特許第6620503号(P6620503)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6620503
(24)【登録日】2019年11月29日
(45)【発行日】2019年12月18日
(54)【発明の名称】電池パック、及び電池パックの組立方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20191209BHJP
   B60L 58/00 20190101ALN20191209BHJP
【FI】
   H01M2/10 M
   H01M2/10 S
   !B60L58/00
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-202920(P2015-202920)
(22)【出願日】2015年10月14日
(65)【公開番号】特開2017-76506(P2017-76506A)
(43)【公開日】2017年4月20日
【審査請求日】2018年7月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100183081
【弁理士】
【氏名又は名称】岡▲崎▼ 大志
(72)【発明者】
【氏名】木村 真也
(72)【発明者】
【氏名】高橋 英樹
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼島 翼
(72)【発明者】
【氏名】寺林 治
(72)【発明者】
【氏名】松浦 康寿
【審査官】 松村 駿一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−054353(JP,A)
【文献】 特開2009−289429(JP,A)
【文献】 特開2014−080282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
B60L 58/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに組み合わされて開口部を有する筐体本体を形成する第1の部材及び第2の部材と、
前記筐体本体内において、前記第1の部材に取り付けられた第1の電池モジュールと、
前記筐体本体内において、前記第2の部材に取り付けられた第2の電池モジュールと、
前記筐体本体内において、前記第1の電池モジュールよりも前記開口部側に位置するように前記第1の部材に取り付けられ、前記第1の電池モジュールと第1の配線部材によって電気的に接続される第1の中継回路と、
前記筐体本体内において、前記第2の電池モジュールよりも前記開口部側に位置するように前記第2の部材に取り付けられ、前記第2の電池モジュールと第2の配線部材によって電気的に接続される第2の中継回路と、を備え、
前記第1の中継回路と前記第2の中継回路とが、第3の配線部材によって電気的に接続されており、
前記第1の中継回路における前記第3の配線部材との接続口、及び、前記第2の中継回路における前記第3の配線部材との接続口は、いずれも前記開口部側に対向している、電池パック。
【請求項2】
互いに組み合わされて開口部を有する筐体本体を形成する第1の部材及び第2の部材を備える電池パックの組立方法であって、
前記筐体本体が形成された後の状態において第1の中継回路が第1の電池モジュールよりも前記開口部側に位置するように、前記第1の部材に前記第1の電池モジュール及び前記第1の中継回路を取り付けるとともに、前記第1の電池モジュール及び前記第1の中継回路を第1の配線部材によって電気的に接続する第1工程と、
前記筐体本体が形成された後の状態において第2の中継回路が第2の電池モジュールよりも前記開口部側に位置するように、前記第2の部材に前記第2の電池モジュール及び前記第2の中継回路を取り付けるとともに、前記第2の電池モジュール及び前記第2の中継回路を第2の配線部材によって電気的に接続する第2工程と、
前記第1工程及び前記第2工程の後に、前記第1の電池モジュール、前記第1の中継回路、前記第2の電池モジュール、及び前記第2の中継回路が前記筐体本体内に収容されるように、前記第1の部材と前記第2の部材とを組み合わせる第3工程と、
前記第3工程の後に、前記開口部を介して前記第1の中継回路と前記第2の中継回路とを第3の配線部材によって電気的に接続する第4工程と、
を含む電池パックの組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池パック、及び電池パックの組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電池パックとして、例えば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1の電池パックでは、複数の電池モジュールが筐体内に収容されている。各電池モジュールは、複数の電池セルが配列されて構成されている。このような電池パックにおいては、電池モジュール毎に、例えば電池モジュールの充電状態の検出や制御を行う監視ECU(Electronic Control Unit)が搭載されることがある。この場合、各電池モジュールの監視ECUは、例えばハーネス等によって電気的に接続されることにより、相互に通信可能とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−54353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、互いに組み合わされて開口部を有する筐体本体を形成する複数の部材(第1の部材及び第2の部材)の各々に電池モジュールが取り付けられる場合がある。この場合、最終的に筐体本体内に収容される複数の電池モジュールを相互に接続するためには、第1の部材に取り付けられた第1の電池モジュールと第2の部材に取り付けられた第2の電池モジュールとが電気的に接続される必要がある。
【0005】
ここで、第1の部材と第2の部材とを組み合わせる前に第1の電池モジュールと第2の電池モジュールとをハーネスで接続する場合には、全長が比較的長いハーネスを用意する必要がある。このため、筐体本体内において必要とされる収容スペースが増えてしまい、電池パックが大型化してしまうといった問題が生じ得る。また、第1の部材と第2の部材とを組み合わせる際に、ハーネスの中間部分が垂れ下がってしまい、両部材の間に噛み込まれる虞もある。
【0006】
一方、第1の部材と第2の部材とを組み合わせた後に第1の電池モジュールと第2の電池モジュールとをハーネスで接続する場合には、筐体本体内の作業スペースが狭いので、作業性が悪い。具体的には、筐体本体内には複数の電池モジュールや種々の配線が収容されるため、ハーネスの一端及び他端を第1の電池モジュール及び第2の電池モジュールの各々に設けられたコネクタに挿し込むことは容易ではない。なお、作業効率を上げるために、例えば第1の電池モジュールにハーネスの一端を予め接続しておくことも考えられる。こうすれば、第1の部材と第2の部材とを組み合わせた後に、ハーネスの他端を第2の電池モジュールに接続するだけでよくなる。しかし、この場合、ハーネスの他端がフリーになるため、第1の部材と第2の部材とを組み合わせる際に、ハーネスが両部材の間に噛み込まれる虞がある。また、ハーネスが第1の部材と第2の部材との間に噛み込まれなかったとしても、ハーネスの他端が筐体本体内に入り込んでしまうため、作業者は、筐体本体内に手を入れてハーネスの他端を発見して引っ張り出す必要がある。
【0007】
そこで、本発明は、筐体を構成する複数の部材の各々に設けられた電池モジュール間を電気的に接続するための配線作業を容易に行うことができる電池パック及びその組立方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る電池パックは、互いに組み合わされて開口部を有する筐体本体を形成する第1の部材及び第2の部材と、筐体本体内において、第1の部材に取り付けられた第1の電池モジュールと、筐体本体内において、第2の部材に取り付けられた第2の電池モジュールと、筐体本体内において、第1の電池モジュールよりも開口部側に位置するように第1の部材に取り付けられ、第1の電池モジュールと第1の配線部材によって電気的に接続される第1の中継回路と、筐体本体内において、第2の電池モジュールよりも開口部側に位置するように第2の部材に取り付けられ、第2の電池モジュールと第2の配線部材によって電気的に接続される第2の中継回路と、を備え、第1の中継回路と第2の中継回路とが、第3の配線部材によって電気的に接続される。
【0009】
この電池パックでは、第1及び第2の中継回路が第1及び第2の配線部材によって第1及び第2の電池モジュールに電気的に接続されるので、第1の中継回路と第2の中継回路とが第3の配線部材で電気的に接続されることにより、第1の電池モジュールと第2の電池モジュールとが第1及び第2の中継回路を介して電気的に接続される。また、第1及び第2の中継回路は、第1及び第2の電池モジュールよりも開口部側に設けられているので、第1の部材と第2の部材とが組み合わされた後であっても、第3の配線部材の接続端となる第1及び第2の中継回路の両方に開口部を介して容易にアクセスできる。すなわち、第1及び第2の中継回路に対する第3の配線部材の接続を容易に行うことができる。従って、この電池パックによれば、筐体を構成する複数の部材の各々に設けられた電池モジュール間を電気的に接続するための配線作業を容易に行うことができる。
【0010】
上記電池パックでは、第1の中継回路における第3の配線部材との接続口、及び、第2の中継回路における第3の配線部材との接続口は、いずれも開口部側に対向していてもよい。この場合、第1及び第2の中継回路の各々の第3の配線部材との接続口の場所が、開口部を介して視認可能になる。さらに、開口部を介して筐体本体内に侵入する方向に、第3の配線部材の一端及び他端を第1及び第2の中継回路の接続口に接続することができるので、第3の配線部材の接続をスムーズに行うことができる。従って、第1の中継回路と第2の中継回路との配線作業をより容易に行うことができる。
【0011】
本発明の一態様に係る電池パックの組立方法は、互いに組み合わされて開口部を有する筐体本体を形成する第1の部材及び第2の部材を備える電池パックの組立方法であって、筐体本体が形成された後の状態において第1の中継回路が第1の電池モジュールよりも開口部側に位置するように、第1の部材に第1の電池モジュール及び第1の中継回路を取り付けるとともに、第1の電池モジュール及び第1の中継回路を第1の配線部材によって電気的に接続する第1工程と、筐体本体が形成された後の状態において第2の中継回路が第2の電池モジュールよりも開口部側に位置するように、第2の部材に第2の電池モジュール及び第2の中継回路を取り付けるとともに、第2の電池モジュール及び第2の中継回路を第2の配線部材によって電気的に接続する第2工程と、第1工程及び第2工程の後に、第1の電池モジュール、第1の中継回路、第2の電池モジュール、及び第2の中継回路が筐体本体内に収容されるように、第1の部材と第2の部材とを組み合わせる第3工程と、第3工程の後に、第1の中継回路と第2の中継回路とを第3の配線部材によって電気的に接続する第4工程と、を含む。
【0012】
この電池パックの組立方法では、第1工程及び第2工程において、第1の部材への第1の電池モジュール及び第1の中継回路の取り付け及び配線接続と、第2の部材への第2の電池モジュール及び第2の中継回路の取り付け及び配線接続とが、第1の部材と第2の部材とを組み合わせる第3工程の前に、個別に実施される。これにより、各部材への電池モジュール及び中継回路の取り付け及び配線接続を各部材に適した態様(例えば各部材の設置の向き等)で行うことができる。また、第1及び第2の中継回路は、第1及び第2の電池モジュールよりも開口部側に設けられるので、第1の部材と第2の部材とが組み合わされた後であっても、配線部材の接続端となる第1及び第2の中継回路の両方に開口部を介して容易にアクセスできる。すなわち、第3工程で第1の部材と第2の部材とを組み合わせた後に、第4工程において、第1の中継回路と第2の中継回路とを第3の配線部材によって容易に接続することができる。従って、この電池パックの組立方法によれば、筐体を構成する複数の部材の各々に設けられた電池モジュール間を電気的に接続するための配線作業を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、筐体を構成する複数の部材の各々に設けられた電池モジュール間を電気的に接続するための配線作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態の電池パックの筐体の組立構成を示す分解斜視図である。
図2】電池パックの内部構成を示す断面図である。
図3】電池パックの組立手順を示す図である。
図4】電池パックの組立手順を示す図である。
図5】電池パックの組立手順を示す図である。
図6】電池パックの組立手順を示す図である。
図7】比較例に係る電池パックの組立手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
図1は、本実施形態の電池パックの筐体の組立構成を示す分解斜視図である。図2は、電池パックの内部構造を示す。なお、図1においては、筐体2に収容される部材の図示を省略している。図1及び図2に示すように、電池パック1は、筐体2と、複数(ここでは一例として3つ)の電池モジュール11,21,22と、ジャンクションボックス12と、中継回路13,23と、を含んで構成されている。電池パック1は、例えばローリフトトラックといったフォークリフト等の車両のバッテリーとして用いられる装置であり、所定のバッテリー収容部に収容される。
【0017】
筐体2は、例えば金属によって構成されており、バッテリー収容部の形状に応じた有底の箱型形状をなしている。本実施形態では一例として、筐体2は、直方体状をなしており、筐体本体3と天板部4とが組み合わせられることによって形成されている。また、筐体本体3は、本体部(第1の部材)5と側板部(第2の部材)6とが組み合わせられることによって形成されている。筐体本体3は、天板部4が取り付けられる側に開口部3aを有する。本体部5は、天板部4が取り付けられる側及び側板部6が取り付けられる側のそれぞれに対して開口する箱状部材である。具体的には、本体部5は、筐体2において天板部4に対向する底板部51を有する。また、本体部5は、底板部51の外縁部(4辺)のうち側板部6が取り付けられる部分(図1の図示上右側の1辺)を除いた3辺に沿って底板部51に立設する側壁部52,53,54を有する。側壁部52は、筐体本体3において側板部6に対向している。側壁部53は、側壁部52の一端(図1の図示上手前側の端部)に接続されており、側壁部54は、側壁部52の他端(図1の図示上奥側の端部)に接続されている。すなわち、側壁部53及び側壁部54は、側壁部52及び側板部6が対向する方向に直交する方向に対向している。
【0018】
図2に示すように、筐体2の内部に面する側壁部52の内面52aには、底板部51側から天板部4側に向かって、電池モジュール(第1の電池モジュール)11、ジャンクションボックス12、及び中継回路(第1の中継回路)13が、この順に取り付けられている。一方、筐体2の内部に面する側板部6の内面6aには、底板部51側から天板部4側に向かって、電池モジュール(第2の電池モジュール)21、電池モジュール(第2の電池モジュール)22、及び中継回路(第2の中継回路)23が、この順に取り付けられている。これらの装置(電池モジュール11,21,22、ジャンクションボックス12、中継回路13,23)の取り付け方法は任意であるが、これらの装置は、例えばブラケットやボルト等を用いて、側壁部52又は側板部6に取り付けられている。
【0019】
電池モジュール11,21,22はそれぞれ、複数の電池セルを配列した配列体と、電池セルの配列方向に拘束荷重を配列体に付加する拘束部材とを含んで構成されている。電池セルは、例えばリチウムイオン電池等の二次電池である。配列体において隣り合う電池セルは、正極端子と負極端子とをバスバー部材等で接続することにより、電気的に直列に接続されている。各電池モジュール11,21,22には、自モジュールの充電状態の検出や制御を行う監視ECU(Electronic Control Unit)が搭載されている。
【0020】
電池モジュール11,21,22はそれぞれ、自モジュールに搭載された監視ECUを他装置(本実施形態では、他の電池モジュール、ジャンクションボックス、及び中継回路等)と電気的に接続するための接続端子を有する。具体的には、電池モジュール11は、ハーネスH1を介してジャンクションボックス12と接続するための接続端子11aと、ハーネスH2(第1の配線部材)を介して中継回路13と接続するための接続端子11bと、を有する。電池モジュール21は、ハーネスH3(第2の配線部材)を介して電池モジュール22と接続するための接続端子21aを有する。電池モジュール22は、ハーネスH4(第2の配線部材)を介して中継回路23と接続するための接続端子22aと、ハーネスH3を介して電池モジュール21と接続するための接続端子22bと、を有する。
【0021】
ジャンクションボックス12は、各電池モジュール11,21,22の監視及び制御等を行う電池制御ECUを搭載している。電池制御ECUは、例えば、各電池モジュール11,21,22に搭載された監視ECUと通信することにより、各電池モジュール11,21,22の状態(例えば充電状態等)に関する情報を取得したり、各電池モジュール11,21,22の動作(例えば充放電等)を制御したりする。ジャンクションボックス12は、ハーネスH1を介して電池モジュール11と接続するための接続端子12aを有する。
【0022】
中継回路13は、2つの接続端子13a,13bを有し、一方の接続端子13aを介して接続される装置と他方の接続端子13bを介して接続される装置とを電気的に接続する電気回路である。接続端子13aは、ハーネスH2を介して電池モジュール11と接続するための接続端子であり、接続端子13bは、ハーネスH5(第3の配線部材)を介して中継回路23と接続するための接続端子(接続口)である。
【0023】
中継回路23は、2つの接続端子23a,23bを有し、一方の接続端子23aを介して接続される装置と他方の接続端子23bを介して接続される装置とを電気的に接続する電気回路である。接続端子23aは、ハーネスH4を介して電池モジュール22と接続するための接続端子であり、接続端子23bは、ハーネスH5を介して中継回路13と接続するための接続端子(接続口)である。
【0024】
電池モジュール11の接続端子11a,11b、ジャンクションボックス12の接続端子12a、及び中継回路13の接続端子13aは、側板部6の内面6aに対向するように設けられている。電池モジュール21の接続端子21a、電池モジュール22の接続端子22a,22b、及び中継回路23の接続端子23aは、側壁部52の内面52aに対向するように設けられている。一方、中継回路13の接続端子13b及び中継回路23の接続端子23bは、開口部3a側(すなわち天板部4側)に対向している。
【0025】
以上述べたように、電池パック1は、互いに組み合わされて開口部3aを有する筐体本体3を形成する本体部5及び側板部6を備える。また、電池パック1は、筐体本体3内において、側壁部52に取り付けられた電池モジュール21と、側板部6に取り付けられた電池モジュール21,22と、電池モジュール11よりも開口部3a側に位置するように側壁部52に取り付けられ、電池モジュール11とハーネスH2によって電気的に接続される中継回路13と、電池モジュール21,22よりも開口部3a側に位置するように側板部6に取り付けられ、電池モジュール21,22とハーネスH3,H4によって電気的に接続される中継回路23と、を備える。そして、中継回路13と中継回路23とが、ハーネスH5によって電気的に接続される。以上述べた構成により、電池パック1では、ジャンクションボックス12、電池モジュール11、中継回路13、中継回路23、電池モジュール22、電池モジュール21が、この順に直列に電気的に接続されている。本実施形態では、このように各装置が接続されることにより、例えば、ジャンクションボックス12の電池制御ECUが、各電池モジュール11,21,22に搭載された監視ECUと通信可能となり、各電池モジュール11,21,22の状態監視や制御等を実行することが可能となる。
【0026】
以上述べた電池パック1では、中継回路13がハーネスH2によって電池モジュール11に電気的に接続され、中継回路23がハーネスH4によって電池モジュール22に電気的に接続されるので、本体部5側の中継回路13と側板部6側の中継回路23とがハーネスH5で電気的に接続されることにより、本体部5側の電池モジュール11と側板部6側の電池モジュール21,22とが中継回路13及び中継回路23を介して電気的に接続される。
【0027】
また、中継回路13及び中継回路23はそれぞれ、電池モジュール11及び電池モジュール21,22よりも開口部3a側(天板部4側)に設けられているので、本体部5と側板部6とが組み合わされた後(すなわち筐体本体3が形成された後)であっても、ハーネスH5の接続端となる中継回路13,23の両方に開口部3aを介して容易にアクセスできる。すなわち、中継回路13,23に対するハーネスH5の接続を容易に行うことができる。従って、この電池パック1によれば、筐体本体3を構成する複数の部材(本実施形態では一例として本体部5及び側板部6)の各々に設けられた電池モジュール11,21,22間を電気的に接続するための配線作業を容易に行うことができる。
【0028】
また、中継回路13の接続端子13a及び中継回路23の接続端子13bがいずれも開口部3a側に対向しているので、接続端子13a及び接続端子13bは、いずれも開口部3aを介して視認可能になる。さらに、開口部3aを介して筐体本体3内に侵入する方向に、ハーネスH5の一端及び他端を接続端子13a及び接続端子13bに接続することができるので、ハーネスH5の接続をスムーズに行うことができる。従って、中継回路13と中継回路23との配線作業をより容易に行うことができる。
【0029】
次に、図3図6を用いて、電池パック1の組立方法について説明する。まず、図3及び図4に示すように、本体部5及び側板部6のそれぞれにおいて個別に、各装置(電池モジュール、ジャンクションボックス、中継回路)の取り付け作業及び接続作業が行われる。具体的には、筐体本体3に電池モジュール11、ジャンクションボックス12、及び中継回路13が取り付けられ(第1工程)、側板部6に電池モジュール21,22及び中継回路23が取り付けられる(第2工程)。第1工程及び第2工程が実行される順序は任意である。また、第1工程及び第2工程はそれぞれ独立して実行可能であるため、互いに異なる製造ラインで並行して実行されてもよい。
【0030】
図3に示すように、第1工程においては、以下のようにして各装置の取り付け作業が行われる。すなわち、筐体本体3が形成された後の状態において中継回路13が電池モジュール11及びジャンクションボックス12よりも開口部3a側に位置するように、本体部5の側壁部52の内面52aに、電池モジュール11、ジャンクションボックス12、及び中継回路13が取り付けられる。つまり、電池モジュール11、ジャンクションボックス12、及び中継回路13は、底板部51から遠ざかる方向に向かって、この順に配置される。また、第1工程においては、電池モジュール11、ジャンクションボックス12、及び中継回路13を電気的に接続する接続作業が行われる。具体的には、電池モジュール11の接続端子11bと中継回路13の接続端子13bとがハーネスH2によって電気的に接続されるとともに、電池モジュール11の11aとジャンクションボックス12の接続端子12aとがハーネスH1によって電気的に接続される。
【0031】
第1工程においては、例えば本体部5が横向きに倒されて側壁部52の内面52aが上方を向く状態で、各装置の取り付け作業及び接続作業を実施することができる。従って、電池モジュール11、ジャンクションボックス12、及び中継回路13の重力方向における荷重が側壁部52によって支えられる安定した状態で作業を行うことができる。また、この状態においては、接続端子11a,11b,12a,13aがいずれも上方を向くため、作業者は、上方から接続端子11a,11b,12a,13aの位置を確認しながら、ハーネスH1,H2の接続作業をスムーズに行うことができる。また、接続端子11a,11b,12a,13aがいずれも上方を向くことにより、ハーネスH1,H2の接続作業を作業機械によって自動化することも容易となる。
【0032】
図4に示すように、第2工程においては、以下のようにして各装置の取り付け作業が行われる。すなわち、筐体本体3が形成された後の状態において中継回路23が電池モジュール21,22よりも開口部3a側に位置するように、側板部6に電池モジュール21,22、及び中継回路23が取り付けられる。つまり、電池モジュール21,22、及び中継回路23は、側板部6における底板部51と接続される側の端部6bから他方の端部6cに向かって、この順に配置される。また、第2工程においては、電池モジュール21,22、及び中継回路23を電気的に接続する接続作業が行われる。具体的には、電池モジュール21の接続端子21aと電池モジュール22の接続端子22bとがハーネスH3によって電気的に接続されるとともに、電池モジュール22の接続端子22aと中継回路23の接続端子23aとがハーネスH4によって電気的に接続される。
【0033】
第2工程においては、例えば側板部6が横向きに倒されて側板部6の内面6aが上方を向く状態で、各装置の取り付け作業及び接続作業を実施することができる。従って、電池モジュール21,22、及び中継回路23の重力方向における荷重が側板部6によって支えられる安定した状態で作業を行うことができる。また、この状態においては、接続端子21a,22a,22b,23aがいずれも上方を向くため、作業者は、上方から接続端子21a,22a,22b,23aの位置を確認しながらハーネスH3,H4の接続作業をスムーズに行うことができる。また、接続端子21a,22a,22b,23aがいずれも上方を向くことにより、ハーネスH3,H4の接続作業を作業機械によって自動化することも容易となる。
【0034】
図5に示すように、第1工程及び第2工程の後に、電池モジュール11、ジャンクションボックス12、中継回路13、電池モジュール21,22、及び中継回路23が筐体本体3に収容されるように、本体部5と側板部6とが組み合わせられる(第3工程)。すなわち、側板部6の内面6aが本体部5の側壁部52の内面52aに対向し、且つ、側板部6の端部6bの位置が本体部5の底板部51の位置に合うように位置合わせされて、側板部6が本体部5に組み付けられる。この組み付け作業は、例えば、底板部51が下方になるように本体部5が起こされた状態で、台車等に載置された側板部6を横方向から本体部5に近付け、側板部6を本体部5に所定の方法で装着することによって行われる。本体部5への側板部6の装着は、任意の方法によって行われればよい。例えば、側板部6はボルト等によって本体部5に固定されてもよい。また、筐体2の気密性を高めるために、本体部5と側板部6との間にシール部材が設けられてもよい。
【0035】
図6に示すように、第3工程の後に、中継回路13と中継回路23とがハーネスH5によって電気的に接続される(第4工程)。具体的には、中継回路13の接続端子13bと中継回路23の接続端子23bとがハーネスH5によって電気的に接続される。この状態においては、接続端子13b及び接続端子23bがいずれも上方(開口部3a側)を向くため、作業者は、上方から接続端子13b,23bの位置を確認しながらハーネスH5の接続作業をスムーズに行うことができる。また、接続端子13b,23bがいずれも上方を向くことにより、ハーネスH5の接続作業を作業機械によって自動化することも容易となる。最後に、筐体本体3の開口部3a側の端部に天板部4が装着されることにより、図2に示した電池パック1が得られる。
【0036】
以上述べた電池パック1の組立方法では、第1工程及び第2工程において、本体部5への電池モジュール11、ジャンクションボックス12、及び中継回路13の取り付けと側板部6への電池モジュール21,22及び中継回路23の取り付けとが、本体部5と側板部6とを組み合わせる第3工程の前に、個別に実施される。これにより、本体部5及び側板部6への電池モジュール11,21,22、ジャンクションボックス12、及び中継回路13,23の取り付け及び配線接続を本体部5及び側板部6の各々に適した態様(例えば本体部5又は側板部6の設置の向き等)で行うことができる。また、中継回路13及び中継回路23は、電池モジュール11,21,22よりも開口部3a側に設けられるので、本体部5と側板部6とが組み合わされた後であっても、ハーネスH5の接続端となる中継回路13,23の両方に開口部3aを介して容易にアクセスできる。すなわち、第3工程で本体部5と側板部6とを組み合わせた後に、第4工程において、中継回路13と中継回路23とをハーネスH5によって容易に接続することができる。従って、この電池パックの組立方法によれば、複数の部材(本実施形態では一例として本体部5及び側板部6)を組み合わせて開口部3aを有する筐体本体3が形成される組立手順において、各部材に設けられた電池モジュール11,21,22間を電気的に接続するための配線作業を容易に行うことができる。また、配線作業を行う際に、筐体本体3内の奥深くに入り込む必要がないため、配線作業を手動ではなく、例えばロボットアーム等によって自動化することも容易となる。
【0037】
図7を用いて、中継回路13及び中継回路23を設けなかった場合(比較例)の組立手順について説明する。中継回路13及び中継回路23がない場合、本体部5側の電池モジュール11と側板部6側の電池モジュール21,22とを電気的に接続するためには、電池モジュール11と電池モジュール22とをハーネスH2によって直接接続しなければならない。しかし、この例では電池モジュール11が底板部51近くに設けられているため、例えば開口部3a側(上方)から筐体本体の奥深く(底板部51近く)まで手を入れて配線作業を行う必要がある。このため、本体部5と側板部6とを組み合わせた後に電池モジュール11の接続端子11bと電池モジュール22の接続端子23aとを接続することは、容易ではない。
【0038】
ここで、配線作業を容易にするために、本体部5と側板部6とを組み合わせる前に、電池モジュール11の接続端子11bに予めハーネスH2の一端を接続しておくことが考えられる。しかし、この場合、図7の(a)に示すように、ハーネスH2の他端側がフリーになるので、本体部5と側板部6とを組み合わせる際に、ハーネスH2が本体部5と側板部6との間に噛み込まれる(挟まれる)虞がある。また、図7の(b)に示すように、ハーネスH2が本体部5と側板部6との間に噛み込まれなかったとしても、ハーネスH2の他端Tが筐体本体の奥深く(底板部51近く)に入り込んでしまうため、作業者は、筐体本体内に手を入れてハーネスH2の他端Tを引っ張り出す必要がある。
【0039】
一方、上述したように中継回路13及び中継回路23を備える電池パック1及び電池パック1の組立方法では、本体部5と側板部6とを組み合わせた後に、中継回路13と中継回路23とをハーネスH5で接続すればよいため、図7の比較例で説明したような問題は生じない。
【0040】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。例えば、筐体2の形状は直方体状に限られず、バッテリー収容部の形状に応じた箱型形状であればよい。また、開口部を有する筐体本体3を形成する複数の部材(本実施形態では一例として本体部5及び側板部6)の形状も、上記実施形態で示した形状に限られない。また、各部材に設けられる電池モジュールの個数についても、上記実施形態で示した例に限られない。また、上記実施形態ではジャンクションボックス12が筐体2に収容される例について説明したが、ジャンクションボックス12が筐体2に収容されない構成であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
1…電池パック、2…筐体、3…筐体本体、3a…開口部、4…天板部、5…本体部(第1の部材)、6…側板部(第2の部材)、11…電池モジュール(第1の電池モジュール)、13…中継回路(第1の中継回路)、13b…接続端子(接続口)、21,22…電池モジュール(第2の電池モジュール)、23…中継回路(第2の中継回路)、23b…接続端子(接続口)、H2…ハーネス(第1の配線部材)、H3,H4…ハーネス(第2の配線部材)、H5…ハーネス(第3の配線部材)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7