(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1にはタッチパネルと液晶パネル等の貼り合わせに用いる粘着フィルムとして、粘着層の両面の基材層を片方ずつ容易に剥離させることができる粘着フィルムに関する技術が開示されている。
【0003】
例えばタッチセンサパネル等のパネル体を製造する一次製造会社と、パネル体を購入して例えばタッチセンサ付液晶表示装置その他を製造する二次製造会社を想定する。
一次製造会社は、両面テープを貼付した状態のパネル体を製造し、取引先の二次製造会社等に納品する。
二次製造会社では、納品されたパネル体を両面テープを用いて所定の装置に貼付固定し、完成品や中間製造品としての機器、装置、部品等を製造する。
【0004】
ここで一次製造会社が製造する両面テープを貼付したパネル体として、
図6A、
図6Bに示す構造を考える。
図6Aはパネル体の構造の分解斜視図、
図6Bは断面図である。どちらも図示及び説明のための模式図である。
タッチセンサパネル100の背面(タッチする面の反対の面)に、ロ字状の両面テープ91を貼付する。なお両面テープ91の表裏の粘着面はそれぞれセパレータがあらかじめ貼付されている。当然、両面テープ91を貼付する際には、図示していない一方の面のセパレータを剥がしてからタッチセンサパネル100に貼付することになる。
貼り付けられた両面テープ91の他方の粘着面にはまだ剥がされていないセパレータ92が貼付されている。
セパレータ92の上面側には、タッチセンサパネル100の背面全体を覆う保護フィルム93が貼付される。保護フィルム93はタッチセンサパネル100の平面より一回り大きい平面サイズのものが用いられている。
なおセパレータにはピールタブ92aが、また保護フィルム93にはピールタブ93aが、それぞれ取り付けられる。
例えば一次製造会社ではこのようなパネル体が製造され、二次製造会社に納品される。
【0005】
二次製造会社では、まずピールタブ93aを手がかりにして保護フィルム93を剥がす。
次にピールタブ92aを手がかりにしてセパレータ92を剥がして両面テープ91の粘着面を露出させる。
そしてタッチセンサパネル100を両面テープ91により他の機器の所定の箇所に貼付する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のようなパネル体の製造に関しては次のような問題が生じている。
まず一次製造会社側でのパネル体の製造に関して。タッチセンサパネル100に対する両面テープ91の貼り付け工程に手間がかかる。即ちロ字状(窓枠形状)とされた両面テープ91は強度が弱く、自動機での貼り付けが困難である。そのため作業者が位置決め治具を用いて手作業で両面テープ91をタッチセンサパネル100の背面に貼り付けなければならず、非常に効率が悪い。
またこのため位置精度が不安定となっており製品品質も安定しない。
さらに両面テープ91を貼付した後、保護フィルム93を貼付する工程が必要であり、製造効率が低下している。
【0008】
また二次製造会社側では、次の問題がある。
工程上、保護フィルム93を剥がし、さらにセパレータ92を剥がす必要がある。剥がす手間が2回かかることで工程効率が低下している。
またタッチセンサパネル100の平面面積より一回り大きな保護フィルム93を用いているため、保護フィルム93の端部がタッチセンサパネル100の縁部を回り込んで前面側に張り付いてしまうことが多い。このため保護フィルム93の剥離が非常に面倒になっている。
【0009】
そこで本発明は、これらの問題を解消できるパネル体の製造方法及びパネル体の構造を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るパネル体の製造方法は、貼付先となるパネル型部の平面の周縁に沿って全周にわたる縁部周回形状の両面テープ部と、該両面テープ部の一方の粘着面に貼付された
PETフィルムによる軽剥離セパレータと、
0.05mm以上0.1mm以下の厚みのPETフィルムであって前記パネル型部の平面を覆うことができる面状とされるとともに
PETフィルムへの剥離コート成分の配合量により前記軽剥離セパレータより重剥離のセパレータとして機能する
ようにされ、前記両面テープ部の他方の粘着面に貼付されたシート体と
、を有するセパレータ付き両面テープから、前記軽剥離セパレータを剥離する
第1工程と、前記パネル型部の平面の周縁に沿って、前記両面テープ部の前記一方の粘着面を貼付する
第2工程と、が行われる。
この場合、縁部周回形状の両面テープ部は、例えば方形のタッチセンサパネル等のパネル型部の平面の周縁に沿ったロ字状のものとなる。この例えばロ字状の両面テープ部の一方の粘着面は軽剥離セパレータが剥離されてからパネル型部の平面に貼付される。このようにパネル型部に貼付する際に、他方の粘着面に貼付されているシート体は、パネル型部の平面を覆うサイズで例えば長方形状のものとされているため、セパレータ付き両面テープは少なくともパネル型部の平面と略同サイズの面積の面形状を維持しており、取扱いが容易となる。
【0011】
上記した製造方法においては、
前記軽剥離セパレータは、前記両面テープ部の外縁サイズより広い平面サイズを有するものとされ、前記重剥離セパレータは、前記両面テープ部の外縁サイズと略同一の平面サイズとされており、前記第1工程、前記第2工程の後に、前記シート体に剥離用タブを取り付ける工程
が行われることが考えられる。
これにより製造されるパネル体のシート体は、剥離用タブを手がかりにして容易に剥離できるようになる。
【0012】
本発明に係るパネル体は、パネル型部と、前記パネル型部の平面の周縁に沿って全周にわたって、
PETフィルムによる軽剥離セパレータが剥がされた状態の一方の粘着面が貼付された、縁部周回形状の両面テープ部と、
0.05mm以上0.1mm以下の厚みのPETフィルムであり、PETフィルムへの剥離コート成分の配合量により前記軽剥離セパレータより重剥離のセパレータとして機能するようにされ、前記両面テープ部が貼付された前記パネル型部の平面を覆う状態で、前記両面テープ部の他方の粘着面に貼付された、前記両面テープ部のセパレータ機能と前記パネル型部の保護機能を兼ねるシート体と、を備える。
即ちパネル型部の平面の周縁に沿った例えばロ字状等の縁部周回形状の両面テープ部を用いながら、パネル型部への両面テープ部の貼付が容易にできるパネル体である。シート体は、セパレータ兼保護フィルムとして機能するため、パネル体の出荷状態として適切である。
【0013】
上記したパネル体においては、前記シート体は透明又は半透明であることが考えられる。
セパレータ兼保護フィルムとして機能するシート体を透明又は半透明とし、シート体側からパネル型部の平面が視認できるようにする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、一次製造会社側では、ロ字状等の縁部周回形状の粘着面を有するセパレータ付両面テープは、強度の高いものとなり取扱いが容易になる。またシート体はセパレータ兼保護フィルムとして機能する。これらにより製造工程の簡略化、効率化が実現される。
また二次製造会社側では剥がす工程が簡略化される。従って二次製造会社でも工程効率が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を説明する。実施の形態ではパネル型部としてのタッチセンサパネルに両面テープを貼付したパネル体10とその製造方法を説明する。
まず
図1は実施の形態のパネル体10に用いられるセパレータ付き両面テープ1を示している。
図1Aはセパレータ付き両面テープ1の分解斜視図、
図1Bは平面図、
図1Cはa−a断面図である。なおこれらの図、及び後述する
図2,
図4,
図5の各図は、説明上の模式図としており、図示の都合及び理解のしやすさを考慮して実際のサイズ(平面サイズ、厚みサイズ)からある程度デフォルメして示している。
【0017】
図1A、
図1B、
図1Cに示すセパレータ付き両面テープ1は、ロ字状の両面テープ部2がテープ本体とされている。両面テープ部2のロ字状の両面が粘着面である。
ロ字状の外縁サイズは、貼付先のパネル型部(後述するタッチセンサパネル11)の平面サイズと略同一とされている。なおロ字状の外縁サイズはタッチセンサパネル11の平面サイズより若干小さくされる場合もある。
いずれにしてもロ字状の両面テープ部2は、貼付先となるタッチセンサパネル11の平面の周縁に沿って全周にわたる縁部周回形状となっている。
ロ字状(窓枠型)の枠部分の幅は特に規定されないが、タッチセンサパネル11を他の部位に両面テープ部2により粘着固定する際に十分な固定強度がとれる幅に設定されている。
【0018】
この両面テープ部2の一方の粘着面(図の下方側)には、軽剥離セパレータ4が貼付されている。この例では、軽剥離セパレータ4は、両面テープ部2の外縁サイズよりも広い平面サイズを有するものとしている。
例えば軽剥離セパレータ4は、全周にわたって両面テープ部2の外縁から5〜10mm程度はみ出すような平面サイズとしている。これは軽剥離セパレータ4を、その縁部をつまんで両面テープ部2から剥がしやすくするためである。
なお軽剥離セパレータ4は、全周にわたって端部が両面テープ部2からはみ出すようにされていなくとも、一部のみがはみ出して、剥がす際の手がかりにできる形状とされていても良い。
【0019】
両面テープ部2の他方の粘着面(図の上方側)には、重剥離セパレータ兼保護フィルム3が貼付されている。この例では、重剥離セパレータ兼保護フィルム3は、両面テープ部2の外縁サイズと略同一の平面サイズを有するものとしている。
軽剥離セパレータ4と重剥離セパレータ兼保護フィルム3はフィルム状であり、ロ字状の両面テープ部2の両面をフィルムで挟み込む状態になっている。
また少なくとも重剥離セパレータ兼保護フィルム3は透明フィルムである。但し半透明であってもよい。
【0020】
軽剥離セパレータ4及び重剥離セパレータ兼保護フィルム3は、例えばPET(Polyethylene terephthalate)フィルムが用いられる。
軽剥離セパレータ4及び重剥離セパレータ兼保護フィルム3の厚みは、例えば0.1mm程度とされる。
PETフィルムにコーティングされる剥離コートの材質としてはシリコーンが用いられる。また非シリコーン系としてフッ素コートが採用される場合もある。
「軽剥離」「重剥離」は、剥離強度の程度を示していて、軽剥離は重剥離より剥離強度が低くなっている。この軽剥離/重剥離の違いは、剥離コートのシリコーン成分の配合による。シリコーン成分の配合量が多くなるほど軽剥離となる。
【0021】
このようなセパレータ付き両面テープ1を用いたパネル体10の製造工程を説明する。
図2A、
図2B、
図2Cはパネル体10の製造過程の状態を模式的に示し、
図3Aはパネル体10の製造工程を示している。
まず
図2Aは、
図1で説明したセパレータ付き両面テープ1を示している。
図3の工程S1として、このセパレータ付き両面テープ1から軽剥離セパレータ4の剥離を行う。
図2Aのように軽剥離セパレータ4は、両面テープ部2のロ字状の外縁部から全周にわたってはみ出す平面サイズとされている。そのため作業者もしくは自動機は、軽剥離セパレータ4の端部を手がかりにして軽剥離セパレータ4を剥がしていくことが容易に可能である。
また軽剥離/重剥離が設定されていることで、重剥離セパレータ兼保護フィルム3を剥離させずに軽剥離セパレータ4を剥離することが容易になっている。
図2Bは軽剥離セパレータ4が剥離された状態のセパレータ付き両面テープ1を示している。
【0022】
続いて
図3Aの工程S2として、セパレータ付き両面テープ1をパネル型部としてのタッチセンサパネル11の平面に貼付する。
図4Aに、セパレータ付き両面テープ1とタッチセンサパネル11を示し、
図4Bにはセパレータ付き両面テープ1をタッチセンサパネル11に貼付した状態の断面構造を示している。
この例では、タッチセンサパネル11の表面(タッチする面)には加飾カバーガラス12が貼付されており、タッチセンサパネル11と加飾カバーガラス12で両面テープ貼付先のパネルが形成されているものとしている。
セパレータ付き両面テープ1は、軽剥離セパレータ4を剥がした粘着面を、タッチセンサパネル11の背面R(タッチする面の反対の面)の周縁部に全周にわたって沿わす状態となるように貼り付ける。
【0023】
ここで、セパレータ付き両面テープ1は、両面テープ部2はロ字状であるが、面状の重剥離セパレータ兼保護フィルム3が貼付されているため、ある程度の強度をもっている。このため、貼付工程は自動機により容易に可能となる。
なお上記のように重剥離セパレータ兼保護フィルム3は例えば0.1mm程度の厚さであることで、ロ字状の両面テープ部2を適切な強度で維持できる。工程上のハンドリングに必要な適切な強度を得るためには薄過ぎない方がよい。例えばPETフィルムの場合、厚みが0.05mm以上が望ましい。
【0024】
図5は貼付を行う自動機を模式的に示している。
吸着ステージ30には、タッチセンサパネル11(及び加飾カバーガラス12)を吸着固定している。
固定されたタッチセンサパネル11に対向して、セパレータ付き両面テープ1を吸着した吸着ステージ31及びローラ32が配置される。
ロ字状の両面テープ部2だけでなく平面状の重剥離セパレータ兼保護フィルム3が存在していることで、セパレータ付き両面テープ1は吸着ステージ31によって容易に吸着される。さらに上記のように強度が得られるため、容易に位置決めされることができる。
なお、吸着ステージ31は、吸着ステージ30に比べて弱い吸着力でセパレータ付き両面テープ1を吸着保持している。
【0025】
ローラ32と吸着ステージ31は、図示しない機構により一体的に矢印P方向に進行する。このときローラ32は、吸着ステージ31から位置決めされた状態で引き出されたセパレータ付き両面テープ1をタッチセンサパネル11に押しつけながら矢印P方向に進行することになる。
このような自動機により、セパレータ付き両面テープ1を安定してタッチセンサパネル10の平面に貼付することができる。
【0026】
続いて
図3Aの工程S3として、ピールタブ5の接着を行う。
図2Cはセパレータ付き両面テープ1がタッチセンサパネル10に貼付された後、さらにピールタブ5が接着された状態を示している。ピールタブ5は、重剥離セパレータ兼保護フィルム3の端部に接着される。
このピールタブ5は、後に重剥離セパレータ兼保護フィルム3を剥がすときの手がかりとするものであり、その機能のために適切な配置で取り付けられる。
【0027】
なお、ピールタブ5の接着工程は、例えばセパレータ付き両面テープ1をタッチセンサパネル10に貼付する前に行ってもよい。
また重剥離セパレータ兼保護フィルム3に、あらかじめ一体的にピールタブ5となる部分が形成されていてもよい。当然、その場合はピールタブ接着工程は不要である。
【0028】
以上の工程で
図2Cの状態のパネル体10が製造される。
例えば一次製造会社において、
図2Cのパネル体10が製造され、二次製造会社に納品される。この際、重剥離セパレータ兼保護フィルム3によりタッチセンサパネル11の両面テープ部2の貼付面側が確実に保護される状態となっている。
【0029】
二次製造会社側の工程を
図3Bに示す。
二次製造会社では、
図3Bの工程S10として、まず納品されたパネル体10の検査が行われる。例えばタッチセンサパネル11に両面テープ部2が適切に貼付されているか否かという検査や、その貼付面の汚れや傷などの検査が行われる。
【0030】
続いて
図3Bの工程S11として、重剥離セパレータ兼保護フィルム3を剥離する。このときピールタブ5を手がかりにして重剥離セパレータ兼保護フィルム3を剥がしていく。
図2Dに重剥離セパレータ兼保護フィルム3を剥離した状態のパネル体10を示している。この状態で両面テープ部2に粘着面が露出する。
【0031】
続いて
図3Bの工程S12として、パネル体10を所定の機器に固定する。即ち両面テープ部2の粘着面を機器に押しつけて固定する。
以上によりパネル体10の所定機器への取り付け工程が完了する。
【0032】
以上、実施の形態として説明したパネル体10の製造方法は、セパレータ付き両面テープ1から軽剥離セパレータ4を剥離する工程(S1)と、貼付先となるタッチセンサパネル11(パネル型部)の平面の周縁に沿って両面テープ部2の一方の粘着面を貼付する工程(S2)とが行われる。両面テープ部2は貼付先となるタッチセンサパネル11(パネル型部)の平面の周縁に沿って全周にわたる縁部周回形状とされている。また両面テープ部2の他方の粘着面に貼付されたシート体として重剥離セパレータ兼保護フィルム3を有する。重剥離セパレータ兼保護フィルム3はパネル型部の平面の全体(又は略全体)を覆うことができる面状とされるとともに軽剥離セパレータ4より重剥離のセパレータとして機能する。
【0033】
この場合、両面テープ部2は、ロ字状であるが、重剥離セパレータ兼保護フィルム3はタッチセンサパネル11の平面全体を覆うサイズで例えば長方形状のものとされているため、セパレータ付き両面テープ1は少なくともパネル型部の平面と略同サイズの面積の面形状を維持している。
これにより、セパレータ付き両面テープ1は、例えばロ字状のシートのように強度が弱くなく、安定した面形状で容易に取り扱うことができるため、作業性が向上する。従ってタッチセンサパネル11(パネル型部)への貼付の際に、そのタッチセンサパネル11の平面に対する位置決めや貼付工程が容易となり、また位置決め精度も安定する。
特にセパレータ付き両面テープ1の強度が増すことで自動機での貼り付け作業が可能となり、自動化に好適である。
またセパレータ付き両面テープ1は面形状を有することで、
図5に示したような吸着機で位置決め状態で固定することも容易であり、吸着機を用いた自動機で高精度の貼り付け作業が可能となる。
さらに重剥離セパレータ兼保護フィルム3は、そのままタッチセンサパネル11に対する保護フィルムとなるため、別途保護フィルムを貼付する工程は不要となり、製造工程の効率化を実現できる。もちろん別途保護フィルムは不要であるため、保護フィルムのためのコストを削減できる
【0034】
また重剥離セパレータ兼保護フィルム3は、タッチセンサパネル11の平面サイズと略同等のサイズとしている。これによりフィルム端部がタッチセンサパネル11の縁部から前面側に回り込むこともなく、二次製造会社で容易に剥がすことができる。
従来、
図6のように別体の保護フィルム93を用いていた場合は、保護フィルム93が確実にタッチセンサパネル11の背面の全体を覆うように、一回り平面サイズが大きいものを使用しており、これによって保護フィルム93の端部がタッチセンサパネル11の前面側に回り込み、剥がしづらくなることが発生していた。
実施の形態では、元々両面テープ部2の粘着面に貼付されていた重剥離セパレータ兼保護フィルム3を用いており、しかも両面テープ部2が位置決めされてタッチセンサパネル11の平面に貼付される。この状態でセパレータ兼保護フィルム3が確実にタッチセンサパネル11の背面を保護している状態となる。つまり保護用に一回り大きなフィルムを用いることは不要であることで、上記のようにフィルム端部がタッチセンサパネル11の前面に回り込むことが発生しなくなる。
【0035】
実施の形態の製造方法においては、重剥離セパレータ兼保護フィルム3(シート体)にピールタブ5(剥離用タブ)を取り付ける工程を有する(S3)。
これにより製造されるパネル体10の重剥離セパレータ兼保護フィルム3は、ピールタブ5を手がかりにして容易に剥離できるようになる。
従ってパネル体10の購入者側(二次製造会社側)は、セパレータ兼保護フィルム3を剥離してタッチセンサパネル11(パネル型部)を所定位置へ固着する作業が容易となる。
なお、前述したようにあらかじめピールタブ5に相当する部位が一体的にセパレータ兼保護フィルム3に形成されていてもよいが、その場合は、ピールタブ5の接着工程(S3)も不要となり、一次製造会社側でのパネル製造工程をより効率化できる。
【0036】
実施の形態のパネル体10は、タッチセンサパネル11(パネル型部)と、タッチセンサパネル11の平面の周縁に沿って全周にわたって一方の粘着面が貼付された、縁部周回形状の両面テープ部2と、両面テープ部2が貼付されたタッチセンサパネル11の平面の全体(又は略全体)を覆う状態で両面テープ部2の他方の粘着面に貼付された重剥離セパレータ兼保護フィルム3(シート体)を備える。
このパネル体10は、即ちパネル型部の平面の周縁に沿った例えばロ字状等の縁部周回形状の両面テープ部2を用いながら、容易に製造ができるものとなる。
シート体としての重剥離セパレータ兼保護フィルム3は、セパレータとしての機能と保護フィルムとしての機能を有するため、パネル体10の出荷状態として適切である。
このパネル体10の購入者側(二次製造会社側)は、単にセパレータ兼保護フィルム3を剥離することで、パネル体10の所定位置への固着作業ができる(
図3B参照)。従来は、保護フィルムを剥離し、さらにセパレータを剥離することが必要であったことに比較し、工程は非常に効率化される。
【0037】
実施の形態のパネル体10は、シート体である重剥離セパレータ兼保護フィルム3は透明又は半透明である。重剥離セパレータ兼保護フィルム3を透明又は半透明とすることで重剥離セパレータ兼保護フィルム3側からタッチセンサパネル11の平面が視認できる。これにより購入者側(二次製造会社側)は、パネル体10を納品された後、重剥離セパレータ兼保護フィルム3を剥離しない状態で、パネル体10の視認チェックを行うことができる(
図3BのS10)。
【0038】
以上、実施の形態について説明したが、上記例は一例である。
パネル体10やそれに応じた両面テープ部2の形状は多様に考えられる。
例えば平面が三角形パネル、多角形パネル、円形パネル、楕円形パネル、不定形パネルなども想定され、両面テープ部2としては、それらの形状の周縁に沿って全周にわたる縁部周回形状とされることが想定される。
またパネル体10としての具体的な製品もタッチセンサパネル以外に各種考えられる。例えば操作盤パネル、液晶パネル、蛍光表示管パネル、有機EL(Electroluminescence)表示パネル、その他の各種のパネル体が想定される。