(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたシステムにおいては、利用者によってコインベンダーに投入された現金が減って料金の支払いが滞った時点でコピーのジョブの実行が停止され、その後、コインベンダーに現金が追加で投入されて料金の支払いが可能になった時点でコピーのジョブの実行が再開されるので、利便性が悪いという問題がある。
【0005】
また、特許文献1に記載されたシステムにおいては、コインベンダーに現金で格納されている料金が複写機の管理者側の人間によって定期的に回収される必要があるので、人件費がかかるという問題がある。
【0006】
また、特許文献1に記載されたシステムにおいては、料金が現金でコインベンダーに格納されているので、コインベンダーが格納している現金が盗難されて、複写機の管理者が料金を受け取れない可能性があるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、利便性の向上と、人件費の低減と、料金の安全な受け取りとを実現することができるドキュメント印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のドキュメント印刷システムは、印刷デバイスと、ウェブページを介してドキュメントを受け付けるドキュメント受付手段とを備える画像形成装置と、前記ウェブページを表示するためのウェブブラウザーを備える電子機器と、前記ドキュメント受付手段によって受け付けられた前記ドキュメントの印刷データを生成する印刷データ生成手段と、前記ドキュメント受付手段によって受け付けられた前記ドキュメントに基づいて料金を計算する料金計算手段と、前記料金計算手段によって計算された前記料金に対してオンライン決済サービスによって発行された支払いコードを通知する支払いコード通知手段とを備え、前記画像形成装置は、前記支払いコード通知手段によって通知された前記支払いコードを使用して前記オンライン決済サービス経由で前記料金が支払われた場合に、前記印刷データに基づいて前記印刷デバイスで印刷を実行するドキュメント印刷手段を備え、前記電子機器は、前記ドキュメントを送信するためのドキュメント送信用アプリケーションを備え、前記ウェブブラウザーは、前記ドキュメント送信用アプリケーション経由で前記ドキュメントを前記画像形成装置に送信することを特徴とする。
【0009】
この構成により、本発明のドキュメント印刷システムは、ドキュメントに基づいた料金が支払われた後で、このドキュメントの印刷データに基づいた印刷を実行するので、「ドキュメントの印刷を実行する」というドキュメント印刷のジョブの実行が料金の支払いの滞りによって途中で停止されることがなく、利便性の向上を実現することができる。また、本発明のドキュメント印刷システムは、料金の支払いにコインベンダーではなくオンライン決済サービスを利用するので、コインベンダーからの料金の取得作業が不要であり、人件費の低減と、料金の安全な受け取りとを実現することができる。また、本発明のドキュメント印刷システムは、ウェブブラウザーによってドキュメント送信用アプリケーション経由でドキュメントを送信するので、電子機器のウェブブラウザーの仕様が電子機器の外部にファイルを送信するために何らかのアプリケーションを経由する必要がある仕様であっても、ウェブブラウザーによってドキュメントを画像形成装置に送信することができる。
【0010】
本発明のドキュメント印刷システムにおいて、前記画像形成装置は、前記電子機器との間で他の通信機器を経由しない直接の無線通信を実行可能な無線通信手段を備え、前記ドキュメント受付手段は、前記無線通信手段によって実行された前記無線通信を介して前記ドキュメントを受け付けても良い。
【0011】
この構成により、本発明のドキュメント印刷システムは、画像形成装置が外部の電子機器から直接の無線通信を介してドキュメントを受け付けるので、外部の複数の電子機器が接続するネットワークに画像形成装置が接続していなくても、画像形成装置がドキュメントを受け付けることができる。したがって、本発明のドキュメント印刷システムは、外部の複数の電子機器が接続するネットワークを介した指示に応じた印刷、例えば、オンライン決済サービスを利用した料金の支払いに関係ないドキュメントの印刷を画像形成装置が実行することを防止することができる。
【0012】
本発明のドキュメント印刷システムにおいて、前記ドキュメント受付手段は、前記ドキュメントの印刷設定を受け付け、前記印刷データ生成手段は、前記ドキュメント受付手段によって受け付けられた前記印刷設定に基づいて前記印刷データを生成しても良い。
【0013】
この構成により、本発明のドキュメント印刷システムは、利用者が指定した印刷設定でドキュメントを印刷することができる。
【0014】
本発明のドキュメント印刷システムにおいて、前記料金計算手段は、前記ドキュメント受付手段によって受け付けられた前記印刷設定に基づいて前記料金を計算しても良い。
【0015】
この構成により、本発明のドキュメント印刷システムは、ドキュメントの印刷設定に基づいた正確な料金が支払われた後で、このドキュメントの印刷データに基づいた印刷を実行するので、利便性の向上を実現することができる。
【0016】
本発明のドキュメント印刷システムにおいて、前記ドキュメント受付手段は、受け付けた前記ドキュメントに対応付けた識別情報を通知し、前記画像形成装置は、前記識別情報に対応付けられた前記ドキュメントの指定を受け付けるドキュメント指定受付手段を備え、前記支払いコード通知手段は、前記ドキュメント指定受付手段によって指定が受け付けられた前記ドキュメントの前記支払いコードを通知しても良い。
【0017】
この構成により、本発明のドキュメント印刷システムは、利用者によって指定された識別情報に対応付けられたドキュメントの支払いコードのみを通知するので、利用者によって認識されているドキュメントのみを印刷することができ、利便性を向上することができる。
【0018】
本発明のドキュメント印刷システムにおいて、前記画像形成装置は、表示デバイスを備え、前記支払いコード通知手段は、前記支払いコードを前記表示デバイスへの表示によって通知しても良い。
【0019】
この構成により、本発明のドキュメント印刷システムは、画像形成装置が支払いコードを表示デバイスへの表示によって通知するので、画像形成装置によって通知された支払いコードを使用してオンライン決済サービス経由で料金を支払うための利用者端末と、画像形成装置とが互いに通信できない場合であっても、画像形成装置の表示デバイスに表示された支払いコードを使用して利用者端末によってオンライン決済サービス経由で料金を支払うことができる。
【0020】
本発明のドキュメント印刷システムは、前記支払いコード通知手段によって通知された前記支払いコードを使用して前記オンライン決済サービス経由で前記料金を支払うための利用者端末を備え、前記利用者端末は、撮影デバイスを備え、前記表示デバイスに表示された前記支払いコードを前記撮影デバイスによって撮影することによって取得しても良い。
【0021】
この構成により、本発明のドキュメント印刷システムは、画像形成装置の表示デバイスに表示された支払いコードを利用者端末の利用者が利用者端末に手入力する必要がないので、利便性を向上することができる。
【0022】
本発明のドキュメント印刷システムにおいて、前記支払いコード通知手段は、前記支払いコードを二次元コードとして前記表示デバイスに表示しても良い。
【0023】
この構成により、本発明のドキュメント印刷システムは、支払いコードが二次元コードとしてコンパクトに画像形成装置の表示デバイスに表示されるので、利用者端末の撮影デバイスによって撮影し易く、利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明のドキュメント印刷システムは、利便性の向上と、人件費の低減と、料金の安全な受け取りとを実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0027】
まず、本実施の形態に係るドキュメント印刷システムの構成について説明する。
【0028】
図1は、本実施の形態に係るドキュメント印刷システム10のブロック図である。
【0029】
図1に示すように、ドキュメント印刷システム10は、利用者によって利用される利用者端末20と、利用者によって利用される電子機器30と、画像形成装置としてのMFP(Multifunction Peripheral)40と、コンピューター50と、オンライン上で決済を実行するクラウドサービスであるオンライン決済サービス60と、銀行口座を管理している銀行口座管理システム70とを備えている。
【0030】
MFP40は、例えば、コンビニエンスストア、飲食店などの商業施設、大学などの公共施設など、様々な施設に設置されることが可能である。MFP40は、電子機器30から受け付けたドキュメントの印刷を、利用者による料金の支払いに応じて実行するデバイスである。
【0031】
コンピューター50は、MFP40の料金に関する処理だけでなく、MFP40と同様の少なくとも1台のMFPの料金に関する処理を実行可能でも良い。
【0032】
オンライン決済サービス60および銀行口座管理システム70は、それぞれクラウドサービスであり、それぞれ例えばクラウドサーバーなどのサーバーによって実現されているシステムである。
【0033】
利用者端末20と、オンライン決済サービス60とは、インターネットなどのネットワーク経由で通信可能である。
【0034】
電子機器30と、MFP40とは、ルーターなど、他の通信機器を経由しない直接の無線通信(以下「ダイレクト無線通信」と言う。)を実行可能である。ダイレクト無線通信は、例えば、Wi−Fi Direct(登録商標)である。
【0035】
MFP40と、コンピューター50とは、LAN(Local Area Network)、インターネットなどのネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、通信可能である。
【0036】
コンピューター50と、オンライン決済サービス60とは、インターネットなどのネットワーク経由で通信可能である。
【0037】
オンライン決済サービス60と、銀行口座管理システム70とは、インターネットなどのネットワーク経由で通信可能である。
【0038】
図2は、利用者端末20のブロック図である。
【0039】
図2に示すように、利用者端末20は、種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部21と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部22と、カメラなどの撮影デバイスである撮影部23と、ネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部24と、各種の情報を記憶する半導体メモリーなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部25と、利用者端末20全体を制御する制御部26とを備えている。利用者端末20は、例えば、スマートフォン、タブレットなどの携帯端末であっても良い。
【0040】
記憶部25は、オンライン決済サービス60(
図1参照。)による決済のための決済用プログラム25aを記憶している。決済用プログラム25aは、利用者端末20の製造段階で利用者端末20にインストールされていても良いし、USB(Universal Serial Bus)メモリーなどの外部の記憶媒体から利用者端末20に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から利用者端末20に追加でインストールされても良い。
【0041】
制御部26は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部25に記憶されているプログラムを実行する。
【0042】
制御部26は、決済用プログラム25aを実行することによって、オンライン決済サービス60に決済を指示する決済指示手段26aを実現する。
【0043】
図3は、電子機器30のブロック図である。
【0044】
図3に示すように、電子機器30は、種々の操作が入力されるキーボード、マウスなどの入力デバイスである操作部31と、種々の情報を表示するLCDなどの表示デバイスである表示部32と、ネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部33と、各種の情報を記憶する半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部34と、電子機器30全体を制御する制御部35とを備えている。電子機器30は、例えば、ノートPC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレットなどの携帯端末によって構成されても良い。
【0045】
記憶部34は、ウェブブラウザー用プログラム34aおよびドキュメント送信用プログラム34bを記憶している。ウェブブラウザー用プログラム34aおよびドキュメント送信用プログラム34bは、それぞれ、電子機器30の製造段階で電子機器30にインストールされていても良いし、USBメモリー、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)などの外部の記憶媒体から電子機器30に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から電子機器30に追加でインストールされても良い。
【0046】
制御部35は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部34に記憶されているプログラムを実行する。
【0047】
制御部35は、ウェブブラウザー用プログラム34aを実行することによって、ウェブブラウザー35aを実現する。また、制御部35は、ドキュメント送信用プログラム34bを実行することによって、ドキュメント送信用アプリケーション35bを実現する。
【0048】
図4は、MFP40のブロック図である。
【0049】
図4に示すように、MFP40は、種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部41と、種々の情報を表示するLCDなどの表示デバイスである表示部42と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー43と、用紙などの記録媒体に画像を印刷する印刷デバイスであるプリンター44と、図示していない外部のファクシミリ装置と公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部45と、ネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部46と、各種の情報を記憶する半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部47と、MFP40全体を制御する制御部48とを備えている。
【0050】
記憶部47は、ドキュメント印刷のジョブを実行するためのドキュメント印刷プログラム47aを記憶している。ドキュメント印刷プログラム47aは、MFP40の製造段階でMFP40にインストールされていても良いし、USBメモリーなどの外部の記憶媒体からMFP40に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上からMFP40に追加でインストールされても良い。
【0051】
記憶部47は、ドキュメント47bを記憶可能である。ドキュメント47bとしては、例えば、PDF(Portable Document Format)ドキュメント、Microsoft(登録商標) Wordドキュメント、Microsoft Excel(登録商標)ドキュメント、Microsoft PowerPoint(登録商標)ドキュメント、TIFF(Tagged Image File Format)ドキュメント、JPEG(Joint Photographic Experts Group)ドキュメントなど、様々な形式のドキュメントが採用されることができる。ドキュメント47bは、ドキュメント47b自身の印刷設定が含まれている場合がある。
【0052】
記憶部47は、ドキュメント47bの印刷設定47cを記憶可能である。印刷設定47cは、例えば、印刷する部数の設定、印刷する記録媒体のサイズの設定、モノクロ印刷およびカラー印刷の何れであるかの設定、両面印刷および片面印刷の何れであるかの設定などである。
【0053】
記憶部47は、ドキュメントを管理するためのドキュメント管理情報47dを記憶可能である。
【0054】
図5は、ドキュメント管理情報47dの一例を示す図である。
【0055】
図5に示すように、ドキュメント管理情報47dは、ドキュメント47bの識別情報であるドキュメントIDと、印刷設定47cの識別情報である印刷設定IDと、一時的な利用者の名称(以下「一時的利用者名」と言う。)、PIN(Personal Identification Number)コードなどの識別情報(以下「一時的利用者ID」と言う。)とが対応付けられた情報である。
【0056】
図4に示す制御部48は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部47に記憶されているプログラムを実行する。
【0057】
制御部48は、ドキュメント印刷プログラム47aを実行することによって、外部の電子機器との間でダイレクト無線通信を実行可能な無線通信手段48aと、無線通信手段48aによって実行されたダイレクト無線通信を介してドキュメント47bを受け付けるドキュメント受付手段48bと、一時的利用者IDに対応付けられたドキュメント47bの指定を受け付けるドキュメント指定受付手段48cと、コンピューター50(
図1参照。)によって計算された料金に対してオンライン決済サービス60(
図1参照。)によって発行された支払いコードを通知する支払いコード通知手段48dと、支払いコード通知手段48dによって通知された支払いコードを使用してオンライン決済サービス60経由で料金が支払われた場合に、印刷データに基づいてプリンター44で印刷を実行するドキュメント印刷手段48eとを実現する。
【0058】
図6は、コンピューター50のブロック図である。
【0059】
図6に示すように、コンピューター50は、ネットワーク経由で、または、ネットワークを介さずに有線または無線によって直接に、外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部51と、各種の情報を記憶する半導体メモリー、HDDなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部52と、コンピューター50全体を制御する制御部53とを備えている。コンピューター50は、例えば、PCによって構成されても良い。
【0060】
記憶部52は、プリンタードライバー用プログラム52aと、オンライン決済サービス60(
図1参照。)による決済のための決済用プログラム52bとを記憶している。プリンタードライバー用プログラム52aおよび決済用プログラム52bは、それぞれ、コンピューター50の製造段階でコンピューター50にインストールされていても良いし、USBメモリー、CD、DVDなどの外部の記憶媒体からコンピューター50に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上からコンピューター50に追加でインストールされても良い。
【0061】
記憶部52は、印刷データ52cを記憶可能である。
【0062】
記憶部52は、MFPを管理するためのMFP管理情報52dを記憶している。
【0063】
図7は、MFP管理情報52dの一例を示す図である。
【0064】
図7に示すように、MFP管理情報52dは、MFPの識別情報であるMFPIDと、MFPの管理者の識別情報である管理者IDとが対応付けられた情報である。
【0065】
図6に示すように、記憶部52は、オンライン決済サービス60(
図1参照。)によって発行される支払いコードを管理するための支払いコード管理情報52eを記憶可能である。
【0066】
図8は、支払いコード管理情報52eの一例を示す図である。
【0067】
図8に示すように、支払いコード管理情報52eは、支払いコードと、MFPIDと、印刷データ52cの識別情報である印刷データIDとが対応付けられた情報である。
【0068】
図6に示す制御部53は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部52に記憶されているプログラムを実行する。
【0069】
制御部53は、プリンタードライバー用プログラム52aを実行することによって、ドキュメントの印刷データを生成する印刷データ生成手段としてのプリンタードライバー53aを実現する。
【0070】
制御部53は、決済用プログラム52bを実行することによって、ドキュメントのページ数および印刷設定に基づいて料金を計算する料金計算手段53bと、オンライン決済サービス60による決済のための通信を実行する決済用通信手段53cとを実現する。
【0071】
図9は、オンライン決済サービス60が記憶する情報の一例を示す図である。
【0072】
図9に示すように、オンライン決済サービス60は、利用者の銀行口座の情報を利用者の識別情報である利用者ID毎に示す利用者銀行口座情報60aと、MFP40の管理者の口座の情報を管理者ID毎に示す管理者口座情報60bとを記憶している。
【0073】
利用者銀行口座情報60aには、利用者の銀行口座を管理している銀行の名称や、その銀行口座の口座番号など、利用者の銀行口座に関する情報が含まれている。利用者は、例えば、利用者端末20の操作部21を介して決済用プログラム25a経由で、オンライン決済サービス60の利用者銀行口座情報60aに利用者の銀行口座の情報を登録することが可能である。
【0074】
管理者は、例えば、任意のPCを介してインターネット経由で、オンライン決済サービス60の管理者口座情報60bに管理者の口座の情報を登録することが可能である。なお、管理者の口座は、オンライン決済サービス60によって管理されている口座であって、銀行口座ではない。
【0075】
オンライン決済サービス60は、支払いコードを管理するための支払いコード管理情報60cを記憶可能である。
【0076】
図10は、支払いコード管理情報60cの一例を示す図である。
【0077】
図10に示すように、支払いコード管理情報60cは、支払いコードと、管理者IDと、料金と、コンピューターの識別情報であるコンピューターIDとが対応付けられた情報である。
【0078】
次に、ドキュメント印刷システム10の動作について説明する。
【0079】
まず、ドキュメントをドキュメント送信用アプリケーション35bに記憶する場合の電子機器30の動作について説明する。
【0080】
利用者は、ドキュメント送信用アプリケーション35bへのドキュメントの記憶を電子機器30に操作部31を介して指示することができる。電子機器30のドキュメント送信用アプリケーション35bは、ドキュメントの記憶が指示されると、指示されたドキュメントを記憶する。ここで、ドキュメント送信用アプリケーション35bは、電子機器30に記憶されているドキュメントだけでなく、電子機器30に接続されたUSBメモリーやSDカードに記憶されているドキュメントなどの、電子機器30からアクセス可能な電子機器30の外部のドキュメントも記憶することができる。
【0081】
次に、新たなドキュメント47bをMFP40に記憶する場合のドキュメント印刷システム10の動作について説明する。
【0082】
図11は、新たなドキュメント47bをMFP40に記憶する場合のドキュメント印刷システム10の動作のシーケンス図である。
【0083】
利用者は、MFP40とのダイレクト無線通信のための設定(以下「ダイレクト無線通信用設定」と言う。)の表示をMFP40に操作部41を介して指示することができる。
【0084】
MFP40の無線通信手段48aは、ダイレクト無線通信用設定の表示が指示されると、
図11に示すように、ダイレクト無線通信用設定を表示部42に表示する(S101)。したがって、利用者は、表示部42に表示されたダイレクト無線通信用設定を無線通信の設定として電子機器30に操作部31を介して入力することができる。
【0085】
電子機器30の制御部35は、無線通信の設定としてダイレクト無線通信用設定が入力されると、入力されたダイレクト無線通信用設定を使用してMFP40にダイレクト無線通信での接続を要求する(S102)。したがって、MFP40の無線通信手段48aは、電子機器30とのダイレクト無線通信での接続を確立して(S103)、ダイレクト無線通信での接続の確立を電子機器30に通知する(S104)。
【0086】
以降、電子機器30と、MFP40とは、ダイレクト無線通信によって情報の送受信を実行することが可能である。
【0087】
電子機器30と、MFP40との間のダイレクト無線通信での接続が確立された後、利用者は、ドキュメントのアップロードのためのウェブページ(以下「アップロード用ページ」と言う。)の表示を操作部31を介して指示することができる。
【0088】
電子機器30のウェブブラウザー35aは、アップロード用ページの表示が指示されると、アップロード用ページのデータをダイレクト無線通信によってMFP40に要求する(S105)。そのため、MFP40のドキュメント受付手段48bは、一時的利用者IDを発行し(S106)、S106において発行した一時的利用者IDを含むアップロード用ページのデータをダイレクト無線通信によって電子機器30に送信する(S107)。したがって、電子機器30のウェブブラウザー35aは、MFP40から受信したアップロード用ページのデータに基づいてアップロード用ページを表示部32に表示する(S108)。
【0089】
利用者は、表示部32に表示されたアップロード用ページにおいて、ドキュメントのアップロードを操作部31を介して指示することができる。ここで、利用者は、ドキュメント送信用アプリケーション35b内のドキュメントに対して、アップロード用ページにおいてアップロードを指示することができる。
【0090】
電子機器30のウェブブラウザー35aは、ドキュメント送信用アプリケーション35b内のドキュメントのアップロードがアップロード用ページにおいて指示されると、アップロードが指示されたドキュメントをダイレクト無線通信によってMFP40に送信する(S109)。そのため、MFP40のドキュメント受付手段48bは、電子機器30から送信されてきたドキュメントを受け付けてドキュメント47bとして記憶部47に記憶し(S110)、このドキュメントのドキュメントIDと、S106において発行した一時的利用者IDとを対応付けてドキュメント管理情報47dに記憶する(S111)。
【0091】
利用者は、表示部32に表示されたアップロード用ページにおいてドキュメントをアップロードした後、このドキュメントの印刷設定をアップロード用ページにおいて操作部31を介して指示することができる。ここで、アップロード用ページは、コンピューター50のプリンタードライバー53aが対応可能な印刷設定のみが指示可能になっている。
【0092】
電子機器30のウェブブラウザー35aは、ドキュメントの印刷設定がアップロード用ページにおいて指示されると、この印刷設定をダイレクト無線通信によってMFP40に送信する(S112)。そのため、MFP40のドキュメント受付手段48bは、電子機器30から送信されてきた印刷設定を、S110において受け付けたドキュメントの印刷設定として受け付けて印刷設定47cとして記憶部47に記憶し(S113)、この印刷設定の印刷設定IDを、この印刷設定の対象のドキュメントのドキュメントIDおよび一時的利用者IDに対応付けてドキュメント管理情報47dに記憶する(S114)。
【0093】
利用者は、以上に説明した操作を繰り返すことによって、S108において表示部32に表示されたアップロード用ページによって、複数のドキュメントを、これらのドキュメントのそれぞれの印刷設定とともにMFP40に記憶させることができる。
【0094】
次に、ドキュメント印刷のジョブの実行の指示が入力されたMFP40が二次元コードを表示するまでのドキュメント印刷システム10の動作について説明する。
【0095】
図12は、ドキュメント印刷のジョブの実行の指示が入力されたMFP40が二次元コードを表示するまでのドキュメント印刷システム10の動作のシーケンス図である。
【0096】
利用者は、MFP40にドキュメント47bを記憶させた後、操作部41を介してMFP40にログインすることができる。ここで、利用者は、S108において表示部32に表示されたアップロード用ページに含まれていた一時的利用者IDでMFP40にログインすることができる。
【0097】
MFP40のドキュメント指定受付手段48cは、一時的利用者IDで操作部41を介してログインされると、
図12に示すように、ログインした利用者の一時的利用者IDに対応付けてMFP40が記憶しているドキュメント47bをドキュメント管理情報47dに基づいて特定し(S131)、特定したドキュメント47bの一覧(以下「ドキュメントリスト」と言う。)を表示部42に表示する(S132)。
【0098】
利用者は、S132において表示部42に表示されたドキュメントリストから、印刷を希望するドキュメント47bを操作部41を介して選択することができる。
【0099】
ドキュメント指定受付手段48cは、利用者が印刷を希望するドキュメント47bが操作部41を介して選択されると、選択されたドキュメント47bと、このドキュメント47bにドキュメント管理情報47dにおいて対応付けられている印刷設定47cと、MFP40のMFPIDとをコンピューター50に送信する(S133)。
【0100】
次いで、コンピューター50のプリンタードライバー53aは、S133においてMFP40から送信されてきたドキュメントおよび印刷設定に基づいて、このドキュメント47bの印刷データを生成し(S134)、生成した印刷データを印刷データ52cとして記憶部52に一時的に記憶する(S135)。
【0101】
なお、印刷データ52cには、印刷するページ数を示すページ数情報、印刷する記録媒体の枚数を示す枚数情報、印刷する記録媒体のサイズを示す記録媒体サイズ情報、モノクロ印刷およびカラー印刷の何れであるかを示す色情報、両面印刷および片面印刷の何れであるかを示す両面片面情報など、料金を計算するために必要な種々の情報が含まれている。
【0102】
プリンタードライバー53aは、例えば、ドキュメントのページ数と、このドキュメントの印刷設定に含まれる部数の設定や、両面印刷および片面印刷の何れであるかの設定などの各種の印刷設定とに基づいて、ページ数情報や枚数情報を決定する。
【0103】
プリンタードライバー53aは、ドキュメント自身に含まれている印刷設定と、S133においてドキュメントとともに送信されてきた印刷設定とに矛盾する設定が含まれている場合、S133においてドキュメントとともに送信されてきた印刷設定を優先する。例えば、プリンタードライバー53aは、ドキュメント自身に含まれている印刷設定にカラー印刷の設定が含まれていて、S133においてドキュメントとともに送信されてきた印刷設定にモノクロ印刷の設定が含まれている場合、モノクロ印刷である旨の情報を色情報として印刷データ52cに含める。
【0104】
コンピューター50の料金計算手段53bは、S135の処理の後、S133においてMFP40から送信されてきたドキュメントのページ数および印刷設定と、特定の計算基準とに基づいて、今回のドキュメント印刷のジョブの料金を計算する(S136)。
【0105】
例えば、印刷設定に両面印刷が設定されていれば、印刷は、1部あたりにつき、ドキュメント47bのページ数の半分の枚数の記録媒体に実行されることになる。料金計算手段53bは、この枚数を料金に反映しても良い。
【0106】
また、印刷設定に複数の部数が設定されていれば、印刷は、1部のドキュメント47bに対する記録媒体の印刷面の数に、部数を乗じた数の印刷面に実行されることになる。料金計算手段53bは、この印刷面の数を料金に反映しても良い。
【0107】
コンピューター50の決済用通信手段53cは、S136の処理の後、S136で計算された料金での支払いコードをオンライン決済サービス60に要求する(S137)。ここで、決済用通信手段53cは、S133においてドキュメントとともにMFP40から送信されてきたMFPIDにMFP管理情報52dにおいて対応付けられている管理者IDと、コンピューター50のコンピューターIDとをS137の要求に含める。
【0108】
したがって、オンライン決済サービス60は、S137の要求に応じて支払いコードを発行した後(S138)、発行した支払いコードと、S137における要求に含まれていた管理者ID、料金およびコンピューターIDとを対応付けて支払いコード管理情報60cに記憶して(S139)、発行した支払いコードをコンピューター50に返信する(S140)。
【0109】
コンピューター50の決済用通信手段53cは、S140においてオンライン決済サービス60から返信されてきた支払いコードを示すQRコード(登録商標)などの二次元コードを生成する(S141)。なお、決済用通信手段53cは、S140においてオンライン決済サービス60から返信されてきた支払いコードを、S133においてMFP40から送信されていたMFPIDと、S134において生成した印刷データの印刷データIDとに対応付けて支払いコード管理情報52eに記憶する。
【0110】
次いで、決済用通信手段53cは、S141において生成した二次元コードをMFP40に送信する(S142)。
【0111】
したがって、MFP40の支払いコード通知手段48dは、S142においてコンピューター50から送信されてきた二次元コードを表示部42に表示する(S143)。
【0112】
次に、利用者端末20が二次元コードを読み取ってからMFP40がドキュメント印刷のジョブの実行を終了するまでのドキュメント印刷システム10の動作について説明する。
【0113】
図13は、利用者端末20が二次元コードを読み取ってからMFP40がドキュメント印刷のジョブの実行を終了するまでのドキュメント印刷システム10の動作のシーケンス図である。
【0114】
利用者は、S143においてMFP40の表示部42に表示された二次元コードを利用者端末20の撮影部23によって読み取らせるように、利用者端末20を操作することができる。利用者端末20の決済指示手段26aは、表示部42に表示された二次元コードを撮影部23によって読み取らせるように利用者端末20が操作されると、
図13に示すように、表示部42に表示された二次元コードを撮影部23によって読み取る(S161)。
【0115】
次いで、決済指示手段26aは、S161において読み取った二次元コードを解釈して、この二次元コードによって示される支払いコードと、利用者端末20にログイン中の利用者の利用者IDとをオンライン決済サービス60に送信する(S162)。
【0116】
したがって、オンライン決済サービス60は、S162において利用者端末20から送信されてきた支払いコードおよび利用者IDに基づいて、支払いコードに支払いコード管理情報60cにおいて対応付けられている料金と、利用者IDに利用者銀行口座情報60aにおいて関連付けられている銀行口座の情報とを利用者端末20に返信する(S163)。
【0117】
利用者端末20の決済指示手段26aは、料金と、銀行口座の情報とがオンライン決済サービス60から送信されてくると、料金の支払いのための支払い画面80(
図14参照。)を表示部22に表示する(S164)。
【0118】
図14は、支払い画面80の一例を示す図である。
【0119】
図14に示すように、支払い画面80は、オンライン決済サービス60から送信されてきた銀行口座の情報を示すテキスト81と、オンライン決済サービス60から送信されてきた料金を示すテキスト82と、銀行口座のパスワード、すなわち、その銀行口座からの引き落としを銀行口座管理システム70が許可するためのパスワードが入力されるためのテキストボックス83とを含んでいる。
【0120】
図14においては、支払い画面80に表示される銀行口座の情報として銀行の名称を示している。しかしながら、支払い画面80には、銀行口座の情報として、銀行の名称以外の情報が、銀行の名称に加えて、または、銀行の名称に代えて、表示されても良い。なお、S163においては、銀行口座の情報のうち、支払い画面80に表示される情報のみが返信されれば良い。
【0121】
決済指示手段26aは、テキストボックス83に銀行口座のパスワードが入力されると、入力されたパスワードを、
図13に示すように、オンライン決済サービス60に送信する(S165)。
【0122】
したがって、オンライン決済サービス60は、S165において利用者端末20から送信されてきたパスワードが正しい場合にのみ、銀行口座管理システム70が管理している銀行口座のうち、S162において利用者端末20から送信されてきた利用者IDに利用者銀行口座情報60aにおいて関連付けられている銀行口座から、S162において利用者端末20から送信されてきた支払いコードに支払いコード管理情報60cにおいて対応付けられている料金を引き落とす(S166)。
【0123】
次いで、オンライン決済サービス60は、S166において引き落とした料金を、S162において利用者端末20から送信されてきた支払いコードに支払いコード管理情報60cにおいて対応付けられている管理者IDに管理者口座情報60bにおいて関連付けられている口座に振り込む(S167)。
【0124】
次いで、オンライン決済サービス60は、料金の支払いが完了した旨を示す支払い完了通知と、S162において利用者端末20から送信されてきた支払いコードとを、この支払いコードに支払いコード管理情報60cにおいて対応付けられているコンピューターIDのコンピューター50に送信する(S168)。
【0125】
コンピューター50の決済用通信手段53cは、S168においてオンライン決済サービス60から支払い完了通知が送信されてくると、記憶部52に記憶している印刷データ52cのうち、S168においてオンライン決済サービス60から支払い完了通知とともに送信されてきた支払いコードに支払いコード管理情報52eにおいて対応付けられている印刷データIDの印刷データ52cを、この支払いコードに支払いコード管理情報52eにおいて対応付けられているMFPIDのMFP40に送信する(S169)。
【0126】
MFP40のドキュメント印刷手段48eは、S169においてコンピューター50から印刷データが送信されてくると、この印刷データに基づいてプリンター44で印刷を実行する(S170)。
【0127】
以上に説明したように、ドキュメント印刷システム10は、ドキュメントのページ数および印刷設定に基づいた正確な料金が支払われた(S165〜S167)後で、このドキュメントの印刷データに基づいた印刷を実行する(S170)ので、「ドキュメントの印刷を実行する」というドキュメント印刷のジョブの実行が料金の支払いの滞りによって途中で停止されることがなく、利便性の向上を実現することができる。
【0128】
ドキュメント印刷システム10は、料金の支払いにコインベンダーではなくオンライン決済サービス60を利用するため、料金がMFP40の利用者の銀行口座からMFP40の管理者の口座に直接振り込まれるので、コインベンダーからの料金の取得作業が不要であり、人件費の低減と、料金の安全な受け取りとを実現することができる。
【0129】
ドキュメント印刷システム10は、料金の支払いにコインベンダーではなくオンライン決済サービス60を利用するので、コインベンダーがあまり利用されていない国であっても、容易に導入されることが可能である。
【0130】
ドキュメント印刷システム10は、ウェブブラウザー35aによってドキュメント送信用アプリケーション35b経由でドキュメントを送信するので、電子機器30のウェブブラウザー35aの仕様が電子機器30の外部にファイルを送信するために何らかのアプリケーションを経由する必要がある仕様であっても、ウェブブラウザー35aによってドキュメントをMFP40に送信することができる。
【0131】
ドキュメント印刷システム10は、MFP40が外部の電子機器30からダイレクト無線通信を介してドキュメントを受け付ける(S109およびS110)ので、外部の複数の電子機器が接続するLANなどのネットワークにMFP40が接続していなくても、MFP40がドキュメントを受け付けることができる。したがって、ドキュメント印刷システム10は、外部の複数の電子機器が接続するLANなどのネットワークを介した指示に応じた印刷、例えば、オンライン決済サービス60を利用した料金の支払いに関係ないドキュメントの印刷をMFP40が実行することを防止することができる。
【0132】
ドキュメント印刷システム10は、MFP40のドキュメント受付手段48bによって受け付けられた印刷設定に基づいてコンピューター50のプリンタードライバー53aが印刷データを生成するので、MFP40に記憶されているドキュメント47bを、利用者が指定した印刷設定で印刷することができる。
【0133】
ドキュメント印刷システム10は、MFP40用のプリンタードライバーが電子機器30にインストールされなくても、電子機器30からMFP40に送信したドキュメントを電子機器30から指定した印刷設定に基づいてMFP40で印刷することができる。
【0134】
ドキュメント印刷システム10において、コンピューター50の料金計算手段53bは、MFP40のドキュメント受付手段48bによってS133において受け付けられた印刷設定に基づいて料金を計算する(S136)。この構成により、ドキュメント印刷システム10は、ドキュメントの印刷設定に基づいた正確な料金が支払われた後で、このドキュメントの印刷データに基づいた印刷を実行するので、利便性の向上を実現することができる。
【0135】
ドキュメント印刷システム10のMFP40において、ドキュメント受付手段48bは、受け付けたドキュメントに対応付けた識別情報としての一時的利用者IDを通知し(S107)、支払いコード通知手段48dは、一時的利用者IDに対応付けられて、ドキュメント指定受付手段48cによって指定が受け付けられたドキュメントの支払いコードを通知する(S143)。この構成により、ドキュメント印刷システム10は、利用者によって指定された一時的利用者IDに対応付けられたドキュメントの支払いコードのみを通知するので、利用者によって認識されているドキュメントのみを印刷することができ、利便性を向上することができる。
【0136】
ドキュメント印刷システム10は、MFP40が支払いコードを表示部42への表示によって通知する(S143)ので、利用者端末20と、MFP40とが互いに通信できない場合であっても、MFP40の表示部42に表示された支払いコードを使用して利用者端末20によってオンライン決済サービス60経由で料金を支払うことができる。
【0137】
ドキュメント印刷システム10は、支払いコードが二次元コードとしてコンパクトにMFP40の表示部42に表示されるので、利用者端末20の撮影部23によって撮影し易く、利便性を向上することができる。なお、ドキュメント印刷システム10は、文字列や一次元コードなど、二次元コードより利用者端末20の撮影部23によって撮影し難い方法で支払いコードが表示部42に表示されても良い。
【0138】
ドキュメント印刷システム10は、表示部42に表示された支払いコードを撮影部23によって撮影することによって取得するので、MFP40の表示部42に表示された支払いコードを利用者端末20の利用者が利用者端末20に手入力する必要がない。したがって、ドキュメント印刷システム10は、利便性を向上することができる。なお、ドキュメント印刷システム10は、二次元コードではなく、文字列など、利用者端末20の利用者が理解可能な方法で支払いコードを表示部42に表示する場合、MFP40の表示部42に表示された支払いコードが利用者端末20の利用者によって利用者端末20に手入力される構成でも良い。
【0139】
ドキュメント印刷システム10は、本実施の形態において、MFP40の管理者の口座として、オンライン決済サービス60によって管理されている口座を利用している。しかしながら、ドキュメント印刷システム10は、MFP40の管理者の口座として、オンライン決済サービス60によって管理されている口座ではなく、銀行口座を利用する構成でも良い。
【0140】
ドキュメント印刷システム10は、本実施の形態において、MFP40の利用者の口座として、銀行口座を利用している。しかしながら、ドキュメント印刷システム10は、MFP40の利用者の口座として、銀行口座ではなく、オンライン決済サービス60によって管理されている口座を利用する構成でも良い。
【0141】
ドキュメント印刷システム10は、本実施の形態において、電子機器30からMFP40に送信されたドキュメントをMFP40が管理している。しかしながら、ドキュメント印刷システム10は、電子機器30からMFP40に送信されたドキュメントをコンピューター50が管理しても良い。
【0142】
ドキュメント印刷システム10は、コンピューター50の上述した機能の少なくとも一部をMFP40がドキュメント印刷プログラム47aの実行によって実現する構成でも良い。例えば、ドキュメント印刷システム10は、コンピューター50のプリンタードライバー53aおよび料金計算手段53bに相当する機能をMFP40が実現する構成でも良い。ドキュメント印刷システム10は、コンピューター50の上述した全ての機能をMFP40が実現する構成である場合、コンピューター50を備えなくても良い。
【0143】
ドキュメント印刷システム10は、本実施の形態において、利用者端末20と、電子機器30とを別々の装置として備えている。しかしながら、ドキュメント印刷システム10は、利用者端末20および電子機器30が1つの装置によって実現されても良い。
【0144】
本発明の画像形成装置は、本実施の形態においてMFPであるが、プリンター専用機など、MFP以外の画像形成装置でも良い。