(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書に開示する実施形態は、フィルタを含む通気アダプタ組立体、そのような通気アダプタ組立体を作製する方法、そのような通気アダプタ組立体を使用する方法、及びそのような通気アダプタ組立体を含む排尿バッグシステムを対象とする。本明細書に開示する通気アダプタ組立体は、フィルタであって、通気アダプタ組立体内に存在する流体(例えば尿)がフィルタを通って流れることを少なくとも部分的に防止するのと同時に、気体(例えば空気)がフィルタを通って流れることを可能にするように構成される、フィルタを含む。一実施形態では、フィルタは、焼結された多孔性PTFEフィルタを含み、このフィルタは、通気アダプタ組立体のポリカーボネート構成要素(例えば非多孔性ポリカーボネート構成要素)に直接超音波溶接された膜の形態であってよい。
【0016】
本明細書に開示する実施形態の多くは、排尿バッグシステム(例えばフォーリーカテーテル挿入システム)に関連して通気アダプタ組立体を論じているが、本発明に開示する通気アダプタ組立体は、他のタイプの排液システムに使用されてよいことを理解されたい。例えば、本明細書に開示する通気アダプタ組立体は、血液収集システム又は他のタイプの流体排液バッグシステムにおいて使用されてよい。
【0017】
図1は、一実施形態による、通気アダプタ組立体102を含む排尿バッグシステム100の上面図である。排尿バッグシステム100は、本明細書に開示する通気アダプタ組立体が使用され得る1つの環境を示す。本明細書に開示する通気アダプタ組立体のいずれも、排尿バッグシステム100又は他の適切な排尿バッグシステムに組み込まれてよいことに留意されたい。
【0018】
排尿バッグシステム100は、排液管108を介してカテーテル106(例えば尿路カテーテル)に流体的に結合された排液バッグ104を含む。カテーテル106が患者の膀胱内に挿入されたとき、流体(例えば尿)は、カテーテル106からこの中を通って排液バッグ104に流れることができる。通気アダプタ組立体102は、排尿バッグシステム100の1つ以上の構成要素に物理的にかつ流体的に結合されて、カテーテル106と排液バッグ104との間の流体の流れを改良することができる。例えば、通気アダプタ組立体102は、通気口110を含み、この通気口は、空気が排尿バッグシステム100に入ることを可能にしながら、流体(例えば尿)が通気口110を通って排尿バッグシステム100を退出することを部分的に又は実質的に防止する。通気口110はまた、少なくとも通気口110において及び/又はその近くで排尿バッグシステム100内の大気圧を維持することも助ける。例えば、通気口110は、排液管108及び/又は排尿バッグシステム100の実質的に全てにわたって大気圧を維持することを助けることができる。
【0019】
図示する実施形態では、排液バッグ104は、一緒に結合されて流体密封容器を形成する正面パネル112及び背面パネルを含む。しかし、他の実施形態では、排液バッグ104は、3つ以上のパネル又は単一本体を含んでよく、及び/又はこれらによって形成されてよい。さらに、排液バッグ104のパネルが、可撓性の、剛性の、弾性の、任意の適切な材料、又は材料の組み合わせを含むことができることを認識されたい。いずれにせよ、排液バッグ104のパネルは、流体を内部に含むことができる排液バッグ104の内部空間を形成又は画定するやり方で一緒に連結され及び/又は結合され得る。通常、排液バッグ104は、任意の適切な幾何学的形状を有することができる。図示する実施形態では、排液バッグ104は、全体的に涙形状の幾何学的形状を有する。しかし、他の実施形態では、排液バッグ104は、全体的に円の幾何学的形状、全体的に矩形の幾何学的形状、又は他の適切な幾何学的形状を有することができる。
【0020】
排液バッグ104は、患者からの流体を排液バッグ104内に受け入れるように構成され得る入口114も含む。例えば、入口114は、患者の膀胱内に配置されたカテーテル106と流体連通することができる排液管108を受け入れるか、これと連結することができる。図示する実施形態では、カテーテル106は、尿がカテーテル106から排液バッグ104に流入することができるようなフォーリー尿路カテーテルを含むことができる。
【0021】
一実施形態では、排液バッグ104は、(例えば排液バッグ104の底部に又は底部の近くに)出口116を含むことができる。例えば、出口116は、排液バッグ104内に収集された流体が(例えば排液バッグ104から流体を収集するか、又は抜き出すために)排液バッグ104から流れる又は排液することを可能にするように構成され得る。例えば、出口116は、セフティーフロー(Safety−Flow)(商標)出口装置又は別の類似の出口装置を含むことができる。
【0022】
排液バッグ104の正面パネル112は、さらに、排液バッグ104内に収集された流体の量を示すことができる1つ以上の目盛り付き標示118を含むことができる。例えば、目盛り付き標示118は、選択された時間範囲内で患者によって排出された流体の量を決定することを容易にすることができる。一部の実施形態では、目盛り付き標示118は、排液バッグ104を排液する、取り外す、又は取り換えるための時間及び/又は日付けを決定するか、又は見積もるかの1つ以上を容易にすることができる。排液バッグシステム100内の流れ問題は、目盛り付き標示118を使用した流体の正確な測定を妨げ得る。
【0023】
排液管108は、この中を通る、カテーテル106から排液バッグ104まで延びる管腔を画定することができる。排液管108の少なくとも一部分は、締付具が排液管108を少なくとも部分的に潰すように十分高い可撓性のものであってよく、それにより、流体は排液管108の潰された部分を通過することはできなくなる。排液管108を潰すことにより、腹腔内圧力測定などの1つ以上の試験を実行することができ得る。
【0024】
一部の実施形態では、排液管108は、第1の部分108aと、第2の部分108bとを含むことができる。第1の部分108aは、通気アダプタ組立体102から下流側に少なくとも部分的に排液バッグ104に向かって延びることができる。第2の部分108bは、通気アダプタ組立体102から上流側に少なくとも部分的にカテーテル106に向かって延びることができる。排液管108は、第3の部分108cなどの1つ以上の追加の部分を含むこともできる。代替的には、通気アダプタ組立体102は、排液管108と一体的に形成され得る。
【0025】
一部の実施形態では、排尿バッグシステム100は、さらに、試料採取ポート120を含むことができる。試料採取ポート120は、ユーザ(例えば医師、看護師、又は医療技術者)が排液管108内に存在する流体の試料を少なくとも実質的に無菌の流体密封のやり方で取得することを可能にするように構成され得る。例えば、試料採取ポート120は、ユーザがカテーテル先端注射器又は針付き注射器などの注射器装置を使用して流体の試料を取得することを可能にすることができる。作動において、注射器装置の先端部(例えば針又はカテーテル先端部)は、排液管108内の流体と流体連通するように試料採取ポート120に通して挿入され得る。試料採取ポート120は、ユーザが試料を取得し、注射器装置の先端部を試料採取ポート120から取り外した後、少なくとも実質的に流体密封のやり方で自ら再封することができる。一部の実施形態では、試料採取ポート120は、ユーザが複数の流体試料を排液容器から取得することを可能にするように構成され得る。一部の実施形態では、試料採取ポート120は、腹腔内圧力測定中などにユーザが流体を排液管108(例えばその上の膀胱内に)注入することを可能にするように構成され得る。
【0026】
試料採取ポート120は、排液バッグシステム100の任意の構成要素に結合され得る。例えば、図示する実施形態では、試料採取ポート120は、通気アダプタ組立体102の近位にその上流側になるように排液管108の第2の部分108bに結合される。そのような実施形態では、第2の部分108bは、締付具によって潰されるのに十分な長さを有することができる。試料採取ポート120はまた、カテーテル106に流体的に結合されるように排液管108の第3の部分108cに結合され得る。代替的には、試料採取ポート120は、通気アダプタ組立体102の下流側にある排液管108の一部分(例えば第1の部分108a)に結合され得る。一部の実施形態では、試料採取ポート120は省かれてよい。
【0027】
図2A及び2Bは、一実施形態による、通気口210を含む通気アダプタ組立体202の分解等角図及び組み立てられた断面図それぞれである。通気アダプタ組立体202は、近位開口部236を有する近位部分224と、近位部分224の下流側に配置され遠位開口部238を有する遠位部分226と、近位部分224と遠位部分226との間を延びる中間部分240とを含む排液本体222を含む。近位部分224及び遠位部分226は、通気アダプタ組立体202を排液管(例えば
図1に示す排液管108)に物理的に及び/又は流体的に結合するようにそれぞれ構成される。
【0028】
図示する実施形態では、排液本体222の近位部分224は、排液管(例えば
図1に示す排液管108)と対合するように構成された雌型連結器として構成され得る。例えば、近位開口部236における近位部分224の内径は、その内部に排液管を受け入れるようにサイズ設定され得る。図示する実施形態では、排液本体222の遠位部分226は、排液管(例えば
図1に示す排液管108)と対合するように構成された雄型連結器として構成され得る。例えば、遠位開口部238における遠位部分226の外径は、排液管の内径より小さくてよい。一実施形態では、遠位部分226の外径は、先細にされ、遠位開口部238から近位部分224に向かって増大することができ、それにより、遠位開口部238から離れた遠位部分226の最も外側の直径は、排液管の内径よりも大きくなる。他の実施形態では、近位部分224は、雄型連結器として構成されてよく、ならびに/又は遠位部分226は雌型連結器として構成されてよい。
【0029】
排液本体222は、さらに、中間部分240、近位部分224、及び遠位部分226を通って延びる排液管腔225を画定する。排液管腔225は、近位開口部236及び遠位開口部238と流体連通しており、それにより流体は、近位開口部236を通り、排液管腔225を通って流れて遠位開口部238から出ることができる。図示する実施形態では、中間部分240は、実質的に円筒状の形状を有することができる。しかし、中間部分240は、任意の適切な形状を有することができる。
【0030】
排液本体222はまた、排液管腔225と流体連通する通気開口部228を少なくとも部分的に画定する。図示する実施形態では、通気開口部228は、排液本体222の中間部分240によって少なくとも部分的に画定され、この中間部分内に位置する。しかし、他の実施形態では、通気開口部228は、近位部分224又は遠位部分226内に位置することができる。
【0031】
図示する実施形態では、排液本体222は、通気開口部228を少なくとも部分的に画定する通気口壁242を含む。例えば、通気口壁242は、排液本体222の中間部分240から外方向に延びるような、排液本体222から外方向に延びる全体的に円筒状の形状を有する。しかし、通気口壁242は、全体的に矩形形状、全体的に楕円形状、又は任意の他の適切な形状などの任意の適切な形状を有することができる。一実施形態では、通気口壁242は省かれてよく、それにより、フィルタ232及び/又は保持部材230は、中間部分240又は排液本体222の他の部分に直接結合され得る。
【0032】
一実施形態では、通気口壁242は、排液本体222と一体的に形成され得る。他の実施形態では、通気口壁242は、排液本体222とは別個の個別のものでよく、任意の適切な取り付け方法を使用して排液本体に取り付けられてよい。例えば、通気口壁242は、超音波溶接、接着剤、ねじ込み連結、別の適切な技術、又はこれらの組み合わせによって排液本体222に取り付けられ得る。
【0033】
通気口壁242は、第1の内径を有する第1の内側領域244と、第1の内径より小さい第2の内径を有する第2の内側領域246とを含むことができる。第2の内側領域246は、第1の内側領域244よりも排液管腔225の近くに位置することができる。通気口壁242の第2の内側領域246の減少した内径は、フィルタ232が取り付けられ得る及び/又は保持部材230を妨げ得る、通気口210の1つ以上の構成要素(例えばフィルタ232、保持部材230など)を支持し、これらの構成要素に取り付けられ、及び/又はこれらの構成要素の移動を制限するフランジ表面をもたらす。一実施形態では、通気口壁242の第2の内側領域246は省かれてよく、それにより、通気開口部228は実質的に均一の直径を有する。
【0034】
排液本体222は、1つ以上の異なる材料から形成され得る。例えば、排液本体222の1つ以上の構成要素(例えば、近位部分224、遠位部分226、通気口壁242、又は通気口210の構成要素)は、ポリマー材料、金属材料、セラミック、複合材、又は別の適切な材料の1つ以上を含むことができる。特に、排液本体222は、ポリカーボネート(例えば非多孔性ポリカーボネート)、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、PTFE(例えば焼結されたPTFE)、低密度ポリエチレン(「LDPE」)、高密度ポリエチレン(「HDPE」)、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン(「PCTFE」)、アルミニウム、ステンレス鋼、又は任意の他の適切な材料の少なくとも1つから少なくとも部分的に形成され得る。
【0035】
通気口210は、フィルタ232、保持部材230又はキャップ234の少なくとも1つを含む。フィルタ232は、通気開口部228を画定する排液本体222の一部分、又は保持部材230などの通気口210の一部分の少なくとも1つに結合される。フィルタ232は、液体(例えば尿)に対して部分的に又は実質的に不浸透性でありながら、気体(例えば空気)に対して少なくとも部分的に浸透性であるように構成された材料から形成される。通気口210は、排液本体222内に存在する液体が通気開口部228を通って退出することを少なくとも実質的に防止するように構成される。通気口210は、さらに、排液本体222又は通気口210の少なくとも1つに取り外し可能に取り付けられるように構成されたキャップ234を含むことができる。キャップ234は、通気開口部228を覆うように構成されたサイズ及び形状を有し、それによってキャップ234が取り付けられたとき、気体が通気開口部228を通って排液管腔225内外に流れることを制限する。
【0036】
フィルタ232は、気体(例えば空気)に対して少なくとも部分的浸透性(例えば実質的に浸透性)でありながら選択された液体(例えば尿)に対して実質的に不浸透性である材料から形成され構造化される。例えば、フィルタ232は、複数の孔を内部に画定する多孔性ポリマー膜を含むことができる。多孔性ポリマー膜は、PTFE、シリコン、別の疎水性材料、又はこれらの組み合わせから少なくとも部分的に形成され得る。例えば、一実施形態では、焼結された多孔性PTFE膜から部分的に形成されるか、又は実質的に完成される多孔性ポリマー膜は、PTFE粒子を一緒に焼結して焼結された膜を形成することによって製造され得る。多孔性ポリマー膜は、多孔性基板によって支持され(例えばこれに取り付けられ)てよく、又は多孔性ポリマー膜は支持されなくてもよい。一実施形態では、基板は、多孔性ポリマー膜を、通気開口部228を部分的に画定する排液本体222の部分又は通気口210の一部分(例えば通気口壁242又は保持部材230)の少なくとも1つに取り付けることを容易にすることができる。
【0037】
フィルタ232は、通気開口部228を画定する排液本体222の部分又は通気口210の一部分の少なくとも1つに任意の適切なやり方で取り付けられ得る。一実施形態では、フィルタ232は、保持部材230と通気口壁242の第2の内側領域246との間に配置されてよく、一方で保持部材230は、通気口壁242に取り付けられる。したがって、保持部材230及び通気口壁242の第2の内側領域246は、フィルタ232の移動を防止し、通気開口部228内のフィルタ232を排液本体222に効果的に固定する。別の実施形態では、
図3に対して以下でより詳細に論じるように、フィルタ232は、通気開口部228を部分的に画定する排液本体222の部分又は保持部材230などの通気口210の構成要素の少なくとも1つに溶接され(例えば超音波溶接され)得る。別の実施形態では、フィルタ232は、通気開口部228を画定する排液本体222の部分又は通気口210の構成要素の少なくとも1つに、接着剤、機械的締結具、別の適切な技術又はこれらの組み合わせを使用して取り付けられ得る。
【0038】
保持部材230は、通気開口部228を少なくとも実質的に覆うように構成され得る。例えば、保持部材230の一部分は、保持部材230のその部分を通気開口部228内に配置することを可能にする形状及びサイズを有することができる。保持部材230は、排液本体222に関して本明細書に開示する材料のいずれから形成されてもよい。一実施形態では、保持部材230は、上部分248及び底部分250を含む少なくとも2つの二段重ね構造を有する。上部分248は、全体的にディスク様の幾何学的形状を有し、通気口壁242の第1の内側領域244の内径より大きい最大直径を有する。底部分250は、通気口壁242の第1の内側領域244に隣接して通気開口部228の内側に配置されるように構成された形状(例えばディスク様の幾何学的形状)及びサイズ(例えば最大直径)を有する。例えば、底部分250は、通気開口部228の第1の内側領域244の形状及び内径に実質的に対応する形状及びサイズを有することができる。しかし、上部分248及び底部分250は、全体的にディスク様の幾何学的形状以外の任意の適切な形状、例えば、全体的に矩形の幾何学的形状、全体的に楕円の幾何学的形状、又は任意の他の適切な幾何学的形状などを有することができる。さらに、上部分248及び底部分250は、通気口壁242の第1の内側領域244の形状とは異なり、及び/又は互いに異なる形状を有することができる。例えば、上部分248又は底部分250は、その内部に、フィルタ232を内部に受け入れるように構成されたくぼみ(図示せず)を含むことができる(
図5Aから5Cに示す実施形態を参照)。最後に、保持部材230は、1つ以上の追加の部分を含むことができ、又は上部分248又は底部分250の1つが省かれてよい。
【0039】
保持部材230は、その内部に形成された1つ以上の開口252を画定することができる。1つ以上の開口252の各々は、上部分248の最も上側の表面254から底部分250の最も底側の表面(図示せず)まで延びることができる。1つ以上の開口252は、その中をフィルタ232が通過できないようにしながら、空気は流れることを可能にするように構成された形状及びサイズを有する。
【0040】
保持部材230は、通気口壁242に固定されるように構成され得る。例えば、保持部材230は、保持部材230の少なくとも一部分(例えば底層250)を通気口壁242に圧入することによって通気口壁242に取り付けられ得る。他の実施形態では、保持部材230は、接着剤、溶接(例えば超音波溶接)、ねじ込み取り付け、機械的締結具、任意の他の適切な取り付け方法、又はそれらの組み合わせを使用して通気口壁242に取り付けられ得る。一実施形態では、保持部材230は、通気口壁242との間の継ぎ目を通って流体が流れることを少なくとも実質的に防止するやり方で通気口壁242に固定され得る。
【0041】
キャップ234は、気体に対して少なくとも実質的に不浸透性である。したがって、キャップ234を通気開口部228の一部分上に配置することにより、気体が通気開口部228内外を流れることが少なくとも制限され(例えば少なくとも実質的に妨げられ)得る。例えば、キャップ234は、保持部材230の1つ以上の開口252の少なくとも一部(例えば全て)を覆うように構成され得る。キャップ234はまた、保持部材230と通気口壁242との間の継ぎ目の一部(例えば全て)を覆うこともできる。したがって、キャップ234は、腹腔内圧力測定又は類似の圧力依存型試験を実行することを可能にすることができる。
【0042】
キャップ234は、任意の適切なやり方で通気口210に可逆式に取り付けられ得る。例えば、キャップ234は、弱い接着剤、ねじ込み取り付け、又は保持部材230及び/又は通気口壁242との締まりばめ又はスナップ嵌合を使用して通気口21の一部分(例えば保持部材230)に取り付けられ得る。別の実施形態では、キャップ234は、磁石又は磁気引力材料を含むことができ、一方で通気口210及び/又は排液本体222の少なくとも一部分は、磁石又は磁気引力材料を含むことができる。したがって、キャップ234は、通気口210及び/又は排液本体222に磁気的に取り付けられ得る。
【0043】
図3は、一実施形態による、
図2A〜2Bに示す通気アダプタ組立体202を製造する方法300の流れ図である。方法300の動作301において、焼結された多孔性PTFE膜を備えるフィルタ232が、通気開口部228を少なくとも部分的に画定する通気アダプタ組立体202のポリカーボネート構成要素(例えば非多孔性ポリカーボネート構成要素)に隣接して配置され得る。焼結された多孔性PTFE膜は、その内部に複数の孔を画定する。焼結された多孔性PTFE膜は、多孔性基板に取り付けられ(例えば支持されて)よく、又は基板に取り付けられなくてもよい。ポリカーボネート構成要素には、通気口壁242の一部分、保持部材230、通気開口部228を少なくとも部分的に画定する排液本体222の別の部分、流れ調節器の一部分(例えば、
図5A〜5Cに示す通気口/流れ調節器510、576)などが含まれ得る。
【0044】
方法300の動作302において、焼結された多孔性PTFE膜は、ポリカーボネート構成要素に超音波溶接され、それにより、ポリカーボネート構成要素からのポリカーボネートの少なくとも一部は軟化し、焼結された多孔性PTFE膜の複数の孔の一部内に流入し、少なくとも部分的に占有して、自己溶接された強い接合点を形成する。超音波エネルギーの吸収によって生成された熱は、ポリカーボネート材料を少なくとも部分的に軟化させる(例えば、ポリカーボネート材料をガラス遷移温度近くに、ガラス遷移温度に、又はガラス遷移温度以上に加熱する)。ポリカーボネート材料を、焼結された多孔性PTFE膜によって画定された複数の孔に流入するように軟化させることにより、焼結された多孔性PTFE膜を軟化させ、ポリカーボネート材料によって画定された複数の孔内に流入させる場合より低い温度に、焼結された多孔性PTFE膜及びポリカーボネート材料を加熱することが可能になる。したがって、動作302の超音波溶接プロセスは、溶接プロセス中、焼結された多孔性PTFE膜に対する変形及び/又は他の物理的及び/又は化学的損傷を低減する。本発明者は、現在のところ、ポリカーボネート材料を軟化させることによって、焼結された多孔性PTFE膜をポリカーボネート材料に超音波溶接することが、PTFEの疎水性、非反応性、及び低摩擦係数により、PTFEを軟化させることによって焼結された多孔性PTFE膜をポリカーボネート材料に溶接することより効果的であると考える。
【0045】
焼結された多孔性PTFE膜をポリカーボネート材料に緒音波溶接することは、約10kHzから約60kHzの超音波エネルギーの超音波周波数、約0.001インチから約0.01インチの溶接距離(例えば、超音波溶接機の超音波ホーンが、溶接される対象物に超音波をかける間にかけられた圧力の方向に移動する距離)、約0.075秒から約0.3秒の溶接時間(例えば、超音波溶接機が溶接対象物に超音波エネルギーをかける時間量)、約0.5秒から約2秒の保持時間(例えば超音波溶接機が溶接サイクルの「冷却」部分中に溶接対象物に圧力をかける時間量)、及び約5psiから約20psiのゲージ圧力(例えば、超音波溶接機の超音波ホーンが溶接対象物にかける圧力)において実行され得る。より具体的には、PTFE膜をポリカーボネート材料に超音波溶接することは、約25kHzから約50kHz(例えば、約30kHz、約32kHzから約45kHz、約40kHzから約42kHz、又は約50kHz)の超音波エネルギーの超音波周波数、約0.0025インチから約0.006インチ(例えば、約0.003インチから約0.004インチ、約0.0035インチから約0.0045インチ、約0.0050インチ、又は約0.0055インチ)の溶接距離、約0.1秒から約0.2秒(例えば、約0.12秒から約0.15秒、約0.15秒から約0.18秒、又は約0.12秒から約0.14秒)の溶接時間、約0.75秒から約1.25秒(例えば、約0.8秒から約0.9秒、約0.8秒から約1秒、又は約1秒から約1.2秒)の保持時間、及び約7.5psiから約15psi(例えば、約8psiから約9psi、約8psiから約10psi、約10psiから約13psi、約12psi)のゲージ圧力において実行され得る。PTFE膜をポリカーボネート材料に超音波溶接するために、超音波エネルギー、溶接距離、溶接時間、保持時間、及びゲージ圧力の前述の値及び/又は範囲の任意の組み合わせが使用されてよいことに留意されたい。
【0046】
他の実施形態では、方法300は、フィルタ232が焼結された多孔性PTFE膜以外の材料(例えばシリコン、延伸PTFE膜)を含み、フィルタ232が結合される構成要素が、ポリカーボネート材料以外の材料(例えばHDPE)を含むように変形され得る。同様に、方法300は、超音波溶接以外の取り付けプロセス(例えば接着剤)を使用してフィルタ232をポリカーボネート構成要素に取り付けるように変形され得る。
【0047】
一部の実施形態では、保持部材230は、排液本体222に固定され得る。例えば、保持部材230は、動作302に関して上記で論じた同じ又は類似の超音波溶接条件を使用して通気口壁242に超音波溶接され、ねじ込み式に締結され、又は別の形で取り付けられ得る。一部の実施形態では、通気アダプタ組立体202の1つ以上の追加の構成要素が、排液本体222に取り付けられ得る。例えば、試料採取ポート(例えば
図4A〜4Bに示す試料採取ポート420)、及び/又は流れ調節器(例えば、
図6に示す流れ調節器676)が、通気アダプタ組立体202に取り付けられ得る。
【0048】
図4A及び4Bは、一実施形態による、通気口410及び試料採取ポート420を含む通気アダプタ組立体402の分解等角図及び組み立てられた断面図それぞれである。
図4A及び4Bに関連して図示し説明する特徴は、本明細書に開示する実施形態のいずれに使用されてもよい。通気アダプタ組立体402は、
図2A〜2Bに示す通気アダプタ組立体202に構造的に類似する。したがって、簡略にするために、互いに同一であるか、又は類似する通気アダプタ202、402両方内の構成要素の説明は、通気アダプタ組立体202、402内の構成要素が異なって機能しない限り、繰り返されない。
【0049】
通気アダプタ組立体402は、試料採取ポート420を含む。試料採取ポート420を収容するために、排液本体422の中間部分440は、排液管腔425内にアクセスできる試料採取開口部456を部分的に画定する。しかし、他の実施形態では、試料採取開口部456は、排液本体222の近位部分又は遠位部分424、426内に形成されてよい。試料採取ポート420は、これもまた試料採取開口部456を少なくとも部分的に画定する、排液本体422から延びる試料採取壁458を含む。試料採取ポート420は、さらに、排液本体422内に配置された流体にユーザがアクセスできるように構成された封止機構460を含む。最後に、試料採取ポート420は、封止機構460の一部分を封入するように構成されたカバー462を含む。
【0050】
図示する実施形態では、試料採取壁458は、内壁464と、内壁464の周りを延びる外壁466とを含む。内壁464は、試料採取開口部456を部分的に画定することができる。内壁464の内面は、封止機構460を少なくとも部分的に受け入れるように構成されたサイズ及び形状を有することができる。例えば、内壁464の内面は、試料採取開口部456内に配置されるように構成された封止機構460の一部分のサイズ及び形状に実質的に対応するサイズ及び形状を有することができる。そのような実施形態では、内壁464及び封止機構460は、これらの間に実質的に流体密封の封止部を形成することができる。内壁464及び第2の壁466は、これらの間に空間468を部分的に画定することができる。空間468は、その内部にカバー462の一部分を受け入れるように構成され得る。例えば、外壁466の内面は、カバー462の外面に実質的に対応するサイズ及び形状を有することができ、ならびに/又は内壁464の外面は、カバー462の内面に実質的に対応するサイズ及び形状を有することができる。そのような実施形態では、内壁464及び/又は外壁466は、カバー462と共に少なくとも実質的に流体密封の封止部を形成することができる。別の実施形態では、試料採取壁458は、
図2A〜2Bに示す通気口壁242に実質的に類似し得る。
【0051】
一実施形態では、試料採取壁458は、排液本体422と一体的に形成され得る。他の実施形態では、試料採取壁458は、例えば超音波溶接によって、接着剤を使用して、ねじ込み取り付けによって、又はこれらの組み合わせによって排液本体422に取り付けられ得る。
【0052】
封止機構460は、ユーザが排液管腔425内に存在する流体の試料を少なくとも実質的に無菌の流体密封のやり方で取得することを可能にするように構成された任意の装置を含むことができる。例えば、封止機構460は、針無し注射器(例えばカテーテル先端注射器)又は針付き注射器などの注射器装置を使用してユーザが流体の試料を取得することを可能にするように構成され得るアクセス部分470(例えば切り込み)を含むことができる。作動において、注射器装置の先端部(例えばカテーテル先端部又は針)を、排液管腔425内の流体と流体連通するように封止機構460のアクセス部分470に通して挿入することができる。封止機構460は適切な弾性材料から形成することができるため、封止機構460は、ユーザが試料を取得し、注射器装置の先端部を封止機構460から取り外した後、少なくとも実質的に流体密封のやり方で自ら再封することができる。一部の実施形態では、封止機構460は、ユーザが排液管腔425から複数の流体試料を取得することを可能にするように構成され得る。一部の実施形態では、封止機構460は、腹腔内圧力測定中などに、ユーザが流体を排液管腔425に注入することを可能にすることができる。
【0053】
一実施形態では、封止機構460は、試料採取開口部456内に少なくとも部分的に配置されるように構成され得る。別の実施形態では、封止機構460は、試料採取開口部456の上方に配置され得る。例えば、封止機構460は、カバー462に取り付けられてよく、カバー462は、試料採取開口部456の上方で封止機構460を支持するように構成される。
【0054】
これまで述べたように、カバー462は、封止機構460を少なくとも部分的に封入するように構成される。例えば、カバー462の内面は、その内部に封止機構460を少なくとも部分的に封入するように構成されたサイズ及び形状を有することができる。例えば、カバー462の内面の少なくとも一部分は、封止機構460の外面に実質的に対応するサイズ及び形状を有することができる。そのような実施形態では、カバー462及び封止機構460は、これらの間に少なくとも実質的に流体密封の封止部を形成することができる。カバー462はまた、カバー穴472も画定することができ、このカバー穴は、試料採取ポート420が完全に組み立てられたときに試料採取機構460のアクセス可能部分470へのアクセスを可能にする。最後に、カバー462は、任意の適切なやり方で(例えば溶接することによって、接着剤を使用することによって、圧入することによってなど)試料採取壁458に取り付けられ得る。
【0055】
一実施形態では、試料採取機構460及びカバー462は、試料採取ポート420とは別個の構成要素であってよい。別の実施形態では、試料採取機構460及びカバー462は、一体的に形成されてよい。別の実施形態では、カバー462は省かれてよい。
【0056】
図示する実施形態では、試料採取ポート420は、通気口410の下流側に配置される。しかし、他の実施形態では、試料採取ポート420は、通気口410の上流側に配置されるか、又は通気口410から径方向に離間され得る。通気口410に対する試料採取ポート420の位置は、例えば、通気アダプタ組立体402が流れ調節器(例えば
図6に示す流れ調節器676)を含む場合、より重要となり得、その理由は、流れ調節器は、腹腔内圧力測定中などに試料採取ポート420から通気口410を流体的に結合解除することがあるためである。
【0057】
通気口410及び試料採取ポート420の両方を含むように通気アダプタ組立体402を構成することにより、通気アダプタ組立体402が連結された排尿バッグシステムの機能は改良される。例えば、通気アダプタ組立体402は、通気口410及び試料採取ポート420を一緒に流体的に結合させるために、個別の排液管(例えば
図1に示す第2の部分108b)又は他の連結(例えば、
図5A〜5Cに示す通気アダプタ副組立体502と試料採取ポートアダプタ574との間の連結)の必要性を解消する。個別の排液管及び/又は連結部を解消することにより、排液組立体に関する漏出の可能性が低減される。同様に、通気アダプタ組立体402は、排液バッグシステムの構成要素の数を低減することによって排液組立体を簡易化する。さらに、通気口410を試料採取ポート420の近位に配置することにより、流体の流れが改良され得る。例えば、通気アダプタ組立体402は、通気口410と試料採取ポート420との間の排液管内のよじれ又は曲がりを解消し、通気口410と試料採取ポート420との間の管腔の一定の内径をより良好に維持する。
【0058】
図5Aは、一実施形態による、通気アダプタ副組立体502及び試料採取ポートアダプタ574を含む通気アダプタ組立体500の分解等角図である。
図5Aに関連して図示し説明する特徴は、本明細書に開示する実施形態のいずれに使用されてもよい。通気アダプタ組立体500は、
図1に示す排尿バッグシステム100に構造的に類似する。同様に、通気アダプタ副組立体502は、
図2A〜2B及び4A〜4Bに示す通気アダプタ組立体202、402に構造的に類似する。したがって、簡潔にするために、互いに同一であるか、又は類似する、排尿バッグシステム100及び通気アダプタ組立体500、ならびに通気アダプタ組立体202、402、502の構成要素の説明は、構成要素が異なって機能しない限り、繰り返されない。
【0059】
通気アダプタ組立体500は、試料採取ポートアダプタ574に結合された通気アダプタ副組立体502を含む。通気アダプタ副組立体502及び試料採取ポートアダプタ574は、排液管508を介して排尿バッグシステムに流体的に結合される。例えば、通気アダプタ副組立体502は、排液管508の第1の部分508aに流体的に結合されてよく、試料採取ポートアダプタ574は、排液管508の第2の部分508bに流体的に結合されてよい。一実施形態では、試料採取ポートアダプタ574は、通気アダプタ副組立体502が(図示するように)直接一緒に結合されるか、又は間接的に(例えば
図1の排液管108の第2の部分108bを介して)一緒に結合されるように通気アダプタ副組立体502と一体的に形成され得る。
【0060】
通気アダプタ副組立体502は、通気口510及び流れ調節器576(集合的に「通気口/流れ調節器510、576」と称される)を含むことができ、試料採取ポートアダプタ574は、試料採取ポート520を含むことができる。通気アダプタ副組立体502は、第1の近位開口部536aと、第1の遠位開口部538aと、第1の近位開口部536aと第1の遠位開口部538aとの間を流体連通させて延びる排液管腔525(
図5B〜5C)とを画定する第1の排液本体522aを含む。試料採取ポートアダプタ574は、第2の近位開口部536b及び第2の遠位開口部538bを画定する第2の排液本体522bを含む。一実施形態では、試料採取ポートアダプタ574は、通気アダプタ副組立体502と一体的に形成されてよく、それにより、通気アダプタ副組立体502は、通気口/流れ調節器510、576と、試料採取ポート520とを含む単一の排液本体を含む。
【0061】
第1の近位開口部536a及び第1の遠位開口部538aを含む第1の排液本体522aのそれぞれの部分は、雌型連結器になるように構成される。第2の近位開口部536b及び第2の遠位開口部538bを含む第2の排液本体522bのそれぞれの部分は、先細にされた雄型連結器になるように構成される。例えば、第1の近位開口部536aを含む排液本体522aの部分は、第2の遠位開口部538bを含む第2の排液本体522bの部分を受け入れ、これに結合されるように構成され得る。第1の近位開口部536a又は第1の遠位開口部538aの少なくとも1つが、雌型連結器の一部として構成されてよく、第2の近位開口部536b又は第2の遠位開口部538bの少なくとも1つが、雄型連結器の一部として構成されてよいことが理解される。
【0062】
流れ調節器576は、排液管腔525を通る流体の流れを調節するように構成された任意の適切な弁を含むことができる。一実施形態では、流れ調節器576は、排液管腔525内に少なくとも部分的に配設されるように構成された流れ障壁578を含むことができる。流れ障壁578は、(例えば
図5Bに示すように)第1の位置にあるとき、流体が排液管腔525を通って流れることを可能にし、流れ障壁578が(
図5cに示すように)第2の位置にあるとき、流体が排液管腔525を通って流れることを実質的に防止する。例えば、流れ障壁578は、ディスク様形状を有する面580を含むことができる。面580は、流れ障壁578が第2の位置にあるとき(例えばバタフライ弁)、第1の排液本体522aの内面に実質的に対応するサイズ及び周囲形状を有することができる。代替的には、流れ障壁578は、その内部に形成された切欠部を有する全体的に球状の幾何学的形状(例えばボール弁)、又は任意の他の適切な流れ障壁(例えば、逆止弁、ダイアフラム弁、ゲート弁など)を含むことができる。流れ障壁578は、第1の位置と第2の位置との間で移動可能になり得る。
【0063】
流れ調節器576は、さらに、流れ障壁578に動作可能に結合された作動装置582を含む。作動装置582は、流れ障壁578を第1の位置と第2の位置との間、及びその逆の形で移動させるように構成され得る。例えば、図示する実施形態では、作動装置582は、流れ障壁578に直接結合される。作動装置582は、流れ障壁578に結合されてよく、それにより、作動装置582を操作することにより(例えば作動装置582を回転させることにより)、流れ障壁578は第1の排液本体522a内で移動(例えば回転)される。作動装置582は、信号に応答して作動するノブ、ラッチ、モータ、又は任意の他の適切な作動装置を含むことができる。通気アダプタ副組立体502が完全に組み立てられたとき、作動装置582は、第1の排液本体522aの外側に少なくとも部分的に配置され得る。作動装置582は、排液本体222に関して本明細書に開示する材料のいずれから形成されてもよい。
【0064】
通気口510は、フィルタ232などの、本明細書に開示するフィルタの任意のものに実質的に類似するフィルタ532を含む。フィルタ532は、流れ調節器576に結合されて通気口/流れ調節器510、576を形成する。例えば、作動装置582は、フィルタ532を少なくとも部分的に内部に受け入れるように構成されたくぼみ584を部分的に画定することができ、フィルタ532は、作動装置582に取り付けられ得る。例えば、フィルタ532は、ポリカーボネート作動装置582に超音波溶接された、焼結された多孔性PTFE膜から形成され得る。別の実施形態では、くぼみ584は省かれてよく、フィルタ532は、作動装置582の表面に結合されてよい。別の実施形態では、通気口/流れ調節器510、576は、さらに、作動装置582に固定された保持部材(
図2を参照)を含むことができる。そのような実施形態では、フィルタ532は、作動装置582と保持部材との間に配置されてよく、フィルタ532は、作動装置582又は保持部材の少なくとも1つに取り付けられてよい。
【0065】
通気口510は、さらに、流路586を含むことができ、この流路は、通気口/流れ調節器510、576が完全に組み立てられとき、排液管腔525と流体連通するように通気口/流れ調節器510、576の1つ以上の構成要素(例えば作動装置582)を通ってくぼみ584から延びる。例えば、通気口/流れ調節器510、576の1つ以上の構成要素は、流路586を部分的に画定することができる。したがって、流路586は、フィルタ532が作動装置582に取り付けられたとき、フィルタ532を排液管腔525に流体的に結合させることができる。図示する実施形態では、流路586は、作動装置582を完全に通って延びる(
図5B及び5C)。一実施形態では、流路586は、作動装置582の中心からずらされてよく、それにより、流れ障壁578が排液管腔525を妨害する/遮るために第2の位置にあるとき(
図5C)、流路586は、流れ障壁578の上流側又は下流側にある排液バッグシステム500の一部分にのみ流体的に結合される。別の実施形態では、流路586はまた、流れ障壁578を部分的に通って延びることもできる。一実施形態では、流路586は、くぼみ584から排液管腔525まで延びることができ、それにより、流路586は、流れ障壁578が排液管腔525を妨害する/遮るために第2の位置にあるとき(
図5C)、流れ障壁578から、試料採取ポートアダプタ574から分離された排液管腔525の一部分に流体的に結合される。
【0066】
通気アダプタ副組立体502は、通気開口部528を含むことができる。例えば、第1の排液本体522aは、通気開口部528を部分的に画定することができる。一実施形態では、通気開口部528は、さらに、通気口壁542によって画定されてよく、又は通気口壁542は省かれてもよい。通気開口部528は、通気口/流れ調節器510、576の少なくとも一部分が内部に配置されるように構成され得る。1つの実施形態では、通気口/流れ調節器510、576は、流れ障壁578に直接的に結合された作動装置582を含むことができる。したがって、通気開口部528は、通気アダプタ副組立体502が完全に組み立てられたとき(
図5B及び5C)、作動装置582を流れ障壁578に直接結合することを可能にするサイズ及び形状を有することができる。例えば、通気口壁542は、第1の排液本体522aの残りの部分から外方向にそれほど延びなくてよく、それによって通気アダプタ副組立体502が完全に組み立てられとき、作動装置582を流れ障壁578に直接結合することを可能にする。別の実施形態では、通気口/流れ調節器510、576は、流れ障壁578に間接的に結合された作動装置582を含むことができる(
図6)。
【0067】
通気開口部528は、通気口/流れ調節器510、576の作動を容易にするように構成されてもよい。一実施形態では、通気開口部528は、流路586が(例えば通気アダプタ副組立体502の流れ障壁578又は別の構成要素を通らずに)通気開口部528を通って排液管腔525と流体連通することを可能にするのに十分な大きさであってよい。別の実施形態では、通気開口部528は、通気口/流れ調節器510、576がその内部に配置されたとき、少なくとも実質的に液体密封の封止部を形成するように構成され得る。例えば、通気開口部528及び通気口/流れ調節器510、576は、通気口壁542と作動装置582との間に少なくとも実質的に流体密封の封止部を維持しながら、作動装置582が通気開口部528に対して回転することを可能にするように構成され得る。
【0068】
図5B及び5Cは、一実施形態による、第1の位置及び第2の位置にある流れ障壁578を示す、
図5Aに示す組み立てられた通気アダプタ組立体500の等角切断図である。
図5Bを参照すれば、通気口/流れ調節器510、576は、流れ障壁578が第1の位置にあるように配置され得る。第1の位置では、流れ障壁578は、流体が流れ障壁578を周り、排液管腔525を通って第1の遠位開口部538aまで流れることを可能にする。例えば、流れ障壁578は、全体的に円形の面580を有する全体的にディスク様の幾何学的形状を有することできる。そのような実施形態では、第1の位置では、流れ障壁578の面580は、流体594の流れに対して実質的に平行であり、又は面580は、流体594の流れに対して鈍角を形成することができる。流れ障壁578が第1の位置にあるとき、フィルタ532は、流れ障壁578の上流側及び下流側にある排液管腔525の部分と流体連通することができる。フィルタ532と流体連通する排液管腔525の部分は、ほぼ大気圧を有することができる。
【0069】
図5Cを参照すれば、通気アダプタ副組立体502のユーザは、流れ障壁578が、排液管腔525を妨害する/遮るために第2の位置に移動されるように作動装置582を操作する(例えば回転させる)ことができる。第2の位置では、流れ障壁578は、流体が排液管腔525を通って第1の遠位開口部538aまで流れることを実質的に防止する。例えば、流れ障壁578が全体的にディスク様の幾何学的形状を有するとき、第2の位置では、流れ障壁578の面580は、流体594の流れに対して実質的に直交方向にあり、及び/又は排液管腔525の内部の幾何学的形状に実質的に対応して、排液管腔525内の流体が流れ障壁578を超えて遠位開口部538aまで下流に流れることを妨害し、実質的に防止する。さらに、流れ障壁578が第2の位置にあるとき、フィルタ532は、流れ障壁578のどちらの側に流路586が位置するかに応じて、流れ障壁578の上流側又は下流側にある排液管腔525の部分と流体連通することはできない。
【0070】
一実施形態では、通気口/流れ調節器510、576は、腹腔内圧力測定を容易にするために使用され得る。例えば、ユーザは作動装置582を操作して流れ障壁578を第2の位置に移動させることができる。流れ障壁578が第2の位置にあるとき、流れ障壁578は、排液管腔525内に存在する流体が排液管腔525を通って第1の遠位開口部538aまで流れることを少なくとも実質的に防止することができる。流れ障壁578はまた、気体が、流れ障壁フィルタ532を通って流れ障壁578の上流側にある排液バッグシステム500の一部分まで流れることを少なくとも実質的に防止することもできる。ユーザは、次いで、流体(例えば生理食塩水)を、流れ障壁578の上流側にある排液バッグシステム500の部分に、例えば試料採取ポート520又は排液バッグシステム500に結合された別の装置(例えば別の試料採取ポート)を使用して挿入することができる。また、変換器(図示せず)が、流れ障壁578の上流側にある排液バッグシステム500の部分に結合されてよく、それにより、変換器は、流れ障壁578の上流側にある排液バッグシステム500の部分内の圧力を測定することができる。例えば、変換器は、試料採取ポート520又は排液バッグシステム500に取り付けられた別の装置(例えば別の試料採取ポート)を使用して、流れ障壁578の上流側にある排液バッグシステム500の部分に結合され得る。流れ障壁578は、流体が流れ障壁578の下流側に流れることを少なくとも実質的に防止し、気体がフィルタ532を通って流れ障壁578の上流側に流れることを防止することによって、変換器が、流れ障壁578の上流側にある排液バッグシステム500の部分内の圧力を正確に測定することを可能にする。
【0071】
図6は、一実施形態による、通気口610及び流れ調節器676を含む通気アダプタ組立体602の等角切断図である。
図6に関連して図示し説明する特徴は、本明細書に開示する実施形態のいずれに使用されてもよい。通気アダプタ組立体602は、
図2A〜2B、4A〜4B、及び5A〜5Cに示す通気アダプタ組立体202、402、及び/又は502に構造的に類似する。したがって、簡潔にするために、互いに同一であるか、又は類似する通気アダプタ組立体202、402、502、及び602の説明は、構成要素が異なって機能しない限り、繰り返されない。
【0072】
通気アダプタ組立体602は、流れ調節器676と一体的に形成されない通気口610を含む。例えば、通気口610は、
図2A〜2Bに示す通気口210と同じ又はこれに類似するように構成され得る。通気口610は、流れ調節器676から離間される。例えば、図示する実施形態では、通気口610は、流れ調節器676の下流側に配置される。通気口610は、(例えば腹腔内圧力の測定のために)流れ調節器676の上流側にある排液組立体の一部分から通気口610を選択的に分離することが望ましいとき、流れ調節器676の下流側に配置され得る。他の実施形態では、通気口610は、(例えば排液バッグを交換するとき)流れ調節器676の下流側にある排液バッグシステムの一部分から通気口610を選択的に分離することが望ましい場合、流れ調節器676の上流側に配置され得る。
【0073】
流れ調節器676は、流れ障壁678に間接的に結合された作動装置682を含むことができる。例えば、通気アダプタ組立体602は、排液管腔625を画定し、ここから延びる流れ調節器壁698を有する排液本体622を含むことができる。一実施形態では、流れ調節器壁698は、排液本体622から延び、作動装置682を流れ障壁678から離間させることができる。したがって、流れ調節器676は、作動装置682及び流れ障壁678との間を延び、これらに結合された細長い部材696を含むことができる。細長い部材696は、作動装置682が操作されたとき、流れ障壁678を、流体が排液管腔625を通って流れることを可能にする第1の位置から、排液管腔625を妨害する/遮る第2の位置に、又はその逆の形で移動させるように構成され得る。例えば、流れ障壁678は、
図5A〜5Cに示す流れ障壁578に類似するように、又はこれと同じように構造化され、機能することができる。一実施形態では、排液本体622、流れ調節器壁698、及び作動装置682は、これらの間に少なくとも実質的に流体密封の封止部を形成することができる。
【0074】
図7は、一実施形態による、通気口710、流れ調節器776、及び試料採取ポート720を含む通気アダプタ組立体702の等角図である。
図7に関連して図示し説明する特徴は、本明細書に開示する実施形態のいずれに使用されてもよい。通気アダプタ組立体702は、
図2A〜2B、4A〜4B、5A〜5C及び6に示す通気アダプタ組立体202、402、502及び/又は602に構造的に類似する。したがって、簡潔にするために、互いに同一であるか、又は類似する通気アダプタ組立体202、402、502、602、及び702の説明は、構成要素が異なって機能しない限り、繰り返されない。例えば、通気口710は、
図6に示す通気口610と同じ又はこれに類似するように構成されてよく、流れ調節器776は、
図6に示す流れ調節器676と同じ又はこれに類似するように構成されてよく、試料ポート720は、
図4A〜4Bに示す試料ポート420と同じ又はこれに類似するように構成されてよい。
【0075】
流れ調節器776は、通気口710と試料採取ポート720との間に配置され得る。したがって、流れ調節器776は、通気口710を試料採取ポート720から分離することができる。通気口710は、(例えば腹腔内圧力の測定中)流れ調節器776の上流側にある排液バッグシステムの一部分から通気口710を分離することが望ましいとき、流れ調節器776の下流側に配置され得る。しかし、通気口710及び試料採取ポート720は、流れ調節器776に対してどのような位置を有してもよい。例えば、通気口710及び試料採取ポート720は、流れ調節器776の上流側に配置されて、流れ障壁(図示せず)を第2の位置に移動させることによって引き起こされる背圧からの患者の不快感を防止するのと同時に、ユーザが通気アダプタ組立体702内に存在する流体の試料を取得することを可能にすることができる。
【0076】
様々な態様及び実施形態が本明細書に開示されてきたが、他の態様及び実施形態が企図される。本明細書に開示する様々な態様及び実施形態は、例示の目的であり、限定するように意図されない。