特許第6621822号(P6621822)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6621822光信号伝達ガラスパネル、それを含んだ車両及び製造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6621822
(24)【登録日】2019年11月29日
(45)【発行日】2019年12月18日
(54)【発明の名称】光信号伝達ガラスパネル、それを含んだ車両及び製造
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20060101AFI20191209BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20191209BHJP
   C03C 27/12 20060101ALI20191209BHJP
   B32B 17/10 20060101ALI20191209BHJP
   B32B 7/025 20190101ALI20191209BHJP
   B60J 1/00 20060101ALI20191209BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20191209BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20191209BHJP
   B60Q 1/30 20060101ALI20191209BHJP
   B60Q 1/32 20060101ALI20191209BHJP
   B60Q 1/52 20060101ALI20191209BHJP
   B60Q 1/44 20060101ALI20191209BHJP
   B60Q 1/00 20060101ALI20191209BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20191209BHJP
【FI】
   B60K35/00 A
   G09F9/33
   C03C27/12 N
   B32B17/10
   B32B7/025
   B60J1/00 H
   B60R11/02 C
   G09F9/00 338
   B60Q1/30 Z
   B60Q1/32
   B60Q1/52
   B60Q1/44 A
   B60Q1/00 G
   G08G1/16 C
【請求項の数】16
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-527257(P2017-527257)
(86)(22)【出願日】2015年11月23日
(65)【公表番号】特表2018-508395(P2018-508395A)
(43)【公表日】2018年3月29日
(86)【国際出願番号】FR2015053171
(87)【国際公開番号】WO2016079459
(87)【国際公開日】20160526
【審査請求日】2018年10月16日
(31)【優先権主張番号】1461308
(32)【優先日】2014年11月21日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン−ゴバン グラス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100170874
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 和哉
(72)【発明者】
【氏名】パスカル ボエール
【審査官】 首藤 崇聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−034560(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102013003686(DE,A1)
【文献】 特表2005−533737(JP,A)
【文献】 特開2005−181915(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0240997(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前面窓(1000,1000’)を形成する車両用発光性信号伝達グレージングユニットであり、
・積層グレージングユニット(100,200,200a,200’)であって、
・それぞれ面F1及び面F2と呼ばれる第一及び第二の主面(12,11)を有する、外側グレージング板を形成している第一のグレージング板()、
・厚さe1が最大で1.8mmであるポリマー材料で製作されている積層中間層(2)、及び、
・それぞれ面F3及び面F4と呼ばれる第三及び第四の主面(11’,12’)を有する、内側グレージング板を形成している第二のグレージング板(1’)、
を含み、面F2と面F3とが前記積層グレージングユニットの内側面である、積層グレージングユニット(100,200,200a,200’)、並びに
・PCBプリント回路基板(3)の、前面(30)と呼ばれ、面F3と向き合った面上の一組の無機発光ダイオード(4)であって、前記PCB基板とダイオードとの集成体の合計の厚さがet2であり、前記ダイオードの厚さがe2であり、前記PCB基板の厚さがe’2である、一組の無機発光ダイオード(4)、
を含み、
各ダイオードが前記内側グレージング板の方向に放射することができる発光面(41’)を有し、各ダイオードが端面を有し、前記ダイオードが信号伝達光を発することができ、前記積層中間層が貫通開口部(20)を有する、車両用発光性信号伝達グレージングユニットであって、
各ダイオードごとに、前記積層中間層が、前記ダイオードの端面を取り囲む貫通開口部(20)を含むこと、前記積層中間層がさらに、面F3と前記PCB基板の前面との間にあること、及びet2≦e1であることを特徴とする、車両用発光性信号伝達グレージングユニット。
【請求項2】
後部窓及び側面窓から選ばれる、車両用発光性信号伝達グレージングユニットであり、
・積層グレージングユニットであって、
・それぞれ面F1及び面F2と呼ばれる第一及び第二の主面を有する、外側グレージング板を形成している第一のグレージング板、
・厚さe1が最大で1.8mmであるポリマー材料で製作されている積層中間層、及び、
・それぞれ面F3及び面F4と呼ばれる第三及び第四の主面を有する、内側グレージング板を形成している第二のグレージング板、
を含み、面F2と面F3とが前記積層グレージングユニットの内側面である、積層グレージングユニット、並びに
・PCBプリント回路基板の、前面と呼ばれ、面F2と向き合った面上の一組の無機発光ダイオード(4)であって、前記PCB基板とダイオードとの集成体の合計の厚さがet2であり、前記ダイオードの厚さがe2であり、前記PCB基板の厚さがe’2である、一組の無機発光ダイオード(4)、
を含み、
各ダイオードが前記外側グレージング板の方向に放射することができる発光面を有し、各ダイオードが端面を有し、前記ダイオードが信号伝達光を発することができ、前記積層中間層が貫通開口部を有する、車両用発光性信号伝達グレージングユニットであって、
各ダイオードごとに、前記積層中間層が、前記ダイオードの端面を取り囲む貫通開口部(20)を含むこと、前記積層中間層がさらに、面F2と前記PCB基板の前面との間にあること、及びet2≦e1であることを特徴とする、車両用発光性信号伝達グレージングユニット。
【請求項3】
前記積層中間層(2)が前記ダイオード(4)の端面から最大で0.5mm、よりなおも良好には最大で0.1mm間隔を開けて離れており、さらには前記ダイオードの端面と接触していること特徴とする、請求項1又は2記載の車両用発光性信号伝達グレージングユニット。
【請求項4】
e1がサブセンチメートルの寸法であり、好ましくはe1−et2<0.5mm、さらに好ましくはe1−et2が0.1〜0.3mmの範囲にあることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用発光性信号伝達グレージングユニット。
【請求項5】
各ダイオードが半導体チップ(41)を含む電子部品(40)であり、前記電子部品の端面を封止している周縁パッケージ(42)、特にポリマー又はセラミックのパッケージを備えており、前記パッケージが、特に前記ダイオードの端面を画定し、前記部品の前面を越えて突出しそして前記半導体チップを取り囲んでおり、前記積層中間層が、前記パッケージの前記前面(42’)と前記前面窓の面F3又は前記側面窓もしくは後部窓の面F2との間のところまで延在していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の車両用発光性信号伝達グレージングユニット。
【請求項6】
前記積層中間層(2)が、前記パッケージの前記前面(42’)と前記前面窓の面F3又は前記側面窓もしくは前記後部窓の面F2との間のところまで、前記発光面と接触することなく、延在していることを特徴とする、請求項5記載の車両用発光性信号伝達グレージングユニット。
【請求項7】
前記積層中間層(2)がPVBで製作されていて、e1が0.7〜0.9mmの範囲にあり、前記ダイオード(4)が前記PCB基板の前面に表面実装された部品であり、e’2が最大で0.15mmであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1つに記載の車両用発光性信号伝達グレージングユニット。
【請求項8】
前記PCB基板(3)が前記前面窓については面F2に、又は前記後部窓もしくは側面窓については面F3に接着結合されるか又は押圧されており、接着剤(6)による接着結合の厚さe3が≦0.1mmであり、よりなおも良好にはe3≦0.05mmであり、そして好ましくはe3+et2≦e1であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1つに記載の車両用発光性信号伝達グレージングユニット。
【請求項9】
前記積層中間層が前記PCB基板の背面と前記前面窓の面F2との間にもあること、又は、前記積層中間層が前記PCB基板の背面と前記後部窓もしくは側面窓の面F3との間にもあることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1つに記載の車両用発光性信号伝達グレージングユニット(200’)。
【請求項10】
前記ダイオード(4)がパワーダイオードであり、該ダイオードは、特に前記積層中間層(2)のポリマー材料の軟化温度を下回る温度を維持し、とりわけ最大で130℃、なおもより良好には最大で120℃、さらには最大で100℃に維持するように、動作時に電流を十分に供給されず、好ましくは電流供給が少なくとも10分の1、さらには少なくとも20分の1にされることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1つに記載の車両用発光性信号伝達グレージングユニット。
【請求項11】
前記PCB基板()が、好ましくはポリエチレンテレフタレート又はポリイミドで製作され、好ましくは透明な導電性トラックを備えた、プラスチックフィルムを含み、且つ表面実装ダイオードを装備していることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1つに記載の車両用発光性信号伝達グレージングユニット。
【請求項12】
前記PCB基板が、前記前面窓の領域に、すなわち前記外側ガラスが好ましくはF2上の特にエナメルで製作された不透明層により不透明にされ、及び/又は前記内側ガラスが好ましくはF4上の特にエナメルで製作された不透明層により不透明にされて、この場合少なくとも前記ダイオードと一致する開口部を含む領域に配置されていること、又は、前記PCB基板が、前記後部窓又は側面窓の領域に、すなわち前記内側ガラスが好ましくはF4上の特にエナメルで製作された不透明層により不透明にされ、及び/又は前記外側ガラスが好ましくはF2上の特にエナメルで製作された不透明層により不透明にされて、この場合少なくとも前記ダイオードと一致する開口部を含む領域に配置されていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1つに記載の車両用発光性信号伝達グレージングユニット(200a)。
【請求項13】
前記前面窓が、前記ダイオードに向き合う面F3又は面F4上に、好ましくは白色の散乱層であって、任意選択的に絵文字を形成している散乱層、好ましくはエナメル、を含むこと、又は、前記側面窓もしくは後部窓が、前記ダイオードに向き合って、好ましくは面F2上に、任意選択的に絵文字などの符号を形成している、好ましくは白色の散乱層、特にエナメルの、を含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1つに記載の車両用発光性信号伝達グレージングユニット。
【請求項14】
前記PCB基板()が少なくとも前記積層グレージングユニットの端面(10)のところまで延在しており、好ましくは曲げられた形状を有し、よりなおも良好にはL字状であり、そして前記PCB基板の背面(30’)と前記前面窓の面F2又は前記後部窓もしくは側面窓の面F3との間に、液体の水に対して漏れがなく、厚さが最大で0.1mm、そしてよりなおも良好には最大で0.05mmである接着剤(6)、特に両面接着剤を収容していることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1つに記載の車両用発光性信号伝達グレージングユニット。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1つに記載の発光性信号伝達グレージングユニットを少なくとも1つ含む車両であって、前記発光性信号伝達グレージングユニットが前面窓を形成しており、そして衝突防止手段であること、又は、前記発光性信号伝達グレージングユニットが後部窓を形成しており、そしてストップランプもしくは第3のストップランプを含むグレージングユニットであること、又は、前記発光性信号伝達グレージングユニットが側面窓を形成しており、そして危険警告灯又は車両の位置を特定するためのライトもしくは側面方向指示器を含むグレージングユニットであることを特徴とする、車両。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれか1項記載の発光性信号伝達グレージングユニットを製造するための方法であって、以下の工程、すなわち、
・最大で0.9mmの厚さの単一シートの形態を取る積層中間層を自動切断して、局所的な貫通開口部を形成し、又は、積層中間層が第一のシート及び第二のシートを含み、最大で0.9mmの厚さの第一のシートを自動切断して、局所的な貫通開口部を形成する工程、及び、
・前記ダイオードの寸法よりも大きく、好ましくは最大で0.5mm又はさらには最大で0.1mmだけ大きい貫通開口部を有する積層グレージングユニットを、前記PCB基板の背面と前記前面窓の面F2との間、又は前記PCB基板の背面と前記後部窓もしくは側面窓の面F3との間に、任意選択的な前記第のシートを存在させて、組み立てる工程、
を含むことを特徴とする、発光性信号伝達グレージングユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光性信号伝達グレージングユニットと、そのようなグレージングユニットを含む車両及びそのようなグレージングユニットの製造に関する。
【背景技術】
【0002】
前面窓には、だんだんとヘッドアップディスプレイ(HUD)が統合されてきている。
【0003】
独国特許出願公開第102013003686号明細書には、ドライバーに警告する発光信号を送るためにプリント回路基板(PCB)上にダイオードを統合した、自動車の前面窓又は後部窓を形成する発光性積層グレージングユニットが記載されている。
【0004】
より正確には、この文献の図2を参照して説明されている実施形態において、発光性の信号伝達前面窓は、
・次のものを含む積層グレージングユニット、すなわち、
・第一及び第二の主面を有する、外側グレージング板を形成している第一のグレージング板、
・積層中間層、及び、
・第三及び第四の主面を有する、内側グレージング板を形成している第二のグレージング板、
を含む積層グレージングユニットであって、前記第二及び第三の面がグレージングユニットの内側面である、積層グレージングユニット、及び、
・ドライバーに警告するために赤色の信号伝達光を放射することができる、プリント回路基板上の一組のダイオード、
を含んでいて、
・各ダイオードが内側ガラスの方向に発光する発光面を有し、
・前記積層中間層が統合のためにPCB基板を配置する貫通開口部を含んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このグレージングユニットの廃棄率を改善し、そしてその製造コストを低減することができよう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のために、本発明の第一の主題は、車両前面窓のための発光性信号伝達グレージングユニットであって、
・次のものを含む積層グレージングユニット、すなわち、
・それぞれ面F1及び面F2と呼ばれる第一及び第二の主面を有する第一のグレージング板であって、任意選択的に透明であり、超透明であり又は着色されており、特に灰色又は緑色であり、好ましくは、外側グレージング板を形成する湾曲した無機ガラスで製作されていて、厚さが好ましくは最大で2.5mm、さらには最大で2mm、特に1.9mm、1.8mm、1.6mm及び1.4mmであり、又はさらには最大で1.3mm又は最大で1mmである、第一のグレージング板、
・任意選択的に透明であり、超透明であり又は着色されており、特に灰色又は緑色の積層中間層であって、好ましくは熱可塑性ポリマー材料及びなおもより良好にはポリビニルブチラール(PVB)で製作されており、厚さe1が最大で1.8mm、なおもより良好には最大で1.2mm、さらには最大で0.9mm(さらになおもより良好には少なくとも0.38mm、さらには少なくとも0.7mm)であり、特に第一のグレージング板の端面から最大で2mmだけ後退しており、且つ第二のグレージング板の端面から最大で2mmだけ後退している、積層中間層、及び、
・第三及び第四の主面、すなわちそれぞれ面F3及び面F4、を有する第二のグレージング板であって、好ましくは湾曲しており、且つ好ましくは透明又は超透明であり又はさらには着色されている無機ガラスから製作されて、内側グレージング板を形成しており、厚さが好ましくは第一のグレージング板のそれよりも小さく、さらには最大で2mm、特に1.9mm、1.8mm、1.6mm及び1.4mmであり、又はさらには最大で1.3mm又は最大で1mmである、第二のグレージング板、
を含む積層グレージングユニットであり、第一及び第二のグレージング板の合計の厚さが好ましくは厳密に4mmより小さく、さらには3.7mmよりも小さい、積層グレージングユニットであって、面F2及び面F3が該積層グレージングユニットの内側面である、積層グレージングユニット、及び、
・面F3に面していて、PCBプリント回路基板の前面と呼ばれる面上の一組の無機発光ダイオードであって、該ダイオードは信号伝達光を放射することができ、各ダイオードは内側グレージング板の方向に放射することができる発光面を有し、且つ各ダイオードは端面を有しており、PCB基板とダイオードとの集成体の合計の厚さがet2、ダイオードの厚さがe2、そしてPCB基板の厚さがe’2であって、et2≦e1である、一組の無機発光ダイオード、
を含み、
前記積層中間層が貫通開口部を有し、
そして本発明によれば、積層中間層が、各ダイオードごとに、ダイオードの端面を取り囲む貫通開口部を、特に隣接するダイオードの間のダイオード間スペースと呼ばれるスペースに、含み、該積層中間層は面F3とPCB基板の前面との間にあり、該積層中間層はダイオードのあるレベルからPCBの前面全体にわたって面F3とPCB基板の前面との間にある、車両前面窓のための発光性信号伝達グレージングユニットである。
【0007】
従来技術でなされたように、PCBが完全に収まる開口部を切り取ることは、不良組立品のリスク(気泡、層間剥離、美的欠陥)を増加させた。そこで、本発明は、積層中間層を局所的に切り取ることを提案する。さらに、ダイオードは、ガラスを弱くしないように、中間層よりも厚くない。
【0008】
同様に、本出願の第二の主題は、後部窓及び側面窓から選ばれる自動車の信号伝達グレージングユニットであって、
・次のものを含む積層グレージングユニット、すなわち、
・それぞれ面F1及び面F2と呼ばれる第一及び第二の主面を有する第一のグレージング板であって、外側グレージング板を形成している、特に湾曲しており、且つ任意選択的に透明であり、超透明であり又は着色されており、特に灰色又は緑色の無機ガラスから製作されていて、厚さが好ましくは最大で2.5mm、さらには最大で2mm、特に1.9mm、1.8mm、1.6mm及び1.4mmであり、又はさらに最大で1.3mm又は最大で1mmである、第一のグレージング板、
・任意選択的に透明であり、超透明であり又は着色されており、特に灰色又は緑色の積層中間層であって、好ましくは熱可塑性ポリマー材料及びなおもより良好にはPVBで製作されており、厚さe1が最大で1.8mm、なおもより良好には最大で1.2mm、さらには最大で0.9mm(さらになおもより良好には少なくとも0.38mm、さらには少なくとも0.7mm)であり、特に第一のグレージング板の端面から最大で2mmだけ後退しており、且つ第二のグレージング板の端面から最大で2mmだけ後退している、積層中間層、及び、
・第三及び第四の主面、すなわちそれぞれ面F3及び面F4、を有する第二のグレージング板であって、特に湾曲しており、且つ任意選択的に透明であり、超透明であり又は着色されており、特に灰色又は緑色の無機ガラスから製作されて、内側グレージング板を形成しており、厚さが好ましくは第一のグレージング板のそれよりも小さく、さらには最大で2mm、特に1.9mm、1.8mm、1.6mm及び1.4mmであり、又はさらには最大で1.3mm又は最大で1mmである、第二のグレージング板、
を含む積層グレージングユニットであり、第一及び第二のグレージング板の合計の厚さが好ましくは厳密に4mmより小さく、さらには3.7mmよりも小さい、積層グレージングユニットであって、面F2及び面F3が該積層グレージングユニットの内側面である、積層グレージングユニット、及び、
・面F3に面していて、PCBプリント回路基板の前面と呼ばれる面上の一組の無機発光ダイオードであって、該ダイオードは信号伝達光を放射することができ、各ダイオードは外側グレージング板の方向に放射することができる(半導体チップの)発光面を有し、且つ各ダイオードは端面を有しており、PCB基板とダイオードとの集成体の合計の厚さがet2、ダイオードの厚さがe2、そしてPCB基板の厚さがe’2であって、et2≦e1である、一組の無機発光ダイオード、
を含み、
前記積層中間層が貫通開口部を有し、
そして本発明によれば、積層中間層が、各ダイオードごとに、ダイオードの端面を取り囲む貫通開口部を、特に隣接するダイオードの間のダイオード間スペースと呼ばれるスペースに、含み、該積層中間層は面F2とPCB基板の前面との間にあり、該積層中間層はダイオードのあるレベルからPCBの前面全体にわたって面F2とPCB基板の前面との間にある、自動車の信号伝達グレージングユニットである。
【0009】
本発明による「側面窓」という表現は、三角窓を包含する。
【0010】
積層中間層は、好ましくはダイオードのできるだけ近くにあり、且つ好ましくは、切断の際のダイオードの位置決め公差を考慮して、ダイオードの幅よりも広いように選択されるのが好ましい(たとえ中間層が軟質であっても)。1つの好ましい実施形態において、積層中間層は、ダイオードの端面から最大で0.5mm、よりなおも良好には最大で0.2mm、又はさらには0.1mm間隔を開けており、さらにはダイオードの端面と接触する。
【0011】
1つの好ましい実施形態において、e1はセンチメートル未満の寸法、好ましくは0.7mmと0.9mmの間(特に通常のPVBについては0.76mm、そして例えば音響用PVBについては0.81mm)であり、好ましくはe1−et2<0.5mm、さらに好ましくはe1−et2は0.1〜0.3mmの範囲である。e1は、当然、面F2と面F3との間の厚さである。
【0012】
特に、1つの実施形態では、積層中間層は貫通開口部を備えた単一の、好ましくはPVB(透明な、超透明な又は着色された)の薄片から形成され、背面が前面窓の面F2に、又は後部窓又は側面窓の面F3に接触し又は接着結合される。
【0013】
別の実施形態では、好ましくは、PVB積層中間層は、PCB基板の背面と前面窓の面F2との間、又はPCB基板の背面と後部窓又は側面窓の面F3との間に存在することもでき、厚さe’1が、背面と前面窓の面F2との間、又はPCB基板の背面と後部窓又は側面窓の面F3との間で規定される。好ましくは、et2≦e1−e’1(et2≦e1に加えて)である。PCB基板の背面側には、(特に透明な、超透明な又は着色された)薄片(厚さe’1がより薄くてよく、例えば最大で0.38mm、さらには最大で0.2mmでよい)が追加される。この薄片は、好ましくは、広さが開口部を有する薄片と同一である。
【0014】
中間層の厚さの許容度は、過度に多くの気泡を発生する危険性がないように(ダイオードに対して)できるだけ小さくてよい。
【0015】
好ましくは、経済的理由(材料コスト及び行う一連の局所切断の単純化)のために(PVBの)単一シートを中間層のために使用することができる。
【0016】
全く最近商業的に入手可能になったばかりの新しい超薄型パワーダイオードを選択することにより、(安全性向上のために.38mmよりも)標準的な0.78mm又は0.81mmの厚さが好ましい(PVBの)単一シートを使用することが可能になる。
【0017】
上記のように、2つの(又はそれより多くの)薄片(好ましくはPVBの)を、追加の機械的強度を示すように使用することが可能である。例えば、
・厚さが最大で0.4mm、特に0.38mmの貫通開口部を有する薄片、及び、
・厚さe’1が最大で0.4mm、特に0.38mm、さらには最大で0.2mm、特に0.19mmの別の薄片。
【0018】
ダイオード(及びPCB基板)が十分に薄い場合には、逆も可能であろう。例えば、
・厚さが最大で0.4mm、特に0.38mm、さらには最大で0.2mm、特に0.19mmの、貫通開口部を有する薄片(好ましくはPVBの)、及び、
・厚さが最大で0.4mm、特に0.38mmの別のシート(好ましくはPVBの)。
【0019】
1つの好ましい実施形態では、おのおのの好ましくはパワーダイオードは、半導体チップを含む電子部品であり、該電子部品の端面を封止する(そしてダイオードの端面を画定する)ポリマー又はセラミック周縁パッケージを備え、該パッケージは前記部品の前面を越えて突出し、そして半導体チップを取り囲んでおり、ラミネート中間層は(積層の際のクリープのために)、パッケージの前記前面と前面窓の面F3又は側面窓もしくは後部窓の面F2との間にまで延在する。
【0020】
パッケージは、ダイオードの最大厚さ(高さ)に対応することができる。パッケージは、例えばエポキシで製作される。ポリマーパッケージは、場合により、積層の間にたわむことがある(積層後の最終厚さは初期厚さよりも小さくなることがある)。(ポリマー)パッケージは不透明でもよい。
【0021】
ダイオードは、小型にするのを容易にするため半導体チップの上に光学素子(レンズなど)を含まなくてよいが、光学素子が積層グレージングユニットに統合されるのに十分に小さくてもよい。ダイオードは、通常は半導体チップ上に、保護用の樹脂又は色変換機能を有する材料を含むことができる。半導体チップは、材料(樹脂など)中に埋め込まれてもよい。
【0022】
積層中間層がPCB基板と接触するときに、積層中間層は端面から最大で0.5mm、なおもより良好には最大で0.1mmだけ間隔を開けて離れていてよく、そして積層中間層は、積層後に、クリープのために、半導体チップを取り囲みながら、端面に近づき、そしてさらには端面に接触して、さらには部品の前面を越えて突出してもよい。
【0023】
好ましくは、ダイオードはPCB基板の前面上に表面実装された部品であり、そしてダイオードはランバート型又は擬似ランバート型発光パターンを有する。
【0024】
1つの好ましい実施形態では、積層中間層はPVBで製作され、e1は0.7〜0.9mmの範囲であり、そしてe’1は、該当する場合、最大で0.4mmであり、そしてダイオードはPCB基板の前面に表面実装された部品であり、e’2は最大で0.2mm、さらにより良好には最大で0.15mmであり、さらには最大で0.05mmである。
【0025】
PCB基板の幅は、好ましくは最大で5cmであり、さらにより良好には最大で2cmであり、さらには最大で1cmである。単一の半導体チップを含むダイオード、一般に正方形のダイオード、の幅(又は長さ)は、好ましくは最大で5mmである。複数の半導体チップを含む(通常はパッケージにより取り囲まれている)、一般に長方形の、ダイオードの長さは、好ましくは最大で20mmであり、なおもより良好には最大で10mmである。
【0026】
PCB基板(好ましくは、湾曲した積層グレージングユニットの曲率に従うのに十分に軟質である)は、前面窓については面F2に又は後部窓もしくは側面窓については面F3に接着結合させることができ、又はそれに対して押圧することができ、粘着剤(接着剤又は好ましくは両面接着剤)による接着結合の厚さはe3で、e3≦0.1mmであり、なおもより良好にはe3≦0.05mmであり、さらにはe3+e’2が最大で0.15mm、なおもより良好には最大で0.1mmである。この接着剤を用いる場合、好ましくは、e3+et2≦e1である(とりわけダイオードのゾーンのPCBの背面上に存在する場合に)。
【0027】
接着結合は、全長にわたるか又は、ダイオードを含む及び/又は含まないゾーンにおいて、不連続になっている。
【0028】
ダイオードは、好ましくはパワーダイオードであり、該ダイオードは制御時に、特に積層中間層のポリマー材料の軟化温度を下回る温度を維持するように、特に最高で130℃、なおもより良好には最高で120℃、さらには最高で100℃に維持するように、電流供給が好ましくは少なくとも10分の1、さらには少なくとも20分の1にされる(それゆえ、電流/10又はさらには電流/20となる)。
【0029】
これらのダイオードは、過度に加熱することなく優れた効果を保証する。
【0030】
例えば、1Aの電流が供給されるダイオードでは、50mAと100mAの間が選択される。
【0031】
無機ダイオードは、例えば、リン化ガリウム、又は窒化アルミニウムガリウム、窒化ガリウムをベースとする。
【0032】
PCB基板は、湾曲した積層グレージングユニットの曲率に従うのに十分に軟質(曲がりやすい)であることができる。
【0033】
1つの実施形態において、PCB基板は、特に金属又は透明導電性酸化物で製作され、好ましくは透明である、導電性トラックを備えた、好ましくは透明なプラスチックで製作された、好ましくはポリエチルテレフタレート又はPET又はポリイミドで製作された、フィルムを含み、そして表面実装ダイオードを装備している。導電性トラックは、印刷されるか、又は他の任意の被着方法、例えば物理的気相成長法により被着される。導電性トラックは金属線であることもできる。導電性トラックとフィルムは、それらが目に見える場合には、すなわちそれらが前面窓では特に面F4もしくはF3上で、あるいは側面窓もしくは後部窓では面F2上で、マスキング要素(層)(例えば、エナメル又はさらには塗料の被膜など)により隠蔽されていない場合には、透明であることが好ましい。導電性トラックは、透明な材料で製作されるので、又は十分に薄くて(ほとんど)目に見えないため、透明であることができる。
【0034】
ポリイミドフィルムは、その代わりに用いられるPET又はさらにはPEN(ポリエチレンナフタレート)と比較して高い温度に対する耐性がより良好である。
【0035】
好ましくは、PCB基板(好ましくは曲った形状で、なおもより良好にはL字状の)は少なくとも積層グレージングユニットの端面のところまで延在し、そして好ましくは、端面を超えて突出し、そしてPCB基板の背面と前面窓の面F2又は後部窓もしくは側面窓の面F3との間にシールが収容され、このシールは液体の水に対して漏れることがなく、そして厚さが最大で0.1mmであり、さらにより良好には最大で0.05mmであって、特に両面接着剤である。このような接着剤はオーバーモールディングする解決策よりも好ましい。それは、(すべての)PCB基板を固定するために使用される好ましくは透明な接着剤であることができる。
【0036】
曲げられた、特にL字状のPCB基板は、ダイオードを支持する第一の(長方形の)部分(曲がり部を有する)と、積層グレージングユニットの端面に通じそしてさらにはそれを越えて突出する接続のための(長方形の)第二の部分とを含むことができる。この第二の部分は第一の部分よりも(ずっと)長くてよい。
【0037】
グレージングユニット(前面窓、後部窓、側面窓)は、同一の機能又は別個の機能を有する複数の信号伝達光源を含むことができる。
【0038】
より大きな信号伝達領域及び/又は異なる色を得るために、所与のPCB基板上にダイオードの複数の列を有すること、又はさらには2つのPCB基板を隣り合わせて配置する(少なくともダイオードを有するPCBのゾーンを隣り合わせて配置する)ことが可能である。
【0039】
所与のPCB基板上で、ダイオードは同一の光又は異なる色の光を、好ましくは同時でなく、放射することができる。
【0040】
慣例的に、ダイオードは、前面窓(ドライバー側)又は後部窓もしくは側面窓の1つの長手方向もしくは側部の縁に沿って発光性ストリップを形成する(少なくとも)1つの列をなしている。
【0041】
当然ながら、積層中間層は面F3(F2)と直接接触することができ、又はこの面上の慣用的な機能性コーティングと接触することができ、該コーティングは、とりわけ薄膜多層(1以上の銀膜を含む)であり、例えば加熱層、アンテナ、太陽光制御又は低E層、又は装飾性もしくは(不透明な)マスキング層、例として一般に黒色のエナメルなどの層、である。
【0042】
PCB基板は、グレージング領域にあることができ、そして任意選択的に、不透明の縁(一般にエナメルのフレーム)から間隔を開けて離れている。例えば、PCB基板は1つの側方又は長手方向の縁に沿って配置され、又はさらには側方の縁の間の中央に、とりわけ実質的に中ほどのところに、そしてさらには上部の長手方向の縁(はめ込まれた位置において)よりも下部の長手方向の縁の近くに配置される。ほとんどの場合、面F2上に不透明層が存在し、そして面F4又はさらにはF3上に不透明層が存在する。それらの幅は同一であるか.または異なっている。
【0043】
PCB基板(少なくともダイオードを有するゾーン、又はPCBが特にL型に曲げられている場合には少なくともダイオードのないゾーン)は、積層グレージングユニットの周辺端部に沿って、一般に面F2及び/又は面F4上あるいはさらには面F2及び/又は面F3上の、不透明層、とりわけ(黒色の)エナメル、の領域に又はその近くに配置することができる。
【0044】
第一の実施形態では、PCB基板を前面窓の領域に、すなわち外側ガラスが(最も外側の)不透明層、例えば好ましくはF2上の(黒色)エナメルなどにより完全に(又は部分的に)不透明にされる領域に、配置することができる。この不透明層は前面窓のこの領域において、開口部なしの層(連続のバックグラウンド)であること、又は開口部(不透明層のない領域)を有する層、例えば同一又は異なる寸法の一組の幾何学形状(円、長方形、正方形など)又は非幾何学形状のパターン(端面からの距離とともに寸法が低下し及び/又は端面からの距離とともにパターンの間隔が増加する)の形態を取る層、であることができる。
【0045】
この第一の実施形態では、ダイオード又はさらにはPCB基板全体は、情報を、例えば警告(衝突防止の)などを、ドライバー又はさらには他のあらゆる人に対してドライバーの視界を制限することなく表示するために、内部からのみ見ることができるものでよい。
【0046】
PCB基板は、前面窓の領域に、すなわち内側ガラスが不透明層(最も内側の)、例えば好ましくはF4上の又はさらにはF3上の(黒色)エナメルなどにより不透明にされる領域に、配置してもよい。この場合、この不透明層は少なくともダイオードに一致して開口部(被着時にマスクすることによる、又は除去、特にレーザでの除去による)を含む。この不透明層は、例えば、同一又は異なる寸法の不透明な一組の幾何学形状(円、長方形、正方形など)又は非幾何学形状のパターン(端面からの距離とともに寸法が低下し及び/又はパターンの間隔が増加する)の形態を取る。不透明パターンの間のゾーンは、ダイオードに一致している。これらのゾーンにおいて、白色エナメルなどの散乱層を面F4又はさらにはF3に追加してもよい。散乱層はこの(最も内側の)不透明層から間隔を開けて離れていてもよく、又はそれに隣接していてもよい。好ましくは、前面窓はさらに、面F2上に不透明層を含む。
【0047】
PCB基板は、後部窓又は側面窓の領域に、すなわち内側ガラスが好ましくはF4又はさらにはF3上の不透明層(最も内側の)により不透明にされる領域に、配置されてもよい。この実施形態では、ダイオード又はさらにはPCB基板全体は、任意の種類の光又は情報を生じさせるために、外部からのみ見ることができる。この不透明層は、後部窓又は側面窓のこの領域において、開口部のない層(連続のバックグラウンド)であること、又は開口部(不透明層なしの領域)を有する層、例えば同一又は異なる寸法の幾何学形状(円、長方形、正方形など)又は非幾何学形状の一組のパターン(端面からの距離とともに寸法が低下し及び/又はパターンの間隔が増加する)の形態を取る、特にエナメルの、層であることができる。好ましくは、後部窓又は側面窓はさらに、面F4又はさらにはF3上に不透明層を含む。
【0048】
PCB基板は、後部窓又は側面窓の領域に、すなわち外側ガラスが好ましくはF2上の(黒色)エナメルなどの不透明層(最も外側の)により不透明にされる領域に、配置されてもよい。この場合、この不透明層は、少なくともダイオードに一致して開口部(被着時にマスクすることによる、又は除去、特にレーザでの除去による)を含む。この不透明層は、例えば同一又は異なる寸法の幾何学形状又は非幾何学形状の一組のパターン(円、長方形、正方形など)(端面からの距離とともに寸法が低下し及び/又はパターンの間隔が増加する)の形態を取る。不透明パターンの間のゾーンは、ダイオードに一致している。これらのゾーンでは、白色エナメルなどの散乱層を面F2に追加してもよい。散乱層は、この不透明層から間隔を開けて離れていてもよく、又はそれに隣接していてもよい。好ましくは、後部窓又は側面窓はさらに、面F4(又はF3)上に不透明層を含む。
【0049】
視覚的快適性のために又はより均一な表示を形成するために、前面窓は、ダイオードに向き合う面F3又は(なおもより良好には)面F4上に、好ましくは白色の散乱層、特に(白色)エナメルを含むことができる。特に視覚的快適性のために、側面窓又は後部窓は、ダイオードに向き合って、面F2(又はさらにはF1)上に好ましくは白色の散乱層、特に(白色)エナメルを含むことができる。ダイオードの寸法の一組の(白色)散乱パターンを設けることができ、又は絵文字などの表示を形成する散乱層を設けることもできる。
【0050】
散乱層は、グレージング領域のゾーンにあってもよく、又は先に示したように、ダイオードと一致する開口部のある黒色エナメルなどの不透明層のある周縁ゾーンにあってもよい。
【0051】
特に、後部窓又は側面窓では、ダイオードは、1つ以上のPCB基板を用いるなどして、1つ以上の文字、標識記号(三角形、障害又は危険標識記号など)、矢印などを形成するように配置することができる。
【0052】
特に、前面窓では、ダイオードは1つ以上のPCB基板を用いて、1つ以上の文字、標識記号(三角形、障害又は危険標識記号など)、1つ以上の矢印(左右の方向指示器に相当するライト)などを形成するように配置することができる。必要に応じて先に説明したような数のPCB基板、及び先に説明したような数のダイオードのセットを、設けることができる。例えば、
・左の側方端部に沿った、好ましくは上部の長手方向の端部よりも下部の長手方向の端部に近い、第一のセット、
・右の側方端部に沿った、好ましくは上部の長手方向の端部よりも下部の長手方向の端部に近い、第二のセット、
・下部の長手方向の端部に沿った、好ましくはドライバー側にある第三のセット、及び、
・中央にある、好ましくは上部の長手方向の端部よりも下部の長手方向の端部に近い、第四のセット。
【0053】
色は、危険のレベルに応じて変化してもよく、あるいは多数又は少数のダイオードを危険レベルに応じて点灯させてもよい。
【0054】
本発明は、言うまでもなく、上記のような発光性信号伝達グレージングユニットを少なくとも1つ含む任意の車両に関し、特に、
・前面窓を形成し、そして前方の自動車(又は任意の他の移動手段、例えばオートバイ、自転車、電動スクータなど、又はさらには動物)(又は物体又は歩行者などの人物)までの距離が過度に小さい場面を検知することにより、又は、自動車の左側又は右側で物体又は人物又は自動車又はさらには任意の他の移動手段(自転車、オートバイなど)からの距離が過度に小さい場面を検知することにより、特に衝突を防止し、そして好ましくは赤色のダイオードを点灯させ、又はオレンジ色(琥珀色)、次いで赤色のダイオードを、又はさらには3つ以上のレベルを、それゆえに3つ以上の色を有するダイオードを、より少しずつ点灯させる、(一般道路(高速道路)又はさらには市街道路用)衝突防止手段である、発光性信号伝達グレージングユニット、
・又は、後部窓を形成し、そしてストップランプ(例えば少なくとも60cdの)、第3のストップランプ(例えば25cdと80cdの間の)、方向指示灯(例えば、少なくとも50cdの)、危険警告灯、又は車両の位置を特定するためのライトを含むグレージングユニットである、発光性信号伝達グレージングユニット、及び/又は、
・側面窓を形成し、そして危険警告灯(車が故障した場合などの)、又は車両の位置を特定するためのライト(駐車場や、市中などで停止しているときの)、又は側面点滅灯(車両が追い越すとき又は追い越されるときに見えるようにする、例えば0.6cdと20cdの間の、前方側面窓の、特にサイドミラー付近の)を含むグレージングユニットである、発光性信号伝達グレージングユニット、
を少なくとも1つ含む任意の車両に関する。
【0055】
それはまた、位置表示灯、駐車灯及び/又は側面灯を形成することも可能である。
【0056】
ダイオードとしては、OSRAM社により販売されているOSLON BLACK FLAT系列を挙げることができる。赤色ライトとしては、OSRAM社により販売されるダイオードのOSLON BLACK FLAT Lx H9PPを挙げることができる。オレンジ(琥珀)色ライトとしては、OSRAM社により販売されるダイオードのLCY H9PPを挙げることができる。白色ライトとしては、OSRAM社により販売されるダイオードのLUW H9QP又はKW HxL531.TEを挙げることができ、ここでのxはダイオード中のチップの数(例えば4又は5)である。
【0057】
軟質のPCBとしては、KREMPEL社からの製品AKAFLEX(登録商標)の系列(特にPCL FW)を挙げることができる。
【0058】
車両の1つの実施形態において、それはダイオードを制御するための少なくとも1つの制御ユニット及びさらには危険な状況を特に検知するための少なくとも1つのセンサを含む。ダイオードを制御するための制御ユニットは積層グレージングユニット内にあって、PCB基板をオン又はオフにすることができる。
【0059】
最後に、本発明は、上記したような発光性信号伝達グレージングユニットのための方法であって、下記の工程を含む、すなわち、
・好ましくは最大で0.9mm及びさらには最大で0.4mmの厚さの単一シート(好ましくはPVB)の形態を取る積層中間層を自動切断し(ロボットを使用して)、好ましくは存在するダイオードと同数(及びそれ以下)の局所貫通開口部(幾何学形状は円、正方形、長方形などであり、特にダイオードと同一形状の開口部)を形成するか、又は、積層中間層(好ましくはPVB)が第一のシートと、特に最大で0.4mm及びさらには最大で0.2mm厚さの第二のシートを含み、最大で0.9mmの厚さの第一のシートを自動切断して、局所貫通開口部を形成する工程、及び、
・ダイオードの寸法よりも大きく、好ましくは最大で1mm、なおもより良好には0.5mm又はさらには最大で0.2mm又は0.1mmだけ大きい貫通開口部を有する積層グレージングユニットであって、任意選択的な第二のシートがPCB基板の背面と前面窓の面F2との間、又はPCB基板の背面と後部窓又は側面窓の面F3との間にある、積層グレージングユニットを組み立てる工程、
を含む方法に関する。
【0060】
ダイオードは、手作業で又は自動式(より高精度)で、前面に配置することができる。
【0061】
Solutia社又はEastman社からのRC41などの慣用のPVBを選択することができる。ダイオードを有するPCB基板(PCB基板の背面側)をグレージング板に対して配置して、開口を設けた積層中間層の位置決めを制約してもよく、積層中間層は好ましくはグレージングユニットの外形よりも大きく切断される(余分は前面側のグレージング板を所定の位置に配置後に切断除去される)か、又は、実際のところ、ダイオードを有するPCB基板を、開口を設けた積層中間層に対して配置して、後者の位置決めにより制約してもよく、積層中間層は好ましくは積層グレージングユニットの正確な形状に切断される。
【0062】
次に、添付図面を参照しながら本発明をより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】本発明による発光性信号伝達手段を備えている、路上における自動車の前面窓を示す図である。
図1a】本発明による発光性信号伝達手段を備えている、路上における自動車の別の前面窓を示す図である。
図1b】本発明による発光性信号伝達手段を備えている、路上における自動車の別の前面窓を示す図である。
図2】本発明の第一の実施形態における発光性信号伝達前面窓の模式断面図である。
図2a】本発明の第一の実施形態の1つの変形例における発光性信号伝達前面窓の模式断面図である。
図2b】本発明の第一の実施形態の別の変形例における発光性信号伝達前面窓の模式断面図である。
図3】第一の実施形態において使用するダイオードの斜視図である。
図4】第一の実施形態の前面窓の部分模式上面図である。
図5】本発明の第二の実施形態における発光性信号伝達前面窓の模式断面図である。
図6】製造中の図2の前面窓を示す模式図である。
図7】本発明の第三の実施形態における発光性信号伝達後部窓の模式正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
図1は、3車線道路上で運転中の自動車の前面窓1000を前方の自動車とともに示している(車両内部から見たものとして)。
【0065】
この前面窓は、本発明による発光性信号伝達手段を有する積層グレージングユニットであって、すなわち、
・積層グレージングユニットの2枚のグレージング板の間に統合された第一のPCBプリント回路基板上の6つのダイオード4の第一のセットであって、前記ダイオードは一列になって、下方の長手方向の端部に沿って前面窓の端部ゾーンにおけるグレージング領域に配置されており、そして場合によっては、外側グレージング板の周囲隠蔽ゾーン(不透明エナメルなど)(図示せず)に又はその近傍に配置され、又はさらには、隠蔽ゾーン(不透明層、例えば不透明エナメルなど)及び透明ゾーン(ダイオードに面している)を交互に含む外側及び/又は内側グレージング板のゾーンに配置されている、ダイオード4の第一のセット、
・積層グレージングユニットの2枚のグレージング板の間に統合された第二のPCBプリント回路基板上の6つのダイオード4の第二のセットであって、前記ダイオードは一列になって、特にドライバー側(左側)の側方端部に沿って前面窓の端部ゾーンにおけるグレージング領域に配置されており、そして場合によっては、外側グレージング板の周囲隠蔽ゾーン(不透明エナメルなど)に又はその近傍に配置され、又はさらには、隠蔽ゾーン(不透明層、例えば不透明エナメルなど)及び透明ゾーン(ダイオードに面している)を交互に含む外側及び/又は内側グレージング板のゾーンに配置されている、ダイオード4の第二のセット、及び、
・積層グレージングユニットの2枚のグレージング板の間に統合された第三のPCBプリント回路基板上の6つのダイオード4の第三のセットであって、前記ダイオードは一列になって、特に同乗者側(右側)の側方端部に沿った前面窓の端部ゾーンにおけるグレージング領域に配置されており、そして場合によっては、外側グレージング板の周囲隠蔽ゾーン(不透明エナメルなど)に又はその近傍に配置され、又はさらには、隠蔽ゾーン(不透明層、例えば不透明エナメルなど)及び透明ゾーン(ダイオードに面している)を交互に含む外側及び/又は内側グレージング板のゾーンに配置されている、ダイオード4の第三のセット
を有する積層グレージングユニットである。
【0066】
第一のセットのダイオードは、前方の自動車(又は任意の他の移動手段又はさらには動物)が過度に接近していることを検知したときに、ドライバーに警告する赤色の光を特に発光することができる。赤色の光は連続であっても点滅であってもよい。光を連続であるように選択する場合には、その強度を前方の自動車がより近づくにつれ、又は「危険性が高い」と考えられる予め設定した距離から、増加させてもよい。光を点滅するように選択する場合には、その回数を前方の自動車がより近づくにつれ、又は「危険性が高い」と考えられる予め設定した距離から、増加させてもよい。
【0067】
前方の自動車が十分に遠く離れている(安全距離だけ離れている)ときには、ダイオードはオフにされる。
【0068】
第二のセットのダイオードは、自動車(又は任意の他の移動手段又はさらには動物)が自動車の左側に過度に近づいていることを検知したときに、ドライバーに警告する赤色の光を特に発光することができる。赤色の光は連続であっても点滅であってもよい。光を連続であるように選択する場合には、その強度を自動車が左により近づくにつれ、又は「危険性が高い」と考えられる予め設定した距離から、増加させてもよい。光を点滅するように選択する場合には、その回数を自動車が左により近づくにつれ、又は「危険性が高い」と考えられる予め設定した距離から、増加させてもよい。自動車が左に対して十分に遠く離れている(安全距離だけ離れている)ときには、ダイオードはオフにされる。
【0069】
第三のセットのダイオードは、自動車(又は任意の他の移動手段又はさらには動物)が自動車の右側に過度に近づいていることを検知したときに、ドライバーに警告する赤色の光を特に発光することができる。赤色の光は連続であっても点滅であってもよい。光を連続であるように選択する場合には、その強度を自動車が右により近づくにつれ、又は「危険性が高い」と考えられる予め設定した距離から、増加させてもよい。光を点滅するように選択する場合には、その回数を自動車が右により近づくにつれ、又は「危険性が高い」と考えられる予め設定した距離から、増加させてもよい。自動車が右に対して十分に遠く離れている(安全距離だけ離れている)ときには、ダイオードはオフにされる。
【0070】
この衝突防止システムは、任意のタイプの道路で、すなわち高速道路、市街地の道路などで使用することができる。また、物体又は歩行者が過度に接近していることを指示するために使用することもできる。
【0071】
信号を伝達する光は、車両が危険距離にあるときの1つの色(例えばオレンジ又は琥珀色)から、車両がより近い、さらにはより危険な距離にあるときの別の色、例えば赤色に移り変わることもできる。
【0072】
これらの場合には、必要なだけの数のダイオードを用意することができ、例えば赤色とオレンジ色のダイオードが交互になった1つの列、又は色毎に1列のダイオードを用意することができる。少なくとも3つの信号伝達レベル(3つの色)を用意することも可能である。
【0073】
車両には、これらの危険状況(とりわけ非安全距離)を検知するための少なくとも1つのセンサ(好ましくはダイオードの1セット毎に1つ)とダイオードを制御するための少なくとも1つの制御ユニットが統合されている。
【0074】
ダイオードは必ずしも、特にグレージングユニットの端部に平行な、列をなさない。
【0075】
ダイオードを有する1つ以上のPCB基板は、好ましくは、特にドライバーによる動作を必要とする信号伝達のために、前面窓の下半分又はドライバー側の下半分にあることが好ましい。グレージング領域にあるので、透明なPCB基板が好ましい。
【0076】
図2は、本発明の第一の実施形態における発光性信号伝達前面窓であって、
・例えばTSAガラス製であって、2.1mmの厚さであり、それぞれ面F1及び面F2と呼ばれる第一及び第二の主面11、12を有する外側グレージング板を形成している、第一のグレージング板1、
・ポリマー材料製の積層中間層2であって、ここではPVB製であり、好ましくはサブミリメートル寸法の厚さe1の、例えば厚さ0.76mmの、又は別形態として、音響用PVBの(三層又は四層)シートが必要な場合、例えば厚さ0.81mmの、PVBシート(Solutia社又はEastman社からのRC41)である、積層中間層2、
・内側グレージング板を形成しており、例えばTSA(又は透明又は超透明)ガラス製であって、2.1mm又はさらには1.6mmの厚さであり、それぞれ面F3及び面4と呼ばれる第三及び第四の主面11’,12’を有し、面F3には場合により機能性層(加熱層、低E層など)がコーティングされている、第二のグレージング板1’、及び、
・PCBプリント回路基板3上で例えば赤色で発光する、表面実装デバイス(SMD)である6つの無機発光ダイオード4のセットであって、PCB基板とダイオードとの集成体の合計の厚さet2≦e1であり、なおもより良好にはe1−et2が最大で0.5mm、好ましくは0.1mm〜0.2mmであり、ダイオードは厚さがe2であり、PCB基板3は厚さがe’2であり、面F3に向き合っている前面30と呼ばれる面及び面F2又は面11に接する背面30’を有し、各ダイオードは内側グレージング板1’の方向に発光する発光面を有し、且つ各ダイオードは端面を有する、6つの無機発光ダイオード4のセット、
を含む湾曲した積層グレージングユニット100を含み、面F2及び面F3が積層グレージングユニットの内側面11,11’である、発光性信号伝達前面窓の模式断面図である。
【0077】
積層中間層は、各ダイオード毎に、ダイオードの端面を取り囲みそして端面と接触する、又は別形態として、端面から最大で0.5mm、さらには最大で1mmだけ間隔を開けて離れている、貫通開口部20を含む。
【0078】
積層中間層は、面F3とPCB基板の前面との間で、ダイオードのあるレベルからPCBの前面の全体にわたって、積層グレージングユニット中に存在する。
【0079】
ダイオード(ここでは単一の半導体チップを有する)は形状が正方形であり、幅が約5mm以下である。
【0080】
ダイオードは、応力点を生じさせることによりガラスを弱くする危険を冒さないように、中間層よりも厚くてはならない。さらに、ダイオードは、好ましくは、ガラスから離れ過ぎてはならない。と言うのは、特に積層中間層がダイオードの前面(任意選択的なパッケージにより取り囲まれている)及びダイオードと面F3との間のスペースを覆うほどクリープしない場合に、これは過度に多くの気泡を生じさせる危険を冒すからである。
【0081】
例えば透明フィルム、例としてPET、PEN又はポリイミドのフィルム、を含む、できるだけ最も薄くて、かつさらに好ましくはできるだけ最も目立たない軟質のPCB基板(幅が最小で、又はさらには透明な)が選択され、そしてプリント回路基板のためには、(十分に薄くない限り銅で製作されたトラックよりも)透明な接続トラックさえも選択することができる。
【0082】
図2bは、本発明の第一の実施形態の1つの別形態における発光性信号伝達前面窓の模式断面図である。この前面窓200’は、積層中間層がPCB基板の背面と面F2との間にも存在し、そして例えば前面側におけるよりもそちらの方が薄いという点で異なる。厚さE1は変更されても変更されなくてもよい。
【0083】
図3は、図2に示した第一の実施形態において使用するダイオードの斜視図を示している。
【0084】
各ダイオードは、半導体チップ41及び発光面41’を含む電子部品40であり、そして周囲パッケージ42、典型的にはポリマーもしくはセラミックのパッケージを備えていて、該パッケージは部品の端面を封止し(かつダイオードの端面を画定し)、部品の前面を越えて突出して発光面を取り囲んでいる。
【0085】
ここで、発光面はパッケージの前面42’から後退しており、それゆえダイオード4の最大厚さe2を設定している。
【0086】
積層中間層(クリープによる)は、一般に発光面に到達することなく、パッケージの前記前面42’と前面窓の面F3(又は側面窓もしくは後部窓の面F2)との間のところまで延在することができる。
【0087】
PCB基板の背面3’は面F2に向き合っている。
【0088】
図4に示すように、PCB基板3は積層グレージングユニットの端面10のところまで延在し、そしてこの端面から突出している。それはL字状の曲げられた形状を有している。
【0089】
端面に通じているゾーンにおいて、液体の水に対して漏れのない、厚さが最大で0.1mm、なおもより良好には最大で0.05mmの、接着剤6、特に両面接着剤(それはグレージングゾーンにある場合には好ましくは透明である)が、背面30’と面F2との間に収容される。
【0090】
この前面窓の製造に関係する図6にも示すように、曲げられたPCB基板は、それゆえ、ダイオード4を支持する(かつ屈曲部を有する)第一の(長方形の)部分31と、接続のための(長方形の)第二の部分32、例えば、絶縁ライン34を有し、積層グレージングユニットの端面に通じていてそこから突出している銅の2つのトラック33、とを含む。この第二の部分は、第一の部分よりも(ずっと)長くてよい。
【0091】
組み立ての前に、好ましくは単一のPVBシートの形態を取る積層中間層2は、ダイオードの寸法よりも若干大きく、好ましくは最大で0.5mmだけ大きく(とりわけダイオードがPCB上に手作業で搭載されるならば)、又はさらには最大で0.1mmだけ大きい(とりわけダイオードがPCB上に自動式で搭載されるならば)、貫通開口部20を含む。
【0092】
図1aは、本発明による発光性信号伝達手段を備えた、路上における自動車の別の前面窓を示している。それは、不透明であってもよい3つのPCB基板(不透明なキャリア及び/又は不透明な導電性トラック(金属線など))のより周縁寄りの位置が、図1の前面窓と異なる。図2aに示したように、面F2は、好ましくは黒色エナメルで製作された、開口部のないマスキングフレーム71を含み、そして面F4(又はF3)が、好ましくは黒色エナメルで製作されて、ダイオードに一致する開口部7’を有するマスキングフレーム72を含む。
【0093】
図1bは、自動車の別の前面窓を示しており、この前面窓1000’は本発明による発光性信号伝達手段を備えている。それは、生じさせる信号のタイプと第二及び第三のPCB基板の位置が図1における前面窓と異なる。
【0094】
キャリア30C上のダイオード4cの第一のセットが、可能性のあるときには中央に感嘆符を含む三角形を形成している。それゆえ、それは危険警告灯を形成する。
【0095】
それぞれのキャリア30a及び30b上の、ダイオード4a及び4bの第二及び第三のセットが、それぞれの指示器が作動されたことを示す矢印を形成している。
【0096】
図5に示した第二の実施形態において、前面窓200は背面30’が好ましくは透明な両面接着剤5により面F2に接着結合している点で異なり、該接着剤は厚さがe3で、e3+e’2が最大で0.15mm、なおもより良好には0.1mmの間であり、特にe3<0.05mmであって、PCB基板の全長(及び幅)又は少なくともダイオードを有するゾーンが接着結合されている。
【0097】
図7は、本発明の第三の実施形態における発光性信号伝達後部窓300の模式正面図(面F1又は面12側)である。
【0098】
中央ゾーン13に、例えば上部長手方向の端部に沿ったPCB基板上の6つの赤色ダイオードを用いて、第3のストップランプ101が形成されている。
【0099】
各側方ゾーン14には、例えば該当の側方端部に沿ったPCB基板上の黄色で発光する6つのダイオードを用いて、方向指示灯102が形成されており、あるいはさらに、例えば該当の下部長手方向の端部に沿ったPCB基板上の6つのダイオードを用いて、信号伝達灯103も形成されている。
【0100】
図2に例示した積層グレージングユニットは、PCBの位置を反転することによっても使用することができ、この場合にはその背面が面F3に向き合うことになる。
【0101】
あるいは、側面窓上に同じように側面方向指示器が形成される。
図1
図1a
図1b
図2
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7