(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたような従来のシート製造装置は、切断刃の刃先が鋭利な程その切断能力(切れ味)が向上するとの思想に基づいて、
図5(A)に示すように、切断刃80の刃先角度(刃縁81を形成する2つの面82、83がなす角度)が小さくなるように設定されている。しかしながら、このような切断刃80は、
図5(B)に示すように、切込CUから抜ける際、貼付用接着シートAS1の接着により、当該貼付用接着シートAS1の外縁部を一緒に持ち上げ、
図5(C)に示すように、貼付用接着シートAS1の外縁部が第2剥離シートRL2から剥離した外縁剥離部90を形成してしまう。ここで、
図5(D)に示すように、内側剥離シートRL3と外側剥離シートRL4とに連結用シートTSを貼付し、当該連結用シートTSを介して内側剥離シートRL3を引っ張って剥離することで、第2剥離シートRL2上に貼付用接着シートAS1のみが仮着された原反を形成する場合がある。このような場合、
図5(E)に示すように、貼付用接着シートAS1が外縁剥離部90をきっかけとして、内側剥離シートRL3と共に第2剥離シートRL2から剥離してしまうという不都合を発生する。なお、このような不都合は、第2剥離シートRL2上に貼付用接着シートAS1および不要接着シートAS2が仮着された原反を形成する場合も同様にして発生する。
【0005】
本発明の目的は、貼付用接着シートの一方の面に内側剥離シートが仮着され、他方の面に第2剥離シートが仮着された原反から当該内側剥離シートを引っ張って剥離する際、貼付用接着シートが内側剥離シートと共に第2剥離シートから剥離してしまうことを防止することができるシート製造装
置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のシート製造装置は、接着シートの一方の面に第1剥離シートが仮着されるとともに、前記接着シートの他方の面に第2剥離シートが仮着された原反を繰り出す繰出手段と、前記繰出手段で繰り出された原反に前記第1剥離シート側から閉ループ状の切込を形成する切断刃を有し、前記第1剥離シートにおける切込の内側に内側剥離シートを形成するとともに、前記接着シートにおける切込の内側に貼付用接着シートを形成する切込手段とを備え、前記切断刃は、前記切込における外側面を形成する第1面部と、当該第1面部に連接して所定の折返し角度で折り返されることで当該切断刃の刃縁を形成するとともに、前記切込における内側面を形成する第2面部とを備え、当該第2面部に前記内側剥離シートとの摩擦抵抗を増大させる抵抗増大手段(ただし、第2面部に不接着処理を施さないことで抵抗増大手段としたものを除く)が設けられ、前記第2面部の前記抵抗増大手段で前記内側剥離シートの外縁部を前記貼付用接着シートの外縁部に押し付けることで、前記内側剥離シートの外縁部が前記貼付用接着シートから剥離された剥離きっかけ部を形成可能に設けられていることを特徴とする。
本発明のシート製造装置
は、
接着シートの一方の面に第1剥離シートが仮着されるとともに、前記接着シートの他方の面に第2剥離シートが仮着された原反を繰り出す繰出手段と、前記繰出手段で繰り出された原反に前記第1剥離シート側から閉ループ状の切込を形成する切断刃を有し、前記第1剥離シートにおける切込の内側に内側剥離シートを形成するとともに、前記接着シートにおける切込の内側に貼付用接着シートを形成する切込手段とを備え、前記切込手段は、前記切断刃を支持する円筒面を有する切断刃支持部材と、前記円筒面に設けられ、当該円筒面、前記切断刃および前記内側剥離シートで空間を形成可能な隔壁と、前記空間を減圧可能な減圧手段とを備え
、前記切断刃は、前記切込における外側面を形成する第1面部と、当該第1面部に連接して所定の折返し角度で折り返されることで当該切断刃の刃縁を形成するとともに、前記切込における内側面を形成する第2面部とを備え、前記第1剥離シートに直交する直交面に対する前記第2面部の角度は、25度以上70度以下に形成され、前記第2面部で前記内側剥離シートの外縁部を前記貼付用接着シートの外縁部に押し付けることで、前記内側剥離シートの外縁部が前記貼付用接着シートから剥離された剥離きっかけ部を形成可能に設けられていること
を特徴とする。
本発明のシート製造装置
は、
接着シートの一方の面に第1剥離シートが仮着されるとともに、前記接着シートの他方の面に第2剥離シートが仮着された原反を繰り出す繰出手段と、前記繰出手段で繰り出された原反に前記第1剥離シート側から閉ループ状の切込を形成する切断刃を有し、前記第1剥離シートにおける切込の内側に内側剥離シートを形成するとともに、前記接着シートにおける切込の内側に貼付用接着シートを形成する切込手段とを備え、前記切込手段は、前記切断刃を支持する支持面を有する切断刃支持部材と、前記支持面、前記切断刃および前記内側剥離シートで形成される空間を減圧可能な減圧手段とを備え
、前記切断刃は、前記切込における外側面を形成する第1面部と、当該第1面部に連接して所定の折返し角度で折り返されることで当該切断刃の刃縁を形成するとともに、前記切込における内側面を形成する第2面部とを備え、前記第1剥離シートに直交する直交面に対する前記第2面部の角度は、25度以上70度以下に形成され、前記第2面部で前記内側剥離シートの外縁部を前記貼付用接着シートの外縁部に押し付けることで、前記内側剥離シートの外縁部が前記貼付用接着シートから剥離された剥離きっかけ部を形成可能に設けられていること
を特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上のような本発明によれば、切断刃によって剥離きっかけ部を形成し、当該剥離きっかけ部をきっかけにして、貼付用接着シートから内側剥離シートを剥離することができるので、貼付用接着シートの一方の面に内側剥離シートが仮着され、他方の面に第2剥離シートが仮着された原反から当該内側剥離シートを引っ張って剥離する際、貼付用接着シートが内側剥離シートと共に第2剥離シートから剥離してしまうことを防止することができる。
【0010】
また、第2面部に抵抗増大手段を設ければ、剥離きっかけ部を形成しやすくなる。
さらに、切込手段に減圧手段を設ければ、第1剥離シートの外縁部を捲り上げることができるので、強制的に剥離きっかけ部を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下において、基準となる図を挙げることなく、例えば、上、下、左、右、または、手前、奥といった方向を示した場合は、全て
図1を正規の方向(付した番号が適切な向きとなる方向)から観た場合を基準とし、上、下、左、右方向が紙面に平行な方向であり、前が紙面に直交する手前方向、後が紙面に直交する奥側方向とする。
【0013】
図1において、シート製造装置10は、接着シートASの一方の面に第1剥離シートRL1が仮着されるとともに、接着シートASの他方の面に第2剥離シートRL2が仮着された原反RSを繰り出す繰出手段20と、繰出手段20で繰り出された原反RSに第1剥離シートRL1側から閉ループ状の切込CUを形成する切断刃32を有し、第1剥離シートRL1における切込CUの内側に内側剥離シートRL3を形成するとともに、接着シートASにおける切込CUの内側に貼付用接着シートAS1を形成する切込手段30と、内側剥離シートRL3と第1剥離シートRL1における切込CUの外側に形成された外側剥離シートRL4とを連結材としての連結用シートTSで連結する連結手段40とを備えている。
【0014】
繰出手段20は、原反RSを支持する支持ローラ21と、駆動機器としての回動モータ22Aによって駆動される駆動ローラ22と、駆動ローラ22との間に原反RSを挟み込むピンチローラ23と、接着シートASにおける切込CUの外側に形成された不要接着シートAS2、内側剥離シートRL3および外側剥離シートRL4からなる不要材UMを第2剥離シートRL2から剥離する剥離手段としての剥離板24と、駆動機器としての回動モータ25Aによって駆動され、不要材UMを回収する回収ローラ25と、駆動機器としての回動モータ26Aによって駆動される駆動ローラ26と、駆動ローラ26との間に貼付用接着シートAS1および第2剥離シートRL2からなる貼付用接着シート原反SSを挟み込むピンチローラ27と、駆動機器としての回動モータ28Aによって駆動され、貼付用接着シート原反SSを巻き取る巻取ローラ28とを備えている。
【0015】
切込手段30は、駆動機器としての回動モータ31Aによって駆動され、閉ループ状の切断刃32を支持する円筒面31Bを有する切断刃支持部材としてのカッターローラ31と、原反RSを挟んでカッターローラ31に対向配置されたプラテンローラ33とを備えている。切断刃32は、
図2(A)に示すように、切込CUにおける外側面CU1を形成する第1面部32Aと、当該第1面部32Aに連接して所定の折返し角度としての第1角度θ1で折り返されることで当該切断刃32の刃縁32Bを形成するとともに、切込CUにおける内側面CU2を形成する第2面部32Cとを備えている。第1角度θ1は、
図2(A)に示すように、従来のものよりも大きな角度を有し、同図中実線で示す片刃の場合、第1角度θ1は、25度以上70度以下に形成されている。
【0016】
連結手段40は、帯状の剥離シートRL5の一方の面に複数の連結用シートTSが仮着された原反TRを支持する支持ローラ41と、原反TRを案内するガイドローラ42と、剥離シートRL5から連結用シートTSを剥離する剥離手段としての剥離板43と、剥離シートRL5を案内するガイドローラ44と、駆動機器としての回動モータ45Aによって駆動され、剥離シートRL5を回収する回収ローラ45と、駆動機器としての直動モータ46の出力軸46Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によって連結用シートTSを吸着保持可能な保持面47Aを有する押圧手段としての保持部材47とを備えている。
【0017】
以上のシート製造装置10において、貼付用接着シートAS1を形成する手順について説明する。
先ず、作業者が原反RS、TRを
図1に示すようにセットした後、図示しない操作パネルやパーソナルコンピュータ等の入力手段を介して自動運転開始の信号を入力すると、繰出手段20および切込手段30が回動モータ22A、25A、26A、28Aおよび31Aを駆動し、原反RSを繰り出す。これにより、切断刃32で原反RSに閉ループ状の切込CUが形成され、当該切込CUの内側に内側剥離シートRL3および貼付用接着シートAS1が形成され、同切込CUの外側に外側剥離シートRL4および不要接着シートAS2が形成される。
【0018】
ここで、切込CUを形成する際、
図2(A)に示すように、刃縁32Bが原反RSに突き刺さると、第2面部32Cが内側剥離シートRL3の外縁部を貼付用接着シートAS1の外縁部に押し付けるように働く。これにより、貼付用接着シートAS1の外縁部が第2剥離シートRL2方向に押し潰される(流動して変形する)とともに、第2剥離シートRL2に強く接着する。また、貼付用接着シートAS1の外縁部が第2剥離シートRL2方向に押し潰されると、第2面部32Cと貼付用接着シートAS1の外縁部との接触面積が小さくなり、当該第2面部32Cと貼付用接着シートAS1の外縁部との接着力が低減する。従って、
図2(B)に示すように、切断刃32が切込CUから抜ける際、貼付用接着シートAS1の外縁部が切断刃32と共に持ち上げられ、貼付用接着シートAS1の外縁部が第2剥離シートRL2から剥離した外縁剥離部が形成されることを阻止することができる。さらに、内側剥離シートRL3の外縁部は、
図2(C)に示すように、自らの弾性復元力によって貼付用接着シートAS1の外縁部から剥離し、貼付用接着シートAS1から部分的に剥離した剥離きっかけ部RKを形成する。
【0019】
その後、切込CUが保持部材47の下方所定位置に到達したことを光学センサや撮像手段等の図示しない検知手段が検知すると、連結手段40が回動モータ45Aおよび図示しない減圧手段を駆動し、剥離板43で剥離シートRL5から連結用シートTSを剥離して、当該連結用シートTSを保持面47Aで保持する。そして、連結手段40が直動モータ46を駆動し、内側剥離シートRL3における繰出方向先端側の外縁部と外側剥離シートRL4とに、連結用シートTSを押圧して貼付する。なお、連結手段40が連結用シートTSを貼付する際、繰出手段20および切込手段30は、原反RSの繰り出しおよびカッターローラ31の回転を停止させてもよいし、停止させなくてもよい。その後、内側剥離シートRL3は、剥離板24で折り返される外側剥離シートRL4および不要接着シートAS2に連結用シートTSを介して引っ張られ、貼付用接着シートAS1から剥離され、不要材UMとなって回収ローラ25に回収される。この際、内側剥離シートRL3は、剥離きっかけ部RKをきっかけにして貼付用接着シートAS1から容易に剥離される。また、第2面部32Cの押し付けにより、外縁剥離部の形成が阻止できているので、貼付用接着シートAS1が内側剥離シートRL3と共に第2剥離シートRL2から剥離してしまうという不都合を防止することができる。また、第3面部32Dの押し付けにより、貼付用接着シートAS1の外縁部を第2剥離シートRL2に強く接着させているので、この点においても上記不都合をより効果的に防止することができる。そして、貼付用接着シート原反SSは、巻取ローラ28に巻き取られる。
【0020】
以上のような実施形態によれば、切断刃32によって剥離きっかけ部RKを形成し、当該剥離きっかけ部RKをきっかけにして、貼付用接着シートAS1から内側剥離シートRL3を剥離することができるので、貼付用接着シートAS1の一方の面に内側剥離シートRL3が仮着され、他方の面に第2剥離シートRL2が仮着された原反RSから当該内側剥離シートRL3を引っ張って剥離する際、貼付用接着シートAS1が内側剥離シートRL3と共に第2剥離シートRL2から剥離してしまうことを防止することができる。
【0021】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
【0022】
例えば、シート製造装置10は、
図1中二点鎖線で示すように、第2剥離シートRL2から貼付用接着シートAS1を剥離する剥離手段としての剥離板51と、被着体WKに貼付用接着シートAS1を押圧して貼付する押圧手段としての押圧ローラ52とで、シート貼付装置50を構成してもよい。この場合、繰出手段20は、回動モータ28Aおよび巻取ローラ28にかえて、駆動機器としての回動モータ29Aによって駆動される駆動ローラ29Bと、駆動ローラ29Bとの間に第2剥離シートRL2を挟み込むピンチローラ29Cと、第2剥離シートRL2を回収する回収ローラ29Dとを備えればよい。そして、被着体WKを保持して搬送する搬送手段60で搬送される被着体WKの移動に同期させ、繰出手段20で繰り出した貼付用接着シートAS1を剥離板51で剥離し、当該貼付用接着シートAS1を押圧ローラ52で被着体WKに押圧して貼付するように構成すればよい。
繰出手段20は、枚葉の原反を繰り出してもよく、この場合、切込手段30は、上記と同様にして枚葉の接着シートに切込CUを形成すればよい。
繰出手段20は、第2剥離シートRL2上に貼付用接着シートAS1および不要接着シートAS2が仮着された貼付用接着シート原反を形成するように、剥離板24で内側剥離シートRL3および外側剥離シートRL4からなる不要材を貼付用接着シートAS1および不要接着シートAS2から剥離するように構成してもよい。
【0023】
切込手段30は、
図3(A)、(B)に示すように、円筒面31Bに設けられ、当該円筒面31B、切断刃32および内側剥離シートRL3で空間SP1を形成可能な隔壁34と、当該空間SP1を減圧可能な減圧ポンプや真空エジェクタ等の減圧手段35とを備えてもよい。この場合、空間SP1を減圧し、切断刃32と切込CUとの隙間から外気が流入するときに、内側剥離シートRL3の外縁部が捲れ上がるので、強制的に剥離きっかけ部RKを形成することができる。なお、隔壁34は、金属やガラス等の非弾性部材や、樹脂やゴム等の弾性部材で構成することができる。このように強制的に剥離きっかけ部RKを形成する場合、切断刃32は、第2面部32Cに連接して第1面部32Aとの角度が第1角度θ1よりも小さい第2角度θ2とされた第3面部32Dを備えるとよい。当該第3面部32Dを備えると、外気が流入して内側剥離シートRL3の外縁部が捲れ上がるとき、当該外縁部の捲れ上がりが容易になり、剥離きっかけ部RKを形成しやすくなる。
【0024】
切込手段30は、
図4に示すように、駆動機器としての直動モータ36の出力軸36Aに支持され、切断刃32を支持する支持面37Aを有する切断刃支持部材としてのカッター板37と、支持面37A、切断刃32および内側剥離シートRL3で形成される空間SP2を減圧可能な減圧手段35と、支持面37Aにばねや樹脂等の弾性部材39Aを介して支持された押え付け部材39とを備えてもよい。この場合も、空間SP2を減圧し、切断刃32と切込CUとの隙間から外気が流入するときに、内側剥離シートRL3の外縁部が捲れ上がるので、強制的に剥離きっかけ部RKを形成することができる。また、押え付け部材39で内側剥離シートRL3を押え付けることができるので、予期しない内側剥離シートRL3部分が貼付用接着シートAS1から剥離してしまうことを防止することができる。なお、押え付け部材39を樹脂やゴム等の弾性部材で構成し、弾性部材39Aを設けなくてもよい。また、
図3で例示した切込手段30に上記同様の押え付け部材39を採用してもよい。さらに、このような切込手段30の場合、減圧手段35、押え付け部材39および弾性部材39Aはなくてもよい。
【0025】
前記実施形態では、刃縁32Bを形成する第1角度θ1を大きくすることで、内側剥離シートRL3の外縁部を貼付用接着シートAS1の外縁部に押し付けて剥離きっかけ部RKを形成したが、第2面部32Cに内側剥離シートRL3との摩擦抵抗を増大させる粗面加工や接着処理等の抵抗増大手段を設けることで、内側剥離シートRL3の外縁部を貼付用接着シートAS1の外縁部に押し付けて剥離きっかけ部RKを形成するようにしてもよい。このような場合、切込CUを形成したときに、抵抗増大手段が内側剥離シートRL3の外縁部に引っ掛かるので、内側剥離シートRL3の外縁部を貼付用接着シートAS1の外縁部に押し付けやすくなる。その上、抵抗増大手段が内側剥離シートRL3の外縁部に引っ掛かることで、切断刃32を切込CUから引き抜くときに、内側剥離シートRL3の外縁部も一緒に持ち上げるように作用するので、剥離きっかけ部RKを形成しやすくなる。なお、第2面部32Cに抵抗増大手段を設ける場合、第1角度θ1は大きくしなくてもよく、従来の切断刃(刃縁32Bを形成する第1角度θ1が小さいもの)を採用してもよい。また、切断刃32は、一般的に接着シートASが接着し難くするようにフッ素樹脂やシリコン樹脂等の不接着処理が施されるが、第2面部32Cに不接着処理を施さないことで抵抗増大手段としてもよい。
切断刃32における第1角度θ1は、特に限定されることはなく、切込CUを形成するときに剥離きっかけ部RKも形成可能なものであれば、上記実施形態で示した範囲以下でもよいし、当該範囲以上でもよく、例えば、
図2(A)中二点鎖線で示す両刃の場合、第1角度θ1は、45度以上100度以下に形成してもよい。
切断刃32は、少なくとも内側剥離シートRL3の剥離開始部に剥離きっかけ部RKを形成できればよく、例えば、内側剥離シートRL3における
図1中左側のみに剥離きっかけ部RKを形成してもよいし、不要材UMを回収ローラ25で回収することなく貼付用接着シート原反SSと共に巻取ローラ28で巻き取った後に、巻取方向の反対方向に繰り出す途中で内側剥離シートRL3を剥離する場合、内側剥離シートRL3における
図1中右側のみに剥離きっかけ部RKを形成してもよいし、内側剥離シートRL3を剥離する際の剥離開始位置を考慮して、
図1中前後左右方向およびそれらに対して傾斜した斜め方向を含めた1または複数の位置や、内側剥離シートRL3における外縁全周といった適宜な位置に剥離きっかけ部RKを形成することができる。
切断刃32で形成する切込CUの深さは、第2剥離シートRL2に達していてもよいし、達していなくてもよく、接着シートASの接着剤層がちぎれやすい(引き裂かれやすい)材質のものであれば、当該切込CUは、第2剥離シートRL2に接している接着シートASの接着剤層に達していればよい。また、接着シートASの基材もちぎれやすい(引き裂かれやすい)材質のものであれば、切込CUは、第2剥離シートRL2に接している接着シートASの接着剤層に達していなくてもよい。
切込手段30は、
図2(A)に示す状態で、内側剥離シートRL3の外縁部が第2剥離シートRL2に接するように切込CUを形成してもよい。
【0026】
連結手段40は、内側剥離シートRL3における外縁全周に連結用シートTSを貼付してもよいし、複数の内側剥離シートRL3を跨ぐことができる帯状の連結用シートTSを貼付してもよいし、
図1中前後左右方向およびそれらに対して傾斜した斜め方向を含めた1または複数の位置等、形成された剥離きっかけ部RKの位置に合わせて連結用シートTSを貼付してもよいし、なくてもよい。
連結手段40は、連結材としてホットメルト、ステープラ、接着剤等を用いて外側剥離シートRL4と内側剥離シートRL3とを連結してもよい。
保持部材47は、メカチャックやチャックシリンダ等のチャック手段や、接着剤、磁力等で連結用シートTSを保持する構成でもよい。
連結手段40は、直動モータ46および保持部材47の代わりに、押圧手段としての押圧ローラを採用し、原反RSの繰り出しに合わせて原反TRを繰り出しつつ、内側剥離シートRL3の左端部と外側剥離シートRL4とに押圧ローラで連結用シートTSを押圧して貼付する構成でもよい。
前記実施形態では、連結用シートTSを介して内側剥離シートRL3を引っ張って、当該内側剥離シートRL3を貼付用接着シートAS1から剥離する例を示したが、作業者が内側剥離シートRL3を指で摘まんで引っ張ることで、当該内側剥離シートRL3を貼付用接着シートAS1から剥離してもよく、この場合も、作業者は剥離きっかけ部RKを剥離のきっかけとすればよい。
【0027】
剥離手段は、丸棒やローラ等で構成してもよい。
押圧手段は、ローラ、ブレード材、ゴム、樹脂、スポンジ等による押圧部材を採用することができ、エア噴き付けにより押圧する構成も採用することができる。
【0028】
また、本発明における接着シートAS、連結用シートTSおよび被着体WKの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートASや連結用シートTSは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の接着シートASや加熱性の連結用シートTSが採用された場合は、当該接着シートAS、連結用シートTSを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプ等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、このような接着シートASや連結用シートTSは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材シートと接着剤層とからなるもの、基材シートと接着剤層との間に中間層を有するもの、基材シートの上面にカバー層を有する等3層以上のもの、更には、基材シートを接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層又は複層のものであってよい。また、被着体WKとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂板等、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASを機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意の形状の任意のシート、フィルム、テープ等を前述のような任意の被着体WKに貼付することができる。
【0029】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、繰出手段は、接着シートの一方の面に第1剥離シートが仮着されるとともに、接着シートの他方の面に第2剥離シートが仮着された原反を繰出可能なものであれば、出願当初の技術常識に照らし合わせ、その技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(他の手段および工程についての説明は省略する)。
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。