特許第6621301号(P6621301)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6621301
(24)【登録日】2019年11月29日
(45)【発行日】2019年12月18日
(54)【発明の名称】回転揺動式入力装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01H 25/04 20060101AFI20191209BHJP
【FI】
   H01H25/04 A
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-215757(P2015-215757)
(22)【出願日】2015年11月2日
(65)【公開番号】特開2017-91610(P2017-91610A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年9月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】岩井 圭太
【審査官】 杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−064638(JP,A)
【文献】 特開2014−175194(JP,A)
【文献】 実開昭55−044562(JP,U)
【文献】 特開2010−251118(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0083952(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投光部から出射された光束を受光部にて受光する光センサと、
回転操作及び複数方向の揺動操作が可能である操作手段と、
前記光センサの配置面側に設けられ、前記揺動操作にて押下されることで信号を発生する複数のスイッチと、
前記操作手段を回転操作した場合、前記投光部と前記受光部の間に形成された間隙部を通過する複数の遮光部が周方向に設けられている遮光部材と、
前記操作手段を回転操作したときにクリック感を発生するクリック手段と、を備える回転揺動式入力装置であって、
前記操作手段の回転停止位置は、前記操作手段の回転方向について前記複数の遮光部が前記光センサの前記間隙部を通過する場合における前記操作手段の位置とは異なる位置であり、
前記光センサの前記間隙部の前記回転方向の幅は、前記遮光部の前記回転方向の幅より広く、
前記回転方向に互いに隣り合う2つの前記遮光部の間の間隙の前記回転方向の幅は、前記光センサの前記間隙部の前記回転方向の幅より広く、
前記回転方向に互いに隣り合う2つの前記遮光部の間の間隙の前記回転方向の幅は、前記遮光部の前記回転方向の幅より広いことを特徴とする回転揺動式入力装置。
【請求項2】
前記操作手段を前記遮光部材とともに回転可能に、かつ前記複数方向に揺動可能に保持する弾性変形可能なホルダをさらに備え、
前記ホルダは、前記操作手段を前記遮光部材とともに回転可能に、かつ前記複数方向に揺動可能に保持する内側環状部と、前記内側環状部の外周側に配置され、前記操作手段を前記複数方向のいずれかの方向に揺動操作した場合、弾性変形して前記複数のスイッチのうちの対応するスイッチを押下する押圧部が設けられた外側環状部と、を有し、
前記内側環状部における前記遮光部材の前記遮光部より内径側及び前記外側環状部における前記遮光部材の前記遮光部より外径側の少なくとも一方に、前記操作手段を所定量以上だけ揺動操作した場合、前記遮光部材の前記遮光部が前記光センサの前記間隙部に当接する前に前記操作手段が当接する当接部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転揺動式入力装置。
【請求項3】
前記回転方向について前記ホルダの前記内側環状部と前記外側環状部の間に、前記光センサが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の回転揺動式入力装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の回転揺動式入力装置を備えることを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばデジタルカメラ等の撮像装置を含む電子機器に設けられる回転揺動式入力装置、及び回転揺動式入力装置を備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の電子機器として、複数方向の揺動操作と回転操作の複合操作が可能な操作ダイアルを有する回転揺動式入力装置を備えるものがある。回転揺動式入力装置の回転検出手段としては、操作ダイアルに固定された接点ブラシをプリント配線板に設けられた電極パターンに沿って摺動させることで発生するパルス信号に基づき操作ダイアルの回転を検出する技術が提案されている(特許文献1)。この提案では、操作ダイアルを揺動させることで、操作ダイアルに設けられた押し子によりスイッチが押されて信号が出力される。
【0003】
しかし、接点ブラシは、操作ダイアルの回転時に電極パターンと常に摺動接触するため、連続操作をすると、電極パターンが摩耗して操作性が低下するおそれがある。また、電極パターンは、摩耗により接点ブラシとの接触状態が不安定になるため、出力信号の乱れや耐久性に問題がある。さらに、接点ブラシと電極パターンの接触状態により、抵抗値にバラツキが生じ易く、チャタリングが発生するという問題もある。
【0004】
また、回転揺動式入力装置の回転検出手段として、磁石と磁界検出素子により操作ダイアルの回転を検出する技術が提案されている(特許文献2)。この提案についても、回転検出の分解能に応じた複数の磁石が必要となるため、装置の小型化が難しく、また、磁石はN極とS極を高精度で、かつ複数の着磁が必要であることから安価に構成することも難しい。
【0005】
一方、回転検出手段として、操作ダイアルと一体に回転する遮光羽根の複数の遮光部が透過型光センサの投光部と受光部との間を通過することで、操作ダイアルの回転を検出する技術が知られている。透過型光センサを用いた回転検出手段は、遮光羽根と透過型光センサが非接触であることから耐久性に優れ、また、遮光羽根も簡単な構造であるため、小型化が可能となり、更には、高価な部品を用いる必要もないため、安価に構成することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5281589号
【特許文献2】特許第3820548号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、回転検出手段として透過型光センサを用いた場合、操作ダイアルの回転が停止した安定位置において、遮光羽根の遮光部と透過型光センサの位置関係が適切でないと、操作ダイアルの回転検出精度が低下する可能性がある。
【0008】
例えば、操作ダイアルと遮光羽根の固定位置や操作ダイアルの安定位置のばらつきにより、透過型光センサの光の透過と遮光が不安定となり、操作ダイアルの回転量や回転方向を誤検出することが考えられる。また、遮光羽根が安定位置にあるときに操作ダイアルを揺動操作してスイッチを押下した際にも、誤検出を防止する必要がある。
【0009】
そこで、本発明は、回転揺動式入力装置の回転検出手段として透過型光センサを用いた場合に、操作ダイアルを回転操作や揺動操作した際の誤検出を防止する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の回転揺動式入力装置は、投光部から出射された光束を受光部にて受光する光センサと、回転操作及び複数方向の揺動操作が可能である操作手段と、前記光センサの配置面側に設けられ、前記揺動操作にて押下されることで信号を発生する複数のスイッチと、前記操作手段を回転操作した場合、前記投光部と前記受光部の間に形成された間隙部を通過する複数の遮光部が周方向に設けられている遮光部材と、前記操作手段を回転操作したときにクリック感を発生するクリック手段と、を備える回転揺動式入力装置であって、前記操作手段の回転停止位置は、前記操作手段の回転方向について前記複数の遮光部が前記光センサの前記間隙部を通過する場合における前記操作手段の位置とは異なる位置であり、前記光センサの前記間隙部の前記回転方向の幅は、前記遮光部の前記回転方向の幅より広く、前記回転方向に互いに隣り合う2つの前記遮光部の間の間隙の前記回転方向の幅は、前記光センサの前記間隙部の前記回転方向の幅より広く、前記回転方向に互いに隣り合う2つの前記遮光部の間の間隙の前記回転方向の幅は、前記遮光部の前記回転方向の幅より広いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、回転揺動式入力装置の回転検出手段として光センサを用いた場合に、操作手段を回転操作や揺動操作した際の誤検出を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の回転揺動式入力装置を備える電子機器の実施形態の一例であるデジタルカメラを背面側から見た斜視図である。
図2】回転揺動式入力装置の斜視図である。
図3図2に示す回転揺動式入力装置の分解斜視図である。
図4】(a)は操作ダイアルの裏面側に嵌合される遮光羽根の斜視図、(b)は遮光羽根を操作ダイアルの裏面側に取り付ける様子を示す斜視図である。
図5】(a)は操作ダイアルの回転が停止した安定位置での回転揺動式入力装置の側面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
図6】(a)は操作ダイアルの回転が停止した安定位置における遮光羽根とフォトインタラプタの関係を説明する要部斜視図、(b)は操作ダイアルの回転が停止した安定位置におけるフォトインタラプタと遮光羽根との関係を説明する図である。
図7】(a)は、ホルダの操作ダイアル側から見た斜視図、(b)は操作ダイアルの回転が停止した安定位置における回転揺動式入力装置の要部を操作ダイアル側から見た図である。
図8図7(b)のC−C線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の一例を説明する。
【0014】
図1は、本発明の回転揺動式入力装置を備える電子機器の実施形態の一例であるデジタルカメラを背面側から見た斜視図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態のデジタルカメラ10は、正面側に、レンズ鏡筒12が設けられ、背面側には、レンズ鏡筒12の撮影光学系を通過して不図示の撮像素子に結像した被写体像を表示するLCD等の表示ユニット13が設けられている。デジタルカメラ10を背面側から見て、表示ユニット13の右側には、回転揺動式入力装置14を構成する操作ダイアル25が設けられている。
【0016】
回転揺動式入力装置14は、例えば、マニュアルフォーカスやホワイトバランス等の連続的な入力操作が求められる機能に操作ダイアル25の回転操作が割り当てられる。また、複数方向の揺動操作と回転操作の複合操作として、フラッシュ発光のオン/オフ/オートのようにトグル操作により設定可能な機能に操作ダイアル25の押しボタン操作が割り当てられている。
【0017】
図2は、回転揺動式入力装置14の斜視図である。図3は、図2に示す回転揺動式入力装置14の分解斜視図である。
【0018】
図2及び図3に示すように、操作ダイアル25は、ホルダ20に対してZ軸を中心に回転操作可能に保持されている。また、操作ダイアル25は、複合操作として、図の上下左右方向に押し操作された場合に、ホルダ20に対して揺動可能に保持されている。操作ダイアル25の中央部には、表示板26が設けられている。
【0019】
表示板26の外観には、上下左右方向のボタン機能を表すアイコンが印刷されている。表示板26は、基台28に設けられた孔に位置決めされると共に基台28の裏面に突出したピン形状部がカシメられて基台28に固定され、回転が規制されている。表示板26の中央部には、センターキー27が設けられ、センターキー27は、表示板26に対して軸方向に押し操作が可能に保持されている。
【0020】
操作ダイアル25を上下左右の各方向へ押し操作した場合、表示板26は、操作ダイアル25に追従して揺動し、また、センターキー27は、操作ダイアル25の回転時も揺動時も連動せず、軸方向の押し操作のみ可能になっている。操作ダイアル25は、プリント配線板29とともに粘着シートの一例である両面テープ30を介して基台28に固定されている。
【0021】
プリント配線板29には、図3に示すように、操作ダイアル25の回転を検出するための透過型光センサとして一対のフォトインタラプタ22が実装されている。プリント配線板29のフォトインタラプタ22の実装面側には、複数のメタルドームスイッチ23aを一体に保持するシートスイッチ23bが固定されている。また、プリント配線板29のフォトインタラプタ22の実装面と反対側には、両面テープ30が配置されている。
【0022】
ホルダ20は、基台28に設けられた不図示の貫通孔に位置決めされるとともに、基台28の裏面から突出したピン形状のカシメ部20j(図6(b)参照)がカシメられて基台28に固定されている。ホルダ20には、クリックバネ21が保持されている。
【0023】
図4(a)は操作ダイアル25の裏面側に嵌合される遮光羽根31の斜視図、図4(b)は遮光羽根31を操作ダイアル25の裏面側に取り付ける様子を示す斜視図である。
【0024】
遮光羽根31は、金属材料等により形成され、図4(a)に示すように、操作ダイアル25の裏面側に嵌合固定されて操作ダイアル25と一体に回転する円環部31aを有する。円環部31aの外周部には、操作ダイアル25の軸方向に突出する遮光部31bが周方向に略等間隔で複数設けられている。
【0025】
遮光部31bでは、フォトインタラプタ22の投光部からの光を遮光し、周方向に互いに隣り合う遮光部31bの間の間隙32では、フォトインタラプタ22の投光部からの光は遮光されることなく受光部で受光される。また、遮光羽根31の一つの間隙32には、操作ダイアル25と位置決めするための位置決め部31cが操作ダイアル25の軸方向に突出して設けられている。位置決め部31cは、軸方向の突出寸法が遮光部31bより短くなっており、従って、フォトインタラプタ22の投光部からの光が位置決め部31cによって遮光されることはない。
【0026】
操作ダイアル25には、図4(b)に示すように、ホルダ20に形成された保持孔20c(図3参照)に回転可能、かつ複数方向に揺動可能に保持される回転軸部25bが設けられている。回転軸部25bの外周部には、径方向外側に突出する凸部25aが周方向に略等間隔で複数設けられている。
【0027】
凸部25aにクリックバネ21が当接することにより、操作ダイアル25の回転操作時にクリック感が発生し、停止時は操作ダイアル25を安定した位置に停止させる。また、操作ダイアル25には、遮光羽根31の位置決め部31cが位置決め嵌合される切り欠き部25cが設けられている。
【0028】
次に、図5を参照して、操作ダイアル25の回転が停止した安定位置における遮光羽根31とフォトインタラプタ22との関係を説明する。図5(a)は操作ダイアル25の回転が停止した安定位置での回転揺動式入力装置14の側面図、図5(b)は図5(a)のA−A線断面図である。
【0029】
図5(b)に示すように、クリックバネ21の両端部は、それぞれ互いに隣り合う凸部25aの間に係合している。つまり、周方向に互いに隣り合う凸部25aの斜面により、クリックバネ21は、操作ダイアル25の回転に抗するバネ力を発生させ、これにより、操作ダイアル25は回転が停止した安定位置にある。このとき、遮光羽根31の遮光部31bは、フォトインタラプタ22の投光部22cと受光部22bとの間の間隙部22aから周方向に離間した位置に配置されている。この状態では、フォトインタラプタ22の投光部22cからの光は遮光されることなく、受光部22bで受光される。
【0030】
遮光羽根31が操作ダイアル25と一体に回転すると、遮光部31bと間隙32がフォトインタラプタ22の投光部22cと受光部22bとの間の間隙部22aを通過することにより、フォトインタラプタ22の投光部22cからの光が遮光と透過を繰り返す。このときのフォトインタラプタ22からの出力信号に基づき、操作ダイアル25の回転を検出することができる。なお、プリント配線板29に実装された一対のフォトインタラプタ22は、出力信号の波形が半位相ずれる角度で配置されており、これにより、操作ダイアル25の回転方向も検出することが可能となっている。
【0031】
図6(a)は、操作ダイアル25の回転が停止した安定位置における遮光羽根31とフォトインタラプタ22の関係を説明する要部斜視図である。図6(a)に示すように、操作ダイアル25の回転が停止した安定位置では、遮光羽根31の遮光部31bは、フォトインタラプタ22の投光部22cと受光部22bの間の間隙部22aに対して回転方向に離間した位置に配置されている。この状態で操作ダイアル25を揺動操作しても、フォトインタラプタ22の投光部22cからの光は遮光されることなく、受光部22bで受光される状態は変化しない。
【0032】
図6(b)は、操作ダイアル25の回転が停止した安定位置におけるフォトインタラプタ22と遮光羽根31との関係を説明する図である。操作ダイアル25は、操作ダイアル25に対する遮光羽根31の位相ずれや凸部25aとクリックバネ21の位置ずれなどにより回転が停止した安定位置がずれることがある。
【0033】
そこで、本実施形態では、図6(b)に示すように、互いに隣り合う遮光部31b間の間隙32の周方向幅W1は、遮光部31bの周方向幅W2より広く設定されている。また、周方向幅W1は、フォトインタラプタ22の投光部22c及び受光部22bの周方向幅W3より広く設定されている。なお、図6(b)に示すように、フォトインタラプタ22の投光部22c及び受光部22bの周方向幅W3は、遮光部31bの周方向幅W2より広く設定されている。
【0034】
これにより、操作ダイアル25に対する遮光羽根31の位相ずれや凸部25aとクリックバネ21の位置ずれが生じても、これらのずれを吸収することができる。このため、操作ダイアル25の回転が停止した安定位置において、フォトインタラプタ22の投光部22cからの光が遮光されることなく、受光部22bで受光される状態を安定して維持することができる。この結果、操作ダイアル25を回転操作及び揺動操作した際の誤検出を防止することができる。
【0035】
図7(a)は、ホルダ20の操作ダイアル25側から見た斜視図である。図7(a)に示すように、ホルダ20は、操作ダイアル25の回転軸部25bを回転可能に、かつ複数方向に揺動可能に保持する保持孔20cを有する内側環状部20hを備える。内側環状部20hの外周側には、外側環状部20dが配置され、外側環状部20dと内側環状部20hとは、周方向に略等間隔で配置された4箇所の接続部20fを介して接続されている。内側環状部20h、接続部20f及び外側環状部20dは、弾性変形可能な樹脂材料等により一体に形成されている。
【0036】
外側環状部20dの操作ダイアル25側の面には、操作ダイアル25が回転する際に摺動する摺動部20eが周方向に略等間隔で4箇所設けられている。4箇所の摺動部20eは、図3に示す複数のメタルドームスイッチ23aのうちの中央に配置された上下左右の4箇所のメタルドームスイッチ23aに対応して設けられている。そして、摺動部20eは、操作ダイアル25を上下左右のいずれかの方向に揺動操作した際に、対応するメタルドームスイッチ23aを押下する押圧部として機能する。
【0037】
このとき、外側環状部20dには、操作ダイアル25の揺動方向のストッパとして第1当接部20bが設けられている。第1当接部20bは、フォトインタラプタ22の近傍に配置されて、接続部20fと同位相で、かつ摺動部20eに対して45°の位相をずらして周方向に略等間隔で4箇所設けられている。内側環状部20hにも同様に、操作ダイアル25の揺動方向のストッパとして第2当接部20aが設けられている。なお、本実施形態では、外側環状部20dと内側環状部20hとを一体に形成した場合を例示したが、外側環状部20dと内側環状部20hとは別体であってもよい。
【0038】
図7(b)は、操作ダイアル25の回転が停止した安定位置における回転揺動式入力装置14の要部を操作ダイアル25側から見た図である。図8は、図7(b)のC−C線断面図である。
【0039】
図8に示すように、内側環状部20hに設けられた第2当接部20aは、操作ダイアル25を揺動操作すると、遮光羽根31の固定面31aに当接し、操作ダイアル25の揺動方向のストッパとなる。また、操作ダイアル25の外周端部は、フォトインタラプタ22の近傍に配置された第1当接部20bに当接し、同様に、操作ダイアル25の揺動方向のストッパとなる。つまり、遮光部31bの内径側と外径側でフォトインタラプタ22の近傍に操作ダイアル25の揺動操作時に操作ダイアル25とホルダ20の当接部を複数設けることで、操作ダイアル25の揺動操作の際に遮光部31bが所定量以上に変移しないよう規制している。
【0040】
また、遮光羽根31の遮光部31bの先端とフォトインタラプタ22の間隙部22aの対向面(底面)との間の寸法は、第2当接部20aと遮光羽根31の円環部31aとの間の寸法、及び第1当接部20bと操作ダイアル25の外周端部との間の寸法より大きい。その結果、操作ダイアル25の回転方向の位相ずれが生じ、遮光部31bがフォトインタラプタ22の間隙部22aの内部にあるときに操作ダイアル25を揺動操作しても、遮光部31bがフォトインタラプタ22と干渉することを防止することが可能となる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態では、操作ダイアル25の回転が停止した安定位置が位置ずれした場合でも、フォトインタラプタ22の受光部22bで受光される状態を安定して維持することができる。これにより、操作ダイアル25を回転操作や揺動操作した際のフォトインタラプタ22の誤検出を防止することができる。
【0042】
また、本実施形態では、操作ダイアル25の回転方向の位相ずれにより、遮光部31bがフォトインタラプタ22の間隙部22aにあるときに操作ダイアル25を揺動操作しても、遮光部31bがフォトインタラプタ22と干渉することを防止することができる。
【0043】
なお、本発明の構成は、上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、材質、形状、寸法、形態、数、配置箇所等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0044】
10 デジタルカメラ
14 回転揺動式入力装置
20 ホルダ
22 フォトインタラプタ
22b 受光部
22c 投光部
23a メタルドームスイッチ
25 操作ダイアル
29 プリント配線板
31 遮光羽根
31b 遮光部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8