(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、及び、構成要素の配置位置や接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0012】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1に係る照明器具について説明する。
【0013】
[1−1.照明器具の全体構成]
図1〜
図4を参照しながら、実施の形態1に係る照明器具2の全体構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る照明器具2を斜め上方から見たときの斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る照明器具2を斜め下方から見たときの斜視図である。
図3は、実施の形態1に係る照明器具2の分解斜視図である。
図4は、
図1のIV−IV線断面図である。
【0014】
実施の形態1に係る照明器具2は、被取付部としての例えば住宅等の建物の天井又は壁等の造営材に配設される。すなわち、実施の形態1に係る照明器具2は、天井4(
図4参照)に形成された円形状の貫通孔6に埋込配設されることにより、下方に光を照射する天井埋込型の照明器具(いわゆるダウンライト)である。なお、
図1〜
図4において、Z軸のプラス側が天井4側(上方)、Z軸のマイナス側が床面側(下方)を表している。
【0015】
図1〜
図4に示すように、照明器具2は、器具本体部8、反射部材10、カバー部材12及び発光モジュール14を備えている。以下、照明器具2の各構成要素について詳細に説明する。
【0016】
[1−2.器具本体部]
まず、
図1〜
図4を参照しながら、器具本体部8について説明する。器具本体部8は、反射部材10及び発光モジュール14を支持するための部材である。
図1〜
図4に示すように、器具本体部8は、枠部材16と、ケース部材18(放熱部材の一例)と、一対の取付バネ20及び22とを有している。
【0017】
枠部材16は、天井4の貫通孔6に埋込配設される部材であり、上端部から下端部に向けて直径が漸増するラッパ状に形成されている。枠部材16の上端部には、円形状の上側開口部16aが形成されている。枠部材16の下端部には、円形状の下側開口部16bが形成されている。また、枠部材16の下端部の全周に亘って、径方向外側に突出するリング状の鍔部24が形成されている。なお、枠部材16は、例えばアルミニウム板又は鋼板等の板金をプレス加工することによって、上述した形状に成形される。
【0018】
ケース部材18は、発光モジュール14を覆うための部材である。ケース部材18は、相互に組み合わされる下側ケース部材26及び上側ケース部材28を有している。
【0019】
下側ケース部材26は、ケース本体部30と、一対の取付部32及び34と、一対の側板部36及び38とを有している。ケース本体部30は、横長の略矩形状の板状に形成されている。ケース本体部30の長手方向における一端部側(すなわち、X軸方向のマイナス側に位置する端部側)は、ネジ(図示せず)で枠部材16の上端部に固定されている。ケース本体部30の一端部側には、円形状の開口部30aが形成されている。ケース本体部30の開口部30aの直径は、枠部材16の上側開口部16aの直径と略同一であり、それらの中心軸は略一致している。さらに、ケース本体部30の一端部側における3つの辺(周縁部)にはそれぞれ、略水平(XY平面内)に突出する3つの突出片40,42及び44が形成されている。一対の取付部32及び34はそれぞれ、3つの突出片40,42及び44のうち対向する一対の突出片40及び44から下方に延び、枠部材16の外周面に対向する位置に配置されている。
【0020】
一対の側板部36及び38はそれぞれ、ケース本体部30の長手方向における他端部側(すなわち、X軸方向のプラス側に位置する端部側)の対向する一対の辺(周縁部)からそれぞれ上方に延びている。これにより、一対の側板部36及び38は、互いに対向する位置に配置される。
図4に示すように、ケース本体部30の他端部側と一対の側板部36及び38とで囲まれた空間46には、発光モジュール14の複数の回路部品72a及び72b(後述する)が配置される。ケース本体部30の他端部側は空間46を下方から覆う位置に配置され、一対の側板部36及び38の各々は空間46を側方から覆う位置に配置されている。なお、下側ケース部材26は、例えばアルミニウム板又は鋼板等の板金をプレス加工することによって、上述した形状に成形される。
【0021】
上側ケース部材28は、ケース本体部48と、一対の側板部50及び52と、天板部54とを有しており、下側ケース部材26の上側に配置されている。ケース本体部48は、略矩形状の板状に形成され、下側ケース部材26のケース本体部30の一端部側に対向する位置に配置されている。ケース本体部48の3つの辺(周縁部)にはそれぞれ、断面L字状の3つの固定片56,58及び60が形成されている。これらの3つの固定片56,58及び60はそれぞれ、下側ケース部材26の3つの突出片40,42及び44にネジ(図示せず)で固定されている。
図4に示すように、ケース本体部48と3つの固定片56,58及び60と下側ケース部材26のケース本体部30の一端部側とで囲まれた空間63には、発光モジュール14の複数の発光素子70(後述する)が配置される。
【0022】
一方の側板部50は、ケース本体部48の残りの辺(周縁部)から上方に延び、上述した空間46を側方から覆う位置に配置されている。天板部54は、一方の側板部50の上端部から略水平に延びており、下側ケース部材26のケース本体部30の他端部側に対向する位置に配置され、且つ、空間46を上方から覆う位置に配置されている。他方の側板部52は、天板部54の端部から下方に延びており、一方の側板部50に対向する位置に配置され、且つ、空間46を側方から覆う位置に配置されている。なお、上側ケース部材28は、例えばアルミニウム板又は鋼板等の板金をプレス加工することによって、上述した形状に成形される。
【0023】
さらに、他方の側板部52には、端子台62が取り付けられている。端子台62には、照明器具2の外部に設置された商用電源等の外部電源(図示せず)から延びるケーブル(図示せず)が着脱自在に接続される。外部電源からの交流電力(例えばAC100V)は、ケーブルを介して端子台62に供給される。
【0024】
一対の取付バネ20及び22は、照明器具2を天井4に取り付けるためのものである。
図1〜
図3に示すように、一対の取付バネ20及び22はそれぞれ、下側ケース部材26の一対の取付部32及び34に取り付けられている。一対の取付バネ20及び22の各々は、例えばステンレス等の金属板で形成され、弾性復元力を有している。一対の取付バネ20及び22の各々と枠部材16の鍔部24との間に天井4を挟持することにより、
図4に示すように照明器具2が天井4に取り付けられる。なお、
図1、
図3及び
図4に示すように、枠部材16の鍔部24と天井4の貫通孔6の周縁部との間には、天井4を傷等から保護するためのリング状のパッキン64が介在されている。
【0025】
[1−3.反射部材]
次に、
図3及び
図4を参照しながら、反射部材10について説明する。反射部材10は、発光モジュール14の複数の発光素子70の各々からの光を下方に向けて反射するための部材である。
【0026】
反射部材10の内周面には、複数の発光素子70の各々からの光を反射する反射面が形成されている。反射部材10は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)等の白色の樹脂で形成されている。なお、反射部材10は、例えばアルミニウム等の金属で形成されていてもよい。
【0027】
図3及び
図4に示すように、反射部材10は、上端部から下端部に向けて直径が漸増するラッパ状に形成されている。反射部材10の上端部には、円形状の上側開口部10aが形成されている。反射部材10の下端部には、円形状の下側開口部10bが形成されている。反射部材10の下端部の全周に亘って、径方向外側に延びる断面L字状の支持部66が形成されている。支持部66は、カバー部材12を支持するためのものである。
【0028】
反射部材10は、ネジ(図示せず)で枠部材16の上端部に下側ケース部材26のケース本体部30とともに固定されている。このとき、反射部材10は、枠部材16の上側開口部16a及びケース本体部30の開口部30aに挿通され、枠部材16の内部とケース部材18の内部の空間63とに跨って配置されている。また、反射部材10の上側開口部10aの周縁部は、複数の発光素子70を囲むように配置されている。
【0029】
[1−4.カバー部材]
次に、
図3及び
図4を参照しながら、カバー部材12について説明する。カバー部材12は、複数の発光素子70及び反射部材10を覆うための部材である。
【0030】
カバー部材12は、透光性を有する樹脂材料、例えばアクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリ塩化ビニル等で形成されている。
図3及び
図4に示すように、カバー部材12は、例えば凹凸嵌合等により反射部材10の支持部66に支持され、反射部材10の下側開口部10bを覆う位置に配置されている。
【0031】
複数の発光素子70の各々からの光は、直接、又は、反射部材10の反射面で反射した後に、反射部材10の下側開口部10bを通過してカバー部材12の内面に入射する。カバー部材12の内面に入射した光は、カバー部材12を透過した後に、枠部材16の下側開口部16bを通過して下方に照射される。なお、カバー部材12を例えば乳白色の樹脂材料で形成することにより、カバー部材12に光拡散性を持たせてもよい。
【0032】
[1−5.発光モジュール]
次に、
図3〜
図7を参照しながら、発光モジュール14について説明する。
図5は、実施の形態1に係る発光モジュール14を抜き出して示す図である。
図5の(a)は、実施の形態1に係る発光モジュール14を斜め下方から見たときの斜視図であり、
図5の(b)は、実施の形態1に係る発光モジュール14を下方から見たときの底面図である。
図6は、実施の形態1に係る発光モジュール14の基板68の発光領域74を拡大して示す図である。
図7は、
図5とは異なる方向から見たときの、実施の形態1に係る発光モジュール14を抜き出して示す図である。
図7の(a)は、実施の形態1に係る発光モジュール14を斜め上方から見たときの斜視図であり、
図7の(b)は、実施の形態1に係る発光モジュール14を上方から見たときの平面図である。
【0033】
発光モジュール14は、例えば白色光を発するための光源である。
図3〜
図7に示すように、発光モジュール14は、基板68と、基板68の第1の面68aに実装された複数の発光素子70及び複数の回路部品72a(第1の回路部品の一例)と、基板68の第2の面68b(第1の面68aと反対側の面)に実装された複数の回路部品72b(第2の回路部品の一例)とを有している。
【0034】
基板68は、複数の発光素子70と複数の回路部品72a及び72bとを実装するためのプリント配線基板であり、横長の矩形状に形成されている。
図4に示すように、基板68は、第1の面68aが天井4の貫通孔6に対向するようにして、ケース部材18の内部に配置されている。具体的には、基板68の長手方向における一端部側(すなわち、X軸方向のマイナス側に位置する端部側)は、ケース部材18の内部の空間63に配置され、基板68の長手方向における他端部側(すなわち、X軸方向のプラス側に位置する端部側)は、ケース部材18の内部の空間46に配置されている。基板68の一端部側は、ネジ(図示せず)で上側ケース部材28のケース本体部48に固定されている。なお、基板68としては、例えば、樹脂基板、メタルベース基板、セラミック基板、紙フェノール基板又はガラス基板等を用いることができる。
【0035】
図5の(b)に示すように、基板68の一端部側における第1の面68aには、発光領域74が配置されている。発光領域74には、銅箔パターンで形成された複数の配線パターン76が発光領域74の周方向に間隔を置いてリング状に配置されている。これにより、例えば発光領域74の中央部にネジ(図示せず)が存在する場合に、ネジと複数の配線パターン76との電気的絶縁距離を確保することができる。複数の配線パターン76の各々には発光素子70が実装されている。説明の都合上、
図5及び
図6において、複数の配線パターン76の各々には網掛け模様を付してある。なお、発光領域74には、回路部品72a及び72bは実装されていない。
【0036】
ここで、
図6を参照しながら、複数の配線パターン76の各々の形状について詳細に説明する。
図6に示すように、複数の配線パターン76の各々は、隣接する一対の発光素子70を電気的に接続するための接続パターン部78と、発光素子70からの熱を放熱するための放熱パターン部80とを有している。複数の配線パターン76の各々の放熱パターン部80は、接続パターン部78に電気的に接続され、接続パターン部78側から発光領域74の外側に向けて放射状に延びている。放熱パターン部80の一方の側縁80aは、他方の側縁80b(一方の側縁80aに対向する側縁)に対して傾斜して延びている。これにより、
図6中の矢印で示すように、発光素子70からの熱は、放熱パターン部80を接続パターン部78側から発光領域74の外側に向けて効率良く伝達され、放熱パターン部80から効率良く放熱されるようになる。なお、複数の配線パターン76の各々の放熱パターン部80は、反射部材10の上側開口部10aよりも径方向外側にはみ出すように配置されている。
【0037】
図5及び
図6に示すように、複数の発光素子70の各々は、配線パターン76の接続パターン部78に実装されている。すなわち、複数の発光素子70は、基板68の発光領域74の周方向に間隔を置いてリング状に配置されている。また、
図4に示すように、複数の発光素子70は、ケース部材18の内部の空間63において下方(天井4側)を向くように配置されている。
【0038】
複数の発光素子70の各々は、例えば、パッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)型の白色LED(Light Emitting Diode)素子である。複数の発光素子70の各々は、凹部を有する白色樹脂製のパッケージ(容器)と、パッケージの凹部の底面に一次実装されたLEDチップと、パッケージの凹部内に封入された封止部材とを有している。LEDチップは、例えば青色光を発する青色LEDチップである。封止部材には、青色LEDチップからの青色光を励起光として蛍光発光するYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)等の黄色蛍光体が含有されている。
【0039】
このように、複数の発光素子70の各々は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって構成されたB−Yタイプの白色LED素子である。具体的には、封止部材に含有される黄色蛍光体は、青色LEDチップからの青色光の一部を吸収することにより励起されて黄色光を放出する。この放出された黄色光と黄色蛍光体に吸収されなかった青色光とが混ざることにより、白色光が生成される。このようにして発光素子70から白色光が出射される。
【0040】
図5の(b)に示すように、基板68の他端部側における第1の面68aには、第1の回路領域82(回路領域の一例)が配置されている。すなわち、第1の回路領域82は、基板68の長手方向において発光領域74に隣接して配置されている。さらに換言すると、基板68を2つの基板片に仮想的に分割した場合に、一方の基板片に発光領域74が配置され、他方の基板片に第1の回路領域82が配置される。第1の回路領域82には、銅箔パターンで形成された複数の配線パターン(図示せず)が配置されている。第1の回路領域82の複数の配線パターンは、発光領域74の複数の配線パターン76に電気的に接続されている。第1の回路領域82の複数の配線パターンには、表面実装型の複数の回路部品72a(後述する)が実装されている。
図4に示すように、複数の回路部品72aは、ケース部材18の内部の空間46において下方(天井4側)を向くように配置されている。なお、第1の回路領域82には、発光素子70は実装されていない。
【0041】
図7の(b)に示すように、基板68の第2の面68bの第1の回路領域82に対応する領域(すなわち、第1の回路領域82の真裏の領域)には、第2の回路領域84(回路領域の一例)が配置されている。第2の回路領域84には、銅箔パターンで形成された複数の配線パターン(図示せず)が配置されている。第2の回路領域84の複数の配線パターンは、発光領域74の複数の配線パターン76に電気的に接続されている。第2の回路領域84の複数の配線パターンには、リードスルー実装型の複数の回路部品72b(後述する)が実装されている。
図4に示すように、複数の回路部品72bは、ケース部材18の内部の空間46において上方(天井4と反対側)を向くように配置されている。
図5の(a)に示すように、基板68の第1の面68aには、複数の回路部品72bの各々のリード線の先端が基板68のスルーホール(図示せず)から突出している。なお、第2の回路領域84には、発光素子70は実装されていない。
【0042】
複数の回路部品72a及び72bの各々は、複数の発光素子70の各々を発光させるための電力を生成するための電源回路を構成する電源用回路部品である。複数の回路部品72a及び72bは、例えば、a)電解コンデンサ又はセラミックコンデンサ等の容量素子、b)抵抗器等の抵抗素子、c)整流回路素子、d)コイル素子、e)チョークコイル(チョークトランス)、f)ノイズフィルタ、g)ダイオード又は集積回路素子等の半導体素子等を含んでいる。
【0043】
複数の回路部品72a及び72bは、上述した外部電源からケーブル及び端子台62を介して供給されてきた交流電力を直流電力に変換する。複数の回路部品72a及び72bで生成された直流電力が複数の発光素子70の各々に供給されることにより、複数の発光素子70の各々が発光する。なお、
図7の(a)及び(b)に示すように、基板68の第2の回路領域84には、端子台62から延びるリード線(図示せず)が電気的に接続されるコネクタ端子86が実装されている。
【0044】
複数の回路部品72aは、表面実装型のチップ部品であり、例えば平滑用コンデンサとして用いられるチップセラミックコンデンサ等を含んでいる。一方、複数の回路部品72bは、リードスルー実装型のリード部品(ラジアル部品又はアキシャル部品)であり、例えば電界コンデンサ等を含んでいる。なお、全ての回路部品72bをラジアル部品で構成することにより、回路部品72bを基板68に実装する際の工数を削減することができる。また、複数の回路部品72a及び72bのうち、耐熱温度の比較的低い回路部品(例えば、電界コンデンサ又はフィルムコンデンサ等)は、発光領域74からなるべく離れた位置に実装されるのが好ましい。これにより、複数の回路部品72a及び72bが複数の発光素子70の各々からの熱の影響を受けるのを抑制することができる。
【0045】
なお、複数の回路部品72a及び72bには、上述した電源用回路部品だけでなく、その他の回路を構成する回路部品が含まれていてもよい。例えば、複数の回路部品72a及び72bは、調光回路又は昇圧回路等を構成する駆動用回路部品を含んでいてもよく、あるいは、通信回路を構成する通信用回路部品(通信モジュール)等を含んでいてもよい。
【0046】
図7の(b)に示すように、基板68の第2の面68bの発光領域74に対応する領域(すなわち、発光領域74の真裏の領域)には、第1の放熱領域88が配置されている。すなわち、第1の放熱領域88は、基板68の長手方向において第2の回路領域84に隣接して配置されている。第1の放熱領域88には、銅箔パターン(金属箔パターンの一例)で形成された略矩形状の第1の放熱パターン90が配置されている。第1の放熱パターン90は、発光領域74の複数の配線パターン76、第1の回路領域82の複数の配線パターン及び第2の回路領域84の複数の配線パターンの各々と電気的に絶縁されている。なお、説明の都合上、
図7において、第1の放熱パターン90には網掛け模様を付してある。
【0047】
図4に示すように、第1の放熱パターン90(すなわち、第1の放熱領域88)は、上側ケース部材28のケース本体部48の下面に熱的に接触している。なお、本明細書において、「熱的に接触する」とは、第1の放熱パターン90とケース本体部48の下面とが直接又は間接的に接触し、第1の放熱パターン90の熱をケース本体部48に十分に伝達できる程度に接続(結合)されている状態をいう。また、「間接的に接触」とは、第1の放熱パターン90とケース本体部48との間に、例えば熱伝導グリス又は熱伝導シート等の熱伝導性の高い部材が配置されている状態をいう。本実施の形態では、第1の放熱パターン90は、ケース本体部48の下面に直接接触している。
【0048】
複数の発光素子70の各々からの熱は、配線パターン76の放熱パターン部80から基板68を介して第1の放熱パターン90に伝達される。第1の放熱パターン90からの熱は、上側ケース部材28及び下側ケース部材26を介して枠部材16に伝達され、これら上側ケース部材28、下側ケース部材26及び枠部材16からそれぞれ放熱される。
【0049】
なお、放熱効果をより一層高めるために、例えば
図8に示すようなヒートシンク92を上側ケース部材28のケース本体部48の上面に接触させてもよい。
図8は、ヒートシンク92を取り付けた状態での、実施の形態1に係る照明器具2を示す斜視図である。ヒートシンク92は、例えばアルミニウム等の放熱性の高い金属で形成されている。ヒートシンク92には、複数のフィン92aが形成されている。これにより、第1の放熱パターン90からの熱は、上側ケース部材28のケース本体部48を介してヒートシンク92に伝達され、ヒートシンク92から効率良く放熱される。
【0050】
なお、第1の放熱パターン90が無くても複数の発光素子70の各々からの熱を放熱可能な場合には、第1の放熱領域88から第1の放熱パターン90を省略してもよい。
【0051】
[1−6.効果]
上述したように、本実施の形態の照明器具2は、天井4に形成された貫通孔6に埋込配設される照明器具である。照明器具2は、貫通孔6に埋込配設され、ケース部材18を有する器具本体部8と、器具本体部8に支持され、第1の面68a及び第1の面68aと反対側の第2の面68bを有する基板68と、基板68の一端部側における第1の面68aの発光領域74に実装された表面実装型の発光素子70と、基板68の他端部側における第1の面68aの第1の回路領域82に実装された回路部品72a(又は第2の面68bの第2の回路領域84に実装された回路部品72b)とを備えている。ケース部材18は、発光領域74に対応する基板68の第2の面68bの領域である第1の放熱領域88に熱的に接触している。
【0052】
この構成によれば、発光領域74と第1の回路領域82(又は第2の回路領域84)とは、基板68の長手方向に横並びに配置されている。これにより、ケース部材18を基板68の第1の放熱領域88に熱的に接触させた際に、ケース部材18が回路部品72a(又は72b)に接触することが無い。したがって、ケース部材18と回路部品72a(又は72b)との電気的絶縁距離を確保しながら、ケース部材18を基板68の第1の放熱領域88に熱的に接触させることができる。
【0053】
さらに、基板68の第1の放熱領域88には、金属箔パターンで形成された第1の放熱パターン90が配置されている。
【0054】
この構成によれば、ケース部材18は第1の放熱パターン90に熱的に接触するようになるので、発光素子70からの熱を第1の放熱パターン90を介してケース部材18に効率良く伝達させることができる。
【0055】
さらに、回路部品72a(又は72b)は、基板68の発光領域74には実装されておらず、発光素子70は、基板68の第1の回路領域82(又は第2の回路領域84)には実装されていない。
【0056】
この構成によれば、発光領域74において、発光素子70と回路部品72a(又は72b)とが混在して実装されていないので、ケース部材18を基板68の第1の放熱領域88に熱的に接触させた際に、ケース部材18が回路部品72a(又は72b)に接触することが無い。また、第1の回路領域82(又は第2の回路領域84)において、発光素子70と回路部品72a(又は72b)とが混在して実装されていないので、発光素子70からの熱を第1の放熱領域88に効率良く伝達させることができる。
【0057】
さらに、回路部品72a(又は72b)は、発光素子70を発光させるための電力を生成するための電源用回路部品である。
【0058】
この構成によれば、電源用回路部品としての回路部品72a(又は72b)とケース部材18との電気的絶縁距離を確保することができる。
【0059】
(実施の形態2)
[2−1.照明器具の構成]
次に、
図9〜
図12を参照しながら、実施の形態2に係る照明器具2Aの構成について説明する。
図9は、実施の形態2に係る照明器具2Aの分解斜視図である。
図10は、実施の形態2に係る照明器具2Aの断面図である。
図11は、実施の形態2に係る発光モジュール14Aを抜き出して示す図である。
図11の(a)は、実施の形態2に係る発光モジュール14Aを斜め下方から見たときの斜視図であり、
図11の(b)は、実施の形態2に係る発光モジュール14Aを下方から見たときの底面図である。
図12は、
図11とは異なる方向から見たときの、実施の形態2に係る発光モジュール14Aを抜き出して示す図である。
図12の(a)は、実施の形態2に係る発光モジュール14Aを斜め上方から見たときの斜視図であり、
図12の(b)は、実施の形態2に係る発光モジュール14Aを上方から見たときの平面図である。なお、本実施の形態において、上記実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0060】
図9〜
図12に示すように、実施の形態2に係る照明器具2Aでは、発光モジュール14A及び器具本体部8Aのケース部材18Aの各構成が上記実施の形態1と異なっている。以下、これらの相違点について説明する。
【0061】
[2−1−1.発光モジュール]
まず、
図10〜
図12を参照しながら、実施の形態2に係る発光モジュール14Aと上記実施の形態1に係る発光モジュール14との相違点について説明する。
【0062】
図11の(b)に示すように、第1の回路領域82Aは、基板68の長手方向において発光領域74に隣接して配置され、上記実施の形態1で説明した第1の回路領域82よりも面積が小さい。また、
図12の(b)に示すように、第2の回路領域84Aは、第1の回路領域82Aよりも基板68の他端部側に配置され、上記実施の形態1で説明した第2の回路領域84よりも面積が小さい。すなわち、第2の回路領域84Aは、基板68を平面視した場合に、第1の回路領域82Aと重ならないように配置されている。なお、複数の回路部品72aは、例えばMOSFET又はダイオードブリッジ等の放熱を必要とする表面実装型のチップ部品を含んでいる。
【0063】
図12の(b)に示すように、基板68の第2の面68bの第1の回路領域82Aに対応する領域(すなわち、第1の回路領域82Aの真裏の領域)には、第2の放熱領域94が配置されている。すなわち、第2の放熱領域94は、基板68の長手方向において第1の放熱領域88と第2の回路領域84Aとの間に配置されている。第2の放熱領域94には、銅箔パターン(金属箔パターンの一例)で形成された略矩形状の第2の放熱パターン96が配置されている。第2の放熱パターン96は、発光領域74の複数の配線パターン76、第1の回路領域82Aの複数の配線パターン(図示せず)、第2の回路領域84Aの複数の配線パターン(図示せず)及び第1の放熱パターン90の各々と電気的に絶縁されている。すなわち、第2の放熱パターン96は、第1の放熱パターン90から分離して配置されている。なお、説明の都合上、
図12において、第2の放熱パターン96には網掛け模様を付してある。
【0064】
[2−1−2.ケース部材]
次に、
図9及び
図10を参照しながら、実施の形態2に係るケース部材18Aと上記実施の形態1に係るケース部材18との相違点について説明する。
【0065】
図9及び
図10に示すように、上側ケース部材28Aのケース本体部48Aは、横長の略矩形状の板状に形成されている。ケース本体部48Aの長手方向(X軸方向)における長さは、基板68の第1の放熱パターン90及び第2の放熱パターン96を覆うことができる程度の長さである。一対の固定片56A及び60Aの各々は、ケース本体部48Aの長手方向に沿って長尺状に形成されている。
【0066】
また、上側ケース部材28Aの天板部54AのX軸方向における長さは、上記実施の形態1で説明した天板部54のX軸方向における長さよりも短くなっている。これに伴って、下側ケース部材26Aの一対の側板部36A及び38Aの各々のX軸方向における長さは、上記実施の形態1で説明した一対の側板部36及び38の各々のX軸方向における長さよりも短くなっている。
【0067】
これにより、
図10に示すように、ケース部材18Aの内部の空間46Aの大きさは、上記実施の形態1で説明した空間46の大きさよりも小さくなっている。また、ケース部材18Aの内部の空間63Aの大きさは、上記実施の形態1で説明した空間63の大きさよりも大きくなっている。ケース部材18Aの内部の空間63Aには、複数の発光素子70及び複数の回路部品72aが配置され、空間46Aには、複数の回路部品72bが配置されている。
【0068】
図10に示すように、第1の放熱パターン90及び第2の放熱パターン96(すなわち、第1の放熱領域88及び第2の放熱領域94)は、上側ケース部材28Aのケース本体部48Aの下面に熱的に接触している。本実施の形態では、第1の放熱パターン90及び第2の放熱パターン96は、ケース本体部48Aの下面に直接接触している。
【0069】
複数の発光素子70の各々からの熱は、配線パターン76の放熱パターン部80(
図6参照)から基板68を介して第1の放熱パターン90に伝達される。さらに、複数の回路部品72aの各々からの熱は、基板68を介して第2の放熱パターン96に伝達される。第1の放熱パターン90及び第2の放熱パターン96の各々からの熱は、上側ケース部材28A及び下側ケース部材26Aを介して枠部材16に伝達され、これら上側ケース部材28A、下側ケース部材26A及び枠部材16からそれぞれ放熱される。
【0070】
[2−2.効果]
以上説明したように、本実施の形態の照明器具2Aでは、回路領域は、基板68の他端部側における第1の面68a及び第2の面68bのうち第1の面68aにのみ配置された第1の回路領域82Aと、基板68の他端部側における第2の面68bに配置された第2の回路領域84Aとを有している。回路部品は、第1の回路領域82Aに実装された表面実装型の回路部品72aと、第2の回路領域84Aに実装されたリードスルー実装型の回路部品72bとを含んでいる。ケース部材18Aは、第1の放熱領域88と、基板68の第2の面68bの第1の回路領域82Aに対応する領域である第2の放熱領域94とに熱的に接触している。
【0071】
この構成によれば、ケース部材18Aは第2の放熱領域94に熱的に接触しているので、回路部品72aが発熱部品である場合に、回路部品72aからの熱を第2の放熱領域94を介してケース部材18Aに伝達させることができる。その結果、回路部品72aからの熱を効率良く放熱することができる。
【0072】
さらに、第2の回路領域84Aは、第1の回路領域82Aよりも基板68の他端部側に配置されている。第1の回路領域82Aは、発光領域74に隣接して配置されている。
【0073】
この構成によれば、第1の回路領域82Aは発光領域74に隣接して配置されているので、第1の放熱領域88と第2の放熱領域94とが隣接して配置されるようになる。これにより、ケース部材18Aを第1の放熱領域88と第2の放熱領域94とに跨るように配置することができるので、ケース部材18Aを第1の放熱領域88と第2の放熱領域94とに容易に熱的に接触させることができる。
【0074】
さらに、基板68の第2の放熱領域94には、金属箔パターンで形成された第2の放熱パターン96が配置されている。
【0075】
この構成によれば、ケース部材18Aは、第2の放熱パターン96に熱的に接触するようになるので、回路部品72aからの熱を第2の放熱パターン96を介してケース部材18Aに効率良く伝達させることができる。
【0076】
さらに、第2の回路領域84Aは、基板68の他端部側における第2の面68bに配置されている。
【0077】
この構成によれば、回路部品72bは、基板68の第2の面68bに実装されるので、回路部品72aよりもサイズの大きい回路部品72bが基板68から天井4側に突出することがない。その結果、基板68を天井4に極力近付けることができるので、その分複数の発光素子70と床面との距離が短くなり、照明器具2Aの光取り出し効率を高めることができる。
【0078】
(変形例等)
以上、本発明について実施の形態1及び2に基づいて説明したが、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではない。
【0079】
例えば、上記各実施の形態では、発光素子70の実装構造をSMD構造としたが、これに限定されず、例えばLEDチップを基板68に直接実装したCOB(Chip On Board)構造であってもよい。この場合、封止部材によって、基板68上に実装された複数のLEDチップを一括に封止してもよく、あるいは、個別に封止してもよい。また、封止部材には、上述した黄色蛍光体等の波長変換材が含有されていてもよい。
【0080】
また、上記各実施の形態では、発光素子70としてLEDを例示したが、これに限定されず、例えば半導体レーザ等の半導体発光素子、有機EL(Electro Luminescence)又は無機EL等、その他の固体発光素子を用いてもよい。
【0081】
また、上記各実施の形態では、第1の放熱パターン90をケース本体部48(48A)の下面に直接接触させたが、第1の放熱パターン90とケース本体部48(48A)の下面との間に、例えば熱伝導グリス又は及び熱伝導シート等の部材を介在させてもよい。同様に、第2の放熱パターン96とケース本体部48Aとの間にも、例えば熱伝導グリス又は及び熱伝導シート等の部材を介在させてもよい。
【0082】
また、上記各実施の形態では、第2の回路領域84(84A)を基板68の第2の面68bに配置したが、基板68の第1の面68aに配置してもよい。
【0083】
また、上記各実施の形態では、基板68の第1の放熱領域88及び第2の放熱領域94にそれぞれ第1の放熱パターン90及び第2の放熱パターン96を配置したが、これらの第1の放熱パターン90及び第2の放熱パターン96を省略してもよい。
【0084】
また、上記各実施の形態では、照明器具2(2A)を天井4に形成された貫通孔6に埋込配設したが、これに限定されず、例えば被取付部としての建物等の壁に形成された貫通孔に埋込配設してもよい。
【0085】
その他、上記各実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。