(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1には、本発明の実施形態に係る車載アクセサリ操作装置が示されている。車載アクセサリ装置は、エアコンディショナ、オーディオ装置、ルームライト等のアクセサリ機器をユーザが操作するための装置である。z軸正方向は車載アクセサリ操作装置から車室に向かう方向に対応する。x軸正方向は車載アクセサリ操作装置から車室側を見て左方向に対応し、y軸正方向は車載アクセサリ操作装置から車室側を見て上方向に対応する。
【0014】
図1には、車載アクセサリ操作装置を構成するダイアル10−1、ダイアル10−2、本体部12および意匠パネル14が示されている。本体部12の筐体は、直方体箱の前面を開放した容器形状を有し、板状部材としての意匠パネル14を後方から覆っている。本体部12には、ダイアル10−1および10−2が回転自在に取り付けられている。また、本体部12には、各ダイアルの回転運動または回転角度位置に応じてアクセサリ機器を制御する電子回路が収容されている。意匠パネル14には、ダイアル10−1および10−2が貫通する穴が設けられており、意匠パネル14は、各穴からダイアルが突出した状態で本体部12の前方に固定されている。車載アクセサリ操作装置は、ダイアル10−1および10−2が車室側に向けられた姿勢で、車室前方のコンソールに固定される。
【0015】
車載アクセサリ操作装置は、例えば、エアコンディショナを操作する装置として構成される。この場合、ユーザが各ダイアルを回転することでエアコンディショナの設定温度、送風強度、送風モード等が調整される。車載アクセサリ操作装置は、オーディオ装置を操作する装置として構成されてもよい。この場合、ユーザが各ダイアルを回転することでオーディオ装置の音量、音質等が調整される。
【0016】
図2には、車載アクセサリ操作装置の分解斜視図が示されている。車載アクセサリ操作装置は、本体筐体16、回路基板18、ダイアル支持部材20、ダイアル10−1、ダイアル10−2、および意匠パネル14を備えている。本体筐体16、ダイアル支持部材20、ダイアル10−1、ダイアル10−2、および意匠パネル14は、例えば、プラスチック樹脂や金属によって形成される。本体筐体16は、直方体箱の前面を開放した容器形状を有している。回路基板18およびダイアル支持部材20は、この順序で本体筐体16の開口から内部に収容され、本体筐体16内に固定される。ダイアル支持部材20は、xy平面に平行な支持板21と、支持板21から前方向に突出したダイアル支持円筒19−1および19−2を備えている。ダイアル10−1の後面には、ダイアル支持円筒19−1を受け入れる穴が形成されている。同様に、ダイアル10−2の後面には、ダイアル支持円筒19−2を受け入れる穴が形成されている。各ダイアルは、円筒形状の前方の開口が塞がれた容器形状を有していてもよい。ダイアル10−1は、ダイアル支持円筒19−1を覆うようにダイアル支持円筒19−1に回転自在に取り付けられる。ダイアル10−2は、ダイアル支持円筒19−2を覆うようにダイアル支持円筒19−2に回転自在に取り付けられる。
【0017】
意匠パネル14は、ダイアル10−1および10−2をそれぞれ貫通させるダイアル穴23−1および23−2を有している。意匠パネル14は、ダイアル10−1および10−2が、各ダイアル穴から前方に突出した状態で本体筐体16の開口を塞ぐ。
【0018】
本体筐体16の上面の右端および左端には、それぞれ、パネル結合構造22−1および22−2が形成されている。本体筐体16の下面の右端および左端には、それぞれ、パネル結合構造22−3および22−4が形成されている。各パネル結合構造は、後方から前方へとネジ24を貫通させるネジ穴26を有している。意匠パネル14の背面の四隅付近にはネジ24がねじ込まれる構造が形成されている。意匠パネル14が本体筐体16の開口を塞いだ状態で、各パネル結合構造22のネジ穴26にネジ24が挿通され、ネジ24が意匠パネル14にねじ込まれることで、意匠パネル14と本体筐体16とが結合される。
【0019】
図3には、車載アクセサリ操作装置を右斜め後方から眺めた図が示されている。本体筐体16の右側面には右側位置決め棒38Rが形成されている。右側位置決め棒38Rは右側面から右方向に突出している。同様に、本体筐体16の左側面には左側位置決め棒38Lが形成されている。左側位置決め棒38Lは、左側面から左方向に突出している。
【0020】
意匠パネル14の背面の右側には右側位置決め突起40Rが形成されている。右側位置決め突起40Rは、本体筐体16の右側面に沿って後方に突出した爪状の部分であり、後方に開いたV字形状に後端が切り欠かれている。右側位置決め突起40RのV字形状の谷間には右側位置決め棒38Rが位置する。同様に、意匠パネル14の左側には左側位置決め突起40Lが形成されている。左側位置決め突起40Lは、本体筐体16の左側面に沿って後方に突出した爪状の部分であり、後方に開いたV字形状に後端が切り欠かれている。左側位置決め突起40LのV字形状の谷間には左側位置決め棒38Lが位置する。
【0021】
本体筐体16の上面には上側位置決め棒38Uが形成されている。上側位置決め棒38Uは、本体筐体16の上面から上方向に突出している。意匠パネル14の背面の上側には、上側位置決め突起40Uが形成されている。上側位置決め突起40Uは、本体筐体16の上面に沿って後方に突出した爪状の部分であり、後方に開いたV字形状に後端が切り欠かれている。上側位置決め突起40UのV字形状の谷間には上側位置決め棒38Uが位置する。
【0022】
このように、本体筐体16は、パネル14との位置関係を定める筐体側位置決め構造(第1位置決め構造)として、右側位置決め棒38R、左側位置決め棒38Lおよび上側位置決め棒38Uを有する。また、意匠パネル14は、本体筐体16との位置関係を定めるパネル側位置決め構造(第2位置決め構造)として、右側位置決め棒38R、左側位置決め棒38Lおよび上側位置決め棒38Uを有する。
【0023】
すなわち、右側位置決め突起40R、左側位置決め突起40Lおよび上側位置決め突起40Uの各V字形状の谷間に、それぞれ、右側位置決め棒38R、左側位置決め棒38Lおよび上側位置決め棒38Uが位置することで、意匠パネル14と本体筐体16との位置関係が固定される。
【0024】
筐体側位置決め構造およびパネル側位置決め構造として、互いの位置関係を固定する(係合する)その他の2つの構造が採用されてもよい。例えば、意匠パネル14の背面から後方に突出した部分が、本体筐体16の開口に入り込む構造が採用されてもよい。
【0025】
本体筐体16の上面右側に形成されたパネル結合構造22−1は、柱状部材28−1、柱状部材28−2および結合部材30を有している。柱状部材28−1および28−2は、本体筐体16の上面から上方に伸びた四角柱形状を有しており、柱状部材28−1および28−2のうち一方の1つの面が、他方の1つの面に対向している。結合部材30は棒状に形成されており、柱状部材28−1と柱状部材28−2との間を結合している。
【0026】
本体筐体16の上面左側に形成されたパネル結合構造22−2、本体筐体16の下面右側に形成されたパネル結合構造22−3、および、本体筐体16の下面左側に形成されたパネル結合構造22−4は、パネル結合構造22−1と同様の構造を有している。
【0027】
本体筐体16の上面左側に形成されたパネル結合構造22−2の構造は、パネル結合構造22−1に対し左右対称であってもよい。また、本体筐体16の下面右側に形成されたパネル結合構造22−3、および、本体筐体16の下面左側に形成されたパネル結合構造22−4の構造は、それぞれ、パネル結合構造22−1および22−2に対し上下対称の構造であってもよい。
【0028】
図4(a)および
図4(b)には、パネル結合構造22−1の上面図および背面図がそれぞれ示されている。
図4(c)には、パネル結合構造22−1のCD線断面図が示されている。
図4(a)および
図4(b)に示されているように、結合部材30は、平行四辺形柱部分32−1、中央部分34、および平行四辺形柱部分32−2を有している。平行四辺形柱部分32−1および32−2は、延伸方向に垂直な断面の形状が平行四辺形である。中央部分34は、直方体形状を有しており前後方向に貫通するネジ穴26を有する。平行四辺形柱部分32−1、中央部分34、および平行四辺形柱部分32−2はこの順序で左から右へと連なって結合部材30を形成し、柱状部材28−1から柱状部材28−2に至っている。
【0029】
平行四辺形柱部分32−1および32−2のそれぞれには切れ込み部42が設けられている。切れ込み部42は、他の区間よりも細くなっており括れを形成している。CD線は、平行四辺形柱部分32−2の切れ込み部42を通る直線である。
図4(c)に示されているように、切れ込み部42の最も細い位置の断面形状は平行四辺形である。
【0030】
図3に戻って車載アクセサリ操作装置の構造について説明する。意匠パネル14の背面の四隅付近には、後方に伸びる柱構造36が形成されている。各柱構造36の後端面には、前後方向に伸びたネジ受け穴が開けられている。意匠パネル14が本体筐体16の開口を塞いだ状態では、各柱構造36のネジ受け穴の開口が各パネル結合構造の結合部材30のネジ穴に重なる。意匠パネル14が本体筐体16の開口を塞いだ状態で、パネル結合構造22−1〜22−4のそれぞれのネジ穴にネジ24が挿通され、ネジ24が意匠パネル14の各柱構造36にねじ込まれることで、意匠パネル14と本体筐体16とが結合されている。
【0031】
ネジ24には例えばビスネジが用いられる。この場合、ビスネジが自らのネジ溝に合わせて柱構造36のネジ受け穴を削りながら進むため、ネジ受け穴にネジ溝が形成されていなくてもよい。また、ネジ24にはボルトが用いられてもよい。この場合、ネジ受け穴の側面にはボルトのネジ溝に合わせたネジ溝が形成される。
【0032】
このように、各パネル結合構造における結合部材30は、車両の横方向に伸びた棒状の部材であり、両端が柱状部材28−1および28−2を介して本体部12に結合されている。また、結合部材30の中央部分は意匠パネル14の背面から伸びた柱構造36に結合されている。中央部分と柱状部材28−1との間、および、中央部分と柱状部材28−2との間には切れ込み部が形成されている。すなわち、結合部材30は、本体部12との結合位置(両端)と、意匠パネル14との結合位置(中央部分)との間に切れ込み部を有している。後述するように、ダイアルに所定の大きさを超える車両前進方向の力が加えられたときは、パネル結合構造によって本体部12が緩衝変位する。
【0033】
図5(a)には、車載アクセサリ操作装置のAB線断面が示されている。AB線断面は、結合部材30の切れ込み部42を通りyz平面に平行な断面である。
図5(b)はパネル結合構造22−3の近傍を拡大したものである。これらの図には、車載アクセサリ操作装置が車室の前方のコンソールに取り付けられた場合の姿勢で各部材が示されている。w軸正方向は車室底面(前後の車軸を含む平面に平行な面)に対して平行に車両前方に向かう方向に対応する。車両が水平面上にあるときは、車室底面およびw軸は水平となる。u軸正方向は車室の上方向に対応し、v軸正方向は車室から前方向を見て右方向に対応する。
【0034】
車載アクセサリ操作装置は、本体筐体16の形状に合わせてコンソールに開けられた取り付け穴に本体筐体16が入り込み、その取り付け穴の縁に意匠パネル14の外周部分が固定されることで、コンソールに固定されている。
図5(a)および(b)に示されている例では、意匠パネル14とダイアル10−1の回転軸方向とは垂直であり、意匠パネル14と車室底面とがなす角度はθである。
【0035】
本体筐体16内には、回路基板18およびダイアル支持部材20が固定されている。ダイアル10−1は、ダイアル支持部材20からz軸正方向に突出したダイアル支持円筒19−1に回転自在に取り付けられている。
図5に示されていないもう1つのダイアルは、
図5(a)の奥側に位置し、ダイアル10−1と同様の構成を有している。回路基板18には、各ダイアルの回転運動または回転角度位置を検出する回転検出デバイスが実装されている。回転検出デバイスには、ロータリエンコーダ、ロータリスイッチ、回転式可変抵抗器等が用いられてもよい。回路基板18には、回転検出デバイスによる検出結果に応じて車載アクセサリ機器を制御する電子回路が実装されている。この電子回路は車載アクセサリ機器側に設けられていてもよい。
【0036】
図5(b)に示されているように、結合部材30のwu断面(yz断面)の形状は、u軸に平行な対向する2辺と、y軸に平行な対向する2辺に囲まれた平行四辺形である。結合部材30の切れ込み部42の断面の形状もまた、u軸に平行な対向する2辺と、y軸に平行な対向する2辺に囲まれた平行四辺形である。切れ込み部42の断面のu軸に平行な2辺間の距離は、y軸に平行な2辺間の距離よりも短い。すなわち、切れ込み部42のダイアル回転軸方向(z軸方向)、すなわち正面方向の幅は、車両前後方向(w軸方向)の幅よりも大きい。
【0037】
次に、ダイアルの緩衝変位について説明する。ダイアル10−1に対し車両前進方向に力が加えられると、ダイアル支持部材20を介して本体筐体16に車両前進方向の力が加えられる。
【0038】
結合部材30の中央部分はネジ24によって意匠パネル14に固定されており、さらに、意匠パネル14は車室のコンソールに固定されている。したがって、本体筐体16に車両前進方向の力が加えられることで、結合部材30の両端に中央部分を中心とした曲げ力が加えられる。
【0039】
ダイアル10−1に加えられる力が所定の大きさを超え、4つのパネル結合構造における結合部材30の両端に加えられる力が所定の大きさを超えると、各結合部材30の切れ込み部42が破断する。これによって、各結合部材30の両端部分が中央部分から離脱し、本体筐体16は各ダイアルと共に車両前進方向に変位する。意匠パネル14はコンソールに固定されているため変位せず、各ダイアルが意匠パネル14のダイアル穴に入り込む。
【0040】
これによって、車両が衝突し、その衝撃によってユーザがダイアル10−1に接触したときは、ダイアル10−1が本体部12側に変位し、ダイアル10−1からユーザに与えられる衝撃が小さくなる。
【0041】
なお、4つのパネル結合構造のうち、ダイアル10−2に近い側の2つにおける結合部材30が破断しなくても、ダイアル10−1による緩衝変位の効果が得られる。すなわち、ダイアル10−1に近い側の2つのパネル結合構造のうち少なくとも1つの結合部材30が破断することによっても緩衝変位による効果が得られる。
【0042】
ここでは、2つのダイアル10−1および10−2のうち、1つのダイアル10−1に車両前進方向の力が加えられた場合について説明した。他の1つのダイアル10−2に車両前進方向の力が加えられた場合、または、2つのダイアルに車両前進方向の力が加えられた場合についても同様の原理によって、ダイアルが緩衝変位する。
【0043】
ダイアルが緩衝変位した状態を元の状態に戻すには、本体筐体16の修理または交換が必要となる。したがって、通常の使用ではダイアルが緩衝変位しないことが望まれる。しかし、ユーザがダイアルに手を掛けて車室内で姿勢を正したり、荷物が搬入されたときに荷物がダイアルに触れたりした場合には、ダイアルに強い力が加えられることがある。このような通常使用の場合にもダイアルが緩衝変位したのでは、ダイアルの扱いが困難となってしまう。
【0044】
そこで、本発明に係る車載アクセサリ操作装置には、ダイアルに対して車両前進方向に力が加えられたときと、ダイアルに対して正面方向に力が加えられたときとで機械的強度が異なる結合部材30が用いられている。
【0045】
ダイアル10−1または10−2に対して車両前進方向に力が加えられたときは、各パネル結合構造の結合部材30の両端に車両前進方向の力が加わる。一方、ダイアル10−1または10−2に対して正面方向に力が加えられたときは、各パネル結合構造の結合部材30の両端に正面方向の力が加わる。
【0046】
上述のように、結合部材30の切れ込み部42の正面方向の幅は車両前進方向の幅よりも大きい。そのため、結合部材30の両端に加わる正面方向の力に対する機械的強度は、車両前進方向の力に対する機械的強度よりも大きい。したがって、正面方向の力よりも車両前進方向の力に対して切れ込み部42は破断し易く、車両前進方向の力よりも正面方向の力に対して切れ込み部42は破断し難い。
【0047】
車両が衝突しユーザがダイアルに接触した場合には、ダイアルに車両前進方向の力が加わることが多い。一方、通常使用の場合は、ダイアルに正面方向の力が加わることが多い。したがって、本発明に係る車載アクセサリ操作装置では、車両の衝突等によってユーザがダイアルに接触したときにダイアルが緩衝変位し易く、通常使用の場合にはダイアルが緩衝変位し難い。
【0048】
正面方向の力よりも車両前進方向の力に対して切れ込み部42を破断し易くするための条件が、次の(数1)に示されている。ただし、
図5(b)に示されているように正面方向の幅をa、車両前後方向の幅をbとし、意匠パネル14と車両底面とがなす角度をθとして定義する。
【0050】
この式は、車両前進方向の力に対する断面係数が、正面方向の力に対する断面係数よりも小さいという条件によって導かれる。(表1)には、θ=45°とした場合につき、(数1)の左辺の計算結果が示されている。aおよびbの単位は同一である。太線で囲まれ太字で示されたaおよびbの数値の組み合わせは、(数1)の不等号が成立するaおよびbの数値の組み合わせである。
【0052】
なお、結合部材30には、必ずしも切れ込み部42が設けられていなくてもよい。例えば、正面方向に対する機械的強度が、車両前進方向に対する機械的強度よりも大きくなり、ダイアルに対して車両前進方向に所定の力が加えられたときに結合部材30が破断するように、切れ込み部のない平行四辺形柱部分の形状を決定してもよい。
【0053】
また、上記では、切れ込み部の断面が平行四辺形である結合部材について説明した。切れ込み部の断面形状は、車両前進方向の力に対する断面係数が、正面方向の力に対する断面係数よりも小さいものであれば他の形状であってもよい。一般に、車両前進方向の幅が、正面方向の幅よりも小さい形状であればこの条件が満たされることが多い。
【0054】
本発明に係る車載アクセサリ操作装置では、本体筐体16の位置決め突起、および意匠パネル14の位置決め棒は、本体筐体16の緩衝変位を許容する構造を有する。
【0055】
図6(a)には、右側位置決め突起40Rおよび右側位置決め棒38Rの拡大図が示されている。右側位置決め突起40Rにおける後方に開いたV字の縁は、右側位置決め棒38Rの位置から車両前進方向を見通すことができる形状となっている。すなわち、V字の縁のうち上側の縁はw軸に平行であるか、あるいは、w軸正方向よりも上側を向いている。また、右側位置決め突起40Rにおける後方に開いたV字の縁は、右側位置決め棒38Rの位置から正面方向を見通すことができる形状となっている。すなわち、V字の縁のうち下側の縁はz軸に平行であるか、あるいは、z軸負方向よりも下側を向いている。これによって、本体筐体16が車両前進方向に移動しても右側位置決め棒38Rが右側位置決め突起40Rに引っ掛かることがなく、本体部の緩衝変位が確実に行われる。また、右側位置決め棒38Rが右側位置決め突起40Rに係合することで緩衝変位の起点が定められ、車両前進方向への緩衝変位が確実に行われる。さらに、V字の縁のうち下側の縁がz軸に平行であるか、あるいは、z軸負方向よりも下側を向いていることで、意匠パネル14と本体筐体16との位置決めが容易となる。
【0056】
右側位置決め棒は角柱形状であってもよい。
図6(b)には三角柱形状の右側位置決め棒39Rが示されている。右側位置決め突起41RのV字の縁は、三角柱形状が嵌まり込む形状とされている。
【0057】
ここでは、右側位置決め突起および右側位置決め棒について説明したが、左側位置決め突起および左側位置決め棒の構造は、右側位置決め突起および右側位置決め棒と左右対称の構造としてもよい。
【0058】
上記では、操作部材がダイアルである例について説明した。本発明における操作部材は押しボタン、ノブ、レバー等、その他の部材であってもよい。