(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
移動体の照度情報を取得する取得装置から前記照度情報を受け取る入力部と、表示媒体に表示されたときに提示画像を表す第1所定画像を生成させる第1制御信号を画像生成部に出力する制御部と、を含む表示システムにおける表示制御装置において実行される表示制御プログラムであって、
前記入力部は、さらに、前記移動体の乗員の視線を検知する検知装置から前記視線の情報を受け取り、
前記表示制御装置のコンピュータに対して、
前記照度情報に基づいて前記提示画像の輝度を低下させるときであり、かつ、前記表示媒体上における前記提示画像の位置が前記視線から所定角度の範囲内に含まれている場合、表示色において青色成分が低下するように色相が変更された前記提示画像を表す第2所定画像を生成させる第2制御信号を前記画像生成部に出力する処理を実行させる、
表示制御プログラム。
表示媒体に表される提示画像の輝度低下の指示情報を受け取る入力部と、前記表示媒体に表示されたときに提示画像を表す第1所定画像を生成させる第1制御信号を画像生成部に出力する制御部と、を含む表示システムにおける表示制御装置において実行される表示制御プログラムであって、
前記入力部は、さらに、移動体の乗員の視線を検知する検知装置から前記視線の情報を受け取り、
前記表示制御装置のコンピュータに対して、
前記入力部が前記指示情報を受け取ったときであり、かつ、前記表示媒体上における前記提示画像の位置が前記視線から所定角度の範囲内に含まれている場合、表示色において青色成分が低下するように色相が変更された前記提示画像を表す第2所定画像を生成させる第2制御信号を前記画像生成部に出力する処理を実行させる、
表示制御プログラム。
移動体の前方の照度を認識するセンサから認識結果を受け取る入力部と、表示媒体に表示されたときに提示画像を表す第1所定画像を生成させる第1制御信号を画像生成部に出力する制御部と、を含む表示システムにおける表示制御装置において実行される表示制御プログラムであって、
前記入力部は、さらに、前記移動体の乗員の視線を検知する検知装置から前記視線の情報を受け取り、
前記表示制御装置のコンピュータに対して、
前記前方の照度に基づいて前記提示画像の輝度を低下させるときであり、かつ、前記認識結果が所定閾値以上である場合であり、かつ、前記表示媒体上における前記提示画像の位置が前記視線から所定角度の範囲内に含まれている場合、表示色において青色成分が低下するように色相が変更された前記提示画像を表す第2所定画像を生成させる第2制御信号を前記画像生成部に出力する処理を実行させる、
表示制御プログラム。
移動体の照度情報を取得する取得装置から前記照度情報を受け取る入力部と、表示媒体に表示されたときに提示画像を表す第1所定画像を生成させる第1制御信号を画像生成部に出力する制御部と、を含む表示システムにおける表示制御装置において実行される表示制御プログラムであって、
前記入力部は、さらに、前記移動体の乗員の年齢を認識する年齢認識装置から年齢の情報を受け取り、
前記表示制御装置のコンピュータに対して、
前記照度情報に基づいて前記提示画像の輝度を低下させるときであり、かつ、前記移動体の乗員の年齢が第3閾値以上である場合、表示色において青色成分が低下するように色相が変更された前記提示画像を表す第2所定画像を生成させる第2制御信号を前記画像生成部に出力する処理を実行させる、
表示制御プログラム。
移動体の照度情報を取得する取得装置から前記照度情報を受け取る入力部と、表示媒体に表示されたときに提示画像を表す第1所定画像を生成させる第1制御信号を画像生成部に出力する制御部と、を含む表示システムにおける表示制御装置において実行される表示制御プログラムであって、
前記表示制御装置のコンピュータに対して、
前記制御部は、前記照度情報に基づいて前記提示画像の輝度を低下させるときであり、かつ、前記提示画像が示す内容が、第1種別と前記第1種別と異なる第2種別とのうち前記第1種別に属するとき、表示色において青色成分が低下するように色相が変更された前記提示画像を表す第2所定画像を生成させる第2制御信号を前記画像生成部に出力する処理を実行させ、
前記第1種別は、前記移動体の操縦を支援する内容である、
表示制御プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(発明に至った知見)
特許文献1の技術では、表示による煩わしさを低減することを目的に、車両周辺の明るさまたはユーザの操作によって画像の輝度が変更される際、色相を変化させることで画像の視認性が低下する恐れがある。特に、青色成分を多く含む寒色系の色相で表示が行われている際に画像の輝度が低下すると、画像の視認性が低下する恐れがある。
【0018】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について、図面を参照して説明する。
【0019】
まず、
図1を用いて、本実施の形態に係る表示システム10の構成例について説明する。
図1は、本実施の形態に係る表示システム10の構成例を示すブロック図である。
【0020】
表示システム10は、例えば、車両等の移動体において用いられる。すなわち、表示システム10は、車載機器であってもよいし、車両に持ち込まれる機器であってもよい。なお、本実施の形態では、表示システム10が車両に適用される場合を例に挙げて説明するが、移動体は、車両に限定されず、船舶、航空機等であってもよい。また、本実施の形態では、ユーザが車両の乗員(例えば、運転者、同乗者)である場合を例に挙げて説明するが、その限りではない。
【0021】
図1において、表示システム10は、取得装置100、表示制御装置200、画像生成部300、表示部(投影部)400を有する。なお、表示制御装置200に画像生成部300を含めた構成を「投影装置」と呼んでもよい。また、投影装置は、表示部400を含んでもよい。
【0022】
以下、表示システム10の各構成要素について説明する。
【0023】
まず、取得装置100について説明する。
【0024】
取得装置100は、車両の環境情報を取得する装置である。取得装置100は、例えば、車両の内部に備えられ、照度を計測する照度センサ(第1センサの一例)である。環境情報は、例えば、照度センサにより計測された照度を示す情報である。この照度センサにより計測される照度は、例えば、車室内の照度(以下、車内照度という)である。
【0025】
取得装置100は、取得した環境情報を表示制御装置200の入力部201へ出力する。なお、取得装置100は、環境情報を、随時出力してもよいし、環境(例えば、車内照度)の変化があったときのみ出力してもよい。
【0026】
以上、取得装置100について説明した。
【0027】
次に、表示制御装置200について説明する。
【0028】
図1に示すように、表示制御装置200は、入力部201および制御部202を有する。
【0029】
入力部201は、取得装置100から環境情報を受け取り、その環境情報を制御部202へ出力する。
【0030】
なお、入力部201は、コネクタ、入力端子等の部品であってもよいし、ソフトウェア上のプログラムで実現された機能部であってもよい。また、入力部201と取得装置100との接続は有線接続であっても、無線接続であってもよい。
【0031】
制御部202は、表示媒体(図示略)に表示されたときに提示画像を表す所定画像を生成させる画像制御信号を画像生成部300に出力する。
【0032】
ここで、画像制御信号は、画像生成部300を制御するための信号であり、例えば、表示する提示画像の情報、その提示画像の設定内容(例えば、表示色の色相、大きさ、形状、表示位置など)の情報を含む。
【0033】
また、提示画像は、表示媒体に表示されたときに車両の乗員に視認される画像である。提示画像は、例えば、車両の速度、車両の燃料の残量、車両の走行距離、車両の現在位置、現在地から目的地までの距離などを示す画像である。また、提示画像は、例えば、運転者の状態(例えば、眠気レベル)、車両内で視聴されているラジオ/テレビの局名または番組名、車両内で再生されているコンテンツ(例えば、音楽のアーティスト名または曲名)、車両内における電子メールまたはSNS(Social Networking Service)等のメッセージの受信状態などを示す画像であってもよい。さらに、提示画像は、例えば、天候、発生中の渋滞、発生中の事故、実行中の規制、駐車場の空き状況、道路の区間の制限速度または道のり、車両周辺に存在する対象物(例えば、他の車両、歩行者、施設、建物、信号機、道路標識など)の種別または名称、車両と対象物との間の距離、車両と対象物との位置関係などを示す画像であってもよい。
【0034】
上記画像制御信号には、以下の第1画像制御信号、第2画像制御信号がある。
【0035】
第1画像制御信号は、表示媒体に表示されたときにデフォルトの表示色の提示画像を表す所定画像(第1所定画像の一例)を画像生成部300に生成させる制御信号である。例えば、制御部202は、所定の提示画像の表示を開始する場合、第1画像制御信号を画像生成部300に出力する。または、例えば、制御部202は、所定の提示画像の表示中に、入力部201から受け取った環境情報に基づいて提示画像の輝度をデフォルトの輝度よりも低下させる必要がなく、かつ、提示画像の表示色において青色成分がデフォルトの色相よりも低下している場合、第1画像制御信号を画像生成部300に出力する。換言すると、提示画像の表示色において青色成分がデフォルトの色よりも低下しており、かつ、入力部201から受け取った環境情報に基づいて提示画像の輝度をデフォルトの輝度よりも低下させる必要がなくなった場合に、第1画像制御信号を画像生成部300に出力する。
【0036】
第2画像制御信号は、提示画像の表示色において青色成分がデフォルトの色相よりも低下するように変更された提示画像を表す所定画像(第2所定画像の一例)を生成させる制御信号である。例えば、制御部202は、所定の提示画像の表示中に、入力部201から受け取った環境情報に基づいて提示画像の輝度をデフォルトの輝度よりも低下させる必要がある場合、第2画像制御信号を画像生成部300に出力する。
【0037】
また、制御部202は、表示媒体における提示画像の輝度(単に、表示媒体の輝度と言ってもよい)の輝度を変更させる輝度制御信号を表示媒体に出力する。
【0038】
ここで、輝度制御信号は、表示媒体の輝度を制御するための信号であり、例えば、輝度値などの情報を含む。
【0039】
上記輝度制御信号には、以下の輝度低下制御信号、輝度増加制御信号がある。
【0040】
輝度低下制御信号は、表示媒体の輝度をデフォルトの輝度よりも低下させる制御信号である。例えば、制御部202は、所定の提示画像の表示中に、入力部201から受け取った環境情報に基づいて提示画像の輝度をデフォルトの輝度よりも低下させる必要がある場合、輝度低下制御信号を表示媒体に出力する。
【0041】
輝度増加制御信号は、輝度低下制御信号に基づく制御により低下した表示媒体の輝度を増加させる制御信号である。例えば、制御部202は、所定の提示画像の表示中に、入力部201から受け取った環境情報に基づいて提示画像の輝度をデフォルトの輝度よりも低下させる必要がない場合、輝度増加制御信号を表示媒体に出力する。
【0042】
なお、制御部202は、上述した画像制御信号、輝度制御信号の出力処理以外にも各種処理を行うが、それらの詳細については、
図2を用いて後述する。
【0043】
以上、表示制御装置200について説明した。
【0044】
次に、画像生成部300について説明する。
【0045】
画像生成部300は、制御部202から受け取った第1画像制御信号または第2画像制御信号に基づいて所定画像を生成し、生成した所定画像を表示部400へ出力する。
【0046】
ここで、所定画像とは、表示媒体に表示されたときに提示画像を表す画像であってもよいし、表示媒体に表示されたときに提示画像を表す画像データであってもよい。例えば、表示システム10がヘッドアップディスプレイ(HUD)・システムであり、表示部400が投影機能を有する場合、画像生成部300は画像を生成する。一方、例えば、表示システム10が透過型ディスプレイ・システムであり、表示部400が投影機能を有しない場合、画像生成部300は画像データを生成する。
【0047】
以上、画像生成部300について説明した。
【0048】
次に、表示部400について説明する。
【0049】
表示部400は、画像生成部300により生成された所定画像を表示媒体に出力する。これにより、提示画像は、表示媒体に表示され、車両の乗員に視認される。
【0050】
例えば、表示システム10がヘッドアップディスプレイ(HUD)・システムである場合、表示部400は投影機能を有し、画像生成部300により生成された画像を、ディスプレイ(表示媒体の一例)へ直接投射する。これにより、車両の乗員は、提示画像を虚像として視認することができる。このとき、提示画像は、乗員の視界に重畳されるようにディスプレイに投影されてもよい。なお、ディスプレイに投影された提示画像が虚像として乗員に視認される原理は、公知技術であるため、説明を省略する。
【0051】
ディスプレイは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、HUD(Head‐Up Display)、HMD(Head‐Mounted DisplayまたはHelmet‐Mounted Display)、眼鏡型ディスプレイ(Smart Glasses)、ナビゲーション用ディスプレイ、メータディスプレイ、その他の専用のディスプレイなどであってもよい。HUDは、例えば、車両のウインドシールドであってもよいし、別途設けられる透明なガラス面、透明なプラスチック面など(例えば、
図11に示すコンバイナ801)であってもよい。また、ウインドシールドは、例えば、フロントガラスであってもよいし、車両のサイドガラスまたはリアガラスであってもよい。
【0052】
また、例えば、表示部400は、デジタル・ミラーのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイス(画像生成部300の一例)によって生成された画像を、レンズに投射する機能を有してもよい。MEMSデバイスによって描画された画像は、空間に投射された画像であって、車両の乗員が直接的に視認できるものではない。かかる場合、表示部400は、MEMSデバイスによって描画された画像を投射するレンズに相当する。レンズを介して投射された提示画像は、虚像として車両の乗員に視認される。なお、表示部400は、レンズのほか、反射ミラーを含む構成であってもよい。
【0053】
一方、例えば、表示システム10が透過型ディスプレイ・システムである場合、表示部400は、画像生成部300により生成された画像データを、光を透過する透過型ディスプレイ(表示媒体の一例)へ出力する。これにより、車両の乗員は、背景を視認すると同時に、透過型ディスプレイにおいて提示画像を視認することができる。なお、透過型ディスプレイに入力された画像データが提示画像として表示される原理については、公知技術であるため、説明を省略する。
【0054】
透過型ディスプレイは、例えば、透過型の有機ELディスプレイ、または、特定の波長の光を照射した際に発光するガラスを用いた透明なディスプレイであってもよい。
【0055】
なお、表示媒体は、ホログラムであってもよい。ホログラムを用いる場合、導光板の内部全反射条件を満たす平行光束群を内部全反射して導光する導光板を用いて、導光板を内部全反射して導光される平行光束群の一部を射出することで乗員に虚像を視認させる方式でもよい。なお、導光板を用いた方式においては、プロジェクタのように画像データを直接的に投影するものではないが、説明の便宜上、プロジェクタ方式と同様に投射という定義で説明する。
【0056】
また、所定画像と、提示画像とは理想的には同じものである。表示媒体の湾曲の程度等の条件によって多少異なるが、実質的には同じものである。所定画像は画像生成部300が生成し、提示画像は表示媒体に表示される。
【0057】
以上、表示部400について説明した。
【0058】
なお、表示制御システム10は、表示媒体(例えば、上述したディスプレイのいずれか)を含む構成であってもよい。
【0059】
また、上述した所定画像(画像または画像データ)は、画像生成部300ではなく、表示制御装置200または図示しない他の構成要素によって生成され、表示部400へ出力されてもよい。
【0060】
以上、
図1を用いて、表示システム10の各構成要素について説明した。
【0061】
次に、
図2を用いて、表示制御装置200の動作例について説明する。
図2は、表示制御装置200の動作例を示すフローチャートである。
【0062】
ステップS101において、制御部202は、表示を開始する提示画像を決定する。ここで決定される提示画像には、色相、大きさ、形状、表示位置などについてデフォルトの設定がなされている。
【0063】
ステップS102において、制御部202は、画像制御信号を画像生成部300に出力する。例えば、所定の提示画像の表示を開始する場合、制御部202は、第1画像制御信号を画像生成部300に出力する。この第1画像制御信号には、決定した提示画像の情報、その提示画像のデフォルトの設定の内容(例えば、色相、大きさ、形状、表示位置など)の情報が含まれる。
【0064】
第1画像制御信号を受け取った画像生成部300は、その第1画像制御信号に基づいて提示画像を表す所定画像(以下、第1所定画像という)を生成し、その第1所定画像を表示部400に出力する。表示部400は、画像生成部300により生成された第1所定画像を表示媒体に出力する。これにより、提示画像は、デフォルトの色相で表示媒体に表示され、車両の乗員に視認される。
【0065】
なお、所定の提示画像の表示を開始する場合以外のステップS102の処理については、後述する。
【0066】
ステップS103において、制御部202は、提示画像の表示が継続しているか否かを判定する。例えば、第1画像制御信号または第2画像制御信号のいずれかを画像生成部300に出力した場合、制御部202は、提示画像の表示が継続していると判定する。一方、例えば、提示画像の表示中に提示画像の表示を終了させる表示終了制御信号を画像生成部300に出力した場合、提示画像の表示が継続していないと判定する。
【0067】
提示画像の表示が継続していないと判定した場合(ステップS103:NO)、フローは終了する。一方、提示画像の表示が継続していると判定した場合(ステップS103:YES)、フローはステップS104へ進む。
【0068】
ステップS104において、制御部202は、環境変化を示す環境情報を入力部201から受け取ったか否かを判定する。ここで、環境情報とは、例えば、車内照度を示す情報であり、環境変化とは、車内照度の低下または増加である。
【0069】
環境変化を示す環境情報を受け取っていないと判定した場合(ステップS104:NO)、フローはステップS102へ戻る。そして、ステップS102において、制御部202は、前回出力したものと同じ種類の画像制御信号を画像生成部300に出力する。例えば、前回第1画像制御信号が出力された場合には第1画像制御信号が出力され、前回第2画像制御信号が出力された場合には第2画像制御信号が出力される。
【0070】
環境変化を示す環境情報を受け取ったと判定した場合(ステップS104:YES)、フローはステップS105へ進む。
【0071】
ステップS105において、制御部202は、環境情報に基づいて提示画像の輝度をデフォルトの輝度よりも低下させる必要があるか否かを判定する。例えば、車内照度が予め定められた閾値(第1閾値の一例)以下である場合、制御部202は、提示画像の輝度をデフォルトの輝度よりも低下させる必要があると判定する。一方、例えば、車内照度が予め定められた閾値より大きい場合、制御部202は、提示画像の輝度をデフォルトの輝度よりも低下させる必要がないと判定する。
【0072】
提示画像の輝度をデフォルトの輝度よりも低下させる必要があると判定した場合(ステップS105:YES)、フローはステップS106へ進む。一方、提示画像の輝度をデフォルトの輝度よりも低下させる必要がないと判定した場合(ステップS105:NO)、フローはステップS107へ進む。
【0073】
ステップS106において、制御部202は、提示画像の輝度と提示画像の色相を設定する。例えば、制御部202は、表示媒体のバックライトの輝度をデフォルトの輝度よりも低下するように輝度値を変更する設定を行う。さらに、例えば、制御部202は、提示画像の表示色において青色成分がデフォルトの色相よりも低下するように色相を変更する設定を行う。
【0074】
ここで、
図3を用いて、色相を変更する設定の具体例について説明する。
図3は、色相を変更する設定に用いられる色相環の一例を示す図である。
【0075】
図3に示す色相環は、PCCS(日本色研配色体系:Practical Color Co-ordinate System)の色相環である(http://www.sikiken.co.jp/pccs/pccs02.html参照)。まず、制御部202は、所定の記憶装置(図示略)から、
図3に示した色相環の情報を読み出す。ここで、例えば、提示画像のデフォルトの色相が青(
図3の19)であるとする。次に、制御部202は、変更後の色相を、
図3に示した色相環において、青(18)を基準として青色成分が低下する方向(
図3の反時計回りの矢印が示す方向)にある所定の色相(例えば、緑(
図3の12))に決定する。なお、ここでは、青から青色成分が低下した色相の例を緑としたが、これに限定されない。
【0076】
なお、色相を変更する設定に用いられる色相環は、
図3に示した24色相環に限定されず、その他の色相環であってもよい。
【0077】
以上、色相を変更する設定の具体例について説明した。以下、
図2のフローの説明に戻る。
【0078】
ステップS106の処理の後、フローはステップS102へ戻る。そして、ステップS102において、制御部202は、第2画像制御信号を画像生成部300に出力する。この第2画像制御信号には、少なくとも変更後の色相(デフォルトの色相から青色成分が低下した色相)を示す情報が含まれる。なお、第2画像制御信号には、提示画像の形状、大きさ、表示位置などの情報が含まれてもよい。また、ステップS102において、制御部202は、輝度低下制御信号を表示媒体へ出力する。この輝度低下制御信号には、変更後の輝度値を示す情報が含まれる。
【0079】
輝度低下制御信号を受け取った表示媒体では、その輝度低下制御信号に基づく制御によりデフォルトの輝度よりも輝度が低下する。また、第2画像制御信号を受け取った画像生成部300は、その第2画像制御信号に基づいて所定画像(以下、第2所定画像という)を生成し、その第2所定画像を表示部400に出力する。表示部400は、画像生成部300により生成された第2所定画像を表示媒体に出力する。これにより、提示画像は、変更後の色相(デフォルトの色相から青色成分が低下した色相)で表示媒体に表示され、車両の乗員に視認される。
【0080】
ステップS107において、制御部202は、表示が継続している提示画像の色相において青色成分が低下しているか否かを判定する。言い換えれば、制御部202は、前回第2画像制御信号を画像生成部300に出力したか否かを判定する。
【0081】
青色成分が低下していないと判定した場合(ステップS107:NO)、フローはステップS102へ戻る。そして、ステップS102において、制御部202は、前回の出力と同様に第1画像制御信号を画像生成部300に出力する。
【0082】
一方、青色成分が低下していると判定した場合(ステップS107:YES)、フローはステップS108へ進む。
【0083】
ステップS108において、制御部202は、提示画像の輝度と提示画像の色相を設定する。例えば、制御部202は、表示媒体のバックライトの輝度をデフォルトの輝度よりも増加するように輝度値を変更する設定を行う。言い換えれば、制御部202は、輝度低下制御信号により低下させたバックライトの輝度値を元に戻す設定を行う。さらに、例えば、制御部202は、提示画像の表示色において青色成分がデフォルトの色相よりも増加するように色相を変更する設定を行う。言い換えれば、制御部202は、第2画像制御信号により低下させた青色成分を元に戻す設定を行う。例えば、第2画像制御信号により提示画像の色相が緑(
図3の12)である場合、制御部202は、提示画像の色相を、デフォルトの色相である青(
図3の19)に設定する。
【0084】
ステップS108の処理の後、フローはステップS102へ戻る。そして、ステップS102において、制御部202は、第1画像制御信号を画像生成部300に出力する。この第1画像制御信号には、少なくとも変更後の色相(例えば、デフォルトの色相)を示す情報が含まれる。なお、第1画像制御信号には、提示画像の形状、大きさ、表示位置などの情報が含まれてもよい。また、ステップS102において、制御部202は、輝度増加制御信号を表示媒体へ出力する。この輝度増加制御信号には、変更後の輝度値(例えば、元の輝度値)を示す情報が含まれる。
【0085】
輝度増加制御信号を受け取った表示媒体では、その輝度増加制御信号に基づく制御により、輝度低下制御信号に基づく制御により低下していた輝度が増加する。また、第1画像制御信号を受け取った画像生成部300は、その第1画像制御信号に基づいて第1所定画像を生成し、その第1所定画像を表示部400に出力する。表示部400は、画像生成部300により生成された第1所定画像を表示媒体に出力する。これにより、提示画像は、変更後の色相(例えば、デフォルトの色相)で表示媒体に表示され、車両の乗員に視認される。
【0086】
以上、表示制御装置200の動作例について説明した。
【0087】
以上説明したように、本実施の形態の表示制御装置200は、車両の環境情報を取得する取得装置100から環境情報を受け取る入力部201と、表示媒体に表示されたときに提示画像を表す第1所定画像を生成させる第1制御信号を画像生成部300に出力する制御部202と、を備え、制御部202は、環境情報に基づいて提示画像の輝度を低下させるとき、表示色において青色成分が低下するように色相が変更された提示画像を表す第2所定画像を生成させる第2制御信号を画像生成部300に出力することを特徴とする。これにより、提示画像の輝度の低下による提示画像の視認性の低下を低減できる。
【0088】
以上、本発明の実施の形態1について説明したが、本発明は上記実施の形態1に限定されず、種々の変形が可能である。以下、変形例について説明する。
【0089】
(変形例1)
実施の形態1において、制御部202は、青色成分が低下した色相を設定する場合、表示媒体の輝度に応じて、色相を設定してもよい。この具体例について
図4を用いて説明する。
図4は、色相の設定に用いられるテーブルの例を示す図である。
【0090】
図4に示すテーブルには、表示媒体の輝度と、色相変化量とが対応付けて登録されている。なお、
図4に示す「デフォルト設定」とは、例えば、色相変化量がゼロであることを意味している。
図4のテーブルは、例えば、所定の記憶装置に記憶されている。
【0091】
例えば、制御部202は、
図2のステップS106の処理において、青色成分が低下した色相を設定する際、まず、所定の記憶装置から、
図3の色相環の情報とともに
図4のテーブルを読み出す。次に、制御部202は、現在設定されている表示媒体の輝度(例えば、制御部202が既知であるとする)に対応する色相変化量を決定する。次に、制御部202は、
図3の色相環において、提示画像の色相を、現在の提示画像の色相(例えば、デフォルトの色相)を基準として青色成分が低下する方向(
図3の反時計回りの矢印が示す方向)へ、決定した色相変化量分ずらした位置にある色相に決定する。
【0092】
例えば、現在設定されている表示媒体の輝度が2であり、現在の提示画像の色相が青(
図3の19)である場合、制御部202は、変更後の提示画像の色相を青(
図3の17)に決定し、その決定結果の情報を含む第2画像制御信号を画像生成部300に出力する。
【0093】
本変形例によれば、提示画像の輝度に合わせて提示画像の色相の青色成分の変化量を調整することができ、より提示画像の視認性を向上させることができる。
【0094】
(変形例2)
実施の形態1では、環境情報の一例として車内照度を示す情報を用いる場合を例に挙げて説明したが、車内照度に加えて、さらに、車両の前方の照度(以下、前方照度という)を用いてもよい。この具体例について以下に説明する。
【0095】
本変形例の構成は、
図1に示した構成と同じである。ただし、取得装置100は、車両の内部に備えられ、車内照度を計測する照度センサ(第1センサの一例)と、前方照度を認識する照度センサ(第2センサの一例)を有する。よって、本変形例では、取得装置100は、環境情報として、車内照度を示す情報と、前方照度を示す情報とを入力部201へ出力する。そして、入力部201は、車内照度を示す情報と、前方照度を示す情報とを制御部202へ出力する。
【0096】
以下、本変形例に係る表示制御装置200の動作例について
図5を用いて説明する。
図5は、本変形例に係る表示制御装置200の動作例を示すフローチャートである。なお、
図5において、
図2と同じ処理には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0097】
ステップS201において、制御部202は、車内照度の変化(低下または増加)を示す情報と前方照度の変化(低下または増加)を示す情報を入力部201から受け取ったか否かを判定する。
【0098】
車内照度の変化を示す情報と前方照度の変化を示す情報を受け取っていないと判定した場合(ステップS201:NO)、フローはステップS102へ戻る。一方、車内照度の変化を示す情報と前方照度の変化を示す情報を受け取ったと判定した場合(ステップS201:YES)、フローはステップS202へ進む。
【0099】
ステップS202において、制御部202は、環境情報に基づいて提示画像の輝度をデフォルトの輝度よりも低下させる必要があるか否かを判定する。例えば、制御部202は、車内照度が予め定められた第1閾値以下であり、かつ、前方照度が予め定められた第2閾値(第1閾値と異なる値)以下であるか否かを判定する。
【0100】
車内照度が第1閾値以下でない、または、前方照度が第2閾値以下でないと判定した場合(ステップS202:NO)、フローはステップS107へ進む。一方、車内照度が第1閾値以下であり、かつ、前方照度が第2閾値以下であると判定した場合(ステップS202:YES)、フローはステップS106へ進む。
【0101】
なお、本変形例で説明した、前方照度を認識する照度センサは、例えば、車両の前方の画像を取得し、その画像に基づいて前方照度を認識する画像センサであってもよい。
【0102】
車内照度が暗くて前方路面部分などの前方照度が明るい場合、その後の走行により車内照度も回復する。このような場合、車内照度だけに基づいて提示画像の輝度と提示画像の色相の制御を行うと、提示画像の表示の切り替えが短時間に行われることになり、車両の乗員に視覚的な煩わしさを与える可能性も考えられる。本変形例によれば、車内照度と前方照度の両方が低下しているときに、提示画像の輝度と提示画像の色相の青色成分とを低下させることができるので、車両の乗員に視覚的な煩わしさを与えることがない。
【0103】
(変形例3)
実施の形態1において、車内照度を示す情報に加えて、さらに、車両の乗員の視線の情報を用いてもよい。この具体例について以下に説明する。
【0104】
まず、
図6を用いて、本変形例に係る表示システム11の構成例について説明する。
図6は、本変形例に係る表示システム11の構成例を示すブロック図である。なお、
図6において、
図1と同じ構成要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0105】
図6に示すように、表示システム11は、
図1に示した構成に加えて、さらに、検知装置500を有する。
【0106】
検知装置500は、例えば、ドライバモニタであり、車両の乗員の視線を検知し、検知した視線の方向を示す情報(以下、視線情報という)を入力部201へ出力する。
【0107】
また、取得装置100は、例えば、車両の内部に備えられ、車内照度を計測する照度センサ(第1センサの一例)であり、環境情報として、車内照度を示す情報を入力部201へ出力する。
【0108】
入力部201は、検知装置500から受け取った視線情報と、取得装置100から受け取った車内照度を示す情報とを、制御部202へ出力する。
【0109】
制御部202は、入力部201から受け取った視線情報および車内照度を示す情報に基づいて、提示画像の輝度を低下させる必要があるか否かを判定する。この判定処理の詳細は、
図7を用いて説明する。
【0110】
次に、
図7を用いて、本変形例に係る表示制御装置200の動作例について説明する。
図7は、本変形例に係る表示制御装置200の動作例を示すフローチャートである。なお、
図7において、
図2と同じ処理には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0111】
ステップS301において、制御部202は、車内照度の変化(低下または増加)を示す情報を入力部201から受け取ったか否かを判定する。
【0112】
車内照度の変化を示す情報を受け取っていないと判定した場合(ステップS301:NO)、フローはステップS102へ戻る。一方、車内照度の変化を示す情報を受け取ったと判定した場合(ステップS301:YES)、フローはステップS302へ進む。
【0113】
ステップS302において、入力部201は、検知装置500から視線情報を受け取り、その視線情報を制御部202へ出力する。
【0114】
ステップS303において、制御部202は、環境情報に基づいて提示画像の輝度をデフォルトの輝度よりも低下させる必要があるか否かを判定する。例えば、制御部202は、車内照度が予め定められた第1閾値以下であり、かつ、視線情報に示される視線の方向から所定角度の範囲内に提示画像の位置が含まれているか否かを判定する。
【0115】
ここで、所定角度の範囲とは、例えば、中心視野の範囲である。中心視野は、例えば、解像視力の観点では視角2度(中心窩から半径1度の範囲)程度(例えば、L.L.Sloan、“The photopic acuity-luminance function with special reference to parafoveal vision”、Vision Research、1968年、p.901-911参照)、網膜構造の観点では視角5度範囲(例えば、M.Mishkin、L.Ungerleider、“Contribution of striate inputs to the visuospatial functions of parieto-preoccipital cortex in monkeys”、Behav Brain Res、1982年、p.57-77参照)、また、視覚皮質に関する神経解剖学の分類では視角7度の範囲内(例えば、日本視覚学会(編)、“視覚情報ハンドブック”、朝倉書店、2000年参照)、とそれぞれ定義されている。なお、中心視野の定義は、これらに限定されるものではない。
【0116】
車内照度が第1閾値以下でない、または、視線情報に示される視線の方向から所定角度の範囲内に提示画像の位置が含まれていないと判定した場合(ステップS303:NO)、フローはステップS107へ進む。一方、車内照度が第1閾値以下であり、かつ、視線情報に示される視線の方向から所定角度の範囲内に提示画像の位置が含まれていると判定した場合(ステップS303:YES)、フローはステップS106へ進む。
【0117】
なお、
図7のフローチャートでは、ステップS302の処理は、ステップS301とステップS303の間に行われる場合を例に挙げて説明したが、ステップS301より前の任意のタイミングで行われてもよい。
【0118】
本変形例によれば、車両の乗員の視線が中心視野から外れたときに、提示画像の輝度と提示画像の色相の青色成分とを低下させることができるので、より提示画像の視認性を向上させることができる。
【0119】
(変形例4)
実施の形態1において、車内照度を示す情報に加えて、さらに、車両の乗員の年齢の情報を用いてもよい。この具体例について以下に説明する。
【0120】
まず、
図8を用いて、本変形例に係る表示システム12の構成例について説明する。
図8は、本変形例に係る表示システム12の構成例を示すブロック図である。なお、
図8において、
図1と同じ構成要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0121】
図8に示すように、表示システム12は、
図1に示した構成に加えて、さらに、年齢認識装置600を有する。
【0122】
年齢認識装置600は、車両の乗員の年齢を認識し、認識した年齢を示す情報(以下、年齢情報という)を入力部201へ出力する。年齢認識装置600は、例えば、車両の乗員の顔画像に基づいてその乗員の年齢を認識してもよいし、または、外部装置(例えば、スマートフォン等)から取得した車両の乗員のID情報に基づいてその乗員の年齢を認識してもよい。
【0123】
また、取得装置100は、例えば、車両の内部に備えられ、車内照度を計測する照度センサ(第1センサの一例)であり、環境情報として、車内照度を示す情報を入力部201へ出力する。
【0124】
入力部201は、年齢認識装置600から受け取った年齢情報と、取得装置100から受け取った車内照度を示す情報とを、制御部202へ出力する。
【0125】
制御部202は、入力部201から受け取った年齢情報および車内照度を示す情報に基づいて、提示画像の輝度を低下させる必要があるか否かを判定する。この判定処理の詳細は、
図9を用いて説明する。
【0126】
次に、
図9を用いて、本変形例に係る表示制御装置200の動作例について説明する。
図9は、本変形例に係る表示制御装置200の動作例を示すフローチャートである。なお、
図9において、
図2と同じ処理には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0127】
ステップS401において、制御部202は、車内照度の変化(低下または増加)を示す情報を入力部201から受け取ったか否かを判定する。
【0128】
車内照度の変化を示す情報を受け取っていないと判定した場合(ステップS401:NO)、フローはステップS102へ戻る。一方、車内照度の変化を示す情報を受け取ったと判定した場合(ステップS401:YES)、フローはステップS402へ進む。
【0129】
ステップS402において、入力部201は、年齢認識装置600から年齢情報を受け取り、その年齢情報を制御部202へ出力する。
【0130】
ステップS403において、制御部202は、環境情報に基づいて提示画像の輝度をデフォルトの輝度よりも低下させる必要があるか否かを判定する。例えば、制御部202は、車内照度が予め定められた第1閾値以下であり、かつ、年齢認識に示される年齢が予め定められた閾値(第3閾値の一例)以上であるか否かを判定する。
【0131】
車内照度が第1閾値以下ではない、または、年齢が第3閾値以上ではないと判定した場合(ステップS403:NO)、フローはステップS107へ進む。一方、車内照度が第1閾値以下であり、かつ、年齢が第3閾値以上であると判定した場合(ステップS403:YES)、フローはステップS106へ進む。
【0132】
なお、
図9のフローチャートでは、ステップS402の処理は、ステップS401とステップS403の間に行われる場合を例に挙げて説明したが、ステップS401より前の任意のタイミングで行われてもよい。
【0133】
高齢者は若年層に比べて提示画像を視認しにくい場合がある。本変形例によれば、車両の乗員が高齢者であるときに、提示画像の輝度と提示画像の色相の青色成分とを低下させることができるので、高齢者に対して提示画像の視認性を向上させることができる。また、車両の乗員が若年層である場合には、提示画像の輝度と提示画像の色相の青色成分とを低下させないので、若年層に対しては、提示画像の表示の切り替えによる視覚的な煩わしさを与える可能性がない。
【0134】
(変形例5)
実施の形態1において、車内照度を示す情報に加えて、さらに、提示画像の内容の情報を用いてもよい。この具体例について以下に説明する。
【0135】
本変形例の構成は、
図1に示した構成と同じであるので、その説明は省略する。
【0136】
次に、
図10を用いて、本変形例に係る表示制御装置200の動作例について説明する。
図10は、本変形例に係る表示制御装置200の動作例を示すフローチャートである。なお、
図10において、
図2と同じ処理には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0137】
ステップS501において、制御部202は、車内照度の変化(低下または増加)を示す情報を入力部201から受け取ったか否かを判定する。
【0138】
車内照度の変化を示す情報を受け取っていないと判定した場合(ステップS501:NO)、フローはステップS102へ戻る。一方、車内照度の変化を示す情報を受け取ったと判定した場合(ステップS501:YES)、フローはステップS502へ進む。
【0139】
ステップS502において、制御部202は、環境情報に基づいて提示画像の輝度をデフォルトの輝度よりも低下させる必要があるか否かを判定する。例えば、制御部202は、車内照度が予め定められた第1閾値以下であり、かつ、提示画像の内容が第1種別(詳細は後述)に属するか否かを判定する。
【0140】
ここで、提示画像の内容の具体例について説明する。本変形例では、提示画像は、その内容に応じて、第1種別または第2種別のいずれかに区別される。
【0141】
第1種別とは、車両の運転(移動体の操縦の一例)を支援する内容である。例えば、第1種別の内容は、車両の速度、車両の燃料の残量、車両の走行距離、車両の現在位置、現在地から目的地までの距離、運転者の状態(例えば、眠気レベル)、天候、発生中の渋滞、発生中の事故、実行中の規制、駐車場の空き状況、道路の区間の制限速度または道のり、車両周辺に存在する対象物(例えば、他の車両、歩行者、施設、建物、信号機、道路標識など)の種別または名称、車両と対象物との間の距離、車両と対象物との位置関係などである。また、第1種別の内容は、例え場、 先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driving Assistant System)で用いられる内容、ナビゲーションシステムで用いられる内容であってもよい。
【0142】
一方、第2種別とは、車両の運転を支援しない内容である。例えば、第2種別の内容は、車両内で視聴されているラジオ/テレビの局名または番組名、車両内で再生されているコンテンツ(例えば、音楽のアーティスト名または曲名)、車両内における電子メールまたはSNS(Social Networking Service)等のメッセージの受信状態などである。
【0143】
実施の形態1で説明したとおり、提示画像には、色相、大きさ、形状、表示位置などについてデフォルトの設定がなされている。本変形例では、さらに、提示画像の内容が設定されている。よって、ステップS101において提示画像を決定した際、制御部202は、提示画像の内容を認識することができる。
【0144】
以上、提示画像の内容の具体例について説明した。以下、
図10のフローチャートの説明に戻る。
【0145】
車内照度が第1閾値以下ではない、または、提示画像の内容が第1種別に属しないと判定した場合(ステップS502:NO)、フローはステップS107へ進む。一方、車内照度が第1閾値以下であり、かつ、提示画像の内容が第1種別に属すると判定した場合(ステップS502:YES)、フローはステップS106へ進む。
【0146】
本変形例によれば、提示画像の内容が運転を支援する優先度の高い情報であるときに、提示画像の輝度と提示画像の色相の青色成分とを低下させることができるので、より提示画像の視認性を向上させることができる。一方、提示画像の内容が優先度の低い情報であるときには、色相の制御を行わないことで、提示画像の切り替えによる視覚的な煩わしさを与える可能性が無い。その結果、事故防止等を実現できる可能性を高めることができる。
【0147】
(変形例6)
実施の形態1では、表示システム10が、取得装置100、表示制御装置200、画像生成部300、表示部400を有する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、表示媒体がコンバイナである場合には、表示システム10は表示媒体を備えてもよい。
図11は、表示媒体がコンバイナである場合の表示システム10の構成例を示す図である。
図11に示すように、表示システム10は、表示媒体としてコンバイナ801を備える。なお、本変形例の構成は、上記変形例2〜5に適用してもよいし、後述する実施の形態2、3に適用してもよい。
【0148】
(変形例7)
実施の形態1では、
図2のステップS106またはS108において、提示画像の色相の制御(青色成分を低下または増加させる制御)とともに提示画像の輝度の制御(輝度を低下または増加させる制御)を行う場合を例に挙げて説明したが、提示画像の色相の制御のみを行うようにしてもよい。
【0149】
以上、実施の形態1の各変形例について説明した。上述した各変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0150】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について、図面を参照して説明する。
【0151】
まず、本実施の形態に係る表示システム13の構成例について説明する。
図12は、本実施の形態に係る表示システム13の構成例を示すブロック図である。
図12では、表示制御装置200が取得装置100の代わりに輝度設定装置700を備える点が
図1と異なる。なお、
図12において、
図1と同じ構成要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0152】
輝度設定装置700は、提示画像の輝度の増加または低下の指示を受け付ける装置である。この指示は、例えば、車両の乗員によって行われてもよいし、表示システム13全体の制御を行う制御装置(図示略)によって行われてもよい。
【0153】
輝度設定装置700は、受け付けた指示内容を示す情報(以下、輝度指示情報という)を入力部201へ出力する。
【0154】
入力部201は、輝度設定装置700から受け取った輝度指示情報を、制御部202へ出力する。
【0155】
制御部202は、入力部201から受け取った輝度指示情報に基づいて、提示画像の輝度をデフォルトの輝度よりも低下させる必要があるか否かを判定する。この判定処理の詳細は、
図13を用いて説明する。
【0156】
次に、
図13を用いて、本実施の形態に係る表示制御装置200の動作例について説明する。
図13は、本実施の形態に係る表示制御装置200の動作例を示すフローチャートである。なお、
図13において、
図2と同じ処理には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0157】
ステップS601において、制御部202は、提示画像の輝度の増加または低下の指示を示す輝度指示情報を入力部201から受け取ったか否かを判定する。
【0158】
輝度指示情報を受け取っていないと判定した場合(ステップS601:NO)、フローはステップS102へ戻る。一方、輝度指示情報を受け取ったと判定した場合(ステップS601:YES)、フローはステップS602へ進む。
【0159】
ステップS602において、制御部202は、提示画像の輝度をデフォルトの輝度よりも低下させる必要があるか否かを判定する。例えば、制御部202は、輝度指示情報が輝度の低下の指示を示すか否かを判定する。
【0160】
輝度指示情報が輝度の低下の指示を示していないと判定した場合(ステップS602:NO)、フローはステップS107へ進む。一方、輝度指示情報が輝度の低下の指示を示すと判定した場合(ステップS602:YES)、フローはステップS106へ進む。
【0161】
以上説明したように、本実施の形態の表示制御装置200は、表示媒体に表される提示画像の輝度低下の指示情報を受け取る入力部201と、表示媒体に表示されたときに提示画像を表す第1所定画像を生成させる第1制御信号を画像生成部300に出力する制御部202と、を備え、制御部202は、入力部201が指示情報を受け取ったとき、表示色において青色成分が低下するように色相が変更された提示画像を表す第2所定画像を生成させる第2制御信号を画像生成部300に出力することを特徴とする。これにより、提示画像の輝度の低下による提示画像の視認性の低下を低減できる。
【0162】
以上、本発明の実施の形態2について説明したが、本発明は上記実施の形態2に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、実施の形態1の各変形例を、実施の形態2に適宜適用してもよい。
【0163】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3について、図面を参照して説明する。
【0164】
まず、本実施の形態に係る表示システム14の構成例について説明する。
図14は、本実施の形態に係る表示システム14の構成例を示すブロック図である。
図14では、表示制御装置200が取得装置100の代わりに照度認識装置800を備える点が
図1と異なる。なお、
図14において、
図1と同じ構成要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0165】
照度認識装置800は、例えば、上記実施の形態1の変形例2で説明した前方照度を認識するセンサである。照度認識装置800は、認識した前方照度を示す情報(以下、前方照度情報という)を入力部201へ出力する。なお、照度認識装置800は、センサ以外の装置であってもよい。
【0166】
入力部201は、照度認識装置800から受け取った前方照度情報を、制御部202へ出力する。
【0167】
制御部202は、入力部201から受け取った前方照度情報に基づいて、提示画像の輝度をデフォルトの輝度よりも低下させる必要があるか否かを判定する。この判定処理の詳細は、
図15を用いて説明する。
【0168】
次に、
図15を用いて、本実施の形態に係る表示制御装置200の動作例について説明する。
図15は、本実施の形態に係る表示制御装置200の動作例を示すフローチャートである。なお、
図15において、
図2と同じ処理には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0169】
ステップS701において、制御部202は、前方照度情報を入力部201から受け取ったか否かを判定する。
【0170】
前方照度情報を受け取っていないと判定した場合(ステップS701:NO)、フローはステップS102へ戻る。一方、前方照度情報を受け取ったと判定した場合(ステップS701:YES)、フローはステップS702へ進む。
【0171】
ステップS702において、制御部202は、提示画像の輝度をデフォルトの輝度よりも低下させる必要があるか否かを判定する。例えば、制御部202は、前方照度が所定閾値以上であるか否かを判定する。
【0172】
前方照度が所定閾値以上ではないと判定した場合(ステップS702:NO)、フローはステップS107へ進む。一方、前方照度が所定閾値以上であると判定した場合(ステップS702:YES)、フローはステップS106へ進む。
【0173】
なお、本実施の形態では、提示画像の輝度と提示画像の色相の青色成分を低下させる条件が、前方照度が所定閾値以上である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、実施の形態1で説明した車内照度も用いてもよい。その場合、制御部202は、車内照度と前方照度の差(以下、相対照度という)を算出し、その相対照度が所定閾値以上である場合に、提示画像の輝度と提示画像の色相の青色成分を低下させてもよい。
【0174】
以上説明したように、本実施の形態の表示制御装置200は、車両の前方の照度を認識する照度認識装置800から前方の照度の情報を受け取る入力部201と、表示媒体に表示されたときに提示画像を表す第1所定画像を生成させる第1制御信号を画像生成部300に出力する制御部202と、を備え、制御部202は、前方の照度が所定閾値以上である場合、表示色において青色成分が低下するように色相が変更された提示画像を表す第2所定画像を生成させる第2制御信号を画像生成部300に出力することを特徴とする。これにより、提示画像の輝度の低下による提示画像の視認性の低下を低減できる。
【0175】
以上、本発明の実施の形態3について説明したが、本発明は上記実施の形態3に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、実施の形態1の各変形例を、実施の形態3に適宜適用してもよい。
【0176】
これまで本発明の実施の形態および変形例について詳述してきたが、上述した各実施の形態および各変形例における表示システム10〜14、表示制御装置200の各部の機能は、コンピュータプログラムにより実現され得る。
【0177】
図16は、各部の機能をプログラムにより実現するコンピュータのハードウェア構成を示す図である。このコンピュータ1000は、入力ボタン、タッチパッドなどの入力装置1001、ディスプレイ、スピーカなどの出力装置1002、CPU(Central Processing Unit)1003、ROM(Read Only Memory)1004、RAM(Random Access Memory)1005を備える。また、コンピュータ1000は、ハードディスク装置、SSD(Solid State Drive)などの記憶装置1006、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの記録媒体から情報を読み取る読取装置1007、ネットワークを介して通信を行う送受信装置1008を備える。
図16に示した各部は、バス1009により接続される。
【0178】
そして、読取装置1007は、上記各部の機能を実現するためのプログラムを記録した記録媒体からそのプログラムを読み取り、記憶装置1006に記憶させる。あるいは、送受信装置1008が、ネットワークに接続されたサーバ装置と通信を行い、サーバ装置からダウンロードした上記各部の機能を実現するためのプログラムを記憶装置1006に記憶させる。
【0179】
そして、CPU1003が、記憶装置1006に記憶されたプログラムをRAM1005にコピーし、そのプログラムに含まれる命令をRAM1005から順次読み出して実行することにより、上記各部の機能が実現される。また、プログラムを実行する際、RAM1005または記憶装置1006には、各実施の形態で述べた各種処理で得られた情報が記憶され、適宜利用される。
【0180】
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0181】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0182】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。