【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 日本経済新聞社、日本経済新聞、発行日:2015年6月3日 http://www.taiheiyo−cement.co.jp/news/news/pdf/150605.pdf、 掲載日:2015年6月5日 http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/const/news/20150609/702890/?ST=building、掲載日:2015年6月10日
【文献】
大濱嘉彦、出村克宣、林志翔,3000kgf/cm2以上の圧縮強度を持つモルタルの開発,セメント・コンクリート,日本,セメント協会,1991年 8月,No.534,PP.9-16
【文献】
古川幸則、福留和人、庄野昭,コンクリートの浸水養生システム−型枠取り外し後の給水養生工法の実用化と効果−,コンクリート工学,日本,コンクリート工学会,2011年 3月,Vol.49, No.3,PP.21-28
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のセメント質硬化体の製造方法は、圧縮強度が80N/mm
2以上のセメント質硬化体の製造方法であって、少なくともセメントと水と減水剤を含むセメント組成物を型枠内に打設して、未硬化の成形体を得る成形工程と、未硬化の成形体を、10〜40℃で10時間以上、封緘養生または気中養生した後、型枠から脱型し、硬化した成形体を得る1次養生工程と、硬化した成形体に吸水させる吸水工程と、吸水させた成形体を、15℃以上で養生する2次養生工程を含むものである。
以下、工程ごとに詳しく説明する。
【0010】
[成形工程]
本工程は、少なくともセメントと水と減水剤を含むセメント組成物を型枠内に打設して、未硬化の成形体を得る工程である。
本発明で用いられるセメント組成物は、少なくともセメントと水と減水剤を含むものであればよく、ペースト、モルタル、またはコンクリートのいずれでもよい。
また、本発明で用いられるセメント組成物の原料およびその配合は、本発明の製造方法によって得られるセメント質硬化体の圧縮強度が、80N/mm
2以上になるものであれば、特に限定されるものではない。セメント質硬化体の圧縮強度が80N/mm
2未満になるような原料および配合を採用した場合、本発明の製造方法中の吸水工程を行うことによる圧縮強度の向上効果が小さくなり、本発明の目的を達成することが困難となる。
【0011】
セメントの種類は、特に限定されるものではなく、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントを使用することができる。
セメントの量は、セメント質硬化体の圧縮強度をより高める観点から、結合材(セメント、および、任意で配合されるセメント以外の無機粉末からなる粉体原料)中のセメントの割合として、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、特に好ましくは80質量%以上である。
【0012】
水としては、水道水等を使用することができる。
水と結合材の比(水/結合材の質量比)は、セメント質硬化体の圧縮強度をより高める観点から、好ましくは0.35以下、より好ましくは0.33以下、特に好ましくは0.30以下である。
【0013】
減水剤としては、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系等の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤又は高性能AE減水剤を使用することができる。中でも、セメント組成物の流動性の向上およびセメント質硬化体の圧縮強度の増大の観点から、ナフタレンスルホン酸系又はポリカルボン酸系の高性能減水剤又は高性能AE減水剤が好ましい。
減水剤の配合量は、結合材100質量部に対して、好ましくは0.4〜4.0質量部、より好ましくは0.6〜3.5質量部、さらに好ましくは0.7〜3.0質量部、特に好ましくは0.8〜2.5質量部である。該量が0.4質量部以上であれば、減水性能が向上し、セメント組成物の流動性が向上する。該量が4.0質量部以下であれば、セメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。
【0014】
本発明で用いられるセメント組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲内で、必要に応じて他の原料を配合してもよい。必要に応じて配合される他の原料としては、セメント以外の結合材、骨材、繊維、消泡剤、収縮低減剤等が挙げられる。
セメント以外の結合材としては、例えば、シリカフューム、石英粉末(珪石粉末)、火山灰、フライアッシュ、高炉スラグ粉末、石灰石粉末、石膏類(無水石膏等)、膨張材等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】
本発明で用いられるセメント組成物中の単位結合材量(単位体積当たりの結合材の量)は、好ましくは400kg/m
3以上、より好ましくは450kg/m
3以上、特に好ましくは500kg/m
3以上である。該量が400kg/m
3以上であれば、セメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。
【0016】
骨材としては、細骨材のみ、または、細骨材と粗骨材の組み合わせが挙げられる。
細骨材としては、川砂、陸砂、山砂、海砂、砕砂、珪砂、人工細骨材、スラグ細骨材またはこれらの混合物等が挙げられる。粗骨材としては、川砂利、陸砂利、山砂利、海砂利、砕石、人工粗骨材、スラグ粗骨材またはこれらの混合物等が挙げられる。
本発明で用いられるセメント組成物中の骨材(細骨材と粗骨材の合計)の割合は、好ましくは65体積%以下、より好ましくは60体積%以下、特に好ましくは55体積%以下である。該割合が65体積%以下であれば、セメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。
【0017】
繊維としては、金属繊維、有機繊維及び炭素繊維からなる群より選ばれる一種以上が挙げられる。セメント組成物が繊維を含むことによって、セメント質硬化体の曲げ強度や破壊エネルギー等を向上させることができる。
繊維の寸法は、好ましくは、直径が0.05〜0.5mmで、長さが5〜25mm、より好ましくは、直径が0.1〜0.3mmで、長さが8〜20mmである。
繊維のアスペクト比(繊維の長さ/繊維の直径)は、好ましくは20〜200、より好ましくは40〜150、特に好ましくは50〜100である。
本発明で用いられるセメント組成物中の繊維の割合は、好ましくは4体積%以下、より好ましくは3体積%以下である。
【0018】
消泡剤、収縮低減剤等としては、市販品を使用することができる。
消泡剤の配合量は、結合材100質量部に対して、好ましくは0.001〜0.1質量部、より好ましくは0.01〜0.07質量部、特に好ましくは0.01〜0.05質量部である。該量が0.001質量部以上であれば、セメント質硬化体の圧縮強度が高くなる。該量が0.1質量部を超えると、セメント質硬化体の圧縮強度の向上効果が頭打ちとなる。
収縮低減剤の配合量は、結合材100質量部に対して、好ましくは3質量部以下、より好ましくは0.3〜2.5質量部、特に好ましくは0.5〜2質量部である。該量が3質量部以下であると、セメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。
【0019】
本工程において、セメント組成物の打設を行う前に、セメント組成物を混練する方法としては、特に限定されるものではない。また、混練に用いる装置も特に限定されるものではなく、オムニミキサ、パン型ミキサ、二軸練りミキサ、傾胴ミキサ等の慣用のミキサを使用することができる。さらに、打設(成形)方法も特に限定されるものではない。
【0020】
[1次養生工程]
本工程は、前工程で得られた未硬化の成形体を、10〜40℃で10時間以上、封緘養生または気中養生した後、型枠から脱型し、硬化した成形体を得る工程である。
養生温度は、10〜40℃、好ましくは15〜30℃である。該温度が10℃以上であれば、養生時間を短くすることができる。該温度が40℃以下であれば、セメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。
養生時間は10時間以上、好ましくは12〜72時間、より好ましくは18〜54時間、特に好ましくは24〜48時間である。該時間が10時間以上であれば、脱型の際に、硬化した成形体に欠けや割れ等の欠陥が生じにくくなる。
【0021】
また、本工程において、硬化した成形体が5〜100N/mm
2の圧縮強度を発現した時に、硬化した成形体を型枠から脱型することが、好ましい。該圧縮強度が5N/mm
2以上(より好ましくは10N/mm
2以上、特に好ましくは20N/mm
2以上)であれば、脱型の際に、硬化した成形体に欠けや割れ等の欠陥が生じにくくなる。該圧縮強度が100N/mm
2以下(より好ましくは80N/mm
2以下、特に好ましくは60N/mm
2以下)であれば、後述する吸水工程において、少ない労力で、硬化した成形体に吸水させることができる。
また、該圧縮強度が、好ましくは5〜30N/mm
2、より好ましくは5〜25N/mm
2、特に好ましくは5〜20N/mm
2であれば、後述する吸水工程において、沸騰していない水の中に浸漬させる場合において、吸水率をより大きくすることができる。
【0022】
[吸水工程
及び2次養生工程]
吸水工程及び2次養生工程は、前工程で得られた硬化した成形体に吸水させ
た後、15℃以上で養生する工程である。
硬化した成形体に吸水させる方法としては、該成形体を水中に浸漬させる方法が挙げられる。
また、該成形体を水中に浸漬させる方法において、短時間で吸水量を増やし、セメント質硬化体の圧縮強度をより高くする観点から、(1)該成形体を、減圧下の水の中に浸漬させる方法、(2)該成形体を、90℃以上の水(好ましくは、沸騰している水)の中に浸漬させた後、該成形体を浸漬させたまま、水温を40℃以下に低下させる方法、又は(3)該成形体を、90℃以上の水(好ましくは、沸騰している水)の中に浸漬させた後、該成形体を90℃以上の水(好ましくは、沸騰している水)から取り出して、次いで、40℃以下の水に浸漬させる方法、が好ましい。
【0023】
上記成形体を、減圧下の水の中に浸漬させる方法としては、真空ポンプや大型の減圧容器等の設備を利用する方法等が挙げられる。
上記成形体を、沸騰している水の中に浸漬させる方法としては、高温高圧容器や、熱温水水槽(熱水または温水を収容した水槽)等の設備を利用する方法等が挙げられる。
硬化した成形体を、減圧下の水または90℃以上の水の中に浸漬させる時間は、吸水率をより高くする観点から、好ましくは3分間以上、より好ましくは8分間以上、特に好ましくは20分間以上である。該時間の上限は特に限定されるものではないが、セメント質硬化体の圧縮強度をより高くする観点から、好ましくは60分間、より好ましくは45分間である。
【0024】
吸水工程における吸水率は、セメント組成物がペーストまたはモルタルである場合、φ50×100mmの硬化した成形体100体積%に対する水の割合として、好ましくは0.2体積%以上、より好ましくは0.3〜2.0体積%、さらに好ましくは0.35〜1.7体積%、さらに好ましくは0.35〜1.2質量%、さらに好ましくは0.35〜0.8質量%、さらに好ましくは0.35〜0.6質量%、特に好ましくは0.35〜0.5質量%であり、セメント組成物がコンクリートである場合、φ100×200mmの硬化した成形体100体積%に対する水の割合として、好ましくは0.2体積%以上、より好ましくは0.3〜2.0体積%、さらに好ましくは0.35〜1.7体積%、さらに好ましくは0.35〜1.2質量%、さらに好ましくは0.35〜0.8質量%、さらに好ましくは0.35〜0.6質量%、特に好ましくは0.35〜0.5質量%である。
セメント組成物がペースト、モルタル、コンクリートのいずれであっても、吸水率が0.2体積%以上であれば、セメント質硬化体の圧縮強度をより高めることができる。
吸水率が2.0体積%以下であると、圧縮強度が80N/mm
2以上のセメント質硬化体を得るための材料の選定が容易となる。
【0025】
15℃以上での養生(2次養生工程)における養生温度は、15℃以上、好ましくは50〜98℃、より好ましくは70〜95℃である。該温度が15℃以上であれば、養生時間をより短くすることができる。養生温度が98℃以下であれば、セメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。 養生時間は、好ましくは1時間以上、より好ましくは2〜72時間、特に好ましくは3〜48時間である。該時間が1時間以上であれば、セメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。
【0026】
養生方法としては、特に限定されるものではなく、蒸気養生、温水養生、水中養生、気中養生、及び湿空養生等が挙げられる。
中でも、養生時間の短縮およびセメント質硬化体の圧縮強度の増大の観点から、50〜98℃(好ましくは60〜95℃、より好ましくは70〜95℃)で1時間以上(好ましくは2〜72時間、より好ましくは3〜48時間、さらに好ましくは10〜48時間、特に好ましくは18〜48時間)、蒸気養生または温水養生することが好ましい。
【0027】
セメント質硬化体の圧縮強度をより高くする観点から、上述した養生方法によって養生が行われた成形体を、さらに、100〜200℃で1時間以上加熱することが好ましい。
加熱温度は、好ましくは100〜200℃、より好ましくは150〜190℃、特に好ましくは170〜180℃である。加熱温度が100℃以上であれば、加熱時間をより短くすることができる。加熱温度が200℃以下であれば、セメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。
加熱時間は、好ましくは1時間以上、より好ましくは24〜72時間、特に好ましくは36〜48時間である。加熱時間が1時間以上であれば、セメント質硬化体の圧縮強度がより高くなる。
【0028】
本発明の製造方法によって得られたセメント質硬化体は、従来の製造方法によって得られたセメント質硬化体と比べて、セメント組成物の成分組成(原料の配合)が同じであっても、圧縮強度がより高いものである。
【実施例】
【0029】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
使用材料は、以下に示すとおりである。
(1)セメントA(低熱ポルトランドセメント;太平洋セメント社製)
(2)セメントB(シリカフュームプレミックスセメント;太平洋セメント社製)
(3)セメントC( 高炉セメントB種;太平洋セメント社製)
(4)シリカフューム(BET比表面積:17m
2/g)
(5)珪石粉末(50%累積粒径:7μm、最大粒径:67μm、95%累積粒径:27μm)
(6)細骨材A(珪砂、最大粒径:1.0mm、0.6mm以下の粒径のもの:98質量%、0.3mm以下の粒径のもの:45質量%、0.15mm以下の粒径のもの:3質量%)
(7)細骨材B(砕砂、粗粒率:2.79、表乾密度:2.62g/cm
3)
(8)粗骨材(砕石、粗粒率:6.72、表乾密度:2.62g/cm
3)
(9)ポリカルボン酸系高性能減水剤A(フローリック社製、商品名「フローリックSF500U」)
(10)ポリカルボン酸系高性能減水剤B(BASFジャパン社製、商品名「マスターグレニウムSP8シリーズ」)
(11)消泡剤(BASFジャパン社製、商品名「マスターエア404」)
(12)水(水道水)
【0030】
[実施例1]
表1に示す配合に従って、セメントA、シリカフューム、及び、珪石粉末を混合した。得られた混合物と細骨材Aを、オムニミキサに投入して、15秒間空練りを行った。
次いで、水、ポリカルボン酸系高性能減水剤A、および消泡剤をオムニミキサに投入して、2分間混練した。
混練後、オムニミキサ内の側壁に付着した混練物を掻き落とし、さらに4分間混練を行った。
【0031】
得られた混練物を、φ50×100mmの円筒形の型枠に打設して、未硬化の成形体を得た。打設後、未硬化の成形体について、20℃で48時間、封緘養生を行い、次いで、脱型して、硬化した成形体を得た。
この成形体を、沸騰している水(水温:100℃)に30分間浸漬した後、該成形体を水に浸漬させたまま、水温が30℃以下になるまで冷却した。浸漬前後の成形体の質量を測定し、得られた測定値から、吸水率を算出した。
浸漬後、この成形体を90℃で48時間蒸気養生して、セメント質硬化体を得た。
硬化した成形体の脱型時の圧縮強度、及び、得られたセメント質硬化体の圧縮強度を、「JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)」に準じて測定した。
【0032】
[実施例2]
水に浸漬後の成形体を、90℃で48時間蒸気養生した後、さらに180℃で48時間加熱を行った以外は、実施例1と同様にして、セメント質硬化体を得た。
得られたセメント質硬化体の圧縮強度を、実施例1と同様にして測定した。
【0033】
[比較例1]
脱型後の成形体を90℃で48時間蒸気養生した以外は実施例1と同様にして、セメント質硬化体を得た。
得られたセメント質硬化体の圧縮強度を、実施例1と同様にして測定した。
[比較例2]
脱型後の成形体を90℃で48時間蒸気養生し、さらに180℃で48時間加熱を行った以外は、実施例2と同様にして、セメント質硬化体を得た。
得られたセメント質硬化体の圧縮強度を、実施例1と同様にして測定した。
【0034】
[実施例3]
表1に示す配合に従って、2軸型強制練りミキサを使用して、セメントBと細骨材Bを、30秒間空練りした後、水、高性能減水剤B、消泡剤をミキサに投入して3分間混練した。次いで、粗骨材をミキサに投入して3分間混練した。5分間静置した後、さらに30秒間混練した。
得られた混練物を、φ100×200mmの円筒形の型枠に打設して、未硬化の成形体を得た。打設後、未硬化の成形体について、20℃で24時間、封緘養生を行い、次いで、脱型して、硬化した成形体を得た。
【0035】
この成形体を、沸騰している水に浸漬した後、該成形体を水に浸漬させたまま、水温が30℃以下になるまで冷却した
浸漬後、この成形体について、材齢が28日となるまで、20℃で水中養生を行い、セメント質硬化体を得た。
吸水率の算出、硬化した成形体の脱型時の圧縮強度、及び、得られたセメント質硬化体の圧縮強度の測定を、実施例1と同様にして行った。
【0036】
[実施例4]
硬化した成形体を沸騰している水に浸漬する代わりに、減圧したデシケーター内で水に浸漬した以外は、実施例3と同様にして、セメント質硬化体を得た。なお、減圧は、アズワン社製の「アスピレーター(AS−01)」を使用して行った。
吸水率の算出、硬化した成形体の脱型時の圧縮強度、及び、得られたセメント質硬化体の圧縮強度の測定を、実施例1と同様にして行った。
[実施例5]
水に浸漬後の成形体について、材齢が28日となるまで、20℃で水中養生を行った後、さらに180℃で48時間加熱を行った以外は、実施例3と同様にして、セメント質硬化体を得た。
得られたセメント質硬化体の圧縮強度を、実施例1と同様にして測定した。
【0037】
[比較例3]
脱型後の成形体について、材齢が28日となるまで、20℃で水中養生を行った以外は、実施例3と同様にして、セメント質硬化体を得た。
得られたセメント質硬化体の圧縮強度を、実施例1と同様にして測定した。
[比較例4]
脱型後の成形体について、材齢が28日となるまで、20℃で水中養生を行った後、さらに180℃で48時間加熱を行った以外は、実施例3と同様にして、セメント質硬化体を得た。
得られたセメント質硬化体の圧縮強度を、実施例1と同様にして測定した。
【0038】
[実施例6]
表1に示す配合に従って、2軸型強制練りミキサを使用して、セメントBと細骨材Bを30秒間空練りした後、水、高性能減水剤B、及び消泡剤をミキサに投入して、2分間混練した。次いで、粗骨材をミキサに投入して2分間混練した。5分間静置した後、さらに30秒間混練した。
得られた混練物を、φ100×200mmの円筒形の型枠に打設して、未硬化の成形体を得た。打設後、未硬化の成形体について、20℃で24時間、封緘養生を行い、次いで、脱型して、硬化した成形体を得た。
この成形体を、沸騰している水に浸漬した後、該成形体を沸騰している水から取り出し、次いで、20℃の水に浸漬して冷却した。
浸漬後、この成形体を55℃で24時間蒸気養生を行った。
吸水率の算出、硬化した成形体の脱型時の圧縮強度、及び、得られたセメント質硬化体の圧縮強度の測定を、実施例1と同様にして行った。
【0039】
[比較例5]
脱型後の成形体について、55℃で24時間蒸気養生を行った以外は、実施例6と同様にして、セメント質硬化体を得た。
得られたセメント質硬化体の圧縮強度を、実施例1と同様にして測定した。
【0040】
[実施例7]
表1に示す配合に従って、2軸型強制練りミキサを使用して、セメントCと細骨材Bを30秒間空練りした後、水、高性能減水剤B、及び消泡剤をミキサに投入して、2分間混練した。次いで、粗骨材をミキサに投入して、1.5分間混練した。5分間静置した後、さらに20秒間混練した。該混練によって得られた混練物を用いた以外は、実施例3と同様にして、セメント質硬化体を得た。
吸水率の算出、硬化した成形体の脱型時の圧縮強度、及び、得られたセメント質硬化体の圧縮強度の測定を、実施例1と同様にして行った。
【0041】
[比較例6]
脱型後の成形体について、材齢が28日となるまで、20℃で水中養生を行った以外は、実施例7と同様にして、セメント質硬化体を得た。
得られたセメント質硬化体の圧縮強度を実施例1と同様にして測定した。
【0042】
[実施例8]
セメントCの代わりにセメントAを使用し、かつ、水に浸漬後の成形体について、55℃で24時間蒸気養生を行った以外は、実施例7と同様にして、セメント質硬化体を得た。
吸水率の算出、硬化した成形体の脱型時の圧縮強度、及び、得られたセメント質硬化体の圧縮強度の測定を、実施例1と同様にして行った。
【0043】
[比較例7]
脱型後の成形体について、55℃で24時間蒸気養生を行って、セメント質硬化体を得た以外は、実施例8と同様にして、セメント質硬化体を得た。
得られたセメント質硬化体の圧縮強度を実施例1と同様にして測定した。
結果を表2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
表2から、本発明の製造方法によって得られたセメント質硬化体(実施例1〜8)は、吸水工程を行わない製造方法によって得られたセメント質硬化体(比較例1〜7)と比べて、圧縮強度が向上していることがわかる。
具体的には、実施例1におけるセメント質硬化体は、比較例1におけるセメント質硬化体と成分組成(原料の配合)が同じであり、かつ、吸水工程を行う点を除いて、比較例1の製造方法と同様にして製造されたものであるが、比較例1の圧縮強度(202N/mm
3)よりも大きい圧縮強度(238N/mm
3)を有することがわかる。
【0047】
吸水工程を含むことによる上述の知見(実施例1と比較例1の差異)は、実施例2(圧縮強度:357N/mm
3)と比較例2(圧縮強度:290N/mm
3)、実施例3(圧縮強度:167N/mm
3)と比較例3(圧縮強度:143N/mm
3)、実施例5(圧縮強度:235N/mm
3)と比較例4(圧縮強度:197N/mm
3)、実施例6(圧縮強度:132N/mm
3)と比較例5(圧縮強度:115N/mm
3)、実施例7(圧縮強度:102N/mm
3)と比較例6(圧縮強度:92N/mm
3)、又は実施例8(圧縮強度:102N/mm
3)と比較例7(圧縮強度:90N/mm
3)を、各々、比較した場合であっても、同様に認められる。