特許第6621153号(P6621153)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6621153
(24)【登録日】2019年11月29日
(45)【発行日】2019年12月18日
(54)【発明の名称】サーバ装置、冷却方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20191209BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20191209BHJP
   H01L 23/467 20060101ALI20191209BHJP
【FI】
   G06F1/20 C
   H05K7/20 V
   H05K7/20 D
   H01L23/46 C
   G06F1/20 B
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-136424(P2018-136424)
(22)【出願日】2018年7月20日
【審査請求日】2018年7月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100088959
【弁理士】
【氏名又は名称】境 廣巳
(74)【代理人】
【識別番号】100097157
【弁理士】
【氏名又は名称】桂木 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】中野 秀樹
【審査官】 豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第97/029415(WO,A1)
【文献】 特開2006−005229(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3008204(JP,U)
【文献】 特開2003−152153(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/20
H01L 23/467
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
CPUの上に配置されたヒートシンクと、
サーバの機能を拡張させる拡張カードと、
を有し、
前記拡張カードの冷却風導入口が前記ヒートシンクの上部に位置するよう前記拡張カードと前記ヒートシンクとを配置し
サーバ装置は、2ラックユニットのラックマウント型サーバであり、
前記ヒートシンクは、1ラックユニット用の高さを有している
サーバ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のサーバ装置であって、
ファンにより生じた冷却風を前記ヒートシンクの側と前記拡張カードの側とに分離するバッフルを有する
サーバ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のサーバ装置であって、
前記バッフルは、前記ファンにより生じた冷却風を上方側の冷却風と下方側の冷却風とに分離し、
下方側の冷却風により前記ヒートシンクを冷却し、上方側の冷却風により前記拡張カードを冷却するよう、前記ヒートシンクと前記拡張カードとを配置した
サーバ装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のサーバ装置であって、
前記バッフルは、前記ファンの高さの半分の冷却風を、前記CPUを搭載するシステムボード側に絞る
サーバ装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のサーバ装置であって、
前記拡張カードは、中継基板を介して前記CPUを搭載するシステムボードと接続されることで、前記拡張カードの冷却風導入口が前記ヒートシンクの上部に位置するよう前記システムボードに接続されている
サーバ装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のサーバ装置であって、
前記ヒートシンクは、前記CPU側である授熱部とは反対側に天板を有している
サーバ装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のサーバ装置であって、
サーバ装置の後方の面から前記ヒートシンクの後端までの距離が190mm以下である
サーバ装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のサーバ装置であって、
前記ヒートシンクの後端には、冷却風の排気を阻害する邪魔板が装着されている
サーバ装置。
【請求項9】
CPU上に配置されたヒートシンクと、サーバの機能を拡張させる拡張カードと、を有するサーバ装置により行われる冷却方法であって、
前記拡張カードの冷却風導入口が前記ヒートシンクの上部に位置するよう前記拡張カードと前記ヒートシンクとを配置し、
ファンにより生じた冷却風を前記ヒートシンクと前記拡張カードの前記冷却風導入口とに対して送風し、
サーバ装置は、2ラックユニットのラックマウント型サーバであり、
前記ヒートシンクは、1ラックユニット用の高さを有している
冷却方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、冷却方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ラックマウント型サーバには、ハイエンドのグラフィック・アクセラレータ・カードや数値演算コプロセッサなどのような消費電力の大きな拡張カードを配置することがある。このようにラックマウント型サーバに消費電力の大きな拡張カードを配置する場合、CPU並みに発熱することもある拡張カードをどのような方法で冷却するかが問題となっていた。
【0003】
このような問題に対処するための技術として、例えば、特許文献1がある。特許文献1によると、ラックサーバは、拡張カード用の取り付けスロットと、空気吸い込み口と、を有している。上記の構成により、ラックサーバは、拡張カード搭載エリアに専用の流路を構造的に形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6108640号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のような構造を設けるためには、システムボードの面積を縮小する必要や比較的大きな構造壁をサーバ筐体に追加する必要がある。その結果、拡張カード部以外の拡張性の低下(CPUやメモリモジュールなどの搭載可能数減少)や部品コスト・組み立てコストの増加などが発生する。そのため、特許文献1に記載の技術では、多用途の汎用サーバの冷却基本構造としては不適である、という問題があった。
【0006】
このように、CPUやメモリモジュールなどに対する影響を抑制しつつ、拡張カードを効率的に冷却することが難しい、という問題が生じていた。
【0007】
そこで、本発明の目的は、CPUやメモリモジュールなどに対する影響を抑制しつつ、拡張カードを効率的に冷却することが難しい、という問題を解決するサーバ装置、冷却方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するため本発明の一形態であるサーバ装置は、
CPU上に配置されたヒートシンクと、
サーバの機能を拡張させる拡張カードと、
を有し、
前記拡張カードの冷却風導入口が前記ヒートシンクの上部に位置するよう前記拡張カードと前記ヒートシンクとを配置した
という構成をとる。
【0009】
また、本発明の他の形態である冷却方法は、
CPU上に配置されたヒートシンクと、サーバの機能を拡張させる拡張カードと、を有するサーバ装置により行われる冷却方法であって、
前記拡張カードの冷却風導入口が前記ヒートシンクの上部に位置するよう前記拡張カードと前記ヒートシンクとを配置し、
ファンにより生じた冷却風を前記ヒートシンクと前記拡張カードの前記冷却風導入口とに対して送風する
という構成をとる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、以上のように構成されることにより、CPUやメモリモジュールなどに対する影響を抑制しつつ、拡張カードを効率的に冷却することが難しい、という問題を解決するサーバ装置、冷却方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態におけるラックマウント型サーバの構成の一例を示す斜視図である。
図2図1で示すラックマウント型サーバのうち、軸流ファンとヒートシンクとバッフル付近を拡大した拡大斜視図である。
図3】ヒートシンクの構成の一例を示す断面図である。
図4】中継基板に拡張カードを接続した際の様子の一例を示す斜視図である。
図5】軸流ファンと、CPUおよびヒートシンクと、拡張カードと、の位置関係の一例を示す断面図である。
図6】ラックマウント型サーバの他の構成の一例を示す拡大斜視図である。
図7】本発明の第2の実施形態におけるサーバ装置の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態を図1から図6までを参照して説明する。図1は、ラックマウント型サーバ10の構成の一例を示す斜視図である。図2は、ラックマウント型サーバ10のうち、軸流ファン3とヒートシンク5とバッフル6付近を拡大した拡大斜視図である。図3は、ヒートシンク5の構成の一例を示す断面図である。図4は、中継基板7に拡張カード8を接続した際の様子の一例を示す斜視図である。図5は、軸流ファン3と、CPU4およびヒートシンク5と、拡張カード8と、の位置関係の一例を示す断面図である。図6は、ラックマウント型サーバ10の他の構成の一例を示す拡大斜視図である。
【0013】
本発明の第1の実施形態では、電子機器収納専用ラックなどに収納されるラックマウント型サーバ10について説明する。ラックマウント型サーバ10は、軸流ファン3を並列に複数配置することで形成した冷却ファン列を有するとともに、冷却ファン列により生じる冷却風により、CPU4や当該CPU4上に設置されたヒートシンク5を冷却する。後述するように、本実施形態におけるラックマウント型サーバ10は、冷却風導入部がヒートシンク5の上方に位置する状態で中継基板7を介してシステムボード2と接続する拡張カード8を有している。また、冷却ファン列とCPU4やヒートシンク5の間に、冷却風の一部をシステムボード2側へ絞るバッフル6を搭載している。
【0014】
なお、本実施形態においては、図1の左上側が前方であり、図1の右下側が後方であるものとする。また、本実施形態においては、システムボード2よりも上方に軸流ファン3やCPU4などが位置しているものとする。さらに、本実施形態においては、軸流ファン3により生じる冷却風は、前方から後方に向かって流れることとする。このような構成のため、軸流ファン3により生じた冷却風は、軸流ファン3により後方に搭載されているCPU4やヒートシンク5に向かって流れることになる。
【0015】
ラックマウント型サーバ10は、高さが約3.5インチ(約90mm)、横幅が約19インチ、の大きさを有する箱形の2ラックユニットサーバである。ラックマウント型サーバ10は、19インチラックやラックサーバなどとも呼ばれる。なお、1ラックユニットは1.75インチ(約45mm)である。
【0016】
図1は、ラックマウント型サーバ10の構成の一例を示す斜視図である。図1は、ラックマウント型サーバ10のうち、上方を覆う上方カバーを外した際の様子の一例を示している。
【0017】
図1を参照すると、ラックマウント型サーバ10は、箱形のラックサーバ筐体1の内部に、システムボード2と、軸流ファン3を並列に配置した冷却ファン列と、CPU4と、ヒートシンク5と、バッフル6と、中継基板7と、拡張カード8と、を有している。
【0018】
図2では、図1で示す構成のうち、軸流ファン3、ヒートシンク5、バッフル6、それぞれの構成を搭載した箇所周辺を拡大した際の様子の一例を示している。図1図2で示すように、並列に配置した軸流ファン3により形成される冷却ファン列の後方にCPU4が搭載されており、CPU4の上方にヒートシンク5が搭載されている。また、冷却ファン列とヒートシンク5の間にバッフル6が搭載されている。
【0019】
また、図1で示すように、CPU4やヒートシンク5の後方のシステムボード2上には、当該システムボード2に中継基板7を接続する際に用いるコネクタ21が形成されている。具体的には、コネクタ21は、当該コネクタ21に接続した中継基板7に拡張カード8を接続した際に、拡張カード8の前方に形成された冷却風導入部がヒートシンク5上(少なくともヒートシンク5の後端よりも前方)に位置するようシステムボード2に形成されている。
【0020】
システムボード2は、マザーボードやメインボードなどとも呼ばれる電子回路基板である。上述したように、システムボード2上のうちCPU4やヒートシンク5の搭載箇所より後方には、中継基板7を接続するコネクタ21が形成されている。また、システムボード2上には、軸流ファン3、CPU4、ヒートシンク5、バッフル6などが搭載される。
【0021】
なお、システムボード2は、上述した構成の他、一般的なシステムボードが有する構成を有することが出来る。
【0022】
軸流ファン3は、ファンの回転により、前方から後方へ向かって冷却風を生じさせる。図1で示すように、軸流ファン3は、2ラックユニット程度の高さを有している。なお、軸流ファン3の高さは、ラックマウント型サーバ10の高さ(ラックサーバ筐体1の高さ)に応じて変更して構わない。
【0023】
また、軸流ファン3は、システムボード2上に並列で搭載されることで、冷却ファン列を形成する。例えば、図1で示す場合、並列で搭載された5つの軸流ファン3により冷却ファン列を形成している。
【0024】
CPU4の搭載位置は、典型的なラックマウント型サーバと同様に、冷却ファン列の後方である。CPU4の上方には、ヒートシンク5が搭載される。
【0025】
本実施形態の場合、ラックマウント型サーバ10は、CPU4を2つ有している。具体的には、2つのCPU4は、軸流ファン3と同様に並列で並んでいる。そのため、図1で示すように、CPU4の上方に搭載されるヒートシンク5も並列で並ぶことになる。
【0026】
ヒートシンク5は、CPU4から生じる熱を逃がす機能を有している。図3は、ヒートシンク5の構成の一例を示している。図3で示すように、ヒートシンク5は、例えば、授熱部51とプレートフィン52と天板53とから成る。
【0027】
ヒートシンク5の授熱部51は、平板状の板材である。授熱部51は、放熱グリス41などを介してCPU4と接触している。また、プレートフィン52は、授熱部51の上側の面から上方へ向かって延設されている板状の部材である。プレートフィン52は、図3で例示するように、所定の間隔をあけて複数延設されている。プレートフィン52の間には、軸流ファン3が発生させた冷却風が流れる。
【0028】
また、ヒートシンク5のうち授熱部51とは反対側(つまり上側)は、天板53を設けることで閉じている。このような構造のため、プレートフィン52の間を流れる冷却風がヒートシンク5の途中で上方へ漏れることはない。なお、ヒートシンク5の上方側が閉じていれば、プレートフィン52の上端と天板53とは、必ずしも接触していなくても構わない。
【0029】
ヒートシンク5の高さは、例えば、典型的な1ラックユニットサーバ用と同程度である。そのため、高さが2ラックユニットである本実施形態のラックマウント型サーバ10の場合、ヒートシンク5の上面とラックサーバ筐体1の上方カバーとの間には、1ラックユニット程度の隙間を確保することが出来る。後述するように、ヒートシンク5の上面とラックサーバ筐体1の上方カバーとの間に形成される隙間には、拡張カード8が挿入される。
【0030】
バッフル6は、軸流ファン3により生じた冷却風の一部(例えば、下半部)をシステムボード2側に絞ることで、ヒートシンク5への必要風量を確保する。例えば、バッフル6は、軸流ファン3とヒートシンク5との間に搭載されており、軸流ファン3により生じた冷却風のうち所定位置(例えば、軸流ファン3の高さの半分)以下の冷却風をシステムボード2側に絞る。これにより、バッフル6は、軸流ファン3により生じた冷却風の一部を用いて、ヒートシンク5への必要風量を確保する。なお、上記の結果、バッフル6は、軸流ファン3により生じた冷却風を、バッフル6の下方を流れる冷却風とバッフル6の上方を流れる冷却風とに分けることになる。
【0031】
バッフル6は、例えば、図2で示すように、一対の側壁部61と、上側板62と、から構成されている。側壁部61は、上下方向に延びる板材であり、バッフル6の内部に流れこんだ冷却風が左右方向に逃げることを抑止する。また、側壁部61は、例えば、前方側の高さの方が後方側の高さよりも高くなっている。具体的には、側壁部61の前方側の高さは軸流ファン3の高さの半分程度であり、側壁部61の後方側の高さはシステムボード2からヒートシンク5の上端側までの長さと同程度である。このような構成によると、バッフル6内部への冷却風の導入口として機能するバッフル6前方側の高さは、バッフル6外部への冷却風の導出口として機能するバッフル6後方側の高さよりも高くなる。また、上側板62は、一対の側壁部61間の上方端側に形成される部材であり、バッフル6の内部に流れこんだ冷却風が上方向に逃げることを抑止する。
【0032】
以上のように、バッフル6は、側壁部61と上側板62とを用いて、左右方向及び上方向へ冷却風が逃げることを抑止する。また、上述したように、冷却風の導入口は、冷却風の導出口よりも高く形成されている。このような構成により、バッフル6は、冷却風を絞り込むことなる。
【0033】
なお、バッフル6は、拡張カード8側へ導く冷却風を構造的に分離することは必ずしも目的としなくて構わない。そのため、バッフル6の前後方向の長さは、軸流ファン3の後端からヒートシンク5の前端まであればよい。つまり、バッフル6は、ヒートシンク5全体を覆う長さやラックサーバ筐体1の後方側パネルまでの長さを有する必要はない。
【0034】
また、バッフル6と、軸流ファン3、ヒートシンク5、システムボード2は、必ずしも密着させる必要はない。つまり、バッフル6と軸流ファン3の間、バッフル6とヒートシンク5の間、バッフル6とシステムボード2の間、のそれぞれ、又は、少なくとも1つに、部品同士の干渉を避けるための隙間があっても構わない(図5参照)。
【0035】
中継基板7は、ヒートシンク5の上端よりも高い位置で拡張カード8をシステムボード2と接続するための基板である。中継基板7は、例えば、長方形状のリジット基板であり、システムボード2と接続する際に用いるコネクタ71を1つと、拡張カード8を指すためのカードエッジコネクタ72を2つ以上と、を有している。上述したように、中継基板7のコネクタ71と接続するコネクタ21は、ヒートシンク5よりも後方に形成されている。そのため、中継基板7は、ヒートシンク5よりも後方でシステムボード2と接続される。システムボード2と中継基板7とはコネクタ接続であるため、拡張カード8を搭載しない装置構成の場合、中継基板7はシステムボード2から取り外されても構わない。中継基板7には、拡張カード8として、例えば、シングルスロット拡張カードを2枚以上、または/かつ、ヂュアルスロット拡張カードを1枚以上搭載することが出来る。
【0036】
拡張カード8は、例えば、PCI規格に準拠したPCIカードである。拡張カードの具体例としては、例えば、ヂュアルスロット幅のグラフィック・アクセラレータ・カードなどがある。なお、拡張カード8は、PCI規格に従ったフォームファクタでなくても構わない。
【0037】
拡張カード8は、中継基板7を介して、システムボード2と平行に設置される。拡張カード8の前方側には、冷却風導入部が形成されている。図4は、中継基板7をシステムボード2に接続するとともに、拡張カード8を中継基板7に接続した際の様子の一例を示している。図4で示すように、拡張カード8の搭載位置はヒートシンク5の上方にオーバーラップしている。つまり、拡張カード8は、当該拡張カード8の前方側に形成された冷却風導入部が少なくともヒートシンク5の後端位置よりも前方に来るように、中継基板7を介してシステムボード2に接続される。
【0038】
なお、本実施形態においては、ヒートシンク5上面とラックサーバ筐体1の上方カバーとの間に形成される隙間は、1ラックユニット(約45mm)程度である。そのため、当該隙間には、ヂュアルスロット拡張カードを1枚、または、シングルスロット拡張カードを2枚、収納することが出来る。
【0039】
また、市販されている主要なハイエンド拡張カードについて、上述した冷却風導入部とヒートシンク5後端の位置関係を成立させるためには、ラックサーバ筐体1の背面(ラックマウント型サーバの後方の面)からヒートシンク5の後端までの距離を190mm以下とすることが望ましい。ラックサーバ筐体の背面(後方の面)からヒートシンク5の後端までの距離は、接続する拡張カード8の種類などに応じて調整して構わない。
【0040】
以上が、ラックマウント型サーバ10の構成の一例である。
【0041】
次に、図5を参照して、軸流ファン3により生じた冷却風の流れについて、より詳細に説明する。図5を参照すると、軸流ファン3による冷却風の一部は、バッフル6によりシステムボード2側へと絞られる。その結果、軸流ファン3による冷却風は、ファンの下側から排気される冷却風と、ファンの上側から排気される冷却風とに分かれる。ファンの下側から排気される冷却風は、バッフル6によってヒートシンク5に導入され、プレートフィン52の隙間を通って、ヒートシンク5の後方に排出される。一方、ファンの上側から排出される冷却風は、ヒートシンク5の上方を流通し、拡張カード8の冷却風導入部へと送風される。この冷却風は拡張カード8の前から後ろへと流れ、最終的に拡張カード8の後方から、ラックサーバ筐体1の外へと排出される。
【0042】
ここで、図5で示すように、ヒートシンク5のプレートフィン52間を流通する冷却風は、フィンの圧力損失によって全圧(P-ΔP)が低下する。一方、ヒートシンク5の上方を流れるものは、途中の流路で流れを阻害するような構造がないので、ファン吐き出し側から全圧(P)は変わらない。このようなファン下側半分から排出されてヒートシンク5を流れる冷却風とファン上側半分から排出されて拡張カード8に導入される冷却風の空気力学的条件のため、プレートフィン52の後端から排出されるCPU4の発熱によって高温化した冷却風が、フィン後端よりも前方側(つまり、拡張カード8の冷却風導入部側)に回り込むことはない。つまり、本実施形態によると、拡張カード8の冷却風導入部の全圧がヒートシンク5後方よりも高い状態であることを保証することが出来る。その結果、ヒートシンク5を通って高温化した冷却風が拡張カード8の冷却風導入部に回り込むことを防止することが出来る。
【0043】
以上のように、本実施形態におけるラックマウント型サーバ10は、ヒートシンク5と、中継基板7と、拡張カード8と、を有している。また、拡張カード8は、冷却風導入部がヒートシンク5の後端位置よりも前方に来るように、中継基板7を介してシステムボード2に接続されている。このような構成のため、拡張カード8の冷却風導入部にはヒートシンク5のプレートフィン52間を流通した高温冷却風が混じることはない。そのため、拡張カード8の冷却風導入部の雰囲気温度はHDD等の記憶装置の排熱影響をわずかに受けるものの、装置の設置環境温度から大きく上昇することはない。その結果、より低い温度の冷却風を拡張カード8に供給することが可能となる。これにより、拡張カード8への流入空気温度に通常よりも厳しい要件が設定されているようなハイエンドの拡張カード8であっても、問題なく搭載することが可能となる。また、本実施形態におけるラックマウント型サーバ10によると、CPU4やメモリモジュールの搭載可能数などを抑制することなく、上記効果を実現できる。つまり、本実施形態におけるラックマウント型サーバ10によると、CPU4やメモリモジュールなどに対する影響を抑制しつつ、拡張カードを効率的に冷却することが出来る。
【0044】
また、本実施形態におけるラックマウント型サーバ10によると、拡張カード8に導入される冷却風はCPU4がいかなる発熱状態であろうとも、その排熱影響を受けないことが保証される。その結果、装置の設置環境温度のみをパラメータとして、拡張カード8の冷却に必要とされる最低限のファン回転数を算定することが可能となる。従って、あらかじめ実機評価などの手段で必要最低限のファン回転数を環境温度ごとに求めておき、環境温度センサの値に応じてファン回転数が変化するように制御用ICを設定しておけば、適切なファン回転数による適切な制御を行うことが可能となる。その結果、拡張カード8を適切に冷却するための回転数を容易に設定することが可能となる。
【0045】
また、本実施形態におけるラックマウント型サーバ10は、バッフル6を有している。このような構成のため、軸流ファン3により生じた冷却風をシステムボード2側へと絞りこむことが出来る。その結果、軸流ファン3により生じた冷却風の一部を用いて、CPU4やヒートシンク5を効率的に冷却することが可能となる。
【0046】
なお、本実施形態においては、ラックマウント型サーバ10の高さは、2ラックユニットである3.5インチ(約90mm)とした。しかしながら、ラックマウント型サーバ10は、3ラックユニット以上の高さを有しても構わない。また、ラックマウント型サーバ10が3ラックユニット以上の高さを有する場合、ヒートシンク5の高さや接続する拡張カード8の種類や数などは、ラックマウント型サーバ10の高さに応じて適宜調整して構わない。
【0047】
また、本実施形態においては、側壁部61の前方側の高さは軸流ファン3の高さの半分程度であるとした。しかしながら、側壁部61の前方側の高さは、CPU4や拡張カード8の冷却必要性などに応じて調整しても構わない。つまり、側壁部61の前方側の高さは、必ずしも軸流ファン3の高さの半分程度でなくても構わない。
【0048】
また、ラックマウント型サーバ10は、上述した構成に加えて、ヒートシンク5の後端からの冷却風の排気を阻害する邪魔板9を有することが出来る。
【0049】
図6は、ヒートシンク5の後端に邪魔板9を装着した際の様子の一例を示している。図6で示すように、邪魔板9は、L字型の板材であり、ヒートシンク5の後端上方側に装着される。邪魔板9は、ヒートシンク5の後端に形成された冷却風の排出口の上側一部を塞ぐことで、ヒートシンク5の後端からの冷却風の排気を阻害する。
【0050】
例えば、装置のマイナーモデルチェンジなどで、基本的な冷却設計が完了しており、大幅な変更ができない(バッフル6の形状変更不可)ものとする。また、このような状況にも関わらず、より風量の大きな冷却風を要求する拡張カード8を搭載することになった状況において、CPU4の冷却には余裕があるとする。このような場合、ヒートシンク5を流通する冷却風量を減らして、逆に拡張カード8の側の冷却風量は増加させるようにバランスを調整したい。このバランス調整を、邪魔板9を導入することで実現することが出来る。つまり、邪魔板9を追加すると、冷却風の流れが邪魔板9で阻害されるため、ヒートシンク5を流通する冷却風量を減らすことができ、拡張カード8の側を流通する冷却風量を増やすことが出来る。換言すると、邪魔板9を用いることで、最低限の部材追加で、従来の部品形状を変更することなく、ヒートシンク5を流通する冷却風量と拡張カード8側を流通する冷却風量の分割バランスを調整することが出来る。
【0051】
なお、図6では、2台のヒートシンク5に対して一つの邪魔板9を装着した場合について例示している。しかしながら、邪魔板9は、ヒートシンク5ごとに装着しても構わない。また、冷却風の排気を阻害可能であれば、邪魔板9は、例えば、ヒートシンク5の後端下方側に装着される(例えば、ヒートシンク5の後端でシステムボード2に装着される)板状の部材などであっても構わない。
【0052】
[第2の実施形態]
次に、図7を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、サーバ装置100の構成の概要について説明する。
【0053】
図7は、サーバ装置100の構成の一例を示す模式断面図である。図7を参照すると、サーバ装置100は、ヒートシンク101と、拡張カード102と、を有している。
【0054】
ヒートシンク101は、CPU上に配置される。また、拡張カード102は、サーバの機能を拡張させる。
【0055】
また、本実施形態の場合、図7で示すように、拡張カード102とヒートシンク101とは、拡張カード102の冷却風導入口1021がヒートシンク101の上部に位置するよう配置されている。
【0056】
このように、本実施形態におけるサーバ装置100は、ヒートシンク101と拡張カード102とを有している。また、拡張カード102とヒートシンク101とは、拡張カード102の冷却風導入口1021がヒートシンク101の上部に位置するよう配置されている。このような構成によると、ヒートシンク101の間を流れた冷却風が拡張カード102の冷却風導入口1021の側へ流れることを抑止することが出来る。その結果、より低い温度の冷却風を拡張カード102に供給することが可能となり、より効率的に拡張カード102を冷却することが可能となる。また、上述した構成によると、拡張カード102に対する冷却風の流路を確保するために、CPUの搭載箇所などを制限する必要はない。そのため、上述した構成によると、CPUやメモリモジュールなどに対する影響を抑制しつつ、拡張カード102を効率的に冷却することが出来る。
【0057】
また、上述したサーバ装置100により実行される冷却方法は、CPU上に配置されたヒートシンク101と、サーバの機能を拡張させる拡張カード102と、を有するサーバ装置により行われる冷却方法であって、拡張カード102の冷却風導入口1021がヒートシンク101の上部に位置するよう拡張カード102とヒートシンク101とを配置し、ファンにより生じた冷却風をヒートシンク101と拡張カード102の冷却風導入口1021とに対して送風する、という方法である。
【0058】
上述した構成を有する冷却方法の発明であっても、上記サーバ装置100と同様の作用を有するために、上述した本発明の目的を達成することが出来る。
【0059】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明におけるサーバ装置などの概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
【0060】
(付記1)
CPU上に配置されたヒートシンクと、
サーバの機能を拡張させる拡張カードと、
を有し、
前記拡張カードの冷却風導入口が前記ヒートシンクの上部に位置するよう前記拡張カードと前記ヒートシンクとを配置した
サーバ装置。
(付記2)
付記1に記載のサーバ装置であって、
ファンにより生じた冷却風を前記ヒートシンクの側と前記拡張カードの側とに分離するバッフルを有する
サーバ装置。
(付記3)
付記2に記載のサーバ装置であって、
前記バッフルは、前記ファンにより生じた冷却風を上方側の冷却風と下方側の冷却風とに分離し、
下方側の冷却風により前記ヒートシンクを冷却し、上方側の冷却風により前記拡張カードを冷却するよう、前記ヒートシンクと前記拡張カードとを配置した
サーバ装置。
(付記4)
付記2または付記3に記載のサーバ装置であって、
前記バッフルは、前記ファンの高さの半分の冷却風を、前記CPUを搭載するシステムボード側に絞る
サーバ装置。
(付記5)
付記1から付記4までのいずれか1項に記載のサーバ装置であって、
前記拡張カードは、中継基板を介して前記CPUを搭載するシステムボードと接続されることで、前記拡張カードの冷却風導入口が前記ヒートシンクの上部に位置するよう前記システムボードに接続されている
サーバ装置。
(付記6)
付記1から付記5までのいずれか1項に記載のサーバ装置であって、
前記ヒートシンクは、前記CPU側である授熱部とは反対側に天板を有している
サーバ装置。
(付記7)
付記1から付記6までのいずれか1項に記載のサーバ装置であって、
サーバ装置の後方の面から前記ヒートシンクの後端までの距離が190mm以下である
サーバ装置。
(付記8)
付記1から付記7までのいずれか1項に記載のサーバ装置であって、
前記ヒートシンクの後端には、冷却風の排気を阻害する邪魔板が装着されている
サーバ装置。
(付記8−1)
付記8に記載のサーバ装置であって、
前記邪魔板は、前記ヒートシンクの後端上方側に装着されたL字型の板材である
サーバ装置。
(付記9)
付記1から付記8までのいずれか1項に記載のサーバ装置であって、
サーバ装置は、2ラックユニットのラックマウント型サーバであり、
前記ヒートシンクは、1ラックユニット用の高さを有している
サーバ装置。
(付記10)
CPU上に配置されたヒートシンクと、サーバの機能を拡張させる拡張カードと、を有するサーバ装置により行われる冷却方法であって、
前記拡張カードの冷却風導入口が前記ヒートシンクの上部に位置するよう前記拡張カードと前記ヒートシンクとを配置し、
ファンにより生じた冷却風を前記ヒートシンクと前記拡張カードの前記冷却風導入口とに対して送風する
冷却方法。
(付記10−1)
付記10に記載の冷却方法であって、
バッフルにより、ファンにより生じた冷却風を前記ヒートシンクの側と前記拡張カードの側とに分離する
冷却方法。
【0061】
以上、上記各実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることが出来る。
【符号の説明】
【0062】
10 ラックマウント型サーバ
1 ラックサーバ筐体
2 システムボード
3 軸流ファン
4 CPU
41 放熱グリス
5 ヒートシンク
51 授熱部
52 プレートフィン
53 天板
6 バッフル
61 側壁部
62 上側板
7 中継基板
71 コネクタ
72 カードエッジコネクタ
8 拡張カード
9 邪魔板
100 サーバ装置
101 ヒートシンク
102 拡張カード
1021 冷却風導入口

【要約】
【課題】CPUやメモリモジュールなどに対する影響を抑制しつつ、拡張カードを効率的に冷却することが難しい。
【解決手段】サーバ装置は、CPU上に配置されたヒートシンクと、サーバの機能を拡張させる拡張カードと、を有し、前記拡張カードの冷却風導入口が前記ヒートシンクの上部に位置するよう前記拡張カードと前記ヒートシンクとを配置している。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7