部4を上下動するためのボタンである。あご受け上下動ボタンgb2に対してタッチ操作が行われたとき、主制御部110は、あご受け駆動部82Dを制御することによりあご受け部4を上下方向に移動する。このとき、主制御部110は、測定ヘッド3を後退させてもよい。
【0049】
測定モードボタンgb3は、REFモード、KRTモード、R/Kモードのいずれかの測定モードに切り替えるためのボタンである。モードボタンgb4は、R/K測定モード、T/P測定モード、R/K→T/P測定モードのいずれかの測定モードに切り替えるためのボタンである。測定モードボタンgb3又はモードボタンgb4に対してタッチ操作が行われたとき、主制御部110は、タッチ操作により指定された測定モードを切り替える制御を実行する。
【0050】
Lボタンgb5は、検査対象眼として左眼を選択するためのボタンである。Lボタンgb5に対してタッチ操作が行われたとき、主制御部110は、左右駆動部82B等を制御することにより測定ヘッド3を左眼の測定位置に移動する。
【0051】
測定ヘッド前進/後進ボタンgb6は、被検眼に対し測定ヘッド3を接近させたり後退させたりするためのボタンである。測定ヘッド前進/後進ボタンgb6に対してタッチ操作が行われたとき、主制御部110は、前後駆動部82Cを制御することにより測定ヘッド3を前後方向に移動する。
【0052】
スタートボタンgb7は、測定を開始するためのボタンである。スタートボタンgb7に対してタッチ操作が行われたとき、主制御部110は、選択されている測定モードでの測定を開始させる。
【0053】
オート/マニュアルボタンgb8は、オートモードとマニュアルモードとを切り替えるためのボタンである。オートモードは、被検眼に対する測定ヘッド3のアライメントを前述のように自動で実行するモードである。マニュアルモードは、UI部10又は操作ユニット20を用いて測定ヘッド3のアライメントを手動で実行するモードである。なお、UI部10又は操作ユニット20を用いてアライメント誤差が所定範囲内まで追い込まれたときに自動でマニュアルモードからオートモードに移行してよい(セミオートモード)。オートモードにおいてXY方向のアライメントを実行する場合、主制御部110は、たとえば、所定のアライメント目標位置と撮像素子に投影された戻り光の位置とのずれ量がキャンセルされるように測定ヘッド3をX方向及びY方向の少なくとも一方に移動する。オートモードにおいてZ方向のアライメントを実行する場合、主制御部110は、たとえば、検出素子上で検出された戻り光の位置の変化を解析して対物レンズに対する被検眼の角膜頂点の位置を求め、求められた位置に基づいて測定ヘッド3をZ方向に移動する。
【0054】
白内障モードボタンgb10は、白内障、まぶた、まつげ、瞬き等で正常に測定できないときに選択するためのボタンである。白内障モードボタンgb10に対してタッチ操作が行われたとき、主制御部110は、たとえば、光源の光量低下や演算処理部200による演算処理の変更等を行うことで測定値を算出させる。
【0055】
固視標ボタンgb11は、固視標の明るさを変更するためのボタンである。固視標ボタンgb11に対してタッチ操作が行われたとき、主制御部110は、固視標の明るさを段階的に又は連続的に変更する。
【0056】
FOGボタンgb12は、連続測定において、雲霧を初回のみ行うか、毎回行うかを切り替えるためのボタンである。FOGボタンgb12に対してタッチ操作が行われたとき、主制御部110は、指定された態様で雲霧を行わせる。
【0057】
プリントボタンgb13は、測定結果のプリントアウトを実行するためのボタンである。プリントボタンgb13に対してタッチ操作が行われたとき、主制御部110は、出力部90を制御することにより測定結果のプリントアウトを実行させる。
【0058】
T/P測定モードのとき、
図4に示すように、タッチパネルディスプレイ10aの画面には、表示部G3と、操作用オブジェクト配置部G4とが設けられる。表示部G3には、被検者ID(患者ID)、検者ID、測定モード、測定結果、アライメントマーク、被検眼の画像などが表示される。操作用オブジェクト配置部G4には、複数の操作用オブジェクトが表示される。操作用オブジェクト配置部G4には、Rボタンgb1、あご受け上下動ボタンgb2、測定モードボタンgb3、モードボタンgb4、Lボタンgb5、測定ヘッド前進/後進ボタンgb6、スタートボタンgb7、オート/マニュアルボタンgb8が表示される。また、操作用オブジェクト配置部G4には、IOLモードボタンgb20、30/60レンジボタンgb21、測定回数切替ボタンgb22、プリントボタンgb13などが更に表示される。
【0059】
IOLモードボタンgb20は、IOL挿入眼等でアライメントが不可能なときに選択するためのボタンである。IOLモードボタンgb20に対してタッチ操作が行われたとき、主制御部110は、アライメント手段により投影された光の戻り光に基づく輝点を正常に検出できるように、光源の光量の低下や戻り光のピント位置等の制御を行う。
【0060】
30/60レンジボタンgb21は、眼圧の測定レンジを切り替えるためのボタンである。30/60レンジボタンgb21に対してタッチ操作が行われたとき、主制御部110は、眼圧を測定するための圧力の検知手段の測定レンジ等を変更する。
【0061】
測定回数切替ボタンgb22は、測定回数を切り替えるためのボタンである。測定回数切替ボタンgb22に対してタッチ操作が行われたとき、主制御部110は、測定回数の指定を促し、測定回数を指定された回数に設定する。
【0062】
対応付け部111は、以上のようなGUIに含まれる操作用オブジェクト(ボタン)を第1スイッチ部21a及び第2スイッチ部21bの少なくとも1つに対応付ける。すなわち、対応付け部111は、GUIに含まれる操作用オブジェクトのいずれかをハードスイッチに対応付けることにより、当該ハードスイッチに対し、対応付けた操作用オブジェクトの機能を割り当てる。対応付け部111は、1以上のハードスイッチに操作用オブジェクトを1対1、1対多又は多対1に対応付けることが可能である。
【0063】
動作制御部112は、タッチパネルディスプレイ10aに表示された操作用オブジェクトに対するタッチ操作が行われたときと、対応付け部111により当該操作用オブジェクトに対応付けられたハードスイッチに対する操作が行われたときとで同じ制御を実行する。たとえば、タッチパネルディスプレイ10aの画面に表示されているGUIにモードボタンgb4が表示されており、対応付け部111が、第1スイッチ部21aにモードボタンgb4を対応付けているものとする。このとき、動作制御部112は、モードボタンgb4に対するタッチ操作が行われたときと、モードボタンgb4に対応付けられた第1スイッチ部21aに対する押下操作が行われたときとで同じ測定モードの切替制御を実行する。それにより、従来のコントロールレバーを用いたレバー操作に慣れた検者にとって、タッチ操作が可能なタッチパネルディスプレイを備えている眼科装置に対する操作性の低下を抑えることが可能になる。
【0064】
また、動作制御部112は、切り替えられた測定モードに応じて、前述の測定ヘッド3、駆動部82、出力部90及び演算処理部200等を制御する。
【0065】
表示制御部113は、対応付け部111によるハードスイッチと操作用オブジェクトとの対応関係を示す情報をタッチパネルディスプレイ10a等の表示手段に表示させる。対応付け部111により対応付けられたハードスイッチの近傍に液晶ディスプレイ等の表示部を設け、表示制御部113は、対応付け部111によるハードスイッチと操作用オブジェクトとの対応関係を示す情報を当該表示部に表示させてもよい。また、表示制御部113は、対応付け部111によるハードスイッチと操作用オブジェクトとの対応関係を示す情報を眼科装置1の外部に設けられた表示部に表示させてもよい。このような対応関係を示す情報を表示手段に表示させることにより、検者等は、現にハードスイッチに対応付けられている操作用オブジェクトを必要に応じて確認しながらハードスイッチに対する操作を行うことができる。
【0066】
また、表示制御部113は、前述のGUIをタッチパネルディスプレイ10a等に表示させる。
【0067】
また、主制御部110は、記憶部120にデータを書き込む処理や、記憶部120からデータを読み出す処理を行う。
【0068】
記憶部120は、各種のデータを記憶する。記憶部120に記憶されるデータとしては、たとえば、被検眼の画像データ、被検眼情報、対応付け部111によるハードスイッチと操作用オブジェクトとの対応関係を示す制御情報などがある。被検眼情報は、患者IDや氏名などの被検者に関する情報や、左眼/右眼の識別情報などの被検眼に関する情報を含む。また、記憶部120には、眼科装置1を動作させるための各種プログラムやデータが記憶されている。
【0069】
図5に、記憶部120に記憶された制御情報の一例を示す。制御情報は、ハードスイッチに割り当てられた操作用オブジェクトを特定するための操作用オブジェクト情報があらかじめ対応付けられている。たとえば、表示制御部113は、タッチパネルディスプレイ10aの画面に設定画面を表示させる。また、表示制御部113は、第1スイッチ部21a及び第2スイッチ部21bのそれぞれについて、対応付けが可能な操作用オブジェクトの候補を設定画面に表示させる。主制御部110は、設定画面に表示された候補の中から検者等により指定された操作用オブジェクトを受け付ける。対応付け部111は、検者等により指定された操作用オブジェクトを特定するための操作用オブジェクト情報を第1スイッチ部21a及び第2スイッチ部21bに関連付けて制御情報として記憶部120に保存する。
【0070】
測定ヘッド3は、実施形態に係る「取得部」の一例である。測定モードは、実施形態に係る「取得部の動作モード」の一例である。
【0071】
[動作例]
図6に、実施形態に係る眼科装置1の動作例のフロー図を示す。たとえば、
図6に示す処理に対応したプログラムが記憶部120にあらかじめ記憶されており、主制御部110が記憶部120に記憶されたプログラムを読み出し、読み出されたプログラムに対応した処理を実行する。
【0072】
(S1)
主制御部110は、タッチパネルディスプレイ10aの画面に表示されたGUI(たとえば、
図3又は
図4に示す操作用オブジェクト)に対してタッチ操作が行われたか否かを判定する。UI部10は、タッチパネルディスプレイ10aの画面に対するタッチ操作を公知の手法により検出することが可能である。主制御部110は、UI部10によるタッチ操作の検出結果を参照することにより画面に対してタッチ操作が行われたか否かを判定することが可能である。たとえば、タッチパネルディスプレイ10aの画面に対し、2次元座標系があらかじめ定義されている。UI部10は、画面に対するタッチ操作が検出されたとき、タッチ操作が検出された2次元座標系における位置情報を主制御部110に対して出力する。主制御部110は、位置情報を解析することによりタッチ操作が行われたか否かを判定することができる。タッチ操作が行われたと判定されたとき(S1:Y)、眼科装置1の動作はS2に移行する。タッチ操作が行われたと判定されなかったとき(S1:N)、眼科装置1の動作はS5に移行する。
【0073】
(S2)
タッチパネルディスプレイ10aの画面に表示されたGUIに対してタッチ操作が行われたと判定されたとき(S1:Y)、主制御部110は、UI部10からの位置情報やその検出時間(たとえば、画面への接触時間)に基づいてタッチ操作内容を解析する。
【0074】
(S3)
主制御部110は、S2において解析された操作内容に基づいて、S1において検出されたタッチ操作の内容を特定する。
【0075】
(S4)
主制御部110は、S3において特定されたタッチ操作内容に基づいて眼科装置1の各部を制御する。その後、眼科装置1の動作はS1に移行する(リターン)。
【0076】
(S5)
S1においてGUIに対してタッチ操作が行われたと判定されなかったとき(S1:N)、主制御部110は、操作ユニット20の第1スイッチ部21a又は第2スイッチ部21bに対して押下操作が行われたか否かを判定する。操作ユニット20は、前述のように第1スイッチ部21a又は第2スイッチ部21bに対する押下操作を検出することが可能である。主制御部110は、操作ユニット20による押下操作の検出結果を参照することにより第1スイッチ部21a又は第2スイッチ部21bに対して押下操作が行われたか否かを判定することが可能である。第1スイッチ部21a又は第2スイッチ部21bに対する押下操作が行われたと判定されたとき(S5:Y)、眼科装置1の動作はS6に移行する。第1スイッチ部21a又は第2スイッチ部21bに対する押下操作が行われたと判定されなかったとき(S5:N)、眼科装置1の動作はS8に移行する。
【0077】
(S6)
第1スイッチ部21a又は第2スイッチ部21bに対する押下操作が行われたと判定されたとき(S5:Y)、主制御部110は、記憶部120に記憶された制御情報(
図5)を参照する。主制御部110は、制御情報に基づいて、S5において押下操作が行われたと判定されたスイッチ部に対応付けられた操作用オブジェクトを特定する。
【0078】
(S7)
主制御部110は、S5において押下操作が行われたと判定されたスイッチ部に対する操作を、S6において特定された操作用オブジェクトに対する操作であると判断し、操作内容を特定する。その後、眼科装置1の動作はS4に移行する。すなわち、主制御部110は、S7において特定された操作内容に基づいて眼科装置1の各部を制御する。
【0079】
(S8)
第1スイッチ部21a又は第2スイッチ部21bに対する押下操作が行われたと判定されなかったとき(S5:N)、主制御部110は、操作ユニット20のコントロールレバー22に対してレバー操作が行われたか否かを判定する。操作ユニット20は、前述のようにコントロールレバー22に対するレバー操作を検出し、レバー操作による操作内容(傾倒方向、傾倒角度)を主制御部110に対して出力する。主制御部110は、操作ユニット20からのレバー操作の操作内容に基づいてレバー操作が行われたか否かを判定することが可能である。
【0080】
レバー操作が行われたと判定されたとき(S8:Y)、眼科装置1の動作はS4に移行する。すなわち、主制御部110は、S8において検出されたレバー操作による操作内容に基づいて眼科装置1の各部を制御する。
【0081】
レバー操作が行われたと判定されなかったとき(S8:N)、眼科装置1の動作はS1に移行する(リターン)。
【0082】
以上のように、ハードスイッチに対し、GUIに含まれる操作用オブジェクトの機能を割り当てることにより、検者は、タッチパネルディスプレイ10aに対するタッチ操作を行うことなく、ハードスイッチに対する操作を行うことができる。したがって、コントロールレバーを用いたレバー操作に慣れた検者にとって、タッチ操作が可能なタッチパネルディスプレイを備えている眼科装置に対する操作性の低下を抑えることが可能になる。
【0083】
[変形例]
以上に示された実施形態は、この発明を実施するための一例に過ぎない。この発明を実施しようとする者は、この発明の要旨の範囲内において任意の変形、省略、追加等を施すことが可能である。
【0084】
(変形例1)
前述の実施形態において、ハードスイッチに対応付けることが可能な操作用オブジェクトは、測定モードに応じて変更されてもよい。対応付け部111は、測定モードが変更されたとき、第1スイッチ部21a及び第2スイッチ部21bの少なくとも1つに対応付けが可能な操作用オブジェクトの候補を提示することが可能である。たとえば、対応付けが可能な操作用オブジェクトの候補は、タッチパネルディスプレイ10aに表示される。
【0085】
図7に、実施形態の変形例1に係る動作説明図を示す。
図7は、測定モードに応じて第1スイッチ部21a及び第2スイッチ部21bのそれぞれに対応付けが可能な操作用オブジェクト(ボタン)の候補の一例を表したものである。
【0086】
たとえば、R/K測定モード又はT/P測定モードでは、第1スイッチ部21a等に対応付けが可能な操作用オブジェクトの候補には、Rボタンgb1、Lボタンgb5、あご受け上下動ボタンgb2、オート/マニュアルボタンgb8及びプリントボタンgb13がある。たとえば、Rボタンgb1が対応付けられた第1スイッチ部21a又は第2スイッチ部21bはトグルスイッチとして動作し、押下操作が行われる毎に測定ヘッド3が右眼の測定位置と左目の測定位置に交互に移動される。或いは、たとえば、Lボタンgb5が対応付けられた第1スイッチ部21a又は第2スイッチ部21bはトグルスイッチとして動作する。
【0087】
また、測定モードがR/K測定モード又はT/P測定モードにおいて、第1スイッチ部21a及び第2スイッチ部21bのそれぞれに対応付けが可能な操作用オブジェクトの候補には、あご受け上下動ボタンgb2の上方向の移動ボタン及び下方向の移動ボタンが含まれる。
【0088】
更に、R/K測定モードにおいて、第1スイッチ部21a又は第2スイッチ部21bに対応付けが可能な操作用オブジェクトの候補には、測定モードボタンgb3、白内障モードボタンgb10、固視標ボタンgb11、FOGボタンgb12が含まれる。同様に、T/P測定モードにおいて、第1スイッチ部21a等に対応付けが可能な操作用オブジェクトの候補には、測定モードボタンgb3、IOLモードボタンgb20、30/60レンジボタンgb21、測定回数切替ボタンgb22が含まれる。
【0089】
また、対応付け部111は、測定モードが変更されたとき、第1スイッチ部21a及び第2スイッチ部21bと操作用オブジェクトとの対応付けを自動で変更することが可能である。たとえば、第1スイッチ部21aが、R/K測定モードでは白内障モードボタンgb10に対応付けられ、T/P測定モードではIOLモードボタンgb20が対応付けられているものとする。この場合に、R/K測定モードからT/P測定モードに変更されたとき、第1スイッチ部21aは、白内障モードボタンgb10として動作していた状態からIOLモードボタンgb20として動作する状態に切り替えられる。
【0090】
(変形例2)
前述の実施形態において被検眼の測定等を行う場合、2以上の動作が順次に行われる。この測定シーケンスの各動作フェーズにおいて、ハードスイッチに対応付けることが可能な操作用オブジェクトが変更されてもよい。被検眼を測定するために上記の2以上の動作に含まれる第1動作から次の第2動作に移行されたとき、対応付け部111は、第1スイッチ部21a及び第2スイッチ部21bの少なくとも1つに対応付けが可能な操作用オブジェクトの候補を提示することが可能である。たとえば、対応付けが可能な操作用オブジェクトの候補は、タッチパネルディスプレイ10aに表示される。
【0091】
図8に、実施形態の変形例2に係る動作説明図を示す。
図8は、患者IDの入力等の患者準備、アライメント及び測定を順次に行う場合に、各動作フェーズにおいて第1スイッチ部21a及び第2スイッチ部21bのそれぞれに対応付けが可能な操作用オブジェクト(ボタン)の候補の一例を表したものである。以下、本変形例に係る測定シーケンスは、患者準備フェーズ、アライメントフェーズ、測定フェーズ、測定終了フェーズの順序で行われるものとする。
【0092】
たとえば、患者準備フェーズにおいて、R/K測定モード又はT/P測定モードでは、第1スイッチ部21a等に対応付けが可能な操作用オブジェクトの候補には、Rボタンgb1、Lボタンgb5、あご受け上下動ボタンgb2及びオート/マニュアルボタンgb8がある。同様に、R/Kモード測定では、第1スイッチ部21a又は第2スイッチ部21bに対応付けが可能な操作用オブジェクトの候補には、測定モードボタンgb3、固視標ボタンgb11及びFOGボタンgb12が含まれる。
【0093】
R/K測定モードやT/P測定モードでは、第1スイッチ部21a等に対応付けが可能な操作用オブジェクトの候補が動作フェーズに応じて変更される。R/K測定モードやT/P測定モードについても同様である。
【0094】
また、対応付け部111は、順次に行われる2以上の動作に含まれる第1動作から次の第2動作に移行されたとき、第1スイッチ部21a及び第2スイッチ部21bと操作用オブジェクトとの対応付けを自動で変更することが可能である。たとえばT/P測定モードにおいて、第1スイッチ部21aが、患者準備フェーズで測定モードボタンgb3に対応付けられ、アライメントフェーズではIOLモードボタンgb20に対応付けられ、測定フェーズでは30/60レンジボタンgb21に対応付けられる。この場合に、患者準備フェーズからアライメントフェーズに移行されたとき、第1スイッチ部21aは、測定モードボタンgb3として動作していた状態からIOLモードボタンgb20として動作する状態に切り替えられる。
【0095】
(変形例3)
前述の実施形態において、眼科装置1を操作する検者の位置に応じて、ハードスイッチに対応付けることが可能な操作用オブジェクトが変更されてもよい。本変形例では、タッチパネルディスプレイ10aの画面の向きを検出することにより検者の位置を特定する。対応付け部111は、向き検出部11により検出されたタッチパネルディスプレイ10aの画面の向きに応じて第1スイッチ部21a及び第2スイッチ部21bの少なくとも1つに対応付けが可能な操作用オブジェクトの候補を提示することが可能である。たとえば、対応付けが可能な操作用オブジェクトの候補は、タッチパネルディスプレイ10aに表示される。
【0096】
また、対応付け部111は、向き検出部11により検出されたタッチパネルディスプレイ10aの画面の向きに応じて第1スイッチ部21a及び第2スイッチ部21bと操作用オブジェクトとの対応付けを変更してもよい。
【0097】
[効果]
実施形態又はその変形例に係る眼科装置の効果について説明する。
【0098】
実施形態に係る眼科装置(眼科装置1)は、取得部(測定ヘッド3)と、タッチパネルディスプレイ(タッチパネルディスプレイ10a)と、1以上のハードスイッチ(第1スイッチ部21a及び第2スイッチ部21b)と、対応付け部(対応付け部111)と、動作制御部(動作制御部112)とを含む。取得部は、被検眼のデータを光学的に取得する。タッチパネルディスプレイは、データを取得するための操作用オブジェクトを含むGUIを表示する。タッチパネルディスプレイと、対応付け部は、1以上のハードスイッチの少なくとも1つに操作用オブジェクトを対応付ける。動作制御部は、操作用オブジェクトに対するタッチ操作が行われたときと、対応付け部により操作用オブジェクトに対応付けられたハードスイッチに対する操作が行われたときとで同じ制御を実行する。
【0099】
このような構成によれば、GUIに含まれる操作用オブジェクトの機能をハードスイッチに対して割り当てることができるので、操作者は、タッチパネルディスプレイに対するタッチ操作を行うことなく、ハードスイッチに対する操作を行うことができる。したがって、コントロールレバーを用いたレバー操作に慣れた操作者にとって、タッチ操作が可能なタッチパネルディスプレイを備えている眼科装置に対する操作性の低下を抑えることが可能になる。
【0100】
また、実施形態に係る眼科装置は、対応付け部によるハードスイッチと操作用オブジェクトとの対応関係を示す情報を表示手段(タッチパネルディスプレイ10a)に表示させる表示制御部(表示制御部113)を含んでもよい。
【0101】
このような構成によれば、眼科装置の操作者は、現にハードスイッチに対応付けられている操作用オブジェクトを必要に応じて確認しながらハードスイッチに対する操作を行うことができる。
【0102】
また、実施形態に係る眼科装置は、1以上のハードスイッチの少なくとも1つの近傍に設けられたコントロールレバー(コントロールレバー22)を含んでもよい。
【0103】
このような構成によれば、眼科装置の操作者は、コントロールレバーを把持しつつハードスイッチに対する操作を行うことが可能になり、操作中に視線を移動させることなく傾倒操作やハードスイッチに対する操作を行うことができる。
【0104】
また、実施形態に係る眼科装置では、対応付け部は、取得部の動作モードが変更されたとき、1以上のハードスイッチの少なくとも1つに対応付けが可能な操作用オブジェクトの候補を提示してもよい。
【0105】
このような構成によれば、取得部の動作モードを変更しつつ同じハードスイッチに対して異なる操作用オブジェクトを割り当てることができ、眼科装置に対する操作性を向上させることができる。
【0106】
また、実施形態に係る眼科装置では、対応付け部は、取得部の動作モードが変更されたとき、1以上のハードスイッチと操作用オブジェクトとの対応付けを変更してもよい。
【0107】
このような構成によれば、事前にハードスイッチに所望の操作用オブジェクトを対応付けておくことにより、取得部の動作モードが変更された場合でも眼科装置に対する操作性を向上させることができる。
【0108】
また、実施形態に係る眼科装置では、データを取得するための2以上の動作を順次に行う場合、対応付け部は、上記の2以上の動作のいずれかの動作から次の動作に移行されたとき、1以上のハードスイッチの少なくとも1つに対応付けが可能な操作用オブジェクトの候補を提示してもよい。
【0109】
このような構成によれば、所定のシーケンスで眼科装置が動作する場合に、同じハードスイッチに対して異なる操作用オブジェクトを割り当てることができ、眼科装置に対する操作性を向上させることができる。
【0110】
また、実施形態に係る眼科装置では、データを取得するための2以上の動作を順次に行う場合、対応付け部は、上記の2以上の動作のいずれかの動作から次の動作に移行されたとき、1以上のハードスイッチと操作用オブジェクトとの対応付けを変更してもよい。
【0111】
このような構成によれば、所定のシーケンスで眼科装置が動作する場合でも、事前にハードスイッチに所望の操作用オブジェクトを対応付けておくことにより眼科装置に対する操作性を向上させることができる。
【0112】
また、実施形態に係る眼科装置は、タッチパネルディスプレイの画面の向きを検出する向き検出部を含み、対応付け部は、向き検出部により検出された画面の向きに応じて1以上のハードスイッチの少なくとも1つに対応付けが可能な操作用オブジェクトの候補を提示してもよい。
【0113】
このような構成によれば、眼科装置に対する位置に応じて、同じハードスイッチに対して異なる操作用オブジェクトを割り当てることができ、眼科装置に対する操作性を向上させることができる。
【0114】
また、実施形態に係る眼科装置は、タッチパネルディスプレイの画面の向きを検出する向き検出部を含み、対応付け部は、向き検出部により検出された画面の向きに応じて1以上のハードスイッチと操作用オブジェクトとの対応付けを変更してもよい。
【0115】
このような構成によれば、眼科装置に対する位置が変更された場合でも、事前にハードスイッチに所望の操作用オブジェクトを対応付けておき、タッチパネルディスプレイの画面の向きを変更することにより、眼科装置に対する操作性を向上させることができる。
【0116】
(その他の変形例)
前述の実施形態又はその変形例では、操作ユニット20が眼科装置1に対して着脱可能である場合について説明したが、眼科装置1と操作ユニット20とが一体に形成されていてもよい。眼科装置1にハードスイッチ(第1スイッチ部21a及び第2スイッチ部21b)が設けられていてよい。
【0117】
前述の実施形態又はその変形例では、ハードスイッチとして第1スイッチ部21a及び第2スイッチ部21bを例に説明したが、実施形態に係る眼科装置はスイッチの数に限定されるものではない。
【0118】
前述の実施形態又はその変形例では、ハードスイッチとして押下操作を行うためのスイッチを例に説明したが、実施形態はハードスイッチに対する操作内容に限定されるものではない。
【0119】
前述の実施形態又はその変形例において、対応付け対象のハードスイッチに対する押下操作中に別途に設けられたGUIの操作用オブジェクトに対するタッチ操作を行うことにより当該ハードスイッチに対して当該操作用オブジェクトを対応付けることが可能である。また、GUIに対して長押し等の特定のタッチ操作を行うことにより、所望のハードスイッチに対してタッチ操作が行われた操作用オブジェクトを対応付けるようにしてもよい。
【0120】
上記の実施形態又はその変形例において説明した構成を任意に組み合わせることが可能である。