(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6622412
(24)【登録日】2019年11月29日
(45)【発行日】2019年12月18日
(54)【発明の名称】積荷リフティング力又は積荷寸法に択一的に応答して、積荷クランプ力を適用するように適応された、複数の伸張段階(ステージ)を備える伸縮自在の積荷クランピング流体圧シリンダを有するクランプ
(51)【国際特許分類】
B66F 9/18 20060101AFI20191209BHJP
B66F 9/22 20060101ALI20191209BHJP
【FI】
B66F9/18 Z
B66F9/22 X
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-532237(P2018-532237)
(86)(22)【出願日】2016年12月30日
(65)【公表番号】特表2019-509230(P2019-509230A)
(43)【公表日】2019年4月4日
(86)【国際出願番号】US2016069362
(87)【国際公開番号】WO2017171957
(87)【国際公開日】20171005
【審査請求日】2018年7月24日
(31)【優先権主張番号】15/088,401
(32)【優先日】2016年4月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592229487
【氏名又は名称】カスケード コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】CASCADE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ランニング・ブレント・ジー
【審査官】
有賀 信
(56)【参考文献】
【文献】
特表2012−505133(JP,A)
【文献】
特開昭57−066888(JP,A)
【文献】
特開昭48−007448(JP,A)
【文献】
特開平11−322078(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第102010046227(DE,A1)
【文献】
特開2000−191294(JP,A)
【文献】
特開平07−196298(JP,A)
【文献】
特開平08−151199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 9/00─11/04
B25J 1/00─21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧された作動流体源に応じて積荷に対してクランプ力を適用可能な少なくとも第1及び第2の連続的に伸張可能な段階を有するタイプの少なくとも1つの積荷クランピング流体圧シリンダを含む流体圧積荷クランピング及び積荷リフティングシステムであって、
前記第1段階は、前記第2段階の第2の流体圧受領域より大きな第1の流体圧受領域を有し、
前記第1段階は、前記第1の流体圧受領域に加えられた前記積荷の重量を支える流体圧に依存して自動可変に、前記積荷に対し第1クランプ力をかけることができ、
前記第2段階は、自動的に前記積荷の寸法に応じて前記積荷に前記第1クランプ力より小さい第2クランプ力をかけることができるシステム。
【請求項2】
前記第2段階が、前記第1段階の最大伸張に応答して前記第2クランプ力をかけることができる請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記積荷の前記重量を支える前記流体圧に応答して前記積荷を持ち上げる積荷リフティング流体圧シリンダを更に含む請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記積荷リフティング流体圧シリンダが、少なくとも2つの連続的に伸張可能な段階を有するタイプである請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記積荷クランピング流体圧シリンダが材料ハンドリングリフトトラックに操作可能に搭載され、前記積荷クランピング流体圧シリンダの長さが前記材料ハンドリングリフトトラックから全般的に前方に延びている請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0002】
本開示は、一般的には、荷重に応じて変化する流体圧積荷クランプ力を自動的に適用することが可能なリフトトラック搭載積荷クランプにより、ペーパーロール又はその他のもののハンドリングを最適化する流体圧回路に関する。
【0003】
米国特許第6454511号は、電気的に荷重を感知し、且つ、感知された荷重に応答して、電気制御器によって可変制御される圧力リリーフ弁により、最大流体圧積荷クランプ力を自動制限することで、積荷クランプ力の荷重に対応した流体圧制御に関する先行電気システムを開示している。
【0004】
米国特許公開公報第2010/0089704号は、電気制御器を必要としないにもかかわらず、荷重に対応して変化する流体圧積荷クランプ力を自動で加えることが可能な、より単純な機械式システムを開示している。しかしながら、この後者の荷重依存クランピングシステムは、2以上の伸張段階(ステージ)を有する流体圧クランプシリンダとの併用を以前は考えていなっかった。なぜならば、シリンダが伸張する間、そのようなシリンダの追加された連続する段階(ステージ)のそれぞれで、徐々に減少した加圧領域となる結果、徐々にクランプ力が減少してしまい、このことでクランプがクランプされた積荷を落とす要因となりかねないためである。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、2つ以上の連続的に伸張可能な段階(ステージ)を有するタイプの流体圧クランプシリンダを1つ又は複数利用することで、上述の後者の機械式積荷クランピングシステムに改良を加え、例えば、米国特許第4127205号及び米国特許第4227850号にて示されるようなクランプされた積荷をクランプが落とす危険を冒すことなく、荷重に応じて変化する流体圧積荷クランプ力、若しくは、積荷寸法に応じて変化する流体圧積荷クランプ力を適用する。流体圧クランプシリンダの長さは、いくつかの応用例では、サポートリフトトラックから全般的に前方に伸びるが、他の場合では、サポートリフトトラックに対して全般的に横方向に伸びる。この改良されたシステムは、1つ又は複数の積荷リフティング伸張段階(ステージ)を有する1つ又は複数の積荷リフティングシリンダと併せて使用可能である。この改良されたシステムは、次のような更なる利点をもたらす。
【0006】
(1)積荷損傷を防ぐ目的で、より小さな積荷にはクランプ力を自動で減少し、
【0007】
(2)積荷ハンドリングの生産性をよくする目的で、より小さな積荷にはクランプを自動で迅速に閉じ、
【0008】
(3)より大きな寸法範囲の積荷をクランプできることである。
【0009】
本発明の上述の、およびその他の目的、特徴、利点は、添付図を参照して以下の発明の詳細説明を検討することでより一層容易に理解できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明で使用可能な流体圧システムの好適な実施の形態の一例である。
【0011】
【
図2】
図2は、
図1の流体圧システムと相互作用可能なスイッチアセンブリの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細説明に、本発明の理解の助けとなるよう特定の好適な特徴が記述されている。しかしながら、本発明は、これらの具体的な特徴を活用せずに、多くの方法で実行されることも可能である。
【0013】
図1は、本発明において、ペーパーロール又はその他の重量積荷を扱うリフトトラックによって通常運ばれるタイプの積荷ハンドリングクランプを有利に制御するために、使用可能な流体圧システムの好適な実施の形態を示している。該流体圧システムは、積荷にかかる積荷クランプ力の自動可変荷重対応制御に適合しており、伸張された流体圧クランピングアクチュエーターの最大の伸縮長さと組み合わせた、後退した流体圧クランピングアクチュエーターの最少の伸縮長さが、リフトトラックによって取り扱い可能なクランプされた積荷の寸法範囲を増加させるためには望ましい。このようなシステムは、好ましくは、101、103のような、1つ又は複数の流体動力積荷クランピングアクチュエーターを含み、各々が、105及び107のような、2つ以上の伸縮自在の連続的に伸張可能な段階(ステージ)を有する。
【0014】
径のより大きな段階(ステージ)105の各々は、はじめに、クランプ閉ライン118及び120を介して、各段階(ステージ)105のより大きな加圧領域に供給された流体圧クランプ閉じ圧力の元で伸張する。径のより大きな段階(ステージ)105の最大伸張後、夫々対応する径のより小さな段階(ステージ)107が、より小さな加圧領域に起因して、径のより大きな段階(ステージ)105よりも弱い力で伸張する。該システムは、好ましくは、2つ以上の連続的に伸張可能な伸縮自在の段階(ステージ)154及び156を有する、少なくとも1つの長手方向に伸張可能な流体動力積荷リフティングアクチュエーターも含む。好ましくは、このような積荷リフティングアクチュエーターは、低オーバーヘッド領域にて積荷リフティングを容易にするために、リフトトラックのマストを伸張させずに積荷を持ち上げる伸張可能なフリーリフト段階(ステージ)154、及び、更にはリフトトラックのマストが伸張している間、より高いオーバーヘッド領域にて、更に高く積荷を持ち上げるメインリフト段階(ステージ)156を有する。
【0015】
積荷クランプ弁134は、積荷クランピングアクチュエーター101、103の伸張及び後退を制御し、並びに、積荷リフト弁146は、積荷リフティングアクチュエーター154及び156の伸張及び後退を制御する。このような弁は、手動制御又は遠隔制御が可能である。
【0016】
1つ又は複数の101、103のような流体動力アクチュエーターによって制御可能な積荷クランピング部材(図示しない)は、ペーパーロールクランプアーム又は別のタイプの積荷クランピング部材を備える。本開示の例示目的で、積荷リフティングシステムが、一対の横並びの積荷クランピング流体動力アクチュエーターを有するペーパーロールクランプに照らして更に説明されるが、各々のアクチュエーターが、流体動力アクチュエーター101、103によって、共通の方向で、同時に一致して動作制御された2つの進退自在に動く段階(ステージ)105及び107を有する。このような構成では、流体動力アクチュエーター101、103は、
図1にて左へのクランプバルブスプール134の動作によって、アクチュエーターを伸張するために、作動流体が、流体ライン136、118及び120を介して、流体動力アクチュエーター(又はシリンダ)101、103のヘッド側へと注入され、同時に作動流体が、流体ライン122、124及び132を介して、流体動力アクチュエーター101、103の反対側から排出されるときに、積荷クランピング部材を一緒に閉じるように構成されてもよい。一方で、右へのクランプバルブスプール134の動作は、相応して、流体動力アクチュエーター101、103を後退させる。
【0017】
積荷クランプ切替弁134が右へ動いて積荷クランプ開放ライン132内の流体圧力を増加する時、二方向弁196は、積荷クランプ開放ライン132から導かれて、弁が無流閉じ位置に動くように図示されている。
【0018】
流体動力アクチュエーター101、103の各々が、弁アセンブリ126によっても追加的に制御されるようにしてもよく、一斉に作動するよう、流体動力アクチュエーター101、103を介して等量流を引き起こすために、従来の分流/集流弁(図示しない)のような流体圧回路を備えることも可能である。積荷クランプ弁アセンブリ126は、また、従来の操作者操作チェック弁、並びに、クランプ開放制御ライン132、122、124内の流体圧に対抗することで、解除されるまで積荷クランピング状態に動力アクチュエーターを保持する関連回路を含んでもよい。
【0019】
積荷リフティングシステムは、少なくともフリーリフト段階(ステージ)154及びメインリフト段階(ステージ)156を有する少なくとも一つの流体動力リフティング装置を有する。リフティング装置154、156は、単一段階流体動力装置、複数段階流体動力装置、若しくは、流体動力装置のアセンブリであってよい。いずれの場合でも、流体動力リフティング装置は、マストを伸張させずに積荷クランピング部材を持ち上げる長手方向のフリーリフト移動範囲、及び、リフティング装置が伸張する際にマストが伸張する長手方向の少なくとも一つのメインリフト移動範囲を有するよう構成されている。概略的に図示されるように、フリーリフト段階(ステージ)154ピストンは、メインリフト段階(ステージ)156ピストンよりも大きな加圧表面積を有するため、フリーリフト段階(ステージ)154は、伸張作動のためには、ライン158内で、メインリフト段階(ステージ)156で必要とされるよりも低い流体圧力を必要とする。その結果、ライン158内の作動流体量が増加することで、フリーリフト段階(ステージ)154自体の移動の終端まで、フリーリフト段階(ステージ)154の伸張を引き起こし、その後、ライン158での流体量が更にメインリフト段階(ステージ)156を伸張させる。
【0020】
上記システムの流体圧弁回路は3つの異なるモジュール128、150、152にグループ分けされて図示されているが、様々な構成要素が異なってグループ分けされてもよく、若しくは異なる数のモジュールにグループ分けされてもよい。つまり、モジュール128にグループ分けされた流体圧弁回路は、リフティング装置154、156に関連した流体圧回路からライン168に感知された荷重を受け入れ、且つ、積荷クランピングアクチュエーター101及び103の荷重対応制御のため感知された荷重を使用する回路を構成する。
【0021】
弁アセンブリ150及び152にグループ分けされた流体圧弁回路は、リフティング装置154、156の長手方向に伸張可能な位置に実質上無関係に、ライン168に受け入れられた感知荷重が均等化されることを確実にし、並びに、積荷クランプ切替弁134及び積荷リフト切替弁146が閉じている時、リフティング装置154、156を含む1つ又は複数のシリンダがアキュムレータとして動作することを可能にする回路を含み、それにより積荷リフティングシステムに、積荷クランピング部材のフルタイム自動荷重対応力制御を提供する。
【0022】
弁アセンブリ128で図示された流体圧弁回路は、積荷クランプ切替弁134から作動流体を受ける積荷クランプ閉鎖回路を含む。例えば、ペーパーロールを取り扱う積荷リフティングシステムを装備したリフトトラックの操作者は、積荷クランプ切替弁134を図上左へ動かすことで、積荷クランピング部材の閉じ操作を開始して、作動流体がクランプ閉鎖ライン130に流れ込むようにし、操作者操作弁190を離座し、且つ、ライン130及び積荷クランプ弁126を介して、ライン118及び120へ流れ続けるようにしてクランピングシリンダ101及び103を同時に伸張する。流体が積荷クランプ閉鎖ライン130に注入されるにつれて、作動流体は、積荷クランプ開放ライン132を介して、同時に排出される。積荷クランピング部材が閉じて積荷を掴むと、クランプ閉鎖ライン130の流体圧は、調整可能な圧力リリーフ弁194、又はその他の適切な弁によって、所望の閾値(又は開始値)グリップ圧力まで増加する。例えば、圧力リリーフ弁194は、積荷クランプ閉鎖ライン130を650psiに制限するよう設定されてよく、この制限を超える積荷クランプ切替弁134からの作動流体が、クランプされた積荷にかかるグリップ圧を増加し続けるようになるのではなく、リフトトラックの貯油器140に戻るようにする。
【0023】
流体圧力が、積荷クランプ閉鎖ライン130において、圧力リリーフ弁194の設定まで増加すると、パイロットライン174は184での圧力を受け入れ、調整可能にばねで偏倚された2つの操作者操作の2位置弁172、176の位置を制御するが、該2位置弁172、176は、ライン168から、及び、リフティング装置154、156に連動した流体圧回路から受けた流体圧の範囲を選択的に制御する目的で使用されている。弁172は、好ましくは、積荷クランプ閉鎖回路が、それ以上では積荷リフティング回路から流体圧分離される最低圧力限界を設定するため使用され、並びに、弁176は、好ましくは、積荷クランプ閉鎖回路が、それ以上では積荷リフティング回路から流体圧分離される最高圧力限界を設定するために使用される。2位置弁176は、通常開弁として図示され、ライン174によって閉状態又は無流体状態に導かれない限り、流体の流れを可能にし、一方で、2位置弁172は、通常閉弁として図示され、ライン174によって開流体状態に導かれない限り、流体をブロックする。2位置弁172、176の夫々は、パイロットライン圧がばね抵抗の設定を超えるまでその通常状態に維持しておくために、ばねで偏倚されている。積荷クランプ開放ライン132及びばねオーバーライドライン170での圧力は、弁172、176がその通常状態に戻るようにする。また、積荷クランプ開放ライン132での圧力は、パイロットライン192を介して、チェック弁190を離座させ、流体が積荷クランプ閉鎖回路から引き抜かれるようにする。
【0024】
好ましくは、弁172でのばねの抵抗設定は圧力リリーフ弁194での閾圧、又は、開始圧設定未満であるが、積荷クランピング部材が、積荷を掴むために閉じられた時に下方向にドリフトするのを防ぐのには十分高くする。典型的なばねの抵抗設定は、弁172のばねでは600psi、並びに、弁176のばねでは1800psiでよい。184にて感知された流体圧が、例えば、弁172のばね設定、つまり600psiに達すると、弁172が開き、流体圧が、現在開いている弁172の下流に、通常開いている弁176の下流に、並びにチェック弁178の下流にも感知されるようになる。弁172及び176の両方が開いている時、ライン168からの流体圧、並びにそれによる荷重が180にて感知されうる。弁172が開くまで、積荷クランプ閉鎖回路での圧力は、持ち上げライン148及び168での圧力から分離されている。2位置弁176及び172の両方が開いている時のみ、ライン168からの流体は、180にて積荷クランプ閉鎖回路へと受け入れられる。チェック弁178は、積荷クランプ閉鎖回路からの流体が、ライン168を介して、積荷リフティング回路へと逆流するのを防ぐ。
【0025】
チェック弁182は、強制的に圧力調整弁188を介して流体が流れるようにするのではなく、ライン168からの流体が積荷クランプ閉鎖回路において上流へ流れることを防ぐ。圧力調整弁188は、ライン168を介して受ける重量比例の流体圧力に関連して、積荷クランピング部材によって加えられるクランピング圧力を調整する目的で使用されるようにしてもよい。例えば、より大きな容量の流体動力アクチュエーター101、103を有するリフティングシステムでは、ライン168から受けた重量比例の流体圧が、積荷にかかる過大なグリップ力となる結果となってしまうことがある。このような場合では、圧力調整弁188は、積荷を掴むために利用可能な最大圧力を減少させる目的で使用されうる。特定のタイプの積荷の脆弱性や安定性、リフティング装置154、156を含む1つ又は複数の積荷リフティングシリンダの大きさや容量、並びに、以下により詳述されるように、リフティング装置154、156に協働する圧力均等化回路150の圧力増大効果等のその他の要因が、ライン168から受けるクランピング圧力の減少を必要とすることがありうる。
【0026】
ライン168での圧力に応じて可変である、いかなる適切なタイプの圧力調整弁が、弁188の位置で使用できるが、1つ又は複数の操作者操作のリリーフ弁、又は、減圧弁を含む。
【0027】
積荷リフティング作業中、積荷をクランピングして閾値圧力に達した後で、積荷クランプ切替弁134は、その中央の非作動位置へと戻り、並びに、リフティング装置154、156を伸張して積荷を持ち上げるために、持ち上げ又は積荷リフト切替弁146が動き、作動流体が持ち上げ作動ライン148を介して流れるようにする。流路148、158、168が、単に、共に相互に連結されている場合、ライン168にて感知された荷重及びライン168での流体圧の間の関係は、フリーリフトモード154での積荷リフティングは、メインリフトモード156での同じ積荷リフティングよりも、より低圧の流体を必要とするので、リフティング装置154、156の位置によって変化する。例えば、メインリフト段階(ステージ)156は、作動のために追加の流体圧力400psiを必要とする。その結果、このようなリフティングシステムから得られる荷重信号は、リフティング装置がフリーリフトにあるのか、又はメインリフトにあるのかによって異なる。
【0028】
弁アセンブリ150及び152にグループ分けされた流体圧弁回路は、リフティング装置154、156の長手方向に伸張可能な位置に実質上無関係になるように、ライン168で受けた感知された荷重が均等化されることを確実にする回路を含む。図示されるように、例示的な弁アセンブリ150は、フリーリフトシリンダ154及びメインリフトシリンダ156間の作動圧力の差異を補整する圧力差調整弁164を含む。例えば、圧力差調整弁164は、メインリフトシリンダ156の狭領域のピストンを作動させるためにライン158にて必要とされる下流のより高圧の流圧と比較すると、フリーリフトシリンダ154を作動するために、ライン158での圧力を400psiまで減少するよう調整されるようにしてもよい。フリーリフトシリンダ154の作動中、ライン148での圧力は、メインリフトシリンダ156の作動中に自然に起こる荷重に対してライン168にて感知された荷重が均等化されるように、弁164によって効果的に増加される。
【0029】
チェック弁166は、積荷クランプ切替弁134及び積荷リフト切替弁146が閉じている時、リフティング装置154、156を含む1つ又は複数のシリンダをアキュムレータとして動作することを可能にし、それにより、積荷リフティングシステムに積荷クランピング部材のフルタイム自動荷重対応力制御を提供する。例えば、感知された荷重の大きさにおいて増加がある場合、チェック弁166は、リフティング装置154、156からの流体が、積荷クランプ切替弁134及び積荷リフト切替弁146の何れかの同時作動なしで、ライン168を介し、積荷クランプ閉鎖回路への流体を自動で増加可能にする。
【0030】
同様に、積荷にかかるグリップ力において減少がある場合、チェック弁166は、リフティング装置154、156からの流体が、積荷クランプ切替弁134及び積荷リフト切替弁146の何れかの同時作動なしで、積荷クランプ閉鎖回路への流体を自動で増加可能にする。
【0031】
図2に図示されるように、スイッチアセンブリ152は、マストの伸張可能な位置に応答して、弁アセンブリ150において、通常開いているソレノイド作動二方向弁200に電気的活性化信号を提供するスイッチ204を備えるようにしてもよい。ソレノイド作動二方向弁200は、非作動状態の開位置であるように図示されている。例えば、ターゲット202のようなトリガースイッチ要素、又は、その他の装置は、マストの移動可能なメインリフト部のクロス部材に搭載されるようにしてもよく、更に、(近接スイッチのような)スイッチ204は、マストの下部、又は、固定部に搭載されるようにしてもよい。近接スイッチ204は、フリーリフト154の移動範囲でのリフティング装置154、156の伸張の間中、ソレノイド作動二方向弁200を作動の閉位置に動かすようにする作動信号を提供する。フリーリフト段階(ステージ)154がその移動の上方端に到達した後で、メインリフトのクロス部材が、マストの固定部から離れて上方へ動き、それによりスイッチ要素を切り離し、ソレノイド作動二方向弁200の非作動を引き起こし、次に、二方向弁200を開位置へと動かす。こうすることで、流体が均等化弁164を迂回して、減圧効果を取り除くようにする。別の作動流体がライン148を介して注入されて積荷を持ち上げ続けると、流体は均等化弁164を迂回でき、ライン148でのより高い圧力が、リフティング装置154、156のメインリフト段階(ステージ)156の作動に利用できる。スイッチ204及びソレノイド弁200が電気的であったとしても、それら両方は、固定されてマストの伸張に応答して動かないリフトトラック又はマストの部分に搭載されている。これにより、マスト伸張に応答して移動しなくてはならず、そのため危険や耐久性問題にさらされる電気伝導体の必要性を回避する。
【0032】
代わりに、リフティング装置154、156がメインリフト156の移動範囲内にある時に均等化弁164を迂回するために、その他のタイプの弁又は構成要素が、電気的構成要素の必要性なく、使用されるようにしてもよい。例えば、電気作動のソレノイド弁200の代わりに、メインリフトのクロス部材の上方の動きに物理的に応答する機械作動の弁が使用できる。
【0033】
メインリフト156の移動範囲内で、リフティング装置154、156を後退している時、作動流体は、二方向(又は迂回)弁200を介して流れるようにされる。二方向弁200が一旦閉じられると、流体は、チェック弁166を介して流れることで、均等化弁164を迂回することができ、次いで、リフティング装置154、156が更に後退するときに、作動流体がフリーリフト段階(ステージ)154から排出するための経路を提供する。
【0034】
2段階(つまり、フリーリフト及びメインリフト)積荷リフティング装置を記述してきたが、代わりに、1段階リフティング装置を使用することもできる。それとは別に、ライン168での感知された荷重がリフティング装置の長手方向に伸張可能な位置とは関係ないままにするのに必要とされるより高い作動圧力を補整するために、均等化及び迂回弁を追加することで、追加のメインリフト段階が調整されるようにしてもよい。例えば、リフティング装置が、
図1に図示される単一のメインリフト段階156を超えて第2のメインリフト段階を含む場合、別の均等化弁が、均等化弁164と直列で追加され、且つ、追加された均等化弁を迂回する別の弁が、第1メインリフト段階156がその移動の終端に到達した時に追加の(第2の)メインリフト段階の作動のために、追加されてもよい。
【0035】
前述の明細書中に用いられる用語及び表現は、記述の用語として使用され、限定されるものではなく、そのような用語及び表現の使用において、本明細書で記述され図示された特徴、又はその部分に均等するものを除外する意図はない。本発明の範囲が、次に続く請求項によってのみ定義され、制限されることが理解できよう。