特許第6621963号(P6621963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6621963内視鏡用可撓管の製造方法および内視鏡の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6621963
(24)【登録日】2019年11月29日
(45)【発行日】2019年12月18日
(54)【発明の名称】内視鏡用可撓管の製造方法および内視鏡の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/005 20060101AFI20191209BHJP
【FI】
   A61B1/005 511
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-509319(P2019-509319)
(86)(22)【出願日】2018年3月19日
(86)【国際出願番号】JP2018010674
(87)【国際公開番号】WO2018180652
(87)【国際公開日】20181004
【審査請求日】2019年8月5日
(31)【優先権主張番号】特願2017-72400(P2017-72400)
(32)【優先日】2017年3月31日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】四條 由久
【審査官】 後藤 順也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−067384(JP,A)
【文献】 特開2015−181903(JP,A)
【文献】 特開2002−058637(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00−1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状で側面に通気性を有する基材の軸および側面を囲む環状の吐出口から液状の樹脂を膜状に連続的に吐出し、
吐出した膜状の前記樹脂を前記吐出口に対して該樹脂の流れの下流側において前記基材の全周に接触させ、
前記基材を軸方向に動かして前記樹脂と前記基材とが接触した部分を前記吐出口から離しながら、前記樹脂により前記基材の側面を覆い、
前記基材を覆った樹脂を硬化させ
前記基材の前記樹脂により覆われていない側面を、硬化した前記樹脂の表面よりも陰圧にする
内視鏡用可撓管の製造方法。
【請求項2】
前記樹脂は、複数の樹脂材料が積層した状態である
請求項1に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
【請求項3】
前記吐出口から吐出した樹脂と、前記基材との間に空間がある
請求項1または請求項2に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
【請求項4】
前記樹脂は、熱可塑性樹脂であり、
前記基材は、金属板を螺旋状に巻いた螺旋管と、前記螺旋管の外側を覆う網状管とを有する
請求項1から請求項のいずれか一つに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
【請求項5】
筒状で側面に通気性を有する基材の軸および側面を囲む環状の吐出口から液状の樹脂を膜状に連続的に吐出し、
吐出した膜状の前記樹脂を前記吐出口に対して該樹脂の流れの下流側において前記基材の全周に接触させ、
前記基材を軸方向に動かして前記樹脂と前記基材とが接触した部分を前記吐出口から離しながら、前記樹脂により前記基材の側面を覆い、
前記基材を覆った樹脂を硬化させ
前記基材の前記樹脂により覆われていない側面を、硬化した前記樹脂の表面よりも陰圧にして製造した内視鏡用可撓管を挿入部の外装に使用する
内視鏡の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡用可撓管の製造方法および内視鏡の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡の挿入性、すなわち挿入のしやすさを高めるために、特許文献1に記載の硬度調節装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−050557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の硬度調整装置は、使用するタイミング等を誤ると、却って内視鏡の挿入性を低下させるという問題点がある。
【0005】
一つの側面では、挿入性の高い内視鏡を実現可能な内視鏡用可撓管の製造方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
内視鏡用可撓管の製造方法は、筒状で側面に通気性を有する基材の軸および側面を囲む環状の吐出口から液状の樹脂を膜状に連続的に吐出し、吐出した膜状の前記樹脂を前記吐出口に対して該樹脂の流れの下流側において前記基材の全周に接触させ、前記基材を軸方向に動かして前記樹脂と前記基材とが接触した部分を前記吐出口から離しながら、前記樹脂により前記基材の側面を覆い、前記基材を覆った樹脂を硬化させ、前記基材の前記樹脂により覆われていない側面を、硬化した前記樹脂の表面よりも陰圧にする。
【発明の効果】
【0007】
一つの側面では、挿入性の高い内視鏡を実現可能な内視鏡用可撓管の製造方法等を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】内視鏡の外観図である。
図2】先端部の端面の外観図である。
図3】可撓管の断面図である。
図4】外皮被覆装置の模式図である。
図5図4のA部拡大図である。
図6図5のVI−VI線による断面図である。
図7】実施の形態2の可撓管の断面図である。
図8】実施の形態2の外皮被覆装置の模式図である。
図9図8のIX−IX線による断面図である。
図10】実施の形態3の外皮被覆装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施の形態1]
図1は、内視鏡10の外観図である。本実施の形態の内視鏡10は、下部消化管向けの軟性鏡である。内視鏡10は、挿入部20、操作部40、ユニバーサルコード59およびコネクタ部50を有する。操作部40は、湾曲ノブ41およびチャンネル入口42を有する。チャンネル入口42には、処置具等を挿入する挿入口を有する鉗子栓43が固定されている。
【0010】
挿入部20は長尺であり、一端が折れ止め部26を介して操作部40に接続されている。挿入部20は、操作部40側から順に軟性部21、湾曲部22および先端部23を有する。軟性部21は、軟性である。軟性部21の表面は、チューブ状の可撓管30(図3参照)である。湾曲部22は、湾曲ノブ41の操作に応じて湾曲する。
【0011】
以後の説明では、挿入部20の長手方向を挿入方向と記載する。同様に、挿入方向に沿って操作部40に近い側を操作部側、操作部40から遠い側を先端側と記載する。
【0012】
ユニバーサルコード59は長尺であり、第一端が操作部40に、第二端がコネクタ部50にそれぞれ接続されている。ユニバーサルコード59は、軟性である。コネクタ部50は、図示しないビデオプロセッサ、光源装置、表示装置および送気送水装置等に接続される。
【0013】
図2は、先端部23の端面の外観図である。先端部23の端面には、観察窓51、2個の照明窓52、送気ノズル53、送水ノズル54およびチャンネル出口55等が設けられている。
【0014】
先端部23の端面は、略円形である。観察窓51は、図2において端面の中心よりも上側に設けられている。観察窓51の左右に照明窓52が設けられている。観察窓51の右下に、送気ノズル53および送水ノズル54が、それぞれの出射口を観察窓51に向けて設けられている。観察窓51の左下に、チャンネル出口55が設けられている。
【0015】
図1および図2を使用して、内視鏡10の構成の説明を続ける。コネクタ部50、ユニバーサルコード59、操作部40および挿入部20の内部に、ファイバーバンドル、ケーブル束、送気チューブおよび送水チューブ等が挿通されている。光源装置から出射した照明光は、ファイバーバンドルを介して、照明窓52から照射する。照明光により照らされた範囲を、観察窓51を介して図示しない撮像素子で撮影する。撮像素子からケーブル束を介してビデオプロセッサに映像信号が伝送される。
【0016】
送気送水装置から供給された空気は、送気チューブを介して送気ノズル53から観察窓51に向けて放出される。同様に、送気送水装置から供給された水は、送水チューブを介して送水ノズル54から観察窓51に向けて放出される。送気ノズル53および送水ノズル54は、内視鏡検査中の観察窓51の清掃等に使用される。
【0017】
チャンネル入口42とチャンネル出口55との間は、軟性部21および湾曲部22の内部を通るチューブ状のチャンネルにより接続されている。チャンネル入口42から図示しない処置具を挿入することにより、チャンネル出口55から処置具の先端を突出させて、大腸ポリープの切除等の手技を行うことができる。
【0018】
図3は、可撓管30の断面図である。前述のとおり、可撓管30は、軟性部21の外装部材である。図3は可撓管30を挿入方向に沿って切断した断面を示す。
【0019】
可撓管30は、帯状の金属を螺旋状に巻いた螺旋管31の外側が、網状管32、外皮33およびトップコート34で順次覆われた構成である。螺旋管31は、軟性部21を屈曲した場合に、内部に挿通されたファイバーバンドル、ケーブル束および各種チューブ等の内蔵物が潰されないように保護する。
【0020】
網状管32は、細線状の素材を編組して形成されている。細線状の素材は、たとえば、ステンレス鋼線または銅合金線等である。細線状の素材は、非金属でも良い。
【0021】
外皮33は、網状管32の外側に成形された樹脂の層である。外皮33の材料は、たとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、フッ素系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、シリコーンゴム、または、フッ素ゴム等である。外皮33は、複数の樹脂層の積層体でも良い。複数の樹脂材料を混合して、外皮33を形成しても良い。
【0022】
トップコート34は、たとえば、ウレタン系樹脂またはフッ素樹脂である。トップコート34は、内視鏡10の洗浄および消毒に用いる薬液等から、外皮33を保護する。
【0023】
本実施の形態の内視鏡10のユーザは、挿入部20を検査対象者の肛門から挿入する。観察窓51を介して撮影した映像を観察しながら、ユーザは挿入部20の先端を目的部位に誘導する。大腸が強く屈曲している部分では、ユーザは湾曲ノブ41を操作して湾曲部22を屈曲させるとともに、挿入部20を捻る等の操作を行うことにより、先端部23を盲腸側に向けて進める。大腸内部に入った挿入部20は、大腸壁に押されて受動的に屈曲する。
【0024】
内視鏡10の挿入性は、挿入部20の硬さに影響を受ける。挿入部20の硬さは、可撓管30の構成と、可撓管30に挿通される内蔵物の構成とにより定まる。内蔵物の構成は、主に内視鏡10自体の仕様に基づいて定まる。したがって、可撓管30の構成を調整することにより、挿入部20全体を適切な硬さにすることが望ましい。
【0025】
なお、前述のとおり、本実施の形態においては下部消化管向けの内視鏡10を例にして説明する。下部消化管向けの内視鏡10は、長尺である上、挿入部20の硬さが挿入性の良し悪しに与える影響が大きい。したがって、下部消化管向けは、本実施の形態の内視鏡10の好適な用途である。
【0026】
しかしながら、内視鏡10の用途は下部消化管向けに限定しない。内視鏡10の用途は、たとえば上部消化管向け、呼吸器向け、または、泌尿器向け等の任意の用途であっても良い。
【0027】
図4は、外皮被覆装置60の模式図である。図5は、図4のA部拡大図である。図6は、図5のVI−VI線による断面図である。外皮被覆装置60は、螺旋管31に網状管32をかぶせた基材35の側面を、外皮33で覆う装置である。外皮被覆装置60は、成形部69と、硬化部67とを備える。
【0028】
成形部69は、第1型61、第2型62および原料容器63を有する。第1型61は、中心軸に沿って貫通する基材孔64を有する、略円筒形状である。第2型62は、第1型61の側面を覆う。第1型61と第2型62との間に設けられた流路76に、原料容器63が接続されている。流路76は環状の吐出口65に連続する。
【0029】
吐出口65の外は、常温常圧である。吐出口65の詳細については後述する。以下の説明では、図5に示すように、吐出口65における第1型61の外径をPで示す。
【0030】
原料容器63に、外皮33の原料の樹脂66が収容されている。樹脂66は粘性の高い液状であり、図示しない押出機構により第1型61と第2型62との間に設けられた流路76に押し出される。なお、外皮33に熱可塑性樹脂を使用する場合には、原料容器63はペレット状の原材料を溶融して液状にする加熱機構を備えても良い。原料容器63は、複数の樹脂材料を所定の割合で混合する機構を有しても良い。
【0031】
硬化部67は、液状の樹脂66を硬化させる。外皮33に熱可塑性樹脂を使用する場合には、硬化部67は冷却機である。外皮33に紫外線硬化樹脂を使用する場合には、硬化部67は紫外線ランプである。外皮33に熱硬化樹脂を使用する場合には、硬化部67はヒーターである。
【0032】
基材35は、1台の内視鏡10用ごとに製作される。以下の説明では、図5に示すように、基材35の外径をQで示す。複数の基材35が、連結部材36により一列に連結されて、基材連結体37を構成する。基材連結体37は、第1ドラム681に巻かれた状態で供給される。
【0033】
基材連結体37は、基材孔64の内部を通り、硬化部67を介して第2ドラム682に接続されている。第1ドラム681および第2ドラム682が回転することにより、基材連結体37は成形部69および硬化部67を所定の速度で通過する。
【0034】
すなわち吐出口65は、基材35の軸および側面を囲む環状である。吐出口65は、基材35が成形部69の内部を通過して成形部69の外に出る部分の近傍、すなわち基材35の流れの下流側の、成形部69の端部に設けられている。
【0035】
図5に示すように、吐出口65の内側の縁と、基材35の表面との間の距離はBである。さらに詳しくは、吐出口65における第1型61の外径Pと、基材35の外形Qとの差の半分が、距離Bである。
【0036】
流路76を介して吐出口65から押し出された樹脂66は、頂部で基材連結体37に接触する略円錐形状の膜を形成する。樹脂66は、表面張力により膜の状態が維持される。第1ドラム681および第2ドラム682の回転により、基材連結体37が図5中の左から右に向けて移動することにより、すなわち、基材連結体37と膜とが接触する部分が吐出口65から離れる向きに移動することにより、基材連結体37の表面が樹脂66により覆われる。樹脂66は、硬化部67で硬化して、外皮33になる。
【0037】
すなわち吐出口65は、樹脂66が成形部69の外に出る部分、すなわち樹脂66の流れの下流側の、成形部69の端部に設けられている。吐出口65から吐出した樹脂66と、基材連結体37との間は、図5においてBで示す距離だけ離れている。したがって、成形部69の外側において、吐出口65から吐出した樹脂66と、基材35との間に空間がある。
【0038】
なお、図5においては、吐出口65近傍において第1型61の端面と第2型62の端面とが同一面に配置されているが、吐出口65の構造はこれに限定しない。たとえば第1型61の端面が第2型62の端面よりも突出していても良い。また、第1型61の端面が第2型62の端面よりも凹んでいても良い。また、吐出口65近傍の部分における第1型61の外周面と、第2型62の内周面との、いずれか一方または両方はテーパ面であっても良い。
【0039】
硬化部67を通過した基材連結体37は、図4に示すように第2ドラム682に巻き取られて、次の製造工程に投入される。なお、第2ドラム682に巻き取る変わりに、連結部材36を外して、1本ずつに分離しても良い。硬化部67と第2ドラム682との間で、トップコート34を付加しても良い。
【0040】
表1に、寸法Bおよび基材連結体37が成形部69を通過する速度と、外皮33の厚さとの関係を示す。単位はmmである。
【0041】
【表1】
【0042】
表1に示すとおり、寸法Bが一定の場合、基材連結体37の速度を早くすることにより外皮33を薄く製作することが可能である。同様に、基材連結体37の速度が一定の場合、寸法Bを大きくすることにより外皮33を厚く製作することが可能である。
【0043】
外皮33の厚さを変更することにより、挿入部20の硬さと太さ、および、内視鏡10の耐久性が変化する。
【0044】
本実施の形態によると、基材35を樹脂66で覆う際に圧力を加えないので、樹脂66が網状管32を構成する細線の間に入り込みにくい。そのため、硬度が低くて柔軟な可撓管30を提供することができる。柔軟な可撓管30を使用することにより、柔軟な挿入部20を備える内視鏡10を提供することができる。
【0045】
さらに、表1を使用して説明したように、外皮33の厚さを変更することが可能であるので、内視鏡10の仕様に合わせて、所望の硬さの可撓管30を提供することができる。したがって、挿入性の高い内視鏡10を実現可能な可撓管30の製造方法等を提供することができる。
【0046】
本実施の形態によると、基材連結体37の速度を制御することにより、外皮33の厚さを制御することが可能である。したがって、同一の製造装置を使用して、異なる硬さの可撓管30を製造することが可能である。また、先端側と操作部側とで硬さの異なる可撓管30を製造することも可能である。これにより、さらに挿入性の高い内視鏡10を実現可能な可撓管30の製造方法等を提供することができる。
【0047】
なお、可撓管30は、ユニバーサルコード59の外装に使用しても良い。この場合、基材35は、たとえば柔軟性のある樹脂製チューブでも良い。
【0048】
[実施の形態2]
本実施の形態は、多層の外皮33を有する可撓管30の製造方法に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0049】
図7は、実施の形態2の可撓管30の断面図である。外皮33は、第1外皮331と第2外皮332の2層構造になっている。
【0050】
第1外皮331、第2外皮332とも、たとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、フッ素系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、シリコーンゴム、または、フッ素ゴム等である。第1外皮331と第2外皮332とは、同種の樹脂材料でも、異種の樹脂材料でも良い。
【0051】
たとえば、第1外皮331と同種の材料で、分子鎖が長い樹脂を第2外皮332に使用することにより、第1外皮331よりも第2外皮332を硬くするとともに、両者を強固に接合することが可能である。このような外皮33を有する可撓管30を使用することにより、挿入性の高い内視鏡10を提供することができる。
【0052】
図8は、実施の形態2の外皮被覆装置60の模式図である。図9は、図8のIX−IX線による断面図である。外皮被覆装置60は、第1原料容器631と第2原料容器632とを備える。
【0053】
第1原料容器631に、第1外皮331の原料である第1樹脂661が収容されている。第2原料容器632に、第2外皮332の原料である第2樹脂662が収容されている。
【0054】
第1原料容器631は、流路76に接続されている。第2原料容器632は、第1原料容器631から流路76に供給される第1樹脂661の流れの下流側で、流路76の外周側に接続されている。そのため、図9に示すように第1樹脂661の外周を第2樹脂662が覆う2層構造の膜が形成される。
【0055】
基材連結体37が図5中の左から右に向けて移動することにより、基材連結体37の表面が二層になった第1樹脂661および第2樹脂662により覆われる。第1樹脂661および第2樹脂662は、硬化部67で硬化して、第1外皮331および第2外皮332になる。
【0056】
なお、外皮被覆装置60は、3個以上の原料容器63を備え、3層以上の外皮33を有する可撓管30を製造しても良い。
【0057】
本実施の形態によると、多層の外皮33を有する可撓管30を提供することができる。本実施の形態の可撓管30を使用することにより、さらに挿入性の高い内視鏡10を提供することができる。また、第1樹脂661と第2樹脂662との樹脂比率を変化させながら基材35を覆うことで、より挿入性の高い内視鏡10の提供が可能となる。
【0058】
第1原料容器631と第2原料容器632とに同一の原料を収容しても良い。一方の原料容器63が空になった場合に、外皮被覆装置60を停止せずに原料を補充することが可能である。
【0059】
[実施の形態3]
本実施の形態は、吸引室75を備える外皮被覆装置60に関する。実施の形態1と共通する部分については、説明を省略する。
【0060】
図10は、実施の形態3の外皮被覆装置60の模式図である。外皮被覆装置60は、第1型61に基材連結体37が入る入口に、吸引室75を有する。吸引室75の入口に、弁751が設けられている。基材連結体37は弁751を貫通する。吸引室75は、ポンプ74に接続されている。
【0061】
ポンプ74は、吸引室75内を陰圧にする。基材連結体37を構成する基材35は、前述のとおり螺旋管31を網状管32で覆った構造であるので、通気性を有する。そのため、基材35の前記樹脂により覆われていない側面が、硬化した前記樹脂66の表面よりも陰圧になる。そのため、膜状の樹脂66が吸引されて網状管32に密着する。
【0062】
本実施の形態によると、網状管32と外皮33とが密着してはがれにくい可撓管30を提供することが可能である。
【0063】
吸引室75に圧力センサを設けても良い。樹脂66で形成された略円錐形状の膜に孔が開いた場合には、吸引室75内の圧力が急激に上昇するので、容易に検知することができる。これにより、外皮被覆装置60の異常を早期に発見することができる。
【0064】
吸引室75内の圧力を制御することにより、網状管32と外皮33との密着程度を制御することが可能である。網状管32と外皮33との密着程度を高くすることにより、可撓管30を硬くすることができる。したがって、同一の製造装置を使用して、異なる硬さの可撓管30を製造することが可能である。また、先端側と操作部側とで網状管32と外皮33との密着程度の異なる可撓管30を製造することも可能である。これにより、さらに挿入性の高い内視鏡10を実現可能な可撓管30の製造方法等を提供することができる。
【0065】
各実施例で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組合せ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0066】
以上の実施の形態1から3を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0067】
(付記1)
筒状の基材35の軸および側面を囲む環状の吐出口65から液状の樹脂66を膜状に連続的に吐出し、
吐出した膜状の前記樹脂66を前記吐出口65に対して該樹脂の流れの下流側において前記基材35の全周に接触させ、
前記基材35を軸方向に動かして前記樹脂66と前記基材35とが接触した部分を前記吐出口65から離しながら、前記樹脂66により前記基材35の側面を覆い、
前記基材35を覆った樹脂66を硬化させる
内視鏡用可撓管30の製造方法。
【0068】
(付記2)
前記樹脂66は、複数の樹脂材料が積層した状態である
付記1に記載の内視鏡用可撓管30の製造方法。
【0069】
(付記3)
前記吐出口から吐出した樹脂66と、前記基材35との間に空間がある
付記1または付記2に記載の内視鏡用可撓管30の製造方法。
【0070】
(付記4)
前記基材35は、側面に通気性を有し、
前記基材35の前記樹脂により覆われていない側面を、硬化した前記樹脂66の表面よりも陰圧にする
付記1から付記3のいずれか一つに記載の内視鏡用可撓管30の製造方法。
【0071】
(付記5)
前記樹脂66は、熱可塑性樹脂であり、
前記基材35は、金属板を螺旋状に巻いた螺旋管31と、前記螺旋管31の外側を覆う網状管32とを有する
付記1から付記4のいずれか一つに記載の内視鏡用可撓管30の製造方法。
【0072】
(付記6)
筒状の基材35の軸および側面を囲む環状の吐出口65から液状の樹脂66を膜状に連続的に吐出し、
吐出した膜状の前記樹脂66を前記吐出口65に対して該樹脂の流れの下流側において前記基材35の全周に接触させ、
前記基材35を軸方向に動かして前記樹脂66と前記基材35とが接触した部分を前記吐出口65から離しながら、前記樹脂66により前記基材35の側面を覆い、
前記基材35の側面を覆った樹脂66を硬化させて製造した内視鏡用可撓管30を挿入部20の外装に使用する
内視鏡10の製造方法。
【符号の説明】
【0073】
10 内視鏡
20 挿入部
21 軟性部
22 湾曲部
23 先端部
26 折れ止め部
30 可撓管(内視鏡用可撓管)
31 螺旋管
32 網状管
33 外皮
331 第1外皮
332 第2外皮
34 トップコート
35 基材
36 連結部材
37 基材連結体
40 操作部
41 湾曲ノブ
42 チャンネル入口
43 鉗子栓
50 コネクタ部
51 観察窓
52 照明窓
53 送気ノズル
54 送水ノズル
55 チャンネル出口
59 ユニバーサルコード
60 外皮被覆装置
61 第1型
62 第2型
63 原料容器
631 第1原料容器
632 第2原料容器
64 基材孔
65 吐出口
66 樹脂
661 第1樹脂
662 第2樹脂
67 硬化部
681 第1ドラム
682 第2ドラム
69 成形部
74 ポンプ
75 吸引室
751 弁
76 流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10