特許第6620118号(P6620118)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 檜原 忍の特許一覧

<>
  • 特許6620118-車椅子用防寒着 図000002
  • 特許6620118-車椅子用防寒着 図000003
  • 特許6620118-車椅子用防寒着 図000004
  • 特許6620118-車椅子用防寒着 図000005
  • 特許6620118-車椅子用防寒着 図000006
  • 特許6620118-車椅子用防寒着 図000007
  • 特許6620118-車椅子用防寒着 図000008
  • 特許6620118-車椅子用防寒着 図000009
  • 特許6620118-車椅子用防寒着 図000010
  • 特許6620118-車椅子用防寒着 図000011
  • 特許6620118-車椅子用防寒着 図000012
  • 特許6620118-車椅子用防寒着 図000013
  • 特許6620118-車椅子用防寒着 図000014
  • 特許6620118-車椅子用防寒着 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6620118
(24)【登録日】2019年11月22日
(45)【発行日】2019年12月11日
(54)【発明の名称】車椅子用防寒着
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/12 20060101AFI20191202BHJP
   A61G 5/10 20060101ALI20191202BHJP
   A41D 3/02 20060101ALI20191202BHJP
   A41D 13/002 20060101ALI20191202BHJP
【FI】
   A41D13/12 145
   A61G5/10 713
   A41D13/12 190
   A41D3/02 Z
   A41D13/002
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-19327(P2017-19327)
(22)【出願日】2017年2月6日
(65)【公開番号】特開2018-127723(P2018-127723A)
(43)【公開日】2018年8月16日
【審査請求日】2018年12月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】316018993
【氏名又は名称】檜原 忍
(74)【代理人】
【識別番号】100085316
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 三雄
(74)【代理人】
【識別番号】100171572
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】檜原 忍
【審査官】 西田 侑以
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−256408(JP,A)
【文献】 特開2013−079458(JP,A)
【文献】 米国特許第05572742(US,A)
【文献】 特開平08−092805(JP,A)
【文献】 特開2002−212808(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3132565(JP,U)
【文献】 実開平06−016416(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3184295(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/00 − 13/12
A41D 1/00 − 1/04
A41D 3/00 − 3/08
A61G 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前身頃、後身頃、及び左右の袖を備え、
前記前身頃は、左前身頃と右前身頃からなり、前記前身頃の前中心が上下方向に沿って、前記左前身頃と右前身頃とを前開きに分離する前開き部を有すると共に、該前開き部が留め具により開閉自在に構成されてなり、
前記後身頃は、左後身頃と右後身頃からなり、前記後身頃の背中線に沿って、前記左後身頃と右後身頃とを後開きに分離する後開き部を有すると共に、該後開き部が留め具により開閉自在に構成されてなり、
前記後身頃は、前記袖が縫合されてなる左右の袖付け部の上下中央部同士を結ぶ線で上下に分離する切れ込み部が形成されてなり、
前記後開き部が、前記切れ込み部を境界として、上側後開き部と下側後開き部の上下に分離されてなることによって、
前記左後身頃は、左上後身頃及び左下後身頃から構成されてなり、
前記右後身頃は、右上後身頃及び右下後身頃から構成されてなり、
前記左上後身頃及び前記右上後身頃を車椅子に着座した使用者の背面側に掛け回して前記上側後開き部が係着された状態で、前記下側後開き部が脱離された前記左下後身頃と前記右下後身頃とを左右に大きく開くことにより、該左下後身頃と右下後身頃とが前記車椅子の背もたれの左右両側面までを被覆でき、
前記下側後開き部の留め具と前記背もたれの左右両側部に設けた被留め具とが係着可能である、
ことを特徴とする車椅子用防寒着。
【請求項2】
前記前開き部及び前記後開き部をそれぞれ左右に脱離することで、左手側部と右手側部に2分割できる、
ことを特徴とする請求項1記載の車椅子用防寒着。
【請求項3】
車椅子に着座した使用者の正面及び該車椅子の周面を被覆可能な前身頃と後身頃とを備え、
前記前身頃は、左前身頃と右前身頃からなり、前記前身頃の前中心が上下方向に沿って、前記左前身頃と右前身頃とを前開きに分離する前開き部を有すると共に、該前開き部が留め具により開閉自在に構成されてなり、
前記後身頃は、左後身頃と右後身頃からなり、前記後身頃の背中線に沿って、前記左後身頃と右後身頃とを後開きに分離する後開き部を有すると共に、該後開き部が留め具により開閉自在に構成されてなり、
前記後身頃の内側面には、前記後開き部の中央部を架け渡されてなるベルト部材が設けられ、
前記ベルト部材は、前記前身頃を車椅子に着座した使用者に引き付けつつ該使用者の背面側に配置されると共に、該車椅子の手押しハンドルと背もたれとの間に掛け止めることができる、
ことを特徴とする車椅子用防寒着。
【請求項4】
前記前身頃は、裾部が車椅子に着座した使用者の足元を被覆可能な長さとなるように形成され、
前記裾部の内側面には、前記前開き部を架け渡されて、該裾部を絞り込み可能とする絞りベルト部材が取り付けられてなる、
ことを特徴とする請求項3記載の車椅子用防寒着。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車椅子使用者が着脱しやすく身体の保温が可能な車椅子用の防寒着に関する。
【背景技術】
【0002】
冬季において、身体の不自由な使用者等が移動のために車椅子を使用する際、防寒着を着装することで使用者等の寒さ対策が取られている。
【0003】
防寒着は、例えば、袖刳りの脇の下辺りから下側を縫合せず、前身頃と後身頃が脇の部分で分離してなり、また、前身頃の内側に、袖部の無いベスト様の内着を備え、袖刳りの脇の下辺りから下側は後身頃と内着のみが縫合され、前身頃は分離して構成されてなる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−59584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来技術は、前身頃と後身頃から構成される車椅子使用者用上着で、身体の不自由な使用者等が着装する際、使用者が車椅子に着座する前に防寒着を着装することもあるが、通常、車椅子に着座した後に防寒着を着装することの方が多く、身体が不自由な方になる程、着装が困難となり着装に時間を要すると共に、使用者及び介護者への負担が増すという課題があった。
【0006】
例えば、使用者を車椅子に着座させて防寒着を着装する場合、車椅子の背もたれから使用者の背面を引き起こし、背もたれと背面の間に防寒着の後身頃を挿し入れて、次に両手をそれぞれ左右の袖に通し、その次に首に襟部を巻き付けるようにしながら、上半身前側に左右の前身頃を沿わせ、面ファスナー等で左右の前身頃を結合することにより着装している。
【0007】
しかし、身体が不自由な方になる程、使用者の背面の引き起こしや、背もたれと背面の間への防寒着の後身頃の挿し入れ、両手の袖通し等々、防寒着の着装作業に困難が生ずることが多かった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、上記課題を解決するための手段として本発明に係る車椅子用防寒着は、[1]前身頃、後身頃、及び左右の袖を備え、前記前身頃は、左前身頃と右前身頃からなり、前記前身頃の前中心が上下方向に沿って、前記左前身頃と右前身頃とを前開きに分離する前開き部を有すると共に、該前開き部が留め具により開閉自在に構成されてなり、前記後身頃は、左後身頃と右後身頃からなり、前記後身頃の背中線に沿って、前記左後身頃と右後身頃とを後開きに分離する後開き部を有すると共に、該後開き部が留め具により開閉自在に構成されてなり、前記後身頃は、前記袖が縫合されてなる左右の袖付け部の上下中央部同士を結ぶ線で上下に分離する切れ込み部が形成されてなり、前記後開き部が、前記切れ込み部を境界として、上側後開き部と下側後開き部の上下に分離されてなることによって、前記左後身頃は、左上後身頃及び左下後身頃から構成されてなり、前記右後身頃は、右上後身頃及び右下後身頃から構成されてなり、前記左上後身頃及び前記右上後身頃を車椅子に着座した使用者の背面側に掛け回して前記上側後開き部が係着された状態で、前記下側後開き部が脱離された前記左下後身頃と前記右下後身頃とを左右に大きく開くことにより、該左下後身頃と右下後身頃とが前記車椅子の背もたれの左右両側面までを被覆でき、前記下側後開き部の留め具と前記背もたれの左右両側部に設けた被留め具とが係着可能であることを特徴とする車椅子用防寒着である。
【0009】
また本発明は、[2]前記前開き部及び前記後開き部をそれぞれ左右に脱離することで、左手側部と右手側部に2分割できることを特徴とする車椅子用防寒着である。
【0010】
また本発明は、前記[1]又は[2]に記載の車椅子用防寒着を備えると共に、前記背もたれの左右両側部に前記下側後開き部の留め具と係着可能な被留め具が設けられてなる車椅子を提供することもでき、これにより車椅子の胸ベルトや肩ベルトを簡単に留めることが可能となる。
【0011】
このようにしてなる車椅子用防寒着は、冬季において、身体が不自由な車椅子使用者に対する防寒着の着装作業の簡便化、及び防寒効果の向上等に寄与することができると共に、使用者及び介護者への負担を軽減するものである。
【0012】
本発明によれば、布帛からなり、所謂、ジャンパー型の構造をしてなり、前記前身頃を前開きに、且つ前記後身頃を後開きに開閉可能とすることによって、前記左手側部と右手側部に2分割できると共に、前記後身頃が前記切れ込み部を境界にして上側後開き部と下側後開き部の上下に分離されてなることによって、前記後身頃が、前記左上後身頃及び左下後身頃と、右上後身頃及び右下後身頃にそれぞれ分離して構成されてなることにより、身頃の各部位を単独、若しくは相互に機能させることができる。
【0013】
その構成によって、(1)車椅子用防寒着の前記後身頃を前記後開き部において開いた状態として、車椅子に着座した使用者の正面側を覆いつつ使用者の両手を前記左右の袖に通し、(2)前記左上後身頃及び前記右上後身頃を車椅子に着座した使用者の背面側に掛け回し、(3)前記左上後身頃及び前記右上後身頃の前記上側後開き部の留め具を係着した状態で、(4)前記下側後開き部が脱離された前記左下後身頃と前記右下後身頃とを左右に大きく開き、(5)前記左下後身頃と前記右下後身頃とで前記車椅子の背もたれの左右両側面までを覆い、(6)前記左下後身頃及び前記右下後身頃の前記下側後開き部の留め具と、前記背もたれの左右両側部に設けた被留め具とを係着し、(7)前記前開き部の留め具を係着することにより、車椅子用防寒着の使用者への着装が段階的、且つ容易に完了することができる。
【0014】
また、両手の袖通しについても、前記左手側部と右手側部に2分割可能とされてなるので、車椅子使用者が着座したままの状態で、前記左手側部と右手側部とをそれぞれ単独に着装することが可能となり、両手の袖通し等が容易にできる。一方、使用者が車椅子に着座する前において、別々に着装するか、2分割せずに一体で着装するかは、使用者の状況に応じて選択することができる。
【0015】
また、前記後開き部の前記留め具は、例えば、複数の面ファスナーで構成されてなり、前記背もたれの左右両側部の前記被留め具も、例えば、複数の面ファスナーで構成されてなることにより、前記後開き部の前記留め具同士を、或いは前記下側後開き部の前記留め具と前記背もたれの左右両側部の前記被留め具とを、それぞれ着脱自在に係着することができる。なお、前記前開き部の前記留め具は、例えば、1本の線ファスナーで構成されてなる。
【0016】
上記構成により、車椅子使用者が車椅子に着座した状態における防寒着の着装が簡単になる。つまり、防寒着の身頃として、前記左手側部と右手側部に2分割できると共に、前記後身頃が左上後身頃及び左下後身頃と、右上後身頃及び右下後身頃とに、それぞれ分離できる構成とされてなるので、使用者への防寒着の着装が簡便となる。
【0017】
より詳しくは、使用者が車椅子に着座した状態で防寒着を着装する場合、身体が不自由な方になる程、着装作業に労力と時間を要することになるが、本発明によれば、着装に当たって、身頃の各部位を単独、若しくは相互に機能させることができることにより、着座した使用者に対して、身頃の各部位毎に、段階的に着装させることが可能となるので、防寒着の着装作業が容易になると共に、スピーディーに完了することができる。
【0018】
また、防寒着の着装作業は、上述したように、使用者の正面側を覆いつつ両手を袖に通すことから始まって、前記前開き部の前記留め具の係着で完了することになるが、自分の意志で身体を制御できない程の使用者であっても、本発明の身頃の左右分割及び上下分離の構成により、介護者が使用者の身体の動きに惑わされることなく、段階的に着装させることができることになり、車椅子に着座した状態での着装作業が簡便となる。
【0019】
また、身体の不自由が軽い方の場合であっても、例えば、家の中で使用者に防寒着を着装させておき、家の外に置いてある車椅子に着座してから、前記下側後開き部の前記留め具同士を脱離して、次に前記左下後身頃と前記右下後身頃とを左右に大きく開き、前記左下後身頃と前記右下後身頃とで前記車椅子の背もたれの左右両側面までを被覆して、最後に前記下側後開き部の前記留め具と前記背もたれの左右両側部に設けた前記被留め具とをそれぞれ係着するだけで、防寒着が着装できることになり、介護者の負担を軽減することができる。
【0020】
さらに、使用者が車椅子から退座する際も、前記下側後開き部の前記留め具と前記背もたれの左右両側部に設けた前記被留め具とをそれぞれ脱離して、その後使用者を退座させてから、次に着装したままの状態で前記下側後開き部の前記留め具同士を係着することにより、そのまま通常の防寒着のように継続して使用することができるので、防寒着としての使い道に自由度が広がる。
【0021】
また、車椅子は、防寒着を係着するための接続部材として、前記下側後開き部の前記留め具に対応するように、車椅子の前記背もたれの左右両側部には複数の前記被留め具が設けられてなる。
【0022】
また、前記前身頃及び前記後身頃の内面に、起毛素材で構成される部分保温用の当て布を縫着することにより、さらに防寒効果を向上させることが可能となる。
【0023】
また本発明は、[3]車椅子に着座した使用者の正面及び該車椅子の周面を被覆可能な前身頃と後身頃とを備え、前記前身頃は、左前身頃と右前身頃からなり、前記前身頃の前中心が上下方向に沿って、前記左前身頃と右前身頃とを前開きに分離する前開き部を有すると共に、該前開き部が留め具により開閉自在に構成されてなり、前記後身頃は、左後身頃と右後身頃からなり、前記後身頃の背中線に沿って、前記左後身頃と右後身頃とを後開きに分離する後開き部を有すると共に、該後開き部が留め具により開閉自在に構成されてなり、前記後身頃の内側面には、前記後開き部の中央部を架け渡されてなるベルト部材が設けられ、前記ベルト部材は、前記前身頃を車椅子に着座した使用者に引き付けつつ該使用者の背面側に配置されると共に、該車椅子の手押しハンドルと背もたれとの間に掛け止めることができることを特徴とする車椅子用防寒着である。
【0024】
また本発明は、[4]前記前身頃は、裾部が車椅子に着座した使用者の足元を被覆可能な長さとなるように形成され、前記裾部の内側面には、前記前開き部を架け渡されて、該裾部の端部を絞り込み可能とする絞りベルト部材が取り付けられてなることを特徴とする車椅子用防寒着である。
【0025】
また本発明は、前記[3]又は[4]に記載の車椅子用防寒着を備えている車椅子を提供することもできる。
【0026】
このようにしてなる車椅子用防寒着は、冬季において、身体が不自由な車椅子使用者に対する防寒着の着装作業の簡便化、及び防寒効果の向上等に寄与することができると共に、使用者及び介護者への負担を軽減するものである。
【0027】
本発明によれば、略矩形で布帛からなり、所謂、ポンチョ型の構造をしてなり、車椅子に着座した使用者の正面、及び車椅子の周面を被覆可能な前身頃と後身頃とを備え、前記前身頃を前開きに、且つ前記後身頃を後開きに開閉可能とすることによって、前記前開き部と前記後開き部で左右に分離できるように構成されてなる。
【0028】
その構成によって、(1)車椅子用防寒着の前記後身頃を前記後開き部において開いた状態として、車椅子に着座した使用者の正面側から車椅子の前側の周面を覆い、(2)前記左後身頃及び前記右後身頃で車椅子の後側の周面から使用者の背面側を覆い、(3)前記ベルト部材で前記前身頃を車椅子に着座した使用者に引き付けつつ、(4)前記左後身頃と右後身頃を使用者の背面側に配置して、前記後開き部の前記留め具同士を係着し、(5)車椅子の手押しハンドルと背もたれとの間に前記ベルト部材を掛け止め、(6)最後に前記絞りベルト部材で足元の前記裾部を絞り込んで掛け止めることにより、車椅子用防寒着の使用者への着装が段階的、且つ容易に完了することができる。
【0029】
また、前記前開き部の前記留め具は、例えば、1本の線ファスナーで構成されてなり、前記前開き部の前記左前身頃と右前身頃を開閉自在に係着できる。また、前記後開き部の前記留め具は、例えば、面ファスナーで構成されてなり、前記後開き部の前記左後身頃と右後身頃を着脱自在に係着できる。
【0030】
また、前記ベルト部材は、ベルトとバックルとベルト押えからなり、前記後開き部の中央部で前記左後身頃と右後身頃とを架け渡すように前記後身頃の内側面に設けられてなり、身体に被覆して余った身頃を折り畳むようにしつつ前記手押しハンドルと背もたれとの間に挿し入れて、防寒着を着装した後に身体からずり落ちないように掛け止めるものである。
【0031】
また、前記絞りベルト部材は、ベルトとバックルとベルト押えからなり、前記前開き部の前記裾部で前記左前身頃と右前身頃とを架け渡すように前記前身頃の内側面に設けられてなり、前記裾部を絞り込んで係着するものである。
【0032】
上記構成により、使用者が車椅子に着座した状態で防寒着を着装する場合、身体が不自由な方になる程、着装作業に労力と時間を要することになるが、本発明によれば、防寒着の身頃として、前記前開き部と前記後開き部で左右に分離できるので、例えば、前記左前身頃と前記左後身頃で身体の左側を覆い、次に前記右前身頃と前記右後身頃で身体の右側を覆い、次に前記前身頃の前記留め具を係着し、次に前記後身頃の前記留め具を係着し、次に前記ベルト部材を掛け止め、最後に絞りベルト部材を掛け止めることにより着装を段階的に完了することもできるので、使用者への防寒着の着装が簡便となる。
【0033】
また、車椅子に着座した使用者の足元を被覆できる長さに前記前身頃が形成されてなることにより、身体の上半身から下半身にかけて被覆することができると共に、前記絞りベルト部材で足元から外方へ乱れる前記裾部を係着することができることにより、該裾部を整えることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、車椅子に着座した状態の使用者の正面側から被せて、使用者の背面側で着装ができるので、自己の手足等の身体が動いてしまうことを自分の意志で制御できない使用者に対しても、介護者が使用者の身体の動きに惑わされることなく、容易に、且つスピーディーに着装作業を完了することができる。
【0035】
また、車椅子の周面を被覆した状態で、左下後身頃及び右下後身頃の下側後開き部の留め具と、車椅子の背もたれの左右両側部に設けた被留め具とを確実に係着することができるので、防寒着が風の煽りで捲れ上がったりすることがなく、防寒効果が向上すると共に、長時間に亘って着崩れを防止することができる。
【0036】
また、左手側部と右手側部に2分割可能としてなるので、使用者に左手側部と右手側部とそれぞれ単独に着装することが可能となり、自分の意志で身体を制御できない使用者に対する手の袖通し等、容易に着装させることができ、着装作業の負担を大幅に減らすことができる。
【0037】
また、下後身頃が車椅子の背もたれの左右両側面までを被覆することができ、左右の下側後開き部の留め具と背もたれの左右両側部に設けた被留め具とを係着することにより、防寒着が着装されてなるので、外観的にも見栄えが良く、使用者にとっても違和感の無い車椅子用防寒着を実現することができる。
【0038】
また、ベルト部材を設けてなることにより、着装した後に身体からずり落ちることを防ぐと共に、身体に被覆して余った身頃をベルト部材で折り畳むようにして、車椅子の手押しハンドルと背もたれとの間に挿し入れて掛け止めることができる。
【0039】
また、車椅子に着座した使用者の足元を被覆できる長さに前身頃が形成され、前開き部の裾部に絞りベルト部材を設けてなることにより、身体の上半身から下半身にかけて被覆することができると共に、被覆された足元から外方へ乱れる裾部の端部を、絞りベルト部材で絞り込むように係着することができるので、防寒的にも外観的にも好適である。
【0040】
また、車椅子の背もたれの左右両側部に、防寒着の下側後開き部の留め具と係着可能な被留め具を設けることにより、使用者と車椅子を防寒着で一体に被覆することが可能な車椅子を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明の第一の実施例を示す図であり、車椅子用防寒着1の正面図である。
図2】本発明の第一の実施例を示す図であり、車椅子用防寒着1の背面図である。
図3】本発明の第一の実施例を示す図であり、左手側部Lと右手側部Rに2分割した状態の車椅子用防寒着1の背面図である。
図4】本発明の第一の実施例を示す図であり、下側後開き部197を脱離して、左下後身頃138と右下後身頃139を左右に大きく開いた状態の車椅子用防寒着1の背面図である。
図5】本発明の第一の実施例を示す図であり、上側後開き部195を脱離して、左上後身頃135と右上後身頃136を左右に開いた状態の車椅子用防寒着1の背面図である。
図6】本発明の第一の実施例を示す図であり、後開き部19を脱離して、左後身頃131と右後身頃132を左右に大きく開いた状態の車椅子用防寒着1の背面図である。
図7】本発明の第一の実施例の車椅子用防寒着1の使用状態を示す参考図であり、左下後身頃138と右下後身頃139を左右に大きく開いた状態で、左上後身頃135及び右上後身頃136を車椅子5に着座した使用者Mの背面側に掛け回した状態を背面側から見た拡大斜視図(a)、及び左下後身頃138と右下後身頃139を左右に大きく開いた状態で、使用者Mに左上後身頃135及び右上後身頃136の留め具F同士を係着した状態を背面側から見た拡大斜視図(b)である。
図8】本発明の第二の実施例を示す図であり、車椅子用防寒着3の正面図(a)、及び側面図(b)である。
図9】本発明の第二の実施例を示す図であり、車椅子用防寒着3の背面図(a)、及び側面図(b)である。
図10】本発明の第二の実施例の別の形態を示す図であり、車椅子用防寒着3の正面図(a)、及び側面図(b)である。
図11】本発明の第二の実施例の別の形態を示す図であり、車椅子用防寒着3の背面図(a)、及び側面図(b)である。
図12】車椅子5の側面図である。
図13】本発明の第一の実施例の車椅子用防寒着1の使用状態を示す参考図であり、車椅子5に着座した使用者Mに車椅子用防寒着1を着装した状態の側面図(a)、及び斜視図(b)である。
図14】本発明の第二の実施例の車椅子用防寒着3の使用状態を示す参考図であり、車椅子5に着座した使用者Mに車椅子用防寒着3を着装した状態の側面図(a)、及び斜視図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明に係る車椅子用防寒着1(ジャンパー型)、及び車椅子用防寒着3(ポンチョ型)の実施の形態を、図1乃至図14を参照しながら詳しく説明する。
【0043】
本発明の第一の実施例の車椅子用防寒着1は、図1及び図2に示すように、前身頃11、後身頃13、及び左右の袖15,15を備えてなる。
【0044】
前身頃11は、図1に示すように、左前身頃111と右前身頃113からなり、前身頃11の前中心が上下方向に沿って、左前身頃111と右前身頃113とを前開きに分離する前開き部17を有すると共に、前開き部17が線ファスナーからなる留め具Tにより開閉自在に構成されてなる。
【0045】
後身頃13は、図2に示すように、左後身頃131と右後身頃132からなり、後身頃13の背中線に沿って、左後身頃131と右後身頃132とを後開きに分離する後開き部19を有すると共に、後開き部19が面ファスナーからなる複数の留め具Fにより開閉自在に構成されてなる。なお、後開き部19は、左後身頃131と右後身頃132の両端部同士が後開きに分離する分離部191で一部重畳してなる。
【0046】
また、後身頃13は、袖15,15が縫合されてなる左右の袖付け部151,151の上下略中央部153,153同士を結ぶ線で上下に分離する切れ込み部133が形成されてなり、後開き部19が、切れ込み部133を境界として、上側後開き部195と下側後開き部197の上下に分離されてなることによって、左後身頃131は、左上後身頃135及び左下後身頃138から構成されてなり、右後身頃132は、右上後身頃136及び右下後身頃139から構成されてなる。なお、切れ込み部133は、上後身頃134と下後身頃137の両端部同士が上下に分離する分離部193で一部重畳してなる。
【0047】
このようにしてなる車椅子用防寒着1は、図3に示すように、前開き部17及び後開き部19をそれぞれ左右に脱離することで、左手側部Lと右手側部Rの2分割に分割することができる。
【0048】
また、図4乃至図6に示すように、下側後開き部197を脱離して、左下後身頃138と右下後身頃139を左右に大きく開くことができ(図4)、また上側後開き部195を脱離して、左上後身頃135と右上後身頃136を左右に開くことができ(図5)、さらに後開き部19を脱離して、左後身頃131と右後身頃132を左右に大きく開くことができる(図6)。
【0049】
車椅子5は、図12に示すように、背もたれ51、手押しハンドル52、サイドガード53、着座シート54、支柱55、足置き56、前輪57、及び後輪58で構成されてなり、左右の背もたれ51の左右両側部には、左下後身頃138と右下後身頃139に設けた留め具Fと対応する面ファスナーからなる複数の被留め具Kが設けられてなる。また、背もたれ51の左右両側部への被留め具Kの固定は、接着剤で固定しても良く、その他の固定方法であっても良い。なお、被留め具Kは背もたれ51の左右両側部に設ける以外に、左右の支柱55の両側部に設けても良い。
【0050】
このようにしてなる車椅子用防寒着1は、図7図12及び図13に示すように、(1)車椅子用防寒着1の後身頃13を後開き部19において開いた状態として、車椅子5に着座した使用者Mの正面側を覆いつつ使用者Mの両手を左右の袖15,15に通し、(2)左上後身頃135及び右上後身頃136を使用者Mの背面側に掛け回し、(3)左上後身頃135及び右上後身頃136の上側後開き部195の留め具F,Fを係着した状態で、(4)下側後開き部197が脱離された左下後身頃138と右下後身頃139とを左右に大きく開き、(5)左下後身頃138と右下後身頃139とで車椅子5の背もたれ51の左右両側面までを覆い、(6)左下後身頃138及び右下後身頃139の下側後開き部197の留め具F,Fと、背もたれ51の左右両側部に設けた被留め具K,Kとを係着し、(7)前開き部17の留め具Tを係着することにより、車椅子用防寒着1の使用者Mへの着装が段階的、且つ容易に完了することができる。
【0051】
このように本発明によれば、車椅子5に着座した状態の使用者Mの正面側から被せて、使用者Mの背面側で着装ができるので、自己の手足等の身体が動いてしまうことを自分の意志で制御できない使用者に対しても、介護者が使用者Mの身体の動きに惑わされることなく、容易に、且つスピーディーに着装作業を完了することができる。
【0052】
他の方法により使用者Mに車椅子用防寒着1を着装する場合として、左右2分割した左手側部Lと右手側部Rを使用者Mの左手側と右手側にそれぞれ単独に着装することもできる。また、使用者Mが車椅子5に着座する前に、車椅子用防寒着1を車椅子5にセットしておくこともできる。
【0053】
例えば、使用者Mが車椅子5に着座していない状態で、(1)車椅子用防寒着1の左下後身頃138と右下後身頃139とを左右に大きく開いて、(2)左下後身頃138と右下後身頃139とで車椅子5の背もたれ51の左右両側面を被覆し、(3)下側後開き部197の留め具F,Fと、背もたれ51の左右両側部に設けた被留め具K,Kとを係着(図示せず)し、(4)前開き部17の留め具Tを外しておくことにより、車椅子用防寒着1を備える車椅子5として、事前に着装準備をしておくことが可能である。
【0054】
着装準備の後、使用者Mが車椅子5に着座した段階で、(5)前開き部17を開き両手を左右の袖15,15に通して、(6)左上後身頃135及び右上後身頃136を使用者の背面側に掛け回し、(7)上側後開き部195の留め具F,F同士を係着し、(8)前開き部17の留め具Tを係着することにより、車椅子用防寒着1の使用者Mへの着装を容易、且つスピーディーに完了することもできる。
【0055】
本発明の第二の実施例の車椅子用防寒着3は、図8乃至図11に示すように、車椅子5に着座した使用者Mの正面及び周面を被覆可能な前身頃31と後身頃33を備えてなる。
【0056】
前身頃31は、図8及び図10に示すように、左前身頃311と右前身頃313からなり、前身頃31の前中心が上下方向に沿って、左前身頃311と右前身頃313とを前開きに分離する前開き部317を有すると共に、襟37の襟刳り371から前身頃31の身丈の略中央373までの前開き部317を線ファスナーからなる留め具Wにより開閉自在に構成されてなる。
【0057】
なお、図8図10の違いは、本発明の第二の実施例の別の形態を示す図であり、一方は、図8に示すように、前身頃31の裾部315が車椅子5に着座した使用者Mの足元を被覆可能な長さとなるように身丈が長く形成され、使用者Mの上半身から下半身までの全身を覆うことができる。他方は、図10に示すように、前身頃31が後身頃33と略同一の長さとなるように身丈が短く形成され、使用者Mの上半身を覆うことができるので、手軽な防寒着として着装することができる。
【0058】
また、図8に示すように、前身頃31の裾部315の内側面には、前開き部317を架け渡されて、裾部315を絞り込み可能とする絞りベルト部材39が取り付けられてなる。絞りベルト部材39は、ベルト391とバックル393とベルト押え395からなり、前開き部317の裾部315で左前身頃311と右前身頃313とを架け渡すように設けられてなり、裾部315,315を絞り込んで係着するものである。
【0059】
後身頃33は、図9及び図11に示すように、左後身頃331と右後身頃333からなり、後身頃33の背中線に沿って、左後身頃331と右後身頃333とを後開きに分離する後開き部319を有すると共に、後開き部319の下端部に面ファスナーからなる留め具Hを設けて開閉自在に構成されてなる。なお、留め具Hは、着装の際に後開き部319の下端部が乱れないように整えるものである。
【0060】
また、後開き部319の中央部には、左後身頃331と右後身頃333とを架け渡すように後身頃33の内側面にベルト部材35が取り付けられてなる。ベルト部材35は、ベルト351とバックル353とベルト押え355からなり、身体に被覆して余った身頃を折り畳むようにして、手押しハンドル52と背もたれ51との間に挿し入れて、車椅子用防寒着3を着装した後に身体からずり落ちないように掛け止めるものである。
【0061】
なお、図9図11の違いは、本発明の第二の実施例の別の形態を示す図であり、上述したように、前身頃31の身丈の長さの違いに伴う形態である。なお、後身頃33は、図9図11共に同一の構成となってなる。
【0062】
このようにしてなる車椅子用防寒着3は、前身頃31の留め具Wと絞りベルト部材39をそれぞれ外し、さらに後身頃33の留め具Hとベルト部材35をそれぞれ外すことにより、前開き部317と後開き部319を脱離して、上述の車椅子用防寒着1の左手側部Lと右手側部Rと同じように、左右に2分割(図示せず)することも可能である。
【0063】
このようにしてなる車椅子用防寒着3は、図8図9及び図14に示すように、(1)車椅子用防寒着3の前開き部317の留め具Wを閉め、且つ後身頃33を後開き部319において開いた状態として、車椅子5に着座した使用者Mの正面側から車椅子5の前側の周面を覆い、(2)左後身頃331及び右後身頃333で車椅子5の後側の周面から使用者Mの背面側を覆い、(3)ベルト部材35で前身頃31を車椅子5に着座した使用者Mに引き付けつつ、(4)左後身頃331と右後身頃333を使用者Mの背面側に配置して、後開き部319の留め具H,H同士を係着し、(5)車椅子5の手押しハンドル52と背もたれ51との間に、身体に被覆して余った身頃を折り畳むように挿し入れ、ベルト部材35で掛け止めて、(6)最後に絞りベルト部材39で足元の裾部315を絞り込んで掛け止めることにより、車椅子用防寒着3の使用者Mへの着装が段階的、且つ容易に完了することができる。
【0064】
また、車椅子用防寒着3の身頃が前開き部317と後開き部319で左右に2分割できるので、例えば、(1)左前身頃311と左後身頃331で使用者Mの左側を覆い、(2)右前身頃313と右後身頃333で使用者Mの右側を覆い、(3)前身頃31の前開き部317の留め具Wを係着し、(4)後身頃33の後開き部319の留め具H,H同士を係着し、(5)車椅子5の手押しハンドル52と背もたれ51との間に、身体に被覆して余った身頃を折り畳むように挿し入れ、ベルト部材35で掛け止めて、(6)最後に絞りベルト部材39で足元の裾部315を絞り込んで掛け止めることによっても、車椅子用防寒着3の使用者Mへの着装が容易にできるものである。
【0065】
上述では主に図8及び図9に示すように、前身頃31の裾部315が車椅子5に着座した使用者Mの足元を被覆可能な長さとなるように身丈が長く形成された車椅子用防寒着3について説明したが、一方の図10及び図11に示すように、前身頃31が後身頃33と略同一の長さとなるように身丈が短く形成された車椅子用防寒着3についても同様の着装手順である。
【0066】
つまり、(1)車椅子用防寒着3の前開き部317の留め具Wを閉め、且つ後身頃33を後開き部319において開いた状態として、車椅子5に着座した使用者Mの正面側から車椅子5の前側の周面を覆い、(2)左後身頃331及び右後身頃333で車椅子5の後側の周面から使用者Mの背面側を覆い、(3)ベルト部材35で前身頃31を車椅子5に着座した使用者Mに引き付けつつ、(4)左後身頃331と右後身頃333を使用者Mの背面側に配置して、後開き部319の留め具H,H同士を係着し、(5)車椅子5の手押しハンドル52と背もたれ51との間に、身体に被覆して余った身頃を折り畳むように挿し入れ、ベルト部材35で掛け止めることにより、車椅子用防寒着3の使用者Mへの着装が段階的、且つ容易に完了することができる。
【0067】
なお、図14に示すように、ベルト部材35を掛け止めることにより、いずれの場合でも凹み332が形成できるために、着装した後に身体から車椅子用防寒着3がずり落ちることがなく、さらに、前開き部317の留め具W及び絞りベルト部材39を外して使用者Mが退座した場合においても、ベルト部材35によって手押しハンドル52の間に左後身頃131と右後身頃333とを架け渡すことができるので、車椅子5から車椅子用防寒着3が容易にずり落ちることがない。
【0068】
また、図8乃至図11に示すように、左前身頃311と右前身頃313の両側部には、外方に突設するように留め具延長用切片36,36が縫合されてなり、留め具延長用切片36,36の先端には、面ファスナーからなる留め具G,Gがそれぞれ設けられてなる。
【0069】
このことにより、図14に示すように、車椅子用防寒着3の使用者Mへの着装が完了した状態で、強風の煽りで左前身頃311と右前身頃313の両側部が捲れ上がるような場合には、左前身頃311と右前身頃313の両側部に縫合した留め具延長用切片36,36に設けた留め具G,G同士を車椅子5の後側で係着することにより、左前身頃311と右前身頃313の両側部の捲れ上がりを防止できる。
【符号の説明】
【0070】
1 車椅子用防寒着
3 車椅子用防寒着
5 車椅子
11 前身頃
13 後身頃
15 袖
17 前開き部
19 後開き部
31 前身頃
33 後身頃
35 ベルト部材
36 留め具延長用切片
37 襟
39 絞りベルト部材
51 背もたれ
52 手押しハンドル
F 留め具
G 留め具
H 留め具
K 被留め具
L 左手側部
M 使用者
R 右手側部
T 留め具
W 留め具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14