(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る電子機器が備えている回路基板20、上シールド30、及び下シールド40の分解斜視図である。この図では回路基板20等を斜め上側から臨んでいる。また、この図では後述する板ばね51、及びばね受け部材53も示されている。
図2は回路基板20、及び下シールド40等の分解斜視図である。この図では回路基板20等を斜め下側から臨んでおり、下シールド40に取り付けられているヒートシンク14が示されている。
図3はヒートシンク14の斜視図である。
図4は上シールド30の平面図である。
図5は板ばね51とばね受け部材53の斜視図である。
図5(a)はこれらの部材を斜め上側から臨み、
図5(b)ではこれらの部材の下側を臨んでいる。
図6は
図4に示すVI−VI線での断面図である。
図7は
図4に示すVII−VII線での断面図である。
【0008】
以下の説明では、これらの図に示すY1及びY2をそれぞれ前方向及び後方向とし、X1及びX2はそれぞれ右方向及び左方向とする。また、Z1及びZ2はそれぞれ上方向及び下方向とする。
【0009】
本発明に係る電子機器は、例えばゲーム装置や、パーソナルコンピュータ、オーディオ・ビジュアル機器などであるが、本発明は他の電子機器に適用されてもよい。
【0010】
電子機器は回路基板20とシールド30,40とを有している。
図2に示すように、回路基板20には集積回路21が実装されている。本明細書で説明する例では、集積回路21は回路基板20の下面に実装されている。集積回路21は、例えば電子機器の全体を制御するCPU(Central Processing Unit)である。集積回路21はGPU(Graphics Processing Unit)でもよいし、CPUの機能とGPUの機能の双方を備えたマイクロプロセッサでもよい。
【0011】
シールド30、40は導電性を有する材料(例えば、金属)の板材によって構成されている。回路基板20はシールド30、40によって覆われている。詳細には、下シールド40は回路基板20の集積回路21が実装されている面(本明細書の例では下面)を覆い、上シールド30は集積回路21が実装されている面とは反対側の面(本明細書の例では上面)を覆っている。シールド30、40は、回路基板20からの不要輻射(より具体的には、集積回路21などの電子部品からの不要輻射)を防止する。シールド30、40は例えば回路基板20の全域を覆う。回路基板20に実装されている部品とシールド30、40との干渉を避けるためなどの目的で、回路基板20の一部はシールド30、40から露出していてもよい。シールド30、40は電気的に接地されている。シールド30、40の外周縁は互いに接触してもよい。
【0012】
シールド30、40と回路基板20は螺子などの締結部材によって互いに固定される。シールド30、40の外周部30d、40d、及び回路基板20の外周部20dは、締結部材が差し込まれる複数の取付穴が形成される。例えば、シールド30、40と回路基板20は電子機器の外面を構成する外装部材に収容され、外装部材に螺子で固定される。また、シールド30、40と回路基板20は、電子機器を構成するフレームに螺子などの締結部材によって固定され、外装部材によって覆われてもよい。
【0013】
図6に示すように、回路基板20の下側にはヒートシンク14が配置されている。ヒートシンク14は集積回路21の表面に接している。具体的には、ヒートシンク14は、板状の受熱ブロック14aと、受熱ブロック14aの一方の面に設けられ間隔を空けて並んでいる複数のフィン14bとを有している(
図3参照)。フィン14bは半田等によって受熱ブロック14aに取り付けられていてもよいし、受熱ブロック14aと一体的に成型されていてもよい。受熱ブロック14aの他方の面は集積回路21の表面に接している。
図5に示すように、受熱ブロック14aには、ヒートパイプや熱伝導性の高い材料で形成されている棒である熱伝達部材14cが設けられていてもよい。
【0014】
図1及び
図2に示すように、電子機器は、回路基板20と上シールド30との間に配置され、ヒートシンク14を回路基板20に向けて付勢するための付勢部材を有している。本実施形態では、電子機器は付勢部材として板ばね51を有している。回路基板20と上シールド30との間には空間が形成されており、この空間に板ばね51が配置されている。板ばね51は回路基板20を挟んで集積回路21やヒートシンク14とは反対側に位置し、上シールド30によって覆われている。回路基板20には貫通孔20aが形成され、貫通孔20aには連結部材52が通されている。連結部材52は例えば螺子であるが、ボルトでもよい。板ばね51は、連結部材52を通してヒートシンク14を回路基板20に向けて付勢している。すなわち、板ばね51は、連結部材52を通してヒートシンク14を集積回路21に向けて引っ張っている(
図6では板ばね51の力を矢印F1で示している)。これにより、ヒートシンク14の受熱ブロック14aと集積回路21とを確実に接触させることができる。連結部材52はヒートシンク14に接続されてもよいし、後において説明するように、下シールド40に取り付けられ、ヒートシンク14に間接的に接続されてもよい。付勢部材は必ずしも板ばね51に限られない。例えば、回路基板20と上シールド30との間の空間が回路基板20の厚さ方向において比較的大きい場合には、コイルばねが上述の付勢部材として利用されてもよい。
【0015】
上述したように板ばね51は上シールド30によって覆われている。板ばね51は上シールド30に電気的に接続していない。こうすることにより、板ばね51からの輻射が外部にでることを抑えることができ、電子機器からの不要輻射の発生を効果的に抑えることができる。
図6に示すように、一例では、板ばね51が上シールド30に電気的に接続しないように、板ばね51と上シールド30との間にクリアランスが設けられる。他の例としては、板ばね51が上シールド30に電気的に接続しないように、板ばね51と上シールド30との間に絶縁体が配置されてもよい。板ばね51及び連結部材52は導電性を有する材料(具体的には金属)で形成されている。すなわち、導電性を有する2つの部材が電気的に接続しないように構成されている。絶縁体を利用する形態としては、例えば、板ばね51と上シールド30のうちいずれか一方に絶縁材料で形成されるシートが取り付けられる。板ばね51に絶縁性のシートを取り付ける場合、シートは板ばね51の全域に取り付けられてもよいし、板ばね51の一部にだけ取り付けられてもよい。上シールド30に絶縁性のシートを取り付ける場合、上シールド30のうち板ばね51に対応する部分の全域にシートが取り付けられてもよいし、板ばね51に対応する部分のさらに一部の領域にだけシートが取り付けられてもよい。
【0016】
図2に示すように、本明細書の例では、ヒートシンク14は下シールド40に取り付けられ、連結部材52は下シールド40に取り付けられている。したがって、板ばね51は下シールド40を介してヒートシンク14を引っ張っている。この構造によると、ヒートシンク14には連結部材52を取り付ける部位を設ける必要がなくなる。その結果、ヒートシンク14の形状の自由度を増すことができる。板ばね51とヒートシンク14とを連結する構造はこれに限られない。例えば、連結部材52はヒートシンク14の受熱ブロック14aに直接的に取り付けられてもよい。すなわち、受熱ブロック14aに連結部材52を取り付ける螺子孔が形成されてもよい。
【0017】
図6に示すように、電子機器は集積回路21を挟んで互いに反対側に位置している2つの連結部材52を有している。2つの連結部材52は、ヒートシンク14を挟んで互いに反対側に位置している。板ばね51は2つの連結部材52を通してヒートシンク14を回路基板20に向けて付勢している。これにより、受熱ブロック14aの接触力を集積回路21の表面に均一に作用させることができる。
【0018】
図5に示すように、板ばね51は基部51aと、基部51aから互いに反対側に伸びている2つのばね部51bを有している。2つのばね部51bは基部51aを固定した状態で回路基板20の厚さ方向において弾性変形できる。2つのばね部51bの端部に2つの連結部材52がそれぞれ取り付けられている。具体的には、例えばばね51bの端部に孔51cが形成され、連結部材52は上側から孔51cに嵌められる。連結部材52の基部は孔51cの縁に引っ掛かっている(
図6参照)。
図5に示す例では、ばね部51bは先端に向かって徐々に細くなっている。ばね部51bの形状は
図5に示す例に限定されず、適宜変更されてよい。
【0019】
図6に示すように、下シールド40には複数のフィン14bに対応したサイズの開口が形成されている。フィン14bは下シールド40の開口に上側から嵌められ、受熱ブロック14aの外周部は開口の縁の上側に引っ掛かっている。受熱ブロック14aの外周部には、下シールド40における受熱ブロック14aの位置を固定するための複数の突起14dが形成されてもよい(
図3参照)。この突起14dは下シールド40の開口の縁に形成されている孔に嵌められる。
【0020】
図6に示すように、下シールド40は、ヒートシンク14を挟んで互いに反対側に位置している2つの取付部(具体的には、螺子孔)40bを有している。2つの連結部材52の端部(螺子)は2つ取付部40bにそれぞれ取り付けられている。
図4に示すように、2つの連結部材52(2つの取付部40b)は、集積回路21の4つの縁に対して垂直な方向に対して傾斜した直線(
図4において、
図6の切断面を示す直線)上に位置している。言い換えると、2つの連結部材52(2つの取付部40b)は、集積回路21をその対角線の方向において挟んで互いに反対側に設けられる。
【0021】
図6に示すように、回路基板20にはばね受け部材53が設けられている。ばね受け部材53は、回路基板20と板ばね51の基部51aとの間に位置し、板ばね51の基部51aを支持している受け部53a(
図5参照)を有している。受け部53aは板状であり、板ばね51の基部51aは受け部53a上に配置されている。
図5に示すように、基部51aには受け部53aに向けて突出する突起51dが形成されてもよい。この突起51dを形成することにより、基部51aと受け部53aとの接触位置を特定できる。
【0022】
ばね受け部材53は、回路基板20上に配置され受け部53aを支持している支持部53bを含んでいる。支持部53bの外周縁には、受け部53aの外周縁を取り囲む突部53f(
図6参照)が形成されるのが好ましい。これによって、支持部53b上で受け部53aの位置を固定できる。このような突部53fは必ずしも形成されなくてもよい。
【0023】
支持部53bは絶縁性の材料で形成されるのが好ましい。これにより、回路基板20上に形成される配線の短絡を確実に防止できる。支持部53bは例えば樹脂(例えば、プラスチック)によって成型される。受け部53aは、好ましくは、支持部53bよりも高い剛性を有する材料で形成される。例えば、受け部53aは金属によって形成される。受け部材53の構造は上述したものに限られない。例えば、受け部53aも樹脂によって形成されてもよい。また、ばね受け部材53の全体は樹脂によって一体的に成型されてもよい。
【0024】
回路基板20は、回路基板20を挟んで集積回路21の反対側に実装されている電子部品22を有している(
図1参照)。
図6に示すように、ばね受け部材53の受け部53aは電子部品22と板ばね51の基部51aとの間に位置している。ばね受け部材53の支持部53bは電子部品22の位置を避けて形成され、受け部53aを支持している。これにより、板ばね51の力が電子部品22に作用することを抑えることができる。
図5(b)に示すように、ばね受け部材53の一例では、支持部53bは内側に開口を有している枠形状であり、受け部53aの外縁を支持している。支持部53bの内側に電子部品22が位置している。支持部53bの厚さは電子部品22の高さよりも大きい。
【0025】
支持部53b及び受け部53aは、
図5に示すように、例えば四角形であるが、これらの形状は四角形に限られない。集積回路21の反対側に電子部品22が実装されていない場合には、支持部53bには開口が形成されていなくてもよい。
【0026】
図5(b)に示すように、支持部53bの下面(回路基板20に接する面)には複数の突部53cが形成されてもよい。突部53cを利用することにより、支持部53bが回路基板20に接する位置を特定できる。また、突部53cによって支持部53bと回路基板20との間にクリアランスが確保される。その結果、電子部品22の熱が支持部53bの内側に溜まることを抑えることができる。複数の突部53cは好ましくは支持部53bの全体に均等に配置される。例えば、
図5に示すように、4つの突部53cが支持部53bの4辺にそれぞれ配置される。
【0027】
図5に示すように、ばね受け部材53の支持部53bは互いに反対側に伸びている2つの延伸部53dを有している。延伸部53dの端部には、回路基板20に形成されている孔に射し込まれる突部53eが形成されている。これにより、ばね受け部材53の回路基板20上での位置が規定される。ばね受け部材53は、板ばね51の弾性力を板ばね51の基部51aから受けて、回路基板20に取り付けられている。突部53eは必ずしもばね受け部材53に形成されていなくてもよい。
【0028】
図5(a)及び
図7に示すように、ばね受け部材53には、上シールド30に向かって突出しているスペーサ部53gが形成されている。スペーサ部53gの先端は、回路基板20の厚さ方向において板ばね51の位置を超えて上シールド30寄りに位置している。スペーサ部53gの先端と上シールド30との間の間隔は、板ばね51と上シールド30との間の間隔よりも小さい。こうすることにより、上シールド30が撓んだり、上シールド30の上側を押す力がこれに作用した場合でも、上シールド30と回路基板20との間隔をスペーサ部53gによって確保できる。その結果、上シールド30と板ばね51との接触を防止できる。一例では、通常状態(上シールド30が撓んでいない状態)において、スペーサ部53gの先端は上シールド30に接触していない。スペーサ部53gが絶縁性の材料で形成されている場合には、スペーサ部53gは上シールド30に接触していてもよい。ここでの説明において、「板ばね51と上シールド30との間の間隔」は、板ばね51と上シールド30との間隔が最も小さくなる位置でのそれらの間隔である。本明細書の例では、
図7に示すように、上シールド30に突部33bが形成されている。したがって、ここでの説明において、「板ばね51と上シールド30との間隔」は、突部33bの先端と板ばね51の表面との距離Gである。突部33bは上シールド30に必ずしも形成されていなくてもよい。
【0029】
スペーサ部53gは、絶縁性の材料で形成されている支持部53bと一体的に成型されている。こうすることにより、上シールド30を押す力がこれに作用し、スペーサ部53gに接触した場合であっても、受け部53aは上シールド30から電気的に絶縁された状態を維持することができる。その結果、受け部53aが導電性の材料で形成されている形態において、上シールド30を押す力がこれに作用した場合であっても、板ばね51と上シールド30とが電気的に接続することを防止できる。スペーサ部53gは受け部53aの外周縁に沿って形成されている。これによって、受け部53aの位置はスペーサ部53gによっても規定される。一例では、支持部53bは、受け部53aの中心を挟んで互いに反対側に位置している2つのスペーサ部53gを有する。2つのスペーサ部53gの間に、板ばね51の基部51aが配置される。
【0030】
図4及び
図7に示すように、上シールド30には、回路基板20に向かって突出しているスペーサ部31が形成されている。スペーサ部31の先端は、回路基板20の厚さ方向において板ばね51の位置を超えて回路基板20寄りに位置している。スペーサ部31の先端と回路基板20の表面(板ばね51側の面)との間隔は、板ばね51と上シールド30との間の間隔よりも小さい。こうすることにより、上シールド30が撓んだり、上シールド30の上側を押す力がこれに作用した場合でも、上シールド30と回路基板20との間隔をスペーサ部31によって確保でき、その結果、上シールド30と板ばね51との接触を防止できる。ここでの説明において、「板ばね51と上シールド30との間の間隔」は、上述と同様に、板ばね51と上シールド30との間隔が最も小さくなる位置でのそれらの間隔である。
【0031】
一例では、通常状態(上シールド30に力が作用していない状態)において、スペーサ部31の先端は回路基板20に接触していない。こうすることにより、上シールド30と回路基板20の公差に起因してスペーサ部31の先端から回路基板20に負荷がかかることを抑えることができる。スペーサ部31の先端は回路基板20に接触していてもよい。スペーサ部31は、回路基板20上の電子部品が存在しない位置に設けられるのが好ましい。
【0032】
上シールド30は金属の板材で形成されている。スペーサ部31の位置で上シールド30の上側をパンチによって凹ますことにより、スペーサ部31は形成される。
図4に示すように、上シールド30は複数のスペーサ部31を有しているのが好ましい。複数のスペーサ部31は板ばね51を取り囲むように配置される。本明細書の例では、上シールド30は3つのスペーサ部31を有している。3つのスペーサ部31は、板ばね51の中心の周りの周方向において、互いに間隔をあけて配置されている。スペーサ部31の数は3つに限られず、2つでもよいし、3つより多くてよい。
【0033】
図7に示すように、下シールド40は、上シールド30のスペーサ部31に対応する位置に、回路基板20に向かって突出する突部41を有してもよい。突部41は回路基板20を挟んでスペーサ部31と対向している。こうすることにより、スペーサ部31が回路基板20に当たった場合でも、その力を下シールド40の突部41で受けることができる。その結果、回路基板20が撓むことを抑えることができる。
【0034】
図7に示すように、上シールド30には、回路基板20に向かって突出しているスペーサ部32が形成されている。スペーサ部32の先端は、回路基板20の厚さ方向において板ばね51の位置を超えて回路基板20寄りに位置している。本明細書の例では、回路基板20は、集積回路21が実装されている面とは反対側の面に、複数の電子部品23を有している。複数の電子部品23は、集積回路21の位置を取り囲むように配置されている。電子部品23は、例えば集積回路(例えば、補助用のCPUやメモリ)である。電子部品23は必ずしも集積回路でなくてもよい。スペーサ部32は電子部品23に向けて突出している。スペーサ部32と電子部品23との間にはクッション24が配置されている。クッション24は例えばゴムなどの弾性体によって形成されている。スペーサ部32の先端はクッション24に当たっている。こうすることにより、上シールド30が撓んだり、上シールド30の上側を押す力がこれに作用した場合でも、上シールド30と回路基板20との間の間隔を確保でき、上シールド30と板ばね51との接触を防止できる。クッション24は熱伝導性を有するゴムで形成されるのが好ましい。こうすることにより、電子部品23の熱をクッション24によって上シールド30に伝えることができ、その結果、電子部品23を冷却することが可能となる。
【0035】
図7に示すように、スペーサ部32は、その先端に、上述したスペーサ部31の先端よりも大きな面積を有している平らな面32aを有している。これによると、スペーサ部32が電子部品23に当たった場合でも、電子部品23に過剰な圧力が作用することを抑えることができる。
【0036】
図6に示すように、上シールド30は複数のスペーサ部32を有している。複数のスペーサ部32は回路基板20に実装されている複数の電子部品23の位置にそれぞれ対応している。複数のスペーサ部32は板ばね51を取り囲むように配置されている。本明細書の例では、上シールド30は8つのスペーサ部32を有している。
【0037】
図1に示すように、上シールド30は、板ばね51を覆っている部分33(以下において、ばね対向部と称する)を有している。ばね対向部33は、その周りの部分30cに対して、板ばね51から離れる方向、本明細書の例では上方に膨らんでいる(
図6参照)。これによれば、板ばね51と上シールド30との間のクリアランスを確保し易くなる。
【0038】
一例では、ばね対向部33は板ばね51に対応したサイズを有し、且つ板ばね51に対応した形状を有している。ばね対向部33は板ばね51よりも僅かに大きく形成されている。
図6に示すように、ばね対向部33の外周縁33a(ばね対向部33とその周りの部分30cとの境界)には段差が形成されている。この段差は板ばね51の全周を取り囲んでいる。ばね対向部33の外周縁33aが平面視において板ばね51を取り囲んでいれば、ばね対向部33の形状は必ずしも板ばね51に対応していなくてもよい。
【0039】
図2及び
図7に示すように、ばね対向部33には板ばね51の基部51aに向かって突出している突部33bが形成されてもよい。この場合、突部33bと基部51aとの間にもクリアランスが設けられる。このような突部33bを設けることにより、例えば上シールド30にこれを押す力が作用した場合に、その力を回路基板20の一部にだけ集中して作用することを抑えることができる。
【0040】
図8は本発明の実施形態に係る電子機器の例を示す斜視図である。
図8に示す電子機器1は本体10と、電子機器1の外面の一部を構成し且つ本体10の上側を覆う上カバー12と、電子機器1の外面の一部を構成し且つ本体10の下側を覆う下カバー13を有している。上述した回路基板20、上シールド30、及び下シールド40は本体10に設けられる。電子機器1は例えばゲーム装置である。
【0041】
以上説明したように、本実施形態に係る電子機器では、板ばね51(付勢部材)は連結部材52を通してヒートシンク14を回路基板20の一方の面(集積回路21が実装されている面)に向けて付勢している。これにより、ヒートシンク14と集積回路21とを確実に接触させることができる。また、板ばね51は回路基板20と上シールド30との間に位置し、且つ上シールド30に電気的に接続しないように配置されている。これにより、板ばね51からの輻射が外部にでることを抑えることができる。
【0042】
本発明は以上説明した実施形態に限られず、種々の変更がなされてよい。例えば、連結部材52がヒートシンク14に直接取り付けられている場合、電子機器には必ずしも下シールド40は設けられていなくてもよい。
【0043】
また、上シールド30にこれを押す力が作用した場合に、上シールド30と板ばね51とが接触するのを防止するための部位として、ばね受け部材53のスペーサ部と、上シールド30に形成されているスペーサ部31、32とが設けられていた。回路基板20と上シールド30との間には、それらの間隔を確保するための専用の部品が設けられてもよい。