(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
引用文献1のコネクタ装置900においては、コネクタ910と相手側コネクタ950とが嵌合状態にある場合においても、前後方向、即ち嵌合方向におけるコネクタ910のフード部収容部926の後端927と相手側コネクタ950のフード部965の後端966との間にはスペース980が存在しており、嵌合方向におけるコネクタ910のフロントリテーナ928の前端929と相手側コネクタ950のフロントリテーナ収容部968の前端969との間にはスペース990が存在している。これにより、コネクタ910と相手側コネクタ950との嵌合状態においてコネクタ910又は相手側コネクタ950に嵌合方向(前後方向)の外力が加わると、コネクタ910が相手側コネクタ950に対して嵌合方向(前後方向)に動き、コネクタ装置900の接続特性が劣化する可能性がある。
【0006】
よって本発明は、コネクタと相手側コネクタとの嵌合状態においてコネクタ又は相手側コネクタに嵌合方向の外力が加わっても、コネクタが相手側コネクタに対して嵌合方向に動かないコネクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1のコネクタ装置として、コネクタと、前記コネクタと前後方向に沿って嵌合及び抜去可能な相手側コネクタとを備えるコネクタ装置であって、
前記コネクタと前記相手側コネクタとが互いに嵌合した嵌合状態において、前記相手側コネクタは、前記コネクタよりも前記前後方向における前方に位置しており、
前記コネクタは、ロック部材と、受部と、付加的弾性部と、押さえ部材とを備えており、
前記ロック部材は、少なくとも1つの支持部と、少なくとも1つのロック部とを有しており、
前記支持部は、弾性を有し、且つ、前記ロック部を支持しており、
前記ロック部は、前記支持部の弾性変形により、少なくとも前記前後方向と直交する直交方向において移動可能であり、
前記相手側コネクタは、少なくとも1つの相手側ロック部と、突当部とを備えており、
前記相手側コネクタにおいて、前記相手側ロック部と前記突当部との前記前後方向における相対位置は固定されており、
前記ロック部及び前記相手側ロック部の少なくとも一方は、前記前後方向及び前記直交方向の双方と交差する交差面を有しており、
前記嵌合状態において、前記相手側ロック部は、前記ロック部よりも前記直交方向における内側に位置しており、
前記嵌合状態において、前記ロック部は、前記支持部の前記弾性により前記相手側ロック部に対して前記交差面において押し付けられており、前記相手側ロック部に対して前記前後方向の後方に向かう力を加えており、
前記嵌合状態において、前記突当部は、前記受部よりも前記前後方向における前方に位置しており、前記後方に向かう力により前記受部に対して突き当てられ、前記受部により前記受部を越える後方への移動を規制されており、
前記押さえ部材は、前記ロック部材よりも前記直交方向における外側に位置すると共に、前記前後方向と前記直交方向の双方と直交する移動方向において前記ロック部材に対して相対的に第1位置と第2位置との間で移動可能となるように、前記ロック部材に対して取り付けられており、
前記付加的弾性部は、前記押さえ部材よりも前記直交方向における内側に位置しており、
前記嵌合状態において、前記押さえ部材が前記第1位置にあるとき、前記付加的弾性部は前記支持部と前記押さえ部材との間に介在し、前記支持部に対して前記直交方向における内側に向かう力を加えて前記支持部を押さえ付けて、前記ロック部の前記相手側ロック部に対する押し付けを維持する維持状態を構成しており、
前記嵌合状態において、前記押さえ部材が前記第2位置にあるとき、前記付加的弾性部は、前記支持部を押さえ付けておらず、前記維持状態が解除されている
コネクタ装置を提供する。
【0008】
また、本発明は、第2のコネクタ装置として、第1のコネクタ装置であって、
前記直交方向は、前記前後方向に延びる軸を中心とする仮想円の径方向であり、
前記移動方向は、前記仮想円の周方向であり、
前記押さえ部材は、前記ロック部材に対して前記周方向に回転可能に取り付けられている
コネクタ装置を提供する。
【0009】
また、本発明は、第3のコネクタ装置として、第2のコネクタ装置であって、
前記第1位置から前記第2位置へ向かう前記押さえ部材の移動方向は第1回転方向であり、
前記第2位置から前記第1位置へ向かう前記押さえ部材の移動方向は第2回転方向であり、
前記押さえ部材には、第1被規制部と第2被規制部とが設けられており、
前記ロック部材には、第1規制部と第2規制部とが設けられており、
前記押さえ部材が前記第2位置にあるとき、前記第1規制部は、前記第2回転方向において前記第1被規制部と接触又は対向しており、前記第1回転方向において前記押さえ部材が前記第2位置を越えて移動することを規制しており、
前記押さえ部材が前記第1位置にあるとき、前記第2規制部は、前記第1回転方向において前記第2被規制部と接触又は対向しており、前記第2回転方向において前記押さえ部材が前記第1位置を越えて移動することを規制している
コネクタ装置を提供する。
【0010】
また、本発明は、第4のコネクタ装置として、第3のコネクタ装置であって、
前記コネクタ装置は、前記押さえ部材を前記第1位置に保持する保持機構を更に備えている
コネクタ装置を提供する。
【0011】
また、本発明は、第5のコネクタ装置として、第4のコネクタ装置であって、
前記ロック部材には、前記径方向における外側へ突出した規制部が設けられており、
前記規制部は、前記第2回転方向に向いた第1規制面と、前記第1回転方向に向いた第2規制面と、仮規制部とを有しており、
前記第1規制面は、前記第1規制部として機能するものであり、
前記第2規制面は、前記第2規制部として機能するものであり、
前記押さえ部材は、前記規制部を少なくとも部分的に収容する収容部を備えており、
前記収容部は、前記第1回転方向に向いた第1内面と、前記第2回転方向に向いた第2内面とを有しており、
前記第1内面は、前記第1被規制部として機能するものであり、
前記第2内面は、前記第2被規制部として機能するものであり、
前記保持機構は、前記収容部内において前記径方向における内側へ張り出した張出部であり、
前記押さえ部材が前記第1位置にあるとき、前記仮規制部は、前記第1回転方向において前記張出部と接触又は対向しており、前記第1
回転方向に向かう前記押さえ部材の移動を仮規制している
コネクタ装置を提供する。
【0012】
また、本発明は、第6のコネクタ装置として、第5のコネクタ装置であって、
前記規制部には、ガイド部が設けられており、
前記ガイド部は、前記押さえ部材が前記第2位置から前記第1位置に向かう際に、前記張出部が前記規制部上を移動することをガイドする
コネクタ装置を提供する。
【0013】
また、本発明は、第7のコネクタ装置として、第5又は第6のコネクタ装置であって、
前記ロック部材には、台状支持部が更に形成されており、
前記台状支持部は、前記前後方向において前記規制部と並んでいる
コネクタ装置を提供する。
【0014】
また、本発明は、第8のコネクタ装置として、第5から第7までのコネクタ装置のいずれか一つであって、
前記ロック部材には、付加的支持部と第3規制部が更に設けられており、
前記付加的支持部は、弾性を有し、且つ、前記第3規制部を支持しており、
前記第3規制部は、前記付加的支持部の弾性変形により、少なくとも前記径方向において移動可能であり、
前記付加的支持部は、被操作部を有しており、
前記押さえ部材には、第3被規制部が更に設けられており、
前記コネクタは、操作部材を更に備えており、
前記操作部材は、前記押さえ部材に前記径方向に移動可能に取り付けられており、
前記押さえ部材が前記第1位置にあるとき、前記第3規制部は、前記第2回転方向において前記第3被規制部と接触又は対向して、前記押さえ部材が前記第1回転方向に移動することを規制しており、
前記押さえ部材が前記第2位置にあるとき、前記操作部材は、前記周方向において前記被操作部から離れており、
前記押さえ部材が前記第1位置にあるとき、前記操作部材は、前記被操作部の前記径方向における外側に位置しており、
前記押さえ部材が前記第1位置にあるとき、前記操作部材は、前記径方向における内側へ向かう力を受けると、前記被操作部を押して前記付加的支持部を弾性変形させて、前記第3規制部を前記径方向における内側へ移動させ、前記押さえ部材が前記第1回転方向に移動することの規制が解除される
コネクタ装置を提供する。
【0015】
また、本発明は、第9のコネクタ装置として、第8のコネクタ装置であって、
前記付加的支持部は、前記第2回転方向へ延びる片持ち梁状の弾性片である
コネクタ装置を提供する。
【0016】
また、本発明は、第10のコネクタ装置として、第9のコネクタ装置であって、
前記操作部材は、前記前後方向において互いに離れて位置する二つの脚部を有しており、
前記操作部材は、前記前後方向において、前記付加的支持部を跨ぐように配置されており、
前記ロック部材には、前記脚部を夫々収容すると共に、前記操作部材が前記第1位置と第2位置との間で移動するときに前記脚部の移動を許容する脚収容部が設けられており、
前記脚収容部は、前記前後方向において前記付加的支持部と隣接し、かつ前記付加的支持部の前記径方向における内側に位置する空間と連通しており、
前記ロック部材は、前記第1回転方向へ延びる片持ち梁状の補助弾性片を更に有しており、
前記補助弾性片は、前記付加的支持部の前記径方向における内側に位置しており、
前記第3規制部が前記径方向における内側へ移動したとき、前記付加的支持部が前記補助弾性片に突き当たる
コネクタ装置を提供する。
【0017】
また、本発明は、第11のコネクタ装置として、第9又は第10のコネクタ装置であって、
前記第3規制部は、前記付加的支持部の先端面である
コネクタ装置を提供する。
【0018】
また、本発明は、第12のコネクタ装置として、第9から第11までのコネクタ装置のうちのいずれか一つであって、
前記操作部材は、前記操作部材の少なくとも一部が、前記付加的支持部の前記径方向における外側に位置するように配置されている
コネクタ装置を提供する。
【0019】
また、本発明は、第13のコネクタ装置として、第5から第12までのコネクタ装置のうちのいずれか一つであって、
前記コネクタは、コネクタ本体を更に備えており、
前記ロック部材は、前記コネクタ本体の少なくとも一部を覆っており、
前記付加的弾性部と前記規制部とは、前記周方向及び前記前後方向の夫々おいて離れて配置されている
コネクタ装置を提供する。
【0020】
また、本発明は、第14のコネクタ装置として、第13のコネクタ装置であって、
前記付加的弾性部と前記第1被規制部は、夫々複数設けられており、それぞれ前記周方向に等間隔で配置されている
コネクタ装置を提供する。
【0021】
また、本発明は、第15のコネクタ装置として、第1から第
14までのコネクタ装置のうちのいずれか一つであって、
前記押さえ部材には、第4被規制部と第5被規制部とが設けられており、
前記ロック部材には、第4規制部と第5規制部とが設けられており、
前記第4規制部は、前記前後方向において前記第4被規制部と接触又は対向して、前記前後方向において前記押さえ部材が前方へ移動することを規制しており、
前記第5規制部は、前記前後方向において前記第5被規制部と接触又は対向して、前記前後方向において前記押さえ部材が後方へ移動することを規制している
コネクタ装置を提供する。
【0022】
更に、本発明は、第16のコネクタ装置として、第1から第15までのコネクタ装置のうちの一つであって、
前記付加的弾性部は、前記ロック部材に形成されており、
前記付加的弾性部は、前記支持部から片持ち梁状に延びるバネである
コネクタ装置を提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明のコネクタ装置においては、コネクタと相手側コネクタとの嵌合状態において、コネクタのロック部は、相手側コネクタの相手側ロック部に対して後方に向かう力を加えており、相手側コネクタの突当部は、この後方に向かう力によりコネクタの受部に対して突き当てられ、受部により受部を越える後方への移動を規制されている。これにより、本発明のコネクタ装置は、コネクタと相手側コネクタとの嵌合状態においてコネクタ又は相手側コネクタに嵌合方向の外力が加わっても、コネクタが相手側コネクタに対して嵌合方向に動かないように構成されている。よって、本発明のコネクタ装置は、コネクタと相手側コネクタとの嵌合状態において、安定した接続特性を提供することができる。
【0024】
特に、本発明のコネクタ装置においては、押さえ部材がロック部材よりも直交方向における外側に位置すると共に、前後方向と直交方向の双方と直交する移動方向においてロック部材に対して相対的に第1位置と第2位置との間で移動可能となるように、ロック部材に対して取り付けられている。これにより、嵌合状態において、押さえ部材を第1位置に位置させると、押さえ部材よりも直交方向における内側に位置する付加的弾性部が、支持部と押さえ部材との間に介在し、支持部に対して直交方向における内側に向かう力を加えて支持部を押さえ付けて、ロック部の相手側ロック部に対する押し付けを維持する維持状態を構成する。こうして、本発明のコネクタ装置は、コネクタ及び相手側コネクタとば別体の維持手段を用いることなく、嵌合状態においてロック部を相手側ロック部に対して押し付けた状態を維持することができ、より一層安定した接続特性を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1の実施の形態)
図1に示されるように、本発明の実施の形態によるコネクタ装置10は、相手側コネクタ600と、コネクタ100とを備えている。即ち、本実施の形態の相手側コネクタ600は、コネクタ装置10に用いられるものである。また、本実施の形態のコネクタ100は、コネクタ装置10に用いられるものである。
【0027】
図1、
図15及び
図22に示されるように、本実施の形態による相手側コネクタ600は、コネクタ100と前後方向に沿って嵌合及び抜去可能なものである。本実施の形態において、前後方向はX方向である。また、前方は+X方向であり、後方は−X方向である。
【0028】
図4に示されるように、本実施の形態による相手側コネクタ600は、相手側コネクタ本体610と、固定ネジ670とを備えている。
【0029】
図3に示されるように、本実施の形態の相手側コネクタ本体610は、相手側シェル630と、コネクタ収容部680と、相手側電気コネクタ612とを有している。
【0030】
図1に示されるように、本実施の形態の相手側シェル630は、コネクタ装置10の使用時に筐体800に取り付けられるものである。より詳しくは、コネクタ装置10の使用時に、相手側シェル630は、固定ネジ670により筐体800の外面に取り付けられている。
【0031】
図3に示されるように、本実施の形態の相手側シェル630は、相手側シェル本体631と、相手側突出部640を有している。
【0032】
図3に示されるように、本実施の形態の相手側シェル本体631は、筐体800の内外に亘って前後方向に延びている。
図1に示されるように、相手側シェル本体631は、後端部分が筐体800の外部に位置するように、固定ネジ670で筐体800に取り付けられている。
【0033】
図3に示されるように、本実施の形態の相手側シェル本体631には、突当部632が形成されている。即ち、本実施の形態の相手側シェル630には、突当部632が形成されている。突当部632は、前後方向と直交する面であり、前後方向において後方を向いている。
【0034】
図1に示されるように、本実施の形態の相手側突出部640は、前後方向に延びる軸AXを中心軸とする略円筒形状を有している。相手側突出部640は、前後方向において相手側シェル本体631の後方に位置している。相手側突出部640は、相手側シェル630を筐体800に取り付けた際に筐体800の外部に位置するように設けられている。
図3に示されるように、相手側突出部640は、前後方向と直交する直交方向において、相手側シェル本体631の突当部632の外側に位置している。即ち、相手側シェル本体631の突当部632は、相手側突出部640から直交方向における内側に延びている。本実施の形態において、直交方向は、軸AXに直交する平面内において軸AXを中心とする仮想円の径方向である。
【0035】
図1及び
図4から理解されるように、本実施の形態の相手側突出部640は、複数の凹部650と、凹部650に夫々対応する複数の隆起部645とを有している。即ち、本実施の形態の相手側コネクタ600は、凹部650と隆起部645の組を複数有している。本実施の形態において、凹部650と隆起部645の組の数は四つである。本実施の形態において、凹部650は、同一形状及び同一サイズを有しており、隆起部645も同一形状及び同一サイズを有している。隆起部645は、対応する凹部650の後方部分に位置している。凹部650と隆起部645の組は、軸AXを中心とする仮想円の周方向Rにおいて等間隔に配置されている。但し、本発明はこれに限られない。凹部650及び隆起部645は、軸AXの周方向Rにおいて、必ずしも同一サイズを有していなくてもよい。また、凹部650と隆起部645の組は、等間隔に配置されていなくてもよい。また、凹部650と隆起部645の組は、少なくとも一つあればよい。また、凹部650及び隆起部645は、相手側突出部640の全周を囲むように形成されてもよい。例えば、複数の凹部650に異なるサイズを持たせるか、不等間隔に配置することで、コネクタ100と相手側コネクタ600との誤嵌合を防止することができる。しかしながら、複数の凹部650は等間隔に配置されている方が、コネクタ100と相手側コネクタ600との嵌合状態におけるバランスがよい。
【0036】
図3に示されるように、本実施の形態の凹部650の夫々は、直交方向において外側に開放している。即ち、凹部650は、直交方向において内側に凹んでいる。凹部650は、相手側突出部640の直交方向における外面を部分的に形成している。凹部650の前端は、前後方向において相手側シェル本体631と連結されている。
【0037】
図3に示されるように、本実施の形態の凹部650の夫々は、前面658と、底面652とを有している。前面658は、前後方向と直交しかつ後方に向いた面と、直交方向において外側に向いていると共に前後方向において後方に向いている面とで構成されている。前面658は、前後方向において底面652の前方に位置している。底面652は、直交方向と直交する面であり、直交方向において外側に向いている。底面652は、軸AXを中心軸とする円筒面を部分的に形成している。底面652は、前後方向において隆起部645の前方に位置している。底面652は、前後方向において前面658と隆起部645との間に位置している。
【0038】
図3から理解されるように、隆起部645の夫々は、対応する凹部650の後方部分において直交方向に突出している。隆起部645の直交方向のサイズは、凹部650の直交方向のサイズ(深さ)よりも小さい。隆起部645は、相手側突出部640の前後方向における後端を部分的に規定している。即ち、隆起部645は、相手側シェル630の前後方向における後端を部分的に規定している。隆起部645は、後方に向かうにつれて先細るようにテーパが付けられている。
【0039】
図3に示されるように、本実施の形態の隆起部645の夫々は、外面647と、端面662を有している。
【0040】
図3に示されるように、本実施の形態の外面647は、直交方向と直交する面であり、直交方向において外側を向いている。外面647は、凹部650の底面652よりも直交方向において外側に位置している。
【0041】
図3に示されるように、本実施の形態の端面662は、直交方向において外側に向いていると共に前後方向において前方に向いている。換言すると、端面662は、前後方向及び直交方向の双方と交差する交差面662である。端面662は、また、対応する凹部650の後端を部分的に規定する凹部650の後面662でもある。
【0042】
図3に示されるように、本実施の形態の隆起部645には、相手側ロック部660が設けられている。即ち、本実施の形態の相手側ロック部660は、隆起部645に設けられている。相手側ロック部660は、隆起部645の前方部分に設けられている。
【0043】
上述のように、本実施の形態において、相手側コネクタ600は相手側コネクタ本体610を備えており、相手側シェル本体631には突当部632が形成されており、隆起部645には相手側ロック部660が設けられている。即ち、本実施の形態による相手側コネクタ600は、相手側コネクタ本体610と、相手側ロック部660と、突当部632とを備えている。但し、本発明はこれに限定されず、相手側コネクタ600は、少なくとも1つの相手側ロック部660と、突当部632とを備えていればよい。
【0044】
図3に示されるように、本実施の形態の相手側コネクタ600において、相手側ロック部660と突当部632との前後方向における相対位置は固定されている。より詳しくは、本実施の形態の相手側コネクタ600において、相手側ロック部660は、突当部632に対して前後方向における後方に位置しており、相手側ロック部660と突当部632とは前後方向において距離Dだけ離れるように固定されている。
【0045】
図3に示されるように、本実施の形態の相手側ロック部660は、前後方向及び直交方向の双方と交差する交差面662を有している。
【0046】
図3に示されるように、本実施の形態の相手側ロック部660の交差面662は、直交方向において外側に向いていると共に前後方向において前方に向いている。相手側ロック部660の交差面662は、隆起部645の端面662でもある。即ち、相手側ロック部660の交差面662は、隆起部645の一面である。
【0047】
図3に示されるように、本実施の形態のコネクタ収容部680は、相手側コネクタ本体610の後端から前方に延びる空間であり、後端に開口部682を有している。
【0048】
図3に示されるように、本実施の形態の相手側電気コネクタ612は、コネクタ装置10の使用時に、筐体800内に配置されている回路基板810上に固定される。
【0049】
図3に示されるように、本実施の形態の相手側電気コネクタ612は、相手側端子700を有している。即ち、本実施の形態の相手側コネクタ600は、相手側端子700を有している。本実施の形態の相手側端子700は、金属製である。
【0050】
図1、
図15及び
図22に示されるように、本実施の形態のコネクタ100は、相手側コネクタ600と前後方向に沿って嵌合及び抜去可能なものである。
【0051】
図3に示されるように、本実施の形態のコネクタ100は、コネクタ本体150と、ロック部材200と、押さえ部材440とを備えている。
【0052】
図3に示されるように、本実施の形態のコネクタ本体150は、保持部材180と、光コネクタ300と、光モジュール170とを備えている。
【0053】
図3及び
図5を参照して、本実施の形態の保持部材180は、絶縁体からなり、挿入部181と、張出部190と、突起183と、前後動規制部160と、光モジュール収容部187とを有している。即ち、本実施の形態のコネクタ本体150には、前後動規制部160が設けられている。
【0054】
図1及び
図3を参照して、本実施の形態の挿入部181は、前後方向に延び、保持部材180の前端を規定している。
【0055】
図3に示されるように、本実施の形態の張出部190は、前後方向と直交する方向に張り出している。張出部190は、前後方向において挿入部181の後方に位置している。張出部190は、挿入部181よりも直交方向における外側に位置している。張出部190は、前後方向において前方を向いた前面192を有している。張出部190の前面192は、前後方向と直交した面であり、前後方向において前方を向いている。張出部190の前面192は、受部192として機能する。即ち、コネクタ100は、受部192を備えている。
【0056】
図5に示されるように、本実施の形態の突起183は、直交方向における外側に突出している。
図3及び
図5を参照して、突起183は、前後方向において張出部190の後方に位置している。突起183は、張出部190よりも直交方向における外側に位置している。突起183は、後面160を有している。突起183の後面160は、前後方向と直交する面であり、前後方向において後方を向いている。突起183の後面160は、前後動規制部160として機能する。
【0057】
図3に示されるように、本実施の形態の光コネクタ300は、光ファイバケーブル750と光モジュール170とを接続するものである。即ち、光コネクタ300は、光ファイバケーブル750に取り付けられており、また、光コネクタ300は、光モジュール170に対して着脱可能に構成されている。
【0058】
図3に示されるように、本実施の形態の光モジュール170は、光電変換部(図示せず)と、電気コネクタ174とを有している。光電変換部は、光コネクタ300と電気コネクタ174との間において、光信号と電子信号とを相互に変換する。
【0059】
図3を参照して、本実施の形態の電気コネクタ174は、光電変換部(図示せず)に対して電気信号を入出力する。本実施の形態の電気コネクタ174は、端子500を有している。即ち、本実施の形態のコネクタ100は、端子500を有している。本実施の形態の端子500は、金属製である。
【0060】
図3に示されるように、本実施の形態のロック部材200は、コネクタ本体150に取り付けられている。より詳しくは、ロック部材200は、コネクタ本体150の保持部材180の直交方向における外側に取り付けられている。換言すると、ロック部材200は、コネクタ本体150の少なくとも一部を覆っている。コネクタ本体150を覆うようにロック部材200を構成したことから、ロック部材200を設けたことによる軸AX方向のコネクタ100のサイズの増大を回避することができる。
【0061】
図6、
図7及び
図8から理解されるように、本実施の形態のロック部材200は、側壁205と、複数のスリット210と、複数の支持部220と、複数の突出部240と、複数のロック部250と、複数の付加的弾性部420と、複数の前後動被規制部270とを有している。即ち、本実施の形態のロック部材200は、支持部220と、ロック部250と、付加的弾性部420とを有している。また、本実施の形態のロック部材200には、前後動被規制部270が設けられている。より詳しくは、本実施の形態のロック部材200は、八つのスリット210と、四つの支持部220と、四つの突出部240と、四つの付加的弾性部420と、四つの前後動被規制部270とを有している。なお、突出部240は、相手側突出部640の凹部650に夫々対応するものであり、その数及び配置は、凹部650の数及び配置に依存する。
【0062】
図6、
図7及び
図8に示されるように、本実施の形態の側壁205は、軸AXを中心軸とする略円筒形状を有している。
【0063】
図6、
図7及び
図8に示されるように、本実施の形態のスリット210の夫々は、ロック部材200の側壁205の前端から後方に向けて伸びる溝である。より詳しくは、スリット210は、直交方向においてロック部材200の側壁205を貫通している。また、スリット210は、ロック部材200の側壁205の後端には達していない。本実施の形態の八つのスリット210は、各組が二つのスリット210で構成される四組のスリットペア212に分けられる。
【0064】
図6、
図7及び
図8に示されるように、本実施の形態の支持部220は、ロック部材200の略円筒形状の側壁205の一部である。より詳しくは、四つの支持部220は、四組のスリットペア212と夫々対応しており、支持部220の夫々は、軸AXの周方向Rにおいて、対応するスリットペア212の間に位置している。また、支持部220は、軸AXの周方向Rにおいて等間隔に配置されている。支持部220は、弾性を有し、且つ、ロック部250を支持している。
【0065】
図3、
図7及び
図8に示されるように、本実施の形態の突出部240は、支持部220から直交方向において内側に突出している。即ち、本実施の形態のコネクタ100は、支持部220から直交方向において内側に突出した突出部240を有している。突出部240は、前後方向において支持部220の前端に位置している。突出部240は、前方に向かうにつれて先細るようにテーパが付けられている。
【0066】
図3、
図7及び
図8に示されるように、本実施の形態の突出部240は、内面242と、ロック部250とを有している。即ち、本実施の形態の突出部240には、ロック部250が設けられている。
【0067】
図3に示されるように、本実施の形態の内面242は、直交方向と直交する曲面であり、直交方向において内側に向いている。
【0068】
図3に示されるように、本実施の形態ロック部250は、前後方向において突出部240の後端に位置している。
【0069】
図3及び
図6から
図8までの図から理解されるように、本実施の形態のロック部250は、支持部220に夫々支持されている。ロック部250は、軸AXの周方向Rにおいて等間隔に配置されている。本実施の形態のロック部250は、支持部220の弾性変形により、直交方向に移動可能となっている。なお、本発明はこれに限定されず、ロック部250は、支持部220の弾性変形により、少なくとも直交方向に移動可能となっていればよい。
【0070】
図3に示されるように、本実施の形態のロック部250の夫々は、前後方向及び直交方向の双方と交差する交差面252を有している。即ち、上述のように相手側ロック部660が交差面662を有していることを勘案すると、交差面252,662は、ロック部250及び相手側ロック部660の双方に設けられている。ロック部250の交差面252は、直交方向において内側に向いていると共に前後方向において後方に向いている。より詳しくは、
図7及び
図8を参照して、すべてのロック部250の交差面252は、軸AXを中心軸とする同一円錐面の一部である。
【0071】
図3、
図7及び
図8を参照して、本実施の形態の付加的弾性部420は、支持部220から片持ち梁状に延びるバネである。
【0072】
図3及び
図6に示されるように、本実施の形態の付加的弾性部420は、連結部422と、傾斜面424と、被押圧部423とを有している。
【0073】
図3に示されるように、本実施の形態の連結部422は、支持部220に連結されている。連結部422は、直交方向において、ロック部250の外側に位置している。
【0074】
図6から理解されるように、本実施の形態の傾斜面424は、付加的弾性部420の前端部に設けられている。傾斜面424は、前後方向と平行であり且つ直交方向と交差している。より詳しくは、傾斜面424は、直交方向において外側に向いており、軸AXの周方向Rにおいて一方(第1回転方向)に向いている。
【0075】
図6及び
図7に示されるように、本実施の形態の被押圧部423は、直交方向と直交する部分を持つ平面であり、直交方向において外側に向いている。被押圧部423は、付加的弾性部420の前端部に位置している。また、被押圧部423は、軸AXの周方向Rにおいて対応する傾斜面424と隣接している。より詳しくは、被押圧部423は軸AXの周方向Rにおいて、傾斜面424が向かう方向の反対側に位置している。
【0076】
図7及び
図8に示されるように、本実施の形態の前後動被規制部270は、ロック部材200の側壁205の直交方向内側に位置している。前後動被規制部270は、前後方向において前方を向いた面である。
図4、
図5、
図7及び
図8を参照して、前後動被規制部270は、コネクタ本体150の保持部材180の前後動規制部160よりも前後方向における後方に位置している。
【0077】
図6から
図8を参照すると、ロック部材200には、直交方向における外側へ突出した複数の回転規制部280が更に設けられている。本実施の形態において、回転規制部280の数は、四つである。回転規制部280は、軸AXの周方向Rにおいて等間隔に配置されている。また、回転規制部280は、前後方向において、付加的弾性部420から離れて配置されると共に、軸AXの周方向Rにおいても付加的弾性部420から離れて配置されている。この構成により、成型によるロック部材200の製造が容易に行える。
【0078】
図6から
図8に示されるように、回転規制部280は、第1規制面282と第2規制面284と前面286とを有している。第1規制面282は、前後方向に延びており、軸AXの周方向Rにおいて第2回転方向に向いている。第2回転方向は、ロック部材200を前後方向において後方から見たとき、時計回り方向である。第2規制面284は、前後方向に延びており、軸AXの周方向Rにおいて第1回転方向に向いている。第1回転方向は、ロック部材200を前後方向において後方から見たとき、反時計回り方向である。前面286は、軸AXの周方向Rに延びており、前後方向において前方に向いている。後述するように、第1規制面282は、第1規制部282として機能するものであり、第2規制面284は、第2規制部284として機能するものである。また、前面286は、第4規制部
286として機能するものである。即ち、ロック部材200には、第1規制部282と第2規制部284と第4規制部286とが設けられている。
【0079】
図6及び
図7に示されるように、回転規制部280は、また、仮規制部288を有している。本実施の形態において、仮規制部288は、第1規制面282の一部である。但し、本発明はこれに限られない。仮規制部288は、第1規制面282とは別に設けられてもよい。
【0080】
図6及び
図7に示されるように、回転規制部280には、ガイド部290が設けられている。本実施の形態において、ガイド部290は、
第2規制面284に隣接し、直交方向において内側に凹んだ凹部である。
【0081】
図6から
図8に示されるように、ロック部材200には、直交方向における外側へ突出した複数の台状支持部292が更に形成されている。本実施の形態において、台状支持部292の数は四つである。台状支持部292は、回転規制部280と夫々対応しており、前後方向において対応する回転規制部280と連続している。台状支持部292の夫々は、一対の側面294,296を有している。一方の側面294は、対応する回転規制部280の第1規制面282と同一平面を形成する。残りの一方の側面296は、軸AXの周方向Rにおいて、対応する回転規制部280の第2規制面284よりも外側に位置する。
【0082】
図6から
図8を参照すると、ロック部材200には、直交方向における外側へ突出した突起部310が更に形成されている。突起部310は、ロック部材200の前後方向において前端部に設けられている。突起部310は、前後方向に直交し、前後方向において後方に向いている後面312を有している。後面312は、後述するように、第5規制部312として機能する。即ち、ロック部材200には、更に第5規制部312が設けられている。
【0083】
図3に示されるように、ロック部材200は、直交方向において押さえ部材440の内側に位置している。換言すると、押さえ部材440は、直交方向においてロック部材200の外側に位置している。本実施の形態において、押さえ部材440は、直交方向において、押さえ部材440を完全に覆っている。それゆえ、ロック部材200の付加的弾性部420は、押さえ部材440よりも直交方向における内側に位置している。押さえ部材440は、前後方向及び直交方向の双方と直交する移動方向において、第1位置と第2位置との間で、ロック部材200に対して相対的に移動可能となるように、ロック部材200に取り付けられている。本実施の形態において、押さえ部材440の移動方向は、軸AXの周方向Rに一致する。つまり、押さえ部材440は、ロック部材200に対して軸AXの周方向Rに回転可能に取り付けられている。本実施の形態において、第1位置から第2位置へ向かう押さえ部材440の移動方向は第1回転方向である。また、第2位置から第1位置へ向かう押さえ部材440の移動方向は第2回転方向である。
【0084】
図9から
図11までに示されるように、本実施の形態の押さえ部材440は、軸AXを中心とする略円筒形状を有している。押さえ部材440は、複数の付加的弾性部収容部442と、複数の傾斜面444と、複数の押圧部446とを有している。より詳しくは、押さえ部材440は、四つの付加的弾性部収容部442と、四つの傾斜面444と、四つの押圧部446とを有している。ここで、四つの付加的弾性部収容部442は、ロック部材200の四つの付加的弾性部420と夫々対応している。また、四つの付加的弾性部収容部442は、四つの傾斜面444と夫々対応している。さらに、四つの傾斜面444は、四つの押圧部446と夫々対応している。
【0085】
図9から
図11までに示されるように、本実施の形態の付加的弾性部収容部442は、押さえ部材440の前端から後方に延びる空間である。
図14及び
図21に示されるように、押さえ部材440が第2位置に位置しているとき、付加的弾性部収容部442には、ロック部材200の付加的弾性部420が収容される。
【0086】
図9から
図11までに示されるように、本実施の形態の押圧部446は、直交方向と直交する部分を含む平面であり、直交方向において内側に向いている。押圧部446は、押さえ部材440の前端部に位置している。直交方向において、押圧部446は、付加的弾性部収容部442よりも内側に位置している。
【0087】
図9から
図11までに示されるように、本実施の形態の傾斜面444は、軸AXの周方向Rにおいて、対応する付加的弾性部収容部442と対応する押圧部446との間に位置している。傾斜面444は、前後方向と平行且つ直交方向と交差している。より詳しくは、傾斜面444は、直交方向において内側に向いており、軸AXの周方向Rにおいて第2回転方向に向いている。
【0088】
上述のように、本実施の形態において、コネクタ100のロック部材200は付加的弾性部420を有しており、コネクタ100は押さえ部材440を有している。即ち、コネクタ装置10は、付加的弾性部420と、押さえ部材440とを備える維持機構400を更に備えている。
【0089】
また、上述のように、本実施の形態において、ロック部材200は複数の支持部220を有しており、ロック部材200の複数の突出部240の夫々にはロック部250が設けられており、コネクタ100は受部192を備えている。即ち、本実施の形態のコネクタ100は、複数の支持部220と、複数のロック部250と、受部192とを備えている。より具体的には、本実施の形態のコネクタ100は、四つの支持部220と、四つのロック部250と、受部192とを備えている。なお、本発明はこれに限定されず、コネクタ100は、少なくとも1つの支持部220と、少なくとも1つのロック部250と、受部192とを備えていればよい。
【0090】
再び
図9から
図11を参照すると、押さえ部材440は、複数の規制部収容部(収容部)450を更に備えている。本実施の形態において、押さえ部材440は、四つの規制部収容部450を備えている。規制部収容部450は、ロック部材200の回転規制部280に夫々対応している。従って、規制部収容部450は、軸AXの周方向Rにおいて、等間隔に配置されると共に、前後方向において、押さえ部材440の略中央に配置されている。規制部収容部450の夫々は、対応する回転規制部280を収容する。
【0091】
図9から
図11に示されるように、押さえ部材440は、更に、複数の台状支持部収容部480を備えている。台状支持部収容部480は規制部収容部450に夫々対応している。台状支持部収容部480の夫々は、前後方向において、対応する規制部収容部450の後方に位置し、対応する規制部収容部450と連通している。台状支持部収容部480の夫々は、対応する台状支持部292を収容する。
【0092】
図9から
図11に示されるように、規制部収容部450の夫々は、前後方向に延びる第1内面(第1被規制部)452と第2内面(第2被規制部)454とを有している。また、規制部収容部450の夫々は、軸AXの周方向Rに延びる前面456を有している。第1内面452は、第1回転方向に向いており、第2内面454は、第2回転方向に向いている。また、前面456は、前後方向において後方に向いている。複数の規制部収容部450が、軸AXの周方向Rにおいて等間隔に配置されていることから、本実施の形態において、複数の第1内面452は、周方向Rにおいて等間隔に配置されている。同様に、複数の第2内面454も周方向Rにおいて等間隔に配置されている。
【0093】
図9から
図11に示されるように、台状支持部収容部480の夫々は、前後方向に延びる一対の内側面482,484を有している。一方の内側面482は、軸AXの周方向Rにおいて第1回転方向に向いており、残りの一方の内側面484は、軸AXの周方向Rにおいて第2回転方向に向いている。また、内側面482は対応する規制部収容部450の第1内面452と同一面を形成している。一方、内側面484は、軸AXの周方向Rにおいて、対応する規制部収容部450の第2内面454よりも外側に位置している。
【0094】
図13、
図20及び
図27から理解されるように、軸AXの周方向Rにおいて、規制部収容部450のサイズは、回転規制部280のサイズよりも大きい。また、
図12、
図19及び
図26から理解されるように、台状支持部収容部480のサイズは、台状支持部292のサイズよりも大きい。これにより、回転規制部280は、軸AXの周方向Rにおいて、規制部収容部450内で相対的に移動することができ、台状支持部292は、台状支持部収容部480内で相対的に移動することができる。
【0095】
図13及び
図20に示されるように、押さえ部材440が第2位置にあるとき、規制部収容部450の第1内面452は、第1回転方向において第1規制面(第1規制部)282と接触又は対向する。そして、第1規制面282は、第1回転方向において押さえ部材440が第2位置を越えて移動することを規制する第1規制部282として機能する。このとき、第1内面452は、第1被規制部452として機能する。即ち、押さえ部材440には、第1被規制部452が設けられている。
【0096】
図27に示されるように、押さえ部材440が第1位置にあるとき、規制部収容部450の第2内面454は、第2回転方向において第2規制面(第2規制部)284と接触又は対向する。そして、第2規制面284は、第2回転方向において押さえ部材440が第1位置を越えて移動することを規制する第2規制部284として機能する。このとき、第2内面454は、第2被規制部454として機能する。即ち、押さえ部材440には、第2被規制部454が設けられている。
【0097】
図6から
図11までの図から理解されるように、規制部収容部450の前面456は、対応する回転規制部280の前面286と対向又は接触する。そして、規制部収容部450の前面456は、回転規制部280の前面(第4規制部)286によって前後方向において後方へ移動することが規制される。換言すると、規制部収容部450の前面456は、前後方向において第4規制部286と接触又は対向し、それによって、前後方向において押さえ部材440が後方へ移動することが規制される。このように、回転規制部280の前面286は、前後方向において押さえ部材440が後方へ移動することを規制する第4規制部286として機能する。このとき、規制部収容部450の前面456は、第4規制部286によってその移動を規制される第4被規制部456として機能する。即ち、押さえ部材440には、第4被規制部456が設けられている。
【0098】
図9から
図11までに示されるように、押さえ部材440は、規制部収容部450内において直交方向における内側へ張り出した張出部458を有している。張出部458は、規制部収容部450内での回転規制部280の移動を仮規制する。詳しくは、張出部458は、押さえ部材440が第1位置にあるとき、
図27に示されるように、第1回転方向において仮規制部288と接触又は対向する。換言すると、押さえ部材440が第1位置にあるとき、仮規制部288は、第2回転方向において張出部458と接触又は対向する。これにより、押さえ部材440は、第1回転方向に向かう移動を仮規制部288によって仮規制される。このとき、張出部458は、押さえ部材440を第1位置に保持する保持機構458として機能する。このように、コネクタ装置10は、押さえ部材440を第1位置に保持する保持機構458を備えている。
【0099】
図9から
図11までに示されるように、押さえ部材440には更に軸AXの周方向Rに延びる複数の溝460が設けられている。本実施の形態において、押さえ部材440には、四つの溝460が形成されている。溝460は、押さえ部材440の前端部に形成され、軸AXの周方向Rにおいて、等間隔に配置されている。また、溝460の夫々は、前後方向において前方へ開いており、前後方向において前方に向かう後面462を有している。後面462は、軸AXの周方向Rに延びており、前後方向において前方へ向いている。
【0100】
図6から
図11までの図から理解されるように、溝460は、ロック部材200の突起部310に夫々対応している。溝460の夫々は、対応する突起部310を収容する。このとき、溝460の後面462は、突起部310の後面312と対向又は接触する。溝460の後面462は、突起部310によって前後方向において前方へ移動することを規制される第5被規制部462として機能する。また、突起部310の後面312は第5規制部312として機能する。このように、押さえ部材440には、第5被規制部462が設けられている。第5被規制部462は、前後方向において第5規制部312と接触又は対向し、これによって、前後方向において押さえ部材440が前方へ移動することが規制される。
【0101】
(嵌合操作)
本実施の形態のコネクタ装置10におけるコネクタ100と相手側コネクタ600との嵌合操作を以下に詳述する。
【0102】
まず、
図3に示されるように、コネクタ100のコネクタ本体150の保持部材180の挿入部181の前端が相手側コネクタ600の相手側コネクタ本体610のコネクタ収容部680の開口部682と対向するようにコネクタ100と相手側コネクタ600とを前後方向において対向配置したうえで、コネクタ100と相手側コネクタ600とが前後方向に近づくようにコネクタ100又は相手側コネクタ600を移動させる。
【0103】
すると、コネクタ100のロック部材200の突出部240の前端が相手側コネクタ600の相手側コネクタ本体610の相手側シェル630の相手側突出部640の隆起部645の後端と接触し、コネクタ100のロック部材200の支持部220が弾性変形して突出部240は直交方向外側に移動する。
【0104】
次に、コネクタ100と相手側コネクタ600とが前後方向に更に近づくようにコネクタ100又は相手側コネクタ600を移動させると、コネクタ100の突出部240は、相手側コネクタ600の隆起部645に乗り上げる。即ち、コネクタ100の突出部240の内面242は、相手側コネクタ600の隆起部645の外面647と直交方向において接触する。
【0105】
その後、コネクタ100と相手側コネクタ600とが前後方向により近づくようにコネクタ100又は相手側コネクタ600を移動させると、コネクタ100の突出部240が直交方向内側に移動して、コネクタ100と相手側コネクタ600とは、
図15から
図18に示される第1嵌合状態(嵌合状態)となる。このとき、コネクタ100と相手側コネクタ600とが互いに嵌合した第1嵌合状態において、相手側コネクタ600は、コネクタ100よりも前後方向における前方に位置している。
【0106】
この第1嵌合状態において、コネクタ100の挿入部181は、相手側コネクタ600のコネクタ収容部680に収容されている。
【0107】
またこの第1嵌合状態において、相手側コネクタ600の相手側コネクタ本体610の相手側シェル630の相手側突出部640の凹部650の夫々は、
図17から理解されるように、対応するコネクタ100の突出部240を少なくとも部分的に受容しており、隆起部645の相手側ロック部660の交差面662は、突出部240よりも後方に位置している。ここで、コネクタ100の突出部240は、相手側コネクタ600の凹部650と交差面252,662で接触しているが、コネクタ100の突出部240の内面242は、相手側コネクタ600の凹部650の底面652と直交方向において接触しておらず、コネクタ100の突出部240の前端は、相手側コネクタ600の凹部650の前面658と前後方向において接触していない。即ち、コネクタ100の突出部240は、相手側コネクタ600の凹部650と交差面252,662のみで接触している。加えて、コネクタ100の支持部220は、相手側コネクタ600の隆起部645の外面647と直交方向において接触していない。
【0108】
更にこの第1嵌合状態において、コネクタ100の支持部220は、
図3に示される元の形状には復帰しておらず、弾性変形したままとなっており、また、コネクタ100の受部192と相手側コネクタ600の相手側コネクタ本体610の相手側シェル630の突当部632とは互いに接触している。
【0109】
より詳しくは、この第1嵌合状態において、相手側ロック部660は、ロック部250よりも直交方向における内側に位置しており、支持部220は、ロック部250を相手側ロック部660に対して押し付けている。また、この第1嵌合状態において、ロック部250は、支持部220の弾性により相手側ロック部660に対して交差面252,662において押し付けられており、相手側ロック部660に対して前後方向の後方に向かう力を加えている。加えてこの第1嵌合状態において、相手側コネクタ600の突当部632は、コネクタ100の受部192よりも前後方向における前方に位置している。ここで上述のように、相手側ロック部660と突当部632との前後方向における相対位置は固定されているため、相手側ロック部660に加えられた後方に向かう力は、突当部632まで伝達されるが、相手側コネクタ600の突当部632はコネクタ100の受部192よりも前後方向における前方に位置しているため、突当部632は受部192により受部192を越えて後方に移動できない。即ち、この第1嵌合状態において、相手側コネクタ600の突当部632は、相手側ロック部660に加えられた後方に向かう力によりコネクタ100の受部192に対して突き当てられ、受部192により受部192を越える後方への移動を規制されている。これにより、本実施の形態のコネクタ装置10は、第1嵌合状態においてコネクタ100又は相手側コネクタ600に前後方向の外力が加わっても、コネクタ100が相手側コネクタ600に対して前後方向に動かないように構成されている。
【0110】
特に、上述のように、本実施の形態のコネクタ装置10において、ロック部250は軸AXの周方向Rにおいて等間隔に配置されており、且つ、すべてのロック部250の交差面252は軸AXを中心とする同一円錐面の一部となっている。これにより、コネクタ100と相手側コネクタ600とを嵌合する際にロック部250の交差面252に作用する力の合力は、軸AXと直交する成分が打ち消されて、前後方向のみの成分となる。従って、この第1嵌合状態において、コネクタ100と相手側コネクタ600との軸ズレは生じない。
【0111】
この第1嵌合状態において、ロック部材200の前後動被規制部270(
図7及び
図8参照)とコネクタ本体150の前後動規制部160(
図5参照)とは互いに接触している。より詳しくは、この第1嵌合状態において、コネクタ100のロック部250は、相手側コネクタ600の相手側ロック部660に対して後方に向かう力を加えると、前方に向かう力を相手側ロック部660からの反力として受け、ロック部250が受けた前方に向かう力により前後動被規制部270が前後動規制部160に押し付けられ、ロック部材200とコネクタ本体150との相対移動が規制される。
【0112】
この第1嵌合状態において、押さえ部材440は、第2位置に位置している。このとき、
図19に示されるように、台状支持部292は、台状支持部収容部480内に位置し、軸AXの周方向Rにおいて、一方の内側面482の近くに位置している。また、回転規制部280は、
図20に示されるように、規制部収容部450内において、軸AXの周方向Rにおいて、張出部458と第1内面452との間に位置している。換言すると、回転規制部280は、規制部収容部450内に位置し、周方向Rにおいて、第1内面452の近くに位置している。そして、回転規制部280の第1規制面282は、第1内面452と対向又は接触している。これにより、押さえ部材440が第2位置を越えて第1回転方向に移動することが規制される。また、付加的弾性部420は、
図21に示されるように、付加的弾性部収容部442内に位置している。このとき、付加的弾性部420は、押さえ部材440に接していない。そのため、付加的弾性部420は、弾性変形しておらず、支持部220を押さえ付けてもいない。換言すると、このとき、維持機構400による維持状態は解除されている。
【0113】
この第1嵌合状態において、コネクタ100の端子500は、相手側コネクタ600の相手側コネクタ本体610の相手側電気コネクタ612の相手側端子700に接続されている。即ち、第1嵌合状態において、コネクタ装置10は、コネクタ100の端子500と相手側コネクタ600の相手側端子700との間で電気的に接触している。
【0114】
図17に示される第1嵌合状態から、押さえ部材440をロック部材200に対して第2回転方向に移動させると、押さえ部材440の張出部458は、ロック部材200の回転規制部280のガイド部290にガイドされ、ロック部材200の回転規制部280の上を移動する。同時に、押さえ部材440の傾斜面444は、ロック部材200の付加的弾性部420の傾斜面424に突き当たる。傾斜面424は、押え部材44の第2回転方向への移動をガイドし、支持部220のねじれを防止する。
【0115】
その後、押さえ部材440をロック部材200に対して第2回転方向に更に移動させると、コネクタ100と相手側コネクタ600とは、
図22から
図25までに示される第2嵌合状態(嵌合状態)となる。このとき、押さえ部材440は、第1位置に位置する。また、コネクタ100と相手側コネクタ600とが互いに嵌合した第2嵌合状態において、相手側コネクタ600は、コネクタ100よりも前後方向における前方に位置している。
【0116】
第2嵌合状態において、台状支持部292は、
図26に示されるように、軸AXの周方向Rにおいて、台状支持部収容部480の内側面484の近くに位置している。また、回転規制部280は、
図27に示されるように、軸AXの周方向Rにおいて、張出部458と規制部収容部450の第2内面454との間に位置している。回転規制部280の第2規制面284は、第2内面454と対向又は接触している。これにより、押さえ部材440が第1位置を越えて第2回転方向に移動することが規制される。一方、張出部458は、第1回転方向において、仮規制部288と接触しており、仮規制部
288は、押さえ部材440が第1回転方向に移動することを仮規制する。また、押さえ部材440の傾斜面444は、
図28に示されるように、付加的弾性部420の傾斜面424を乗り越えて、径方向において被押圧部423の外側に位置する。更に、押さえ部材440の押圧部446は、径方向において被押圧部423の外側に位置する。押圧部446は、被押圧部423に接触しており、被押圧部423を直交方向の内側へ押している。これにより、付加的弾性部420が、直交方向に内側に弾性変形した状態が維持される。付加的弾性部420は、押さえ部材440と支持部220との間に介在しており、支持部220に対して直交方向における内側に向かう力を加える。こうして、付加的弾性部420は、支持部220を押さえ付けて、ロック部250の相手側ロック部660に対する押し付けを維持する維持状態を構成する。このように、本実施の形態によれば、コネクタ100とは別体の維持手段を必要としない。
【0117】
この第2嵌合状態において、相手側コネクタ600の相手側コネクタ本体610の相手側シェル630の相手側突出部640の凹部650の夫々は、
図24から理解されるように、対応するコネクタ100の突出部240を少なくとも部分的に受容しており、隆起部645の相手側ロック部660の交差面662は、突出部240よりも後方に位置している。ここで、コネクタ100の突出部240は、相手側コネクタ600の凹部650と交差面252,662で接触しているが、コネクタ100の突出部240の内面242は、相手側コネクタ600の凹部650の底面652と直交方向において接触しておらず、コネクタ100の突出部240の前端は、相手側コネクタ600の凹部650の前面658と前後方向において接触していない。即ち、コネクタ100の突出部240は、相手側コネクタ600の凹部650と交差面252,662のみで接触している。加えて、コネクタ100の支持部220は、相手側コネクタ600の隆起部645の外面647と直交方向において接触していない。
【0118】
またこの第2嵌合状態において、コネクタ100の支持部220は、
図3に示される元の形状には復帰しておらず、弾性変形したままとなっており、また、コネクタ100の受部192と相手側コネクタ600の相手側コネクタ本体610の相手側シェル630の突当部632とは互いに接触している。
【0119】
より詳しくは、この第2嵌合状態において、相手側ロック部660は、ロック部250よりも直交方向における内側に位置しており、支持部220は、ロック部250を相手側ロック部660に対して押し付けている。またこの第2嵌合状態において、ロック部250は、支持部220の弾性により相手側ロック部660に対して交差面252,662において押し付けられており、相手側ロック部660に対して前後方向の後方に向かう力を加えている。加えてこの第2嵌合状態において、相手側コネクタ600の突当部632は、コネクタ100の受部192よりも前後方向における前方に位置している。ここで上述のように、相手側ロック部660と突当部632との前後方向における相対位置は固定されているため、相手側ロック部660に加えられた後方に向かう力は、突当部632まで伝達されるが、相手側コネクタ600の突当部632はコネクタ100の受部192よりも前後方向における前方に位置しているため、突当部632は受部192により受部192を越えて後方に移動できない。即ち、この第2嵌合状態において、相手側コネクタ600の突当部632は、相手側ロック部660に加えられた後方に向かう力によりコネクタ100の受部192に対して突き当てられ、受部192により受部192を越える後方への移動を規制されている。これにより、本実施の形態のコネクタ装置10は、第2嵌合状態においてコネクタ100又は相手側コネクタ600に前後方向の外力が加わっても、コネクタ100が相手側コネクタ600に対して前後方向に動かないように構成されている。
【0120】
特に、上述のように、本実施の形態のコネクタ装置10において、ロック部250は軸AXの周方向Rにおいて等間隔に配置されており、且つ、すべてのロック部250の交差面252は軸AXを中心とする同一円錐面の一部となっている。これにより、コネクタ100と相手側コネクタ600とを嵌合する際にロック部250の交差面252に作用する力の合力は、軸AXと直交する成分が打ち消されて、前後方向のみの成分となる。従って、この第2嵌合状態において、コネクタ100と相手側コネクタ600との軸ズレは生じない。
【0121】
この第2嵌合状態において、ロック部材200の前後動被規制部270とコネクタ本体150の前後動規制部160とは互いに接触している。より詳しくは、この第2嵌合状態において、コネクタ100のロック部250は、相手側コネクタ600の相手側ロック部660に対して後方に向かう力を加えると、前方に向かう力を相手側ロック部660からの反力として受け、ロック部250が受けた前方に向かう力により前後動被規制部270が前後動規制部160に押し付けられ、ロック部材200とコネクタ本体150との相対移動が規制される。
【0122】
特に、上述のように、すべてのロック部250の交差面252は、軸AXを中心とする同一円錐面の一部となっていることから、コネクタ100と相手側コネクタ600とを嵌合する際にロック部250の交差面252に作用する力の合力は、軸AXと直交する成分が打ち消されて、前後方向のみの成分となる。従って、この第2嵌合状態において、コネクタ100と相手側コネクタ600との軸ズレは生じない。
【0123】
この第2嵌合状態において、押さえ部材440の押圧部446は、
図28に示されるように、被押圧部423よりも直交方向における外側に位置しており、被押圧部423を押さえ付けて、支持部220がロック部250を相手側ロック部660に対して押し付けた状態を維持する。このように押さえ部材440及び付加的弾性部420は、維持機構400を構成する。またこの第2嵌合状態において、付加的弾性部420は、
図24に示されるように、直交方向における支持部220と押さえ部材440との間に位置しており、支持部220に対して直交方向の内側に向かう力を加える。
【0124】
より詳しくは、この第2嵌合状態において、押さえ部材440の押圧部446は、ロック部材200の付加的弾性部420の被押圧部423と接触しており、ロック部材200の付加的弾性部420を直交方向の外側から押圧している。
【0125】
この第2嵌合状態において、コネクタ100の端子500は、相手側コネクタ600の相手側コネクタ本体610の相手側電気コネクタ612の相手側端子700に接続されている。即ち、第2嵌合状態において、コネクタ装置10は、コネクタ100の端子500と相手側コネクタ600の相手側端子700との間で電気的に接触している。
【0126】
(嵌合解除操作)
本実施の形態のコネクタ装置10におけるコネクタ100と相手側コネクタ600との嵌合を解除する場合、上述したコネクタ100と相手側コネクタ600との嵌合操作と逆の操作を行えばよい。
【0127】
(第2の実施の形態)
図29を参照すると、本発明の第2の実施の形態によるコネクタ装置10Aは、相手側コネクタ600と、コネクタ100Aとを備えている。コネクタ装置10Aと第1の実施の形態に係るコネクタ装置10との相違は、コネクタ100Aが維持状態保持機構550を備えている点である。それ以外について、コネクタ装置10Aとコネクタ装置10とは共通しているので、その説明を省略する。
【0128】
図30及び
図31を参照すると、コネクタ装置10Aのロック部材200Aには、付加的支持部552と、補助弾性片554とが設けられている。但し、本発明はこれに限定されない。ロック部材200Aは、補助弾性片554を有していなくてもよい。
【0129】
図30及び
図31に示されるように、付加的支持部552及び補助弾性片554は、軸AXの周方向Rにおいて、隣り合う二つの支持部220の間に位置している。また、付加的支持部552及び補助弾性片554は、前後方向において、規制部280Aの後方に位置している。なお、規制部280Aは、他の規制部280よりも、軸AXの周方向Rにおいてそのサイズが小さい。
【0130】
図30及び
図31から理解されるように、付加的支持部552は、第2回転方向へ延びる片持ち梁状の弾性片である。また、補助弾性片554は、第1回転方向へ延びる片持ち梁状の弾性片である。付加的支持部552及び補助弾性片554は、夫々弾性を有し、それらの先端部は少なくとも直交方向に移動可能である。付加的支持部552の先端部と補助弾性片554の先端部とは、直交方向に沿って見たとき互いに重なっている。詳しくは、直交方向において、付加的支持部552の先端部は補助弾性片554の先端部の外側にわずかに離れて位置している。換言すると、補助弾性片554は、付加的支持部552の直交方向における内側に少なくとも部分的に位置している。但し、本発明はこれに限定されない。付加的支持部552は、両持ち梁状に形成されてもよい。その場合、補助弾性片554は不要である。しかしながら、付加的支持部552の操作性、変位量及び耐久性を考慮すると、片持ち梁状の付加的支持部552と、補助弾性片554との組み合わせが好ましい。
【0131】
図30及び
図31に示されるように、付加的支持部552の先端部には、被操作部556が設けられている。本実施の形態において、被操作部556は、付加的支持部552の先端部の表面であって、直交方向と直交する部分を含む平面である。被操作部556は、直交方向において外側に向いている。被操作部556が直交方向の内側へ押されると、付加的支持部552は弾性変形する。そして、付加的支持部552の先端部は、直交方向における内側へ移動する。付加的支持部552の先端部の変位が大きくなると、付加的支持部552の先端部は、補助弾性片554の先端部に突き当たる。これにより、付加的支持部552の過度の弾性変形が防止される。
【0132】
図30及び
図31から理解されるように、付加的支持部552は、軸AXの周方向Rにおいて第2回転方向に向いた先端面558を有している。先端面558は、後述するように第3規制部558として機能する。即ち、ロック部材200Aには、第3規制部558が設けられている。第3規制部558は、付加的支持部552によって、少なくとも直交方向において移動可能に支持されている。但し、本発明はこれに限られない。第3規制部558は、付加的支持部552に設けられた突起部であってもよい。
【0133】
図30及び
図31に示されるように、ロック部材200Aには、脚収容部560,562が設けられている。脚収容部560,562は、前後方向において付加的支持部552と隣接している。付加的支持部552は、前後方向において脚収容部560,562の間に位置している。脚収容部560,562は、操作部材580(
図29参照)の二つの脚部584,586(
図37参照)をそれぞれ収容すると共に、軸AXの周方向Rにおける脚部584,586の移動を許容する。本実施の形態において、脚収容部560,562は、前後方向において互いに連通している。詳しくは、脚収容部560,562は、付加的支持部552及び補助弾性片554の直交方向の内側に位置する空間と連通している。但し、脚収容部560,562が互いに連通していなくてもよい。しかしながら、脚収容部560,562が互いに連通していることから、成型によるロック部材200Aの製造を容易に行うことができる。
【0134】
図32から
図34までを参照すると、押さえ部材440Aには、開口部570が設けられている。開口部570は、直交方向に沿って見たとき、矩形の形状を有している。開口部570は、ロック部材200Aの付加的支持部552(
図30及び
図31参照)に対応する位置に設けられている。詳しくは、開口部570は、前後方向において、押さえ部材440Aの後端部に設けられている。開口部570には、操作部材580(
図29参照)が取り付けられる。即ち、コネクタ100Aは、操作部材580を備えている。
【0135】
図34に示されるように、押さえ部材440Aには、付加的支持部収容部572と補助弾性片収容部574とが設けられている。付加的支持部収容部572は、軸AXの周方向Rにおいて、開口部570に隣接している。また、補助弾性片収容部574は、軸AXの周方向Rにおいて、付加的支持部収容部572に隣接している。付加的支持部収容部572は、軸AXの周方向Rにおいて、開口部570と付加的支持部収容部572との間に位置している。
【0136】
図34に示されるように、開口部570を構成する縁部の一つは、肉厚に形成されている。詳しくは、開口部570の縁部のうち、第1回転方向に向いた縁部576は肉厚に形成されている。縁部576は、開口部570と付加的支持部収容部572との間に位置している。縁部576は、後述するように第3被規制部576として機能する。即ち、押さえ部材440Aには、第3被規制部576が設けられている。
【0137】
図37に示されるように、操作部材580は、操作部582と、二つの脚部584,586を有している。脚部584,586は、前後方向において互い離れて位置している。また、脚部584,586は、前後方向において外側へ突出するフック部588,590を夫々備えている。操作部材580は、直交方向に移動可能となるように押さえ部材440Aの開口部570(
図32参照)に取り付けられる。脚部584,586は、操作部材580が開口部570に取り付けられた状態において直交方向に移動可能となる長さを有している。また、フック部588,590は、操作部材580が開口部570から脱落することを防止する。
【0138】
図35から
図37に示されるように、操作部材580は、前後方向において付加的支持部552を跨ぐように配置される。換言すると、付加的支持部552は、前後方向において、脚部584,586の間に位置している。操作部材580は、少なくとも部分的に、直交方向において付加的支持部552の外側に位置している。押さえ部材440A(
図29参照)を軸AXの周方向Rに移動させると、操作部材580の操作部582は、付加的支持部552の直交方向における外側を移動する。また、操作部材580の脚部584,586は、脚収容部560,562内を移動する。脚収容部560,562は、脚部584,586の移動を許容することで、押さえ部材440Aが第1位置と第2位置との間で移動することを許容する。
【0139】
図38に示されるように、押さえ部材440Aが第2位置にあるとき、付加的支持部552の先端部は、付加的支持部収容部572内に部分的に収容されている。また、補助弾性片554は、補助弾性片収容部574に部分的に収容されている。このとき、操作部材580は、付加的支持部552の後端部付近に位置している。換言すると、操作部材580は、軸AXの周方向Rにおいて、
被操作部556から離れている。
【0140】
図39に示されるように、押さえ部材440Aが第1位置にあるとき、付加的支持部552の先端部は、付加的支持部収容部572の外に位置し、開口部570(
図32から
図34参照)内に部分的に進入している。このとき、付加的支持部552の先端面558は、軸AXの周方向Rにおいて、開口部570の縁部576と対向又は接触している。換言すると、押さえ部材440Aが第1位置にあるとき、第3被規制部576は、第1回転方向において第3規制部558と接触又は対向している。これにより、押さえ部材440Aは、第1位置から第2位置に向かって第1回転方向に移動することが規制される。このように、付加的支持部552の先端面558は、押さえ部材440Aの第1回転方向への移動を規制する第3規制部558として機能する。開口部570の縁部576は、第3被規制部576として機能する。このように、付加的支持部552及び開口部570は、押さえ部材440Aが第1位置に位置する状態を保持する維持状態保持機構550として機能する。
【0141】
図39に示されるように、押さえ部材440Aが第1位置にあるとき、操作部材580の操作部582は、直交方向において、付加的支持部552の被操作部556の外側に位置している。このとき、付加的支持部552は、操作部材580の操作部582に接触している。詳しくは、付加的支持部552は、その復元力により、操作部材580を直交方向において外側へ押している。
【0142】
図39から理解されるように、操作部材580の操作部582は、直交方向の内側へ向かう力を受けると、直交方向において内側へ移動する。これにより、付加的支持部552の被操作部556は、操作部582から直交方向の内側へ向かう力を受ける。換言すると、操作部582は、直交方向の内側へ向かう力を受けると、被操作部556を直交方向において内側へ押す。被操作部556が直交方向の内側へ向かう力を受けると、付加的支持部552は、弾性変形する。これにより、付加的支持部552の先端面558が、直交方向において、開口部570の縁部576よりも内側に位置すると、押さえ部材440Aは、第1回転方向への移動が可能になる。こうして、第3規制部558と第3被規制部576によりなされていた押さえ部材440Aの第1回転方向への移動の規制が解除される。
【0143】
以上、本発明について、実施の形態を掲げて具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるわけではなく、種々の変形が可能である。
【0144】
第1の形態のコネクタ装置10は、コネクタ100の端子500と相手側コネクタ600の相手側端子700との間で電気的接触を有していたが、電気的接触を有さない光コネクタ装置にも本発明は適用可能である。即ち、光コネクタ装置においても、光コネクタと相手側光コネクタとの嵌合時に隙間があると、光コネクタが相手側光コネクタに対して前後方向に相対移動する可能性があり、これにより削れカスなどのゴミが生じて光コネクタ装置の接続特性が劣化する可能性があるが、本発明を光コネクタ装置に適用することにより、このような問題を回避することができる。
【0145】
第1の実施の形態のコネクタ装置10は、コネクタ100と相手側コネクタ600との嵌合状態を保持するためのカップリングナットを備えていなかったが、本発明はこれに限定されず、コネクタ装置10は、コネクタ100と相手側コネクタ600との嵌合状態を保持するためのカップリングナットを備えていてもよい。
【0146】
第1の実施の形態のコネクタ装置10の維持機構400は、付加的弾性部420を備えていたが、本発明はこれ限定されない。即ち、維持機構400は、付加的弾性部420を備える代わりに、押さえ部材440の内面に直交方向内側に盛り上がった部分を設けて、この押さえ部材440の盛り上がった部分によりロック部材200のロック部250の直交方向外側への移動を押さえ込むように構成してもよい。ここで、押さえ部材440の内面に設けられる直交方向内側に盛り上がった部分については、押さえ部材440の内面にリング状のゴム等の弾性体を貼り付けて、この弾性体を付加的弾性部420と同様に機能させるように構成してもよい。また、コネクタ装置10が上述のカップリングナットを備えている場合、維持機構400を備える代わりに、このカップリングナットの内面に直交方向内側に盛り上がった部分を設けて、このカップリングナットの盛り上がった部分によりロック部材200のロック部250の直交方向外側への移動を押さえ込むように構成してもよい。
【0147】
第1の実施の形態のコネクタ装置10においては、第1嵌合状態及び第2嵌合状態の夫々において、相手側ロック部660は、ロック部250よりも直交方向における内側に位置しており、維持機構400は、支持部220よりも直交方向における外側に位置していたが、本発明はこれに限定されない。即ち、第1嵌合状態及び第2嵌合状態の夫々において、相手側ロック部660がロック部250よりも直交方向における外側に位置しており、維持機構400が支持部220よりも直交方向における内側に位置していてもよい。
【0148】
第1の実施の形態のコネクタ装置10においては、交差面252,662は、ロック部250及び相手側ロック部660の双方に設けられていたが、本発明はこれに限定されず、ロック部250及び相手側ロック部660の少なくとも一方が、前後方向及び直交方向の双方と交差する交差面252,662を有していればよい。しかしながら、本実施の形態のように、ロック部250及び相手側ロック部660の双方が交差面252,662を有している場合、交差面252,662に製造バラつきや摩耗があったとしても、交差面252,662の一方の面に対して残りの面が点又は線で接触し、ロック部250と相手側ロック部660との間で確実に力が伝達されるため、より好ましい。
【0149】
第1の実施の形態のコネクタ装置10において、ロック部材200及び押さえ部材440の夫々は、軸AXに関して回転対称に形成されている。しかしながら、ロック部材200及び押さえ部材440は、回転非対称に形成されてもよい。例えば、四つの台状支持部292のうち一つのサイズを残りの台状支持部292のサイズと異ならせることで、特定方向においてのみ押さえ部材440をロック部材200に取り付けられようにすることができる。これにより、誤組み立てを防止することができる。
【解決手段】コネクタ100は、ロック部材200、受部192、付加的弾性部420及び押さえ部材440を備える。ロック部材200は、支持部220とロック部250を有する。相手側コネクタ600は、相手側ロック部660と突当部632を備える。嵌合状態において、ロック部250は、支持部220の弾性により相手側ロック部660に後方への力を加える。突当部632は、受部192よりも前方に位置し、受部192に突き当てられ、受部192により後方への移動を規制される。押さえ部材440が第1位置にあるとき、付加的弾性部420は支持部220と押さえ部材440との間に介在し、支持部220を押さえ付け、ロック部250の相手側ロック部660に対する押し付けを維持する。