【0020】
図2に示すように、センター側陸部3aに形成される突出部4aの
溝断面視における最大断面積は、ショルダー側陸部3bに形成される突出部4bの
溝断面視における最大断面積よりも大きい。直進時は、ショルダー側陸部3bよりもセンター側陸部3aのブロック剛性が直進操縦安定性能に与える影響が大きい。よって、突出部の
溝断面視における最大断面積をショルダー側よりもセンター側を大きくすることで、センター側陸部3aのブロック剛性を高め、直進操縦安定性能を向上させることが可能となる。大小関係が逆になると、直進操縦安定性能が悪化する。具体的には、センター側陸部3aに形成される突出部4aの
溝断面視における最大断面積が、ショルダー側陸部3bに形成される突出部4bの
溝断面視における最大断面積の2〜4倍であることが、効果を発揮するうえで好ましい。
【実施例】
【0025】
以下、本開示の構成と効果を具体的に示す実施例などについて説明する。
【0026】
(1)ノイズ低減性能
タイヤサイズ「215/55R17 94V」を用い、JASO−C606に準拠し、時速80km/hでオーバーオールレベルを測定し、比較例1のタイヤの新品時の結果を100とする指数で表現した。数値が大きいほど、ノイズが低減されていることを示す。摩耗初期(新品時)と、摩耗末期について測定した。
【0027】
(2)直進操縦安定性能
テストタイヤをリム(17×7.0)に組み付け、内圧230kPaにし、実車の全輪にテストタイヤを装着し、荷重470kgにて、直進走行を実施して、ドライバーの官能試験により評価した。比較例1のタイヤの結果を100とする指数で表現した。数値が大きいほど、直進安定性能が優れていることを示す。
【0028】
(3)排水性能
テストタイヤをリム(17×7.0)に組み付け、内圧230kPaにし、実車の全輪にテストタイヤを装着し、荷重470kgにて、水深4mmのウェット路面を有する直線コースを走行して、ハイドロプレーニング現象が発生するときの速度を測定した。評価は比較例1の新品時を100としたときの指数で示し、数値が大きいほど速度が大きく耐ハイドロプレーニング性が高い、即ち排水性能に優れていることを示す。摩耗初期(新品時)と、摩耗末期について測定した。
【0029】
実施例1
図1及び
図2に示すように、センター側陸部3a及びショルダー側陸部3bに交互に突出部4a,4bを設けた。センター側陸部3aの突出部4aは、踏面tr側に配置されている。ショルダー側陸部3bの突出部4bは、溝底側に配置されている。センター側陸部3aの突出部4aの断面積がショルダー側陸部3bの突出部4bの断面積よりも大きい。タイヤ幅方向一方側と他方側とで突出部4a,4bの配置位相を周方向PDにて一致させている。
【0030】
実施例2
図4に示すように、タイヤ幅方向一方側と他方側とで突出部4a,4bの配置位相を周方向PDにて異ならせてある。それ以外は、実施例1と同じとした。
【0031】
比較例1
主溝1aに突出部を設けていないトレッドパターンを形成した。それ以外は、実施例1と同じタイヤとした。
【0032】
比較例2
図5に示すように、センター側陸部3aに突出部104aを設け、センター側陸部3aに隣接するショルダー側陸部3bに突出部104bを設け、突出部104a,104bが対面するようにした。センター側陸部3aの突出部104aは、踏面tr側に配置されている。ショルダー側陸部3bの突出部104bは、溝底側に配置されている。センター側陸部3aの突出部104aの断面積がショルダー側陸部3bの突出部4bの断面積よりも大きい。それ以外は、実施例1と同じとした。
【0033】
比較例3
図6に示すように、ショルダー側陸部3bの突出部204bを、センター側陸部3aの突出部204aと同じ大きさ及び同じ位置(踏面側)に配置した。それ以外は、実施例1と同じとした。
【0034】
【表1】
【0035】
表1より、ノイズ低減性能について、比較例2、3、実施例1、2はいずれも比較例1に対して新品時のノイズを低減している。比較例2、実施例1、2は、摩耗末期において比較例1よりもノイズを低減している。しかし、比較例3は、摩耗末期にノイズ低減効果がないことが分かる。このことから、摩耗初期(新品時)から摩耗末期にかけてノイズ低減を発揮させるためには、突出部の配置位置を上下に異ならせることが有効であることが分かる。
【0036】
表1より、直進操縦安定性について、センター側陸部の突出部がショルダー側陸部3bの突出部よりも大きいことが、有効であることが分かる。比較例2が実施例1,2により効果が大きいのは、単純にセンター側陸部に設けられる突出部の数が多いからである。
【0037】
表1より、排水性能について、実施例1、2が比較例1と同じであることから、実施例1,2は排水性能を維持できている。一方、比較例2、3は、比較例1に比して新品時の性能が著しく低下している。これは、突出部を対面配置にしたことや、交互配置であっても同じ高さに配置することが悪影響を与えることが理解である。
【0038】
以上のように、本実施形態の空気入りタイヤは、トレッド部は、タイヤ周方向の延びる主溝1aと、主溝1aを挟んで隣り合うセンター側陸部3a及びショルダー側陸部3bと、を有する。センター側陸部3a及びショルダー側陸部3bはタイヤ周方向PDに複数配列されている。センター側陸部3a及びショルダー側陸部3bの主溝1aを形成する側壁30は、溝断面視にて先細り状の突出部4a,4bを有する。突出部4a,4bは、センター側陸部3aとショルダー側陸部3bとに交互に設けられている。センター側陸部3aに形成される突出部4aの先端Pは、溝最大深さDの半分よりも踏面tr側に設けられている。ショルダー側陸部3bに形成される突出部4bの先端Pは、溝最大深さDの半分よりも溝底側に設けられている。
【0039】
このように、平面視にて突出部4a,4bをセンター側陸部3aとショルダー側陸部3bとに交互に設けているので、突出部4aを有するセンター側陸部3aに対面するショルダー側陸部3bには突出部が無く、突出部4bを有するショルダー側陸部3bに対面するセンター側陸部3aには突出部がない。よって、対面する側壁30の両方に突出部がある場合に比べて排水性能を向上させることが可能となる。
【0040】
それでいて、センター側陸部3aの突出部4aの先端Pは、溝最大深さDの半分よりも踏面tr側に設けられているので、新品時から摩耗中期までに生じる気柱管共鳴音をセンター側陸部3aの突出部4aが効果的に低減する。また、ショルダー側陸部3bの突出部4bの先端Pは、溝最大深さDの半分よりも溝底側に設けられているので、摩耗中期から摩耗後期までに生じる気柱管共鳴音をショルダー側陸部3bの突出部4bが効果的に低減する。よって、新品時から摩耗末期までにかけて気柱管共鳴音の低減効果を維持することが可能となる。
【0041】
さらに、センター側陸部3aの突出部4aとショルダー側陸部3bの突出部4bとを高さ違いに設けているので、排水性を悪化させずに確保可能となる。
【0042】
したがって、新品時から摩耗末期までノイズ低減効果と排水性能を適切に発揮させる空気入りタイヤを提供することが可能となる。
【0043】
本実施形態では、センター側陸部3aに形成される突出部4aの先端Pは、踏面trから溝最大深さDの30〜40%の範囲にあり、ショルダー側陸部3bに形成される突出部4bの先端Pは、踏面trから溝最大深さDの70〜80%の範囲にある。この構成によれば、摩耗初期から摩耗末期まで双方の突出部4a,4bが溝内に適切に突出することになるため、ノイズ低減を効果的に発揮させると共に、排水性能を適切に確保可能となる。
【0044】
本実施形態では、平面視において、突出部4a,4bの最も突出している部位の中心C1,C3が、陸部3a,3bの周方向中央C2,C4を中心として陸部3a,3bの周方向長さL1,L2の15%の範囲内にある。この構成によれば、ブロック剛性が前後方向に均一化され、直進操縦安定性能が向上する。
【0045】
直進時は、ショルダー側陸部3bよりもセンター側陸部3aのブロック剛性が直進操縦安定性能に与える影響が大きい。本実施形態では、センター側陸部3aに形成される突出部4aの
溝断面視における最
大断面積は、ショルダー側陸部3bに形成される突出部4bの
溝断面視における最
大断面積よりも大きい。よって、突出部の
溝断面視における最大断面積をショルダー側よりもセンター側を大きくすることで、センター側陸部3aのブロック剛性を高め、直進操縦安定性能を向上させることが可能となる。
【0046】
本実施形態では、センター側陸部3aに形成される突出部4aの
溝断面視における最
大断面積は、ショルダー側陸部3bに形成される突出部4bの
溝断面視における最
大断面積の2〜4倍である。この構成によれば、上記直進操縦安定性能を効果的に発揮させることが可能となる。
【0047】
本実施形態では、タイヤ赤道CLを挟んでタイヤ幅方向WDの両側に、主溝1a、センター側陸部3a及びショルダー側陸部3bがそれぞれ配置されており、タイヤ幅方向一方側と他方側とで突出部の配置位相が異なっている。
【0048】
この構成によれば、タイヤ幅方向一方側で生じるノイズの周波数と、タイヤ幅方向他方側で生じるノイズの周波数とがずれるので、周波数一致による増幅を避けることでノイズを低減することが可能となる。
【0049】
以上、本開示の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0050】
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。