(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
蒸気供給デバイスを使用者の口に差し込む方向に対応する長手方向と、使用者の唇線に沿った方向に対応する幅方向と、使用者の唇の開き方向に対応する奥行き方向とを有する前記蒸気供給デバイス用のマウスピースであって、
当該マウスピースが、互いに対向する第1の対向面及び第2の対向面と、前記第1の対向面と前記第2の対向面との間に配置された出口孔とを備え、
前記第1の対向面及び前記第2の対向面が略平面であり、前記長手方向及び前記幅方向で画定された面内にあり、又は前記面に対してわずかに傾斜しており、
前記第1の対向面及び前記第2の対向面のそれぞれがその長さよりも大きい幅を有し、
当該マウスピースの前記第1の対向面及び前記第2の対向面が、前記蒸気供給デバイス内にて、液体のためのリザーバの外壁を形成している、マウスピース。
前記第1の対向面及び前記第2の対向面の幅が、前記第1の対向面及び前記第2の対向面の長さよりも少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%大きい、請求項1〜3のいずれか一項に記載のマウスピース。
蒸気供給デバイスを使用者の口に差し込む方向に対応する長手方向と、使用者の唇線に沿った方向に対応する幅方向と、使用者の唇の開き方向に対応する奥行き方向とを有する前記蒸気供給デバイス用のマウスピースであって、
当該マウスピースが、互いに対向する第1の対向面及び第2の対向面と、前記第1の対向面と前記第2の対向面との間に配置された出口孔とを備え、
前記第1の対向面及び前記第2の対向面が略平面であり、前記長手方向及び前記幅方向で画定された面内にあり、又は前記面に対してわずかに傾斜しており、
前記第1の対向面及び前記第2の対向面のそれぞれが、当該マウスピースの前記出口孔に隣り合う連続した湾曲部分を有し、前記湾曲部分が、前記長手方向及び前記幅方向で画定された面内に実質的にあり、
当該マウスピースの前記第1の対向面及び前記第2の対向面が、前記蒸気供給デバイス内にて、液体のためのリザーバの外壁を形成している、マウスピース。
前記湾曲部分が当該マウスピースの前記出口孔に隣り合って前記幅方向に実質的に平行であり、前記湾曲部分が、少なくとも30度、好ましくは少なくとも45度の角度で、前記出口孔の両側にて前記長手方向に延びている、請求項5に記載のマウスピース。
蒸気供給デバイスを使用者の口に差し込む方向に対応する長手方向と、使用者の唇線に沿った方向に対応する幅方向と、使用者の唇の開き方向に対応する奥行き方向とを有する前記蒸気供給デバイス用のマウスピースであって、
当該マウスピースが、互いに対向する第1の対向面及び第2の対向面と、前記第1の対向面と前記第2の対向面との間に配置された出口孔とを備え、
前記第1の対向面及び前記第2の対向面が略平面であり、前記長手方向及び前記幅方向で画定された面内にあり、又は前記面に対してわずかに傾斜しており、
当該マウスピースが、前記第1の対向面と前記第2の対向面との間にあるチャネルをさらに備え、前記チャネルが前記幅方向に延び、前記長手方向に凹部を有し、前記出口孔が前記チャネルに配置されており、
当該マウスピースの前記第1の対向面及び前記第2の対向面が、前記蒸気供給デバイス内にて、液体のためのリザーバの外壁を形成している、マウスピース。
前記第1の対向面及び前記第2の対向面の幅が少なくとも20mmであり、好ましくは少なくとも25mmであり、及び/又は、前記第1の対向面及び前記第2の対向面の長さが8〜24mmの範囲にあり、好ましくは12〜20mmの範囲内にあり、及び/又は、前記第1の対向面及び前記第2の対向面の幅が、前記第1の対向面及び前記第2の対向面の長さよりも少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%大きい、請求項12に記載のマウスピース。
前記第1の対向面及び前記第2の対向面のそれぞれが、当該マウスピースの前記出口孔に隣り合う連続した湾曲部分を有し、前記湾曲部分が、前記長手方向及び前記幅方向で画定された面内に実質的にある、請求項1〜4、8〜11のいずれか一項に記載のマウスピース。
前記湾曲部分が当該マウスピースの前記出口孔に隣り合って前記幅方向に実質的に平行であり、前記湾曲部分が、少なくとも30度、好ましくは少なくとも45度の角度で、前記出口孔の両側にて前記長手方向に延び、及び/又は、前記湾曲部分の曲率半径が少なくとも8mmであり、好ましくは少なくとも12mmである、請求項14に記載のマウスピース。
当該マウスピースが、前記第1の対向面と前記第2の対向面との間にあるチャネルをさらに備え、前記チャネルが前記幅方向に延び、前記長手方向に凹部を有し、前記出口孔が前記チャネルに配置されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のマウスピース。
前記チャネルのスパンが、前記奥行き方向に測定したときに、2〜10mmの範囲にあり、好ましくは3〜6mmの範囲内にあり、及び/又は、前記チャネルが、前記幅方向に少なくとも6mm、好ましくは少なくとも10mmの距離にわたって延び、及び/又は、前記チャネルが略U形の輪郭を有する、請求項16に記載のマウスピース。
前記第1の対向面が第1の平面内に配置され、前記第2の対向面が第2の平面内に配置され、前記第1の平面及び前記第2の平面が、前記長手方向に対して互いにわずかに傾斜している、請求項1〜20のいずれか一項に記載のマウスピース。
蒸気供給デバイスを使用者の口に差し込む方向に対応する長手方向と、使用者の唇線に沿った方向に対応する幅方向と、使用者の唇の開き方向に対応する奥行き方向とを有する前記蒸気供給デバイス用のマウスピースであって、
当該マウスピースが、互いに対向する第1の対向面及び第2の対向面と、前記第1の対向面と前記第2の対向面との間に配置された出口孔とを備え、
前記第1の対向面及び前記第2の対向面が略平面であり、前記長手方向に対して互いに傾斜しており、
当該マウスピースの前記第1の対向面及び前記第2の対向面が、前記蒸気供給デバイス内にて、液体のためのリザーバの外壁を形成している、マウスピース。
前記第1及び第2の対向面が、前記長手方向に対して互いに、5〜25度の範囲の、又は10〜20度の範囲の、好ましくは約15度の傾斜角度で傾斜している、請求項24に記載のマウスピース。
前記第1の対向面及び前記第2の対向面の長さが8〜24mmの範囲にあり、好ましくは12〜20mmの範囲内にある、請求項24〜26のいずれか一項に記載のマウスピース。
前記第1の対向面及び前記第2の対向面の幅が、前記第1の対向面及び前記第2の対向面の長さよりも少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%大きい、請求項24〜27のいずれか一項に記載のマウスピース。
前記湾曲部分が当該マウスピースの前記出口孔に隣り合って前記幅方向に実質的に平行であり、前記湾曲部分が、少なくとも30度、好ましくは少なくとも45度の角度で、前記出口孔の両側にて前記長手方向に延びている、請求項29に記載のマウスピース。
前記第1の対向面及び前記第2の対向面の幅が少なくとも20mmであり、好ましくは少なくとも25mmであり、及び/又は、前記第1の対向面及び前記第2の対向面の長さが8〜24mmの範囲にあり、好ましくは12〜20mmの範囲内にあり、及び/又は、前記第1の対向面及び前記第2の対向面の幅が、前記第1の対向面及び前記第2の対向面の長さよりも少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%大きい、請求項36に記載のマウスピース。
前記第1の対向面及び前記第2の対向面のそれぞれが、当該マウスピースの前記出口孔に隣り合う連続した湾曲部分を有し、前記湾曲部分が、前記長手方向及び前記幅方向で画定された前記面内に実質的にある、請求項24〜37のいずれか一項に記載のマウスピース。
前記湾曲部分が当該マウスピースの前記出口孔に隣り合って前記幅方向に実質的に平行であり、前記湾曲部分が、少なくとも30度、好ましくは少なくとも45度の角度で、前記出口孔の両側にて前記長手方向に延び、及び/又は、前記湾曲部分の曲率半径が少なくとも8mmであり、好ましくは少なくとも12mmである、請求項38に記載のマウスピース。
当該マウスピースが、前記第1の対向面と前記第2の対向面との間にあるチャネルをさらに備え、前記チャネルが前記幅方向に延び、前記長手方向に凹部を有し、前記出口孔が前記チャネルに配置されている、請求項24〜31のいずれか一項に記載のマウスピース。
前記チャネルのスパンが、前記奥行き方向に測定したときに、2〜10mmの範囲にあり、好ましくは3〜6mmの範囲内にあり、及び/又は、前記チャネルが、前記幅方向に少なくとも6mm、好ましくは少なくとも10mmの距離にわたって延び、及び/又は、前記チャネルが略U形の輪郭を有する、請求項40に記載のマウスピース。
前記第1の対向面が第1の平面に配置され、前記第2の対向面が第2の平面に配置され、前記第1の平面及び前記第2の平面が、前記長手方向に対して互いにわずかに傾斜している、請求項24〜44のいずれか一項に記載のマウスピース。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の幾つかの実施形態による、電子タバコ100の断面図である。電子タバコは二つの主要構成要素、すなわちカトマイザ200及び制御ユニット300を備える。より詳細に以下で論じるように、カトマイザは、液体のリザーバを収容するチャンバ270と、アトマイザすなわち気化器として働くヒータと、マウスピースとを含む。リザーバ内の液体(「e液」と称されることもある)は通常、適切な溶剤中にニコチンを含み、また、例えばエアロゾル生成を助長するための、及び/又は付加的な加香のための別の成分を含むこともある。カトマイザ200はさらに、ウィック/ヒータアセンブリ500を含み、このアセンブリは、少量の液体をリザーバからヒータ上の、又はヒータに隣り合う加熱位置まで運ぶウィック又は同様の機構を含む。制御ユニット300は、電子タバコ100に電力を供給するための充電可能セルすなわちバッテリー350と、電子タバコを全体的に制御するためのプリント回路基板(PCB)(
図1に図示せず)と、使用者が吸引することを(圧力低下によって)検出するためのマイクロフォン345とを含む。使用者の電子タバコ100のパフを検出するマイクロフォン345に応答して、PCBによって制御された電力をヒータがバッテリーから受け取ると、ヒータは液体をウィックから蒸発させ、この蒸気が次に、マウスピースを通して使用者に吸引される。
【0011】
参照しやすいように、x軸及びy軸が
図1に付けられている。x軸は本書ではデバイスの幅と呼ばれ(側部間)、y軸は本書では高さ軸と呼ばれ、カトマイザ200は電子タバコ100の上部になり、制御ユニット300は電子タバコの下部になる。この方向は、ウィックがカトマイザ200のリザーバの下部に配置されるとして、デバイスの通常の操作中に使用者が電子タバコ100をどのように保持するかを反映することに留意されたい。したがって、この方向に電子タバコ100を保持することにより、ウィックがリザーバの底の液体に確実に接する。
【0012】
さらに、
図1に示されたx軸及びy軸に直角であるz軸(
図1に図示せず)を想定する。z軸は、本書では奥行き軸と呼ばれる。電子タバコ100の奥行きは、電子タバコの幅よりも著しく少なく、そのため全体的に平坦すなわち平らな構成になる(x−y面において)。したがって、z軸は、電子タバコ100の面から面に延びていると考えることができ、一方の面を電子タバコ100の前面と(任意に)考え、反対側の面を後面と考えることができる。
【0013】
カトマイザ200と制御ユニット300は、y軸と平行な方向に引き離すことによって互いに取り外し可能であるが、デバイス100が使用中のときは、カトマイザ200と制御ユニット300の機械的及び電気的連結性が得られるように結合される。カトマイザリザーバ270内のe液が使い果たされるとカトマイザ200は取り外され、新しいカトマイザが制御ユニット300に取り付けられる。したがって、カトマイザ200は、ときには電子タバコ100の使い捨て部分と呼ばれることがあるのに対し、制御ユニット300は再使用可能な部分である。
【0014】
図2は、本発明の幾つかの実施形態による、
図1の電子タバコのカトマイザの斜視図である。この斜視図では、z軸と平行に測定されたときのカトマイザ200(及び全体としての電子タバコ100)の奥行きが、x軸と平行に測定されたときのカトマイザ200(及び全体としての電子タバコ100)の幅よりも著しく少ないことが確認される。全体として、カトマイザ200の外観は比較的滑らかであり、雑然としていないことに留意されたい。
【0015】
カトマイザ200は、二つの主要部分を備える(少なくとも外部の視点から)。特に、下部すなわち基部210と、上部220とがある。上部220は、より詳細に以下で説明するように、電子タバコのマウスピース250になる。カトマイザ200が制御ユニット300と組み合わされると、カトマイザの基部210は制御ユニット300内に配置され、それゆえに外部から見えないのに対し、カトマイザの上部220は制御ユニット300の上に突き出て、それゆえに外部から見える。したがって、基部210の奥行き及び幅は、基部が制御ユニット300内に収まるように、上部220の奥行き及び幅よりも小さい。基部210と比べて上部220の奥行き及び幅が、リップすなわちリム240によって大きくされている。カトマイザ200が制御ユニット300に挿入されると、このリップすなわちリム240は、制御ユニットの最上部に当接する。
【0016】
図2に示されるように、基部210の側壁は、制御ユニット300の対応するラッチ部材を受けるための切欠きすなわち凹み260を含む。基部210の反対側の側壁は、制御ユニット300の対応するラッチ部材を同様に受けるための類似の切欠きすなわち凹みを備える。基部200のこの切込み260の対(及び制御ユニットの対応するラッチ部材)が、デバイスの操作中にカトマイザ200を制御ユニット300内に確実に保持するためのラッチ連結又はスナップフィット連結を可能にすることを理解されたい。切欠き260と隣り合って切欠きすなわち凹み261があり、これは、より詳細に以下で説明するように、カトマイザ200を形成する際に利用される。
【0017】
図2に示されるように、基部210の底壁211は、空気入口用の小さい孔214の両側に二つの大きい孔212A、212Bを含む。大きい孔212A及び212Bは、制御ユニット300からカトマイザ200への正極及び負極の接続を行うために使用される。したがって、使用者がマウスピース250から吸引を行い、デバイス100が作動すると、空気が空気入口孔214を通ってカトマイザ200に流れ込む。この入ってくる空気流は、リザーバからの(とりわけウィックからの)液体を気化させるように制御ユニット300内のバッテリーから電力を受け取るヒータ(
図2には図示せず)を通過する。次に、気化した液体は、カトマイザを通過する空気流に取り込まれ、すなわち随伴され、それゆえに、使用者による吸引のためのマウスピース250を通ってカトマイザ200から引き出される。
【0018】
図3は、本発明の幾つかの実施形態による、
図2のカトマイザ200の五つの外観図を集めたものである。特に、底面図はカトマイザを下から示し、上面図はカトマイザを上から示し、中心図はカトマイザの(前又は後ろからの)正面を示したものであり、この中心図の両側にはカトマイザのそれぞれの側面図がある。カトマイザは前部/後部が対称であるので(すなわち、z軸に対して対称)、カトマイザの前部もカトマイザの後部も
図3の中心図と一致することに留意されたい。加えて、カトマイザは幅方向にも対称であり(すなわち、x軸に対して対称)、したがって、中心図の右側と左側の二つの側面図は同じである。
【0019】
図3は、
図2に関してすでに上で論じたカトマイザの様々な特徴を示す。例えば、中心図は、カトマイザの上部220及び下部210を示す。下側の図は、下部211の底壁を示し、制御ユニット300からカトマイザ200への正極及び負極の接続を行うために使用される二つの大きい孔212A及び212Bに加えて、カトマイザの中への空気入口用の小さい孔214を含む。さらに、二つの側面図は、それぞれの側壁に二つの切欠き、すなわち上部切欠き261A、261B及び下部切欠き260A、260Bを示し、後者はカトマイザ200を制御ユニット300に固定するために使用される。
【0020】
上面図はさらに、カトマイザ200からの空気出口であるマウスピース250の孔280を示す。すなわち操作時、使用者が吸引を行うと、空気は底部のカトマイザに入口214から入り、空気が、蒸気を得るためのヒータを通過することを含めて、アトマイザを通過して流れ、次に、カトマイザの中心を上に移動して空気出口280から出る。
【0021】
図3は、カトマイザ200の寸法を提示しており、31.3mmの(y方向の)最大高さ、35.2mmの(x方向の)最大幅、及び14.3mmの(z方向に平行な)最大奥行きが示されている。これらの最大幅及び奥行きの実測値はカトマイザの上部220と関係があり、基部210の幅及び奥行きは、基部が制御ユニット300内に受け入れられるようにするために、いくらか小さくされていることに留意されたい。上部220と基部210の間の幅及び奥行きの相違は、前述のように、リムすなわちフランジ240によって吸収される。
【0022】
図3に示された寸法は単なる例として提示されており、実施形態によって変わり得ることを理解されたい。しかしながら、示された寸法により、電子タバコ100が、カトマイザを含めて略平坦すなわち平らな形状を有し、比較的小さい一つの寸法(z方向)がこの平らな形状に垂直であることが確認される。この平らな形状は制御ユニット300によって延ばされ、制御ユニットは実際上、高さ(カトマイザのy寸法)は延びるが、実質的に同じ幅及び奥行きを共有する。
【0023】
図3はまた、マウスピース250のサイズ及び形状を明確に示す。ストロー又は従来の紙巻きタバコと類似した円形のマウスピースを設ける多くの電子タバコとは対照的に、マウスピース250は非常に異なる特有の形状を有する。特に、このマウスピースは一対の大きい、比較的平坦な対向面を備える。これらのマウスピースの対向面のうちの1つが、
図3の中心図に面251として示されており、対応する反対側の面がデバイスの後部にある。(カトマイザの前部及び後部という名前付けは、前後がz軸に関して対称であるので恣意的なものであり、制御ユニット300のまわりのどちら側にも当てはまることに留意されたい。)
【0024】
前面及び後面は、ユーザの唇を当てることができる比較的大きい面になる。例えば、上唇を係合するための面になる前面と、下唇を係合するための面になる後面とを考えることができる。この構成では、電子タバコ100の高さ(y軸)は、使用者の口から延びる長手方向又は縦方向軸線を定義すると考え、電子タバコ100の幅(x軸)は、使用者の上唇と下唇の間の線に平行に延びていると考え、電子タバコ100の奥行き(z軸)は、使用者の上唇と下唇を引き離す方向と平行に延びていると考えることができる。
【0025】
前後のマウスピース面の高さ(すなわち長さ)(
図3の特定の実施形態では約17mm)は、唇の典型的な厚さに大まかに相当し、したがって、この面に当てられる唇に容易に適応することができる。同様に、前後のマウスピース面の幅(
図3の特定の実施形態では約28mm)は、唇の典型的な幅(口の一方の側からもう一方の側まで)のかなりの部分(約半分)に相当する。
【0026】
これらのサイズ設定は、単なる例として提示されており、特定の実施態様に応じて変わり得ることを理解されたい。通常は、マウスピース面251の高さは、範囲が8〜24mm、好ましくは12〜20mmであり、マウスピース面の幅は、少なくとも20mm、好ましくは少なくとも25mmである。通常は、マウスピース面の幅は、マウスピース面の長さの少なくとも30%大きく、好ましくは少なくとも50%大きい。
【0027】
マウスピース250のこの形状及びサイズ設定により、口の通常の静止位置からの変形が非常に少なくても、吸引のために使用者の唇がマウスピースに係合することができ、例えば、マウスピースが小さい円形であるストロー又は従来の紙巻きタバコのように、唇をすぼめる必要がない。これにより、電子タバコ100のマウスピース250を使用することが、よりくつろぐものになり、また口とマウスピースの間のより均一な封止を確かなものにする助けにもなり得る。
【0028】
加えて、電子タバコ100は(他の多くの電子タバコと同様に)、デバイスを通過する空気流、すなわち使用者のパフを検出するセンサを使用し、これにより次に、液体を気化させるためのヒータを作動させることができる。デバイスは、使用者のパフによって生じる空気流と、他の行為又は状況、例えば、電子タバコが空中を動くこと、トンネルに入る列車上であること等により生じる、他の形態の空気流又は圧力の変化とを区別しなければならない。口とマウスピース250の間の封止が均一になっていることは、デバイスが実際の吸引をより適切に区別する助けになり、したがって、意図しないヒータ作動のリスクを低減することができる。
【0029】
さらに、一部の電子タバコでは、デバイスを通過する空気流のセンサ測定値を使用してヒータの作動を開始するだけでなく、ヒータ(又は電子タバコの他の構成要素)の動的制御もする。例えば、測定空気流が増大すると、第1には増大空気流の冷却効果を補償するために、及び/又は第2には増大した空気流中により多くの液体を気化するために、より多くの電力をヒータに供給することができる。口とマウスピース250の間の封止が均一であることがまた、この動的な制御の信頼性及び精度を改善する助けになり得る。
【0030】
図3の二つの側面図で分かるように、マウスピース面251は、長手方向に沿ってわずかに凹んでおり、すなわち、y軸に沿って進んだときにデバイスの中心に向かって内向きにくぼんでいる。これらの面251はまた、幅方向に沿って同様にわずかに凹んでいてもよい。この凹形の面は、ユーザの唇がマウスピース250の上に心地よく載る助けになり、それゆえに、やはり使用者の唇とマウスピース250の間に良好な封止をもたらす助けとなる。
【0031】
加えて、
図3の側面図に関して、マウスピースの前面及び後面がデバイスの上部で互いに全体的に傾斜していることが分かる。言い換えると、対向する面の(z方向に測定された)奥行きすなわち隔離量が、空気出口孔280に向かって減少する(すなわち、y軸が増加するにつれて減少する)。この傾斜は比較的ゆるやかであり、y軸に対して約15度である。この傾斜は、マウスピースの面251と使用者の唇の間に自然で心地よい係合が得られる助けになる。加えて、出口孔280は、二つのマウスピース面251が最も接近しているところに位置し、これにより、マウスピース250を使用者の口に差し込むことが容易になる。別の実施態様では、別の傾斜角度が使用され得る。例えば、y軸に対して15度の代わりに、もっと浅い、又はもっと急峻な傾斜が使用され得る。例えば、幾つかの例では、傾斜角度は0〜30度、5〜25度又は10〜20度の範囲にあり得る。対向面は別々の傾斜角度を有することがあることもまた理解されたい。例えば、面の一方だけがy軸に対して傾斜している、又は面の一方がy軸に対して他方よりも大きく傾斜していることがある。
図3で分かるように、前面及び後面251は、マウスピースの上部で完全に一線に集まるのではなく、張り出して、デバイスのx方向に延びる小さい谷部すなわちチャネル(流通路)284を形成する。空気及び蒸気がカトマイザ200を出ることができるようにする開口280は、この谷部284の中心に形成される。マウスピース開口280が溝部すなわち谷部284の中に位置するようにこの小さい張出しがあることは、マウスピース開口を物理的接触から保護し、それゆえに、(容易に紛失し得るキャップ又は他の形のカバーを用いずに)可能性のある損傷及び汚れから保護する助けになる。
【0032】
チャネルのスパンは通常、z軸と平行に測定したときに、2〜10mmの範囲にあり、好ましくは3〜6mmの範囲内にある。この比較的狭い奥行きは、マウスピース面251の張出しが開口280を保護する助けになり、またカトマイザの全体的に平らな構成(すなわち、z方向に小さいサイズ設定)に適合している。通常、チャネルは略U形の輪郭を有し、張出しの下方の谷部284の深さすなわち凹みは、(y方向に測定すると)上記の谷部284のスパンに概ね等しい。この凹みの高さにより、互いに対向するマウスピース面251の上手部が出口孔280を適度に保護することが可能になる。
【0033】
谷部284は通常、幅方向に少なくとも6mm、好ましくは少なくとも10mmの距離にわたって延びる。谷部の中間の、通常は半ばにある出口孔280は、略円形状を有することに留意されたい。したがって、出口孔280のサイズは、チャネルの幅方向の広がりではなく、チャネルのスパンによって主に制約され、それゆえに出口孔280は、谷部284全体のうちの比較的小さい部分のみを占有し得る。チャネルを幅方向に広げることは、マウスピース面251を形づくることを表し、マウスピース面もまた、その最大広がりが幅方向にあることを理解されたい。
【0034】
図3の中心図に示されるように、マウスピース面251は湾曲外周部を有し、すなわち、いかなる角もない。この湾曲外周部は、マウスピースの出口孔に隣り合う連続した湾曲部分を含み、その湾曲部は、長手方向及び幅方向に画定された平面内に実質的にある。この湾曲部分は、カトマイザ200の比較的幅広いサイズ設定を反映し、また、例えばポケット又はバッグから取り出されるときにデバイスが引っかかりにくくすることも意味する。
【0035】
通常、湾曲部分はマウスピースの出口孔280に隣り合って幅方向に実質的に平行であり、その湾曲部は、少なくとも30度、好ましくは少なくとも45度の角度で、出口孔の両側のおよそ長手方向に向かって延びる。言い換えると、湾曲部分は、少なくとも60度又は90度の全回転であり、
図3に示されるように、通常はマウスピース孔280のそれぞれの側で等分される。湾曲部分の曲率半径は通常、マウスピース面251の周囲で変化するが、滑らかで鋭い角のない全体輪郭にするために、一般には少なくとも8mmであり、好ましくは少なくとも12mmである。
【0036】
図4は、本発明の幾つかの実施形態による、
図1の電子タバコのカトマイザ200の分解図である。カトマイザは、外殻410、通気口シール420、内部フレーム430、ウィック440上にある加熱コイル450、主シール460(カトマイザプラグとも呼ばれる)、プリント回路基板(PCB)470、及び端部キャップ480を含む。
図4は、カトマイザ200の長手方向(高さすなわちy軸)に沿って分解図で表した上記の構成要素を示す。
【0037】
キャップ480は、ポリプロピレン等の実質的に剛性を有するプラスチックから形成され、カトマイザの基部210になる。キャップは、各側面に二つの孔260、261を備える(
図4では一方の側しか見えないが、見えていない側面は見えている側面と同じである)。下方の孔260は、カトマイザ200を制御ユニット300に掛止するためのものであり、上方の孔261は、端部キャップ480を外殻410に掛止するためのものである。より詳細に以下で説明するように、キャップ480と外殻410を掛止することによりカトマイザの組み立てが実際上完了し、
図4に示された様々な構成要素が正しい位置に保持される。
【0038】
端部キャップの上にPCB470があり、このPCBは、空気がPCBを通過してアトマイザに流れ込めるようにする中心空気孔471を含み(端部キャップ480も同様に、
図4には示されていない中心空気孔を備える)、それによってアトマイザの中への空気流が維持される。幾つかの実施形態によれば、PCBにはいかなる能動電気構成要素も含まれないが、制御ユニット300とヒータ450の間の回路すなわち導電路が設けられている。
【0039】
PCB470上に主シール460があり、これは、二つの主要部分、すなわちアトマイザチャンバ465を(一部)画定する上部と、リザーバ270の端部シールとして機能する下部462とを有する。組み立てられたカトマイザ200では、e液のリザーバはアトマイザチャンバの外側を囲んで設置され、e液はカトマイザプラグ460の下部462によって、カトマイザから(少なくとも一部が)出ないようになっていることに留意されたい。カトマイザプラグは、わずかに変形可能な材料から作られる。これにより、下部462は、外殻410に挿入されるときに少し加圧されるようになり、それゆえに、e液をリザーバ270の中に保持するための良好なシールになる。
【0040】
アトマイザチャンバ465の二つの対向する側壁にはそれぞれ、ウィック440が挿入されるスロット569が設けられている。そのためこの構成は、ウィック上に配置されるヒータ450が、ウィック440によってアトマイザチャンバ465の中に導入される液体を気化するために、アトマイザチャンバの底部の近くに確実に設置されるようにする。幾つかの実施形態では、ウィック440はガラス繊維ロープ(すなわち、撚り合わされたガラス繊維のフィラメント又は撚り紐)で作られ、ヒータコイル450はニクロム(ニッケルとクロムの合金)で作られる。しかし、多孔性セラミックから作られるウィック、及び/又は(コイルではない)何らかの形の平面ヒータ等、他の様々なタイプのウィック及びヒータが知られており、カトマイザ200に使用されてよい。
図4は、ヒータコイル450が、ウィックから垂れ下がるワイヤのループを各端部に有することを示唆するが、実際には(より詳細に以下で説明するように)各端部にはただ1本のリード線しかないことに留意されたい。
【0041】
カトマイザプラグ460及びウィック/ヒータアセンブリには、三つの主要部分を有する内部フレーム430が載っている。内部フレームは実質的に剛性であり、ポリブチレンテレフタタレート等の材料で作ることができる。内部フレーム430の最下部436は、カトマイザプラグ460の下部462を覆い、中間部434はカトマイザプラグのアトマイザチャンバ465を完全なものにする。特に、内部フレームはアトマイザチャンバの上部壁になり、またカトマイザプラグの噴霧チャンバ465の二つの側壁と重なり合う二つの側壁にもなる。内部フレームの末尾部分は、噴霧チャンバの上部壁(中間部434の一部)から上方に通じマウスピース孔280につながる空気流管432である。言い換えると、管432は、噴霧チャンバ465内で生成された蒸気が電子タバコ100から引き出され、マウスピース250を通して吸い込まれる通路になる。
【0042】
内部フレームは実質的に剛性であるので、内部フレームとマウスピース出口孔280の間に適切な封止を確保するために、通気口シール420が空気流管432の上部に設けられている(そのまわりに挿入される)。通気口シール420は、シリコーン等の適度に変形可能で弾力性のある材料で作られる。最後に、外殻410は、カトマイザ200の上部220の外面を、マウスピース250と、リップすなわちフランジ240ともまた含めて、形成する。外殻410は、端部キャプと同様に、ポリプロピレン等の実質的に剛性の材料で形成される。外殻410の下部412(すなわち、リップ240の下)は、カトマイザが組み立てられたときに端部キャプ480の内側にある。外殻は、端部キャプ480の各側面の孔261と係合するために、各側面にラッチタブ413を備え、以てカトマイザ200をその組み立てられた状態で保持する。
【0043】
カトマイザを貫通する空気流通路は、キャップ480の中心孔(
図4に図示せず)に入り、次にPCBの孔471を通る。空気流は次に、カトマイザプラグ460の一部として形成されているアトマイザチャンバ465内へと上に進み、ウィックとヒータのアセンブリ500の周囲を流れ、内部フレーム430の管432を通過し(換気口シール420も通過し)、最後にマウスピース250の孔280から出る。
【0044】
e液のリザーバ270は、この空気流通路とカトマイザ200の外面との間のスペースに収容される。したがって、外殻410は、リザーバ270のハウジングの外壁(及び上部)になり、主シール460の基部462と一緒になった内部フレームの下部436と端部キャップ480とは、e液のリザーバ用のハウジングの底部ないしは床部になる。このハウジングの内壁は、内部フレームの中間部434と、さらに内部フレーム430の空気流管432及び換気口シール420と協働して、主シール460の噴霧チャンバ465によって設けられる。言い換えると、e液は、外壁と内壁の間のリザーバのスペースに貯蔵される。しかし、e液は、内壁の内側である空気流通路の中へは、ウィック440を経由する以外は侵入してはならず、さもなければ液体がマウスピース孔280から漏れる危険がある。
【0045】
このスペースの容積は通常、幾つかの実施形態によれば2mL程度であるが、この容積は、任意の所与の設計の特定の特徴に応じて変わることを理解されたい。一部の電子タバコとは異なり、e液リザーバ270は、e液を保持するためのいかなる吸収材(綿、スポンジ、発泡体等)も備えないことに留意されたい。むしろ、リザーバチャンバは液体だけを収容し、そのため液体はリザーバ270で自由に動き回ることができる。これには、より大きい容積を一般に支持すること、また充填手順をあまり複雑にしないこと等の利点がある。リザーバ内に自由な液体があること(すなわち、液体をスポンジ又は他の吸収構造物中に保持しないこと)に関する潜在的な一つの不利点は、液体がより容易に流れることができ、それゆえに、リザーバ270から空気流通路の中への望ましくない漏洩の可能性がより多くなり得ることである。しかし、このような漏洩は一般に、通気口シール420及び主シール460によって防止される。
【0046】
図5A、
図5B及び
図5Cは、本発明の幾つかの実施形態による、カトマイザプラグに嵌め込まれるウィック/ヒータアセンブリを示す。ウィック/ヒータアセンブリ500は、ヒータワイヤ450及びウィック440から形成される。上記のように、ウィックは、概して円筒又はロッドの形に作られたガラス繊維を含む。ヒータ450は、ウィックに巻き付けられたワイヤコイル551を備える。コイルの各端部に接点ワイヤ552A、552Bがあり、これらは一緒に、コイルが電力を受け取ることができるように正極端子及び負極端子として機能する。
【0047】
図5Aに見えるように、主シール460は、基部462及び噴霧チャンバ465を含む。基部は、外向きの二つのリブを備える。外殻410が基部を覆って嵌められるとき、これらのリブは、外殻410の内側に収まるようにわずかに加圧される。この加圧、及びその結果としてリブがわずかに弾性変形することが、カトマイザリザーバの基部においてe液の良好な封止を確保する助けになる。
【0048】
図5Aにやはり見えるように、噴霧チャンバ465は、長方形配置の四つの壁、すなわち一対の対向する側壁568、及び一対の対向する前壁及び後壁567を備える。対向する側壁568のそれぞれは、側壁の上部の(及び中心の)開端部と、噴霧チャンバ465の底部に比較的近い閉端部564とを有するスロット569を含む。すなわち二つのスロット569は、それぞれの側壁568の中間よりも下に延びる。
【0049】
次に
図5Bを参照すると、この図は、ここではカトマイザプラグの噴霧チャンバ465に嵌め込まれているウィック/ヒータアセンブリ500を示す。特に、ウィック/ヒータアセンブリは、二つの対向するスロット569A、569Bの間に延び、そこから突き出るように配置される。ウィックは次に、各スロットの閉端部564に達するまで下ろされる。この位置では、コイル551は完全に噴霧チャンバ465の中にあり、スロットからリザーバ領域270の中に延びるのはウィック440自体だけであることに留意されたい。この配置により、ウィックがe液をリザーバ270から噴霧チャンバ465の中に、ヒータワイヤコイル551による気化のために吸い出せることを理解されたい。ウィックが噴霧チャンバの底部近くに、さらには特にリザーバ270の底部近くにも位置することは、ウィックがリザーバ内の液体に届くことが、e液が消費され、それゆえにリザーバ内のe液のレベルが低下したときにも維持されることを確実にする助けになる。
図5Bはまた、主シール460の下に延びるヒータ接点ワイヤ552A、552Bも示す。
【0050】
図5Cは、主シール460の基部462の下側を示す。この図は、基部が二つの孔582A、582Bを含むことを示し、これらの孔は、より詳細に以下で説明するように、リザーバ270にe液を充填するために使用される。下側はさらに、PCB470を受けるための長方形凹部584を含む。中心孔583は、カトマイザの下(かつ外側)からの空気通路を噴霧化(気化)チャンバ465内に形成するために、この凹部584に設けられる。組立て後、カトマイザプラグのこの中心孔583は、PCBの対応する中心孔471と整列されることを理解されたい。
【0051】
カトマイザプラグ460の下部の長方形凹部584内に形成された、非常に小さな孔587A、587Bもまた、中心孔583の両側に一つずつある。接点ワイヤ552A及び552Bは、ヒータ450から下方に延び、これら二つの孔587A、587Bをそれぞれ、気化チャンバ465を出るために通り抜ける。
【0052】
スリット590A、590Bが長方形凹部584の前壁及び後壁のそれぞれに形成される。ヒータからの各接点ワイヤは、二つの孔587A、587Bを通り抜けて延びた後、カトマイザプラグの下面に対し平たく折り曲げられ、その後それぞれのスリット590A、590Bを経由して長方形凹部を出る。すなわち接点ワイヤ552Aは、孔587Aを通り抜けて噴霧チャンバ465から出て、その後スロット590Aを経由して長方形凹部584を出ていき、同様に接点線552Bは、孔587Bを通り抜けて噴霧チャンバ465から出て、その後スロット590Bを経由して長方形凹部584を出ていく。各ワイヤ552A、552Bの残りの部分は次に、カトマイザプラグ460のそれぞれの溝部597(
図5B参照)の中に配置されるようにするために噴霧チャンバ465の方に上向きに折り曲げられる。幾つかの例では、カトマイザプラグ460のそれぞれの溝部597はないことがあり、各ワイヤ552A、552Bの残りの部分が代わりに、単純に折り曲げられてカトマイザプラグ460の側面に沿って延びることがある。
【0053】
図6A及び
図6Bは、本発明の幾つかの実施形態による、カトマイザプラグに嵌め込まれる内部フレーム及び通気口シールを示す。すなわち前述のように、内部フレーム430は、基部436、中間部434、及び内部フレームの上部にある空気管432を備える。基部は、水平横方向(x軸に平行)に延びる二つのスロット671A、671Bを含む。内部フレームの基部436は、噴霧チャンバ465を通り越して下に降ろされ、噴霧チャンバ465の各側面から出るウィック440は、これらのスロット671A、671Bを通り、その結果内部フレームの基部は、カトマイザプラグの下部462に受け入れられるまでさらに降ろされることが可能になる。
【0054】
上記のように、内部フレームの中間部434は、カトマイザプラグ460の噴霧チャンバ465を補完して完全なものにする。特に中間部は、対向する二つの側壁668、及び上部壁すなわち屋根部660を形成する。後者は、噴霧チャンバ465からマウスピース250の出口孔280まで上に延びる空気管432以外は、噴霧チャンバ465の上部を閉じる。
【0055】
互いに対向する側壁668のそれぞれは、スロット669A、669Bを含み、これらのスロットは、側壁の底部からそれぞれのスロットの閉端部まで上向き(y軸に平行)に延びる。したがって、内部フレームの基部436が噴霧チャンバ465を越えて下に降ろされると、噴霧チャンバ465の各側面から延びるウィック440の部分は、これらのスロット669A、669Bを通過する(スロット671A、671Bに加えて)。この結果、内部フレーム430の側壁668がカトマイザプラグの側壁568と重なり合うことが可能になる。スロット669A、669Bの閉端部がウィック440と接触した後は内部フレーム430がさらに下向きに動くことが防止されるが、この接触は、内部フレームの基部436がカトマイザプラグの下部462に受け入れられるのと同時に起きる。この段階で、カトマイザプラグ460と、ヒータ/ウィックアセンブリ500と、内部フレーム430とを組み合わせたものは
図6Bに示されるように形成されており、通気口シール420はこのとき、内部フレーム430の空気管(パイプ)432に嵌めることができる。
【0056】
図7Aは、内部フレーム430と、ウィック/ヒータアセンブリ500と、外殻410に嵌め込まれる主シール460との組み合わせを示す。この挿入が行われるとき、外殻410の下部412の前面及び後面のそれぞれのスロット415は、スロット590を通り抜けた、かつカトマイザプラグ460の外側をまわって溝部597の中へ上に折り返された、ワイヤ552の一部分を収容する。さらに、主シールの下部462まわりの変形可能リブ563は、挿入中に外殻410の下部412の内壁によってわずかに加圧され、その結果、得られたリザーバ270内にe液を保持するためのシールが形成される。したがって、
図7Bに示されるように、カトマイザ200はこのとき、e液を充填する用意ができている。この充填は、矢印701A、701Bで示されるように、主シール460の孔582A及び582Bから、内部フレームのスロット671A、671B(
図7Bに図示されていない)を通して行われる。
【0057】
図8Aは、主シール460の下面の長方形凹部584に嵌め込まれるPCB470を示す。このように嵌め込むと、主空気流チャネルをカトマイザ200に形成するように、PCBの中心孔471が主シール460の中心孔583と整列される。
【0058】
前述したように、長方形凹部584は、中心孔583の両側に位置する一対の孔587を備える。各孔は、それぞれの接点ワイヤ552A、552Bが蒸発器チャンバ465から出ることを可能にする。接点ワイヤ552A、552Bは、長方形凹部584の床部に対して平らに折り曲げられ、次に、長方形凹部の前壁及び後壁のそれぞれのスロット590A、590Bを経由して長方形凹部584を出る。各ヒータ接点ワイヤ552A、552Bの末部は次に、上向きに、カトマイザ及びマウスピース250の上部に向けて折り返され、カトマイザプラグに形成された対応する溝部すなわちチャネル597に入れられる。加えて、外殻の基部もまた、それぞれのヒータ接点ワイヤ552A、552Bを収容するために、前面及び後面のそれぞれにスロット415を含む。
【0059】
幾つかの実施形態では、PCB470にはいかなる能動構成要素も含まれないが、中心孔471の両側に二つの大きい接点パッド810A、810Bが設けられる。これらの接点パッドは、
図8AではPCBの下面に、すなわち組み立て後に制御ユニット300と向き合う側に見える。PCBの反対面、すなわち長方形凹部584に受け入れられヒータ450と向き合う上面は、同様の、対応する接点パッドの構成物(
図8Aに図示せず)を備える。ヒータ接点線552A、552Bは、PCBの上面のそれぞれの接点パッドと物理的に、それゆえに電気的に、接触している。
【0060】
PCB470の両面の接点パッドのうちの対向する対は、一つ又は複数のビア820A、820Bのそれぞれの組によって接続される。言い換えると、ビア820Aは、PCBの下面の一つの接点パッドと、PCBの上面の対応する接点パッドとの間の導電路を形成し、ビア820Bは、PCBの下面の別の接点パッドと、PCBの上面のその対応する接点パッドとの間の導電路を形成する。したがって、制御ユニットがカトマイザに接続されると、制御ユニットからのピンがPCB470の下面の接点パッドに接触し、電流がそれぞれのビアと、PCB470の上面の接点パッドと、それぞれのヒータ接点ワイヤ552A、552Bとを通ってヒータ450に又はヒータから流れる。
【0061】
図8Bは、本発明の幾つかの実施形態による、カトマイザ200に嵌められる端部キャップ480を示す。特に、端部キャップ480は、カトマイザプラグ460の端部及び外殻410の下部412を覆って嵌められ、端部キャップの各側面の対応する孔すなわちスロット261に係合する、外殻の下部412の各側面に設けられた突出部材413によって、この位置に保持される。この完全に組み立てられた状態で(
図2参照)、端部キャップ480は、液体リザーバ270を充填するために使用されたカトマイザプラグの孔582A、582Bを覆い、したがって閉鎖する。実際は、
図10Aで分かるように、端部キャップ480は、充填孔582A、582Bにそれぞれ侵入して閉ざす二つの上向きのプラグ870A及び870Bを備える。したがって、リザーバ270はこのとき、噴霧チャンバ465の各側面の、ウィック440が噴霧チャンバ465に入るための開口は別として、完全に封止される。
【0062】
前述したように、端部キャップは三つの孔、すなわち中心孔214と、この中心孔の両側に位置する二つの孔212A、212Bとを含む。端部キャップ480を嵌めると、主空気流チャネルをカトマイザ200内に形成するように、端部キャップの中心孔214がPCBの中心孔471と、主シール460の中心孔583とに整列される。二つの孔212A、212Bにより、正極端子及び負極端子として機能する制御ユニット300からのピンが端部キャップ480を通過し、PCBの下面のそれぞれの接点パッド810A、810Bと接触できるようになり、その結果、制御ユニット300のバッテリー350がヒータ450に電力を供給することが可能になる。
【0063】
幾つかの実施形態では、前記のようにシリコーン等の弾力性のある変形可能材料で作られている主シール460は、内部フレーム430と端部キャップ480の間に加圧された状態で保持される。言い換えると、掛止構成要素413と261が互いに係合する前に、端部キャップはカトマイザ200に押し付けられ、主シール460にわずかに加圧する。その結果、主シールは、端部キャップ480及び外殻410が一緒に掛止された後、このわずかに加圧された状態にとどまる。この加圧の一つの利点は、端部キャップが、PCB 470をヒータ接点ワイヤ552A、550Bに押し付ける働きをし、その結果、ハンダを使用せずに良好な電気的接続を確保する助けになることである。
【0064】
図9は、本発明の幾つかの実施形態による、
図1の電子タバコの制御ユニット300を上から見た上面図である。制御ユニットは外部壁315を含み、この壁は制御ユニットの残り部分の上方に立ち上がって(
図1で最もよく見える)、カトマイザの下部210を収容するためのキャビティを形成する。これらの壁315の各側面は、ばねクリップ931A、931Bを備え、このばねクリップは、カトマイザ200の各側面の孔すなわちスロット260(
図2参照)と係合し、以てカトマイザを制御ユニット300と係合したままに保持して、組み立てられた電子タバコ100を形成する。
【0065】
制御ユニット壁315の上部によって形成されたキャビティの底部に(別の言い方では、制御ユニット300の本体の最上部に)、バッテリーシール910がある(
図1も参照)。バッテリーシール910は、シリコーン等の弾力性のある(かつ圧縮可能な)材料から形成される。バッテリーシール910は、e液がリザーバ270から、デバイスを貫通する主空気通路へ漏洩するという、電子タバコ100の一つの潜在的な危険を緩和する助けになる(この危険は、液体が発泡体又はそのような材料によって保持されているのではなく、リザーバ内に自由な液体がある場合の方が大きい)。特に、e液が、バッテリー350及び制御電子回路を収容する制御ユニットの部分に漏洩することが可能である場合、漏洩により回路が短絡し、そのような構成要素が腐食するおそれがある。さらに、e液自体が、カトマイザ200に戻り、その後マウスピース孔280から出ていく前に汚染されるという危険もまたある。したがって、カトマイザの中心空気通路に漏洩するe液がもしあれば、バッテリーシール910は、このような漏洩がバッテリー350及び制御電子回路を収容する制御ユニットの部分に進行することを防止する助けになる。(バッテリーシール910の小さい孔908は、マイクロフォン345又は他のセンサデバイスとの非常に制限された流体連通を可能にするが、この場合マイクロフォン345自体が、制御ユニットへとさらに進行するそのようないかなる漏洩に対しても、バリアとして機能することができる。
【0066】
図9に示されるように、バッテリーシール910の最上部と制御ユニットの壁315の内面との間の周囲に小さい溝部すなわちスペース921があるが、これは主として、バッテリーシール910の丸みのある角によって形成される。バッテリーシールは、前から後に至る中心溝部922をさらに備え、この中心溝部は、より詳細に以下で説明するように、カトマイザの中への空気流を維持するために両端部(前後)で周囲溝部921とつながる。中心溝部922にすぐ隣り合って、二つの孔908A、908Bが溝922の両側に一つずつある。これらの空気孔は、マイクロフォン345まで下に延びる。したがって、使用者が吸引を行うと、カトマイザ200を貫通する、空気管432、主シール460の中心孔583等によって画定された中心空気通路の中の、さらにはこの中心空気通路の端部にある中心溝部922の中の、圧力が低下することになる。圧力の低下は、孔908A、908Bを経由してマイクロフォン345にまでさらに及び、マイクロフォンはこの圧力の低下を検出し、この検出は次に、ヒータ450を起動するのに用いられる。
【0067】
図9にはまた、バッテリー350の正極端子及び負極端子に接続されている二つの接点ピン912A、912Bが示されている。これらの接点ピン912A、912Bは、バッテリーシール910のそれぞれの孔を通過し、端部キャップの孔212A、212Bから延びてPCBの接点パッド810A、810Bそれぞれと接触する。したがって、このときにヒータ450に電力を供給するための電気回路が形成される。接点ピンは、カトマイザ200が制御ユニット300に掛止されるときに装着が加圧下にあるように、バッテリーシールに弾性的に装着される(ときには「ポゴピン」と呼ばれる)。この加圧により、装着することが接点ピンをPCB接点パッド810A、810Bに押し当てることになり、以て良好な電気的接続性を確保する助けになる。ポゴピンを用いる以外の手法も使用できることを理解されたい。例えば場合によって、接点ピンはばね装着されなくてもよく、代わりに、組み立てられるときにある程度の弾性たわみに対応して、PCB接点パッドとの付勢された接触を簡単にすることができる。別の場合では、接点ピン自体は剛性であり、弾性的に装着された支持物によって保持することができる。
【0068】
上記のようにシリコーン等の弾力性のある変形可能材料で作られるバッテリーシール910は、カトマイザ200と制御ユニット300の間に加圧された状態で保持される。言い換えると、壁315によって形成された空洞の中にカトマイザを挿入することにより、制御ユニットのばねクリップ931A、931Bがカトマイザの下部210の対応する孔260A、260Bと係合する前に、カトマイザの端部キャップ480がバッテリーシール910をわずかに加圧する。その結果、バッテリーシール910は、カトマイザ200と制御ユニット300が一緒に掛止された後、わずかに加圧された状態のままになり、前に論じたように、いかなるe液の漏洩も防止する助けになる。
【0069】
図10A及び
図10Bは、本発明の幾つかの実施形態による、
図1の電子タバコを通過する空気流を示す、それぞれ(a)側部から側部、及び(b)前から後ろの断面図である。空気流は
図10A及び
図10Bに、黒い太破線の矢印で示されている。(
図10Aはデバイスの片側の空気流のみを示すが、類似した空気流が別の側にもあることに留意されたい。複数のこのような空気入口があることにより、使用者がデバイスを保持しながら自分の指で空気入口を偶発的に塞ぐ危険が低減する。)
【0070】
空気流は、制御ユニットの壁315の最上部とカトマイザ外殻410のフランジすなわちリム240との間の、電子タバコ100の側面の隙間を通って流入する。次に空気流は、壁315の内面とカトマイザ200の下部210の外面との間のわずかなスペースを下に進み、ばねクリップ931を通り、そうして周囲溝部921(
図9に示される)に入る。次に空気流は、周囲溝部921をまわって吸い出され、したがって
図10A及び
図10Bの紙面から出る(そのため空気流路のこの部分は、これらの二つの図では見えない)。通常はいくらかのスペースが制御ユニット壁の内面とカトマイザ端部キャップの外面との間の溝部921の上方にあり、したがって空気流は、必ずしも溝部921自体に制約されないことに留意されたい。
【0071】
周囲溝部921をまわって約90度の角度進んだ後、空気流は中心溝部922へ進み、ここから端部キャップ480の中心孔583に向かって進んで通過し、そうしてカトマイザの中心空気通路に入る。
図10Bは、中心溝部922に沿って中心空気通路に入るこの空気流を示し、その後中心空気通路を上に流通する空気の流れは、
図10Aと
図10Bの両方に示されていることに留意されたい。溝部921とは異なり、溝部922の上方のスペースは開放しておらず、バッテリーシール910が、カトマイザ200の端部キャップ480に押し付けて加圧されている。この構成の結果として、端部キャップが溝部を覆って、制限されたスペースを有する閉チャネルを形成することになる。この制限されたチャネルは、より詳細に以下で説明するように、電子タバコ100の吸引抵抗を制御する助けになるように利用することができる。
【0072】
図10A及び
図10Bに示されるような空気流路全体に関連する様々な利点がある。マイクロフォン345等の空気流検出器は一般に、制御ユニット300に設置される。これにより、マイクロフォンがデバイスの再使用可能部分にあり、したがってすべてのカトマイザ(使捨て構成要素)にマイクロフォンを含む必要がないので、コストが低減する。加えて、マイクロフォン345が制御ユニット300にあることにより、マイクロフォンをバッテリー350、及び制御ユニットの制御プロセッサ(図示せず)に容易に接続できるようになる。
【0073】
一方で、電子構成要素を通過する空気流は、例えば、このような電子構成要素が使用と共に暖かくなる傾向があり、かつ場合によっては揮発性物質を放つことがあるので、低減又は回避することが一般に望ましい。
図10A及び
図10Bに示された空気流路は、大部分が制御ユニットの電子構成要素をバイパスし、小さい孔908だけがこの主空気流を分岐して、マイクロフォン345が圧力の変化を検出できるようにすることを理解されたい。制御ユニットの主要電子構成要素を通過する空気流をこうして回避することは、カトマイザが制御ユニットの中の極めて奥に位置する(デバイスの全長を低減する助けになる)にもかかわらず実現された。
【0074】
さらに、多くの既存の電子タバコでは、空気路全体は厳重に制御されていない。例えば、空気が、専用の一つ以上の空気入口だけでなく、(カトマイザと制御ユニットの間等の)様々な構成要素間の接合箇所の空気路へ漏洩することがある。この漏洩(並びに様々な他の製造ばらつき)により、デバイスの吸引抵抗が著しくばらつくことになり得る。ここで、吸引抵抗は実際上、デバイスを通る所与の空気流を生成するために必要な圧力差を表す。この吸引抵抗のばらつきは、均一な使用者体験を妨げるおそれがあり、またデバイスの動作をもたらす可能性もある。例えば、吸引抵抗が高い場合、デバイスを通る空気の流れが低減する可能性があり、そのためヒータが受ける冷却作用が低減する。
【0075】
したがって、本書に記載の手法では、液体を気化するアトマイザと、アトマイザを貫通する空気通路であって、マウスピースのところで電子タバコを出る空気通路と、気化器を貫通する空気通路にチャネルによって結合された少なくとも一つの空気入口と、空気入口からの空気がチャネルを通る以外に空気通路に向かって進むことを防止するように機能する、少なくとも一つの弾力性のあるシールとを含む、電子タバコデバイスが提供される。
【0076】
例えば、前述の実施態様では、気化器を貫通する中心空気通路に入る空気流は、まず溝部922に沿って進まなければならない。この溝部は、溝部の最上面又は閉鎖部を実際は形成する端部キャップ480の底部と一緒に、制御ユニットを貫通してカトマイザに入る空気流チャネルを画定する。
【0077】
このようなデバイスでは、空気入口からの空気は、空気通路に達するためには必ずチャネルを通って進まなければならない(シールが他の経路を阻止するので)。したがって、特にチャネルが、デバイス全体を貫通する空気路の吸引抵抗の大部分となる場合には、チャネルは吸引抵抗の制御点になる。特に、チャネルの吸引抵抗(大部分はチャネルのサイズによって決まる)がデバイス間(及び同一のデバイスの別々の使用の間)で適度に均一である限り、デバイス全体としての吸引抵抗は、同様に適度に均一になる。
【0078】
幾つかの実施態様では、電子タバコは、電子タバコの所定の吸引抵抗を変える機能をさらに備える。この機能は、使用者が電子タバコの所定の吸引抵抗を個人の好み等に応じて、限定された数の離散的な数値のうちの1つに設定することを可能にし得る。例えば、本書に記載の電子タバコでは、カトマイザ200と制御ユニット300の間に連続する二つの掛止位置があり、これによりバッテリーシール910の加圧がより低く、又はより大きくなる。加圧が低いと一般に、溝部922がわずかに広がることが可能になり、したがって、より高いバッテリーシールの加圧が生じる掛止位置よりも低い吸引抵抗が得られる。この機能を実現する別の方法は、チャネルすなわち溝部922の中に入れて空気流を所望の量だけ部分的に遮ることができる、何らかのバッフルを設けることである。
【0079】
シールは、シリコーン等の弾力性のある材料で形成することができ、チャネルは、少なくとも一部はシールの材料自体で形成される。例えば、幾つかの実施形態では、チャネルは、端部キャップ480に押し当てられるバッテリーシール910等の、剛性のある材料の表面に押し付けて加圧される弾力性のある材料によって画定され、この剛性の材料の表面は、チャネル922からアトマイザを貫通する空気通路までつながる、端部キャップ480の孔583等の孔を含み得る。このチャネルは実際には、特定の実施態様によれば、複数の(サブ)チャネルのネットワークを適宜構成することに留意されたい。
【0080】
前述のように、デバイスはカトマイザ200及び制御ユニット300を含むことができ、弾力性のあるシールが、カトマイザが制御ユニットに結合されたときにカトマイザの外部に接触する制御ユニットの一部として設けられる。弾力性のある材料は、カトマイザが制御ユニットに掛止機構等によって結合されているとき、カトマイザと制御ユニットの間に加圧下で保持される。弾力性のある材料をこのように加圧することは、シールの縁部まわりに密閉封止を得る助けになる。
【0081】
さらなる考慮事項は、一部の電子タバコでは、e液が270を主空気通路へ漏洩する危険があることである。このような状況において、シールは、e液が空気通路から空気チャネルにしか進めないことを確実にする助けになり、その結果、e液がバッテリー及び他の電気構成要素と接触することを防止する助けになる。さらに、空気チャネルは、このチャネルを通るe液の大きな流れを防止するために十分狭くすることができ、このことが、いかなる漏洩e液も抑制するさらなる助けになる。
【0082】
本書では様々な実施形態が詳細に説明されたが、この説明は単に例示的なものであり、デバイスへの空気流を抑制するためのチャネルを多くの異なる構成で利用できることを理解されたい。例えば、この手法は、(本明細書に記載の、二つの部分すなわちカトマイザ及び制御ユニットからなるデバイスではなく)一つの部分又は三つの部分からなるデバイスに使用されてもよい。同様に、この手法は、タバコ工場から得られる材料を含む電子式蒸気供給システムに利用することもでき、この材料は、任意の適切な形態(粉末、ペースト、刻み葉等、すなわち液体ではない)で供給され、次いで加熱されて使用者が吸引するための揮発性物質が生成される。この手法はまた、電子タバコ用の様々なタイプのヒータ、様々なタイプの空気流構成、カトマイザと制御ユニットの間の様々なタイプの連結(ねじ又はバヨネット等)等と共に使用することもできる。当業者には、本書に記載の空気流を制限するためのチャネルを利用できる、他の様々な形態の電子式蒸気供給システムが知られよう。
【0083】
さらに、上に論述したカトマイザアセンブリの方法は一つの例にすぎず、異なるステップを含む組み立て工程、又は異なる順序で実行される類似のステップもまた採用されてよいことを理解されたい。例えば、
図6B、
図7A及び
図7Bに関連して論述したステップに関して、別の例では、組み立てられたアセンブリを外殻410に入れる前に(
図7A及び
図7B)通気口シール420を内部フレームの空気管(パイプ)432に嵌め込む代わりに(
図6B)、通気口シール420をまず外殻410の所定の位置に装着することができ、それにより通気口シールは、内部フレーム430、ウィック/ヒータアセンブリ500、及び主シール460が一緒に外殻410に嵌め込まれるときに内部フレームの空気管(パイプ)432に装着される。同様に、
図8A及び
図8Bに関連して論述したステップに関して、別の例では、キャップ480を取り付けてカトマイザアセンブリを完全なものにする前にPCB470をカトマイザプラグ460のその凹部584に入れる代わりに、PCB470をまずキャップ480の所定の位置に装着し、次に、PCB470が取り付けられたキャップ480を外殻410に連結することができる。PCB470は、例えば、摩擦/圧入によってキャップ480に装着することができる。キャップは、キャップが外殻に取り付けられたときにPCBがカトマイザプラグの凹部584と位置合わせされるようにPCBをキャップ内に位置付けることを助けるための、位置決めペグ、又は他の案内機構を含むことができる。
【0084】
結論として、様々な問題に対処し、技術を進歩させるために、本開示では例示によって、特許請求された本発明を実践できる様々な実施形態を示す。本開示の利点及び特徴は、諸実施形態の単なる代表例であり、網羅的及び/又は排他的なものではない。これらの利点及び特徴は、特許請求された本発明を理解することを助け教示するためにだけ提示されている。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって定義される本開示に対する限定、又は他特許請求の範囲の等価物に対する限定と解釈されるべきものではないこと、並びに、特許請求の範囲から逸脱することなく他の実施形態を利用することができ、また修正を加えることができることを理解されたい。様々な実施形態は、本書に特に記載されたもの以外の、開示された要素、構成要素、特徴、部材、ステップ、手段等の様々な組み合わせを適切に備えるか、これらの組み合わせから成るか、又はこれらの組み合わせから本質的に成ることができる。本開示は、現在は特許請求されていないが将来は特許請求される可能性がある、他の発明を含み得る。