(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記不透明フィルム層の第1側縁が前記接着層の第1側縁から延出されることにより、不透明フィルム層の第1側縁近傍部が、前記透明フィルムに対して非接着とされており、
前記透明フィルムに、前記不透明フィルム層の第1側縁近傍部に対応して、不透明印刷層が設けられている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の熱収縮性筒状ラベル。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について、図面を参照しつつ説明する。
本明細書において、表面は、ラベル基材を筒状に形成した際に外側となる面をいい、裏面は、その反対側の面(ラベル基材を筒状に形成した際に内側となる面)をいう。横方向は、ラベル基材の面内の1つの方向を指し、縦方向は、前記面内において前記横方向と直交する方向を指す。
図2においては、横方向を紙面の左右方向としている。用語の頭に、「第1」、「第2」を付す場合があるが、この第1などは、用語を区別するためだけに付加されたものであり、その優劣などの特別な意味を持たない。「PPP〜QQQ]という記載は、「PPP以上QQQ以下」を意味する。
各図における構成要素の厚みなどの寸法及び要素間の比率などは、実際のものと異なっていることに留意されたい。
【0012】
[熱収縮性筒状ラベルの概要]
熱収縮させる前の熱収縮性筒状ラベル1は、
図1に示すように、ラベル基材2を有し、そのラベル基材2を筒状にし且つ両側端部を重ねて接着することによって形成された筒状体である。接着部分は、いわゆるシール部Cである。
かかる熱収縮性筒状ラベル1は、容器などの被着体に外装し、加熱することによって被着体に熱収縮装着される。
通常、熱収縮性筒状ラベル1は、
図1に示すように、被着体に装着する際には筒状に開かれる。もっとも、熱収縮性筒状ラベル1の製造時には、従来と同様に、扁平状に折り畳まれている(図示せず)。
なお、現実的な製造工程では、一般に、熱収縮性筒状ラベル1は、その複数が連続的に繋がった連続体であって扁平状に折り畳まれた連続体の形態で提供され、この連続体を適宜切断して個々の熱収縮性筒状ラベル1が得られ、容器に外装する直前に筒状に開かれる。
【0013】
[ラベル基材の概要]
図2は、裏面側から見たラベル基材を示し、ラベル基材を構成する各層の積層構造を判り易くするため、斜視図としている。
図3乃至
図5は、ラベル基材の断面図であるが、積層構造に変化のない中間部を省略している。
ラベル基材2は、
図2乃至
図5に示すように、表面側から順に、透明フィルム3と、接着層4と、不透明フィルム層5と、を有する。透明フィルム3には、デザイン印刷層6が設けられている。以下、デザイン印刷層6が設けられている透明フィルム3を「デザイン付き透明フィルム」という場合がある。ラベル基材2は、平面視略矩形状である。
前記透明フィルム3及び不透明フィルム層5は、それぞれ熱収縮性を有する。つまり、透明フィルム3は、それ自体が熱収縮性を有し、不透明フィルム層5は、熱収縮性を有するフィルム(以下、熱収縮性を有するフィルムを、「熱収縮性フィルム」という場合がある)を含んでいる。後述するように、不透明フィルム層5に含まれる熱収縮性フィルムは、不透明フィルムでもよく、透明フィルムでもよい。
ここで、本明細書において、「熱収縮性」は、熱収縮温度(例えば、60℃〜120℃)に加熱されると、少なくとも主延伸方向に収縮する性質をいう。
【0014】
さらに、本明細書において、「透明」は、ある層、フィルム又は部分の裏面側に、その裏面から1cm離れた箇所に、白地の紙に黒色インキで任意の数字(大きさ12ポイント)を印刷したものを配置し、前記ある層、フィルム又は部分を透かしてその数字を表面側から視認できる状態をいう。「透明」は、無色透明又は有色透明のいずれでもよい。本明細書において、「不透明」は、前記と同じ条件で裏面側に配置した数字を、前記ある層、フィルム又は部分を透かして表面側から視認できない状態(数字を認識できない状態)をいう。
透明(無色透明又は有色透明)の指標は、例えば、全光線透過率などを用いて表すことができる。透明(無色透明又は有色透明)の指標としては、例えば、全光線透過率が70%以上であり、好ましくは80%以上であり、より好ましくは90%以上である。ただし、全光線透過率は、透明である測定対象(透明フィルムである場合にはその透明フィルム自体が測定対象、透明印刷層である場合には、前記透明フィルムに透明印刷層を設けたものが測定対象、透明部である場合にはその透明部自体が測定対象)を、JIS K 7361(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法)に準拠した測定法によって測定される値をいう。
不透明の指標を前記全光線透過率で表すと、例えば、50%以下であり、好ましくは40%以下であり、より好ましくは30%以下である。不透明な全光線透過率は、不透明フィルム層である場合にはその不透明フィルム層自体が測定対象、不透明フィルムである場合にはその不透明フィルム自体が測定対象、不透明印刷層である場合には前記透明フィルムに不透明印刷層を設けたものが測定対象であり、それを用いてJIS K 7361に準拠して測定される。
【0015】
また、前記不透明フィルム層5は、(1)不透明フィルム(熱収縮性を有する不透明フィルム)のみから構成されていてもよく、(2)不透明フィルムと透明印刷層とから構成されていてもよく、(3)不透明フィルムと透明印刷層と不透明印刷層とから構成されていてもよく、(4)不透明フィルムと不透明印刷層とから構成されていてもよく、(5)透明フィルム(熱収縮性を有する透明フィルム)と透明印刷層と不透明印刷層とから構成されていてもよく、(6)透明フィルムと不透明印刷層とから構成されていてもよい。
ここで、本明細書において、「透明印刷層」は、インキを用いて従来公知の印刷法によって形成される無色透明又は有色透明の層をいい、「不透明印刷層」は、インキを用いて従来公知の印刷法によって形成される不透明な層をいう。
【0016】
<透明フィルム>
透明フィルムは、無色透明又は有色透明の柔軟な熱収縮性フィルムであり、好ましくは、無色透明の柔軟な熱収縮性フィルムである。
透明フィルムは、熱的性質の観点では、少なくとも横方向(主延伸方向)に主として熱収縮する熱収縮性フィルムが用いられ、縦方向に若干熱収縮又は熱伸長するフィルムを用いてもよい。ラベル基材を筒状にした際(つまり、ラベル基材を用いて熱収縮性筒状ラベルを形成した際)、前記透明フィルムの横方向は、熱収縮性筒状ラベルの周方向となる。かかる透明フィルムとしては、横方向に主として延伸された1軸延伸又は2軸延伸フィルムを用いることができる。
前記透明フィルムの横方向(主延伸方向)における熱収縮率は、特に限定されないが、好ましくは40%以上であり、より好ましくは50%以上であり、さらに好ましくは60%以上である。なお、前記横方向における熱収縮率は、大きいほど好ましいが、それにも自ずと限界があるため、前記横方向における熱収縮率は、理論上、100%未満であるが、通常、90%以下である。前記透明フィルムが縦方向に熱変化するフィルムである場合、その縦方向における熱収縮率は、例えば、−3〜15%であり、好ましくは1〜10%である。前記熱収縮率のマイナスは、熱伸長を意味する。
ただし、本明細書において、熱収縮率は、加熱前のフィルムの長さ(元の長さ)と、90℃の温水中に10秒間浸漬した後のフィルムの長さ(浸漬後の長さ)の割合であり、下記式に代入して求められる。
前記熱収縮率(%)=[{(横方向又は縦方向の元の長さ)−(横方向又は縦方向の浸漬後の長さ)}/(横方向又は縦方向の元の長さ)]×100。
【0017】
透明フィルムは、遮光性を有していなくてもよく、或いは、遮光性を有していてもよい。不透明フィルム層が遮光性を有さない場合、透明フィルムは、遮光性を有することが好ましい。遮光性の意味については、後述するので、それを参照されたい。
【0018】
前記透明フィルムは、材質の観点では、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィンなどのオレフィン系樹脂;ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体などのポリスチレン系樹脂;ポリアミド系樹脂;塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂から選ばれる1種、又は2種以上の混合物などが挙げられる。透明フィルムは、厚み方向における構造の観点では、単層フィルムでもよく、2層以上の樹脂層が積層接着された積層フィルムでもよい。
前記透明フィルムの厚みは、特に限定されないが、例えば20μm〜100μm、更に、20μm〜80μm程度のものを用いることができる。
【0019】
<デザイン印刷層>
デザイン印刷層は、主として加飾目的で設けられる。デザイン印刷層は、所望の文字、図形などの表示が1色又は2色以上の色彩で表された印刷層である。デザイン印刷層は、通常、文字などの表示が黒色などのカラーインキから形成されることが多く、一般には、不透明な部分と透明な部分が混在している。デザイン印刷層は、従来公知のカラーインキを、グラビア印刷法などの従来公知の印刷法を用いて単色刷り又は多色刷りすることによって形成できる。デザイン印刷層の厚みは、例えば、0.1μm〜5μmである。
【0020】
<接着層>
接着層は、デザイン付き透明フィルムと不透明フィルム層とを接合するために設けられる層である。従って、接着層は、デザイン付き透明フィルムと不透明フィルム層の間に介在される。
接着層は、従来公知の接着剤又は粘着剤を用いて形成できる。接着層を形成する接着剤又は粘着剤としては、特に限定されず、ドライラミネート用接着剤、ウェットラミネート用接着剤、感熱性接着剤、感熱性粘着剤、光線硬化型接着剤などが挙げられる。
接着層の厚みは、特に限定されず、例えば、10μm〜30μmである。
【0021】
<不透明フィルム>
不透明フィルムは、不透明の柔軟な熱収縮性フィルムである。
不透明フィルムは、熱的性質の観点では、少なくとも横方向(主延伸方向)に主として熱収縮する熱収縮性フィルムが用いられ、縦方向に若干熱収縮又は熱伸長するフィルムを用いてもよい。
前記不透明フィルムの横方向(主延伸方向)における熱収縮率は、特に限定されないが、好ましくは40%以上であり、より好ましくは50%以上であり、さらに好ましくは60%以上である。なお、前記横方向における熱収縮率は、大きいほど好ましいが、それにも自ずと限界があるため、前記横方向における熱収縮率は、理論上、100%未満であるが、通常、90%以下である。前記不透明フィルムが縦方向に熱変化するフィルムである場合、その縦方向における熱収縮率は、例えば、−3〜15%であり、好ましくは1〜10%である。前記熱収縮率のマイナスは、熱伸長を意味する。
【0022】
不透明フィルムの横方向及び縦方向における熱収縮率は、透明フィルムの横方向及び縦方向における熱収縮率と同じでもよく、或いは、それよりも小さい又は大きくてもよい。熱収縮性筒状ラベルの内外収縮差が生じ難くするために、不透明フィルムと透明フィルムの横方向における熱収縮率は、同程度であることが好ましい。例えば、不透明フィルムの横方向における熱収縮率と、透明フィルムの横方向における熱収縮率との差は、例えば、15%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。前記不透明フィルムの横方向における熱収縮率と、透明フィルムの横方向における熱収縮率との差は、|不透明フィルムの横方向における熱収縮率−透明フィルムの横方向における熱収縮率|で求められる。
なお、いずれのフィルムも縦方向に大きく熱変化しないが、熱収縮時の熱収縮性筒状ラベルの反り(熱収縮性筒状ラベルが外側にカールすること又は内側にカールすること)が生じると、熱収縮性筒状ラベルの上端部における装着外観が低下するおそれがある。そのため、不透明フィルムの縦方向における熱収縮率と、透明フィルムの縦方向における熱収縮率とは、略同一であることが好ましい。ここで、前記熱収縮率が略同一とは、例えば、不透明フィルムの縦方向における熱収縮率と、透明フィルムの縦方向における熱収縮率の差が、好ましくは5%以下(例えば、0〜5%)であり、より好ましくは3%以下(例えば、0〜3%)の範囲内にあることを意味する。
【0023】
不透明フィルムとしては、乳白フィルム、乳白以外の色彩を呈する着色フィルムなどが挙げられる。特に、不透明性や熱収縮性筒状ラベルのデザイン性の観点で、不透明フィルムとしては乳白フィルムが好ましい。
乳白フィルムは、白色を呈するフィルムである。乳白フィルムとしては、例えば、二酸化チタンなどの白色顔料を含む樹脂材料からなるフィルム、内部にボイドなどの無数の気泡が形成された樹脂フィルムなどが挙げられる。乳白以外の色彩を呈する着色フィルムとしては、白色顔料以外の着色剤を含む樹脂材料からなるフィルムが挙げられる。
不透明フィルムは、材質の観点では、特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィンなどのオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂;ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体などのポリスチレン系樹脂;ポリアミド系樹脂;塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂から選ばれる1種、又は2種以上の混合物などが挙げられる。不透明フィルムは、厚み方向における構造の観点では、単層フィルムでもよく、2層以上の樹脂層が積層接着された積層フィルムでもよい。前記積層フィルムにおいては、全ての樹脂層が不透明でもよく、或いは、少なくとも1つの樹脂層が不透明で且つ残りが透明な樹脂層であって全体として不透明であってもよい。
前記不透明フィルムの厚みは、特に限定されないが、例えば20μm〜100μm、更に、20μm〜80μm程度のものを用いることができる。
不透明フィルムは、遮光性を有していなくてもよく、或いは、遮光性を有していてもよい。
【0024】
<遮光性>
ここで、本明細書において、「遮光性」は、容器に充填された内容物の劣化を抑制するため、特定の波長の光(以下、特定光という)が侵入することを有意に防止できる性質をいう。前記有意に防止するとは、特定光を完全に遮断する場合、及び、特定光を完全に遮断しないが、内容物の劣化を十分に抑制できる程度に特定光を遮断する場合を含む意味である。
前記遮光性の指標を、例えば、光線透過率で表すと、遮光性の特定光における光線透過率は、例えば、5%以下であり、好ましくは3%以下であり、より好ましくは1%以下である。ただし、遮光性の光線透過率は、特定光の光線透過率であり、分光光度計で測定される特定光の透過率をいう。分光光度計としては、例えば、株式会社島津製作所製の紫外可視分光光度計「UV−2450」を使用できる。
特定光は、例えば、紫外線及び可視光線から選ばれる少なくとも1つである。
紫外線及び可視光線の区分けは、明確ではないが、本明細書では、波長400nm〜750nmを可視光線、波長200nm以上400nm未満を紫外線とする。
【0025】
特定光は、容器に充填された内容物に応じて適宜設定できる。
一般に、紫外線は、電磁波エネルギーが大きく、様々な化合物の分解を促進し易い。例えば、食品、飲料、化粧品などの内容物に含まれるビタミン類の多くは、一般に、波長500nm以下の光(紫外線及び可視光線の一部)によって劣化する。それ故、このような内容物の劣化を防止する観点における、遮光の特定光としては、波長550nm以下、好ましくは200nm〜550nm、より好ましくは200nm〜500nmである。かかる波長550nm以下の特定光は、紫外線と、紫、青及び緑の可視光線(可視光線の一部)と、からなる。
【0026】
ここで、透明と不透明とは、両立しない事項であり(例えば、ある層が透明である場合に、その層が不透明ということはない)、透明及び不透明と遮光(特定光が侵入することを有意に防止すること)とは、別個独立した事項である。両者が両立する場合としては、例えば、(a)透明且つ遮光性を有する場合、(b)不透明且つ遮光性を有する場合、(c)透明且つ遮光性を有さない場合、(d)不透明且つ遮光性を有さない場合が挙げられる。
従って、遮光性の観点では、上記透明フィルムとしては、遮光性を有する透明フィルム又は遮光性を有さない透明フィルムがあり、上記不透明フィルムとしては、遮光性を有する不透明フィルム又は遮光性を有さない不透明フィルムがあり、各種の印刷層(デザイン印刷層、不透明印刷層、透明印刷層)は、遮光性を有する印刷層又は遮光性を有さない印刷層がある。
【0027】
例えば、波長550nm以下の特定光に対する遮光性を有する透明フィルムとしては、茶色顔料、赤色顔料、黄色顔料及び橙色顔料から選ばれる少なくとも1つの顔料を含む透明フィルムなどが挙げられる。なお、前記茶色は赤茶色を含む(以下同じ)。
前記特定光に対する遮光性を有さない透明フィルムとしては、代表的には、顔料を含まない透明フィルムなどが挙げられる。
波長550nm以下の特定光に対する遮光性を有する不透明フィルムとしては、銀色顔料及び黒色顔料の何れか一方を含む不透明フィルム;銀色顔料及び黒色顔料の何れか一方と白色顔料とを含む不透明フィルム;銀色顔料及び黒色顔料の何れか一方を含み且つボイドなどの気泡を有する不透明フィルム;表裏面層の間に中間層を有する少なくとも3層構造の積層フィルムであって、表面層が白色顔料を含み且つ中間層が黒色顔料、赤色顔料、黄色顔料、橙色顔料、銀色顔料及び茶色顔料から選ばれる少なくとも1つの顔料を含む不透明フィルム;などが挙げられる。
前記特定光に対する遮光性を有さない不透明フィルムとしては、顔料を含まず且つボイドなどの気泡を有する白色を呈する不透明フィルムなどが挙げられる。
【0028】
また、波長550nm以下の特定光に対する遮光性を有する透明印刷層としては、茶色顔料、赤色顔料、黄色顔料及び橙色顔料から選ばれる少なくとも1つの顔料を含む透明印刷層などが挙げられる。
前記特定光に対する遮光性を有さない透明印刷層としては、代表的には、顔料を含まない印刷層が挙げられる。
波長550nm以下の特定光に対する遮光性を有する不透明印刷層としては、銀色顔料及び黒色顔料の何れか一方を含む不透明印刷層;黒色顔料、赤色顔料、黄色顔料、橙色顔料、銀色顔料及び茶色顔料から選ばれる少なくとも1つの顔料と白色顔料とを含む不透明印刷層;などが挙げられる。
前記特定光に対する遮光性を有さない不透明印刷層としては、白色顔料を含む白色を呈する不透明印刷層などが挙げられる。
前記各種顔料は、従来公知のものを用いることができる。
【0029】
<不透明印刷層>
不透明印刷層は、1色又は2色以上を塗り分けた無模様の不透明な印刷層である。
不透明印刷層は、白色、灰色、銀色、黒色、藍色などの任意の色彩を呈する。これらの任意の色彩を呈する不透明印刷層は、上述のように遮光性を有する場合もあれば、遮光性を有さない場合もある。
好ましくは、不透明印刷層は、白色、灰色、銀色及び黒色から選ばれる1色を呈する無模様の不透明な印刷層であり、好ましくは、白色を呈する無模様の印刷層である。
【0030】
白色を呈する不透明印刷層は、例えば、白色顔料(二酸化チタン、亜鉛華、炭酸カルシウム、クレー、アルミナホワイトなど)を含む白色インキを、従来公知の印刷法にてベタ状に印刷することによって形成できる。特に、白色を呈する不透明印刷層は二酸化チタンを含むものが好ましい。
灰色を呈する不透明印刷層は、黒色顔料(カーボンブラックなど)又は銀色顔料(粉末アルミニウムなど)と白色顔料を適量混合した顔料を含む灰色インキを、従来公知の印刷法にてベタ状に印刷することによって形成できる。特に、灰色を呈する不透明印刷層はカーボンブラックと二酸化チタンを含むものが好ましい。
銀色を呈する不透明印刷層は、銀色顔料(粉末アルミニウム、蒸着アルミニウムなど)を含む銀色インキを、従来公知の印刷法にてベタ状に印刷することによって形成できる。
黒色を呈する不透明印刷層は、黒色顔料を含む黒色インキを、従来公知の印刷法にてベタ状に印刷することによって形成できる。
顔料の含有量は顔料ごとに適宜設定されるが、例えば、白色顔料の場合、不透明印刷層の全体に対して40重量%以上であり、好ましくは50重量%以上であり、より好ましくは60重量%以上である。
不透明印刷層の厚みは、例えば、0.1μm〜5μmであり、好ましくは、0.5μm〜3μmである。
【0031】
<透明印刷層>
透明印刷層は、無色透明又は有色透明の印刷層であり、好ましくは、無色透明の印刷層である。無色透明の透明印刷層は、実質的に着色剤を含まないインキ(いわゆるメジウムインキ)を、従来公知の印刷法にてベタ状に印刷することによって形成できる。なお、実質的に着色剤を含まないとは、不可避的に含まれる程度の微量の着色剤の混入は許容され、有意な量の混入は除外されるという意味である。
透明印刷層の厚みは、例えば、0.5μm〜5μmである。
【0032】
<デザイン付き透明フィルム>
図2乃至
図5において、透明フィルム3は、平面視略矩形状に形成されている。透明フィルム3としては、上記<透明フィルム>の欄で説明したようなものが用いられる。
前記透明フィルム3には、デザイン印刷層6が設けられている。デザイン印刷層6は、透明フィルム3の裏面若しくは表面又は裏面及び表面に設けられる。傷付き防止の点から、デザイン印刷層6は、図示のように、好ましくは透明フィルム3の裏面に設けられる。なお、デザイン印刷層6を透明フィルム3の表面に設ける場合には、デザイン印刷層6を保護するために、そのデザイン印刷層6の表面に、透明な保護層(図示せず)が設けられる。なお、透明な保護層としては、上記透明印刷層を用いることができ、好ましくは、無色の透明印刷層である。また、デザイン印刷層6が透明印刷層の表面に設けられていない場合であっても、透明フィルム3の表面に前記透明な保護層を設けてもよい。
【0033】
デザイン印刷層6は、それに表す所望のデザインに応じて、透明な部分と不透明な部分を有する。例えば、デザイン印刷層6に表される文字などの表示は、通常、黒色などの濃い色彩のインキを用いて形成されることが多く、そのような表示は、不透明である場合が多い。さらに、前記表示以外についても、カラーインキを選択することにより、白色などの不透明印刷層と相乗してデザイン印刷層6の任意の箇所を不透明とすることができる。一方、不透明フィルム層5の色彩をデザイン印刷層6の背景色のようにするために、デザイン印刷層6は、前記表示の周りなどを透明な部分とすることが多い。前記デザイン印刷層6の透明な部分は、その部分にカラーインキを塗布しないことによって形成でき、或いは、その部分に実質的に着色剤を含まないインキ(いわゆるメジウムインキ)又は有色透明なカラーインキを塗布することによって形成できる。
このようなデザイン印刷層6の透明及び不透明は、インキなどの選択やインキの塗布範囲を適宜設定することにより形成できる。つまり、デザイン印刷層6は、概念上、不透明印刷層と透明印刷層が混在することによって構成されている。
【0034】
デザイン印刷層6は、透明フィルム3の全体に設けられておらず、透明フィルム3の一部分においてデザイン印刷層を有さない。図示例のように、デザイン印刷層6を透明フィルム3の裏面に設ける場合、透明フィルム3の第1側端部31のうち第1側縁近傍部311には、デザイン印刷層が設けられていない。また、透明フィルム3の第1側端部31のうち前記第1側縁近傍部311を除いた残部312の中央部には、デザイン印刷層6が設けられていない。この透明フィルム3の第1側端部31の残部312の中央部は、外側から内側を透視可能な透明部Aとなる。
【0035】
デザイン印刷層6のうち、前記透明部Aの少なくとも両側部61,62は、不透明な部分(つまり、不透明印刷層)とされている。この両側部61,62は、縦方向に延びる帯状である。デザイン印刷層6のうち、前記両側部の不透明な部分の一方(第1側縁近傍部311に隣接する方)を「第1デザイン不透明印刷層」といい、他方を「第2デザイン不透明印刷層」という。なお、
図2において、第1デザイン不透明印刷層及び第2デザイン不透明印刷層に、網掛けを付している。
なお、透明フィルム3の第1側端部31は、縦方向に帯状に延びる領域であり、後述するように、熱収縮性筒状ラベル1を形成する際に離反間隙を覆い且つ透明フィルム3の第2側端部に重ね合わせることができる程度の所望の横長さを有する。
前記第1側縁近傍部311及び残部312も、それぞれ縦方向に帯状に延びる領域であり、概念上、前記第1側端部31は、第1側縁近傍部311と残部312とからなる。
【0036】
前記透明フィルム3の第1側端部31の第1側縁近傍部311の横長さは、特に限定されないが、良好なシール部を形成するという観点から、例えば、2mm〜10mmである。
前記透明フィルム3の第1側端部31の残部312の横長さは、特に限定されないが、適切な横長さの透明部Aを確保するという観点から、例えば、3mm〜20mmである。
また、透明部Aの横長さは、特に限定されないが、透明部Aを通じて内容物を良好に透視できるという観点から、例えば、1mm〜8mmである。
第1デザイン不透明印刷層61及び第2デザイン不透明印刷層62の横長さは、特に限定されないが、それぞれ独立して、例えば、1mm〜10mmである。
【0037】
<不透明フィルム層>
図2乃至
図5において、不透明フィルム層5は、平面視略矩形状に形成されているが、透明フィルム3よりも横方向長さが若干小さい略矩形状である。例えば、不透明フィルム層5は、透明フィルム3の第1側端部31の横長さ相当分だけ透明フィルム3よりも小さい。
不透明フィルム層5は、上述の(1)乃至(6)の何れかで構成される。なお、上記(5)及び(6)のように、透明フィルムを用いて不透明フィルム層5を構成する場合には、その透明フィルムに少なくとも不透明印刷層が設けられる。なお、不透明フィルム層5に用いられる透明フィルムとしては、上記<透明フィルム>の欄に例示したようなものである。
好ましくは、不透明フィルム層5は、不透明フィルム7を含み、より好ましくは、不透明フィルム7を含み且つ遮光性を有する。不透明フィルム7としては、上記<不透明フィルム>の欄で説明したようなものが用いられ、好ましくは、熱収縮性を有する乳白フィルムが用いられる。
【0038】
乳白フィルムは、それ自体、不透明である。乳白フィルムを用いることにより、上記デザイン印刷層6の表示(不透明な部分)の周りから乳白フィルムの白色が外側から見えるようになって熱収縮性筒状ラベル1のデザイン性が向上する。特に、乳白フィルムは、透明フィルムに白色印刷層を設けたフィルムに比して、不透明性及び白さに優れており、デザイン印刷層6の表示が鮮明に見えるようになる。
不透明フィルム層5は、乳白フィルムのみから構成されていてもよく、乳白フィルムとその乳白フィルムに設けられた印刷層とを含む積層体でもよい。好ましくは、不透明フィルム層5は、乳白フィルムと、遮光性を有する印刷層と、を含む積層体から構成される。
乳白フィルムは不透明性に優れるので、その裏面に遮光性を有する印刷層を設けた場合であっても、乳白フィルムは、前記遮光性を有する印刷層の色彩を隠蔽する効果が高いため、デザイン性に優れる。
【0039】
詳しくは、不透明フィルム層5は、乳白フィルム(不透明フィルム7)と、乳白フィルムの裏面に設けられた、1つ又は2つ以上の遮光性を有する印刷層8と、から構成されている。好ましくは、不透明フィルム層5は、表面側から順に、乳白フィルム/遮光性を有する印刷層/不透明印刷層を有する積層構造であり、よりが好ましくは、乳白フィルム/黒色顔料を含み且つ遮光性を有する印刷層/白色の不透明印刷層を有する積層構造である。
図示例では、前記印刷層8が、2つの不透明印刷層81,82から構成されている。不透明印刷層81,82のうち、少なくとも一方は遮光性を有する。
不透明印刷層81,82としては、上記<不透明印刷層>の欄で説明したようなものを適宜用いることができるが、遮光効果が高いことから、不透明印刷層81,82は、それぞれ独立して、黒色顔料を含む印刷層、黒色顔料と白色顔料とを含む印刷層、赤色顔料と黄色顔料を含む印刷層、又は、赤色顔料と黒色顔料とを含む印刷層であることが好ましく、特に遮光性をより向上させるために、少なくとも黒色顔料を含む印刷層であることがより好ましい。
【0040】
図示例では、不透明フィルム7に、黒色顔料と白色顔料とを含む灰色の遮光性を有する不透明印刷層81と、白色顔料を含む白色の不透明印刷層82が少なくとも積層されている。前記黒色顔料と白色顔料とを含む灰色の不透明印刷層81と白色顔料を含む白色の不透明印刷層82の積層順序は、特に限定されないが、不透明フィルム7の裏面に灰色の不透明印刷層81を積層し、その不透明印刷層81の裏面に白色の不透明印刷層82を積層することが好ましい。灰色の不透明印刷層81の裏面に白色の不透明印刷層82を積層することにより、ラベル基材の内面の色彩が比較的明るくなり、透明部Aを通じて内容物を視認し易くなる。
また、不透明フィルム層5の最裏面に、透明印刷層を設けてもよい。この透明印刷層に、滑剤などを含有させることにより、不透明フィルム層5の最裏面に、滑り層(滑剤などを含む透明印刷層)を設けることができる。
【0041】
[ラベル基材の詳細]
ラベル基材2は、上記デザイン付き透明フィルムと、不透明フィルム層5と、を有し、前記デザイン付き透明フィルムと不透明フィルム層5とが接着層4を介して接着されることによって構成されている。
図2乃至
図5において、不透明フィルム層5は、透明フィルム3の第1側端部31を除いて、デザイン付き透明フィルムの裏面に重ねられている。不透明フィルム層5を基準にすると、透明フィルム3の第1側端部31は、不透明フィルム層5の第1側縁51aから延出されていると言える。
【0042】
また、透明フィルム3に設けられた第2デザイン不透明印刷層62は、不透明フィルム層5の第1側縁近傍部51に対応している。詳しくは、第2デザイン不透明印刷層62が不透明フィルム層5の第1側縁近傍部51を覆うように、第2デザイン不透明印刷層62を不透明フィルム層5の第1側縁近傍部51に対応させ、不透明フィルム層5がデザイン付き透明フィルムに重ねられている。
そして、前記重ね合わせた面のうち不透明フィルム層5の第1側縁近傍部51を除いて、デザイン付き透明フィルムの裏面(デザイン印刷層6の裏面)と不透明フィルム層5の表面とが接着層4を介して接着されている。従って、不透明フィルム層5の第1側縁51aが接着層4の第1側縁41aから延出されており、不透明フィルム層5の第1側縁近傍部51は、透明フィルム3に対して非接着とされた自由端部である。不透明フィルム層5の第1側縁近傍部51は、縦方向に帯状に延びている。
一方、透明フィルム3(デザイン付き透明フィルム)の第2側縁32aと接着層4の第2側縁と不透明フィルム層5の第2側縁は、一致している。
前記接着層4の第1側縁41aから延出された不透明フィルム層5の第1側縁近傍部51の横長さは、特に限定されないが、例えば、0.5mm〜5mmである。
かかるラベル基材2は、透明フィルム3と不透明フィルム層5との積層部分において不透明で且つ遮光性を有し、さらに、非積層部分において第1デザイン不透明印刷層61及び第2デザイン不透明印刷層62が設けられた部分は不透明である。また、ラベル基材2は、第1側端部近傍部311及び透明部Aにおいて透明である。
本発明のラベル基材2は、従来公知の方法で作製できる。例えば、公知の印刷法にてデザイン付き透明フィルム及び不透明フィルム層を準備し、これらを、特許文献1(特開2005−070739)の[0025]乃至[0028]に開示された方法などを用いて積層接着することによって、ラベル基材2を得ることができる。
【0043】
[熱収縮性筒状ラベルの詳細]
前記ラベル基材2を筒状にし且つ両側端部を重ねて接着することによって、
図1に示すような、熱収縮性筒状ラベル1が構成されている。
具体的には、
図6及び
図7にも示すように、ラベル基材2を筒状にし、透明フィルム3の第1デザイン不透明印刷層61が透明フィルム3の第2側縁32aに重なるように位置合わせして、透明フィルム3の第1側端部近傍部311の裏面を透明フィルム3の第2側端部32の表面に重ね合わせ、その重ね合わせ部位のうち、透明フィルム3の第1側端部近傍部311の裏面の全部又は横方向一部を透明フィルム3の第2側端部32の表面に接着する。なお、上述のように、ラベル基材2の第1側端部近傍部311は透明であるが、それが不透明な第2側端部32に重ね合わされて接着されることによって、その接着部分(シール部)は不透明となる。
第1側端部近傍部311の裏面と第2側端部32の表面との接着方法は、例えば、溶剤を用いた溶着、接着剤を用いた接着などが挙げられる。
【0044】
このようにして得られた熱収縮性筒状ラベル1は、
図7に示すように、筒状に形成したラベル基材2の重ね合わせ部位周辺において、不透明フィルム層5の第1側縁51aと第2側縁52aが離され、不透明フィルム層5の第1側縁51aと第2側縁52aの間に離反間隙Bを有する。透明フィルム3の第1側端部31は、前記離反間隙Bを覆い且つ前記透明フィルム3の第2側縁32aを越えて透明フィルム3の第2側端部32に重ねられて接着されている。
【0045】
詳しくは、不透明フィルム層5の第1側縁51aと第2側縁52aが接しないように、不透明フィルム層5の第1側縁51aと第2側縁52aの間に間隙(離反間隙B)を開け、ラベル基材2が筒状に形成されている。不透明フィルム層5の第1側縁51aから延出された透明フィルム3の第1側端部31は、前記離反間隙Bを覆い、さらに、透明フィルム3の第2側縁32aを越えて透明フィルム3の第2側端部32の表面に重ね合わされている。透明フィルム3の第1側端部31に設けられた透明部Aは、前記離反間隙Bに対応している。すなわち、透明フィルム3の第1側端部31のうち前記離反間隙Bを覆う領域に、透明部Aが設けられている。
また、透明フィルム3の第1デザイン不透明印刷層61は、透明フィルム3の第2側縁近傍部321に対応し、透明フィルム3の第2側縁近傍部321が第1デザイン不透明印刷層61によって覆われている。すなわち、ラベル基材2の重ね合わせ部位周辺において、透明フィルム3の第2側縁近傍部321に対応して、透明フィルム3に第1デザイン不透明印刷層61が設けられている。
そして、重ね合わされた透明フィルム3の第1側端部31と第2側端部32のうち、透明フィルム3の第2側縁近傍部321を除いて、第1側端部31の裏面が第2側端部32の表面に接着されている。図示例では、透明フィルム3の第1側縁近傍部311の裏面(透明フィルム3の露出面)が透明フィルム3の第2側端部32の表面(透明フィルム3の露出面)に接着されている。この接着部分がシール部Cである。また、透明フィルム3の第2側縁近傍部321及びこれに対面する不透明フィルム層5の第2側縁近傍部52は、透明フィルム3の第1側端部31に非接着とされた、自由端部である。
【0046】
かかる熱収縮性筒状ラベル1は、透明部Aを通じて内側を透視することができる。また、重ね合わせ部位周辺において、不透明フィルム層5の第1側縁近傍部51は、透明フィルム3の第2デザイン不透明印刷層62に覆われているので、外側から見えず、同様に、透明フィルム3の第2側縁近傍部321及び不透明フィルム層5の第2側縁近傍部52は、透明フィルム3の第1デザイン不透明印刷層61に覆われているので、外側から見えないようになっている。
【0047】
[ラベル付き容器]
本発明の熱収縮性筒状ラベル1は、被着体に装着して使用される。
被着体としては、特に限定されないが、代表的には、内容物が充填された容器などが挙げられる。容器に熱収縮性筒状ラベル1を外装し且つ加熱することによって、熱収縮性筒状ラベル1が熱収縮して容器に密着し、熱収縮性筒状ラベル1が容器に装着されたラベル付き容器が得られる。
好ましくは、熱収縮性筒状ラベル1は、透明な部分を有する容器に装着される。前記容器は、その略全体が透明であってもよく、一部分が透明で且つ一部分が不透明であってもよい。かかる容器の透明な部分の一部に被さらず且つ透明部Aが容器の透明な部分に被さるようにして熱収縮性筒状ラベルが容器に装着される。
【0048】
例えば、容器9は、従来公知のものを採用でき、例えば、
図8に示すように、胴部91と、胴部91の上方に形成された肩部92と、肩部92の上方に設けられた注出口(図示せず)と、注出口を開閉する蓋部93と、を有する。
透明部Aにて容器9内の内容物を視認できるようにするため、容器9の少なくとも胴部91及び肩部92は、透明である。
容器9は、その材質の観点において特に限定されず、合成樹脂、ガラスなどが挙げられる。
容器9に充填される内容物は、特に限定されず、化粧品、医薬品、ジュースなどの飲料、食用油や醤油などの調味料、食品、液体洗剤や詰替え用シャンプーなどのサニタリー品などが挙げられる。
【0049】
図8(a)に示すラベル付き容器10は、熱収縮性筒状ラベル1が透明な肩部92の上部に被さらないようにして装着されている。かかるラベル付き容器10は、透明な胴部91及び肩部92の下部に熱収縮性筒状ラベル1が装着されており、その胴部91及び肩部92の下部が熱収縮性筒状ラベル1によって覆われている。
同図(b)に示すラベル付き容器10は、胴部91の中途が縮径した容器9に熱収縮性筒状ラベル1が装着されている点で、同図(a)のラベル付き容器10と異なっている。
同図(c)に示すラベル付き容器10は、熱収縮性筒状ラベル1が透明な胴部91及び肩部92に被さり、さらに、蓋部93に被さって装着されている。かかるラベル付き容器10は、その胴部91及び肩部92が熱収縮性筒状ラベル1によって覆われている。同図(c)のラベル付き容器10において、熱収縮性筒状ラベルの面内に、開封用のミシン目線Bを周方向に設けてもよい。かかるミシン目線Bを肩部92に対応する位置に設けることにより、そのミシン目線Bを利用して熱収縮性筒状ラベル1を分断し、ミシン目線Bの上方部を容易に除去できる。かかるラベル付き容器10は、透明な容器9のほとんどを熱収縮性筒状ラベル1に遮光でき、また、必要に応じて、ミシン目線Bを利用して上方部を除去することにより、透明部Aから内容物が見え易くなる。
なお、何れの態様においても、熱収縮性筒状ラベル1は、透明部Aが透明な胴部91に重なるようにして装着されている。
【0050】
本発明の熱収縮性筒状ラベル1は、熱収縮性を有する透明フィルム3と熱収縮性を有する不透明フィルム層5の積層構造からなるラベル基材2を用いているため、不透明性に優れ、熱収縮後の外観にも優れている。
本発明の熱収縮性筒状ラベル1は、透明部Aを有するので、ラベル付き容器10において、その透明部Aを通じて容器9内の内容物を透視することができる。特に、透明な肩部92の上部に熱収縮性筒状ラベル1が被さらないように、熱収縮性筒状ラベル1が装着されているラベル付き容器10にあっては、その肩部92の上部から容器9内に光が入るので、前記透明部Aから内容物が見え易くなる。
また、遮光性を有する不透明フィルム層5(又は透明フィルム3)を含むラベル基材2から熱収縮性筒状ラベル1が構成されている場合には、内容物の劣化を効果的に抑制できる。
【0051】
さらに、熱収縮性筒状ラベル1を熱収縮させた際には、自由端部である透明フィルム3の第2側縁近傍部321及び不透明フィルム層5の第2側縁近傍部52(ラベル基材2の第2側縁近傍部)が収縮し、この近傍部321,52が僅かに歪む又は分厚くなる。この点、透明フィルム3の第2側縁近傍部321及び不透明フィルム層5の第2側縁近傍部52が透明フィルム3の第1デザイン不透明印刷層61に覆われているので、熱収縮性筒状ラベル1が熱収縮した後も、その近傍部321,52が第1デザイン不透明印刷層61によって隠蔽される。
同様に、熱収縮性筒状ラベル1を熱収縮させた際には、自由端部である不透明フィルム層5の第1側縁近傍部51が僅かに歪む又は分厚くなるが、不透明フィルム層5の第1側縁近傍部51が透明フィルム3の第2デザイン不透明印刷層62に覆われているので、熱収縮性筒状ラベル1が熱収縮した後も、その近傍部が第2デザイン不透明印刷層62によって隠蔽される。
このため、前記歪む又は分厚くなった部分が外側から見え難く、全体的な装着外観に優れたラベル付き容器10を提供できる。
【0052】
本発明の熱収縮性筒状ラベルは、上記実施形態に限られず、本発明の意図する範囲で様々に変更できる。以下、他の実施形態を説明するが、その説明に於いては、主として上記実施形態と異なる構成及び効果について説明し、同様の構成などについては、用語又は符号をそのまま援用し、その構成の説明を省略する場合がある。
【0053】
上記実施形態では、透明部Aはデザイン印刷層が設けられていない透明フィルム3の一部分から構成されているが、その透明部Aを通じて内側を視認するという目的を達成できる範囲で、透明部Aを構成する透明フィルム3の一部分に、デザイン印刷層が設けられていてもよい。この透明部Aに設けられるデザイン印刷層の表示としては、例えば、目盛りや注意書きなどが挙げられる。
また、透明部Aを構成する透明フィルム3の一部分に、遮光性を有する透明印刷層を設けてもよい。かかる透明印刷層を設けることにより、透明部Aにも遮光性が付与され、全体が遮光性を有する熱収縮性筒状ラベル1を構成できる。遮光性を有する透明印刷層としては、例えば、上述のようなものが挙げられる。
【0054】
また、上記実施形態においては、透明フィルム3の第2側縁と接着層4の第2側縁と不透明フィルム層5の第2側縁が一致しているが、例えば、
図9(a)に示すように、透明フィルム3の第2側縁32a及び不透明フィルム層5の第2側縁52aが、接着層4の第2側縁42aから延出されているラベル基材2を用いて熱収縮性筒状ラベル1を形成してもよい。また、同図(b)に示すように、透明フィルム3の第2側縁32aが透明フィルム層5の第2側縁52aから延出されているラベル基材2を用いて熱収縮性筒状ラベル1を形成してもよい。かかる変形例のラベル基材2を用いた場合でも、第1デザイン不透明印刷層61によって第2側縁近傍部52が隠蔽されるように筒状に形成し、熱収縮性筒状ラベル1を構成することが好ましい。
【0055】
さらに、上記実施形態においては、縦方向において、デザイン印刷層6は透明フィルム3の上縁及び下縁にまで設けられているが、これに限定されず、例えば、
図10に示すように、デザイン印刷層6が透明フィルム3の上縁33a及び下縁34aにまで設けられていないラベル基材2を用いて熱収縮性筒状ラベル1を形成してもよい。この場合、透明フィルム3の上縁近傍部33及び下縁近傍部34は、横方向全体に亘って透明となる。かかるラベル基材2を用いることにより、上縁近傍部及び下縁近傍部に帯環状の透明部を有する熱収縮性筒状ラベル1を形成できる。
【0056】
また、上記実施形態において、透明フィルム3にデザイン印刷層6が設けられているが、透明フィルム3にデザイン印刷層を設けずに、不透明フィルム7の表面にデザイン印刷層6を設けてもよい。或いは、透明フィルム3及び不透明フィルム7の双方にデザイン印刷層6を設けてもよい。デザイン印刷層6を不透明フィルム7に設けた場合でも、透明フィルム3の裏面に不透明フィルム層5を積層した際に、不透明フィルム7に設けられたデザイン印刷層6の表示が外側から視認できるようになる。