(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0014】
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態1にかかる情報処理システム1000の構成を示すブロック図である。情報処理システム1000は、救急医療の現場における救急受入の要求者からの聞き取り内容の入力を支援するための救急医療支援処理を行う情報システムである。ここで、「救急受入の要求者」には、例えば、救急隊員、患者自身又は患者の家族等の関係者(非救急隊員)が含まれるものとする。情報処理システム1000は、情報処理装置1と、記憶装置2とを備える。情報処理装置1と記憶装置2とは、通信ネットワーク(不図示)を介して接続されている。情報処理装置1及び記憶装置2は、例えば、救急医療を扱う医療機関(コールセンター等)に設置されたコンピュータシステムである。
【0015】
情報処理装置1は、患者を医療機関へ搬入する際の救急受入の要求者から通話内容を受信し、当該通話内容に情報処理を行い、情報処理の結果を記憶装置2へ登録する。尚、情報処理装置1は、複数台のコンピュータにより実現したものであってもよい。情報処理装置1は、記憶部11と、抽出部12と、登録部13とを備える。
【0016】
記憶部11は、辞書情報14を記憶する記憶装置である。記憶部11は、第1の記憶部の一例であり、例えば、不揮発性記憶装置である。辞書情報14は、救急医療に関する複数の項目141のそれぞれに対応する項目情報を抽出するための区切り文字142の集合である。抽出部12は、救急搬送時になされた第1の会話音声を音声認識した第1のテキストデータに対して、辞書情報14に基づいて複数の項目141のそれぞれに対応する複数の第1の項目情報を抽出する。登録部13は、複数の第1の項目情報のそれぞれを複数の項目141と対応付けて、外部アクセス可能な記憶装置2に登録する。
【0017】
尚、情報処理装置1は、図示しない構成としてプロセッサ及びメモリを備えるものである。また、記憶部11には、本実施の形態にかかる救急医療支援方法が実装されたコンピュータプログラムである情報処理プログラムが記憶されている。そして、当該プロセッサは、記憶部11から当該情報処理プログラムを前記メモリへ読み込み、当該情報処理プログラムを実行する。これにより、前記プロセッサは、抽出部12及び登録部13の機能を実現する。
【0018】
記憶装置2は、情報処理装置1の登録部13により登録された項目情報21と項目22とを対応付けた複数の情報を記憶する記憶装置である。記憶装置2は、例えば、不揮発性記憶装置である。また、記憶装置2は、第2の記憶部の一例であり、上述の通り、外部からのアクセスが可能な記憶装置である。ここで、「外部アクセス可能」とは、情報処理装置1以外の外部の情報処理装置等から通信ネットワークを介して、記憶された情報に対するアクセス要求に応じた応答を行うことができることをいう。そのため、記憶装置2は、情報処理装置1以外の外部の情報処理装置等から通信ネットワークを介して項目22を指定した参照要求のアクセスを受け付けた場合に、指定された項目22に対応付けられた項目情報21を要求元へ出力する。また、記憶装置2は、外部から通信ネットワークを介して項目22を指定した更新要求のアクセスを受け付けた場合に、指定された項目22に対応付けられた項目情報21を更新する。
【0019】
図2は、本実施の形態1にかかる救急医療支援方法の流れを説明するためのフローチャートである。まず、情報処理装置1は、救急搬送時になされた会話音声を入力する(S101)。次に、情報処理装置1は、会話音声を音声認識してテキストデータに変換する(S102)。そして、情報処理装置1の抽出部12は、記憶部11を参照し、ステップS102で変換されたテキストデータに対して、辞書情報14に基づいて複数の項目141のそれぞれに対応する複数の項目情報21を抽出する(S103)。その後、登録部13は、複数の項目情報21のそれぞれを複数の項目22と対応付けて、外部アクセス可能な記憶装置2に登録する(S104)。
【0020】
このように、本実施の形態1では、入力音声から救急医療に関する項目ごとに自動的に文字列を抽出して保存できるため、救急医療に関する項目情報をデータとして登録するための入力を簡略化できる。それ故、その後の外部(他の情報処理装置等)からのアクセスにより、医療従事者による救命医療時に、各項目情報の活用を促進できる。
【0021】
以上のことから、本実施の形態1により救急医療の現場における救急受入の要求者からの聞き取り内容の入力を支援して、情報伝達時間を短縮することができる。
【0022】
<実施の形態2>
本実施の形態2は、上述した実施の形態1の具体的な実施例である。本実施の形態2にかかる情報処理装置は、前記複数の第1の項目情報のそれぞれを前記複数の項目と対応付けた項目情報画面データを生成して、当該項目情報画面データを表示装置に表示させる表示制御部をさらに備える。これにより、単なる音声認識結果の表示と異なり、抽出結果の複数の項目情報が項目ごとに整理された表示されるため、オペレータが抽出結果を容易に把握できる。それ故、オペレータが抽出結果に対する訂正の要否を適切に判断することができる。
【0023】
さらに、本実施の形態2にかかる情報処理装置は、前記複数の項目の少なくとも一部に対する編集データを受け付ける編集受付部をさらに備える。そして、前記登録部は、前記編集データに対応する第1の項目情報を当該編集データに変更して前記記憶装置を更新する。また、前記表示制御部は、前記項目情報画面データ内の前記編集データに対応する第1の項目情報を前記編集データに変更して前記表示装置に表示させる。これにより、緊急時のため音声認識又は項目情報の抽出が適切でなかった場合でも、オペレータにより即時に訂正の上、登録内容の更新ができる。
【0024】
また、前記抽出部は、前記救急搬送時に追加で入力された第2の会話音声を音声認識した第2のテキストデータに対して、前記複数の項目の少なくとも一部に対応する第2の項目情報をさらに抽出する。そして、前記登録部は、前記第2の項目情報に対応する第1の項目情報を当該第2の項目情報に変更して前記記憶装置を更新する。また、前記表示制御部は、前記項目情報画面データ内の前記第2の項目情報に対応する第1の項目情報を前記第2の項目情報に変更して前記表示装置に表示させる。これにより、緊急時のため患者の容体の変化等により、救急隊員から追加の音声が入力された場合に、自動的に、追加の項目情報を抽出し、記録及び表示を差し替えることで、容易に最新状態に同期を取ることができる。
【0025】
また、前記表示制御部は、前記第1の会話音声の音声認識中に、前記複数の項目を含む受付画面データを前記表示装置に表示させる。これにより、オペレータによる救急受入の要求者からの聞き取りを支援できる。特に、救急受入の要求者が、訓練と経験を積んだ受けた救急隊員ではなく、一般人である患者の家族等である場合、又は、患者自身である場合には、順序立てて整理して過不足なく通話できるとは限らない。そのため、オペレータによる聞き取りが重要である。よって、オペレータによる聞き取り項目を表示させることが効果的といえる。
【0026】
また、前記辞書情報は、前記区切り文字について対応する前記項目情報の前後の位置を示す位置情報がさらに対応付けられているものとする。この場合、前記抽出部は、第1のテキストデータの中から区切り文字を検索し、当該検索された区切り文字に対応する位置情報が示す位置の文字列を特定し、当該特定された文字列を、当該検索された区切り文字に対応する項目の前記第1の項目情報として抽出する。これにより、会話音声内に救急医療に関する項目名自体が含まれない場合であっても、項目に対応する区切り文字を手掛かりに、当該項目の項目情報を適切に抽出することができる。
【0027】
さらに、前記辞書情報は、前記項目と、前記区切り文字とに表示形式がさらに対応付けられていることが望ましい。この場合、前記抽出部は、前記特定された文字列を前記検索された区切り文字に対応する前記表示形式に変換して前記第1の項目情報として抽出するとよい。これにより、文字列データ(例えば、「はたち」又は「みっつ」等)を適切な数値や記号等(例えば、「20歳」又は「3歳」)として表示させることができ、オペレータによる項目情報の訂正量を軽減できる。
【0028】
また、前記項目情報は、前記救急医療の患者に関する患者情報と、前記患者が救助された現場に関する現場情報とを含むことが望ましい。これにより、救急搬送時の会話音声から救急医療に関する必要な項目を適切に抽出することができる。
【0029】
図3は、本実施の形態2にかかる救急搬送受入支援システム2000の構成を示すブロック図である。救急搬送受入支援システム2000は、上述した情報処理システム1000の一例である。救急搬送受入支援システム2000は、救急医療の受入等を行う医療機関等における情報システムである。救急搬送受入支援システム2000は、救急受入の要求者である救急隊員U1と、受入側のオペレータU2との会話音声を入力する。そして、救急搬送受入支援システム2000は、受け付けた通話音声を音声認識して、救急医療に関する項目情報を抽出し、救急医療情報としてデータベースに登録する。
【0030】
救急搬送受入支援システム2000は、放送スピーカ211、情報共有端末212、情報共有サーバ220及び情報処理装置300を備え、それぞれが院内ネットワークNを介して接続されている。ここで、院内ネットワークNは、医療機関内のLAN(Local Area Network)等の通信回線である。但し、院内ネットワークNの代わりに、外部の専用線又はインターネット等を用いても良い。放送スピーカ211は、医療機関内に設置され、院内ネットワークNを介した情報処理装置300からの指示に応じて音を出力する機器である。放送スピーカ211は、例えば、複数のスピーカを含み、医療機関内の医療従事者が待機する各部屋に設置されているものとする。情報共有端末212は、医療機関内に設置された1以上の情報処理装置である。情報共有端末212は、例えば、医療従事者の操作に応じて、救急医療情報の参照要求を、院内ネットワークNを介して情報共有サーバ220へ送信し、情報共有サーバ220から救急医療情報を取得して、画面(不図示)に表示する。また、情報共有端末212は、医療従事者の入力操作に応じて、救急医療情報の更新要求を、院内ネットワークNを介して情報共有サーバ220へ送信する。そのため、情報共有端末212は、情報共有サーバ220に対して外部アクセスを行う情報処理装置といえる。
【0031】
情報共有サーバ220は、救急医療情報を管理するコンピュータ装置である。情報共有サーバ220は、少なくとも記憶装置221を備える。記憶装置221は、上述した記憶部11の一例であり、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置である。記憶装置221は、救急医療情報222を記憶する。救急医療情報222は、上述した項目情報21と項目22とを対応付けた情報の一例である。そして、情報共有サーバ220は、情報処理装置300から院内ネットワークNを介して、救急医療情報222の登録要求を受け付け、受け付けた情報を記憶装置221に保存する。また、情報共有サーバ220は、院内ネットワークNを介して、情報処理装置300又は情報共有端末212から項目の指定を含む救急医療情報222の参照要求を受け付け、記憶装置221から指定された項目に対応する項目情報を読み出して、要求元へ返信する。また、情報共有サーバ220は、院内ネットワークNを介して、情報処理装置300又は情報共有端末212から項目の指定及び更新データを含む救急医療情報222の更新要求を受け付ける。そして、情報共有サーバ220は、記憶装置221内で指定された項目に対応する項目情報を更新データに更新する。
【0032】
また、救急搬送受入支援システム2000は、救急隊員U1が使用する通信機器430、通信網420及び交換機410を含むものであってもよい。ここで、情報処理装置300は、交換機410と少なくとも電話回線で接続されている。但し、情報処理装置300は、院内ネットワークNを介して交換機410と接続されていてもよい。また、交換機410と通信機器430とは、通信網420を介して接続されている。ここで、通信網420は、少なくとも電話通信が可能な通信回線である。そして、交換機410は、電話通信における一般的な交換機である。また、通信機器430は、有線通信又は無線通信により音声通話が可能な情報処理端末であり、公知のものを用いることが可能である。通信機器430は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末等である。または、通信機器430は、救急車等に搭載され、医療機関と通話と行うための無線装置であってもよい。または、通信機器430は、消防署等に設置された固定電話機であってもよい。
【0033】
情報処理装置300は、オペレータU2が操作するコンピュータ装置であり、上述した情報処理装置1の一例である。情報処理装置300は、例えば、多機能電話機の機能を有するものとする。情報処理装置300は、院内ネットワークN及び交換機410の他に、ヘッドセット301、タッチパネル302及びキーボード303と接続されている。ヘッドセット301は、オペレータU2が装着し、通信機器430からの救急隊員U1の音声を出力するイヤホン及びオペレータU2の音声を受け付け、情報処理装置300へ出力する装置であり、公知ものを用いることができる。タッチパネル302は、情報処理装置300から出力される表示データを表示する表示装置と、オペレータU2からの入力操作を受け付ける入力装置とを含む装置であり、公知ものを用いることができる。尚、タッチパネル302の代わりに、ディスプレイ等の表示装置を用いても構わない。キーボード303は、オペレータU2からの入力操作を受け付け、受け付けた入力内容を情報処理装置300へ出力する入力装置であり、公知ものを用いることができる。
【0034】
図4は、本実施の形態2にかかる情報処理装置300の構成を示すブロック図である。尚、情報処理装置300は、複数台のコンピュータにより実現したものであってもよい。情報処理装置300は、記憶部310と、録音部320と、音声認識部330と、CPU340と、メモリ350と、通信IF(InterFace)部360とを備える。
【0035】
記憶部310は、上述した記憶部11の一例であり、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置である。記憶部310は、辞書情報311と、確認内容情報312と、プログラム313とを記憶する。辞書情報311は、上述した辞書情報14の一例である。また、辞書情報311は、救急医療に関する複数の項目のそれぞれの項目名の文字列そのもの、及び、当該項目名と同等の意味を示す同意語の文字列を含めてもよい。尚、辞書情報311は、公知のテキスト含意認識技術を用いて生成されたものであってもよい。
【0036】
図5は、本実施の形態2にかかる辞書情報500の概念を説明する図である。辞書情報500は、辞書情報311の一例である。辞書情報500は、例えば、患者情報510と、現場情報520とを含む。患者情報510は、例えば、年齢、性別、バイタル情報、及び症状等を含む項目の集合である。現場情報520は、例えば、搬送時間、住所、連絡先、及び、同乗者有無を含む項目の集合である。尚、辞書情報500に含まれる項目はこれらに限定されない。
【0037】
図6は、本実施の形態2にかかる辞書情報の具体例を示す図である。ここでは、患者情報510の一例として、年齢600を示す。年齢600は、位置情報610及び620と表示形式630とを含む。位置情報610は、年齢を含む文章のうち、年齢を示す文字列の前の位置に含まれる可能性の高い区切り文字611等の集合と対応付けられた情報である。ここで、年齢を示す文字列の前の位置に含まれる可能性の高い区切り文字の集合としては、例えば、「年齢」、「歳」、「年」、「患者」又は「生後」等が挙げられる。また、位置情報620は、年齢を含む文章のうち、年齢を示す文字列の後の位置に含まれる可能性の高い区切り文字621等の集合と対応付けられた情報である。ここで、年齢を示す文字列の後の位置に含まれる可能性の高い区切り文字の集合としては、例えば、「年齢」、「才」、「代」、「十」、「ヶ月」又は「日」等が挙げられる。尚、区切り文字の例は、これらに限定されない。言い換えるとは、年齢600等の各項目は、複数の区切り文字の集合と対応付けられている。そして、各項目は、区切り文字について項目情報の前後の位置を示す位置情報610又は620がさらに対応付けられている。また、表示形式630は、年齢600における画面上の表示形式を示し、例えば、数字であるものとする。そのため、各項目と区切り文字とに表示形式がさらに対応付けられている。
【0038】
図4に戻り説明を続ける。確認内容情報312は、オペレータによる救急受入の要求者からの聞き取り時に、受付画面データに含めてタッチパネル302等の表示装置に表示するための、聞き取りに必要な緊急医療情報の項目のリストを示す文字列である。確認内容情報312は、例えば、辞書情報311に含まれる複数の項目の項目名の文字列を用いてもよい。
【0039】
プログラム313は、本実施の形態にかかる情報処理が実装されたコンピュータプログラムである。プログラム313は、例えば、上述した実施の形態1にかかる情報処理プログラムを改良したものであってもよい。
【0040】
通信IF部360は、情報処理装置300の外部との入出力を行うインタフェースである。例えば、通信IF部360は、通信機器430から通信網420及び交換機410を介して入力された音声信号を受信し、ヘッドセット301、録音部320及び音声認識部330へ出力する。また、通信IF部360は、ヘッドセット301から音声信号の入力を受け付け、交換機410、録音部320及び音声認識部330へ出力する。また、通信IF部360は、CPU340から出力される画像データをタッチパネル302へ出力する。また、通信IF部360は、タッチパネル302又はキーボード303から入力される操作情報を受け付け、CPU340へ出力する。また、通信IF部360は、CPU340から出力される救急医療情報の登録要求又は更新要求を、院内ネットワークNを介して情報共有サーバ220へ送信する。
【0041】
メモリ350は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置であり、CPU340の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。また、メモリ350は、上述した音声信号を一時的に保存してもよい。
【0042】
録音部320は、救急隊員U1とオペレータU2との会話における音声信号を音声データとして録音する録音装置である。尚、録音部320は、ハードウェアに限定されず、録音装置の一部又は全部をソフトウェアとして実現しても良い。その場合、録音部320の機能は、プログラム313に実装されていてもよい。また、録音部320により録音された音声データは、録音部320内の記憶領域(不図示)、メモリ350、記憶部310その他の記憶装置に保存されればよい。
【0043】
音声認識部330は、通信IF部360を介して受け付けた音声信号、又は、録音部320により録音された音声データから音声認識処理を行い、テキストデータへ変換し、変換したテキストデータをメモリ350又はCPU340へ出力する。音声認識部330は、ハードウェアに限定されず、一部又は全部をソフトウェアとして実現しても良い。その場合、音声認識部330の機能は、プログラム313に実装されていてもよい。尚、音声認識部330の音声認識処理は、公知ものを用いて構わない。
【0044】
CPU340は、情報処理装置300の各構成を制御するプロセッサである。CPU340は、記憶部310からプログラム313をメモリ350へ読み込み、プログラム313を実行する。これにより、CPU340は、後述する抽出部341、登録部342、表示制御部343及び編集受付部344の機能を実現する。尚、抽出部341は、上述した抽出部12の一例である。また、登録部342は、上述した登録部13の一例である。
【0045】
抽出部341は、音声認識部330により音声認識されたテキストデータに対して、辞書情報311に基づいて複数の項目のそれぞれに対応する複数の項目情報を抽出する。特に、抽出部341は、救急搬送時に追加で入力された会話音声を音声認識したテキストデータに対して、複数の項目の少なくとも一部に対応する項目情報をさらに抽出する。また、抽出部341は、テキストデータの中から区切り文字を検索し、当該検索された区切り文字に対応する位置情報が示す位置の文字列を特定し、当該特定された文字列を、当該検索された区切り文字に対応する項目の項目情報として抽出する。このとき、抽出部341は、特定された文字列を検索された区切り文字に対応する表示形式に変換して項目情報として抽出する。
【0046】
登録部342は、抽出部341により抽出された複数の項目情報のそれぞれを複数の項目と対応付けて、記憶装置221に救急医療情報222として登録する。また、登録部342は、編集受付部344が編集データを受け付けた場合、当該編集データに対応する項目情報を当該編集データに変更して救急医療情報222を更新する。また、登録部342は、上記追加で入力された会話音声に基づき抽出部341により抽出された第2の項目情報に対応する元の第1の項目情報を当該第2の項目情報に変更して救急医療情報222を更新する。
【0047】
表示制御部343は、抽出部341により抽出された複数の項目情報のそれぞれを複数の項目と対応付けた項目情報画面データを生成して、当該項目情報画面データをタッチパネル302に表示させる。また、表示制御部343は、編集受付部344が編集データを受け付けた場合、項目情報画面データ内の編集データに対応する第1の項目情報を当該編集データに変更してタッチパネル302に表示させる。また、表示制御部343は、項目情報画面データ内の前記第2の項目情報に対応する第1の項目情報を、上記追加で入力された会話音声に基づき抽出部341により抽出された第2の項目情報に変更してタッチパネル302に表示させる。また、表示制御部343は、会話音声の音声認識中に、記憶部310から確認内容情報312を読み出して、確認内容情報312を含む受付画面データをタッチパネル302に表示させる。
【0048】
編集受付部344は、タッチパネル302に項目情報画面データが表示された際に、オペレータU2の入力操作により、複数の項目の少なくとも一部に対する編集データを受け付ける。
【0049】
図7及び
図8は、本実施の形態2にかかる救急搬送受入処理の流れを説明するためのフローチャートである。まず、救急隊員U1は、救急医療を必要とする患者の元へ行き、通信機器430によりオペレータU2に対して通話を行う。これに応じて、情報処理装置300は、通信機器430との通話を開始する(S201)。そのため、救急隊員U1とオペレータU2との間で音声通話が行われ、救急隊員U1から救急搬送を依頼するための患者情報や現場情報の発話がされる。また、オペレータU2は、必要に応じて、救急隊員U1に対して問いかけを行い、患者情報や現場情報の聴取を行う。そして、録音部320は、通話内容の音声データの録音を開始する(S202)。続いて、音声認識部330は、通話音声をテキスト化する(S203)。また、ステップS201からS203と並行して、情報処理装置300は、受付画面を生成し、タッチパネル302に表示する(S204)。このとき、表示制御部343は、記憶部310から確認内容情報312を読み出して、確認内容情報312を含む受付画面データを生成し、当該受付画面データをタッチパネル302に表示させる。尚、ステップS204は、ステップS202又はS203の前に完了してもよい。その場合、オペレータU2は、救急隊員U1からの患者情報や現場情報の聴取に際して、受付画面700の確認内容表示欄760を参照することができる。
【0050】
図9は、本実施の形態2にかかる受付画面700の例を示す図である。受付画面700は、受付画面データの一例であり、確認内容表示欄760には、確認内容情報312が表示されていることを示す。また、受付画面700は、例えば、次の構成を含む。すなわち、受付画面700は、受入ボタン701、拒否ボタン702、リダイヤルボタン703、10キーボタン704、音量ボタン705、終話ボタン706及び現在時刻欄707を含む。受入ボタン701は、オペレータU2が救急隊員U1との会話を通じて、救急搬送受入支援システム2000が属する医療機関にて患者を受け入れると判断した場合に押下される領域である。拒否ボタン702は、オペレータU2が救急隊員U1との会話を通じて、当該患者を受け入れないと判断した場合に押下される領域である。尚、受入ボタン701及び拒否ボタン702の他に、保留ボタン、出動ボタン等を含めても構わない。リダイヤルボタン703は、通信機器430との通話が切断された後に、通信機器430に対して電話発信を行う際に押下される領域である。10キーボタン704は、電話番号等の任意の番号を押下するための10キー画面を表示するために押下される領域である。音量ボタン705は、通話の音量を調整するために押下される領域である。終話ボタン706は、通話を終了する際に押下される領域である。現在時刻欄707は、現在時刻を表示する欄である。
【0051】
また、受付画面700は、さらに、連絡先欄710、スピーカ出力ボタン720、録音開始ボタン730、辞書データ登録ボタン740、メモ表示欄750及び確認内容表示欄760を含む。連絡先欄710は、患者の受け入れ部署等の部屋に対して受け入れ態勢の準備を促す音声データを出力する放送スピーカ211を指定するために押下される領域である。連絡先欄710は、複数の連絡先選択ボタンを含む。連絡先選択ボタンとしては、例えば、ER室7111、外来受付7112、放射線室7113、XX医師7114、運行管理室7115、内科7116、医局7117、YY医師7118、仮眠室7119、産婦人科7120、待機室7121及びZZ医師7122等が挙げられる。但し、連絡先選択ボタンの例は、これらに限定されない。
【0052】
スピーカ出力ボタン720は、連絡先欄710で選択された領域に対応する放送スピーカ211から、放送を開始するために押下される領域である。録音開始ボタン730は、通話の録音を開始するために押下される領域である。尚、ステップS202は、録音開始ボタン730の押下によらず、情報処理装置300が通信機器430からの通話を開始したことに応じて自動的に録音が開始されるものとする。辞書データ登録ボタン740は、救急搬送時等の救急医療時以外のタイミングにおいて、オペレータU2が辞書情報311の登録内容を編集(追加、変更、削除)するために押下される領域である。メモ表示欄750は、例えば、オペレータU2が救急隊員U1との会話中に、タッチパネル302又はキーボード303を介して入力されたテキスト情報を表示する領域である。または、メモ表示欄750に表示される情報は、情報共有端末212を介して医療従事者により入力されたテキスト情報であってもよい。確認内容表示欄760は、上述した通り、確認内容情報312を表示する領域である。
【0053】
図7に戻り説明を続ける。ステップS203及びS204の後、オペレータU2は、当該通話にかかる患者を救急搬送受入支援システム2000が属する医療機関で受け入れるか否かを判断し、受付画面700の受入ボタン701又は拒否ボタン702を押下する。これに応じて、情報処理装置300は、受入ボタン701又は拒否ボタン702のいずれが押下されたかを判定する(S205)。拒否ボタン702が押下されたと判定した場合、ステップS207へ進む。また、受入ボタン701が押下されたと判定した場合、オペレータU2は、救急隊員U1から患者情報及び現場情報の聴取を行う(S206)。このとき、オペレータU2は、受付画面700の確認内容表示欄760を参照して、聴取を行い、適宜、タッチパネル302又はキーボード303を介して入力を行う。これに応じて、表示制御部343は、メモ表示欄750に入力内容を表示する。また、ステップS206において、録音部320は、会話音声の録音を継続し、音声認識部330は、会話音声の音声認識によるテキスト化を継続する。
【0054】
その後、オペレータU2は、例えば、受付画面700の終話ボタン706を押下する。これにより、情報処理装置300は、通話及び録音を終了する(S207)。または、ステップS205において、拒否ボタン702が押下された場合にも、情報処理装置300は、通話及び録音を終了する。または、任意のタイミングで終話ボタン706が押下されるか、通信機器430側で終話された場合に、情報処理装置300は、通話及び録音を終了する。
【0055】
ステップS207の後、音声認識部330は、通話内容のテキスト化を完了する(S208)。そして、情報処理装置300は、救急医療情報のテキストマイニング処理を行う(S209)。
【0056】
図10は、本実施の形態2にかかる救急医療情報のテキストマイニング処理の流れを説明するためのフローチャートである。前提として、辞書情報311には、複数の項目が登録され、各項目には、1以上の区切り文字が対応付けられているものとする。また、抽出部341は、音声認識部330から音声認識結果であるテキストデータを取得済みであり、取得したテキストデータを処理対象のテキストデータとするものとする。尚、抽出部341は、取得したテキストデータに対して、複数の文章に分割し、文章単位で処理対象のテキストデータとしてもよい。または、抽出部341は、連続する2以上の文章をまとめて処理対象のテキストデータとしてもよい。
【0057】
まず、抽出部341は、辞書情報311から未選択の1つの項目を選択する(S301)。次に、抽出部341は、辞書情報311から、ステップS301で選択した項目に対応付けられた未選択の区切り文字を選択する(S302)。
【0058】
そして、抽出部341は、処理対象のテキストデータに対して、選択した項目又は区切り文字に関する検索を行う(S303)。例えば、抽出部341は、処理対象のテキストデータ内で項目名又は項目名の同義語を検索する。また、抽出部341は、処理対象のテキストデータ内で区切り文字を検索する。
【0059】
そして、ステップS303で検索された場合、抽出部341は、処理対象のテキストデータの中から、検索された文字列を含む文章を抽出する(S304)。このとき、抽出部341は、処理対象のテキストデータの中から、検索された文字列を含む文章に加えて、前後の文章をさらに抽出してもよい。
【0060】
続いて、抽出部341は、抽出した文章から項目及び区切り文字に基づいて、項目情報を抽出する(S305)。そして、抽出部341は、辞書情報311を参照し、抽出した項目情報を、該当の項目に対応付けられた表示形式に合せて変換する(S306)。例えば、選択した項目が年齢であり、年齢に対応付けられた表示形式が数字であり、抽出された文章が「患者は、さんじゅう代の男性で、車に撥ねられ、意識がない状態です。」であるものとする。この場合、抽出部341は、抽出された文章から(位置情報が「後」の)区切り文字「代」の前の文字列「さんじゅう」を項目情報として抽出し、「さんじゅう」を数字「30」に変換する。また、選択した項目が搬送時間であり、搬送時間の同義語が「到着」であり、搬送時間に対応付けられた区切り文字が「約」(位置情報が「前」)や「分」(位置情報が「後」)であるものとする。そして、抽出された文章が「到着までどのくらいでしょうか。約10分程度です。」であるものとする。この場合、抽出部341は、例えば、まず、抽出された文章から「到着」が検索され、「到着」を含む文章と、その後の文章とを含めて文章を抽出する。そして、抽出部341は、抽出された文章から区切り文字「約」の後、かつ、区切り文字「分」の前の文字列「10」を抽出する。尚、この場合、抽出した文字列は数字であるため、ステップS306を行わなくても良い。
【0061】
ステップS306の後、又は、ステップS303で検索されなかった場合、抽出部341は、ステップS301で選択した項目に対応付けられた未選択の区切り文字が、辞書情報311の中に存在するか否かを判定する(S307)。ステップS307で未選択の区切り文字が存在すると判定した場合、ステップS302へ戻り、抽出部341は、ステップS301で選択した項目に対応付けられた未選択の他の区切り文字を選択し、ステップS303へ進む。一方、ステップS307で未選択の区切り文字が存在しないと判定した場合、抽出部341は、辞書情報311に未選択の項目が存在するか否かを判定する(S308)。
【0062】
ステップS308で未選択の項目が存在すると判定した場合、ステップS301へ戻り、抽出部341は、辞書情報311から、未選択の項目を選択し、ステップS302へ進む。一方、ステップS308で未選択の項目が存在しないと判定した場合、抽出部341は、ステップS309へ進む。このとき、抽出部341は、ステップS306で変換した項目情報を、該当の項目と対応付けて救急医療情報表示画面を生成し、タッチパネル302に表示する(S309)。
【0063】
図11は、本実施の形態2にかかる救急医療情報表示画面800の例を示す図である。救急医療情報表示画面800は、項目情報画面データの一例である。救急医療情報表示画面800は、例えば、複数の患者情報の表示欄と、複数の現場情報の表示欄とを含む。例えば、患者情報の表示欄としては、次のものが挙げられる。カナ表示欄801は、抽出部341により抽出された患者の氏名のカタカナ表記を表示する欄である。同様に、氏名表示欄802は、患者の氏名の漢字表記を表示する欄である。性別表示欄803は、抽出部341により抽出された患者の性別を表示する欄である。年齢表示欄804は、抽出部341により抽出された患者の年齢を表示する欄である。血液型表示欄805は、抽出部341により抽出された患者の血液型を表示する欄である。血圧表示欄806は、抽出部341により抽出された患者の血圧を表示する欄である。心拍数表示欄807は、抽出部341により抽出された患者の心拍数を表示する欄である。SPO2表示欄808は、抽出部341により抽出された患者のSPO2の値を表示する欄である。意識レベル表示欄809は、抽出部341により抽出された患者の意識レベルを表示する欄である。関係者有無表示欄810は、抽出部341により抽出された患者の関係者の有無を表示する欄である。かかりつけ病院表示欄835は、抽出部341により抽出された患者のかかりつけの病院を表示する欄である。持病表示欄836は、抽出部341により抽出された患者の持病を表示する欄である。
【0064】
また、現場情報の表示欄としては、次のものが挙げられる。現場住所表示欄831は、抽出部341により抽出された現場の住所を表示する欄である。搬送時間表示欄832は、抽出部341により抽出された現場からの搬送時間を表示する欄である。救急到達時間表示欄833は、抽出部341により抽出された現場へ救急車が到達する見込み時間を表示する欄である。現場連絡先表示欄834は、抽出部341により抽出された現場の連絡先を表示する欄である。
【0065】
また、救急医療情報表示画面800は、受付時刻表示欄811、受入選択欄821及び出動選択欄822、現在時刻表示欄840、メモ表示欄850、通話内容表示欄860、登録ボタン871及びキャンセルボタン872を含む。受付時刻表示欄811は、通信機器430からの通話の開始時刻、又は、受入ボタン701が押下された時刻等を表示する欄である。受入選択欄821は、受付画面700において受入ボタン701が押下された際に選択される欄である。出動選択欄822は、オペレータU2により救急車の出動と判断された場合に選択される欄である。現在時刻表示欄840は、現在時刻を表示する欄である。メモ表示欄850は、メモ表示欄750と同様の欄である。通話内容表示欄860は、音声認識部330により音声認識されたテキストデータを表示する欄である。登録ボタン871は、オペレータU2が救急医療情報表示画面800の患者情報及び現場情報の表示内容を登録する際に押下される領域である。キャンセルボタン872は、オペレータU2が救急医療情報表示画面800の表示内容を破棄する場合に押下される領域である。
【0066】
図8に戻り説明を続ける。ステップS209の後、つまり、タッチパネル302に救急医療情報表示画面800が表示された後、オペレータU2は、表示内容について医療従事者と共有するか否かを判断する。このとき、情報処理装置300は、救急医療情報表示画面800の登録ボタン871又はキャンセルボタン872のいずれが押下されたかを判定する(S210)。例えば、ステップS205で拒否ボタン702が押下された場合、オペレータU2は、当該通話において救急搬送を受け入れないため、救急医療情報表示画面800のキャンセルボタン872を押下する。また、ステップS205で受入ボタン701が押下された場合、オペレータU2は、当該通話において救急搬送を受け入れるため、救急医療情報表示画面800の登録ボタン871を押下する。
【0067】
ステップS210でキャンセルボタン872が押下されたと判定された場合、情報処理装置300は、救急医療情報表示画面800を閉じて、表示内容を破棄する(S213)。尚、登録部342は、通話記録として、救急医療情報表示画面800の表示内容や録音データを記憶装置221に登録してもよい。
【0068】
ステップS210で登録ボタン871が押下されたと判定された場合、オペレータU2は、表示内容を共有情報とするにあたり訂正が必要か否かを判断する。例えば、音声認識が誤認識された場合、オペレータU2は、訂正が必要と判断し、タッチパネル302又はキーボード303により、訂正情報を入力する。このとき、編集受付部344は、共有情報、つまり、表示内容に対する訂正の入力を受け付けたか否かを判定する(S211)。ステップS211で共有情報に対する訂正の入力を受け付けた場合、表示制御部343は、指定された項目に対応する表示データを、入力された訂正対象の編集データにより更新して、救急医療情報表示画面800を表示する。つまり、表示制御部343は、情報を訂正する(S212)。尚、ステップS211及びS212は、複数回繰り返しても良い。
【0069】
ステップS212の後、又は、ステップS211で共有情報に対する訂正の入力を受け付けなかった場合、つまり、登録ボタン871が押下された場合、登録部342は、情報共有サーバ220に救急医療情報222を登録する(S214)。
【0070】
このように、本実施の形態により、救急受入の要求者からの通話内容から受入に必要な情報を効率的に抽出し、データベースに登録することで、救急医療情報を関係各所と円滑に共有することができる。
【0071】
ここで、救急医療の現場においては、救命率の確保が命題となっている。救命率を確保するためには、現状行われている救急医療行為の中での関係者間の情報伝達及び情報共有に要する時間を短縮することが重要である。例えば、救急医療における情報伝達には、救急搬送時に救急受入の要求者から救急医療の受入機関(医療機関等)のオペレータへの患者情報や現場情報の伝達や、オペレータから医師や看護師等の医療従事者への情報伝達がある。このとき、オペレータが救急受入の要求者からの電話等による通話内容を聞き取り、関係する医療従事者に対して音声、紙媒体又は情報システム経由で伝達することになる。例えば、上述した特許文献1のように情報システムにより会話音声を音声認識し、音声認識結果そのものを画面上に表示した場合には、オペレータがテキストデータを項目ごとに分割して項目情報を情報システムへ入力することとなる。または、オペレータは、音声認識の誤認識を訂正する必要がある。そのため、このようなシステムへの入力作業に要する時間を短縮することで1分1秒を争う救急医療の現場で、患者へのさらなる迅速な対応が可能になる。
【0072】
そこで、本実施の形態では、救急搬送時の会話内容を音声認識し、認識した音声をテキスト化させ、救急用のテキストマイニングを行い、患者情報を抽出する。ここで、救急用のテキストマイニングでは、登録済みの辞書データを参考に患者情報に特化した情報を文章の前後の文字から検索を行い、自動的に抽出する機能を含む。また、抽出した情報について院内ネットワークを介して、情報共有サーバに格納することにより、関係各所の情報共有端末で情報を参照可能とする。これによって、医師や看護師の作業が短縮され、受入準備やドクターカー出動準備等に多くの時間を割くことができる。また、共有サーバに格納したデータを参照することによって電子カルテ等のシステムで簡易的にカルテ作成に使用することができる。つまり、患者情報のデータベースへの入力の自動化と共有を行うことで、医師や看護師等による救急医療行為を効率化できる。
【0073】
<その他の実施の形態>
尚、上述の実施の形態では、ハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではない。本開示は、任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0074】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、DVD(Digital Versatile Disc)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0075】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施の形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0076】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記A1)
救急医療に関する複数の項目のそれぞれに対応する項目情報を抽出するための区切り文字の集合である辞書情報を記憶する記憶部と、
救急搬送時になされた第1の会話音声を音声認識した第1のテキストデータに対して、前記辞書情報に基づいて前記複数の項目のそれぞれに対応する複数の第1の項目情報を抽出する抽出部と、
前記複数の第1の項目情報のそれぞれを前記複数の項目と対応付けて、外部アクセス可能な記憶装置に登録する登録部と、
を備える情報処理装置。
(付記A2)
前記複数の第1の項目情報のそれぞれを前記複数の項目と対応付けた項目情報画面データを生成して、当該項目情報画面データを表示装置に表示させる表示制御部をさらに備える
付記A1に記載の情報処理装置。
(付記A3)
前記複数の項目の少なくとも一部に対する編集データを受け付ける編集受付部をさらに備え、
前記登録部は、前記編集データに対応する第1の項目情報を当該編集データに変更して前記記憶装置を更新し、
前記表示制御部は、前記項目情報画面データ内の前記編集データに対応する第1の項目情報を前記編集データに変更して前記表示装置に表示させる
付記A2に記載の情報処理装置。
(付記A4)
前記抽出部は、前記救急搬送時に追加で入力された第2の会話音声を音声認識した第2のテキストデータに対して、前記複数の項目の少なくとも一部に対応する第2の項目情報をさらに抽出し、
前記登録部は、前記第2の項目情報に対応する第1の項目情報を当該第2の項目情報に変更して前記記憶装置を更新し、
前記表示制御部は、前記項目情報画面データ内の前記第2の項目情報に対応する第1の項目情報を前記第2の項目情報に変更して前記表示装置に表示させる
付記A2又はA3に記載の情報処理装置。
(付記A5)
前記表示制御部は、前記第1の会話音声の音声認識中に、前記複数の項目を含む受付画面データを前記表示装置に表示させる
付記A2乃至A4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(付記A6)
前記辞書情報は、前記区切り文字について対応する前記項目情報の前後の位置を示す位置情報がさらに対応付けられており、
前記抽出部は、
前記第1のテキストデータの中から前記区切り文字を検索し、
当該検索された区切り文字に対応する前記位置情報が示す位置の文字列を特定し、
当該特定された文字列を、当該検索された区切り文字に対応する項目の前記第1の項目情報として抽出する
付記A1乃至A5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(付記A7)
前記辞書情報は、前記項目と、前記区切り文字とに表示形式がさらに対応付けられており、
前記抽出部は、
前記特定された文字列を前記検索された区切り文字に対応する前記表示形式に変換して前記第1の項目情報として抽出する
付記A6に記載の情報処理装置。
(付記A8)
前記項目情報は、前記救急医療の患者に関する患者情報と、前記患者が救助された現場に関する現場情報とを含む
付記A1乃至A7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(付記B1)
救急医療に関する複数の項目のそれぞれに対応する項目情報を抽出するための区切り文字の集合である辞書情報を記憶する第1の記憶部と、
外部アクセス可能な第2の記憶部と、
救急搬送時になされた第1の会話音声を音声認識した第1のテキストデータに対して、前記辞書情報に基づいて前記複数の項目のそれぞれに対応する複数の第1の項目情報を抽出する抽出部と、
前記複数の第1の項目情報のそれぞれを前記複数の項目と対応付けて、前記第2の記憶部に登録する登録部と、
を備える情報処理システム。
(付記B2)
前記複数の第1の項目情報のそれぞれを前記複数の項目と対応付けた項目情報画面データを生成して、当該項目情報画面データを表示装置に表示させる表示制御部をさらに備える
付記B1に記載の情報処理システム。
(付記C1)
救急搬送時になされた第1の会話音声を入力し、
前記第1の会話音声を音声認識して第1のテキストデータに変換し、
救急医療に関する複数の項目のそれぞれに対応する項目情報を抽出するための区切り文字の集合である辞書情報を記憶する記憶部を参照し、前記第1のテキストデータに対して、前記辞書情報に基づいて前記複数の項目のそれぞれに対応する複数の第1の項目情報を抽出し、
前記複数の第1の項目情報のそれぞれを前記複数の項目と対応付けて、外部アクセス可能な記憶装置に登録する
情報処理方法。
(付記D1)
救急搬送時になされた第1の会話音声を入力する処理と、
前記第1の会話音声を音声認識して第1のテキストデータに変換する処理と、
救急医療に関する複数の項目のそれぞれに対応する項目情報を抽出するための区切り文字の集合である辞書情報を記憶する記憶部を参照し、前記第1のテキストデータに対して、前記辞書情報に基づいて前記複数の項目のそれぞれに対応する複数の第1の項目情報を抽出する処理と、
前記複数の第1の項目情報のそれぞれを前記複数の項目と対応付けて、外部アクセス可能な記憶装置に登録する処理と、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。