特許第6620717号(P6620717)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6620717
(24)【登録日】2019年11月29日
(45)【発行日】2019年12月18日
(54)【発明の名称】洗車機及び洗車方法
(51)【国際特許分類】
   B60S 3/04 20060101AFI20191209BHJP
【FI】
   B60S3/04
【請求項の数】16
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-214042(P2016-214042)
(22)【出願日】2016年11月1日
(65)【公開番号】特開2017-124816(P2017-124816A)
(43)【公開日】2017年7月20日
【審査請求日】2018年11月8日
(31)【優先権主張番号】特願2016-1662(P2016-1662)
(32)【優先日】2016年1月7日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西濱 淳盛
(72)【発明者】
【氏名】青山 哲也
(72)【発明者】
【氏名】前嶌 和幸
【審査官】 飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】 韓国登録実用新案第20−0394543(KR,Y1)
【文献】 米国特許第05016662(US,A)
【文献】 特開平01−208250(JP,A)
【文献】 米国特許第04711257(US,A)
【文献】 特開昭57−201746(JP,A)
【文献】 特開2002−046582(JP,A)
【文献】 特開平11−227577(JP,A)
【文献】 特開2005−138795(JP,A)
【文献】 特開平05−058252(JP,A)
【文献】 特開2001−088666(JP,A)
【文献】 特開2011−156990(JP,A)
【文献】 実開昭56−030149(JP,U)
【文献】 特開2001−287625(JP,A)
【文献】 特開平09−099817(JP,A)
【文献】 特開2000−317412(JP,A)
【文献】 特開2009−051436(JP,A)
【文献】 特開昭57−191152(JP,A)
【文献】 特開2006−199080(JP,A)
【文献】 特開2008−087721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄車両に対して前後方向に移動する洗車機本体と、前記洗車機本体に配される回転ブラシと、前記洗車機本体に配される案内部と、前後方向に延びるとともに前記案内部の案内により前記洗車機本体の入口面に対する突出量が可変されるアームと、前記アームの先端に設けられて前記案内部の案内により前記入口面から突出して前後方向に移動するとともに洗浄液を噴射する噴射ノズルと、外気温を検出する気温センサとを備え、外気温が所定の温度よりも低い時に、洗車開始前に前記アームが前後方向に移動することを特徴とする洗車機。
【請求項2】
被洗浄車両に対して前後方向に移動する洗車機本体と、前記洗車機本体に配される回転ブラシと、前記洗車機本体に配される案内部と、前記案内部の案内により前記洗車機本体の入口面から突出して前後方向に移動するとともに洗浄液を噴射する噴射ノズルとを備え、前記洗車機本体が被洗浄車両の後方に向かって移動するとともに前記回転ブラシの停止状態で前記噴射ノズルから高圧水を噴射する第1往路工程と、前記洗車機本体が被洗浄車両の前方に向かって移動するとともに前記回転ブラシの停止状態で前記噴射ノズルから泡状の泡状液剤を噴射する第1復路工程と、前記洗車機本体が被洗浄車両の後方に向かって移動するとともに前記噴射ノズルの噴射を停止して前記回転ブラシを駆動する第2往路工程とを有することを特徴とする洗車機。
【請求項3】
前記案内部が前記入口面から突出して前後方向に延び、前記噴射ノズルが前記案内部により案内される可動部上に設けられることを特徴とする請求項に記載の洗車機。
【請求項4】
前後方向に延びるとともに前記案内部の案内により前記入口面に対する突出量が可変されるアームを備え、前記噴射ノズルが前記アームの先端に設けられることを特徴とする請求項に記載の洗車機。
【請求項5】
外気温を検出する気温センサを備え、外気温が所定の温度よりも低い時に、洗車開始前に前記アームが前後方向に移動することを特徴とする請求項に記載の洗車機。
【請求項6】
前記第1往路工程において前記噴射ノズルが前記案内部により被洗浄車両の後方に向かって移動して終端位置に配された後に、前記洗車機本体が洗車開始位置から被洗浄車両の後方に向かって移動し、前記第1復路工程において前記洗車機本体が被洗浄車両の前方に向かって移動して前記洗車開始位置に配された後に、前記噴射ノズルが前記案内部により被洗浄車両の前方に向かって移動することを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の洗車機。
【請求項7】
前記第1往路工程または前記第1復路工程において、前後方向に移動する前記洗車機本体に対して前記噴射ノズルが前後方向に移動することを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の洗車機。
【請求項8】
前記噴射ノズルが複数設けられ、一の前記噴射ノズルから高圧水を噴射して他の前記噴射ノズルから泡状の泡状液剤を噴射することを特徴とする請求項〜請求項7のいずれかに記載の洗車機。
【請求項9】
泡状の泡状液剤を噴射する前記噴射ノズルが同一の揺動面内で揺動する複数の噴射口を有することを特徴とする請求項8に記載の洗車機。
【請求項10】
高圧水を噴射する前記噴射ノズルに対して左右方向の両外側に泡状の泡状液剤を噴射する前記噴射ノズルが配されることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の洗車機。
【請求項11】
被洗浄車両を送風により乾燥させる乾燥部を備え、前記洗車機本体が被洗浄車両の前方に向かって移動するとともに前記回転ブラシの停止状態で前記噴射ノズルから高圧水を噴射する第2復路工程と、前記洗車機本体が被洗浄車両の後方に向かって移動するとともに前記乾燥部により被洗浄車両を乾燥する第3往路工程とを有することを特徴とする請求項〜請求項10のいずれかに記載の洗車機。
【請求項12】
前記入口面近傍に被洗浄車両の形状を検知する形状センサを設け、前記第2復路工程において、被洗浄車両の所定位置で前記洗車機本体の移動方向に対して逆方向に前記噴射ノズルを移動させたことを特徴とする請求項11に記載の洗車機。
【請求項13】
前記第3往路工程において、前記噴射ノズルが前記案内部により被洗浄車両の後方に向かって移動して終端位置に配された際に、前記噴射ノズルから高圧水を噴射したことを特徴とする請求項11または請求項12に記載の洗車機。
【請求項14】
前記噴射ノズルが洗浄液を前記入口面の方向に傾斜して噴射することを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれかに記載の洗車機。
【請求項15】
被洗浄車両に対して前後方向に移動する洗車機本体と、前記洗車機本体に配される回転ブラシと、前記洗車機本体に配される案内部と、前後方向に延びるとともに前記案内部の案内により前記洗車機本体の入口面に対する突出量が可変されるアームと、前記アームの先端に設けられて前記案内部の案内により前記入口面から突出して前後方向に移動するとともに洗浄液を噴射する噴射ノズルと、外気温を検出する気温センサとを備え、前記噴射ノズルが前記案内部により前後方向に移動して被洗浄車両を洗浄する洗車方法において、外気温が所定の温度よりも低い時に、洗車開始前に前記アームが前後方向に移動することを特徴とする洗車方法。
【請求項16】
被洗浄車両に対して前後方向に移動する洗車機本体と、前記洗車機本体に配される回転ブラシと、前記洗車機本体に配される案内部と、前記案内部の案内により前記洗車機本体の入口面から突出して前後方向に移動するとともに洗浄液を噴射する噴射ノズルとを備え、前記噴射ノズルが前記案内部により前後方向に移動して被洗浄車両を洗浄する洗車方法において、前記洗車機本体が被洗浄車両の後方に向かって移動するとともに前記回転ブラシの停止状態で前記噴射ノズルから高圧水を噴射する第1往路工程と、前記洗車機本体が被洗浄車両の前方に向かって移動するとともに前記回転ブラシの停止状態で前記噴射ノズルから泡状の泡状液剤を噴射する第1復路工程と、前記洗車機本体が被洗浄車両の後方に向かって移動するとともに前記噴射ノズルの噴射を停止して前記回転ブラシを駆動する第2往路工程とを有することを特徴とする洗車方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄液を噴射する噴射ノズルを備えた洗車機及び洗車方法に関する。
【背景技術】
【0002】
給油所等に設置される従来の洗車機は特許文献1に開示されている。この洗車機は地面に立設して被洗浄車両を跨ぐ一対の門型のフレームを備えている。一対のフレームは前後方向に並設され、フレーム間にはレールから成る案内部が橋架される。案内部には台車が取り付けられ、案内部の案内によって台車が前後方向に移動する。台車には水平方向に延びて下方に屈曲したL字状のアームを介して複数の噴射ノズルが設けられる。噴射ノズルから高圧の水や洗剤を噴射して被洗浄車両の洗浄が行われる。
【0003】
また、特許文献2には回転ブラシによる洗車を行う洗車機が開示される。この洗車機は被洗浄車両を跨ぐ門型の洗車機本体に回転ブラシ及び乾燥装置が設けられる。洗車機本体は被洗浄車両に対して前後方向に移動し、回転ブラシにより被洗浄車両を洗浄した後に乾燥部により送風して被洗浄車両を乾燥させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−138795号公報
【特許文献2】特開平05−058252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
洗車機は洗浄力のより向上が望まれるため、噴射ノズルを有するフレームと回転ブラシを有する洗車機本体とを前後に並設することが考えられる。これにより、案内部により噴射ノズルが移動して被洗浄車両を予備洗浄した後に、洗車機本体が移動して回転ブラシによる被洗浄車両を洗浄し、洗浄力を向上することができる。この時、洗車機本体の移動範囲に対して前後方向の外側にフレームを設置する必要があり、洗車機の前後方向の設置スペースが大きくなる問題があった。また、フレームが被洗浄車両を跨ぐためフレームの横幅が大きくなり、洗車機の左右方向の設置スペースが大きくなる問題もあった。
【0006】
本発明は、洗浄力を向上するとともに小型化を図ることのできる洗車機及び洗車方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の洗車機は、被洗浄車両に対して前後方向に移動する洗車機本体と、前記洗車機本体に配される回転ブラシと、前記洗車機本体に配される案内部と、前記案内部の案内により前記洗車機本体の入口面から突出して前後方向に移動するとともに洗浄液を噴射する噴射ノズルとを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は上記構成の洗車機であって、前記案内部が前記入口面から突出して前後方向に延び、前記噴射ノズルが前記案内部により案内される可動部上に設けられることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は上記構成の洗車機であって、前後方向に延びるとともに前記案内部の案内により前記入口面に対する突出量が可変されるアームを備え、前記噴射ノズルが前記アームの先端に設けられることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は上記構成の洗車機であって、外気温を検出する気温センサを備え、外気温が所定の温度よりも低い時に、洗車開始前に前記アームが前後方向に移動することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は上記構成の洗車機であって、前記洗車機本体が被洗浄車両の後方に向かって移動するとともに前記回転ブラシの停止状態で前記噴射ノズルから高圧水を噴射する第1往路工程と、前記洗車機本体が被洗浄車両の前方に向かって移動するとともに前記回転ブラシの停止状態で前記噴射ノズルから泡状の泡状液剤を噴射する第1復路工程と、前記洗車機本体が被洗浄車両の後方に向かって移動するとともに前記噴射ノズルの噴射を停止して前記回転ブラシを駆動する第2往路工程とを有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は上記構成の洗車機であって、前記第1往路工程において前記噴射ノズルが前記案内部により被洗浄車両の後方に向かって移動して終端位置に配された後に、前記洗車機本体が洗車開始位置から被洗浄車両の後方に向かって移動し、前記第1復路工程において前記洗車機本体が被洗浄車両の前方に向かって移動して前記洗車開始位置に配された後に、前記噴射ノズルが前記案内部により被洗浄車両の前方に向かって移動することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は上記構成の洗車機であって、前記第1往路工程または前記第1復路工程において、前後方向に移動する前記洗車機本体に対して前記噴射ノズルが前後方向に移動することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は上記構成の洗車機であって、前記噴射ノズルが複数設けられ、一の前記噴射ノズルから高圧水を噴射して他の前記噴射ノズルから泡状の泡状液剤を噴射することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は上記構成の洗車機であって、泡状の泡状液剤を噴射する前記噴射ノズルが同一の揺動面内で揺動する複数の噴射口を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は上記構成の洗車機であって、高圧水を噴射する前記噴射ノズルに対して左右方向の両外側に泡状の泡状液剤を噴射する前記噴射ノズルが配されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は上記構成の洗車機であって、被洗浄車両を送風により乾燥させる乾燥部を備え、前記洗車機本体が被洗浄車両の前方に向かって移動するとともに前記回転ブラシの停止状態で前記噴射ノズルから高圧水を噴射する第2復路工程と、前記洗車機本体が被洗浄車両の後方に向かって移動するとともに前記乾燥部により被洗浄車両を乾燥する第3往路工程とを有することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は上記構成の洗車機であって、前記入口面近傍に被洗浄車両の形状を検知する形状センサを設け、前記第2復路工程において、被洗浄車両の所定位置で前記洗車機本体の移動方向に対して逆方向に前記噴射ノズルを移動させたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明は上記構成の洗車機であって、前記第3往路工程において、前記終端位置に配された前記噴射ノズルから高圧水を噴射したことを特徴とする。
【0020】
また、本発明は上記構成の洗車機であって、前記噴射ノズルが洗浄液を前記入口面の方向に傾斜して噴射することを特徴とする。
【0021】
また本発明の洗車方法は、被洗浄車両に対して前後方向に移動する洗車機本体と、前記洗車機本体に配される回転ブラシと、前記洗車機本体に配される案内部と、前記案内部の案内により前記洗車機本体の入口面から突出して前後方向に移動するとともに洗浄液を噴射する噴射ノズルとを備え、前記噴射ノズルが前記案内部により前後方向に移動して被洗浄車両を洗浄することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の洗車機によると、洗車機本体に配される回転ブラシと、洗車機本体に配される案内部と、案内部の案内により洗車機本体の入口面から突出して前後方向に移動するとともに洗浄液を噴射する噴射ノズルとを備えた。これにより、洗車機の洗浄力を向上できるとともに小型化を図ることができる。
【0023】
また、本発明の洗車方法によると、洗車機本体に配される回転ブラシと、案内部の案内により洗車機本体の入口面から突出して前後方向に移動するとともに洗浄液を噴射する噴射ノズルとを備えた。そして、噴射ノズルが前後方向に移動して被洗浄車両を洗浄する。これにより、洗車方法の洗浄力を向上できるとともに小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施形態の洗車機を示す側面図
図2】本発明の第1実施形態の洗車機を示す斜視図
図3】本発明の第1実施形態の洗車機により被洗浄車両を洗車する状態を示す側面図
図4】本発明の第1実施形態の洗車機により被洗浄車両を洗車する状態を示す側面図
図5】本発明の第1実施形態の洗車機により被洗浄車両を洗車する状態を示す側面図
図6】本発明の第1実施形態の洗車機により被洗浄車両を洗車する状態を示す側面図
図7】本発明の第1実施形態の洗車機により被洗浄車両を洗車する状態を示す側面図
図8】本発明の第2実施形態の洗車機を示す側面図
図9】本発明の第2実施形態の洗車機を示す正面図
図10】本発明の第2実施形態の洗車機を示す上面図
図11】本発明の第2実施形態の洗車機の洗浄部を示す正面図
図12】本発明の第2実施形態の洗車機の噴射ノズルの正面図
図13】本発明の第2実施形態の洗車機の噴射ノズルの配管図
図14】本発明の第2実施形態の洗車機の増泡部の縦断面図
図15】本発明の第2実施形態の洗車機の洗車時の動作を示す側面図
図16】本発明の第2実施形態の洗車機の洗車時の動作を示す側面図
図17】本発明の第2実施形態の洗車機の洗車時の動作を示す側面図
図18】本発明の第2実施形態の洗車機の洗車時の動作を示す側面図
図19】本発明の第2実施形態の洗車機の洗車時の動作を示す側面図
図20】本発明の第2実施形態の洗車機の洗車時の動作を示す側面図
図21】本発明の第2実施形態の洗車機の洗車時の動作を示す側面図
図22】本発明の第2実施形態の洗車機の洗車時の動作を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1図2は本発明の第1実施形態の洗車機WAを示す側面図及び正面図である。洗車機WAはリモートパネル7及び洗車機本体1を備えている。
【0026】
また、後述するように噴射ノズル32による飛水を防止する防水パネル45が設けられる。防水パネル45は被洗浄車両CA(図3参照)の進入経路Sに沿って配され、地面Gに設置した土台45a上に複数のパネル45bを立設して形成される。
【0027】
リモートパネル7は被洗浄車両CAの進入経路S上に配される。被洗浄車両CAはリモートパネル7の面前で停車し、ユーザは被洗浄車両CA内からリモートパネル7の操作によって洗車条件の設定を行う。
【0028】
リモートパネル7に設けたボタンにより、シャンプー、ワックス掛け、撥水コート等に使用する液剤を用いた洗車条件を設定することができる。また、フロントガード有り、フェンダーポール有り、サイドミラー有り、リヤワイパ有り、ルーフキャリア有り等の装備品の設定もすることができる。
【0029】
洗車機本体1は左右の対向する2つのスタンド部90と、スタンド部90の上端を連結する天井部91とを有した門型に形成される。地面G上には左右一対の走行レール2が敷設され、スタンド部90の底面に設けた車輪3が走行レール2上に配される。これにより、洗車機本体1は走行レール2上に立設し、走行モータ(不図示)の駆動により走行レール2上を走行して被洗浄車両CAに対して前後に移動する。
【0030】
スタンド部90には洗剤やワックス等の各種液剤を貯液した複数の貯液タンク(不図示)を収納するタンク収納部30が配される。タンク収納部30の上方には市水及び各貯液タンクからの液剤を分配する分配配管部31が設けられる。分配配管部31には浄水ノズル11、浄水ノズル13、洗剤ノズル12、洗剤ノズル15、撥水コートノズル14、ワックスノズル16がそれぞれ電磁弁(不図示)を介して導出される。
【0031】
浄水ノズル11、浄水ノズル13は洗車機本体1の手前側及び奥側にそれぞれ配され、被洗浄車両CAに対して市水を噴射する。洗剤ノズル12、洗剤ノズル15は洗車機本体1の手前側及び奥側にそれぞれ配され、被洗浄車両CAに対してシャンプーなどの液体を噴射する。撥水コートノズル14及びワックスノズル16は洗車機本体1の出口面1bに配される。撥水コートノズル14は被洗浄車両CAに対して撥水コート剤の液体を噴射する。ワックスノズル16は被洗浄車両CAに対して液体のワックスを噴射する。
【0032】
洗車機本体1の一方のスタンド部90の入口面1aには操作パネル8が配される。操作パネル8はリモートパネル7と同様の操作ボタン(不図示)を備え、洗車条件を設定する。
【0033】
洗車機本体1には気流を発生して被洗浄車両CAを乾燥させるブロア20が設けられる。ブロア20にはサイド送風ノズル22及びトップ送風ノズル23が接続される。サイド送風ノズル22は被洗浄車両CAの側面に向けて送風し、トップ送風ノズル23は被洗浄車両CAの上面に向けて送風する。
【0034】
洗車機本体1には被洗浄車両CA上に摺動してブラッシングするトップブラシ4、サイドブラシ5及びロッカーブラシ6から成る複数の回転ブラシが設けられる。トップブラシ4は被洗浄車両CAの上面を洗浄し、サイドブラシ5は被洗浄車両CAの側面及び後面を洗浄し、ロッカーブラシ6は被洗浄車両CAの側面下部を洗浄する。
【0035】
洗車機本体1の両側のスタンド部90の入口面1aには形状センサ9が設けられている。形状センサ9は光電センサや超音波センサ等から成り、洗車機本体1に進入する被洗浄車両CAの外面形状を検知する。また、洗車機本体1には報知部(不図示)が設けられる。報知部はスピーカやディスプレイから成り、音声や表示による報知を行う。
【0036】
洗車機本体1の天井面1cには上面洗浄装置52が設けられる。上面洗浄装置52は天井面1cの左右の両端部に配された案内部40を有している。案内部40は一端を天井面1cに支持され、他端を洗車機本体1の入口面1aから突出して前後方向に延びて形成されている。案内部40の他端の開放端は左右方向に延びる連結部34により連結されている。
【0037】
案内部40の下部には可動部33が設けられている。可動部33は案内部40に上端を支持され、案内部40上を前後方向に移動可能になっている。即ち、可動部33は案内部40に設けたチェーン(不図示)に連結され、洗車機本体1内に設けた駆動モータの駆動によりチェーンが周回し、可動部33が前後方向に移動する。
【0038】
可動部33の下面には左右方向に複数の噴射ノズル32が並設されている(本実施形態では4つ)。噴射ノズル32はホース(不図示)を介して分配配管部31に接続され、高圧水W1(図3参照)や泡状の泡状液剤W2(図7参照)等の洗浄液を噴射可能に形成されている。
【0039】
上記構成の洗車機WAにおいて、ユーザが運転して被洗浄車両CAをリモートパネル7の面前で停車させ、被洗浄車両CAの洗車条件の設定を被洗浄車両CA内から行う。洗車条件を設定した後、ユーザは洗車機本体1により洗車が開始可能な位置まで被洗浄車両CAを移動させる。
【0040】
図3図7は洗車機本体1により被洗浄車両CAを洗車する状態を示す側面図である。被洗浄車両CAが所定の位置に配されると、噴射ノズル32から高圧水W1が噴射される第1往路工程が開始する。第1往路工程の開始時に洗車機本体1は所定の洗車開始位置T1に配され、可動部33上の噴射ノズル32は洗車機本体1に接近した待機位置S1に配されている。
【0041】
噴射ノズル32は高圧水W1を洗車機本体1の入口面1aの方向に傾斜して噴射し、待機位置S1から矢印D1に示すように被洗浄車両CAの後方に向かって移動する。
【0042】
図4に示すように噴射ノズル32が案内部40の先端部の終端位置S2まで移動すると、洗車機本体1が移動を開始する。洗車機本体1は図5の矢印D2に示すように洗車開始位置T1から被洗浄車両CAの後方に向かって移動する。この時、形状センサ9により被洗浄車両CAの形状が検知される。
【0043】
噴射ノズル32を洗車機本体1から離れた終端位置S2に配した後に形状センサ9による検知を行うため、形状センサ9に対する高圧水W1の付着を低減できる。これにより、形状センサ9による誤検知を防止することができる。
【0044】
図6に示すように、形状センサ9により被洗浄車両CAの後端位置が検知されると、洗車機本体1は停止する(洗車終了位置T2)。噴射ノズル32は高圧水W1を入口面1aの方向に傾斜して噴射するため、可動部33及び洗車機本体1の移動によって被洗浄車両CAの前面、上面、後面を洗浄することができる。
【0045】
洗車機本体1は停止すると反転し、図7の矢印D3に示すように被洗浄車両CAの前方に向かって移動する復路工程が行われる。復路工程では噴射ノズル32から泡状の泡状液剤W2が噴射される。
【0046】
洗車機本体1は洗車終了位置T2から洗車開始位置T1まで移動した後に停止する。この間、噴射ノズル32は洗車機本体1から離れた終端位置S2に配された状態で泡状の泡状液剤W2を噴射し、被洗浄車両CA上に泡状の泡状液剤W2が後方から徐々に塗布される。このため、泡状の泡状液剤Wの塗布の進行が洗車機本体1に遮られずに周囲から容易に視認することができ、泡洗浄の演出効果を発揮することができる。
【0047】
洗車機本体1が洗車開始位置T1で停止すると、噴射ノズル32は泡状の泡状液剤W2の噴射を続けながら終端位置S2から待機位置S1へ移動する。これにより、被洗浄車両CAの前面、上面、後面が泡状の泡状液剤W2で覆われる。噴射ノズル32が待機位置S1まで移動すると、復路工程が終了する。尚、防水パネル45により、第1往路工程時の高圧水W1の飛散や復路工程時における泡状の泡状液剤W2の飛散を防止することができる。なお、第1往路工程、復路工程では各回転ブラシは停止状態を維持している。
【0048】
復路工程が終了すると、洗車機本体1が反転して被洗浄車両CAの後方へ移動する第2往路工程が行われる。第2往路工程では噴射ノズル32の噴射を停止して各回転ブラシを駆動させ、被洗浄車両CAを洗浄する。各回転ブラシの洗浄に続き、各送風ノズルから被洗浄車両CAに向けて送風する。洗車機本体1による洗車が終了すると、被洗浄車両CAは洗車機本体1の出口面1bから退出する。
【0049】
本実施形態によると、洗車機本体1に配される回転ブラシと、洗車機本体1に配される案内部40と、案内部40の案内により洗車機本体1の入口面1aから突出して前後方向に移動するとともに洗浄液を噴射する噴射ノズル32とを備えた。このため、噴射ノズル32による予備洗浄を行った後に回転ブラシによる洗浄を行って洗浄力を向上することができる。また、被洗浄車両CAを跨ぐフレームを洗車機本体1の前後方向に並設する必要がなく、洗車機WAの小型化を図ることができる。
【0050】
また、案内部40が入口面1aから突出して前後方向に延び、噴射ノズル32が案内部40により案内される可動部33上に設けられる。これにより、噴射ノズル32を容易に前後方向に案内することができる。
【0051】
また、回転ブラシの停止状態で噴射ノズル32から高圧水W1を噴射する第1往路工程と、回転ブラシの停止状態で噴射ノズル32から泡状の泡状液剤W2を噴射する復路工程と、噴射ノズル32の噴射を停止して回転ブラシを駆動する第2往路工程とを有する。これにより、洗浄力を向上できる洗車機WAを容易に実現することができる。
【0052】
また、第1往路工程において噴射ノズル32が案内部40上を被洗浄車両CAの後方に向かって移動して終端位置S2に配された後に、洗車機本体1が洗車開始位置T1から被洗浄車両CAの後方に向かって移動する。また、復路工程において洗車機本体1が被洗浄車両CAの前方に向かって移動して洗車開始位置T1に配された後に、噴射ノズル32が案内部40上を被洗浄車両CAの前方に向かって移動する。これにより、洗車機本体1から離れた終端位置S2に噴射ノズル32を配して洗車機本体1が移動する。従って、洗車機本体1の入口面1a上への洗浄液の付着を低減し、入口面1a上に配される操作パネル8等を清潔に保つことができる。
【0053】
また、洗車機本体1の入口面1a近傍に被洗浄車両CAの形状を検知する形状センサ9が設けられ、噴射ノズル32を終端位置S2に配して洗車機本体1が移動する。このため、噴射ノズル32から噴射される洗浄液が形状センサ9に付着することを低減できる。これにより、形状センサ9の誤検知を防止し、被洗浄車両CAの形状を確実に検知することができる。
【0054】
また、噴射ノズル32が洗浄液を洗車機本体1の入口面1aの方向に傾斜して噴射する。このため、被洗浄車両CAの後面に洗浄液を確実に当てることができ、被洗浄車両CAの後面の洗浄力をより向上することができる。
【0055】
本実施形態において、洗車機本体1と噴射ノズル32とを同時に移動させてもよい。これにより、洗浄時間を短縮することができる。
【0056】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図8図9図10は第2実施形態の洗車機WAの側面図、正面図及び概略上面図を示している。説明の便宜上、前述の図1図7に示した第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。本実施形態では、上面洗浄装置52の構造が第1実施形態と異なっている。その他の部分は第1実施形態と同様である。
【0057】
上面洗浄装置52は案内部54、アーム55及び噴射部53を有している。案内部54は前後方向に延びて洗車機本体1の天井面1cに左右一対設けられる。案内部54は縦断面形状がコ字型に形成され、対向する内面に前後方向に延びた開口部(不図示)が開口する。
【0058】
アーム55は前後方向に延びて左右一対設けられ、洗車機本体1の入口面1aから突出して下方に向かって傾斜して屈曲する。アーム55には案内部54の内面上を転動するローラー55bが設けられる。両アーム55は出口面1b側を連結部55aにより連結され、入口面1a側を噴射部53の基台58(図10参照)により連結される。
【0059】
案内部54間の前後方向の一端部にはモータ軸にスプロケット(不図示)を有した案内モータ63が配され、他端部には洗車機本体1に軸支されるスプロケット(不図示)が配される。両スプロケットに巻き掛けられたチェーン(不図示)に連結部55aが取り付けられる。案内モータ63が駆動されるとアーム55が前後方向に移動する。これにより、アーム55の先端に設けられる噴射部53は洗車機本体1に近接する待機位置S1(図15参照)と、洗車機本体1から被洗浄車両CAの後方に向かってアーム55が伸びた終端位置S2(図16参照)との間を移動する。
【0060】
噴射部53はアーム55の下方に屈曲した先端部に取り付けられるカバー57により覆われる。カバー57の上面は傾斜面57a(図8参照)により形成される。これにより、カバー57上に積雪し難くなり、降雪時でもアーム55を円滑に移動させることができる。
【0061】
また、洗車機本体1には外気温を検出する気温センサ(不図示)が設けられる。外気温が所定の温度よりも低い時に、リモートパネル7で洗車条件の受付後、洗車開始前にアーム55が後述する洗車時の移動よりも急加速して、前後方向に移動する。これにより、カバー57上の積雪を振り落とし、アーム55を円滑に移動させることができる。
【0062】
図11は噴射部53の正面図を示している。両アーム55を連結する基台58には揺動モータ62、噴射ノズル59及び噴射ノズル60が設けられる。基台58は左右方向に延びる板状に形成される。
【0063】
揺動モータ62は軸方向を前後方向に配して基台58の左右方向の中央部に取り付けられる。揺動モータ62の軸部62aにはクランク66が取り付けられる。クランク66は軸部62aに装着される回転板66aと回転板66aの周部に回転可能に支持されるアーム66bとを有している。
【0064】
噴射ノズル59は基台58の中央部に左右一対設けられ、それぞれ支持部65に取り付けられる。噴射ノズル59は分配配管部31に接続され、噴射口59aから下方に向けて高圧水W1(図15参照)が噴射される。支持部65はL字状に形成され、基台58に軸部65aを中心に回動可能に配される。一方の支持部65の上端にはクランク66のアーム66bの一端が回転可能に連結される。
【0065】
噴射ノズル60は基台58の左右の両端部に一対設けられ、それぞれ支持部64に取り付けられる。噴射ノズル60は複数の噴射口60aを有して分配配管部31に接続され、噴射口60aから下方に向けて泡状の泡状液剤W2が噴射される。支持部64はL字状に形成され、基台58に軸部64aを中心に回動可能に配される。軸部64a及び軸部65aは略同一高さに配される。なお、噴射ノズル59、噴射ノズル60が高圧水W1、泡状液剤W2を入口面1aの方向に傾斜して噴射してもよい。
【0066】
左方の支持部64は左方の支持部65とリンク部材67aにより連結され、右方の支持部64は右方の支持部65とリンク部材67aにより連結される。また、左右の支持部65はリンク部材67bにより連結される。
【0067】
揺動モータ62が駆動されると、支持部64及び支持部65がクランク66、リンク部材67a、67bを介して左右方向に揺動する。これに伴い、噴射ノズル60及び噴射ノズル59が一体に揺動する。この時、噴射ノズル60の噴射口60a及び噴射ノズル59の噴射口59aは前後方向に対して同じ位置に配されるため、同じ揺動面内で揺動する。
【0068】
図12は左方の噴射ノズル60の正面図を示している。噴射ノズル60は噴射口60aを鉛直方向Vに対して内側に向けた範囲内で所定の揺動角度αで揺動する。このため、噴射口60aから噴射される泡状液剤W2の被洗浄車両CAの側方への飛散を防止することができる。また、被洗浄車両CAの側面上に泡状液剤W2を塗布することができる。
【0069】
なお、噴射ノズル60が噴射口60aを鉛直方向Vの外側及び内側に揺動してもよい。この時、鉛直方向Vの外側の揺動角度を内側の揺動角度よりも小さくすると、泡状液剤W2の被洗浄車両CAの側方への飛散を低減することができる。
【0070】
図13は噴射ノズル60の配管図を示している。貯水タンク72内には水ポンプ69aが配される。水ポンプ69aは貯水タンク72内の市水を汲み上げ、排水側に配管71aが接続される。配管71aには上流から順にバルブ73c、高圧ポンプ69b、インジェクタ73aが設けられる。バルブ73cは配管71a内の洗浄水の水量を調整し、高圧ポンプ69bは洗浄水の水圧を上げて送出する。
【0071】
貯液タンク30aには吸込部71gが浸漬され、吸込部71gの排水側には配管71bを介してインジェクタ73aが接続される。配管71b上には上流からポンプ69c、逆止弁73eが設けられる。ポンプ69cは貯液タンク30a内の液剤を汲み上げ、逆止弁73eは液剤の逆流を防止する。
【0072】
インジェクタ73aには配管71aを流通する洗浄水によって配管71bを流通する液剤が吸引され、所定の濃度に希釈された液剤が配管71iを流通する。
【0073】
配管71i上には配管71cが接続される三方継手73bが設けられる。配管71cには逆止弁73dを介してエアポンプ70が接続される。エアポンプ70は高圧の空気を供給し、逆止弁73dは空気の逆流を防ぐ。これにより、希釈された液剤と高圧の空気とが三方継手73bで混合されて混合液が形成される。
【0074】
三方継手73bの下流には増泡部75が接続され、増泡部75の下流には配管71dを介して噴射ノズル60が接続される。混合液は増泡部75で増泡された後に噴射ノズル60から泡状液剤W2(図11参照)として被洗浄車両CAに向けて噴射される。
【0075】
図14は増泡部75の縦断面図を示している。増泡部75は筒状のハウジング76、コイル77及びカラー78を有している。ハウジング76は内周面を円筒面に形成され、可撓性を有したホースにより形成される。ハウジング76を硬質樹脂や金属のパイプにより形成してもよい。ハウジング76の上流端及び下流端はそれぞれ継手79を介して配管71i及び配管71dに接続されている。
【0076】
コイル77はステンレス鋼等の引っ張りバネにより形成される。コイル77を圧縮バネにより形成してもよい。ハウジング76の両端にはカラー78が嵌着される。
【0077】
カラー78の内径dm2はコイル77の外径dm1よりも小さく形成される。このため、カラー78によってコイル77が抜け止めされる。
【0078】
液剤と空気との混合液が増泡部75内に進入すると、コイル77と衝突して微細な泡が多数形成されて泡沫状に増泡する。泡沫状に増泡された泡状液剤W2は比重が大きくなるため風の影響を受け難く被洗浄車両CA上に確実に到達するとともに、被洗浄車両CAの側面上で泡垂れし難い。従って、洗車機WAの洗浄力を向上することができる。
【0079】
なお、コイル77によりカラー78を付勢してもよい。これにより、コイル77を変形させる弾性力が大きくなるため水圧によるコイル77の変形を抑制し、液剤と空気との混合液を安定して所望の泡沫状に増泡することができる。
【0080】
上記構成の洗車機WAにおいて、ユーザが運転して被洗浄車両CAをリモートパネル7の面前で停車させ、被洗浄車両CAの洗車条件の設定を被洗浄車両CA内から行う。この時、外気温が所定の温度よりも低い時に、洗車開始前にアーム55が後述する洗車時の移動よりも急加速して、前後方向に移動する。これにより、カバー57やアーム55上の雪を振るい落とし、アーム55を円滑に移動させることができる。洗車条件を設定した後、ユーザは洗車機本体1により洗車が開始可能な位置まで被洗浄車両CAを移動させる。
【0081】
図15図22は上面洗浄装置52により被洗浄車両CAを洗車する状態を示す側面図である。図15に示すように、被洗浄車両CAが所定の洗車開始位置T1に配されると、噴射ノズル59から高圧水W1が噴射される第1往路工程が開始する。第1往路工程の開始時に噴射部53は待機位置S1に配される。
【0082】
この時、噴射ノズル59は噴射ノズル60と一体に左右方向に揺動しながら、高圧水W1を下方に向けて噴射する。そして、図16に示すように、アーム55が伸長して噴射部53が矢印D1の方向に被洗浄車両CAの後方に向かって移動する。
【0083】
噴射ノズル59が終端位置S2まで移動すると、図17に示すように洗車機本体1は洗車開始位置T1から矢印D2の方向に被洗浄車両CAの後方に向かって移動する。この時、形状センサ9により被洗浄車両CAの形状が検知される。
【0084】
噴射ノズル59を洗車機本体1から離れた終端位置S2に配した後に形状センサ9による検知を行うため、形状センサ9に対して検知時の高圧水W1の付着を低減できる。これにより、形状センサ9による誤検知を防止することができる。
【0085】
図18に示すように、形状センサ9により被洗浄車両CAの後端位置が検知されると、洗車機本体1は停止して洗車終了位置T2に配される。
【0086】
洗車機本体1は洗車終了位置T2で反転し、図19に示すように矢印D3の方向に被洗浄車両CAの前方に向かって移動して第1復路工程が行われる。第1復路工程では噴射ノズル60は左右方向に揺動しながら、噴射ノズル60から泡状の泡状液剤W2が噴射される。
【0087】
図20に示すように、洗車機本体1は洗車終了位置T2から洗車開始位置T1まで移動した後に停止する。この間、噴射ノズル60は洗車機本体1から離れた終端位置S2に配された状態で泡状の泡状液剤W2を噴射し、被洗浄車両CA上に泡状液剤W2が後方から徐々に塗布される。このため、泡状液剤W2の塗布の進行が洗車機本体1に遮られずに周囲から容易に視認することができ、泡洗浄の演出効果を発揮することができる。
【0088】
そして、洗車機本体1が洗車開始位置T1で停止すると、噴射ノズル60は泡状の泡状液剤W2の噴射を続けながら矢印D4の方向に終端位置S2から待機位置S1へ移動する。これにより、被洗浄車両CAの上面及び側面が泡状の泡状液剤W2で覆われる。
【0089】
この時、噴射ノズル60の複数の噴射口60aが前後方向に対して同じ位置に配されるため、同じ揺動面内で揺動する。このため、各噴射口60aから噴射された泡状液剤W2が重なり、被洗浄車両CA上の泡状液剤W2の厚みを大きくすることができる。これにより、被洗浄車両CA上に付着した泡状液剤W2の風による飛散を防止し、泡状液剤W2を確実に残留させることができる。
【0090】
また、厚みの大きい泡状液剤W2が前後方向に広がるため、噴射ノズル60の揺動周期を長くしても被洗浄車両CA上に泡状液剤W2を隙間なく塗布することができる。このため、噴射ノズル60の揺動機構の故障を低減することができる。
【0091】
図21に示すように、噴射ノズル60が待機位置S1まで移動すると、第1復路工程が終了する。なお、第1往路工程及び第1復路工程では各回転ブラシは停止状態を維持している。
【0092】
第1復路工程が終了すると、図22に示すように、洗車機本体1が反転して矢印D5の方向に被洗浄車両CAの後方に向かって移動して第2往路工程が行われる。第2往路工程では噴射部53からの噴射を停止して各回転ブラシを駆動させ、被洗浄車両CAを洗浄する。
【0093】
第2往路工程が終了すると、洗車機本体1が反転して被洗浄車両CAの前方に向かって移動して第2復路工程が行われる。この時、第2復路工程で噴射ノズル59及び浄水ノズル11、13から高圧水W1を噴射するとともに、回転ブラシが駆動される。これにより、被洗浄車両CA上に残留する泡状液剤W2を洗い落とすことができる。
【0094】
また、第2復路工程で被洗浄車両CAの所定位置で噴射部53を洗車機本体1に対して逆方向に移動し、被洗浄車両CAに対する噴射ノズル59の相対速度を遅くしてもよい。例えば、噴射ノズル59は待機位置S1から終端位置S2の方向へ移動してリアウィンドウ上端やフロントウィンドウ上のワイパー部分で噴射ノズル59の相対速度を遅くして洗浄する。これにより、被洗浄車両CAのフロントウィンドウ上のワイパー部分や、リアウィンドウ上端のスポイラ部分等に残留し易い泡状液剤を確実に洗い流すことができる。
【0095】
第2復路工程が終了すると、洗車機本体1が反転して被洗浄車両CAの後方に向かって移動して第3往路工程が行われる。第3往路工程では送風ノズルから空気を送出して被洗浄車両CAの乾燥が行われる。この時、噴射ノズル59は終端位置S2に配され、噴射ノズル59から高圧水W1を噴射する。
【0096】
これにより、被洗浄車両CAに残留した泡状液剤をより確実に洗い流すことができる。また、噴射ノズル59と送風ノズルとが前後方向に大きく離間するため、被洗浄車両CAの乾燥済領域上への水の飛散を防止することができる。なお、第3往路工程で第2復路工程よりも低圧の水を噴射ノズル59から噴射してもよい。これにより、乾燥済領域上への水の飛散をより確実に防止することができる。
【0097】
なお、第2復路工程及び第3往路工程を省き、第2往路工程において送風ノズルから送風して乾燥を行ってもよい。この時、上記と同様に所定位置で噴射ノズル59の相対速度を遅くしてもよい。
【0098】
本実施形態によると、洗車機本体1に配される回転ブラシと、洗車機本体1に配される案内部54と、案内部54の案内により洗車機本体1の入口面1aから突出して前後方向に移動するとともに洗浄液を噴射する噴射ノズル59、60とを備えた。このため、噴射ノズル59、60による予備洗浄を行った後に回転ブラシによる洗浄を行って洗浄力を向上することができる。また、被洗浄車両CAを跨ぐフレームを洗車機本体1の前後方向に並設する必要がなく、洗車機WAの小型化を図ることができる。
【0099】
また、前後方向に延びるとともに案内部54の案内により入口面1aに対する突出量が可変されるアーム55を備え、噴射ノズル59、噴射ノズル60がアーム55の先端に設けられる。これにより、噴射ノズル59、噴射ノズル60を容易に前後方向に案内することができる。
【0100】
また、外気温を検出する気温センサを備え、外気温が所定の温度よりも低い時に、洗車開始前にアーム55が前後方向に移動する。これにより、カバー57やアーム55上の雪を振り落とし、アーム55を円滑に移動させることができる。
【0101】
また、噴射ノズル59から高圧水W1を噴射して噴射ノズル60から泡状の泡状液剤W2を噴射する。これにより、被洗浄車両CA上に塗布した泡状液剤W2を高圧水W1により洗い流し、被洗浄車両CAを確実に洗浄することができる。
【0102】
また、泡状の泡状液剤W2を噴射する噴射ノズル60が同一の揺動面内で揺動する複数の噴射口60aを有する。これにより、各噴射口60aから噴射された泡状液剤W2が重なり、被洗浄車両CA上の泡状液剤W2の厚みを大きくすることができる。このため、被洗浄車両CA上に付着した泡状液剤W2の風による飛散を防止し、泡状液剤W2を確実に残留させることができる。従って、泡状液剤W2による洗浄力を向上することができる
【0103】
また、高圧水W1を噴射する噴射ノズル59に対して左右方向の両外側に泡状の泡状液剤W2を噴射する噴射ノズル60が配される。これより、被洗浄車両CAの側面上に泡状液剤W2を容易に塗布することができる。また、被洗浄車両CAの上面に噴射される高圧水W1は被洗浄車両CAの側面上を流下するため、泡状液剤W2を洗い流すことができる。
【0104】
また、洗車機本体1が被洗浄車両CAの前方に向かって移動して噴射ノズル59から高圧水W1を噴射する第2復路工程と、洗車機本体1が被洗浄車両CAの後方に向かって移動するとともに乾燥部により被洗浄車両CAを乾燥する第3往路工程とを有する。これにより、残留し易い泡状液剤W2を第2復路工程によって確実に洗い流すことができる。
【0105】
また、入口面1a近傍に被洗浄車両CAの形状を検知する形状センサ9を設け、第2復路工程において、被洗浄車両CAの所定位置で洗車機本体1の移動方向に対して逆方向に噴射ノズル59を移動させた。これにより、リアウィンドウ上端やフロントウィンドウ上のワイパー部分で噴射ノズル59の相対速度を遅くして洗浄する。このため、被洗浄車両CAのフロントウィンドウ上のワイパー部分や、リアウィンドウ上端のスポイラ部分等に残留し易い泡状液剤W2を確実に洗い流すことができる。
【0106】
また、第3往路工程において、終端位置S2に配された噴射ノズル59から高圧水W1を噴射した。これにより、乾燥済領域への高圧水W1の飛散を防止して、泡状液剤W2をより確実に洗い流すことができる。
【0107】
本実施形態において、回転部ブラシによる洗浄を省略し、噴射ノズル59及び噴射ノズル60のみにより被洗浄車両CAの洗浄を行ってもよい。
【0108】
また、噴射ノズル59及び噴射ノズル60を増泡部75の下流に並列に接続し、エアポンプ70及びポンプ69cを駆動した状態と停止した状態とを切り替えてもよい。これにより、噴射ノズル59及び噴射ノズル60から泡状液剤W2と高圧水W1とを切り替えて噴射することができる。
【0109】
なお、第1実施形態において、本実施形態と同様の第2復路工程及び第3往路工程を設けてもよい。これにより、残留し易い泡状液剤を確実に洗い流すことができる。
【0110】
また、第1実施形態において、外気温が所定の温度よりも低い時に、洗車開始前にアーム55が洗車時の移動よりも急加速して、前後方向に移動してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明によると、洗車機本体の入口面から突出して前後に移動する噴射ノズルを備えた洗車機に利用することができる。
【符号の説明】
【0112】
1 洗車機本体
1a 入口面
1b 天井面
1c 出口面
2 走行レール
3 車輪
4 トップブラシ
5 サイドブラシ
6 ロッカーブラシ
7 リモートパネル
8 操作パネル
9 形状センサ
20 ブロア
22 サイド送風ノズル
23 トップ送風ノズル
23 トップ送風ノズル
31 分配配管部
32 噴射ノズル
33 可動部
34 連結部
40 案内部
45 防水パネル
45a 土台
45b パネル
52 上面洗浄装置
53 噴射部
54 案内部
55 アーム
55a 連結部
56 モータ
57 カバー
58 基台
59、60 噴射ノズル
59a、60a 噴射口
61 アーム
62 揺動モータ
62a 軸部
62b 回転板
63 案内モータ
64 支持部
65 支持部
65a 軸部
66 クランク
66a 回転板
66b アーム
67a、67b リンク部材
72 貯水タンク
73a 混合部
73b 三方継手
73c バルブ
73d、71e 逆止弁
75 増泡部
76 ハウジング
77 コイル
78 カラー
79 継手
90 スタンド部
91 天井部
CA 被洗浄車両
G 地面
R 走行路
S1 待機位置
S2 終端位置
T1 洗車開始位置
T2 洗車終了位置
WA 洗車機
W1 高圧水
W2 泡状液剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22