(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0009】
本発明は公知の電源の不足の多くを克服して、新たな特徴及び効果を電気グリルのような装置に提供する。例えば、本発明の実施形態は、より正確な量の電力を電気的負荷に供給することができるデジタル電源制御装置を提供する。さらに、本発明の実施形態は、複数の電気的負荷を独立して制御することを可能にする。本発明のさらに他の実施形態は、電源を壁面コンセントに接続することから起こることがある高調波電流及びフリッカを低減させる。
【0010】
本発明の好ましい実施形態によれば、出力を送達する方法が提供される。この方法は、一つ以上のユーザー入力デバイスを用いて、それぞれ第1及び第2の発熱素子の第1及び第2の電力設定を選択する段階と、電力設定をマイクロプロセッサへ電子的に通信し、このマイクロプロセッサを用いて要請された電力の総量を計算する段階と、そのマイクロプロセッサを用いて、それぞれ、第1及び第2の発熱素子に対応する第1及び第2の出力アレイを割り当てる段階と、マイクロプロセッサを用いて、第1及び第2の出力アレイに対応する第1及び第2位相角アレイを計算する段階と、マイクロプロセッサにゼロ交差検出ユニットからゼロ交差信号を受信させる段階と、及び、第1の時間については、第1位相角アレイによって表された位相制御されたAC波パターンを第1の発熱素子へ送達し、第2の位相角アレイによって表された位相制御されたAC波パターンを第2の発熱素子へ送達する段階を含む。本発明の更なる実施形態は、第2の時間について、第1の位相角アレイによって表された位相制御されたAC波パターンを第2の発熱素子へ送達し、第2の位相角アレイによって表された位相制御されたAC波パターンを第1の発熱素子へ送達する段階を含む。
【0011】
さらに、各々の出力アレイは、4つのセルを包含し得る。さらに、マイクロプロセッサを用いて第1及び第2の出力アレイを割り当てる段階は、第1の出力アレイの第1のセルを第1の出力アレイの第3のセルと同じ値で割り当てる段階と、第1の出力アレイの第2のセルを第1の出力アレイの第4のセルと同じ値で割り当てる段階と、及び第2の出力アレイの第2のセルを第2の出力アレイの第4のセルと同じ値で割り当てる段階をさらに含み得る。
【0012】
本発明の実施形態においては、各々の出力アレイの各々のセルは、
【数1】
からの電力比率及び範囲を表す。第1の出力アレイにおける全ての交互のセルには「0」又は「1」を割り当て得る。さらに、第2の出力アレイにおける全ての交互のセルには「0」又は「1」を割り当て得る。本発明の或る実施形態においては、第1及び第2の位相角アレイはマイクロプロセッサにより計算され、式 角度=arccos(2x−1)を第1及び第2の出力アレイへそれぞれ適用する。更なる実施形態においては、第1の時間は要請された電力の総量に対する第1の電力設定の比として計算され、第2の時間は要請された電力の総量に対する第2の電力設定の比として計算される。さらに、実施形態は、発熱素子へ接続されたトライアックを駆動する段階を含み得る。
【0013】
デジタル電源の実施形態も与えられ、これは第1と第2のユーザー入力と、電圧ラインへ接続された第1と第2のトライアックと、それぞれ第1と第2のトライアックに通信する第1と第2のトライアックドライバーと、第1と第2のトライアックドライバーと通信し、且つ第1と第2のユーザー入力と通信するマイクロプロセッサとを有し、そのマイクロプロセッサは、第1と第2のユーザー入力により要請された総電力を計算して、要請された総電力に基づいて第1と第2の出力アレイを割り当てるように特に構成され、そのマイクロプロセッサは第1と第2の出力アレイの各々の値に基づいて位相角の第1と第2のアレイを計算するように特に構成されている。
【0014】
本発明の実施形態においては第1と第2の出力アレイは各々が4つのセルを有する。マイクロプロセッサは出力アレイのセルの少なくとも一つに2つの交互の値を割り当てる。
更なる実施形態においては、マイクロプロセッサは、第1と第2の位相角アレイにおける位相制御された波形に対応するタイミングパターンにおいて第1と第2のトライアックを作動させるように構成されることがある。
【0015】
依然として更なる実施形態は電気グリルを含み、これは第1のノブ、第2のノブ、及びハウジングに装着されたディスプレイと、電圧ライン及びニュートラルラインに接続された電源ケーブルと、ハウジングの内側の第1と第2の発熱素子であり、電圧ライン及びニュートラルラインに接続される第1と第2の発熱素子と、それぞれ電圧ラインと第1と第2の発熱素子との間に接続された第1と第2のトライアックと、それぞれ第1と第2の発熱素子と通信する第1と第2のトライアックドライバと、電圧来任におけるAC電流のゼロ交差を検出するように構成されたゼロ交差検出ユニットと、第1と第2のノブ、第1と第2のトライアックドライバ、及びゼロ交差検出ユニット通信するマイクロプロセッサとを有し、そのマイクロプロセッサはさらにクロック信号ジェネレータ及びメモリと通信する。
【0016】
さらに、或る実施形態においては、メモリは第1と第2の出力アレイを包含する。第1の出力アレイは2つの交互の値を割り当て得る。第2の出力アレイは2つの交番する値を割り当て得る。第1の出力アレイにおける2つの交番する値の一方は全「オン」波を表現し得る。依然として更なる実施形態においては、第1の出力アレイにおける2つの交番する値の一方は全「オフ」波を表現し得る。
【0017】
したがって、本発明の目的は正確な電力制御を与えるデジタル電源を提供することであり、これは複数の負荷を独立に制御し、電源により壁面コンセントへ導入される高調波電流及びフリッカを低減させる。
【0018】
本発明の他の目的は改良された電源を与えることであり、これは電源グリルと共に使用し得るものを含むが、それに限定されるものではない。
【0019】
本発明の付加的な目的は電気グリルにおいて使用でき、2つ以上の発熱素子に亘る独立制御を与えるデジタル電源を提供することである。
【0020】
本発明の付加的な目的は壁面コンセントへ僅かな高調波電流を導入するデジタル電源を提供することである。
【0021】
本発明の付加的な目的は壁面コンセントへフリッカを殆ど導入しないデジタル電源を提供することである。
【0022】
本発明の付加的な目的は高調波電流及びフリッカの標準的な制限及び/又は規定に従う電気グリルで使用するためのデジタル電源を提供することである。
【0023】
本発明の付加的な目的は2つ以上の発熱素子へ可変電力を送達する電気グリルで使用するためのデジタル電源を提供することである。
【0024】
本発明の付加的な目的は可変出力を送達するための位相切除技術を用いるデジタル電源を提供することである。
【0025】
本発明の付加的な目的は0−100%の範囲の連続的な可変電力を送達する電気グリルで使用するためのデジタル電源を提供することである。
【0026】
本発明の付加的な目的は短いデューティ・サイクルを与えることにより発熱素子の寿命期間を向上させることである。
【0027】
用語の発明者の定義
本願の多数の請求項又は明細書で用いられる以下の用語は、それらが法の要請に合致する広い意味を持つことが意図されている。
【0028】
ここで使用されるように、「出力アレイ」は値のアレイを規定し、各値は1波サイクルに送達される電力の割合
【数2】
を表す。例示的な出力アレイは4つのセルを有するものとして説明してあるが、他の大きさのアレイが可能であることを理解されたい。
【0029】
ここで使用されるように「位相角アレイ」は値のアレイを規定し、各値は1波サイクルにおける位相角「切除」を表す。例示的な位相角アレイは4つのセルを有するものとして説明してあるが、他の大きさのアレイが可能であることを理解されたい。
【0030】
ここで使用されるように「タイミングパターン」は位相制御されたAC波形を形成する「オン」及び「オフ」信号のパターンを規定する。
【0031】
代替的な意味が可能であり、明細書又は請求項の何れにおいても広い意味が当業者の理解に合致することが意図されている。請求項中における全ての単語は文法、交換又は英語の標準的な慣例的語法に用いられることが意図されている。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に記載されるのは、請求された発明の好ましい実施形態若しくは最良の代表例であると現在のところ信じられるものである。実施形態及び好ましい実施形態に対する将来及び現在の代表例若しくは修正例が予期されている。機能、目的、構造及び結果に極く僅かな変化をなす任意の代替例及び修正例が本願の請求項により包含されることが意図されている。本発明は係属中の特許出願(発明の名称“ElecTric Grill WiTh CurrenT ProTecTion CircuiTry”、出願人により本願と同日に出願され、ウェーバー‐スティーブン プロダクツ エルエルシーへ譲渡され、その全体が参照により本願に組み込まれている)に説明された電気保護回路を有する電気グリルに及び/又はその一部に使用し得る。
【0034】
本発明は一般にデジタル電源を含み、これは2つ以上の電気的負荷について独立した電力制御、及び連続的可変電力を与えることができる。本発明の実施形態は、電力システムへ導入される高調波及び/又はフリッカの量を低減し得る。当業者は、このデジタル電源は任意の電気的負荷又は負荷の組み合わせ(ヒーター、モーターなどを含む)を供給するのに使用し得ることを認めるであろう。ここに説明された好ましい実施形態において、例示的な負荷は、電気グリルに見られる発熱素子である。
【0035】
電気グリルは独立負荷制御を有するデジタル電源のための適切な用途であり、というのは、ユーザーは電気グリルの一方の側で高熱を、且つグリルの他方の側で低熱を望むことがあるためである。このような配置は、異なる温度を必要とする様々な食品を同時にグリルで焼くか、間接グリル法を用いることをユーザーに可能とさせる。間接グリル法は、食品を調理面の一方の側に置きながら他方の側を加熱することにより、食品と加熱面との間の直接接触を避ける。可変電力の更なる利点は、ユーザーに電力設定を入力させて、目標とされた温度を達成することを可能にすることである。これは、長期間に亘って低温で調理することを可能にする。
【0036】
ここで図面を参照すると、
図1−11は電気グリル110とデジタル電源200の好ましい実施形態を示す。例示として、
図1A及び
図1Bは電気グリル110を示す。
図1Aはハウジング106を含む電気グリル110の外側を示し、ハウジングには、左右の制御ノブ101と102のみならず、ディスプレイ103を装着することができる。電気グリル110は、AC壁面コンセントに接続するために電源コード107を含み得る。左右制御ノブ101及び102、並びにディスプレイ103は、本明細書に詳細に説明するマイクロコントローラ213に接続することができる。
【0037】
図1Bに示すように、左右の制御ノブ101及び102はそれぞれ第1及び第2の発熱素子203及び204に関係していることがあり、かくして二重調理領域を形成する。代表的な格子若しくは調理面112は
図1Bにも示される。各々の発熱素子203及び204は、ノブ101、102により、又は発熱素子203、204に関連した任意の他のコントローラにより独立して制御することができる。左のノブ101と右のノブ102とは、グリルハウジング106の外側に配置することができる。ノブ101及び102又は当業者により理解される任意の他の入力デバイスはマイクロプロセッサ213に接続して一つ以上の発熱素子203、204の操作モードを設定するようにすることができる。
【0038】
ノブ101及び102又は任意の他の入力デバイス(例えばタッチスクリーン又はボタンなど)を用いて、ユーザーは各発熱素子203及び204の操作モードを選択し得る。
この操作モードは、発熱素子のための望ましい温度又は電力設定を含んでもよい。本明細書にさらに詳細に説明するマイクロプロセッサ213は、選択された電力を供給するために発熱素子203及び204に供給される電流を制御する。マイクロプロセッサ213は、それぞれ発熱素子203及び204の近位に配置された熱電対221及び222から読み込まれた現在の温度を受け取るフィードバックループを用いて、各発熱素子203及び204ごとには望ましい温度を達成することができる。当業者には、ノブ、発熱素子、温度センサ及び/又はディスプレイの様々な種類と個数を使用し得ることが認められるであろう。
【0039】
電気グリル110は、ディスプレイ103又は他のユーザ・インタフェースを選択的に含むことがある。一つの例においては、ディスプレイ103はマイクロプロセッサ213に接続されて、一つ以上の発熱素子203、204の現在の設定又は操作に関する情報を表示することがある。例えば、ディスプレイ103は、発熱素子203及び204の近位の現在の温度(熱電対221及び222により測定されたものとして)及びユーザーがノブ101及び/又は102を介して設定した望ましい温度又は電力設定を表示することがある。
【0040】
ここで
図2を参照すると、一般的な、非限定的な条件で、デジタル電力送達はマイクロプロセッサ213により達成することができ、これはユーザーの望ましい電力設定を受け取ってトライアック208及び209を制御し、電圧ライン201から発熱素子203及び204を通じてニュートラル202を通って壁面コンセントへ帰還するように流れるAC電流を有効(又は無効)にする。さらにここに設けられているのは、特別に構成されたマイクロプロセッサ213であり、これは発熱素子203及び204へのAC電流を、電気グリル110によりAC壁面コンセントへ導入される高調波電流及びフリッカの量を低減する方式で制御し得る。
【0041】
図2の実施形態で示すように、マイクロプロセッサ213はトライアック・ドライバ211と212と通信しており、これらはそれぞれのトライアック208及び209を順次に制御する。マイクロプロセッサ213が発熱素子203及び204へ電力を送達し得る機構は、トライアック208及び209をそれらに対応するトライアックドライバ211及び212を介してオン又はオフ(それぞれ「有効」及び「無効」と称することもある)に切り換えることによる。具体的には、トライアック208及び209は、それらがマイクロプロセッサ213からパルスによって始動されたとき「オン」に切り換わる。電流はAC電流波がゼロ交差するまで流れ続ける。ゼロ交差の後、トライアックはオフへ切り換わり、マイクロプロセッサ213がそれをオンに切り換えるまでオフのままである。
【0042】
特にトライアック208及び209は、マイクロプロセッサ123からのパルスにより起動されたとき、「オン」に切り換わる。電流はAC電流波がゼロに交差するまで流れ続ける。ゼロ交差の後、トライアックはオフに切り換わり、次回にマイクロプロセッサ213がそれをオンに切り換えるまでオフに留まる。一例ではAC電流が60Hzで、例えば代表的な壁面コンセントで、ゼロ交差は1/120秒ごとに起こる。ゼロ交差検出ユニット210は、AC波がゼロ交差するたびに、マイクロプロセッサ213へ信号を通信するために設けられている。この信号を使って、マイクロプロセッサ213は交流の電流のゼロ交差にそのタイミングを同期させることができる。
【0043】
マイクロプロセッサ213とトライアック208及び209との間の直接通信を可能とするのに代えて、トライアック・ドライバ211及び212が、マイクロプロセッサ213とトライアック208及び209との間のインターフェースに使われる。トライアック・ドライバは、低電圧DC源(例えばマイクロプロセッサー)(
図2)により高電圧トライアックを制御することができる。さらに、トライアック・ドライバは、トライアックにおける潜在的な高電流又は電圧からデバイスを絶縁するのに用いられる。トライアック・ドライバ211及び212がマイクロプロセッサ213とトライアック208及び209との間でインターフェースするのと同時に、マイクロプロセッサ213はトライアック208及び209における電圧及び電流から絶縁される。
【0044】
「オン」はトライアックにそれを通じて電流を流れさせるが、「オフ」はトライアックに電流を流させない。かくして、「オン」はトライアック208にAC電流を(電圧ライン201から)第1の発熱素子203を通じて流れるのを可能にすると共に、「オン」はトライアックトライアック209にAC電流を(電圧ライン201から)第2の発熱素子204を通じて流れるのを可能にする。マイクロプロセッサ213が発熱素子203及び/又は204へ電力を送達することはマイクロプロセッサ213がそれぞれのトライアックドライバを有効にして、それが関連するトライアックを「オン」に切り換えて、ライン201から流れるAC電流を可能にすることを意味する。この開示を通じて、マイクロプロセッサ213が発熱素子へ電力を送達することへの言及は、マイクロプロセッサ213が「オン」又は「有効」パルス信号を介して所定の発熱素子のトライアックドライバを「オン」すなわち「有効」パルス信号を介して起動することを意味することを理解されたい。
【0045】
当業者に理解されるように、トライアックは三つの電極デバイス又は三極管であり、交流電流を導く。トライアックは、一種の固体双方向性スイッチである。この開示がトライアックを用いるデジタル電源を説明するが、任意の固体双方向性スイッチをトライアックの代わりに使用し得ることを理解されたい。発熱素子203及び204は、より多くの電流がそれらを流れるにつれて温度が増加する抵抗ヒーターであることがある。代表的な発熱素子は、1150ワットを引き出すことがある。他の発熱素子203、204も当業者に理解されるように使用し得る。
【0046】
本発明の実施形態においてマイクロプロセッサ213は各々の発熱素子203及び204に対して最も近位に位置する一つ以上の熱電対221及び222から温度フィードバックを選択的に受け取り、望ましい温度が達成されたときを認識するようにする。
図1Bは各々の発熱素子203及び204に隣接する熱電対221及び222の例を示す。実施形態においては、フィードバックがマイクロプロセッサ213により用いられて、ノブ101及び/又は102で選択された望ましい温度が達成されるまで、発熱素子203及び204へ送達される電流を調節することがある。その結果、ユーザーは発熱素子203及び204のための望ましい操作モードを(独立に)選択することができる。本発明の実施形態においては、望ましい温度設定に達するまで、マイクロプロセッサ213は送達される電流を制御して望ましい温度を維持することがある。
【0047】
次回にマイクロプロセッサ213の操作モードが切り換えられると、マイクロプロセッサ213は、トライアック208及び209を「オン」と「オフ」との間でトグリングさせることにより、(ユーザーによって選択されたように)適切な量の電力を送達するように構成されていることがある。上述のように、有効化(又は「オン」)されたトライアック208又は209は、AC電流をそれぞれ発熱素子203又は204を通じてライン210から流れることを可能にする。したがって、これに続く長い「オン」期間はより多くのAC電流を流し、ひいてはより多くの電力を送達することを可能にする。反対に、より長い「オフ」期間は、低い電力送達をもたらす。
【0048】
本発明の実施形態においは、マイクロプロセッサ213は位相角制御技術を用いて、「オン」と「オフ」との間のトグリングのパターンを形成することがある。「オン」と「オフ」との間のトグリングにより形成された制御パターンは、発熱素子203及び204を通じて電圧ライン201から流れるAC電流(及び拡張電力による)の位相角を制御する。この種の制御パターンはAC流の波形が「カットされる」かもしれないので、この種の支配パターンはときおり「位相カッティング」と称され、というのはAC電流の波形が「切断」されるためである。波は、AC波サイクルの部分の間に電流の流れを無効にすることにより切断される。このようにして、波の一部は「切断」される。「オン」及び「オフ」のタイミングパターンは、位相制御された波を形成する。望ましい電力送達のために波を切断する正しい角度を決定するために、マイクロプロセッサ213は次式を解く:
(角度)=arccos(2x−1)
ここでxは望ましい電力送達である(割合
【数3】
として表される)。マイクロプロセッサ213は、発熱素子203及び204へ送達されるAC正弦波を切断する角度を解くようにプログラムされている。本開示は角度を「度」で言及するが、当業者にはあらゆる角度測定が単位「ラジアン」に変換できることが理解されよう。
【0049】
一例が
図3Aに示され、これはマイクロプロセッサ213がAC波を90°で切断する例を示す。90°切断は、全ての利用可能な電力の半分(すなわち50%)を送達する波を導く。
図3Aは、AC電流の一波サイクルを示す。当業者は全波が正の半分と負の半分を有することを理解するであろう。波サイクルは電流の値がゼロである301から始まる。301と303との間の領域である符号付け302は、陰影のついた灰色であり、トライアックが有効ではなく、したがって電流が送達されていないことを示す。90°位相角を表す303において、マイクロプロセッサ213はパルス信号を送りトライアックを起動して、かくして発熱素子を通じて流れる電流を可能とする(換言すれば、マイクロプロセッサ213は303にて電力送達を始める)。305において電流はゼロ交差してトライアックはオフへ切り換わる。トライアックは、270°位相角を表す307までオフのままである。270°において、マイクロプロセッサ213は再び起動パルスを送り、307と309との間、すなわち270°から360°までの90°位相について電流が流れる。
【0050】
要するに、
図3Aは、マイクロプロセッサ213がそれぞれ90°位相を表し、組み合わせで180°の304及び308で印付けされた領域へ電力を送達することを示す。各々がまた90を表し、組み合わせで180°の302及び306で印付けされた影付き領域については電力は送達されない。このように、マイクロプロセッサ213は、利用可能な電力の半分、すなわち50%を送達した。異なる電力の割合を送達するために、マイクロプロセッサ213は、半波の初期に起動パルスを送り、より多くの電力を送達するか、半波後半に起動パルスを送り、より少ない電力を送達することがある。如何なる望ましい電力の割合のために、適切な位相角カットは、(角度)=arccos(2x−1)について解くマイクロプロセッサ213により計算し得る。
図3Aの例においては、50%の電力送達が選択された。したがって、マイクロプロセッサ213は計算(位相角)=arccos(2*0.5−1)= 90°を実行する。
図3Bは
図3Aの「切断」波部分を取り除いて、実際に送達された電力のみを示す。
【0051】
ここで
図3Cを参照すると、グラフが与えられており、これは
図3A及び
図3Bに説明した90°位相カットにより電力システムへ導入された高調波電流を示す。換言すれば、これらのプロットされた高調波電流は、電気グリルが壁面コンセントに接続されて、
図3A/
図3Bに説明された90°位相カットをなすときに、建物の送電線に導入され得る。
このプロットは1150W発熱素子を用いてなされた。高調波の導入は、それが電磁干渉をもたらすので、好ましくない。さらに、例えばIEC 61000−3−2 電磁気互換性(EMC)−ParT3−2のような規格があり、これはデバイスにより壁面コンセントへ導入されるかもしれない高調波電流のレベルを制限する。高調波電流制限は、
図3Cのグラフの中に線分としてプロットされている。
図3Cから明白であるように、90°位相カットにより導入された高調波電流(点としてプロットされている)は高調波制限(線分としてプロットされている)を越える。換言すれば、
図3Cにおけるグラフは、点(RMS電流を表す)が高調波制限をマークする線より高いことを示す。これは、
図3A/3Bの波形には高調波電流があって、IEC規格を満たさないことを意味する。例えば、点310におけるRMS電流は、高調波制限311を越える(すなわち、上方にある)高調波電流の一つの例である。
【0052】
したがって、本発明の実施形態は、大きさを低減させた高調波電流を誘発する波カットを用いている電気的負荷へ電力を送達するように特に構成されるマイクロプロセッサ213を含む。第1の問題として、出願人の試験は、全波サイクル「オン」又は全波サイクル「オフ」の直後に波カットが続くとき高調波電流の大きさが低減されることを示した。出願人の試験の結果は
図4及び
図5に示される。特に、
図4Aは、
図3Aにおけるのと同様な90°カットを有する第1の波サイクルを示すが、完全に「オン」の後続の第2の波サイクル(409と410との間)が続く。同様に、
図5Aは
図3Aにおけるのと同様な90°カットを有する第1の波サイクルを示し、さらに、完全に「オフ」の第2の全波サイクル(509と510との間)が後に続く。明瞭化のために、
図4B及び
図5Bは波の「カット」部分を伴わずに、同様なそれぞれのパターンを示す。
図4C及び
図5Cに示される出願人の試験は、90°カットは、後続の全「オン」又は全「オフ」波サイクルが続くとき、僅かな高調波を誘導することを示す。これらの結果は
図4C及び
図5Cに見ることができ、そこでプロットされた高調波電流(点)は、いまやIEC規格(線分としてプロットされる)の高調波制限の下にあって、
図3Cにプロットされた高調波電流よりも顕著に低い。例として、
図4Cは、例示的なRMS電流点410を示し、これは高調波制限411の下にある。同様なことが
図5Cに適用され、ここでは例示的な電流点510が511の高調波制限の下にある。
【0053】
したがって、本発明の実施形態は、カット波に全「オン」又は全「オフ」波の何れかかが続くように特に構成されたマイクロプロセッサ213を含む。さらに、マイクロプロセッサ213は、高調波電流を低減させるパターンで電流を引き出しつつ、2つの独立した発熱素子203,204の間で引き出された電流を分割するように依然として管理するように特に構成することができる。換言すれば、マイクロプロセッサ213は、両方の独立した発熱素子203、204の電力の必要条件を満たしつつ、電気グリル110へ導かれる全体的な電流のパターンを管理しなければならない。電気グリル110へ導かれる全体的な電流のパターンは、電気グリル110の総全出力アレイと称されることがある。電気グリル110の総出力アレイは、第1の発熱素子203の電力力アレイに第2の発熱素子204の出力アレイを加えた合計である。例示的な出力アレイは、4つのセルであることがあり、各々のセルは波形で送達される電力の割合を表す値
【数4】
【0054】
を包含する。このように、例示的な出力アレイは、4つの波のパターンを表すことがある。電気グリル110により引き出される総電力(又は、電流)が発熱素子で引き出される電力(電流)の合計であることが理解されよう。発熱素子203、204に送達される波形パターンは、4つのセル化された出力アレイとして同様に表現し得る。第1の発熱素子の出力アレイと第2の発熱素子の出力アレイの合計は、電気グリル総出力アレイに等しい。同じことは、電気グリル110で多くの発熱素子について有効である。電気グリル110の高調波電流は、総出力アレイに表された電気グリル100により描かれた波のパターンに依存する。高調波電流を低減するために、電気グリル110の総出力アレイは、各々の「カット」波に全「オン」又は全「オフ」サイクルが続くパターンを表さねばならない。
【0055】
図6は、僅かな高調波を導入しながら2つの発熱素子を 制御するためのマイクロプロセッサ213の例示的な形態を示すフローチャートである。一般的に言って、マイクロプロセッサ213は、各々の発熱素子203、204へ送達する出力アレイを計算する。出力アレイは、2つの発熱素子203、204の各々についてのユーザー電力設定並びに熱電対221及び222からのフィードバックに依存する。この例では、各々の出力アレイは4つのセル(但し、他の数のセルが使われることもある)からなり、各々のセルは
【数5】
の間の範囲の数を包含する。4つのセルの各々は波サイクルを表し、セルの数はその波サイクルの期間中に送達された電力の割合を示す。例として、「1 | 0 | 1 | 0」のアレイは、一方の「オン」波、一方の「オフ」波、他方の「オン」波、及び他方の「オフ」波を表す。マイクロプロセッサ213は、トライアックドライバ211及び212を上述の方式でトグリングすることにより、2つの計算された出力アレイからの波形を2つの発熱素子203、204へ送達する。
【0056】
より詳しくは
図6を参照すると、マイクロプロセッサ213は第1及び第2のユーザー入力デバイス、例えば左ノブ101及び右ノブ102と通信する。第1及び第2のユーザー入力デバイスは、2つの発熱素子203、204の各々のために出力レベルを伝える。
望ましい出力レベルは、ステップ601及び602においてマイクロプロセッサ213により総出力の割合に換算することができる。マイクロプロセッサ213は、ステップ604において、総出力603が50%以上か否かを判定する。
【0057】
ユーザーが選択した総出力が50%未満の605において、マイクロプロセッサ213は第1の出力アレイのセルの充填(又は「割り当て」)を開始する。
図7は、マイクロプロセッサ213が出力アレイの充填又は割り当てを実行するように構成されたステップを示す。
図7に明らかなように、マイクロプロセッサ213の計算は総出力がユーザーにより要請された701で開始される。(これは603で決定されたように、右発熱素子のために要請された出力と左発熱素子により要請された出力の合計である)。要請された総出力割合は、ステップ702において8倍(それぞれ2アレイ×4セルがあるため)される。ステップ702の値は、ここに表記法[702]を使用することを参照して、703で出力アレイを割り当て するのに用いられる。702の値が2.0以下であるならば、702の値は第1と第3とのアレイ素子の間に均一に配分されて、“([702]/2) | 0 | ([702]/2) | 0”に達する。これは、ステップ704に見られる。702の値が2.0より大きいならば、第1及び第3アレイ要素には「1」が充填され、残り(2を702の値から引く)は第2と第4とのセルの間に均一に配分される。これは705に見られる。この技術を使用して、高調波電流の大きさを低減するために、出力アレイはカット波に続く全「オン」波又は全「オフ」波を持たせるように構築される。さらに、以下でさらに詳細に説明するように、出力アレイの交互のパターンはフリッカを低減させる。
ここで
図6に戻ると、ステップ606において、第2の出力アレイは4つのゼロで充填される:“0|0|0|0”。
【0058】
再び
図6を参照すると、総出力603が50%以上であるならば、ステップ(607)において、マイクロプロセッサ213は第1出力アレイを全て1の(“1|1|1|1”)により充填する。次いでマイクロプロセッサ213は706及び707の状態を用いて第2の出力アレイを割り当て する。ユーザーが50%よりも多く又はそれ未満の出力を要請したか否かに関わらず、2つの出力アレイの一方が交互のパターン“A|B|A|B”を有し、一方、他方のアレイはパターン“C|C|C|C”を有し、ここでC=0又は1である。一旦第1及び第2の出力アレイが割り当て されたならば、それらは発熱素子203及び204へ送達される。
【0059】
電力は、4つのセル出力アレイにおける値に基づいて、マイクロプロセッサ213によりトライアック・ドライバへ送達される。上述したように、各々のセルは1つの全波サイクルを表し、セルの数値はその波サイクルで送達する電力の割合を表す。同じく上記で説明したように、本発明の実施形態は電力を制御するために位相カット技術を用いる事がある。このように、ステップ609において、マイクロプロセッサ213は、出力アレイにおけるセルにより表された電力を達成するために、そこで波を「カット」する位相角を計算するように構成される。マイクロプロセッサ213は次式を解くように構成される。
【0060】
(角度)=arccos(2*電力−1)
【0061】
ここで「電力」とは出力アレイのセルにおける数によって表された電力である。マイクロプロセッサ213は、この角度を用いて、セルの数の値に対応する電力を有する波サイクルを送達する。この計算は各々の出力アレイにおける各々のセルについて繰り返すことができる。各々の出力アレイの各々のセルは、対応する位相角610及び611に変換し得る。対応する位相角アレイは、出力割合ではなく、位相角を包含し、出力アレイに同じフォーマットで記憶し得る。
【0062】
ステップ614において、マイクロプロセッサ213は、そのタイミングをライン201におけるAC電流の位相角に同期させることができる。上述のように、マイクロプロセッサ213は、AC電流がゼロ交差検出ユニット210からのゼロを交差するたびに、ゼロ交差検出210からゼロ交差を受け取る。ゼロ交差信号はかくしてAC波のマイクロプロセッサ213のタイミング(ひいては拡張により、角度)を同期させることができる。
例えば、当業者はAC電流の波は時間における示された点において以下の角度を有することを認識するであろう。
【0064】
この情報を用いると、マイクロプロセッサ213は内蔵タイミング機構、例えばクロック信号発生器又は任意の他の適切な機構を用いて、適切な「カット」のために必要とされる角度に対応する例において「オン」すなわち「有効化」パルスを送る。例えば、表1は、ゼロ交差の後にトライアックを0.004166667秒起動することにより90度カットをなせることを示す。マイクロプロセッサ213は、適切な時点でトライアックを有効にするために、クロック信号を使用し得る。この開示を読んでいる当業者は、任意の望ましい「カット」についてのタイミングを如何に計算するかを理解するであろう。
【0065】
ここでステップ612及び613を参照すると、第1の出力アレイは第1のトライアックドライバ211へ送達され、第2の出力アレイはT1と等しい期間に亘って第2のトライアックドライバ212へ送達される。この電力送達は、第1の期間T1に亘って連続的に繰り返され、その後、マイクロプロセッサ213は第1の出力アレイを第2のトライアックドライバ211へ送達し、第2の期間T2に亘って第2の出力アレイを第1のトライアックドライバ212へ繰り返し送達する。T1の後、送達は「フリップ」されて、第1のトライアックドライバ211は第2の出力アレイをT2の継続期間に亘って受ける。第1と第2の出力アレイは、一緒に合計されると、電気グリル110の総出力アレイに等しく、このように、定義上、第1及び第2の出力アレイは常に同時に送達されねばならない。
【0066】
ここで説明は、615及び616における期間T1及びT2の計算についてなす。期間T1及びT2の目的は「分割」若しくは比例配分されることであり、総出力が各発熱素子のために独立して選択された出力によって2つの発熱素子(又は任意の他の電気的負荷)の間で電気グリル(又は本発明の実施形態を用いた任意の他のデバイス)により導かれる。ステップ605乃至608で形成された出力アレイは、全体として電気グリルのために許容可能な波パターンを形成する。出力アレイの合計は、は電気グリル110の総出力アレイであり、各々のカット波に続いて全「オン」又は全「オフ」波を有して、高調波電流の大きさを低減する。それぞれの発熱素子203、204への各々の出力アレイの送達時間を計算することがさらに必要である。
【0067】
期間T1は第1の発熱素子203についての出力設定を採ることにより計算され、これは選択された総出力によって除される603。次いで、この比は出力送達位相により乗算され、これは、この例では2秒であるが、変動することがある。T1及びT2は、総要請出力に対する所定の発熱素子の出力設定の単純な比である。計算は、以下の式によって要約することができる。
【0068】
T1 = 2秒*(第1の発熱素子のための出力選択)/((第1の発熱素子のための出力選択))+(第2の発熱素子のための出力選択)。
【0069】
同様に、T2は同じ計算であり、この時間は第2の発熱素子204ついて、
T2 = 2秒*(第2の発熱素子のための出力選択)/((第1の発熱素子のための出力選択)+(第2の発熱素子のための出力選択))。
【0070】
図8は、2秒の出力送達相に亘る第1及び第2の出力アレイの第1及び第2のトライアックドライバへの第1及び第2の出力アレイのマイクロプロセッサ213の電力送達をまとめる:第1のトライアックドライバ211(及び第1の発熱素子203の拡張により)は、時間T1について第1の出力アレイによって表される波を受け取る。次いで、時間T2について第2の出力アレイのセルにより表された波を受け取る。逆に、第2のトライアックドライバ212(及び第2の発熱素子204の拡張により)期間T1中に第2の出力アレイのセルによって表される波を受け取り、次いで、期間T2中に第1の出力アレイのセルによって表される波を受け取る。
【0071】
本発明の実施形態は、2つよりも多くの負荷へ独立して電力を送達するために拡大し得る。デジタル電源が荷の「n」個の負荷を独立して制御する実施形態においては、n個の出力アレイが必要とされる。さらに、604における決定は、総出力を100%/nと比較する。
図7の出力アレイを充填する技術は、八(8)を乗算するのではないが、適用可能のままであり、ステップ702を(n*4)により乗算することが必要である。さらに、ステップ615及び616において、n期間が必要とされる。
図9は、n期間に亘って送達されるn出力アレイのタイミングを示す。独立した制御を伴わない複数のヒーターによる実施形態もこの開示によって意図されていることを了承されたい。
【0072】
本発明は、2つの発熱素子を独立に制御して、可変出力を与えつつ、低減された高調波電流及びフリッカを与えるための方法も提供する。本発明の実施形態において、ユーザーは、例えばノブ101及び102を調節することにより、電気グリル110を起動して、第1及び第2の出力レベルを選択する。電気グリル110を起動することによって、ユーザーはマイクロプロセッサ213を制御して、一つ以上の発熱素子の制御の利点のために以下のステップを実行する。或る実施形態は任意の数のノブ若しくは他のユーザー入力を含み得ることを理解されたい。電気グリル110を起動することにより、ユーザーはマイクロプロセッサ213をオンにする。マイクロプロセッサ213はユーザーの選択した出力設定を受け取って、上述した計算を実行して、位相制御された波形を発熱素子203及び204へ送達する制御パターンでトライアックドライバ211及び212を起動する。
【0073】
本発明の実施形態において、マイクロプロセッサ213は、2つの出力アレイ605−608を割り当てすることによって適切に位相制御された波形を計算するステップを実行する。各々の出力アレイは、4つのセルを有することがある。各々のセルは数「n」を包含し、ここで
【数6】
である。
【0074】
数「n」は、出力の「n」パーセントを有する波形を表す。この波は、「過剰な」出力を排除するためにカットされる。マイクロプロセッサ213は、全ての発熱素子203、204により要請される総出力を計算することによって、出力アレイを充填するステップを実行し、これは、比較された全体的な利用可能な出力(十進法で)としての選択された出力の割合として表現し得る。
【0075】
ユーザーにより要請された総出力(すなわち全ての発熱素子のため総要請出力)が全体的な利用可能な出力の50%未満であるならば、マイクロプロセッサ213は第1の出力アレイ(605)を充填するステップを実行する。出力アレイは、総出力数を電力配の4つのセルに分布させることによって割り当てられる 。606において、マイクロプロセッサ213は、第2の出力アレイへ全てゼロを充填する(すなわち「0000」)ステップを実行する。ユーザーによって要請された総出力が全体的な出力の50%以上であるならば、マイクロプロセッサ213は第1の出力アレイを1で充填する(すなわち「1 | 1 | 1 | 1」)ステップを実行し、第2の出力アレイは
図7のステップにしたがって充填される(総出力50%、すなわち[702]マイナス4)。
【0076】
一旦第1及び第2の出力アレイが計算されるならば、マイクロプロセッサ213は各々の出力アレイのセルに対応する波形を送達する。特に、各々のセルの値は、1波サイクルで送達される出力の割合を表す。出力の任意の所定の割合を有する波を送達するために、マイクロプロセッサ213は位相角=arccos(2*x−1)を計算し、ここでxは任意の所定のセルに記述された出力の割合である。マイクロプロセッサ213は、計算された角度を用いて、計算された位相角に対応する時間点においてトライアックドライバ211又は212へ「オン」信号を送達する。マイクロプロセッサ213は、ゼロ交差信号及び上述の表1を用いて正しいタイミングを決定することができる。マイクロプロセッサ213は、時間T1について、第1の出力アレイを第1のトライアックドライバ211へ、第2の出力アレイを第2のトライアックドライバ212へ繰り返し送達する。
【0077】
T1が経過した後、マイクロプロセッサ213は期間T2についての第1及び第2の出力アレイを「フリップ」する。換言すれば、
図8に見られるように、T1が終了した後、T2が開始し、第1の出力アレイが第2のトライアックドライバ212へ送達され、第2の出力アレイが第1のトライアックドライバ211へ送達される。
【0078】
マイクロプロセッサ213は以下のようにT1及びT2を計算するステップを実行する。
【0079】
T1 = 2秒*(第1のヒーター総出力/組み合わせヒーター総出力)
T2 = 2秒*(第2のヒーター総出力/組み合わせヒーター総出力)
数学的に、これはT1+T2=2秒の出力送達相に従う。
【0080】
このように、出力アレイは、2秒の組み合わせ送達相について送達される。より長いかより短い出力送達相を使用し得ることが意図されている。2秒後に、マイクロプロセッサ213は出力アレイを再計算する場合がある。出力アレイを再計算することによって、マイクロプロセッサ213はユーザー設定の変更を考慮するか、又は、発熱素子の温度を上げることから温度を維持することへ切り換える。
【0081】
上述の装置及び方法へ適用される操作例が与えられる。例えば、ユーザーは第1と第2の発熱素子203と204とのために異なる出力レベルでグリル110を使いたいことがあり、例えば、マイクロプロセッサ213は第1の発熱素子203にその最大出力の17.5%を持たせ、第2の発熱素子204にその最大出力の僅か5%を持たせるように決定することがある。ここに説明される実施形態にしたがって、マイクロプロセッサ213は、それぞれ、17.5%と5%の出力を供給しつつ、電気グリルによりAC壁面コンセントに導入される高調波電流を低減するパターンで出力を導くように構成される。
【0082】
この例では、第1及び第2の出力アレイは、以下のように計算される。第1及び第2の選択された出力レベルは、総選択出力に到達するように結合される。17.5% + 5% = 22.5%又は0.225(603を参照)。これが50%未満であるので、マイクロプロセッサ213はステップ605を進める。ここに説明された技術を用いて、マイクロプロセッサ213は、八(8)を乗算して0.225 * 8 = 1.8に到達する。次に、マイクロプロセッサ213は第1の出力アレイに値1.8を充填する。特に、第1のセル及び第3のセルは、(1.8)/2=0.9の値を受け取る。第2及び第4のセルは、「0」のままである。このように、第1の出力アレイは“0.9 | 0 | 0.9 | 0”であり、第2の出力アレイは“0 | 0 | 0 | 0”である。
【0083】
期間時間T1について、第1の出力アレイは第1のトライアックドライバ211へ送達され、第2の出力アレイは第2のトライアックドライバ212へ同時に送達される。第1及び第2の出力アレイの送達において、マイクロプロセッサ213は、波のカットに対応する時間において「オン」信号をそれぞれのトライアックドライバ211及び/又は212へ送る。例えば、第1の出力アレイの第1のセルは90%出力波(すなわち0.9)が送達されることを指示する。90%出力波はarccos(2*9−1)=36.86°の「カット」角を必要とする。マイクロプロセッサ213は、36.86°においてトライアックドライバ211を「オン」に切り換えることにより90%出力波を送達する。表1の値と同様に、36.86°カットはゼロ交差の後の0.0017秒に出力を送達することによりなされる。続いて、第2のセルは、0%を有する「オフ」波が送達されることを指示する。第3の波は第1の波と同じであり、すなわち、36.86°におけるカットであり、第4の波は第2の波と同じであり、すなわち「オフ」である。第2の出力アレイはこの例では“0|0|0|0”であり、したがって第2のトライアックドライバ212は未だ起動されていない。
【0084】
この送達パターンは、612及び613に説明されたように期間T1に亘って連続される。ここでT1は、T1=2秒*(第1ヒーター総出力/組み合わせ総出力)=2*(0.175/0.225)=2*0.78=1.56秒として計算される。同様にT2=2*(0.05/0.225)=0.44秒である。この例においては、T1=1.56秒に亘って、第1の出力アレイ(“0.9|0|0.9|0”)は第1の発熱素子203へ送達され、第2の出力アレイ(“0|0|0|0”)は第2の発熱素子204へ送達される。1.56秒の後、マイクロプロセッサ213は、0.44秒の期間について第1及び第2の出力アレイの送達を「フリップ」する。組み合わせた2秒が経過した後に、マイクロプロセッサ213はその時間点において必要な出力に応じて第1及び第2の出力アレイを再充填することにより開始し得る。
【0085】
マイクロプロセッサ213が、ここに記載されたステップ及び構成を実行することに関連した読み取り及び/又は書き込みのために、その内蔵又は外部のメモリ1000を含み得ることが理解されよう。さらに、マイクロプロセッサ213は内蔵又は外部クロック信号を有することがあり、これは「オン」信号をトライアックへ送る時間に用いることができる。クロック信号は、オンボード・クロック信号発生器1001により、又は外部クロックにより生成し得る。
図10は、マイクロプロセッサ213への入力及び出力を示す例示的な概略図である。例は、左右のノブ101、102とディスプレイ103を含む。さらなる例は、熱電対221、222と、トライアックドライバ208及び209との通信を含む。入力信号1002がゼロ交差ユニット210から始まるように、メモリ1000とクロック1001も示されている。
【0086】
ここに記載されたデバイス及び方法の実施形態のさらなる利益は、デジタル電源200により壁面コンセントにもたらされるフリッカの低減である。フリッカは、特定の頻度で、コンセントへ接続している明りがフリックするか、暗くなる原因になるので好ましくない。
図11は、IEC61000−3−3 電磁気互換性(EMC)−Part3−3(電圧変動及びフリッカ)のフリッカ制限を示す。フリッカは電圧における%変化で測定される。
【0087】
本発明の実施形態は、単独の出力送達相内の波カットからもたらされる電圧変化に基づく壁面コンセントへのフリッカレベルを低減することができる。当業者は、フリッカは通常はデバイスの「定常状態」の間に測定されることを認識するであろう。
【0088】
単独の出力送達相における電圧変化がフリッカ規則に従う。1101に見られるように(及び規則にさらに記述される)、IEC 61000-3-3条件の最後のデータ・ポイントは1分につき2875電圧変化で生じる。これは、23.96Hzのサイクリング周波数と同等である。換言すれば、23.96Hzより高い周波数で起きる電圧変化は、それが人間の知覚を越えているので、フリッカ条件がない。ここに開示されたデバイスと方法の実施形態は、電気グリル110が波カットと全「オン」又は全「オフ」波との間で交番する波パターンを形成する。このパターンの後、電気グリル110は、50Hz ACで1秒につき25電圧変化(25Hz)及び60Hz ACで1秒につき30電圧変化(30Hz)を形成する。この25Hz及び30Hzサイクリング周波数は規格の最後のデータ点の23.96Hzを上回るのでフリッカ条件を満たす。
【0089】
本発明のさらなる利点は多重出力アレイへの出力分割及びそれらの多重発熱素子への送達から得られる。
図6及び
図7に記載された技術を用いて、出力アレイの1つは、常に“0 | 0 | 0 | 0”又は“1 | 1 | 1| 1”である。これは、発熱素子203又は204の一方のみが「カット」波を任意の所定の時間に受け取ることができることを確実にする。その結果、電気グリル110の使用した電流(又は出力)は、最大限の半分(1/2)より大きい出力によって、決して下降することはない。例を挙げるために、電気グリル110により導かれた組み合わせ2300ワットについて、2つの発熱素子203及び204がそれぞれ1150ワットを導くならば、1つの発熱素子203又は204において90°でさえ1150ワットの最大出力下降をもたらすであろう。これは、高調波電流の大きさを低減するのを助ける。
【0090】
開示されたデジタル電源及び出力送達のための方法は、電気グリルの回路に選択的に実装し得る。
図2は、電気グリルに回路を提供するために保護回路200に選択的に追加できるさらなる構成要素を示す。例えば、ライン201及びニュートラル202は、逓降変圧器215へ接続することができ、これにはゼロ交差検出ユニット210が接続されている。逓降変圧器215は低減された2次電圧を供給するので、ゼロ交差検出ユニット210は、ライン201とニュートラル202との間で、高電圧を露呈させることなく、ゼロ交差を検出することができる。
【0091】
さらに選択的な実施形態は、全波整流器216を含み、これは漏電検出ユニット217へ給電し、これは次いで、電気機械的ラッチ206又は207を外すトリップコントローラ218と通信する。漏電検出ユニット217はライン201とニュートラル202との間の信号不均衡を受けて、ラッチが外れて有害な電流状況を防止する。
【0092】
さらなる選択的な実施形態は、ウォッチドッグモニター220を含み、これはマイクロプロセッサ213の操作を監視し、マイクロプロセッサ213の故障の際にトライアックドライバ211及び212を無効化する。また、マイクロプロセッサ213を駆動するのに使用し得るAC/DC出力変換器214と、発熱素子203及び204へと流れている電流を監視するのに用いられる電流センサ、例えばホール効果センサ219が設けられている。
【0093】
上述した理由で、本発明の或る実施形態は、発熱素子の寿命を延ばすためにデジタル電源を提供することがあり、フリッカ条件を満たし、また高調波条件を満たす。これらの利益は、ここに記載されたデバイスと方法を使用して達成し得る。例えば、2秒の出力送達相を用いることは、発熱素子がそれまでに完全に拡大するか完全に収縮することを防ぐ。
発熱素子を完全に拡大するか収縮させる長い出力送達相は、発熱素子の寿命に非常に有害である。AC流に従い25−30Hzのサイクリング周波数を持つ交互の波パターンを記述するトータルパワーアレイをつくることによって、フリッカ条件は、AC電流に依存する25−30Hzのサイクリング周波数を有する交番波パターンを記述する総出力アレイを形成することにより満たされる。さらに、本発明のデバイス及び方法を用いて形成し得る総出力アレイは、全「オン」又は全「オフ」波を有するカット波毎に続き、高調波電流を低減する。高調波電流は電気グリル110の組み合わせ負荷を2つ以上の素子に分割することによっても低減される。
【0094】
上述の説明は、本発明を規定する以下の請求項で使用される語の意味又は要旨を限定することを目的とするものではない。むしろ、説明と実施形態は、様々な実施形態を理解することを支援するために提供されている。構造、機能、又は結果の将来的な変更例が存在し、これは実質的な変更ではなく、それらの僅かな変形例は請求項により包含されるように意図された請求項の範囲内であることが意図されている。したがって、本発明の好ましい実施形態が例示されて説明されている一方、当業者には幾多の変形例及び変更例が請求された発明を逸脱しない範囲でなされることができることが理解されるであろう。さらに、用語「請求された発明」又は「本発明」は本明細書ではときおり単数形で使用されているが、説明して請求したように複数の発明があることが理解されよう。
【0095】
本発明の様々な特徴は、以下の特許請求の範囲に記載されている。