(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6622408
(24)【登録日】2019年11月29日
(45)【発行日】2019年12月18日
(54)【発明の名称】アダプター、及びアダプター組立体
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20191209BHJP
H01R 13/516 20060101ALI20191209BHJP
H01R 13/633 20060101ALI20191209BHJP
G02B 6/38 20060101ALI20191209BHJP
G02B 6/46 20060101ALI20191209BHJP
【FI】
H01R13/52 301H
H01R13/516
H01R13/633
G02B6/38
G02B6/46 301
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-528722(P2018-528722)
(86)(22)【出願日】2016年4月6日
(65)【公表番号】特表2019-505066(P2019-505066A)
(43)【公表日】2019年2月21日
(86)【国際出願番号】CN2016078596
(87)【国際公開番号】WO2017092210
(87)【国際公開日】20170608
【審査請求日】2018年6月5日
(31)【優先権主張番号】201510877065.9
(32)【優先日】2015年12月3日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517184680
【氏名又は名称】中航光電科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】AVIC JONHON OPTRONIC TECHNOLOGY CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】韓 云▲ズアオ▼
(72)【発明者】
【氏名】李 衛可
(72)【発明者】
【氏名】姚 文浩
(72)【発明者】
【氏名】王 旭涛
(72)【発明者】
【氏名】胡 凱
(72)【発明者】
【氏名】劉 涛
(72)【発明者】
【氏名】徐 耕
【審査官】
山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−135796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/52
G02B 6/38
G02B 6/46
H01R 13/516
H01R 13/633
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルプラグの接触具に適応接続するためのアダプターソケット接触具、前記ケーブルプラグのシェルにロックして接続するためのアダプターソケットロック機構、キャビネット本体ソケットの接触具に適応接続するためのアダプタープラグ接触具、および前記キャビネット本体ソケットのシェルにロックして接続するためのアダプタープラグロック機構が設けられているアダプターシェルを含むアダプターにおいて、
前記アダプターシェルの前記アダプターソケットロック機構と前記アダプタープラグロック機構との間に、対応する接続スリーブに密封挿着するための密封嵌合部が設けられており、
前記密封嵌合部は、位置決め柱、および前記位置決め柱に設けられるシェルシールリングを含む、
ことを特徴とするアダプター。
【請求項2】
前記位置決め柱は円柱状であり、前記シェルシールリングは前記位置決め柱に嵌合される、
ことを特徴とする請求項1に記載のアダプター。
【請求項3】
前記アダプタープラグロック機構は、前から後ろへ徐々に上向きに弾力的に張り出して伸びると共に、前記キャビネット本体ソケットとの係止によってロックを実現するロッククリップを含み、
前記アダプターシェルの前記ロッククリップより後方側に、前記ロッククリップを下方へ押圧することによって前記ロッククリップのロック解除を実現するためのロック解除アームが設けられており、
前記ロック解除アームの後方端部は、前記位置決め柱に設けられているか、前記位置決め柱に近接して設けられている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアダプター。
【請求項4】
前記アダプターソケット接触具と前記アダプタープラグ接触具とは、いずれも光学接触具であり、
前記アダプターシェルは、前後順に単体で設けられているフロントシェル、ミドルシェル、およびリヤシェルを含み、
前記アダプタープラグロック機構は、前記フロントシェルに設けられており、前記アダプターソケットロック機構は、前記リヤシェルに設けられており、
前記ミドルシェルには、前後方向に沿って前記ミドルシェルを貫通する取付孔が設けられており、
前記アダプタープラグ接触具は、前記取付孔の前方端部にフロント固定スリーブを介して設けられており、
前記取付孔の後方端部には、スリーブシールリングを介してリヤ固定スリーブが装着されており、
前記アダプターソケット接触具は、前記リヤ固定スリーブに固設されており、
前記リヤシェルは、前記アダプターソケット接触具の外周に設けられており、
前記フロントシェルは、前記アダプタープラグ接触具の外周に設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアダプター。
【請求項5】
ケーブルプラグの接触具に適応接続するためのアダプターソケット接触具、前記ケーブルプラグのシェルにロックして接続するためのアダプターソケットロック機構、キャビネット本体ソケットの接触具に適応接続するためのアダプタープラグ接触具、および前記キャビネット本体ソケットのシェルにロックして接続するためのアダプタープラグロック機構が設けられているアダプターシェルを含むアダプターにおいて、
前記アダプターシェルの前記アダプターソケットロック機構と前記アダプタープラグロック機構との間に、対応する接続スリーブに密封挿着するための密封嵌合部が設けられており、
前記アダプターソケット接触具と前記アダプタープラグ接触具とは、いずれも光学接触具であり、
前記アダプターシェルは、前後順に単体で設けられているフロントシェル、ミドルシェル、およびリヤシェルを含み、
前記アダプタープラグロック機構は、前記フロントシェルに設けられており、前記アダプターソケットロック機構は、前記リヤシェルに設けられており、
前記ミドルシェルには、前後方向に沿って前記ミドルシェルを貫通する取付孔が設けられており、
前記アダプタープラグ接触具は、前記取付孔の前方端部にフロント固定スリーブを介して設けられており、
前記取付孔の後方端部には、スリーブシールリングを介してリヤ固定スリーブが装着されており、
前記アダプターソケット接触具は、前記リヤ固定スリーブに固設されており、
前記リヤシェルは、前記アダプターソケット接触具の外周に設けられており、
前記フロントシェルは、前記アダプタープラグ接触具の外周に設けられている、
ことを特徴とするアダプター。
【請求項6】
ケーブルプラグの接触具に適応接続するためのアダプターソケット接触具、前記ケーブルプラグのシェルにロックして接続するためのアダプターソケットロック機構、キャビネット本体ソケットの接触具に適応接続するためのアダプタープラグ接触具、および前記キャビネット本体ソケットのシェルにロックして接続するためのアダプタープラグロック機構が設けられているアダプターシェルを含むアダプターを含むアダプター組立体において、
対応するキャビネットに密封分離可能接続機構を介して密封分離可能に接続するための接続スリーブをさらに含み、
前記アダプターシェルの前記アダプターソケットロック機構と前記アダプタープラグロック機構との間に、前記接続スリーブに密封挿着される密封嵌合部が設けられている、
ことを特徴とするアダプター組立体。
【請求項7】
前記密封分離可能接続機構は、前記接続スリーブに回転嵌合される接続スクリューキャップおよび前記接続スリーブに嵌合されるガスケットを含む、
ことを特徴とする請求項6に記載のアダプター組立体。
【請求項8】
前記密封嵌合部は、位置決め円柱、および前記位置決め円柱に嵌合されるシェルシールリングを含む、
ことを特徴とする請求項6に記載のアダプター組立体。
【請求項9】
前記アダプタープラグロック機構は、前から後ろへ徐々に上向きに弾力的に張り出して伸びると共に、前記キャビネット本体ソケットとの係止によってロックを実現するためのロッククリップを含み、
前記アダプターシェルの前記ロッククリップより後方側に、前記ロッククリップを下方へ押圧することによって前記ロッククリップのロック解除を実現するためのロック解除アームが設けられており、
前記ロック解除アームの後方端部は、前記位置決め円柱に設けられているか、前記位置決め円柱に近接して設けられている、
ことを特徴とする請求項8に記載のアダプター組立体。
【請求項10】
前記ロック解除アームの前方端部は、前後方向に沿って水平に前記ロッククリップの上方まで張り出している、
ことを特徴とする請求項9に記載のアダプター組立体。
【請求項11】
前記アダプターソケット接触具と前記アダプタープラグ接触具とは、いずれも光学接触具であり、
前記アダプターシェルは、前後順に単体で設けられているフロントシェル、ミドルシェル、およびリヤシェルを含み、
前記アダプタープラグロック機構は、前記フロントシェルに設けられており、前記アダプターソケットロック機構は、前記リヤシェルに設けられており、
前記ミドルシェルには、前後方向に沿って前記ミドルシェルを貫通する取付孔が設けられており、
前記アダプタープラグ接触具は、前記取付孔の前方端部にフロント固定スリーブを介して設けられており、
前記取付孔の後方端部には、スリーブシールリングを介してリヤ固定スリーブが装着されており、
前記アダプターソケット接触具は、前記リヤ固定スリーブに固設されており、
前記リヤシェルは、前記アダプターソケット接触具の外周に設けられており、
前記フロントシェルは、前記アダプタープラグ接触具の外周に設けられている、
ことを特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載のアダプター組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シグナルコネクタ分野に係り、特にアダプター、および当該アダプターを使用したアダプター組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
日常的な生産・生活において、ケーブル経由でキャビネットへ信号の引き込みやキャビネットからの引き出しが必要となることはよくある。通常のやり方として、キャビネットの本体にキャビネット本体ソケットを設け、ケーブルの端部にケーブルプラグを設け、ケーブルプラグをキャビネット本体ソケットに差し込むことによって信号の伝送を実現する。しかし、ケーブルプラグとキャビネット本体ソケットとが対応しない場合、ケーブルプラグとキャビネット本体ソケットとの間にアダプターを設ける必要がある。特許文献1(中国特許出願公開第102162881号明細書)に開示されている「光減衰の光電一体式変換コネクタ」は、従来のアダプターである。当該アダプターは、アダプターシェルを含む。アダプターシェルには、ケーブルプラグの接触具(電気接触具および光学接触具)に適応して接続するためのアダプターソケット接触具と、ケーブルプラグのシェルにロックして接続するための接続スクリューキャップ、すなわちアダプターソケットロック機構が設けられており、さらにキャビネット本体ソケットの接触具に適応して接続するためのアダプタープラグ接触具と、キャビネット本体ソケットのシェルにロックして接続するための雄ねじ、すなわちアダプタープラグロック機構も設けられている。使用時に、ケーブルプラグがアダプターの一端に差し込まれ、アダプターソケットロック機構とケーブルプラグのシェルのロックによって、アダプターとケーブルプラグの抜け防止を実現し、アダプタープラグロック機構とキャビネット本体ソケットのシェルとのロックによって、アダプターとキャビネット本体ソケットの抜け防止を実現し、アダプタープラグ接触具とアダプターソケット接触具が光信号および/または電気信号の伝送を実現する。従来のこのようなアダプターに存在する問題は、アダプターには対応する防水機構がなく、当該アダプターの使用が室内に限られ、室外に適用できないことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許出願公開第102162881号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、防水機能を有するアダプターを提供することである。本発明の目的は、さらに、当該アダプターを使用したアダプター組立体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のアダプター組立体は、アダプターを含む。アダプターは、アダプターシェルを含む。アダプターシェルには、ケーブルプラグの接触具に適応接続するためのアダプターソケット接触具、前記ケーブルプラグのシェルにロックして接続するためのアダプターソケットロック機構、キャビネット本体ソケットの接触具に適応接続するためのアダプタープラグ接触具、前記およびキャビネット本体ソケットのシェルにロックして接続するためのアダプタープラグロック機構が設けられている。アダプター組立体は、対応するキャビネットに密封分離可能接続機構を介して密封分離可能に接続するための接続スリーブをさらに含む。前記アダプターシェルの前記アダプターソケットロック機構と前記アダプタープラグロック機構との間に、前記接続スリーブに密封挿着される密封嵌合部が設けられている。
【0006】
前記密封分離可能接続機構は、前記接続スリーブに回転嵌合される接続スクリューキャップおよび前記接続スリーブに嵌合されるガスケットを含む。
【0007】
前記密封嵌合部は、位置決め円柱、および前記位置決め円柱に嵌合されるシェルシールリングを含む。
【0008】
前記アダプタープラグロック機構は、前から後ろへ徐々に上向きに弾力的に張り出して伸びると共に、前記キャビネット本体ソケットとの係止によってロックを実現するためのロッククリップを含む。前記アダプターシェルの前記ロッククリップより後方側に、前記ロッククリップを下方へ押圧することによって前記ロッククリップのロック解除を実現するためのロック解除アームが設けられている。前記ロック解除アームの後方端部は、前記位置決め円柱に設けられているか、前記位置決め円柱に近接して設けられている。
【0009】
前記ロック解除アームの前方端部は、前後方向に沿って水平に前記ロッククリップの上方まで張り出している。
【0010】
前記アダプターソケット接触具と前記アダプタープラグ接触具とは、いずれも光学接触具である。前記アダプターシェルは、前後順に単体で設けられているフロントシェル、ミドルシェル、およびリヤシェルを含む。前記アダプタープラグロック機構は、前記フロントシェルに設けられており、前記アダプターソケットロック機構は、前記リヤシェルに設けられている。前記ミドルシェルには、前後方向に沿って前記ミドルシェルを貫通する取付孔が設けられている。前記アダプタープラグ接触具は、前記取付孔の前方端部にフロント固定スリーブを介して設けられている。前記取付孔の後方端部には、スリーブシールリングを介してリヤ固定スリーブが装着されている。前記アダプターソケット接触具は、前記リヤ固定スリーブに固設されている。前記リヤシェルは、前記アダプターソケット接触具の外周に設けられており、前記フロントシェルは、前記アダプタープラグ接触具の外周に設けられている。
【0011】
本発明におけるアダプターは、アダプターシェルを含む。アダプターシェルには、ケーブルプラグの接触具に適応接続するためのアダプターソケット接触具、前記ケーブルプラグのシェルにロックして接続するためのアダプターソケットロック機構、キャビネット本体ソケットの接触具に適応接続するためのアダプタープラグ接触具、および前記キャビネット本体ソケットのシェルにロックして接続するためのアダプタープラグロック機構が設けられている。前記アダプターシェルの前記アダプターソケットロック機構と前記アダプタープラグロック機構との間に、対応する接続スリーブに密封挿着するための密封嵌合部が設けられている。
【0012】
前記密封嵌合部は、位置決め円柱、および前記位置決め円柱に嵌合されるシェルシールリングを含む。
【0013】
前記アダプタープラグロック機構は、前から後ろへ徐々に上向きに弾力的に張り出して伸びると共に、前記キャビネット本体ソケットとの係止によってロックを実現するロッククリップを含む。前記アダプターシェルの前記ロッククリップより後方側に、前記ロッククリップを下方へ押圧することによって前記ロッククリップのロック解除を実現するためのロック解除アームが設けられている。前記ロック解除アームの後方端部は、前記位置決め円柱に設けられているか、前記位置決め円柱に近接して設けられている。
【0014】
前記アダプターソケット接触具と前記アダプタープラグ接触具とは、いずれも光学接触具である。前記アダプターシェルは、前後順に単体で設けられているフロントシェル、ミドルシェル、およびリヤシェルを含む。前記アダプタープラグロック機構は、前記フロントシェルに設けられており、前記アダプターソケットロック機構は、前記リヤシェルに設けられている。前記ミドルシェルには、前後方向に沿って前記ミドルシェルを貫通する取付孔が設けられている。前記アダプタープラグ接触具は、前記取付孔の前方端部にフロント固定スリーブを介して設けられている。前記取付孔の後方端部には、スリーブシールリングを介してリヤ固定スリーブが装着されている。前記アダプターソケット接触具は、前記リヤ固定スリーブに固設されている。前記リヤシェルは、前記アダプターソケット接触具の外周に設けられており、前記フロントシェルは、前記アダプタープラグ接触具の外周に設けられている。
【発明の効果】
【0015】
使用時に、アダプタープラグロック機構とキャビネット本体ソケットのシェルとの係止によってキャビネットとアダプターの抜け防止を実現し、アダプターソケットロック機構とケーブルプラグのシェルとの係止によってケーブルプラグとアダプターの抜け防止を実現し、接続スリーブが密封分離可能接続機構を介してキャビネットに密封分離可能に接続することによって接続スリーブとキャビネットの密封を実現し、アダプターシェル上の密封嵌合部と接続スリーブとの密封挿着によってアダプターと接続スリーブとの密封を実現する。よって、良好な防水環境を保証し、当該アダプターが室外環境での使用に適用することを保証する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係るアダプター組立体の実施例1の使用状態図。
【
図5】本発明に係るアダプター組立体の実施例2のアダプターの構造模式図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
実施例1に係るアダプター組立体は、
図1〜4に示すように、アダプター6と、対応するキャビネット1に密封分離可能接続機構を介して密封した状態で接続したり接続した状態から分離したりするための接続スリーブ4を含む。密封分離可能接続機構は、接続スリーブ4に回転嵌合される接続スクリューキャップ3と、接続スリーブ4に嵌合されるガスケット2とを含む。アダプターは、アダプターシェルを含む。アダプターシェルは、前後順に単体で設けられているフロントシェル13、ミドルシェル12、およびリヤシェル11を含む。リヤシェル11には、ケーブルプラグのシェルにロックして接続するためのアダプターソケットロック機構が設けられている。フロントシェル13には、キャビネット本体ソケットのシェルにロックして接続するためのアダプタープラグロック機構が設けられている。ミドルシェルの両端部には、アダプターソケット接触具18、アダプタープラグ接触具14がそれぞれ設けられている。本実施例におけるアダプターは、デュプレックスのLCアダプターであるため、アダプタープラグ接触具とアダプターソケット接触具とはいずれも光学接触具である。ミドルシェル12には、前後方向に沿ってミドルシェルを貫通する取付孔が設けられている。アダプタープラグ接触具14は、取付孔の前方端部にフロント固定スリーブ15を介して設けられている。取付孔の後方端部には、スリーブシールリング16を介してリヤ固定スリーブ17が装着されている。アダプターソケット接触具18は、リヤ固定スリーブ17に固設されている。アダプタープラグ接触具とアダプターソケット接触具との装着が完了した後に、フロントシェル、及びリヤシェルがミドルシェルの前後両側に装着され、リヤシェルがアダプターソケット接触具の外周に設けられ、フロントシェルがアダプタープラグ接触具の外周に設けられる。アダプターシェルのアダプターソケットロック機構とアダプタープラグロック機構との間に、接続スリーブに密封挿着するための密封嵌合部が設けられている。密封嵌合部は、ミドルシェルに一体に設けられる位置決め円柱10、および位置決め円柱に嵌合されるシェルシールリング9を含む。
【0018】
アダプターがLCアダプターであるため、アダプタープラグロック機構とアダプターソケットロック機構も、LCコネクタによく用いられるロック機構を採用する。すなわち、アダプタープラグロック機構は、ロッククリップ7を含む。ロッククリップは、前から後ろへ弾力的に張り出している。ロッククリップ7、フロントシェル13、およびアダプタープラグ接触具14は、1つのLCプラグに相当する。LCプラグがキャビネット本体ソケットに差し込まれると、ロッククリップ7がキャビネット本体ソケットの係止溝に引掛けられ、キャビネット本体ソケットとアダプターとのロックが実現される。ミドルシェルにロック解除アーム8が設けられ、ロック解除アーム8の後方端部が位置決め円柱10に近接して設けられるため、ロック解除アームの押圧が行いやすい。ロック解除アームの前方端部が前後方向に沿って水平に伸びロッククリップの上方まで張り出している。押圧されたロック解除アームはロッククリップを押下することができ、これによりロッククリップがキャビネット本体ソケットの係止溝から抜け出し、ロック解除が実現される。アダプターソケットロック機構は、係止溝である。係止溝、リヤシェル11、およびアダプターソケット接触具18は、1つのLCソケットに相当する。LCソケットにケーブルプラグが差し込まれると、ケーブルプラグ上のロッククリップが係止溝に引掛けられ、ロックを実現する。
【0019】
使用時に、LCプラグをキャビネット本体ソケットに接続し、それから接続スリーブをキャビネットにロックする。これにより、アダプターとキャビネットとの接続が実現される。アダプターシェルと接続スリーブとの間が密封嵌合されるため、接続スリーブとキャビネットとの間が密封嵌合され、リヤ固定スリーブとミドルシェルとの間が密封嵌合され、最終的にIP67、IP68の防水レベルに達し、屋外で使用することができる。そして、ケーブルプラグをLCソケットに差し込むことで装着が完成する。アダプターを取り外す場合には、接続スリーブ上の接続スクリューキャップを緩め、接続スリーブをアダプターシェルに対して後方へ移動させてロック解除アームを露出させる。そして、ロック解除アームを押圧することにより、ロッククリップとキャビネット本体ソケットとのロック状態を解除することができる。本発明の他の実施例において、ガスケットは、シールリングに代替されてもよい。もちろん、異なる接続スクリューキャップで接続スリーブとキャビネットの分離可能接続を実現してもよく、例えばボルトやフランジによって接続スリーブとキャビネットの分離可能を実現する。シェルシールリングは、位置決め円柱に加硫されるゴム層に代替されてもよく、位置決め円柱と接続スリーブとの密封挿着を保証できるものであればよい。密封嵌合部の断面形状は、方形であってもよい。ロック解除アームは、位置決め円柱に設けられてもよい。フロントシェル、ミドルシェル、及びリヤシェルは、一体に設けられてもよい。この場合、リヤ固定スリーブと取付孔との間のシールリングを設けなくてもよい。アダプターは、さらにシンプレックスのLCアダプターであってもよい。もちろん、アダプターは、LC光ファイバコネクタに限られず、FC、SCなど他種類の光変換コネクタ、電気アダプター、または光電一体式アダプターであってもよい。
【0020】
実施例2に係るアダプター組立体は、
図5〜7に示されているように、シェルシールリング9がリヤシェル11に設けられているという点で、実施例1に係るアダプター組立体と異なっている。図示のように、符号13は、フロントシェルを示し、符号12は、ミドルシェルを示す。
【0021】
アダプターの実施例について、
図1〜7に示されているように、アダプターの具体的な構造が上記各アダプター組立体の実施例に記載したアダプターとは同一であり、ここでは再び詳細に記載しない。
【0022】
(付記)
(付記1)
ケーブルプラグの接触具に適応接続するためのアダプターソケット接触具、前記ケーブルプラグのシェルにロックして接続するためのアダプターソケットロック機構、キャビネット本体ソケットの接触具に適応接続するためのアダプタープラグ接触具、および前記キャビネット本体ソケットのシェルにロックして接続するためのアダプタープラグロック機構が設けられているアダプターシェルを含むアダプターにおいて、
前記アダプターシェルの前記アダプターソケットロック機構と前記アダプタープラグロック機構との間に、対応する接続スリーブに密封挿着するための密封嵌合部が設けられている、
ことを特徴とするアダプター。
【0023】
(付記2)
前記密封嵌合部は、位置決め円柱、および前記位置決め円柱に嵌合されるシェルシールリングを含む、
ことを特徴とする付記1に記載のアダプター。
【0024】
(付記3)
前記アダプタープラグロック機構は、前から後ろへ徐々に上向きに弾力的に張り出して伸びると共に、前記キャビネット本体ソケットとの係止によってロックを実現するロッククリップを含み、
前記アダプターシェルの前記ロッククリップより後方側に、前記ロッククリップを下方へ押圧することによって前記ロッククリップのロック解除を実現するためのロック解除アームが設けられており、
前記ロック解除アームの後方端部は、前記位置決め円柱に設けられているか、前記位置決め円柱に近接して設けられている、
ことを特徴とする付記2に記載のアダプター。
【0025】
(付記4)
前記アダプターソケット接触具と前記アダプタープラグ接触具とは、いずれも光学接触具であり、
前記アダプターシェルは、前後順に単体で設けられているフロントシェル、ミドルシェル、およびリヤシェルを含み、
前記アダプタープラグロック機構は、前記フロントシェルに設けられており、前記アダプターソケットロック機構は、前記リヤシェルに設けられており、
前記ミドルシェルには、前後方向に沿って前記ミドルシェルを貫通する取付孔が設けられており、
前記アダプタープラグ接触具は、前記取付孔の前方端部にフロント固定スリーブを介して設けられており、
前記取付孔の後方端部には、スリーブシールリングを介してリヤ固定スリーブが装着されており、
前記アダプターソケット接触具は、前記リヤ固定スリーブに固設されており、
前記リヤシェルは、前記アダプターソケット接触具の外周に設けられており、
前記フロントシェルは、前記アダプタープラグ接触具の外周に設けられている、
ことを特徴とする付記1〜3のいずれか1つに記載のアダプター。
【0026】
(付記5)
ケーブルプラグの接触具に適応接続するためのアダプターソケット接触具、前記ケーブルプラグのシェルにロックして接続するためのアダプターソケットロック機構、キャビネット本体ソケットの接触具に適応接続するためのアダプタープラグ接触具、および前記キャビネット本体ソケットのシェルにロックして接続するためのアダプタープラグロック機構が設けられているアダプターシェルを含むアダプターを含むアダプター組立体において、
対応するキャビネットに密封分離可能接続機構を介して密封分離可能に接続するための接続スリーブをさらに含み、
前記アダプターシェルの前記アダプターソケットロック機構と前記アダプタープラグロック機構との間に、前記接続スリーブに密封挿着される密封嵌合部が設けられている、
ことを特徴とするアダプター組立体。
【0027】
(付記6)
前記密封分離可能接続機構は、前記接続スリーブに回転嵌合される接続スクリューキャップおよび前記接続スリーブに嵌合されるガスケットを含む、
ことを特徴とする付記5に記載のアダプター組立体。
【0028】
(付記7)
前記密封嵌合部は、位置決め円柱、および前記位置決め円柱に嵌合されるシェルシールリングを含む、
ことを特徴とする付記5に記載のアダプター組立体。
【0029】
(付記8)
前記アダプタープラグロック機構は、前から後ろへ徐々に上向きに弾力的に張り出して伸びると共に、前記キャビネット本体ソケットとの係止によってロックを実現するためのロッククリップを含み、
前記アダプターシェルの前記ロッククリップより後方側に、前記ロッククリップを下方へ押圧することによって前記ロッククリップのロック解除を実現するためのロック解除アームが設けられており、
前記ロック解除アームの後方端部は、前記位置決め円柱に設けられているか、前記位置決め円柱に近接して設けられている、
ことを特徴とする付記7に記載のアダプター組立体。
【0030】
(付記9)
前記ロック解除アームの前方端部は、前後方向に沿って水平に前記ロッククリップの上方まで張り出している、
ことを特徴とする付記8に記載のアダプター組立体。
【0031】
(付記10)
前記アダプターソケット接触具と前記アダプタープラグ接触具とは、いずれも光学接触具であり、
前記アダプターシェルは、前後順に単体で設けられているフロントシェル、ミドルシェル、およびリヤシェルを含み、
前記アダプタープラグロック機構は、前記フロントシェルに設けられており、前記アダプターソケットロック機構は、前記リヤシェルに設けられており、
前記ミドルシェルには、前後方向に沿って前記ミドルシェルを貫通する取付孔が設けられており、
前記アダプタープラグ接触具は、前記取付孔の前方端部にフロント固定スリーブを介して設けられており、
前記取付孔の後方端部には、スリーブシールリングを介してリヤ固定スリーブが装着されており、
前記アダプターソケット接触具は、前記リヤ固定スリーブに固設されており、
前記リヤシェルは、前記アダプターソケット接触具の外周に設けられており、
前記フロントシェルは、前記アダプタープラグ接触具の外周に設けられている、
ことを特徴とする付記5〜9のいずれか1つに記載のアダプター組立体。