特許第6622397号(P6622397)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6622397二段可変容量圧縮機、及びそれを備えたエアコンシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6622397
(24)【登録日】2019年11月29日
(45)【発行日】2019年12月18日
(54)【発明の名称】二段可変容量圧縮機、及びそれを備えたエアコンシステム
(51)【国際特許分類】
   F04C 28/00 20060101AFI20191209BHJP
   F04C 18/344 20060101ALI20191209BHJP
   F04C 23/00 20060101ALI20191209BHJP
   F25B 1/10 20060101ALI20191209BHJP
【FI】
   F04C28/00 A
   F04C18/344 351T
   F04C23/00 F
   F25B1/10 Q
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-517196(P2018-517196)
(86)(22)【出願日】2016年10月14日
(65)【公表番号】特表2018-531342(P2018-531342A)
(43)【公表日】2018年10月25日
(86)【国際出願番号】CN2016102185
(87)【国際公開番号】WO2017063588
(87)【国際公開日】20170420
【審査請求日】2018年3月28日
(31)【優先権主張番号】201510677523.4
(32)【優先日】2015年10月15日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518108162
【氏名又は名称】グリーン リフリジレイション エクイップメント エンジニアリング リサーチ センター オブ ヂュハイ グリー シーオー.,エルティーディー.
(73)【特許権者】
【識別番号】518108173
【氏名又は名称】ヂュハイ ランダ コンプレッサー シーオー.,エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】シュウ,ジア
(72)【発明者】
【氏名】デン,リーイン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ペンカイ
(72)【発明者】
【氏名】フー,ユシェン
(72)【発明者】
【氏名】リャン,シェビング
【審査官】 冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第103486032(CN,A)
【文献】 中国実用新案第204100662(CN,U)
【文献】 特開平11−230070(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第104632581(CN,A)
【文献】 特開2014−240634(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 28/00
F04C 18/344
F04C 23/00
F25B 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
その軸方向に沿って配置された第1シリンダーグループ(10)と第2シリンダーグループ(20)とを備えた二段可変容量圧縮機において、
前記第1シリンダーグループ(10)は、
第1シリンダー(11)であって、第1スライドスロット(12)と、第1スライドスロット(12)と連通して、前記第1シリンダー(11)の径方向に沿って前記第1シリンダー(11)のシリンダー壁に設けられることで高圧ガスを入れる第1ビア(12a)と、を有する第1シリンダー(11)と、
前記第1スライドスロット(12)に移動可能に設けられ、遠心的に設けられた第1ローラ(30)の外周面と当接して、位置決めスロット(15)を有する第1スライド(14)と、
上端部が前記第1ビア(12a)と連通して、下端部が高圧ガス又は低圧ガスを選択可能に入れることで、前記位置決めスロット(15)に挿入して前記第1スライドを前記第1ローラから離れる回転中心にロックするロック位置、又は前記位置決めスロット(15)から抜けるロック解除位置を有するロック機構(16)と、を備え、
前記第2シリンダーグループ(20)は、
第2シリンダー(21)であって、第2スライドスロット(22)が設けられ、前記第2スライドスロット(22)と連通した第6ビア(24)を有し、前記第2シリンダー(21)の径方向に沿って前記第2シリンダー(21)のシリンダー壁に設けられることで高圧ガスを入れる第2シリンダー(21)と、
前記第2スライドスロット(22)に移動可能に設けられ、遠心的に設けられた第2ローラ(40)の外周面と終始に当接した第2スライド(23)と、を備えた、ことを特徴とする二段可変容量圧縮機。
【請求項2】
前記ロック機構(16)は、
上端部が前記第1ビア(12a)と連通して、下端部が高圧ガス又は低圧ガスを選択可能に入れるカシメピン(16a)を備えた、ことを特徴とする請求項1に記載の二段可変容量圧縮機。
【請求項3】
前記第1シリンダー(11)は、
前記カシメピン(16a)の下端部と連通して高圧ガス又は低圧ガスを選択可能に入れる吸気口(13b)であって、連通した吸気口(13b)と主吸気口(13a)と、
前記カシメピン(16a)の下端部に当接した弾性具(16b)と、を有する、ことを特徴とする請求項2に記載の二段可変容量圧縮機。
【請求項4】
前記第1シリンダーグループ(10)は、
前記第1シリンダー(11)の下方に設けられ、前記位置決めスロット(15)に対応した位置には前記二段可変容量圧縮機の軸方向に沿って設けられた装着スロット(18)が開設され、前記カシメピン(16a)が前記装着スロット(18)に移動可能に設けられたフランジ(17)をさらに備えた、ことを特徴とする請求項3に記載の二段可変容量圧縮機。
【請求項5】
前記フランジ(17)は、前記吸気口(13b)を介して前記第1スライドスロット(12)と連通したフランジガス導入穴(17a)を有する、ことを特徴とする請求項4に記載の二段可変容量圧縮機。
【請求項6】
前記第1シリンダーグループ(10)は、
前記フランジ(17)の底部に接続され、下蓋板ガス導入スロット(19a)を有し、前記吸気口(13b)が前記フランジガス導入穴(17a)及び前記下蓋板ガス導入スロット(19a)を介して前記カシメピン(16a)の下端部と連通した下蓋板(19)をさらに備えた、ことを特徴とする請求項5に記載の二段可変容量圧縮機。
【請求項7】
前記フランジ(17)の消音腔の側壁には、前記第2シリンダー(21)の吸気口と連通した第3ビア(17d)が開設された、ことを特徴とする請求項4に記載の二段可変容量圧縮機。
【請求項8】
前記第1シリンダー(11)にはビア(11a)がさらに設けられ、前記フランジ(17)にはその消音腔と連通した接続孔(17e)が設けられ、前記ビア(11a)は前記フランジ(17)の消音腔と連通した、ことを特徴とする請求項4に記載の二段可変容量圧縮機。
【請求項9】
前記フランジ(17)には第4ビア(17b)と第5ビア(17c)が開設され、前記第1シリンダーグループ(10)の下蓋板(19)は下蓋板ガス導入スロット(19a)を有し、前記第4ビア(17b)は、前記第5ビア(17c)、前記下蓋板ガス導入スロット(19a)を介して前記カシメピン(16a)の下端部と連通して、前記第4ビア(17b)には高圧ガス又は低圧ガスが選択可能に導入される、ことを特徴とする請求項4に記載の二段可変容量圧縮機。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の二段可変容量圧縮機である二段可変容量圧縮機(50)を備えた、ことを特徴とするエアコンシステム。
【請求項11】
前記エアコンシステムは、前記二段可変容量圧縮機(50)と連通したエンタルピー増加装置(60)、ツェナー装置(70)及び分液器(80)と、前記二段可変容量圧縮機(50)、エンタルピー増加装置(60)、ツェナー装置(70)及び分液器(80)の間の管路のオン・オフを制御するバルブとをさらに備え、前記ロック機構(16)の下端部が高圧ガス又は低圧ガスを選択可能に入れる、ことを特徴とする請求項10に記載のエアコンシステム。
【請求項12】
前記バルブは、
前記エンタルピー増加装置(60)の入り口及び前記分液器(80)の入り口の間の管路と連通した第1ガス補充管路に設けられたバルブAと、
前記エンタルピー増加装置(60)の入り口と前記分液器(80)の入り口の間の管路に設けられ、前記第1ガス補充管路が前記バルブB及び前記エンタルピー増加装置(60)の入り口の間の管路と連通したバルブBと、
前記二段可変容量圧縮機(50)の出口とツェナー装置(70)の入り口の間の管路に設けられ、前記ツェナー装置(70)の出口が前記第1シリンダー(11)の吸気口(13b)と連通したバルブCと、
前記ツェナー装置(70)の入り口と前記分液器(80)の出口の間の管路に設けられ、前記ツェナー装置(70)の入り口が前記バルブCと前記バルブDの間を連通した管路と連通したバルブDと、
前記エンタルピー増加装置(60)の出口と前記二段可変容量圧縮機(50)の間を連通した第2ガス補充管路に設けられ、前記第2ガス補充管路は、前記第2シリンダー(21)の吸気口と連通した第3ガス補充管路と、前記第1シリンダーグループ(10)のフランジ(17)の消音腔と連通した第4ガス補充管とを備え、前記第4ガス補充管に設けられたバルブEと、を備えた、ことを特徴とする請求項11に記載のエアコンシステム。
【請求項13】
前記バルブは、
前記エンタルピー増加装置(60)の入り口及び前記分液器(80)の入り口の間の管路と連通した第1ガス補充管路に設けられたバルブAと、
前記エンタルピー増加装置(60)の入り口と前記分液器(80)の入り口の間の管路に設けられ、前記第1ガス補充管路が前記バルブB及び前記エンタルピー増加装置(60)の入り口の間の管路と連通したバルブBと、
前記二段可変容量圧縮機(50)の出口とツェナー装置(70)の入り口の間の管路に設けられたバルブCと、
前記ツェナー装置(70)の入り口と前記分液器(80)の出口の間の管路に設けられ、ツェナー
装置(70)の入り口は、前記バルブCと前記バルブDの間を連通した管路と連通したバルブDと、を備え、
前記第1シリンダー(11)の吸気口(13b)は、前記ツェナー装置(70)の出口又は前記分液器(80)の出口と選択可能に連通した、ことを特徴とする請求項11に記載のエアコンシステム。
【請求項14】
前記バルブは、
三方バルブであって、前記エンタルピー増加装置(60)の入り口と前記分液器(80)の入り口の間の管路に設けられ、出口が前記エンタルピー増加装置(60)の入り口と連通して、第1入り口が前記分液器(80)の入り口と連通して、第2入り口が第1ガス補充管路と連通したバルブFと、
三方バルブであって、前記二段可変容量圧縮機(50)と前記分液器(80)の間の管路に設けられ、前記ツェナー装置(70)の入り口と連通して、第1入り口が前記二段可変容量圧縮機(50)の出口と連通して、第2入り口が前記分液器(80)の出口と連通して、出口が前記ツェナー装置(70)の入り口と連通して、前記ツェナー装置(70)の出口が前記第1シリンダー(11)の吸気口(13b)と連通したバルブGと、
前記エンタルピー増加装置(60)の出口と前記二段可変容量圧縮機(50)の間を連通した第2ガス補充管路に設けられ、前記第2ガス補充管路は、前記第2シリンダー(21)の吸気口と連通した第3ガス補充管路と、前記第1シリンダー(11)の排気口と連通した第4ガス補充管とを備え、前記第4ガス補充管に設けられたバルブEと、を備えた、ことを特徴とする請求項11に記載のエアコンシステム。
【請求項15】
前記バルブは、
三方バルブであって、前記エンタルピー増加装置(60)の入り口と前記分液器(80)の入り口の間の管路に設けられ、出口が前記エンタルピー増加装置(60)の入り口と連通して、第1入り口が前記分液器(80)の入り口と連通して、第2入り口が第1ガス補充管路と連通したバルブFと、
三方バルブであって、前記二段可変容量圧縮機(50)と前記分液器(80)の間の管路に設けられ、前記ツェナー装置(70)の入り口と連通して、第1入り口が前記二段可変容量圧縮機(50)の出口と連通して、第2入り口が前記分液器(80)の出口と連通して、出口が前記ツェナー装置(70)の入り口と連通したバルブGと、を備え、
前記第1シリンダー(11)の吸気口(13b)が前記ツェナー装置(70)の出口又は前記分液器(80)の出口と選択可能に連通した、ことを特徴とする請求項11に記載のエアコンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二段可変容量圧縮機、及びそれを備えたエアコンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
国家エネルギー効率レベル要求が日増しに高くなっているにつれて、従来の二段可変容量圧縮機は、ガス補充エンタルピー増加によって低温により高温にする量不足の間題を解決して、エアコンの高温にする量が満足されることになる。しかしながら、二段可変容量圧縮機は、高圧級と低圧級の二つのシリンダーで圧縮するので、ロードが重い労働環境(名目冷却、名目加熱、国家標準労働環境、低温労働環境など)にとって、圧力比が大きい。二段圧縮を採用して有効的に圧力比を分配可能であり、高低圧級シリンダーを合理的に運行させることができる。エアコンシステム運行の軽負荷労働環境(例えばIPLV労働環境、中間労働環境など)にとって、可変容量機構によって中低圧切替えを行うことで単シリンダー単段可変容量稼動を実現して軽労働環境運行時のエネルギー効率が低い間題を有效的に解決することができるが、労働環境の中低圧切替えに対する影響が大きく、カシメピンは誤作動する可能性があり、切替が失敗してしまう。具体的に、従来の方案ではシリンダースライドスロットテールは、バッフル板ガス導入スロット及び下シリンダーガス導入スロットを介して中間腔と連通し、可変容量機構によって中圧と低圧の切替えを実現する。二段稼動モードでは、中間腔は中圧であり、カシメピンが受けた圧力差は中圧と低圧の圧力差である。労働環境による影響が大きく、中低圧の圧力差がばね力より小さくて二段が正常に運行できない弊害がある可能性がある。
【0003】
現在の圧縮機では、スライドの運動を制御するためのロック機構がいろいろある。-つは、電磁のオン・オフによってカシメピンの運動を制御し、この方法は電磁石の装着と信頼性に関し、圧縮機全体の構造と制御が複雑である。もう一つは、カシメピンテールの吸気圧力、排気圧力を切り替えることで、ばね力との合力下でカシメピンの運動を制御してスライドをロックし、又はスライドを正常に運行させて、ばねがカシメピンの頭部に設けられ、位置制限構造を加える必要があり、構造が複雑になってしまい、その上、この方法は低背圧運行の圧縮機装置のみに適用し、スライドテールにばねが装着される必要がる。もう一つは、シリンダーをアンロードしたスライドスロットテールは封止構造であり、スライドスロットテールの圧力を切り替えることでスライド運動を制御する。カシメピンは、圧力差があってみてはじめてスライド運動をロックすることができる。下フランジに装着されるカシメピンの装着は複雑であり、下フランジ消音腔内に装着されて消音器により位置制限する方法は、消音器の硬度に対する要求が高い。また、該特許の高圧は油槽から引き入れる高圧油であり、スライドの潤滑と封止を保証するが、同時に、スライドスロットに油がたまってスライド運行過程における電力消費が大きくなる弊害ももたらす。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、単・二段可変容量切替が安定で安全な二段可変容量圧縮機、及びそれを備えたエアコンシステムを提供することを主な目的とする。
【0005】
上記目的を実現するために、本発明の一つの側面により、二段可変容量圧縮機の軸方向に沿って配置された第1シリンダーグループと第2シリンダーグループとを備え、第1シリンダーグループは、第1スライドスロットと、第1スライドスロットと連通して、第1シリンダーに沿う第1シリンダーのシリンダー壁に高圧ガスを入れる第1ビアとを有する第1シリンダーと、第1スライドスロットに移動可能に設けられ、遠心的に設けられた第1ローラの外周面と当接して、位置決めスロットを有する第1スライドと、上端部が第1ビアと連通して、下端部が高圧ガス又は低圧ガスを選択可能に入れることで、位置決めスロットに挿入して第1スライドを第1ローラから離れる回転中心にロックするロック位置又は位置決めスロットから抜けるロック解除位置を有するロック機構と、を備え、第2シリンダーグループは、第2スライドスロットが設けられた第2シリンダーと、第2スライドスロットに移動可能に設けられ、遠心的に設けられた第2ローラの外周面と終始に当接した第2スライドと、を備えた二段可変容量圧縮機を提供する。
【0006】
さらに、ロック機構は、上端部が第1ビアと連通して、下端部が高圧ガス又は低圧ガスを選択可能に入れるカシメピンを備えた。
【0007】
さらに、第1シリンダーは、カシメピンの下端部と連通して高圧ガス又は低圧ガスを選択可能に入れる吸気口であって、連通した吸気口と主吸気口と、カシメピンの下端部に当接した弾性具と、を有する。
【0008】
さらに、第1シリンダーグループは、第1シリンダーの下方に設けられ、位置決めスロットに対応した位置には二段可変容量圧縮機の軸方向に沿って設けられた装着スロットが開設され、カシメピンが装着スロットに移動可能に設けられたフランジをさらに備えた。
【0009】
さらに、フランジは、吸気口を介して第1スライドスロットと連通したフランジガス導入穴を有する。
【0010】
さらに、第1シリンダーグループは、フランジの底部に接続され、下蓋板ガス導入スロットを有し、吸気口がフランジガス導入穴及び下蓋板ガス導入スロットを介してカシメピンの下端部と連通した下蓋板をさらに備えた。
【0011】
さらに、フランジの消音腔の側壁には、第2シリンダーの吸気口と連通した第3ビアが開設された。
【0012】
さらに、第1シリンダーにはビアがさらに設けられ、フランジにはフランジの消音腔と連通した接続孔が設けられ、ビアがフランジの消音腔と連通した。
【0013】
さらに、フランジには第4ビアと第5ビアが開設され、下蓋板は下蓋板ガス導入スロットを有し、第4ビアは、第5ビア、第1シリンダーグループの下蓋板ガス導入スロットを介してカシメピンの下端部と連通して、第4ビアには高圧ガス又は低圧ガスが選択可能に導入される。
【0014】
さらに、第2シリンダーは、第2スライドスロットと連通した第6ビアを有し、第2シリンダーの径方向に沿って第2シリンダーのシリンダー壁に設けられることで高圧ガスを入れる。
【0015】
本発明のもう一つの側面により、前述した二段可変容量圧縮機である二段可変容量圧縮機を備えた、別のエアコンシステムをさらに提供する。
【0016】
さらに、エアコンシステムは、二段可変容量圧縮機と連通したエンタルピー増加装置、ツェナー装置及び分液器と、二段可変容量圧縮機、エンタルピー増加装置、ツェナー装置及び分液器の間の管路のオン・オフを制御するバルブとをさらに備え、ロック機構の下端部が高圧ガス又は低圧ガスを選択可能に入れる。
【0017】
さらに、バルブは、エンタルピー増加装置の入り口及び分液器の入り口の間の管路と連通した第1ガス補充管路に設けられたバルブAと、エンタルピー増加装置の入り口と分液器の入り口の間の管路に設けられ、第1ガス補充管路がエンタルピー増加装置の入り口との間の管路と連通したバルブBと、二段可変容量圧縮機の出口とツェナー装置の入り口の間の管路に設けられ、ツェナー装置の出口が第1シリンダーの吸気口と連通したバルブCと、ツェナー装置の入り口と分液器の出口の間の管路に設けられ、ツェナー装置の入り口がバルブCとバルブDの間を連通した管路と連通したバルブDと、エンタルピー増加装置の出口と二段可変容量圧縮機の間を連通した第2ガス補充管路に設けられ、第2ガス補充管路は、第2シリンダーの吸気口と連通した第3ガス補充管路と、第1シリンダーグループのフランジの消音腔と連通した第4ガス補充管とを備え、第4ガス補充管に設けられたバルブEと、を備えた。
【0018】
さらに、バルブは、エンタルピー増加装置の入り口及び分液器の入り口の間の管路と連通した第1ガス補充管路に設けられたバルブAと、エンタルピー増加装置の入り口と分液器の入り口の間の管路に設けられ、第1ガス補充管路がバルブB及びエンタルピー増加装置の入り口の間の管路と連通したバルブBと、二段可変容量圧縮機の出口とツェナー装置の入り口の間の管路に設けられたバルブCと、ツェナー装置の入り口と分液器の出口の間の管路に設けられ、ツェナー装置の入り口がバルブCとバルブDの間を連通した管路と連通したバルブDと、を備え、第1シリンダーの吸気口は、ツェナー装置の出口又は分液器の出口と選択可能に連通した。
【0019】
さらに、バルブは、三方バルブであって、エンタルピー増加装置の入り口と分液器の入り口の間の管路に設けられ、出口がエンタルピー増加装置の入り口と連通して、第1入り口が分液器の入り口と連通して、第2入り口が第1ガス補充管路と連通したバルブFと、三方バルブであって、二段可変容量圧縮機と分液器の間の管路に設けられ、ツェナー装置の入り口と連通して、第1入り口が二段可変容量圧縮機の出口と連通して、第2入り口が分液器の出口と連通して、出口がツェナー装置の入り口と連通して、ツェナー装置の出口が第1シリンダーの吸気口と連通したバルブGと、エンタルピー増加装置の出口と二段可変容量圧縮機の間を連通した第2ガス補充管路に設けられ、第2ガス補充管路は、第2シリンダーの吸気口と連通した第3ガス補充管路と、第1シリンダーの排気口と連通した第4ガス補充管とを備え、第4ガス補充管に設けられたバルブEと、を備えた。
【0020】
さらに、バルブは、三方バルブであって、エンタルピー増加装置の入り口と分液器の入り口の間の管路に設けられ、出口がエンタルピー増加装置の入り口と連通して、第1入り口が分液器の入り口と連通して、第2入り口が第1ガス補充管路と連通したバルブFと、三方バルブであって、二段可変容量圧縮機と分液器の間の管路に設けられ、ツェナー装置の入り口と連通して、第1入り口が二段可変容量圧縮機の出口と連通して、第2入り口が分液器の出口と連通して、出口がツェナー装置の入り口と連通したバルブGと、を備え、第1シリンダーの吸気口は、ツェナー装置の出口又は分液器の出口と選択可能に連通した。
【0021】
本発明の請求項を応用して、第1シリンダーのシリンダー壁には第1ビアが開設され、第1ビアには高圧ガスが導入されるので、ロック機構の上端部のガス圧力は高圧ガスである。ロック機構の下端部は高圧ガス又は低圧ガスを選択可能に入れるので、ロック機構の下端部のガス圧力は高圧ガスと低圧ガスの間で切り替える。ロック機構が受けた圧力差は高圧と低圧の圧力差であり、高低圧切替えを行って二段と単段可変容量モードの安定な切替を実現し、従来技術では単・二段可変容量切替において存在しうる切替安定性間題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本願の-部を構成する明細書の図面は、本発明に対する更なる理解を提供するために用いられ、本発明の模式的な実施例及びその説明は、本発明を適当でなく限定するのではなく、解釈するためのものである。
図1】本発明に係る二段可変容量圧縮機の第1実施例を示す断面図である。
図2】本発明に係る二段可変容量圧縮機の第1実施例を示す爆発図である。
図3】本発明に係る二段可変容量圧縮機の第2実施例を示す爆発図である。
図4】本発明に係る二段可変容量圧縮機の第3実施例を示す断面図である。
図5】本発明に係る二段可変容量圧縮機の第3実施例を示す爆発図である。
図6】本発明に係るエアコンシステムの第1実施例を示す可変容量二段運行原理図である。
図7】本発明に係るエアコンシステムの第1実施例を示す可変容量単段運行原理図である。
図8】本発明に係るエアコンシステムの第2実施例を示す可変容量二段運行原理図である。
図9】本発明に係るエアコンシステムの第2実施例を示す可変容量単段運行原理図である。
図10】本発明に係るエアコンシステムの第3実施例を示す可変容量二段運行原理図である。
図11】本発明に係るエアコンシステムの第3実施例を示す可変容量単段運行原理図である。
図12】本発明に係るエアコンシステムの第4実施例を示す可変容量二段運行原理図である。
図13】本発明に係るエアコンシステムの第4実施例を示す可変容量単段運行原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
なお、衝突しない場合、本願における実施例及び実施例における特徴を互いに組み合わせることができる。以下、図面を参照しながら実施例を結合して本発明を詳細的に説明する。
【0024】
図1乃至図4に示すように、本発明は、二段可変容量圧縮機を提供する。
【0025】
二段可変容量圧縮機は、二段可変容量圧縮機の軸方向に沿って配置された第1シリンダーグループ10と第2シリンダーグループ20を備えた。
【0026】
第1シリンダーグループ10は、第1スライドスロット12、第1ビア12aを有する第1シリンダー11を備えた。第1ビア12aは、第1スライドスロット12と連通して、第1シリンダー11の径方向に沿って第1シリンダー11のシリンダー壁に設けられることで高圧ガスを入れる。第1スライド14は、第1スライドスロット12に移動可能に設けられ、遠心的に設けられた第1ローラ30の外周面と当接して、位置決めスロット15を有する。ロック機構16の上端部は、第1ビア12aと連通して、下端部が高圧ガス又は低圧ガスを選択可能に入れることで、ロック機構16は、位置決めスロット15に挿入して第1スライドを第1ローラから離れる回転中心にロックするロック位置、又は位置決めスロット15から抜けるロック解除位置を有する。ロック機構16が第1スライド14をロックした後、第1シリンダー11がアイドリングして作動状態にしない。ロック機構16が第1スライド14から抜けた後、第1スライド14が第1ローラ30の外周面に押し付け、第1シリンダーが作動状態にある。
【0027】
第2シリンダーグループ20は、第2シリンダー21と第2スライド23とを備える。第2シリンダー21には第2スライドスロット22が設けられ、第2スライド23は第2スライドスロット22に移動可能に設けられ、遠心的に設けられた第2ローラ40の外周面と終始に当接した。第2シリンダー21は起動時と運行過程中で、終始に作動状態にある。
【0028】
第1シリンダー11のシリンダー壁に第1ビア12aが開設され、第1ビア12aに高圧ガスが導入されるので、ロック機構16の上端部のガス圧力は高圧ガスである。ロック機構16の下端部は高圧ガス又は低圧ガスを選択可能に入れるので、ロック機構16の下端部のガス圧力は高圧ガスと低圧ガスの間で切り替える。ロック機構16が受けた圧力差は高圧と低圧の圧力差であり、高低圧切替えを行って二段と単段可変容量モードの安定な切替を実現し、従来技術では単・二段可変容量の切替において存在しうる切替安定性の間題を解決する。
【0029】
なお、第1スライドスロット12は枠体高圧と連通し、スライドテールには弾性具が装着される必要がなく、特別な油供給パスが必要ではなくスライド運行潤滑の需要を満足することができ、スライドスロットには、油たまりにより電力消費が大きくなる弊害がない。高圧ガス又は低圧ガスをロック機構16の下端部に導入して圧力切替を行って、ロック機構を簡単化し、加工難度と生産コストを低減させる。
【0030】
さらに、ロック機構16はカシメピン16aと弾性具16bを備える。カシメピン16aの上端部は第1ビア12aと連通して、カシメピン16aの下端部は高圧ガス又は低圧ガスを選択可能に入れる。第1シリンダー11は吸気口13bと主吸気口13aを有し、カシメピン16aの下端部は吸気口13bと連通して、吸気口13bは高圧ガス又は低圧ガスを選択可能に入れる。弾性具16bは、カシメピン16aの下端部に当接した。弾性具16bはカシメピン16aの下方に設けられ、カシメピン16aのために上向き圧力を提供可能である。本実施例においては、カシメピン頭部には、ばね位置制限機構が設けられる必要がない。
【0031】
図1乃至図5に示すように、第1シリンダーグループ10は、第1シリンダー11の下方に設けられ、位置決めスロット15に対応した位置には二段可変容量圧縮機の軸方向に沿って設けられた装着スロット18が開設され、カシメピン16aが装着スロット18に移動可能に設けられた、フランジ17をさらに備えた。
【0032】
図2に示すように、フランジ17は、吸気口13bを介して第1スライドスロット12と連通したフランジガス導入穴17aを有する。
【0033】
図2に示すように、第1シリンダーグループ10は、フランジ17の底部に接続され、下蓋板ガス導入スロット19aを有し、吸気口13bがフランジガス導入穴17a及び下蓋板ガス導入スロット19aを介してカシメピン16aの下端部と連通した、下蓋板19をさらに備えた。
【0034】
さらに、図2に示すように、フランジ17の消音腔の側壁には、第2シリンダー21の吸気口と連通した第3ビア17dが開設された。
【0035】
図3に示すように、第1シリンダー11にはビア11aがさらに設けられ、フランジ17には消音腔と連通した接続孔17eが設けられ、ビア11aはフランジ17の消音腔と連通した。
【0036】
図5に示すように、フランジ17には第4ビア17bと第5ビア17cが開設され、下蓋板19は下蓋板ガス導入スロット19aを有し、第4ビア17bは第5ビア17c、下蓋板ガス導入スロット19aを介してカシメピン16aの下端部と連通し、第4ビア17bには高圧ガス又は低圧ガスが選択可能に導入される。
【0037】
さらに、図2に示すように、第2シリンダー21は、第2シリンダー21の径方向に沿って第2シリンダー21のシリンダー壁に設けられることで高圧ガスを入れ、第2スライドスロット22と連通した、第6ビア24を有する。
【0038】
本発明では、前述した二段可変容量圧縮機である二段可変容量圧縮機50を備えたエアコンシステムをさらに提供する。
【0039】
図6乃至図13に示すように、エアコンシステムは、二段可変容量圧縮機50と連通したエンタルピー増加装置60、ツェナー装置70及び分液器80と、二段可変容量圧縮機50、エンタルピー増加装置60、ツェナー装置70及び分液器80の間の管路のオン・オフを制御するバルブと、をさらに備え、ロック機構16の下端部が高圧ガス又は低圧ガスを選択可能に入れる。
【0040】
具体的に、図1及び図2に示すように、第1スライドスロット12のテールは、第1ビア12aを介して枠体内高圧と連通した。吸気口13bは、第1シリンダー11の吸気口13aと連通し、フランジガス導入穴17a及び下蓋板ガス導入スロット19aを介して弾性具16bが装着されたカシメピン16aの下端部と連通した。二段稼動モードでは、カシメピン16aの上端部は枠体高圧であり、カシメピン16aの下端部は第1シリンダー11である下シリンダーの吸気圧力であり、カシメピン16aが受けた圧力差は高圧と低圧の圧力差であり、カシメピン16aがアンロードされ、第1スライド14が正常に運行する。
【0041】
別の実施例における二段可変容量圧縮機では、フランジ17の消音腔の側壁には第3ビア17dが開設され、第1シリンダー11の排気である一級シリンダーの排気は、第3ビア17dを介して外付けエンタルピー増加装置60と連通し、エンタルピー増加補充ガスが混合した後に第2シリンダー21の吸気口を通して第2シリンダー21の吸気腔に入って二級圧縮する。
【0042】
可変容量単段稼動モードでは、第1シリンダー11の吸気口13bの圧力は、可変容量機によって高圧に切り替えられ、即ちカシメピン16aの頭部である上端部とカシメピン16aのテールである下端部は高圧であり、カシメピン16aは、ばね力の作用下で上向きに運動し、第1シリンダー11の第1スライド14をロックし、第1シリンダー11である下シリンダーがアンロードされる。
【0043】
図4及び図5に示すように、本実施例においては第1シリンダー11の第1スライドスロット12のテールは第1ビア12aを介して枠体内高圧と連通した。フランジ17には第4ビア17bと第5ビア17cが新たに追加して設けられ、第4ビア17bは外付けバッファ腔と直接に連なり、第5ビア17cを介して下蓋板ガス導入スロット19aと連なり、カシメピン16aの下端部と連通した。二段稼動モードでは、カシメピン16aの頭部である上端部は枠体高圧であり、カシメピン16aのテールである下端部は吸気圧力であり、カシメピン16aが受けた圧力差は高圧と低圧の圧力差であり、カシメピンがアンロードされ、第1スライド14が正常に運行する。一級シリンダーの排気である第1シリンダー11の排気は、一級排気流通パスを介して第2シリンダー21の吸気口を通して上シリンダー吸気腔である第1シリンダー11の吸気腔に入って二級圧縮する。
【0044】
可変容量単段稼動モードでは、フランジ17の第4ビア17bの圧力は、可変容量機によって高圧に切り替えられ、即ちカシメピン頭部とカシメピンテールは高圧であり、カシメピンは、ばね力の作用下で上向きに運動し、下シリンダースライドをロックし、下シリンダーがアンロードされる。
【0045】
好ましくは、図6及び図7に示すように、バルブは、エンタルピー増加装置60の入り口及び分液器80の入り口の間の管路と連通した第1ガス補充管路に設けられたバルブAと、エンタルピー増加装置60の入り口と分液器80の入り口の間の管路に設けられ、第1ガス補充管路がエンタルピー増加装置60の入り口との間の管路と連通したバルブBと、二段可変容量圧縮機50の出口とツェナー装置70の入り口の間の管路に設けられ、ツェナー装置70の出口が第1シリンダー11の吸気口13bと連通したバルブCと、ツェナー装置70の入り口と分液器80の出口の間の管路に設けられ、ツェナー装置70の入り口がそれとバルブCの間を連通する管路と連通したバルブDと、エンタルピー増加装置60の出口と二段可変容量圧縮機50の間を連通した第2ガス補充管路に設けられ、第2ガス補充管路は、第2シリンダー21の吸気口と連通した第3ガス補充管路と、第1シリンダー11の排気口と連通した第4ガス補充管とを備え、第4ガス補充管に設けられたバルブEと、を備えた。
【0046】
好ましくは、図8及び図9に示すように、バルブは、エンタルピー増加装置60の入り口及び分液器80の入り口の間の管路と連通した第1ガス補充管路に設けられたバルブAと、エンタルピー増加装置60の入り口と分液器80の入り口の間の管路に設けられ、第1ガス補充管路がエンタルピー増加装置60の入り口との間の管路と連通したバルブBと、二段可変容量圧縮機50の出口とツェナー装置70の入り口の間の管路に設けられたバルブCと、ツェナー装置70の入り口と分液器80の出口の間の管路に設けられ、ツェナー装置70の入り口がバルブCとの間を連通した管路と連通したバルブDと、を備え、第1シリンダー11の吸気口13bは、ツェナー装置70の出口又は分液器80の出口と選択可能に連通した。
【0047】
図6に示すように、可変容量二段稼動モードの起動時、バルブA、バルブDとバルブEはオンされ、バルブBとバルブCはオフされる。第1スライドスロット12のテールは開放式構造であり、枠体の高圧と連通し、第1スライド14をロックするためのカシメピン16aの下端部は、一級シリンダーである第1シリンダー11の吸気口13bと直接に連通した。第1シリンダー11の吸気口13bは、バルブDがオンされることで吸気圧力と連通し、カシメピン16aは高低圧力差の作用下で下向きに運動し、第1スライド14は正常に運行する。第1シリンダー11の圧縮された後に形成した排気中圧は、バルブEがオンされることでバルブAを介したガス補充中圧とエンタルピー増加装置60の中で混合した後に第2シリンダー21の吸気口に入り、第2シリンダー21の中圧が圧縮された後に形成した排気高圧ガスは、圧縮機枠体内部、排気管まで入ってエアコンシステムに排出される。可変容量二段稼動モードを実現する。
【0048】
図7に示すように、可変容量単段稼動モードの起動時、バルブA、バルブDとバルブEはオフされ、バルブBとバルブCはオンされる。第1スライドスロット12のテールは開放式構造であり、枠体の高圧と連通し、第1スライド14をロックするためのカシメピン16aの下端部は、第1シリンダー11の吸気口13bと連通し、第1シリンダー11の吸気口13bは、バルブCがオンされることで高圧ガスと連通し、カシメピン16aは、弾性具16b、即ちばね力の作用下で上向きに運動し、第1スライド14はカシメピン16aによってロックされ、第1シリンダー11はアンロードされる。低圧ガスは、バルブBを介して第2シリンダー21の吸気口に入り、第2シリンダー21の低圧が圧縮された後に形成した排気高圧ガスは、圧縮機枠体内部、排気管まで入ってエアコンシステムに排出される。可変容量単段稼動モードを実現する。
【0049】
図8に示すように、可変容量二段稼動モードの起動時、バルブAとバルブDはオンされ、バルブBとバルブCはオフされる。第1スライドスロット12のテールは開放式構造であり、枠体の高圧と連通し、第1スライド14をロックするためのカシメピン16aの下端部は、一級シリンダーである第1シリンダー11の吸気口13bと連通しないが、バルブDがオンされることで吸気圧力と連通した。カシメピン16aは高低圧力差の作用下で下向きに運動し、第1スライド14は正常に運行する。第1シリンダー11の吸気口13bは分液器80と直接に連通し、一級シリンダーである第1シリンダー11の圧縮された後に形成した排気中圧は、ポンプバッフル板によってバルブAを介したガス補充中圧とエンタルピー増加装置60の中で混合した後に第2シリンダー21の吸気口に入り、第2シリンダー21の中圧が圧縮された後に形成した排気高圧ガスは、圧縮機枠体内部、排気管まで入ってエアコンシステムに排出される。可変容量二段稼動モードを実現する。
【0050】
図9に示すように、可変容量単段稼動モードの起動時、バルブAとバルブDはオフされ、バルブBとバルブCはオンされる。第1スライドスロット12のテールは開放式構造であり、枠体の高圧と連通し、第1スライド14をロックするためのカシメピン16aの下端部は、第1シリンダー11の吸気口13bと連通しないが、バルブCがオンされることで高圧ガスと連通し、カシメピン16aは、ばね力の作用下で上向きに運動し、第1スライド14はカシメピン16aによってロックされ、第1シリンダー11はアンロードされる。第1シリンダー11の吸気口13bは分液器80と連通し、第1シリンダー11の低圧ガスは、バルブBを介した低圧ガスと高圧級シリンダー吸気口に入り、第2シリンダー21の低圧が圧縮された後に形成した排気高圧ガスは、圧縮機枠体内部、排気管まで入ってエアコンシステムに排出される。可変容量単段稼動モードを実現する。
【0051】
装着の便利のため、前記実施例においては、バルブAとバルブB、バルブCとバルブDをそれぞれ三方バルブ又は四方バルブに替える。具体的な設置は、次のとおりである。
【0052】
好ましくは、バルブは、三方バルブであって、エンタルピー増加装置60の入り口と分液器80の入り口の間の管路に設けられ、出口がエンタルピー増加装置60の入り口と連通して、第1入り口が分液器80の入り口と連通して、第2入り口が第1ガス補充管路と連通したバルブFと、三方バルブであって、二段可変容量圧縮機50と分液器80の間の管路に設けられ、ツェナー装置70の入り口と連通して、第1入り口が二段可変容量圧縮機50の出口と連通して、第2入り口が分液器80の出口と連通して、出口がツェナー装置70の入り口と連通して、ツェナー装置70の出口が第1シリンダー11の吸気口13bと連通したバルブGと、エンタルピー増加装置60の出口と二段可変容量圧縮機50の間を連通した第2ガス補充管路に設けられ、第2ガス補充管路は、第2シリンダー21の吸気口と連通した第3ガス補充管路と、第1シリンダー11の排気口と連通した第4ガス補充管とを備え、第4ガス補充管に設けられたバルブEと、を備えた。
【0053】
好ましくは、バルブは、三方バルブであって、エンタルピー増加装置60の入り口と分液器80の入り口の間の管路に設けられ、出口がエンタルピー増加装置60の入り口と連通して、第1入り口が分液器80の入り口と連通して、第2入り口が第1ガス補充管路と連通したバルブFと、三方バルブであって、二段可変容量圧縮機50と分液器80の間の管路に設けられ、ツェナー装置70の入り口と連通して、第1入り口が二段可変容量圧縮機50の出口と連通して、第2入り口が分液器80の出口と連通して、出口がツェナー装置70の入り口と連通したバルブGと、を備え、第1シリンダー11の吸気口13bはツェナー装置70の出口又は分液器80の出口と選択可能に連通した。
【0054】
本発明は、二段エンタルピー増加圧縮技術を採用して低温により高温にする量を保証すると同時に、可変容量切替機構によって高低圧を切り替えることで二段と単段可変容量モードの安定な切替を実現してエアコンシステムの軽労働環境下でのエネルギー効率を向上させる。該請求項は、二段可変容量圧縮機の軽労働環境下で運行する時の效率を向上させて、二段可変容量圧縮機の軽ロード時のエネルギー効率欠陥を補い、単段可変容量モードに安定に切り替える弊害とシリンダーがアンロードされたスライドスロットの油たまりの弊害を回避することができる。第1スライドスロット12と第2スライドスロット22は開放式構造であり、枠体高圧と連通し、信頼性がよりよい。
【0055】
以上から分かるように、本発明に係る前記実施例は、次のような技術効果を実現する。
【0056】
第1シリンダー11のシリンダー壁に第1ビア12aが開設され、第1ビア12aに高圧ガスが導入されるので、ロック機構16の上端部のガス圧力は高圧ガスである。ロック機構16の下端部が高圧ガス又は低圧ガスを選択可能に入れるので、ロック機構16の下端部のガス圧力は高圧ガスと低圧ガスの間で切り替え、ガス圧力差がある条件下で二段運行を実現し、ガス圧力差がない条件下でカシメピンがスライドをロックし、単段可変容量運行を実現する。ロック機構16が受けた圧力差は高圧と低圧の圧力差であり、高低圧切替えを行って二段と単段可変容量モードの安定な切替を実現し、従来技術では単・二段可変容量切替において存在しうる切替安定性間題を解決する。
【0057】
以上は本発明の好ましい実施例に過ぎないが、本発明を制限するのではなく、当業者にとって、種々の変更と変化が可能である。本発明の要旨と原則を逸脱することなく、如何なる補正、均等な差し替え、改進なども本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0058】
10:第1シリンダーグループ
11:第1シリンダー
11a:ビア
12:第1スライドスロット
12a:第1ビア
13a:主吸気口
13b:吸気口
14:第1スライド
15:位置決めスロット
16:ロック機構
16a:カシメピン
16b:弾性具
17:フランジ
17a:フランジガス導入穴
17b:第4ビア
17c:第5ビア
17e:接続孔
18:装着スロット
19:下蓋板
19a:下蓋板ガス導入スロット
20:第2シリンダーグループ
21:第2シリンダー
22:第2スライドスロット
23:第2スライド
24:第6ビア
30:第1ローラ
40:第2ローラ
50:二段可変容量圧縮機
60:エンタルピー増加装置
70:ツェナー装置
80:分液器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13