(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
バイアルチャンバを画定するバイアルをさらに備え、第1の物質が前記バイアルチャンバ内に収容され、前記バイアルは前記バイアルチャンバ内に前記第1の物質を封止するように前記バイアルに係合されたバイアルセプタムを備え、前記バイアルアダプタの前記本体は前記バイアルの前記バイアルセプタムに取り付けられるように構成されている、請求項1のシステム。
前記バイアルシールが前記バイアルセプタムと整列するように前記バイアルアダプタが前記バイアルに取り付けられている状態で、および、前記カニューレシールが前記バイアルシールと連通している状態で、前記カニューレは、前記カニューレシール、前記バイアルシール、および、前記バイアルセプタムに穿孔して前記カニューレを介して前記バイアルチャンバをバレルチャンバと流体連通させ、および、前記カニューレが前記バイアルから取り外されるとき、前記カニューレが前記バイアルシールから引き込まれるにつれて、
前記カニューレが前記バイアルシールから出ると同時に前記カニューレシールは前記カニューレを弾性的に密閉する、請求項2のシステム。
前記バイアルチャンバが前記バレルチャンバと流体連通した状態で、前記第1の物質は、前記カニューレを介して前記バイアルチャンバから前記バレルチャンバへ移送されることが可能である、請求項4のシステム。
前記カニューレシールの上に配置されたばねをさらに備え、その結果、前記カニューレシールは前記カニューレと前記ばねとの間に位置決めされ、前記ばねが前記カニューレシールを前記第1の位置へ付勢する、請求項1のシステム。
前記カニューレの上に配置されたばねをさらに備え、その結果、前記ばねは前記カニューレと前記カニューレシールとの間に位置決めされ、前記ばねが前記カニューレシールを前記第1の位置へ付勢する、請求項1のシステム。
前記カニューレの一部分の上に配置されたカニューレ安定化部材をさらに備え、前記カニューレ安定化部材は前記カニューレシール内に密閉される、請求項7のシステム。
前記カニューレシールが前記第1の位置にあるとき、前記カニューレシールは、前記ニードルハブから前記カニューレの前記末端部を越える位置へ延びる、請求項1のシステム。
前記ニードルハブは環状窪みを画定する内壁および外壁を含み、前記ニードルハブは前記外壁および前記内壁を通って延びる通路を画定し、前記フィルタは前記環状窪み内に位置決めされ、前記一方向弁は前記ニードルハブ内へ延びる前記カニューレシールの延長部を備える、請求項12のシステム。
前記一方向弁は少なくとも1つのオリフィスを前記内部キャビティ内に備え、および、前記弾性スリーブの少なくとも一部が前記少なくとも1つのオリフィスを覆うフラッパを形成するように適合している、請求項12のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
いくつかの図全体にわたって、対応する参照文字は対応する部分を指す。本明細書に記載する例示は、本開示の例示的な実施形態を示し、そのような例示は、どのような形でも、本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【0011】
以下の説明は、本発明を実施するために企図されている記載の実施形態を当業者が作製および使用することを可能にするために提供される。しかし、様々な修正形態、均等物、変形形態、および代替形態が、やはり当業者には容易に明らかであろう。あらゆるそのような修正形態、変形形態、均等物、および代替形態は、本発明の精神および範囲内に入ることが意図される。
【0012】
説明の目的で、以下、「上部」、「下部」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「横方向」、「長手方向」という用語、およびこれらの派生語は、図面内で配向されているように本発明を説明するものとする。しかし、本発明は、反対のものに明示的に指定されない限り、様々な代替的変形形態を想定することができることを理解されたい。添付の図面に示され、以下の明細書に記載の特有のデバイスは、単に本発明の例示的な実施形態にすぎないことをも理解されたい。したがって、本明細書に開示される実施形態に関係する特有の寸法および他の物理的特徴は、限定的と見なされるべきではない。
【0013】
以下の考察で、「末端」とは、概して、患者との接触および/または針アセンブリもしくはIV連結アセンブリなどの別個のデバイスとの係合に適合されたバレルの端部の方へ向かう方向を指し、「基端」とは、末端とは反対の方向、すなわち別個のデバイスとの係合に適合されたバレルの端部から離れる方向を指す。本開示の目的で、前述の参照は、本開示によるバレルの構成要素の説明で使用される。
【0014】
図1A〜8は、本開示の例示的な実施形態を示す。
図1A〜8を参照すると、封止システム10は、後により詳細に説明するように、カニューレシールアセンブリ12、バイアルシールアセンブリ14、およびバレルアセンブリ16を含む。封止システム10は、バイアルとのカニューレの係合中、カニューレを介してバイアルチャンバからバレルチャンバへの物質の移送中、およびバイアルからのカニューレの係合解除中に、漏れない封止を提供する。システム10の漏れない封止は、システム10の使用中に空気と液体の両方の漏れを実質上防止する。封止システム10は、バイアル内に収容された薬剤にアクセスして薬剤を患者へ投与する針およびシリンジアセンブリに適合している。封止システム10はまた、後により詳細に説明するように、薬物再構成システムとともに使用されるのに適合している。
【0015】
図1Bおよび
図4〜8を参照すると、カニューレシールアセンブリ12は、カニューレ20、カニューレシール22、ばね24、およびニードルハブ26を含む。
図1Bを参照すると、カニューレ20は、末端部30と、基端部32と、それらの間に延びる内腔34とを含む。末端部30は、カニューレ20の内腔34を介して基端部32と流体連通する。カニューレ20の末端部30は、後により詳細に説明するように、カニューレシール22、バイアルシール100、およびバイアルセプタム94に穿孔してカニューレ20を介してバイアルチャンバ96をバレルチャンバ76と流体連通させることが可能である。一実施形態では、カニューレ20の末端部30は、鋭い先を画定する。
【0016】
図1Bおよび
図4〜8を参照すると、カニューレシール22は、概して、カニューレシール22がカニューレ20を封止位置(
図4および
図8)で密閉するようにカニューレ20の上に固定された自動封止シールを含み、カニューレシールアセンブリ12を使用して薬物を再構成、輸送、または投与する医療提供者にどのような液体、空気、または薬剤残渣も露出されるのを防止する漏れない封止を提供する。
図4および
図8を参照すると、カニューレシール22が封止位置にある状態で、カニューレシール22はカニューレ20を密閉し、カニューレシールアセンブリ12の使用者が偶発的に針で刺される負傷も防止する。
図1Bを参照すると、カニューレシール22は、末端部40、基端部42、および環状リブ形部材46を含む。一実施形態では、カニューレシール22の末端部40は、ヘッド部分44を含む。
図1Bはカニューレシール22のヘッド部分44を丸みが付けられた部分として示すが、ヘッド部分44の他の形状および寸法が使用され得ることが企図される。たとえば、ヘッド部分44は、正方形または方形の横断面形状などの他の多面多角形の横断面形状を有することができる。
【0017】
一実施形態では、カニューレシール22は、弾性材料を含む。たとえば、カニューレシール22は、好ましくは、気体の漏れない閉鎖を製作するために従来使用される任意の可撓性エラストマー材料から成形された単体デバイスである。特に、カニューレシール22は、ゴム、シリコーンベースのエラストマー、および熱可塑性エラストマーを含むエラストマー材料、または類似の材料から形成され得る。カニューレシール22は、約10から50のショアA硬度を有する材料から形成されることが企図される。また、カニューレシール22は、カニューレシール22が封止位置にある状態で漏れない封止を提供するように適当な自動封止材料を提供するはずの他の材料硬度値を有することができ、それによってカニューレシールアセンブリ12を使用して薬物を再構成、輸送、または投与する医療提供者にどのような液体または薬剤残渣も露出されるのを防止することも考えられる。一実施形態では、カニューレシール22は、弾性スリーブを備える。
【0018】
図1Bおよび
図2〜8を参照すると、ばね24は、末端部47および基端部48を含む。ばね24は、後により詳細に説明するように、カニューレ20を封止位置で密閉するようにカニューレシール22を進める付勢力を提供する。
図2〜8を参照すると、ばね24は、カニューレシール22がカニューレ20とばね24との間に位置するように、カニューレシール22の上に配置される。
図2〜4を参照すると、ばね24は、ばね24の末端部47がカニューレシール22のヘッド部分44に係合するように、カニューレシール22の上に配置される。一実施形態では、カニューレシール22のヘッド部分44は、ばね24より大きい直径を有し、したがってばね24は、カニューレシール22のヘッド部分44上に付勢力をかける。ばね24は、カニューレシールアセンブリ12の組立て時にわずかに付勢または圧縮され得る。カニューレシール22のヘッド部分44はまた、ばね24がヘッド部分44とニードルハブ26との間に固定されることを確実にする。
【0019】
図1Bおよび
図4〜8を参照すると、ニードルハブ26は、概して、末端部50および基端部52を含む。ニードルハブ26の基端部52は、バレル連結部分54を含む。一実施形態では、バレル連結部分54は、ねじ山付き部分である。
図4〜8を参照すると、ニードルハブ26は、カニューレ20の一部分を支持する。ニードルハブ26の末端部50はまた、ばね24の基端部48との連結部を提供し、したがって、後により詳細に説明するように、カニューレ20がカニューレシール22に穿孔するとき、ばね24の末端部47は、ばね24の基端部48に対して圧縮され得る。ばね24が圧縮された状態で、ばね24は、カニューレ20を弾性的に密閉するようにカニューレシール22を進める付勢力をかける。
図4および
図8を参照すると、一実施形態では、カニューレシール22が封止位置にある状態で、ばね24は、カニューレシール22のヘッド部分44とニードルハブ26との間でわずかに圧縮された位置へ荷重され、したがってばね24は、カニューレシール22を封止位置で保持する付勢力をかける。
【0020】
一実施形態では、
図2〜8を参照すると、カニューレシール22の環状リブ形部材46は、カニューレシール22を封止位置で保持する追加の付勢力を提供する。
図4〜6を参照すると、カニューレ20がバイアルシールアセンブリ14に接触させられると、カニューレシール22の環状リブ形部材46およびばね24は、カニューレ20がカニューレシール22およびバイアルシールアセンブリ14に穿孔するとき圧縮される。カニューレシール22の環状リブ形部材46が圧縮された状態で、環状リブ形部材46は、カニューレ20を弾性的に密閉するようにカニューレシール22を進める追加の付勢力をかける。
【0021】
図1Bおよび
図4〜8を参照すると、ニードルハブ26の基端部52は、バレルアセンブリ16のバレル60に取り付けられる。ニードルハブ26がカニューレ20の一部分を支持し、ニードルハブ26の基端部52がバレルアセンブリ16のバレル60に取り付けられた状態で、ニードルハブ26は、後により詳細に説明するように、カニューレ20がバレル60のバレルチャンバ76と流体連通するように、カニューレ20をバレルアセンブリ16に取り付ける。
【0022】
図1Dを参照すると、バレルアセンブリ16は、バレル60、プランジャロッド62、および止め具64を含む。バレルアセンブリ16は、流体の分注および送達ならびに/または流体の収集のために適合され得る。たとえば、バレルアセンブリ16は、患者内への薬剤などの流体の注射または点滴に使用され得る。バレルアセンブリ16は、記載のようにバレルアセンブリ16をカニューレ20に連結すること、バレルアセンブリ16を別個の針アセンブリ(図示せず)に連結すること、またはあるいは、静脈内(IV)連結アセンブリ(図示せず)との連結などによって、針とともに使用されることが企図される。本開示は、シリンジアセンブリの任意のタイプ、特に保管空間が制限された制御された保管環境内に配置されたもので使用され得ることを理解されたい。シリンジのこれらのタイプは、従来の事前充填されたシリンジアセンブリ、計量された用量シリンジ、患者からの流体または容器もしくはバイアルからの薬剤を抜き取るための吸引シリンジなどを含む。
【0023】
図1Dを参照すると、バレル60は、概して、第1の端部または末端部72と第2の端部または基端部74との間に延びるバレル本体または側壁70を含む。側壁70は、バレル60の細長い開口またはバレルチャンバ76を画定する。一実施形態では、バレルチャンバ76は、その長さ全体に沿ってバレル60にカニューレが挿入されるように、バレル60の範囲に及ぶことができる。一実施形態では、バレル60は、皮下注射器の一般的な形状で当技術分野では知られている細長い円柱形バレルの一般的な形とすることができる。代替的実施形態では、バレル60は、たとえば細長い方形バレルの一般的な形など、送達のための流体を収容する他の形とすることができる。バレル60は、ガラスから形成されることができ、または当業者には知られている技法によって、ポリプロピレンおよびポリエチレンなどの熱可塑性材料から射出成形され得るが、バレル60は、他の適した材料からおよび他の適用可能な技法によって作られ得ることを理解されたい。
【0024】
図1Dを参照すると、バレル60の末端部72は、バレルチャンバ76と流体連通する出口開口78を含む。出口開口78は、カニューレ20、針アセンブリ、またはIV連結アセンブリなどの別個のデバイスとの係合のために寸法設定および適合されることができ、したがって、従来知られているそのような係合のための機構を含むことができる。たとえば、末端部72は、それとの取付けのためのそのような別個のデバイスの任意選択の別個のテーパー付きのルアー噛合面との係合のために略テーパー付きのルアー先端を含むことができる(図示せず)。バレル60の末端部72はまた、ニードルハブ連結部分80など、ニードルハブ26とのロック係合のための機構を含む。一実施形態では、ニードルハブ連結部分80はねじ山付き部分である。
図4〜8を参照すると、ニードルハブ26は、ニードルハブ26のバレル連結部分54をバレル60のニードルハブ連結部分80に固定することによって、バレル60に取り付けられる。
【0025】
バレル60の基端部74は、概して開放型であるが、本明細書で論じられるように、外部環境に対して閉鎖されることが意図される。バレル60はまた、バレル60のバレルチャンバ76内に収容された流体のレベルまたは量に関する表示を提供するために、側壁70上に位置する目盛などの充填ラインを含むことができる。そのような印は、側壁70の外面上に提供され、側壁70の内面上に提供され、もしくはバレル60の側壁70内に一体形成され、またはその他の方法で提供され得る。他の実施形態では、あるいは、またはそれに加えて、印はまた、最大および/または最小充填ラインなど、シリンジの内容物の説明または他の識別情報を提供することができる。
【0026】
図1Dを参照すると、バレルアセンブリ16は、バレルチャンバ76内に可動または摺動可能に配置されてバレル60の側壁70の内面に封止接触する止め具64を含む。止め具64は、バレル60の側壁70の内面との封止係合を提供するように、バレル60に対して寸法設定される。加えて、止め具64は、止め具64とバレル60の側壁70の内面との間の封止係合を増大させるように、止め具64の周辺部に延びる1または複数の環状リブを含むことができる。
【0027】
図1Dを参照すると、一実施形態では、止め具64はまた、止め具64にプランジャロッド62を固定するための係合部分66を含む。一実施形態では、止め具64の係合部分66は、プランジャロッド62のねじ山付き部分との係合のためのねじ山付き部分を含むことができる。他の実施形態では、止め具64の係合部分66は、スナップ嵌め機構、ボール止め、ロックタブ、ばね荷重式のロック機構、ラッチ、接着剤、または他の類似の機構を含むことができる。別の実施形態では、プランジャロッド62と止め具64は、共有押出し成形などによって、ともに形成され得る。
【0028】
図1Dを参照すると、バレルアセンブリ16は、止め具64を介してプランジャロッド62をバレル60に連結するときに、バレル60のバレルチャンバ76内に収容された流体を、出口開口78を通ってカニューレ20へ分注する機構を提供するプランジャロッド62を含む。プランジャロッド62は、止め具64を前進させるように適合される。一実施形態では、プランジャロッド62は、バレル60のバレルチャンバ76内で動いてバレル60の末端部72に隣接する第1の位置と、バレル60の基端部74に隣接する第2の位置との間で、止め具64を作動させるように寸法設定される。
図1Dを参照すると、プランジャロッド62は、末端部82と、基端部84と、基端部84に配置されたフランジ部分86と、上記のようにプランジャロッド62を止め具64に固定する固定機能または係合部分88とを含む。
【0029】
図1Cおよび
図4〜8を参照すると、バイアルシールアセンブリ14は、バイアル90およびバイアルアダプタ92を含む。
図1Cおよび
図4〜8を参照すると、バイアル90は、開いたヘッド部分93がエラストマー材料の穿孔可能なセプタム94によって覆われた任意のタイプの標準的な薬物バイアルとすることができる。バイアル90の壁95は、物質98を収容するバイアルチャンバ96を画定する。バイアルセプタム94は、バイアルチャンバ96内に物質98を封止するように、バイアル90のヘッド部分93に係合される。
【0030】
図1Cおよび
図4〜8を参照すると、バイアルアダプタ92は、バイアルシール100と、内面103を有する本体部分102と、ハンドル部分104とを含む。バイアルアダプタ92の本体部分102の内面103は、バイアル90に取付け可能である。一実施形態では、内面103は、バイアルアダプタ92をバイアル90に取り付けるための接着剤で被覆される。一実施形態では、
図4〜8を参照すると、バイアルアダプタ92のバイアルシール100がバイアル90のバイアルセプタム94と位置合わせされた状態で、内面103は、バイアル90のヘッド部分93上へ押し付けられることができ、接着剤がバイアルアダプタ92をバイアル90に取り付ける。他の実施形態では、内面103は、ねじ山付き部分、スナップ嵌め機構、ロックタブ、または他の類似の機構など、バイアルアダプタ92をバイアル90に固定する他の連結機構を含むことができる。
【0031】
図1Cおよび
図4〜8を参照すると、バイアルシール100は、概して、自動封止シールを含み、自動封止シールは、バイアルシール100がバイアルセプタム94と位置合わせされるようにバイアルアダプタ92がバイアル90に取り付けられた状態で、バイアルシールアセンブリ14を使用して薬物を再構成、輸送、または投与する医療提供者にバイアルチャンバ96内に収容されたどのような物質も露出されるのを防止する漏れない封止を提供する。
図5〜7を参照すると、バイアルシール100がカニューレシール22と連通した状態で、バイアルシール100およびカニューレシール22は、後により詳細に説明するように、カニューレ20を介してバイアル90からバレル60へ物質98を再構成しまたは抜き取っている間に医療提供者にどのような物質の残渣も露出されるのを防止する液密および空密の漏れない封止を提供する。
【0032】
一実施形態では、バイアルシール100は弾性材料を含む。たとえば、バイアルシール100は、好ましくは、気体の漏れない閉鎖を製作するために従来使用される任意の可撓性エラストマー材料から成形された単体デバイスである。バイアルシール100は、天然ゴム材料、ポリウレタンエラストマー、ブチルゴム、または類似の材料から形成され得る。バイアルシール100は、約10から50のショアA硬度を有する材料から形成されることが企図される。バイアルシール100は、バイアル90のバイアルセプタム94およびカニューレシール22との漏れない封止を提供するように適当な自動封止材料を提供するはずの他の材料硬度値を有することができ、それによって封止システム10を使用して薬物を再構成、輸送、または投与する医療提供者にどのような液体または薬剤残渣も露出されるのを防止することも考えられる。
【0033】
図9〜18は、本開示の別の例示的な実施形態を示す。
図9〜18に示される実施形態は、
図1A〜8に示される実施形態に類似の構成要素を含み、類似の構成要素は、Aの文字が続く参照番号によって示される。話を簡潔にするために、封止システム10A(
図9〜18)を使用するこれらの類似の構成要素および類似のステップは、
図9〜18に示される実施形態に関してすべて論じられるとは限らない。
【0034】
図9〜18を参照すると、封止システム10Aは、後により詳細に説明するように、カニューレシールアセンブリ110、バイアルシールアセンブリ14A、およびバレルアセンブリ16Aを含む。封止システム10Aは、バイアルとのカニューレの係合中、カニューレを介してバイアルチャンバからバレルチャンバへの物質の移送中、およびバイアルからのカニューレの係合解除中に、漏れない封止を提供する。封止システム10Aは、バイアル内に収容された薬剤にアクセスして薬剤を患者へ投与する針およびシリンジアセンブリに適合している。封止システム10Aはまた、後により詳細に説明するように、薬物再構成システムとともに使用されるのに適合している。
【0035】
図9〜18を参照すると、カニューレシールアセンブリ110は、カニューレ120、カニューレシール122、ばね124、ニードルハブ126、およびカニューレ安定化部材128を含む。
図11Bを参照すると、カニューレ120は、末端部130と、基端部132と、それらの間に延びる内腔134とを含む。末端部130は、カニューレ120の内腔134を介して基端部132と流体連通する。
図14に見られるように、カニューレ120の末端部130は、後により詳細に説明するように、カニューレシール122、バイアルシール100A、およびバイアルセプタム94Aに穿孔してカニューレ120を介してバイアルチャンバ96Aをバレルチャンバ76Aと流体連通させることが可能である。一実施形態では、カニューレ120の末端部130は、鋭い先を画定する。
【0036】
図9〜18を参照すると、カニューレシール122は、概して、カニューレシール122がカニューレ120を封止位置(
図14および
図18)で密閉するようにカニューレ120の上に固定された自動封止シールを含み、カニューレシールアセンブリ110を使用して薬物を再構成、輸送、または投与する医療提供者にどのような液体、空気、または薬剤残渣も露出されるのを防止する漏れない封止を提供する。
図14および
図18を参照すると、カニューレシール122が封止位置にある状態で、カニューレシール122はカニューレ120を密閉し、カニューレシールアセンブリ110の使用者が偶発的に針で刺される負傷も防止する。カニューレシール122は、末端部140と、基端部142と、それらの間に延びる環状リブ形部材146と、内壁148上でカニューレシール122の末端部140付近に位置する肩部分144(
図9および
図10)とを含む。
【0037】
一実施形態では、カニューレシール122は、弾性材料を含む。たとえば、カニューレシール122は、好ましくは、気体の漏れない閉鎖を製作するために従来使用される任意の可撓性エラストマー材料から成形された単体デバイスである。カニューレシール122は、天然ゴム材料、ポリウレタンエラストマー、ブチルゴム、または類似の材料から形成され得る。カニューレシール122は、約10から50のショアA硬度を有する材料から形成されることが企図される。また、カニューレシール122は、カニューレシール122が封止位置にある状態で漏れない封止を提供するように適当な自動封止材料を提供するはずの他の材料硬度値を有することができ、それによってカニューレシールアセンブリ110を使用して薬物を再構成、輸送、または投与する医療提供者にどのような液体または薬剤残渣も露出されるのを防止することも考えられる。一実施形態では、カニューレシール122は、弾性スリーブを備える。
【0038】
図9、
図10、および
図14〜18を参照すると、ばね124は、末端部160および基端部162を含む。ばね124は、後により詳細に説明するように、カニューレ120を封止位置で密閉するようにカニューレシール122を進める付勢力を提供する。
図9、
図10、および
図14〜18を参照すると、ばね124は、ばね124がカニューレ120とカニューレシール122との間に位置するように、カニューレ120の上に配置され、すなわち、カニューレシール122は、ばね124およびカニューレ120を密閉する。
【0039】
図10を参照すると、ばね124は、ばね124の末端部160がカニューレシール122の肩部分144に係合するように、カニューレ120の上でカニューレシール122内に配置される。このようにして、ばね124は、カニューレシール122の肩部分144上に付勢力をかける。カニューレシール122の肩部分144はまた、ばね124が肩部分144とニードルハブ126との間に固定されることを確実にする。
【0040】
図9〜18を参照すると、ニードルハブ126は、概して、末端部150および基端部152を含む。ニードルハブ126の基端部152は、バレル連結部分154を含む。一実施形態では、バレル連結部分154は、ねじ山付き部分である。
図14〜18を参照すると、ニードルハブ126は、カニューレ120の一部分を支持する。ニードルハブ126の末端部150はまた、ばね124の基端部162との連結部を提供し、したがって、後により詳細に説明するように、カニューレ120がカニューレシール122に穿孔するとき、ばね124の末端部160は、ばね124の基端部162に対して圧縮され得る。ばね124が圧縮された状態で、ばね124は、カニューレ120を弾性的に密閉するようにカニューレシール122を進める付勢力をかける。
図14および
図18を参照すると、一実施形態では、カニューレシール122が封止位置にある状態で、ばね124は、カニューレシール122の肩部分144とニードルハブ126との間でわずかに圧縮された位置へ荷重され、したがってばね124は、カニューレシール122を封止位置で保持する付勢力をかける。
【0041】
一実施形態では、
図9、
図10、および
図14〜18を参照すると、カニューレシール122の環状リブ形部材146は、カニューレシール122を封止位置で保持する追加の付勢力を提供する。
図14〜16を参照すると、カニューレ120がバイアルシールアセンブリ14Aに接触させられると、カニューレシール122の環状リブ形部材146およびばね124は、カニューレ120がカニューレシール122およびバイアルシールアセンブリ14Aに穿孔するとき圧縮される。カニューレシール122の環状リブ形部材146が圧縮された状態で、環状リブ形部材146は、カニューレ120を弾性的に密閉するようにカニューレシール122を進める追加の付勢力をかける。
【0042】
図11Bおよび
図14〜18を参照すると、ニードルハブ126の基端部152は、バレルアセンブリ16Aのバレル60Aに取り付けられる。ニードルハブ126がカニューレ120の一部分を支持し、ニードルハブ126の基端部152がバレルアセンブリ16Aのバレル60Aに取り付けられた状態で、ニードルハブ126は、後により詳細に説明するように、カニューレ120がバレル60Aのバレルチャンバ76Aと流体連通するように、カニューレ120をバレルアセンブリ16Aに取り付ける。
【0043】
図9〜18を参照すると、一実施形態では、カニューレシールアセンブリ110はカニューレ安定化部材128を含む。
図9および
図11Bを参照すると、カニューレ安定化部材128は、末端部170と、基端部172と、それらの間の環状リング174を含む。
【0044】
図9を参照すると、カニューレ安定化部材128は、カニューレ安定化部材128の環状リング174がカニューレシール122の肩部分144に係合するように、カニューレシール122内に配置される。この位置で、カニューレ安定化部材128は、カニューレ120の一部分を支持し、バイアルまたは他のデバイスとのカニューレ120の係合中にカニューレ120に安定性を提供する。
【0045】
カニューレ安定化部材128がカニューレシール122内に位置決めされた状態で、ばね124は、ばね124の末端部160がカニューレ安定化部材128の環状リング174に係合するように、カニューレ120の上でカニューレシール122内に配置される。このようにして、ばね124は、カニューレ安定化部材128の環状リング174上に付勢力をかけ、それによってカニューレシール122の肩部分144上に付勢力をかける。
【0046】
図4〜8および
図14〜18を参照すると、シリンジなどのバレル60、60Aを使用してバイアル90、90Aから物質98、98Aなどの薬剤を抜き取るための封止システム10、10Aの使用が、次に説明される。話を簡潔にするために、本開示による封止システムの使用を説明する際に、
図14〜18に示される方法と類似の方法で封止システム10A(
図9〜18)の構成要素が使用されるとき、封止システム10の構成要素が参照される。
【0047】
最初に、
図4を参照すると、バイアルシール100がバイアルセプタム94と位置合わせされるようにバイアルアダプタ92がバイアル90に取り付けられた状態で、看護師などの医療提供者が、封止位置のカニューレシールアセンブリ12を、バイアルシールアセンブリ14に隣接する位置へ動かす。次に、
図5を参照すると、カニューレシール22がバイアルシール100と連通した状態で、カニューレ20は、カニューレシール22およびバイアルシール100に穿孔する。カニューレシール22がバイアルシール100と連通するため、カニューレ20がカニューレシール22に穿孔すると、カニューレ20はバイアルシール100に入る。このようにして、カニューレ20は、カニューレ20をバイアル90に係合するプロセス全体にわたって、漏れない封止システム内で維持される。
【0048】
カニューレ20がカニューレシール22に穿孔するために、概して矢印A(
図4および
図14)に沿った方向の力がバレルアセンブリ16に加えられる。カニューレ20がバイアルシールアセンブリ14に接触させられると、ばね24およびカニューレシール22の環状リブ形部材46は、カニューレ20がカニューレシール22およびバイアルシール100に穿孔するとき圧縮される。以下で論じられるように、ばね24の圧縮は、カニューレシール22上にかけられるばね付勢力を生じさせ、カニューレ20がバイアルシール100から出ると同時に、カニューレ20を弾性的に密閉する。さらに、以下で論じられるように、カニューレシール22の環状リブ形部材46の圧縮は、カニューレシール22上にかけられるカニューレシール付勢力を生じさせ、カニューレ20がバイアルシール100から出ると同時に、カニューレ20を弾性的に密閉する。
【0049】
次に、
図6を参照すると、カニューレ20は、バイアルシール100およびバイアルセプタム94に穿孔して、カニューレ20を介してバイアルチャンバ96をバレルチャンバ76と流体連通させる。
図7を参照すると、バイアルチャンバ96がカニューレ20を介してバレルチャンバ76と流体連通した状態で、封止システム10は逆さにされ、したがって、バイアルチャンバ96内に収容された物質98はカニューレ20に接触させられ、したがって、物質98は、カニューレ20を介してバイアルチャンバ96からバレルチャンバ76へ移送され得る。
【0050】
封止システム10が
図7に示される位置にある状態で、止め具64は、バレル60の末端部72に隣接して位置する(
図1Dに示される)。物質98などの流体をバレル60のバレルチャンバ76内へ吸引しまたは引き込むことが望ましいとき、使用者は、物質98の所望の量がバレル60のバレルチャンバ76内へ引き込まれるまで、概して矢印B(
図1D)に沿ってバレル60の基端部74から離れる方向にプランジャロッド62のフランジ部分86を動かす。このようにして、プランジャロッド62の動きは、バレル60の末端部72に隣接する位置(
図1Dに示されるよ)からバレル60の基端部74に隣接する位置の方へ止め具64を作動させて、
図7および
図8に示されるように、カニューレ20を介してバイアルチャンバ96からバレルチャンバ76へ物質98を抜き取る。
【0051】
このようにして、概して矢印B(
図1D)に沿った方向の止め具64の動きは、バレルチャンバ76内に真空を生じさせる。使用者がプランジャロッド62を介して概して矢印Bに沿った方向に止め具64を動かすと、使用者は、バレルチャンバ76内の体積を能動的に増大させる。止め具は、上記のようにバレル60の内壁との封止係合を提供するようにバレル60に対して寸法設定され、ニードルハブ26を介してバレル60の末端部72にロックされたカニューレ20は、流体を収容するバイアル90内に配置されるため、空気はバレルチャンバ76内へ入ることはできず、したがって、使用者がバレルチャンバ76内の体積を能動的に増大させるとき、空気分子の同じ数がバレルチャンバ76内に位置する。これは、バレル60の外側の空気圧に対してバレルチャンバ76内の圧力を減少させる。したがって、真空、すなわちより低い空気圧の空間が生み出されて、物質98などの流体をバレルチャンバ76内へ引き込む。有利には、バレルアセンブリ16は、以下に説明されるように、バレルチャンバ76内へ流体を収集するため、またはバレルチャンバ76から流体を追い出すために使用され得る。この技法を使用して、バイアルチャンバ96はまた、チャンバ96から流体が引き抜かれるときに負圧下に配置される。あるいは、使用者は、カニューレシールアセンブリ12との連結前にバレルチャンバ76内へ空気を吸引し、上記の方法と同じ方法でバイアルチャンバ96内へ空気を注入して、バイアルチャンバ96を加圧することができる。物質98などの流体をバイアルチャンバ96から抜き取ったとき、バイアルチャンバ96は中立圧力または大気圧に戻ることになる。したがって、バイアルチャンバ96内への注入のためにバレルチャンバ76内へ吸引される空気の体積は、好ましくは、バイアルチャンバ96から取り出されることが意図される流体の体積に対応する。
【0052】
物質98の所望の量がバレル60のバレルチャンバ76内へ引き込まれた状態で、使用者は次に、
図8に示されるように、カニューレ20をバイアル90から係合解除することができる。本開示の封止システム10、10Aは、使用者がカニューレ20をバイアル90から係合解除して漏れない封止を維持することを可能にする。上記で論じられたように、カニューレ20がバイアルシールアセンブリ14に接触させられると、ばね24およびカニューレシール22の環状リブ形部材46は、カニューレ20がカニューレシール22、バイアルシール100、およびバイアルセプタム94に穿孔するとき圧縮される。ばね24の圧縮は、カニューレシール22上にかけられるばね付勢力を生じさせ、カニューレシール22の環状リブ形部材46の圧縮は、カニューレシール22上にかけられるカニューレシール付勢力を生じさせる。カニューレ20を介して物質98をバイアルチャンバ96からバレルチャンバ76へ移送するプロセス全体にわたってカニューレシール22がバイアルシール100と連通するため、カニューレ20がバイアル90およびバイアルシール100から取り外されると、ばね24のばね付勢力およびカニューレシール22の環状リブ形部材46のカニューレシール付勢力は、カニューレシール22上にかけられ、カニューレ20がバイアルシール100から出ると同時に、カニューレ20を弾性的に密閉する。有利には、封止システム10は、バイアル90とのカニューレ20の係合中、カニューレ20を介してバイアルチャンバ96からバレルチャンバ76への物質98の移送中、およびバイアル90からのカニューレ20の係合解除中に、常に漏れない封止を維持してカニューレ20を密閉し、システム10からの液体または空気の漏れを実質上防止する。
【0053】
上記で論じられたように、封止システム10、10Aはまた、薬物再構成システムに適合している。特定の薬物は、好ましくは、粉末または乾燥した形(凍結乾燥された形など)で提供され、投与前に再構成を必要とする。たとえば凍結乾燥された薬物は、典型的には、冷凍乾燥された形で供給され、物質を注射に適した形に再構成するために、希釈剤と混合される必要がある。加えて、薬物は、複数の要素で構成されたシステムとして提供されることができ、投与前に混合を必要とする。たとえば、流動性スラリなどの1または複数の液体の構成要素、および粉末状または粒状の構成要素などの1または複数の乾燥した構成要素は、別個の容器内で提供されることができ、投与前に混合を必要とする。
【0054】
一実施形態では、バレル60は、希釈剤などの第1の物質または流動性物質(たとえば、スラリまたは液体)を収容し、バイアル90は、再構成に対して意図される粉末状または粒状物質などの第2の物質を収容する。たとえば、バレル60のバレルチャンバ76は、その中での薬物再構成に対して意図される液体の希釈剤または他の物質などの流動性材料を収容するように適合され得る。流動性材料は、薬物または薬剤の液体またはスラリの構成要素とすることができる。流動性材料は、1または複数の薬理学的に活性の作用物質を含有する1または複数の成分要素(たとえば、薬物構成要素の2つの異なるタイプ)を含むことができることがさらに理解される。あるいは、流動性材料は、乾燥薬物に対する希釈剤としてのみ働くことができ、薬理学的に活性の要素を収容しない。
【0055】
一実施形態では、バレル60のバレルチャンバ76は、液体の希釈剤または薬物再構成に対して意図される他の物質で事前充填され得る。このようにして、バレル60は、製造され、希釈剤で事前充填され、滅菌され、末端部使用者による送達、保管、および使用のための適当な包装で包装される。
【0056】
バイアル90は、再構成されるべき薬物の第2の構成要素を収容する。第2の薬物構成要素は、粉末状または粒状の形(たとえば、凍結乾燥された粉末)で提供され得る。あるいは、第2の構成要素は、バレル60内の流動性材料との組合せのために、液体またはスラリなど、湿った形で提供される。
【0057】
図4〜8および
図14〜18を参照すると、バレル60のバレルチャンバ76内に収容された第1の物質または液体を、バイアル90内に収容された第2の物質または粉末で再構成するための封止システム10、10Aの使用が、次に説明される。話を簡潔にするために、薬物再構成システムを有する本開示による封止システムの使用を説明する際に、
図14〜18に示される方法と類似の方法で封止システム10A(
図9〜18)の構成要素が使用されるとき、封止システム10の構成要素が参照される。
【0058】
最初に、
図4を参照すると、バイアルシール100がバイアルセプタム94と位置合わせされるようにバイアルアダプタ92がバイアル90に取り付けられた状態で、看護師などの医療提供者が、封止位置のカニューレシールアセンブリ12を、バイアルシールアセンブリ14に隣接する位置へ動かす。次に、
図5を参照すると、カニューレシール22がバイアルシール100と連通した状態で、カニューレ20は、カニューレシール22およびバイアルシール100に穿孔する。カニューレシール22がバイアルシール100と連通するため、カニューレ20がカニューレシール22に穿孔すると、カニューレ20はバイアルシール100に入る。このようにして、カニューレ20は、カニューレ20をバイアル90に係合するプロセス全体にわたって、漏れない封止システム内で維持される。
【0059】
カニューレ20がカニューレシール22に穿孔するために、概して矢印A(
図4および
図14)に沿った方向の力がバレルアセンブリ16に加えられる。カニューレ20がバイアルシールアセンブリ14に接触させられると、ばね24およびカニューレシール22の環状リブ形部材46は、カニューレ20がカニューレシール22およびバイアルシール100に穿孔するとき圧縮される。以下で論じられるように、ばね24の圧縮は、カニューレシール22上にかけられるばね付勢力を生じさせ、カニューレ20がバイアルシール100から出ると同時に、カニューレ20を弾性的に密閉する。さらに、上記で論じられたように、カニューレシール22の環状リブ形部材46の圧縮は、カニューレシール22上にかけられるカニューレシール付勢力を生じさせ、カニューレ20がバイアルシール100から出ると同時に、カニューレ20を弾性的に密閉する。
【0060】
次に、
図6を参照すると、カニューレ20は、バイアルシール100およびバイアルセプタム94に穿孔して、カニューレ20を介してバイアルチャンバ96をバレルチャンバ76と流体連通させる。この時点で、使用者は、概して矢印C(
図1D)に沿った方向にプランジャロッド62を押し下げて、バレル60内でバレル60の基端部74に隣接する位置からバレル60の末端部72に隣接する位置の方へ止め具64を前進させ、カニューレ20を介してバレル60のバレルチャンバ76からバイアル90内へ液体を追い出す。液体がバイアル90内へ完全に注入された後、使用者は、バイアル90を振って、薬物の乾燥した構成要素と液体の構成要素を混合することができる。いくつかの実施形態では、混合は数秒程度で実現され得るが、他の実施形態では、混合は20分もの長い時間を要する可能性がある。使用者は、止め具64がバレル60の基部に位置し、プランジャロッド62がさらに前進させることができないとき、すべての流体がバレル60から追い出されたことを知ることができる。必要とされる混合の量は、バイアル90およびバレル60内に最初に存在する再構成されるべき乾燥した構成要素および液体の構成要素の組成、溶解性、および粘性に基づく。
【0061】
図7を参照すると、乾燥した構成要素および液体の構成要素がバイアル90内で再構成された後、バイアルチャンバ96がカニューレ20を介してバレルチャンバ76と流体連通した状態で、封止システム10は逆さにされ、したがって、バイアルチャンバ96内に収容された再構成された物質98はカニューレ20に接触させられ、したがって、再構成された物質98は、カニューレ20を介してバイアルチャンバ96からバレルチャンバ76へ移送され得る。
【0062】
封止システム10が
図7に示される位置にある状態で、止め具64は、バレル60の末端部72に隣接して位置する(
図1Dに示されるように)。再構成された物質98をバレル60のバレルチャンバ76内へ吸引しまたは引き込むことが望ましいとき、使用者は、再構成された物質98の所望の量がバレル60のバレルチャンバ76内へ引き込まれるまで、概して矢印B(
図1D)に沿ってバレル60の基端部74から離れる方向にプランジャロッド62のフランジ部分86を動かす。このようにして、プランジャロッド62の動きは、バレル60の末端部72に隣接する位置(
図1Dに示されるように)からバレル60の基端部74に隣接する位置の方へ止め具64を作動させて、
図7および
図8に示されるように、カニューレ20を介してバイアルチャンバ96からバレルチャンバ76へ再構成された物質98を抜き取る。
【0063】
再構成された物質98の所望の量がバレル60のバレルチャンバ76内へ引き込まれた状態で、使用者は次に、
図8に示されるように、カニューレ20をバイアル90から係合解除することができる。本開示の封止システム10、10Aは、使用者がカニューレ20をバイアル90から係合解除して漏れない封止を維持することを可能にする。上記で論じられたように、カニューレ20がバイアルシールアセンブリ14に接触させられると、ばね24およびカニューレシール22の環状リブ形部材46は、カニューレ20がカニューレシール22、バイアルシール100、およびバイアルセプタム94に穿孔するとき圧縮される。ばね24の圧縮は、カニューレシール22上にかけられるばね付勢力を生じさせ、カニューレシール22の環状リブ形部材46の圧縮は、カニューレシール22上にかけられるカニューレシール付勢力を生じさせる。カニューレ20を介して物質98をバイアルチャンバ96からバレルチャンバ76へ移送するプロセス全体にわたってカニューレシール22がバイアルシール100と連通するため、カニューレ20がバイアル90およびバイアルシール100から取り外されると、ばね24のばね付勢力およびカニューレシール22の環状リブ形部材46のカニューレシール付勢力は、カニューレシール22上にかけられ、カニューレ20がバイアルシール100から出ると同時に、カニューレ20を弾性的に密閉する。有利には、封止システム10は、バイアル90とのカニューレ20の係合中、カニューレ20を介してバイアルチャンバ96からバレルチャンバ76への物質98の移送中、およびバイアル90からのカニューレ20の係合解除中に、常に漏れない封止を維持してカニューレ20を密閉し、システム10からの液体または空気の漏れを実質上防止する。
【0064】
図19を参照すると、
図1〜18に示された上記の封止システム10、10Aは、位置合わせ機構200とともに利用され得る。位置合わせ機構200は、
図1〜8に示される封止システム10を参照して説明され、
図9〜18に示される封止システム10Aに関する方法と同じ方法で動作する。位置合わせ機構は、カニューレシール22とバイアルシール100との間で位置ずれさせられた接触を低減させて、カニューレシール22とバイアルシール100との間の封止接触をさらに確実にするために提供され得る。一実施形態では、位置合わせ機構200は、開口などのガイド204を有する本体202と、取付け装置206とを含む。取付け装置は、位置合わせ機構200をバイアル90に固定する。一実施形態では、
図19に示されるように、取付け装置206は、バイアル90に付着しまたはバイアル90を把持することができる複数の延長部208を含む。しかし、取付け装置206は、クリップ、スナップ嵌め装置など、位置合わせ機構200をバイアル90に固定する任意の適した装置とすることができる。位置合わせ機構のガイド204は、カニューレシール22を受け取り、カニューレシール22がカニューレシール22とバイアルシール100との間の適切な封止を確実にするための向きを有することを確実にする。具体的には、ガイド204は、バイアルシール100に対するカニューレシール22の角度を制限するように寸法設定および整形された本体202の長さの全体または一部に延びる開口210として実施され得る。バイアルシール100は、位置合わせ機構200と一体形成されることができ、または別個に形成され得る。
【0065】
図20〜22は、本開示のさらなる例示的な実施形態を示す。
図20〜22に示される実施形態は、
図1〜18に示される実施形態に類似の構成要素を含み、類似の構成要素は、Bの文字が続く参照番号によって示される。話を簡潔にするために、封止システム10B(
図20〜22)を使用するこれらの類似の構成要素および類似のステップは、
図20〜22に示される実施形態に関してすべて論じられるとは限らない。
【0066】
図20〜22を参照すると、封止システム10Bは、カニューレ120B、カニューレ安定化部材128B、ばね124B、カニューレシールアセンブリ222、ロックリング224、およびニードルハブ226を含む。カニューレシールアセンブリ222およびニードルハブ226は、
図9〜18に示される封止システム10Bに関連して上述したカニューレシール122およびニードルハブ126に類似している。しかし、封止システム10Bは、空気が封止システム10Bに入ることを可能にし、システム10Bを使用しながら空気をシリンジバレル内へ吸引する吸引装置を提供するように構成される。具体的には、吸引装置は、封止システム10Bがバレルアセンブリ16に固定された後、使用者が空気をバレルチャンバ76内へ吸引することを可能にする。一実施形態では、吸引装置230は、一方向弁232およびフィルタ234を含む。
図21に示されるように、ニードルハブ226は、環状窪み240を画定する内壁236および外壁238を含む。ニードルハブ226は、ハブ226の長手方向軸に直交して延びる少なくとも1つの通路242をさらに画定する。1または複数の通路242が提供され得るが、ニードルハブ226は、
図21に示されるように、ハブ226の円周に対して互いに反対に位置決めされた2つの通路242を画定する。通路242はそれぞれ、外壁238、環状窪み240、および内壁236を通って延びる。一実施形態では、
図22に示されるように、フィルタ234は、略リング状であり、またはリング状に曲げられた平坦なフィルタシートであり、環状窪み240内に位置決めされるが、他の適した装置が利用され得る。フィルタ234は、0.2μm以上の孔寸法を有する微粒子空気フィルタなど、任意の適した市販のフィルタとすることができる。フィルタ234は、微生物を除去するように構成され得る。
【0067】
図21を再び参照すると、一実施形態では、一方向弁232は、ニードルハブ226内へ延びるカニューレシールアセンブリ222の延長部244として実施される。延長部244は、カニューレシールアセンブリ222と一体形成されるが、延長部244は、別個に形成され得る。カニューレシールアセンブリ222の延長部244は、内壁236の内面246の少なくとも一部分に当接し、それに沿って延びる。延長部244は、通路242およびフィルタ234を通ってカニューレシールアセンブリ222内へ流れる外部空気の流れを選択的に可能にするように構成される。具体的には、吸引によって引き起こされるカニューレシールアセンブリ222内の圧力降下に応答して、延長部244は内方へ撓み、通路242を開き、外部空気がバレルチャンバ76内へ引き込まれることを可能にする。吸引後、延長部244は、その元の位置へ戻り、通路242を阻止または閉鎖する。カニューレシールアセンブリ222が正圧下にあるとき、延長部244は、径方向に外方へ押されて、引き続き通路242を阻止および封止する。上記で論じられたように、物質98などの流体をバイアルチャンバ96から抜き取る前に、空気はまず、バイアルチャンバ96内へ注入され得る。したがって、一方向弁232およびフィルタ234は、封止システム10Bがバレルアセンブリ16に固定された後、使用者が空気をバレルチャンバ76内へ吸引することを可能にする。さらに、フィルタ234は、バレルアセンブリ16内へ吸引された外部空気を濾過するように構成され、有利には、バイアルチャンバ96内へ注入されるべき濾過空気を清浄にすることを可能にする。
【0068】
図20および
図21を参照すると、一実施形態では、ロックリング224は、略リング状であり、カニューレシールアセンブリ222をニードルハブ226に固定するように構成される。特に、ロックリング224は、カニューレシールアセンブリ222およびニードルハブ226とのスナップ嵌め係合を有するが、ロックリング224を固定する他の適した装置が利用され得る。図示しないが、ロックリング224は、ニードルハブ226の長さを延ばすことができ、ルアー連結部に隣接して位置決めされることができ、カニューレシールアセンブリ222からのバレルアセンブリ16の意図しない切断を実質上防止する装置を含む。
【0069】
さらに、図示しないが、
図1〜22に示された上記の封止システム10、10A、10Bは、カニューレ20の意図しない露出を防止するための遮蔽装置または安全ロック機構を含むことができる。遮蔽装置は、カニューレ20の末端部30を選択的に遮蔽するようにニードルハブまたは他の適した領域に蝶番で取り付けられた旋回式遮蔽部材を含むことができる。遮蔽装置はまた、封止システム10、10A、10Bの動きを防止するようにカニューレ20の末端部30の方へ付勢される円柱または遮蔽部材を含むことができる。カニューレ20の意図しない露出を防止するために、任意の他の適した遮蔽または安全ロック機構が利用され得る。
【0070】
本開示を例示的な設計を有するものとして説明してきたが、本開示は、本開示の精神および範囲内でさらに修正され得る。したがって、本出願は、その一般原理を使用した本開示のあらゆる変形形態、用途、または適応を包含することが意図される。さらに、本出願は、添付の特許請求の範囲の限定範囲内に入る本開示が関係する当技術分野の周知または慣例の慣行の範囲内にある本開示からの逸脱を包含することが意図される。