【文献】
NIEDERHAUSER, Joel J, et al.,Combined Ultrasound and Optoacoustic System for Real-Time High-Contrast Vascular Imaging in Vivo,IEEE TRANSACTIONS ON MEDICAL IMAGING,米国,2005年 4月 4日,VOL.24, NO.4,p.436-440
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の光音響画像化装置では、検出部の中心直下の浅い検出対象物に光を照射するために導光板を設ける必要があるので、装置構成が複雑化しているという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、導光板を設けることなく簡易な装置構成により検出部の中心直下の浅い位置に光を照射することが可能な光音響画像化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による光音響画像化装置は、光源部と、光源部と並んで配置され、音響波を検出する検出部とを備え、光源部は、最大強度の50%以上の強度の光を検出部の中心直下の検出対象物の表面近傍の領域に照射するように配置されている。
【0008】
この発明の一の局面による光音響画像化装置では、上記のように、光源部を、検出部と並ぶように配置するとともに、最大強度の50%以上の強度の光を検出部の中心直下の検出対象物Qの表面近傍の領域に照射するように配置する。これにより、比較的配向角が広い発光ダイオード素子などの光半導体素子光源により光を照射した場合には、光源部と検出部と並ぶように近接して配置して、導光板を介することなく、最大強度の50%以上の強度の光を検出部の中心直下の検出対象物Qの表面近傍の領域に照射することができるようになる。その結果、導光板を設けることなく簡易な装置構成により検出部の中心直下の浅い位置に光を照射することができる。
【0009】
上記一の局面による光音響画像化装置において、好ましくは、光源部および検出部は、それぞれ、光源部と検出部とが並ぶ横方向に延びる同一の平面上に配置され、光源部から光を出射する光出射面と上記平面とのなす角度をα、光源部から最大強度の光が出射される第1方向と、光源部から最大強度の50%の強度の光が出射される第2方向とのなす角度をβ、横方向における、検出部の中心直下から光源部の検出部側の端部までの距離をX、光源部の光出射面の幅をLとすると、光源部は、被検体への光の照射深度を示す以下の式を満たす位置に配置されている。
{X/(tan(α+β))}−L×sinα≦10.0(mm)
このように構成すれば、上式を満たすように検出部に対して光源部を配置することにより、検出部の中心直下で10.0mm以下の照射深度となる位置に光源部を容易に配置することができる。
【0010】
上記一の局面による光音響画像化装置において、好ましくは、光源部は、光半導体素子光源を複数含み、複数の光半導体素子光源は、平面視において、列状に配列されている。このように構成すれば、導光板により光を拡散させなければならず、光量が安定しにくい光ファイバを用いる場合と比較して、本発明によれば広い列状の配列方向に沿った範囲から安定した強度の光を検出部の中心直下に照射することができる。
【0011】
上記一の局面による光音響画像化装置において、好ましくは、検出部は、音響波を検出部に収束可能な音響レンズを含み、音響レンズは、光源部からの光を反射し、音響波を透過する反射部を含んでいる。このように構成すれば、光源部からの光を反射部により反射することができるので、音響レンズに光が吸収されて、音響レンズから光音響波が発生することに起因するアーチファクトを抑制することができる。特に、光源部を検出部に近接させた場合には、音響レンズに照射される光の量が多くなるため、音響レンズから光音響波が発生することに起因するアーチファクトを効果的に抑制することができる。
【0012】
上記一の局面による光音響画像化装置において、好ましくは、検出部が設けられるプローブ本体と、光源部が設けられる光源ユニットとをさらに備え、光源ユニットは、プローブ本体の外側面に脱着可能に取り付けられている。このように構成すれば、光半導体素子光源を含む光源ユニットがプローブ本体に脱着可能に取り付けられるので、検出部に対する光源部の位置調整を容易に行うことができる。
【0013】
上記一の局面による光音響画像化装置において、好ましくは、光源部は、発光ダイオード素子(LED素子)、半導体レーザ素子および有機発光ダイオード素子のうちのいずれかの光半導体素子光源を含む。このように構成すれば、発光ダイオード素子、半導体レーザ素子および有機発光ダイオード素子は、比較的簡易な駆動機構によりパルス発光させることが可能な光源であるため、光源部が大型化するのを抑制することができる。その結果、装置が大型化するのを抑制することができる。
【0014】
上記一の局面による光音響画像化装置において、好ましくは、光源部は、光ファイバーを用いて導光するレーザ光源を含む。このように構成すれば、光ファイバーによって、比較的強度の強い光を導光して照射することができる。また、レーザ光源の向きを調整することにより、検出部の中心直下の浅い位置に光を容易に照射することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、上記のように、導光板を設けることなく簡易な装置構成により検出部の中心直下の浅い位置に光を照射することが可能な光音響画像化装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
[第1実施形態]
(光音響画像化装置の構成)
まず、
図1〜
図5を参照して、本発明の第1実施形態による光音響画像化装置100の構成について説明する。
【0019】
本発明の第1実施形態による光音響画像化装置100は、
図1および
図2に示すように、一対の光源ユニット1と、プローブ2と、装置本体3とを備えている。この光音響画像化装置100は、検出対象物Qから検出された音響波AWに基づいて、検出対象物Qを画像化するように構成されている。また、装置本体3と一対の光源ユニット1とは、配線91aおよび91bを介して接続されている。また、装置本体3とプローブ2とは、配線92を介して接続されている。装置本体3は、これら配線91a、91bおよび92を介して、一対の光源ユニット1およびプローブ2に電力や制御信号などを出力可能に構成されている。また、一対の光源ユニット1は、それぞれ、光源部10を含んでいる。また、プローブ2は、検出部20を含んでいる。
【0020】
光音響画像化装置100は、光源部10(後述する光半導体素子光源10a)から人体Pに向けて光を照射するように構成されている。また、光音響画像化装置100は、光が照射されたことによって人体P内の検出対象物Qから発生された音響波AWを、プローブ2において検出するように構成されている。なお、人体Pは、特許請求の範囲の「被検体」の一例である。
【0021】
ここで、第1実施形態では、光源部10(後述する光半導体素子光源10a)は、最大強度(出射される光の中で最も強い強度)の50%の強度の光を検出部20の中心直下の検出対象物Qの表面近傍の領域(たとえば、真皮領域)に照射するように構成されている。詳細については後述する。なお真皮とは、人間の皮膚を構成する1つの要素である。この真皮は、皮膚の最も外側に配置される表皮の内側に配置され、多くの毛細血管を含んでいる。また、光源部10は、真皮領域に照射する光により、たとえば、皮膚に形成される検出対象物Qとしてのメラノーマを検出することが可能なように構成されている。
【0022】
なお、以下の説明において、
図3に示すように、プローブ2から画像化の対象となる検出対象物Q(
図2参照)に向かう方向を検出方向(A1方向)とする。また、
図4に示すように、プローブ2および光源ユニット1は、検出方向(A1方向)に直交する所定方向(奥行き方向(B方向)とする)に延びる細長形状を有している。また、検出部20と光源部10(後述する光半導体素子光源10a)とは、検出方向(A1方向)および奥行き方向(B方向)に直交する所定方向(横方向(C方向)とする)に並んで配置されている。なお、説明の便宜上、
図3では、人体P(検出対象物Q)の図示を省略している。
【0023】
一対の光源ユニット1は、それぞれ、プローブ2(後述するプローブ本体21)の外側面21aに脱着可能に取り付けられている。また、一対の光源ユニット1は、C方向にプローブ2を挟むようにプローブ2の両側に取り付けられている。
【0024】
光源ユニット1は、光源部10と、光源本体11とを含んでいる。
【0025】
光源本体11は、アタッチメント部材(図示せず)を介してプローブ2に固定的に取り付け可能なように構成されている。また、光源本体11の検出方向(A1方向)の端部近傍には、光源部10の後述する光源基板10bが設置されている。また、光源本体11の内部には、光源部10を駆動させる駆動回路(図示せず)などが収納されている。
【0026】
光源部10は、人体Pに向けて画像化のための光を照射するように構成されている。また、光源部10は、光半導体素子光源10aと、光源基板10bと有している。この光半導体素子光源10aは、封止樹脂により封止されている。また、封止樹脂の検出方向側(A1方向側)の端面は、光出射面10cを構成している。
【0027】
光半導体素子光源10aは、人体Pの画像化に適した赤外領域の所定波長の光(たとえば、約700nm〜約1000nmに中心波長を有する光)を発生するように構成されている。このような光半導体素子光源10aとしては、たとえば、発光ダイオード素子(LED素子)、半導体レーザ素子、または、有機発光ダイオード素子を用いることが可能である。なお、発光ダイオード(LED)の配向特性を
図5に示す。発光ダイオードは、配向角が0度(光の出射方向前方)の位置で最も相対強度が大きくなり、配向角が大きく(小さく)なるにつれて、徐々に相対強度が小さくなるように構成されている。
【0028】
光半導体素子光源10aは、一例として、120度の配向角を有している。配向角とは、最大強度の50%以上の光を出射可能な角度範囲のことである。要するに、配向角とは、いわゆる1/2ビーム角のことである。
【0029】
最大強度(100%)の光が出射されるのは、光半導体素子光源10aの中心直下の方向である。以下では、最大強度(100%)の光が出射される方向を第1方向とする。また、最大強度の50%の光が出射される方向を第2方向とする。また、配向角は、120度(一例)であるため、第1方向と第2方向とがなす角度は、配向角の半分の60度となる。
【0030】
光半導体素子光源10aは、
図4に示すように、複数設けられている。また、光半導体素子光源10aは、平面視において(A1方向側から見て)、光源基板10b上に、列状に配列されている。具体的は、光半導体素子光源10aは、平面視において、検出部20と光源部10とが並ぶ横方向(C方向)に3列、奥行き方向(B方向)に14列となるように光源基板10b上に配列(実装)されている。
【0031】
プローブ2は、
図2に示すように、検出部20と、プローブ本体21とを含んでいる。
【0032】
プローブ本体21は、使用時にユーザに把持される筺体部分であり、アタッチメント部材(図示せず)を介して光源ユニット1(光源部10)が固定的に取り付けられるように構成されている。また、プローブ本体21の検出方向(A1方向)の端部には、検出部20が設置されている。
【0033】
検出部20は、検出対象物Qから発生する音響波AWを検出するように構成されている。また、検出部20は、検出した音響波AWの検出信号を、配線92を介して装置本体3(後述する制御部30)に出力するように構成されている。また、検出部20は、超音波振動子20aと、音響レンズ20bとを有している。
【0034】
超音波振動子20aは、音響レンズ20bに対して検出方向(A1方向)の逆方向側に配置されている。また、超音波振動子20aは、
図4に示すように、複数設けられている。また、超音波振動子20aは、音響レンズ20bに当接した状態で奥行き方向(B方向)に並ぶ列状に配列されている。また、超音波振動子20aは、検出対象物Qから発生した音響波AWを受信して、振動することにより、音響波AWを検出するように構成されている。
【0035】
音響レンズ20bは、
図3に示すように、検出方向(A1方向)に突出するように湾曲した弓なり形状を有している。この形状により、音響レンズ20bは、検出対象物Qからの音響波AWを、超音波振動子20aに集束可能なように構成されている。また、音響レンズ20bは、光半導体素子光源10aからの光を反射し、音響波AWを透過する反射層20cを含んでいる。反射層20cは、音響レンズ20bの検出方向(A1方向)側表面に設けられ、検出方向(A1方向)側から超音波振動子20aを覆っている。この反射層20cは、アルミニウム、金、または、銀などの金属がコーティングされることにより形成されている。また、音響レンズ20bの反射層20cの内側の部分は、シリコン樹脂などを含有する材料から形成されている。なお、反射層20cは、特許請求の範囲の「反射部」の一例である。
【0036】
図3に示すように、検出部20および光源部10の光半導体素子光源10aから光を照射する側(A1方向側)の端部は、それぞれ、検出部20と光半導体素子光源10aとが並ぶ横方向(C方向)に延びる同一の平面F上に配置されている。要するに、検出部20の頂点N1、および、光源部10の光出射面10cは、それぞれ、平面F上に配置されている。
【0037】
装置本体3は、
図2に示すように、制御部30と、表示部31とを含んでいる。
【0038】
制御部30は、光半導体素子光源10aからの光の出射を制御するように構成されている。また、制御部30は、検出部20から出力された検出信号に基づいて、検出対象物Qの光音響波画像を生成するように構成されている。
【0039】
表示部31は、一般的な液晶方式などの画面により構成されている。また、表示部31は、この画面に、制御部30により生成された光音響波画像を表示するように構成されている。
【0040】
(検出部に対する光源部の配置)
次に、
図3を参照して、検出部20に対する光源部10の配置について説明する。
【0041】
まず、平面Fと、光半導体素子光源10aから光を出射する光出射面10cとのなす角度をαとする。なお、第1実施形態では、平面Fと光出射面10cとは、同一平面上にあるため、αは0度である。このため、
図3には、αを図示していない(αについては、第2実施形態の
図6を参照)。また、第1方向と、第2方向とのなす角度をβ(配向角の半分の60度)とする。また、横方向(C方向)における、検出部20の中心(検出部20を通る一点鎖線で示す)直下から光源部10(光出射面10c)の検出部20側の端部(点N2)までの距離をXとする。また、光源部10の光出射面10cの幅をLとする。
【0042】
光源部10は、人体Pへの光の照射深度を示す以下の式(1)を満たす位置に配置されている。
【0043】
{X/(tan(α+β))}−L×sinα≦10.0(mm)・・・(1)
【0044】
上式(1)の{X/(tan(α+β))}は、光源部10(光出射面10c)の検出部20側の端部(点N2)と、最大強度の50%の強度の光が照射される検出部20の中心直下の最も浅い位置(点N3)との検出方向(A1方向)における距離(Y)を示している。また、L×sinαは、光源部10(光出射面10c)の検出部20側の端部(点N2)と、平面Fとの検出方向(A1方向)における距離(第1実施形態では、L×sinα=0になる)を示している。
【0045】
したがって、光源部10は、X≒6.93以下となる位置に配置されている。これにより、光音響画像化装置100は、検出部20の中心直下10.0(mm)よりも浅い深度(Yにより示す)の検出対象物Qの表面近傍の領域にある検出対象物Qに光を照射することが可能なように構成されている。なお、より好ましくは、光音響画像化装置100は、検出部20の中心直下4.0(mm)よりも浅い深度(Yにより示す)の検出対象物Qの表面近傍の領域にある検出対象物Qに光を照射することが可能なように構成されるのが好ましい。
【0046】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0047】
第1実施形態では、上記のように、光源部10(光半導体素子光源10a)を、検出部20と並ぶように配置するとともに、最大強度の50%以上の強度の光を検出部20の中心直下の検出対象物の表面近傍の領域に照射するように配置する。これにより、比較的配向角が広い発光ダイオード素子などの光半導体素子光源10aにより光が照射されるので、光半導体素子光源10aを検出部20と並ぶように近接して配置した場合に、導光板を介することなく、最大強度の50%以上の強度の光を検出部20の中心直下の検出対象物の表面近傍の領域に照射することができるようになる。その結果、導光板を設けることなく簡易な装置構成により検出部20の中心直下の浅い位置に光を照射することができる。
【0048】
また、第1実施形態では、上記のように、光源部10および検出部20を、それぞれ光半導体素子光源10a(光源部10)と検出部20とが並ぶ横方向に延びる同一の平面上に配置し、光半導体素子光源10a(光源部10)から光を出射する光出射面10cと平面とのなす角度をα、光半導体素子光源10a(光源部10)から最大強度の光が出射される第1方向と、光半導体素子光源10a(光源部10)から最大強度の50%の強度の光が出射される第2方向とのなす角度をβ、横方向における、検出部20の中心直下から光源部10の検出部20側の端部までの距離をX、光源部10の光出射面10cの幅をLとし、光源部10を、人体Pへの光の照射深度を示す以下の式を満たす位置に配置する。
{X/(tan(α+β))}−L×sinα≦10.0(mm)
これにより、上式を満たすように検出部20に対して光源部10を配置することにより、検出部の中心直下で10.0mm以下の照射深度となる位置に光源部10を容易に配置することができる。
【0049】
また、第1実施形態では、上記のように、光源部10に、光半導体素子光源10aを複数設け、複数の光半導体素子光源10aを、平面視において、列状に配列する。これにより、導光板により光を拡散させなければならず、光量が安定しにくい光ファイバを用いる場合と比較して、本発明によれば列状の配列方向に沿った広い範囲から安定した強度の光を検出部20の中心直下に照射することができる。
【0050】
また、第1実施形態では、上記のように、検出部20に、音響波を検出部20に収束可能な音響レンズ20bを設け、音響レンズ20bに、光半導体素子光源10a(光源部10)からの光を反射し、音響波を透過する反射部を設ける。これにより、光半導体素子光源10aからの光を反射部により反射することができるので、音響レンズ20bに光が吸収されて、音響レンズ20bから光音響波が発生することに起因するアーチファクトを抑制することができる。特に、光半導体素子光源10aを検出部20に近接させた場合には、音響レンズ20bに照射される光の量が多くなるため、音響レンズ20bから光音響波が発生することに起因するアーチファクトを効果的に抑制することができる。
【0051】
また、第1実施形態では、上記のように、検出部20が設けられるプローブ本体21と、光源部10が設けられる光源ユニット1とをさらに設け、光源ユニット1を、プローブ本体21の外側面21aに脱着可能に取り付ける。これにより、光半導体素子光源10aを含む光源ユニット1がプローブ本体21に脱着可能に取り付けられるので、検出部20に対する光源部10の位置調整を容易に行うことができる。
【0052】
また、第1実施形態では、上記のように、光源部10の光半導体素子光源10aを、発光ダイオード素子、半導体レーザ素子および有機発光ダイオード素子のうちのいずれかの素子とする。これにより、発光ダイオード素子、半導体レーザ素子および有機発光ダイオード素子は、比較的簡易な駆動機構によりパルス発光させることが可能な光源であるため、光源部10が大型化するのを抑制することができる。その結果、装置が大型化するのを抑制することができる。
【0053】
(第2実施形態)
次に、
図1および
図6を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、光出射面10c(光源部10)を平面Fと同一平面上に配置した上記第1実施形態と異なり、光出射面210c(光源部210)を平面Fに対して傾斜させた例をについて説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付して図示するとともに説明を省略する。また、説明の便宜上、
図6では、人体P(検出対象物Q)の図示を省略している。
【0054】
図6に示すように、第2実施形態による光音響画像化装置200(
図1参照)の光源ユニット201では、光源部210の光出射面210cは、光源部210からの光が検出部20側に向かうように、平面Fに対して角度αだけ傾斜している。
【0055】
光源部210の光半導体素子光源10aから光を照射する側(A1方向側)の端部は、平面F上に配置されている。要するに、光出射面210cの検出部20から離間した側の端部(点O)は、平面F上に配置されている。
【0056】
光源部210は、人体Pへの光の照射深度を示す上式(1)を満たす位置に配置されている。
【0057】
なお、上式(1)における、{X/(tan(α+β))}は、線分N2−N4を示している。また、上式(1)における、L×sinαは、線分N2−N5を示している。
【0058】
一例として、α=5.0度、L=10mmである場合について説明する。この場合、光源部210は、X=(4−sin(5°))×tan(65°)≒8.39以下となる位置に配置されている。
【0059】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0060】
第2実施形態では、上記のように、光源部210を、検出部20と並ぶように配置するとともに、最大強度の50%以上の強度の光を検出部20の中心直下の検出対象物の表面近傍の領域に照射するように配置する。これにより、導光板を設けることなく簡易な装置構成により検出部20の中心直下の浅い位置に光を照射することができる。
【0061】
(第3実施形態)
次に、
図1および
図7を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、光源部10の先端近傍に設けられた光半導体素子光源10aを発光させて光を照射した上記第1実施形態と異なり、光ファイバー310bにより導光された光を照射する例をについて説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付して図示するとともに説明を省略する。また、説明の便宜上、
図7では、人体P(検出対象物Q)の図示を省略している。
【0062】
図7に示すように、第3実施形態による光音響画像化装置300(
図1参照)の光源ユニット301では、光源部310は、光ファイバー310bにより導光するレーザ光源310aを含んでいる。
【0063】
レーザ光源310aは、複数設けられている。また、複数のレーザ光源310aは、全体として、所定の配向角により光が出射されるように、光出射側の端部が放射状に向けられている。
【0064】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0065】
第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、光源部310を、検出部20と並ぶように配置するとともに、最大強度の50%以上の強度の光を検出部20の中心直下の検出対象物の表面近傍の領域に照射するように配置する。これにより、導光板を設けることなく簡易な装置構成により検出部20の中心直下の浅い位置に光を照射することができる。
【0066】
また、第3実施形態では、上記のように、光源部310に光ファイバー310bを用いて導光するレーザ光源310aを設ける。これにより、光ファイバー310bによって、比較的強度の強い光を導光して照射することができる。また、レーザ光源の向きを調整することにより、検出部20の中心直下の浅い位置に光を容易に照射することができる。
【0067】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0068】
たとえば、上記第1〜3実施形態では、本発明の反射部の一例としてコーディングにより形成された反射層により光半導体素子光源からの光を反射した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、反射によって音響レンズに光が吸収されるのを抑制することができるならば、反射層以外の構成により光半導体素子光源からの光を反射してもよい。たとえば、本発明の反射部として、金などの金属からなる板部材により光半導体素子光源からの光を反射してもよい。
【0069】
また、上記第1および第2実施形態では、光半導体素子光源を奥行き方向に延びる3列の列状に配列した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、光半導体素子光源を奥行き方向に延びる1、2または4列以上の列数により配列してもよい。
【0070】
また、上記第1〜3実施形態では、光半導体素子光源を、最大強度の50%の強度の光を検出部の中心直下の領域に照射するように配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、たとえば、光半導体素子光源を、最大強度の50%以上の最大強度の60%の強度の光を検出部の中心直下の領域に照射するように配置してもよい。また、検出部の中心直下の領域に50%以上の強度の光を照射できるのであれば、上式(1)を満たさなくてもよい。
【0071】
また、上記第1〜3実施形態では、光源部からの配向角を120度とした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、たとえば、光半導体素子光源の配向角を120度以下の100度、または、120度よりも大きい150度としてもよい。
【0072】
また、上記第1〜3実施形態では、光源ユニットをプローブ本体に脱着可能に構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、光源ユニットとプローブ本体とを一体的に構成してもよい。