(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
A.一実施形態
<A−1.構成>
[A−1−1.全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る走行制御装置としての走行電子制御装置34(以下「走行ECU34」又は「ECU34」という。)を含む車両10の構成を示すブロック図である。車両10(以下「自車10」ともいう。)は、走行ECU34に加え、車両周辺センサ群20と、車体挙動センサ群22と、運転操作センサ群24と、ヒューマン・マシン・インタフェース26(以下「HMI26」という。)と、駆動力制御システム28と、制動力制御システム30と、電動パワーステアリングシステム32(以下「EPSシステム32」という。)とを有する。
【0021】
[A−1−2.車両周辺センサ群20]
車両周辺センサ群20は、車両10の周辺に関する情報(以下「車両周辺情報Ic」ともいう。)を検出する。車両周辺センサ群20には、複数の車外カメラ50と、複数のレーダ52とが含まれる。
【0022】
複数の車外カメラ50(前方カメラを含む。)は、車両10の周辺(前方、側方及び後方)を撮像した周辺画像Fsを含む画像情報Iimageを出力する。周辺画像Fsには、車両10の前方を示す前方画像Ffが含まれる。
【0023】
複数のレーダ52は、車両10の周辺(前方、側方及び後方)に送信した電磁波に対する反射波を示すレーダ情報Iraderを出力する。各レーダ52は、電磁波を出射する電磁波送信機(図示せず)と、反射波を受信する電磁波受信機(図示せず)とを有する。車外カメラ50及びレーダ52は、車両周辺情報Icを認識する周辺認識装置である。
【0024】
[A−1−3.車体挙動センサ群22]
車体挙動センサ群22は、車両10(特に車体)の挙動に関する情報(以下「車体挙動情報Ib」ともいう。)を検出する。車体挙動センサ群22には、車速センサ60と、横加速度センサ62と、ヨーレートセンサ64とが含まれる。
【0025】
車速センサ60は、車両10の車速V[km/h]を検出する。横加速度センサ62は、車両10の横加速度Glat[m/s/s]を検出する。ヨーレートセンサ64は、車両10のヨーレートYr[rad/s]を検出する。
【0026】
[A−1−4.運転操作センサ群24]
運転操作センサ群24は、運転者による運転操作に関する情報(以下「運転操作情報Io」ともいう。)を検出する。運転操作センサ群24には、アクセルペダルセンサ80と、ブレーキペダルセンサ82と、舵角センサ84と、操舵トルクセンサ86とが含まれる。
【0027】
アクセルペダルセンサ80(以下「APセンサ80」ともいう。)は、アクセルペダル90の操作量θap(以下「AP操作量θap」ともいう。)[%]を検出する。ブレーキペダルセンサ82(以下「BPセンサ82」ともいう。)は、ブレーキペダル92の操作量θbp(以下「BP操作量θbp」ともいう。)[%]を検出する。舵角センサ84は、ステアリングハンドル94の舵角θst(以下「操作量θst」ともいう。)[deg]を検出する。操舵トルクセンサ86は、ステアリングハンドル94に加えられた操舵トルクTst[N・m]を検出する。
【0028】
[A−1−5.HMI26]
HMI26は、乗員からの操作入力を受け付けると共に、乗員に対して各種情報の提示を、視覚的、聴覚的及び触覚的に行う。HMI26には、ACCスイッチ110(以下「ACC SW110」ともいう。)と、表示部112とが含まれる。アクセルペダル90、ブレーキペダル92及びステアリングハンドル94をHMI26の一部と位置付けてもよい。
【0029】
ACC SW110は、乗員の操作によりオートクルーズ制御(ACC)の開始及び終了を指令すると共に、ACCにおける目標車速Vtar(固定値)を設定するためのスイッチである。ACC SW110に加えて又はこれに代えて、その他の方法(図示しないマイクロホンを介しての音声入力等)によりACCの開始又は終了を指令することも可能である。表示部112は、例えば、液晶パネル又は有機ELパネルを含み、目標車速Vtarを表示する。表示部112は、タッチパネルとして構成されてもよい。
【0030】
[A−1−6.駆動力制御システム28]
駆動力制御システム28は、エンジン120(駆動源)及び駆動電子制御装置122(以下「駆動ECU122」という。)を有する。上述のAPセンサ80及びアクセルペダル90を駆動力制御システム28の一部として位置付けてもよい。駆動ECU122は、AP操作量θap等を用いて車両10の駆動力制御を実行する。駆動力制御に際し、駆動ECU122は、エンジン120の制御を介して車両10の走行駆動力Fdを制御する。
【0031】
[A−1−7.制動力制御システム30]
制動力制御システム30は、ブレーキ機構130及び制動電子制御装置132(以下「制動ECU132」という。)を有する。上述のBPセンサ82及びブレーキペダル92を制動力制御システム30の一部として位置付けてもよい。ブレーキ機構130は、ブレーキモータ(又は油圧機構)等によりブレーキ部材を作動させる。
【0032】
制動ECU132は、BP操作量θbp等を用いて車両10の制動力制御を実行する。制動力制御に際し、制動ECU132は、ブレーキ機構130等の制御を介して車両10の制動力Fbを制御する。
【0033】
[A−1−8.EPSシステム32]
EPSシステム32は、EPSモータ140と、EPS電子制御装置142(以下「EPS ECU142」又は「ECU142」という。)とを有する。上述の舵角センサ84、操舵トルクセンサ86及びステアリングハンドル94をEPSシステム32の一部として位置付けてもよい。
【0034】
EPS ECU142は、走行ECU34からの指令に応じてEPSモータ140を制御して、車両10の旋回量Rを制御する。旋回量Rには、舵角θst、横加速度Glat及びヨーレートYrが含まれる。
【0035】
[A−1−9.走行ECU34]
(A−1−9−1.走行ECU34の概要)
走行ECU34は、車両10の走行に関する各種制御(走行制御)を実行するものであり、例えば、中央処理装置(CPU)を含む。走行制御には、オートクルーズ制御(ACC)が含まれる。ACCの詳細については後述する。
【0036】
図1に示すように、ECU34は、入出力部150、演算部152及び記憶部154を有する。なお、走行ECU34の機能の一部を車両10の外部に存在する外部機器に担わせることも可能である。
【0037】
(A−1−9−2.入出力部150)
入出力部150は、ECU34以外の機器(センサ群20、22、24、ECU122、132、142等)との入出力を行う。入出力部150は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する図示しないA/D変換回路を備える。
【0038】
(A−1−9−3.演算部152)
演算部152は、各センサ群20、22、24、HMI26及び各ECU122、132、142等からの信号に基づいて演算を行う。そして、演算部152は、演算結果に基づき、駆動ECU122、制動ECU132及びEPS ECU142に対する信号を生成する。
【0039】
図1に示すように、走行ECU34の演算部152は、周辺認識部170と、加減速制御部172とを有する。これらの各部は、記憶部154に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。前記プログラムは、図示しない通信装置を介して外部機器から供給されてもよい。前記プログラムの一部をハードウェア(回路部品)で構成することもできる。
【0040】
周辺認識部170は、車両周辺センサ群20からの車両周辺情報Icに基づいて周辺障害物(前方車両302(
図3)等)を認識する。周辺認識部170は、画像情報Iimage及びレーダ情報Iraderを用いて周辺障害物を認識する。周辺障害物には、前方車両302等の移動物体と、建物、標識等の静止物体とが含まれる。
【0041】
加減速制御部172(間隔制御部)は、オートクルーズ制御(ACC)を実行する。ACCは、自動でクルーズ(定速走行)を行う制御である。具体的には、自車10の走行レーンに前方車両302(
図3)が存在しない場合、ACCは、予め設定された目標車速Vtar(固定値)で車両10を走行させる。
【0042】
また、自車10の走行レーンに前方車両302が存在する場合、ACCは、自車10と前方車両302との間隔を制御する間隔制御として機能する。より具体的には、ACCは、前方車両302との間隔を維持するように車両10を走行させる。ここでの間隔は、例えば、接触余裕時間(TTC:Time to collision)[sec]又は距離[m]とすることができる。
【0043】
(A−1−9−4.記憶部154)
記憶部154は、演算部152が利用するプログラム及びデータを記憶する。記憶部154は、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(以下「RAM」という。)を備える。RAMとしては、レジスタ等の揮発性メモリと、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリとを用いることができる。また、記憶部154は、RAMに加え、リード・オンリー・メモリ(以下「ROM」という。)を有してもよい。
【0044】
<A−2.本実施形態の制御>
[A−2−1.オートクルーズ制御(ACC)の概要]
上記のように、本実施形態の走行ECU34は、自動でクルーズ(定速走行)を行うACCを実行する。具体的には、自車10の走行レーンに前方車両302が存在しない場合、予め設定された目標車速Vtar(固定値)で車両10を走行させる。また、自車10の走行レーンに前方車両302が存在する場合、前方車両302との間隔を維持するように車両10を走行させる。
【0045】
図2は、本実施形態のオートクルーズ制御(ACC)のフローチャートである。
図2のフローチャートは、例えば、ACCスイッチ110がオンである場合に繰り返し行われる。
【0046】
図3は、本実施形態における自車10がオートクルーズ制御(ACC)を行っている状態の一例を示す図である。
図3では、自車10の走行レーン300において自車10の前方に前方車両302が存在する。前方車両302及び自車10は信号機304の手前で停止している。
【0047】
前方車両302は、制限外積載物Cとしての電柱310を積載している。ここにいう制限外積載物Cは、車両10において積載のために設備された場所以外の場所に積載された積載物をいう。日本国では、道路交通法等の法律により、車両の前後方向については車両の長さの10分の1を超えてはみ出す場合、及び車両の幅方向については車体の左右からはみ出す場合、制限外積載として取り扱われる。
【0048】
また、電柱310の後端付近には、制限外積載標示物Mとしての赤い布312(
図6及び
図7参照)が取り付けられている。電柱310は、前方車両302自体の後端よりも後ろ側に飛び出ている。換言すると、自車10の基準位置(例えば、自車10の先端)と電柱310の後端との距離Dbは、自車10の前記基準位置と前方車両302との距離Daよりも短い。
【0049】
図2のステップS11において、走行ECU34は、前方車両302が存在しないか否かを判定する。ここでの前方車両302は、自車10と同じ走行レーン300において自車10の前方(特に直前)を走行する他車を意味する。
【0050】
当該判定は、例えば、車両周辺センサ群20の検出結果に基づいて行う。具体的には、ECU34は、車外カメラ50からの画像情報Iimageとレーダ52からのレーダ情報Iraderを組み合わせて前方車両302の有無を判定する。
【0051】
一般に、周辺物体の種類を認識するには画像情報Iimageが有用である。その一方、単一のカメラ50を用いる場合、周辺物体の位置(換言すると、自車10の基準位置(例えば自車10の先端)と周辺物体の基準位置(例えば周辺物体の後端)との距離D)は、レーダ情報Iraderの方が検出精度が高い。そこで、本実施形態では、画像情報Iimageとレーダ情報Iraderを組み合わせて前方車両302の有無(前方車両302の位置を含む。)を判定する。但し、レーダ52は、レーダ52に対して狭い領域のみを向けている物体(後述する電柱310等)については検出精度が下がる場合がある。後述するように、前方車両302の有無の判定は、別の方法で行うことも可能である。
【0052】
前方車両302が存在しない場合(S11:真)、ステップS12において、ECU34は、記憶部154から目標車速Vtarを取得すると共に、車速センサ60から車速Vを取得する。なお、目標車速Vtarとするため、車速センサ60が検出した車速Vを検出車速Vdetともいう。
【0053】
ステップS13において、ECU34は、目標車速Vtar及び検出車速Vdetに応じて加減速を制御する。具体的には、ECU34は、検出車速Vdetが目標車速Vtarとなるように、駆動力制御システム28及び制動力制御システム30を制御する。
【0054】
前方車両302が存在する場合(S11:偽)、ステップS14において、ECU34は、目標車間パラメータ設定処理を行う。目標車間パラメータ設定処理は、自車10と前方車両302との位置関係(又は間隔)を示す車間パラメータPの目標値である目標車間パラメータPtarを設定する処理である。本実施形態において、自車10の車速Vが低速である場合(例えば、車速Vが第1車速閾値THv1以下である場合)、目標車間パラメータPtarとして、自車10と前方車両302との目標距離Dtar[m]を用いる。自車10の車速Vが高速である場合(例えば、車速Vが第1車速閾値THv1を上回る場合)、目標車間パラメータPtarとして、自車10と前方車両302との目標TTC[sec]を用いる。目標車間パラメータ設定処理の詳細は、
図4を参照して後述する。
【0055】
ステップS15において、ECU34は、車間パラメータPの検出値である検出車間パラメータPdetを取得又は算出する。具体的には、車間パラメータPとして距離Dを用いる場合、ECU34は、画像情報Iimage及びレーダ情報Iradarに基づいて検出車間パラメータPdetとしての距離D(検出距離Ddet)を算出する。
【0056】
検出距離Ddetは、自車10から周辺物体(ここでは前方車両302)までの最短距離を意味する。電柱310が存在しない場合、自車10と前方車両302の後端との距離(
図3の距離Da)が距離Dであり、電柱310が存在する場合、自車10と電柱310の後端との距離(
図3の距離Db)が距離Dであることを想定している。但し、レーダ52が電柱310を検出できない場合、電柱310が存在しても、レーダ情報Iradarに基づいて距離Dbではなく距離Daが算出される可能性がある。
【0057】
車間パラメータPとしてTTCを用いる場合、ECU34は、自車10と前方車両302との相対速度Vlと自車10の車速Vに基づいて検出車間パラメータPdetとしてのTTC(検出TTC)を算出する。相対速度Vlは、自車10と前方車両302とが接近する速度であり、距離Dの時間微分値として算出される。また、TTCは、距離Dを相対速度Vlで割った商である(TTC=D/Vl)。
【0058】
ステップS16において、ECU34は、目標車間パラメータPtar及び検出車間パラメータPdetに応じて加減速を制御する。具体的には、車速Vが目標車速Vtarとなるように、駆動力制御システム28及び制動力制御システム30を制御する。具体的には、車間パラメータPとして距離Dを用いる場合、ECU34は、検出距離Ddetが目標距離Dtarとなるように、駆動力制御システム28及び制動力制御システム30を制御する。車間パラメータPとしてTTCを用いる場合、ECU34は、検出TTCが目標TTCとなるように、駆動力制御システム28及び制動力制御システム30を制御する。
【0059】
[A−2−2.目標車間パラメータ設定処理(
図2のS14)]
図4は、本実施形態における目標車間パラメータ設定処理のフローチャート(
図2のS14の詳細)である。上記のように、目標車間パラメータ設定処理は、自車10と前方車両302との位置関係を示す車間パラメータP(距離D又はTTC)の目標値である目標車間パラメータPtarを設定する処理である。
【0060】
図4のステップS21〜S23において、車間パラメータPの種類(距離D又はTTC)を選択する。具体的には、ステップS21において、ECU34は、自車10の車速V(検出車速Vdet)が第1車速閾値THv1以下であるか否かを判定する。車速Vが第1車速閾値THv1以下である場合(S21:真)、ステップS22において、ECU34は、自車10と前方車両302の距離Dを車間パラメータPとして選択する。車速Vが第1車速閾値THv1以下でない場合(S21:偽)、ステップS23において、ECU34は、自車10と前方車両302のTTCを車間パラメータPとして選択する。
【0061】
ステップS24において、走行ECU34は、制限外積載標示物判定処理(以下「標示物判定処理」ともいう。)を実行する。標示物判定処理は、周辺画像Fsの中における制限外積載標示物M(例えば
図3の赤い布312)の有無を判定する処理である。標示物判定処理については、
図5〜
図7を参照して後述する。
【0062】
ECU34は、ステップS24の結果、制限外積載標示物M(以下「標示物M」ともいう。)が存在しない場合(S25:真)、ステップS26において、ECU34は、通常の目標車間パラメータPtarを利用する。具体的には、車間パラメータPとして距離Dを選択した場合(S22)、ECU34は、車速V(検出車速Vdet)に応じて目標距離Dtarを設定する。また、車間パラメータPとしてTTCを選択した場合(S23)、ECU34は、車速Vに応じて目標TTCを設定する。
【0063】
ステップS24の結果、制限外積載標示物Mが存在する場合(S25:偽)、ステップS27において、ECU34は、ステップS26と比較して目標車間パラメータPtarを増加させる。すなわち、通常の目標車間パラメータPtarに追加分を加えた値を、ステップS27の目標車間パラメータPtarとする。ここでの追加分(又は増加量)は、例えば、制限外積載物(電柱等)が前方車両302からはみ出る可能性がある距離を考慮して設定される。
【0064】
[A−2−3.制限外積載標示物判定処理(
図4のS24)]
図5は、本実施形態における制限外積載標示物判定処理のフローチャートである。上記のように、制限外積載標示物判定処理は、周辺画像Fsの中における制限外積載標示物M(例えば
図3の赤い布312)の有無を判定する処理である。
【0065】
図6及び
図7は、制限外積載物Cとしての電柱310を搭載した前方車両302を含む前方画像Ffの第1例及び第2例としての前方画像500a、500bを示す図である。
図6の前方画像500aには、前方車両302の画像502(以下「前方車両画像502」ともいう。)と、電柱310の画像504(以下「電柱画像504」ともいう。)と、赤い布312の画像506(以下「布画像506」ともいう。)とが含まれる。また、前方車両画像502には、前方車両302のテールライト306l、306r(
図3)の画像510l、510r(以下「テールライト画像510l、510r」ともいう。)が含まれる。
図7の前方画像500bも同様である。
【0066】
図6において、布画像506は、前方車両302の上下方向において左右のテールライト画像510l、510rよりも上方に配置されている。また、
図7において、布画像506の一部は、前方車両302の上下方向において左右のテールライト画像510l、510rよりも上方に配置され、布画像506の他の一部は、前方車両302の上下方向において左右のテールライト画像510l、510rよりも下方に配置されている。
【0067】
なお、
図6及び
図7の例では、自車10と前方車両302の距離Dが比較的長く、前方車両画像502等において遠近感の影響が小さくなっている。自車10と前方車両302が接近して距離Dが短くなると、前方画像Ffにおいて遠近感の影響が大きくなる。すなわち、前方画像Ffでは、自車10に近い部分(電柱310の後端やテールライト306l、306r)が相対的に小さく見えることとなる。
【0068】
テールライト306l、306rよりも赤い布312の方が自車10に近い。このため、カメラ50が赤い布312よりも高い位置に配置される場合、前方画像Ffにおいて、布画像506は、実際の赤い布312よりも低い位置に存在するように見える。従って、実際には、赤い布312の全体がテールライト306l、306rより高い位置にあっても、前方画像Ffでは、布画像506の一部がテールライト画像510l、510rよりも下方に配置される場合があり得る。そこで、ECU34は、布画像506を認識した場合、テールライト306l、306rと赤い布312の高さを比較する場合、赤い布312の位置を高くする及び/又はテールライト306l、306rの位置を低くするように補正してもよい。
【0069】
図5のステップS31において、走行ECU34は、前方画像Ffの中で左右のテールライト306l、306r(又はテールライト画像510l、510r)を探索する。例えば、ECU34は、前方画像Ffの中で前方車両302の特徴部分を探索する。前方車両302の特徴部分が認識又は抽出された場合、前方車両302の輪郭に基づいてテールライト306l、306rの位置を算出する。
【0070】
或いは、テールライト306l、306rの発光に基づいてテールライト306l、306rを探索してもよい。具体的には、ECU34は、略同じ高さに位置し、略同じ輝度の赤色光が所定範囲の距離(例えば1.2〜3.0mの範囲)で存在するか否かに基づいてテールライト306l、306rを探索してもよい。
【0071】
ステップS32において、ECU34は、前方画像Ffの中で制限外積載標示物M(例えば赤い布312)の候補Mcを探索する。具体的には、ECU34は、前方画像Ff全体のいずれかに存在する赤色部分の有無を判定する。後述するように、その他の方法で候補Mcを探索してもよい。
【0072】
なお、ステップS31においてテールライト306l、306r(又はテールライト画像510l、510r)が認識されない場合、又はステップS32において標示物Mが認識されない場合、ECU34は、今回の標示物判定処理を終了してもよい。また、複数の候補Mcが認識された場合、ECU34は、それぞれの候補Mcについて後述するステップS33〜S37の処理を実行する。
【0073】
ステップS33〜S36において、ECU34は、候補Mcが制限外積載標示物Mであるとの判定を確定するための第1〜第4確定条件が全て成立するか否かを判定する。すなわち、ステップS33において、ECU34は、候補Mcの位置に関する第1確定条件が成立するか否かを判定する。第1確定条件は、前方車両302の車幅方向において候補Mcが左右のテールライト306l、306r(又はテールライト画像510l、510r)の間にあることである。第1確定条件が成立した場合(S33:真)、ステップS34に進み、第1確定条件が成立しない場合(S33:偽)、今回の標示物判定処理を終了する。
【0074】
ステップS34において、ECU34は、候補Mcの位置に関する第2確定条件が成立するか否かを判定する。第2確定条件は、前方車両302(又は前方車両画像502)の上下方向において候補Mcの少なくとも一部が左右のテールライト306l、306r(又はテールライト画像510l、510r)の上方にあることである。従って、ECU34は、
図6の場合のみならず、
図7の場合も第2確定条件が成立すると判定する。第2確定条件が成立した場合(S34:真)、ステップS35に進み、第2確定条件が成立しない場合(S34:偽)、今回の標示物判定処理を終了する。
【0075】
ステップS35において、ECU34は、候補Mcの形状に関する第3確定条件が成立するか否かを判定する。第3確定条件は、候補Mcが制限外積載標示物Mが示し得る形状を有していることである。
【0076】
例えば、自車10が停止又は徐行している際(換言すると、車速Vが第2車速閾値THv2(例えば、0〜10km/hのいずれかの値)以下である際)、無風状態であれば、前方画像Ffにおいて赤い布312(又は布画像506)は略四角形として認識され得る。また、自車10が走行の際(換言すると、車速Vが第2車速閾値THv2を上回る際)、前方画像Ffにおいて赤い布312(又は布画像506)ははためく物体として認識され得る。このため、ECU34は、候補Mcの形状と自車10の車速Vに基づいて第3確定条件の成否を判定する。
【0077】
上記のように、赤い布312(又は布画像506)は、前方車両302の車速Vに応じて頻繁に形状が変化する。そこで、前方車両302又は自車10の車速Vに応じて形状が頻繁に変化するが、前方車両302(又は前方車両画像502)における赤い布312(又は布画像506)の位置が変化しないことを、第3確定条件として用いてもよい。
【0078】
第3確定条件が成立した場合(S35:真)、ステップS36に進み、第3確定条件が成立しない場合(S35:偽)、今回の標示物判定処理を終了する。
【0079】
ステップS36において、ECU34は、候補Mcの所属に関する第4確定条件が成立するか否かを判定する。第4確定条件は、候補Mcが前方車両302自体の発光源(テールライト306l、306r以外の物)から出射された赤色光でないことである。
【0080】
具体的には、ECU34は、テールライト306l、306r(又はテールライト画像510l、510r)の発光タイミングと候補Mcの発光タイミングのずれ量Dt[sec]がずれ量閾値THdt以上であるか否かを判定する。ずれ量Dtがずれ量閾値THdt以上である場合、候補Mcが前方車両302自体の発光源(テールライト306l、306r又はこれらと連動する発光源)から出射された赤色光でないことは明らかである。
【0081】
第4確定条件が成立した場合(S36:真)、ステップS37に進み、第4確定条件が成立しない場合(S36:偽)、今回の標示物判定処理を終了する。
【0082】
ステップS37において、ECU34は、候補Mcが制限外積載標示物Mであるとの判定を確定する。
【0083】
<A−3.本実施形態の効果>
以上のように、本実施形態によれば、前方画像Ffにおいて制限外積載標示物M(
図3の赤い布312等)が認識されない場合よりも、標示物Mが認識された場合の目標車間パラメータPtarを大きくする(
図4のS25〜S27)。これにより、前方車両302による制限外積載の有無を考慮して自車10と前方車両302との間隔を制御すること(例えば、前方車両302による制限外積載の有無を考慮して追従制御を実行すること)が可能となる。
【0084】
本実施形態において、周辺認識部170は、前方車両302の幅方向において前方車両302の左右のテールライト306l、306rの間に存在する赤色部分である候補Mcを制限外積載標示物Mとして認識する(
図5のS32→S33:真→S37)。標示物Mとしては、例えば、赤い布312、赤色ランプ又は赤色反射器が用いられ、これらの標示物Mは、左右のテールライト306l、306rの間に配置されることが多い。そこで、前方車両302の幅方向において左右のテールライト306l、306rの間に存在する赤色部分である候補Mcを標示物Mとして認識することで、効果的に標示物Mを認識することが可能となる。
【0085】
本実施形態において、周辺認識部170は、前方車両302の幅方向においてテールライト306l、306rの間に存在し且つテールライト306l、306rよりも上方に存在する赤色部分である候補Mcを制限外積載標示物Mとして認識する(
図5のS32→S34:真→S37)。制限外積載標示物M(赤い布312、赤色ランプ、赤色反射器等)は、テールライト306l、306rの間においてテールライト306l、306rよりも上方に配置されることが多い(
図6及び
図7参照)。そこで、前方車両302の幅方向においてテールライト306l、306rの間に存在し且つテールライト306l、306rよりも上方に存在する赤色部分である候補Mcを制限外積載標示物Mとして認識することで、さらに効果的に標示物Mを認識することが可能となる。
【0086】
本実施形態において、加減速制御部172(間隔制御部、追従制御部)は、左右のテールライト306l、306r及び赤色部分である候補Mcの発光タイミングのずれ量Dtがずれ量閾値THdtを下回る場合、制限外積載標示物Mが抽出されない場合の目標車間パラメータPtarを用いてACC(間隔制御、追従制御)を実行する(
図5のS32→S36:真→S37)。ずれ量Dtがずれ量閾値THdtを下回る場合(換言すると、ずれ量Dtが小さい場合)、テールライト306l、306rの間の候補Mcは、標示物Mではなく前方車両302自体の発光源から出射された赤色光であると考えられる。そこで、テールライト306l、306rに対する発光タイミングのずれ量Dtが小さい候補Mcについては、標示物Mとして認識しないことで、さらに効果的に標示物Mを認識することが可能となる。
【0087】
本実施形態において、周辺認識部170は、色彩(赤色部分であること)及び形状パターンを基準として前方画像Ffの中で制限外積載標示物Mを認識する(
図5のS32、S35)。これにより、前方画像Ffの中において標示物Mを適切に認識(又は抽出)することが可能となる。
【0088】
本実施形態において、周辺認識部170は、自車10のレーダ52から出射された電磁波に対する前方車両302からの反射波を示すレーダ情報Iradarを少なくとも用いて自車10に対する前方車両302の位置を検出する(
図2のS11、S15)。レーダ情報Iradarによる距離の検出精度が高い場合、レーダ情報Iradarを用いることで、自車10と前方車両302の間隔(距離D又はTTC)を好適に制御することが可能となる。加えて、本実施形態では、前方画像Ff(画像情報Iimage)から制限外積載標示物Mを認識する(
図5のS32、S35)。このため、レーダ情報Iradarによる制限外積載標示物Mの検出が困難な場合であっても、制限外積載標示物Mが認識容易となる。従って、前方車両302の位置をレーダ情報Iradarで高精度に検出しつつ、制限外積載標示物Mの有無を前方画像Ffから認識することで、制限外積載標示物Mが存在する場合でも、自車10と前方車両302の間隔を好適に制御することが可能となる。
【0089】
B.変形例
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、本明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
【0090】
<B−1.適用対象>
上記実施形態では、走行ECU34(走行制御装置)を自動車(car)としての車両10(vehicle)に用いることを想定していた(
図1)。しかしながら、例えば、ACC(又は間隔制御)において、制限外積載標示物Mが認識されない場合よりも、標示物Mが認識された場合の目標車間パラメータPtarを大きくする観点からすれば、これに限らない。例えば、車両10(又は乗り物)は、船舶、航空機等の移動物体であってもよい。或いは、車両10は、その他の装置(例えば、各種の製造装置、ロボット)に用いることもできる。
【0091】
<B−2.車両10の構成>
上記実施形態の車両周辺センサ群20には、複数の車外カメラ50と、複数のレーダ52とが含まれた(
図1)。しかしながら、例えば、ACC(又は間隔制御)において、制限外積載標示物Mが認識されない場合よりも、標示物Mが認識された場合の目標車間パラメータPtarを大きくする観点からすれば、これに限らない。
【0092】
例えば、複数の車外カメラ50に、車両10の前方を検出するステレオカメラが含まれる場合、レーダ52を省略することも可能である。或いは、車外カメラ50及びレーダ52に加え又はこれらに代えて、LIDAR(Light Detection And Ranging)を用いてもよい。LIDARは、車両10の全方位にレーザー(電磁波)を連続的に発射し、その反射波に基づいて反射点の三次元位置を測定して三次元情報Ilidarとして出力する。
【0093】
<B−3.走行ECU34の制御>
[B−3−1.ACC全体]
上記実施形態では、目標車速Vtarと検出車速Vdetの比較結果を用いる加減速制御(
図2のS13)と、目標車間パラメータPtarと検出車間パラメータPdetの比較結果を用いる加減速制御(S16)とを選択して用いるACCに本発明を適用した場合について説明した(
図2)。しかしながら、例えば、制限外積載標示物Mが認識されない場合よりも、標示物Mが認識された場合の目標車間パラメータPtarを大きくする観点からすれば、これに限らない。
【0094】
例えば、目標車間パラメータPtarと検出車間パラメータPdetの比較結果を用いる加減速制御(S16)のみを用いる追従制御に本発明を適用することも可能である。或いは、自車10と前方車両302の間隔(距離D又はTTC)を制御する間隔制御のうち、追従制御(ACCを含む。)以外のものに対して本発明を適用することが可能である。
【0095】
そのような間隔制御としては、例えば、運転者が手動運転している状態での前方衝突回避制御を挙げることができる。前方衝突回避制御では、運転者が手動運転している状態で前方車両302に対するTTCがTTC閾値THttc以下となった場合、ECU34は、警報及び自動ブレーキの少なくとも一方を行う。ここでの警報は、HMI26を介して行われる。具体的には、図示しないスピーカを介しての音の出力、表示部112を介しての警告表示及び図示しない振動生成装置を介してのステアリングハンドル94への振動生成等が警報として行われる。また、自動ブレーキは、制動力制御システム30等を介して行われる。
【0096】
或いは、間隔制御としては、運転者の運転操作を要さずに走行可能な自動運転を挙げることもできる。そのような自動運転では、自車10の走行可能領域を算出する際に、本発明を適用することが可能である。走行可能領域は、自車10の走行軌跡を取り得る領域である。従って、制限外積載標示物Mが認識されない場合よりも、標示物Mが認識された場合の目標車間パラメータPtarを大きくすることで、走行可能領域が限定されることとなる。
【0097】
上記実施形態では、車両10の加速及び減速については運転者の運転操作を要さず、車両10の旋回(又は操舵)については運転者の運転操作を要する自動運転としてのACCについて説明した(
図2)。換言すると、上記実施形態のACCは、運転者の運転操作を補助する自動運転であった。
【0098】
しかしながら、例えば、制限外積載標示物Mが認識されない場合よりも、標示物Mが認識された場合の目標車間パラメータPtarを大きくする観点からすれば、これに限らない。例えば、車両10の加速、減速のみならず、車両10の旋回についても自動で行う自動運転に本発明を適用することも可能である。換言すると、運転者の運転操作を要さずに走行可能な自動運転に本発明を適用することが可能である。
【0099】
上記実施形態では、車外カメラ50が取得した画像情報Iimageとレーダ52が取得したレーダ情報Iraderとを用いて前方車両302の有無(前方車両302の位置を含む。)を判定した(
図2のS11、S15)。しかしながら、別の方法により、前方車両302の有無を判定することも可能である。例えば、レーダ情報Iraderを用いずに、単一の又は複数のカメラ50からの画像情報Iimageを用いて前方車両302の有無を判定してもよい。
【0100】
上記実施形態では、ACCスイッチ110を用いてACCの目標車速Vtarを設定した。例えば、ACC(又は間隔制御)において、制限外積載標示物Mが認識されない場合よりも、標示物Mが認識された場合の目標車間パラメータPtarを大きくする観点からすれば、これに限らない。例えば、目標車速Vtarは、自車10の現在位置に対応して地図データベース(自車10又は外部サーバに設けられたもの)から読み出した車速(法定制限速度等)とすることも可能である。或いは、ECU34は、前方車両302と自車10との間隔に基づいて目標車速Vtarを設定することも可能である。
【0101】
上記実施形態では、車間パラメータPとして、距離D[m]及びTTC[sec]を選択的に用いた(
図2のS14〜S16、
図4)。しかしながら、例えば、ACC(又は間隔制御)において、制限外積載標示物Mが認識されない場合よりも、標示物Mが認識された場合の目標車間パラメータPtarを大きくする観点からすれば、これに限らない。例えば、距離D及びTTCの一方のみを用いてもよい。
【0102】
[B−3−2.目標車間パラメータ設定処理(
図2のS14、
図4)]
上記実施形態では、制限外積載標示物Mがある場合(
図4のS25:偽)、通常の目標車間パラメータPtarに追加分を加えた値を目標車間パラメータPtarとした(S27)。しかしながら、例えば、標示物Mが認識されない場合よりも、標示物Mが認識された場合の目標車間パラメータPtarを大きくする観点からすれば、これに限らない。例えば、標示物Mが認識されない場合の目標車間パラメータPtarのマップと、標示物Mが認識された場合の目標車間パラメータPtarのマップをそれぞれ記憶部154に記憶しておき、標示物Mの有無に応じてマップをきりかえることも可能である。
【0103】
[B−3−3.制限外積載標示物判定処理(
図4のS24、
図5)]
上記実施形態では、車速Vにかかわらず、制限外積載標示物判定処理を行った(
図4のS21〜S24参照)。しかしながら、例えば、自車10の停止時又は低速走行時に焦点を当てれば、車速Vが第3車速閾値THv3以下であるときにのみ標示物判定処理を行うことも可能である。第3車速閾値THv3は、自車10の停止時又は低速走行時を判定する閾値(例えば0〜10km/hのいずれかの値)である。
【0104】
上記実施形態では、前方画像Ff全体のいずれかに存在する赤色部分として、制限外積載標示物Mの候補Mcを探索した(
図5のS32)。しかしながら、例えば、制限外積載標示物Mを認識又は抽出する観点からすれば、これに限らない。
【0105】
例えば、赤色部分に加え又はこれに代えて、別の色の部分(例えば緑色又は紫色)として候補Mcを探索することが可能である。或いは、制限外積載標示物Mが示し得る形状パターン(
図5のS35参照)又は面積の範囲を用いて候補Mcを探索してもよい。ここにいう面積の範囲は、例えば、前方画像Ffにおける前方車両302全体が占める面積(ドット数を含む。)に対して候補Mcが占める割合として設定可能である。但し、遠近法の関係で、制限外積載標示物Mは、前方画像Ff上では、前方画像Ffの背面の面積に対する実際の割合よりも大きくなることを踏まえて面積の範囲を設定する必要がある。
【0106】
上記実施形態では、前方画像Ff全体のいずれかに存在する赤色部分を制限外積載標示物M(例えば赤い布312)の候補Mcとして設定した(
図5のS32)。しかしながら、例えば、前方画像Ffから制限外積載標示物Mを認識又は抽出する観点からすれば、これに限らない。例えば、赤色部分の有無に加え又はこれに代えて、第1〜第4確定条件(
図5のS33〜S36)を探索時(S32)に判定してもよい。
【0107】
上記実施形態では、4つの確定条件(すなわち第1〜第4確定条件)を用いて、候補Mcが制限外積載標示物Mであるとの判定を確定した(
図5のS33〜S36)。しかしながら、例えば、候補Mcが制限外積載標示物Mであるとの判定を確定する観点からすれば、これに限らない。例えば、第1〜第4確定条件(
図5のS33〜S36)の1つ又は複数を省略してもよい。
【0108】
或いは、第1〜第4確定条件に加え又はこれらの一部又は全部に代えて、別の確定条件を用いることも可能である。当該別の確定条件としては、例えば、候補Mcの高さHmc[m]が高さ閾値THhmc以上でないことを用いることができる。これにより、当該別の確定条件を満たさない候補Mcは、自車10の前後方向ではなく、高さ方向に延びていると判定できるため、標示物Mから除外することができる。なお、ここにいう高さHmcは、前方画像Ffから認識される候補Mcに対応する領域の高さとして定義される。
【0109】
<B−4.その他>
上記実施形態では、
図2、
図4及び
図5に示す順番で各ステップを実行した。しかしながら、例えば、各ステップの目的を実現可能な範囲であれば(換言すると、本発明の効果を得られる場合)、各ステップの順番は入れ替えることが可能である。例えば、
図4のステップS24をステップS21よりも前に又は並行して実行することが可能である。また、
図5のステップS32をステップS31よりも前に又は並行して実行してもよい。
【0110】
上記実施形態では、数値の比較において等号を含む場合と含まない場合とが存在した(
図4のS21等)。しかしながら、例えば、等号を含む又は等号を外す特別な意味がなければ(換言すると、本発明の効果を得られる場合)、数値の比較において等号を含ませるか或いは含ませないかは任意に設定可能である。
【0111】
その意味において、例えば、
図4のステップS21における検出車速Vdetが第1車速閾値THv1以下であるか否かの判定(Vdet≦THv1)を、検出車速Vdetが第1車速閾値THv1未満であるか否かの判定(Vdet<THv1)に置き換えることができる。