特許第6619785号(P6619785)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6619785
(24)【登録日】2019年11月22日
(45)【発行日】2019年12月11日
(54)【発明の名称】光学的表示装置の積層体を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13 20060101AFI20191202BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20191202BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20191202BHJP
   B29C 63/02 20060101ALI20191202BHJP
【FI】
   G02F1/13 101
   G02F1/1335 510
   G02B5/30
   B29C63/02
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-187929(P2017-187929)
(22)【出願日】2017年9月28日
(65)【公開番号】特開2019-61211(P2019-61211A)
(43)【公開日】2019年4月18日
【審査請求日】2019年5月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000316
【氏名又は名称】特許業務法人ピー・エス・ディ
(72)【発明者】
【氏名】田村 宜之
(72)【発明者】
【氏名】矢野 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】秋山 孝二
(72)【発明者】
【氏名】藤原 誓大
【審査官】 岩村 貴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−006699(JP,A)
【文献】 特開2014−167548(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0190995(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13
B29C 63/02
G02B 5/30
G02F 1/1335
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長辺の一辺側に端子部を形成した長方形の液晶パネルの一方面に対して、
c≦a+d−b・・・・(1)、かつ、
y=b+d−a>0・・(2)
但し、
a:短辺を先端に搬送される液晶パネルの長辺の一端から搬送方向の液晶パネル中心線までの距離 または 短辺を先端に搬送されるときの液晶パネルの短辺幅の1/2の長さ、
b:短辺を先端に送られるときの第1の光学フィルムシートの長辺の一端から送り方向の第1の光学フィルムシート中心線までの距離 または 短辺を先端に送られるときの第1の光学フィルムシートの幅の1/2の長さ、
c:液晶パネルの長辺の一辺側に形成される端子部の搬送方向に対する幅、
d:液晶パネルの端子部に第1の光学フィルムシートが被されない貼付位置にするときの第1の光学フィルムシート中心線から液晶パネル中心線までの乖離量、および、
y:液晶パネルの長辺の他辺側からハミ出す第1の光学フィルムシートのハミ出し量、
からなる関係式で示される第1の関連位置情報に基づいて、
前記第1の光学フィルムシートが粘着剤層によって連続ウェブのキャリアフィルム上に連続的に支持された状態で構成された連続ウェブの第1の光学フィルム積層体が繰り出され、前記第1の光学フィルムシートは、連続ウェブの前記キャリアフィルムから前記粘着剤層と共に剥離されて第1の貼付位置に送られ、前記第1の貼付位置に搬送される液晶パネルの他方面第2の光学フィルムシートが前記他方面からハミ出すことなく前記液晶パネルのアライメントマークに重ならないように予め貼り合わされた状態で構成された前記液晶パネルの一方面に、前記液晶パネルの長辺の一辺側に形成された端子部に被さらないように、かつ、前記液晶パネルの長辺の一辺側を除く他辺側からはみ出すように、さらには前記第1の光学フィルムシートと前記第2の光学フィルムシートは共に偏光フィルムで形成されており、それらの吸収軸が互いにクロスニコルの関係になるように、貼り合わされる光学的表示装置の積層体を製造することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記液晶パネルの一方面に対して、さらに、
Φ=a+d−b−c≦5mm・・・(3)
但し、Φ:前記第1の光学フィルムシートが前記端子部に被されないように前記液晶パネルに貼り合わされるときの前記第1の光学フィルムシートと前記端子部との隙間、
の関係式で表される第2の関連位置情報に基づいて、
前記第1の光学フィルムシートが粘着剤層によって連続ウェブのキャリアフィルム上に連続的に支持された状態で構成された連続ウェブの第1の光学フィルム積層体が繰り出され、前記第1の光学フィルムシートは、連続ウェブの前記キャリアフィルムから前記粘着剤層と共に剥離されて第1の貼付位置に送られ、前記第1の貼付位置に搬送される前記液晶パネルの他方面からハミ出さないように第2の光学フィルムシートを貼り合わせた状態で構成された前記液晶パネルの一方面に、前記液晶パネルの長辺の一辺側に形成された前記端子部に被さらないように、かつ、前記液晶パネルの長辺の1辺側を除く他辺側からはみ出すように貼り合わされる光学的表示装置の積層体を製造することを特徴とする請求項1に記載の方法である。
【請求項3】
前記液晶パネルの他方面からはみ出さない幅または長さを有する第2の光学フィルムシートが粘着剤層によって連続ウェブのキャリアフィルム上に連続的支持された状態で構成された連続ウェブの第2の光学フィルム積層体が繰り出され、前記第2の光学フィルムシートは、連続ウェブの前記キャリアフィルムから粘着剤層と共に剥離され、第2の貼付位置に送られ、前記第2の貼付位置に搬送される前記液晶パネルの他方面からハミ出さないように予め貼り合わされることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記液晶パネルの一方面は視認側になるCF側の面であり、前記液晶パネルの他方面は非視認側になるTFT側の面であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記液晶パネルは、一方面側の部材と他方面側の部材とから構成されており、前記他方面側の部材は、長辺の一辺側に前記一方面側の部材の対応する長辺から突出する突出部を含み、前記突出部の前記一方面側に端子部が形成されることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記液晶パネルの他方面からハミ出さないように第2の光学フィルムシートを貼り合わせた状態で構成された前記液晶パネルは、前記第1の貼付位置に送られる前に前記液晶パネルの長辺に搬送方向の側方から位置調整手段を当接させて前記液晶パネルを平行移動させた位置に調整することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的表示装置の積層体を製造する方法に関する。より具体的には、本発明は、長方形の液晶パネルの両面に、吸収軸がクロスニコルの関係になるように、偏光フィルムを含む光学フィルムシートを積層することによって光学的表示装置の積層体を製造する方法であって、液晶パネルの他方面に液晶パネルの幅または長さに対応した幅または長さを有する偏光フィルムを含む光学フィルムシートが予め積層された液晶パネルの一方面に、偏光フィルムを含む光学フィルムシートを液晶パネルの長辺の一辺側を除く他辺側からハミ出すように積層した積層体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学的表示装置の製造現場において、ロール・トゥ・パネル(RTP)方式の製造方法が採用されている(例えば、特許文献1)。RTP方式においては、通常、以下のようにして光学的表示装置が製造される。まず、所定幅を有する光学フィルム積層体がロールから繰り出される。光学フィルム積層体は、キャリアフィルムと、キャリアフィルムの一方の面に形成された粘着剤層と、粘着剤層を介してキャリアフィルム上に支持された偏光フィルムを含む光学フィルムから構成されている。光学フィルムは、単層のものであっても複層のものであってもよい。繰り出された光学フィルム積層体には、通常、幅方向に連続的に切込線が入れられることにより、隣接する切込線の間に偏光フィルムを含む光学フィルムシートが形成される。
【0003】
キャリアフィルム上に連続的に支持された偏光フィルムを含む光学フィルムシートは、貼合位置の近くに配置された剥離手段によってキャリアフィルムから粘着剤層と共に剥離され、貼合位置に送られる。剥離手段においては、光学フィルム積層体のキャリアフィルム側が、貼合位置に対向する頂部を有する略楔型の剥離手段の頂部に巻きかけられる。光学フィルムシートは、剥離手段に巻きかけられたキャリアフィルムを、貼合位置に向かう光学フィルムの搬送方向とは概ね反対方向に折り返しながら搬送することにより、キャリアフィルムから粘着剤層と共に剥離される。貼合位置に到達した光学フィルムシートは、一対の貼合ローラを有する貼合手段によって、搬送路に沿って別途貼合位置に搬送されたパネルの対応する貼合面と貼り合わされる。それが液晶パネルの場合には、液晶パネルの両面に、偏光フィルムを含む光学フィルムシートを、吸収軸がクロスニコルの関係になるように、順次積層した光学的表示装置の積層体が製造される。
【0004】
一方、近年、光学的表示装置においては、小型化、薄型化及び軽量化が一層進み、それに伴い、液晶表示領域を囲む枠部分の狭小化すなわち狭額縁化のみならず無額縁化が要請されている。こうした要請に応えるための方法として、例えば、特許文献2に記載されているように、最初に液晶パネルより大きな光学フィルムシートを液晶パネルの一方面に貼り合わせ、液晶パネルの一方面の端部からはみ出した光学フィルムシートの余剰部分を液晶パネルの端部に沿って切り離し、それにより、一方面に光学フィルムシートが貼り合わされた液晶パネルを形成する。次に、一方面に光学フィルムシートが貼り合わされた液晶パネルは、他方面に液晶パネルより大きな光学フィルムシートを貼り合わせ、液晶パネルの他方面の端部からはみ出した光学フィルムシートの余剰部分を液晶パネルの端部に沿って切り離し、それにより、液晶表示領域を狭額縁化する光学的表示装置の積層体製造技術が提案されている。
【0005】
特許文献2においては、余剰部分を切り離す工程は一連の製造装置内で行われる。具体的には、製造装置内で液晶パネルの両面に順次貼り合わされる光学フィルムシートの余剰部分は、その度毎に、液晶パネルの両面の4辺の全てからはみ出した状態で積層され、製造装置からの成果品として得られる光学的表示装置は、液晶パネルの両面から4辺の全ての余剰部分が液晶パネルの両面の端部に沿って切り離され、光学フィルムシートが貼合面に対応する大きさとなった積層体である。
【0006】
また特許文献3または特許文献4においては、液晶パネルの一方面にのみ光学フィルムシートをはみ出して貼り合わせ、液晶パネルの他方面には光学フィルムシートをはみ出さないで貼り合わす生産システムが提案されている。これらは、液晶パネルの一方面にのみはみ出して貼り合わされた余剰部分は、特許文献2の場合と同様に、一連の生産システムの切り離す工程によって行われる。
【0007】
具体的には、液晶パネルの一方面に貼り合わされる光学フィルムシートの余剰部分は、液晶パネルの4辺の全てからはみ出した状態で積層されており、生産システムから成果品として得られる光学的表示装置は、液晶パネルの一方面に貼り合わされる光学フィルムシートの余剰部分が液晶パネルの端部に沿って切り離される一方、液晶パネルの他方面に貼り合わされる光学フィルムシートは、はみ出さないで貼り合わされているので、液晶パネルの両面の光学フィルムシートの各々は、液晶パネルの貼合面に対応する大きさであり、特許文献2の場合と同様の積層体になる。
【0008】
光学的表示装置の積層体は、液晶パネルの両面に積層される光学フィルムシートの偏光フィルムの吸収軸がクロスニコルの関係になるように、基準線(アライメントマーク)に沿って貼り合せるのは、光学的表示装置の光のシャッター機能のためである。光学フィルムシートの偏光フィルムはまた、表示領域を含み、液晶パネル内部のブラックマトリックス上またはブラックマトリックスを超える領域の大きさを有する。
【0009】
光学的表示装置の積層体構造は、図4の概略図から明らかなように、少なくとも液晶の両面にカラーフィルタを介在させたガラス基板を含む液晶パネルの一方面51の視認側になるCF側の部材と、配光膜及び透明電極を介在させたガラス基板を含む液晶パネルの他方面52の非視認側になるTFT側の部材からなる。通常、液晶パネルの他方面52の長辺のうちの1辺は、透明電極を内蔵させた端子部50を、液晶パネルの一方面の対応する1辺より突出させた突出部の一方面側に設けた構造になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第4377964号公報
【特許文献2】特開2014−228563号公報
【特許文献3】特開2013−137538号公報
【特許文献4】特開2014−224911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
光学的表示装置の無額縁化は、RTP方式の製造方法において、液晶パネルの端部から光学フィルムシートをはみ出させた状態で液晶パネルと光学フィルムシートとを貼り合わせた後に光学フィルムシートが端部からはみ出した余剰部分を液晶パネルの端部に沿って切り離すことによって、達成される。しかしながら、特許文献2から4に提案されているように、一連の製造ライン中で液晶パネルの端部からはみ出して貼り合わせた後に周縁の余剰部分を切り離す場合に、余剰部分を全て精密に切り離すのに時間を要するため、生産性が著しく低下する。
【0012】
そこで、パネルメーカのように液晶パネルの製造工程を有する顧客によっては、どのように周縁の余剰部分を切り離すのか、具体的には、液晶パネルの端部に沿って切り離すのか、数ミリのはみ出し代を設けて切り離すのかなどの自由度を求め、周縁の余剰部分の切り離し加工は、顧客自らが別工程で行いたいという要望がある。そうした要望に対応し、液晶パネルの一方面の視認側に対して光学フィルムシートをはみ出して大きく貼り合わせた液晶パネルの周縁の余剰部分を切り離すことなく、光学フィルムの余剰部分を残して光学的表示装置の積層体を提供することが求められている。
【0013】
ところが、RTP方式において、一連の製造ライン中で液晶パネルの周縁の余剰部分を切り離すことなく光学フィルムシートの余剰部分を残して積層体を提供しようとすると、液晶パネルと光学フィルムシートとを、液晶パネルの両面の4辺からはみ出させた状態で液晶パネルと光学フィルムとを貼り合わせた後には、偏光フィルムを含む光学フィルムシートであるときに、偏光フィルムの吸収軸がクロスニコルの関係になるため、液晶パネルの表示領域の基準点となるアライメントマークを確認することが困難になる。そのため、液晶パネルと偏光フィルムを含む光学フィルムシートの位置合わせが難しくなる。
【0014】
特許文献2から4に記載されているRTP方式の製造装置および製造方法は全て、製造工程中または生産システム中において、液晶パネルからはみ出して貼り合わされて光学フィルムシートの余剰部分の全てを切り離し、そこから製造された製品として得られる光学的表示装置は、説明するまでもなく、光学フィルムシートのはみ出し部分のない積層体からなるものであり、上記した顧客の要望に対応させた積層体にするものではない。
【0015】
また特許文献3および4に開示された実施形態は、いずれも、液晶パネルの非視認側になるTFT側に4辺からはみ出して光学フィルムシートを貼り合わせた後に視認側になるCF側に光学フィルムシートをはみ出させないで貼り合わせる構成のものしか開示されていない。特許文献3および4においては、液晶パネルの非視認側になるTFT側に光学フィルムシートをはみ出させないで貼り合わせた後に、液晶パネルの視認側になるCF側に光学フィルムシートをはみ出して貼り合わせる構成の積層体は開示されていない。しかもそれは、上記した顧客の要望に対応する光学的表示装置の積層体ではない。
【0016】
さらなる技術的課題は、たとえ液晶パネルの視認側になるCF側に光学フィルムシートをはみ出させ、その余剰部分が光学的表示装置の積層体の4辺全てであるときは、顧客自らが別工程で周縁の余剰部分の切り離し加工を行い際に、液晶パネルの非視認側の対応する1辺より突出させた突出部の視認側に設けた透明電極を内蔵させた端子部50を傷つける危険を拭い去ることもできない。本発明は、こうした技術的課題にも挑戦して実現させたものである。


【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の課題は、液晶パネルの非視認側になるTFT側の面に液晶パネルの幅または長さに対応した幅または長さを有する光学フィルムシートが貼り合わされた液晶パネルの視認側になるCF側の面に、光学フィルムシートが液晶パネルの長辺の一辺側の端子部に被さらないように、かつ、液晶パネルの長辺の一辺側を除く他辺側からハミ出すように貼り合わすことによって、解決することができる。
【0018】
このような光学的表示装置の積層体であれば、液晶パネルからはみ出して積層された光学フィルムシートの余剰部を切り離す工程は、光学的表示装置の積層体を製造する方法とは別に適宜実施することができるので、生産性は大幅に向上する。
【0019】
また、本発明の方法によると、液晶パネルの非視認側になるTFT側の面の光学フィルムシートと視認側になるCF側の面の光学フィルムシートとが共に偏光フィルムから構成されているので、それらが重なる箇所でのみクロスニコルの関係になる。
【0020】
したがって、非視認側になるTFT側の面の光学フィルムシートの外周においては視認側になるCF側の面の光学フィルムシートを透過して液晶パネルのアライメントマークや液晶パネルのエッジなどを容易に読み取ることもできるので、余剰部分の正確な切り離し工程を実現することができる。
【0021】
さらに、光学的表示装置を組み立てたときに視認側になるCF側の面に、光学フィルムシートを液晶パネルの長辺の一辺側を除く他辺側からハミ出すように積層することになるので、視認側を無額縁化することも可能になる。
【0022】
本発明は、例えば図3に示される第1の貼合装置100を用い、光学的表示装置の積層体6を製造する方法を提供する。
図1に示されるように、ここで、本発明を実現する装置1の全体を概略説明する。装置1は、上流工程から第2の貼合装置200の位置合わせ手段81に吸着固定された液晶パネル5が搬送路30に沿って搬送されてくる本発明の前処理工程を行う第2の貼合装置200と、前処理工程を終えた液晶パネル5の他方面52に予め第2の光学フィルムシート20が貼り合わされ(図2)、反転旋回部300で反転旋回された液晶パネル5が搬送路30に沿って搬送され、その行程中に位置合わせ手段80に吸着固定されて搬送される液晶パネル5の一方面51に第1の光学フィルムシート10が貼り合され(図2)、光学的表示装置の積層体6を製造する第1の貼合装置100と、からなる。それは、図3の拡大された模式図に示される。また製造された積層体6はさらに、検査工程などの下流工程に送られる。
【0023】
本発明は、図2に示される長辺の一辺側に端子部50が形成された長方形の液晶パネル5の一方面51に、図3に示されるように、第1の光学フィルムシート10が粘着剤層によって連続ウェブの第1のキャリアフィルム2に連続的に支持された状態で構成された連続ウェブの第1の光学フィルム積層体がロールR1から繰り出され、第1の光学フィルムシート10は、剥離手段60を介してロールR2に巻き取られる連続ウェブの第1のキャリアフィルム2から粘着剤層と共に剥離され、第1の貼付位置101に送られる。そこで、剥離された第1の光学フィルムシート10は、第1の貼付位置101に別途搬送路30に沿って搬送される液晶パネル5の他方面52からハミ出さないように第2の光学フィルムシート20を予め貼り合わせた状態で構成された液晶パネル5の一方面51に、液晶パネル5の長辺の一辺側に形成された端子部50に被さらないように、かつ、液晶パネル5の長辺の一辺側を除く他辺側からはハミ出すように貼り合わされる。
本発明は、それにより光学的表示装置の積層体6を製造する方法である。
【0024】
なお、第1の貼付位置101に別途搬送路に沿って搬送される液晶パネル5の他方面52からハミ出さないように第2の光学フィルムシート20を予め貼り合わせた状態で構成された液晶パネル5は、図1に示される第2の貼合装置200において、以下の方法に基づいて前処理される。それは、液晶パネル5の他方面52の幅または長さに対応した幅または長さを有する第2の光学フィルムシート20が第2のキャリアフィルム3の上に粘着剤層を介して連続的支持された状態で構成された連続ウェブの第2の光学フィルム積層体をロールR3から繰り出し、第2の光学フィルムシート20を、剥離手段61を介してロールR4に巻き取ることによって連続ウェブの第2のキャリアフィルム3から粘着剤層と共に剥離し、第2の貼付位置201に送り、第2の貼付位置201に搬送路30に沿って別途搬送される液晶パネル5の他方面52に該他方面52からハミ出すことがないように予め貼り合わせる工程からなる。
【0025】
本発明の一態様は、図4の説明図に示されるように、長辺の一辺側に端子部50を形成した長方形の液晶パネル5の一方面51に対して、
c≦a+d−b・・・・(1)、かつ、
y=b+d−a>0・・(2)、
但し、
a:短辺を先端に搬送される液晶パネル5の長辺の一端から搬送方向の液晶パネル5の中心線500までの距離かまたは短辺を先端に搬送されるときの液晶パネル5の短辺幅の1/2の長さ、
b:短辺を先端に送られるときの第1の光学フィルムシート10の長辺の一端から送り方向の第1の光学フィルムシート10の中心線600までの距離かまたは短辺を先端に送られるときの第1の光学フィルムシート10の幅の1/2の長さ、
c:液晶パネル5の長辺の一辺側に形成される端子部50の搬送方向に対する幅間隔、
d:液晶パネル5の端子部50に第1の光学フィルムシート10が被されない貼付位置100にするときの第1の光学フィルムシート10の中心線600からの乖離量、および、
y:液晶パネル5の長辺の他辺側からハミ出す第1の光学フィルムシート10のハミ出し量、
からなる関係式で示される第1の関連位置情報55に基づいて、
第1の光学フィルムシート10が粘着剤層によって連続ウェブのキャリアフィルム2に連続的に支持された状態で構成された連続ウェブの第1の光学フィルム積層体がロールR1から繰り出され、第1の光学フィルムシート10は、連続ウェブのキャリアフィルム2から粘着剤層と共に剥離され、第1の貼付位置101に送られ、第1の貼付位置101に搬送される液晶パネル5の他方面52からハミ出さないように第2の光学フィルムシートを貼り合わせた状態で構成された液晶パネル5の一方面51に、長辺の一辺側に形成された端子部50に被さらないように、かつ、長辺の1辺側を除く他辺側からはみ出すように貼り付けて光学的表示装置の積層体を製造する方法である。
【0026】
本発明の一実施態様として、それはさらに、図4の説明図に示される液晶パネル5の一方面51に対して、
Φ=a+d−b−c≦5mm・・・(3)
但し、Φ:第1の光学フィルムシート10が端子部50に被されないように液晶パネル5に貼り合わされるときの第1の光学フィルムシート10と端子部50との隙間、
の関係式で表される第2の関連位置情報56に基づいて、
第1の光学フィルムシート10が粘着剤層によって連続ウェブのキャリアフィルム2に連続的に支持された状態で構成された連続ウェブの第1の光学フィルム積層体がロールR1から繰り出され、第1の光学フィルムシート10は、連続ウェブのキャリアフィルム2から粘着剤層と共に剥離されて第1の貼付位置101に送られ、第1の貼付位置101に搬送される液晶パネル5の他方面52からハミ出さないように第2の光学フィルムシートを貼り合わせた状態で構成された液晶パネル5の一方面51に、長辺の一辺側に形成された端子部50に被さらないように、かつ、長辺の1辺側を除く他辺側からはみ出すように貼り付けて光学的表示装置の積層体を製造する方法を含む。
【0027】
本発明の一実施態様として、それはまた、液晶パネル5の他方面52の幅または長さに対応した幅または長さを有する第2の光学フィルムシート20が第2のキャリアフィルム3の上に粘着剤層を介して連続的支持された状態で構成された連続ウェブの第2の光学フィルム積層体をロールR3から繰り出し、それにより、第2の光学フィルムシート20を、連続ウェブの第2のキャリアフィルム3から粘着剤層と共に剥離し、第2の貼付位置201に送り、第2の貼付位置201に搬送路30に沿って別途搬送される液晶パネル5の他方面52に、該他方面52からハミ出すことがないように、予め貼り合わせておくことができる。


【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の液晶パネルの他方面に第2の光学フィルムシートをはみ出さないように貼り合わせる前処理工程を含む第2の貼合装置と、液晶パネルの他方面からハミ出さないように第2の光学フィルムシート20を貼り合わせた状態で構成された液晶パネルの一方面に、第1の光学フィルムシートが液晶パネルの端子部に被さらないように、かつ、液晶パネルの長辺の一辺側を除く他辺側からハミ出すように貼り合わせる本工程を含む第1の貼合装置と、からなる本発明の光学的表示装置の積層体を製造する方法に用いる装置全体を側面からみた模式図である。
図2】本発明の光学的表示装置の積層体を構成する液晶パネルの構造を表す模式図である。
図3図1の第1の貼合装置の拡大模式図である。
図4】本発明の光学的表示装置の積層体を製造する方法を実現する液晶パネルの中心線と第1の光学フィルムシートの中心線との関係を示す説明図である。
図5】本発明の光学的表示装置の積層体を製造する方法を実現する一実施態様を表す工程図の模式図である。
図6図5の工程図を表すフロー図である。
図7】液晶パネルの一方面と、該一方面が位置合わせされたときの第1の光学フィルムシートとのズレ量δと、第1の光学フィルムシートの液晶パネルの長辺の一辺側を除く他辺側からのハミ出し量yとを表す説明図である。
図8】液晶パネルの一方面に位置合わせされる第1の光学フィルムシートが液晶パネルの端子部に被さらないように、かつ、液晶パネルの長辺の一辺側を除く他辺側からハミ出すように貼り合わされた状態を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、その一態様として、工程は一部重複するが図5の工程(a)〜(g)に示され、それに対応する図6のフロー図(i)〜(viii)の動作に示される。それは、例えば、
工程(a)〜(e)を含む液晶パネル5の中心線500を液晶パネル5の搬送路30の中心線600に一致するように調整する位置調整工程Aと、
工程(e)を含む第1の光学フィルムシート10の位置検出工程Bと、
工程(f)および(g)を含む、液晶パネル5の中心線500と第1の光学フィルム積層体がロールR1から繰り出される第1のキャリアフィルム2に支持された第1の光学フィルムシート10の中心線700との位置調整後に、液晶パネル5の一方面51に、第1の光学フィルムシート10を貼り合せる第1の貼合工程Cと、
を含むことができる。
【0030】
工程(a)〜(e)を含む位置調整工程Aは、液晶パネル5が第1の貼付位置101に搬送路30の中心線600からズレた状態で搬送されてくることが想定される。工程(b)および(c)はフロー図(i)の動作に対応しており、ズレた状態で搬送されてくる液晶パネル5を一旦停止し、例えば、図3に示される位置調整手段70を作動し、液晶パネルの周りから押し付けて液晶パネル5の中心線500を搬送路30の中心線600に一致する仮基準位置αに位置修正するように調整する。
【0031】
工程(d)は同じく(ii)の動作に対応しており、ここで、位置調整手段70の動作を解除し、位置調整された液晶パネル5は、例えば、図3に示される位置合わせ手段80によって吸着固定される。図5において、仮基準位置αは液晶パネル5の中心線500を搬送路30の中心線600に一致させた修正位置である。
【0032】
工程(e)は同じく(iii)の動作に対応しており、図3に示されるパネル検出手段150が液晶パネル5のアライメントマークなどの基準点53を読取り、パネル検出手段150に予め設定された第1基準情報54と対比させ、仮基準位置αの液晶パネル5を基準位置βに再調整する。工程(e)はまた、同じく(iv)の動作にも対応しており、基準位置βに再調整された液晶パネル5を関連させ、図3に示される第1の貼付位置101において、図4に示される位置合わせするように、例えばシート検出手段90により第1の光学フィルムシート10の位置が検出される。
【0033】
それに関連させる工程(e)からなる位置検出工程Bはさらに、おなじく(v)および(vi)の動作に、すなわち制御装置550の動作に、対応しており、図7の説明図に示されるように、(v)の動作は、シート検出手段90によって検出された第1の光学フィルムシート10の位置と基準位置βに再調整された液晶パネル5の位置とのズレ量δを演算し、(vi)の動作は、図8の説明図に示されたように、ズレ量δに液晶パネル5の長辺の一辺側の端子部50に被さらないように、かつ、液晶パネル5の長辺の一辺側を除く他辺側からハミ出すように調整した第1の光学フィルムシート10の調整量y1を加算し、第1関連位置情報55を算出する。
【0034】
本発明の図5の工程(a)〜(e)を実施する位置、具体的には、工程(b)および(c)の仮基準位置αと工程(d)および(e)の基準位置βとは、図3に示されるように、パネル検出手段150が設置された左端位置に対応する。
上流側から工程(a)に搬送路30の中心線600からズレ量δだけズレた状態で搬送されてきた液晶パネル5に対して、最初にフロー図(i)に示された動作として、位置調整手段70によってズレ量δを修正し、仮基準位置αにする位置調整が行われる。
【0035】
仮基準位置αに位置調整された液晶パネル5は、次のように基準位置βに位置付けられる。工程(d)および(e)の位置で、同じく(ii)の動作として、液晶パネル5は位置合わせ手段80によって吸着固定される。同じく(iii)の動作として、パネル検出手段150の内に予め設定された第1基準情報54に突き合わせることによって吸着固定された状態の液晶パネル5を基準位置βに精緻な再調整がなされる。同じく(iv)の動作として、シート検出手段90によって第1の光学フィルムシート10が検出される。同じく(v)および(vi)の動作として、検出された第1の光学フィルムシート10の位置に基準位置βに再調整された液晶パネル5を、図4に示されるように、位置合わせする位置情報が、制御装置550において、第1の関連位置情報55として算出される。
【0036】
これに関連付ける工程(f)および(g)を含む貼合工程Cは、フロー図(vii)および(viii)に示された動作に対応しており、工程(f)に対応する(vii)の動作はどの位置で実施されるかは、適宜選択される。例えば、それは基準位置βで行うことができる。それはまた第1の貼付位置101で行うこともできる。あるいは、それはこれら両位置の間に位置する貼付調整位置γで行うことも可能である。工程(f)は、ここでは、貼付調整位置γにおいて実施されることを想定する。そうすると、工程(f)は、最初にフロー図(vii)に示された動作として、基準位置βに再調整された液晶パネル5を貼付調整位置γに搬送する。次に、液晶パネル5は、貼付調整位置γにおいて、制御装置550によって算出された第1の関連位置情報55に基づき、液晶パネル5の中心線500を第1の光学フィルムシート10の中心線700から、該中心線700からの調整量y1だけ平行移動するように、第1の光学フィルムシート10に対して貼付調整される。さらに、このように貼付調整された液晶パネル5は第1の貼付位置101に搬送される。
【0037】
最終工程(g)は、同じく(viii)の動作として、第1の貼付位置101において、図3に示されるように、貼付調整された液晶パネル5に対して、第1のキャリアフィルム2から剥離された第1の光学フィルムシート10は、液晶パネル5の長辺の一方側に形成された端子部50に被さらないように、かつ、液晶パネル5の長辺の一辺側を除く他辺側からハミ出すように、貼り合わされる。
【0038】
工程(f)は、フロー図(vii)に示された動作として、第1の関連位置情報55に基づいて第1の光学フィルムシート10に対して液晶パネル5を貼付調整することであり、それをどこで行うことができるかは、既に指摘したように、基準位置βで予め行うことも、また第1の貼付位置101で行うこともできる。したがって、工程(a)〜(g)で構成された光学的表示装置の積層体6を製造する方法においては、液晶パネル5を、貼付調整位置γを経由させることなく、基準位置βで、または、第1の貼付位置101で第1の関連位置情報55による液晶パネル5の調整と同時に貼り付けることもできることはいうまでもない。
【0039】
ところで、液晶パネル5と第1の光学フィルムシート10との相対的関係は
c≦a+d−b・・・・(1)、かつ、
y=b+d−a>0・・(2)、
で表される。これが制御装置550において算出される第1の関連位置情報55である。
このときのa、b、c、d、yの各々は、以下のように定義される。
a:短辺を先端に搬送される液晶パネル5の長辺の一端から搬送方向の液晶パネル5の中心線500までの距離かまたは短辺を先端に搬送されるときの液晶パネル5の短辺幅の1/2の長さ、
b:短辺を先端に送られるときの第1の光学フィルムシート10の長辺の一端から送り方向の第1の光学フィルムシート10の中心線600までの距離かまたは短辺を先端に送られるときの第1の光学フィルムシート10の幅の1/2の長さ、
c:液晶パネル5の長辺の一辺側に形成される端子部50の搬送方向に対する幅間隔、
d:液晶パネル5の端子部50に第1の光学フィルムシート10が被されない貼付位置100にするときの第1の光学フィルムシート10の中心線600からの乖離量、
y:液晶パネル5の長辺の他辺側からハミ出す第1の光学フィルムシート10のハミ出し量である。
【0040】
さらにまた、制御装置550において算出される第2の関連位置情報56は、
図4の説明図に示されるように、液晶パネル5の一方面51と第1の光学フィルムシート10との関係が
Φ=a+d−b−c≦5mm・・・(3)
の関係式で表される。この隙間Φは、第1の光学フィルムシート10が端子部50に被されないように液晶パネル5に貼り合わされるときに、若干余裕を持たせた貼り合わせを可能とするためのものである。ところが端子部50の幅cが(a+d−b)に対し小さすぎると、この隙間Φが大きくなり過ぎて製品として実施できなくなるので、より好ましくはc≦3.5mmである。
【0041】
したがって、第1の光学フィルムシート10の幅2bと液晶パネル5の幅2aが同じであるときは、端子部50の幅は、液晶パネル5の第1の光学フィルムシート10の中心線600からの乖離量dに等しいことになる。なお、図4に示されるように、第1の光学フィルムシート10の幅2bが液晶パネル5の幅2aより大きめである場合には、図8に示されるように、調整しないときにもハミ出し量y0の状態であり、それに端子部50に被さらないように調整する調整量y1を加算させた状態で、第1の光学フィルムシートの全ハミ出し量yが確定されることになる。逆に第1の光学フィルムシート10の幅2bを液晶パネル5の幅2aより狭くすることはできるが、その限界は、乖離量dすなわち調整量y1がd(y1)=0になると、液晶パネル5の一方面51に、長辺の1辺側を除く他辺側からはみ出すように貼り付けて光学的表示装置の積層体を製造することはできないことにある。その場合においても、乖離量dがd>0であることが条件になる。
【0042】
本発明に用いられる液晶パネル5は、図2の模式図から明らかなように、液晶パネル5の視認側になる一方面51と非視認側になる他方面52には、第1の光学フィルムシート10および第2の光学フィルムシート20を構成する偏光フィルムが光学補償フィルム等を介し、吸収軸がクロスニコルの関係になるように貼り合わされる。
【0043】
本発明により製造される光学的表示装置の積層体6は、液晶パネル5のTFT側の他方面52から第2の光学フィルムシート20をハミ出さないように予め貼り合わせた状態で構成された液晶パネル5の一方面51に、すなわちCF側に、第1の光学フィルムシート10を、TFT側の突出部520の一方面側521に設けた端子部50に被さらないように、かつ、液晶パネル5の長辺の一辺側を除く他辺側から、好ましくは端子部50の幅yだけハミ出すように、貼り合わされている。したがって、液晶パネルの一方面51に、その一辺側を除く他辺側からハミ出すように貼り合わされた第1の光学フィルムシート10の領域外は、通常、透けた領域になる。
【0044】
このように製造された光学的表示装置の積層体6であれば、第1の光学フィルムシート10は、液晶パネル5に形成された端子部50に被さらないように貼り合わされるので、光学フィルムシートが液晶パネル5の端子部50に被さるように貼り合わされる従来型の積層体と比べ、端子部50に被さった第1の光学フィルムシートの余剰部分を切断除去する必要もなく、またそのことによって端子部50を傷つける心配もない。
【0045】
本発明は、その態様において光学的表示装置の積層体6を製造する方法を提供する。その一実施態様においては、図1の第2の貼合装置200に示されるように、本方法を実施する装置1の上流側の前処理工程において、液晶パネル5の他方面52の幅または長さに対応した幅または長さを有する第2の光学フィルムシート20が第2のキャリアフィルム3に粘着剤層を介して連続的支持された状態の連続ウェブの第2の光学フィルム積層体のロールR3が繰り出される。その時に第2の光学フィルムシート20は、連続ウェブの第2のキャリアフィルム3から粘着剤層と共に剥離され、第2の貼付位置201に送られる。そこで、第2の位置合わせ手段81によって吸着固定された液晶パネル5が第2の貼付位置201に搬送され、液晶パネル5の他方面52に、第2の光学フィルムシート20を他方面52からハミ出さないように、予め貼り合わせる。
【0046】
その一実施態様においてはまた、液晶パネル5の他方面52に第2の光学フィルムシート20が予め貼り合わされた液晶パネル5は、図1に示されるように、第2の位置合わせ手段81によって吸着固定された状態で、第2の貼付位置201まで搬送され、そこで、第2の位置合わせ手段81の吸着固定が解除される。その後液晶パネル5は、長辺を先端面にして反転旋回部300まで搬送路30上を搬送される。次に、液晶パネル5は、反転旋回工程おいて、図示されない旋回手段によって、90度旋回され、同じく図示されない反転手段によって反転された状態で、液晶パネル5の短辺を先端面にして、搬送路30に沿って第1の貼合装置100に搬送される。本方法を実施する工程によって製造された積層体6は、検査工程など下流工程へと搬送される。
【0047】
その一実施態様の第1の貼合装置100において、前処理工程で第2の光学フィルムシート20が既に液晶パネルの他方面52に貼り合わされた液晶パネル5の一方面51の幅より大きい幅を有する連続ウェブの第1の光学フィルム積層体のロールR1が繰り出される。第1の光学フィルム積層体は、第1の光学フィルムシート10が粘着剤層によって連続ウェブの第1のキャリアフィルム2の上に連続的に支持された状態で構成されている。そのときに、剥離手段60を介しロールR2によって巻き取られる連続ウェブの第1のキャリアフィルム2から粘着剤層と共に剥離される第1の光学フィルムシート10は、第1の貼付位置101に送られる。そこで、第1の光学フィルムシート10は、第1の貼付位置101に搬送される液晶パネル5の一方面51に、図2および図4に示されるように、液晶パネル5の長辺の一辺側に形成された端子部50に被さらないように、かつ、液晶パネル5の長辺の一辺側を除く他辺側からハミ出すように貼り合わされる。そのことにより、液晶パネルの両面に貼り合わされる第1の光学フィルムシート10および第2の光学フィルムシート20は共に、偏光フィルムで形成されているので、吸収軸が互いにクロスニコルの関係になる。
なお、本発明において第1の光学フィルム積層体は、液晶パネルの一方面の幅と同じ、またはより小さくてもよい、第1の光学フィルム積層体の幅が液晶パネル5の一方面51の幅と同じ場合には、図9に示される調整量y1はハミ出し量yと同じであり、第1の光学フィルム積層体の幅が液晶パネル5の一方面51の幅より小さい場合には、調整量y1はハミ出し量yより大きくなる。


【符号の説明】
【0048】
R1:第1の光学フィルム積層体の繰出ロール
R2:第1のキャリアフィルムの巻取ロール
R3:第2の光学フィルム積層体の繰出ロール
R4:第2のキャリアフィルムの巻取ロール
10:第1の光学フィルムシート
2:第1のキャリアフィルム
20:第2の光学フィルムシート
3:第2のキャリアフィルム

5:液晶パネル
6:光学表示装置の積層体

50:液晶パネルの端子部
51:液晶パネルの一方面(CF側)
52:液晶パネルの他方面(TFT側)
53:液晶パネル5のアライメントマークなどの基準点
54:パネル検出手段に予め設定された基準情報
55:第1の関連位置情報
56:第2の関連位置情報
δ:基準情報に含まれる液晶パネルと第1の光学フィルムシートとの中心線同士のズレ量(ズレ角)
y:液晶パネルの長辺の一辺側に形成された端子部に被さらないように、かつ、液晶パネルの長辺の一辺側を除く他辺側からハミ出すように調整した第1の光学フィルムシート10の調整量y1に、調整しなくとも液晶パネルからハミ出す第1の光学フィルムシートのハミ出し量y0を加算したハミ出し量

1:RTP装置
30:搬送路
100:RTP装置を構成する第1の貼合装置
α:仮基準位置
β:基準位置
γ:貼付調整位置

101:第1の貼付位置
60:第1光学フィルムシートの剥離手段
70:液晶パネルの位置調整手段
80:液晶パネルの位置合わせ手段
90:シート検出手段
150:パネル検出手段

200:RTP装置を構成する第2の貼合装置
201:第2の貼付位置

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8