特許第6622350号(P6622350)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6622350
(24)【登録日】2019年11月29日
(45)【発行日】2019年12月18日
(54)【発明の名称】防塵フード
(51)【国際特許分類】
   A42B 1/04 20060101AFI20191209BHJP
   A42B 1/00 20060101ALI20191209BHJP
   A41D 13/05 20060101ALI20191209BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20191209BHJP
【FI】
   A42B1/04 A
   A42B1/04 Z
   A42B1/00 Z
   A41D13/05
   A42B1/04 J
   A41D13/11 G
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-80402(P2018-80402)
(22)【出願日】2018年4月19日
(65)【公開番号】特開2019-189954(P2019-189954A)
(43)【公開日】2019年10月31日
【審査請求日】2018年8月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】591145483
【氏名又は名称】原田産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(74)【代理人】
【識別番号】100069578
【弁理士】
【氏名又は名称】藤川 忠司
(72)【発明者】
【氏名】平方 大輔
【審査官】 住永 知毅
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−157640(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3157830(JP,U)
【文献】 特開2003−049312(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3048795(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3183837(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A42B1/00
A42B1/04
A41D13/11
A41D13/05
A62B18/02
A62B17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の頭部及び頸部を覆うフード本体と、
前記フード本体に設けられ、前記着用者の顔面が露出する開口部と、
前記着用者の顔面を視認可能に前記開口部を被覆するシールドと、
前記シールドを前記開口部に密閉する密閉手段と、を備え、
前記開口部の内形が、縦長楕円形状となるように形成され、
前記シールドの外形が、横長楕円形状となるように形成され、
前記開口部の内周部の内周の長さが、前記シールドの外周部の外周の長さと同一であって、前記シールドの外幅が、前記開口部の内幅よりも大きくなるように形成されてなる防塵フード。
【請求項2】
前記密閉手段は、前記開口部の内周部及び前記シールドの外周部に設けられる線ファスナからなる請求項1に記載の防塵フード。
【請求項3】
前記開口部の周囲に設けられ、前記フード本体の外部空間と内部空間とを通気する通気手段をさらに備えてなる請求項1又は2に記載の防塵フード。
【請求項4】
前記通気手段は、前記開口部の両側部に設けられ、該両側部にわたって前記フード本体の外部空間と内部空間とを通気してなる請求項3に記載の防塵フード。
【請求項5】
前記通気手段は、前記フード本体の外部空間と内部空間とを通気するメッシュ状布と、該メッシュ状布を開閉可能なカバー布と、を有してなる請求項3又は4に記載の防塵フード。
【請求項6】
前記シールドは、上部に通気用の貫通孔が形成されてなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の防塵フード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品、医薬品等を製造する工場、半導体等を製造するクリーンルーム等で使用される防塵フードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の防塵フードは、主に、食品、医薬品等を製造する工場、あるいは、半導体等を製造するクリーンルーム等で作業する作業者等の着用者が防塵のために着用するものである。この種の防塵フードは、例えば、着用者の頭部及び頸部を被覆するフード本体と、フード本体に設けられ着用者の顔面が露出する視界確保用開口部と、着用者の顔面を視認可能に視界確保用開口部を被覆するシールドと、シールドの上端部とフード本体との間に形成されフード本体の外部空間(クリーンルーム等)と内部空間とを通気する空気流入用開口部と、を備えているものが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5978016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の防塵フードでは、空気流入用開口部を介してフード本体の外部空間(クリーンルーム等)と内部空間とを通気するから、例えば、フード本体の内部空間から外部空間に向けて通気するとき、着用者の頭髪、着用者の頭部及び頸部に付着した塵埃等の異物が、空気流入用開口部を介して、フード本体の内部空間から外部空間(クリーンルーム等)に飛散する可能性があるという問題があった。
【0005】
さらに、上記従来の防塵フードでは、着用者の頭髪、塵埃等の異物が、外部空間(クリーンルーム等)に飛散し難くするために、防塵フードを着用する前に、着用者の頭部及び頸部に密着可能なインナーキャップ、インナーマスク等を着用する必要がある。そのため、インナーキャップ、インナーマスク等を着用し、さらに、防塵フードを着用しなければならないといった煩わしさがあるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上述の事情に鑑みて、着用者の頭髪、塵埃等の異物がフード本体の内部空間から外部空間に飛散する事態を低減することができるとともに、容易に着用することができる防塵フードを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0008】
請求項1の発明に係る防塵フード(1)は、着用者(10)の頭部(11)及び頸部(12)を覆うフード本体(2)と、前記フード本体(2)に設けられ、前記着用者(10)の顔面(14)が露出する開口部(3)と、前記着用者(10)の顔面(14)を視認可能に前記開口部(3)を被覆するシールド(4)と、前記シールド(4)を前記開口部(3)に密閉する密閉手段(5)と、を備え、前記開口部(3)の内形が、縦長楕円形状となるように形成され、前記シールド(4)の外形が、横長楕円形状となるように形成され、前記開口部(3)の内周部(3a)の内周の長さが、前記シールド(4)の外周部(4b)の外周の長さと同一であって、前記シールド(4)の外幅が、前記開口部(3)の内幅よりも大きくなるように形成されてなることを特徴としている。
【0009】
請求項2の発明に係る防塵フード(1)は、上記請求項1の防塵フード(1)において、前記密閉手段(5)は、前記開口部(3)の内周部(3a)及び前記シールド(4)の外周部(4b)に設けられる線ファスナからなることを特徴としている。
【0010】
請求項3の発明に係る防塵フード(1)は、上記請求項1又は2の防塵フード(1)において、前記開口部(3)の周囲に設けられ、前記フード本体(2)の外部空間(A)と内部空間(B)とを通気する通気手段(6)をさらに備えてなることを特徴としている。
【0011】
請求項4の発明に係る防塵フード(1)は、上記請求項3の防塵フード(1)において、前記通気手段(6)は、前記開口部(3)の両側部に設けられ、該両側部にわたって前記フード本体(2)の外部空間(A)と内部空間(B)とを通気してなることを特徴としている。
【0012】
請求項5の発明に係る防塵フード(1)は、上記請求項3又は4に記載の防塵フード(1)において、前記通気手段(6)は、前記フード本体(2)の外部空間(A)と内部空間(B)とを通気するメッシュ状布(21)と、該メッシュ状布(21)を開閉可能なカバー布(23)と、を有してなることを特徴としている。
【0013】
請求項6の発明に係る防塵フード(1)は、上記請求項1〜5のいずれか1項に記載の防塵フード(1)において、前記シールド(4)は、上部に通気用の貫通孔(4c)が形成されてなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0016】
請求項1の発明によれば、防塵フード(1)が、シールド(4)を開口部(3)に密閉する密閉手段(5)を備えているから、密閉手段(5)がシールド(4)を開口部(3)に密閉することによって、フード本体(2)の内部空間(B)が密閉されることとなる。これにより、着用者(10)の頭髪、塵埃等の異物がフード本体(2)の内部空間(B)から外部空間(A)に飛散する事態を低減することができる。そしてさらに、従来のように防塵フード(1)を着用する前に、着用者(10)の頭部(11)及び頸部(12)に密着可能なインナーキャップ、インナーマスク等を着用する必要がなくなるから、防塵フード(1)を容易に着用することができる。さらに、請求項1の発明によれば、開口部(3)の内形が、縦長楕円形状となるように形成され、シールド(4)の外形が、横長楕円形状となるように形成され、開口部(3)の内周部(3a)の内周の長さが、シールド(4)の外周部(4b)の外周の長さと同一であって、シールド(4)の外幅が、開口部(3)の内幅よりも大きくなるように形成されているから、横長楕円形状となるシールド(4)を縦長楕円形状となる開口部(3)に密閉したとき、シールド(4)の左右方向の中央部が前方に突出するように曲線状に撓んで湾曲した状態で、開口部(3)にシールド(4)が装着されることとなる。これに伴って、開口部(3)の左右方向の中央部に隣接するフード本体(2)が前方に伸びて突出することとなり、もって、フード本体(2)及びシールド(4)と着用者(10)の顔面(14)との間に内部空間(B)が形成されることとなる。これにより、例えば、着用者(10)が眼鏡を着用した状態であっても、内部空間(B)に眼鏡が収容されることとなるから、着用者(10)が着用した眼鏡が、フード本体(2)及びシールド(4)に接触することがなくなり、もって、防塵フード(1)を快適に着用することができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、密閉手段(5)が、開口部(3)の内周部(3a)及びシールド(4)の外周部(4b)に設けられる線ファスナであるから、シールド(4)が開口部(3)に着脱容易となる。これにより、防塵フード(1)をさらに容易に着用することができる。
【0018】
請求項3の発明によれば、防塵フード(1)が、フード本体(2)の外部空間(A)と内部空間(B)とを通気する通気手段(6)をさらに備えているから、密閉手段(5)がシールド(4)を開口部(3)に密閉した状態であっても、通気手段(6)が外部空間(A)と内部空間(B)とを通気することによって、着用者(10)の頭髪、塵埃等の異物がフード本体(2)の内部空間(B)から外部空間(A)に飛散する事態を低減しながら、着用者(10)が息苦しくなるといった不具合を解消することができる。
【0019】
請求項4の発明によれば、通気手段(6)が、開口部(3)の両側部に設けられ、両側部にわたってフード本体(2)の外部空間(A)と内部空間(B)とを通気するから、例えば、左側部の通気手段(6)がフード本体(2)の外部空間(A)と内部空間(B)とを通気し、右側部の通気手段(6)がフード本体(2)の内部空間(B)と外部空間(A)とを通気することによって、左側部の通気手段(6)から右側部の通気手段(6)にわたってフード本体(2)の外部空間(A)と内部空間(B)とを通気することとなる。これにより、フード本体(2)の内部空間(B)に空気が滞留することがなくなるから、防塵フード(1)を快適に着用することができる。
【0020】
請求項5の発明によれば、通気手段(6)が、フード本体(2)の外部空間(A)と内部空間(B)とを通気するメッシュ状布(21)と、メッシュ状布(21)を開閉可能なカバー布(23)と、を有しているから、例えば、着用者(10)の頭髪、塵埃等の異物が通過不能な目開き(網目の大きさ)となるメッシュ状布(21)を設けることによって、着用者(10)の頭髪、塵埃等の異物がフード本体(2)の内部空間(B)から外部空間(A)に飛散する事態を低減しながら、着用者(10)が息苦しくなるといった不具合を解消することができる。そしてさらには、通常時にはカバー布(23)によりメッシュ状布(21)を閉塞し、息苦しいときにはカバー布(23)によりメッシュ状布(21)を開放することができるから、フード本体(2)の外部空間(A)と内部空間(B)との通気量を適切に調整することができる。これにより、防塵フード(1)をさらに快適に着用することができる。
【0021】
請求項6の発明によれば、シールド(4)の上部に通気用の貫通孔(4c)が形成されているから、例えば、着用者(10)の頭髪、塵埃等の異物が通過しないように非常に小径となる通気用の貫通孔(4c)をシールド(4)の上部に設けることによって、フード本体(2)の内部空間(B)の上側から下側に落下し、内部空間(B)の下側に蓄積される着用者(10)の頭髪、塵埃等の異物と離間した位置に通気用の貫通孔(4c)が設けられることとなる。これにより、着用者(10)の頭髪、塵埃等の異物がフード本体(2)の内部空間(B)から外部空間(A)に飛散する事態を低減しながら、着用者(10)が息苦しくなるといった不具合を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る防塵フードを例示する正面図である。
図2】同実施形態に係る防塵フードのフード本体を例示する左側面図である。
図3】同実施形態に係る防塵フードのシールドを例示する正面図である。
図4】同実施形態に係る防塵フードの使用状態を例示する右側面図である。
図5】同実施形態に係る防塵フードの通気手段を例示し、(a)は、カバー布を閉じた状態を例示し、(b)は、カバー布を開いた状態を例示する正面図である。
図6】同実施形態に係る防塵フードの通気手段を例示し、(a)は、カバー布を閉じた状態を例示し、(b)は、カバー布を開いた状態を例示する横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明に係る防塵フードの一実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0025】
図1図4に示すように、防塵フード1は、主に、食品、医薬品等を製造する工場、あるいは、半導体等を製造するクリーンルーム等で作業する作業者等の着用者10(図4参照)が防塵のために着用するものであって、主に、着用者10の頭髪、着用者10の頭部11(図4参照)及び頸部12(図4参照)に付着した塵埃等の異物の飛散を防止するものである。
【0026】
かくして、このような防塵フード1は、図1図4に示すように、フード本体2と、開口部3と、シールド4と、密閉手段5と、通気手段6と、眉被覆部7と、フードスカート8と、調整手段9a,9bと、を備えてなるものである。
【0027】
フード本体2は、図4に示すように、着用者10の頭部11及び頸部12の全体を覆う伸縮性を有する布地からなるものである。このような布地としては、例えば、ポリウレタン、ポリエステル等の化学繊維からなる肌触りの良好な布地が例示される。
【0028】
一方、このフード本体2は、通気可能であり、着用者10の頭髪、着用者10の頭部11及び頸部12に付着した塵埃等の異物がフード本体2の内部空間Bから外部空間Aに通過しないように、非常に細かく編まれている。そしてさらに、このフード本体2は、着用時において着用者10の頭部11及び頸部12の全体を覆うように、頭部11側が底部となるとともに、頸部12側が開口部となる円筒形状の内部空間Bを有する袋状をなしている。
【0029】
しかして、このようなフード本体2は、図1図2図4に示すように、中央部に縦長楕円形状となる開口部3が形成され、着用者10の頭部11及び頸部12の前部を覆う矩形状の前面フード布2aと、前面フード布2aの両側部に縫い付けられ、頭部11及び頸部12の後部を覆う矩形状の後面フード布2bと、前面フード布2a及び後面フード布2bの上部に縫い付けられ、頭部11の上部を覆う円形状の上面フード布2cと、を有している。この前面フード布2a、後面フード布2b、上面フード布2cは、それぞれ、縫製糸によって縫い付けられている。これにより、上面フード布2cが円形の底部となり、前面フード布2a及び後面フード布2bが矩形状の側部となることによって、フード本体2が円筒形状の内部空間Bを有する袋状に形成されることとなる。
【0030】
開口部3は、図1及び図2に示すように、フード本体2の前面フード布2aの中央部に形成され、着用者10の顔面14が露出するように、正面視で縦長楕円形状となる開口部である。より具体的に説明すると、この開口部3は、図4に示すように、着用者10の顔面14のうち、少なくとも、眼、鼻、口が露出する大きさとなるように形成されるものである。
【0031】
しかして、このような開口部3は、図1及び図2に示すように、開口部3の周縁部に沿うように前面フード布2aに縫い付けられ、密閉手段5のフード側ファスナ5aを縫い付けるために内周側に突出する内周部3aを有している。この内周部3aは、内周側に正面視で縦長楕円形状となる開口部を有するドーナツ形状のものであって、伸縮性を有する布地からなるものである。この布地としては、例えば、ポリエステル繊維をトリコット等の経編よって編まれた編物が例示される。例えば、フード本体2の布地と異なる布地から形成されるものである。
【0032】
シールド4は、図4に示すように、着用者10の顔面14を視認可能(着用者10が外部空間B(図6参照)を視認可能)に開口部3の全部を被覆する透明樹脂又は半透明樹脂からなる保護部である。
【0033】
しかして、このようなシールド4は、図3に示すように、横長楕円形状となる透明樹脂製のシールド本体4aと、シールド本体4aの周縁部に沿うように縫い付けられ、密閉手段5のシールド側ファスナ5bを縫い付けるために外周側に突出する外周部4bと、を有している。このシールド本体4aは、表面に防曇処理が施され、上部に通気用の貫通孔4c(エアホール)が形成されている。そしてさらに、このシールド本体4aは、キャブロイド(登録商標、太平化学製品株式会社製)などのCAP(セルロースアセテートプロピオネート)、CAB(セルロースアセテートブチレート)等のセルロース系の繊維素系樹脂からなる透明樹脂シートであって、透明性及び可撓性を有するように形成されている。なお、通気用の貫通孔4cは、図3に示すように、外周部4bの内周に沿うように複数個(例えば、32個)設けられ、それぞれが等間隔となるように千鳥配置されている。また、通気用の貫通孔4cは、通気可能であり、着用者10の頭髪、着用者10の頭部11及び頸部12に付着した塵埃等の異物がフード本体2の内部空間Bから外部空間Aに通過しないように非常に小径となるように形成されている。なお、本実施形態においては、通気用の貫通孔4cがシールド4の上部に形成されている例を示したが、下部に形成されていても良い。しかしながら、通気用の貫通孔4cがシールド4の上部に形成した方が好ましい。フード本体2の内部空間Bの上側から下側に落下し、内部空間Bの下側に蓄積される着用者10の頭髪、塵埃等の異物と離間した位置に通気用の貫通孔4cが設けられることとなるから、着用者10の頭髪、塵埃等の異物がフード本体2の内部空間Bから外部空間Aに飛散する事態を低減しながら、着用者10が息苦しくなるといった不具合を解消することができるためである。
【0034】
一方、外周部4bは、内周側に正面視で横長楕円形状となる開口部を有するドーナツ形状のものであって、伸縮性を有する布地からなるものである。この布地としては、例えば、ポリエステル繊維をトリコット等の経編よって編まれた編物が例示される。例えば、開口部3の内周部3aの布地と同一の布地から形成されるものである。
【0035】
なお、シールド本体4aの外形は、外周部4bの内周側の開口部よりもやや大きくなるように形成されている。また、シールド本体4a及び外周部4bは、シールド本体4aの外形が外周部4bと重なる部分において縫い付けられている。これにより、正面視で横長楕円形状となるステッチ4d(縫い目)が形成されることとなる。
【0036】
密閉手段5は、図4に示すように、シールド4を開口部3に着脱自在に密閉するものであって、図1図4に示すように、開口部3の内周部3a及びシールド4の外周部4bに設けられる線ファスナ(ジッパー、チャック)である。より詳しくは、シールド4を開口部3から完全に取り外すことが可能なオープンファスナ(開製品)であって、樹脂ファスナ(コイルファスナ)又はプラスチックファスナ(射出成型ファスナ)である。
【0037】
しかして、このような密閉手段5は、図1及び図2に示すように、開口部3の内周部3aに縫い付けられるフード側ファスナ5aと、図3に示すように、シールド4の外周部4bに縫い付けられるシールド側ファスナ5bと、図3及び図4に示すように、フード側ファスナ5aとシールド側ファスナ5bとを開閉自在に連結するスライダ5cと、を有している。このフード側ファスナ5aは、図1に示すように、開口部3の内周部3aに縫い付けられ、正面視で縦長楕円形状となるテープ及びエレメント(務歯)と、エレメントの上端部に設けられたインサートピン(蝶棒)と、から構成されている。
【0038】
一方、シールド側ファスナ5bは、図3に示すように、シールド4の外周部4bに縫い付けられ、正面視で横長楕円形状となるテープ及びエレメントと、エレメントの上端部に設けられたインサートピンと、から構成されている。
【0039】
また、スライダ5cは、図3に示すように、シールド側ファスナ5bのインサートピンに予め挿入され、シールド側ファスナ5bのエレメントから離脱不能であるとともに、図4に示すように、フード側ファスナ5aのインサートピンに挿入してスライドさせることによって、シールド側ファスナ5bのエレメントとフード側ファスナ5aのエレメントとを係脱して開閉する胴体と、胴体を引っ張りスライドさせる引手と、から構成されている。
【0040】
かくして、上記のように構成される密閉手段5は、図4に示すように、シールド側ファスナ5bのインサートピンがフード側ファスナ5aのインサートピンに隣接するように、開口部3にシールド4を装着し、フード側ファスナ5aのインサートピンにスライダ5cの胴体を挿入し、スライダ5cの引手を時計回りの方向に引っ張ることによって、シールド側ファスナ5bのエレメントとフード側ファスナ5aのエレメントとが係合し、もって、開口部3にシールド4が密着することとなる。逆に、開口部3にシールド4が密着した状態で、スライダ5cの引手を反時計回りの方向に引っ張ると、シールド側ファスナ5bのエレメントとフード側ファスナ5aのエレメントとが離脱し、フード側ファスナ5aのインサートピンからスライダ5cの胴体を抜脱することとなり、もって、開口部3からシールド4を完全に取り外すことができることとなる。
【0041】
しかして、このように密閉手段5を、開口部3の内周部3a及びシールド4の外周部4bに設けられる線ファスナにて構成することによって、シールド4が開口部3に着脱容易となるから、防塵フード1を容易に着用することができる。また、線ファスナは、面ファスナと比較して、着用者10の頭髪、塵埃等の異物を噛み込むことがないから、着用者10の頭髪、塵埃等の異物がフード本体2の内部空間B(図6参照)から外部空間A(図6参照)に飛散する事態を低減することができる。さらに、線ファスナは、スナップボタンと比較して、シールド4を開口部3に隙間なく密閉することができるから、着用者10の頭髪、塵埃等の異物がフード本体2の内部空間B(図6参照)から外部空間A(図6参照)に飛散する事態を低減することができる。
【0042】
一方、本実施形態によれば、フード側ファスナ5a及びシールド側ファスナ5bのインサートピンが、フード側ファスナ5a及びシールド側ファスナ5bのエレメントの上端部に設けられているから、密閉手段5によってシールド4を開口部3に密閉したとき、スライダ5cがフード側ファスナ5a及びシールド側ファスナ5bのエレメントの上端部に位置することになる。このため、スライダ5cの開閉操作が容易になるから、シールド4を開口部3に隙間なく密閉することができ、もって、着用者10の頭髪、塵埃等の異物がフード本体2の内部空間B(図6参照)から外部空間A(図6参照)に飛散する事態を低減することができる。
【0043】
また一方、密閉手段5は、オープンファスナで構成されているから、開口部3からシールド4を完全に着脱することができる。これにより、例えば、シールド4が汚れたり、破損したりした場合であっても、シールド4のみを交換すればよいから、フード本体2を再利用することができる。
【0044】
ところで、上記のように構成される密閉手段5は、フード側ファスナ5aの長さ(内周の長さ)が、シールド側ファスナ5bの長さ(外周の長さ)と同一であって、シールド側ファスナ5b外幅(左右の長さ)が、フード側ファスナ5aの内幅(左右の長さ)よりも大きくなるように形成されている。すなわち、フード側ファスナ5aの内形は、図1に示すように、縦長楕円形状となるように形成され、シールド側ファスナ5bの外形は、図3に示すように、横長楕円形状となるように形成されている。換言すれば、開口部3の内形が、図1に示すように、縦長楕円形状となるように形成され、シールド4の外形が、図3に示すように、横長楕円形状となるように形成され、開口部3の内周部3aの内周の長さが、シールド4の外周部4bの外周の長さと同一であって、シールド4の外幅(左右の長さ)が、開口部3の内幅(左右の長さ)よりも大きくなるように形成されている。
【0045】
しかして、このようにすれば、横長楕円形状となるシールド4を、縦長楕円形状となる開口部3に密閉したとき、シールド4の左右方向の中央部が前方に突出するように曲線状に撓んで湾曲した状態で、フード側ファスナ5aにシールド側ファスナ5bが装着されることとなる。これに伴って、開口部3の左右方向の中央部に隣接するフード本体2が前方に伸びて突出することとなり、もって、図4に示すように、フード本体2及びシールド4と着用者10の顔面14との間に内部空間B(図6参照)が形成されることとなる。これにより、例えば、着用者10が眼鏡(図示せず)を着用した状態であっても、内部空間Bに眼鏡が収容されることとなるから、着用者10が着用した眼鏡が、フード本体2及びシールド4に接触することがなくなり、もって、防塵フード1を快適に着用することができる。
【0046】
通気手段6は、図1図2図4に示すように、開口部3の左右両側部に設けられ、左右両側部にわたってフード本体2の外部空間A(図6参照)と内部空間B(図6参照)とを通気するものである。より詳しく説明すると、この通気手段6は、開口部3の左右両側部に位置する前面フード布2aと後面フード布2bとの接合部分(切り替え部分、切り返し部分)に設けられ、上下方向に延びるように形成されている。このため、左側部の通気手段6がフード本体2の外部空間A(図6参照)と内部空間B(図6参照)とを通気し、右側部の通気手段6がフード本体2の内部空間B(図6参照)と外部空間A(図6参照)とを通気することによって、左側部の通気手段6(図6参照)から右側部の通気手段6(図6参照)にわたってフード本体2の外部空間A(図6参照)と内部空間B(図6参照)とを通気するようになっている。あるいは、右側部の通気手段6がフード本体2の外部空間A(図6参照)と内部空間B(図6参照)とを通気し、左側部の通気手段6がフード本体2の内部空間B(図6参照)と外部空間A(図6参照)とを通気することによって、右側部の通気手段6から左側部の通気手段6にわたってフード本体2の外部空間A(図6参照)と内部空間B(図6参照)とを通気するようになっている。
【0047】
しかして、このような通気手段6は、左側部の通気手段6を、図5及び図6に拡大して示すように、左端部が前面フード布2aの内側面に縫い付けられ、フード本体2の外部空間Aと内部空間Bとを通気するメッシュ状布21と、左端部がメッシュ状布21の右端部の外側面に縫い付けられ、右端部が後面フード布2bの内側面に縫い付けられる継ぎ布22と、左端部が前面フード布2aの右端部と一体形成され、メッシュ状布21を開閉可能なカバー布23と、左端部がカバー布23の右端部と一体形成され、継ぎ布22を開閉可能なカバー布24と、を有している。このメッシュ状布21は、例えば、PETEX(登録商標、Sefar AG社製)などのポリエステルメッシュクロス等の合成樹脂製のメッシュ布地(網目状布)であって、通気可能であり、着用者10の頭髪、着用者10の頭部11及び頸部12に付着した塵埃等の異物がフード本体2の内部空間Bから外部空間Aに通過しないように非常に目開き(網目の大きさ)が小さくなるように形成されている。
【0048】
一方、継ぎ布22は、メッシュ状布21と後面フード布2bとを接合するために、後面フード布2bを左側に延長するために継ぎ足す継ぎ当て布(当て布)であって、後面フード布2bの布地と同一の布地から形成されるものである。
【0049】
また一方、カバー布23及びカバー布24は、前面フード布2aの右端部から右側に一体的に延びる部分であって、前面フード布2aの布地と同一の布地から形成されるものである。なお、前面フード布2a、カバー布23、カバー布24は、実質的に1枚の布地であって、前面フード布2aとカバー布23との間の内側面にメッシュ状布21の左端部が縫い付けられている。
【0050】
かくして、上記のように構成される通気手段6は、通常時には、図5(a)及び図6(a)に示すように、カバー布23及びカバー布24がメッシュ状布21及び継ぎ布22を閉塞するから、フード本体2の外部空間Aと内部空間Bとが通気不能状態となる。一方、着用者10が息苦しいときには、図5(b)及び図6(b)に示すように、カバー布23及びカバー布24を引張方向Pに引っ張ることによって、カバー布23及びカバー布24がメッシュ状布21及び継ぎ布22を開放し、もって、フード本体2の外部空間Aと内部空間Bとの間に通気経路Cが形成されることとなる。これにより、通気可能状態となる。
【0051】
しかして、このように通気手段6を、開口部3の両側部に設け、両側部にわたってフード本体2の外部空間Aと内部空間Bとを通気するようにしているから、例えば、左側部の通気手段6がフード本体2の外部空間Aと内部空間Bとを通気し、右側部の通気手段6がフード本体2の内部空間Bと外部空間Aとを通気することによって、左側部の通気手段6から右側部の通気手段6にわたってフード本体2の外部空間Aと内部空間Bとを通気することとなる。これにより、フード本体2の内部空間Bに空気が滞留することがなくなり、もって、防塵フード1を快適に着用することができる。
【0052】
また、通気手段6は、フード本体2の外部空間Aと内部空間Bとを通気するメッシュ状布21と、メッシュ状布21を開閉可能なカバー布23と、を有しているから、着用者10の頭髪、塵埃等の異物が通過不能な目開きとなるメッシュ状布21を設けることによって、着用者10の頭髪、塵埃等の異物がフード本体2の内部空間Bから外部空間Aに飛散する事態を低減することができると共に、着用者10が息苦しくなるといった不具合を解消することができる。
【0053】
また、通気手段6は、通常時にはカバー布23によりメッシュ状布21を閉塞し、息苦しいときにはカバー布23によりメッシュ状布21を開放することができるから、フード本体2の外部空間Aと内部空間Bとの通気量を適切に調整することができ、もって、防塵フード1をさらに快適に着用することができる。
【0054】
さらにまた、通気手段6は、継ぎ布22を開閉可能なカバー布24を有しているから、カバー布23によりメッシュ状布21を閉塞するだけでなく、カバー布24により継ぎ布22を閉塞することによって、メッシュ状布21を強固に閉塞することができる。
【0055】
ところで、上記のように構成される通気手段6は、図1図2図4に示すように、上下方向に延びる中間部分において、カバー布24(図5及び図6参照)が継ぎ布22(図5及び図6参照)に縫い付けられたステッチ25が形成されている。これにより、上下方向に延びる上部分のカバー布24が開閉し、さらに、上下方向に延びる下部分のカバー布24が開閉することとなるから、カバー布24の開閉範囲が狭くなることとなり、もって、カバー布24が不意に開いて通気する事態を低減することができる。
【0056】
眉被覆部7は、図1及び図2に示すように、開口部3の周縁上部3bに設けられ、眉部15(図4参照)を被覆するものである。なお、眉部15とは、図示しない眉毛及び前髪の全部を含む額部(前頭部)である。
【0057】
しかして、このような眉被覆部7は、図1及び図2に示すように、正面視で矩形状をなしているとともに、伸縮性を有する布地からなる。このような布地としては、例えば、ポリウレタン、ポリエステル等の化学繊維からなる肌触りの良好な布地であって、例えば、ポリコット(登録商標、田村駒株式会社製)などのポリエステル繊維を凹凸形状の外観を呈するワッフル状となるように編まれた吸水性に優れた編物が例示される。
【0058】
しかるに、このような眉被覆部7は、眉部15を被覆することとなるから、眉部15からの眉毛、汗、塵埃等の脱落を低減することができることとなる。さらにまた、眉被覆部7の矩形状の上部分及び左右両側部分は、フード本体2の上面フード布2cと前面フード布2aとの内側接合部分から前面フード布2aと後面フード布2bとの内側接合部分にわたって、フード本体2の円筒形状に沿うように縫い付けられている。これにより、眉被覆部7がフード本体2の円筒形状に沿うように縫い付けられることとなり、もって、着用者10が防塵フード1を取り外したときに、眉被覆部7によってフード本体2が伸縮し、フード本体2が元の円筒形状に復帰することとなる。
【0059】
フードスカート8は、フード本体2の下部に縫い付けられ、着用者10の肩部13(図4参照)を覆う肩掛け(ケープ)であって、図示しない防塵服(クリーンウェア)の下側に着用するものである。
【0060】
しかるに、このようなフードスカート8は、下端部に開口部を有するとともに、下端部に向けて末広がり形状となるものであって、下端部には、三つ折りバインダ等の仕上げ処理が施されたバインダ8aを有している。なお、このようなフードスカート8は、例えば、テクノファイン(登録商標、旭化成アドバンス株式会社製)などのポリエステル繊維をメッシュ状となるように編まれた通気性及び速乾性に優れた編物で形成されている。このように、通気性及び速乾性に優れたメッシュ状のフードスカート8に形成することよって、フードスカート8の内部空間が蒸れることがなくなり、もって、防塵フード1を快適に着用することができることなる。
【0061】
かくして、上記のように構成される防塵フード1は、次のように着用される。
【0062】
まず、図4に示すように、着用者10は、密閉手段5のシールド側ファスナ5bのインサートピンがフード側ファスナ5aのインサートピンに隣接するように、開口部3にシールド4を装着する。そして、着用者10は、フード側ファスナ5aのインサートピンにスライダ5cの胴体を挿入し、スライダ5cの引手を時計回りの方向に引っ張る。これにより、シールド側ファスナ5bのエレメントとフード側ファスナ5aのエレメントとが係合し、もって、シールド4が開口部3に密着することとなる。
【0063】
次いで、着用者10の頭部11及び頸部12の全体を覆うように、かつ着用者10の顔面14が開口部3から露出するように、さらに眉被覆部7が眉部15を被覆するように、フード本体2を頭部11及び頸部12に装着するとともに、フードスカート8を肩部13に装着する。
【0064】
かくして、このようすれば、着用者10は、防塵フード1を着用することができることとなる。
【0065】
しかして、以上説明した本実施形態によれば、防塵フード1は、シールド4を開口部3に密閉する密閉手段5を備えているから、密閉手段5がシールド4を開口部3に密閉することによって、フード本体2の内部空間Bが密閉されることとなる。これにより、着用者10の頭髪、塵埃等の異物がフード本体2の内部空間Bから外部空間Aに飛散する事態を低減することができる。そしてさらに、従来のように防塵フード1を着用する前に、着用者10の頭部11及び頸部12に密着可能なインナーキャップ、インナーマスク等を着用する必要がなくなるから、防塵フード1を容易に着用することができることとなる。
【0066】
なお、本実施形態において示した形状等はあくまで一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、本実施形態においては、フード本体2は、トリコット等の経編によって編まれた編物であったが、これに限定されるものではなく、例えば、ラッセル等の他の経編によって編まれた編物や、平編、リブ編、両面編、パール編等の緯編(ヨコアミ)によって編まれた編物であってもよい。また、フード本体2は、伸縮性を有するものであれば、織物、不織布等であってもよく、例えば、平織、綾織、朱子織等によって織られた織物や、スパンボンド不織布等の不織布であってもよい。また、フード本体2の材料は、ポリウレタン、ポリエステル等の化学繊維に限定されるものではなく、ポリプロピレン、ポリエチレン等の他の化学繊維や、綿、麻、絹等の天然繊維であってもよい。
【0067】
一方、本実施形態においては、開口部3は、正面視で縦長楕円形状となる開口部であったが、これに限定されるものではなく、例えば、正面視で矩形状、円形状となる開口部であってもよい。また、本実施形態においては、内周部3aは、フード本体2の布地と異なる布地から形成されるものであったが、例えば、フード本体2の前面フード布2aと一体形成することによって、フード本体2の布地と同一の布地から形成されるものであってもよい。
【0068】
他方、本実施形態においては、シールド4は、正面視で横長楕円形状となる保護部であったが、これに限定されるものではなく、例えば、正面視で矩形状、円形状となる保護部であってもよい。また、本実施形態においては、シールド本体4aは、セルロース系の繊維素系樹脂からなる透明樹脂シートであったが、例えば、他の透明樹脂又は半透明樹脂からなる透明樹脂シート又は半透明樹脂シートであってもよい。さらにまた、本実施形態においては、シールド本体4aには、通気用の貫通孔4cが形成されていたが、通気用の貫通孔4cを形成しないものであってもよい。あるいは、眉被覆部7が、通気可能であり、着用者10の頭髪、着用者10の頭部11及び頸部12に付着した塵埃等の異物がフード本体2の内部空間Bから外部空間Aに通過しないように、非常に細かく編まれているものであって、通気用の貫通孔4cを覆うように開口部3の内周部3aの内周よりも下方に延びるものであってもよい。しかして、このような眉被覆部7及び通気用の貫通孔4cを設けることによって、着用者10の頭髪、塵埃等の異物がフード本体2の内部空間Bから外部空間Aに飛散する事態を低減しながら、着用者10が息苦しくなるといった不具合を解消することができる。
【0069】
また、本実施形態においては、密閉手段5は、フード側ファスナ5aの内形が、縦長楕円形状となるように形成され、シールド側ファスナ5bの外形が、横長楕円形状となるように形成され、あるいは、開口部3の内形が、縦長楕円形状となるように形成され、シールド4の外形が、横長楕円形状となるように形成されていたが、これに限定されるものではなく、例えば、フード側ファスナ5aの内形及びシールド側ファスナ5bの外形を同一形状となるように形成し、あるいは、開口部3の内形及びシールド4の外形を同一形状となるように形成してもよい。
【0070】
さらにまた、本実施形態においては、通気手段6は、メッシュ状布21と、継ぎ布22と、メッシュ状布21を開閉可能なカバー布23と、継ぎ布22を開閉可能なカバー布24と、を有していたが、これに限定されるものではなく、例えば、メッシュ状布21と、メッシュ状布21を開閉可能なカバー布23と、を有するものであってもよい。さらにまた、本実施形態においては、前面フード布2a、カバー布23、カバー布24は、一体形成されていたが、例えば、カバー布23,24を一体形成し、前面フード布2aと、カバー布23,24とを別体で縫い付けてもよい。さらにまた、本実施形態においては、継ぎ布22、後面フード布2bは、別体で縫い付けられていたが、例えば、継ぎ布22と、後面フード布2bとを一体形成してもよい。
【0071】
さらにまた、本実施形態においては、通気手段6は、開口部3の左右両側部に設けられ、左右両側部にわたってフード本体2の外部空間Aと内部空間Bとを通気するものであったが、これに限定されるものではなく、通気手段6をどの位置に設けても良い。例えば、開口部3の下方に設け、フード本体2の外部空間Aと内部空間Bとを通気するものであってもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 防塵フード
2 フード本体
2a 前面フード布
2b 後面フード布
2c 上面フード布
3 開口部
3a 内周部
3b 周縁上部
4 シールド
4a シールド本体
4b 外周部
4c 通気用の貫通孔
4d ステッチ
5 密閉手段
5a フード側ファスナ
5b シールド側ファスナ
5c スライダ
6 通気手段
7 眉被覆部
8 フードスカート
8a バインダ
9a,9b 調整手段
10 着用者
11 頭部
12 頸部
13 肩部
14 顔面
15 眉部
21 メッシュ状布
22 継ぎ布
23,24 カバー布
25 ステッチ
A 外部空間
B 内部空間
C 通気経路
P 引張方向

図1
図2
図3
図4
図5
図6