特許第6619914号(P6619914)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6619914鞍乗型車両走行データ処理装置、鞍乗型車両走行データ処理方法および鞍乗型車両走行データ処理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6619914
(24)【登録日】2019年11月22日
(45)【発行日】2019年12月11日
(54)【発明の名称】鞍乗型車両走行データ処理装置、鞍乗型車両走行データ処理方法および鞍乗型車両走行データ処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   B62J 99/00 20090101AFI20191202BHJP
   G09B 9/052 20060101ALI20191202BHJP
   G09B 9/058 20060101ALI20191202BHJP
【FI】
   B62J99/00 K
   G09B9/052
   G09B9/058 Z
【請求項の数】24
【全頁数】195
(21)【出願番号】特願2019-533123(P2019-533123)
(86)(22)【出願日】2019年6月12日
(86)【国際出願番号】JP2019023381
【審査請求日】2019年6月18日
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2018/042341
(32)【優先日】2018年11月15日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 紀雄
(72)【発明者】
【氏名】品川 晃徳
【審査官】 畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−254729(JP,A)
【文献】 特開2017−178284(JP,A)
【文献】 特開2013−166555(JP,A)
【文献】 特開2016−068769(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/038746(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/099245(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 99/00
G09B 9/052
G09B 9/058
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞍乗型車両の運転の教習に使用され、走行中の前記鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを用いる鞍乗型車両教習支援システムや、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを蓄積する鞍乗型車両データ収録システムや、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データに基づいて前記鞍乗型車両を制御する鞍乗型車両制御装置のような、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを処理する鞍乗型車両走行データ処理装置であって、
(A)(a1)第1鞍乗型車両が走行したときの走行軌跡であり、前記第1鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である第1アプローチ旋回軌跡であって、0mより大きく65m以下の第1直線と、前記第1直線に平行で前記第1直線から2m離れた第2直線との間の第1アプローチ領域と、前記第1直線の端に接続され、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の第1円弧と、前記第2直線の端に接続され、前記第1円弧と同心状であって、前記第1円弧の径方向外側に前記第1円弧から2m離れて位置する第2円弧との間の第1旋回領域とからなる第1アプローチ旋回領域に収まるような前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する第1アプローチ旋回軌跡データを含み、前記第1鞍乗型車両を含む少なくとも1台の鞍乗型車両が走行したときの走行軌跡であり、前記少なくとも1台の鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡に関連するアプローチ旋回軌跡データと、
(a2)前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する第1アプローチ旋回前方向加速度データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連するアプローチ旋回前方向加速度データとが、前記鞍乗型車両走行データとして取得される鞍乗型車両走行データ取得処理と、
(B)前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データとに基づいて、0mより大きく65m以下の前記第1直線と前記第1直線に平行で前記第1直線から2m離れた前記第2直線との間の前記第1アプローチ領域と、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の前記第1円弧と前記第1円弧の径方向外側に前記第1円弧から2m離れて位置する前記第2円弧との間の前記第1旋回領域とからなる前記第1アプローチ旋回領域に収まるような前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データを含む鞍乗型車両走行複合データを出力する鞍乗型車両走行複合データ出力処理と、
を実行するように構成されたプロセッサを有することを特徴とする鞍乗型車両走行データ処理装置。
【請求項2】
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、
(a3)前記第1アプローチ旋回軌跡を含む前記第1鞍乗型車両の走行軌跡であって、少なくとも1周の環状であり、前記第1アプローチ旋回領域を含む第1環状領域に収まるような第1環状軌跡に関連する第1環状軌跡データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を含む前記少なくとも1台の鞍乗型車両の走行軌跡であって、各々が少なくとも1周の環状である少なくとも1つの環状軌跡に関連する環状軌跡データと、
(a4)前記第1環状軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する第1環状前方向加速度データを含み、前記少なくとも1つの環状軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する環状前方向加速度データとが、前記鞍乗型車両走行データとして取得され、
前記第1環状軌跡データは、前記第1アプローチ旋回軌跡データを含み、
前記第1環状前方向加速度データは、前記第1アプローチ旋回前方向加速度データを含み、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記環状軌跡データと、前記環状前方向加速度データとに基づいて、前記第1鞍乗型車両の前記第1環状軌跡に関連する前記第1環状軌跡データと、前記第1環状軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1環状前方向加速度データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データを含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力することを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両走行データ処理装置。
【請求項3】
前記第1環状軌跡における前記第1鞍乗型車両の進行方向を、前方向とした場合に、
前記第1環状軌跡は、前記第1アプローチ旋回軌跡の後端に接続され、前記第1アプローチ旋回軌跡と旋回方向が異なる旋回中の走行軌跡を含むことを特徴とする請求項2に記載の鞍乗型車両走行データ処理装置。
【請求項4】
前記第1環状軌跡における前記第1鞍乗型車両の進行方向を、前方向とした場合に、
前記第1環状軌跡は、前記第1アプローチ旋回軌跡の後端に接続され、前記第1アプローチ旋回軌跡と旋回方向が同じである旋回中の走行軌跡を含むことを特徴とする請求項2に記載の鞍乗型車両走行データ処理装置。
【請求項5】
前記第1環状領域は、内周縁と外周縁との間の距離が2mであって、
前記第1環状軌跡における前記第1鞍乗型車両が走行する方向を、前方向とした場合に、
前記第1環状軌跡が収まる前記第1環状領域は、
(i)前記第1アプローチ旋回領域に加えて、
前記第1旋回領域の前端に接続された直線状の第2直線領域と、
前記第2直線領域の前端および前記第1アプローチ領域の後端に接続された円弧状の第2曲線領域とを含む第1形状の環状領域であるか、または、
(ii)前記第1アプローチ旋回領域に加えて、
前記第1旋回領域の前端に接続され、前記第1アプローチ領域よりも短い直線状の第2直線領域と、
前記第2直線領域の前端に接続された曲線状の第2曲線領域であって、前記第2曲線領域での旋回方向が前記第1旋回領域での旋回方向と異なる前記第2曲線領域と、
前記第2曲線領域の前端に接続された直線状の第3直線領域内と、
前記第3直線領域の前端に接続された曲線状の第3曲線領域であって、前記第3曲線領域での旋回方向が前記第2曲線領域での旋回方向と同じである前記第3曲線領域と、
前記第3曲線領域の前端に接続された直線状の第4直線領域と、
前記第4直線領域の前端に接続された曲線状の第4曲線領域であって、前記第4曲線領域での旋回方向が前記第3曲線領域での旋回方向と異なる前記第4曲線領域と、
前記第4曲線領域の前端に接続され、前記第4直線領域よりも長い直線状の第5直線領域と、
前記第5直線領域の前端に接続された曲線状の第5曲線領域であって、前記第5曲線領域での旋回方向が前記第4曲線領域での旋回方向と同じである前記第5曲線領域と、
前記第5曲線領域の前端に接続され、前記第3直線領域よりも長い直線状の第6直線領域と、
前記第6直線領域の前端および前記第1アプローチ領域の後端に接続された曲線状の第6曲線領域であって、前記第6曲線領域での旋回方向が前記第5曲線領域での旋回方向と同じである前記第6曲線領域とを含む第2形状の環状領域であるか、または、
(iii)前記第1アプローチ旋回領域に加えて、
前記第1旋回領域の前端に接続され、前記第1アプローチ領域よりも短い直線状の第2直線領域と、
前記第2直線領域の前端に接続された曲線状の第2曲線領域であって、前記第2曲線領域での旋回方向が前記第1旋回領域での旋回方向と異なる前記第2曲線領域と、
前記第2曲線領域の前端に接続された直線状の第3直線領域と、
前記第3直線領域の前端に接続された曲線状の第3曲線領域であって、前記第3曲線領域での旋回方向が前記第2曲線領域での旋回方向と異なる前記第3曲線領域と、
前記第3曲線領域の前端に接続された直線状の第4直線領域と、
前記第4直線領域の前端に接続された曲線状の第4曲線領域であって、前記第4曲線領域での旋回方向が前記第3曲線領域での旋回方向と異なる前記第4曲線領域と、
前記第4曲線領域の前端に接続された直線状の第5直線領域と、
前記第5直線領域の前端に接続された曲線状の第5曲線領域であって、前記第5曲線領域での旋回方向が前記第4曲線領域での旋回方向と異なる前記第5曲線領域と、
前記第5曲線領域の前端に接続され、前記第2〜第5直線領域よりも長い直線状の第6直線領域と、
前記第6直線領域の前端に接続された曲線状の第6曲線領域であって、前記第6曲線領域での旋回方向が前記第5曲線領域での旋回方向と同じである前記第6曲線領域と、
前記第6曲線領域の前端に接続された直線状の第7直線領域と、
前記第7直線領域の前端および前記第1アプローチ領域の後端に接続された曲線状の第7曲線領域であって、前記第7曲線領域での旋回方向が前記第6曲線領域での旋回方向と同じである前記第7曲線領域とを含み、
前記環状軌跡で囲まれた領域の形状がE字状となるような第3形状の環状領域であるか、または、
(iv)前記第1アプローチ旋回領域に加えて、
前記第1旋回領域の前端に接続された直線状の第2直線領域と、
前記第2直線領域の前端に接続された曲線状の第2曲線領域であって、前記第2曲線領域での旋回方向が前記第1旋回領域での旋回方向と異なる前記第2曲線領域と、
前記第2曲線領域の前端に接続された直線状の第3直線領域と、
前記第3直線領域の前端に接続された曲線状の第3曲線領域であって、前記第3曲線領域での旋回方向が前記第2曲線領域での旋回方向と異なる前記第3曲線領域と、
前記第3曲線領域の前端に接続された直線状の第4直線領域と、
前記第4直線領域の前端および前記第1アプローチ領域の後端に接続された曲線状の第4曲線領域であって、前記第4曲線領域での旋回方向が前記第3曲線領域での旋回方向と異なる前記第4曲線領域とを含む第4形状の環状領域であることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗型車両走行データ処理装置。
【請求項6】
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、前記アプローチ旋回軌跡データと前記アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、
前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連する第1アプローチ旋回左右方向加速度データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連するアプローチ旋回左右方向加速度データが、前記鞍乗型車両走行データとして取得され、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記アプローチ旋回左右方向加速度データとに基づいて、前記第1鞍乗型車両の前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回左右方向加速度データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データを含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の鞍乗型車両走行データ処理装置。
【請求項7】
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、前記アプローチ旋回軌跡データと前記アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、
前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記第1鞍乗型車両の姿勢に関連する第1旋回車両姿勢データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両の姿勢に関連する旋回車両姿勢データと、
前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢に関連する第1旋回ライダー姿勢データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両のライダーの姿勢に関連する旋回ライダー姿勢データとが、前記鞍乗型車両走行データとして取得され、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記旋回車両姿勢データと、前記旋回ライダー姿勢データとに基づいて、前記第1鞍乗型車両の前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記第1鞍乗型車両の姿勢に関連する前記第1旋回車両姿勢データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢に関連する前記第1旋回ライダー姿勢データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データを含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の鞍乗型車両走行データ処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する第1ライダー識別データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーを識別するライダー識別データが取得されるライダー識別データ取得処理、を更に実行し、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データおよび前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記ライダー識別データ取得処理で取得された前記ライダー識別データとに基づいて、前記第1鞍乗型車両の前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する前記第1ライダー識別データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データを含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の鞍乗型車両走行データ処理装置。
【請求項9】
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、
前記少なくとも1台の鞍乗型車両に含まれ、前記第1鞍乗型車両と同一または異なる第2鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である第2アプローチ旋回軌跡であって、0mより大きく65m以下の第3直線と、前記第3直線に平行で前記第3直線から2m離れた第4直線との間の第2アプローチ領域と、前記第3直線の端に接続され、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の第3円弧と、前記第4直線の端に接続され、前記第3円弧と同心状であって、前記第3円弧の径方向外側に前記第3円弧から2m離れて位置する第4円弧との間の第2旋回領域とからなる第2アプローチ旋回領域に収まるような前記第2アプローチ旋回軌跡に関連する第2アプローチ旋回軌跡データを含む前記アプローチ旋回軌跡データと、
前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する第2アプローチ旋回前方向加速度データを含む前記アプローチ旋回前方向加速度データとが取得され、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データとに基づいて、
前記第1鞍乗型車両の前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データと、
前記第2鞍乗型車両の前記第2アプローチ旋回軌跡に関連する前記第2アプローチ旋回軌跡データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第2アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データとを含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の鞍乗型車両走行データ処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する第1ライダー識別データ、および、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する第2ライダー識別データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーを識別するライダー識別データが取得されるライダー識別データ取得処理、を更に実行し、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行ータ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記ライダー識別データ取得処理で取得された前記ライダー識別データとに基づいて、前記第1鞍乗型車両の前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する前記第1ライダー識別データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データと、
前記鞍乗型車両走行ータ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記ライダー識別データとに基づいて、前記第2鞍乗型車両の前記第2アプローチ旋回軌跡に関連する第2アプローチ旋回軌跡データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第2アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する前記第2ライダー識別データとが関連付けられた前記第2鞍乗型車両走行複合データと
を含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力することを特徴とする請求項9に記載の鞍乗型車両走行データ処理装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理で出力された、前記第1鞍乗型車両走行複合データと前記第2鞍乗型車両走行複合データとの差分である第1鞍乗型車両走行複合データ差分を出力する鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理、を更に実行することを特徴とする請求項9または10に記載の鞍乗型車両走行データ処理装置。
【請求項12】
前記アプローチ旋回軌跡データまたは前記アプローチ旋回前方向加速度データの少なくとも一方が、GNSS(Global Navigation Satellite System / 全球測位衛星システム)を利用して生成されたデータであることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の鞍乗型車両走行データ処理装置。
【請求項13】
前記アプローチ旋回左右方向加速度データが、GNSS(Global Navigation Satellite System / 全球測位衛星システム)を利用して生成されたデータであることを特徴とする、請求項6に記載の鞍乗型車両走行データ処理装置。
【請求項14】
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記第1アプローチ旋回軌跡データおよび前記第1アプローチ旋回前方向加速度データに基づいたイメージデータを含む前記第1鞍乗型車両走行複合データが出力されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の鞍乗型車両走行データ処理装置。
【請求項15】
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記第1アプローチ旋回軌跡データおよび前記第1アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいたイメージデータを含む前記第1鞍乗型車両走行複合データが出力されることを特徴とする請求項6または13に記載の鞍乗型車両走行データ処理装置。
【請求項16】
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記第1アプローチ旋回前方向加速度データおよび前記第1アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいて生成された、前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度を縦軸とし、前記第1鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を横軸としたグラフのイメージデータを含む前記第1鞍乗型車両走行複合データが出力されることを特徴とする請求項6、13、15のいずれか一項に記載の鞍乗型車両走行データ処理装置。
【請求項17】
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記第1旋回車両姿勢データおよび前記第1旋回ライダー姿勢データに基づいたイメージデータを含む前記第1鞍乗型車両走行複合データが出力されることを特徴とする請求項7に記載の鞍乗型車両走行データ処理装置。
【請求項18】
前記第1アプローチ旋回軌跡は、前記第1鞍乗型車両の進行方向をガイドするための少なくとも1つのアプローチ旋回ガイド部が設けられた環境下で前記第1鞍乗型車両が前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの走行軌跡であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の鞍乗型車両走行データ処理装置。
【請求項19】
前記アプローチ旋回ガイド部は、前記第1鞍乗型車両が前記第1アプローチ旋回軌跡を走行するときに、旋回前の前記第1鞍乗型車両の進行方向をガイドするための複数のアプローチガイド部を含み、
前記第1アプローチ旋回軌跡は、前記第1鞍乗型車両が前記複数のアプローチガイド部のうちの2つのアプローチガイド部の間を通過した後に旋回した走行軌跡であることを特徴とする請求項18に記載の鞍乗型車両走行データ処理装置。
【請求項20】
前記アプローチ旋回ガイド部は、前記第1鞍乗型車両が前記第1アプローチ旋回軌跡を走行するときに、旋回中の前記第1鞍乗型車両の進行方向をガイドするための少なくとも1つの旋回ガイド部を含み、
前記第1アプローチ旋回軌跡は、前記第1鞍乗型車両が旋回中に前記少なくとも1つの旋回ガイド部よりも旋回半径の径方向外側を通るように走行したときの走行軌跡であることを特徴とする請求項18または19に記載の鞍乗型車両走行データ処理装置。
【請求項21】
前記アプローチ旋回ガイド部は、前記第1鞍乗型車両の進行方向を制限するように構成されていることを特徴とする請求項18〜20のいずれか一項に記載の鞍乗型車両走行データ処理装置。
【請求項22】
前記第1鞍乗型車両が、地面を走行可能であって、
前記少なくとも1つのアプローチ旋回ガイド部が、設置場所を自在に変更可能に前記地面に配置されることを特徴とする請求項21に記載の鞍乗型車両走行データ処理装置。
【請求項23】
鞍乗型車両の運転の教習に使用され、走行中の前記鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを用いる鞍乗型車両教習支援システムや、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを蓄積する鞍乗型車両データ収録システムや、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データに基づいて前記鞍乗型車両を制御する鞍乗型車両制御装置のような、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データ処理装置において、走行中の前記鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを処理する鞍乗型車両走行データ処理方法であって、
(A)(a1)第1鞍乗型車両が走行したときの走行軌跡であり、前記第1鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である第1アプローチ旋回軌跡であって、0mより大きく65m以下の第1直線と、前記第1直線に平行で前記第1直線から2m離れた第2直線との間の第1アプローチ領域と、前記第1直線の端に接続され、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の第1円弧と、前記第2直線の端に接続され、前記第1円弧と同心状であって、前記第1円弧の径方向外側に前記第1円弧から2m離れて位置する第2円弧との間の第1旋回領域とからなる第1アプローチ旋回領域に収まるような前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する第1アプローチ旋回軌跡データを含み、前記第1鞍乗型車両を含む少なくとも1台の鞍乗型車両が走行したときの走行軌跡であり、前記少なくとも1台の鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡に関連するアプローチ旋回軌跡データと、
(a2)前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する第1アプローチ旋回前方向加速度データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連するアプローチ旋回前方向加速度データとが、前記鞍乗型車両走行データとして取得される鞍乗型車両走行データ取得処理と、
(B)前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データとに基づいて、0mより大きく65m以下の前記第1直線と前記第1直線に平行で前記第1直線から2m離れた前記第2直線との間の前記第1アプローチ領域と、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の前記第1円弧と前記第1円弧の径方向外側に前記第1円弧から2m離れて位置する前記第2円弧との間の前記第1旋回領域とからなる前記第1アプローチ旋回領域に収まるような前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データを含む鞍乗型車両走行複合データを出力する鞍乗型車両走行複合データ出力処理と、
を行うことを特徴とする、鞍乗型車両走行データ処理方法。
【請求項24】
鞍乗型車両の運転の教習に使用され、走行中の前記鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを用いる鞍乗型車両教習支援システムや、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを蓄積する鞍乗型車両データ収録システムや、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データに基づいて前記鞍乗型車両を制御する鞍乗型車両制御装置のような、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データ処理装置において、走行中の前記鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを処理する鞍乗型車両走行データ処理プログラムであって、
(A)(a1)第1鞍乗型車両が走行したときの走行軌跡であり、前記第1鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である第1アプローチ旋回軌跡であって、0mより大きく65m以下の第1直線と、前記第1直線に平行で前記第1直線から2m離れた第2直線との間の第1アプローチ領域と、前記第1直線の端に接続され、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の第1円弧と、前記第2直線の端に接続され、前記第1円弧と同心状であって、前記第1円弧の径方向外側に前記第1円弧から2m離れて位置する第2円弧との間の第1旋回領域とからなる第1アプローチ旋回領域に収まるような前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する第1アプローチ旋回軌跡データを含み、前記第1鞍乗型車両を含む少なくとも1台の鞍乗型車両が走行したときの走行軌跡であり、前記少なくとも1台の鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡に関連するアプローチ旋回軌跡データと、
(a2)前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する第1アプローチ旋回前方向加速度データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連するアプローチ旋回前方向加速度データとが、前記鞍乗型車両走行データとして取得される鞍乗型車両走行データ取得処理と、
(B)前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データとに基づいて、0mより大きく65m以下の前記第1直線と前記第1直線に平行で前記第1直線から2m離れた前記第2直線との間の前記第1アプローチ領域と、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の前記第1円弧と前記第1円弧の径方向外側に前記第1円弧から2m離れて位置する前記第2円弧との間の前記第1旋回領域とからなる前記第1アプローチ旋回領域に収まるような前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データを含む鞍乗型車両走行複合データを出力する鞍乗型車両走行複合データ出力処理と、
を前記鞍乗型車両走行データ処理装置が有するプロセッサに実行させることを特徴とする鞍乗型車両走行データ処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行中の鞍乗型車両(straddled vehicle)に関連する鞍乗型車両走行データを処理する鞍乗型車両走行データ処理装置、鞍乗型車両走行データ処理方法および鞍乗型車両走行データ処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行中の車両に関連する車両走行データを処理する車両走行データ処理装置、車両走行データ処理方法および車両走行データ処理プログラムがある。車両の1種として、ライダー(運転者)が鞍にまたがるような状態で乗車する鞍乗型車両が知られている。鞍乗型車両は、例えば自動二輪車を含む。鞍乗型車両は、遠心力と重力のバランスを利用して旋回する乗り物である。旋回中の鞍乗型車両における遠心力と重力のバランスなどの走行状態は、同じコースを走る場合でもライダーによって異なる。旋回中の鞍乗型車両の走行状態は、ライダーの意思によって変更される場合がある。鞍乗型車両は、乗用車(passenger car)よりも、車両の大きさが小さい。また、鞍乗型車両は、乗用車と異なり、旋回時にライダーが重心を移動させながら走行する。鞍乗型車両と乗用車とではこのような違いがあるため、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データは、走行中の乗用車に関連する乗用車走行データと異なる。そのため、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを処理する鞍乗型車両走行データ処理装置、鞍乗型車両走行データ処理方法および鞍乗型車両走行データ処理プログラムが提案されている。
【0003】
走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを処理する鞍乗型車両走行データ処理装置として、例えば、特許文献1に、鞍乗型車両の運転の教習に使用される教習支援システムが提案されている。特許文献1の教習支援システムは、鞍乗型車両に搭載される車両用装置と、教官用装置とを有する。車両用装置は、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データとして、多くの種類のデータを取得する。車両用装置は、取得した多くの種類のデータを処理して生成したデータを、教官用装置に送信している。
【0004】
また、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを処理する鞍乗型車両走行データ処理装置の他の例として、特許文献2に、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データに基づいて鞍乗型車両を制御する鞍乗型車両制御装置が提案されている。特許文献2の鞍乗型車両制御装置は、複数のセンサの信号から複数種類のデータを取得している。特許文献2の鞍乗型車両制御装置は、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データとして、多くの種類のデータを取得する。鞍乗型車両制御装置は、取得した複数種類のデータに基づいて、鞍乗型車両を制御する処理を行っている。
【0005】
また、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを処理する鞍乗型車両走行データ処理装置の他の例として、特許文献3に、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを蓄積する鞍乗型車両走行データ収録システムが提案されている。特許文献3の鞍乗型車両走行データ収録システムは、複数のセンサから取得された複数種類のデータを蓄積する。特許文献3の鞍乗型車両走行データ収録システムは、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データとして、多くの種類のデータを取得する。特許文献3の鞍乗型車両走行データ収録システムは、鞍乗型車両の走行後、蓄積した複数種類のデータを、例えば、鞍乗型車両の走行状態を解析するために解析装置に出力する。
【0006】
このように、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データは、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理され、種々な使い方がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開2015/083420号公報
【特許文献2】特開2006−274869号公報
【特許文献3】特開平8−331158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来提案されている鞍乗型車両走行データ処理装置、鞍乗型車両走行データ処理方法および鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データとして、多くの種類のデータを取得する。このため、鞍乗型車両走行データ処理装置、鞍乗型車両走行データ処理方法および鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、処理性能の高いプロセッサや大容量のメモリなどの能力の高いハードウェアリソースが必要となる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置、鞍乗型車両走行データ処理方法および鞍乗型車両走行データ処理プログラムのハードウェアリソースの設計自由度が低い。
【0009】
本発明は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる、鞍乗型車両走行データ処理装置、鞍乗型車両走行データ処理方法および鞍乗型車両走行データ処理プログラムを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、鞍乗型車両の運転の教習に使用され、走行中の前記鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを用いる鞍乗型車両教習支援システムや、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを蓄積する鞍乗型車両データ収録システムや、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データに基づいて前記鞍乗型車両を制御する鞍乗型車両制御装置のような、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを処理する鞍乗型車両走行データ処理装置であって、
(A)(a1)第1鞍乗型車両が走行したときの走行軌跡であり、前記第1鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である第1アプローチ旋回軌跡であって、0mより大きく65m以下の第1直線と、前記第1直線に平行で前記第1直線から2m離れた第2直線との間の第1アプローチ領域と、前記第1直線の端に接続され、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の第1円弧と、前記第2直線の端に接続され、前記第1円弧と同心状であって、前記第1円弧の径方向外側に前記第1円弧から2m離れて位置する第2円弧との間の第1旋回領域とからなる第1アプローチ旋回領域に収まるような前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する第1アプローチ旋回軌跡データを含み、前記第1鞍乗型車両を含む少なくとも1台の鞍乗型車両が走行したときの走行軌跡であり、前記少なくとも1台の鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡に関連するアプローチ旋回軌跡データと、
(a2)前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する第1アプローチ旋回前方向加速度データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連するアプローチ旋回前方向加速度データとが、前記鞍乗型車両走行データとして取得される鞍乗型車両走行データ取得処理と、
(B)前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データとに基づいて、0mより大きく65m以下の前記第1直線と前記第1直線に平行で前記第1直線から2m離れた前記第2直線との間の前記第1アプローチ領域と、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の前記第1円弧と前記第1円弧の径方向外側に前記第1円弧から2m離れて位置する前記第2円弧との間の前記第1旋回領域とからなる前記第1アプローチ旋回領域に収まるような前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データを含む鞍乗型車両走行複合データを出力する鞍乗型車両走行複合データ出力処理と、
を実行するように構成されたプロセッサを有する。
【0011】
鞍乗型車両は、乗用車よりも、車両の大きさが小さい。また、鞍乗型車両は、乗用車と異なり、旋回時にライダーが重心を移動させながら走行する。そのため、走行中の鞍乗型車両に関連するデータは、走行中の乗用車に関連するデータと異なる。鞍乗型車両走行データは、乗用車走行データよりも、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。従来提案されている鞍乗型車両走行データ処理装置、鞍乗型車両走行データ処理方法および鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データとして、多くの種類のデータを取得する。つまり、従来提案されている鞍乗型車両走行データ処理装置、鞍乗型車両走行データ処理方法および鞍乗型車両走行データ処理プログラムにおいては、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映するデータとして取得するデータの種類が多い。また、従来提案されている鞍乗型車両走行データ処理装置、鞍乗型車両走行データ処理方法および鞍乗型車両走行データ処理プログラムにおいては、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映するデータとして処理するデータの種類も多い。
【0012】
一方、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、鞍乗型車両走行データ取得処理と、鞍乗型車両走行複合データ出力処理とを実行する。鞍乗型車両走行データ取得処理では、アプローチ旋回軌跡データと、アプローチ旋回前方向加速度データが、鞍乗型車両走行データとして取得される。アプローチ旋回軌跡データは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡に関連するデータである。少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡は、少なくとも1台の鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である。アプローチ旋回軌跡データは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡に含まれる第1アプローチ旋回軌跡に関連する第1アプローチ旋回軌跡データを含む。第1アプローチ旋回軌跡は、鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である。第1アプローチ旋回軌跡は、第1アプローチ旋回領域に収まるような走行軌跡である。第1アプローチ旋回領域は、0mより大きく65m以下の第1直線と、第1直線に平行で第1直線から2m離れた第2直線との間の第1アプローチ領域と、第1直線の端に接続され、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の第1円弧と、第2直線の端に接続され、第1円弧と同心状であって、第1円弧の径方向外側に第1円弧から2m離れて位置する第2円弧との間の第1旋回領域とからなる。アプローチ旋回前方向加速度データは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの少なくとも1台の鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連するデータである。アプローチ旋回前方向加速度データは第1アプローチ旋回前方向加速度データを含む。第1アプローチ旋回前方向加速度データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連するデータである。鞍乗型車両走行複合データ出力処理では、アプローチ旋回軌跡データと、アプローチ旋回前方向加速度データとに基づいて、第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。第1鞍乗型車両走行複合データは、鞍乗型車両の第1アプローチ旋回軌跡に関連する第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられたデータである。第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データの2種類のデータは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。そのため、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。
【0013】
第1アプローチ旋回軌跡は、旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両の走行軌跡である。つまり、第1鞍乗型車両走行複合データは、旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度に関連する。鞍乗型車両は、車両の挙動の変化だけでなく、ライダーの姿勢の変化も利用して旋回する乗り物である。つまり、鞍乗型車両は、ライダーの姿勢の変化によって遠心力と重力のバランスをとりながら旋回する乗り物である。旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度は、鞍乗型車両の走行状態と密接に関連している。また、旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度は互いに密接に関連する。同じコースを走る場合でもライダーによって、ライダーの姿勢の変化および車両の挙動は異なる。そのため、旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度は、ライダーの運転技術と密接に関連している。また、コースとライダーが同じであっても車両の種類が異なると、ライダーの姿勢の変化および車両の挙動は異なる場合がある。そのため、旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度は、車両の特徴と密接に関連する。
【0014】
走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データは、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されて、第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。出力された第1鞍乗型車両走行複合データは、種々な使い方がなされてよい。鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、通信装置に出力され、通信装置から教官用装置に送信されてよい。この場合の教官用装置は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データを表示する端末装置、表示装置または第1鞍乗型車両走行複合データを印刷する印刷装置である。また、鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、車両用装置から教習者用装置に出力されてよい。第1鞍乗型車両走行複合データを教官用装置に送信することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示または印刷することができる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、通信装置に出力され、通信装置から受講者用装置に送信されてよい。この場合の受講者用装置は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データを表示する端末装置である。第1鞍乗型車両走行複合データを受講者用装置に送信することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置が車両制御装置の場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、車両制御装置内で、エンジン制御またはブレーキ制御のために出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、車両制御装置内で、記憶部に出力されてよい。そして、記憶部に出力された第1鞍乗型車両走行複合データは、エンジン制御またはブレーキ制御を実行する、鞍乗型車両走行データ処理装置が有するプロセッサと同じまたは異なるプロセッサに出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データをエンジン制御またはブレーキ制御のために出力することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて、鞍乗型車両のエンジン制御またはブレーキ制御を行うことができる。鞍乗型車両走行データ処理装置が車両制御装置の場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、鞍乗型車両が備える表示装置に出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データを表示装置に出力することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、データ収録システムの外部のコンピュータに出力されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、鞍乗型車両の走行後、蓄積した第1鞍乗型車両走行複合データを、例えば、データ収録システムの外部の鞍乗型車両の走行状態を解析するための解析装置に出力してもよい。第1鞍乗型車両走行複合データを解析装置に出力することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて解析することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、鞍乗型車両の走行後、蓄積した複数種類のデータを、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、データ収録システムに接続された外部記憶装置(二次記憶装置、補助記憶装置)に出力されてもよい。そして、外部記憶装置に記憶された第1鞍乗型車両走行複合データは、鞍乗型車両の走行状態の解析に使用されてもよい。外部記憶装置に記憶された第1鞍乗型車両走行複合データを解析に使用することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて解析することができる。教習支援システム、車両制御装置およびデータ収録システムは、鞍乗型車両走行データ処理装置の一例である。さらに、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データは、保険システム、販売システム、金融システムなどのデータ処理システムに用いられてよい。
【0015】
このように、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサは、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データを出力する。鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データは、様々な使い方がなされる。また、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データを含むことで、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類を低減することができる。具体的には、例えば、取得するデータの種類を少なくすることができる。また、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データのデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0016】
旋回中の鞍乗型車両の車両前方向の速度は、旋回半径が大きいほど高くなり、旋回半径が小さいほど低くなる。車両前方向の速度を、以下、車速という。仮に、第1旋回領域の内周縁である第1円弧の半径が10mよりも大きい場合、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の鞍乗型車両の車速が比較的高い。そのため、第1円弧の半径が10mよりも大きい場合、旋回中の鞍乗型車両の車速の違いがあっても、鞍乗型車両に作用する遠心力に違いがあまり生じない。そのため、第1円弧の半径が10mよりも大きい場合、ライダーの運転技術が違っていても、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の走行状態に違いがあまりない。また、第1円弧の半径が10mよりも大きい場合、鞍乗型車両の種類が異なっていても、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の走行状態に違いがあまりない。よって、仮に、第1円弧の半径が10mよりも大きい場合、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴があまり反映されない。
一方、本発明の第1円弧の半径は10m以下であるため、旋回中の鞍乗型車両の車速が比較的低い。そのため、第1円弧の半径は10m以下であることにより、旋回中の鞍乗型車両の車速の違いによって、遠心力に違いが生じる。そのため、第1円弧の半径が10m以下であることで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の違いが、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の走行状態の違いに現れやすい。したがって、第1円弧の半径が10m以下であることで、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴がより反映されやすい。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0017】
通常、旋回中の鞍乗型車両の車両左右方向の加速度は、0.1G〜0.8G程度(1〜8m/s程度)である。第1旋回領域の内周縁である第1円弧は、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下である。そのため、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の鞍乗型車両の車速は、例えば5〜32km/h程度である。旋回中の車速が5〜32km/h程度の場合、旋回中の鞍乗型車両の車速の違いによって、鞍乗型車両に作用する遠心力に大きな違いが生じる。そのため、第1円弧の中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下であることで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の違いが、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の走行状態の違いに現れやすい。したがって、第1円弧の中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下であることで、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴がより反映されやすい。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0018】
旋回前の直進中に鞍乗型車両が減速のみまたは加速と減速の両方をする場合、直進に必要な距離は、0mより大きく65m以下である。第1アプローチ領域の第1直線の長さは、0mより大きく65m以下である。したがって、第1アプローチ領域の第1直線の長さが0mより大きく65m以下であることにより、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の違いがより反映されやすい。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0019】
第1直線と第2直線の間隔は、2mである。第1円弧と第2円弧の間隔も2mである。つまり、第1アプローチ旋回軌跡は、幅が2mの第1アプローチ旋回領域に収まる。
ここで、鞍乗型車両が自動二輪車または自動三輪車の場合、鞍乗型車両の車両前方向の長さは、1.8〜2.6m程度であって、鞍乗型車両の幅(車両左右方向の長さ)は、0.5〜1.1m程度である。鞍乗型車両が四輪バギーの場合、鞍乗型車両の車両前方向の長さは、1.4〜2.0m程度であって、鞍乗型車両の幅は、0.7〜1.2m程度である。鞍乗型車両がスノーモービルの場合、鞍乗型車両の車両前方向の長さは、2.0〜4.0m程度であって、鞍乗型車両の幅は、1.0〜1.2m程度である。鞍乗型車両が水上オートバイの場合、鞍乗型車両の車両前方向の長さは、2.0〜4.0m程度であって、鞍乗型車両の幅は、0.7〜1.3m程度である。
したがって、第1アプローチ旋回領域の幅(2m)は、鞍乗型車両の幅の平均の約2倍であって、鞍乗型車両の最大幅の約1.5倍である。このような鞍乗型車両の幅と全長を考慮すると、第1アプローチ旋回領域の幅(2m)は、鞍乗型車両の走行の自由度がありながら、鞍乗型車両が第1アプローチ旋回領域の幅内でUターンできない幅である。ここで、Uターンとは、180°の旋回のことである。第1アプローチ旋回領域の幅内でのUターンとは、第1アプローチ旋回領域の縁に沿わないUターンのことである。
2mの幅内でUターンした場合の走行軌跡は、2m以上の旋回半径で旋回したときの走行軌跡と全く異なる。このように全く異なる走行軌跡のデータは、例えば運転の教習、車両の制御、または車両の走行状態の解析などに使用する際に同じ処理ができない。第1アプローチ旋回領域の幅が2mであることにより、第1アプローチ旋回軌跡が、第1アプローチ旋回領域の幅内でUターンした走行軌跡である可能性を除外できる。したがって、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の違いがより反映されやすい。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0020】
(2)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(1)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、
(a3)前記第1アプローチ旋回軌跡を含む前記第1鞍乗型車両の走行軌跡であって、少なくとも1周の環状であり、前記第1アプローチ旋回領域を含む第1環状領域に収まるような第1環状軌跡に関連する第1環状軌跡データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を含む前記少なくとも1台の鞍乗型車両の走行軌跡であって、各々が少なくとも1周の環状である少なくとも1つの環状軌跡に関連する環状軌跡データと、
(a4)前記第1環状軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する第1環状前方向加速度データを含み、前記少なくとも1つの環状軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する環状前方向加速度データとが、前記鞍乗型車両走行データとして取得され、
前記第1環状軌跡データは、前記第1アプローチ旋回軌跡データを含み、
前記第1環状前方向加速度データは、前記第1アプローチ旋回前方向加速度データを含み、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記環状軌跡データと、前記環状前方向加速度データとに基づいて、前記第1鞍乗型車両の前記第1環状軌跡に関連する前記第1環状軌跡データと、前記第1環状軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1環状前方向加速度データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データを含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力する。
【0021】
この構成によると、鞍乗型車両走行データ取得処理では、環状軌跡データと環状前方向加速度データが、鞍乗型車両走行データとして取得される。鞍乗型車両走行複合データ出力処理では、環状軌跡データと環状前方向加速度データとに基づいて、第1環状軌跡データと第1環状前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。環状軌跡データは、少なくとも1台の鞍乗型車両の環状の走行軌跡である少なくとも1つの環状軌跡に関連するデータである。環状軌跡データは、第1環状軌跡データを含む。第1環状軌跡データは、鞍乗型車両の環状の走行軌跡である第1環状軌跡に関連するデータである。第1環状軌跡は、第1アプローチ旋回軌跡を含む。第1環状軌跡は、第1アプローチ旋回領域を含む第1環状領域に収まるような走行軌跡である。環状前方向加速度データは、少なくとも1つの環状軌跡を走行したときの少なくとも1台の鞍乗型車両の前方向加速度に関連するデータである。環状前方向加速度データは、第1環状前方向加速度データを含む。第1環状前方向加速度データは、第1環状軌跡を走行したときの鞍乗型車両の前方向加速度に関連するデータである。環状軌跡は、少なくとも2回の旋回中の走行軌跡を有する。そのため、第1環状軌跡データと第1環状前方向加速度データが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データは、1回しか旋回しなかった場合の第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データに比べて、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の違いをより強く反映する。
そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データは、様々な使い方がなされる。また、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1環状軌跡データと、第1環状前方向加速度データを含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少ない。また、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データのデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0022】
(3)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(2)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記第1環状軌跡における前記第1鞍乗型車両の進行方向を、前方向とした場合に、
前記第1環状軌跡は、前記第1アプローチ旋回軌跡の後端に接続され、前記第1アプローチ旋回軌跡と旋回方向が異なる旋回中の走行軌跡を含む。
【0023】
この構成によると、第1環状軌跡において、第1アプローチ旋回軌跡の後端に接続された旋回中の走行軌跡は、第1アプローチ旋回軌跡と旋回方向が異なる。異なる旋回方向を含む第1環状軌跡は、旋回方向が全て同じである第1環状軌跡に比べて、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)が高い。その上、異なる旋回方向を含む第1環状軌跡を走行したときの前方向加速度も、旋回方向が全て同じである第1環状軌跡を走行したときの前方向加速度と比べて、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)が高い。したがって、異なる旋回方向を含む第1環状軌跡に関連する第1環状軌跡データと、この第1環状軌跡を走行したときの第1環状前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴がより一層強く反映されている。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
【0024】
(4)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(2)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記第1環状軌跡における前記第1鞍乗型車両の進行方向を、前方向とした場合に、
前記第1環状軌跡は、前記第1アプローチ旋回軌跡の後端に接続され、前記第1アプローチ旋回軌跡と旋回方向が同じである旋回中の走行軌跡を含む。
【0025】
この構成によると、第1アプローチ旋回軌跡の後端に接続された旋回中の走行軌跡は、第1アプローチ旋回軌跡と旋回方向が同じである。同じ旋回方向の第1環状軌跡を走行して得られる第1環状軌跡データおよび第1環状前方向加速度データが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。
【0026】
(5)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(2)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記第1環状領域は、内周縁と外周縁との間の距離が2mであって、
前記第1環状軌跡における前記第1鞍乗型車両が走行する方向を、前方向とした場合に、
前記第1環状軌跡が収まる前記第1環状領域は、
(i)前記第1アプローチ旋回領域に加えて、
前記第1旋回領域の前端に接続された直線状の第2直線領域と、
前記第2直線領域の前端および前記第1アプローチ領域の後端に接続された円弧状の第2曲線領域とを含む第1形状の環状領域であるか、または、
(ii)前記第1アプローチ旋回領域に加えて、
前記第1旋回領域の前端に接続され、前記第1アプローチ領域よりも短い直線状の第2直線領域と、
前記第2直線領域の前端に接続された曲線状の第2曲線領域であって、前記第2曲線領域での旋回方向が前記第1旋回領域での旋回方向と異なる前記第2曲線領域と、
前記第2曲線領域の前端に接続された直線状の第3直線領域内と、
前記第3直線領域の前端に接続された曲線状の第3曲線領域であって、前記第3曲線領域での旋回方向が前記第2曲線領域での旋回方向と同じである前記第3曲線領域と、
前記第3曲線領域の前端に接続された直線状の第4直線領域と、
前記第4直線領域の前端に接続された曲線状の第4曲線領域であって、前記第4曲線領域での旋回方向が前記第3曲線領域での旋回方向と異なる前記第4曲線領域と、
前記第4曲線領域の前端に接続され、前記第4直線領域よりも長い直線状の第5直線領域と、
前記第5直線領域の前端に接続された曲線状の第5曲線領域であって、前記第5曲線領域での旋回方向が前記第4曲線領域での旋回方向と同じである前記第5曲線領域と、
前記第5曲線領域の前端に接続され、前記第3直線領域よりも長い直線状の第6直線領域と、
前記第6直線領域の前端および前記第1アプローチ領域の後端に接続された曲線状の第6曲線領域であって、前記第6曲線領域での旋回方向が前記第5曲線領域での旋回方向と同じである前記第6曲線領域とを含む第2形状の環状領域であるか、または、
(iii)前記第1アプローチ旋回領域に加えて、
前記第1旋回領域の前端に接続され、前記第1アプローチ領域よりも短い直線状の第2直線領域と、
前記第2直線領域の前端に接続された曲線状の第2曲線領域であって、前記第2曲線領域での旋回方向が前記第1旋回領域での旋回方向と異なる前記第2曲線領域と、
前記第2曲線領域の前端に接続された直線状の第3直線領域と、
前記第3直線領域の前端に接続された曲線状の第3曲線領域であって、前記第3曲線領域での旋回方向が前記第2曲線領域での旋回方向と異なる前記第3曲線領域と、
前記第3曲線領域の前端に接続された直線状の第4直線領域と、
前記第4直線領域の前端に接続された曲線状の第4曲線領域であって、前記第4曲線領域での旋回方向が前記第3曲線領域での旋回方向と異なる前記第4曲線領域と、
前記第4曲線領域の前端に接続された直線状の第5直線領域と、
前記第5直線領域の前端に接続された曲線状の第5曲線領域であって、前記第5曲線領域での旋回方向が前記第4曲線領域での旋回方向と異なる前記第5曲線領域と、
前記第5曲線領域の前端に接続され、前記第2〜第5直線領域よりも長い直線状の第6直線領域と、
前記第6直線領域の前端に接続された曲線状の第6曲線領域であって、前記第6曲線領域での旋回方向が前記第5曲線領域での旋回方向と同じである前記第6曲線領域と、
前記第6曲線領域の前端に接続された直線状の第7直線領域と、
前記第7直線領域の前端および前記第1アプローチ領域の後端に接続された曲線状の第7曲線領域であって、前記第7曲線領域での旋回方向が前記第6曲線領域での旋回方向と同じである前記第7曲線領域とを含み、
前記環状軌跡で囲まれた領域の形状がE字状となるような第3形状の環状領域であるか、または、
(iv)前記第1アプローチ旋回領域に加えて、
前記第1旋回領域の前端に接続された直線状の第2直線領域と、
前記第2直線領域の前端に接続された曲線状の第2曲線領域であって、前記第2曲線領域での旋回方向が前記第1旋回領域での旋回方向と異なる前記第2曲線領域と、
前記第2曲線領域の前端に接続された直線状の第3直線領域と、
前記第3直線領域の前端に接続された曲線状の第3曲線領域であって、前記第3曲線領域での旋回方向が前記第2曲線領域での旋回方向と異なる前記第3曲線領域と、
前記第3曲線領域の前端に接続された直線状の第4直線領域と、
前記第4直線領域の前端および前記第1アプローチ領域の後端に接続された曲線状の第4曲線領域であって、前記第4曲線領域での旋回方向が前記第3曲線領域での旋回方向と異なる前記第4曲線領域とを含む第4形状の環状領域である。
【0027】
第1形状の環状領域は、第1アプローチ旋回領域と、直線状の第2直線領域と、円弧状の第2曲線領域とからなる。したがって、第1形状の環状領域は、凹部を有さないシンプルな形状である。形状がシンプルでありながら、第1形状の環状領域に収まる第1環状軌跡は、2回の旋回中の走行軌跡と旋回前後の直進時の走行軌跡を有する。そのため、第1形状の環状領域に収まる第1環状軌跡とこの第1環状軌跡を走行したときの車両前方向の加速度は、ライダーの運転技術および/または車両の特徴が強く反映されている。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
第2〜第4形状の環状領域に収まる第1環状軌跡は、4回以上の旋回中の走行軌跡を含む。さらに、第2〜第4形状の環状領域に収まる第1環状軌跡は、第1アプローチ旋回軌跡と旋回方向が同じ走行軌跡と、第1アプローチ旋回軌跡と旋回方向が異なる走行軌跡の両方を含む。したがって、第2〜第4形状の環状領域に収まる第1環状軌跡とこの第1環状軌跡を走行したときの車両前方向の加速度は、旋回方向が全て同じ環状軌跡を走行したときの走行軌跡と前方向加速度に比べて、ライダーの運転技術および/または車両の特徴がより一層強く反映される。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
よって、第1環状軌跡が第1〜第4形状の環状領域のいずれに収まる走行軌跡であっても、鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
【0028】
(6)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(1)〜(5)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、前記アプローチ旋回軌跡データと前記アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、
前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連する第1アプローチ旋回左右方向加速度データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連するアプローチ旋回左右方向加速度データが、前記鞍乗型車両走行データとして取得され、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記アプローチ旋回左右方向加速度データとに基づいて、前記第1鞍乗型車両の前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回左右方向加速度データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データを含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力する。
【0029】
この構成によると、鞍乗型車両走行データ取得処理では、アプローチ旋回軌跡データと、アプローチ旋回前方向加速度データと、アプローチ旋回左右方向加速度データが、鞍乗型車両走行データとして取得される。鞍乗型車両走行複合データ出力処理では、アプローチ旋回軌跡データと、アプローチ旋回前方向加速度データと、アプローチ旋回左右方向加速度データとに基づいて、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1アプローチ旋回左右方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。アプローチ旋回左右方向加速度データは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの少なくとも1台の鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連するデータである。アプローチ旋回左右方向加速度データは、第1アプローチ旋回左右方向加速度データを含む。第1アプローチ旋回左右方向加速度データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連するデータである。
鞍乗型車両は、旋回時に、車両左右方向の速度が変化する。鞍乗型車両は、車両の挙動の変化だけでなく、ライダーの姿勢の変化も利用して旋回する乗り物である。そのため、旋回中と旋回前の直進中の車両左右方向の加速度は、ライダーの意思によって決まる鞍乗型車両の走行状態と密接に関連している。また、旋回中と旋回前の直進中における鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度と車両左右方向の加速度は密接に関連する。したがって、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1アプローチ旋回左右方向加速度データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。つまり、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、第1アプローチ旋回左右方向加速度データを含むことで、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映している。第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、第1アプローチ旋回左右方向加速度データを含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少ない。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類を抑えつつ、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、第1アプローチ旋回左右方向加速度データを含むことで、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類を低減することができる。具体的には、例えば、取得するデータの種類を少なくすることができる。また、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データのデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0030】
(7)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(1)〜(6)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、前記アプローチ旋回軌跡データと前記アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、
前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記第1鞍乗型車両の姿勢に関連する第1旋回車両姿勢データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両の姿勢に関連する旋回車両姿勢データと、
前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢に関連する第1旋回ライダー姿勢データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両のライダーの姿勢に関連する旋回ライダー姿勢データとが、前記鞍乗型車両走行データとして取得され、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記旋回車両姿勢データと、前記旋回ライダー姿勢データとに基づいて、前記第1鞍乗型車両の前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記第1鞍乗型車両の姿勢に関連する前記第1旋回車両姿勢データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢に関連する前記第1旋回ライダー姿勢データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データを含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力する。
【0031】
この構成によると、鞍乗型車両走行データ取得処理では、アプローチ旋回軌跡データと、アプローチ旋回前方向加速度データと、旋回車両姿勢データと、旋回ライダー姿勢データが、鞍乗型車両走行データとして取得される。鞍乗型車両走行複合データ出力処理では、アプローチ旋回軌跡データと、アプローチ旋回前方向加速度データと、旋回車両姿勢データと、旋回ライダー姿勢データとに基づいて、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1旋回車両姿勢データと、第1旋回ライダー姿勢データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。旋回車両姿勢データは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両の姿勢に関連するデータである。旋回車両姿勢データは、第1旋回車両姿勢データを含む。第1旋回車両姿勢データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の鞍乗型車両の姿勢に関連するデータである。旋回ライダー姿勢データは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢に関連するデータである。旋回ライダー姿勢データは、第1旋回ライダー姿勢データを含む。第1旋回ライダー姿勢データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢に関連するデータである。
鞍乗型車両は、車両の挙動の変化だけでなく、ライダーの姿勢の変化も利用して旋回する乗り物である。そのため、旋回中と旋回前のライダーの姿勢と車両の挙動は、ライダーの意思によって決まる鞍乗型車両の走行状態と密接に関連している。したがって、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1旋回車両姿勢データと、第1旋回ライダー姿勢データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。つまり、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、第1旋回車両姿勢データと、第1旋回ライダー姿勢データを含むことで、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映している。
そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データは、様々な使い方がなされる。また、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データとに加えて、第1旋回車両姿勢データと、第1旋回ライダー姿勢データを含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少ない。また、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データのデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0032】
なお、上記(7)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記旋回車両姿勢データは、旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両のロール角、旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両のピッチ角、旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両のヨー角、旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両の操舵車輪または操舵用スキーの操舵角、旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両のある位置の車両左右方向の変位、旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両のある位置の車両上下方向の変位の少なくともいずれか1つに関連するデータである。
【0033】
この構成によると、旋回車両姿勢データは、少なくとも1台の鞍乗型車両のロール角、ピッチ角、ヨー角、操舵車輪の操舵角、操舵用スキーの操舵角、鞍乗型車両のある位置の車両左右方向の変位、鞍乗型車両のある位置の車両上下方向の変位の少なくともいずれか1つに関連するデータである。旋回車両姿勢データは、旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両の姿勢を高い精度で示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両の姿勢を示す旋回車両姿勢データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0034】
なお、上記(7)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記旋回ライダー姿勢データは、旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両のライダーの頭の向き、肩の位置、脚の位置、尻の位置、および、股の位置の少なくともいずれか1つに関連するデータである。
【0035】
この構成によると、旋回ライダー姿勢データは、少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーの頭の向き、肩の位置、脚の位置、尻の位置、および、股の位置の少なくともいずれか1つに関連するデータである。旋回ライダー姿勢データは、旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢を高い精度で示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢を示す旋回ライダー姿勢データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0036】
なお、上記(7)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、前記旋回車両姿勢データおよび前記旋回ライダー姿勢データが、撮像装置から取得される。
【0037】
この構成によると、旋回車両姿勢データおよび旋回ライダー姿勢データは、撮像装置から取得される。これにより、鞍乗型車両に搭載されたセンサの信号等に基づいて旋回車両姿勢データおよび旋回ライダー姿勢データを生成する必要がない。そのため、例えば、撮像装置から取得された第1旋回車両姿勢データおよび第1旋回ライダー姿勢データに基づいて第1鞍乗型車両走行複合データを容易に生成できる。また、撮像装置から取得された第2旋回車両姿勢データおよび第2旋回ライダー姿勢データに基づいて第2鞍乗型車両走行複合データを容易に生成できる。
また、撮像装置から取得された旋回車両姿勢データおよび旋回ライダー姿勢データは、旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両の姿勢および少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢を高い精度で示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両の姿勢を示す旋回車両姿勢データおよび旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢を示す旋回ライダー姿勢データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0038】
(8)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(1)〜(7)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記プロセッサは、
前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する第1ライダー識別データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーを識別するライダー識別データが取得されるライダー識別データ取得処理、を更に実行し、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データおよび前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記ライダー識別データ取得処理で取得された前記ライダー識別データとに基づいて、前記第1鞍乗型車両の前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する前記第1ライダー識別データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データを含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力する。
【0039】
この構成によると、アプローチ旋回軌跡データと、アプローチ旋回前方向加速度データと、ライダー識別データとに基づいて、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1ライダー識別データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。ライダー識別データは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーを識別するデータである。ライダー識別データは、第1ライダー識別データを含む。第1ライダー識別データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両に乗車するライダーを識別するデータである。
旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度は、ライダーの意思によって決まる鞍乗型車両の走行状態と密接に関連している。同じコーナーを走行した場合であっても、ライダーごとに鞍乗型車両の走行状態は異なる。そのため、ライダーの固有の運転技術を反映させた第1鞍乗型車両走行複合データを出力することができる。
鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データは、様々な使い方がなされる。また、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、第1ライダー識別データを含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少ない。また、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データのデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0040】
(9)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(1)〜(8)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、
前記少なくとも1台の鞍乗型車両に含まれ、前記第1鞍乗型車両と同一または異なる第2鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である第2アプローチ旋回軌跡であって、0mより大きく65m以下の第3直線と、前記第3直線に平行で前記第3直線から2m離れた第4直線との間の第2アプローチ領域と、前記第3直線の端に接続され、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の第3円弧と、前記第4直線の端に接続され、前記第3円弧と同心状であって、前記第3円弧の径方向外側に前記第3円弧から2m離れて位置する第4円弧との間の第2旋回領域とからなる第2アプローチ旋回領域に収まるような前記第2アプローチ旋回軌跡に関連する第2アプローチ旋回軌跡データを含む前記アプローチ旋回軌跡データと、
前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する第2アプローチ旋回前方向加速度データを含む前記アプローチ旋回前方向加速度データとが取得され、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データとに基づいて、
前記第1鞍乗型車両の前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データと、
前記第2鞍乗型車両の前記第2アプローチ旋回軌跡に関連する前記第2アプローチ旋回軌跡データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第2アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データとを含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力する。
【0041】
この構成によると、第1鞍乗型車両走行複合データと第2鞍乗型車両走行複合データが出力される。第2鞍乗型車両走行複合データは、第2アプローチ旋回軌跡データと第2アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられたデータである。第2アプローチ旋回軌跡データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行した鞍乗型車両と同一または異なる鞍乗型車両の走行軌跡である第2アプローチ旋回軌跡に関連するデータである。第2アプローチ旋回軌跡は、鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である。第2アプローチ旋回軌跡は、第2アプローチ旋回領域に収まるような走行軌跡である。第2アプローチ旋回領域は、0mより大きく65m以下の第3直線と、第3直線に平行で第3直線から2m離れた第4直線との間の第2アプローチ領域と、第3直線の端に接続され、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の第3円弧と、第3直線の端に接続され、第3円弧と同心状であって、第3円弧の径方向外側に第3円弧から2m離れて位置する第4円弧との間の第2旋回領域とからなる。第2アプローチ旋回前方向加速度データは、第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の前方向の加速度に関連するデータである。
鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力された第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データは、様々な使い方がなされる。第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データの差分や比較や組み合わせなどによってデータが生成されてもよい。また、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1ライダー識別データを含んでおり、第2鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第2アプローチ旋回軌跡データと、第2アプローチ旋回前方向加速度データと、第2ライダー識別データとを含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少ない。具体的には、例えば、取得するデータの種類を少なくすることができる。また、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データのデータ量も少なくすることができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データを出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。つまり、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0042】
(10)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(9)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記プロセッサは、
前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する第1ライダー識別データ、および、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する第2ライダー識別データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーを識別するライダー識別データが取得されるライダー識別データ取得処理、を更に実行し、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行ータ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記ライダー識別データ取得処理で取得された前記ライダー識別データとに基づいて、前記第1鞍乗型車両の前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する前記第1ライダー識別データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データと、
前記鞍乗型車両走行ータ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記ライダー識別データとに基づいて、前記第2鞍乗型車両の前記第2アプローチ旋回軌跡に関連する第2アプローチ旋回軌跡データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第2アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する前記第2ライダー識別データとが関連付けられた前記第2鞍乗型車両走行複合データと
を含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力する。
【0043】
この構成によると、鞍乗型車両走行複合データ出力処理では、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1ライダー識別データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データ、および、第2アプローチ旋回軌跡データと、第2アプローチ旋回前方向加速度データと、第2ライダー識別データとが関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データが出力される。鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力された第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データは、様々な使い方がなされる。第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データの差分や比較や組み合わせなどによってデータが生成されてもよい。
【0044】
第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。そのため、第1ライダー識別データおよび第2ライダー識別データに基づいて、例えば、同じライダーが同じ鞍乗型車両で走行した場合の第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データの差分や比較や組み合わせなどを得ることができる。第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データにより、同じライダーの運転技術の違いを反映したデータを生成することができる。また、第1ライダー識別データおよび第2ライダー識別データに基づいて、例えば、異なるライダーが同じ鞍乗型車両で走行した場合の第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データの差分や比較や組み合わせなどを得ることができる。第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データにより、異なるライダーの運転技術の違いを反映したデータを生成することができる。
【0045】
また、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1ライダー識別データを含み、第2鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第2アプローチ旋回軌跡データと、第2アプローチ旋回前方向加速度データと、第2ライダー識別データを含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類は少ない。具体的には、例えば、取得するデータの種類を少なくすることができる。また、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データのデータ量も少なくすることができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。つまり、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0046】
(11)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(9)または(10)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記プロセッサは、前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理で出力された、前記第1鞍乗型車両走行複合データと前記第2鞍乗型車両走行複合データとの差分である第1鞍乗型車両走行複合データ差分を出力する鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理、を更に実行する。
【0047】
上述したように、アプローチ旋回軌跡データおよびアプローチ旋回前方向加速度データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。そのため、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データに関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データと、第2アプローチ旋回軌跡データおよび第2アプローチ旋回前方向加速度データに関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データとの差分である第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、ライダーの運転技術の差および/または車両の特徴の差を強く反映している。
【0048】
鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理で出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、種々な使い方がなされてよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理において、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置内の記憶部に出力されてもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理において、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、鞍乗型車両走行データ処理装置が有するプロセッサと同じまたは異なるプロセッサに出力されてもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理において、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、鞍乗型車両走行データ処理装置の外部のコンピュータに出力されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、車両用装置から教官用装置に出力されてよい。この場合の教官用装置は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データ差分を表示する端末装置、表示装置または第1鞍乗型車両走行複合データ差分を印刷する印刷装置である。また、鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、表示装置または印刷装置である教官用装置に出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分を教官用装置に送信することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示または印刷することができる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、車両用装置から教習者用装置に出力されてよい。この場合の教習者用装置は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データ差分を表示する端末装置である。第1鞍乗型車両走行複合データ差分を教習者用装置に送信することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置が鞍乗型車両制御装置の場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、鞍乗型車両制御装置内のエンジン制御またはブレーキ制御のためのプロセッサに出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、車両制御装置内で、記憶部に出力されてよい。そして、記憶部に出力された第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、エンジン制御またはブレーキ制御を実行する、鞍乗型車両走行データ処理装置が有するプロセッサと同じまたは異なるプロセッサに出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分をエンジン制御またはブレーキ制御のために出力することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて、鞍乗型車両のエンジン制御またはブレーキ制御を行うことができる。鞍乗型車両走行データ処理装置が鞍乗型車両制御装置の場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、鞍乗型車両が備える表示装置に出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分を表示装置に出力することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、データ収録システムに接続された外部記憶装置(二次記憶装置、補助記憶装置)に出力されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、鞍乗型車両の走行後、蓄積した第1鞍乗型車両走行複合データ差分を、例えば、データ収録システムの外部の鞍乗型車両の走行状態を解析するための解析装置に出力してもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分を解析装置に出力することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて解析することができる。外部記憶装置に記憶された第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、鞍乗型車両の走行状態の解析に使用されてもよい。外部記憶装置に記憶された第1鞍乗型車両走行複合データ差分を解析に使用することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて解析することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、データ収録システムの外部のコンピュータに出力されてもよい。さらに、鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、車両用装置、教官用装置または教習者用装置は、第1鞍乗型車両走行複合データ差分に基づいて、解析情報を生成してもよい。解析情報とは、例えば、鞍乗型車両の乗り換えの案内、ツーリングコースの紹介、ライディングスクールの紹介、イベントの紹介、商品の紹介などに関する情報である。イベントは、運転講習会、ツーリング会、競技会などを含む。商品は、鞍乗型車両自体や鞍乗型車両の部品を含む。鞍乗型車両の部品は、例えば、タイヤやバッテリーである。さらに、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、保険システム、販売システム、金融システムなどのデータ処理システムに用いられてよい。なお、教習支援システム、車両制御装置およびデータ収録システムは、鞍乗型車両走行データ処理装置の一例である。
【0049】
第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データに関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データと、第2アプローチ旋回軌跡データおよび第2アプローチ旋回前方向加速度データに関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データとの差分である第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、ライダーの運転技術の差および/または車両の特徴の差を強く反映している。そのため、ライダーの運転技術の差および/または車両の特徴の差を強く反映したデータ差分を出力するために多数のデータを処理する場合に比べて、鞍乗型車両走行データ処理装置が処理するデータの種類を抑えることができる。具体的には、例えば、取得するデータの種類を少なくすることができる。また、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データ差分のデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データ差分を出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0050】
(12)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(1)〜(11)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記アプローチ旋回軌跡データまたは前記アプローチ旋回前方向加速度データの少なくとも一方が、GNSS(Global Navigation Satellite System / 全球測位衛星システム)を利用して生成されたデータである。
【0051】
この構成によると、アプローチ旋回軌跡データまたはアプローチ旋回前方向加速度データの少なくとも一方は、GNSSを利用して生成されたデータである。GNSSを利用して生成されたアプローチ旋回軌跡データは、アプローチ旋回軌跡を高い精度で示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、アプローチ旋回軌跡を示すアプローチ旋回軌跡データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。GNSSを利用して生成されたアプローチ旋回前方向加速度データは、アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度を高い精度で示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の前方向加速度を示すアプローチ旋回前方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。したがって、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0052】
(13)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(6)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記アプローチ旋回左右方向加速度データが、GNSS(Global Navigation Satellite System / 全球測位衛星システム)を利用して生成されたデータである。
【0053】
この構成によると、アプローチ旋回左右方向加速度データは、GNSSを利用して生成されたデータであるため、アプローチ旋回軌跡を高い精度で示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の左右方向加速度を示すアプローチ旋回左右方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0054】
(14)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(1)〜(13)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、前記第1アプローチ旋回軌跡データおよび前記第1アプローチ旋回前方向加速度データに基づいたイメージデータを含む前記第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。
【0055】
この構成によると、鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データに基づいたイメージデータを含む第1鞍乗型車両走行複合データを出力する。そのため、第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡と、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度を高い精度で示す。さらに、第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡と、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度との関連性を明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、第1アプローチ旋回軌跡を示す第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度を示す第1アプローチ旋回前方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0056】
なお、上記(9)〜(11)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、前記第2アプローチ旋回軌跡データおよび前記第2アプローチ旋回前方向加速度データに基づいたイメージデータを含む前記第2鞍乗型車両走行複合データが出力される。
【0057】
この構成によると、鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、第2アプローチ旋回軌跡データおよび第2アプローチ旋回前方向加速度データに基づいたイメージデータを含む第2鞍乗型車両走行複合データを出力する。そのため、第2鞍乗型車両走行複合データは、第2アプローチ旋回軌跡と、第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度を高い精度で示す。さらに、第2鞍乗型車両走行複合データは、第2アプローチ旋回軌跡と、第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度との関連性を明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、第2アプローチ旋回軌跡を示す第2アプローチ旋回軌跡データおよび第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度を示す第2アプローチ旋回前方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0058】
(15)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(6)または(13)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、前記第1アプローチ旋回軌跡データおよび前記第1アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいたイメージデータを含む前記第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。
【0059】
この構成によると、鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいたイメージデータを含む第1鞍乗型車両走行複合データを出力する。そのため、第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡と、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を高い精度で示す。さらに、第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡と、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度との関連性を明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、第1アプローチ旋回軌跡を示す第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を示す第1アプローチ旋回左右方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0060】
なお、上記(9)〜(11)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、前記アプローチ旋回軌跡データと前記アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連する第2アプローチ旋回左右方向加速度データを含む前記アプローチ旋回左右方向加速度データが、前記鞍乗型車両走行データとして取得される。
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記アプローチ旋回左右方向加速度データとに基づいて、前記第2鞍乗型車両の前記第2アプローチ旋回軌跡に関連する前記第2アプローチ旋回軌跡データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第2アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連する前記第2アプローチ旋回左右方向加速度データとが関連付けられた前記第2鞍乗型車両走行複合データを出力する。
前記第2鞍乗型車両走行複合データは、前記第2アプローチ旋回軌跡データおよび前記第2アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいたイメージデータを含む。
【0061】
この構成によると、鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、第2アプローチ旋回軌跡データおよび第2アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいたイメージデータを含む第2鞍乗型車両走行複合データを出力する。そのため、第2鞍乗型車両走行複合データは、第2アプローチ旋回軌跡と、第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を高い精度で示す。さらに、第2鞍乗型車両走行複合データは、第2アプローチ旋回軌跡と、第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度との関連性を明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、第2アプローチ旋回軌跡を示す第2アプローチ旋回軌跡データおよび第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を示す第2アプローチ旋回左右方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0062】
(16)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(6)、(13)、(15)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、前記第1アプローチ旋回前方向加速度データおよび前記第1アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいて生成された、前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度を縦軸とし、前記第1鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を横軸としたグラフのイメージデータを含む前記第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。
【0063】
この構成によると、第1鞍乗型車両走行複合データは、鞍乗型車両の車両前方向の加速度を縦軸とし、鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を横軸としたグラフのイメージデータを含む。そのため、第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度と鞍乗型車両の車両左右方向の加速度との関連性をより明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度を示す第1アプローチ旋回前方向加速度データおよび第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を示す第1アプローチ旋回左右方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0064】
なお、上記(9)〜(11)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、前記アプローチ旋回軌跡データと前記アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連する第2アプローチ旋回左右方向加速度データを含む前記アプローチ旋回左右方向加速度データが取得される。
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記アプローチ旋回左右方向加速度データとに基づいて、前記第2鞍乗型車両の前記第2アプローチ旋回軌跡に関連する前記第2アプローチ旋回軌跡データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第2アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連する前記第2アプローチ旋回左右方向加速度データとが関連付けられた前記第2鞍乗型車両走行複合データを出力する。
前記第2鞍乗型車両走行複合データは、前記第2アプローチ旋回前方向加速度データおよび前記第2アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいて生成された、前記第2鞍乗型車両の車両前方向の加速度を縦軸とし、前記第2鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を横軸としたグラフのイメージデータを含む。
【0065】
この構成によると、第2鞍乗型車両走行複合データは、鞍乗型車両の車両前方向の加速度を縦軸とし、鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を横軸としたグラフのイメージデータを含む。そのため、第2鞍乗型車両走行複合データは、第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度と鞍乗型車両の車両左右方向の加速度との関連性をより明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度を示す第2アプローチ旋回前方向加速度データおよび第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を示す第2アプローチ旋回左右方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0066】
(17)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(6)または(13)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、前記第1旋回車両姿勢データおよび前記第1旋回ライダー姿勢データに基づいたイメージデータを含む前記第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。
【0067】
この構成によると、鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、第1旋回車両姿勢データおよび第1旋回ライダー姿勢データに基づいたイメージデータを含む第1鞍乗型車両走行複合データを出力する。そのため、第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の姿勢とライダーの姿勢を高い精度で示す。さらに、第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の姿勢とライダーの姿勢との関連性を明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の姿勢を示す第1旋回車両姿勢データおよび第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢を示す第1旋回ライダー姿勢データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0068】
(18)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(1)〜(17)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記第1アプローチ旋回軌跡は、前記第1鞍乗型車両の進行方向をガイドするための少なくとも1つのアプローチ旋回ガイド部が設けられた環境下で前記第1鞍乗型車両が前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの走行軌跡である。
【0069】
この構成によると、第1アプローチ旋回軌跡は、少なくとも1つのアプローチ旋回ガイド部が設けられた環境下で鞍乗型車両が走行して得られた走行軌跡である。鞍乗型車両はアプローチ旋回ガイド部によって進行方向がガイドされる。アプローチ旋回ガイド部によって、第1アプローチ旋回軌跡を、所望のサイズおよび形状に近づけることができる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
また、第1アプローチ旋回軌跡以外のアプローチ旋回軌跡を鞍乗型車両が走行するときにもアプローチ旋回ガイド部を用いることにより、複数のアプローチ旋回軌跡が収まる複数のアプローチ旋回領域のばらつきを低減できる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データを含む鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0070】
(19)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(18)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記アプローチ旋回ガイド部は、前記第1鞍乗型車両が前記第1アプローチ旋回軌跡を走行するときに、旋回前の前記第1鞍乗型車両の進行方向をガイドするための複数のアプローチガイド部を含み、
前記第1アプローチ旋回軌跡は、前記第1鞍乗型車両が前記複数のアプローチガイド部のうちの2つのアプローチガイド部の間を通過した後に旋回したときの走行軌跡である。
【0071】
この構成によると、第1アプローチ旋回軌跡は、鞍乗型車両が2つのアプローチガイド部の間を通過した後に旋回したときの走行軌跡である。アプローチガイド部によって、第1アプローチ旋回軌跡を、所望のサイズおよび形状に近づけることができる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
また、第1アプローチ旋回軌跡以外のアプローチ旋回軌跡を鞍乗型車両が走行するときにもアプローチガイド部を用いることにより、複数のアプローチ旋回軌跡が収まる複数のアプローチ旋回領域のばらつきを低減できる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データを含む鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0072】
(20)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(18)または(19)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記アプローチ旋回ガイド部は、前記第1鞍乗型車両が前記第1アプローチ旋回軌跡を走行するときに、旋回中の前記第1鞍乗型車両の進行方向をガイドするための少なくとも1つの旋回ガイド部を含み、
前記第1アプローチ旋回軌跡は、前記第1鞍乗型車両が旋回中に前記少なくとも1つの旋回ガイド部よりも旋回半径の径方向外側を通るように走行したときの走行軌跡である。
【0073】
この構成によると、第1アプローチ旋回軌跡は、鞍乗型車両が旋回中に旋回ガイド部よりも旋回半径の径方向外側を通るように走行したときの走行軌跡である。旋回ガイド部によって、第1アプローチ旋回軌跡を所望のサイズおよび形状に近づけることができる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
また、第1アプローチ旋回軌跡以外のアプローチ旋回軌跡を鞍乗型車両が走行するときにも旋回ガイド部を用いることにより、複数のアプローチ旋回軌跡が収まる複数のアプローチ旋回領域のばらつきを低減できる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データを含む鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0074】
(21)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(18)〜(20)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記アプローチ旋回ガイド部は、前記第1鞍乗型車両の進行方向を制限するように構成されている。
【0075】
この構成によると、アプローチ旋回ガイド部は、鞍乗型車両の進行方向を制限する。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
また、第1アプローチ旋回軌跡以外のアプローチ旋回軌跡を鞍乗型車両が走行するときにもこのアプローチ旋回ガイド部を用いることにより、複数のアプローチ旋回軌跡が収まる複数のアプローチ旋回領域のばらつきを低減できる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データを含む鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0076】
(22)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(21)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記第1鞍乗型車両が、地面を走行可能であって、前記少なくとも1つのアプローチ旋回ガイド部が、設置場所を自在に変更可能に前記地面に配置される。
【0077】
この構成によると、アプローチ旋回ガイド部は、設置場所を自在に変更可能に地面に設置される。そのため、アプローチ旋回ガイド部を様々な場所に配置することができる。そのため、例えば駐車場などの道路以外の場所で、第1アプローチ旋回軌跡データを取得することができる。
また、アプローチ旋回ガイド部の位置の変更が容易である。そのため、第1アプローチ旋回軌跡のサイズおよび形状を容易に変更できる。
また、アプローチ旋回ガイド部の数を増やすことが容易である。アプローチ旋回ガイド部の数を増やすことで、第1アプローチ旋回軌跡を、所望のサイズおよび形状により近づけることができる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
また、第1アプローチ旋回軌跡以外のアプローチ旋回軌跡を鞍乗型車両が走行するときにもこのアプローチ旋回ガイド部を用いることにより、複数のアプローチ旋回軌跡が収まる複数のアプローチ旋回領域のばらつきを低減できる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データを含む鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0078】
(23)本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両の運転の教習に使用され、走行中の前記鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを用いる鞍乗型車両教習支援システムや、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを蓄積する鞍乗型車両データ収録システムや、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データに基づいて前記鞍乗型車両を制御する鞍乗型車両制御装置のような、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データ処理装置において、走行中の前記鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを処理する鞍乗型車両走行データ処理方法であって、
(A)(a1)第1鞍乗型車両が走行したときの走行軌跡であり、前記第1鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である第1アプローチ旋回軌跡であって、0mより大きく65m以下の第1直線と、前記第1直線に平行で前記第1直線から2m離れた第2直線との間の第1アプローチ領域と、前記第1直線の端に接続され、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の第1円弧と、前記第2直線の端に接続され、前記第1円弧と同心状であって、前記第1円弧の径方向外側に前記第1円弧から2m離れて位置する第2円弧との間の第1旋回領域とからなる第1アプローチ旋回領域に収まるような前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する第1アプローチ旋回軌跡データを含み、前記第1鞍乗型車両を含む少なくとも1台の鞍乗型車両が走行したときの走行軌跡であり、前記少なくとも1台の鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡に関連するアプローチ旋回軌跡データと、
(a2)前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する第1アプローチ旋回前方向加速度データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連するアプローチ旋回前方向加速度データとが、前記鞍乗型車両走行データとして取得される鞍乗型車両走行データ取得処理と、
(B)前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データとに基づいて、0mより大きく65m以下の前記第1直線と前記第1直線に平行で前記第1直線から2m離れた前記第2直線との間の前記第1アプローチ領域と、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の前記第1円弧と前記第1円弧の径方向外側に前記第1円弧から2m離れて位置する前記第2円弧との間の前記第1旋回領域とからなる前記第1アプローチ旋回領域に収まるような前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データを含む鞍乗型車両走行複合データを出力する鞍乗型車両走行複合データ出力処理と、を行う。
【0079】
鞍乗型車両は、乗用車よりも、車両の大きさが小さい。また、鞍乗型車両は、乗用車と異なり、旋回時にライダーが重心を移動させながら走行する。そのため、走行中の鞍乗型車両に関連するデータは、走行中の乗用車に関連するデータと異なる。鞍乗型車両走行データは、乗用車走行データよりも、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。従来提案されている鞍乗型車両走行データ処理装置、鞍乗型車両走行データ処理方法および鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データとして、多くの種類のデータを取得する。つまり、従来提案されている鞍乗型車両走行データ処理装置、鞍乗型車両走行データ処理方法および鞍乗型車両走行データ処理プログラムにおいては、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映するデータとして取得するデータの種類が多い。また、従来提案されている鞍乗型車両走行データ処理装置、鞍乗型車両走行データ処理方法および鞍乗型車両走行データ処理プログラムにおいては、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映するデータとして処理するデータの種類も多い。
【0080】
一方、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、鞍乗型車両走行データ取得処理と、鞍乗型車両走行複合データ出力処理とを実行する。鞍乗型車両走行データ取得処理では、アプローチ旋回軌跡データと、アプローチ旋回前方向加速度データが、鞍乗型車両走行データとして取得される。アプローチ旋回軌跡データは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡に関連するデータである。少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡は、少なくとも1台の鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である。アプローチ旋回軌跡データは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡に含まれる第1アプローチ旋回軌跡に関連する第1アプローチ旋回軌跡データを含む。第1アプローチ旋回軌跡は、鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である。第1アプローチ旋回軌跡は、第1アプローチ旋回領域に収まるような走行軌跡である。第1アプローチ旋回領域は、0mより大きく65m以下の第1直線と、第1直線に平行で第1直線から2m離れた第2直線との間の第1アプローチ領域と、第1直線の端に接続され、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の第1円弧と、第2直線の端に接続され、第1円弧と同心状であって、第1円弧の径方向外側に第1円弧から2m離れて位置する第2円弧との間の第1旋回領域とからなる。アプローチ旋回前方向加速度データは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの少なくとも1台の鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連するデータである。アプローチ旋回前方向加速度データは第1アプローチ旋回前方向加速度データを含む。第1アプローチ旋回前方向加速度データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連するデータである。鞍乗型車両走行複合データ出力処理では、アプローチ旋回軌跡データと、アプローチ旋回前方向加速度データとに基づいて、第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。第1鞍乗型車両走行複合データは、鞍乗型車両の第1アプローチ旋回軌跡に関連する第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられたデータである。第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データの2種類のデータは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。そのため、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。
【0081】
第1アプローチ旋回軌跡は、旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両の走行軌跡である。つまり、第1鞍乗型車両走行複合データは、旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度に関連する。鞍乗型車両は、車両の挙動の変化だけでなく、ライダーの姿勢の変化も利用して旋回する乗り物である。つまり、鞍乗型車両は、ライダーの姿勢の変化によって遠心力と重力のバランスをとりながら旋回する乗り物である。旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度は、鞍乗型車両の走行状態と密接に関連している。また、旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度は互いに密接に関連する。同じコースを走る場合でもライダーによって、ライダーの姿勢の変化および車両の挙動は異なる。そのため、旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度は、ライダーの運転技術と密接に関連している。また、コースとライダーが同じであっても車両の種類が異なると、ライダーの姿勢の変化および車両の挙動は異なる場合がある。そのため、旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度は、車両の特徴と密接に関連する。
【0082】
走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データは、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されて、第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。出力された第1鞍乗型車両走行複合データは、種々な使い方がなされてよい。鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、通信装置に出力され、通信装置から教官用装置に送信されてよい。この場合の教官用装置は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データを表示する端末装置、表示装置または第1鞍乗型車両走行複合データを印刷する印刷装置である。また、鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、車両用装置から教習者用装置に出力されてよい。第1鞍乗型車両走行複合データを教官用装置に送信することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示または印刷することができる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、通信装置に出力され、通信装置から受講者用装置に送信されてよい。この場合の受講者用装置は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データを表示する端末装置である。第1鞍乗型車両走行複合データを受講者用装置に送信することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置が車両制御装置の場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、車両制御装置内で、エンジン制御またはブレーキ制御のために出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、車両制御装置内で、記憶部に出力されてよい。そして、記憶部に出力された第1鞍乗型車両走行複合データは、エンジン制御またはブレーキ制御を実行する、鞍乗型車両走行データ処理装置が有するプロセッサと同じまたは異なるプロセッサに出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データをエンジン制御またはブレーキ制御のために出力することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて、鞍乗型車両のエンジン制御またはブレーキ制御を行うことができる。鞍乗型車両走行データ処理装置が車両制御装置の場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、鞍乗型車両が備える表示装置に出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データを表示装置に出力することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、データ収録システムの外部のコンピュータに出力されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、鞍乗型車両の走行後、蓄積した第1鞍乗型車両走行複合データを、例えば、データ収録システムの外部の鞍乗型車両の走行状態を解析するための解析装置に出力してもよい。第1鞍乗型車両走行複合データを解析装置に出力することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて解析することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、鞍乗型車両の走行後、蓄積した複数種類のデータを、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、データ収録システムに接続された外部記憶装置(二次記憶装置、補助記憶装置)に出力されてもよい。そして、外部記憶装置に記憶された第1鞍乗型車両走行複合データは、鞍乗型車両の走行状態の解析に使用されてもよい。外部記憶装置に記憶された第1鞍乗型車両走行複合データを解析に使用することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて解析することができる。教習支援システム、車両制御装置およびデータ収録システムは、鞍乗型車両走行データ処理装置の一例である。さらに、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データは、保険システム、販売システム、金融システムなどのデータ処理システムに用いられてよい。
【0083】
このように、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサは、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データを出力する。鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データは、様々な使い方がなされる。また、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データを含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少ない。具体的には、例えば、取得するデータの種類を少なくすることができる。また、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データのデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0084】
旋回中の鞍乗型車両の車両前方向の速度は、旋回半径が大きいほど高くなり、旋回半径が小さいほど低くなる。車両前方向の速度を、以下、車速という。仮に、第1旋回領域の内周縁である第1円弧の半径が10mよりも大きい場合、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の鞍乗型車両の車速が比較的高い。そのため、第1円弧の半径が10mよりも大きい場合、旋回中の鞍乗型車両の車速の違いがあっても、鞍乗型車両に作用する遠心力に違いがあまり生じない。そのため、第1円弧の半径が10mよりも大きい場合、ライダーの運転技術が違っていても、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の走行状態に違いがあまりない。また、第1円弧の半径が10mよりも大きい場合、鞍乗型車両の種類が異なっていても、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の走行状態に違いがあまりない。よって、仮に、第1円弧の半径が10mよりも大きい場合、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴があまり反映されない。
一方、本発明の第1円弧の半径は10m以下であるため、旋回中の鞍乗型車両の車速が比較的低い。そのため、第1円弧の半径は10m以下であることにより、旋回中の鞍乗型車両の車速の違いによって、遠心力に違いが生じる。そのため、第1円弧の半径が10m以下であることで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の違いが、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の走行状態の違いに現れやすい。したがって、第1円弧の半径が10m以下であることで、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴がより反映されやすい。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0085】
通常、旋回中の鞍乗型車両の車両左右方向の加速度は、0.1G〜0.8G程度(1〜8m/s程度)である。第1旋回領域の内周縁である第1円弧は、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下である。そのため、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の鞍乗型車両の車速は、例えば5〜32km/h程度である。旋回中の車速が5〜32km/h程度の場合、旋回中の鞍乗型車両の車速の違いによって、鞍乗型車両に作用する遠心力に大きな違いが生じる。そのため、第1円弧の中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下であることで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の違いが、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の走行状態の違いに現れやすい。したがって、第1円弧の中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下であることで、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴がより反映されやすい。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0086】
旋回前の直進中に鞍乗型車両が減速のみまたは加速と減速の両方をする場合、直進に必要な距離は、0mより大きく65m以下である。第1アプローチ領域の第1直線の長さは、0mより大きく65m以下である。したがって、第1アプローチ領域の第1直線の長さが0mより大きく65m以下であることにより、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の違いがより反映されやすい。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0087】
第1直線と第2直線の間隔は、2mである。第1円弧と第2円弧の間隔も2mである。つまり、第1アプローチ旋回軌跡は、幅が2mの第1アプローチ旋回領域に収まる。
ここで、鞍乗型車両が自動二輪車または自動三輪車の場合、鞍乗型車両の車両前方向の長さは、1.8〜2.6m程度であって、鞍乗型車両の幅(車両左右方向の長さ)は、0.5〜1.1m程度である。鞍乗型車両が四輪バギーの場合、鞍乗型車両の車両前方向の長さは、1.4〜2.0m程度であって、鞍乗型車両の幅は、0.7〜1.2m程度である。鞍乗型車両がスノーモービルの場合、鞍乗型車両の車両前方向の長さは、2.0〜4.0m程度であって、鞍乗型車両の幅は、1.0〜1.2m程度である。鞍乗型車両が水上オートバイの場合、鞍乗型車両の車両前方向の長さは、2.0〜4.0m程度であって、鞍乗型車両の幅は、0.7〜1.3m程度である。
したがって、第1アプローチ旋回領域の幅(2m)は、鞍乗型車両の幅の平均の約2倍であって、鞍乗型車両の最大幅の約1.5倍である。このような鞍乗型車両の幅と全長を考慮すると、第1アプローチ旋回領域の幅(2m)は、鞍乗型車両の走行の自由度がありながら、鞍乗型車両が第1アプローチ旋回領域の幅内でUターンできない幅である。ここで、Uターンとは、180°の旋回のことである。第1アプローチ旋回領域の幅内でのUターンとは、第1アプローチ旋回領域の縁に沿わないUターンのことである。
2mの幅内でUターンした場合の走行軌跡は、2m以上の旋回半径で旋回したときの走行軌跡と全く異なる。このように全く異なる走行軌跡のデータは、例えば運転の教習、車両の制御、または車両の走行状態の解析などに使用する際に同じ処理ができない。第1アプローチ旋回領域の幅が2mであることにより、第1アプローチ旋回軌跡が、第1アプローチ旋回領域の幅内でUターンした走行軌跡である可能性を除外できる。したがって、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の違いがより反映されやすい。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0088】
(24)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(23)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、
(a3)前記第1アプローチ旋回軌跡を含む前記第1鞍乗型車両の走行軌跡であって、少なくとも1周の環状であり、前記第1アプローチ旋回領域を含む第1環状領域に収まるような第1環状軌跡に関連する第1環状軌跡データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を含む前記少なくとも1台の鞍乗型車両の走行軌跡であって、各々が少なくとも1周の環状である少なくとも1つの環状軌跡に関連する環状軌跡データと、
(a4)前記第1環状軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する第1環状前方向加速度データを含み、前記少なくとも1つの環状軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する環状前方向加速度データとが、前記鞍乗型車両走行データとして取得され、
前記第1環状軌跡データは、前記第1アプローチ旋回軌跡データを含み、
前記第1環状前方向加速度データは、前記第1アプローチ旋回前方向加速度データを含み、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記環状軌跡データと、前記環状前方向加速度データとに基づいて、前記第1鞍乗型車両の前記第1環状軌跡に関連する前記第1環状軌跡データと、前記第1環状軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1環状前方向加速度データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データを含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力する。
【0089】
この構成によると、鞍乗型車両走行データ取得処理では、環状軌跡データと環状前方向加速度データが、鞍乗型車両走行データとして取得される。鞍乗型車両走行複合データ出力処理では、環状軌跡データと環状前方向加速度データとに基づいて、第1環状軌跡データと第1環状前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。環状軌跡データは、少なくとも1台の鞍乗型車両の環状の走行軌跡である少なくとも1つの環状軌跡に関連するデータである。環状軌跡データは、第1環状軌跡データを含む。第1環状軌跡データは、鞍乗型車両の環状の走行軌跡である第1環状軌跡に関連するデータである。第1環状軌跡は、第1アプローチ旋回軌跡を含む。第1環状軌跡は、第1アプローチ旋回領域を含む第1環状領域に収まるような走行軌跡である。環状前方向加速度データは、少なくとも1つの環状軌跡を走行したときの少なくとも1台の鞍乗型車両の前方向加速度に関連するデータである。環状前方向加速度データは、第1環状前方向加速度データを含む。第1環状前方向加速度データは、第1環状軌跡を走行したときの鞍乗型車両の前方向加速度に関連するデータである。環状軌跡は、少なくとも2回の旋回中の走行軌跡を有する。そのため、第1環状軌跡データと第1環状前方向加速度データが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データは、1回しか旋回しなかった場合の第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データに比べて、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の違いをより強く反映する。
そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データは、様々な使い方がなされる。また、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1環状軌跡データと、第1環状前方向加速度データを含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少ない。また、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データのデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0090】
(25)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(24)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記第1環状軌跡における前記第1鞍乗型車両の進行方向を、前方向とした場合に、
前記第1環状軌跡は、前記第1アプローチ旋回軌跡の後端に接続され、前記第1アプローチ旋回軌跡と旋回方向が異なる旋回中の走行軌跡を含む。
【0091】
この構成によると、第1環状軌跡において、第1アプローチ旋回軌跡の後端に接続された旋回中の走行軌跡は、第1アプローチ旋回軌跡と旋回方向が異なる。異なる旋回方向を含む第1環状軌跡は、旋回方向が全て同じである第1環状軌跡に比べて、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)が高い。その上、異なる旋回方向を含む第1環状軌跡を走行したときの前方向加速度も、旋回方向が全て同じである第1環状軌跡を走行したときの前方向加速度と比べて、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)が高い。したがって、異なる旋回方向を含む第1環状軌跡に関連する第1環状軌跡データと、この第1環状軌跡を走行したときの第1環状前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴がより一層強く反映されている。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
【0092】
(26)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(24)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記第1環状軌跡における前記第1鞍乗型車両の進行方向を、前方向とした場合に、
前記第1環状軌跡は、前記第1アプローチ旋回軌跡の後端に接続され、前記第1アプローチ旋回軌跡と旋回方向が同じである旋回中の走行軌跡を含む。
【0093】
この構成によると、第1アプローチ旋回軌跡の後端に接続された旋回中の走行軌跡は、第1アプローチ旋回軌跡と旋回方向が同じである。同じ旋回方向の第1環状軌跡を走行して得られる第1環状軌跡データおよび第1環状前方向加速度データが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。
【0094】
(27)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(24)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記第1環状領域は、内周縁と外周縁との間の距離が2mであって、
前記第1環状軌跡における前記第1鞍乗型車両が走行する方向を、前方向とした場合に、
前記第1環状軌跡が収まる前記第1環状領域は、
(i)前記第1アプローチ旋回領域に加えて、
前記第1旋回領域の前端に接続された直線状の第2直線領域と、
前記第2直線領域の前端および前記第1アプローチ領域の後端に接続された円弧状の第2曲線領域とを含む第1形状の環状領域であるか、または、
(ii)前記第1アプローチ旋回領域に加えて、
前記第1旋回領域の前端に接続され、前記第1アプローチ領域よりも短い直線状の第2直線領域と、
前記第2直線領域の前端に接続された曲線状の第2曲線領域であって、前記第2曲線領域での旋回方向が前記第1旋回領域での旋回方向と異なる前記第2曲線領域と、
前記第2曲線領域の前端に接続された直線状の第3直線領域内と、
前記第3直線領域の前端に接続された曲線状の第3曲線領域であって、前記第3曲線領域での旋回方向が前記第2曲線領域での旋回方向と同じである前記第3曲線領域と、
前記第3曲線領域の前端に接続された直線状の第4直線領域と、
前記第4直線領域の前端に接続された曲線状の第4曲線領域であって、前記第4曲線領域での旋回方向が前記第3曲線領域での旋回方向と異なる前記第4曲線領域と、
前記第4曲線領域の前端に接続され、前記第4直線領域よりも長い直線状の第5直線領域と、
前記第5直線領域の前端に接続された曲線状の第5曲線領域であって、前記第5曲線領域での旋回方向が前記第4曲線領域での旋回方向と同じである前記第5曲線領域と、
前記第5曲線領域の前端に接続され、前記第3直線領域よりも長い直線状の第6直線領域と、
前記第6直線領域の前端および前記第1アプローチ領域の後端に接続された曲線状の第6曲線領域であって、前記第6曲線領域での旋回方向が前記第5曲線領域での旋回方向と同じである前記第6曲線領域とを含む第2形状の環状領域であるか、または、
(iii)前記第1アプローチ旋回領域に加えて、
前記第1旋回領域の前端に接続され、前記第1アプローチ領域よりも短い直線状の第2直線領域と、
前記第2直線領域の前端に接続された曲線状の第2曲線領域であって、前記第2曲線領域での旋回方向が前記第1旋回領域での旋回方向と異なる前記第2曲線領域と、
前記第2曲線領域の前端に接続された直線状の第3直線領域と、
前記第3直線領域の前端に接続された曲線状の第3曲線領域であって、前記第3曲線領域での旋回方向が前記第2曲線領域での旋回方向と異なる前記第3曲線領域と、
前記第3曲線領域の前端に接続された直線状の第4直線領域と、
前記第4直線領域の前端に接続された曲線状の第4曲線領域であって、前記第4曲線領域での旋回方向が前記第3曲線領域での旋回方向と異なる前記第4曲線領域と、
前記第4曲線領域の前端に接続された直線状の第5直線領域と、
前記第5直線領域の前端に接続された曲線状の第5曲線領域であって、前記第5曲線領域での旋回方向が前記第4曲線領域での旋回方向と異なる前記第5曲線領域と、
前記第5曲線領域の前端に接続され、前記第2〜第5直線領域よりも長い直線状の第6直線領域と、
前記第6直線領域の前端に接続された曲線状の第6曲線領域であって、前記第6曲線領域での旋回方向が前記第5曲線領域での旋回方向と同じである前記第6曲線領域と、
前記第6曲線領域の前端に接続された直線状の第7直線領域と、
前記第7直線領域の前端および前記第1アプローチ領域の後端に接続された曲線状の第7曲線領域であって、前記第7曲線領域での旋回方向が前記第6曲線領域での旋回方向と同じである前記第7曲線領域とを含み、
前記環状軌跡で囲まれた領域の形状がE字状となるような第3形状の環状領域であるか、または、
(iv)前記第1アプローチ旋回領域に加えて、
前記第1旋回領域の前端に接続された直線状の第2直線領域と、
前記第2直線領域の前端に接続された曲線状の第2曲線領域であって、前記第2曲線領域での旋回方向が前記第1旋回領域での旋回方向と異なる前記第2曲線領域と、
前記第2曲線領域の前端に接続された直線状の第3直線領域と、
前記第3直線領域の前端に接続された曲線状の第3曲線領域であって、前記第3曲線領域での旋回方向が前記第2曲線領域での旋回方向と異なる前記第3曲線領域と、
前記第3曲線領域の前端に接続された直線状の第4直線領域と、
前記第4直線領域の前端および前記第1アプローチ領域の後端に接続された曲線状の第4曲線領域であって、前記第4曲線領域での旋回方向が前記第3曲線領域での旋回方向と異なる前記第4曲線領域とを含む第4形状の環状領域である。
【0095】
第1形状の環状領域は、第1アプローチ旋回領域と、直線状の第2直線領域と、円弧状の第2曲線領域とからなる。したがって、第1形状の環状領域は、凹部を有さないシンプルな形状である。形状がシンプルでありながら、第1形状の環状領域に収まる第1環状軌跡は、2回の旋回中の走行軌跡と旋回前後の直進時の走行軌跡を有する。そのため、第1形状の環状領域に収まる第1環状軌跡とこの第1環状軌跡を走行したときの車両前方向の加速度は、ライダーの運転技術および/または車両の特徴が強く反映されている。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
第2〜第4形状の環状領域に収まる第1環状軌跡は、4回以上の旋回中の走行軌跡を含む。さらに、第2〜第4形状の環状領域に収まる第1環状軌跡は、第1アプローチ旋回軌跡と旋回方向が同じ走行軌跡と、第1アプローチ旋回軌跡と旋回方向が異なる走行軌跡の両方を含む。したがって、第2〜第4形状の環状領域に収まる第1環状軌跡とこの第1環状軌跡を走行したときの車両前方向の加速度は、旋回方向が全て同じ環状軌跡を走行したときの走行軌跡と前方向加速度に比べて、ライダーの運転技術および/または車両の特徴がより一層強く反映される。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
よって、第1環状軌跡が第1〜第4形状の環状領域のいずれに収まる走行軌跡であっても、鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
【0096】
(28)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(23)〜(27)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、前記アプローチ旋回軌跡データと前記アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、
前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連する第1アプローチ旋回左右方向加速度データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連するアプローチ旋回左右方向加速度データが、前記鞍乗型車両走行データとして取得され、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記アプローチ旋回左右方向加速度データとに基づいて、前記第1鞍乗型車両の前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回左右方向加速度データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データを含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力する。
【0097】
この構成によると、鞍乗型車両走行データ取得処理では、アプローチ旋回軌跡データと、アプローチ旋回前方向加速度データと、アプローチ旋回左右方向加速度データが、鞍乗型車両走行データとして取得される。鞍乗型車両走行複合データ出力処理では、アプローチ旋回軌跡データと、アプローチ旋回前方向加速度データと、アプローチ旋回左右方向加速度データとに基づいて、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1アプローチ旋回左右方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。アプローチ旋回左右方向加速度データは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの少なくとも1台の鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連するデータである。アプローチ旋回左右方向加速度データは、第1アプローチ旋回左右方向加速度データを含む。第1アプローチ旋回左右方向加速度データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連するデータである。
鞍乗型車両は、旋回時に、車両左右方向の速度が変化する。鞍乗型車両は、車両の挙動の変化だけでなく、ライダーの姿勢の変化も利用して旋回する乗り物である。そのため、旋回中と旋回前の直進中の車両左右方向の加速度は、ライダーの意思によって決まる鞍乗型車両の走行状態と密接に関連している。また、旋回中と旋回前の直進中における鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度と車両左右方向の加速度は密接に関連する。したがって、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1アプローチ旋回左右方向加速度データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。つまり、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、第1アプローチ旋回左右方向加速度データを含むことで、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映している。第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、第1アプローチ旋回左右方向加速度データを含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少ない。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類を抑えつつ、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、第1アプローチ旋回左右方向加速度データを含むことで、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類を低減することができる。具体的には、例えば、取得するデータの種類を少なくすることができる。また、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データのデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0098】
(29)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(23)〜(28)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、前記アプローチ旋回軌跡データと前記アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、
前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記第1鞍乗型車両の姿勢に関連する第1旋回車両姿勢データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両の姿勢に関連する旋回車両姿勢データと、
前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢に関連する第1旋回ライダー姿勢データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両のライダーの姿勢に関連する旋回車両姿勢データとが、前記鞍乗型車両走行データとして取得され、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記旋回車両姿勢データと、前記旋回ライダー姿勢データとに基づいて、前記第1鞍乗型車両の前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記第1鞍乗型車両の姿勢に関連する前記第1旋回車両姿勢データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢に関連する前記第1旋回ライダー姿勢データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データを含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力する。
【0099】
この構成によると、鞍乗型車両走行データ取得処理では、アプローチ旋回軌跡データと、アプローチ旋回前方向加速度データと、旋回車両姿勢データと、旋回ライダー姿勢データが、鞍乗型車両走行データとして取得される。鞍乗型車両走行複合データ出力処理では、アプローチ旋回軌跡データと、アプローチ旋回前方向加速度データと、旋回車両姿勢データと、旋回ライダー姿勢データとに基づいて、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1旋回車両姿勢データと、第1旋回ライダー姿勢データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。旋回車両姿勢データは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両の姿勢に関連するデータである。旋回車両姿勢データは、第1旋回車両姿勢データを含む。第1旋回車両姿勢データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の鞍乗型車両の姿勢に関連するデータである。旋回ライダー姿勢データは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢に関連するデータである。旋回ライダー姿勢データは、第1旋回ライダー姿勢データを含む。第1旋回ライダー姿勢データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢に関連するデータである。
鞍乗型車両は、車両の挙動の変化だけでなく、ライダーの姿勢の変化も利用して旋回する乗り物である。そのため、旋回中と旋回前のライダーの姿勢と車両の挙動は、ライダーの意思によって決まる鞍乗型車両の走行状態と密接に関連している。したがって、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1旋回車両姿勢データと、第1旋回ライダー姿勢データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。つまり、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、第1旋回車両姿勢データと、第1旋回ライダー姿勢データを含むことで、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映している。
そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データは、様々な使い方がなされる。また、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データとに加えて、第1旋回車両姿勢データと、第1旋回ライダー姿勢データを含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少ない。また、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データのデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0100】
なお、上記(29)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記旋回車両姿勢データは、旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両のロール角、旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両のピッチ角、旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両のヨー角、旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両の操舵車輪または操舵用スキーの操舵角、旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両のある位置の車両左右方向の変位、旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両のある位置の車両上下方向の変位の少なくともいずれか1つに関連するデータである。
【0101】
この構成によると、旋回車両姿勢データは、少なくとも1台の鞍乗型車両のロール角、ピッチ角、ヨー角、操舵車輪の操舵角、操舵用スキーの操舵角、鞍乗型車両のある位置の車両左右方向の変位、鞍乗型車両のある位置の車両上下方向の変位の少なくともいずれか1つに関連するデータである。旋回車両姿勢データは、旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両の姿勢を高い精度で示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両の姿勢を示す旋回車両姿勢データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0102】
なお、上記(29)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記旋回ライダー姿勢データは、旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両のライダーの頭の向き、肩の位置、脚の位置、尻の位置、および、股の位置の少なくともいずれか1つに関連するデータである。
【0103】
この構成によると、旋回ライダー姿勢データは、少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーの頭の向き、肩の位置、脚の位置、尻の位置、および、股の位置の少なくともいずれか1つに関連するデータである。旋回ライダー姿勢データは、の少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢を高い精度で示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢を示す旋回ライダー姿勢データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0104】
なお、上記(29)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、前記旋回車両姿勢データおよび前記旋回ライダー姿勢データが、撮像装置から取得される。
【0105】
この構成によると、旋回車両姿勢データおよび旋回ライダー姿勢データは、撮像装置から取得される。これにより、鞍乗型車両に搭載されたセンサの信号等に基づいて旋回車両姿勢データおよび旋回ライダー姿勢データを生成する必要がない。そのため、例えば、撮像装置から取得された第1旋回車両姿勢データおよび第1旋回ライダー姿勢データに基づいて第1鞍乗型車両走行複合データを容易に生成できる。また、撮像装置から取得された第2旋回車両姿勢データおよび第2旋回ライダー姿勢データに基づいて第2鞍乗型車両走行複合データを容易に生成できる。
また、撮像装置から取得された旋回車両姿勢データおよび旋回ライダー姿勢データは、旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両の姿勢および少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢を高い精度で示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両の姿勢を示す旋回車両姿勢データおよび旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢を示す旋回ライダー姿勢データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0106】
(30)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(23)〜(29)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する第1ライダー識別データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーを識別するライダー識別データが取得されるライダー識別データ取得処理、を更に実行し、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データおよび前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記ライダー識別データ取得処理で取得された前記ライダー識別データとに基づいて、前記第1鞍乗型車両の前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する前記第1ライダー識別データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データを含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力する。
【0107】
この構成によると、アプローチ旋回軌跡データと、アプローチ旋回前方向加速度データと、ライダー識別データとに基づいて、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1ライダー識別データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。ライダー識別データは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーを識別するデータである。ライダー識別データは、第1ライダー識別データを含む。第1ライダー識別データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両に乗車するライダーを識別するデータである。
旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度は、ライダーの意思によって決まる鞍乗型車両の走行状態と密接に関連している。同じコーナーを走行した場合であっても、ライダーごとに鞍乗型車両の走行状態は異なる。そのため、ライダーの固有の運転技術を反映させた第1鞍乗型車両走行複合データを出力することができる。
鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データは、様々な使い方がなされる。また、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、第1ライダー識別データを含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少ない。また、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データのデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0108】
(31)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(23)〜(30)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、
前記少なくとも1台の鞍乗型車両に含まれ、前記第1鞍乗型車両と同一または異なる第2鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である第2アプローチ旋回軌跡であって、0mより大きく65m以下の第3直線と、前記第3直線に平行で前記第3直線から2m離れた第4直線との間の第2アプローチ領域と、前記第3直線の端に接続され、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の第3円弧と、前記第4直線の端に接続され、前記第3円弧と同心状であって、前記第3円弧の径方向外側に前記第3円弧から2m離れて位置する第4円弧との間の第2旋回領域とからなる第2アプローチ旋回領域に収まるような前記第2アプローチ旋回軌跡に関連する第2アプローチ旋回軌跡データを含む前記アプローチ旋回軌跡データと、
前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する第2アプローチ旋回前方向加速度データを含む前記アプローチ旋回前方向加速度データとが取得され、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データとに基づいて、
前記第1鞍乗型車両の前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データと、
前記第2鞍乗型車両の前記第2アプローチ旋回軌跡に関連する前記第2アプローチ旋回軌跡データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第2アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データとを含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力する。
【0109】
この構成によると、第1鞍乗型車両走行複合データと第2鞍乗型車両走行複合データが出力される。第2鞍乗型車両走行複合データは、第2アプローチ旋回軌跡データと第2アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられたデータである。第2アプローチ旋回軌跡データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行した鞍乗型車両と同一または異なる鞍乗型車両の走行軌跡である第2アプローチ旋回軌跡に関連するデータである。第2アプローチ旋回軌跡は、鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である。第2アプローチ旋回軌跡は、第2アプローチ旋回領域に収まるような走行軌跡である。第2アプローチ旋回領域は、0mより大きく65m以下の第3直線と、第3直線に平行で第3直線から2m離れた第4直線との間の第2アプローチ領域と、第3直線の端に接続され、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の第3円弧と、第3直線の端に接続され、第3円弧と同心状であって、第3円弧の径方向外側に第3円弧から2m離れて位置する第4円弧との間の第2旋回領域とからなる。第2アプローチ旋回前方向加速度データは、第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の前方向の加速度に関連するデータである。
鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力された第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データは、様々な使い方がなされる。第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データの差分や比較や組み合わせなどによってデータが生成されてもよい。また、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1ライダー識別データを含み、第2鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第2アプローチ旋回軌跡データと、第2アプローチ旋回前方向加速度データと、第2ライダー識別データを含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少ない。具体的には、例えば、取得するデータの種類を少なくすることができる。また、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データのデータ量も少なくすることができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データを出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。つまり、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0110】
(32)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(31)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する第1ライダー識別データ、および、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する第2ライダー識別データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーを識別するライダー識別データが取得されるライダー識別データ取得処理、を更に実行し、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行ータ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記ライダー識別データ取得処理で取得された前記ライダー識別データとに基づいて、前記第1鞍乗型車両の前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する前記第1ライダー識別データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データと、
前記鞍乗型車両走行ータ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記ライダー識別データとに基づいて、前記第2鞍乗型車両の前記第2アプローチ旋回軌跡に関連する第2アプローチ旋回軌跡データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第2アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する前記第2ライダー識別データとが関連付けられた前記第2鞍乗型車両走行複合データと
を含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力する。
【0111】
この構成によると、鞍乗型車両走行複合データ出力処理では、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1ライダー識別データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データ、および、第2アプローチ旋回軌跡データと、第2アプローチ旋回前方向加速度データと、第2ライダー識別データとが関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データが出力される。鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力された第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データは、様々な使い方がなされる。第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データの差分や比較や組み合わせなどによってデータが生成されてもよい。
【0112】
第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。そのため、第1ライダー識別データおよび第2ライダー識別データに基づいて、例えば、同じライダーが同じ鞍乗型車両で走行した場合の第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データの差分や比較や組み合わせなどを得ることができる。第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データにより、同じライダーの運転技術の違いを反映したデータを生成することができる。また、第1ライダー識別データおよび第2ライダー識別データに基づいて、例えば、異なるライダーが同じ鞍乗型車両で走行した場合の第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データの差分や比較や組み合わせなどを得ることができる。第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データにより、異なるライダーの運転技術の違いを反映したデータを生成することができる。
【0113】
また、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1ライダー識別データを含み、第2鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第2アプローチ旋回軌跡データと、第2アプローチ旋回前方向加速度データと、第2ライダー識別データを含み、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少ない。具体的には、例えば、取得するデータの種類を少なくすることができる。また、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データのデータ量も少なくすることができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。つまり、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0114】
(33)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(31)または(32)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理で出力された、前記第1鞍乗型車両走行複合データと前記第2鞍乗型車両走行複合データとの差分である第1鞍乗型車両走行複合データ差分を出力する鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理、を更に実行する。
【0115】
上述したように、アプローチ旋回軌跡データおよびアプローチ旋回前方向加速度データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。そのため、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データに関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データと、第2アプローチ旋回軌跡データおよび第2アプローチ旋回前方向加速度データに関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データとの差分である第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、ライダーの運転技術の差および/または車両の特徴の差を強く反映している。
【0116】
鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理で出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、種々な使い方がなされてよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理において、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置内の記憶部に出力されてもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理において、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、鞍乗型車両走行データ処理装置が有するプロセッサと同じまたは異なるプロセッサに出力されてもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理において、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、鞍乗型車両走行データ処理装置の外部のコンピュータに出力されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、車両用装置から教官用装置に出力されてよい。この場合の教官用装置は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データ差分を表示する端末装置、表示装置または第1鞍乗型車両走行複合データ差分を印刷する印刷装置である。また、鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、表示装置または印刷装置である教官用装置に出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分を教官用装置に送信することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示または印刷することができる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、車両用装置から教習者用装置に出力されてよい。この場合の教習者用装置は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データ差分を表示する端末装置である。第1鞍乗型車両走行複合データ差分を教習者用装置に送信することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置が鞍乗型車両制御装置の場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、鞍乗型車両制御装置内のエンジン制御またはブレーキ制御のためのプロセッサに出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、車両制御装置内で、記憶部に出力されてよい。そして、記憶部に出力された第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、エンジン制御またはブレーキ制御を実行する、鞍乗型車両走行データ処理装置が有するプロセッサと同じまたは異なるプロセッサに出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分をエンジン制御またはブレーキ制御のために出力することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて、鞍乗型車両のエンジン制御またはブレーキ制御を行うことができる。鞍乗型車両走行データ処理装置が鞍乗型車両制御装置の場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、鞍乗型車両が備える表示装置に出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分を表示装置に出力することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、データ収録システムに接続された外部記憶装置(二次記憶装置、補助記憶装置)に出力されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、鞍乗型車両の走行後、蓄積した第1鞍乗型車両走行複合データ差分を、例えば、データ収録システムの外部の鞍乗型車両の走行状態を解析するための解析装置に出力してもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分を解析装置に出力することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて解析することができる。外部記憶装置に記憶された第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、鞍乗型車両の走行状態の解析に使用されてもよい。外部記憶装置に記憶された第1鞍乗型車両走行複合データ差分を解析に使用することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて解析することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、データ収録システムの外部のコンピュータに出力されてもよい。さらに、鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、車両用装置、教官用装置または教習者用装置は、第1鞍乗型車両走行複合データ差分に基づいて、解析情報を生成してもよい。解析情報とは、例えば、鞍乗型車両の乗り換えの案内、ツーリングコースの紹介、ライディングスクールの紹介、イベントの紹介、商品の紹介などに関する情報である。イベントは、運転講習会、ツーリング会、競技会などを含む。商品は、鞍乗型車両自体や鞍乗型車両の部品を含む。鞍乗型車両の部品は、例えば、タイヤやバッテリーである。さらに、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、保険システム、販売システム、金融システムなどのデータ処理システムに用いられてよい。なお、教習支援システム、車両制御装置およびデータ収録システムは、鞍乗型車両走行データ処理装置の一例である。
【0117】
第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データに関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データと、第2アプローチ旋回軌跡データおよび第2アプローチ旋回前方向加速度データに関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データとの差分である第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、ライダーの運転技術の差および/または車両の特徴の差を強く反映している。そのため、ライダーの運転技術の差および/または車両の特徴の差を強く反映したデータ差分を出力するために多数のデータを処理する場合に比べて、鞍乗型車両走行データ処理装置が処理するデータの種類を抑えることができる。具体的には、例えば、取得するデータの種類を少なくすることができる。また、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データ差分のデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データ差分を出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0118】
(34)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(23)〜(33)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記アプローチ旋回軌跡データまたは前記アプローチ旋回前方向加速度データの少なくとも一方が、GNSS(Global Navigation Satellite System / 全球測位衛星システム)を利用して生成されたデータである。
【0119】
この構成によると、アプローチ旋回軌跡データまたはアプローチ旋回前方向加速度データの少なくとも一方は、GNSSを利用して生成されたデータである。GNSSを利用して生成されたアプローチ旋回軌跡データは、アプローチ旋回軌跡を高い精度で示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、アプローチ旋回軌跡を示すアプローチ旋回軌跡データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。GNSSを利用して生成されたアプローチ旋回前方向加速度データは、アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度を高い精度で示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の前方向加速度を示すアプローチ旋回前方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。したがって、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0120】
(35)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(28)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記アプローチ旋回左右方向加速度データが、GNSS(Global Navigation Satellite System / 全球測位衛星システム)を利用して生成されたデータである。
【0121】
この構成によると、アプローチ旋回左右方向加速度データは、GNSSを利用して生成されたデータであるため、アプローチ旋回軌跡を高い精度で示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の左右方向加速度を示すアプローチ旋回左右方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0122】
(36)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(23)〜(35)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、前記第1アプローチ旋回軌跡データおよび前記第1アプローチ旋回前方向加速度データに基づいたイメージデータを含む前記第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。
【0123】
この構成によると、鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データに基づいたイメージデータを含む第1鞍乗型車両走行複合データを出力する。そのため、第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡と、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度を高い精度で示す。さらに、第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡と、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度との関連性を明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、第1アプローチ旋回軌跡を示す第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度を示す第1アプローチ旋回前方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0124】
なお、上記(31)〜(33)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、前記第2アプローチ旋回軌跡データおよび前記第2アプローチ旋回前方向加速度データに基づいたイメージデータを含む前記第2鞍乗型車両走行複合データが出力される。
【0125】
この構成によると、鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、第2アプローチ旋回軌跡データおよび第2アプローチ旋回前方向加速度データに基づいたイメージデータを含む第2鞍乗型車両走行複合データを出力する。そのため、第2鞍乗型車両走行複合データは、第2アプローチ旋回軌跡と、第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度を高い精度で示す。さらに、第2鞍乗型車両走行複合データは、第2アプローチ旋回軌跡と、第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度との関連性を明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、第2アプローチ旋回軌跡を示す第2アプローチ旋回軌跡データおよび第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度を示す第2アプローチ旋回前方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0126】
(37)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(28)または(35)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、前記第1アプローチ旋回軌跡データおよび前記第1アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいたイメージデータを含む前記第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。
【0127】
この構成によると、鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいたイメージデータを含む第1鞍乗型車両走行複合データを出力する。そのため、第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡と、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を高い精度で示す。さらに、第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡と、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度との関連性を明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、第1アプローチ旋回軌跡を示す第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を示す第1アプローチ旋回左右方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0128】
なお、上記(31)〜(33)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、前記アプローチ旋回軌跡データと前記アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連する第2アプローチ旋回左右方向加速度データを含む前記アプローチ旋回左右方向加速度データが取得される。
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記アプローチ旋回左右方向加速度データとに基づいて、前記第2鞍乗型車両の前記第2アプローチ旋回軌跡に関連する前記第2アプローチ旋回軌跡データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第2アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連する前記第2アプローチ旋回左右方向加速度データとが関連付けられた前記第2鞍乗型車両走行複合データを出力する。
前記第2鞍乗型車両走行複合データは、前記第2アプローチ旋回軌跡データおよび前記第2アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいたイメージデータを含む。
【0129】
この構成によると、鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、第2アプローチ旋回軌跡データおよび第2アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいたイメージデータを含む第2鞍乗型車両走行複合データを出力する。そのため、第2鞍乗型車両走行複合データは、第2アプローチ旋回軌跡と、第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を高い精度で示す。さらに、第2鞍乗型車両走行複合データは、第2アプローチ旋回軌跡と、第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度との関連性を明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、第2アプローチ旋回軌跡を示す第2アプローチ旋回軌跡データおよび第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を示す第2アプローチ旋回左右方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0130】
(38)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(28)、(35)、(37)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、前記第1アプローチ旋回前方向加速度データおよび前記第1アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいて生成された、前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度を縦軸とし、前記第1鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を横軸としたグラフのイメージデータを含む前記第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。
【0131】
この構成によると、第1鞍乗型車両走行複合データは、鞍乗型車両の車両前方向の加速度を縦軸とし、鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を横軸としたグラフのイメージデータを含む。そのため、第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度と鞍乗型車両の車両左右方向の加速度との関連性をより明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度を示す第1アプローチ旋回前方向加速度データおよび第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を示す第1アプローチ旋回左右方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0132】
なお、上記(31)〜(33)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、前記アプローチ旋回軌跡データと前記アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連する第2アプローチ旋回左右方向加速度データを含む前記アプローチ旋回左右方向加速度データが取得される。
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記アプローチ旋回左右方向加速度データとに基づいて、前記第2鞍乗型車両の前記第2アプローチ旋回軌跡に関連する前記第2アプローチ旋回軌跡データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第2アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連する前記第2アプローチ旋回左右方向加速度データとが関連付けられた前記第2鞍乗型車両走行複合データを出力する。
前記第2鞍乗型車両走行複合データは、前記第2アプローチ旋回前方向加速度データおよび前記第2アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいて生成された、前記第2鞍乗型車両の車両前方向の加速度を縦軸とし、前記第2鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を横軸としたグラフのイメージデータを含む。
【0133】
この構成によると、第2鞍乗型車両走行複合データは、鞍乗型車両の車両前方向の加速度を縦軸とし、鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を横軸としたグラフのイメージデータを含む。そのため、第2鞍乗型車両走行複合データは、第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度と鞍乗型車両の車両左右方向の加速度との関連性をより明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度を示す第2アプローチ旋回前方向加速度データおよび第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を示す第2アプローチ旋回左右方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0134】
(39)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(28)または(35)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、前記第1旋回車両姿勢データおよび前記第1旋回ライダー姿勢データに基づいたイメージデータを含む前記第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。
【0135】
この構成によると、鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、第1旋回車両姿勢データおよび第1旋回ライダー姿勢データに基づいたイメージデータを含む第1鞍乗型車両走行複合データを出力する。そのため、第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の姿勢とライダーの姿勢を高い精度で示す。さらに、第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の姿勢とライダーの姿勢との関連性を明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の姿勢を示す第1旋回車両姿勢データおよび第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢を示す第1旋回ライダー姿勢データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0136】
(40)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(23)〜(39)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記第1アプローチ旋回軌跡は、前記第1鞍乗型車両の進行方向をガイドするための少なくとも1つのアプローチ旋回ガイド部が設けられた環境下で前記第1鞍乗型車両が前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの走行軌跡である。
【0137】
この構成によると、第1アプローチ旋回軌跡は、少なくとも1つのアプローチ旋回ガイド部が設けられた環境下で鞍乗型車両が走行して得られた走行軌跡である。鞍乗型車両はアプローチ旋回ガイド部によって進行方向がガイドされる。アプローチ旋回ガイド部によって、第1アプローチ旋回軌跡を、所望のサイズおよび形状に近づけることができる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
また、第1アプローチ旋回軌跡以外のアプローチ旋回軌跡を鞍乗型車両が走行するときにもアプローチ旋回ガイド部を用いることにより、複数のアプローチ旋回軌跡が収まる複数のアプローチ旋回領域のばらつきを低減できる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データを含む鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0138】
(41)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(40)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記アプローチ旋回ガイド部は、前記第1鞍乗型車両が前記第1アプローチ旋回軌跡を走行するときに、旋回前の前記第1鞍乗型車両の進行方向をガイドするための複数のアプローチガイド部を含み、
前記第1アプローチ旋回軌跡は、前記第1鞍乗型車両が前記複数のアプローチガイド部のうちの2つのアプローチガイド部の間を通過した後に旋回したときの走行軌跡である。
【0139】
この構成によると、第1アプローチ旋回軌跡は、鞍乗型車両が2つのアプローチガイド部の間を通過した後に旋回したときの走行軌跡である。アプローチガイド部によって、第1アプローチ旋回軌跡を、所望のサイズおよび形状に近づけることができる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
また、第1アプローチ旋回軌跡以外のアプローチ旋回軌跡を鞍乗型車両が走行するときにもアプローチガイド部を用いることにより、複数のアプローチ旋回軌跡が収まる複数のアプローチ旋回領域のばらつきを低減できる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データを含む鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0140】
(42)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(40)または(41)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記アプローチ旋回ガイド部は、前記第1鞍乗型車両が前記第1アプローチ旋回軌跡を走行するときに、旋回中の前記第1鞍乗型車両の進行方向をガイドするための少なくとも1つの旋回ガイド部を含み、
前記第1アプローチ旋回軌跡は、前記第1鞍乗型車両が旋回中に前記少なくとも1つの旋回ガイド部よりも旋回半径の径方向外側を通るように走行したときの走行軌跡である。
【0141】
この構成によると、第1アプローチ旋回軌跡は、鞍乗型車両が旋回中に旋回ガイド部よりも旋回半径の径方向外側を通るように走行したときの走行軌跡である。旋回ガイド部によって、第1アプローチ旋回軌跡を所望のサイズおよび形状に近づけることができる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
また、第1アプローチ旋回軌跡以外のアプローチ旋回軌跡を鞍乗型車両が走行するときにも旋回ガイド部を用いることにより、複数のアプローチ旋回軌跡が収まる複数のアプローチ旋回領域のばらつきを低減できる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データを含む鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0142】
(43)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(40)〜(42)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記アプローチ旋回ガイド部は、前記第1鞍乗型車両の進行方向を制限するように構成されている。
【0143】
この構成によると、アプローチ旋回ガイド部は、鞍乗型車両の進行方向を制限する。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
また、第1アプローチ旋回軌跡以外のアプローチ旋回軌跡を鞍乗型車両が走行するときにもこのアプローチ旋回ガイド部を用いることにより、複数のアプローチ旋回軌跡が収まる複数のアプローチ旋回領域のばらつきを低減できる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データを含む鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0144】
(44)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(43)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記第1鞍乗型車両が、地面を走行可能であって、前記少なくとも1つのアプローチ旋回ガイド部が、設置場所を自在に変更可能に前記地面に配置される。
【0145】
この構成によると、アプローチ旋回ガイド部は、設置場所を自在に変更可能に地面に設置される。そのため、アプローチ旋回ガイド部を様々な場所に配置することができる。そのため、例えば駐車場などの道路以外の場所で、第1アプローチ旋回軌跡データを取得することができる。
また、アプローチ旋回ガイド部の位置の変更が容易である。そのため、アプローチ旋回領域のサイズ、形状、および位置を容易に変更できる。
また、アプローチ旋回ガイド部の数を増やすことが容易である。アプローチ旋回ガイド部の数を増やすことで、アプローチ旋回領域を、所望のサイズ、形状、および位置により確実に設定できる。よって、アプローチ旋回領域のばらつきによる鞍乗型車両の走行状態のばらつきをより低減できる。そのため、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
また、第1アプローチ旋回軌跡以外のアプローチ旋回軌跡を鞍乗型車両が走行するときにもこのアプローチ旋回ガイド部を用いることにより、複数のアプローチ旋回軌跡が収まる複数のアプローチ旋回領域のばらつきを低減できる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データを含む鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0146】
(45)本発明の鞍乗型車両走行データプログラムは、鞍乗型車両の運転の教習に使用され、走行中の前記鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを用いる鞍乗型車両教習支援システムや、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを蓄積する鞍乗型車両データ収録システムや、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データに基づいて前記鞍乗型車両を制御する鞍乗型車両制御装置のような、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データ処理装置において、走行中の前記鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを処理する鞍乗型車両走行データ処理プログラムであって、
(A)(a1)第1鞍乗型車両が走行したときの走行軌跡であり、前記第1鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である第1アプローチ旋回軌跡であって、0mより大きく65m以下の第1直線と、前記第1直線に平行で前記第1直線から2m離れた第2直線との間の第1アプローチ領域と、前記第1直線の端に接続され、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の第1円弧と、前記第2直線の端に接続され、前記第1円弧と同心状であって、前記第1円弧の径方向外側に前記第1円弧から2m離れて位置する第2円弧との間の第1旋回領域とからなる第1アプローチ旋回領域に収まるような前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する第1アプローチ旋回軌跡データを含み、前記第1鞍乗型車両を含む少なくとも1台の鞍乗型車両が走行したときの走行軌跡であり、前記少なくとも1台の鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡に関連するアプローチ旋回軌跡データと、
(a2)前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する第1アプローチ旋回前方向加速度データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連するアプローチ旋回前方向加速度データとが、前記鞍乗型車両走行データとして取得される鞍乗型車両走行データ取得処理と、
(B)前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データとに基づいて、0mより大きく65m以下の前記第1直線と前記第1直線に平行で前記第1直線から2m離れた前記第2直線との間の前記第1アプローチ領域と、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の前記第1円弧と前記第1円弧の径方向外側に前記第1円弧から2m離れて位置する前記第2円弧との間の前記第1旋回領域とからなる前記第1アプローチ旋回領域に収まるような前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データを含む鞍乗型車両走行複合データを出力する鞍乗型車両走行複合データ出力処理と、を前記鞍乗型車両走行データ処理装置が有するプロセッサに実行させる。
【0147】
鞍乗型車両は、乗用車よりも、車両の大きさが小さい。また、鞍乗型車両は、乗用車と異なり、旋回時にライダーが重心を移動させながら走行する。そのため、走行中の鞍乗型車両に関連するデータは、走行中の乗用車に関連するデータと異なる。鞍乗型車両走行データは、乗用車走行データよりも、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。従来提案されている鞍乗型車両走行データ処理装置、鞍乗型車両走行データ処理プログラムおよび鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データとして、多くの種類のデータを取得する。つまり、従来提案されている鞍乗型車両走行データ処理装置、鞍乗型車両走行データ処理プログラムおよび鞍乗型車両走行データ処理プログラムにおいては、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映するデータとして取得するデータの種類が多い。また、従来提案されている鞍乗型車両走行データ処理装置、鞍乗型車両走行データ処理プログラムおよび鞍乗型車両走行データ処理プログラムにおいては、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映するデータとして処理するデータの種類も多い。
【0148】
一方、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、鞍乗型車両走行データ取得処理と、鞍乗型車両走行複合データ出力処理とを実行する。鞍乗型車両走行データ取得処理では、アプローチ旋回軌跡データと、アプローチ旋回前方向加速度データが、鞍乗型車両走行データとして取得される。アプローチ旋回軌跡データは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡に関連するデータである。少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡は、少なくとも1台の鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である。アプローチ旋回軌跡データは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡に含まれる第1アプローチ旋回軌跡に関連する第1アプローチ旋回軌跡データを含む。第1アプローチ旋回軌跡は、鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である。第1アプローチ旋回軌跡は、第1アプローチ旋回領域に収まるような走行軌跡である。第1アプローチ旋回領域は、0mより大きく65m以下の第1直線と、第1直線に平行で第1直線から2m離れた第2直線との間の第1アプローチ領域と、第1直線の端に接続され、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の第1円弧と、第2直線の端に接続され、第1円弧と同心状であって、第1円弧の径方向外側に第1円弧から2m離れて位置する第2円弧との間の第1旋回領域とからなる。アプローチ旋回前方向加速度データは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの少なくとも1台の鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連するデータである。アプローチ旋回前方向加速度データは第1アプローチ旋回前方向加速度データを含む。第1アプローチ旋回前方向加速度データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連するデータである。鞍乗型車両走行複合データ出力処理では、アプローチ旋回軌跡データと、アプローチ旋回前方向加速度データとに基づいて、第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。第1鞍乗型車両走行複合データは、鞍乗型車両の第1アプローチ旋回軌跡に関連する第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられたデータである。第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データの2種類のデータは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。そのため、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。
【0149】
第1アプローチ旋回軌跡は、旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両の走行軌跡である。つまり、第1鞍乗型車両走行複合データは、旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度に関連する。鞍乗型車両は、車両の挙動の変化だけでなく、ライダーの姿勢の変化も利用して旋回する乗り物である。つまり、鞍乗型車両は、ライダーの姿勢の変化によって遠心力と重力のバランスをとりながら旋回する乗り物である。旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度は、鞍乗型車両の走行状態と密接に関連している。また、旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度は互いに密接に関連する。同じコースを走る場合でもライダーによって、ライダーの姿勢の変化および車両の挙動は異なる。そのため、旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度は、ライダーの運転技術と密接に関連している。また、コースとライダーが同じであっても車両の種類が異なると、ライダーの姿勢の変化および車両の挙動は異なる場合がある。そのため、旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度は、車両の特徴と密接に関連する。
【0150】
走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データは、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されて、第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。出力された第1鞍乗型車両走行複合データは、種々な使い方がなされてよい。鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、通信装置に出力され、通信装置から教官用装置に送信されてよい。この場合の教官用装置は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データを表示する端末装置、表示装置または第1鞍乗型車両走行複合データを印刷する印刷装置である。また、鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、車両用装置から教習者用装置に出力されてよい。第1鞍乗型車両走行複合データを教官用装置に送信することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示または印刷することができる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、通信装置に出力され、通信装置から受講者用装置に送信されてよい。この場合の受講者用装置は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データを表示する端末装置である。第1鞍乗型車両走行複合データを受講者用装置に送信することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置が車両制御装置の場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、車両制御装置内で、エンジン制御またはブレーキ制御のために出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、車両制御装置内で、記憶部に出力されてよい。そして、記憶部に出力された第1鞍乗型車両走行複合データは、エンジン制御またはブレーキ制御を実行する、鞍乗型車両走行データ処理装置が有するプロセッサと同じまたは異なるプロセッサに出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データをエンジン制御またはブレーキ制御のために出力することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて、鞍乗型車両のエンジン制御またはブレーキ制御を行うことができる。鞍乗型車両走行データ処理装置が車両制御装置の場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、鞍乗型車両が備える表示装置に出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データを表示装置に出力することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、データ収録システムの外部のコンピュータに出力されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、鞍乗型車両の走行後、蓄積した第1鞍乗型車両走行複合データを、例えば、データ収録システムの外部の鞍乗型車両の走行状態を解析するための解析装置に出力してもよい。第1鞍乗型車両走行複合データを解析装置に出力することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて解析することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、鞍乗型車両の走行後、蓄積した複数種類のデータを、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、データ収録システムに接続された外部記憶装置(二次記憶装置、補助記憶装置)に出力されてもよい。そして、外部記憶装置に記憶された第1鞍乗型車両走行複合データは、鞍乗型車両の走行状態の解析に使用されてもよい。外部記憶装置に記憶された第1鞍乗型車両走行複合データを解析に使用することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて解析することができる。教習支援システム、車両制御装置およびデータ収録システムは、鞍乗型車両走行データ処理装置の一例である。さらに、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データは、保険システム、販売システム、金融システムなどのデータ処理システムに用いられてよい。
【0151】
このように、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサは、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データを出力する。鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データは、様々な使い方がなされる。また、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データを含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少ない。具体的には、例えば、取得するデータの種類を少なくすることができる。また、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データのデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0152】
旋回中の鞍乗型車両の車両前方向の速度は、旋回半径が大きいほど高くなり、旋回半径が小さいほど低くなる。車両前方向の速度を、以下、車速という。仮に、第1旋回領域の内周縁である第1円弧の半径が10mよりも大きい場合、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の鞍乗型車両の車速が比較的高い。そのため、第1円弧の半径が10mよりも大きい場合、旋回中の鞍乗型車両の車速の違いがあっても、鞍乗型車両に作用する遠心力に違いがあまり生じない。そのため、第1円弧の半径が10mよりも大きい場合、ライダーの運転技術が違っていても、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の走行状態に違いがあまりない。また、第1円弧の半径が10mよりも大きい場合、鞍乗型車両の種類が異なっていても、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の走行状態に違いがあまりない。よって、仮に、第1円弧の半径が10mよりも大きい場合、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴があまり反映されない。
一方、本発明の第1円弧の半径は10m以下であるため、旋回中の鞍乗型車両の車速が比較的低い。そのため、第1円弧の半径は10m以下であることにより、旋回中の鞍乗型車両の車速の違いによって、遠心力に違いが生じる。そのため、第1円弧の半径が10m以下であることで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の違いが、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の走行状態の違いに現れやすい。したがって、第1円弧の半径が10m以下であることで、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴がより反映されやすい。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0153】
通常、旋回中の鞍乗型車両の車両左右方向の加速度は、0.1G〜0.8G程度(1〜8m/s程度)である。第1旋回領域の内周縁である第1円弧は、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下である。そのため、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の鞍乗型車両の車速は、例えば5〜32km/h程度である。旋回中の車速が5〜32km/h程度の場合、旋回中の鞍乗型車両の車速の違いによって、鞍乗型車両に作用する遠心力に大きな違いが生じる。そのため、第1円弧の中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下であることで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の違いが、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の走行状態の違いに現れやすい。したがって、第1円弧の中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下であることで、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴がより反映されやすい。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0154】
旋回前の直進中に鞍乗型車両が減速のみまたは加速と減速の両方をする場合、直進に必要な距離は、0mより大きく65m以下である。第1アプローチ領域の第1直線の長さは、0mより大きく65m以下である。したがって、第1アプローチ領域の第1直線の長さが0mより大きく65m以下であることにより、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の違いがより反映されやすい。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0155】
第1直線と第2直線の間隔は、2mである。第1円弧と第2円弧の間隔も2mである。つまり、第1アプローチ旋回軌跡は、幅が2mの第1アプローチ旋回領域に収まる。
ここで、鞍乗型車両が自動二輪車または自動三輪車の場合、鞍乗型車両の車両前方向の長さは、1.8〜2.6m程度であって、鞍乗型車両の幅(車両左右方向の長さ)は、0.5〜1.1m程度である。鞍乗型車両が四輪バギーの場合、鞍乗型車両の車両前方向の長さは、1.4〜2.0m程度であって、鞍乗型車両の幅は、0.7〜1.2m程度である。鞍乗型車両がスノーモービルの場合、鞍乗型車両の車両前方向の長さは、2.0〜4.0m程度であって、鞍乗型車両の幅は、1.0〜1.2m程度である。鞍乗型車両が水上オートバイの場合、鞍乗型車両の車両前方向の長さは、2.0〜4.0m程度であって、鞍乗型車両の幅は、0.7〜1.3m程度である。
したがって、第1アプローチ旋回領域の幅(2m)は、鞍乗型車両の幅の平均の約2倍であって、鞍乗型車両の最大幅の約1.5倍である。このような鞍乗型車両の幅と全長を考慮すると、第1アプローチ旋回領域の幅(2m)は、鞍乗型車両の走行の自由度がありながら、鞍乗型車両が第1アプローチ旋回領域の幅内でUターンできない幅である。ここで、Uターンとは、180°の旋回のことである。第1アプローチ旋回領域の幅内でのUターンとは、第1アプローチ旋回領域の縁に沿わないUターンのことである。
2mの幅内でUターンした場合の走行軌跡は、2m以上の旋回半径で旋回したときの走行軌跡と全く異なる。このように全く異なる走行軌跡のデータは、例えば運転の教習、車両の制御、または車両の走行状態の解析などに使用する際に同じ処理ができない。第1アプローチ旋回領域の幅が2mであることにより、第1アプローチ旋回軌跡が、第1アプローチ旋回領域の幅内でUターンした走行軌跡である可能性を除外できる。したがって、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の違いがより反映されやすい。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0156】
(46)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(45)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、
(a3)前記第1アプローチ旋回軌跡を含む前記第1鞍乗型車両の走行軌跡であって、少なくとも1周の環状であり、前記第1アプローチ旋回領域を含む第1環状領域に収まるような第1環状軌跡に関連する第1環状軌跡データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を含む前記少なくとも1台の鞍乗型車両の走行軌跡であって、各々が少なくとも1周の環状である少なくとも1つの環状軌跡に関連する環状軌跡データと、
(a4)前記第1環状軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する第1環状前方向加速度データを含み、前記少なくとも1つの環状軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する環状前方向加速度データとが、前記鞍乗型車両走行データとして取得され、
前記第1環状軌跡データは、前記第1アプローチ旋回軌跡データを含み、
前記第1環状前方向加速度データは、前記第1アプローチ旋回前方向加速度データを含み、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記環状軌跡データと、前記環状前方向加速度データとに基づいて、前記第1鞍乗型車両の前記第1環状軌跡に関連する前記第1環状軌跡データと、前記第1環状軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1環状前方向加速度データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データを含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力する。
【0157】
この構成によると、鞍乗型車両走行データ取得処理では、環状軌跡データと環状前方向加速度データが、鞍乗型車両走行データとして取得される。鞍乗型車両走行複合データ出力処理では、環状軌跡データと環状前方向加速度データとに基づいて、第1環状軌跡データと第1環状前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。環状軌跡データは、少なくとも1台の鞍乗型車両の環状の走行軌跡である少なくとも1つの環状軌跡に関連するデータである。環状軌跡データは、第1環状軌跡データを含む。第1環状軌跡データは、鞍乗型車両の環状の走行軌跡である第1環状軌跡に関連するデータである。第1環状軌跡は、第1アプローチ旋回軌跡を含む。第1環状軌跡は、第1アプローチ旋回領域を含む第1環状領域に収まるような走行軌跡である。環状前方向加速度データは、少なくとも1つの環状軌跡を走行したときの少なくとも1台の鞍乗型車両の前方向加速度に関連するデータである。環状前方向加速度データは、第1環状前方向加速度データを含む。第1環状前方向加速度データは、第1環状軌跡を走行したときの鞍乗型車両の前方向加速度に関連するデータである。環状軌跡は、少なくとも2回の旋回中の走行軌跡を有する。そのため、第1環状軌跡データと第1環状前方向加速度データが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データは、1回しか旋回しなかった場合の第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データに比べて、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の違いをより強く反映する。
そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データは、様々な使い方がなされる。また、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1環状軌跡データと、第1環状前方向加速度データを含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少ない。また、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データのデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0158】
(47)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(46)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記第1環状軌跡における前記第1鞍乗型車両の進行方向を、前方向とした場合に、
前記第1環状軌跡は、前記第1アプローチ旋回軌跡の後端に接続され、前記第1アプローチ旋回軌跡と旋回方向が異なる旋回中の走行軌跡を含む。
【0159】
この構成によると、第1環状軌跡において、第1アプローチ旋回軌跡の後端に接続された旋回中の走行軌跡は、第1アプローチ旋回軌跡と旋回方向が異なる。異なる旋回方向を含む第1環状軌跡は、旋回方向が全て同じである第1環状軌跡に比べて、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)が高い。その上、異なる旋回方向を含む第1環状軌跡を走行したときの前方向加速度も、旋回方向が全て同じである第1環状軌跡を走行したときの前方向加速度と比べて、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)が高い。したがって、異なる旋回方向を含む第1環状軌跡に関連する第1環状軌跡データと、この第1環状軌跡を走行したときの第1環状前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴がより一層強く反映されている。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
【0160】
(48)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(46)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記第1環状軌跡における前記第1鞍乗型車両の進行方向を、前方向とした場合に、
前記第1環状軌跡は、前記第1アプローチ旋回軌跡の後端に接続され、前記第1アプローチ旋回軌跡と旋回方向が同じである旋回中の走行軌跡を含む。
【0161】
この構成によると、第1アプローチ旋回軌跡の後端に接続された旋回中の走行軌跡は、第1アプローチ旋回軌跡と旋回方向が同じである。同じ旋回方向の第1環状軌跡を走行して得られる第1環状軌跡データおよび第1環状前方向加速度データが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。
【0162】
(49)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(46)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記第1環状領域は、内周縁と外周縁との間の距離が2mであって、
前記第1環状軌跡における前記第1鞍乗型車両が走行する方向を、前方向とした場合に、
前記第1環状軌跡が収まる前記第1環状領域は、
(i)前記第1アプローチ旋回領域に加えて、
前記第1旋回領域の前端に接続された直線状の第2直線領域と、
前記第2直線領域の前端および前記第1アプローチ領域の後端に接続された円弧状の第2曲線領域とを含む第1形状の環状領域であるか、または、
(ii)前記第1アプローチ旋回領域に加えて、
前記第1旋回領域の前端に接続され、前記第1アプローチ領域よりも短い直線状の第2直線領域と、
前記第2直線領域の前端に接続された曲線状の第2曲線領域であって、前記第2曲線領域での旋回方向が前記第1旋回領域での旋回方向と異なる前記第2曲線領域と、
前記第2曲線領域の前端に接続された直線状の第3直線領域内と、
前記第3直線領域の前端に接続された曲線状の第3曲線領域であって、前記第3曲線領域での旋回方向が前記第2曲線領域での旋回方向と同じである前記第3曲線領域と、
前記第3曲線領域の前端に接続された直線状の第4直線領域と、
前記第4直線領域の前端に接続された曲線状の第4曲線領域であって、前記第4曲線領域での旋回方向が前記第3曲線領域での旋回方向と異なる前記第4曲線領域と、
前記第4曲線領域の前端に接続され、前記第4直線領域よりも長い直線状の第5直線領域と、
前記第5直線領域の前端に接続された曲線状の第5曲線領域であって、前記第5曲線領域での旋回方向が前記第4曲線領域での旋回方向と同じである前記第5曲線領域と、
前記第5曲線領域の前端に接続され、前記第3直線領域よりも長い直線状の第6直線領域と、
前記第6直線領域の前端および前記第1アプローチ領域の後端に接続された曲線状の第6曲線領域であって、前記第6曲線領域での旋回方向が前記第5曲線領域での旋回方向と同じである前記第6曲線領域とを含む第2形状の環状領域であるか、または、
(iii)前記第1アプローチ旋回領域に加えて、
前記第1旋回領域の前端に接続され、前記第1アプローチ領域よりも短い直線状の第2直線領域と、
前記第2直線領域の前端に接続された曲線状の第2曲線領域であって、前記第2曲線領域での旋回方向が前記第1旋回領域での旋回方向と異なる前記第2曲線領域と、
前記第2曲線領域の前端に接続された直線状の第3直線領域と、
前記第3直線領域の前端に接続された曲線状の第3曲線領域であって、前記第3曲線領域での旋回方向が前記第2曲線領域での旋回方向と異なる前記第3曲線領域と、
前記第3曲線領域の前端に接続された直線状の第4直線領域と、
前記第4直線領域の前端に接続された曲線状の第4曲線領域であって、前記第4曲線領域での旋回方向が前記第3曲線領域での旋回方向と異なる前記第4曲線領域と、
前記第4曲線領域の前端に接続された直線状の第5直線領域と、
前記第5直線領域の前端に接続された曲線状の第5曲線領域であって、前記第5曲線領域での旋回方向が前記第4曲線領域での旋回方向と異なる前記第5曲線領域と、
前記第5曲線領域の前端に接続され、前記第2〜第5直線領域よりも長い直線状の第6直線領域と、
前記第6直線領域の前端に接続された曲線状の第6曲線領域であって、前記第6曲線領域での旋回方向が前記第5曲線領域での旋回方向と同じである前記第6曲線領域と、
前記第6曲線領域の前端に接続された直線状の第7直線領域と、
前記第7直線領域の前端および前記第1アプローチ領域の後端に接続された曲線状の第7曲線領域であって、前記第7曲線領域での旋回方向が前記第6曲線領域での旋回方向と同じである前記第7曲線領域とを含み、
前記環状軌跡で囲まれた領域の形状がE字状となるような第3形状の環状領域であるか、または、
(iv)前記第1アプローチ旋回領域に加えて、
前記第1旋回領域の前端に接続された直線状の第2直線領域と、
前記第2直線領域の前端に接続された曲線状の第2曲線領域であって、前記第2曲線領域での旋回方向が前記第1旋回領域での旋回方向と異なる前記第2曲線領域と、
前記第2曲線領域の前端に接続された直線状の第3直線領域と、
前記第3直線領域の前端に接続された曲線状の第3曲線領域であって、前記第3曲線領域での旋回方向が前記第2曲線領域での旋回方向と異なる前記第3曲線領域と、
前記第3曲線領域の前端に接続された直線状の第4直線領域と、
前記第4直線領域の前端および前記第1アプローチ領域の後端に接続された曲線状の第4曲線領域であって、前記第4曲線領域での旋回方向が前記第3曲線領域での旋回方向と異なる前記第4曲線領域とを含む第4形状の環状領域である。
【0163】
第1形状の環状領域は、第1アプローチ旋回領域と、直線状の第2直線領域と、円弧状の第2曲線領域とからなる。したがって、第1形状の環状領域は、凹部を有さないシンプルな形状である。形状がシンプルでありながら、第1形状の環状領域に収まる第1環状軌跡は、2回の旋回中の走行軌跡と旋回前後の直進時の走行軌跡を有する。そのため、第1形状の環状領域に収まる第1環状軌跡とこの第1環状軌跡を走行したときの車両前方向の加速度は、ライダーの運転技術および/または車両の特徴が強く反映されている。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
第2〜第4形状の環状領域に収まる第1環状軌跡は、4回以上の旋回中の走行軌跡を含む。さらに、第2〜第4形状の環状領域に収まる第1環状軌跡は、第1アプローチ旋回軌跡と旋回方向が同じ走行軌跡と、第1アプローチ旋回軌跡と旋回方向が異なる走行軌跡の両方を含む。したがって、第2〜第4形状の環状領域に収まる第1環状軌跡とこの第1環状軌跡を走行したときの車両前方向の加速度は、旋回方向が全て同じ環状軌跡を走行したときの走行軌跡と前方向加速度に比べて、ライダーの運転技術および/または車両の特徴がより一層強く反映される。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
よって、第1環状軌跡が第1〜第4形状の環状領域のいずれに収まる走行軌跡であっても、鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
【0164】
(50)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(45)〜(49)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、前記アプローチ旋回軌跡データと前記アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、
前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連する第1アプローチ旋回左右方向加速度データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連するアプローチ旋回左右方向加速度データが、前記鞍乗型車両走行データとして取得され、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記アプローチ旋回左右方向加速度データとに基づいて、前記第1鞍乗型車両の前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回左右方向加速度データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データを含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力する。
【0165】
この構成によると、鞍乗型車両走行データ取得処理では、アプローチ旋回軌跡データと、アプローチ旋回前方向加速度データと、アプローチ旋回左右方向加速度データが、鞍乗型車両走行データとして取得される。鞍乗型車両走行複合データ出力処理では、アプローチ旋回軌跡データと、アプローチ旋回前方向加速度データと、アプローチ旋回左右方向加速度データとに基づいて、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1アプローチ旋回左右方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。アプローチ旋回左右方向加速度データは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの少なくとも1台の鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連するデータである。アプローチ旋回左右方向加速度データは、第1アプローチ旋回左右方向加速度データを含む。第1アプローチ旋回左右方向加速度データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連するデータである。
鞍乗型車両は、旋回時に、車両左右方向の速度が変化する。鞍乗型車両は、車両の挙動の変化だけでなく、ライダーの姿勢の変化も利用して旋回する乗り物である。そのため、旋回中と旋回前の直進中の車両左右方向の加速度は、ライダーの意思によって決まる鞍乗型車両の走行状態と密接に関連している。また、旋回中と旋回前の直進中における鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度と車両左右方向の加速度は密接に関連する。したがって、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1アプローチ旋回左右方向加速度データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。つまり、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、第1アプローチ旋回左右方向加速度データを含むことで、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映している。第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、第1アプローチ旋回左右方向加速度データを含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少ない。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類を抑えつつ、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、第1アプローチ旋回左右方向加速度データを含むことで、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類を低減することができる。具体的には、例えば、取得するデータの種類を少なくすることができる。また、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データのデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0166】
(51)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(45)〜(50)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、前記アプローチ旋回軌跡データと前記アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、
前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記第1鞍乗型車両の姿勢に関連する第1旋回車両姿勢データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両の姿勢に関連する旋回車両姿勢データと、
前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢に関連する第1旋回ライダー姿勢データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両のライダーの姿勢に関連する旋回車両姿勢データとが、前記鞍乗型車両走行データとして取得され、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記旋回車両姿勢データと、前記旋回ライダー姿勢データとに基づいて、前記第1鞍乗型車両の前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記第1鞍乗型車両の姿勢に関連する前記第1旋回車両姿勢データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢に関連する前記第1旋回ライダー姿勢データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データを含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力する。
【0167】
この構成によると、鞍乗型車両走行データ取得処理では、アプローチ旋回軌跡データと、アプローチ旋回前方向加速度データと、旋回車両姿勢データと、旋回ライダー姿勢データが、鞍乗型車両走行データとして取得される。鞍乗型車両走行複合データ出力処理では、アプローチ旋回軌跡データと、アプローチ旋回前方向加速度データと、旋回車両姿勢データと、旋回ライダー姿勢データとに基づいて、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1旋回車両姿勢データと、第1旋回ライダー姿勢データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。旋回車両姿勢データは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両の姿勢に関連するデータである。旋回車両姿勢データは、第1旋回車両姿勢データを含む。第1旋回車両姿勢データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の鞍乗型車両の姿勢に関連するデータである。旋回ライダー姿勢データは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢に関連するデータである。旋回ライダー姿勢データは、第1旋回ライダー姿勢データを含む。第1旋回ライダー姿勢データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢に関連するデータである。
鞍乗型車両は、車両の挙動の変化だけでなく、ライダーの姿勢の変化も利用して旋回する乗り物である。そのため、旋回中と旋回前のライダーの姿勢と車両の挙動は、ライダーの意思によって決まる鞍乗型車両の走行状態と密接に関連している。したがって、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1旋回車両姿勢データと、第1旋回ライダー姿勢データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。つまり、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、第1旋回車両姿勢データと、第1旋回ライダー姿勢データを含むことで、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映している。
そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データは、様々な使い方がなされる。また、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データとに加えて、第1旋回車両姿勢データと、第1旋回ライダー姿勢データを含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少ない。また、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データのデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0168】
なお、上記(51)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記旋回車両姿勢データは、旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両のロール角、旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両のピッチ角、旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両のヨー角、旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両の操舵車輪または操舵用スキーの操舵角、旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両のある位置の車両左右方向の変位、旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両のある位置の車両上下方向の変位の少なくともいずれか1つに関連するデータである。
【0169】
この構成によると、旋回車両姿勢データは、少なくとも1台の鞍乗型車両のロール角、ピッチ角、ヨー角、操舵車輪の操舵角、操舵用スキーの操舵角、鞍乗型車両のある位置の車両左右方向の変位、鞍乗型車両のある位置の車両上下方向の変位の少なくともいずれか1つに関連するデータである。旋回車両姿勢データは、旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両の姿勢を高い精度で示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両の姿勢を示す旋回車両姿勢データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0170】
なお、上記(51)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記旋回ライダー姿勢データは、旋回中の前記少なくとも1台の鞍乗型車両のライダーの頭の向き、肩の位置、脚の位置、尻の位置、および、股の位置の少なくともいずれか1つに関連するデータである。
【0171】
この構成によると、旋回ライダー姿勢データは、少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーの頭の向き、肩の位置、脚の位置、尻の位置、および、股の位置の少なくともいずれか1つに関連するデータである。旋回ライダー姿勢データは、の少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢を高い精度で示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢を示す旋回ライダー姿勢データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0172】
なお、上記(51)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、前記旋回車両姿勢データおよび前記旋回ライダー姿勢データが、撮像装置から取得される。
【0173】
この構成によると、旋回車両姿勢データおよび旋回ライダー姿勢データは、撮像装置から取得される。これにより、鞍乗型車両に搭載されたセンサの信号等に基づいて旋回車両姿勢データおよび旋回ライダー姿勢データを生成する必要がない。そのため、例えば、撮像装置から取得された第1旋回車両姿勢データおよび第1旋回ライダー姿勢データに基づいて第1鞍乗型車両走行複合データを容易に生成できる。また、撮像装置から取得された第2旋回車両姿勢データおよび第2旋回ライダー姿勢データに基づいて第2鞍乗型車両走行複合データを容易に生成できる。
また、撮像装置から取得された旋回車両姿勢データおよび旋回ライダー姿勢データは、旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両の姿勢および少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢を高い精度で示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両の姿勢を示す旋回車両姿勢データおよび旋回中の少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢を示す旋回ライダー姿勢データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0174】
(52)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(45)〜(51)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する第1ライダー識別データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーを識別するライダー識別データが取得されるライダー識別データ取得処理、を更に実行し、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データおよび前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記ライダー識別データ取得処理で取得された前記ライダー識別データとに基づいて、前記第1鞍乗型車両の前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する前記第1ライダー識別データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データを含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力する。
【0175】
この構成によると、アプローチ旋回軌跡データと、アプローチ旋回前方向加速度データと、ライダー識別データとに基づいて、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1ライダー識別データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。ライダー識別データは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーを識別するデータである。ライダー識別データは、第1ライダー識別データを含む。第1ライダー識別データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両に乗車するライダーを識別するデータである。
旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度は、ライダーの意思によって決まる鞍乗型車両の走行状態と密接に関連している。同じコーナーを走行した場合であっても、ライダーごとに鞍乗型車両の走行状態は異なる。そのため、ライダーの固有の運転技術を反映させた第1鞍乗型車両走行複合データを出力することができる。
鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データは、様々な使い方がなされる。また、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、第1ライダー識別データを含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少ない。また、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データのデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0176】
(53)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(45)〜(52)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、
前記少なくとも1台の鞍乗型車両に含まれ、前記第1鞍乗型車両と同一または異なる第2鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である第2アプローチ旋回軌跡であって、0mより大きく65m以下の第3直線と、前記第3直線に平行で前記第3直線から2m離れた第4直線との間の第2アプローチ領域と、前記第3直線の端に接続され、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の第3円弧と、前記第4直線の端に接続され、前記第3円弧と同心状であって、前記第3円弧の径方向外側に前記第3円弧から2m離れて位置する第4円弧との間の第2旋回領域とからなる第2アプローチ旋回領域に収まるような前記第2アプローチ旋回軌跡に関連する第2アプローチ旋回軌跡データを含む前記アプローチ旋回軌跡データと、
前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する第2アプローチ旋回前方向加速度データを含む前記アプローチ旋回前方向加速度データとが取得され、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データとに基づいて、
前記第1鞍乗型車両の前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データと、
前記第2鞍乗型車両の前記第2アプローチ旋回軌跡に関連する前記第2アプローチ旋回軌跡データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第2アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データとを含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力する。
【0177】
この構成によると、第1鞍乗型車両走行複合データと第2鞍乗型車両走行複合データが出力される。第2鞍乗型車両走行複合データは、第2アプローチ旋回軌跡データと第2アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられたデータである。第2アプローチ旋回軌跡データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行した鞍乗型車両と同一または異なる鞍乗型車両の走行軌跡である第2アプローチ旋回軌跡に関連するデータである。第2アプローチ旋回軌跡は、鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である。第2アプローチ旋回軌跡は、第2アプローチ旋回領域に収まるような走行軌跡である。第2アプローチ旋回領域は、0mより大きく65m以下の第3直線と、第3直線に平行で第3直線から2m離れた第4直線との間の第2アプローチ領域と、第3直線の端に接続され、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の第3円弧と、第3直線の端に接続され、第3円弧と同心状であって、第3円弧の径方向外側に第3円弧から2m離れて位置する第4円弧との間の第2旋回領域とからなる。第2アプローチ旋回前方向加速度データは、第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の前方向の加速度に関連するデータである。
鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力された第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データは、様々な使い方がなされる。第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データの差分や比較や組み合わせなどによってデータが生成されてもよい。また、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1ライダー識別データを含み、第2鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第2アプローチ旋回軌跡データと、第2アプローチ旋回前方向加速度データと、第2ライダー識別データを含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少ない。具体的には、例えば、取得するデータの種類を少なくすることができる。また、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データのデータ量も少なくすることができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データを出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。つまり、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0178】
(54)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(53)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する第1ライダー識別データ、および、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する第2ライダー識別データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーを識別するライダー識別データが取得されるライダー識別データ取得処理、を更に実行し、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、
前記鞍乗型車両走行ータ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記ライダー識別データ取得処理で取得された前記ライダー識別データとに基づいて、前記第1鞍乗型車両の前記第1アプローチ旋回軌跡に関連する前記第1アプローチ旋回軌跡データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第1アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する前記第1ライダー識別データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データと、
前記鞍乗型車両走行ータ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記ライダー識別データとに基づいて、前記第2鞍乗型車両の前記第2アプローチ旋回軌跡に関連する第2アプローチ旋回軌跡データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第2アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する前記第2ライダー識別データとが関連付けられた前記第2鞍乗型車両走行複合データと
を含む前記鞍乗型車両走行複合データを出力する。
【0179】
この構成によると、鞍乗型車両走行複合データ出力処理では、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1ライダー識別データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データ、および、第2アプローチ旋回軌跡データと、第2アプローチ旋回前方向加速度データと、第2ライダー識別データとが関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データが出力される。鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力された第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データは、様々な使い方がなされる。第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データの差分や比較や組み合わせなどによってデータが生成されてもよい。
【0180】
第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。そのため、第1ライダー識別データおよび第2ライダー識別データに基づいて、例えば、同じライダーが同じ鞍乗型車両で走行した場合の第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データの差分や比較や組み合わせなどを得ることができる。第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データにより、同じライダーの運転技術の違いを反映したデータを生成することができる。また、第1ライダー識別データおよび第2ライダー識別データに基づいて、例えば、異なるライダーが同じ鞍乗型車両で走行した場合の第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データの差分や比較や組み合わせなどを得ることができる。第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データにより、異なるライダーの運転技術の違いを反映したデータを生成することができる。
【0181】
また、第1鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、第1ライダー識別データを含み、第2鞍乗型車両走行複合データとして関連付けられるデータが、第2アプローチ旋回軌跡データと、第2アプローチ旋回前方向加速度データと、第2ライダー識別データを含み、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少ない。具体的には、例えば、取得するデータの種類を少なくすることができる。また、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データのデータ量も少なくすることができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。つまり、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0182】
(55)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(53)または(54)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理で出力された、前記第1鞍乗型車両走行複合データと前記第2鞍乗型車両走行複合データとの差分である第1鞍乗型車両走行複合データ差分を出力する鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理、を更に実行する。
【0183】
上述したように、アプローチ旋回軌跡データおよびアプローチ旋回前方向加速度データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。そのため、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データに関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データと、第2アプローチ旋回軌跡データおよび第2アプローチ旋回前方向加速度データに関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データとの差分である第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、ライダーの運転技術の差および/または車両の特徴の差を強く反映している。
【0184】
鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理で出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、種々な使い方がなされてよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理において、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置内の記憶部に出力されてもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理において、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、鞍乗型車両走行データ処理装置が有するプロセッサと同じまたは異なるプロセッサに出力されてもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理において、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、鞍乗型車両走行データ処理装置の外部のコンピュータに出力されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、車両用装置から教官用装置に出力されてよい。この場合の教官用装置は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データ差分を表示する端末装置、表示装置または第1鞍乗型車両走行複合データ差分を印刷する印刷装置である。また、鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、表示装置または印刷装置である教官用装置に出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分を教官用装置に送信することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示または印刷することができる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、車両用装置から教習者用装置に出力されてよい。この場合の教習者用装置は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データ差分を表示する端末装置である。第1鞍乗型車両走行複合データ差分を教習者用装置に送信することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置が鞍乗型車両制御装置の場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、鞍乗型車両制御装置内のエンジン制御またはブレーキ制御のためのプロセッサに出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、車両制御装置内で、記憶部に出力されてよい。そして、記憶部に出力された第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、エンジン制御またはブレーキ制御を実行する、鞍乗型車両走行データ処理装置が有するプロセッサと同じまたは異なるプロセッサに出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分をエンジン制御またはブレーキ制御のために出力することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて、鞍乗型車両のエンジン制御またはブレーキ制御を行うことができる。鞍乗型車両走行データ処理装置が鞍乗型車両制御装置の場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、鞍乗型車両が備える表示装置に出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分を表示装置に出力することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、データ収録システムに接続された外部記憶装置(二次記憶装置、補助記憶装置)に出力されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、鞍乗型車両の走行後、蓄積した第1鞍乗型車両走行複合データ差分を、例えば、データ収録システムの外部の鞍乗型車両の走行状態を解析するための解析装置に出力してもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分を解析装置に出力することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて解析することができる。外部記憶装置に記憶された第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、鞍乗型車両の走行状態の解析に使用されてもよい。外部記憶装置に記憶された第1鞍乗型車両走行複合データ差分を解析に使用することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて解析することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、データ収録システムの外部のコンピュータに出力されてもよい。さらに、鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、車両用装置、教官用装置または教習者用装置は、第1鞍乗型車両走行複合データ差分に基づいて、解析情報を生成してもよい。解析情報とは、例えば、鞍乗型車両の乗り換えの案内、ツーリングコースの紹介、ライディングスクールの紹介、イベントの紹介、商品の紹介などに関する情報である。イベントは、運転講習会、ツーリング会、競技会などを含む。商品は、鞍乗型車両自体や鞍乗型車両の部品を含む。鞍乗型車両の部品は、例えば、タイヤやバッテリーである。さらに、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、保険システム、販売システム、金融システムなどのデータ処理システムに用いられてよい。なお、教習支援システム、車両制御装置およびデータ収録システムは、鞍乗型車両走行データ処理装置の一例である。
【0185】
第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データに関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データと、第2アプローチ旋回軌跡データおよび第2アプローチ旋回前方向加速度データに関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データとの差分である第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、ライダーの運転技術の差および/または車両の特徴の差を強く反映している。そのため、ライダーの運転技術の差および/または車両の特徴の差を強く反映したデータ差分を出力するために多数のデータを処理する場合に比べて、鞍乗型車両走行データ処理装置が処理するデータの種類を抑えることができる。具体的には、例えば、取得するデータの種類を少なくすることができる。また、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データ差分のデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データ差分を出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0186】
(56)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(45)〜(55)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記アプローチ旋回軌跡データまたは前記アプローチ旋回前方向加速度データの少なくとも一方が、GNSS(Global Navigation Satellite System / 全球測位衛星システム)を利用して生成されたデータである。
【0187】
この構成によると、アプローチ旋回軌跡データまたはアプローチ旋回前方向加速度データの少なくとも一方は、GNSSを利用して生成されたデータである。GNSSを利用して生成されたアプローチ旋回軌跡データは、アプローチ旋回軌跡を高い精度で示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、アプローチ旋回軌跡を示すアプローチ旋回軌跡データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。GNSSを利用して生成されたアプローチ旋回前方向加速度データは、アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度を高い精度で示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の前方向加速度を示すアプローチ旋回前方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。したがって、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0188】
(57)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(50)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記アプローチ旋回左右方向加速度データが、GNSS(Global Navigation Satellite System / 全球測位衛星システム)を利用して生成されたデータである。
【0189】
この構成によると、アプローチ旋回左右方向加速度データは、GNSSを利用して生成されたデータであるため、アプローチ旋回軌跡を高い精度で示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の左右方向加速度を示すアプローチ旋回左右方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0190】
(58)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(45)〜(57)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、前記第1アプローチ旋回軌跡データおよび前記第1アプローチ旋回前方向加速度データに基づいたイメージデータを含む前記第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。
【0191】
この構成によると、鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データに基づいたイメージデータを含む第1鞍乗型車両走行複合データを出力する。そのため、第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡と、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度を高い精度で示す。さらに、第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡と、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度との関連性を明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、第1アプローチ旋回軌跡を示す第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度を示す第1アプローチ旋回前方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0192】
なお、上記(53)〜(55)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、前記第2アプローチ旋回軌跡データおよび前記第2アプローチ旋回前方向加速度データに基づいたイメージデータを含む前記第2鞍乗型車両走行複合データが出力される。
【0193】
この構成によると、鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、第2アプローチ旋回軌跡データおよび第2アプローチ旋回前方向加速度データに基づいたイメージデータを含む第2鞍乗型車両走行複合データを出力する。そのため、第2鞍乗型車両走行複合データは、第2アプローチ旋回軌跡と、第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度を高い精度で示す。さらに、第2鞍乗型車両走行複合データは、第2アプローチ旋回軌跡と、第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度との関連性を明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、第2アプローチ旋回軌跡を示す第2アプローチ旋回軌跡データおよび第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度を示す第2アプローチ旋回前方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0194】
(59)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(50)または(57)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、前記第1アプローチ旋回軌跡データおよび前記第1アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいたイメージデータを含む前記第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。
【0195】
この構成によると、鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいたイメージデータを含む第1鞍乗型車両走行複合データを出力する。そのため、第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡と、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を高い精度で示す。さらに、第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡と、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度との関連性を明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、第1アプローチ旋回軌跡を示す第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を示す第1アプローチ旋回左右方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0196】
なお、上記(53)〜(55)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、前記アプローチ旋回軌跡データと前記アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連する第2アプローチ旋回左右方向加速度データを含む前記アプローチ旋回左右方向加速度データが取得される。
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記アプローチ旋回左右方向加速度データとに基づいて、前記第2鞍乗型車両の前記第2アプローチ旋回軌跡に関連する前記第2アプローチ旋回軌跡データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第2アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連する前記第2アプローチ旋回左右方向加速度データとが関連付けられた前記第2鞍乗型車両走行複合データを出力する。
前記第2鞍乗型車両走行複合データは、前記第2アプローチ旋回軌跡データおよび前記第2アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいたイメージデータを含む。
【0197】
この構成によると、鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、第2アプローチ旋回軌跡データおよび第2アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいたイメージデータを含む第2鞍乗型車両走行複合データを出力する。そのため、第2鞍乗型車両走行複合データは、第2アプローチ旋回軌跡と、第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を高い精度で示す。さらに、第2鞍乗型車両走行複合データは、第2アプローチ旋回軌跡と、第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度との関連性を明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、第2アプローチ旋回軌跡を示す第2アプローチ旋回軌跡データおよび第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を示す第2アプローチ旋回左右方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0198】
(60)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(50)、(57)、(59)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、前記第1アプローチ旋回前方向加速度データおよび前記第1アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいて生成された、前記第1鞍乗型車両の車両前方向の加速度を縦軸とし、前記第1鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を横軸としたグラフのイメージデータを含む前記第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。
【0199】
この構成によると、第1鞍乗型車両走行複合データは、鞍乗型車両の車両前方向の加速度を縦軸とし、鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を横軸としたグラフのイメージデータを含む。そのため、第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度と鞍乗型車両の車両左右方向の加速度との関連性をより明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度を示す第1アプローチ旋回前方向加速度データおよび第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を示す第1アプローチ旋回左右方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0200】
なお、上記(53)〜(55)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、前記アプローチ旋回軌跡データと前記アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連する第2アプローチ旋回左右方向加速度データを含む前記アプローチ旋回左右方向加速度データが取得される。
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、前記鞍乗型車両走行データ取得処理で取得された前記アプローチ旋回軌跡データと、前記アプローチ旋回前方向加速度データと、前記アプローチ旋回左右方向加速度データとに基づいて、前記第2鞍乗型車両の前記第2アプローチ旋回軌跡に関連する前記第2アプローチ旋回軌跡データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連する前記第2アプローチ旋回前方向加速度データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連する前記第2アプローチ旋回左右方向加速度データとが関連付けられた前記第2鞍乗型車両走行複合データを出力する。
前記第2鞍乗型車両走行複合データは、前記第2アプローチ旋回前方向加速度データおよび前記第2アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいて生成された、前記第2鞍乗型車両の車両前方向の加速度を縦軸とし、前記第2鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を横軸としたグラフのイメージデータを含む。
【0201】
この構成によると、第2鞍乗型車両走行複合データは、鞍乗型車両の車両前方向の加速度を縦軸とし、鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を横軸としたグラフのイメージデータを含む。そのため、第2鞍乗型車両走行複合データは、第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度と鞍乗型車両の車両左右方向の加速度との関連性をより明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両前方向の加速度を示す第2アプローチ旋回前方向加速度データおよび第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を示す第2アプローチ旋回左右方向加速度データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0202】
(61)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(50)または(57)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、前記第1旋回車両姿勢データおよび前記第1旋回ライダー姿勢データに基づいたイメージデータを含む前記第1鞍乗型車両走行複合データが出力される。
【0203】
この構成によると、鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、第1旋回車両姿勢データおよび第1旋回ライダー姿勢データに基づいたイメージデータを含む第1鞍乗型車両走行複合データを出力する。そのため、第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の姿勢とライダーの姿勢を高い精度で示す。さらに、第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の姿勢とライダーの姿勢との関連性を明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の姿勢を示す第1旋回車両姿勢データおよび第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢を示す第1旋回ライダー姿勢データの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0204】
(62)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(45)〜(61)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記第1アプローチ旋回軌跡は、前記第1鞍乗型車両の進行方向をガイドするための少なくとも1つのアプローチ旋回ガイド部が設けられた環境下で前記第1鞍乗型車両が前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの走行軌跡である。
【0205】
この構成によると、第1アプローチ旋回軌跡は、少なくとも1つのアプローチ旋回ガイド部が設けられた環境下で鞍乗型車両が走行して得られた走行軌跡である。鞍乗型車両はアプローチ旋回ガイド部によって進行方向がガイドされる。アプローチ旋回ガイド部によって、第1アプローチ旋回軌跡を、所望のサイズおよび形状に近づけることができる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
また、第1アプローチ旋回軌跡以外のアプローチ旋回軌跡を鞍乗型車両が走行するときにもアプローチ旋回ガイド部を用いることにより、複数のアプローチ旋回軌跡が収まる複数のアプローチ旋回領域のばらつきを低減できる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データを含む鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0206】
(63)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(62)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記アプローチ旋回ガイド部は、前記第1鞍乗型車両が前記第1アプローチ旋回軌跡を走行するときに、旋回前の前記第1鞍乗型車両の進行方向をガイドするための複数のアプローチガイド部を含み、
前記第1アプローチ旋回軌跡は、前記第1鞍乗型車両が前記複数のアプローチガイド部のうちの2つのアプローチガイド部の間を通過した後に旋回したときの走行軌跡である。
【0207】
この構成によると、第1アプローチ旋回軌跡は、鞍乗型車両が2つのアプローチガイド部の間を通過した後に旋回したときの走行軌跡である。アプローチガイド部によって、第1アプローチ旋回軌跡を、所望のサイズおよび形状に近づけることができる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
また、第1アプローチ旋回軌跡以外のアプローチ旋回軌跡を鞍乗型車両が走行するときにもアプローチガイド部を用いることにより、複数のアプローチ旋回軌跡が収まる複数のアプローチ旋回領域のばらつきを低減できる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データを含む鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0208】
(64)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(62)または(63)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記アプローチ旋回ガイド部は、前記第1鞍乗型車両が前記第1アプローチ旋回軌跡を走行するときに、旋回中の前記第1鞍乗型車両の進行方向をガイドするための少なくとも1つの旋回ガイド部を含み、
前記第1アプローチ旋回軌跡は、前記第1鞍乗型車両が旋回中に前記少なくとも1つの旋回ガイド部よりも旋回半径の径方向外側を通るように走行したときの走行軌跡である。
【0209】
この構成によると、第1アプローチ旋回軌跡は、鞍乗型車両が旋回中に旋回ガイド部よりも旋回半径の径方向外側を通るように走行したときの走行軌跡である。旋回ガイド部によって、第1アプローチ旋回軌跡を所望のサイズおよび形状に近づけることができる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
また、第1アプローチ旋回軌跡以外のアプローチ旋回軌跡を鞍乗型車両が走行するときにも旋回ガイド部を用いることにより、複数のアプローチ旋回軌跡が収まる複数のアプローチ旋回領域のばらつきを低減できる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データを含む鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0210】
(65)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(62)〜(64)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記アプローチ旋回ガイド部は、前記第1鞍乗型車両の進行方向を制限するように構成されている。
【0211】
この構成によると、アプローチ旋回ガイド部は、鞍乗型車両の進行方向を制限する。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
また、第1アプローチ旋回軌跡以外のアプローチ旋回軌跡を鞍乗型車両が走行するときにもこのアプローチ旋回ガイド部を用いることにより、複数のアプローチ旋回軌跡が収まる複数のアプローチ旋回領域のばらつきを低減できる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データを含む鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0212】
(66)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(65)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記第1鞍乗型車両が、地面を走行可能であって、前記少なくとも1つのアプローチ旋回ガイド部が、設置場所を自在に変更可能に前記地面に配置される。
【0213】
この構成によると、アプローチ旋回ガイド部は、設置場所を自在に変更可能に地面に設置される。そのため、アプローチ旋回ガイド部を様々な場所に配置することができる。そのため、例えば駐車場などの道路以外の場所で、第1アプローチ旋回軌跡データを取得することができる。
また、アプローチ旋回ガイド部の位置の変更が容易である。そのため、アプローチ旋回領域のサイズ、形状、および位置を容易に変更できる。
また、アプローチ旋回ガイド部の数を増やすことが容易である。アプローチ旋回ガイド部の数を増やすことで、アプローチ旋回領域を、所望のサイズ、形状、および位置により確実に設定できる。よって、アプローチ旋回領域のばらつきによる鞍乗型車両の走行状態のばらつきをより低減できる。そのため、第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
また、第1アプローチ旋回軌跡以外のアプローチ旋回軌跡を鞍乗型車両が走行するときにもこのアプローチ旋回ガイド部を用いることにより、複数のアプローチ旋回軌跡が収まる複数のアプローチ旋回領域のばらつきを低減できる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データを含む鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
以上のように、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0214】
(67)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(14)、(15)、(16)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(26)、(27)、(28)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(48)、(49)、(50)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記イメージデータは、静止画像データ、動画データ、コンピュータグラフィックスデータの少なくともいずれかである。
【0215】
(68)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(1)〜(22)、(67)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(23)〜(44)、(67)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(45)〜(66)、(67)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ処理装置は、鞍乗型車両走行データ表示装置を含む、または、鞍乗型車両走行データ表示装置にデータ通信可能に接続され、
前記鞍乗型車両走行データ表示装置は、前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理により出力された前記第1鞍乗型車両走行複合データを取得するデータ取得部と、情報を表示可能な表示部と、前記データ取得部が取得した前記第1鞍乗型車両走行複合データを前記表示部の1つの画面上に同時に表示させる表示制御部とを有する。
【0216】
(69)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(1)〜(22)、(67)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(23)〜(44)、(67)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(45)〜(66)、(67)のいずれかの構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ処理装置は、鞍乗型車両走行データ印刷装置を含む、または、鞍乗型車両走行データ印刷装置にデータ通信可能に接続され、
前記鞍乗型車両走行データ印刷装置は、前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理により出力された前記第1鞍乗型車両走行複合データを取得するデータ取得部と、情報を用紙に印刷可能な印刷部と、前記データ取得部が取得した前記第1鞍乗型車両走行複合データを前記印刷部によって1枚の用紙の同一面に印刷させる印刷制御部とを有する。
【0217】
(70)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(11)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(33)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(55)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記鞍乗型車両走行データ取得処理において、前記アプローチ旋回軌跡データと前記アプローチ旋回前方向加速度データに加えて、
前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連する第1アプローチ旋回左右方向加速度データおよび前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連する第2アプローチ旋回左右方向加速度データを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連するアプローチ旋回左右方向加速度データが、前記鞍乗型車両走行データとして取得される。
前記鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理において、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理で出力された、前記第1アプローチ旋回軌跡データ、前記第1アプローチ旋回前方向加速度データ、および前記第1アプローチ旋回左右方向加速度データに関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データと、前記第2アプローチ旋回軌跡データ、前記第2アプローチ旋回前方向加速度データ、および前記第2アプローチ旋回左右方向加速度データに関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データとの差分である前記第1鞍乗型車両走行複合データ差分が出力される。
【0218】
この構成によると、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データと第1アプローチ旋回左右方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データと、第2アプローチ旋回軌跡データと第2アプローチ旋回前方向加速度データと第2アプローチ旋回左右方向加速度データとが関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データとの差分である。第1アプローチ旋回左右方向加速度データは、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連するデータである。第2アプローチ旋回左右方向加速度データは、第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度に関連するデータである。
鞍乗型車両は、旋回時に、車両左右方向の速度が変化する。鞍乗型車両は、車両の挙動の変化だけでなく、ライダーの姿勢の変化も利用して旋回する乗り物である。そのため、旋回中と旋回前の直進中の車両左右方向の加速度は、ライダーの意思によって決まる鞍乗型車両の走行状態と密接に関連している。また、旋回中と旋回前の直進中における鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度と車両左右方向の加速度は密接に関連する。したがって、第1アプローチ旋回軌跡データ、第1アプローチ旋回前方向加速度データ、および第1アプローチ旋回左右方向加速度データに関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データと、第2アプローチ旋回軌跡データ、第2アプローチ旋回前方向加速度データ、および第2アプローチ旋回左右方向加速度データに関連付けられた第2鞍乗型車両走行複データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。そのため、第1鞍乗型車両走行複合データと第2鞍乗型車両走行複合データとの差分である第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データ差分を出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
【0219】
(71)本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、上記(11)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法は、上記(33)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。本発明の他の観点によれば、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、上記(55)の構成に加えて、以下の構成を有することが好ましい。
前記第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第1鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する第1ライダー識別データと、前記第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの前記第2鞍乗型車両に乗車するライダーを識別する第2ライダー識別データとを含み、前記少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡を走行したときの前記少なくとも1台の鞍乗型車両に乗車するライダーを識別するライダー識別データが取得されるライダー識別データ取得処理、を更に実行する。
前記鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理において、
前記鞍乗型車両走行複合データ出力処理で取得された、前記第1アプローチ旋回軌跡データ、前記第1アプローチ旋回前方向加速度データ、および前記第1ライダー識別データとが関連付けられた前記第1鞍乗型車両走行複合データと、前記第2アプローチ旋回軌跡データ、前記第2アプローチ旋回前方向加速度データ、および前記第2ライダー識別データとが関連付けられた前記第2鞍乗型車両走行複合データとの差分である前記第1鞍乗型車両走行複合データ差分が出力される。
【0220】
この構成によると、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両に乗車するライダーおよび第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両に乗車するライダーに関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データ差分が出力される。
旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度は、ライダーの意思によって決まる鞍乗型車両の走行状態と密接に関連している。直線と円弧を含む同じコースを走行した場合であっても、ライダーごとに鞍乗型車両の走行状態は異なる。そのため、ライダーの固有の運転技術を反映させた第1鞍乗型車両走行複合データ差分を出力することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサから出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、様々な使い方がなされる。また、第1鞍乗型車両走行複合データ差分が、第1ライダー識別データおよび第2ライダー識別データを含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少ない。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0221】
なお、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置が有する記憶部に記憶されていてもよいし、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置が有する通信装置を介してダウンロードされてもよいし、記録媒体に記憶されてもよい。
【0222】
<鞍乗型車両の定義>
本発明において、鞍乗型車両とは、ライダー(運転者)が鞍にまたがるような状態で乗車する車両全般を指す。鞍乗型車両は、路面を走行する。路面は、地面、雪上、水面を含む。本発明において、地面は、舗装面であってもよく、土のある面であってもよい。本発明の鞍乗型車両は、走行するための動力を発生させる動力源(駆動源)を有していてもよく、有さなくてもよい。動力源は、例えば、電気モータであってもよく、エンジンであってもよい。エンジンは、ガソリンエンジンであってもよく、ディーゼルエンジンであってもよい。鞍乗型車両は、動力源として、電気モータとエンジンの両方を有していてもよい。本発明の鞍乗型車両は、右旋回する際に車両右方向に傾斜してもよく、右旋回する際に車両左方向に傾斜してもよく、車両左右方向のどちらにも傾斜しなくてもよい。左旋回する場合は、右旋回の逆になるため、記載を省略する。
【0223】
<加速度の定義>
本発明における加速度は、正の加速度と負の加速度の両方を含む。本明細書では、加速度の単位として、Gを使用している。1Gは9.80665m/sである。
【0224】
<車両前方向等の定義>
本発明および本明細書において、車両上下方向とは、鞍乗型車両を水平面に配置する場合、水平面に垂直な方向である。車両前方向とは、直立した状態の鞍乗型車両が水平面上を直進する方向である。車両左右方向とは、車両上下方向と車両前後方向に直交する方向であって、鞍乗型車両に乗車するライダーから見た左右方向である。
【0225】
<鞍乗型車両の車両前方向の加速度の定義>
本発明において、「鞍乗型車両の車両前方向の加速度」とは、鞍乗型車両のある位置の車両前方向の加速度である。ある位置は特に限定されない。「鞍乗型車両の車両前方向の加速度」は、厳密な意味での鞍乗型車両のある位置の車両前方向の加速度に限らない。「鞍乗型車両の車両前方向の加速度」は、鞍乗型車両のある位置の進行方向の加速度であってもよい。例えば、鞍乗型車両の操舵車輪の進行方向の加速度であってもよい。また、例えば、鞍乗型車両の重心の位置の進行方向の加速度であってもよい。
【0226】
<鞍乗型車両の車両左右方向の加速度の定義>
本発明において、「鞍乗型車両の車両左右方向の加速度」とは、鞍乗型車両のある位置の車両左右方向の加速度である。ある位置は特に限定されない。「鞍乗型車両の車両左右方向の加速度」は、厳密な意味での鞍乗型車両のある位置の車両左右方向の加速度に限らない。「鞍乗型車両の車両左右方向の加速度」は、鞍乗型車両のある位置の進行方向に直交する方向の加速度であってもよい。例えば、鞍乗型車両の操舵車輪の進行方向に直交する方向の加速度であってもよい。また、例えば、鞍乗型車両の重心の位置の進行方向に直交する方向の加速度であってもよい。
【0227】
<走行軌跡の定義>
本発明において、走行軌跡は、鞍乗型車両の路面等と実際に接触する位置の軌跡である。鞍乗型車両が道路を走行する場合、走行軌跡および旋回軌跡は、例えば一般的な幅の道路において、道路の幅方向のどの位置を走行しているかを特定できるものである。本発明において、走行軌跡は、例えば、地図上のどの道路を走行したかということしか特定できないものは含まない。但し、本発明の第1アプローチ旋回軌跡データが示す走行軌跡は、実際の走行軌跡から若干ずれる場合がある。
【0228】
<第1アプローチ旋回軌跡の定義>
本発明において、第1アプローチ旋回軌跡は、鞍乗型車両が連続して走行したときの走行軌跡である。第1アプローチ旋回軌跡は、ある1つの走行軌跡だけを指す。第1アプローチ旋回軌跡は、鞍乗型車両が発進してから停止するまでの走行軌跡のうちの一部であってもよく、鞍乗型車両が発進してから停止するまでの走行軌跡であってもよい。
なお、第1アプローチ旋回軌跡の上記の定義は、第2アプローチ旋回軌跡にも該当する。
【0229】
本発明において、第1アプローチ旋回軌跡は、第1アプローチ旋回領域に収まる。つまり、第1アプローチ旋回軌跡は、第1アプローチ旋回領域からはみ出さない。第1アプローチ旋回領域は、第1アプローチ旋回軌跡によって決まる領域である。第1アプローチ旋回領域は、例えばサーキットのようなコースではない。第1アプローチ旋回軌跡の両端は、第1アプローチ旋回領域の縁にある。言い換えると、第1アプローチ旋回軌跡の走行方向における始点と終点は、第1アプローチ旋回領域の縁にある。
なお、第1アプローチ旋回軌跡の上記の定義は、第2アプローチ旋回軌跡にも該当する。
【0230】
本発明において、第1アプローチ旋回軌跡は、第1アプローチ軌跡領域に収まる形状であれば、どのような形状であってもよい。第1アプローチ旋回軌跡の第1アプローチ領域内の走行軌跡は、略直線状である。第1アプローチ旋回軌跡の第1アプローチ領域内の走行軌跡は、1つの直線で構成されてもよく、少なくとも1つの直線と曲線で構成されていてもよく、曲線だけで構成されていてもよい。第1アプローチ旋回軌跡の第1旋回領域内の走行軌跡は、略円弧状である。第1アプローチ旋回軌跡の第1旋回領域内の走行軌跡は、1つの円弧で構成されてもよく、複数の円弧で構成されていてもよく、曲線だけで構成されていてもよく、少なくとも1つの直線と曲線で構成されていてもよい。
なお、第1アプローチ旋回軌跡の上記の定義は、第2アプローチ旋回軌跡にも該当する。
【0231】
<第1アプローチ旋回領域の第1直線等の定義>
本発明において、第1アプローチ旋回領域の第1直線、第2直線、第1円弧、第2円弧は、路面に表示したラインなどの現実の物理的なラインでなく、仮想のラインである。本発明で特定された第1直線の長さは、鞍乗型車両が走行した路面上の長さであって、例えば印刷された紙面上または表示装置の画面上の長さではない。本発明で特定された第1直線と第2直線との間の距離、第1円弧の中心角、第1円弧の半径についても、同様である。
上記の第1アプローチ旋回領域の第1直線、第2直線、第1円弧、第2円弧の定義は、第2アプローチ旋回領域の第3直線、第4直線、第3円弧、第4円弧にも該当する。
【0232】
<アプローチ旋回軌跡の定義>
本発明において、アプローチ旋回軌跡は、鞍乗型車両が連続して走行したときの走行軌跡である。アプローチ旋回軌跡は、ある1つの走行軌跡だけを指す。アプローチ旋回軌跡は、鞍乗型車両が発進してから停止するまでの走行軌跡のうちの一部であってもよく、鞍乗型車両が発進してから停止するまでの走行軌跡であってもよい。
本発明において、アプローチ旋回軌跡データは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡に関連するデータであって、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡は、少なくとも1台の鞍乗型車両の走行軌跡である。少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡の数は、少なくとも1台の鞍乗型車両の走行軌跡の数と同じであってもよく、それよりも多くてもよい。
【0233】
少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡のうち第1アプローチ旋回軌跡および第2アプローチ旋回軌跡以外のアプローチ旋回軌跡は、第1アプローチ旋回領域および第2アプローチ旋回領域のようなアプローチ旋回領域に収まる走行軌跡であってもなくてもよい。第1アプローチ旋回領域および第2アプローチ旋回領域のようなアプローチ旋回領域とは、0mより大きく65m以下の第5直線と、第5直線に平行で第5直線から2m離れた第6直線との間のアプローチ領域と、第5直線の端に接続され、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の第5円弧と、第6直線の端に接続され、第5円弧と同心状であって、第5円弧の径方向外側に第5円弧から2m離れて位置する第6円弧との間の旋回領域とからなる領域である。少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡の数が複数の場合、複数のアプローチ旋回軌跡が収まる複数のアプローチ旋回領域の第5直線は、長さの異なる第5直線を含んでいてもよく、長さの同じ第5直線を含んでいてもよい。少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡の数が複数の場合、複数のアプローチ旋回軌跡が収まる複数のアプローチ旋回領域の第5円弧は、半径の異なる第5円弧を含んでいてもよく、半径が同じ第5円弧を含んでいてもよい。少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡の数が複数の場合、複数のアプローチ旋回軌跡が収まる複数のアプローチ旋回領域の第5円弧は、中心角の大きさの異なる第5円弧を含んでいてもよく、中心角の大きさが同じ第5円弧を含んでいてもよい。
【0234】
<旋回方向の定義>
本発明において、旋回方向とは、車両左方向および車両右方向のうち、鞍乗型車両が旋回するときに進む方向である。本発明において、2つの走行軌跡の旋回方向が異なるとは、2つの走行軌跡の旋回方向が車両左方向と車両右方向であることをいう。本発明において、2つの走行軌跡の旋回方向が同じであるとは、2つの走行軌跡の旋回方向が両方とも車両左方向であるか、2つの走行軌跡の旋回方向が両方とも車両右方向であることをいう。
【0235】
<鞍乗型車両の姿勢の定義>
本発明において、鞍乗型車両の姿勢とは、鞍乗型車両が走行する路面に対する鞍乗型車両の姿勢である。
【0236】
<ライダーの姿勢の定義>
本発明において、ライダーの姿勢とは、ライダーが乗車する鞍乗型車両が走行する路面に対するライダーの姿勢、および、ライダーが乗車する鞍乗型車両に対するライダーの姿勢の少なくともいずれかである。
【0237】
<プロセッサの定義>
本発明において、プロセッサには、マイクロコントローラ、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マルチプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能な論理回路(PLC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)および本明細書に記載する処理を実行することができる任意の他の回路が含まれる。プロセッサは、ECU(Electronic Control Unit)であってもよい。
【0238】
<記憶部の定義>
本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、プロセッサと記憶部を含む。記憶部は、各種データを記憶することが可能である。本発明の記憶部は、鞍乗型車両走行データ処理装置に含まれる。記憶部は、1つの記憶装置であってもよく、1つの記憶装置が有する記憶領域の一部であってもよく、複数の記憶装置を含んでいてもよい。記憶部は、例えば、RAM(Random Access Memory)を含んでもよい。RAMは、プロセッサがプログラムを実行するときに各種データを一時的に記憶する。記憶部は、例えば、ROM(Read Only Memory)を含んでもよく、含まなくてもよい。ROMは、プロセッサに実行させるプログラムを記憶する。記憶部は、プロセッサが有するバッファ(緩衝記憶装置)を含んでもよく、含まなくてもよい。バッファは、一時的にデータを記憶する装置である。
【0239】
<ハードウェアリソースの定義>
本発明において、ハードウェアリソースとは、プロセッサや記憶装置などのデバイスを意味する。本発明において、ハードウェアリソースを低減するとは、プロセッサまたは記憶装置の数を低減すること、プロセッサの処理能力を下げること、記憶装置の容量を低減することなどを意味する。
【0240】
<データの定義>
本発明において、データとは、コンピュータによって取り扱い可能な、記号や文字の組からなるデジタル形式の信号を意味する。
【0241】
<第1鞍乗型車両走行複合データの定義>
本発明において、「第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データ」は、第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データを含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。「第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データ」は、1つのデータで構成されてもよく、相互に関連付けられた複数のデータで構成されてもよい。
第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡データと、第1アプローチ旋回前方向加速度データと、その他のデータとが関連付けられていてもよい。その他のデータは、例えば、属性を示すメタデータであってもよい。その他のデータは、第1アプローチ旋回左右方向加速度データであってもよい。第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データと第1アプローチ旋回左右方向加速度データのうちのいずれか2つのデータに基づいて生成された1つのデータと、残りの1つのデータとが関連付けられたデータであってもよい。第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データと第1アプローチ旋回左右方向加速度データを相互に関連付けられたデータであってもよい。
なお、「第2アプローチ旋回軌跡データと第2アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データ」も同様である。
【0242】
<第1鞍乗型車両走行複合データの出力の定義>
本発明において、「第1鞍乗型車両走行複合データを出力する」とは、第1鞍乗型車両走行複合データが鞍乗型車両走行データ処理装置の外部の装置に出力されてもよいし、他の機能の処理を実行する鞍乗型車両走行データ処理装置が有するプロセッサと同じまたは異なるプロセッサに出力されてもよい。つまり、出力された第1鞍乗型車両走行複合データは、種々な使い方がなされてよい。鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、車両用装置から教官用装置に出力されてよい。この場合の教官用装置は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データを表示する端末装置、表示装置または第1鞍乗型車両走行複合データを印刷する印刷装置である。また、鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、車両用装置から教習者用装置に出力されてよい。この場合の教習者用装置は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データを表示する端末装置である。鞍乗型車両走行データ処理装置が車両制御装置の場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、車両制御装置のプロセッサに対して、エンジン制御またはブレーキ制御のために出力されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置が車両制御装置の場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、例えば、鞍乗型車両が備える表示装置に出力されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データは、データ収録システムの外部のコンピュータに出力されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、鞍乗型車両の走行後、蓄積した第1鞍乗型車両走行複合データを、例えば、データ収録システムの外部の鞍乗型車両の走行状態を解析するための解析装置に出力されてもよい。
【0243】
<第1アプローチ旋回軌跡データ等の取得の定義>
本発明において、第1アプローチ旋回軌跡データの取得とは、鞍乗型車両走行データ処理装置の外部の装置から第1アプローチ旋回軌跡データが取得されることであってもよい。第1アプローチ旋回軌跡データの取得とは、鞍乗型車両走行データ処理装置の外部の装置から鞍乗型車両走行データ処理装置が取得したデータに基づいて、第1アプローチ旋回軌跡データが生成(取得)されることであってもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置の外部の装置とは、センサであってもよく、センサから受信した信号を処理する装置であってもよい。第1アプローチ旋回軌跡データ以外のデータの取得も同様の定義である。
【0244】
<鞍乗型車両走行データ処理装置の定義>
本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、「鞍乗型車両の運転の教習に使用される教習支援システム」、「走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを蓄積するデータ収録システム」および、「走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データに基づいて鞍乗型車両を制御する車両制御装置」のいずれかに限らない。
データ収録システムは、車両の走行状態の解析のためにデータを蓄積するデータ収録システムであってもよい。データ収録システムは、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを表示または印刷するために蓄積するデータ収録システムであってもよい。この場合、第1鞍乗型車両走行複合データの出力対象は、表示装置または印刷装置である。印刷装置に出力するとは、鞍乗型車両走行データ処理装置から印刷装置に出力することであってもよい。印刷装置に出力するとは、鞍乗型車両走行データ処理装置と接続された外部装置の指令を受けて鞍乗型車両走行データ処理装置が外部装置を介して印刷装置に出力することであってもよい。表示装置への出力についても同様である。
鞍乗型車両走行データ処理装置は、走行中の鞍乗型車両の運転技術に関連するデータを蓄積する運転技術データ収録システムであってもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置は、走行中の鞍乗型車両の運転技術に関連するデータを表示または印刷するために蓄積する運転技術データ収録システムであってもよい。
鞍乗型車両走行データ処理装置は、例えば、鞍乗型車両の運転の教習に使用される教習支援システムで使用されてもよい。この場合、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データ等は、教習するための場所を鞍乗型車両が走行中に検出されたデータであってもよく、そのデータから生成されていてもよい。第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データ等は、教習するための場所ではない一般道路を鞍乗型車両が走行中に検出されたデータであってもよく、そのデータから生成されていてもよい。
鞍乗型車両走行データ処理装置は、1つの装置で構成されてもよいし、互いにデータ通信可能に構成された複数の装置で構成されてもよい。
【0245】
<姿勢に関連するデータの定義>
本発明において、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の鞍乗型車両の姿勢に関連する第1旋回車両姿勢データとは、旋回中の1つのタイミングの車両の姿勢を示すデータであってもよく、旋回中の複数のタイミングの車両の姿勢を示すデータであってもよい。
本発明において、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの旋回中の鞍乗型車両に乗車するライダーの姿勢に関連する第1旋回ライダー姿勢データとは、旋回中の1つのタイミングのライダーの姿勢を示すデータであってもよく、旋回中の複数のタイミングのライダーの姿勢を示すデータであってもよい。
第2旋回車両姿勢データおよび第2旋回ライダー姿勢データの定義も上記と同様である。
【0246】
<ライダー識別データの定義>
本発明において、ライダー識別データは、アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両に乗車するライダーが識別できるデータであればよい。ライダー識別データは、例えばIDである。また、ライダー識別データは、時間と位置のデータであってもよい。
【0247】
<第1鞍乗型車両走行複合データ差分の定義>
本発明において、第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データと、第2アプローチ旋回軌跡データと第2アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データとの差分である第1第鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、以下のいずれかの方法で生成されてもよい。
第1の方法では、まず、第1アプローチ旋回軌跡データと第2アプローチ旋回軌跡データとの差分と、第1アプローチ旋回前方向加速度データと第2アプローチ旋回前方向加速度データとの差分をそれぞれ算出する。これらの2つの差分を関連付けて、第1鞍乗型車両走行複合データ差分が生成される。
第2の方法では、第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データとを関連付けて第1の指標が生成される。第2アプローチ旋回軌跡データと第2アプローチ旋回前方向加速度データとを関連付けて第2の指標が生成される。第1の指標と第2の指標との差分を算出して、第1鞍乗型車両走行複合データ差分が生成される。
【0248】
本発明において、第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データと第1アプローチ旋回左右方向加速度とが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データと、第2アプローチ旋回軌跡データと第2アプローチ旋回前方向加速度データと第2アプローチ旋回左右方向加速度とが関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データとの差分である第1第鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、以下のいずれかの方法で生成されてもよい。
第1の方法では、まず、第1アプローチ旋回軌跡データと第2アプローチ旋回軌跡データとの差分と、第1アプローチ旋回前方向加速度データと第2アプローチ旋回前方向加速度データとの差分と、第1アプローチ旋回左右方向加速度データと第2アプローチ旋回左右方向加速度データとの差分をそれぞれ算出する。これらの3つの差分を関連付けて、第1鞍乗型車両走行複合データ差分が生成される。
第2の方法では、第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データと第1アプローチ旋回左右方向加速度データとを関連付けて第1の指標が生成される。第2アプローチ旋回軌跡データと第2アプローチ旋回前方向加速度データと第2アプローチ旋回左右方向加速度データとを関連付けて第2の指標が生成される。第1の指標と第2の指標との差分を算出して、第1鞍乗型車両走行複合データ差分が生成される。
第3の方法では、第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データとを関連付けて第1の指標が生成される。第2アプローチ旋回軌跡データと第2アプローチ旋回前方向加速度データとを関連付けて第2の指標が生成される。第1の指標と第2の指標との差分を算出する。第1アプローチ旋回左右方向加速度データと第2アプローチ旋回左右方向加速度データとの差分を算出する。算出された2つの差分を関連付けて、第1鞍乗型車両走行複合データ差分が生成される。
この第3の方法において、第1指標は、第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいて生成されてもよい。第1指標は、第1アプローチ旋回前方向加速度データと第1アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいて生成されてもよい。第2指標は、第1指標が生成される2つのデータと同じ種類の2つのデータに基づいて生成される。
本発明の第1第鞍乗型車両走行複合データ差分は、厳密な差分でなく、概略の差分であってもよい。また、本発明の第1第鞍乗型車両走行複合データ差分は、算出された複数の差分のそれぞれに重みづけをして関連付けることにより、生成されてもよい。
なお、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データと第2鞍乗型車両走行複合データとの差分に、第1ライダー識別データおよび第2ライダー識別データの少なくとも一方が付されたデータであってもよい。
【0249】
<第1鞍乗型車両走行複合データ差分の出力の定義>
本発明において、「第1鞍乗型車両走行複合データ差分を出力する」とは、第1鞍乗型車両走行複合データ差分が鞍乗型車両走行データ処理装置の外部の装置に出力されてもよいし、他の機能の処理を実行する鞍乗型車両走行データ処理装置が有するプロセッサと同じまたは異なるプロセッサに出力されてもよい。つまり、出力された第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、種々な使い方がなされてよい。鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、車両用装置から教官用装置に出力されてよい。この場合の教官用装置は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データ差分を表示する端末装置、表示装置または第1鞍乗型車両走行複合データ差分を印刷する印刷装置である。また、鞍乗型車両走行データ処理装置が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、車両用装置から教習者用装置に出力されてよい。この場合の教習者用装置は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データ差分を表示する端末装置である。鞍乗型車両走行データ処理装置が車両制御装置の場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、車両制御装置のプロセッサに対して、エンジン制御またはブレーキ制御のために出力されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置が車両制御装置の場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、例えば、鞍乗型車両が備える表示装置に出力されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分は、データ収録システムの外部のコンピュータに出力されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置がデータ収録システムの場合、鞍乗型車両の走行後、蓄積した第1鞍乗型車両走行複合データ差分を、例えば、データ収録システムの外部の鞍乗型車両の走行状態を解析するための解析装置に出力されてもよい。
【0250】
<GNSSを利用して生成されたデータの定義>
本発明において、GNSSを利用して生成されたデータとは、GNSS衛星から送信された電波を利用して生成されたデータである。GNSSを利用して生成されたデータは、GNSS衛星から送信された電波と、鞍乗型車両の挙動を検出するセンサの信号に基づいて生成されてもよい。
【0251】
<イメージデータの定義>
本発明において、イメージデータとは、文字や数値だけをイメージデータにしたものは含まない。イメージデータは、例えば、図形、グラフ、カメラで撮影された写真、カメラで撮影された動画、CG(コンピュータグラフィックス)などのデータである。CGは、静止画像と、動画のどちらであってもよい。コンピュータグラフィックスは、2次元コンピュータグラフィックスと、3次元コンピュータグラフィックスのどちらであってもよい。CGデータは、カラー表示や模様表示が施されたデータであってもよい。CGデータは、カメラで生成されたイメージデータ(静止画像データまたは動画データ)に基づいて生成されてもよく、カメラで生成されたイメージデータを使用せずに生成されてもよい。カメラで生成されたイメージデータに基づいて生成されたCGデータの画像は、カメラで撮影された画像と同じ画像を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
【0252】
本発明において、「第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データに基づいたイメージデータを含む第1鞍乗型車両走行複合データ」とは、以下の2つのケースのいずれであってもよい。1つ目のケースでは、第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡データに基づいたイメージデータと、第1アプローチ旋回前方向加速度データに基づいたイメージデータの両方を含む。2つ目のケースでは、第1鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回前方向加速度データに基づいた1つのイメージデータを含む。本発明において、「第2アプローチ旋回軌跡データおよび第2アプローチ旋回前方向加速度データに基づいたイメージデータを含む第2鞍乗型車両走行複合データ」の定義も上記と同様である。
本発明において、「第1アプローチ旋回軌跡データおよび第1アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいたイメージデータを含む第1鞍乗型車両走行複合データ」の定義も上記と同様である。本発明において、「第1旋回車両姿勢データおよび第1旋回ライダー姿勢データに基づいたイメージデータを含む第1鞍乗型車両走行複合データ」の定義も上記と同様である。
【0253】
<その他の用語の定義>
本発明において、あるデータに基づいて、取得する、生成する、または制御するとは、このデータだけに基づいた取得、生成または制御であってもよく、このデータと他のデータに基づいた取得、生成または制御であってもよい。この定義は、取得、生成または制御以外の動作にも適用される。
【0254】
本発明において、Aから取得するとは、Aから直接取得する場合と、AからBを介して取得する場合の両方を含む。
【0255】
本明細書において、「1〜10」および「1から10」は、いずれも、1以上10以下を意味する。1と10以外の数値にも、同様の定義が適用される。
【0256】
本明細書において、ある部品の端部とは、部品の端とその近傍部とを合わせた部分を意味する。
【0257】
本発明において、含む(including)、有する(comprising)、備える(having)およびこれらの派生語は、列挙されたアイテム及びその等価物に加えて追加的アイテムをも包含することが意図されて用いられている。
本発明において、取り付けられた(mounted)、接続された(connected)、結合された(coupled)、支持された(supported)という用語は、広義に用いられている。具体的には、直接的な取付、接続、結合、支持だけでなく、間接的な取付、接続、結合および支持も含む。さらに、接続された(connected)および結合された(coupled)は、物理的又は機械的な接続/結合に限られない。それらは、直接的なまたは間接的な電気的接続/結合も含む。
【0258】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義された用語のような用語は、関連する技術および本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されることはない。
【0259】
本明細書において、Aおよび/またはBとは、AおよびBであってもよく、AまたはBであってもよいことを意味する。本明細書において、「ライダーの運転技術および/または車両の特徴が反映されるデータ」とは、ライダーの運転技術および車両の特徴の両方が反映されていてもよく、ライダーの運転技術または車両の特徴のいずれか一方だけが反映されていてもよい。
【0260】
本発明および本明細書において、複数の選択肢のうちの少なくとも1つとは、複数の選択肢から考えられる全ての組み合わせを含む。複数の選択肢のうちの少なくとも1つとは、複数の選択肢のいずれか1つであってもよく、複数の選択肢の全てであってもよい。例えば、AとBとCの少なくとも1つとは、Aのみであってもよく、Bのみであってもよく、Cのみであってもよく、AとBであってもよく、AとCであってもよく、BとCであってもよく、AとBとCであってもよい。
【0261】
本明細書において、「好ましい」という用語は非排他的なものである。「好ましい」は、「好ましいがこれに限定されるものではない」ということを意味する。本明細書において、「好ましい」と記載された構成は、少なくとも、上記(1)の構成により得られる上記効果を奏する。また、本明細書において、「してもよい」という用語は非排他的なものである。「してもよい」は、「してもよいがこれに限定されるものではない」という意味である。本明細書において、「してもよい」と記載された構成は、少なくとも、上記(1)の構成により得られる上記効果を奏する。
【0262】
特許請求の範囲において、ある構成要素の数を明確に特定しておらず、英語に翻訳された場合に単数で表示される場合、本発明は、この構成要素を、複数有していてもよい。また本発明は、この構成要素を1つだけ有していてもよい。
【0263】
本発明では、上述した好ましい構成を互いに組み合わせることを制限しない。本発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載されたまたは図面に図示された構成要素の構成および配置の詳細に制限されないことが理解されるべきである。本発明は、後述する実施形態以外の実施形態でも可能である。本発明は、後述する実施形態に様々な変更を加えた実施形態でも可能である。また、本発明は、後述する実施形態および変形例を適宜組み合わせて実施することができる。
【発明の効果】
【0264】
本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置、鞍乗型車両走行データ処理方法および鞍乗型車両走行データ処理プログラムによると、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0265】
図1】本実施形態の鞍乗型車両走行データ処理装置の構成、本実施形態の鞍乗型車両走行データ処理方法の処理の手順、および本実施形態の鞍乗型車両走行データ処理プログラムの処理の手順を示す図である。
図2】具体例1の鞍乗型車両走行データ処理装置が搭載される自動二輪車の右側面図である。
図3図2の自動二輪車が有するエンジンユニットの図である。
図4】具体例1の鞍乗型車両走行データ処理装置が搭載された自動二輪車のブロック図である。
図5】具体例1の自動二輪車の走行軌跡と車両前方向の加速度の一例を示す図である。
図6】(a)は自動二輪車の走行軌跡と車両前方向の加速度の一例を示す図であり、(b)は自動二輪車の走行軌跡と車両左方向の加速度の一例を示す図であり、(c)は(a)および(b)の車両前方向の加速度と車両左右方向の加速度を示すグラフである。
図7】(a)は自動二輪車の走行軌跡と車両前方向の加速度の他の一例を示す図であり、(b)は自動二輪車の走行軌跡と車両左方向の加速度の他の一例を示す図であり、(c)は(a)および(b)の車両前方向の加速度と車両左右方向の加速度を示すグラフである。
図8】鞍乗型車両の車両前方向の加速度と車両左右方向の加速度との関係の一例を示す図である。
図9】旋回中の鞍乗型車両の車両前方向の速度と鞍乗型車両の車両左右方向の加速度との関係を示すグラフである。
図10】具体例1の第1環状領域と第1環状軌跡の説明図である。
図11】具体例1の鞍乗型車両走行データ処理方法の処理の手順および鞍乗型車両走行データ処理プログラムの処理の手順を示すフローチャートである。
図12】具体例1の鞍乗型車両走行データ処理方法の処理の手順および鞍乗型車両走行データ処理プログラムの処理の手順の他の例を示すフローチャートである。
図13】具体例2の鞍乗型車両走行データ処理装置が搭載された自動二輪車のブロック図である。
図14】具体例2の鞍乗型車両走行複合データの一例を示す図である。
図15】具体例2の鞍乗型車両走行一体複合データの一例を示す図である。
図16】具体例3の鞍乗型車両走行データ処理装置のブロック図である。
図17】具体例3の鞍乗型車両走行データ処理装置の変形例を示すブロック図である。
図18】具体例3の変形例の鞍乗型車両走行複合データの一例を示す図である。
図19】表示装置に表示される第1鞍乗型車両走行複合データの一例である。
図20】運転技術情報検索アプリケーションプログラムに基づいた、鞍乗型車両走行データ処理装置に含まれる、表示装置と車両用装置との間の処理の手順の一例である。
図21】表示装置に表示される検索画面の一例である。
図22】表示装置に表示される選択画面の一例である。
図23】運転技術情報表示アプリケーションプログラムに基づいた、鞍乗型車両走行データ処理装置に含まれる、表示装置と車両用装置との間の処理の手順の別の一例である。
図24】表示装置に表示される相違ライダー鞍乗型車両走行一体複合データの一例である。
図25】表示装置に表示される第1鞍乗型車両走行複合データの別の一例である。
図26】旋回中の四輪バギーの図である。
図27】旋回中の水上オートバイの図である。
図28】スノーモービルの旋回動作の一例を示す図である。
図29】スノーモービルの旋回動作の他の例を示す図である。
図30】本発明の第1環状領域の他の例を示す図である。
図31】本発明の第1環状領域のさらに他の例を示す図である。
図32】本発明の第1環状領域のさらに他の例を示す図である。
図33】表示装置に表示される混合ライダー鞍乗型車両走行一体複合データの一例である。
図34】変更例の鞍乗型車両走行データ処理装置の構成を示す図である。
図35】変更例の鞍乗型車両走行データ処理装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0266】
(本発明の実施形態)
以下、本発明の実施形態について図1を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態の鞍乗型車両走行データ処理装置の構成本実施形態の鞍乗型車両走行データ処理方法の処理の手順および本実施形態の鞍乗型車両走行データ処理プログラムの処理の手順を示す図である。鞍乗型車両10は、本発明の第1鞍乗型車両に相当する。図1中の鞍乗型車両10は、自動二輪車である。鞍乗型車両10は、自動二輪車に限らない。鞍乗型車両10は、本実施形態の鞍乗型車両走行データ処理装置、鞍乗型車両走行データ処理方法および鞍乗型車両走行データ処理プログラムにおいて、鞍乗型車両走行データが処理される走行中の鞍乗型車両の一例である。
【0267】
本実施形態の鞍乗型車両走行データ処理装置1は、走行中の鞍乗型車両10に関連するデータを処理する装置である。本実施形態の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ処理装置1において、走行中の鞍乗型車両10に関連するデータを処理する方法である。本実施形態の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ処理装置1において、走行中の鞍乗型車両10に関連するデータを処理するプログラムである。鞍乗型車両走行データ処理装置1は、例えば、鞍乗型車両教習支援システム、鞍乗型車両走行データ収録システムや、車両制御装置である。鞍乗型車両教習支援システムは、鞍乗型車両の運転の教習に使用され、走行中の鞍乗型車両10に関連する鞍乗型車両走行データを用いる装置である。鞍乗型車両走行データ収録システムは、走行中の鞍乗型車両10に関連するデータを蓄積する装置である。車両制御装置は、走行中の鞍乗型車両10に関連するデータに基づいて鞍乗型車両10を制御する装置である。
【0268】
図1に示すように、鞍乗型車両走行データ処理装置1は、プロセッサ2と図示しない記憶部を有する。記憶部には、プロセッサ2が実行する処理に必要な鞍乗型車両走行データ処理プログラムが記憶されている。プロセッサ2は、この記憶部に予め記憶された鞍乗型車両走行データ処理プログラムを読み込むことで、以下の一連の処理S1〜S4を実行するように構成されている。なお、プロセッサ2が実行する処理が予め読み込まれたプロセッサである場合には、プロセッサ2は、以下の一連の処理S1〜S4を実行するように鞍乗型車両走行データ処理プログラムが予め読み込まれていてもよい。以下、プロセッサ2が実行する一連の処理について説明する。
【0269】
プロセッサ2は、鞍乗型車両走行データ取得処理S1と、鞍乗型車両走行複合データ出力処理S2とを実行する。本実施形態の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ取得処理S1と、鞍乗型車両走行複合データ出力処理S2とを含む。本実施形態の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ取得処理S1と、鞍乗型車両走行複合データ出力処理S2とを、プロセッサ2に実行させる。
【0270】
鞍乗型車両走行データ取得処理S1において、アプローチ旋回軌跡データDTbと、アプローチ旋回前方向加速度データDAbとが鞍乗型車両走行データとして取得される。アプローチ旋回軌跡データDTbは、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1を含む。アプローチ旋回前方向加速度データDAbは、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1を含む。
【0271】
アプローチ旋回軌跡データDTbは、鞍乗型車両10を含む少なくとも1台の鞍乗型車両が走行したときの走行軌跡である少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡Tbに関連するデータである。少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡Tbは、鞍乗型車両10を含む少なくとも1台の鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である。第1アプローチ旋回軌跡データDTb1は、鞍乗型車両10が走行したときの走行軌跡である第1アプローチ旋回軌跡Tb1に関連するデータである。第1アプローチ旋回軌跡Tb1は、鞍乗型車両10の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である。第1アプローチ旋回軌跡Tb1は、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡Tbに含まれる。第1アプローチ旋回軌跡Tb1は、第1アプローチ旋回領域Zb1に収まるような走行軌跡である。
【0272】
図1に示すように、第1アプローチ旋回領域Zb1は、第1アプローチ領域Zc1および第1旋回領域Zd1からなる。第1アプローチ領域Zc1は、第1直線SL1と、第1直線SL1に平行で第1直線SL1から2m離れた第2直線SL2との間の領域である。第1直線SL1の長さLは、0mより大きく65m以下である。第1旋回領域Zd1は、第1直線SL1の端に接続された第1円弧CA1と、第2直線SL2の端に接続され、第1円弧CA1と同心状であって、第1円弧CA1の径方向外側に第1円弧CA1から2m離れて位置する位置する第2円弧CA2との間の領域である。第1円弧CA1は、中心角θが90°以上270°以下であって、半径rが2m以上10m以下である。
【0273】
アプローチ旋回前方向加速度データDAbは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡Tbを走行したときの少なくとも1台の鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連するデータである。第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの鞍乗型車両10の車両前方向の加速度に関連するデータである。
【0274】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S2において、アプローチ旋回軌跡データDTbと、アプローチ旋回前方向加速度データDAbとに基づいて、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1とが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データDc1を含む鞍乗型車両走行複合データが出力される。
【0275】
本実施形態の鞍乗型車両走行データ処理装置1、本実施形態の鞍乗型車両走行データ処理方法、および本実施形態の鞍乗型車両走行データ処理プログラムはこのような構成を有するため、以下の効果を有する。
【0276】
鞍乗型車両10は、乗用車よりも、車両の大きさが小さい。また、鞍乗型車両10は、乗用車と異なり、旋回時にライダーRが重心を移動させながら走行する。そのため、走行中の鞍乗型車両10に関連するデータは、走行中の乗用車に関連するデータと異なる。鞍乗型車両走行データは、乗用車走行データよりも、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。従来提案されている鞍乗型車両走行データ処理装置、鞍乗型車両走行データ処理方法および鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データとして、多くの種類のデータを取得する。つまり、従来提案されている鞍乗型車両走行データ処理装置、鞍乗型車両走行データ処理方法および鞍乗型車両走行データ処理プログラムにおいては、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映するデータとして取得するデータの種類が多い。また、従来提案されている鞍乗型車両走行データ処理装置、鞍乗型車両走行データ処理方法および鞍乗型車両走行データ処理プログラムにおいては、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映するデータとして処理するデータの種類も多い。
【0277】
一方、本実施形態の鞍乗型車両走行データ処理装置1は、鞍乗型車両走行データ取得処理S1と、鞍乗型車両走行複合データ出力処理S2とを実行する。鞍乗型車両走行データ取得処理S1では、アプローチ旋回軌跡データDTbと、アプローチ旋回前方向加速度データDAbが、鞍乗型車両走行データとして取得される。アプローチ旋回軌跡データDTbは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡Tbに関連するデータである。少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡Tbは、少なくとも1台の鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である。アプローチ旋回軌跡データDTbは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡Tbに含まれる第1アプローチ旋回軌跡Tb1に関連する第1アプローチ旋回軌跡データDTb1を含む。第1アプローチ旋回軌跡Tb1は、鞍乗型車両10の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である。第1アプローチ旋回軌跡Tb1は、第1アプローチ旋回領域Zb1に収まるような走行軌跡である。第1アプローチ旋回領域Zb1は、0mより大きく65m以下の第1直線SL1と、第1直線SL1に平行で第1直線SL1から2m離れた第2直線SL2との間の第1アプローチ領域Zc1と、第1直線SL1の端に接続され、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の第1円弧CA1と、第2直線SL2の端に接続され、第1円弧CA1と同心状であって、第1円弧CA1の径方向外側に第1円弧CA1から2m離れて位置する第2円弧CA2との間の第1旋回領域Zd1とからなる。アプローチ旋回前方向加速度データDAbは、少なくとも1つのアプローチ旋回軌跡Tbを走行したときの少なくとも1台の鞍乗型車両の車両前方向の加速度に関連するデータである。アプローチ旋回前方向加速度データDAbは第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1を含む。第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの鞍乗型車両10の車両前方向の加速度に関連するデータである。鞍乗型車両走行複合データ出力処理S2では、アプローチ旋回軌跡データDTbと、アプローチ旋回前方向加速度データDAbとに基づいて、第1鞍乗型車両走行複合データDc1が出力される。第1鞍乗型車両走行複合データDc1は、鞍乗型車両10の第1アプローチ旋回軌跡Tb1に関連する第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの鞍乗型車両10の車両前方向の加速度に関連する第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1とが関連付けられたデータである。第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1の2種類のデータは、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。そのため、第1鞍乗型車両走行複合データDc1は、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。
【0278】
第1アプローチ旋回軌跡Tb1は、旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両10の走行軌跡である。つまり、第1鞍乗型車両走行複合データDc1は、旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両10の走行軌跡と車両前方向の加速度に関連する。鞍乗型車両10は、車両の挙動の変化だけでなく、ライダーRの姿勢の変化も利用して旋回する乗り物である。つまり、鞍乗型車両10は、ライダーRの姿勢の変化によって遠心力と重力のバランスをとりながら旋回する乗り物である。旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両10の走行軌跡と車両前方向の加速度は、鞍乗型車両10の走行状態と密接に関連している。また、旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両10の走行軌跡と車両前方向の加速度は互いに密接に関連する。同じコースを走る場合でもライダーRによって、ライダーRの姿勢の変化および車両の挙動は異なる。そのため、旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両10の走行軌跡と車両前方向の加速度は、ライダーRの運転技術と密接に関連している。また、コースとライダーRが同じであっても車両の種類が異なると、ライダーRの姿勢の変化および車両の挙動は異なる場合がある。そのため、旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両10の走行軌跡と車両前方向の加速度は、車両の特徴と密接に関連する。
【0279】
走行中の鞍乗型車両10に関連する鞍乗型車両走行データは、鞍乗型車両走行データ処理装置1で処理されて、第1鞍乗型車両走行複合データDc1が出力される。出力された第1鞍乗型車両走行複合データDc1は、種々な使い方がなされてよい。鞍乗型車両走行データ処理装置1が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データDc1は、例えば、通信装置に出力され、通信装置から教官用装置に送信されてよい。この場合の教官用装置は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データDc1を表示する端末装置、表示装置または第1鞍乗型車両走行複合データDc1を印刷する印刷装置である。また、鞍乗型車両走行データ処理装置1が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データDc1は、例えば、車両用装置から教習者用装置に出力されてよい。第1鞍乗型車両走行複合データDc1を教官用装置に送信することで、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示または印刷することができる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置1が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データDc1は、例えば、通信装置に出力され、通信装置から受講者用装置に送信されてよい。この場合の受講者用装置は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データDc1を表示する端末装置である。第1鞍乗型車両走行複合データDc1を受講者用装置に送信することで、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置1が車両制御装置の場合、第1鞍乗型車両走行複合データDc1は、例えば、車両制御装置内で、エンジン制御またはブレーキ制御のために出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データDc1は、例えば、車両制御装置内で、記憶部に出力されてよい。そして、記憶部に出力された第1鞍乗型車両走行複合データDc1は、エンジン制御またはブレーキ制御を実行する、鞍乗型車両走行データ処理装置1が有するプロセッサと同じまたは異なるプロセッサに出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データDc1をエンジン制御またはブレーキ制御のために出力することで、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて、鞍乗型車両10のエンジン制御またはブレーキ制御を行うことができる。鞍乗型車両走行データ処理装置1が車両制御装置の場合、第1鞍乗型車両走行複合データDc1は、例えば、鞍乗型車両10が備える表示装置に出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データDc1を表示装置に出力することで、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置1がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データDc1は、データ収録システムの外部のコンピュータに出力されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置1がデータ収録システムの場合、鞍乗型車両10の走行後、蓄積した第1鞍乗型車両走行複合データDc1を、例えば、データ収録システムの外部の鞍乗型車両10の走行状態を解析するための解析装置に出力してもよい。第1鞍乗型車両走行複合データDc1を解析装置に出力することで、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて解析することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置1がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データDc1は、鞍乗型車両10の走行後、蓄積した複数種類のデータを、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置1がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データDc1は、例えば、データ収録システムに接続された外部記憶装置(二次記憶装置、補助記憶装置)に出力されてもよい。そして、外部記憶装置に記憶された第1鞍乗型車両走行複合データDc1は、鞍乗型車両10の走行状態の解析に使用されてもよい。外部記憶装置に記憶された第1鞍乗型車両走行複合データDc1を解析に使用することで、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて解析することができる。教習支援システム、車両制御装置およびデータ収録システムは、鞍乗型車両走行データ処理装置1の一例である。さらに、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データDc1は、保険システム、販売システム、金融システムなどのデータ処理システムに用いられてよい。
【0280】
このように、鞍乗型車両走行データ処理装置1のプロセッサは、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1とが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データDc1を出力する。鞍乗型車両走行データ処理装置1のプロセッサから出力されたライダーRの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データDc1は、様々な使い方がなされる。また、第1鞍乗型車両走行複合データDc1として関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1であることで、鞍乗型車両走行データ処理装置1で処理されるデータの種類を低減することができる。具体的には、例えば、取得するデータの種類を少なくすることができる。また、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置1のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データDc1のデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置1は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置1のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置1は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データDc1を出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置1は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置1のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本実施形態の鞍乗型車両走行データ処理装置1は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。本実施形態の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ処理装置1のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。本実施形態の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ処理装置1のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0281】
旋回中の鞍乗型車両10の車両前方向の速度は、旋回半径が大きいほど高くなり、旋回半径が小さいほど低くなる。車両前方向の速度を、以下、車速という。仮に、第1旋回領域Zd1の内周縁である第1円弧CA1の半径が10mよりも大きい場合、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの旋回中の鞍乗型車両10の車速が比較的高い。そのため、第1円弧CA1の半径が10mよりも大きい場合、旋回中の鞍乗型車両10の車速の違いがあっても、鞍乗型車両10に作用する遠心力に違いがあまり生じない。そのため、第1円弧CA1の半径が10mよりも大きい場合、ライダーRの運転技術が違っていても、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの鞍乗型車両10の走行状態に違いがあまりない。また、第1円弧CA1の半径が10mよりも大きい場合、鞍乗型車両10の種類が異なっていても、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの鞍乗型車両10の走行状態に違いがあまりない。よって、仮に、第1円弧CA1の半径が10mよりも大きい場合、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1および第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1は、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴があまり反映されない。
一方、本実施形態の第1円弧CA1の半径は10m以下であるため、旋回中の鞍乗型車両10の車速が比較的低い。そのため、第1円弧CA1の半径は10m以下であることにより、旋回中の鞍乗型車両10の車速の違いによって、遠心力に違いが生じる。そのため、第1円弧CA1の半径が10m以下であることで、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴の違いが、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの鞍乗型車両10の走行状態の違いに現れやすい。したがって、第1円弧CA1の半径が10m以下であることで、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1および第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1は、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴がより反映されやすい。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置1で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データDc1を出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置1は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置1のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0282】
通常、旋回中の鞍乗型車両10の車両左右方向の加速度は、0.1G〜0.8G程度(1〜8m/s程度)である。第1旋回領域Zd1の内周縁である第1円弧CA1は、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下である。そのため、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの旋回中の鞍乗型車両10の車速は、例えば5〜32km/h程度である。旋回中の車速が5〜32km/h程度の場合、旋回中の鞍乗型車両10の車速の違いによって、鞍乗型車両10に作用する遠心力に大きな違いが生じる。そのため、第1円弧CA1の中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下であることで、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴の違いが、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの鞍乗型車両10の走行状態の違いに現れやすい。したがって、第1円弧CA1の中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下であることで、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1および第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1は、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴がより反映されやすい。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置1で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データDc1を出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置1は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置1のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0283】
旋回前の直進中に鞍乗型車両10が減速のみまたは加速と減速の両方をする場合、直進に必要な距離は、0mより大きく65m以下である。第1アプローチ領域Zc1の第1直線SL1の長さは、0mより大きく65m以下である。したがって、第1アプローチ領域Zc1の第1直線SL1の長さが0mより大きく65m以下であることにより、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1および第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1は、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴の違いがより反映されやすい。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置1で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データDc1を出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置1は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置1のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0284】
第1直線SL1と第2直線SL2の間隔は、2mである。第1円弧CA1と第2円弧CA2の間隔も2mである。つまり、第1アプローチ旋回軌跡Tb1は、幅が2mの第1アプローチ旋回領域Zb1に収まる。
ここで、鞍乗型車両10が自動二輪車または自動三輪車の場合、鞍乗型車両10の車両前方向の長さは、1.8〜2.6m程度であって、鞍乗型車両10の幅(車両左右方向の長さ)は、0.5〜1.1m程度である。鞍乗型車両10が四輪バギーの場合、鞍乗型車両10の車両前方向の長さは、1.4〜2.0m程度であって、鞍乗型車両10の幅は、0.7〜1.2m程度である。鞍乗型車両10がスノーモービルの場合、鞍乗型車両10の車両前方向の長さは、2.0〜4.0m程度であって、鞍乗型車両10の幅は、1.0〜1.2m程度である。鞍乗型車両10が水上オートバイの場合、鞍乗型車両10の車両前方向の長さは、2.0〜4.0m程度であって、鞍乗型車両10の幅は、0.7〜1.3m程度である。
したがって、第1アプローチ旋回領域Zb1の幅(2m)は、鞍乗型車両10の幅の平均の約2倍であって、鞍乗型車両10の最大幅の約1.5倍である。このような鞍乗型車両10の幅と全長を考慮すると、第1アプローチ旋回領域Zb1の幅(2m)は、鞍乗型車両10の走行の自由度がありながら、鞍乗型車両10が第1アプローチ旋回領域Zb1の幅内でUターンできない幅である。ここで、Uターンとは、180°の旋回のことである。第1アプローチ旋回領域Zb1の幅内でのUターンとは、第1アプローチ旋回領域Zb1の縁に沿わないUターンのことである。
2mの幅内でUターンした場合の走行軌跡は、2m以上の旋回半径で旋回したときの走行軌跡と全く異なる。このように全く異なる走行軌跡のデータは、例えば運転の教習、車両の制御、または車両の走行状態の解析などに使用する際に同じ処理ができない。第1アプローチ旋回領域Zb1の幅が2mであることにより、第1アプローチ旋回軌跡Tb1が、第1アプローチ旋回領域Zb1の幅内でUターンした走行軌跡である可能性を除外できる。したがって、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1および第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1は、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴の違いがより反映されやすい。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置1で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データDc1を出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置1は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置1のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0285】
(実施形態の具体例1)
以下、本発明の実施形態の具体例1について図2図12を参照しつつ説明する。本具体例1の鞍乗型車両走行データ処理装置101は、上述した本発明の実施形態の鞍乗型車両走行データ処理装置1の特徴を全て有する。なお、以下の説明において、上述した本発明の実施形態と同じ部位または処理についての説明は適宜省略する。図2に示すように、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、自動二輪車110に搭載される。自動二輪車110は、上記実施形態の鞍乗型車両10(第1鞍乗型車両)の一例である。鞍乗型車両走行データ処理装置101は、自動二輪車110に搭載されたECU(Electronic Control Unit / 電子制御ユニット)60に含まれる。鞍乗型車両走行データ処理装置101は、走行中の自動二輪車110に関連する鞍乗型車両走行データに基づいて自動二輪車110を制御する車両制御装置である。
【0286】
以下の説明において、前後方向、左右方向、上下方向とは、特に限定しない限り、それぞれ、車両前後方向、車両左右方向、車両上下方向のことである。車両上下方向は、自動二輪車110が配置された路面が水平な場合に、路面に垂直な方向である。車両前方向は、直立した状態の自動二輪車110が水平な路面を直進する方向である。車両後方向は、車両前方向の逆方向である。車両左右方向は、車両上下方向と車両前後方向に直交する方向であって、自動二輪車110に乗車するライダーRから見た左右方向である。図2は、自動二輪車110が、水平な路面上に直進可能に直立した状態を示す。図2中の矢印F、Re、U、Dは、それぞれ前方向、後方向、上方向、下方向を表す。
【0287】
<自動二輪車の全体構成>
図2に示すように、自動二輪車110は、前輪11と、後輪12、車体フレーム13とを備えている。車体フレーム13は、その前部にヘッドパイプ13aを有する。ヘッドパイプ13aには、ステアリングシャフト(図示せず)が回転可能に挿入されている。ステアリングシャフトの上端部は、ステアリングホイール(ハンドルユニット)14に連結されている。ステアリングホイール14は、フロントフォーク15の上端部に連結されている。フロントフォーク15の下端部は、前輪11を回転可能に支持している。フロントフォーク15は、フロントサスペンション(図示せず)を有する。フロントサスペンションは、前輪11が受ける上下方向の振動を吸収する。ステアリングホイール14、ステアリングシャフト、フロントフォーク15、および前輪11は、車体フレーム13に対して一体的に揺動可能である。ライダーRがステアリングホイール14を操作することにより、前輪11は操舵される。前輪11は、操舵車輪である。
【0288】
前輪11には、前ブレーキ16が設けられている。前ブレーキ16は、前輪11に制動力を付与可能に構成されている。前ブレーキ16は、例えば、液圧式のブレーキである。前ブレーキ16は、液圧式以外の公知のブレーキであってもよい。
【0289】
スイングアーム17の前端部は、車体フレーム13に揺動可能に支持されている。スイングアーム17の後端部は、後輪12を回転可能に支持している。スイングアーム17は、リアサスペンション18を介して車体フレーム13に接続されている。リアサスペンション18は、後輪12が受ける上下方向の振動を吸収する。
【0290】
後輪12には、後ブレーキ19が設けられている。後ブレーキ19は、後輪12に制動力を付与可能に構成されている。後ブレーキ19は、例えば、液圧式のブレーキである。後ブレーキ19は、液圧式以外の公知のブレーキであってもよい。
【0291】
車体フレーム13は、シート20と燃料タンク21を支持している。車体フレーム13は、エンジンユニット30を支持している。車体フレーム13は、バッテリー(図示せず)を支持している。バッテリーは、ECU60や各種センサなどの電子機器に電力を供給する。
【0292】
エンジンユニット30は、自動二輪車110の動力源である。エンジンユニット30は、後輪12に駆動力を付与可能に構成されている。エンジンユニット30は、動力を発生させるエンジン本体31を有する。エンジン本体31で発生した動力が、後輪12に伝達される。後輪12は、駆動輪である。エンジンユニット30は、液冷式のエンジンである。なお、エンジンユニット30の冷却方式は、自然空冷式であってもよく、強制空冷式であってもよく、油冷式であってもよい。
【0293】
ここから、図3を用いて、エンジンユニット30についてより詳細に説明する。図3に示すエンジン本体31は、エンジン本体31の一部を模式的に表示している。エンジン本体31は、多気筒エンジンである。図3は、複数の気筒のうちの1つの気筒のみを表示している。なお、エンジン本体31は、単気筒エンジンであってもよい。エンジン本体31は、4ストローク1サイクルエンジンである。4ストローク1サイクルエンジンは、気筒ごとに、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程(膨張行程)、および排気行程を繰り返す。3気筒の燃焼行程のタイミングは互いに異なっている。エンジン本体31は、2ストローク1サイクルエンジンであってもよい。
【0294】
エンジン本体31は、複数(例えば3つ)の燃焼室32を有する。複数の燃焼室32は、左右方向に一列に並んでいる。各燃焼室32の一部は、ピストン33によって構成される。複数のピストン33は、複数のコネクティングロッド34を介して1つのクランクシャフト35に連結されている。燃焼室32には、点火プラグ36の先端部が配置されている。点火プラグ36は、燃焼室32内の燃料と空気との混合ガスに点火する。点火プラグ36は、点火コイル37に接続されている。点火コイル37は、点火プラグ36の火花放電を生じさせるための電力を蓄える。混合ガスの燃焼のエネルギーによってピストン33が往復移動することで、クランクシャフト35が回転する。それにより、エンジン本体31で動力が生じる。クランクシャフト35は、スターターモータおよび発電機に連結されている。なお、スターターモータと発電機は一体化されていてもよい。エンジン本体31には、エンジン回転速度センサ(図示せず)とエンジン温度センサ(図示せず)が設けられる。エンジン回転速度センサは、クランクシャフト35の回転速度を検出する。エンジン温度センサは、エンジン本体31の温度を直接または間接的に検出する。
【0295】
図示は省略するが、エンジン本体31は、多段変速装置とクラッチを有する。クランクシャフト35で発生した動力(トルク)は、多段変速装置とクラッチを介して、後輪12に伝達される。多段変速装置は、例えば1速〜6速およびニュートラルの7つのギヤ位置を有する。クラッチは、クランクシャフト35からの動力を伝達する状態と伝達しない状態に切換え可能に構成されている。
【0296】
図3に示すように、エンジン本体31は、燃焼室32ごとに吸気通路部40および排気通路部50を有する。なお、本明細書において、通路部とは、経路を形成する構造物を意味する。経路は、空気やガスなどが通過する空間を意味する。吸気通路部40は、燃焼室32に空気を導入する。排気通路部50は、燃焼行程において燃焼室32で発生した燃焼ガス(排ガス)を排出する。吸気通路部40と接続される燃焼室32の開口は、吸気バルブ41によって開閉される。また、排気通路部50と接続される燃焼室32の開口は、排気バルブ51によって開閉される。吸気バルブ41および排気バルブ51は、エンジン本体31が有する動弁装置(図示せず)によって駆動される。動弁装置は、クランクシャフト35と連動して作動する。
【0297】
エンジンユニット30は、エンジン本体31に接続された吸気通路部42を有する。吸気通路部42は、エンジン本体31の複数の吸気通路部40に接続されている。吸気通路部42の他端は、大気に開放されている。吸気通路部42に吸入された空気が、エンジン本体31に供給される。吸気通路部42にはエアフィルター43が設けられている。
【0298】
エンジンユニット30は、燃焼室32に燃料を供給するインジェクタ44を有する。インジェクタ44は、燃焼室32ごとに1つずつ設けられている。インジェクタ44は、吸気通路部42または吸気通路部42内で燃料を噴射するように配置されている。なお、インジェクタ44は、燃焼室32内で燃料を噴射するように配置されていてもよい。インジェクタ44は、燃料ホース45を介して燃料タンク21に接続されている。燃料タンク21の内部には、燃料ポンプ46が配置されている。燃料ポンプ46は、燃料タンク21内の燃料を燃料ホース45へと圧送する。
【0299】
吸気通路部42の内部には、スロットルバルブ47が配置される。スロットルバルブ47は、燃焼室32ごとに設けられる。スロットルバルブ47は、複数の燃焼室32に対して1つだけ設けられてもよい。スロットルバルブ47は、開状態の開度を変更可能に構成されている。スロットルバルブ47の開度によって、エンジン本体31に供給される空気量が調整される。スロットルバルブ47は、電子制御式のスロットルバルブである。なお、スロットルバルブは、機械式のスロットルバルブであってもよい。
【0300】
吸気通路部42には、吸気圧センサ71と、吸気温センサ72と、スロットル開度センサ(スロットルポジションセンサ)73と、が設けられる。吸気圧センサ71は、吸気通路部42内の圧力を検出する。吸気温センサ72は、吸気通路部42内の空気の温度を検出する。スロットル開度センサ73は、スロットルバルブ47の位置を検出することにより、スロットルバルブ47の開度を表す信号を出力する。
【0301】
エンジンユニット30は、エンジン本体31に接続された排気通路部52を有する。排気通路部52の一端部は、エンジン本体31の複数の排気通路部50に接続されている。排気通路部52の他端部は、マフラー部53に接続されている。エンジン本体31から排出された排ガスは、排気通路部52を通過した後、マフラー部53に流入する。マフラー部53は、排ガスを浄化する触媒54を収容する。排ガスは、触媒54によって浄化された後、大気に放出される。触媒54は、排気通路部52内に配置されてもよい。排気通路部52には、酸素センサ75が設けられる。酸素センサ75は、排ガス中の酸素濃度を検出する。
【0302】
以上がエンジンユニット30の説明である。ここから、自動二輪車110全体の説明に戻る。
【0303】
図2に示すように、自動二輪車110の右下部には、ブレーキペダル23が設けられている。また、図示は省略するが、自動二輪車110の左下部には、シフトペダルが設けられている。ブレーキペダル23とシフトペダルは、それぞれ、ライダーRの足で操作される。ブレーキペダル23には、ブレーキペダル23の操作量を検出する後ブレーキセンサ81(図4参照)が接続されている。シフトペダルには、シフトペダルの操作量を検出するシフトペダルセンサ(図示せず)が接続されている。
【0304】
ライダーRがブレーキペダル23を操作することで、後ブレーキ19は後輪12に制動力を付与する。ブレーキペダル23は、後ブレーキ駆動装置25(図4参照)を介して、後ブレーキ19に接続されている。後ブレーキ駆動装置25は、車両制御装置(鞍乗型車両走行データ処理装置)101によって制御可能である。後ブレーキ19が液圧式のブレーキの場合、後ブレーキ駆動装置25は、例えば、作動液が流れるパイプと、弁と、ポンプ等を有する。この場合、車両制御装置101は、液圧調整回路に設けられた電磁弁などを制御する。車両制御装置101が後ブレーキ駆動装置25を制御することによって、ブレーキペダル23の操作量が同じであっても、後ブレーキ19の制動力を異ならせることができる。なお、ブレーキペダル23と後ブレーキ19とを接続する後ブレーキ駆動装置と、車両制御装置101と後ブレーキ19とを接続する後ブレーキ駆動装置とは、異なっていてもよい。言い換えると、独立した2つの後ブレーキ駆動装置が設けられていてもよい。
【0305】
ライダーRがシフトペダルを操作することで、エンジンユニット30の多段変速装置(図示せず)のギヤ位置は切り換えられる。なお、シフトペダルの代わりに、ステアリングホイール14にシフトスイッチが設けられてもよい。
【0306】
ステアリングホイール14は、アクセルグリップ24(図2参照)と、ブレーキレバー(図示せず)と、クラッチレバー(図示せず)を有する。アクセルグリップ24およびブレーキレバーは、ステアリングホイール14の右部に配置される。クラッチレバーは、ステアリングホイール14の左部に配置される。アクセルグリップ24とブレーキレバーとクラッチレバーは、ライダーRの手で操作される。アクセルグリップ24には、アクセルグリップ24の操作量を検出するアクセルセンサ83(図4参照)が接続されている。ブレーキレバーには、ブレーキレバーの操作量を検出する前ブレーキセンサ82(図4参照)が接続されている。クラッチレバーには、クラッチレバーの操作量を検出するクラッチレバーセンサ(図示せず)が接続されている。
【0307】
ライダーRがアクセルグリップを操作することで、エンジンユニット30のエンジン本体31で発生する動力は調整される。アクセルグリップの操作量に応じて、スロットルバルブ47の開度が変更される。より詳細には、アクセルグリップの操作量を検出するアクセルセンサ83の信号に基づいて、車両制御装置(鞍乗型車両走行データ処理装置)101がスロットルバルブ47を制御する。なお、スロットルバルブ47が機械式の場合、アクセルグリップは、スロットルワイヤを介して、スロットルバルブ47に接続されている。
【0308】
ライダーRがブレーキレバーを操作することで、前ブレーキ16は前輪11に制動力を付与する。ブレーキレバーは、前ブレーキ駆動装置26(図4参照)を介して、前ブレーキ16に接続されている。車両制御装置101が前ブレーキ駆動装置26を制御することによって、ブレーキレバーの操作量が同じであっても、前ブレーキ16の制動力を異ならせることができる。なお、ブレーキレバーと前ブレーキ16とを接続する前ブレーキ駆動装置と、車両制御装置101と前ブレーキ16とを接続する前ブレーキ駆動装置とは、異なっていてもよい。前ブレーキ駆動装置26は、後ブレーキ駆動装置25と一体化されていてもよい。
【0309】
ライダーRがクラッチレバーを操作することで、エンジンユニット30のクラッチ(図示せず)は、クランクシャフト35から後輪12への動力の伝達を遮断する。クラッチレバーは、シフトペダルによって多段変速装置のギヤ位置を変更する前に操作される。
【0310】
なお、エンジンユニット30は、多段変速装置の代わりに、無段変速装置を有していてもよい。この場合、自動二輪車110は、シフトペダルとクラッチレバーを有さなくてもよい。また、ブレーキペダルが設けられず、ブレーキレバーの操作によって、前ブレーキ16と後ブレーキ19の両方が作動可能であってもよい。
【0311】
このようにステアリングホイール14、ペダルブレーキ、ブレーキレバー、アクセルグリップ24などを操作することで、ライダーRは、自動二輪車110の車両前方向の速度を増加または減少させたり、自動二輪車110を旋回させたりすることができる。
【0312】
ステアリングホイール14は、ライダーRによって操作される各種スイッチ(図示せず)を有する。各種スイッチは、例えば、メインスイッチ、エンジンスタートスイッチ、エンジンストップスイッチ等である。メインスイッチは、バッテリーから各種電気機器への電力供給のオンオフを切り替えるスイッチである。エンジンスタートスイッチは、エンジンユニット30の運転を開始させるスイッチであり、エンジンストップスイッチは、エンジンユニット30の運転を停止させるスイッチである。
【0313】
自動二輪車110は、タッチパネル28(図4参照)を有する。タッチパネル28は、シート20に着座したライダーRが視認できる位置に配置されている。タッチパネル28は、各種の設定画面を表示することが可能である。タッチパネル28は、ライダーRからの各種操作入力を受け付けることが可能である。例えば、ライダーRを識別するライダー識別情報をタッチパネル28に入力が可能である。ライダー識別情報は、例えば、ライダーRの氏名やID番号などである。また、タッチパネル28は、自動二輪車110の動作状態などを表示することが可能である。タッチパネル28は、例えば、車速(車両前方向の速度)、エンジン回転速度、ギヤ位置、各種の警告などを表示する。
【0314】
自動二輪車110は、ステアリングホイール14の操舵角を検出する操舵角センサ84を有する。ステアリングホイール14の操舵角は、前輪11(操舵車輪)の操舵角と同じである。なお、自動二輪車110は、操舵角センサ84を有さなくてもよい。
【0315】
自動二輪車110は、車輪速度センサ85を有する。車輪速度センサ85は、後輪12の回転速度を検出する。車輪速度センサ85は、前輪11の回転速度を検出するセンサであってもよい。自動二輪車110は、前輪11の回転速度を検出する車輪速度センサと、後輪12の回転速度を検出する車輪速度センサの両方を有していてもよい。
【0316】
車輪速度センサ85の信号は、ECU60に送信される。ECU60は、車輪速度センサ85の信号に基づいて、自動二輪車110の車両前方向の速度を取得する。例えば、ECU60は、車輪速度センサ85により検出された後輪12の回転速度と後輪12の径に基づいて、後輪12の進行方向の速度を算出する。後輪12の進行方向の速度は、狭義の意味において、自動二輪車110の車両前方向の速度である。車輪速度センサ85が前輪11に設けられている場合、車輪速度センサ85により検出された前輪11の回転速度と前輪11の径に基づいて、前輪11の進行方向の速度が算出される。前輪11が操舵されている場合、前輪11の進行方向は、自動二輪車110の車両前方向と若干異なる。本明細書では、前輪11の進行方向の速度も、自動二輪車110の車両前方向の速度に含まれる。ECU60は、車輪速度センサ85の信号に基づいて、自動二輪車110の車両前方向の加速度(負の加速度を含む)を取得してもよい。例えば、ECU60は、車輪速度センサ85の信号に基づいて算出された自動二輪車110の車両前方向の速度を時間で微分することで、自動二輪車110の車両前方向の加速度を算出してもよい。
【0317】
自動二輪車110は、IMU(Inertial Measurement Unit/慣性計測装置)86を有する。IMU86は、ロールセンサ、ピッチセンサ、およびヨーセンサを有する。ロールセンサは、車体フレーム13のロール軸Ro(図2参照)回りの角度、角速度、および角加速度の少なくとも1つを検出可能である。ピッチセンサは、車体フレーム13のピッチ軸P(図2参照)回りの角度、角速度、および角加速度の少なくとも1つを検出可能である。ヨーセンサは、車体フレーム13のヨー軸Y(図2参照)回りの角度、角速度、および角加速度の少なくとも1つを検出可能である。ロールセンサ、ピッチセンサ、およびヨーセンサは、車体フレーム13と一体的に動くように自動二輪車110に配置される。自動二輪車110の姿勢が変化すると、路面に対するロール軸Ro、ピッチ軸P、ヨー軸Yの向きも変化する。
【0318】
ヨー軸Yは、自動二輪車110が水平な路面に直立している状態において、車両上下方向と平行である。ヨーセンサのヨー軸Yは、自動二輪車110が水平な路面に直立している状態において、車両の中央を通っていれば、車両上下方向に対して若干傾斜していてもよい。例えば、ヨー軸Yは、ステアリングシャフトに平行であってもよい。以下の説明において、車体フレーム13のヨー軸Y回りの角度を、自動二輪車110のヨー角という。自動二輪車110のヨー角が変化するとき、自動二輪車110の進行方向が変化する。自動二輪車110のヨー角は、自動二輪車110の進行方向に関連する。
【0319】
ロール軸Roは、ヨー軸Yに直交する。水平な路面に直立している状態の自動二輪車110を下方向に見たとき、ロール軸Roは、車両前後方向と平行である。以下の説明において、車体フレーム13のロール軸Ro回りの角度を、自動二輪車110のロール角という。自動二輪車110のロール角が変化するとき、自動二輪車110の姿勢が変化する。自動二輪車110のロール角は、自動二輪車110の姿勢を示す指標の1つである。
【0320】
ピッチ軸Pは、ロール軸Roとヨー軸Yの両方に直交する。水平な路面に直立している状態の自動二輪車110を下方向に見たとき、ピッチ軸Pは、車両左右方向と平行である。以下の説明において、車体フレーム13のピッチ軸P回りの角度を、自動二輪車110のピッチ角という。自動二輪車110のピッチ角が変化するとき、自動二輪車110の姿勢が変化する。自動二輪車110ピッチ角は、自動二輪車110の姿勢を示す指標の1つである。
【0321】
なお、自動二輪車110は、IMU86を有さなくてもよい。自動二輪車110は、IMU86を有する代わりに、ロールセンサ、ピッチセンサ、およびヨーセンサのうちの少なくとも1つを有していてもよい。自動二輪車110は、IMU86とロールセンサ、ピッチセンサ、およびヨーセンサのいずれも有さなくてもよい。
【0322】
自動二輪車110には、GNSS受信ユニット90が搭載されている。GNSS受信ユニット90は、例えば、自動二輪車110の前部に搭載される。GNSS受信ユニット90は、例えば、自動二輪車110の後部に搭載されてもよい。GNSS受信ユニット90は、例えば、自動二輪車110の前後方向の略中央部に搭載されてもよい。GNSS受信ユニット90は、自動二輪車110の上部に配置されることが好ましい。GNSS受信ユニット90は、例えば、前輪11および後輪12の上端よりも上方向の位置に配置することが好ましい。GNSS受信ユニット90は、車体フレーム13と一体的に動くように自動二輪車110に配置されてもよい。GNSS受信ユニット90は、例えば、前輪11を覆うように配置されるフェンダー、フロントフォーク15、または、ステアリングホイール14に設置されてもよい。GNSS受信ユニット90は、自動二輪車110に対して着脱可能であってもよい。つまり、自動二輪車110は、GNSS受信ユニット90が取り外された状態でも走行可能であってもよい。
【0323】
GNSS受信ユニット90は、GNSS(Global Navigation Satellite System/全球測位衛星システム)のGNSS衛星から送信された電波を所定時間ごとに受信する。GNSS受信ユニット90は、GNSS衛星から受信した電波に基づいて、GNSS受信ユニット90の絶対位置(緯度・経度)を示す位置座標データを所定時間ごとに取得する。位置座標データを取得する方法は、GNSSシステムを利用した公知の方法が採用される。GNSS衛星から送信される電波には、日時(年月日と時刻)のデータが含まれる。GNSS受信ユニット90は、位置座標データに基づいて、位置履歴データを生成する。位置履歴データは、GNSS受信ユニット90の位置を時系列に並べた軌跡を示すデータである。つまり、位置履歴データは、自動二輪車110の走行軌跡を示す走行軌跡データである。位置履歴データ(走行軌跡データ)は、各位置に自動二輪車110が存在したときの日時のデータを含む。
【0324】
GNSS受信ユニット90は、GNSS衛星から受信した電波に基づいて、GNSS受信ユニット90の進行方向の速度を検出する。GNSS受信ユニット90が自動二輪車110の後部に設置されている場合、GNSS受信ユニット90の進行方向は、車両前方向である。GNSS受信ユニット90が前輪11のフェンダーに設置されている場合、GNSS受信ユニット90の進行方向は、車両前方向と若干ずれる場合がある。本明細書において、GNSS受信ユニット90の進行方向の速度は、自動二輪車110の車両前方向の速度に含まれる。つまり、GNSS受信ユニット90は、自動二輪車110の車両前方向の速度を検出する。GNSS受信ユニット90は、例えば、GNSS衛星から受信した電波のドップラー効果を利用して、自動二輪車110の車両前後方向の速度を検出してもよい。GNSS受信ユニット90は、例えば、位置履歴データに基づいて、自動二輪車110の車両前後方向の速度を検出してもよい。
【0325】
GNSS受信ユニット90は、GNSS衛星から受信した電波に基づいて、GNSS受信ユニット90の進行方向の加速度(負の加速度を含む)を検出する。つまり、GNSS受信ユニット90は、自動二輪車110の車両前方向の加速度(負の加速度を含む)を検出する。GNSS受信ユニット90は、例えば、検出した自動二輪車110の車両前方向の速度を時間で微分することで、自動二輪車110の車両前方向の加速度を算出してもよい。
【0326】
GNSS受信ユニット90は、GNSS衛星から受信した電波に基づいて、GNSS受信ユニット90の進行方向に直交する方向の加速度(負の加速度を含む)を検出する。GNSS受信ユニット90の設置位置によっては、GNSS受信ユニット90の進行方向に直交する方向は、車両左右方向と若干ずれる場合がある。本明細書において、GNSS受信ユニット90の進行方向に直交する方向の加速度は、自動二輪車110の車両左右方向の加速度に含まれる。つまり、GNSS受信ユニット90は、自動二輪車110の車両左右方向の加速度を検出する。GNSS受信ユニット90は、例えば、位置履歴データと、検出した車両前方向の速度に基づいて、自動二輪車110の車両左右方向の加速度を算出してもよい。GNSS受信ユニット90は、GNSS衛星から受信した電波に基づいて、自動二輪車110の車両左右方向の速度を検出してもよい。GNSS受信ユニット90は、GNSS衛星から受信した電波に基づいて、自動二輪車110のヨー軸Y回りの角度、角速度、および角加速度の少なくとも1つを検出してもよい。
【0327】
GNSS受信ユニット90は、GNSS衛星から受信した電波に基づいて、GNSS受信ユニット90の車両上下方向の加速度(負の加速度を含む)を検出してもよい。GNSS受信ユニット90の車両上下方向の加速度は、自動二輪車110のある位置の車両上下方向の加速度である。GNSS受信ユニット90は、GNSS衛星から受信した電波に基づいて、GNSS受信ユニット90の車両上下方向の速度を検出してもよい。GNSS受信ユニット90は、GNSS衛星から受信した電波に基づいて、自動二輪車110のピッチ軸P回りの角度、角速度、および角加速度の少なくとも1つを検出してもよい。GNSS受信ユニット90は、GNSS衛星から受信した電波に基づいて、自動二輪車110のロール軸Ro回りの角度、角速度、および角加速度の少なくとも1つを検出してもよい。
【0328】
GNSS受信ユニット90は、上述した各種方向の速度または加速度のデータを、走行軌跡データと関連付けて生成してもよい。
【0329】
GNSS受信ユニット90は、生成した走行軌跡データ、および、検出した各種方向の速度または加速度のデータを、ECU60に送信する。ECU60は、GNSS受信ユニット90から送信された速度を微分して加速度を算出してもよい。ECU60は、GNSS受信ユニット90から送信された加速度を積分して速度を算出してもよい。ECU60は、GNSS受信ユニット90から送信された速度または加速度に基づいて変位(移動量)を算出してもよい。GNSS受信ユニット90は、生成した位置座標データをECU60に送信してもよい。この場合、ECU60が、GNSS受信ユニット90から送信された位置座標データに基づいて走行軌跡データBTを生成してもよい。
【0330】
GNSS受信ユニット90は、自動二輪車110の走行中に常に作動していなくてもよい。GNSS受信ユニット90は、オン状態のときにだけ作動するようになっていてもよい。オンオフの切換えは、例えば、タッチパネル28を使って操作されてもよい。
【0331】
自動二輪車110は、撮像装置91を有する。撮像装置91は、カメラを含む。カメラは、被写体の光学像を撮影素子で光電変換してイメージデータ(画像データ)を生成する装置である。カメラは、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサまたはCCD(Charge coupled Device)センサなどによって実現される。撮像装置91は、静止画像データのみを生成可能であってもよく、動画データを生成可能であってもよい。撮像装置91で生成されたイメージデータは、カメラが撮影した日時(年月日と時刻)のデータを含む。撮像装置91は、カメラにより撮影されたイメージデータをECU60に送信する。ECU60に送信されるイメージデータは、静止画像データである。ECU60に送信されるイメージデータは、動画データであってもよい。
【0332】
撮像装置91は、自動二輪車110の旋回中のライダーRの姿勢を撮影できるように配置および設定されている。つまり、撮像装置91の配置位置と、撮像装置91のカメラの向きや視野角などの撮影条件は、ライダーRの姿勢を撮影できるように設定されている。撮像装置91は、自動二輪車110の旋回中のライダーRの頭、肩、脚、尻、股の少なくともいずれか1つを撮影画像に含むように配置および設定されている。
【0333】
自動二輪車を含む鞍乗型車両は、遠心力と重力のバランスを利用して旋回する乗り物である。旋回するとき、鞍乗型車両のライダーは姿勢を変化させる。鞍乗型車両は、旋回するために、車両の挙動の変化だけでなく、ライダーの姿勢の変化も利用して運転される乗り物である。同じコースを走る場合でもライダーによって、ライダーの姿勢の変化および車両の挙動は異なる。したがって、旋回中の鞍乗型車両における遠心力と重力のバランスなどの走行状態は、同じコースを走る場合でもライダーによって異なる。旋回中の鞍乗型車両の走行状態は、ライダーの意思によって変更される場合がある。
【0334】
一般的に、自動二輪車のライダーは、右旋回する場合に自動二輪車を車両右方向に傾斜させ、左旋回する場合に自動二輪車を車両左方向に傾斜させる。自動二輪車は、自動車などに比して車両重量に対するライダーの重量比率が大きい。そのため、ライダーが重心を移動させることよって、自動二輪車が傾斜することができる。自動二輪車は、旋回時にライダーと車両の重心が移動することで、重力と遠心力とのバランスがとれている。
【0335】
直進中の自動二輪車の姿勢は、大よそ直立姿勢に保たれる。直進中、自動二輪車のロール角は、0度または0度付近の角度である。直進中、自動二輪車の姿勢の変化は小さい。一方、旋回中の自動二輪車の姿勢は、傾斜姿勢となる(図1の鞍乗型車両10参照)。旋回中の自動二輪車のロール角は0度よりも大きい。また、旋回中、自動二輪車のロール角は大きく変化する。具体的には、旋回開始時には、自動二輪車のロール角は増加する。旋回終了時には、自動二輪車のロール角は減少する。このように、旋回中の自動二輪車の姿勢の変化は、直進期間中よりも大きくなる。そのため、旋回中は、直進中と比べて自動二輪車の挙動の変化が大きい。
【0336】
従来、旋回中の自動二輪車に乗車するライダーの姿勢として、複数のライディングフォームが知られている。例えば、代表的なライディングフォームとして、リーンウィズ、リーンイン、リーンアウトの3種類のライディングフォームがある。これら3種類のライディングフォームは、頭の向き、肩の位置、脚の位置、尻の位置、および、股の位置の少なくともいずれかが互いに異なるライディングフォームである。しかしながら、これら3種類のライディングフォームの何れにおいても、頭の向き、肩の位置、脚の位置、尻の位置、および、股の位置は、旋回中の自動二輪車の挙動と密接に関連する。
【0337】
通常、旋回中の鞍乗型車両の車速(車両前方向の速度)は、直進時よりも低くなる。旋回中の車速が低いほど、旋回半径を小さくできる。言い換えると、旋回半径が小さいほど、旋回可能な車速は低くなる。そのため、旋回前の直進中の鞍乗型車両の車速が比較的高い場合、ライダーは、旋回前および/または旋回中に、旋回するのに見合った速度まで車速を低減させる。減速が十分でないと、旋回半径が大きくなってしまう。旋回前および旋回中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度は密接に関連する。図5は、後述する第1環状軌跡Ta1を走行したときの自動二輪車110の走行軌跡と車両前方向の加速度の一例を示す図である。図5では、負の加速度(減速度)を色のグラデーションで表し、正の加速度を色のグラデーションと斜線のハッチングとの組み合わせで表している。図5では、旋回前に自動二輪車110は減速している。
【0338】
また、ライダーによって、鞍乗型車両の減速を開始するタイミング、負の加速度(減速度)の大きさ、減速する期間は異なる。減速中もしくは減速後に、鞍乗型車両のライダーは姿勢を変化させる。そのため、旋回前および旋回中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度は、ライダーの意思によって決まる鞍乗型車両の走行状態と密接に関連している。旋回前および旋回中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度は、鞍乗型車両の走行状態が特に反映されやすい。
【0339】
また、鞍乗型車両のライダーは、旋回後または旋回中に、車速を増加させる。そのため、旋回後および旋回中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度は、ライダーの意思によって決まる鞍乗型車両の走行状態と関連する。また、旋回後および旋回中の鞍乗型車両の走行軌跡と車両前方向の加速度は密接に関連する。例えば図5では、旋回中に自動二輪車110は加速している。加速によって、自動二輪車110は傾斜姿勢から直立姿勢に変化する。
【0340】
上述したように、自動二輪車110は、フロントフォーク15のフロントサスペンションを有する。自動二輪車110に限らず、一般的に、自動二輪車は、前輪が受ける上下方向の振動を吸収するフロンサスペンションを有する。自動二輪車の車両前方向の速度が低下したとき、フロントサスペンションは縮む。基本的に、車両前方向の減速度(負の加速度)が大きいほど、フロントサスペンションの縮み量は大きくなる。フロントサスペンションが縮んだ状態で、車両前方向の減速度(負の加速度)がゼロに近づくと、フロントサスペンションの縮みが戻る。また、自動二輪車が車両左右方向に傾斜しながら旋回するとき、遠心力によりフロントサスペンションは縮む。基本的に、遠心力が大きいほど、フロントサスペンションの縮み量は大きくなる。車両左右方向の加速度が大きいほど、遠心力は大きくなる。そのため、車両左右方向の加速度が大きいほど、フロントサスペンションの縮み量は大きくなる。フロントサスペンションが縮んだ状態で、車両左右方向の加速度がゼロに近づくと、フロントサスペンションの縮みが戻る。
【0341】
自動二輪車が直進後に旋回する場合のフロントサスペンションの挙動の2つの例について、図6および図7を参照しつつ説明する。図6(a)および図6(b)に示すラインは、第1の例の自動二輪車の走行軌跡を示している。図7(a)および図7(b)に示すラインは、第2の例の自動二輪車の走行軌跡を示している。図6(a)および図7(a)は、走行軌跡を示すラインを、自動二輪車の車両前方向の加速度に応じた表示形態(色のグラデーションと斜線のハッチング)で表している。図6(b)および図7(b)は、走行軌跡を示すラインを、自動二輪車の車両左右方向の加速度に応じた表示形態(色のグラデーションと斜線のハッチング)で表している。図6(c)は、縦軸を図6(a)の車両前方向の加速度とし、横軸を図6(b)の車両左右方向の加速度としたグラフである。図7(c)は、縦軸を図7(a)の車両前方向の加速度とし、横軸を図7(b)の車両左右方向の加速度としたグラフである。図6および図7に示す走行軌跡はいずれも、直進後に車両左方向に旋回したときの走行軌跡である。図6(b)、図6(c)、図7(b)、図7(c)は、車両右方向の加速度を正、車両左方向の加速度を負で表示している。
【0342】
第1の例では、図6(a)に示すように、直進時に、ライダーが自動二輪車の車両前方向の速度を低下させる。それによって、フロントサスペンションが縮む。旋回に見合った速度まで減速すると、図6(a)に示すように、ライダーは自動二輪車の減速の程度を小さくするか、速度をほぼ一定にする。それにより、フロントサスペンションの縮みが戻る。その後、ライダーが車両を車両左方向に傾斜させて、自動二輪車が左旋回する。それにより、図6(b)に示すように、自動二輪車の車両左方向の加速度が増加する。そのため、フロントサスペンションが再び縮む。
このように、第1の例では、直進から旋回に移行する際に、フロントサスペンションが一旦伸びて再び縮む。図6(a)、図6(b)および図6(c)に示すように、車両前方向の減速度(負の加速度)がある程度大きい状態と、車両左方向の正の加速度がある程度大きい状態と間に、車両前方向と車両左右方向の加速度がいずれもゼロまたはゼロに近い状態があるため、フロントサスペンションが一旦伸びて再び縮む。フロントサスペンションの縮みが戻りきってから、自動二輪車を傾斜させることで、自動二輪車のふらつきが低減される。自動二輪車のふらつきが低減されることで、走行軌跡がより滑らかな直線または曲線となりやすい。
【0343】
第2の例では、図7(a)に示すように、直進時または旋回の初期に、ライダーが自動二輪車の車両前方向の速度を低下させる。それによって、フロントサスペンションが縮む。ライダーは、車両前方向に減速させつつ、旋回のために自動二輪車を車両左方向に傾斜させる。それにより、図7(a)、図7(b)および図7(c)に示すように、車両前方向の減速度(負の加速度)がある程度大きい状態と、車両左方向の正の加速度がある程度大きい状態が、ほぼ連続している。よって、フロントサスペンションは縮んだままである。
このように、第2の例では、フロントサスペンションが縮んだまま、直進から旋回に移行する。つまり、第2の例では、第1の例に比べて、フロントサスペンションが伸びる動作1回と縮む動作1回分だけ不要になる。自動二輪車を傾斜させるときに、フロントサスペンションが伸縮していないため、自動二輪車がふらつきにくい。自動二輪車のふらつきが低減されることで、走行軌跡がより滑らかな直線または曲線となりやすい。
【0344】
なお、上述したフロントサスペンションの挙動が生じる鞍乗型車両は、自動二輪車に限らない。車両の前部に上下方向の振動を吸収するフロントサスペンションを備え、旋回時に車両左右方向に車両が傾斜する鞍乗型車両でも同様の挙動が生じる。
【0345】
一般道路ではないコースを自動二輪車が走行する場合、ライダーの運転技術のレベルによって、自動二輪車の車両前方向の加速度および速度の範囲は異なる。図8を用いて詳しく説明する。図8は、運転技術レベルの異なるライダーが乗車する自動二輪車が特定のコースを走行した場合における車両前方向の加速度の範囲と車両左右方向の速度の範囲の目安を示している。ここでの特定のコースとは、1つのコースに限らない。特定のコースは、加速度の傾向が類似する複数のコースを含んでいてもよい。図8は、後述する第1環状軌跡Ta1を走行したときの車両前方向の加速度と車両左右方向の速度を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。図8において、縦軸は車両前方向の加速度を表し、横軸は車両左右方向の加速度を表す。図8には、円形状の領域A3と、楕円状の2つの領域A1、A2が表示されている。領域A1は、初級レベルのライダーが乗車する自動二輪車の車両前方向の加速度の範囲と車両左右方向の加速度の範囲の目安を表す。つまり、初級レベルのライダーが乗車する自動二輪車の車両前方向の加速度と車両左右方向の加速度は、おおよそ、領域A1内の数値である。領域A2は、中級レベルのライダーが乗車する自動二輪車の車両前方向の加速度の範囲と車両左右方向の加速度の範囲の目安を表す。領域A3は、上級レベルのライダーが乗車する自動二輪車の車両前方向の加速度の範囲と車両左右方向の加速度の範囲の目安を表す。なお、領域A3はあくまで目安であるため、上級者の運転技術レベルによっては、車両前方向の加速度と車両左右方向の加速度が、領域A3を超える場合もある。図8に示すように、領域A1、A2、A3の車両左右方向の加速度の範囲は、いずれも、−0.4〜+0.4Gである。領域A1の車両前方向の加速度の範囲は、−0.2〜+0.2Gである。領域A2の車両前方向の加速度の範囲は、−0.3〜+0.3Gである。領域A3の車両前方向の加速度の範囲は、−0.4〜+0.4Gである。このように、ライダーの運転技術のレベルによって、車両前方向の加速度の範囲は異なる。その一方、ライダーRの運転技術のレベルに関わらず、車両左右方向の加速度の範囲は概ね同じである。なお、領域A1、A2、A3の数値は、走行するコースによって異なる場合がある。また、領域A2および領域A3の数値は、走行中の優先事項によっても異なる場合がある。例えば、より速くコースを走行することを目的とする場合と、より高度または正確な運転技術で走行することを目的とする場合で、数値が異なる場合がある。
【0346】
図8には、円形状の領域Anも表示されている。領域Anは、一般道路を自動二輪車が走行した場合の車両前方向の加速度の範囲と車両左右方向の加速度の範囲の目安を表す。領域A2の車両前方向の加速度の範囲は、−0.2〜+0.2Gであって、車両左右方向の加速度の範囲は、−0.2〜+0.2Gである。つまり、一般道路を走行する自動二輪車の車両前方向の加速度と車両左右方向の加速度は、おおよそ、領域An内の数値である。領域A2の加速度の範囲で走行することができれば、一般道路を余裕をもって走行することができる。
【0347】
図9は、旋回中の鞍乗型車両の車両前方向の速度vと鞍乗型車両の車両左右方向の加速度aとの関係を示すグラフである。図9の横軸は車両前方向の速度vを示し、縦軸は車両左方向または車両右方向の加速度aを示す。図9には、旋回半径rが2m、3m、4m、5m、6m、7m、8m、9m、10mの場合のグラフが表示されている。車両左右方向の加速度aは、a=v/rで表される。図9のグラフは、この式に基づいている。旋回半径rが小さいほど、車両前方向の速度vの変化に対する車両左右方向の加速度aの変化が大きくなる。また、旋回半径rが小さいほど、鞍乗型車両の姿勢が変化しやすい。
【0348】
<ECUの構成>
図2に示すように、自動二輪車110は、ECU(Electronic Control Unit / 電子制御ユニット)60を有する。ECU60は、プロセッサ102を含む少なくとも1つのプロセッサ、および、記憶部103を含む少なくとも1つの記憶装置で構成されている。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)などである。記憶装置は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などである。CPUは、ROMやRAMに記憶されたプログラムや各種データに基づいて情報処理を実行する。ECU60は、1箇所に配置された1つの装置であってもよく、異なる位置に配置された複数の装置で構成されていてもよい。図4に示すように、ECU60は、吸気圧センサ71、吸気温センサ72、スロットル開度センサ73、酸素センサ75、エンジン回転速度センサ、エンジン温度センサ、後ブレーキセンサ81、前ブレーキセンサ82、アクセルセンサ83、操舵角センサ84、車輪速度センサ85、IMU86等の各種センサと接続されている。ECU60は、GNSS受信ユニット90、撮像装置91、タッチパネル28と接続されている。ECU60は、エンジンユニット30の点火コイル37、インジェクタ44、燃料ポンプ46、スロットルバルブ47、スターターモータ(図示せず)等と接続されている。ECU60は、前ブレーキ駆動装置26、後ブレーキ駆動装置25と接続されている。ECU60は、自動二輪車110の各部を制御する。ECU60は、車両制御装置(鞍乗型車両走行データ処理装置)101を含む。
【0349】
<鞍乗型車両走行データ処理装置の構成>
鞍乗型車両走行データ処理装置101は、プロセッサ102と、記憶部103とを含む。プロセッサ102は、上記実施形態のプロセッサ2の一例である。記憶部103は、上記実施形態の記憶部の一例である。プロセッサ102は、記憶部103に記憶されたプログラムやデータに基づいて情報処理を実行する。プロセッサ102は、鞍乗型車両走行データ処理プログラムを実行する。また、プロセッサ102は、エンジン制御およびブレーキ制御を実行する。
【0350】
プロセッサ102が実行するエンジン制御処理について説明する。プロセッサ102は、エンジン制御処理を実行する。プロセッサ102は、エンジン制御処理として、燃料制御処理および点火時期制御処理を実行する。燃料制御処理では、各インジェクタ44から噴射される燃料噴射量が制御される。点火時期制御処理では、点火時期が制御される。点火時期とは、点火プラグ36の放電のタイミングのことである。プロセッサ102は、燃料制御処理において、センサ71〜75、81〜88等の信号に基づいて、燃料ポンプ46およびインジェクタ44を制御する。燃料ポンプ46およびインジェクタ44の制御により、インジェクタ44から噴射される燃料噴射量が制御される。プロセッサ102は、点火時期制御処理において、センサ71〜75、81〜88等の信号に基づいて、点火コイル37への通電を制御する。これにより、点火プラグ36の放電のタイミングが制御される。
【0351】
プロセッサ102が実行するブレーキ制御処理について説明する。プロセッサ102は、ブレーキ制御処理として、前ブレーキ16が前輪11に付与する制動力と、後ブレーキ19が後輪12に付与する制動力が制御される。プロセッサ102は、前ブレーキセンサ82および後ブレーキセンサ81等の信号に基づいて、前ブレーキ駆動装置26および後ブレーキ駆動装置25を制御する。前ブレーキ駆動装置26の制御によって、前ブレーキ16が前輪11に付与する制動力が制御される。後ブレーキ駆動装置25の制御によって、後ブレーキ19が後輪12に付与する制動力が制御される。
【0352】
鞍乗型車両走行データ処理装置101は、自動二輪車110の走行軌跡に関連する走行軌跡データ(位置履歴データ)BTを取得する。走行軌跡データBTは、GNSS受信ユニット90から取得される。もしくは、走行軌跡データBTは、GNSS受信ユニット90から送信された位置座標データに基づいて、ECU60によって生成される。この場合、走行軌跡データBTは、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102によって生成されてもよく、ECU60の鞍乗型車両走行データ処理装置101に含まれない他のプロセッサにより生成されてもよい。
【0353】
鞍乗型車両走行データ処理装置101は、自動二輪車110の車両前方向の加速度に関連する前方向加速度データBAを取得する。前方向加速度データBAは、GNSS受信ユニット90から取得されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置101が、GNSS受信ユニット90が検出した自動二輪車110の車両前方向の速度に基づいて前方向加速度データBAを生成してもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置101が、車輪速度センサ85の信号に基づいて前方向加速度データBAを生成してもよい。
【0354】
鞍乗型車両走行データ処理装置101は、自動二輪車110の車両左右方向の加速度に関連する左右方向加速度データBLを取得する。左右方向加速度データBLは、GNSS受信ユニット90から取得されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置101が、GNSS受信ユニット90が検出した自動二輪車110の車両前方向の速度または加速度と、GNSS受信ユニット90が生成した位置履歴データとに基づいて、左右方向加速度データBLを生成してもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置101が、車輪速度センサ85の信号と、GNSS受信ユニット90が生成した位置履歴データとに基づいて、左右方向加速度データBLを生成してもよい。
【0355】
鞍乗型車両走行データ処理装置101は、自動二輪車110の姿勢に関連する車両姿勢データB1Vを取得する。車両姿勢データB1Vは、ECU60によって生成される。車両姿勢データB1Vは、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102によって生成されてもよく、ECU60の鞍乗型車両走行データ処理装置101に含まれない他のプロセッサにより生成されてもよい。
【0356】
車両姿勢データB1Vは、GNSS受信ユニット90と、IMU86と、操舵角センサ84の少なくとも1つを利用して生成される。具体的には、車両姿勢データB1Vは、GNSS受信ユニット90によって検出された自動二輪車110の車両左右方向の加速度、GNSS受信ユニット90によって検出された自動二輪車110のある位置の車両上下方向加速度、IMU86の信号、および、操舵角センサ84の信号の少なくとも1つに基づいて生成される。車両姿勢データB1Vは、GNSS受信ユニット90だけを利用して生成されてもよい。車両姿勢データB1Vは、IMU86だけを利用して生成されてもよい。
【0357】
車両姿勢データB1Vは、自動二輪車110のロール角、ピッチ角、ヨー角の少なくとも1つに関連するデータであってもよい。車両姿勢データB1Vは、前輪11(操舵車輪)の操舵角に関連するデータであってもよい。車両姿勢データB1Vは、自動二輪車110のある位置の車両左右方向の変位に関連するデータであってもよい。車両姿勢データB1Vは、自動二輪車110のある位置の車両上下方向の変位に関連するデータであってもよい。車両姿勢データB1Vは、ロール角、ピッチ角、ヨー角、前輪11(操舵車輪)の操舵角、自動二輪車110のある位置の車両左右方向の変位、自動二輪車110のある位置の車両上下方向の変位の少なくとも1つを定量的に示すデータであってもよい。
【0358】
鞍乗型車両走行データ処理装置101は、自動二輪車110に乗車するライダーRに関連するライダー姿勢データB1Rを取得する。ライダー姿勢データB1Rは、ECU60によって生成される。ライダー姿勢データB1Rは、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102によって生成されてもよく、ECU60の鞍乗型車両走行データ処理装置101に含まれない他のプロセッサにより生成されてもよい。ライダー姿勢データB1Rは、撮像装置91で生成されたイメージデータに基づいて生成される。ライダー姿勢データB1Rは、イメージデータではない。ライダー姿勢データB1Rは、例えば、画像の解析処理により生成される。ライダー姿勢データB1Rは、ライダーRの頭の向き、肩の位置、脚の位置、尻の位置、および、股の位置の少なくともいずれか1つに関連するデータである。ライダー姿勢データB1Rは、ライダーRの頭の向き、肩の位置、脚の位置、尻の位置、および、股の位置の少なくともいずれか1つを定量的に示すデータであってもよい。
【0359】
鞍乗型車両走行データ処理装置101は、自動二輪車110に乗車するライダーRを識別するライダー識別データBIを取得する。ライダー識別データBIは、タッチパネル28に入力されたライダー識別情報に基づいて生成される。ライダー識別情報は、例えば、ライダーを識別することができる番号や名前等の情報である。ライダー識別データBIは、例えば、ライダーRが自動二輪車110に乗車したときに、ライダーRが装着または所持する装置から自動的にECU60に送信されるようになっていてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置101が取得したライダー識別データBIは、「現在のライダー識別データBI」として、記憶部103に記憶される。タッチパネル28に前回入力されたライダー識別情報と異なるライダー識別情報がタッチパネル28に入力された場合に、記憶部103に記憶された「現在のライダー識別データBI」が更新される。更新前のライダー識別データBIも、記憶部103に記憶されていてもよい。
【0360】
<鞍乗型車両走行データ処理方法>
次に、本具体例1の鞍乗型車両走行データ処理方法および本具体例1の鞍乗型車両走行データ処理プログラムの処理の手順について説明する。本具体例1の鞍乗型車両走行データ処理方法とは、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102が実行する処理の手順である。本具体例1の鞍乗型車両走行データ処理プログラムとは、鞍乗型車両走行データ処理装置101が有するプロセッサ102に実行させる処理の手順である。
【0361】
本具体例1の鞍乗型車両走行データ処理方法を行う前提条件として、自動二輪車110は、環状のココースを走行する。本具体例1の鞍乗型車両走行データ処理方法を行うために自動二輪車110が走行するコースは制限される。環状のコースは、一般道路ではない。環状のコースは、競技用走路でもよい。環状のコースは、例えば、駐車場などの舗装面であってもよい。なお、環状のコースは、一般道路でもよい。
【0362】
図10に示すように、自動二輪車110が環状のコースを走行したときの走行軌跡のうちの1つを、第1環状軌跡Ta1とする。第1環状軌跡Ta1は、少なくとも1周の環状である。第1環状軌跡Ta1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を含む。第1環状軌跡Ta1は、第1環状領域Zaに収まる走行軌跡である。第1環状領域Zaは、第1アプローチ旋回領域Zb1を含む。第1環状領域Zaは、第1アプローチ旋回領域Zb1と、第2直線領域Zeと、第2曲線領域Zfとからなる。第1環状領域Zaは、本発明の第1形状の環状領域に相当する。第1環状領域Zaは、略楕円状(長円形状)である。第1環状領域Zaの内周縁と外周縁との間の距離は、2mで一定である。以下の第1環状領域Zaの説明において、前端とは、第1環状領域Za内を自動二輪車110が走行(進行)する方向の端をいう。後端は、その逆方向の端である。第2直線領域Zeは、直線状である。第2直線領域Zeは、第1旋回領域Zd1の前端に接続される。第2曲線領域Zfは、円弧状である。第2曲線領域Zfは、第2直線領域Zeの前端および第1アプローチ領域Zc1の後端に接続される。
【0363】
第1環状軌跡Ta1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1の後端に接続され、第1アプローチ旋回軌跡Tb1と旋回方向が同じである旋回中の走行軌跡を含む。その走行軌跡とは、第2曲線領域Zfを走行したときの走行軌跡である。第1アプローチ旋回軌跡Tb1は、第1アプローチ領域Zc1を走行したときの自動二輪車110の走行軌跡であるアプローチ軌跡Tc1と、第1旋回領域Zd1を走行したときの自動二輪車110の走行軌跡である旋回軌跡Td1とを含む。
【0364】
第1アプローチ旋回領域Zb1は、上記実施形態で説明した通り、直線状の第1アプローチ領域Zc1と、円弧状の第1旋回領域Zd1からなる。第1アプローチ領域Zc1は、第1直線SL1と第2直線SL2との間の領域である。第1旋回領域Zd1は、第1円弧CA1と第2円弧CA2との間の領域である。
【0365】
第1直線SL1は、0mより大きく65m以下である。第1直線SL1は、1m以上であってもよい。第1直線SL1は、2m以上であってもよい。第1直線SL1は、5m以上であってもよい。第1直線SL1は、10m以上であってもよい。第1直線SL1は、15m以上であってもよい。第1直線SL1は、20m以上であってもよい。第1直線SL1は、25m以上であってもよい。第1直線SL1は、30m以上であってもよい。第1直線SL1は、35m以上であってもよい。第1直線SL1は、40m以上であってもよい。第1直線SL1は、45m以上であってもよい。第1直線SL1は、55m以下であってもよい。第1直線SL1は、50m以下であってもよい。第1直線SL1は、45m以下であってもよい。第1直線SL1は、40m以下であってもよい。第1直線SL1は、35m以下であってもよい。第1直線SL1は、30m以下であってもよい。第1直線SL1は、25m以下であってもよい。第1直線SL1は、20m以下であってもよい。第1直線SL1は、15m以下であってもよい。第1直線SL1は、10m以下であってもよい。第1直線SL1は、5m以下であってもよい。第1直線SL1は、2m以下であってもよい。第1直線SL1は、1m以下であってもよい。
【0366】
図10では、第1円弧CA1の中心角は、180°である。第1円弧CA1の中心角は、この角度に限定されず、90°以上270°以下であればよい。第1円弧CA1の中心角は、180°の近傍の値であってもよい。第1円弧CA1の中心角は、90°またはその近傍であってもよい。第1円弧CA1の中心角は、270°またはその近傍であってもよい。第1円弧CA1の中心角は、180°より小さくてもよい。第1円弧CA1の中心角は、180°より大きくてもよい。
【0367】
第1円弧CA1の半径は、2m以上10m以下である。第1円弧CA1の半径は、3m以上であってもよい。第1円弧CA1の半径は、4m以上であってもよい。第1円弧CA1の半径は、5m以上であってもよい。第1円弧CA1の半径は、6m以上であってもよい。第1円弧CA1の半径は、7m以上であってもよい。第1円弧CA1の半径は、8m以上であってもよい。第1円弧CA1の半径は、9m以上であってもよい。第1円弧CA1の半径は、9m以下であってもよい。第1円弧CA1の半径は、8m以下であってもよい。第1円弧CA1の半径は、7m以下であってもよい。第1円弧CA1の半径は、6m以下であってもよい。第1円弧CA1の半径は、5m以下であってもよい。第1円弧CA1の半径は、4m以下であってもよい。第1円弧CA1の半径は、3m以下であってもよい。
【0368】
通常、旋回中の鞍乗型車両の車両左右方向の加速度は、0.1G〜0.8G程度である。旋回中の鞍乗型車両の車両左右方向の加速度は、0.3G〜0.6G程度が好ましい。第1円弧CA1の半径が2m以上3m未満の場合、第2円弧CA2の半径が4m以上5m未満であるため、第1旋回領域Zd1内で旋回したときの旋回半径は、3m以上5m未満である。図9のグラフから、旋回半径が2m以上5m未満で、旋回中の鞍乗型車両の車両左右方向の加速度が0.3G〜0.6Gの場合、旋回中の鞍乗型車両の車両前方向の速度は8〜20km/h程度となる。この速度は、1つの旋回動作中の鞍乗型車両の車両前方向の速度を一定と仮定した場合の値である。
ここで、自動二輪車110が第1アプローチ領域Zc1内で直進中に加速と減速をし、第1旋回領域Zd1内で旋回するときの速度が、一定で、且つ、第2曲線領域Zf内で旋回するときの車両前方向の速度と同じであると仮定する。この仮定において、ライダーごとの自動二輪車110の走行状態の違いを明確にするには、旋回中の車両前方向の速度と直進中の車両前方向の速度の最大値との差が、20km/h程度で、直進中の車両前方向の加速度が、±0.2〜±0.5G程度が好ましい。上記の仮定において、第1アプローチ領域Zc1内を直進中の車両前方向の速度の最小値をvMIN、最大値をvMAXとし、直進中の車両前方向の加速度を±a´とすると、第1直線SL1の長さは、(vMAX−vMIN)/a´となる。したがって、旋回中の車両前方向の速度が8km/h程度の場合に、直進中と旋回中の速度差が20km/hで、直進中の加速度が±0.5Gとなるには、第1直線SL1の長さLは11m程度必要である。また、旋回中の車両前方向の速度が20km/h程度の場合、直進中と旋回中の速度差が20km/hで、直進中の加速度が±0.2Gとなるには、第1直線SL1の長さLは48m程度必要である。したがって、第1円弧CA1の半径が2m以上3m未満の場合、第1直線SL1の長さは11〜48mが好ましい。
【0369】
また、第1円弧CA1の半径が3m以上4m未満の場合、第1旋回領域Zd1内で旋回したときの旋回半径は、3m以上6m未満である。図9のグラフから、旋回半径が3m以上6m未満で、旋回中の鞍乗型車両の車両左右方向の加速度が0.3G〜0.6Gの場合、旋回中の鞍乗型車両の車両前方向の速度は10〜22km/h程度である。旋回中の車両前方向の速度が10km/h程度の場合、直進中と旋回中の速度差が20km/hで、直進中の加速度が±0.5Gとなるには、第1直線SL1の長さLは12m程度必要である。
旋回中の車両前方向の速度が22km/h程度の場合、直進中と旋回中の速度差が20km/hで、直進中の加速度が±0.2Gとなるには、第1直線SL1の長さLは51m程度必要である。したがって、第1円弧CA1の半径が3m以上4m未満の場合、第1直線SL1の長さは12〜51mが好ましい。
【0370】
同様に考えて、第1円弧CA1の半径が4m以上5m未満の場合、第1直線SL1の長さは13〜54mが好ましい。第1円弧CA1の半径が5m以上6m未満の場合、第1直線SL1の長さは14〜56mが好ましい。第1円弧CA1の半径が6m以上7m未満の場合、第1直線SL1の長さは15〜59mが好ましい。第1円弧CA1の半径が7m以上8m未満の場合、第1直線SL1の長さは16〜60mが好ましい。第1円弧CA1の半径が8m以上9m未満の場合、第1直線SL1の長さは16〜62mが好ましい。第1円弧CA1の半径が9m以上10m以下の場合、第1直線SL1の長さは17〜65mが好ましい。以上により、第1円弧CA1の半径が2m以上10m未満の場合、第1直線SL1の長さは11m〜65mが好ましい。
【0371】
図10では、第2直線領域Zeは、第1アプローチ領域Zc1と平行である。第2直線領域Zeは、第1アプローチ領域Zc1と平行でなくてもよい。図10では、第2直線領域Zeの長さは、第1アプローチ領域Zc1の長さと同じである。第2直線領域Zeの長さは、第1アプローチ領域Zc1と長さと異なっていてもよい。図10では、第2曲線領域Zfの内周縁の半径は、第1旋回領域Zd1の内周縁(第1円弧)の半径と同じである。第2曲線領域Zfの内周縁の半径は、第1旋回領域Zd1の内周縁(第1円弧CA1)の半径と同じでなくてもよい。
【0372】
第1環状軌跡Ta1は、自動二輪車110の進行方向をガイドするための複数のガイド部7が設けられた環境下で自動二輪車110が走行したときの走行軌跡である。複数のガイド部7は、地面に設けられる。ガイド部7は、自動二輪車110がガイド部7の上を走行可能に構成されていてもよい。例えば、ガイド部7は、地面に表示されたマークなどであってもよい。この場合、ガイド部7は、自動二輪車110の進行方向をガイドするものの、進行方向を制限しない。ガイド部7は、自動二輪車110の進行方向を制限するように構成されていてもよい。例えば、ガイド部7は、地面から突出していてもよい。
【0373】
ガイド部7は、設置場所を自在に変更可能に地面に設置されてもよい。ガイド部7は、地面に固定されていてもよい。設置場所を自在に変更可能なガイド部7として、例えば、ロードコーン(パイロン)が用いられてもよい。ロードコーンは、円錐状のロードコーンであってもよく、例えば半球状などの円錐状以外の形状のロードコーンであってもよい。ロードコーンは、高さが45〜70cm程度のロードコーンであってもよく、高さが5cm程度の小型のロードコーンであってもよい。
【0374】
複数のガイド部7は、自動二輪車110が第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行するときに自動二輪車110の進行方向をガイドするための複数のアプローチ旋回ガイド部7bを含む。複数のアプローチ旋回ガイド部7bは、第1アプローチ旋回領域Zb1の中および外の少なくとも一方に設けられる。第1アプローチ旋回領域Zb1の外とは、第1アプローチ旋回領域Zb1の外で且つ第1環状領域Zaの外をいう。
【0375】
複数のアプローチ旋回ガイド部7bは、自動二輪車110が第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行するときに、旋回前の自動二輪車110の進行方向をガイドするための2つのアプローチガイド部7cを含む。第1アプローチ旋回軌跡Tb1は、自動二輪車110が2つのアプローチガイド部7cの間を通過した後に旋回したときの走行軌跡である
【0376】
複数のアプローチ旋回ガイド部7bは、自動二輪車110が第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行するときに、旋回前の自動二輪車110の進行方向をガイドするための複数の旋回ガイド部7dを含む。図10では、旋回ガイド部7dの数は5つである。第1アプローチ旋回軌跡Tb1は、自動二輪車110が複数のアプローチガイド部7dのうちの2つのアプローチガイド部7dの間を通過した後に旋回したときの走行軌跡である。
【0377】
2つのアプローチガイド部7cは、第1アプローチ領域Zc1の略中央に配置される。2つのアプローチガイド部7cを通る直線は、第1直線SL1と略直交する。自動二輪車110は、2つのアプローチガイド部7cの間を通過する。図10では、2つのアプローチガイド部7cのうち第1直線SL1に近い方のアプローチガイド部7cは、第1アプローチ領域Zc1の外に配置されている。2つのアプローチガイド部7cのうち第1直線SL1に近い方のアプローチガイド部7cは、第1直線SL1上に配置されてもよく、第1アプローチ領域Zc1の中に配置されてもよい。図10では、2つのアプローチガイド部7cのうち第2直線SL2に近い方のアプローチガイド部7cは、第1アプローチ領域Zc1の中に配置されている。2つのアプローチガイド部7cのうち第2直線SL2に近い方のアプローチガイド部7cは、第2直線SL2上に配置されてもよく、第1アプローチ領域Zc1の外に配置されてもよい。2つのアプローチガイド部7cと第1直線SL1との最短距離は、2つのアプローチガイド部7cと第2直線SL2との最短距離よりも短くてもよい。
【0378】
複数の旋回ガイド部7dは、第1円弧CA1に沿って配列されている。自動二輪車110は、旋回ガイド部7dと第2円弧CA2との間を通過する。図10では、複数の旋回ガイド部7dは、第1円弧CA1上に配置されている。旋回ガイド部7dは、第1円弧CA1の径方向内側に配置されてもよく、第1円弧CA1の径方向外側に配置されてもよい。
【0379】
第2直線領域Zeのガイド部7は、第1アプローチ領域Zc1のアプローチガイド部7cと同様に設けられる。第2曲線領域Zfのガイド部7は、第1旋回領域Zd1の旋回ガイド部7dと同様に設けられる。
【0380】
図11のフローチャートを参照しつつ、プロセッサ102が実行する情報処理について説明する。図11に示すように、プロセッサ102は、鞍乗型車両走行データ取得処理S11と、ライダー識別データ取得処理S12と、鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13と、エンジン制御処理S14と、ブレーキ制御処理S15とを実行する。
【0381】
鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、プロセッサ102は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1を取得する。第1アプローチ旋回軌跡データDTb1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1に関連するデータである。上述の走行軌跡データBTは、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1を含んでいる。プロセッサ102は、走行軌跡データBTから、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1を抽出する。ここで、走行軌跡データBTから第1アプローチ旋回軌跡データDTb1を抽出する方法の一例について説明する。第1アプローチ旋回軌跡データDTb1は、GNSSを利用して生成されたデータである。プロセッサ102は、走行軌跡データBTに示される走行軌跡の形状を基に、走行軌跡データBTから第1アプローチ旋回軌跡データDTb1を抽出してもよい。
【0382】
鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、プロセッサ102は、第1環状軌跡データDTa1を取得してもよい。第1環状軌跡データDTa1は、第1環状軌跡Ta1に関連するデータである。プロセッサ102は、走行軌跡データBTから、第1環状軌跡データDTa1を抽出する。第1環状軌跡データDTa1は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1を含む。
【0383】
鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、プロセッサ102は、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1を取得する。第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの自動二輪車110の車両前方向の加速度に関連するデータである。上述の前方向加速度データBAは、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1を含んでいる。プロセッサ102は、前方向加速度データBAから、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1を抽出する。前方向加速度データBAがGNSS受信ユニット90から取得された場合、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1は、GNSSを利用して生成されたデータである。第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行中の複数のタイミングの加速度を示すデータである。複数のタイミングは連続していてもよい。前方向加速度データBAが、GNSS受信ユニット90により生成されたデータであって、走行軌跡データBTと予め関連付けられている場合、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1に基づいて抽出されてもよい。走行軌跡データBTは、軌跡上の各位置の日時のデータを含んでいる。前方向加速度データBAも、加速度が検出された日時のデータを含んでいる。第1アプローチ旋回軌跡データDTb1に含まれる日時のデータと前方向加速度データBAに含まれる日時のデータを用いることで、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1が抽出されてもよい。
【0384】
鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、プロセッサ102は、第1環状前方向加速度データDAa1を取得してもよい。第1環状前方向加速度データDAa1は、第1環状軌跡Ta1を走行したときの自動二輪車110の車両前方向の加速度に関連するデータである。プロセッサ102は、前方向加速度データBAから、第1環状前方向加速度データDAa1を抽出する。第1環状前方向加速度データDAa1は、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1を含む。
【0385】
鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、プロセッサ102は、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1を取得してもよい。第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの自動二輪車110の車両左右方向の加速度に関連するデータである。上述の左右方向加速度データBLは、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1を含んでいる。プロセッサ102は、左右方向加速度データBLから、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1を抽出する。したがって、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1は、GNSSを利用して生成されたデータである。第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行中の複数のタイミングの加速度を示すデータである。複数のタイミングは連続していてもよい。左右方向加速度データBLが、走行軌跡データBTと予め関連付けられている場合、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1に基づいて抽出されてもよい。左右方向加速度データBLは、加速度が検出された日時のデータを含んでいる。第1アプローチ旋回軌跡データDTb1に含まれる日時のデータと左右方向加速度データBLに含まれる日時のデータを用いることで、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1が抽出されてもよい。
【0386】
鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、プロセッサ102は、第1環状左右方向加速度データDLa1を取得してもよい。第1環状左右方向加速度データDLa1は、第1環状軌跡Ta1を走行したときの自動二輪車110の車両左右方向の加速度に関連するデータである。プロセッサ102は、左右方向加速度データBLから、第1環状左右方向加速度データDLa1を抽出する。第1環状左右方向加速度データDLa1は、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1を含む。
【0387】
鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、プロセッサ102は、第1旋回車両姿勢データD1V1を取得してもよい。第1旋回車両姿勢データD1V1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの旋回中の自動二輪車110の姿勢に関連するデータである。上述の車両姿勢データB1Vは、第1旋回車両姿勢データD1V1を含んでいる。プロセッサ102は、車両姿勢データB1Vから、第1旋回車両姿勢データD1V1を抽出する。そのため、第1旋回車両姿勢データD1V1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの旋回中の自動二輪車110のロール角、ピッチ角、ヨー角、前輪11(操舵車輪)の操舵角、自動二輪車110のある位置の車両左右方向の変位、自動二輪車110のある位置の車両上下方向の変位の少なくとも1つに関連したデータである。第1旋回車両姿勢データD1V1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの旋回中の複数のタイミングの車両110の姿勢を示すデータであってもよく、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの旋回中の1つのタイミングだけの車両110の姿勢を示すデータであってもよい。複数のタイミングは連続していてもよい。車両姿勢データB1Vは、車両姿勢データB1Vの基になるデータをセンサ等が検出した日時のデータを含んでいる。第1アプローチ旋回軌跡データDTb1に含まれる日時のデータと車両姿勢データB1Vに含まれる日時のデータを用いることで、第1旋回車両姿勢データD1V1が抽出されてもよい。
【0388】
鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、プロセッサ102は、第1旋回ライダー姿勢データD1R1を取得してもよい。第1旋回ライダー姿勢データD1R1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの旋回中の自動二輪車110に乗車するライダーRの姿勢に関連するデータである。上述のライダー姿勢データB1Rは、第1旋回ライダー姿勢データD1R1を含んでいる。プロセッサ102は、ライダー姿勢データB1Rから、第1旋回ライダー姿勢データD1R1を抽出する。そのため、第1旋回ライダー姿勢データD1R1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの旋回中のライダーRの頭の向き、肩の位置、脚の位置、尻の位置、および、股の位置の少なくともいずれか1つに関連するデータである。第1旋回ライダー姿勢データD1R1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの旋回中の複数のタイミングのライダーRの姿勢を示すデータであってもよく、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの旋回中の1つのタイミングだけのライダーRの姿勢を示すデータであってもよい。ライダー姿勢データB1Rは、撮像装置91のカメラで撮影された日時のデータを含んでいる。上述したように、走行軌跡データBTと車両姿勢データB1Vは、日時のデータを含んでいる。第1アプローチ旋回軌跡データDTb1に含まれる日時のデータとライダー姿勢データB1Rに含まれる日時のデータを用いることで、第1旋回ライダー姿勢データD1R1が抽出されてもよい。また、第1旋回車両姿勢データD1V1に含まれる日時のデータとライダー姿勢データB1Rに含まれる日時のデータを用いることで、第1旋回車両姿勢データD1V1と同じタイミングの第1旋回ライダー姿勢データD1R1が抽出されてもよい。
【0389】
ライダー識別データ取得処理S12において、プロセッサ102は、第1ライダー識別データDI1を取得する。第1ライダー識別データDI1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの自動二輪車110に乗車するライダーRを識別するデータである。第1ライダー識別データDI1は、記憶部103に記憶された現在のライダー識別データBIと同じである。
【0390】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13において、プロセッサ102は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1とに基づいて、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を出力する。第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1に関連する第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの自動二輪車110の車両前方向の加速度に関連する第1アプローチ旋回前方向加速度データDAbとを関連付けて出力される。
【0391】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13において、プロセッサ102は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1とに基づいて、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を出力してもよい。この場合、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1に関連する第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの自動二輪車110の車両前方向の加速度に関連する第1アプローチ旋回前方向加速度データDAbと、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの自動二輪車110の車両左右方向の加速度に関連する第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1とを関連付けて出力される。
【0392】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13において、プロセッサ102は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と、第1旋回車両姿勢データD1V1とに基づいて、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を出力してもよい。この場合、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1に関連する第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの自動二輪車110の車両前方向の加速度に関連する第1アプローチ旋回前方向加速度データDAbと、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの旋回中の自動二輪車110の姿勢に関連する第1旋回車両姿勢データD1V1とを関連付けて出力される。
【0393】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13において、プロセッサ102は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と、第1旋回ライダー姿勢データD1R1とに基づいて、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を出力してもよい。この場合、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1に関連する第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの自動二輪車110の車両前方向の加速度に関連する第1アプローチ旋回前方向加速度データDAbと、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの旋回中の自動二輪車110に乗車するライダーRの姿勢に関連する第1旋回ライダー姿勢データD1R1とを関連付けて出力される。
【0394】
第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1と、第1旋回車両姿勢データD1V1とを関連付けたデータであってもよい。第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1と、第1旋回ライダー姿勢データD1R1とを関連付けたデータであってもよい。第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1と、第1旋回車両姿勢データD1V1と、第1旋回ライダー姿勢データD1R1とを関連付けたデータであってもよい。
【0395】
上述した第1鞍乗型車両走行複合データD1c1の例において、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1の基になるデータとして、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1を含む第1環状軌跡データDTa1が用いられてもよい。また、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1の基になるデータとして、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1を含む第1環状前方向加速度データDAa1が用いられてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データD1c1の基になるデータとして、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1を含む第1環状左右方向加速度データDLa1が用いられてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、第1環状軌跡データDTa1と、第1環状前方向加速度データDAa1とを関連付けたデータであってもよい。第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、第1環状軌跡データDTa1と、第1環状前方向加速度データDAa1と、第1環状左右方向加速度データDLa1とを関連付けたデータであってもよい。
【0396】
第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、上述のいずれかの組合せのデータに加えて、第1ライダー識別データDI1に基づいて関連付けて出力されてもよい。この場合、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、第1旋回動作中の自動二輪車110に乗車するライダーRに関連付けて出力される。
【0397】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13において出力される第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1の基になるデータをそのまま含むデータではなくてよい。第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、例えば、複数の評価値のうちのいずれかであってもよい。評価値は例えば無次元数である。
【0398】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13において出力された第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は記憶部103に出力される。鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13において出力された第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、タッチパネル28(表示装置)に出力されてもよい。
【0399】
エンジン制御処理S14において、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、記憶部103からプロセッサ102に出力されて、エンジン制御が実行される。プロセッサ102は、取得した第1鞍乗型車両走行複合データD1c1に含まれる第1ライダー識別データDI1と、記憶部103に記憶された現在のライダー識別データBIとが一致する場合に、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1に基づいて、エンジン制御処理(燃料制御処理および点火時期制御処理)を行ってもよい。具体的には、プロセッサ102は、センサ71〜75、81〜88等の信号および第1鞍乗型車両走行複合データD1c1に基づいて、燃料ポンプ46およびインジェクタ44を制御する。例えば、アクセルグリップの操作量が同じであっても、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1が示す評価値に応じて、燃料噴射量を異ならせてもよい。プロセッサ102は、センサ71〜75、81〜88等の信号および第1鞍乗型車両走行複合データD1c1に基づいて、点火コイル37への通電を制御する。例えば、アクセルグリップの操作量が同じであっても、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1が示す評価値に応じて、点火時期を異ならせてもよい。
【0400】
ブレーキ制御処理S15において、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、記憶部103からプロセッサ102に出力されて、ブレーキ制御が実行される。プロセッサ102は、は、取得した第1鞍乗型車両走行複合データD1c1に含まれる第1ライダー識別データDI1と、記憶部103に記憶された現在のライダー識別データBIとが一致する場合に、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1に基づいて、前ブレーキ駆動装置26および後ブレーキ駆動装置25を制御してもよい。例えば、ブレーキレバーの操作状態が同じであっても、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1が示す評価値に応じて、前輪11に付与される制動力の制御を異ならせてもよい。また、例えば、ブレーキペダル23の操作状態が同じであっても、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1が示す評価値に応じて、後輪12に付与される制動力の制御を異ならせてもよい。
【0401】
なお、エンジン制御処理S14の前にブレーキ制御処理S15が実行されてもよい。またエンジン制御処理S14およびブレーキ制御処理S15は、同時に実行されてもよい。また、エンジン制御処理S14およびブレーキ制御処理S15は、いずれか一方だけが実行されてもよい。
【0402】
図11に示す一連の処理は、自動二輪車110が環状のコースを走行するごとに実行される。自動二輪車110が環状のコースを走行したときの走行軌跡であって、第1環状軌跡Ta1と異なる走行軌跡を、第2環状軌跡Ta2とする。第2環状軌跡Ta2は、少なくとも1周の環状である。第2環状軌跡Ta2は、第2環状領域に収まる走行軌跡である。第2環状軌跡Ta2は、第2アプローチ旋回領域に収まる第2アプローチ旋回軌跡Tb2を含む。第2アプローチ旋回領域は、第1アプローチ旋回領域Zb1の第1アプローチ領域Zc1と同じ定義で特定される第2アプローチ領域と、第1アプローチ旋回領域Zb1の第1旋回領域Zd1と同じ定義で特定される第2旋回領域とからなる。つまり、第2アプローチ領域は、0mより大きく65m以下の第3直線と、第3直線に平行で第3直線から2m離れた第4直線との間の領域である。第2旋回領域は、第3直線の端に接続され、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の第3円弧と、第4直線の端に接続され、第3円弧と同心状であって、第3円弧の径方向外側に第3円弧から2m離れて位置する第4円弧との間の領域である。第2アプローチ旋回領域は、第1アプローチ領域Zc1と同じ形状であってもよく、異なっていてもよい。
【0403】
図11に示す一連の処理を、第2アプローチ旋回軌跡Tb2に関して実行した場合の詳細は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1の場合と同じである。鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1および第2アプローチ旋回軌跡データDTb2を含むアプローチ旋回軌跡データDTbが取得される。鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2とを含むアプローチ旋回前方向加速度データDAbが取得される。鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1および第2アプローチ旋回左右方向加速度データDLb2を含むアプローチ旋回左右方向加速度データDLbが取得されてもよい。鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、第1旋回車両姿勢データD1V1および第2旋回車両姿勢データD1V2を含む旋回車両姿勢データD1Vが取得されてもよい。鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、第1旋回ライダー姿勢データD1R1および第2旋回ライダー姿勢データD1R2を含む旋回ライダー姿勢データD1Rが取得されてもよい。鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、アプローチ旋回軌跡データDTbおよびアプローチ旋回前方向加速度データDAbに加えて、アプローチ旋回左右方向加速度データDLb、旋回車両姿勢データD1V、旋回ライダー姿勢データD1Rの少なくとも1つが取得されてもよい。
【0404】
鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、第2環状軌跡Ta2に関連する第2環状軌跡データDTa2が取得されてもよい。鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、第1環状軌跡データDTa1および第2環状軌跡データDTa2を含む環状軌跡データDTaが取得されてもよい。鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、第2環状軌跡Ta2を走行したときの自動二輪車110の車両前方向の加速度に関連する第2環状前方向加速度データDAa2が取得されてもよい。鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、第1環状前方向加速度データDAa1および第2環状前方向加速度データDAa2を含む環状前方向加速度データDAaが取得されてもよい。鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、第2環状軌跡Ta2を走行したときの自動二輪車110の車両左右方向の加速度に関連する第2環状左右方向加速度データDLa2が取得されてもよい。鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、第1環状左右方向加速度データDLa1および第2環状左右方向加速度データDLa2を含む環状左右方向加速度データDLaが取得されてもよい。
【0405】
ライダー識別データ取得処理S12において、プロセッサ102は、第2アプローチ旋回軌跡Tb2を走行したときの自動二輪車110に乗車するライダーRを識別する第2ライダー識別データDI2を取得する。ライダー識別データ取得処理S12において、第1ライダー識別データDI1および第2ライダー識別データDI2を含むライダー識別データDIを取得する。
【0406】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13において、プロセッサ102は、第2アプローチ旋回軌跡データDTb2と、第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2とに基づいて、第2鞍乗型車両走行複合データD1c2を出力する。第2鞍乗型車両走行複合データD1c2は、第2アプローチ旋回軌跡データDTb2と、第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2と、第2アプローチ旋回左右方向加速度データDLb2とを関連付けたデータであってもよい。第2鞍乗型車両走行複合データD1c2は、第2アプローチ旋回軌跡データDTb2と、第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2と、第2旋回車両姿勢データD1V2とを関連付けたデータであってもよい。第2鞍乗型車両走行複合データD1c2は、第2アプローチ旋回軌跡データDTb2と、第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2と、第2旋回ライダー姿勢データD1R2とを関連付けたデータであってもよい。第2鞍乗型車両走行複合データD1c2は、第2アプローチ旋回軌跡データDTb2と、第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2と、第2アプローチ旋回左右方向加速度データDLb2と、第2旋回車両姿勢データD1V2とを関連付けたデータであってもよい。第2鞍乗型車両走行複合データD1c2は、第2アプローチ旋回軌跡データDTb2と、第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2と、第2アプローチ旋回左右方向加速度データDLb2と、第2旋回ライダー姿勢データD1R2とを関連付けたデータであってもよい。第2鞍乗型車両走行複合データD1c2は、第2アプローチ旋回軌跡データDTb2と、第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2と、第2アプローチ旋回左右方向加速度データDLb2と、第2旋回車両姿勢データD1V2と、第2旋回ライダー姿勢データD1R2とを関連付けたデータであってもよい。
【0407】
上述した第2鞍乗型車両走行複合データD1c2の例において、第2鞍乗型車両走行複合データD1c2の基になるデータとして、第2アプローチ旋回軌跡データDTb2を含む第2環状軌跡データDTa2が用いられてもよい。また、第2鞍乗型車両走行複合データD1c2の基になるデータとして、第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2を含む第2環状前方向加速度データDAa2が用いられてもよい。また、第2鞍乗型車両走行複合データD1c2の基になるデータとして、第2アプローチ旋回左右方向加速度データDLb2を含む第2環状左右方向加速度データDLa2が用いられてもよい。例えば、第2鞍乗型車両走行複合データD1c2は、第2環状軌跡データDTa2と、第2環状前方向加速度データDAa2とを関連付けたデータであってもよい。また、例えば、第2鞍乗型車両走行複合データD1c2は、第2環状軌跡データDTa2と、第2環状前方向加速度データDAa2と、第2環状左右方向加速度データDLa2とを関連付けたデータであってもよい。
【0408】
第2鞍乗型車両走行複合データD1c2は、上述のいずれかの組合せのデータに加えて、第2ライダー識別データDI2に基づいて関連付けて出力される。
【0409】
このように、環状のコースを停止と発進を繰り返して複数周走行した場合に、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102は、自動二輪車110の発進から停止までの走行動作に対して、図11に示す一連の処理を実行する。それにより、複数の鞍乗型車両走行複合データD1c1、D1c2、D1c3、・・・が出力される。複数の鞍乗型車両走行複合データD1c1、D1c2、D1c3、・・・を、鞍乗型車両走行複合データD1cと総称する。つまり、少なくとも第1鞍乗型車両走行複合データD1c1と第2鞍乗型車両走行複合データを含む鞍乗型車両走行複合データD1cが出力される。鞍乗型車両走行複合データD1cは、本発明の鞍乗型車両走行複合データに相当する。鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102は、鞍乗型車両走行複合データD1cを記憶部103に出力する。出力された鞍乗型車両走行複合データD1cは、記憶部103に記憶されている。なお、鞍乗型車両走行複合データD1cは、1つの環状のコースを走行して取得された鞍乗型車両走行複合データだけを含んでいてもよい。鞍乗型車両走行複合データD1cは、複数種類の環状のコースを走行して取得された鞍乗型車両走行複合データを含んでいてもよい。鞍乗型車両走行複合データD1cは、複数種類のコースを走行して取得された鞍乗型車両走行複合データを含んでいてもよい。鞍乗型車両走行複合データD1cは、複数種類の環状コースを走行して取得された鞍乗型車両走行複合データを含んでいてもよい。
【0410】
次に、図12のフローチャートを参照しつつ、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102が、複数の鞍乗型車両走行複合データD1cを出力する場合の、プロセッサ102が実行する情報処理の他の例について説明する。図12に示すように、プロセッサ102は、図11と同じ処理S11〜S13の後に、鞍乗型車両走行一体複合データ生成処理S20と、鞍乗型車両走行複合データ出力処理S21を実行する。鞍乗型車両走行一体複合データ生成処理S20および鞍乗型車両走行複合データ出力処理S21は、エンジン制御処理S14およびブレーキ制御処理S15の前に実行される。
【0411】
鞍乗型車両走行一体複合データ生成処理S20において、プロセッサ102は、記憶部103に記憶された少なくとも2つの鞍乗型車両走行複合データD1cに基づいて、少なくとも1つの鞍乗型車両走行一体複合データD1uを生成する。鞍乗型車両走行一体複合データD1uは、記憶部103に記憶された複数の鞍乗型車両走行複合データD1cを関連づけて生成される。1つの鞍乗型車両走行一体複合データD1uを生成するために使用される鞍乗型車両走行複合データD1cの数は、2つであってもよく、2つより多くてもよい。例えば、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1と第2鞍乗型車両走行複合データD1c2に基づいて、ある1つの鞍乗型車両走行一体複合データD1uが生成されてもよい。
【0412】
鞍乗型車両走行一体複合データD1uは、同じライダー識別データDIに基づいて生成された複数の鞍乗型車両走行複合データD1cに基づいて生成されてもよい。この場合に生成された鞍乗型車両走行一体複合データD1uを、同一ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD1usとする。例えば、第1ライダー識別データDI1と第2ライダー識別データDI2が同じ場合、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1と第2鞍乗型車両走行複合データD1c2に基づいて、同一ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD1usが生成されてもよい。
【0413】
鞍乗型車両走行一体複合データD1uは、異なるライダー識別データDIに基づいて生成された複数の鞍乗型車両走行複合データD1cに基づいて生成されてもよい。この場合に生成された鞍乗型車両走行一体複合データD1uを、相違ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD1udとする。例えば、第1ライダー識別データDI1と第2ライダー識別データDI2が異なる場合、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1と第2鞍乗型車両走行複合データD1c2に基づいて、相違ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD1udが生成されてもよい。
【0414】
鞍乗型車両走行一体複合データ生成処理S20において複数の鞍乗型車両走行一体複合データD1uが生成される場合、複数の鞍乗型車両走行一体複合データD1uは、同一ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD1usおよび相違ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD1udの一方だけを含んでいてもよく、両方を含んでいてもよい。
【0415】
鞍乗型車両走行一体複合データD1uは、複数の鞍乗型車両走行一体複合データD1uを含んでいてもよく、含まなくてもよい。鞍乗型車両走行一体複合データD1uは、複数の鞍乗型車両走行複合データD1cの差分や比較や組み合わせなどによって生成されたデータであってもよい。鞍乗型車両走行一体複合データD1uは、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1と第2鞍乗型車両走行複合データD1c2との差分であってもよい。鞍乗型車両走行一体複合データD1uは、複数の鞍乗型車両走行複合データD1cの代表(例えば平均)を示すデータであってもよい。鞍乗型車両走行一体複合データD1uは、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1と第2鞍乗型車両走行複合データD1c2の代表値(例えば平均)であってもよい。第1鞍乗型車両走行一体複合データD1uは、例えば、複数の評価値のうちのいずれかであってもよい。
【0416】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S21において、プロセッサ102は、生成された鞍乗型車両走行一体複合データD1uを、記憶部103に出力する。エンジン制御処理S14およびブレーキ制御処理S15において、プロセッサ102は、記憶部103に記憶された少なくとも1つの鞍乗型車両走行一体複合データD1uに基づいて、エンジン制御処理およびブレーキ制御処理を実行する。タッチパネル28(表示装置)に出力してもよい。
【0417】
本具体例1は、上述した本発明の実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏する。
【0418】
鞍乗型車両走行データ処理装置101が車両制御装置である。そして、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、車両制御装置101内で、エンジン制御またはブレーキ制御のために出力される。第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、車両制御装置101内で、記憶部103に出力される。そして、記憶部103に出力された第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、エンジン制御またはブレーキ制御を実行する、鞍乗型車両走行データ処理装置101が有するプロセッサ102に出力される。第1鞍乗型車両走行複合データD1c1をエンジン制御またはブレーキ制御のために出力することで、ライダーRの運転技術および/または自動二輪車110の特徴を強く反映したデータに基づいて、自動二輪車110のエンジン制御またはブレーキ制御を行うことができる。第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、自動二輪車110が備える表示装置に出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を表示装置に出力することで、ライダーRの運転技術および/または自動二輪車110の特徴を強く反映したデータを表示することができる。
【0419】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13で、第1環状軌跡データDTa1と第1環状前方向加速度データDAa1とが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データD1c1が出力された場合、さらに下記の効果が得られる。
第1環状軌跡データDTa1は、自動二輪車110の環状の走行軌跡である第1環状軌跡Ta1に関連するデータである。第1環状軌跡Ta1は、第1アプローチ旋回領域Zb1に収まる第1アプローチ旋回軌跡Tb1を含む。第1環状前方向加速度データDAa1は、第1環状軌跡Ta1を走行したときの鞍乗型車両の前方向加速度に関連するデータである。第1環状軌跡Ta1は、少なくとも2回の旋回中の走行軌跡を有する。そのため、第1環状軌跡データDTa1と第1環状前方向加速度データDAa1が関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、1回しか旋回しなかった場合の第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データに比べて、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の違いをより強く反映する。
そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102から出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、様々な使い方がなされる。また、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1として関連付けられるデータが、第1環状軌跡データDTa1と、第1環状前方向加速度データDAa1であっても、鞍乗型車両走行データ処理装置101で処理されるデータの種類が少ない。また、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102が出力する第1鞍乗型車両走行複合データD1c1のデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0420】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13で第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1とが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データD1c1が出力された場合、下記の効果が得られる。
第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの自動二輪車110の車両左右方向の加速度に関連するデータである。自動二輪車110は、旋回時に、車両左右方向の速度が変化する。自動二輪車110は、車両の挙動の変化だけでなく、ライダーの姿勢の変化も利用して旋回する乗り物である。そのため、旋回中と旋回前の直進中の車両左右方向の加速度は、ライダーの意思によって決まる自動二輪車110の走行状態と密接に関連している。また、旋回中と旋回前の直進中における自動二輪車110の走行軌跡と車両前方向の加速度と車両左右方向の加速度は密接に関連する。したがって、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1は、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。つまり、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1として関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1に加えて、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1を含むことで、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映している。第1鞍乗型車両走行複合データD1c1として関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1に加えて、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1を含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置110で処理されるデータの種類が少ない。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置110で処理されるデータの種類を抑えつつ、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を出力できる。第1鞍乗型車両走行複合データD1c1として関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1に加えて、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1を含むことで、鞍乗型車両走行データ処理装置110で処理されるデータの種類を低減することができる。具体的には、例えば、取得するデータの種類を少なくすることができる。また、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置110のプロセッサ102が出力する第1鞍乗型車両走行複合データD1c1のデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置110は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置110は、プロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置110は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置110は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置110のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0421】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13で、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と、第1旋回車両姿勢データD1V1と、第1旋回ライダー姿勢データD1R1とが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データD1c1が出力された場合、下記の効果が得られる。
第1旋回車両姿勢データD1V1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの旋回中の自動二輪車110の姿勢に関連するデータである。第1旋回ライダー姿勢データD1R1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの旋回中の自動二輪車110に乗車するライダーの姿勢に関連するデータである。自動二輪車110は、車両の挙動の変化だけでなく、ライダーの姿勢の変化も利用して旋回する乗り物である。そのため、旋回中と旋回前のライダーの姿勢と車両の挙動は、ライダーの意思によって決まる自動二輪車110の走行状態と密接に関連している。したがって、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と、第1旋回車両姿勢データD1V1と、第1旋回ライダー姿勢データD1R1は、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。つまり、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1として関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1に加えて、第1旋回車両姿勢データD1V1と、第1旋回ライダー姿勢データD1R1を含むことで、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映している。
そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102から出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、様々な使い方がなされる。また、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1として関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1とに加えて、第1旋回車両姿勢データD1V1と、第1旋回ライダー姿勢データD1R1を含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置101で処理されるデータの種類が少ない。また、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102が出力する第1鞍乗型車両走行複合データD1c1のデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0422】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13で、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1が、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と、第1ライダー識別データDI1とが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データD1c1が出力された場合、下記の効果が得られる。
第1ライダー識別データDI1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの自動二輪車110に乗車するライダーRを識別するデータである。旋回中と旋回前の直進中の自動二輪車110の走行軌跡と車両前方向の加速度は、ライダーの意思によって決まる自動二輪車110の走行状態と密接に関連している。同じコーナーを走行した場合であっても、ライダーごとに自動二輪車110の走行状態は異なる。そのため、ライダーの固有の運転技術を反映させた第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を出力することができる。
鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102から出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、様々な使い方がなされる。また、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1として関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1に加えて、第1ライダー識別データDI1を含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置101で処理されるデータの種類が少ない。また、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102が出力する第1鞍乗型車両走行複合データD1c1のデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、プロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0423】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13で、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1と第2鞍乗型車両走行複合データD1c2とが出力された場合、下記の効果が得られる。
第2鞍乗型車両走行複合データD1c2は、少なくとも、第2アプローチ旋回軌跡データDTb2と、第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2とが関連付けられたデータである。第2アプローチ旋回軌跡データDTb2は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行した鞍乗型車両と同一または異なる鞍乗型車両の走行軌跡である第2アプローチ旋回軌跡Tb2に関連するデータである。第2アプローチ旋回軌跡Tb2は、鞍乗型車両の旋回中およびその旋回前の走行軌跡である。第2アプローチ旋回軌跡Tb2は、第2アプローチ旋回領域に収まるような走行軌跡である。第2アプローチ旋回領域は、0mより大きく65m以下の第3直線と、第3直線に平行で第3直線から2m離れた第4直線との間の第2アプローチ領域と、第3直線の端に接続され、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の第3円弧と、第3直線の端に接続され、第3円弧と同心状であって、第3円弧の径方向外側に第3円弧から2m離れて位置する第4円弧との間の第2旋回領域とからなる。第2アプローチ旋回前方向加速度データDAbは、第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両の前方向の加速度に関連するデータである。鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102から出力された第1鞍乗型車両走行複合データD1c1および第2鞍乗型車両走行複合データD1c2は、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102から出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データD1c1および第2鞍乗型車両走行複合データD1c2は、様々な使い方がなされる。第1鞍乗型車両走行複合データD1c1および第2鞍乗型車両走行複合データD1c2の差分や比較や組み合わせなどによってデータが生成されてもよい。また、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1として関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と、第1ライダー識別データDI1を含み、第2鞍乗型車両走行複合データD1c2として関連付けられるデータが、第2アプローチ旋回軌跡データDTb2と、第2アプローチ旋回前方向加速度データDAbと、第2ライダー識別データDI2を含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置101で処理されるデータの種類が少ない。具体的には、例えば、取得するデータの種類を少なくすることができる。また、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102が出力する第1鞍乗型車両走行複合データD1c1および第2鞍乗型車両走行複合データD1c2のデータ量も少なくすることができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データD1c1および第2鞍乗型車両走行複合データD1c2を出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0424】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13では、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と、第1ライダー識別データDI1とが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データD1c1、および、第2アプローチ旋回軌跡データDTb2と、第2アプローチ旋回前方向加速度データDAbと、第2ライダー識別データDI2とが関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データD1c2が出力される。鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102から出力された第1鞍乗型車両走行複合データD1c1および第2鞍乗型車両走行複合データD1c2は、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102から出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データD1c1および第2鞍乗型車両走行複合データD1c2は、様々な使い方がなされる。第1鞍乗型車両走行複合データD1c1および第2鞍乗型車両走行複合データD1c2の差分や比較や組み合わせなどによってデータが生成されてもよい。
【0425】
第1鞍乗型車両走行複合データD1c1および第2鞍乗型車両走行複合データD1c2は、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。そのため、第1ライダー識別データDI1および第2ライダー識別データDI2に基づいて、例えば、同じライダーが同じ鞍乗型車両で走行した場合の第1鞍乗型車両走行複合データD1c1および第2鞍乗型車両走行複合データD1c2の差分や比較や組み合わせなどを得ることができる。第1鞍乗型車両走行複合データD1c1および第2鞍乗型車両走行複合データD1c2により、同じライダーの運転技術の違いを反映したデータを生成することができる。また、第1ライダー識別データDI1および第2ライダー識別データDI2に基づいて、例えば、異なるライダーが同じ鞍乗型車両で走行した場合の第1鞍乗型車両走行複合データD1c1および第2鞍乗型車両走行複合データD1c2の差分や比較や組み合わせなどを得ることができる。第1鞍乗型車両走行複合データD1c1および第2鞍乗型車両走行複合データD1c2により、異なるライダーの運転技術の違いを反映したデータを生成することができる。
【0426】
また、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1として関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と、第1ライダー識別データDI1であり、第2鞍乗型車両走行複合データD1c2として関連付けられるデータが、第2アプローチ旋回軌跡データDTb2と、第2アプローチ旋回前方向加速度データDAbと、第2ライダー識別データDI2であることで、鞍乗型車両走行データ処理装置101で処理されるデータの種類を低減することができる。具体的には、例えば、取得するデータの種類を少なくすることができる。また、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102が出力する第1鞍乗型車両走行複合データD1c1および第2鞍乗型車両走行複合データD1c2のデータ量も少なくすることができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0427】
第1アプローチ旋回軌跡データDTb1または第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1の少なくとも一方は、GNSSを利用して生成されたデータである。アプローチ旋回軌跡データDTbまたはアプローチ旋回前方向加速度データDAbの少なくとも一方は、GNSSを利用して生成されたデータである。
GNSSを利用して生成されたアプローチ旋回軌跡データDTbは、アプローチ旋回軌跡Tbを高い精度で示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置110は、アプローチ旋回軌跡を示すアプローチ旋回軌跡データDTbの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。GNSSを利用して生成されたアプローチ旋回前方向加速度データDAbは、アプローチ旋回軌跡Tbを走行したときの自動二輪車110の車両前方向の加速度を高い精度で示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、アプローチ旋回軌跡Tbを走行したときの自動二輪車110の前方向加速度を示すアプローチ旋回前方向加速度データDAbの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。したがって、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0428】
第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1は、GNSSを利用して生成されたデータである。アプローチ旋回左右方向加速度データDLbは、GNSSを利用して生成されたデータである。GNSSを利用して生成されたアプローチ旋回左右方向加速度データDLbは、GNSSを利用して生成されたデータであるため、アプローチ旋回軌跡Tbを高い精度で示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、アプローチ旋回軌跡Tbを走行したときの自動二輪車110の左右方向加速度を示すアプローチ旋回左右方向加速度データDLbの精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0429】
第1アプローチ旋回軌跡Tb1は、少なくとも1つのアプローチ旋回ガイド部7bが設けられた環境下で自動二輪車110が走行して得られた走行軌跡である。自動二輪車110はアプローチ旋回ガイド部7bによって進行方向がガイドされる。アプローチ旋回ガイド部7bによって、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を、所望のサイズおよび形状に設定しやすい。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
また、第2アプローチ旋回軌跡Tb2を自動二輪車110が走行するときにもアプローチ旋回ガイド部7bを用いることにより、第1アプローチ旋回領域Zb1と第2アプローチ旋回領域のばらつきを低減できる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1と第2鞍乗型車両走行複合データD1c2含む鞍乗型車両走行複合データD1cは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置110で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置110は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置110のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
【0430】
第1アプローチ旋回軌跡Tb1は、自動二輪車110が2つのアプローチガイド部7cの間を通過した後に旋回したときの走行軌跡である。2つのアプローチガイド部7cによって、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を所望の長さおよび位置に近づけることができる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
また、第2アプローチ旋回軌跡Tb2を自動二輪車110が走行するときにも2つのアプローチガイド部7cを用いることにより、第1アプローチ旋回領域Zb1と第2アプローチ旋回領域のばらつきを低減できる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1と第2鞍乗型車両走行複合データD1c2含む鞍乗型車両走行複合データD1cは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置110で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置110は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置110のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
【0431】
第1アプローチ旋回軌跡Tb1は、自動二輪車110が旋回中に旋回ガイド部7dよりも旋回半径の径方向外側を通るように走行したときの走行軌跡である。旋回ガイド部7dによって、第1旋回領域Zd1を所望のサイズおよび形状に近づけることができる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
また、第2アプローチ旋回軌跡Tb2を自動二輪車110が走行するときにも旋回ガイド部7dを用いることにより、第1アプローチ旋回領域Zb1と第2アプローチ旋回領域のばらつきを低減できる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1と第2鞍乗型車両走行複合データD1c2含む鞍乗型車両走行複合データD1cは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置110で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置110は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置110のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
【0432】
アプローチ旋回ガイド部7bが、自動二輪車110の進行方向を制限するように構成されている場合、下記の効果が得られる。
この構成によると、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
また、第2アプローチ旋回軌跡Tb2を自動二輪車110が走行するときにもアプローチ旋回ガイド部7bを用いることにより、第1アプローチ旋回領域Zb1と第2アプローチ旋回領域のばらつきを低減できる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1と第2鞍乗型車両走行複合データD1c2含む鞍乗型車両走行複合データD1cは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置110で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置110は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置110のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
【0433】
アプローチ旋回ガイド部7bが、設置場所を自在に変更可能に地面に設置される場合、下記の効果が得られる。
アプローチ旋回ガイド部7bを様々な場所に配置することができる。そのため、例えば駐車場などの道路以外の場所で、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1を取得することができる。
また、アプローチ旋回ガイド部7bの位置の変更が容易である。そのため、第1アプローチ旋回軌跡Tb1のサイズおよび形状を容易に変更できる。
また、アプローチ旋回ガイド部7bの数を増やすことが容易である。アプローチ旋回ガイド部7bの数を増やすことで、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を、所望のサイズおよび形状により近づけることができる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置101は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置101のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
また、第2アプローチ旋回軌跡Tb2を自動二輪車110が走行するときにもアプローチ旋回ガイド部7bを用いることにより、第1アプローチ旋回領域Zb1と第2アプローチ旋回領域のばらつきを低減できる。それにより、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1と第2鞍乗型車両走行複合データD1c2含む鞍乗型車両走行複合データD1cは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)がより高いデータとなる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置110で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置110は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置110のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
【0434】
(実施形態の具体例2)
次に、本発明の実施形態の具体例2について図13を参照しつつ説明する。本具体例2の鞍乗型車両走行データ処理装置201は、上述した本発明の実施形態の鞍乗型車両走行データ処理装置1の特徴を全て有する。なお、以下の説明において、上述した本発明の実施形態または具体例1と同じ部位または処理についての説明は適宜省略する。図13に示すように、鞍乗型車両走行データ処理装置201は、自動二輪車210に搭載される。自動二輪車210は、上記実施形態の鞍乗型車両10の一例である。鞍乗型車両走行データ処理装置201は、自動二輪車210に搭載されたECU260に含まれる。鞍乗型車両走行データ処理装置201は、走行中の自動二輪車210に関連するデータを蓄積する鞍乗型車両走行データ収録システムである。
【0435】
自動二輪車210の構成は、具体例1の自動二輪車110の構成とほぼ同じである。自動二輪車210は、下記の点で自動二輪車110と異なる。自動二輪車210のECU260は、具体例1の自動二輪車110のECU60と異なる。自動二輪車210は、着脱可能な外部記憶装置(二次記憶装置、補助記憶装置)205を有する。外部記憶装置205は、ECU260に接続される。外部記憶装置205は、鞍乗型車両走行データ収録システム(鞍乗型車両走行データ処理装置)201に接続される。外部記憶装置205は、鞍乗型車両走行データ収録システム201から送信されたデータを記憶する。
【0436】
ECU260は、CPUなどの少なくとも1つのプロセッサ、および、ROMやRAMなどの少なくとも1つの記憶装置で構成されている。CPUは、ROMやRAMに記憶されたプログラムや各種データに基づいて情報処理を実行する。ECU260は、1箇所に配置された1つの装置であってもよく、異なる位置に配置された複数の装置で構成されていてもよい。ECU260は、GNSS受信ユニット90、撮像装置91、センサ71〜76、81〜86等の各種センサ、およびタッチパネル28と接続されている。ECU260は、自動二輪車210の各部を制御する。ECU260はエンジン制御やブレーキ制御などを行う。ECU260は、鞍乗型車両走行データデータ収録システム(鞍乗型車両走行データ処理装置)201を含む。鞍乗型車両走行データデータ収録システム201は、エンジン制御およびブレーキ制御のいずれも行わない。
【0437】
鞍乗型車両走行データ処理装置201は、プロセッサ102と、記憶部103とを含む。鞍乗型車両走行データ処理装置201は、走行軌跡データBT、前方向加速度データBA、左右方向加速度データBL、車両姿勢データB1V、および、ライダー姿勢データB1R、およびライダー識別データBIを取得する。
【0438】
本具体例2のライダー姿勢データB1Rは、具体例1と同様に、イメージデータでなくてもよい。本具体例2のライダー姿勢データB1Rは、具体例1と異なり、イメージデータであってもよい。ライダー姿勢データB1Rは、具体例1と同様に、撮像装置91から送信されたイメージデータに基づいてECU260により生成されたデータであってもよい。ライダー姿勢データB1Rは、撮像装置91から送信されたイメージデータであってもよい。いずれの場合も、ライダー姿勢データB1Rは、ライダーRの頭の向き、肩の位置、脚の位置、尻の位置、および、股の位置の少なくともいずれか1つに関連するデータである。
【0439】
次に、本具体例2の鞍乗型車両走行データ処理方法について説明する。本具体例2の鞍乗型車両走行データ処理方法とは、鞍乗型車両走行データ処理装置201のプロセッサ102が実行する処理の手順である。
【0440】
鞍乗型車両走行データ処理装置201のプロセッサ102は、図11に示す一連の処理S11〜S13を実行する。
【0441】
本具体例2の鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13で生成される鞍乗型車両走行複合データD1cは、鞍乗型車両走行複合データD1cの基になるデータを含んでいてもよく、含まなくてもよい。鞍乗型車両走行複合データD1cは、イメージデータを含んでいてもよく、含まなくてもよい。
【0442】
本具体例2の鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13で記憶部103に記憶された複数の鞍乗型車両走行複合データD1cの一例を図14に示す。図14の鞍乗型車両走行複合データD1cは、鞍乗型車両走行複合データD1cを出力するために使用されたデータを含んでいる。図14中の第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1、第1旋回車両姿勢データD1V1、第1旋回ライダー姿勢データD1R1、および、第1ライダー識別データDI1に基づいて生成されている。第1鞍乗型車両走行複合データD1c1以外の鞍乗型車両走行複合データD1cも、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1と同様に構成されている。第1ライダー識別データDI1と第4ライダー識別データDI4は、ライダーRがライダーRaであることを示す。第2ライダー識別データDI2と第3ライダー識別データDI3と第5ライダー識別データDI5は、ライダーRがライダーRbであることを示す。第6ライダー識別データDI6は、ライダーRがライダーRcであることを示す。ライダーRa、Rb、Rcは互いに異なる。
【0443】
本具体例2の鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13において、鞍乗型車両走行複合データD1cは、記憶部103から外部記憶装置205に出力される。外部記憶装置205は、鞍乗型車両走行データ処理装置201から取得した鞍乗型車両走行複合データD1cを記憶する。自動二輪車210から取り外された外部記憶装置205は、例えば、解析装置に接続される。解析装置は、外部記憶装置205に記憶された第1鞍乗型車両走行複合データD1c1等を読み出して解析する。自動二輪車210から取り外された外部記憶装置205の用途は、上記に限らない。
【0444】
プロセッサ102は、図12に示す一連の処理S11〜S13、S20、S21を実行してもよい。
【0445】
本具体例2の鞍乗型車両走行一体複合データ生成処理S20で生成される鞍乗型車両走行一体複合データD1uは、複数の鞍乗型車両走行複合データD1cを含んでいてもよく、含まなくてもよい。鞍乗型車両走行一体複合データD1uは、鞍乗型車両走行複合データD1cの基になるデータを含んでいてもよく、含まなくてもよい。鞍乗型車両走行一体複合データD1uは、複数の鞍乗型車両走行複合データD1cの差分や比較や組み合わせなどによって生成されたデータであってもよい。鞍乗型車両走行一体複合データD1uは、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1と第2鞍乗型車両走行複合データD1c2との差分であってもよい。鞍乗型車両走行一体複合データD1uは、複数の鞍乗型車両走行複合データD1cの代表(例えば平均)を示すデータであってもよい。鞍乗型車両走行一体複合データD1uは、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1と第2鞍乗型車両走行複合データD1c2の代表値(例えば平均)であってもよい。
【0446】
本具体例2の鞍乗型車両走行複合データ出力処理S21において、鞍乗型車両走行一体複合データD1uは、外部記憶装置205に出力される。外部記憶装置205は、鞍乗型車両走行データ処理装置201から取得した鞍乗型車両走行一定複合データD1uを記憶する。自動二輪車210から取り外された外部記憶装置205は、例えば、解析装置に接続される。解析装置は、外部記憶装置205に記憶された第1鞍乗型車両走行複合データD1c1等を読み出して解析する。鞍乗型車両走行一体複合データD1uが複数の鞍乗型車両走行複合データを含んでいる場合、解析装置において、複数の鞍乗型車両走行複合データD1cの差分や比較や組み合わせなどの処理ができる。なお、自動二輪車210から取り外された外部記憶装置205の用途は、上記に限らない。
【0447】
本具体例2で、記憶部103または/および外部記憶装置205に記憶された複数の同一ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD1usの一例を図15に示す。図15の同一ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD1usは、複数の鞍乗型車両走行複合データD1cを含んでいる。図15の同一ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD1us1、D1us2、D1us3は、図14の複数の鞍乗型車両走行複合データD1cに基づいて生成されている。
【0448】
本具体例2は、具体例1と同様の構成または処理について、具体例1と同様の効果を奏する。本具体例2は、上述した本発明の実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏する。
【0449】
鞍乗型車両走行データ処理装置201がデータ収録システムである。そして、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、鞍乗型車両走行データ処理装置201の外部の外部記憶装置205に出力される。鞍乗型車両走行データ処理装置201は、自動二輪車210の走行後、蓄積した第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置201の外部の鞍乗型車両の走行状態を解析するための解析装置に出力してもよい。外部記憶装置205に記憶された第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を解析装置に出力することで、ライダーRの運転技術および/または自動二輪車210の特徴を強く反映したデータに基づいて解析することができる。さらに、例えば、外部記憶装置205に記憶された第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、保険システム、販売システム、金融システムなどのデータ処理システムに用いられてよい。
【0450】
(実施形態の具体例3)
次に、本発明の実施形態の具体例3について図16を参照しつつ説明する。本具体例3の鞍乗型車両走行データ処理装置301は、上述した本発明の実施形態の鞍乗型車両走行データ処理装置1の特徴を全て有する。なお、以下の説明において、上述した本発明の実施形態および具体例1と同じ部位または処理についての説明は適宜省略する。図16に示すように、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、自動二輪車310に搭載されない。自動二輪車310は、上記実施形態の鞍乗型車両10の一例である。鞍乗型車両走行データ処理装置301は、走行中の自動二輪車310に関連するデータを処理する鞍乗型車両走行データ処理装置である。より詳細には、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、自動二輪車310の運転の教習に使用され、走行中の自動二輪車310に関連する鞍乗型車両走行データを用いる教習支援システムである。
【0451】
鞍乗型車両走行データ処理装置301は、車両用装置304および出力装置305を含む。車両用装置304は、プロセッサ302と、記憶部303とを含む。プロセッサ302は、上記実施形態のプロセッサ2の一例である。記憶部303は、上記実施形態の記憶部の一例である。プロセッサ302は、記憶部303に記憶されたプログラムやデータに基づいて情報処理を実行する。具体例3において、出力装置305は、教官用装置である。
【0452】
撮像装置308は、カメラを含む。カメラは、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサまたはCCD(Charge coupled Device)センサなどによって実現される。撮像装置308で生成されたイメージデータは、カメラで撮影した日時(年月日と時刻)のデータを含む。
【0453】
撮像装置308は、例えば、地面に配置される。撮像装置308は、旋回中の自動二輪車310の姿勢とライダーRの姿勢を撮影できるように配置および設定されている。撮像装置308は、少なくとも、自動二輪車310が旋回しているときに撮影するように、操作者によって操作される。
【0454】
鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304は、撮像装置308から、撮像装置308が生成したイメージデータを取得する。鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304は、例えば、撮像装置308が有する無線通信装置または外部記憶装置を利用して、撮像装置308からイメージデータを取得する。鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304は、複数の静止画像データまたは動画データを撮像装置308から取得する。
【0455】
鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304が撮像装置308から取得するイメージデータには、ライダー識別データBI、ライダー識別データBI以外の識別データBX、および、撮影した日付のデータの少なくとも1つが付けられていてもよい。
【0456】
自動二輪車310の基本的な構成は、具体例1、2の自動二輪車110、210の構成とほぼ同じである。自動二輪車310は、GNSS受信ユニット90を有する。自動二輪車310は、鞍乗型車両走行データ処理装置101および鞍乗型車両走行データ処理装置201のどちらも有さなくてもよい。自動二輪車310は、撮像装置91を有さなくてもよい。自動二輪車310は、IMU86を有さなくてもよい。自動二輪車310は、これら以外の点で、自動二輪車110または自動二輪車210と異なっていてもよい。自動二輪車310の構成は、自動二輪車110または自動二輪車210と同じであってもよい。
【0457】
鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304は、自動二輪車310に搭載されていてもよい。この場合、鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304は、自動二輪車310が有する少なくとも1つの無線通信装置(図示せず)を利用して、自動二輪車310が取得した各種のデータを取得する。自動二輪車310の無線通信装置は、自動二輪車310が取得した各種のデータを送信する。鞍乗型車両走行データ処理装置301は、自動二輪車310の無線通信装置から送信されたデータを受信してもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304は、自動二輪車310の無線通信装置から送信されたデータを受信した装置から、外部記憶装置などを介して、これらのデータを取得してもよい。無線通信装置と鞍乗型車両走行データ処理装置301との間の通信は、複数の通信方式が利用されてもよく、無線通信だけが利用されてもよい。
【0458】
鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304は、自動二輪車310に搭載されていなくてもよい。この場合、鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304は、無線通信装置の代わりに、自動二輪車310に着脱可能な外部記憶装置(図示せず)を利用して、自動二輪車310が取得した各種のデータを取得してもよい。外部記憶装置は、自動二輪車310が取得した各種のデータを記憶する。自動二輪車310から取り外された外部記憶装置は、鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304に接続されてもよい。自動二輪車310から取り外された外部記憶装置は、鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304と通信可能な装置に接続されてもよい。いずれの場合も、鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304は、外部記憶装置に記憶された各種データを取得できる。
【0459】
鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304が自動二輪車310から取得する各種のデータには、ライダー識別データBI、ライダー識別データBI以外の識別データBX、および、検出した日付のデータの少なくとも1つが付けられていてもよい。
【0460】
鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304が自動二輪車310から取得するデータの具体例は、下記の通りである。但し、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、下記以外のデータを自動二輪車310から取得してもよい。
【0461】
鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304は、GNSS受信ユニット90が生成した走行軌跡データBTを、自動二輪車310から取得する。もしくは、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、GNSS受信ユニット90が生成した位置座標データを、自動二輪車310から取得してもよい。この場合、鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304は、GNSS受信ユニット90の位置座標データに基づいて走行軌跡データBTを生成する。
【0462】
鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304は、自動二輪車310の車両前方向の加速度に関連する前方向加速度データBAを自動二輪車310から取得する。もしくは、鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304は、自動二輪車310から取得したデータに基づいて、自動二輪車310の車両前方向の加速度に関連する前方向加速度データBAを生成する。具体的には、前方向加速度データBAは、自動二輪車310のGNSS受信ユニット90から取得されてもよい。前方向加速度データBAは、GNSS受信ユニット90が検出した自動二輪車310の車両前方向の速度に基づいて、自動二輪車310のECUまたは鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304が生成したデータであってもよい。前方向加速度データBAは、車輪速度センサ85の信号に基づいて、自動二輪車310のECUまたは鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304が生成したデータであってもよい。
【0463】
鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304は、自動二輪車310の車両左右方向の加速度に関連する左右方向加速度データBLを取得する。左右方向加速度データBLは、自動二輪車310のGNSS受信ユニット90から取得される。
【0464】
鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304は、自動二輪車310または他の装置から、自動二輪車310の排気量を示す排気量データを取得してもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304は、自動二輪車310または他の装置から、自動二輪車310のカテゴリーを示すカテゴリーデータを取得してもよい。自動二輪車310のカテゴリーとは、自動二輪車310の用途や特性などで区分された分類のことである。自動二輪車310のカテゴリーとして、例えば、スポーツタイプ、オンロードタイプやオフロードタイプなどがある。
【0465】
次に、本具体例3の鞍乗型車両走行データ処理方法について説明する。本具体例3の鞍乗型車両走行データ処理方法とは、鞍乗型車両走行データ処理装置301のプロセッサ302が実行する処理の手順である。
【0466】
鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304のプロセッサ302は、図11に示す一連の処理S11〜S13を実行する。
【0467】
鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、プロセッサ302は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1を取得する。プロセッサ302は、走行軌跡データBTを取得することで、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1を取得してもよい。この場合、プロセッサ302は、第1環状軌跡データDTa1も取得する。1つの走行軌跡データBTは、メインスイッチをオンにしてからオフにするまでの走行軌跡、または、エンジンユニット30の運転を開始してから停止するまでの走行軌跡を示す。具体例1、2と同様に、本具体例3の鞍乗型車両走行データ処理方法を行うために自動二輪車310が走行するコースは、制限される。したがって、1つの走行軌跡データBTが示す走行軌跡は比較的短い。プロセッサ302は、具体例1、2と同様に、走行軌跡データBTから、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1を抽出してもよい。プロセッサ302は、走行軌跡データBTから、第1環状軌跡データDTa1を抽出してもよい。
【0468】
鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、プロセッサ302は、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1を取得する。プロセッサ302は、前方向加速度データBAを取得することで、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1を取得してもよい。この場合、プロセッサ302は、第1環状前方向加速度データDAa1も取得する。1つの前方向加速度データBAは、メインスイッチをオンにしてからオフにするまでの加速度、または、エンジンユニット30の運転を開始してから停止するまでの加速度を示す。プロセッサ302は、具体例1、2と同様に、前方向加速度データBAから、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1を抽出してもよい。プロセッサ302は、前方向加速度データBAから、第1環状前方向加速度データDAa1を抽出してもよい。
【0469】
鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、プロセッサ302は、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1を取得する。プロセッサ302は、左右方向加速度データBLを取得することで、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1を取得してもよい。この場合、プロセッサ302は、第1環状左右方向加速度データDLa1も取得する。プロセッサ302は、具体例1、2と同様に、左右方向加速度データBLから、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1を抽出してもよい。プロセッサ302は、左右方向加速度データBLから、第1環状左右方向加速度データDLa1を抽出してもよい。
【0470】
鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、プロセッサ302は、第1旋回車両姿勢データD3V1と、第1旋回ライダー姿勢データD3R1を取得する。第1旋回車両姿勢データD3V1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの旋回中の自動二輪車310の姿勢に関連するデータである。第1旋回ライダー姿勢データD3R1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの旋回中の自動二輪車310に乗車するライダーRの姿勢に関連するデータである。プロセッサ302は、第1旋回車両姿勢データD3V1と第1旋回ライダー姿勢データD3R1とが一体化された第1旋回姿勢データD3RV1を取得する。第1旋回姿勢データD3RV1は、撮像装置308から取得される。第1旋回姿勢データD3RV1は、イメージデータである。第1旋回姿勢データD3RV1は、1つの静止画像データであってもよく、複数の静止画像データであってもよく、動画データであってもよい。鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、プロセッサ302は、撮像装置308から鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304が取得した複数の静止画像データまたは動画データの中から、第1旋回姿勢データD3RV1を抽出してもよい。プロセッサ302は、撮像装置308から鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304が取得した複数の静止画像データまたは動画データの中から、第1旋回姿勢データD3RV1として1つの静止画像データを抽出してもよい。例えば、画像の解析結果に基づいて、どのデータを抽出するか決定してもよい。
【0471】
ライダー識別データ取得処理S12において、プロセッサ302は、第1ライダー識別データDI1を取得する。第1ライダー識別データDI1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの自動二輪車310に乗車するライダーRを識別するデータである。
【0472】
上述したように、自動二輪車310から鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304が取得した各種データにライダー識別データBIが付されている場合がある。プロセッサ302は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1に付された第1ライダー識別データDI1を取得してもよい。プロセッサ302は、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1に付された第1ライダー識別データDI1を取得してもよい。プロセッサ302は、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1に付された第1ライダー識別データDI1を取得してもよい。撮像装置308から鞍乗型車両走行データ処理装置301が取得したイメージデータにライダー識別データBIが付されている場合がある。プロセッサ302は、第1旋回姿勢データD3RV1(第1旋回車両姿勢データD3V1および第1旋回ライダー姿勢データD3R1)に付された第1ライダー識別データDI1を取得してもよい。
【0473】
プロセッサ302は、自動二輪車310から、ライダー識別データBIが付された識別データBXを取得してもよい。上述したように、自動二輪車310から鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304が取得した各種データには、識別データBXが付されている場合がある。プロセッサ302は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1に付された識別データBXと、ライダー識別データBIが付された識別データBXとの照合により、第1ライダー識別データDI1を取得してもよい。プロセッサ302は、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1に付された識別データBXと、ライダー識別データBIが付された識別データBXとの照合により、第1ライダー識別データDI1を取得してもよい。プロセッサ302は、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1に付された識別データBXと、ライダー識別データBIが付された識別データBXとの照合により、第1ライダー識別データDI1を取得してもよい。撮像装置308から鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304が取得したイメージデータには、識別データBXが付されている場合がある。プロセッサ302は、第1旋回姿勢データD3RV1に付された識別データBXと、ライダー識別データBIが付された識別データBXとの照合により、第1ライダー識別データDI1を取得してもよい。
【0474】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13において、プロセッサ302は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1とが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データD3c1を出力する。
【0475】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13において、プロセッサ302は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1が関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データD3c1を出力してもよい。
【0476】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13において、プロセッサ302は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と、第1旋回車両姿勢データD3V1とが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データD3c1を出力してもよい。第1旋回車両姿勢データD3V1は、第1旋回車両姿勢データD3V1および第1旋回ライダー姿勢データD3R1を含む。
【0477】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13において、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1と、第1旋回車両姿勢データD3V1とが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データD3c1が出力されてもよい。第1旋回車両姿勢データD3V1は、第1旋回車両姿勢データD3V1および第1旋回ライダー姿勢データD3R1を含む。
【0478】
上述した第1鞍乗型車両走行複合データD3c1の例において、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1の基になるデータとして、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1を含む第1環状軌跡データDTa1が用いられてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データD3c1の基になるデータとして、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1を含む第1環状前方向加速度データDAa1が用いられてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データD3c1の基になるデータとして、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1を含む第1環状左右方向加速度データDLa1が用いられてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、第1環状軌跡データDTa1と、第1環状前方向加速度データDAa1とを関連付けたデータであってもよい。第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、第1環状軌跡データDTa1と、第1環状前方向加速度データDAa1と、第1環状左右方向加速度データDLa1とを関連付けたデータであってもよい。
【0479】
本具体例3の鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13で出力される第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1の基になるデータを含んでいてもよく、含まなくてもよい。
【0480】
第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1に基づいたメージデータを含む。このイメージデータは、走行軌跡をラインで表したものである。
【0481】
第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1および第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1に基づいた1つのイメージデータを含んでいてもよい。このイメージデータは、具体的には、例えば、図5図6(a)および図7(a)のように、走行軌跡を示すラインを、車両前方向の加速度に応じた表示形態で表したものであってもよい。より具体的には、車両前方向の加速度に応じて色を変えてもよい。
【0482】
第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1および第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1に基づいた1つのイメージデータを含んでいてもよい。このイメージデータは、具体的には、例えば、図6(b)および図7(b)のように、走行軌跡を示すラインを、車両左右方向の加速度に応じた表示形態で表したものであってもよい。より具体的には、車両左右方向の加速度に応じて色を変えてもよい。
【0483】
第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1、および第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1に基づいた1つのイメージデータを有していてもよい。例えば、車両左右方向の加速度に応じた表示形態で表した走行軌跡のラインの内側に、車両左右方向の加速度に応じた表示形態で表したラインが配置されたイメージデータを含んでいてもよい。また、例えば、車両左右方向の加速度に応じた表示形態で表した走行軌跡のラインと、車両左右方向の加速度に応じた表示形態で表したラインとが部分的に重なるイメージデータを含んでいてもよい。
【0484】
第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1および第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1に基づいた1つのイメージデータを含んでいてもよい。このイメージデータは、具体的には、例えば、図6(c)および図7(c)のように、車両前方向の加速度を縦軸とし、車両左右方向の加速度を横軸としたグラフのイメージデータであってもよい。このグラフは、車両前方向の加速度がゼロのとき、車両左右方向の加速度もゼロとする。このグラフには、運転技術レベルの目安のために、ゼロを中心とした少なくとも1つの円が含まれていてもよい。円は、縦軸上と横軸上の同じ数値(加速度)を通る。図6(c)および図7(c)のグラフには、黒色と灰色の2つの円が含まれているが、1つのグラフに含まれる円の数は1つだけでもよい。1つのグラフに含まれる円が1つだけの場合、円の半径は、例えば0.3G〜0.8Gである。1つのグラフに含まれる円が2つの場合、大きい方の円の半径は、例えば0.4G〜0.8Gであって、小さい方の円の半径は、例えば0.3G〜0.6Gである。このような円は、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1に含まれていてもよく、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1が出力装置305に出力された後で追加されてもよい。
【0485】
第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1に基づいた1つのイメージデータを含んでいてもよい。第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1に基づいたイメージデータは、例えば、車両前方向の加速度を縦軸とし、時間を横軸としたグラフのイメージデータであってもよい。第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1に基づいたイメージデータは、例えば、車両前方向の加速度を縦軸とし、車両前方向の速度を横軸としたグラフのイメージデータであってもよい。縦軸と横軸が逆であってもよい。車両前方向の速度は、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1から算出されたものであってもよく、GNSS受信ユニット90によって検出されたものであってもよく、車輪速度センサ85の信号に基づいて生成されたものであってもよい。この場合、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1の基になるデータは、車両前方向の速度に関連するデータを含む。
【0486】
第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1に基づいた1つのイメージデータを含んでいてもよい。第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1に基づいたイメージデータは、例えば、車両左右方向の加速度を縦軸とし、時間を横軸としたグラフのイメージデータであってもよい。第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1に基づいたイメージデータは、例えば、車両左右方向の加速度を縦軸とし、車両前方向の速度を横軸としたグラフのイメージデータであってもよい。縦軸と横軸が逆であってもよい。車両左右方向の速度は、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1から算出されたものであってもよく、GNSS受信ユニット90によって検出されたものであってもよく、車輪速度センサ85の信号に基づいて生成されたものであってもよい。この場合、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1の基になるデータは、車両左右方向の速度に関連するデータを含む。
【0487】
第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、第1旋回車両姿勢データD3V1および第1旋回ライダー姿勢データD3R1に基づいたイメージデータを含んでもよい。
【0488】
第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、上述のいずれかの組合せのデータに加えて、第1ライダー識別データDI1に基づいて生成されてもよい。この場合、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、第1旋回動作中の自動二輪車310に乗車するライダーRに関連付けて生成される。
【0489】
第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、上述のいずれかの組合せのデータに加えて、カテゴリーデータに基づいて生成されてもよい。この場合、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、第1旋回動作中の自動二輪車310のカテゴリーに関連付けて生成される。第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、上述のいずれかの組合せのデータに加えて、排気量データに基づいて生成されてもよい。この場合、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、第1旋回動作中の自動二輪車310の排気量に関連付けて生成される。
【0490】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13において、プロセッサ302は、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1を教官用装置305に出力する。
【0491】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13において、プロセッサ302は、生成された第1鞍乗型車両走行複合データD3c1を記憶部303に出力してもよい。この場合、鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13において、プロセッサ302は、記憶部303に記憶された第1鞍乗型車両走行複合データD3c1を教官用装置305に出力する。
【0492】
教官用装置305は、例えば、表示装置であってもよく、印刷装置であってもよく、それ以外の装置であってもよい。表示装置は、例えば、表示機能だけを有するものであってもよく、表示機能以外の機能も有するものであってもよい。表示機能以外の機能も有する表示装置とは、例えばタブレット端末などである。
【0493】
図示は省略するが、表示装置は、情報を表示可能な表示部と、データ取得部と、表示制御部とを有する。データ取得部は、出力された第1鞍乗型車両走行複合データD3c1を取得する。表示制御部は、データ取得部が取得した第1鞍乗型車両走行複合データD3c1を表示部の1つの画面上に同時に表示させる。
【0494】
図示は省略するが、印刷装置は、情報を用紙に印刷可能な印刷部と、データ取得部と、印刷制御部とを有する。データ取得部は、出力された第1鞍乗型車両走行複合データD3c1を取得する。印刷制御部は、データ取得部が取得した第1鞍乗型車両走行複合データD3c1を印刷部によって1枚の用紙の同一面に印刷させる。
【0495】
第1鞍乗型車両走行複合データD3c1が、上述したような、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1および第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1に基づいたイメージデータと、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1および第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1に基づいたイメージデータを含む場合、この2つのイメージデータの表示から、フロントサスペンションの伸縮状態を推定することができる。つまり、車両前方向の減速がある程度大きい状態と、車両左方向の加速がある程度大きい状態が、ほぼ連続していれば、フロントサスペンションは縮んだままであると推定できる。
【0496】
第1鞍乗型車両走行複合データD3c1が、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1および第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1に基づいた上述のグラフを含む場合にも、このグラフからフロントサスペンションの伸縮状態をある程度推定することができる。
【0497】
第1鞍乗型車両走行複合データD3c1が、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1および第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1に基づいた上述のグラフを含む場合、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1と共に、図8のような画像が表示または印刷されてもよい。図8のような画像は、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1と同時に1つの画面上に表示されてもよく、同時に表示されなくてもよい。図8のような画像は、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1と共に1枚の用紙の同一面に印刷されてもよく、同一の用紙の別の面または別の用紙に印刷されてもよい。出力装置305において、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1だけが表示または印刷される場合、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、図8のような画像のデータを含む。出力装置305において、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1を用いて表示または印刷のレイアウトを決定する場合は、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、図8のような画像のデータを含んでいなくてもよい。図8のような画像が表示または印刷されることで、ライダーRは、目標とする加速度を把握しやすい。
【0498】
図11に示す一連の処理は、環状のコースを停止と発進を繰り返して複数周走行した場合に、実行される。自動二輪車310の発進から停止までの走行動作に対して図11に示す一連の処理が実行されることにより、複数の鞍乗型車両走行複合データD3cが教官用装置305に出力される。鞍乗型車両走行複合データD3cは、1つの環状のコースを走行して取得された鞍乗型車両走行複合データを含んでいてもよい。鞍乗型車両走行複合データD3cは、複数種類の環状のコースを走行して取得された鞍乗型車両走行複合データを含んでいてもよい。鞍乗型車両走行複合データD3cは、複数種類のコースを走行して取得された鞍乗型車両走行複合データを含んでいてもよい。鞍乗型車両走行複合データD3cは、複数種類の環状コースを走行して取得された鞍乗型車両走行複合データを含んでいてもよい。
【0499】
プロセッサ302は、図12に示す一連の処理S11〜S13、S20、S21を実行してもよい。
【0500】
鞍乗型車両走行一体複合データ生成処理S20において、プロセッサ302は、少なくとも1つの鞍乗型車両走行一体複合データD3uを生成する。鞍乗型車両走行一体複合データD3uは、記憶部303に記憶された複数の鞍乗型車両走行複合データD3cを関連づけて生成される。1つの鞍乗型車両走行一体複合データD3uを生成するために使用される鞍乗型車両走行複合データD3cの数は、2つであってもよく、2つより多くてもよい。
【0501】
プロセッサ302は、同じライダー識別データDIに基づいて生成された複数の鞍乗型車両走行複合データD3cに基づいて、同一ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3usを生成してもよい。プロセッサ302は、異なるライダー識別データDIに基づいて生成された複数の鞍乗型車両走行複合データD3cに基づいて、相違ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3udを生成してもよい。鞍乗型車両走行一体複合データ生成処理S20において複数の鞍乗型車両走行一体複合データD3uが生成される場合、複数の鞍乗型車両走行一体複合データD3uは、同一ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3usおよび相違ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3udの一方だけを含んでいてもよく、両方を含んでいてもよい。
【0502】
本具体例3の鞍乗型車両走行一体複合データD3uは、鞍乗型車両走行複合データD3cを含んでいてもよく、含まなくてもよい。鞍乗型車両走行一体複合データD3uは、鞍乗型車両走行複合データD3cの基になるデータを含んでいてもよく、含まなくてもよい。
鞍乗型車両走行一体複合データD3uは、複数の鞍乗型車両走行複合データD3cの差分や比較や組み合わせなどによって生成されたデータであってもよい。鞍乗型車両走行一体複合データD3uは、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1と第2鞍乗型車両走行複合データD3c2との差分であってもよい。鞍乗型車両走行一体複合データD3uは、複数の鞍乗型車両走行複合データD3cの代表(例えば平均)を示すデータであってもよい。
【0503】
鞍乗型車両走行一体複合データD3uは、例えば、第1旋回姿勢データD3RV1の画像と、第2旋回姿勢データD3RV2の画像とを重ね合わせたイメージデータを含んでいてもよい。また、鞍乗型車両走行一体複合データD3uは、例えば、同じ第1コーナーを走行して得られた第1アプローチ旋回軌跡データDTb1の走行軌跡と第2アプローチ旋回軌跡データDTb2の走行軌跡を重ねたイメージデータを含んでいてもよい。鞍乗型車両走行一体複合データD3uは、例えば、車両前方向の加速度に応じた表示形態で表した走行軌跡を示す2つのラインの一方を、他方のラインの内側に配置したイメージデータを含んでいてもよい。
【0504】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S21において、プロセッサ302は、生成された鞍乗型車両走行一体複合データD3uを、教官用装置305に出力する。教官用装置305は、例えば、表示装置であってもよく、印刷装置であってもよく、それ以外の装置であってもよい。鞍乗型車両走行一体複合データD3uが出力される教官用装置305は、鞍乗型車両走行複合データD3cを出力する車両用装置304と一体で構成されていてもよく、別体で構成されていてもよい。表示装置の表示制御部は、データ取得部が取得した鞍乗型車両走行一体複合データD3uを表示部の1つの画面上に同時に表示させる。印刷装置の印刷制御部は、データ取得部が取得した鞍乗型車両走行一体複合データD3uを印刷部によって1枚の用紙の同一面に印刷させる。
【0505】
なお、第1旋回車両姿勢データD3V1および第1旋回ライダー姿勢データD3R1は、自動二輪車310から取得されてもよい。第1旋回車両姿勢データD3V1は、具体例1、2の第1旋回車両姿勢データD1V1と同様のデータであってもよい。つまり、第1旋回車両姿勢データD3V1は、自動二輪車310のGNSS受信ユニット90と、IMU86と、操舵角センサ84の少なくとも1つを利用して生成されたデータであってもよい。第1旋回ライダー姿勢データD3R1は、具体例1、2の第1旋回ライダー姿勢データD1R1と同様のデータであってもよい。つまり、第1旋回ライダー姿勢データD3R1は、自動二輪車310の撮像装置91で生成されたイメージデータに基づいて生成されたデータであってもよい。
【0506】
なお、本具体例3の鞍乗型車両走行データ処理装置301は、自動二輪車310を含む複数の自動二輪車に関連するデータを処理してもよい。それにより、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、相違ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3udを取得しやすくなる。
【0507】
鞍乗型車両走行データ処理装置301は、撮像装置308を含む複数の撮像装置からイメージデータを取得可能であってもよい。複数の撮像装置は、異なるコーナーを旋回中の自動二輪車を撮影できるように配置および設定される。
【0508】
なお、撮像装置308は、例えば小型のドローン(無人飛行機)などの飛行体に設置されてもよい。この場合も、撮像装置308は、コーナーを旋回しているときの自動二輪車310の姿勢とライダーRの姿勢を撮影する。
【0509】
本具体例3は、具体例1と同様の構成または処理について、具体例1と同様の効果を奏する。本具体例3は、上述した本発明の実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏する。
【0510】
鞍乗型車両走行データ処理装置301が教習支援システムである。そして、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、例えば、車両用装置304から教官用装置305に出力されてよい。この場合の教官用装置305は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を表示する端末装置、表示装置または第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を印刷する印刷装置である。第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を教官用装置に送信することで、ライダーRの運転技術および/または自動二輪車310の特徴を強く反映したデータを表示または印刷することができる。
【0511】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13で出力される第1鞍乗型車両走行複合データD3c1が、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1および第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1に基づいたイメージデータを含む場合、下記の効果が得られる。
この第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1と、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの自動二輪車310の車両前方向の加速度を高い精度で示す。さらに、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1と、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの自動二輪車310の車両前方向の加速度との関連性を明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を示す第1アプローチ旋回軌跡データDTb1および第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの自動二輪車310の車両前方向の加速度を示す第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1の精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置301のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0512】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13で出力される第1鞍乗型車両走行複合データD3c1が、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1および第1アプローチ旋回左右方向加速度データに基づいたイメージデータを含む場合、下記の効果が得られる。
この第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1と第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの自動二輪車310の車両左右方向の加速度を高い精度で示す。さらに、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1と第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの自動二輪車310の車両左右方向の加速度との関連性を明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を示す第1アプローチ旋回軌跡データDTb1および第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの鞍乗型車両の車両左右方向の加速度を示す第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1の精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置301のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0513】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13で出力される第1鞍乗型車両走行複合データD3c1が、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1および第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1に基づいたイメージデータと、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1および第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1に基づいたイメージデータの両方を含む場合、下記の効果が得られる。
このようなイメージデータにより、旋回前の車両前方向の減速が終了する時点と、旋回により車両左右方向の加速度がゼロから増加する時点との間に間隔があるかどうか判別しやすい。旋回前の車両前方向の減速が終了する時点と、旋回により車両左右方向の加速度が増加する時点との間に間隔がある場合、縮んだ状態のフロントサスペンションが一旦伸びて再び縮んでいる。フロントサスペンションが伸縮すると自動二輪車310の姿勢が変化する。そのため、このようなイメージデータを含む第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、ライダーRの運転技術および/または自動二輪車110の特徴がより明確に反映される。そのため、鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13で出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、様々な使い方がなされる。第1鞍乗型車両走行複合データD3c1として関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1に加えて、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1を含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置301で処理されるデータの種類が少ない。また、鞍乗型車両走行データ処理装置301のプロセッサ302が出力する第1鞍乗型車両走行複合データD3c1のデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データD3c1を出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置301のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0514】
鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13で出力される第1鞍乗型車両走行複合データD3c1が、自動二輪車310の車両前方向の加速度を縦軸とし、自動二輪車310の車両左右方向の加速度を横軸としたグラフのイメージデータを含む場合、下記の効果が得られる。
この第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの自動二輪車310の車両前方向の加速度と自動二輪車310の車両左右方向の加速度との関連性をより明確に示す。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの自動二輪車310の車両前方向の加速度を示す第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1および第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの自動二輪車310の車両左右方向の加速度を示す第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1の精度を確保するために、処理能力やメモリ容量の大きいハードウェアリソースが不要になる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置301のプロセッサ102やメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
さらに、このグラフのイメージデータにより、旋回前の車両前方向の減速が終了する時点と、旋回により車両左右方向の加速度がゼロから増加する時点との間に間隔があるかどうか判別しやすい。旋回前の車両前方向の減速が終了する時点と、旋回により車両左右方向の加速度が増加する時点との間に間隔がある場合、縮んだ状態のフロントサスペンションが一旦伸びて再び縮んでいる。フロントサスペンションが伸縮すると自動二輪車310の姿勢が変化する。そのため、このようなグラフのイメージデータを含む第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、ライダーRの運転技術および/または自動二輪車110の特徴がより明確に反映される。そのため、鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13で出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、様々な使い方がなされる。第1鞍乗型車両走行複合データD3c1として関連付けられるデータが、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1に加えて、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1を含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置301で処理されるデータの種類が少ない。また、鞍乗型車両走行データ処理装置301のプロセッサ302が出力する第1鞍乗型車両走行複合データD3c1のデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データD3c1を出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置301のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0515】
(具体例3の変形例)
次に、本発明の実施形態の具体例3の変形例について図17を参照しつつ説明する。本具体例3の変形例の鞍乗型車両走行データ処理装置301は、上述した本発明の実施形態の具体例3の鞍乗型車両走行データ処理装置301の特徴を全て有する。なお、以下の説明において、上述した本発明の実施形態の具体例3と同じ部位または処理についての説明は適宜省略する。図17に示すように、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、車両用装置304および出力装置305を含む。出力装置305は、表示装置305a、印刷装置305bの少なくともいずれかを含む。具体例3において、出力装置305は、教官用装置または教習者用装置である。車両用装置304は、インターネット306を介して、出力装置305である表示装置305aおよび印刷装置305bとデータ通信可能に接続されている。また、車両用装置304は、インターネット306を介して、撮像装置308を含む撮影ユニット320とデータ通信可能に接続されている。
【0516】
撮影ユニット320は、撮像装置308、車両検知センサ321、撮影制御装置322を含む。撮像装置308は、路面に固定設置される。例えば、撮像装置308は、定点カメラである。撮像装置308は、コーナーの近くに配置される。つまり、撮像装置308は、コーナー第1旋回領域Zd1の近くに配置される。撮像装置308は、旋回中の自動二輪車310の姿勢とライダーRの姿勢を撮影できるように配置および設定されている。
【0517】
車両検知センサ321は、自動二輪車310が所定位置にいることを検知するためのセンサである。自動二輪車310には、ICタグ311が搭載されている。ICタグ311は、車両ID(identifier)が記憶されている。車両IDには、ライダー識別データDIが含まれている。車両検知センサ321は、所定位置にいる自動二輪車310のICタグ311を検出するためのポーリング信号を所定の時間間隔で出力する。ICタグ311は、ポーリング信号を受信すると、当該ポーリング信号に対するレスポンス信号を出力する。車両検知センサ321は、ICタグ311のレスポンス信号を受信したときに、自動二輪車310が所定位置にいることを検知する。また、このとき、ICタグ311から出力されるレスポンス信号には、ICタグ311に記憶されたライダー識別データDIが含まれている。車両検知センサ321は、レスポンス信号を受信したときには、そのレスポンス信号に含まれているライダー識別データDIを撮影制御装置322に送信する。撮影制御装置322は、車両検知センサ321から受信したライダー識別データDIに基づいて、所定位置にいる自動二輪車310に乗車するライダーRを識別することができる。
【0518】
撮影制御装置322は、鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304から撮影開始指示を受信する。この撮影指示には、撮影対象となる自動二輪車310に乗車するライダーRのライダー識別データDIが含まれている。撮影制御装置322は、図示しない記憶部を有する。撮影制御装置322は、撮影指示を受信したときには、この撮影指示に含まれるライダー識別データDIを記憶部に格納する。撮影制御装置322は、撮影制御装置322の記憶部に記憶されているライダー識別データDIに対応する自動二輪車310が所定位置にいるときに、撮影装置308が撮影するように制御する。具体的には、撮影制御装置322は、車両検知センサ321からライダー識別データDIを受信したときに、所定位置にいる自動二輪車310を識別する。撮影制御装置322は、所定位置にいる自動二輪車310が、撮影対象の自動二輪車310であると判断した場合に、所定位置にいる自動二輪車310を撮影するように撮像装置308を制御する。この後、撮影制御装置322は、撮像装置308により生成された旋回姿勢データD3RVを鞍乗型車両走行データ処理装置301に送信する。本具体例3の変形例では、撮像装置308により生成された旋回姿勢データD3RVは、写真のデータである。
【0519】
なお、撮像装置308は、旋回中の自動二輪車310とライダーRを撮影できるように配置および設定されていれば、路面に固定設置されていなくてもよい。また、撮影ユニット320は、旋回中の自動二輪車310の姿勢とライダーRの姿勢を撮影できる撮像装置308を含んでいればよく、車両検知センサ321および撮影制御装置322を有さなくてもよい。
【0520】
撮像装置308により生成された旋回姿勢データD3RVは、旋回中の自動二輪車310の姿勢に関連する旋回車両姿勢データD3Vを含む。撮像装置308は、第1旋回領域Zd1の所定位置にいる自動二輪車310の姿勢を撮影可能となるよう、撮像装置308の向きや視野角などの撮影条件が予め調整されている。詳細には、撮像装置308の撮影条件は、旋回車両姿勢データD3V(旋回姿勢データD3RV)が、旋回中の自動二輪車310のロール角、ピッチ角、前輪11(操舵車輪)の操舵角の少なくともいずれか1つに関連するように設定されている。
【0521】
撮像装置308により生成された旋回姿勢データD3RVは、旋回中の自動二輪車310に乗車するライダーRの姿勢に関連する旋回ライダー姿勢データD3Rを含む。撮像装置308は、第1旋回領域Zd1の所定位置にいる自動二輪車310に乗車したライダーRの姿勢を撮影可能となるよう、撮像装置308の向きや視野角などの撮影条件が予め調整されている。詳細には、撮像装置308の撮影条件は、旋回ライダー姿勢データD3R(旋回姿勢データD3RV)が、ライダーRの頭の向き、肩の位置、脚の位置、尻の位置、および、股の位置の少なくともいずれか1つに関連するように設定されている。
【0522】
なお、本具体例3の変形例では、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、複数の撮影ユニットに接続されてもよい。各撮影ユニットの撮像装置は、互いに異なるコーナーを旋回中の自動二輪車310を撮影できるように配置される。この場合、各撮影ユニットには、撮像装置が配置されるコーナーの位置を示す位置データが記憶されている。また、撮影制御装置322は、撮影日時データを生成する。詳細には、撮影制御装置322は、撮像装置308で撮影した日時データを、撮影日時データとして不図示の内部時計などに基づき生成する。撮影制御装置322は、撮像装置308により生成されたイメージデータと共に、コーナーの位置データおよび撮影日時データを、鞍乗型車両走行データ処理装置301に送信する。また、撮影制御装置322から鞍乗型車両走行データ処理装置301に送信されるデータは、コーナーの位置データに関連付けられて撮影ユニットに記憶された旋回方向に関する旋回データを含んでいてもよい。
【0523】
ライダーIDなどのライダー識別データDIは、タッチパネル28によりライダーRによって入力されて、ICタグ311に記憶される車両IDに関連付けられる。また、ICタグ311には、車両IDに関連付けられて、自動二輪車310のカテゴリーに関するカテゴリーデータおよび自動二輪車310の排気量に関する排気量データが予め記憶される。
【0524】
本具体例3の変形例において、記憶部303に記憶された複数の鞍乗型車両走行複合データD3cの一例を図18に示す。図18の鞍乗型車両走行複合データD3cは、鞍乗型車両走行複合データD3cを生成するために使用されたデータを含んでいる。図18の鞍乗型車両走行複合データD3cは、図14に示すような鞍乗型車両走行複合データD1cに含まれるデータに加えて、属性を示すメタデータを含む。メタデータは、この例では、撮影日時データ、コーナーの位置データ、旋回方向データ、カテゴリーデータおよび排気量データである。
【0525】
表示装置305aは、教官または教習者であるライダーRが有する例えばタブレット端末等の情報端末である。表示装置305aは、表示部305a1と、データ取得部305a2と、表示制御部305a3と、入力部305a4とを有する。表示部305a1は、情報を表示可能に構成される。データ取得部305a2は、鞍乗型車両走行データ処理装置301から出力された鞍乗型車両走行複合データD3cを取得する。表示制御部305a3は、データ取得部305a2が取得した鞍乗型車両走行複合データD3cを表示部305a1の1つの画面上に同時に表示させる。入力部305a4は、タッチパネル等であり、ユーザ操作による入力を受け付ける。
【0526】
印刷装置305bは、印刷部305b1と、データ取得部305b2と、印刷制御部305b3とを有する。印刷部305b1は、情報を用紙に印刷可能に構成される。データ取得部305b2は、鞍乗型車両走行データ処理装置301から出力された鞍乗型車両走行複合データD3cを取得する。印刷制御部305b3は、データ取得部305b2が取得した鞍乗型車両走行複合データD3cを印刷部305b1によって1枚の用紙の同一面に印刷させる。なお、印刷装置305bは、表示装置305aにデータ通信可能に接続された印刷装置であってもよい。
【0527】
鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304は、記憶部303に記憶された鞍乗型車両走行複合データD3cを表示装置305aまたは印刷装置305bの少なくともいずれかに出力する。車両用装置304は、例えば、表示装置305aからの鞍乗型車両走行複合データ出力指令に基づいて、鞍乗型車両走行複合データD3cを表示装置305aに出力する。車両用装置304は、例えば、印刷装置305bからの鞍乗型車両走行複合データ出力指令に基づいて、鞍乗型車両走行複合データD3cを印刷装置305bに出力する。車両用装置304は、例えば、表示装置305aから印刷装置305bへの鞍乗型車両走行複合データ出力指令に基づいて、鞍乗型車両走行複合データD3cを印刷装置305bに出力する。表示装置305aの表示部305a1に表示される第1鞍乗型車両走行複合データD3c1の一例を図19に示す。図19の例では、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1を運転技術情報Iとして表示する。表示装置305aの表示部305a1で表示される運転技術情報Iの表示用データは、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1に基づいて、車両用装置304で生成される。なお、表示装置305aの表示部305a1で表示される運転技術情報Iの表示用データは、車両用装置304から出力された第1鞍乗型車両走行複合データD3c1に基づいて、表示制御部305a3で生成されてもよい。なお、印刷装置305bも同様に、図19に示す第1鞍乗型車両走行複合データD3c1を運転技術情報Iとして用紙に印刷する。印刷装置305bの印刷部305b1で印刷される運転技術情報Iの印刷用データは、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1に基づいて、車両用装置304で生成される。なお、印刷装置305bの印刷部305b1で印刷される運転技術情報Iの印刷用データは、車両用装置304から出力された第1鞍乗型車両走行複合データD3c1に基づいて、印刷制御部305b3で生成されてもよい。図19の例では、運転技術情報Iは、第1イメージIM1および第2イメージIM2を含む第1鞍乗型車両走行複合データD3c1と、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1に関連する属性情報MIとを含む。
【0528】
属性情報MIは、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1に関連する属性情報であって、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1に関連する第1ライダー識別データDIとメタデータを含む属性データの表示である。図19の例では、メタデータは、撮影日時データ、コーナーの位置データ、旋回方向データ、カテゴリーデータおよび排気量データである。
【0529】
第1イメージIM1は、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1として関連付けられた第1アプローチ旋回軌跡データDTb1および第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1を基に、車両用装置304で生成されるイメージデータの表示である。本具体例3の変形例では、第1イメージIM1は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1が示す自動二輪車310の走行軌跡を、自動二輪車310の車両前方向の加速度に応じた表示形態で表したコンピュータグラフィックスである。より詳細には、第1イメージIM1は、走行軌跡の各位置を、その位置での自動二輪車310の車両前方向の加速度に応じて色のグラデーションで表したコンピュータグラフィックスである。図19では便宜上、色のグラデーションを、斜線のハッチングも使って表現している。図19では便宜上モノクロ表示で表現されているが、カラー表示で表現されてもよい。
【0530】
第2イメージIM2は、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1として関連付けられた第1アプローチ旋回軌跡データDTb1および第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1を基に構成されるイメージデータの表示である。第2イメージIM2は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1が示す自動二輪車310の走行軌跡を、自動二輪車310の車両左右方向の加速度に応じた表示形態で表したコンピュータグラフィックスである。より詳細には、第2イメージIM2は、走行軌跡の各位置を、その位置での自動二輪車310の車両左右方向の加速度に応じて色のグラデーションで表したコンピュータグラフィックスである。図19では便宜上、色のグラデーションを、斜線のハッチングも使って表現している。図19では便宜上モノクロ表示で表現されているが、カラー表示で表現されてもよい。
【0531】
図19に示すように、第1イメージIM1および第2イメージIM2は、進行方向の表示を含んでもよい。図19の例では、進行方向の表示は、矢印である。進行方向の表示は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1が示す走行軌跡における、自動二輪車310の進行方向を示す。
【0532】
運転技術情報Iが第1イメージIM1および第2イメージIM2を含むことで、運転技術情報Iを視認した教官などの評価者が、ライダーRの運転技術および/または自動二輪車310の特徴を把握しやすい。運転技術情報Iを視認したライダーRが、自身の運転技術の課題などを視覚的に理解できる。具体的には、例えば、教官などの評価者は、第1イメージIM1および第2イメージIM2から、フロントサスペンションの伸縮状態を推定できる。教官は、第1イメージIM1および第2イメージIM2を教習生に見せながら、教習生に対して、フロントサスペションの挙動を踏まえた運転操作のアドバイスをしてもよい。例えば、ある程度の技術レベルを有するライダーに対しては、フロントサスペンションの縮みが戻らないような減速の仕方をアドバイスしてもよい。また、初級レベルのライダーに対しては、フロントサスペンションの縮みが十分に戻ってから旋回を開始できるような減速の仕方をアドバイスしてもよい。
【0533】
第3イメージIM3は、第1旋回姿勢データD3RV1の表示である。つまり、第3イメージIM3は、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1として関連付けられた第1旋回車両姿勢データD3V1および第1旋回ライダー姿勢データD3R1を含むイメージデータの表示である。図19では便宜上モノクロ表示で表現されているが、カラー表示で表現されてもよい。
【0534】
運転技術情報Iが第3イメージIM3をさらに含むことで、運転技術情報Iを視認した教官などの評価者が、ライダーRの運転技術および/自動二輪車310の特徴をより把握しやすい。また、運転技術情報Iを視認したライダーRが、自身の運転技術の課題などを視覚的に理解できる。
【0535】
また、図示は省略するが、第1イメージIM1および第2イメージIM2は、撮影位置の表示を含んでもよい。撮影位置の表示は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1が示す走行軌跡における、第3イメージIM3を取得した撮影ユニット320の撮影位置を示す。撮影位置の表示があることで、運転技術情報Iを視認した教官などの評価者が、第1イメージIM1と第3イメージIM3との関係性および第2イメージIM2と第3イメージIM3との関係性をより明確に把握することが可能となる。
【0536】
第3イメージIM3は、旋回中の一時点だけの自動二輪車310の姿勢やライダーRの姿勢を示す。第3イメージIM3を含む第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、ライダーRの運転技術および/または自動二輪車310の特徴を強く反映している。そのため、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1が、第3イメージIM3を含むように表示されることで、それらを視認した教官などの評価者が、ライダーRの運転技術および/または自動二輪車310の特徴を把握しやすい。つまり、第3イメージIM3が、旋回中の複数時点における自動二輪車310の姿勢やライダーRの姿勢を示すイメージでなくても、第1イメージIM1と第3イメージIM3を含む運転技術情報Iを視認した評価者は、ライダーRの運転技術および/または自動二輪車310の特徴を把握しやすい。それに加えて、ライダーRが、自身の運転技術および/または自動二輪車310の特徴を視覚的に理解できる。
【0537】
なお、本具体例3の変形例では、出力装置305である表示装置305aが教官用装置であってもよい。そして、教官用装置305である表示装置305aの記憶部(図示せず)には、特定のライダーの鞍乗型車両走行複合データを検索する鞍乗型車両走行複合データ検索アプリケーションプログラムが記憶されてもよい。表示装置305aは、入力部305a4を介したユーザ操作に基づいて、この運転技術情報検索アプリケーションプログラムを起動することができる。以下、運転技術情報検索アプリケーションプログラムの処理の手順の一例について、図20図22に基づいて説明する。図20は、運転技術情報検索アプリケーションプログラムに基づいた、鞍乗型車両走行データ処理装置301に含まれる、出力装置305である表示装置305aと車両用装置304との間の処理の手順の一例を示している。
【0538】
図20に示すように、表示装置305aは、入力部305a4を介したユーザ操作に基づいて、運転技術情報出力アプリケーションプログラムを起動する(B1)。表示装置305aは、インターネット306を介して、属性データ項目の送信を指示する属性データ項目送信指示を、車両用装置304に送信する(B2)。車両用装置304は、インターネット306を介して、属性データ項目送信指示を取得する(B3)。車両用装置304は、記憶部303から、属性データ項目を抽出する(B4)。属性データ項目は、属性データの項目である。属性データ項目は、例えば、ライダー識別データDI、コーナーの位置データ、撮影日時データ、カテゴリーデータ、および排気量データである。鞍乗型車両走行データ処理装置301は、抽出した属性データ項目を、インターネット306を介して表示装置305aに送信する(B5)。そして、表示装置305aのデータ取得部305a2が、インターネット306を介して属性データ項目を取得する(B6)。
【0539】
表示装置305aは、例えば、図21に示す検索画面DS1を表示部305a1に表示する(B7)。検索画面DS1は、鞍乗型車両走行複合データD3cを検索するための検索条件をユーザが設定するための画面である。検索画面DS1では、B6で取得した各属性データ項目について、検索条件を設定するための条件設定欄351が設けられている。詳細には、検索画面DS1には、ライダー設定欄351a、位置設定欄351b、旋回方向設定欄351c、カテゴリー設定欄351d、排気量設定欄351e、期間設定欄351fが条件設定欄351として設けられている。
【0540】
ライダー設定欄351aは、検索対象とするライダーRのライダーIDを設定する設定欄である。このライダー設定欄351aでは、検索可能なライダーIDのリストをプルダウンメニューなどの形態で表示されている。
【0541】
位置設定欄351bは、撮像装置が配置されるコーナーの位置データを設定するための設定欄である。旋回方向設定欄351cは、自動二輪車310の旋回方向に関する旋回データを設定するための設定欄である。カテゴリー設定欄351dは、自動二輪車310のカテゴリーに関するカテゴリーデータを設定するための欄である。排気量設定欄351eは、自動二輪車310の排気量に関する排気量データを設定するための欄である。これら条件設定欄351b〜351eそれぞれについても、設定可能なデータのリストをプルダウンメニューなどの形態で表示されている。期間設定欄351fは、自動二輪車310の撮影日時データの検索範囲を設定するための欄である。
【0542】
表示装置305aは、ユーザにより各データ項目についての検索条件が設定されると、インターネット306を介して、検索条件を、車両用装置304に送信する(B8)。車両用装置304は、その検索条件に合致する属性データを抽出する(B9)。車両用装置304は、抽出された属性データを、インターネット306を介して、表示装置305aに送信する(B10)。そして、表示装置305aは、図22に示す選択画面DS2を表示部305a1に表示する(B11)。選択画面DS2は、運転技術データを生成する際に出力される鞍乗型車両走行複合データD3cをその属性データに基づいてユーザが選択するための画面である。選択画面DS2には、B6の処理で抽出した、検索条件に合致する鞍乗型車両走行複合データD3cに含まれる属性データを示す属性情報355が表示されている。また、選択画面DS2において、属性情報355に対応付けてチェックボックス356が設けられている。チェックボックス356は、ユーザが、出力される鞍乗型車両走行複合データD3cをその属性データに基づいて選択するためのものである。また、選択画面DS2には、鞍乗型車両走行複合データD3cの出力先となる出力装置305を設定するための出力設定欄357などが表示されている。
【0543】
ユーザにより、出力される鞍乗型車両走行複合データD3cに含まれる属性データが選択されると、表示装置305aは、選択された属性データを、インターネット306を介して、車両用装置304に送信する(B12)。車両用装置304は、インターネット306を介して、選択された属性データを取得する(B13)。車両用装置304は、取得した属性データを含む鞍乗型車両走行複合データD3cを、記憶部303から抽出する(B14)。
【0544】
車両用装置304は、抽出した鞍乗型車両走行複合データD3cを、インターネット306を介して、出力装置305である表示装置305aに送信する(B15)。なお、ここでいう出力装置305は表示装置305aに限らない。表示装置305aは、鞍乗型車両走行複合データD3cを取得し(B16)、取得した鞍乗型車両走行複合データD3cを表示部305a1に表示する(B17)。
【0545】
さらに、本具体例3の変形例では、出力装置305である表示装置305aが教習者用装置であってもよい。そして、教習者用装置305である表示装置305aの記憶部(図示せず)には、教習者である各ライダーの鞍乗型車両走行複合データを表示する鞍乗型車両走行複合データ表示アプリケーションプログラムが記憶されてもよい。表示装置305aは、入力部305a4を介したユーザ操作に基づいて、この運転技術情報表示アプリケーションプログラムを起動することができる。以下、運転技術情報表示アプリケーションプログラムの処理の手順の一例について、図23に基づいて説明する。図23は、運転技術情報表示アプリケーションプログラムに基づいた、鞍乗型車両走行データ処理装置301に含まれる、出力装置305である表示装置305aと車両用装置304との間の処理の手順の別の一例を示している。この例では、表示装置305aは、各ライダーRが所有する端末である。表示装置305aには、この表示装置305aを所有するライダーRのライダー識別データDIが記憶されている。そして、本具体例3の変形例では、表示装置305aが、鞍乗型車両走行複合データ表示アプリケーションプログラムを起動した場合には、この表示装置305aを所有するライダーRに関連した第1鞍乗型車両走行複合データD3c1が表示部305a1に表示されるように構成されている。
【0546】
表示装置305aは、入力部305a4を介したユーザ操作に基づいて、鞍乗型車両走行複合データ表示アプリケーションプログラムを起動する(C1)。そして、表示装置305aは、記憶されたライダー識別データDIを含む第1鞍乗型車両走行複合データ送信指示を、インターネット306を介して車両用装置304に送信する(C2)。車両用装置304は、インターネット306を介して、ライダー識別データDIを含む第1鞍乗型車両走行複合データ送信指示を取得する(C3)。車両用装置304は、取得したライダー識別データと同じライダー識別データDIを含む鞍乗型車両走行複合データD3cを、記憶部303から抽出する(C4)。
【0547】
車両用装置304は、抽出した鞍乗型車両走行複合データD3cを、インターネット306を介して、表示装置305aに送信する(C5)。表示装置305aは、鞍乗型車両走行複合データD3cを取得し(C6)、取得した鞍乗型車両走行複合データD3cを表示部305a1に表示する(C7)。
【0548】
なお、具体例3の変形例の鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304は、記憶部303に記憶された鞍乗型車両走行一体複合データD3uを表示装置305aまたは印刷装置305bの少なくともいずれかに出力してもよい。表示装置305aの表示部305a1に表示される鞍乗型車両走行一体複合データD3uの一例を図24に示す。図24の例では、相違ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3udを運転技術情報I2として表示する。表示装置305aの表示部305a1で表示される運転技術情報I2の表示用データは、相違ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3udに基づいて、車両用装置304で生成される。なお、表示装置305aの表示部305a1で表示される運転技術情報I2の表示用データは、車両用装置304から出力された相違ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3udに基づいて、表示制御部305a3で生成されてもよい。なお、印刷装置305bも同様に、図24に示す相違ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3udを運転技術情報I2として用紙に印刷する。印刷装置305bの印刷部305b1で印刷される運転技術情報I2の印刷用データは、相違ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3udに基づいて、車両用装置304で生成される。なお、印刷装置305bの印刷部305b1で印刷される運転技術情報I2の印刷用データは、車両用装置304から出力された相違ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3udに基づいて、印刷制御部305b3で生成されてもよい。図24の例では、運転技術情報I2は、ライダーRaに関する第1イメージIM11、第2イメージIM21および第3イメージIM31を含む第1鞍乗型車両走行複合データD3c1と、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1に関連する属性情報MI1とを含む。さらに、運転技術情報I2は、ライダーRbに関する第1イメージIM12、第2イメージIM22および第3イメージIM32を含む第2鞍乗型車両走行複合データD3c2と、第2鞍乗型車両走行複合データD3c2に関連する属性情報MI2とを含む。ライダーRaとライダーRbは、例えば、教官と教習生であってもよい。つまり、運転技術情報I2として表示される相違ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3udは、教官と教習生の鞍乗型車両走行複合データD3cに基づいて生成されていてもよい。この場合、教官と教習生は、教習者の画像と教官の画像とを比較することで、教習者の運転技術のレベルを把握しやすい。また、教習者の運転技術の課題を視覚的により理解しやすい。
【0549】
表示または印刷される鞍乗型車両走行一体複合データD3uは、同一ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3usであってもよい。表示または印刷される同一ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3usは、例えば、教習会の最初に取得された鞍乗型車両走行複合データD3cと、同じ教習会の最後に取得された鞍乗型車両走行複合データD3cに基づいていてもよい。この場合、教官と教習生は、教習会における自身の運転技術の成長度を視覚的に把握することができる。
【0550】
本具体例3の変形例は、具体例3と同様の効果を奏する。本具体例3の変形例は、上述した本発明の実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏する。
【0551】
鞍乗型車両走行データ処理装置301が教習支援システムである。そして、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1は、例えば、車両用装置304から教官用装置305に出力されてよい。この場合の教官用装置305は、例えば、教官が所有する、第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を表示する表示装置305aまたは第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を印刷する印刷装置305bである。第1鞍乗型車両走行複合データD1c1を教官用装置305に送信することで、ライダーRの運転技術および/または自動二輪車310の特徴を強く反映したデータを表示または印刷することができる。また、第1鞍乗型車両走行複合データDc1は、例えば、車両用装置304から教習者用装置305に出力されてよい。この場合の教習者用装置305は、例えば、ライダーRが所有する、第1鞍乗型車両走行複合データDc1を表示する端末装置である。第1鞍乗型車両走行複合データDc1を教習者用装置305に送信することで、ライダーRの運転技術および/または自動二輪車310の特徴を強く反映したデータを表示することができる。
【0552】
鞍乗型車両走行データ処理装置301のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上するためには、処理するデータの種類およびデータ量の少なくとも一方を低減する必要がある。本願発明者らは、鞍乗型車両走行データ処理装置301が処理するライダーの運転技術および/または車両の特徴に関連するデータの種類とデータ量が多くなる理由を検討したところ、次の2つの理由であることがわかった。1つ目の理由は、鞍乗型車両の姿勢の変化が、乗用車の姿勢の変化と比べて大きいことである。また、2つ目の理由は、ライダーの運転技術のバラツキが大きいことである。本願発明者らは、鞍乗型車両の走行中において、鞍乗型車両の姿勢の変化やライダーの運転技術のバラツキが大きい動作を調べたところ、鞍乗型車両の旋回中と旋回直前であることがわかった。そこで、本願発明者らは、旋回中と旋回直前の鞍乗型車両の挙動を示すデータが、ライダーの運転技術および/または車両の特徴との相関性が高いことがわかった。鞍乗型車両走行データ処理装置が取得するデータに、ライダーの運転技術および/または車両の特徴との相関性の高い旋回中および旋回直前の鞍乗型車両の挙動を示すデータを入れたことで、鞍乗型車両走行複合データに基づいて、バラツキの多い動作に基づいてライダーの運転技術および/または車両の特徴を把握することができる。つまり、鞍乗型車両走行複合データは、出力対象に出力された後、活用されやすい。また、出力する鞍乗型車両走行複合データとしてイメージデータを使ったことで、出力される鞍乗型車両走行複合データのデータの種類を減らして、視覚的に一度でライダーの運転技術および/または車両の特徴を把握することができる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置301のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本具体例3の変形例の鞍乗型車両走行データ処理装置301は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、本具体例3の変形例の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ処理装置301のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、本具体例3の変形例の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ処理装置301のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
以上のように、本具体例3の変形例の鞍乗型車両走行データ処理装置301は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、本具体例3の変形例の鞍乗型車両走行データ処理方法は、鞍乗型車両走行データ処理装置301のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、本具体例3の変形例の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ処理装置301のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0553】
(実施形態の変更例)
本発明は、上述した実施形態と、具体例1〜3と、具体例3の変形例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。以下、本発明の実施形態の変更例について説明する。なお、上述した構成と同じ構成を有するものについては、同じ符号を用いて適宜その説明を省略する。上述の実施形態、実施形態の具体例、および後述する変更例は、適宜組み合わせて実施可能である。
【0554】
本発明の実施形態の具体例1において、鞍乗型車両走行データ処理装置101はECU60に含まれる。そして、本発明の実施形態の具体例1において、ECU60のプロセッサ102は、鞍乗型車両走行データ処理プログラム、エンジン制御およびブレーキ制御を実行する。本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、データ処理ECU、エンジン制御ECUおよびブレーキ制御ECUがデータ通信可能に接続されて構成されて良い。データ処理ECUは、鞍乗型車両走行データ処理プログラムを実行する。エンジン制御ECUは、エンジン制御を実行する。ブレーキ制御ECUは、ブレーキ制御を実行する。データ処理ECU、エンジン制御ECUおよびブレーキ制御ECUは、それぞれ、CPUなどの少なくとも1つのプロセッサ、および、ROM、RAMなどの少なくとも1つの記憶装置で構成されている。また、発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、データ処理ECU、並びに、エンジン制御およびブレーキ制御を行う1つのECUがデータ通信可能に接続されて構成されて良い。
【0555】
本発明の実施形態の具体例3の変形例において、表示装置305aの表示部305a1に表示される第1鞍乗型車両走行複合データD3c1の一例を図19に示した。図19では、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1に含まれる、第1アプローチ旋回軌跡Tb1と、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの自動二輪車310の車両前方向の加速度が表示されている。本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、第1環状軌跡Ta1と、第1環状軌跡Ta1を走行したときの自動二輪車310の車両前方向の加速度とを、表示装置305aの表示部305a1に表示してもよい。図19では、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1に含まれる、第1アプローチ旋回軌跡Tb1と、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの自動二輪車310の車両左右方向の加速度が表示されている。本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、第1環状軌跡Ta1と、第1環状軌跡Ta1を走行したときの自動二輪車310の車両左右方向の加速度とを、表示装置305aの表示部305a1に表示してもよい。
【0556】
本発明の実施形態の具体例3の変形例において、表示装置305aの表示部305a1に表示される第1鞍乗型車両走行複合データD3c1の一例を図19に示した。表示装置305aの表示部305a1に表示される第1鞍乗型車両走行複合データD3c1の別の一例を図25に示す。図25の例では、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1を運転技術情報I3として表示する。表示装置305aの表示部305a1で表示される運転技術情報I3の表示用データは、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1に基づいて、車両用装置304で生成される。なお、表示装置305aの表示部305a1で表示される運転技術情報I3の表示用データは、車両用装置304から出力された第1鞍乗型車両走行複合データD3c1に基づいて、表示制御部305a3で生成されてもよい。なお、印刷装置305bも同様に、図25に示す第1鞍乗型車両走行複合データD3c1を運転技術情報I3として用紙に印刷する。印刷装置305bの印刷部305b1で印刷される運転技術情報I3の印刷用データは、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1に基づいて、車両用装置304で生成される。なお、印刷装置305bの印刷部305b1で印刷される運転技術情報I3の印刷用データは、車両用装置304から出力された第1鞍乗型車両走行複合データD3c1に基づいて、印刷制御部305b3で生成されてもよい。図25に示すように、運転技術情報I3は、第1イメージIM1、第2イメージIM2、第3イメージIM33および第4イメージIM4を含む第1鞍乗型車両走行複合データD3c1と、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1に関連する属性情報MIとを含む。
【0557】
第4イメージIM4は、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1として関連付けられた第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1および第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1を基に車両用装置304で生成されるイメージデータの表示である。第4イメージIM4は、縦軸を車両前方向加速度とし、横軸を車両左右方向としたグラフである。第4イメージIM4を視認した評価者は、ライダーRの運転技術および/または自動二輪車310の特徴をより詳細に把握することができる。また、第4イメージIM4を視認したライダーRは、自身の運転技術および/または自動二輪車310の特徴をより理解しやすい。
【0558】
図25に示す第3イメージIM33は、図19に示す第3イメージIM3のような写真ではなく、コンピュータグラフィックスである。第3イメージIM33は、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1として関連付けられた第1旋回車両姿勢データD3V1および第1旋回ライダー姿勢データD3R1に基づいてコンピュータグラフィックス技術で作成された、自動二輪車310の姿勢およびライダーRの姿勢を表した線画である。例えば、ライダーRの姿勢の線図は、ライダーRの骨格モデル(スケルトンモデル)を表した線図と、ライダーRの頭の向き(視線の向き)を表した線図とを組み合わせたコンピュータグラフィックスである。骨格モデルは、例えば、複数の骨を関節でつないだモデルである。第3イメージIM33は、写真に比べて余分な情報が排除されている。そのため、第2イメージIM23を視認した評価者は、ライダーRの運転技術および/または自動二輪車310の特徴をより詳細に把握することができる。また、第3イメージIM33を視認したライダーRは、自身の運転技術および/または自動二輪車310の特徴を理解しやすい。なお、より詳細な運転技術を把握できる点では、第3イメージIM3のような写真の方が好ましい。第2イメージIM23のデータは、第2イメージIM2のデータよりもデータ量が少ない。従って、鞍乗型車両走行データ処理装置301で処理される第1鞍乗型車両走行複合データD3c1のデータ量を減らすことができる。つまり、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置301のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0559】
本発明の実施形態の具体例3の変形例において、鞍乗型車両走行一体複合データD3uは、同じライダー識別データDIに基づいて生成された複数の鞍乗型車両走行複合データD3cおよび異なるライダー識別データDIに基づいて生成された1つの鞍乗型車両走行複合データD3cに基づいて生成されてもよい。この場合に生成された鞍乗型車両走行一体複合データD3uを、混合ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3umとする。表示装置305aの表示部305a1に表示される混合ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3umの一例を図33に示す。図33の例では、混合ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3umを運転技術情報I4として表示する。表示装置305aの表示部305a1で表示される運転技術情報I4の表示用データは、混合ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3umに基づいて、車両用装置304で生成される。なお、表示装置305aの表示部305a1で表示される運転技術情報I4の表示用データは、車両用装置304から出力された混合ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3umに基づいて、表示制御部305a3で生成されてもよい。なお、印刷装置305bも同様に、図33に示す混合ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3umを運転技術情報I4として用紙に印刷する。印刷装置305bの印刷部305b1で印刷される運転技術情報I4の印刷用データは、混合ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3umに基づいて、車両用装置304で生成される。なお、印刷装置305bの印刷部305b1で印刷される運転技術情報I4の印刷用データは、車両用装置304から出力された混合ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3umに基づいて、印刷制御部305b3で生成されてもよい。図33の例では、運転技術情報I4は、ライダーRaに関する第1イメージIM11、第2イメージIM21、第3イメージIM31を含む第1鞍乗型車両走行複合データD3c1と、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1に関連する属性情報MI1とを含む。また、運転技術情報I4は、ライダーRbに関する第1イメージIM12、第2イメージIM22および第3イメージIM32を含む第2鞍乗型車両走行複合データD3c2と、第2鞍乗型車両走行複合データD3c2に関連する属性情報MI2とを含む。さらに、運転技術情報I4は、ライダーRbに関する第1イメージIM14、第2イメージIM24、および第3イメージ34を含む第4鞍乗型車両走行複合データD3c4と、第4鞍乗型車両走行複合データD3c4に関連する属性情報MI4とを含む。ライダーRaとライダーRbは、例えば、教官と教習生であってもよい。つまり、運転技術情報I4として表示される混合ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3umは、教官と教習生の鞍乗型車両走行複合データD3cに基づいて生成されていてもよい。この場合、教官と教習生では、教習会における教習生の運転技術の成長度を視覚的に把握することができる。また、教官と教習生は、教習者の3つのイメージと、教官の3つのイメージとを比較することで、教習生の運転技術を把握しやすい。また、教官と教習生は、教習者の運転技術の課題を視覚的により理解しやすい。
【0560】
また、本発明の実施形態の具体例3の変形例において、図33に示すように、運転技術情報I4は、解析情報AI1を含んでいてもよい。解析情報AI1は、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1と第2鞍乗型車両走行複合データD3c2のうち、属性データに含まれる撮影日時が後の方の鞍乗型車両走行複合データD3cに基づいて生成される。図33では、第2鞍乗型車両走行複合データD3c2に関連する属性データの撮影日時は、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1に関連する属性データの撮影日時よりも後である。解析情報AI1は、教習生であるライダーRaの運転技術に対するコメントを含んでいてもよい。コメントは、例えば、運転技術の評価であってもよく、運転技術に対する助言であってもよく、その両方であってもよい。車両用装置304の記憶部303は、運転技術に関連する複数のコメントを予め記憶している。車両用装置304のプロセッサ302は、コメントを作成する対象となる鞍乗型車両走行複合データD3c(図33では第2鞍乗型車両走行複合データD3c2)に基づいて、記憶部303に記憶された複数のコメントの中からコメントを選択する。より詳細には、プロセッサ302は、コメントを作成する対象となる鞍乗型車両走行複合データD3cを解析し、その解析結果を元に、複数のコメントの中からコメントを選択する。鞍乗型車両走行複合データD3cの解析には、他のデータを使用してもよい。車両用装置304は、選択されたコメントを含む解析情報AI1を含む運転技術情報I4の表示用データを生成する。
【0561】
車両用装置304の記憶部303は、運転技術に関連するコメントを生成するために必要な複数の要素を予め記憶しておいてもよい。そして、車両用装置304のプロセッサ302は、コメントを作成する対象となる鞍乗型車両走行複合データD3cに基づいて、記憶部303に記憶された複数の要素を組み合わせてコメントを生成してもよい。より詳細には、プロセッサ302は、コメントを作成する対象となる鞍乗型車両走行複合データD3cを学習プログラムにて学習させ、その学習結果を元に、複数の要素を組み合わせてコメントを作成する。鞍乗型車両走行複合データD3cの学習には、他のデータを使用してもよい。車両用装置304は、作成されたコメントを含む解析情報AI1を含む運転技術情報I4の表示用データを生成する。
【0562】
なお、解析情報AI1は、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1と第2鞍乗型車両走行複合データD3c2に基づいて生成されてもよい。例えば、解析情報AI1は、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1と第2鞍乗型車両走行複合データD3c2との差分に基づいた運転技術の成長度に関連するコメントを含んでいてもよい。この場合、車両用装置304の記憶部303は、運転技術の成長度に関連する複数のコメントを予め記憶している。解析情報AI1は、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1と第2鞍乗型車両走行複合データD3c2との差分に基づいて選択された運転技術の成長度に関連するコメントと、第2鞍乗型車両走行複合データD3c2に基づいて選択された運転技術に関連するコメントを含んでいてもよい。
【0563】
さらに、本発明の実施形態の具体例3の変形例において、図34に示すように、鞍乗型車両走行データ処理装置301の車両用装置304のプロセッサ302は、図11と同じ処理S11〜S13の後に、鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S40を実行する。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S40では、鞍乗型車両走行複合データ出力処理13で出力された、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1と第2鞍乗型車両走行複合データD3c2との差分である第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12を出力する。また、鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S40では、鞍乗型車両走行複合データ出力処理13で出力された、第2鞍乗型車両走行複合データD3c2と第3鞍乗型車両走行複合データD3c3との差分である第2鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c23を出力してもよい。また、鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S40では、鞍乗型車両走行複合データ出力処理13で出力された、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1と第3鞍乗型車両走行複合データD3c3との差分である第3鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c13を出力してもよい。
【0564】
なお、解析情報AI1は、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12に基づいて生成されてもよい。例えば、解析情報AI1は、第2鞍乗型車両走行複合データD3c2と第3鞍乗型車両走行複合データD3c3との差分である第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12に基づいて選択された運転技術に関連するコメントを含んでいてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データD3c1と第2鞍乗型車両走行複合データD3c2との差分である第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、教習生の運転技術の成長度を示す。この場合、車両用装置304の記憶部303は、運転技術の成長度に関連する複数のコメントを予め記憶している。解析情報AI1は、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1と第2鞍乗型車両走行複合データD3c2との差分である第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12に基づいて選択された運転技術の成長度に関連するコメントと、第2鞍乗型車両走行複合データD3c2に基づいて選択された運転技術に関連するコメントを含んでいてもよい。
【0565】
解析情報AI1は、第2鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c23に基づいて生成されてもよい。例えば、解析情報AI1は、第2鞍乗型車両走行複合データD3c2と第3鞍乗型車両走行複合データD3c3との差分である第2鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c23に基づいて選択された運転技術に関連するコメントを含んでいてもよい。第2鞍乗型車両走行複合データD3c2と第3鞍乗型車両走行複合データD3c3との差分である第2鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c23は、教官の運転技術と教習生の運転技術との差を示す。第2鞍乗型車両走行複合データD3c2と第3鞍乗型車両走行複合データD3c3との差分である第2鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c23を利用することにより、別のコースで教習を行う場合でも、教習生の運転技術を解析しやすい。そのため、教習生の運転技術に対するコメントとして、より適したコメントを選択または作成することができる。解析情報AI1は、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1と第3鞍乗型車両走行複合データD3c3との差分である第3鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c13に基づいて生成されてもよい。
【0566】
解析情報AI1は、第2鞍乗型車両走行複合データD3c2と第3鞍乗型車両走行複合データD3c3との差分である第2鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c23に基づいたコメントと、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1と第2鞍乗型車両走行複合データD3c2との差分である第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12に基づいたコメントを含んでいてもよい。解析情報AI1は、教習生であるライダーRaの運転技術の評価を示す記号を含んでいてもよい。解析情報AI1は、教官が作成したコメントの表示であってもよい。
【0567】
解析情報AI1は、図19に示す運転技術情報Iに含まれていてもよい。つまり、解析情報AI1は、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1と共に1つの画面上に表示され、第2鞍乗型車両走行複合データおよび第3鞍乗型車両走行複合データと共に1つの画面上に表示されなくてもよい。運転技術情報Iに含まれる解析情報AI1は、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1に基づいて生成される。
【0568】
解析情報AI1は、第1鞍乗型車両走行複合データと第2鞍乗型車両走行複合データと共に1つの画面上に表示され、第3鞍乗型車両走行複合データと共に1つの画面上に表示されなくてもよい。例えば、解析情報AI1は、図24に示す運転技術情報I2に含まれていてもよい。つまり、解析情報AI1は、相違ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3udを表示する運転技術情報Iに含まれていてもよい。また、解析情報AI1は、相違ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3udの代わりに、同一ライダー鞍乗型車両走行一体複合データD3usを表示する運転技術情報Iに含まれていてもよい。解析情報AI1は、図25に示す運転技術情報I3に含まれていてもよい。
【0569】
第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12、第2鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c23、および第3鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c13は、解析情報AI1のコメントの生成以外の用途に用いられてもよい。
【0570】
上述したように、アプローチ旋回軌跡データDTbおよびアプローチ旋回前方向加速度データDAbは、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。そのため、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1とが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データDc1と、第2アプローチ旋回軌跡データDTb2と第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2とが関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データDc2との差分である第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、ライダーRの運転技術の差および/または車両の特徴の差を強く反映している。
【0571】
鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S40で出力されたライダーRの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、種々な使い方がなされてよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S40において、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置301内の記憶部に出力されてもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S40において、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、鞍乗型車両走行データ処理装置301が有するプロセッサ302と同じまたは異なるプロセッサに出力されてもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S40において、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、鞍乗型車両走行データ処理装置301の外部のコンピュータに出力されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置301が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、例えば、車両用装置から教官用装置に出力されてよい。この場合の教官用装置は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12を表示する端末装置、表示装置または第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12を印刷する印刷装置である。また、鞍乗型車両走行データ処理装置301が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、例えば、表示装置または印刷装置である教官用装置に出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12を教官用装置に送信することで、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示または印刷することができる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置301が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、例えば、車両用装置から教習者用装置に出力されてよい。この場合の教習者用装置は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12を表示する端末装置である。第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12を教習者用装置に送信することで、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置301が鞍乗型車両制御装置の場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、例えば、鞍乗型車両制御装置内のエンジン制御またはブレーキ制御のためのプロセッサに出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、例えば、車両制御装置内で、記憶部に出力されてよい。そして、記憶部に出力された第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、エンジン制御またはブレーキ制御を実行する、鞍乗型車両走行データ処理装置301が有するプロセッサ302と同じまたは異なるプロセッサに出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12をエンジン制御またはブレーキ制御のために出力することで、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて、鞍乗型車両10のエンジン制御またはブレーキ制御を行うことができる。鞍乗型車両走行データ処理装置301が鞍乗型車両制御装置の場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、例えば、鞍乗型車両10が備える表示装置に出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12を表示装置に出力することで、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置301がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、例えば、データ収録システムに接続された外部記憶装置(二次記憶装置、補助記憶装置)に出力されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置301がデータ収録システムの場合、鞍乗型車両10の走行後、蓄積した第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12を、例えば、データ収録システムの外部の鞍乗型車両10の走行状態を解析するための解析装置に出力してもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12を解析装置に出力することで、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて解析することができる。外部記憶装置に記憶された第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、鞍乗型車両10の走行状態の解析に使用されてもよい。外部記憶装置に記憶された第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12を解析に使用することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて解析することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置301がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、データ収録システムの外部のコンピュータに出力されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置301が教習支援システムの場合、車両用装置、教官用装置または教習者用装置は、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12に基づいて、解析情報を生成してもよい。解析情報とは、例えば、鞍乗型車両10の乗り換えの案内、ツーリングコースの紹介、ライディングスクールの紹介、イベントの紹介、商品の紹介などに関する情報である。イベントは、運転講習会、ツーリング会、競技会などを含む。商品は、鞍乗型車両10自体や鞍乗型車両10の部品を含む。鞍乗型車両10の部品は、例えば、タイヤやバッテリーである。さらに、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、保険システム、販売システム、金融システムなどのデータ処理システムに用いられてよい。なお、教習支援システム、車両制御装置およびデータ収録システムは、鞍乗型車両走行データ処理装置の一例である。
【0572】
第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1とが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データDc1と、第2アプローチ旋回軌跡データDTb2と第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2が関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データDc2との差分である第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、ライダーRの運転技術の差および/または車両の特徴の差を強く反映している。そのため、ライダーRの運転技術の差および/または車両の特徴の差を強く反映したデータ差分を出力するために多数のデータを処理する場合に比べて、鞍乗型車両走行データ処理装置301が処理するデータの種類を抑えることができる。具体的には、例えば、取得するデータの種類を少なくすることができる。また、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置301のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12のデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12を出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置301のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0573】
第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12が、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1、および第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1が関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データDc1と、第2アプローチ旋回軌跡データDTb2、第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2、および第2アプローチ旋回左右方向加速度データDLb2が関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データDc2との差分である場合、さらに下記の効果が得られる。
鞍乗型車両10は、旋回時に、車両左右方向の速度が変化する。鞍乗型車両10は、車両の挙動の変化だけでなく、ライダーRの姿勢の変化も利用して旋回する乗り物である。そのため、旋回中と旋回前の直進中の車両左右方向の加速度は、ライダーRの意思によって決まる鞍乗型車両10の走行状態と密接に関連している。また、旋回中と旋回前の直進中における鞍乗型車両10の走行軌跡と車両前方向の加速度と車両左右方向の加速度は密接に関連する。したがって、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1、および第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1が関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データDc1と、第2アプローチ旋回軌跡データDTb2、第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2、および第2アプローチ旋回左右方向加速度データDLb2が関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データDc2は、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。そのため、第1鞍乗型車両走行複合データDc1と第2鞍乗型車両走行複合データDc2との差分である第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置301で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12を出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置301のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
【0574】
鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S40において、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両10に乗車するライダーおよび第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両10に乗車するライダーに関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12が出力された場合、さらに下記の効果が得られる。
旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両10の走行軌跡と車両前方向の加速度は、ライダーRの意思によって決まる鞍乗型車両10の走行状態と密接に関連している。同じコーナーを走行した場合であっても、ライダーごとに鞍乗型車両10の走行状態は異なる。そのため、ライダーRの固有の運転技術を反映させた第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12を出力することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置301のプロセッサ302から出力されたライダーRの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、様々な使い方がなされる。また、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12が、第1ライダー識別データおよび第2ライダー識別データを含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置301で処理されるデータの種類が少ない。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置301は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置301のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0575】
なお、鞍乗型車両走行データ取得処理S11で取得される鞍乗型車両走行データに、アプローチ旋回左右方向加速度データDLbが含まれなくてもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S40で出力される第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1が関連付けられていない第1鞍乗型車両走行複合データDc1と、第2アプローチ旋回左右方向加速度データDLb2が関連付けられていない第2鞍乗型車両走行複合データDc2との差分であってもよい。
【0576】
鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、第1環状軌跡データDTa1と第2環状軌跡データDTa2とを含む環状軌跡データDTaが取得されてもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S40で出力される第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、第1環状軌跡データDTa1が関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データDc1と、第2環状軌跡データDTa2が関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データDc2との差分であってもよい。例えば、第1鞍乗型車両走行複合データDc1は、第1環状軌跡データDTa1と第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1が関連付けられたデータであってもよい。第2鞍乗型車両走行複合データDc2は、第2環状軌跡データDTa2と第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2と第2アプローチ旋回左右方向加速度データDLb2とが関連付けられたデータであってもよい。
【0577】
鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、第1環状前方向加速度データDAa1と第2環状前方向加速度データDAa2とを含む環状前方向加速度データDAaが取得されてもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S40で出力される第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、第1環状前方向加速度データDAa1が関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データDc1と、第2環状前方向加速度データDAa2が関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データDc2との差分であってもよい。例えば、第1鞍乗型車両走行複合データDc1は、第1環状軌跡データDTa1と第1環状前方向加速度データDAa1と第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1とが関連付けられたデータであってもよい。第2鞍乗型車両走行複合データDc2は、第2環状軌跡データDTa2と第2環状前方向加速度データDAa2と第2アプローチ旋回左右方向加速度データDLb2とが関連付けられたデータであってもよい。
【0578】
鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、第1環状左右方向加速度データDLa1と第2環状左右方向加速度データDLa2とを含む環状左右方向加速度データDLaが取得されてもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S40で出力される第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、第1環状左右方向加速度データDLa1が関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データDc1と、第2環状左右方向加速度データDLa2が関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データDc2との差分であってもよい。例えば、第1鞍乗型車両走行複合データDc1は、第1環状軌跡データDTa1と第1環状前方向加速度データDAa1と第1環状左右方向加速度データDLa1とが関連付けられたデータであってもよい。第2鞍乗型車両走行複合データDc2は、第2環状軌跡データDTa2と第2環状前方向加速度データDAa2と第2環状左右方向加速度データDLa2とが関連付けられたデータであってもよい。
【0579】
鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、第1旋回車両姿勢データD1V1と第2旋回車両姿勢データD1V2とを含む旋回車両姿勢データD1Vが取得されてもよい。鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、撮像装置から、第1旋回車両姿勢データD3V1と第2旋回車両姿勢データとを含む旋回車両姿勢データが取得されてもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S40で出力される第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、第1旋回車両姿勢データが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データDc1と、第2旋回車両姿勢データが関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データDc2との差分であってもよい。第1鞍乗型車両走行複合データDc1の基になる第1旋回車両姿勢データ以外のデータは、上述したデータのいずれであってもよい。第2鞍乗型車両走行複合データDc2も同様である。
【0580】
鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、第1旋回ライダー姿勢データD1R1と第2旋回ライダー姿勢データD1R2とを含む旋回ライダー姿勢データD1Rが取得されてもよい。鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、撮像装置から、第1旋回ライダー姿勢データD3R1と第2旋回ライダー姿勢データとを含む旋回ライダー姿勢データが取得されてもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S40で出力される第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、第1旋回ライダー姿勢データが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データDc1と、第2旋回ライダー姿勢データが関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データDc2との差分であってもよい。第1鞍乗型車両走行複合データDc1に含まれる第1旋回車両姿勢データ以外のデータは、上述したデータのいずれであってもよい。第2鞍乗型車両走行複合データDc2も同様である。例えば、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データと第1旋回車両姿勢データと第1旋回ライダー姿勢データが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データDc1と、第2アプローチ旋回軌跡データと第2アプローチ旋回前方向加速度データと第2旋回車両姿勢データと第2旋回ライダー姿勢データとが関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データDc2との差分であってもよい。
【0581】
鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S40で出力される第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔD3c12は、第1ライダー識別データDI1と第2ライダー識別データDI2に関連付けられたデータでなくてもよい。
【0582】
本発明の実施形態の具体例3の変形例において、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、第1旋回車両姿勢データD3V1を含み、教官などの評価者は、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1が表示された画面等を見て運転技術の評価を行う。
しかし、本発明の第1鞍乗型車両走行複合データは、第1車両姿勢データに基づいて生成された鞍乗型車両の姿勢の評価のデータを含んでいてもよい。例えば、鞍乗型車両のロール角、ピッチ角、ヨー角、鞍乗型車両の操舵車輪の操舵角、鞍乗型車両のある位置の車両左右方向の変位、および、鞍乗型車両のある位置の車両上下方向の変位の少なくとも1つを、例えば「良い」、「普通」、「悪い」といった評価尺度で定性的に示すデータを、第1鞍乗型車両走行複合データが含んでいてもよい。
【0583】
本発明の実施形態の具体例3の変形例において、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1は、第1旋回ライダー姿勢データD3R1を含み、教官などの評価者は、第1鞍乗型車両走行複合データD3c1が表示された画面等を見て運転技術の評価を行う。
しかし、本発明の第1鞍乗型車両走行複合データは、第1ライダー姿勢データに基づいて生成されたライダーの姿勢の評価のデータを含んでいてもよい。例えば、ライダーRの頭の向き、肩の位置、脚の位置、尻の位置、および、股の位置の少なくとも1つを、例えば「良い」、「普通」、「悪い」といった評価尺度で定性的に示すデータを、第1鞍乗型車両走行複合データが含んでいてもよい。
【0584】
本発明の鞍乗型車両は、自動二輪車に限らない。本発明の鞍乗型車両は、自動二輪車以外に、自動三輪車(motor tricycle)、四輪バギー(ATV:All Terrain Vehicle / 全地形型車両)、スノーモービル、水上オートバイ(パーソナルウォータークラフト)などを含む。
【0585】
自動二輪車、自動三輪車、四輪バギーは、少なくとも1つの前輪と、少なくとも1つの後輪を有する。自動二輪車は、スポーツタイプ、オンロードタイプ、およびオフロードタイプの自動二輪車、スクーター、原動機付き自転車、モペットなどを含む。自動三輪車は、2つの前輪と1つの後輪を有していてもよく、1つの前輪と2つの後輪を有していてもよい。自動二輪車、自動三輪車、および、四輪バギーの操舵車輪は、前輪であってもよく、後輪であってもよく、前輪と後輪の両方であってもよい。自動二輪車、自動三輪車、および、四輪バギーは、ライダーがステアリングホイール(ハンドルユニット)を操作することで、少なくとも1つの前輪が操舵される。自動二輪車、自動三輪車、および、四輪バギーは、少なくとも1つの前輪の上下方向の振動を吸収する少なくとも1つのフロントサスペンションを有していてもよい。自動二輪車、自動三輪車、および、四輪バギーは、少なくとも1つの後輪の上下方向の振動を吸収する少なくとも1つのリアサスペンションを有していてもよい。
【0586】
スノーモービルは、雪上を走行する鞍乗型車両である。スノーモービルは、車両の前部に、1つまたは2つのスキーを有する。車両の前部に設けられた1つまたは2つのスキーは、操舵用スキーである。ライダーがステアリングホイール(ハンドルユニット)を操作することで、操舵用スキーの向きが変更される。第1旋回車両姿勢データは、操舵用スキーの操舵角に関連するデータであってもよい。スノーモービルは、車両の後部に、無限軌道(トラックベルト)を有してもよく、1つまたは2つのスキーを有してもよい。無限軌道(トラックベルト)の動力源は、エンジンであっても、電気モータであってもよい。スノーモービルは、上下方向の振動を吸収する少なくとも1つのサスペンションを有していてもよい。
【0587】
水上オートバイは、水面を走行する鞍乗型車両である。水上オートバイは、ウォータージェット推進システムによって、推進力を発生させる。ウォータージェット推進システムは、船体下部から取り込んだ水をジェットポンプで加速させて噴射することで、推進力を発生させる。ジェットポンプの動力源は、エンジンであっても、電気モータであってもよい。ライダーがステアリングホイール(ハンドルユニット)を操作することで、ジェットノズルの向きが変更されて、噴射される水流の向きが変更される。それにより、進行方向が変更される。水上オートバイは、上下方向の振動を吸収する少なくとも1つのサスペンションを有していてもよい。
【0588】
自動三輪車は、自動二輪車と同様に、右旋回する場合に車両右方向に傾斜する。
例えば図26に示す四輪バギー510のように、四輪バギーは、右旋回する場合、車両左右方向のどちらにもほとんど傾斜しない。四輪バギーが右旋回するとき、ライダーは、ステアリングホイールを車両右方向に回転させると共に、自身の重心を車両右方向に移動させる。それにより、重力と遠心力とのバランスをとっている。また、右旋回時は、遠心力により右輪(内輪)から左輪(外輪)へ荷重移動があるため、ライダーが重心を車両右方向に移動させることで、右輪(内輪)への荷重を増加させる。それにより、右輪(内輪)の横力を路面に伝えやすくしている。このように、四輪バギーの場合は、重力と遠心力とのバランスをとるだけでなく、旋回しやすくするために、ライダーは重心を移動させる。
例えば図27に示す水上オートバイ610のように、水上オートバイは、右旋回する場合、車両右方向に傾斜する。水上オートバイが右旋回するとき、ライダーは、ステアリングホイールを車両右方向に回転させると共に、自身の姿勢を変化させることで水上オートバイを車両右方向に傾斜させる。
図28に示すスノーモービル710のように、スノーモービルは、比較的低速で右旋回する場合、車両左右方向のどちらにもほとんど傾斜しない。図29に示すスノーモービル810のように、スノーモービルは、比較的高速で右旋回する場合に、車両右方向に傾斜することがある。スノーモービルは、車両のタイプによっては、比較的高速で右旋回する場合も、車両左右方向のどちらにもほとんど傾斜しない。スノーモービルが右旋回するとき、ライダーは、ステアリングホイールを車両右方向に回転させると共に、自身の姿勢を変化させることで、スノーモービルを車両右方向に傾斜させる。車両の前部に2つの操舵用スキーを有する場合、右旋回時は、遠心力により右操舵用スキーから左操舵用スキーへ荷重移動があるため、ライダーが重心を車両右方向に移動させることで、右操舵用スキーへの荷重を増加させる。それにより、右操舵用スキーの横動力を路面(雪上)に伝えやすくしている。
なお、左旋回する場合は、右旋回の逆になるため、記載を省略する。このように、鞍乗型車両の種類に関わらず、鞍乗型車両は、遠心力と重力のバランスを利用して旋回する乗り物である。
【0589】
本発明のアプローチ旋回ガイド部は、地面に設けられるものに限らない。本発明の鞍乗型車両がスノーモービルの場合、アプローチ旋回ガイド部は、雪上に設けられてもよい。本発明の鞍乗型車両が水上オートバイの場合、アプローチ旋回ガイド部は、水面に設けられてもよい。
【0590】
本発明において、鞍乗型車両がアプローチ旋回軌跡を走行するときに旋回前の鞍乗型車両の進行方向をガイドするためのアプローチガイド部の数は、2つに限らない。アプローチガイド部は、1つであってもよく、2つより多くてもよい。
本発明において、鞍乗型車両がアプローチ旋回軌跡を走行するときに旋回中の鞍乗型車両の進行方向をガイドするための旋回ガイド部の数は、5つに限らない。旋回ガイド部は、5つよりすくなくてもよく、5つより多くてもよい。旋回ガイド部は、1つであってもよい。
【0591】
アプローチ旋回軌跡は、鞍乗型車両が2つのアプローチガイド部の間を通過するようにアプローチ旋回軌跡を走行したときの走行軌跡であることが好ましい。しかし、アプローチ旋回軌跡(例えば第1アプローチ旋回軌跡)は、鞍乗型車両が2つのアプローチガイド部の間を通過するようにアプローチ旋回軌跡を走行したときの走行軌跡でなくてもよい。アプローチガイド部は、上記とは異なる形態で配置されていてもよい。アプローチガイド部は設けられなくてもよい。
【0592】
アプローチ旋回軌跡は、鞍乗型車両が旋回中に旋回ガイド部よりも旋回半径の径方向外側を通るようにアプローチ旋回軌跡を走行したときの走行軌跡であることが好ましい。しかし、アプローチ旋回軌跡(例えば第1アプローチ旋回軌跡)は、鞍乗型車両が旋回中に旋回ガイド部よりも旋回半径の径方向外側を通るようにアプローチ旋回軌跡を走行したときの走行軌跡でなくてもよい。旋回ガイド部は、上記とは異なる形態で配置されていてもよい。旋回ガイド部は設けられなくてもよい。
【0593】
アプローチ旋回軌跡は、鞍乗型車両の進行方向をガイドするための少なくとも1つのアプローチ旋回ガイド部が設けられた環境下で鞍乗型車両が走行したときの走行軌跡であることが好ましい。しかし、アプローチ旋回軌跡は、鞍乗型車両の進行方向をガイドするための少なくとも1つのアプローチ旋回ガイド部が設けられた環境下で鞍乗型車両が走行したときの走行軌跡でなくてもよい。つまり、アプローチ旋回ガイド部は設けられなくてもよい。
【0594】
本発明の第1環状領域の形状は、具体例1で説明した形状に限定されない。なお、具体例1で説明した第1環状領域は、本発明の第1形状の環状領域に相当する。本発明の第1環状領域の形状は、アプローチ旋回領域を有し、且つ、環状でさえあればよい。本発明の第1環状領域の他の例について、以下、具体的に説明する。以下の説明において、第1環状領域に収まる第1環状軌跡を走行するときの鞍乗型車両が走行する方向を、前方向とする。第1環状領域の説明における前端とは、第1環状領域に収まる第1環状軌跡を走行するときの鞍乗型車両が走行(進行)する方向の端をいう。
【0595】
本発明の第1環状領域は、第2形状の環状領域Zaであってもよい。図30は、第2形状の環状領域Zaの一例を示す。第2形状の環状領域Zaは、第1アプローチ旋回領域Zb1に加えて、直線状の第2直線領域Zeと、曲線状の第2曲線領域Zfと、直線状の第3直線領域Zgと、曲線状の第3曲線領域Zhと、直線状の第4直線領域Ziと、曲線状の第4曲線領域Zjと、直線状の第5直線領域Zkと、曲線状の第5曲線領域Zlと、直線状の第6直線領域Zmと、曲線状の第6曲線領域Znとを含む。第2直線領域Zeは、第1旋回領域Zd1の前端に接続され、第1アプローチ領域Zc1よりも短い。第2曲線領域Zfは、第2直線領域Zeの前端に接続される。第1アプローチ旋回軌跡Tb1を含む、第2形状の環状領域Zaを走行したときの走行軌跡の1つを、環状軌跡Ta1とする。環状軌跡Ta1は、本発明の第1環状軌跡に相当する。環状軌跡Ta1において、第2曲線領域Zfの旋回方向は第1アプローチ旋回領域Zb1の旋回方向と異なる。第3直線領域Zgは、第2曲線領域Zfの前端に接続される。第3曲線領域Zhは、第3直線領域Zgの前端に接続される。環状軌跡Ta1において、第3曲線領域Zhの旋回方向は第2曲線領域Zfの旋回方向と同じである。第4直線領域Ziは、第3曲線領域Zhの前端に接続される。第4曲線領域Zjは、第4直線領域Ziの前端に接続される。環状軌跡Ta1において、第4曲線領域Zjの旋回方向は第3曲線領域Zhの旋回方向と異なる。第5直線領域Zkは、第4曲線領域Zjの前端に接続され、第4直線領域Ziよりも長い。第5曲線領域Zlは、第5直線領域Zkの前端に接続される。環状軌跡Ta1において、第5曲線領域Zlの旋回方向は第4曲線領域Zjの旋回方向と同じである。第6直線領域Zmは、第5曲線領域Zlの前端に接続され、第3直線領域Zgよりも長い。第6曲線領域Znは、第6直線領域Zmの前端および第1アプローチ領域Zc1の後端に接続される。環状軌跡Ta1において、第6曲線領域Znの旋回方向は第5曲線領域Zlの旋回方向と同じである。環状軌跡Ta1において、第6曲線領域Znの旋回方向は第1旋回領域Zd1の旋回方向と同じである。つまり、環状軌跡Ta1において、第1アプローチ旋回軌跡Tb1の後端に接続される旋回中の走行軌跡は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1と旋回方向が同じである。
【0596】
図30には、複数のアプローチガイド部7cと複数の旋回ガイド部7dを含む複数のガイド部7が表示されている。第2形状の環状領域Zaに対して設けられるガイド部7の位置および数は、図30に示すものに限定されない。ガイド部7は設けられなくてもよい。
【0597】
第2形状の環状領域Zaにおいて、本発明のアプローチ旋回領域に相当する箇所は、1箇所に限らない。例えば、第2直線領域Zeと第2曲線領域Zfが、本発明のアプローチ旋回領域に相当してもよい。また、例えば、第3直線領域Zgと第3曲線領域Zhが、本発明のアプローチ旋回領域に相当してもよい。また、例えば、第5直線領域Zkと第5曲線領域Zlが、本発明のアプローチ旋回領域に相当してもよい。また、例えば、第6直線領域Zmと第6曲線領域Znが、本発明のアプローチ旋回領域に相当してもよい。
【0598】
本発明の第1環状領域は、第3形状の環状領域Zaであってもよい。図31は、第3形状の環状領域Zaの一例を示す。第3形状の環状領域Zaの形状は、図31に示す形状に限定されない。第3形状の環状領域Zaで囲まれた領域の形状は、E字状である。第3形状の環状領域Zaは、第1アプローチ旋回領域Zb1に加えて、直線状の第2直線領域Zeと、曲線状の第2曲線領域Zfと、直線状の第3直線領域Zgと、曲線状の第3曲線領域Zhと、直線状の第4直線領域Ziと、曲線状の第4曲線領域Zjと、直線状の第5直線領域Zkと、曲線状の第5曲線領域Zlと、直線状の第6直線領域Zmと、曲線状の第6曲線領域Znと、直線状の第7直線領域Zoと、曲線状の第7曲線領域Zpとを含む。第2直線領域Zeは、第1旋回領域Zd1の前端に接続され、第1アプローチ領域Zc1よりも短い。第2曲線領域Zfは、第2直線領域Zeの前端に接続される。第1アプローチ旋回軌跡Tb1を含む、第3形状の環状領域Zaを走行したときの走行軌跡の1つを、環状軌跡Ta1とする。環状軌跡Ta1は、とする。本発明の第1環状軌跡に相当する。環状軌跡Ta1において、第2曲線領域Zfの旋回方向は第1アプローチ旋回領域Zb1の旋回方向と異なる。第3直線領域Zgは、第2曲線領域Zfの前端に接続される。第3曲線領域Zhは、第3直線領域Zgの前端に接続される。環状軌跡Ta1において、第3曲線領域Zhの旋回方向は第2曲線領域Zfの旋回方向と異なる。第4直線領域Ziは、第3曲線領域Zhの前端に接続される。第4曲線領域Zjは、第4直線領域Ziの前端に接続される。環状軌跡Ta1において、第4曲線領域Zjの旋回方向は第3曲線領域Zhの旋回方向と異なる。第4曲線領域Zjは、第4曲線領域Zjの前端に接続される。第5曲線領域Zlは、第5直線領域Zkの前端に接続される。環状軌跡Ta1において、第5曲線領域Zlの旋回方向は第4曲線領域Zjの旋回方向と異なる。第6直線領域Zmは、第5曲線領域Zlの前端に接続され、第2〜第5直線領域Zkよりも長い。第6曲線領域Znは、第6直線領域Zmの前端に接続される。環状軌跡Ta1において、第6曲線領域Znの旋回方向は第5曲線領域Zlの旋回方向と同じである。第7直線領域Zoは、第6曲線領域Znの前端に接続される。第7曲線領域Zpは、第7直線領域Zoの前端および第1アプローチ領域Zc1の後端に接続される。環状軌跡Ta1において、第7曲線領域Zpの旋回方向は第6曲線領域Znの旋回方向と同じである。環状軌跡Ta1において、第7曲線領域Zpの旋回方向は第1旋回領域Zd1の旋回方向と同じである。つまり、環状軌跡Ta1において、第1アプローチ旋回軌跡Tb1の後端に接続される旋回中の走行軌跡は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1と旋回方向が同じである。
【0599】
図31には、複数のアプローチガイド部7cと複数の旋回ガイド部7dを含む複数のガイド部7が表示されている。第3形状の環状領域Zaに対して設けられるガイド部7の位置および数は、図31に示すものに限定されない。
【0600】
第3形状の環状領域Zaにおいて、本発明のアプローチ旋回領域に相当する箇所は、1箇所に限らない。例えば、第2直線領域Zeと第2曲線領域Zfが、本発明のアプローチ旋回領域に相当してもよい。また、例えば、第6直線領域Zmと第6曲線領域Znが、本発明のアプローチ旋回領域に相当してもよい。また、例えば、第7直線領域Zoと第7曲線領域Zpが、本発明のアプローチ旋回領域に相当してもよい。
【0601】
本発明の第1環状領域は、第4形状の環状領域Zaであってもよい。図32は、第4形状の環状領域Zaの一例を示す。第4形状の環状領域Zaの形状は、図32に示す形状に限定されない。第4形状の環状領域Zaは、第1アプローチ旋回領域Zb1に加えて、直線状の第2直線領域Zeと、曲線状の第2曲線領域Zfと、直線状の第3直線領域Zgと、曲線状の第3曲線領域Zhと、直線状の第4直線領域Ziと、曲線状の第4曲線領域Zjとを含む。第2直線領域Zeは、第1旋回領域Zd1の前端に接続される。第2曲線領域Zfは、第2直線領域Zeの前端に接続される。第1アプローチ旋回軌跡Tb1を含む、第4形状の環状領域Zaを走行したときの走行軌跡の1つを、環状軌跡Ta1とする。環状軌跡Ta1は、本発明の第1環状軌跡に相当する。環状軌跡Ta1において、第2曲線領域Zfの旋回方向は第1アプローチ旋回領域Zb1の旋回方向と異なる。第3直線領域Zgは、第2曲線領域Zfの前端に接続される。第3曲線領域Zhは、第3直線領域Zgの前端に接続される。環状軌跡Ta1において、第3曲線領域Zhの旋回方向は第2曲線領域Zfの旋回方向と異なる。第4直線領域Ziは、第3曲線領域Zhの前端に接続される。第4曲線領域Zjは、第4直線領域Ziの前端および第1アプローチ領域Zc1の後端に接続される。環状軌跡Ta1において、第4曲線領域Zjの旋回方向は第3曲線領域Zhの旋回方向と異なる。環状軌跡Ta1において、第4曲線領域Zjの旋回方向は第1旋回領域Zd1の旋回方向と異なる。つまり、環状軌跡Ta1において、第1アプローチ旋回軌跡Tb1の後端に接続される旋回中の走行軌跡は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1と旋回方向が異なる。
【0602】
図32には、複数の旋回ガイド部7dを含む複数のガイド部7が表示されている。第3形状の環状領域Zaに対して設けられるガイド部7の位置および数は、図32に示すものに限定されない。
【0603】
第4形状の環状領域Zaにおいて、本発明のアプローチ旋回領域に相当する箇所は、1箇所に限らない。例えば、第2直線領域Zeと第2曲線領域Zfが、本発明のアプローチ旋回領域に相当してもよい。
【0604】
本発明の第1鞍乗型車両走行複合データが、第2〜第4形状の環状領域Za、Za、Zaを走行したときの環状軌跡Ta1、Ta1、Ta1のいずれかに関連する第1環状軌跡データに基づいて出力される場合、下記の効果が得られる。
環状軌跡Ta1、Ta1、Ta1のいずれかに関連する第1環状軌跡データと、この環状軌跡を走行したときの前方向加速度に関連する第1環状前方向加速度データとを関連付けた第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。第2〜第4形状の環状領域Za、Za、Zaに収まる環状軌跡Ta1、Ta1、Ta1は、4回以上の旋回中の走行軌跡を含む。さらに、第2〜第4形状の環状領域Za、Za、Zaに収まる環状軌跡Ta1、Ta1、Ta1は、第1アプローチ旋回軌跡Tb1と旋回方向が同じ走行軌跡と、第1アプローチ旋回軌跡Tb1と旋回方向が異なる走行軌跡の両方を含む。したがって、第2〜第4形状の環状領域Za、Za、Zaに収まる環状軌跡Ta1、Ta1、Ta1と車両前方向の加速度は、旋回方向が全て同じ環状軌跡を走行したときの走行軌跡と前方向加速度に比べて、ライダーの運転技術および/または車両の特徴がより一層強く反映される。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
【0605】
環状軌跡Ta1のように、本発明の第1環状軌跡が、第1アプローチ旋回軌跡の後端に接続され、第1アプローチ旋回軌跡と旋回方向が異なる旋回中の走行軌跡を含む場合、下記の効果が得られる。
異なる旋回方向を含む第1環状軌跡に関連する第1環状軌跡データと、この第1環状軌跡を走行したときの前方向加速度に関連する第1環状前方向加速度データとを関連付けた第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。異なる旋回方向を含む第1環状軌跡は、旋回方向が全て同じである第1環状軌跡に比べて、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)が高い。その上、異なる旋回方向を含む第1環状軌跡を走行したときの前方向加速度も、旋回方向が全て同じである第1環状軌跡を走行したときの前方向加速度と比べて、ライダーの運転技術および/または車両の特徴の反映の精度(信頼性)が高い。したがって、異なる旋回方向を含む第1環状軌跡に関連する第1環状軌跡データと、この第1環状軌跡を走行したときの第1環状前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴がより一層強く反映されている。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データを出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
【0606】
上述の第1〜第4形状の環状領域Za、Za、Zaの各直線領域内に収まる走行軌跡は、略直線状である。各直線領域に収まる走行軌跡は、1つの直線で構成されてもよく、少なくとも1つの直線と曲線で構成されていてもよく、曲線だけで構成されていてもよい。上述の第1〜第4形状の環状領域の各旋回領域に収まる走行軌跡は、1つの円弧で構成されてもよく、複数の円弧で構成されていてもよく、曲線だけで構成されていてもよく、少なくとも1つの直線と曲線で構成されていてもよい。
【0607】
本発明の環状領域(例えば第1環状領域)は、例えば、円形であってもよい。本発明の環状領域(例えば第1環状領域)は、例えば、トライカーナで使用されるコースと同様の形状であってもよい。トライカーナで使用されるコースとは、横長の8の字状のコースである。トライカーナとは、モータースポーツの1種であるジムカーナ(gymkhana)のうち、上記の形状のコースに限定されたものをいう。
【0608】
本発明の第1環状軌跡は、少なくとも1周の環状の鞍乗型車両の走行軌跡である。第1環状軌跡が収まれる第1環状領域は、第1アプローチ旋回領域を含んでいれば、どのような形状であってもよい。第1環状軌跡が第1アプローチ旋回軌跡を含んでいれば、第1環状軌跡の始点と終点は、どの位置であってもよい。第1環状軌跡の始点は、鞍乗型車両を発進させた時点でないことが好ましい。第1環状軌跡始点は、鞍乗型車両を発進させた時点であってもよい。第1環状軌跡の終点は、鞍乗型車両を停止させた時点でないことが好ましい。第1環状軌跡の終点は、鞍乗型車両を停止させた時点であってもよい。
【0609】
図10および図30図32の第1アプローチ旋回軌跡Tb1の旋回方向は、いずれも車両左方向である。本発明の第1アプローチ旋回軌跡の旋回方向は、車両右方向であってもよく、車両左方向であってもよい。
【0610】
本具体例1〜3では、第1アプローチ旋回軌跡Tb1は、自動二輪車110、210、310が旋回前に加速と減速の両方を行った場合の走行軌跡である。しかし、本発明の第1アプローチ旋回軌跡は、鞍乗型車両が、旋回前に減速のみを行った場合の走行軌跡であってもよい。
【0611】
鞍乗型車両がスノーモービルの場合、鞍乗型車両の姿勢とライダーの姿勢を撮影する撮像装置は、雪上に設置されてもよい。本発明の鞍乗型車両が水上オートバイの場合、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときに旋回中の鞍乗型車両の姿勢とライダーの姿勢を撮影する撮像装置は、水面に設置されてもよく、岸などの陸地に設置されてもよい。撮像装置は、カメラで撮影された画像を解析して、コンピュータグラフィックスデータを生成する装置であってもよい。
【0612】
スノーモービルおよび水上オートバイは、GNSSを利用せずに、車両前方向または進行方向の速度を検出する速度センサを有する場合がある。本発明のアプローチ旋回前方向加速度データは、この速度センサの信号に基づいて生成されてもよく、GNSSを利用して生成されてもよい。本発明のアプローチ旋回前方向加速度データは、スノーモービルの無限軌道の回転速度を検出するセンサの信号に基づいて生成されてもよい。
【0613】
鞍乗型車両走行データ処理装置は、鞍乗型車両に搭載されてもよく、搭載されなくてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置が、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データに基づいて鞍乗型車両を制御する車両制御装置の場合、鞍乗型車両走行データ処理装置は鞍乗型車両に搭載されてもされなくてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置が、走行中の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを蓄積する鞍乗型車両走行データデータ収録システムの場合、鞍乗型車両走行データ処理装置は鞍乗型車両に搭載されてもよく、搭載されなくてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置が鞍乗型車両に搭載されない場合、鞍乗型車両走行データ処理装置は、複数の鞍乗型車両に関連する鞍乗型車両走行データを取得してもよい。
【0614】
本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置は、1箇所に配置された1つの装置であってもよく、異なる位置に配置された複数の装置で構成されていてもよい。
【0615】
旋回ライダー姿勢データは、モーションキャプチャを利用して生成されたデータであってもよい。モーションキャプチャとは、人やオブジェクトの動きをデジタル化してコンピュータに取り込む技術である。
【0616】
旋回ライダー姿勢データは、慣性センサ式のモーションキャプチャを利用して生成されたデータであってもよい。具体的には、旋回ライダー姿勢データが、ライダーの各部に取り付けられたIMU(Inertial Measurement Unit)などの慣性センサの信号に基づいて生成されてもよい。
【0617】
旋回ライダー姿勢データは、機械式のモーションキャプチャを利用して生成されたデータであってもよい。機械式のモーションキャプチャは、外骨格モーションキャプチャシステムとも呼ばれる。具体的には、旋回ライダー姿勢データが、ライダーの関節に取り付けられた角度または変位を検出するセンサの信号に基づいて生成されてもよい。
【0618】
旋回ライダー姿勢データは、磁気式のモーションキャプチャを利用して生成されたデータであってもよい。具体的には、磁気コイルがライダーの関節に取り付けられる。磁気コイルが磁界内で動くことで生じる歪みを測定することで、磁気コイルの位置及び姿勢が求められる。その情報に基づいて、旋回ライダー姿勢データが生成されてもよい。
【0619】
旋回ライダー姿勢データは、マーカーレス・モーションキャプチャを利用して生成されたデータであってもよい。具体的には、旋回ライダー姿勢データが、カメラで撮影された人の画像を解析することで生成されたデータであってもよい。マーカーレス・モーションキャプチャを利用して生成されたイメージデータは、カメラで撮影された写真または動画に、CGで作成されたラインや点を重ねて表示したものであってもよい。マーカーレス・モーションキャプチャを利用して生成されたイメージデータは、CGで作成されたイメージデータだけで構成されてもよい。マーカーレス・モーションキャプチャに使用されるカメラは、鞍乗型車両に搭載されていてもよく、鞍乗型車両に搭載されていなくてもよい。マーカーレス・モーションキャプチャのイメージデータを生成する処理は、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置が行ってもよく、撮像装置が行ってもよい。
【0620】
旋回ライダー姿勢データは、複数のモーションキャプチャ技術を組み合わせて生成されたデータであってもよい。
【0621】
旋回車両姿勢データは、モーションキャプチャを利用して生成されたデータであってもよい。モーションキャプチャの具体例は、旋回ライダー姿勢データと同じであるため、記載を省略する。但し、マーカーレス・モーションキャプチャが利用される場合、カメラは、鞍乗型車両に搭載されない。旋回車両姿勢データは、複数のモーションキャプチャ技術を組み合わせて生成されたデータであってもよい。旋回車両姿勢データは、いずれかのモーションキャプチャ技術と、鞍乗型車両に搭載されたIMUとを利用して生成されてもよい。旋回車両姿勢データは、いずれかのモーションキャプチャ技術と、鞍乗型車両に搭載されたGNSS受信ユニットとを利用して生成されてもよい。
【0622】
本発明において、アプローチ旋回軌跡データ(例えば第1アプローチ旋回軌跡データ)は、GNSSと、鞍乗型車両が有するセンサとを利用して生成されたデータであってもよい。鞍乗型車両が有するセンサとは、例えば、IMU、操舵車輪または操舵用スキーの操舵角を検出するセンサ、鞍乗型車両の車両前方向または進行方向の速度の検出に寄与するセンサのいずれであってもよい。
【0623】
本発明において、アプローチ旋回軌跡データ(例えば第1アプローチ旋回軌跡データ)は、GNSSを利用せずに生成されたデータであってもよい。例えば、アプローチ旋回軌跡データは、無線標識(ビーコン)を利用して生成されたデータであってもよい。この場合、鞍乗型車両は、無線局から送信される電波などの電磁波を受信可能な受信機を搭載する。アプローチ旋回軌跡データは、受信機が受信した電波に基づいて生成されたデータに基づいて生成されてもよい。アプローチ旋回軌跡データは、受信機が受信した電波に基づいて生成されたデータと、地図データとに基づいて生成されてもよい。
【0624】
本発明の鞍乗型車両は、車両前方向の加速度を検出する加速度センサを有していてもよい。アプローチ旋回前方向加速度データ(例えば第1アプローチ旋回前方向加速度データ)は、この加速度センサの信号に基づいて生成されてもよい。
【0625】
本発明において、鞍乗型車両走行一体複合データ生成処理後、鞍乗型車両走行一体複合デーを記憶部に記憶する処理が実行されてもよい。
【0626】
本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置の記憶部は、鞍乗型車両走行複合データを1つしか記憶していなくてもよい。つまり、鞍乗型車両走行複合データ記憶処理において、記憶部に記憶される鞍乗型車両走行複合データが更新されてもよい。
【0627】
本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置、本発明の鞍乗型車両走行データ処理方法、本発明の鞍乗型車両走行データ処理プログラムが適用された他の例について、図35を参照しつつ説明する。図35の鞍乗型車両走行データ処理装置501は、例えば、鞍乗型車両教習支援システム、鞍乗型車両走行データ収録システム、または鞍乗型車両制御装置である。鞍乗型車両走行データ処理装置501は、図1に示す鞍乗型車両走行データ処理装置501の一例である。鞍乗型車両走行データ処理装置501は、鞍乗型車両走行データ処理装置101、201、301のいずれかであってもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置501は、プロセッサ502と図示しない記憶部を有する。記憶部には、プロセッサ502が実行する処理に必要な鞍乗型車両走行データ処理プログラムが記憶されている。プロセッサ502は、記憶部に予め記憶された鞍乗型車両走行データ処理プログラムを読み込むことで、処理を実行するように構成されている。なお、プロセッサ502が実行する処理が予め読み込まれたプロセッサである場合には、プロセッサ502は、処理を実行するように鞍乗型車両走行データ処理プログラムが予め読み込まれていてもよい。
【0628】
プロセッサ502は、上述した鞍乗型車両走行データ取得処理S11と、上述したライダー識別データ取得処理S12と、鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S51とを実行するように構成されている。本変更例の鞍乗型車両走行データ処理方法は、少なくとも、鞍乗型車両走行データ取得処理S11と、鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S51とを含む。本変更例の鞍乗型車両走行データ処理プログラムは、鞍乗型車両走行データ取得処理S11と、鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S51とを、プロセッサ502に実行させる。
【0629】
プロセッサ502は、鞍乗型車両走行複合データ出力処理S2も実行するように構成されている。プロセッサ502は、鞍乗型車両走行複合データ出力処理S13、S21のいずれかを実行するように構成されていてもよい。
【0630】
鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、アプローチ旋回軌跡データDTbと、アプローチ旋回前方向加速度データDAbと、アプローチ旋回左右方向加速度データDLbとが、鞍乗型車両走行データとして取得される。アプローチ旋回軌跡データDTbは、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1および第2アプローチ旋回軌跡データDTb2を含む。アプローチ旋回前方向加速度データDAbは、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1および第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2を含む。アプローチ旋回左右方向加速度データDLbは、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1および第2アプローチ旋回左右方向加速度データDLb2を含む。
【0631】
ライダー識別データ取得処理S12において、ライダー識別データDIが取得される。ライダー識別データDIは、第1ライダー識別データDI1と、第2ライダー識別データDI2を含む。
【0632】
鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S51において、鞍乗型車両走行データ取得処理S11で取得されたアプローチ旋回軌跡データDTbと、アプローチ旋回前方向加速度データDAbと、アプローチ旋回左右方向加速度データDLbと、ライダー識別データDIとに基づいて生成された第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´が出力される。第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、プロセッサ502により生成される。第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、第1データDs1と第2データDs2との差分を示すデータである。第1データDs1は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1とを含む。第2データDs2は、第2アプローチ旋回軌跡データDTb2と、第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2と、第2アプローチ旋回左右方向加速度データDLb2とを含む。さらに、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、第1ライダー識別データDI1と第2ライダー識別データDI2とに関連付けられたデータである。
【0633】
鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S51において、3つ以上の鞍乗型車両走行複合データDcに基づいて、複数の鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc´(ΔDc1´、ΔDc2´、ΔDc3´、・・・・)を出力してもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc´は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´と、第2鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc2´を含む。第2鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc2´は、第2鞍乗型車両走行複合データDc2(例えばD3c2)と、第2鞍乗型車両走行複合データDc2との差分である。
【0634】
この変更例の鞍乗型車両走行データ処理装置501、鞍乗型車両走行データ処理方法、鞍乗型車両走行データ処理プログラムによると、以下の効果が得られる。
【0635】
上述したように、アプローチ旋回軌跡データDTbおよびアプローチ旋回前方向加速度データDAbは、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。そのため、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1および第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1を含む第1データDs1と、第2アプローチ旋回軌跡データDTb2および第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2を含む第2データDs2との差分である第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、ライダーRの運転技術の差および/または車両の特徴の差を強く反映している。
【0636】
鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S51で出力されたライダーRの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、種々な使い方がなされてよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S51において、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置501内の記憶部に出力されてもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S51において、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、鞍乗型車両走行データ処理装置501が有するプロセッサ502と同じまたは異なるプロセッサに出力されてもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S51において、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、鞍乗型車両走行データ処理装置501の外部のコンピュータに出力されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置501が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、例えば、車両用装置から教官用装置に出力されてよい。この場合の教官用装置は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´を表示する端末装置、表示装置または第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´を印刷する印刷装置である。また、鞍乗型車両走行データ処理装置501が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、例えば、表示装置または印刷装置である教官用装置に出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´を教官用装置に送信することで、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示または印刷することができる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置501が教習支援システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、例えば、車両用装置から教習者用装置に出力されてよい。この場合の教習者用装置は、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´を表示する端末装置である。第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´を教習者用装置に送信することで、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置501が鞍乗型車両制御装置の場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、例えば、鞍乗型車両制御装置内のエンジン制御またはブレーキ制御のためのプロセッサに出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、例えば、車両制御装置内で、記憶部に出力されてよい。そして、記憶部に出力された第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、エンジン制御またはブレーキ制御を実行する、鞍乗型車両走行データ処理装置501が有するプロセッサ502と同じまたは異なるプロセッサに出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´をエンジン制御またはブレーキ制御のために出力することで、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて、鞍乗型車両10のエンジン制御またはブレーキ制御を行うことができる。鞍乗型車両走行データ処理装置501が鞍乗型車両制御装置の場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、例えば、鞍乗型車両10が備える表示装置に出力されてもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´を表示装置に出力することで、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータを表示することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置501がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、例えば、データ収録システムに接続された外部記憶装置(二次記憶装置、補助記憶装置)に出力されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置501がデータ収録システムの場合、鞍乗型車両10の走行後、蓄積した第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´を、例えば、データ収録システムの外部の鞍乗型車両10の走行状態を解析するための解析装置に出力してもよい。第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´を解析装置に出力することで、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて解析することができる。外部記憶装置に記憶された第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、鞍乗型車両10の走行状態の解析に使用されてもよい。外部記憶装置に記憶された第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´を解析に使用することで、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映したデータに基づいて解析することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置501がデータ収録システムの場合、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、データ収録システムの外部のコンピュータに出力されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置501が教習支援システムの場合、車両用装置、教官用装置または教習者用装置は、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´に基づいて、解析情報を生成してもよい。解析情報とは、例えば、鞍乗型車両10の乗り換えの案内、ツーリングコースの紹介、ライディングスクールの紹介、イベントの紹介、商品の紹介などに関する情報である。イベントは、運転講習会、ツーリング会、競技会などを含む。商品は、鞍乗型車両10自体や鞍乗型車両10の部品を含む。鞍乗型車両10の部品は、例えば、タイヤやバッテリーである。さらに、例えば、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、保険システム、販売システム、金融システムなどのデータ処理システムに用いられてよい。なお、教習支援システム、車両制御装置およびデータ収録システムは、鞍乗型車両走行データ処理装置の一例である。
【0637】
第1アプローチ旋回軌跡データDTb1および第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1を含む第1データDs1と、第2アプローチ旋回軌跡データDTb2および第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2を含む第2データDs2との差分である第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、ライダーRの運転技術の差および/または車両の特徴の差を強く反映している。そのため、ライダーRの運転技術の差および/または車両の特徴の差を強く反映したデータ差分を出力するために多数のデータを処理する場合に比べて、鞍乗型車両走行データ処理装置501が処理するデータの種類を抑えることができる。具体的には、例えば、取得するデータの種類を少なくすることができる。また、例えば、鞍乗型車両走行データ処理装置501のプロセッサが出力する第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´のデータ量も少なくすることができる場合がある。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置501は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置501は、プロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置501は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、処理するデータの種類を増やすこともできる。そして、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´を出力できる。また、鞍乗型車両走行データ処理装置501は、ハードウェアリソースに生じた処理能力やメモリ容量の空きを利用して、必要に応じて、他の機能の処理を実行することもできる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置501のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0638】
第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´が、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1、および第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1を含む第1データDs1と、第2アプローチ旋回軌跡データDTb2、第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2、および第2アプローチ旋回左右方向加速度データDLb2を含む第2データDs2との差分である場合、さらに下記の効果が得られる。
鞍乗型車両10は、旋回時に、車両左右方向の速度が変化する。鞍乗型車両10は、車両の挙動の変化だけでなく、ライダーRの姿勢の変化も利用して旋回する乗り物である。そのため、旋回中と旋回前の直進中の車両左右方向の加速度は、ライダーRの意思によって決まる鞍乗型車両10の走行状態と密接に関連している。また、旋回中と旋回前の直進中における鞍乗型車両10の走行軌跡と車両前方向の加速度と車両左右方向の加速度は密接に関連する。したがって、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1、および第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1を含む第1データDs1と、第2アプローチ旋回軌跡データDTb2、第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2、および第2アプローチ旋回左右方向加速度データDLb2を含む第2データDs2は、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。そのため、第1データDs1と第2データDs2との差分である第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置501で処理されるデータの種類が少なくても、ライダーRの運転技術および/または車両の特徴をより一層強く反映した第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´を出力できる。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置501は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置501のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度をより向上できる。
【0639】
鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S51において、第1アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両10に乗車するライダーおよび第2アプローチ旋回軌跡を走行したときの鞍乗型車両10に乗車するライダーに関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´が出力された場合、さらに下記の効果が得られる。
旋回中と旋回前の直進中の鞍乗型車両10の走行軌跡と車両前方向の加速度は、ライダーRの意思によって決まる鞍乗型車両10の走行状態と密接に関連している。同じコーナーを走行した場合であっても、ライダーごとに鞍乗型車両10の走行状態は異なる。そのため、ライダーRの固有の運転技術を反映させた第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´を出力することができる。鞍乗型車両走行データ処理装置501のプロセッサ502から出力されたライダーRの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、様々な使い方がなされる。また、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´が、第1ライダー識別データおよび第2ライダー識別データを含んでいても、鞍乗型車両走行データ処理装置501で処理されるデータの種類が少ない。そのため、鞍乗型車両走行データ処理装置501は、処理能力やメモリ容量の小さいハードウェアリソースを使用することができる。その結果、鞍乗型車両走行データ処理装置501のプロセッサやメモリなどのハードウェアリソースの設計自由度を向上できる。
【0640】
なお、鞍乗型車両走行データ取得処理S11で取得される鞍乗型車両走行データに、アプローチ旋回左右方向加速度データDLbが含まれなくてもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S51で出力される第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1を含まない第1データDs1と、第2アプローチ旋回左右方向加速度データDLb2を含まない第2データDs2との差分であってもよい。
【0641】
なお、鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、第1環状軌跡データDTa1と第2環状軌跡データDTa2とを含む環状軌跡データDTaが取得されてもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S51で出力される第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、第1環状軌跡データDTa1を含む第1データDs1と、第2環状軌跡データDTa2を含む第2データDs2との差分であってもよい。例えば、第1データDs1は、第1環状軌跡データDTa1と第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1を含んでいてもよい。第2データDs2は、第2環状軌跡データDTa2と第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2と第2アプローチ旋回左右方向加速度データDLb2を含んでいてもよい。
【0642】
鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、第1環状前方向加速度データDAa1と第2環状前方向加速度データDAa2とを含む環状前方向加速度データDAaが取得されてもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S51で出力される第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、第1環状前方向加速度データDAa1を含む第1データDs1と、第2環状前方向加速度データDAa2を含む第2データDs2との差分であってもよい。例えば、第1データDs1は、第1環状軌跡データDTa1と第1環状前方向加速度データDAa1と第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1を含んでいてもよい。第2データDs2は、第2環状軌跡データDTa2と第2環状前方向加速度データDAa2と第2アプローチ旋回左右方向加速度データDLb2を含んでいてもよい。
【0643】
鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、第1環状左右方向加速度データDLa1と第2環状左右方向加速度データDLa2とを含む環状左右方向加速度データDLaが取得されてもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S51で出力される第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、第1環状左右方向加速度データDLa1を含む第1データDs1と、第2環状左右方向加速度データDLa2を含む第2データDs2との差分であってもよい。例えば、第1データDs1は、第1環状軌跡データDTa1と第1環状前方向加速度データDAa1と第1環状左右方向加速度データDLa1とを含んでいてもよい。第2データDs2は、第2環状軌跡データDTa2と第2環状前方向加速度データDAa2と第2環状左右方向加速度データDLa2とを含んでいてもよい。
【0644】
鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、第1旋回車両姿勢データD1V1と第2旋回車両姿勢データD1V2とを含む旋回車両姿勢データD1Vが取得されてもよい。鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、撮像装置から、第1旋回車両姿勢データD3V1と第2旋回車両姿勢データとを含む旋回車両姿勢データが取得されてもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S51で出力される第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、第1旋回車両姿勢データを含む第1データDs1と、第2旋回車両姿勢データを含む第2データDs2との差分であってもよい。第1データDs1に含まれる第1旋回車両姿勢データ以外のデータは、上述したデータのいずれであってもよい。第2データDs2も同様である。
【0645】
鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、第1旋回ライダー姿勢データD1R1と第2旋回ライダー姿勢データD1R2とを含む旋回ライダー姿勢データD1Rが取得されてもよい。鞍乗型車両走行データ取得処理S11において、撮像装置から、第1旋回ライダー姿勢データD3R1と第2旋回ライダー姿勢データとを含む旋回ライダー姿勢データが取得されてもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S51で出力される第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、第1旋回ライダー姿勢データを含む第1データDs1と、第2旋回ライダー姿勢データを含む第2データDs2との差分であってもよい。第1データDs1に含まれる第1旋回車両姿勢データ以外のデータは、上述したデータのいずれであってもよい。第2データDs2も同様である。例えば、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データと第1旋回車両姿勢データと第1旋回ライダー姿勢データを含む第1データDs1と、第2アプローチ旋回軌跡データと第2アプローチ旋回前方向加速度データと第2旋回車両姿勢データと第2旋回ライダー姿勢データとを含む第2データDs2との差分であってもよい。
【0646】
鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S51は、本発明の鞍乗型車両走行複合データ出力処理の後に実行されてもよい。例えば、鞍乗型車両走行複合データ出力処理S2、S13、S21において鞍乗型車両走行データ処理装置501の記憶部に出力された第1鞍乗型車両走行複合データDc1および第2鞍乗型車両走行複合データDc2に基づいて、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は生成されてもよい。
【0647】
鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S51で出力される第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、第1ライダー識別データDI1と第2ライダー識別データDI2に関連付けられたデータでなくてもよい。
【0648】
鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S51は、鞍乗型車両走行データ取得処理S11の後、本発明の鞍乗型車両走行複合データ出力処理の前に実行されてもよい。鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S51は、鞍乗型車両走行データ取得処理S11の後、本発明の鞍乗型車両走行複合データ出力処理と並行して実行されてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置501のプロセッサ502は、鞍乗型車両走行データ取得処理S11と、鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S51とを実行し、本発明の鞍乗型車両走行複合データ出力処理を実行しなくてもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置501のプロセッサ502は、鞍乗型車両走行データ取得処理S11で取得したデータに応じて、鞍乗型車両走行複合データ差分出力処理S51を実行し、本発明の鞍乗型車両走行複合データ出力処理を実行しない場合があってもよい。鞍乗型車両走行データ処理装置501のプロセッサ502は、鞍乗型車両走行データ取得処理S11で取得したデータに関わらず、本発明の鞍乗型車両走行複合データ出力処理を実行しなくてもよい。この場合、鞍乗型車両走行データ処理装置501は、本発明の鞍乗型車両走行データ処理装置に含まれない。
【0649】
第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1とが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データDc1と、第2アプローチ旋回軌跡データDTb2と第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2が関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データDc2との差分である第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、以下のいずれかの方法で生成されてもよい。
第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1とを含む第1データDs1と、第2アプローチ旋回軌跡データDTb2と第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2を含む第2データDs2との差分である第1第鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´も、以下のいずれかの方法で生成されてもよい。
第1の方法では、まず、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と第2アプローチ旋回軌跡データDTb2との差分と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2との差分をそれぞれ算出する。これらの2つの差分を関連付けて、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´が生成される。
第2の方法では、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1とを関連付けて第1の指標が生成される。第2アプローチ旋回軌跡データDTb2と第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2とを関連付けて第2の指標が生成される。第1の指標と第2の指標との差分を算出して、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´が生成される。
【0650】
第1の方法では、まず、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と第2アプローチ旋回軌跡データDTb2との差分と、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2との差分と、第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1と第2アプローチ旋回左右方向加速度データDLb2との差分をそれぞれ算出する。これらの3つの差分を関連付けて、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´が生成される。
第2の方法では、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1とを関連付けて第1の指標が生成される。第2アプローチ旋回軌跡データDTb2と第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2と第2アプローチ旋回左右方向加速度データDLb2とを関連付けて第2の指標が生成される。第1の指標と第2の指標との差分を算出して、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´が生成される。
第3の方法では、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1とを関連付けて第1の指標が生成される。第2アプローチ旋回軌跡データDTb2と第2アプローチ旋回前方向加速度データDAb2とを関連付けて第2の指標が生成される。第1の指標と第2の指標との差分を算出する。第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1と第2アプローチ旋回左右方向加速度データDLb2との差分を算出する。算出された2つの差分を関連付けて、第1鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´が生成される。
この第3の方法において、第1指標は、第1アプローチ旋回軌跡データDTb1と第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1に基づいて生成されてもよい。第1指標は、第1アプローチ旋回前方向加速度データDAb1と第1アプローチ旋回左右方向加速度データDLb1に基づいて生成されてもよい。第2指標は、第1指標が生成される2つのデータと同じ種類の2つのデータに基づいて生成される。
第1第鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、厳密な差分でなく、概略の差分であってもよい。また、第1第鞍乗型車両走行複合データ差分ΔDc1´は、算出された複数の差分のそれぞれに重みづけをして関連付けることにより、生成されてもよい。
【0651】
本発明において、鞍乗型車両走行複合データ出力処理で、鞍乗型車両を識別するための鞍乗型車両識別データを関連付けて鞍乗型車両走行複合データを出力してもよい。例えば、鞍乗型車両走行複合データ出力処理で、第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データと第1鞍乗型車両識別データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データ、および、第2アプローチ旋回軌跡データと第2アプローチ旋回前方向加速度データと第2鞍乗型車両識別データとが関連付けられた第2鞍乗型車両走行複合データを出力してもよい。鞍乗型車両走行複合データ出力処理で出力された第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データは、ライダーの運転技術および/または車両の特徴を強く反映している。鞍乗型車両走行複合データ出力処理で出力されたライダーの運転技術および/または車両の特徴を含む第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データは、様々な使い方がなされる。第1鞍乗型車両走行複合データおよび第2鞍乗型車両走行複合データの差分や比較や組み合わせなどによってデータが生成されてもよい。
【0652】
本発明の鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられて、第1アプローチ旋回左右方向データが関連付けられていないデータであってもよい。本発明の鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられて、第1旋回車両姿勢データが関連付けられていないデータであってもよい。本発明の鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられて、第1旋回ライダー姿勢データが関連付けられていないデータであってもよい。本発明の鞍乗型車両走行複合データは、第1環状軌跡データと第1環状前方向加速度データとが関連付けられて、第1環状左右方向データが関連付けられていないデータであってもよい。本発明の鞍乗型車両走行複合データは、第1環状軌跡データと第1環状前方向加速度データとが関連付けられて、第1旋回車両姿勢データが関連付けられていないデータであってもよい。本発明の鞍乗型車両走行複合データは、第1環状軌跡データと第1環状前方向加速度データとが関連付けられて、第1旋回ライダー姿勢データが関連付けられていないデータであってもよい。本発明の鞍乗型車両走行複合データは、第1アプローチ旋回軌跡データと第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられて、第1ライダー識別データが関連付けられていないデータであってもよい。本発明の鞍乗型車両走行複合データは、第1環状軌跡データと第1環状前方向加速度データとが関連付けられて、第1ライダー識別データが関連付けられていないデータであってもよい。本発明において、ライダー識別データ取得処理は無くてもよい。
【符号の説明】
【0653】
1、101、201、301、501 鞍乗型車両走行データ処理装置
2、102、302、502 プロセッサ
7 ガイド部
7b アプローチ旋回ガイド部
7c アプローチガイド部
7d 旋回ガイド部
10 鞍乗型車両
110、210、310 自動二輪車(鞍乗型車両)
308 撮像装置
510 四輪バギー(鞍乗型車両)
610 水上オートバイ(鞍乗型車両)
710、810 スノーモービル(鞍乗型車両)
DTb アプローチ旋回軌跡データ
DTb1 第1アプローチ旋回軌跡データ
DTb2 第2アプローチ旋回軌跡データ
DAb アプローチ旋回前方向加速度データ
DAb1 第1アプローチ旋回前方向加速度データ
DAb2 第1アプローチ旋回前方向加速度データ
DLb アプローチ旋回左右方向加速度データ
DLb1 第1アプローチ旋回左右方向加速度データ
DLb2 第2アプローチ旋回左右方向加速度データ
DTa 環状軌跡データ
DTa1 第1環状軌跡データ
DTa2 第2環状軌跡データ
DAa 環状前方向加速度データ
DAa1 第1環状前方向加速度データ
DAa2 第2環状前方向加速度データ
DLa 環状左右方向加速度データ
DLa1 第1環状左右方向加速度データ
DLa2 第2環状左右方向加速度データ
D1V 旋回車両姿勢データ
D1V1、D3V1 第1旋回車両姿勢データ
D1V2 第2旋回車両姿勢データ
D1R 旋回ライダー姿勢データ
D1R1、D3R1 第1旋回ライダー姿勢データ
D1R2 第2旋回ライダー姿勢データ
DI ライダー識別データ
DI1 第1ライダー識別データ
DI2 第2ライダー識別データ
Dc1、D1c1、D3c1 第1鞍乗型車両走行複合データ
D1c2、D3c2 第2鞍乗型車両走行複合データ
ΔD3c12、ΔDc1´ 第1鞍乗型車両走行複合データ差分
Ta1、Ta1、Ta1、Ta1 環状軌跡(第1環状軌跡)
Tb1 第1アプローチ旋回軌跡
Za 第1環状領域(第1形状の環状領域)
a 第2形状の環状領域(第1環状領域)
a 第3形状の環状領域(第1環状領域)
a 第4形状の環状領域(第1環状領域)
Zb1 第1アプローチ旋回領域
Zc1 第1アプローチ領域
Zd1 第1旋回領域
Ze、Ze、Ze、Ze 第2直線領域
Zf、Zf、Zf、Zf 第2曲線領域
g、Zg、Zg 第3直線領域
h、Zh、Zh 第3曲線領域
i、Zi、Zi 第4直線領域
j、Zj、Zj 第4曲線領域
k、Zk 第5直線領域
l、Zl 第5曲線領域
m、Zm 第6直線領域
n、Zn 第6曲線領域
o 第7直線領域
p 第7曲線領域
R ライダー
【要約】
鞍乗型車両走行データ処理装置1のプロセッサは、鞍乗型車両走行複合データ出力処理において、鞍乗型車両(straddled vehicle)10の走行軌跡である第1アプローチ旋回軌跡Tb1に関連する第1アプローチ旋回軌跡データDb1と、第1アプローチ旋回軌跡Tb1を走行したときの鞍乗型車両10の車両前方向の加速度に関連する第1アプローチ旋回前方向加速度データとが関連付けられた第1鞍乗型車両走行複合データを出力する。第1アプローチ旋回軌跡Tb1は、0mより大きく65m以下の第1直線SL1と第1直線SL1から2m離れた第2直線SL2との間の第1アプローチ領域Zc1と、中心角が90°以上270°以下で半径が2m以上10m以下の第1円弧CA1と第1円弧CA1の径方向外側に位置する第2円弧CA2との間の第1旋回領域Zd1とからなる第1アプローチ旋回領域Zb1に収まるような走行軌跡である。
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