特許第6620900号(P6620900)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6620900電子写真感光体、その製造方法およびそれを用いた電子写真装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6620900
(24)【登録日】2019年11月29日
(45)【発行日】2019年12月18日
(54)【発明の名称】電子写真感光体、その製造方法およびそれを用いた電子写真装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 5/05 20060101AFI20191209BHJP
   G03G 5/06 20060101ALI20191209BHJP
【FI】
   G03G5/05 101
   G03G5/06 312
   G03G5/06 313
   G03G5/06 317
   G03G5/05 104B
   G03G5/05 102
【請求項の数】3
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-568010(P2018-568010)
(86)(22)【出願日】2017年12月6日
(86)【国際出願番号】JP2017043870
(87)【国際公開番号】WO2018150693
(87)【国際公開日】20180823
【審査請求日】2019年2月1日
(31)【優先権主張番号】特願2017-29102(P2017-29102)
(32)【優先日】2017年2月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124121
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 由美子
(74)【代理人】
【識別番号】100176566
【弁理士】
【氏名又は名称】渡耒 巧
(74)【代理人】
【識別番号】100180253
【弁理士】
【氏名又は名称】大田黒 隆
(72)【発明者】
【氏名】竹内 勝
(72)【発明者】
【氏名】小林 広高
(72)【発明者】
【氏名】小日向 俊紀
(72)【発明者】
【氏名】朱 豊強
【審査官】 福田 由紀
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/192633(WO,A1)
【文献】 特開2016−224108(JP,A)
【文献】 特開2016−180846(JP,A)
【文献】 特開2016−180845(JP,A)
【文献】 特開2007−271962(JP,A)
【文献】 特開2010−079293(JP,A)
【文献】 特開2014−209224(JP,A)
【文献】 特開2013−041259(JP,A)
【文献】 特開2015−022101(JP,A)
【文献】 特開2014−013379(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/027654(WO,A1)
【文献】 特開2015−141235(JP,A)
【文献】 特開2015−025912(JP,A)
【文献】 国際公開第2018/016156(WO,A1)
【文献】 国際公開第2017/072972(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 5/05−5/06
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性基体と、前記導電性基体上に順に設けられた電荷発生層および電荷輸送層と、を備える負帯電積層型電子写真感光体であって、
前記電荷輸送層が、バインダー樹脂として下記一般式(1)、
(1)
(式(1)中、R,Rは、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のフルオロアルキル基を示し、n,mは0.4≦n/(m+n)≦0.6を満足し、連鎖末端基は1価の芳香族基または1価のフッ素含有脂肪族基である。)で表される繰返し単位を有する共重合ポリカーボネート樹脂を含有し、正孔輸送物質として下記一般式(2)、
(2)
(式(2)中、R〜R24は、同一または異なって、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、アリール基またはアリール基置換アルケニル基を示す。)で表される構造を有する化合物を含有し、電子輸送物質として下記一般式(3)、
(3)
(式(3)中、R25〜R28は、同一または異なって、水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよい複素環基を示す。)で表される構造を有する化合物を含有し、酸化防止剤として下記構造式(4)、
(4)
で表される化合物を含有し、かつ、前記電荷輸送層中の前記バインダー樹脂の質量(B)と前記正孔輸送物質の質量(H)との和に占める前記正孔輸送物質の質量(H)の比率を示す質量比H/(B+H)が、下記式(5)、
20質量%≦H/(B+H)≦35質量% (5)
を満足する電子写真感光体。
【請求項2】
請求項1記載の電子写真感光体を製造する方法であって、前記電荷発生層および前記電荷輸送層を、浸漬塗工法を用いて製膜する電子写真感光体の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像手段と、前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段と、を備える電子写真装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式のプリンターや複写機、ファックスなどに用いられる負帯電積層型電子写真感光体(以下、単に「感光体」とも称する)に関する。特には、本発明は、電荷輸送層に特定のバインダー樹脂、正孔輸送物質、電子輸送物質および酸化防止剤を含有することにより、優れた耐摩耗性や耐光性、繰り返し電位安定性を実現できる電子写真感光体、その製造方法およびそれを用いた電子写真装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンター、ファクシミリなどのカールソン法を用いた電子写真応用装置に用いられる電子写真感光体は、従来、セレン、セレン合金、酸化亜鉛、硫化カドミウムなどの無機系の光導電性材料を利用した無機感光体が多かった。最近では、無公害性や成膜性、軽量性などの利点を活かし、有機系の光導電性材料を利用した有機感光体の開発が盛んに進められている。
【0003】
中でも、感光層を、主として光受容時の電荷キャリア発生機能を有する電荷発生層と、主として暗所での帯電位保持機能と光受容時の電荷キャリア輸送機能を有する電荷輸送層とに機能分離した層の積層とした、いわゆる機能分離積層型有機感光体は、各層をそれぞれの機能に適した材料で形成することにより、特性をコントロールし易いなど利点が多く、有機感光体の主流となっている。
【0004】
近年、オフィス内のネットワーク化に伴う集中印刷による電子写真装置1台当たりの印刷枚数の増加やランニングコスト削減の観点から、有機感光体には長期耐用化が求められており、各社より多種多様な感光体が提案されている。
【0005】
最近では、電荷輸送層上に表面保護層を設けることで飛躍的に耐摩耗性を高めた感光体が提案されているが、この場合、感光体表面の硬度が高くなりすぎることにより、逆に帯電ローラーやクリーニングブレードといった周辺部材の摩耗劣化を早めてしまうという弊害があり、このような問題の対策のために、より摩耗しにくい高品質な周辺部材を使用する必要があることから、電子写真装置全体として高価になってしまっている。
【0006】
また、従来の感光体の層構成に加えて表面保護層が1層追加されることによる材料費や工数の増加に伴って感光体自体も高価になってしまい、軽印刷機のような一部の高級な電子写真装置用の感光体に適用されるのみに留まっている。
【0007】
このような課題を解決するために、特許文献1では、電荷輸送層に、バインダ樹脂として特定の構造単位を有する共重合ポリカーボネートを含有させ、電荷輸送剤として特定のトリフェニルアミン部位を有する正孔輸送剤を含有させることにより、耐摩耗性および耐ガス性を向上させた感光体が提案されている。しかし、このような感光体でも耐摩耗性は不十分であり、さらには、感光体をカートリッジに組み込む工程やユーザーが感光体カートリッジを電子写真装置に装着する際などに光に晒されることにより、感光体が疲労して暗所での電荷保持力の低下や感度低下を引き起こし、これが画像上で濃度ムラとなって現れる問題がある。
【0008】
また、特許文献2では、耐摩耗性の改善のために、感光体の最表面層に所定の分散状態でフィラー粒子を含有させる提案がなされているが、この技術は、感光層塗布液作製時の粒子の凝集による感光体特性への影響や粒子の表面処理による影響について十分に検証されていないという難点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−208597号公報
【特許文献2】特開2008−176054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、以上述べた点に鑑みてなされたものであり、電荷輸送層上に表面保護層を設けなくても、優れた耐摩耗性を有し、かつ、耐光性や繰り返し電位安定性にも優れた高感度な電子写真感光体、その製造方法、および、それを搭載した画像形成装置を安価に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、負帯電積層型電子写真感光体において、電荷輸送層中に特定のバインダー樹脂、正孔輸送物質、電子輸送物質および酸化防止剤を含有させるとともに、バインダー樹脂と正孔輸送物質との質量比率を特定の範囲とすることにより、電荷輸送層表面の耐摩耗性が向上し、さらには光疲労による画像上の濃度ムラが抑制されることを見出して、本発明を完成させるに至った。
【0012】
すなわち、本発明の電子写真感光体は、導電性基体と、前記導電性基体上に順に設けられた電荷発生層および電荷輸送層と、を備える負帯電積層型電子写真感光体であって、
前記電荷輸送層が、バインダー樹脂として下記一般式(1)、
(1)
(式(1)中、R,Rは、同一または異なって、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のフルオロアルキル基を示し、n,mは0.4≦n/(m+n)≦0.6を満足し、連鎖末端基は1価の芳香族基または1価のフッ素含有脂肪族基である。)で表される繰返し単位を有する共重合ポリカーボネート樹脂を含有し、正孔輸送物質として下記一般式(2)、
(2)
(式(2)中、R〜R24は、同一または異なって、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、アリール基またはアリール基置換アルケニル基を示す。)で表される構造を有する化合物を含有し、電子輸送物質として下記一般式(3)、
(3)
(式(3)中、R25〜R28は、同一または異なって、水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよい複素環基を示す。)で表される構造を有する化合物を含有し、酸化防止剤として下記構造式(4)、
(4)
で表される化合物を含有し、かつ、前記電荷輸送層中の前記バインダー樹脂の質量(B)と前記正孔輸送物質の質量(H)との和に占める前記正孔輸送物質の質量(H)の比率を示す質量比H/(B+H)が、下記式(5)、
20質量%≦H/(B+H)≦35質量% (5)
を満足するものである。
【0013】
また、本発明の電子写真感光体の製造方法は、上記電子写真感光体を製造する方法であって、前記電荷発生層および前記電荷輸送層を、浸漬塗工法を用いて製膜するものである。
【0014】
さらに、本発明の電子写真装置は、上記電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、帯電された前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像手段と、前記電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段と、を備えるものである。
【0015】
バインダー樹脂として上記一般式(1)で表される繰返し単位を有する共重合ポリカーボネート樹脂を用いることで、優れた耐摩耗性を実現でき、さらに、正孔輸送物質として高移動度である上記一般式(2)で表される構造を有する化合物を用いることにより、耐摩耗性に寄与するバインダー樹脂の質量比率を増やしても高感度を維持することができるので、バインダー樹脂と正孔輸送物質との質量比率を、上記式(5)で示すような範囲とすることで、高い耐摩耗性と高感度との両立を実現することができる。
【0016】
一方で、上記一般式(2)で表される化合物は、一般的に紫外光に対する耐光性やオゾン等の活性ガスに対する耐ガス性に劣るため、紫外光吸収剤的役割で紫外域に吸収を有する上記一般式(3)で表される構造を有する電子輸送物質、および、酸化防止剤としての上記構造式(4)で表される化合物を併用することにより、高い耐光性ならびに繰り返し電位安定性を実現している。
【0017】
加えて、上記一般式(3)で表される電子輸送物質を含有することによる効果として、感光体と感光体保護シートとの摩擦帯電によって感光体表面に正電荷が付与された場合でも、電荷発生層で生成した電子が電荷輸送層中を移動することができ、感光体表面の正電荷が電子によって打ち消されて徐々に減衰していくため、正電荷が減衰せずに表面に残留する場合に引き起こされる画像ムラ、いわゆる帯電メモリーが発生しないというメリットも得られる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、電荷輸送層上に表面保護層を設けなくても、優れた耐摩耗性を有し、かつ、耐光性や繰り返し電位安定性にも優れた高感度な電子写真感光体、その製造方法およびそれを搭載した画像形成装置を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の電子写真感光体の一構成例を示す模式的断面図である。
図2】本発明の電子写真装置の一例を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0021】
[電子写真感光体]
図1は、本発明の電子写真感光体の一構成例を示す模式的断面図であり、導電性基体1上に、中間層2を介して、電荷発生層3および電荷輸送層4がこの順に設けられた負帯電積層型感光体10を示す。なお、中間層2は必要に応じて設けられるものであり、導電性基体1上に、直接、電荷発生層3および電荷輸送層4を順次設けてもよい。
【0022】
(導電性基体)
導電性基体1は、感光体の電極としての役目を担うと同時に他の各層の支持体ともなっており、円筒や板状、フィルム状のいずれでもよいが、一般に円筒状とされる。材質的には、JIS3003系,JIS5000系,JIS6000系などの公知のアルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケルなどの金属、あるいはガラス、樹脂などの上に導電処理を施したものが用いられる。
【0023】
導電性基体1は、アルミニウム合金の場合には押し出し加工や引き抜き加工、樹脂の場合には射出成形により、所定の寸法精度に仕上げることができる。導電性基体1の表面は、必要に応じて、ダイヤモンドバイトによる切削加工などにより、適当な表面粗さに加工される。その後、弱アルカリ性洗剤などの水系洗剤を用いて脱脂、洗浄を行って、表面を清浄化する。
【0024】
このようにして清浄化した導電性基体1の表面には、必要に応じて中間層2を設けることができる。
【0025】
(中間層)
中間層2は、樹脂を主成分とする層やアルマイト等の酸化皮膜等からなり、導電性基体1から電荷発生層3への不要な電荷の注入防止や、基体表面の欠陥被覆、電荷発生層3の接着性向上等の目的で、必要に応じて設けられる。
【0026】
中間層2に用いられるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、メタクリル酸エステルの重合体およびこれらの共重合体などを、1種または2種以上で適宜組み合わせて使用することが可能である。また、分子量の異なる同種の樹脂を混合して用いてもよい。
【0027】
また、バインダー樹脂中には、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の金属酸化物微粒子、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の金属硫酸塩微粒子、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の金属窒化物微粒子、有機金属化合物、シランカップリング剤、有機金属化合物とシランカップリング剤とから形成されたもの等を含有させてもよい。これらの含有量は、層を形成できる範囲で任意に設定することができる。
【0028】
樹脂を主成分とする中間層2の場合、電荷輸送性の付与や電荷トラップの低減等を目的として、正孔輸送物質または電子輸送物質を含有させることができる。かかる正孔輸送物質および電子輸送物質の含有量は、中間層2の固形分に対して、0.1〜60質量%が好ましく、より好ましくは5〜40質量%である。さらに、中間層2には、必要に応じて、電子写真特性を著しく損なわない範囲で、その他公知の添加剤を含有させることもできる。
【0029】
中間層2は、一層でも用いられるが、異なる種類の層を二層以上積層させて用いてもよい。なお、中間層2の膜厚は、中間層2の配合組成にも依存するが、繰り返し連続使用したとき残留電位が増大するなどの悪影響が出ない範囲で任意に設定することができ、好ましくは0.1〜10μmである。
【0030】
(電荷発生層)
中間層2の上には、電荷発生層3が設けられる。電荷発生層3は、電荷発生材料の粒子がバインダー樹脂中に分散された塗布液を塗布するなどの方法により形成され、光を受容して電荷を発生する。電荷発生層3は、その電荷発生効率が高いことと同時に発生した電荷の電荷輸送層4への注入性が重要であり、電場依存性が少なく、低電場でも注入の良いことが望ましい。
【0031】
電荷発生材料としては、露光光源の波長に光感度を有する材料であれば特に制限を受けるものではなく、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンゾイミダゾール顔料などの有機顔料が使用できる。これらの材料を、例えば、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ボリビニルブチラール樹脂、フェノキシ樹脂などのバインダー樹脂に分散あるいは溶解して調製した塗布液を中間層2上に塗布することで、電荷発生層3を形成することができる。
【0032】
なお、電荷発生層3における電荷発生材料の含有量は、電荷発生層3中の固形分に対して、好適には20〜80質量%、より好適には30〜70質量%である。また、電荷発生層3におけるバインダー樹脂の含有量は、電荷発生層3中の固形分に対して、好適には20〜80質量%、より好適には30〜70質量%である。なお、電荷発生層3の膜厚は、通常、0.1μm〜0.6μmとすることができる。
【0033】
(電荷輸送層)
電荷発生層3の上に電荷輸送層4を設けることにより、感光体を得ることができる。
電荷輸送層4は、少なくとも、バインダー樹脂として前記一般式(1)で表される繰返し単位を有する共重合ポリカーボネート樹脂、正孔輸送物質として前記一般式(2)で表される構造を有する化合物を含有し、バインダー樹脂の質量を(B)、正孔輸送物質の質量を(H)としたとき、双方の質量の和に占める正孔輸送物質の質量(H)の比率を示す質量比H/(B+H)が、前記式(5)を満足するものである。この質量比H/(B+H)は、好適には20〜35質量%、より好適には25〜30質量%である。
上記質量比の範囲内とすることで、適切な感度を維持しつつ、高い耐摩耗性を実現することができる。
【0034】
また、電荷輸送層4は、さらに、電子輸送物質として前記一般式(3)で表される構造を有する化合物、および、酸化防止剤として前記構造式(4)で表される化合物を含有する。これにより、得られる感光体において、高い耐光性ならびに繰り返し電位安定性が実現される。
【0035】
電荷輸送層4を構成するバインダー樹脂としての、前記一般式(1)で表される繰返し単位を有する共重合ポリカーボネート樹脂の具体例としては、以下のようなものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
【0037】
なお、m、nの比率は、0.4≦n/(m+n)≦0.6を満足することが好ましく、連鎖末端基が1価の芳香族基または1価のフッ素含有脂肪族基であることが好ましい。
【0038】
電荷輸送層4には、さらに、必要に応じて、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、その他公知のバインダー樹脂を併用することもできる。
その他公知のバインダー樹脂としては、例えば、前記一般式(1)で表される共重合ポリカーボネート樹脂以外のポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ケトン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスルホン樹脂、メタクリル酸エステルの重合体などの熱可塑性樹脂や、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂、およびこれらの共重合体等を、1種または2種以上適宜組み合わせて使用することが可能である。
【0039】
また、電荷輸送層4を構成する正孔輸送物質としての、前記一般式(2)で表される構造式の化合物の具体例としては以下のようなものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
電荷輸送層4には、さらに、必要に応じて、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、その他公知の正孔輸送物質を併用することもできる。
その他公知の正孔輸送物質としては、例えば、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、ピラゾロン化合物、オキサジアゾール化合物、オキサゾール化合物、アリールアミン化合物、ベンジジン化合物、スチルベン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ブタジエン化合物、ポリビニルカルバゾール、ポリシラン等を、1種または2種以上適宜組み合わせて使用することが可能である。
【0045】
また、電荷輸送層4を構成する電子輸送物質としての、前記一般式(3)で表される構造を有する化合物の具体例としては次のようなものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
【0047】
電荷輸送層4には、さらに、必要に応じて、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、その他公知の電子輸送物質を併用することもできる。
その他公知の電子輸送物質としては、例えば、無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水琥珀酸、無水フタル酸、3−ニトロ無水フタル酸、4−ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、フタルイミド、4−ニトロフタルイミド、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、クロラニル、ブロマニル、o−ニトロ安息香酸、マロノニトリル、トリニトロフルオレノン、トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、チオピラン系化合物、キノン系化合物、ベンゾキノン系化合物、ジフェノキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、アゾキノン系化合物、アントラキノン系化合物、ジイミノキノン系化合物、スチルベンキノン系化合物等の電子輸送物質(アクセプター性化合物)を、1種または2種以上適宜組み合わせて使用することが可能である。
【0048】
また、電荷輸送層4には、酸化防止剤としての、前記構造式(4)で表される構造を有する化合物以外にも、耐環境性や有害な光に対する安定性を向上させる目的で、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、その他公知の酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤を含有させることができる。このような化合物としては、例えば、トコフェロールなどのクロマノール誘導体およびエステル化化合物、ポリアリールアルカン化合物、ハイドロキノン誘導体、エーテル化化合物、ジエーテル化化合物、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、チオエーテル化合物、フェニレンジアミン誘導体、ホスホン酸エステル、亜リン酸エステル、フェノール化合物、ヒンダードフェノール化合物、直鎖アミン化合物、環状アミン化合物、ヒンダードアミン化合物、ビフェニル誘導体等が挙げられる。
【0049】
さらに、電荷輸送層4中には、形成した膜のレベリング性の向上や潤滑性の付与を目的として、シリコーンオイルやフッ素系オイル等のレベリング剤を含有させることもできる。
さらにまた、摩擦係数の低減、潤滑性の付与等を目的として、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ジルコニウム等の金属酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の金属硫酸塩、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の金属窒化物の微粒子、または、4フッ化エチレン樹脂等のフッ素系樹脂粒子、フッ素系クシ型グラフト重合樹脂等を含有してもよい。
【0050】
電荷輸送層4におけるバインダー樹脂の含有量としては、電荷輸送層4の固形分に対して、好適には18〜89.9質量%、より好適には28.5〜79.6質量%である。また、電荷輸送層4における正孔輸送材料の含有量としては、電荷輸送層4の固形分に対して、好適には10〜72質量%、より好適には19.9〜66.5質量%である。電荷輸送層4における電子輸送材料の含有量としては、電荷輸送層4の固形分に対して、好適には0.05〜5質量%、より好適には0.25〜2.5質量%である。電荷輸送層4における酸化防止剤の含有量としては、電荷輸送層4の固形分に対して、好適には0.05〜5質量%、より好適には0.25〜2.5質量%である。
【0051】
なお、電荷輸送層4の膜厚は、実用的に有効な表面電位を維持するためには5〜60μmが好ましく、より好ましくは10〜40μmである。
【0052】
[電子写真感光体の製造方法]
感光体を製造するに際しては、上記電荷発生層および電荷輸送層を、浸漬塗工法を用いて製膜する。浸漬塗工法を用いることで、外観品質が良好で電気特性の安定した感光体を、低コストかつ高生産性を確保しつつ製造することができる。感光体を製造するに際して、浸漬塗工法を用いる以外の点については、特に制限はなく、常法に従い行うことができる。
【0053】
具体的には、まず、任意の電荷発生材料を、任意のバインダー樹脂等とともに溶媒中に溶解、分散させて電荷発生層の形成用塗布液を調製する。次に、この塗布液に導電性基体を浸漬し、導電性基体の外周に、電荷発生層用の塗布液を塗工し、乾燥させることにより、電荷発生層を形成する。電荷発生層の形成に先立って、所望に応じ中間層を形成してもよい。さらに、上記所定のバインダー樹脂、正孔輸送物質、電子輸送物質および酸化防止剤等を溶媒に溶解させて電荷輸送層の形成用塗布液を調製する。電荷発生層が形成された導電性基体をこの塗布液に浸漬し、上記電荷発生層上に電荷輸送層用の塗布液を塗工し、乾燥させることにより電荷輸送層を形成する。このようにして感光体を製造することができる。ここで、塗布液の調製に用いる溶媒の種類や、塗工条件、乾燥条件等については、常法に従い適宜選択することができ、特に制限されるものではない。
【0054】
[電子写真装置]
電子写真装置は、上記感光体と、上記感光体を帯電させる帯電手段(帯電要素)と、帯電された感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段(露光要素)と、感光体の表面に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像手段(現像要素)と、感光体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段(転写要素)と、記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段(定着要素)と、を備えるものである。
【0055】
一例として、図2に、本発明の電子写真装置の一例の概略構成図を示す。図示する電子写真装置20は、感光体21の外周縁部に配置された、帯電手段としての帯電ローラー22と、露光手段としての露光用レーザー光学系23と、現像手段としての現像器24と、転写手段としての転写ローラー25と、図示しない定着手段とを備えており、カラープリンタとすることもできる。また、図中の符号26は除電用光源を示し、27はクリーニングブレードを示し、28は用紙を示す。
【実施例】
【0056】
以下に、本発明を、実施例に基づいて詳細に説明する。本発明はその要旨を逸脱しない限り、これらの実施例の記載には限定されない。
【0057】
〔実施例1〕
P−ビニルフェノール樹脂(商品名マルカリンカーMH−2:丸善石油化学(株)製)15質量部と、N−ブチル化メラミン樹脂(商品名ユーバン2021:三井化学(株)製)10質量部と、アミノシラン処理を施した酸化チタン微粒子75質量部とを、メタノール/ブタノールの750/150質量部の混合溶媒に溶解または分散させて、中間層形成用塗布液を調製した。この中間層形成用塗布液に、外径30mm、長さ255mmのアルミニウム合金基体を浸漬し、その後引き上げて、基体の外周に塗膜を形成した。この基体を、温度140℃で30分間乾燥して、膜厚3μmの中間層を形成した。
【0058】
次に、電荷発生材料としての特開昭64−17066号公報あるいは米国特許第4898799号公報に記載のY型チタニルフタロシアニン15質量部、および、バインダー樹脂としてのポリビニルブチラール(エスレックB BX−1,積水化学工業(株)製)15質量部を、ジクロロメタン600質量部に、サンドミル分散機にて1時間分散させて、電荷発生層形成用塗布液を調製した。この電荷発生層形成用塗布液を、上記中間層上に浸積塗工した。この基体を温度80℃で30分間乾燥して、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0059】
次に、バインダー樹脂として、前記構造式(B−3)で示され、n/(m+n)=0.4であって、かつ、末端基が下記構造式(6)、
(6)
で示される基である質量平均分子量50,000の共重合ポリカーボネート樹脂140質量部、正孔輸送物質として前記構造式(H−23)で示される化合物60質量部、電子輸送物質として前記構造式(E−3)で示される化合物5質量部、および、酸化防止剤として前記構造式(4)で示される化合物5質量部を、テトラヒドロフラン900質量部に溶解した後、シリコーンオイル(KP‐340,信越ポリマー(株)製)を3質量部加えて、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。この電荷輸送層形成用塗布液を、上記電荷発生層上に浸漬塗工した。この基体を温度120℃で60分間乾燥して、膜厚30μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。
なお、このときのバインダー樹脂の質量(B)と正孔輸送物質の質量(H)との質量比H/(B+H)は30質量%であった。
【0060】
〔実施例2〜6、比較例1〜15〕
実施例1において、電荷輸送層のバインダー樹脂、正孔輸送物質、電子輸送物質および酸化防止剤の種類、並びに配合量を、下記の表1中に示すように変更した以外は、実施例1と同様の方法で、電子写真感光体を作製した。下記の表1中で使用した材料の構造式を以下に示す。また、表中の「部」は質量部を示す。
【0061】
【0062】
【表1】
【0063】
実施例1〜6および比較例1〜15において作製した電子写真感光体を用いて、以下に示す評価方法にて、それぞれ電気特性、3万枚印刷評価における摩耗量および印字濃度、繰り返し明部電位安定性、並びに、耐光性を評価した。
【0064】
[電気特性評価]
まず、露光から電位測定プローブまでの移動時間が67msになるように角度配置と感光体の回転速度を設定した感光体電気特性試験装置シンシア93FE(ジェンテック社製)を用いて、温度23℃、相対湿度50%の環境下で、スコロトロン帯電方式により印加電圧を調整して、感光体表面電位Voを−600Vに帯電させた。その後、ハロゲンランプを光源としバンドパスフィルターを用いて780nmに分光した単色光を用いて、露光量を可変しながら順次露光して、その時々の表面電位を測定し、得られた光減衰曲線からハーフトーン電位Vhが−300Vになるのに要する露光量を感度E1/2(μJ/cm)として求め、同様に、露光量0.6μJ/cmを照射したときの表面電位を明部電位Vr(−V)として求めた。
【0065】
[摩耗量評価]
初期の感光層膜厚を測定したのち、感光体をカラープリンターCLX−8640ND(SAMSUNG社製)に搭載して、温度23℃、相対湿度50%環境下で、A4横片面通紙で3万枚の印刷を行った。印刷評価終了後に再度、感光層膜厚を測定し、初期と印刷後との感光層膜厚差から摩耗量を求め、摩耗量3μm以下の場合を○、3μmを超え5μm以下の場合を△、5μmを超える場合を×として評価した。
【0066】
[印字濃度評価]
摩耗量と同時評価で、感光体をカラープリンターCLX−8640ND(SAMSUNG社製)に搭載して、温度23℃、相対湿度50%環境下で、A4横片面通紙で3万枚の印刷を行った後に、黒100%画像を出力して印字濃度を測定した。印字濃度1.3以上の場合を○、1.3を下回り1.2以上の場合を△、1.2を下回る場合を×として評価した。
【0067】
[繰り返し明部電位安定性評価]
電気特性評価と同じプロセス条件に設定した感光体電気特性試験装置シンシア93FE(ジェンテック社製)を用い、温度32℃、相対湿度80%の環境下で、帯電、露光および除電のプロセスを2,000回繰り返し行い、繰り返し前後の明部電位VLを測定して明部電位変化量ΔVLを求めた。明部電位変化量ΔVLが60V以下の場合を○、60Vを超え100V以下の場合を△、100Vを超える場合を×として評価した。
【0068】
[耐光性評価]
上記評価とは別の感光体をそれぞれ用いて、光を照射する部分に開口部を設けた黒紙で感光体を覆い、500lxの照度に調整した白色蛍光灯光を10分間照射し、光照射終了直後にカラープリンターCLX−8640ND(SAMSUNG社製)に搭載して黒45%ハーフトーン画像を出力して、光照射部と非照射部との印字濃度差を測定した。印字濃度差が0.03以下の場合を○、0.03を超え0.06以下の場合を△、0.06を超える場合を×として評価した。
【0069】
得られた結果を、下記の表2中に示す。
【0070】
【表2】
【0071】
上記の結果から、電荷輸送層が特定のバインダー樹脂、正孔輸送物質、電子輸送物質および酸化防止剤を含有し、かつ、バインダー樹脂(B)と正孔輸送物質(H)との質量比H/(B+H)について所定の条件を満足する各実施例の感光体においては、感度低下や残留電位上昇のような電子写真特性や耐光性への著しい悪影響を及ぼすことなく、優れた耐摩耗性が得られており、実使用において安定した印字品質を提供できることが確かめられた。
【0072】
これに対し、質量比H/(B+H)が35質量%を超えている比較例1、および、本発明における一般式(1)以外のバインダー樹脂(BD1、BD2、BD3)を使用した比較例3,4,5では、摩耗量が5μmを超えており、十分な耐刷寿命を有していない。また、質量比H/(B+H)が20質量%を下回る比較例2、本発明における一般式(2)以外の正孔輸送物質(HT1、HT2)を使用した比較例6,7、本発明における一般式(3)以外の電子輸送物質(ET1、ET2、ET3)を使用した比較例8,9,10、本発明における一般式(4)以外の酸化防止剤(AO1、AO2)を使用した比較例12,13、および、一般式(3)の電子輸送物質および一般式(4)の酸化防止剤のいずれか一方または両方を含有しない比較例11,14,15では、印字品質に悪影響を及ぼす電気特性における明部電位変化量ΔVLの増大や耐光性の著しい悪化が確認され、実際の印刷評価においても印字濃度低下が確認された。
【0073】
以上説明してきたように、本発明によれば、特定のバインダー樹脂、正孔輸送物質、電子輸送物質および酸化防止剤を用いるとともに、バインダー樹脂(B)と正孔輸送物質(H)との質量比について所定の条件を満足するものとしたことで、電荷輸送層上に表面保護層を設けなくても、高感度を維持しながら耐摩耗性に優れ、かつ繰り返し安定性および耐光性に優れ、さらに量産性にも優れた電子写真感光体および画像形成装置を安価に提供することが可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 導電性基体
2 中間層
3 電荷発生層
4 電荷輸送層
10,21 電子写真感光体
20 電子写真装置
22 帯電ローラー
23 露光用レーザー光学系
24 現像器
25 転写ローラー
26 除電用光源
27 クリーニングブレード
28 用紙
図1
図2