特許第6619613号(P6619613)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6619613
(24)【登録日】2019年11月22日
(45)【発行日】2019年12月11日
(54)【発明の名称】着色紙の製造方法
(51)【国際特許分類】
   D21H 17/67 20060101AFI20191202BHJP
   D21H 17/01 20060101ALI20191202BHJP
   D21H 21/28 20060101ALI20191202BHJP
   D21H 27/00 20060101ALI20191202BHJP
【FI】
   D21H17/67
   D21H17/01
   D21H21/28 A
   D21H27/00 E
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-207550(P2015-207550)
(22)【出願日】2015年10月21日
(65)【公開番号】特開2017-78241(P2017-78241A)
(43)【公開日】2017年4月27日
【審査請求日】2018年10月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100158540
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 博生
(74)【代理人】
【識別番号】100106264
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 耕治
(74)【代理人】
【識別番号】100176876
【弁理士】
【氏名又は名称】各務 幸樹
(74)【代理人】
【識別番号】100187768
【弁理士】
【氏名又は名称】藤中 賢一
(72)【発明者】
【氏名】川林 淳史
【審査官】 長谷川 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−070320(JP,A)
【文献】 特開2011−021283(JP,A)
【文献】 特開2009−030186(JP,A)
【文献】 特開2013−049935(JP,A)
【文献】 特開平02−006680(JP,A)
【文献】 特開平11−222796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D21B1/00−1/38
D21C1/00−11/14
D21D1/00−99/00
D21F1/00−13/12
D21G1/00−9/00
D21H11/00−27/42
D21J1/00−7/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貝殻の焼成物の粉末である胡粉を含有し、紙面pHが8以上である着色紙を製造する方法であって、
パルプスラリーにアニオン性染料、アルミニウム化合物、定着剤及び上記胡粉をこの順に添加する工程
を備える着色紙の製造方法。
【請求項2】
上記アルミニウム化合物が、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム又はこれらの組み合わせである請求項1に記載の着色紙の製造方法。
【請求項3】
上記胡粉に対する上記定着剤の添加量が、3質量%以上20質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の着色紙の製造方法。
【請求項4】
上記胡粉が添加されたパルプスラリーに、紙力増強剤及びアルミニウム化合物を添加する工程
をさらに備える請求項1、請求項2又は請求項3に記載の着色紙の製造方法。
【請求項5】
上記胡粉が添加されたパルプスラリーを用いて、表層を抄造する工程
をさらに備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の着色紙の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色紙の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、大量に発生するホタテ等の貝殻の再利用方法の一つとしてこの貝殻の焼成物を抗菌剤等として用いることが検討されている。貝殻の主成分は炭酸カルシウムであり、これを焼成することでアルカリ性である酸化カルシウムとなるため、これにより抗菌作用や殺菌作用等を発揮するとされている。
【0003】
この貝殻の焼成物を用いた製品の一つとして、上記貝殻の焼成物の粉末である胡粉を含有する抗菌紙が開発されている(特開平11−222796号公報及び特開2014−70320号公報参照)。この抗菌紙においては、胡粉を内添するか、この胡粉を含む塗液を原紙に塗布する又は含浸させることにより、原紙中又は原紙表面に胡粉を存在させている。このような抗菌性紙は、用途に応じて染料により着色がなされ、例えば靴の中敷き、食品等の包装材、壁紙等に用いられる。
【0004】
しかし、このような胡粉を用いた抗菌性紙は、その高いアルカリ性のため、施した色調が経時変化するという不都合を有する。このように色調が変化する着色紙は、消費者の目に届くところで使用される靴の中敷きや、包装材、壁紙等としては好ましくは無い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−222796号公報
【特許文献2】特開2014−70320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、胡粉を含有し、紙面pHが8以上である着色紙でありながら、色調の経時変化が低減された着色紙を得ることができる製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた発明は、貝殻の焼成物の粉末である胡粉を含有し、紙面pHが8以上である着色紙を製造する方法であって、パルプスラリーにアニオン性染料、アルミニウム化合物、定着剤及び上記胡粉をこの順に添加する工程を備える着色紙の製造方法である。
【0008】
発明者らは、胡粉を含有する着色紙の色調の経時変化の原因は、高アルカリ状態で染料を用いることで、染料の分子構造が変化した状態で定着し、使用に伴い紙のpHが高アルカリ状態から徐々に低下するにつれて染料の分子構造が元の状態に戻っていくことによることを知見した。そこで、当該製造方法は、比較的アルカリ領域で安定なアニオン性染料を用いることにより、染料の分子構造の変化を抑制し、得られる着色紙の色調の経時変化を低減することができる。これに加え、当該製造方法によれば、最初にアニオン性染料を添加した後に、アルミニウム化合物及び定着剤を添加することにより、分子構造を変化させることなくアニオン性染料を定着させることができると共に、アニオン性染料をこのアルミニウム化合物及び定着剤で被覆した状態とすることができる。そのため、アニオン性染料は、胡粉の添加によるpHの変化の影響を受けにくく、安定してその分子構造の状態を維持することができる。従って、当該製造方法により得られた着色紙は、染料の分子構造が通常の状態で維持されたまま定着され、かつpHの影響を受けにくいため、色調の経時変化が低減される。なお、添加するアルミニウム化合物は、胡粉を凝集させ、また、定着剤は胡粉の定着も促進させることから、得られる着色紙は、胡粉の定着性も良好であり、高いアルカリ性を示して良好な抗菌性を発揮することができる。
【0009】
上記アルミニウム化合物が、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム及びこれらの組み合わせであることが好ましい。これらのアルミニウム化合物は、アニオン性染料を良好に定着させることができ、得られる着色紙の色調の経時変化をより低減することなどができる。
【0010】
上記胡粉に対する上記定着剤の添加量としては、3質量%以上20質量%以下が好ましい。胡粉に対する定着剤の添加量を上記範囲とすることにより、原料パルプへの胡粉の定着を向上させる効果を有し、得られる着色紙の色調の経時変化をより低減することなどができる。定着剤の添加量が上記範囲を下回る場合は定着効果が発現し難く、上回る場合は定着効果が頭打ちになり費用対効果が低くなる。
【0011】
当該着色紙の製造方法は、上記胡粉が添加されたパルプスラリーに、紙力増強剤及びアルミニウム化合物を添加する工程をさらに備えることが好ましい。胡粉が添加されたパルプスラリーに、これらの添加剤を添加することにより、胡粉の適度な凝集を招き歩留り向上や、原料パルプへの胡粉の定着性等を高め、得られる着色紙がより良好な抗菌性を発揮することなどができる。
【0012】
当該着色紙の製造方法は、上記胡粉が添加されたパルプスラリーを用いて、表層を抄造する工程をさらに備えることが好ましい。このように胡粉が添加されたパルプスラリーを用いて表層を抄造することにより、得られる着色紙の表面がより十分な抗菌性を有し、かつその色調も十分に維持することができる。
【0013】
ここで、「紙面pH」とは、JAPAN TAPPI No.6−75に準拠して測定した値をいう。
【発明の効果】
【0014】
本発明の着色紙の製造方法によれば、胡粉を含有し、紙面pHが8以上である着色紙でありながら、色調の経時変化が低減された着色紙を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、適宜図面を参照にしつつ、本発明の一実施形態に係る着色紙の製造方法について詳説する。
【0016】
当該着色紙の製造方法は、貝殻の焼成物の粉末である胡粉を含有し、紙面pHが8以上である着色紙を製造する方法であって、
パルプスラリーにアニオン性染料、アルミニウム化合物、定着剤及び上記胡粉をこの順に添加する工程(A)
を備える。
【0017】
当該製造方法は、好ましくは、
上記胡粉が添加されたパルプスラリーに、紙力増強剤及びアルミニウム化合物を添加する工程(B)、及び
上記胡粉が添加されたパルプスラリーを用いて、表層を抄造する工程(C)
をさらにこの順に備える。当該製造方法においては、好ましくは上記アニオン性染料や胡粉が添加されたパルプスラリーの抄造により形成される表層を有する多層の着色板紙を得ることができる。以下、各工程について詳説する。
【0018】
(工程(A))
工程(A)では、パルプスラリーにアニオン性染料、アルミニウム化合物(1)、定着剤及び上記胡粉をこの順に添加する。工程(A)においては、先ず染料を添加して定着させた後に、胡粉を添加する。染料としては、比較的アルカリ領域で安定なアニオン性染料を用いるため、アルカリ領域における染料の分子構造の変化を抑制し、得られる着色紙の色調の経時変化を低減することができる。これに加え、最初にアニオン性染料を添加した後に、アルミニウム化合物(1)及び定着剤を添加することにより、分子構造を変化させることなくアニオン性染料を定着させることができると共に、アニオン性染料をこのアルミニウム化合物及び定着剤で被覆した状態とすることができる。そのため、アニオン性染料は、胡粉の添加によるpHの変化の影響を受けにくく、安定してその分子構造の状態を維持することができる。従って、当該製造方法により得られた着色紙は、分子構造が通常の状態で維持されたまま定着され、かつpHの影響を受けにくいため、色調の経時変化が低減される。なお、添加するアルミニウム化合物(1)は、胡粉を凝集させ、また、定着剤は胡粉の定着も促進させることから、得られる着色紙は、胡粉の定着性も良好であり、高いアルカリ性を示して良好な抗菌性を発揮することができる。
【0019】
この工程(A)における各添加剤の添加は、バッチ処理により行われることが好ましい。すなわち、例えば着色タンクに貯留されたパルプスラリー中に、上記各添加剤を順に添加していくことが好ましい。このようにバッチ処理することにより、アニオン性染料や、胡粉の定着性を高めることなどができる。また、所望する色調への調整等を効率的に行うことができる。
【0020】
(パルプ)
パルプスラリーに含まれるパルプとしては特に限定されず、例えば古紙パルプ(DIP)、化学パルプ(例えば広葉樹クラフトパルプ:LBKP、針葉樹クラフトパルプ:NBKPなど)、機械パルプ(例えばサーモメカニカルパルプ:TMP、プレッシャライズトドクラフトパルプ:PGW、リファイナーグランドパルプ:RGP、グランドパルプ等)やケナフ、バガス、麻、コットンなどの非木材パルプなどから得られるパルプを挙げることができる。これらの中でも、LBKPが好ましい。LBKPを用いることで表面強度を高めることができる。また、古紙パルプ由来のパルプも好ましい。古紙パルプ由来の繊維は、繰り返しの使用により径が小さくなっており、複雑な形状の胡粉の凝集物と良好に絡み合うことができるため、胡粉の定着性を高めることができる。
【0021】
パルプスラリーにおけるパルプの濃度(含有量)としては特に限定されないが、3質量%以上が好ましい。パルプ濃度を3質量%以上とすることにより、アニオン性染料や胡粉の定着性を高めることなどができる。なお、このパルプ濃度の上限としては、例えば6質量%とすることができる。
【0022】
(アニオン性染料)
上記アニオン性染料は、カルボキシ基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、リン酸基等のアニオン性基を有する染料であり、これらの金属塩の形態で存在していてもよい。上記アニオン性染料としては、例えばアントラキノン系アニオン性染料、モノアゾ系アニオン性染料、ジスアゾ系アニオン性染料、オキサジン系アニオン性染料、アミノケトン系アニオン性染料、キサンテン系アニオン性染料、キノリン系アニオン性染料、トリフェニルメタン系アニオン性染料等を挙げることができる。アニオン性染料としては、アニオン性直接染料であることが好ましい。
【0023】
具体的なアニオン性染料としては、例えばC.I.ダイレクトブラック17、19、22、32、38、51、62、71、108、146、154;C.I.ダイレクトイエロー12、24、26、44、86、87、98、100、130、142、C.I.ダイレクトレッド1、4、13、17、23、28、31、62、79、81、83、89、227、240、242、243;C.I.ダイレクトブルー6、22、25、71、78、86、90、106、199;C.I.ダイレクトオレンジ34、39、44、46、60;C.I.ダイレクトバイオレット47、48;C.I.ダイレクトブラウン109;C.I.ダイレクトグリーン59;C.I.アシッドブラック2、7、24、26、31、52、63、112、118、168、172、208;C.I.アシッドイエロー11、17、23、25、29、42、49、61、71;C.I.アシッドレッド1、6、8、32、37、51、52、80、85、87、92、94、115、180、254、256、289、315、317;C.I.アシッドブルー9、22、40、59、93、102、104、113、117、120、167、229、234、254;C.I.アシッドオレンジ7、19;C.I.アシッドバイオレット49;C.I.リアクティブブラック1、5、8、13、14、23、31、34、39;C.I.リアクティブイエロー2、3、13、15、17、18、23、24、37、42、57、58、64、75、76、77、79、81、84、85、87、88、91、92、93、95、102、111、115、116、130、131、132、133、135、137、139、140、142、143、144、145、146、147、148、151、162、163;C.I.リアクティブレッド3、13、16、21、22、23、24、29、31、33、35、45、49、55、63、85、106、109、111、112、113、114、118、126、128、130、131、141、151、170、171、174、176、177、183、184、186、187、188、190、193、194、195、196、200、201、202、204、206、218、221;C.I.リアクティブブルー2、3、5、8、10、13、14、15、18、19、21、25、27、28、38、39、40、41、49、52、63、71、72、74、75、77、78、79、89、100、101、104、105、119、122、147、158、160、162、166、169、170、171、172、173、174、176、179、184、190、191、194、195、198、204、211、216、217;C.I.リアクティブオレンジ5、7、11、12、13、15、16、35、45、46、56、62、70、72、74、82、84、87、91、92、93、95、97、99;C.I.リアクティブバイオレット1、4、5、6、22、24、33、36、38;C.I.リアクティブグリーン5、8、12、15、19、23;C.I.リアクティブブラウン2、7、8、9、11、16、17、18、21、24、26、31、32、33;C.I.フードブラック1、2;C.I.フードイエロー3;C.I.フードレッド87、92、94等を挙げることができる。アニオン性染料は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0024】
上記アニオン性染料の添加量は、染料のアニオン性度合や求め得る色調に応じて適宜調整が必要であり、特に限定されないが、例えばパルプ(絶乾質量、以下同様)に対して0.05質量%以上10質量%以下とすることができる。アニオン性染料の添加量が少ない場合は、十分な着色が生じないおそれがある。逆に、添加量が過剰に多い場合は、十分に定着されない染料が増加し、色調の経時変化が生じやすくなるおそれがある。
【0025】
(アルミニウム化合物(1))
上記アルミニウム化合物(1)の添加により、上記アニオン性染料の定着を促進させることができる。また、このアルミニウム化合物(1)は、後から添加する胡粉の凝集剤としても機能する。上記アルミニウム化合物(1)としては、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、ポリ酢酸アルミニウム等を挙げることができる。これらのアルミニウム化合物(1)は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0026】
上記アルミニウム化合物(1)の中でも、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム及びこれらの組み合わせが好ましい。これらは、アニオン性染料を良好に定着させることができ、得られる着色紙の色調の経時変化を効果的に低減することなどができる。
【0027】
胡粉の添加前に添加するアルミニウム化合物(1)の添加量としては特に限定されないが、パルプに対する添加量の下限としては、1質量%が好ましく、1.5質量%がより好ましい。一方、この上限としては、3質量%が好ましく、2.5質量%がより好ましい。アルミニウム化合物(1)の添加量が上記下限未満の場合は、アニオン性染料が十分に定着しないおそれがあり、また胡粉の添加により、アニオン性染料の分子構造が変化するおそれがある。逆に、アルミニウム化合物(1)の添加量が上記上限を超える場合は、経済性等が低下する。
【0028】
(定着剤)
上記定着剤は、上記アニオン性染料等の定着を促進させることができる。上記定着剤としては、1)ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミン等のポリアルキレンポリアミン類又はその誘導体、2)第2級又は第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル重合体、3)ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン又は5員環アミジン類、4)ジシアンジアミド−ホルマリン共重合体等のジシアン系カチオン樹脂、5)ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合物等のポリアミン系カチオン樹脂、6)ジメチルアミン−エピクロルヒドリン共重合物、7)ジアリルジメチルアンモニウム−SO共重合物、8)ジアリルアミン塩−SO共重合物、9)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、10)アリルアミン塩の重合物、11)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合物、12)アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合物、13)多価フェノール−ホルマリン重縮合物誘導体、14)カルボン酸アミド縮合物4級アンモニウム化合物等を挙げることができる。定着剤は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0029】
上記定着剤としては、アニオン性染料の特に良好な定着性を発揮させることができることなどから、カルボン酸アミド縮合物4級アンモニウム化合物が好ましい。
【0030】
上記定着剤の添加量としては特に限定されないが、胡粉に対する添加量の下限としては、3質量%が好ましく、5質量%がより好ましい。一方、この上限としては、20質量%が好ましく、15質量%がより好ましい。胡粉の添加量に対する定着剤の添加量を上記範囲とすることにより、得られる着色紙の色調の経時変化をより低減することなどができる。定着剤の添加量が上記下限未満の場合は、胡粉がパルプ繊維に十分に定着しないおそれがある。逆に、定着剤の添加量が上記上限を超える場合は、経済性等が低下する。
【0031】
(胡粉)
上記胡粉とは、貝殻の焼成物の粉末である。貝殻の焼成物は、酸化カルシウムやその水和物である水酸化カルシウムを含む。この酸化カルシウム及び水酸化カルシウムは、アルカリ性を有し、抗菌性、殺菌性、消臭性等の性質を有する。
【0032】
上記貝殻としては、特に限定されず、牡蠣、ホタテ、サザエ、アサリ、蛤、アワビ、ムール貝等の貝殻を用いることができるが、これらの中でもホタテの貝殻が好ましい。ホタテの貝殻は、特に白癬菌(水虫菌)に対する抗菌性や殺菌性に優れる。従って、ホタテの貝殻を用いることで、当該製造方法により得られる着色紙は靴の中敷き等に好適に用いることができる。
【0033】
上記貝殻の焼成の際の焼成温度の下限としては、例えば500℃、好ましくは700℃、より好ましくは800℃とすることができる。また、この上限としては、好ましくは1500℃、より好ましくは1200℃とすることができる。この焼成は空気中で行ってもよいし、窒素等の不活性ガス雰囲気中で行ってもよい。この焼成時間としては特に限定されないが、例えば10分以上であり、15分以上60分以下とすることができる。このような焼成を行うことで、貝殻の主成分である炭酸カルシウムが分解し、酸化カルシウムとなる。また、貝殻に含まれる有機成分の大部分は熱分解により除去される。なお、酸化カルシウムは水と接触することで水和し、水酸化カルシウムとなる。貝殻の焼成物としては、この水酸化カルシウムでもよく、酸化カルシウムと水酸化カルシウムとの混合物であってもよい。この貝殻の焼成物は、焼成後、粉砕することにより粉末の胡粉となる。上記胡粉の平均粒径としては、例えば5μm以上100μm以下程度である。なお、平均粒径とは、JIS−Z−8815(2013年)に準拠しレーザ回折・散乱法により測定した粒径分布に基づき、JIS−Z−8819−2(2001年)に準拠し計算される体積基準積算分布が50%となる値を指す。
【0034】
上記胡粉の添加量としては特に限定されないが、パルプに対する添加量の下限としては、5質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。一方、この上限としては、30質量%が好ましく、20質量%がより好ましい。このような添加量とすることで、十分な抗菌性を有する着色紙を抄造することができる。添加量が上記下限未満の場合は、抗菌性が低下するおそれがある。逆に、添加量が上記上限を超えると、歩留まりが下がり、不経済となる。
【0035】
(アルミニウム化合物(2))
工程(A)において、胡粉を添加した後、アルミニウム化合物(2)をさらに添加することが好ましい。このアルミニウム化合物(2)の添加により、胡粉を凝集させ、胡粉の定着性を高めることができる。このアルミニウム化合物(2)としては、アルミニウム化合物(1)として上述したものと同じものを例示することができるが、硫酸アルミニウムが好ましい。硫酸アルミニウムを用いると、胡粉に含まれるカルシウムと反応することにより硫酸カルシウムが析出し、これがバインダーとなって強固な凝集粒子を形成することができる。このような凝集粒子は、定着性に優れ、良好な抗菌性等を発揮することができる。なお、胡粉は、胡粉の添加より前に添加されたアルミニウム化合物(1)とも反応して凝集体を形成する。
【0036】
この工程(A)において、胡粉の添加後に添加するアルミニウム化合物(2)の添加量としては特に限定されないが、例えばパルプに対する添加量の下限としては、1質量%が好ましく、1.5質量%がより好ましい。一方、この上限としては、3質量%が好ましく、2.5質量%がより好ましい。アルミニウム化合物(2)の添加量を上記範囲とすることにより、良好な胡粉の凝集体を形成することなどができ、得られる着色紙の抗菌性をより良好なものとすることができる。添加量が上記下限未満の場合は、胡粉の十分な凝集が生じないおそれがある。逆に、添加量が上記上限を超える場合は、アルカリ性が弱くなり、得られる着色紙の抗菌性が低下するおそれがある。
【0037】
(工程(B))
工程(B)では、工程(A)を経たパルプスラリーに対し、必要に応じ、紙力増強剤及びアルミニウム化合物(3)を添加する。胡粉が添加されたパルプスラリーに、これらの添加剤を添加することにより、胡粉の定着性等を高め、得られる着色紙がより良好な抗菌性を発揮することなどができる。工程(B)においては、さらにサイズ剤を添加してもよい。この紙力増強剤、アルミニウム化合物(3)及びサイズ剤の添加は、同時に行うことも別々に行うこともできるが、この順に行うことが好ましい。例えば、パルプスラリーが着色タンクから種箱及びスクリーン等を経て抄紙機へ供される抄紙設備において、紙力増強剤及びアルミニウム化合物(3)は、種箱の前のパルプスラリーに添加し、サイズ剤は種箱とスクリーンとの間のパルプスラリーに添加することができる。
【0038】
なお、この工程(B)の各成分は、添加しなくともよい。本発明に係る胡粉を含有する着色紙においては、胡粉に起因する高アルカリ環境のため、上記紙力増強剤やサイズ剤の効果が発現され難い。そのため、地合や紙層の均一性を確保することなどを考慮すると、紙力増強剤及びサイズ剤は、無添加又は最小限の使用に留めることも好ましい。
【0039】
(紙力増強剤)
上記紙力増強剤は必要に応じ適宜使用され、その種類としては特に限定されないが、乾燥紙力増強剤や湿潤紙力増強剤があり、乾燥紙力増強剤としては、例えばカチオン澱粉、両性澱粉、ポリアクリルアマイド(PAM)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等が挙げられる。また、湿潤紙力増強剤としては、例えばポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂、尿素樹脂、酸コロイド・メラミン樹脂、熱架橋性付与PAM等が挙げられる。これらの中でも、PAMが好ましく、両イオン性ポリアクリルアマイドがより好ましい。
【0040】
上記紙力増強剤の添加量としては特に限定されないが、例えばパルプに対する添加量の下限としては、1質量%が好ましく、1.5質量%がより好ましい。一方、この上限としては、4質量%が好ましく、3.5質量%がより好ましい。添加量が上記下限未満の場合は、得られる着色紙の繊維間結合が弱く十分な紙力を得られず、罫割れが発生しやすくなるおそれがある。逆に、添加量が上記上限を超える場合は、繊維間結合強度が強すぎ、着色紙が硬化することにより罫割れが発生しやすくなる、添加量に応じた効果が得られずコスト高となったりするおそれがある。
【0041】
(アルミニウム化合物(3))
工程(B)におけるアルミニウム化合物(3)の添加は、主にパルプスラリーのpHの調整を目的とする。このアルミニウム化合物(3)としては、アルミニウム化合物(1)として上述したものと同じものを例示することができるが、硫酸アルミニウムが好ましい。この工程(B)におけるアルミニウム化合物(3)の添加量は、パルプスラリーのpHなどによって適宜調整される。パルプに対するアルミニウム化合物(3)の添加量の下限としては、2質量%が好ましく、2.5質量%がより好ましい。一方、この上限としては、4.5質量%が好ましく、4質量%がより好ましい。
【0042】
(サイズ剤)
上記サイズ剤としては、内添サイズ剤として例えばロジンサイズ、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水コハク酸(ASA)等の公知の内添サイズ剤を用いることができる。なお、これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。上記サイズ剤の添加量としては特に限定されず、例えばパルプに対して3質量以下とすることができる。サイズ剤の添加量が上記上限を超える場合は、サイズ性が高まりすぎて乾燥しやすくなり、その結果、罫割れが発生しやすくなるおそれがある。
【0043】
なお、工程(A)及び工程(B)において、パルプスラリーには上述したもの以外の添加剤を添加することができる。このような添加剤としては、例えば滑剤、填料分散剤、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、アニオン性染料以外の染料、紫外線吸収材、酸化防止剤、防バイ剤、耐水化剤、蛍光消去剤、防腐剤等を挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。また、工程(B)において、アニオン性染料をさらに添加してもよい。工程(B)において、アニオン性染料を添加することで、色調の微調整を行うことができる。
【0044】
(工程(C))
工程(C)においては、上記工程(A)及び工程(B)を経たパルプスラリーを用いて、表層を抄造する。通常、表層以外の他の層との抄き合わせ、すなわち多層抄きによって着色紙が抄造される。なお、表層以外の他の層を得るためのパルプスラリーは、特に限定されず、公知の板紙と同様のものとすることができる。
【0045】
抄造後は、例えば加圧ロールを用いたプレスにより水分を除去し、ドライヤーシリンダーにて乾燥し、必要によりカレンダーにより塗工液を塗工し、リールに巻き取ることで着色紙(着色板紙)を得ることができる。
【0046】
なお、表層の表面に塗工する塗工液としては、水溶性高分子を含む塗工液が好ましい。このように表面に水溶性高分子を含む塗工液を塗工することで、得られる着色紙の抗菌性を維持しつつ表面強度をより高めることができる。上記水溶性高分子としては、澱粉やポリビニルアルコール等を挙げることができるが、上記機能をより効果的に発揮できる点などからポリビニルアルコールが好ましい。
【0047】
上記塗工液としては、表面サイズ剤を含むものも好ましい。表面サイズ剤を塗工することで表面のサイズ性が高まり、例えば靴の中敷き等、水分の高い環境でも強度の低下を抑制することができる。当該着色紙のサイズ性は、サイズプレス処理等による表面サイズ剤の付与量により制御することができる。このように、表面サイズ剤を用いてサイズ性を制御することが、良好なサイズ性を発揮させることができる点から好ましい。表面サイズ剤は、例えばスチレン−アクリル系サイズ剤、オレフィン系サイズ剤、スチレン−マレイン系サイズ剤等を挙げることができる。中でも、カチオン性を示すスチレン系表面サイズ剤が好ましい。中でも、表面サイズ剤として、カチオン性を示すスチレン系表面サイズ剤が好適に用いられる。
【0048】
表面サイズ剤の塗工量の下限としては、固形分換算で0.03g/mが好ましく、0.05g/mがより好ましい。一方、この上限としては、0.2g/mが好ましく、0.1g/mがより好ましい。塗工量が上記下限未満の場合は、十分なサイズ性を発揮できない場合がある。逆に、塗工量が上記上限を超える場合は、サイズ効果が頭打ちとなり、経済性が低下するおそれがある。
【0049】
上記塗工液には、他の成分が含まれていてもよい。この他の成分としては、顔料や防滑剤等を挙げることができる。
【0050】
(品質等)
当該製造方法によって得られる着色紙は、貝殻の焼成物の粉末である胡粉を含有し、紙面pHが8以上である。表面の紙面PHを8以上とすることで、十分な抗菌性、防カビ性等を発揮することができる。この紙面pHは9以上が好ましく、9.5以上がより好ましい。一方、この紙面pHの上限としては、例えば12とすることができる。紙面pHが12を超える場合は、アルカリ性が強すぎて、このためにパルプ繊維が劣化し、表面紙力が低下するおそれがある。
【0051】
当該製造方法により得られる着色紙の表面強度としては、12A以上が好ましく、13A以上がさらに好ましい。このような表面強度とすることで、抗菌性がより長期間持続される。一方、この表面強度の上限としては特に制限されないが、例えば20Aとすることができる。なお、表面強度は、JAPAN TAPPI No.1に準拠してオープン状態で測定した値をいう。
【0052】
当該製造方法により得られる着色紙の表面のコッブサイズ度(60秒)の下限は、50g/mが好ましく、100g/mがより好ましい。一方、この上限は、250g/mが好ましく、200g/mがより好ましい。このようなサイズ性を有することで、例えば靴の中敷き等、水分の高い環境でも強度の低下を抑制することができる。なお、コッブサイズ度(60秒)は、JIS−P−8140(1998年)に準拠して測定した値をいう。
【0053】
当該製造方法により得られる着色紙は、通常、多層の板紙である。この板紙の層数としては、例えば3層以上6層以下とすることができる。この着色紙の坪量としては、180g/m以上320g/m以下であることが好ましい。このような範囲の坪量とすることで、得られる着色紙の強度等をより高めることができる。坪量が上記下限未満の場合は、強度等が低下するおそれがある。逆に、坪量が上記上限を超える場合は、取り扱い性等が低下するおそれがある。
【0054】
当該製造方法により得られる着色紙の表層(アニオン性染料や胡粉等を含む紙層)の坪量としては、25g/m以上45g/m以下であることが好ましい。表層を上記範囲の坪量とすることで、十分な抗菌性及び色調を良好に発揮させることができる。
【0055】
当該製造方法により得られる着色紙は、十分な抗菌性を有し、色調の経時変化も押さえられている。従って、当該製造方法により得られる着色紙は、食品等の包装材、壁紙、靴の中敷き等に好適に用いることができる。なお、当該製造方法により得られる着色紙は、板紙の状態で使用することもできるし、段ボール紙状等に加工して用いることができる。
【0056】
当該着色紙の製造方法は、上記実施の形態に限定されるものでは無い。例えば、当該着色紙の製造方法によって、単層の着色紙を製造することもできる。また、中層にアニオン性染料や胡粉を含む紙層を有する着色性を製造することもできる。
【実施例】
【0057】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0058】
[実施例1]
撹拌装置を有するバッチ槽内に、原料パルプ(LBKP)を投入し、次いで以下の順で各添加剤を投入した。
(1)染料:アニオン性染料(日化社の「ダイレクトペーパーイエロー」及び東亜化成社のTOAレッド2BPH」)0.5質量%(対パルプ)
(2)アルミニウム化合物(1):硫酸アルミニウム2質量%(対パルプ)
(3)定着剤(クラリアントジャパン社の「Cartaretin F Liquid」:カルボン酸アミド縮合物4級アンモニウム化合物)10質量%(対胡粉)
(4)胡粉(ホタテ貝の貝殻の焼成物の粉末)15質量%(対パルプ)
(5)アルミニウム化合物(2):硫酸アルミニウム2質量%(対パルプ)
次いで、さらに以下の各添加剤を以下の順で添加し、表層用パルプスラリーを得た。
(6)紙力増強剤:両イオン性ポリアクリルアマイド3質量%(対パルプ)
(7)アルミニウム化合物(3):硫酸アルミニウム3.5質量%(対パルプ)
【0059】
一方、上白古紙を解離して、中層用パルプスラリーを得た。また、地券古紙を離解して、裏層用パルプスラリーを得た。
【0060】
上記各パルプスラリーを抄紙機に供給し、3層の紙層からなる板紙原紙を得た。表層の付け量(坪量)は、35g/mとした。
【0061】
この板紙原紙の表面にポリビニルアルコール(PVA)2質量%及び表面サイズ剤(ハリマ化成社の「ハーサイズKN−275P」)1.2質量%を含む塗工液を、表面サイズ剤の塗工量が0.08g/m(固形分)となるように塗工した。これにより、塗工し、坪量200g/mの実施例1の着色紙(板紙)を得た。
【0062】
[実施例2〜20、参考例1、比較例1〜3]
各添加剤の添加量及び種類、中層の原料パルプ及び層数、表面サイズ剤の塗工量、塗工液におけるPVAの有無を表1〜表3の通りとしたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2〜20、参考例1及び比較例1〜3の各着色紙を得た。
【0063】
[比較例4〜21]
アニオン性染料、アルミニウム化合物(1)としての硫酸アルミニウム、定着剤及び胡粉の添加順を表4の順序としたこと以外は実施例1と同様にして、比較例4〜21の各着色紙を得た。
【0064】
[評価]
得られた各着色紙について、以下の評価を行った。評価結果を表3及び表4に示す。
【0065】
[コッブサイズ度(60秒)]
JIS−P−8140(1998年)に準拠して測定した。
【0066】
[紙面pH]
JAPAN TAPPI No.6−75に準拠して測定した。
【0067】
[色調の経時変化]
製品の色調を測定し、生産直後と、生産直後から2時間後の色調を測定し、以下の式に基づき、色調差(ΔE)を算出した。
【数1】
L、a、b:生産直後における明度及び色相(a値、b値)
L’、a’、b’:生産直後から2時間後における明度及び色相(a値、b値)
算出したΔEに基づいて、以下の基準で評価できる。
ΔE=1.0未満は色調変化が少ない(ほぼない)
ΔE=1.0以上1.5以下は若干の色調変化はあるものの、製品として問題なし。
ΔE=1.5超は製品として使用できない(色調変化が大きい)
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
上記表3に示されるように、実施例1〜20で得られた着色紙は、紙面pHが8以上でありながら、色調の経時変化が低減されていることがわかる。なお、紙面pHが8以上であることから、良好な抗菌性を発揮できることがわかる。また、表4に示されるように、アニオン性染料、アルミニウム化合物(1)としての硫酸アルミニウム、定着剤及び胡粉をこの順以外で添加した場合、色調の経時変化が大きい又は十分な着色がなされないことがわかる。なお、アニオン染料より硫酸アルミニウムを先に添加した場合、十分な着色がなされず、製品としては不良なものとなった。これは、硫酸アルミニウムによりアニオン染料の定着が阻害されることによるものと推察される。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の着色紙の製造方法は、紙面pHが8以上である着色紙でありながら、色調の経時変化が低減された着色紙を得ることができ、食品等の包装材、壁紙、靴の中敷き等の製造に好適に用いることができる。