特許第6622507号(P6622507)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6622507位置情報送信装置の設置異常検知方法、及びそれを用いた位置情報送信装置及び位置情報送信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6622507
(24)【登録日】2019年11月29日
(45)【発行日】2019年12月18日
(54)【発明の名称】位置情報送信装置の設置異常検知方法、及びそれを用いた位置情報送信装置及び位置情報送信システム
(51)【国際特許分類】
   G01S 19/10 20100101AFI20191209BHJP
【FI】
   G01S19/10
【請求項の数】1
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-154240(P2015-154240)
(22)【出願日】2015年8月4日
(65)【公開番号】特開2017-32461(P2017-32461A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2017年12月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】大和田 徹
(72)【発明者】
【氏名】吉田 博隆
(72)【発明者】
【氏名】萱島 信
(72)【発明者】
【氏名】小檜山 智久
【審査官】 安井 英己
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−060632(JP,A)
【文献】 特開2014−207549(JP,A)
【文献】 特開2010−159980(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0080014(US,A1)
【文献】 特開2014−059242(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00− 5/14,
G01S 19/00−19/55,
G01C 21/00−21/36,
G01C 23/00−25/00,
H04W 64/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の位置情報送信装置と管理サーバを有する位置情報送信システムであって、
前記置情報送信装置は、
位置情報を送信する位置情報送信部と、
前記複数の位置情報送信装置間で近距離無線通信を行う近距離無線通信部と、
前記管理サーバと通信情報をやり取りするLAN通信部と、
ネットワークアドレスと位置情報を記憶する記憶部を有し、
前記LAN通信部または前記近距離無線通信部を介して前記ネットワークアドレスを送信し、
前記管理サーバは、前記複数の位置情報送信装置から送信された前記ネットワークアドレスを受信し、前記複数の位置情報送信装置のネットワークアドレスから成る初期状態ネットワークアドレスリストを生成し、所定タイミングでの前記複数の位置情報送信装置から送信された前記ネットワークアドレスを受信し、前記複数の位置情報送信装置の最新ネットワークアドレスから成る最新ネットワークアドレスリストを生成し、前記初期状態ネットワークアドレスリストと前記最新ネットワークアドレスリストとの一致比較を行い、不一致の場合は第1の不一致リストを生成、保管し、第1の不一致フラグを生成登録し、
前記位置情報送信装置は、前記近距離無線通信部を介して客体となる前記複数の位置情報送信装置から前記ネットワークアドレスを受信し、初期状態ネットワークアドレスリストを生成し、所定タイミングでの前記近距離無線通信部を介して客体となる前記複数の位置情報送信装置から前記ネットワークアドレスを受信し、最新ネットワークアドレスリストを生成し、前記初期状態ネットワークアドレスリストと前記最新ネットワークアドレスリストとの一致比較を行い、不一致の場合は第2の不一致リスト第2の不一致フラグを生成し、前記LAN通信部を介して前記管理サーバに前記第2の不一致リストと第2の不一致フラグを送信し、
前記管理サーバは、前記複数の位置情報送信装置からそれぞれ送信された前記第2の不一致リストと第2の不一致フラグを受信し、前記第2の不一致リストの保管と前記第2の不一致フラグの登録を行い、
前記位置情報送信装置は、前記LAN通信部を介して前記ネットワークアドレスと位置情報を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、前記複数の位置情報送信装置のネットワークアドレスと位置情報の対照リストを生成し、前記位置情報送信部により送信した前記位置情報のログを受信し、前記複数の位置情報送信装置のそれぞれの複数の位置情報のログを集積し、前記対照リストと前記複数の位置情報のログとを比較して、不整合の場合は第3の不一致リストを生成、保管し、第3の不一致フラグを生成登録し、前記第1、第2、第3の不一致フラグの少なくとも2つの不一致フラグが有効な時に前記複数の位置情報送信装置のうちの該不一致フラグに対応した位置情報送信装置に対して異常通知を実施することを特徴とする位置情報送信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報送信装置に係り、特に、位置情報送信装置の設置異常検知に関する。
【背景技術】
【0002】
測位システムとして、全地球測位システム( Global PositioningSystem 以下、GPSと呼ぶ)が広く用いられている。これは地球の周回軌道を巡る衛星から送信されるGPS測位信号を、GPS受信機が受信し必要な計算をすることで、GPS受信機の測位を行うものである。GPSは衛星からのGPS測位信号を用いるため、屋内での測位ができないという問題がある。
【0003】
一方、屋内測位システム(Indoor Messaging System 以下、IMESと呼ぶ)は、屋内での測位を可能とする測位システムである。IMES送信機は、位置情報そのものを送信するため、IMES受信機は、GPS測位の際に必要となる計算なしに測位が可能である。
【0004】
GPSを補完する屋内での測位システムを構成する位置情報送信装置に関する背景技術として、例えば、特開2014−207549号公報(特許文献1)がある。特許文献1には、位置情報発信装置が単体で設置異常を検知し位置情報発信を停止することで、不正な位置情報発信を抑制する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−207549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1では、送信機から送信される位置情報に基づき、受信機での測位を容易化する技術、及び、位置情報発信装置が単体で設置異常を検知し位置情報発信を停止することで、不正な位置情報発信を抑制する技術が提供されている。しかしながら、複数の装置類がネットワーク接続された位置情報送信システムにおいて、位置情報発信装置の設置異常を検知する技術手段が開示されていない。
本発明は、上記に鑑み、複数の位置情報送信装置がネットワーク接続された位置情報送信システムにおいて、位置情報送信装置の設置異常を検知する設置異常検知方法、及びそれを用いた位置情報送信装置及び位置情報送信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その一例を挙げるならば、複数の位置情報送信装置を有する位置情報送信システムにおける位置情報送信装置の設置異常検知方法であって、複数の位置情報送信装置のそれぞれの初期状態ネットワークアドレスリストを生成し、所定タイミングでの複数の位置情報送信装置から複数の通信方式により受信した複数の位置情報送信装置のネットワークアドレスからそれぞれの通信方式に対応した複数の最新ネットワークアドレスリストを生成し、複数の初期状態ネットワークアドレスリストと複数の最新ネットワークアドレスリストとの一致比較をそれぞれ行い、複数の位置情報送信装置のうち、複数の初期状態と複数の最新のネットワークアドレスリストのそれぞれが少なくとも2つ不一致となる位置情報送信装置を設置異常と判断するように構成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の位置情報送信装置がネットワーク接続された位置情報送信システムにおいて、位置情報送信装置の設置異常を検知する設置異常検知方法、及びそれを用いた位置情報送信装置及び位置情報送信システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例における位置情報送信システムの概略構成図である。
図2】実施例における位置情報送信システムを構成する位置情報送信装置の概略構成図である。
図3】実施例における位置情報送信システムを構成する位置情報受信装置の概略構成図である。
図4】実施例に係る位置情報送信システムにおける位置情報送信装置の屋内空間での無線通信範囲を模式的に示した概略図である。
図5】実施例に係る位置情報送信システムにおける、管理サーバでの位置情報送信装置の初期状態把握処理を示すフローチャートの一例である。
図6】実施例に係る位置情報送信システムにおける、管理サーバでの位置情報送信装置の設置不整合検知処理を示すフローチャートの一例である。
図7】実施例に係る位置情報送信システムにおける、位置情報送信装置での周辺に存在する位置情報送信装置の初期状態把握処理を示すフローチャートの一例である。
図8】実施例に係る位置情報送信システムにおける、管理サーバでの、位置情報送信装置からの情報に基づく、位置情報送信装置の設置不整合検知処理を示すフローチャートの一例である。
図9】実施例に係る位置情報送信システムにおける、管理サーバでの位置情報送信装置の初期状態把握処理を示すフローチャートの一例である。
図10】実施例に係る位置情報送信システムにおける、管理サーバでの、位置情報受信装置からの情報に基づく、位置情報送信装置の設置不整合検知処理を示すフローチャートの一例である。
図11】実施例に係る位置情報送信システムにおける、管理サーバでの、複数の設置不整合情報に基づく位置情報送信装置の移設検知処理を示すフローチャートの一例である。
図12】実施例に係る位置情報送信システムにおける、設置状態管理リストのデータフォーマットの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に説明する。
【0011】
図1は、本実施例における位置情報送信システムの概略構成図である。図1において、101は、本実施例における位置情報送信装置である。本実施例における位置情報送信システムは、多くの場合、複数の位置情報送信装置101を含んで構成される。図1においては、添え字aからcを用いて3つの位置情報送信装置101を示している。以降、本実施例では同様の添え字を用いて同種の複数存在を示す。
【0012】
102は、位置情報受信装置である。図中、位置情報受信装置102をひとつだけ示しているが、本実施例における位置情報送信システムは、複数ユーザによる、複数の位置情報受信装置102の存在を仮定している。
【0013】
103は、LAN104を介し、位置情報送信装置101が所定の設置状態にあるかを管理する、管理サーバである。104は、位置情報送信装置101、管理サーバ103が接続されるネットワークであり、所謂LANを想定している。105は、管理サーバ103、位置情報受信装置102が接続されるネットワークであり、インターネット等の所謂広域ネットワークを想定している。
【0014】
106は、位置情報送信装置101から位置情報受信装置102を受信対象として送信される位置情報からなる通信情報である。
【0015】
107は、位置情報送信装置101の管理用途で、図示されない設定装置と位置情報送信装置101の間、又は複数の位置情報送信装置101間の双方向通信で送受信される通信情報である。
【0016】
108は、管理サーバ103、位置情報受信装置102間の双方向通信で送受信される通信情報である。109は、管理サーバ103、位置情報送信装置101間の双方向通信で送受信される通信情報である。
【0017】
なお、図1において、位置情報送信装置101は3つだけ示しているが、位置情報送信装置101を例えば、屋内空間の天井部位に一定間隔で格子状に設置し、各々の位置情報送信装置101から適切な位置情報106を送信することで、当該屋内空間の床面を移動する位置情報受信装置102が、自身の位置を認識できるようにするものである。大まかな配置概念を、後ほど図4を用いて説明する。
【0018】
また、本実施例における位置情報送信の仕組みは、何らかの特定の仕様、例えばIMES方式などに特定するものではなく、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)のビーコンを利用したものなど、その送信の仕組みの選定は任意である。
【0019】
図2は、本実施例における位置情報送信システムを構成する位置情報送信装置の概略構成図である。図2において、201は、例えば、CPUなどの、所定のプログラムに基づき所定の情報処理を行なう情報処理部である。202は、例えば、SRAM、フラッシュROMなどの、プログラムやデータの保持を行なう記憶部である。ここでは簡単化のために揮発性メモリ、不揮発性メモリの区別は図示しておらず、保持されるプログラム、データの必要な保持期間に応じ適切なデバイスで構成されるものとする。203は、情報処理部201の指示に基づき、位置情報送信部204、無線通信部205、LAN通信部208を制御する制御部である。
【0020】
204は、位置情報からなる通信情報106を送信する位置情報送信部である。205は、所定の通信情報107をやり取りする近距離無線通信部である。208は、所定の通信情報109をやり取りするLAN通信部である。
【0021】
なお、上記201から205、及び208の記載は、位置情報送信装置101に具備されるべき機能部位を示したものであり、ハードウェア、ソフトウェアなどの実現手段は問わない。
【0022】
206は、記憶部202に保持される装置IDである。装置ID206は位置情報送信装置101毎に唯一付与されるものである。207は、記憶部202に保持される位置情報である。位置情報207は、異なる設置位置に設置された位置情報送信装置101であれば異なって付与されるものである。
【0023】
209は、記憶部202に保持される、例えばIPアドレス、MACアドレスなどのネットワークアドレスである。ネットワークアドレス209は位置情報送信装置101毎に唯一付与されるものである。MACアドレスは、LAN104、近距離無線107向けに異なるアドレスを保持してもよいし、TCP/IPプロトコルに限定する訳ではなく適切な他のプロトコル、アドレスを用いてもよい。
【0024】
上記構成に基づき、位置情報送信装置101は所定の設置位置に固定的に設置され、所定の無線方式に基づき、他の装置と双方向の無線通信を行なう。又、所定の無線方式に基づき、当該設置位置に該当する位置情報を送信する。更に、所定のネットワーク方式に基づき、管理サーバと双方向の無線通信を行なう。
【0025】
図3は、本実施例における位置情報送信システムを構成する位置情報受信装置の概略構成図である。図3において、201から203、及び205は、図2に示したものと同様なので説明を省略する。301は、例えばキャリア網経由でのインターネット接続機能などの広域無線通信部である。302は、位置情報送信装置101から送信される位置情報106を受信する位置情報受信部である。
【0026】
上記構成に基づき、位置情報受信装置102は、所定の無線方式に基づき、位置情報送信装置101から送信される位置情報106を受信する。更に、キャリア網経由など所定のネットワーク方式に基づき、管理サーバと双方向の無線通信を行なう。位置情報送受信方式として例えば、IMES方式を採用する場合、位置情報受信部はGPS受信装置と同等となり、広域無線通信部に必要な機能と合わせ、所謂GPS機能を搭載した携帯電話端末装置は、必要なハードウェア機能としては、位置情報受信装置102の要求と合致する。又、位置情報送受信方式として、例えば、何らかの近距離無線通信方式によるビーコン信号を採用する場合、近距離無線通信部205と位置情報受信部302は、必要なハードウェア機能としては同一となり、一つの無線方式に対応したハードウェア装置上で当該2つの無線通信を実現しても構わない。これは、位置情報送信装置101における近距離無線通信部205と位置情報送信部204においても同じことが言える。
【0027】
図4は、本実施例に係る位置情報送信システムにおける位置情報送信装置の屋内空間での無線通信範囲を模式的に示した概略図である。図4において、401は屋内空間の床面を示し、402は屋内空間の天井面を示す。本図では、床面、天井面に4行4列の格子を設定し、その各々の格子をaからpの添え字で示している。天井面格子402aからpに各々、位置情報送信装置101を設置することで、対応する床面格子401aからpの位置では各々、位置情報送信装置101aからpから送信される位置情報106aからpを受信可能である。例えば、床面401上、a−f−k−pを結ぶ経路上を、位置情報受信装置102が移動した場合、当該位置情報受信装置102は、位置情報106を、a−f−k−pの順番で受信することになる。また、位置情報送信装置101間の近距離無線通信107は、例えば通信情報107gで模式的に示される。すなわち、図4において、107gは、天井面402gに設置された位置情報送信装置101gの近距離無線通信範囲を示しており、位置情報送信装置101c、f、h、kが無線通信範囲内に含まれている。即ち、位置情報送信装置101gは、周辺に配置され、自機の無線通信範囲内に含まれる位置情報送信装置101c、f、h、kとの送信状態を把握することが可能である。
【0028】
図5は、本実施例に係る位置情報送信システムにおける、管理サーバでの位置情報送信装置の初期状態把握処理を示すフローチャートの一例である。図5において、管理サーバ103は、まず、位置情報送信装置101に対し、ネットワークアドレスの取得を指示する(S501)。位置情報送信装置101はそれに応じ、管理サーバ103に対し、要求されたネットワークアドレスを送信する(S502)。管理サーバ103は、所定の暗号アルゴリズムに基づいた認証プロトコルにより、相手装置が正当なものであるか確認する(S503)。これにより、S502で得られたネットワークアドレスが偽造されたものでないかを確認する。ここで、相互認証プロトコルは、共通鍵暗号技術に基づいたもの、公開鍵暗号技術に基づいたものなど、その種類は任意であり、又、暗号通信、暗号処理、秘密情報の保持など、当該相互認証プロトコルの実現に必要な機能は、図中明示しないが、当該機能の具備を必要とする装置類に具備されているものとする。なお、本実施例では後述でも同様の認証プロトコルを行なう処理ステップが出てくるが、必要機能の具備については同様である。又、少なくとも一方向認証であれば十分であるが、双方向認証を用いても構わない。
【0029】
管理サーバ103は、上記S501からS503までの手順を、管理サーバの管理対象となるLAN104に接続された複数の位置情報送信装置に対して実行し、その結果得られた情報に基づき、初期ネットワークアドレスリストを作成する(S504)。
【0030】
なお、本フローチャートにおいては管理サーバ103による、位置情報送信装置101のネットワークアドレス収集を取得コマンドベースとしたが必ずしも、本手法に限定するものではなく、例えば、管理サーバ103が、事前に位置情報送信装置101のアドレスリストを作成し、そのリストに基づいて各位置情報送信装置101にネットワークアドレスを割振る、若しくは、管理サーバ103が、LAN104上での位置情報送信装置101の通信情報を監視することでアドレスリストを作成する、など異なる手法を採っても構わない。また、本実施例では後述でも同様のネットワークアドレス収集を行なう処理ステップが出てくるが、同様に、他の収集手法を採用しても構わない。
【0031】
上記フローにより、管理サーバ103は、LAN104下で、自身が管理対象とすべき複数の位置情報送信装置のネットワークアドレスリストを初期状態として把握する。
【0032】
図6は、本実施例に係る位置情報送信システムにおける、管理サーバでの位置情報送信装置の設置不整合検知処理を示すフローチャートの一例である。図6において、S601からS604で、図5のS501からS504のステップと同様の手法を実施することにより、管理サーバ103は、LAN104下で、自身が管理対象とすべき複数の位置情報送信装置の、その時点での最新のネットワークアドレスリストを把握する。
【0033】
管理サーバ103は、図5のS504で得られた初期ネットワークアドレスリストと、S604で得られた最新ネットワークアドレスリストの一致比較を行ない(S605)、一致の場合はそれ以上の動作を実施せず(S606)、不一致の場合には不一致リスト(以降、不一致リスト1とする)を生成、保管する(S607)と共に、不一致フラグ(以降、不一致フラグ1とする)を登録する(S608)。
【0034】
上記フローにより、管理サーバ103は、LAN104下で、自身が管理対象とすべき複数の位置情報送信装置のネットワークアドレスに初期状態と差異があるかを把握する。これにより、管理サーバ103は、例えば、本来存在する筈の位置情報送信装置のネットワーク上から消失や、本来存在しない筈の位置情報送信装置のネットワーク上への出現を把握できる。これらは、LAN104や位置情報送信装置103のLAN通信部の故障、若しくは電源喪失によるものである可能性もあるが、位置情報送信装置103の意図せぬ移設(撤去、もしくは新設)によるものである可能性もある。管理サーバ103は、そのような情報として、不一致リスト1及び不一致フラグ1を管理する。
【0035】
図7は、本実施例に係る位置情報送信システムにおける、位置情報送信装置での周辺に存在する位置情報送信装置の初期状態把握処理を示すフローチャートの一例である。図7において、まず、位置情報送信装置101(以下、主体となる位置情報送信装置)は、自機の近距離無線通信範囲に存在する位置情報送信装置101(以下、客体となる位置情報送信装置)に対し、ネットワークアドレスの取得を指示する(S701)。客体となる情報送信装置101はそれに応じ、主体となる位置情報送信装置101に対し、要求されたネットワークアドレスを送信する(S702)。主体となる位置情報送信装置101は、所定の暗号アルゴリズムに基づいた認証プロトコルにより、相手装置が正当なものであるか確認する(S703)。これにより、S702で得られたネットワークアドレスが偽造されたものでないかを確認する。主体となる位置情報送信装置101は、上記S701からS703までの手順を、近距離無線通信範囲内にある複数の客体となる位置情報送信装置に対して実行し、その結果得られた情報に基づき、初期ネットワークアドレスリストを作成する(S704)。
【0036】
上記フローにより、主体となる位置情報送信装置は、近距離無線通信範囲内にある複数の客体となる位置情報送信装置のネットワークアドレスリストを初期状態として把握する。なお、各位置情報送信装置が主体として図7に示すフローを実施することで、各位置情報送信装置を主体とした、複数のネットワークアドレスリストが得られる。
【0037】
図8は、本実施例に係る位置情報送信システムにおける、管理サーバでの、位置情報送信装置からの情報に基づく、位置情報送信装置の設置不整合検知処理を示すフローチャートの一例である。図8において、S801からS804で、図7のS701からS704のステップと同様の手法を実施することにより、主体となる位置情報送信装置は、近距離無線通信範囲内にある複数の客体となる位置情報送信装置の、その時点での最新のネットワークアドレスリストを把握する。
【0038】
主体となる位置情報送信装置101は、図7のS704で得られた初期ネットワークアドレスリストと、S804で得られた最新ネットワークアドレスリストの一致比較を行ない(S805)、一致の場合はそれ以上の動作を実施せず(S806)、不一致の場合には不一致リスト(以降、不一致リスト2とする)を生成する(S807)と共に、不一致フラグ(以降、不一致フラグ2とする)を生成する(S808)。
【0039】
管理サーバ103は、複数の位置情報送信装置に対し、所定の暗号アルゴリズムに基づいた認証プロトコルにより、相手装置が正当なものであるか確認する(S809)。複数の位置情報送信装置は、管理サーバ103に対し、各々、不一致リスト2、不一致フラグ2を送信し(S810)、管理サーバ103は当該データを受信する(S811)。管理サーバ103は、S811で得られた不一致リスト2を保管すると共に、不一致フラグ2を登録する(S812)。
【0040】
上記フローにより、管理サーバ103は、LAN104下で、自身が管理対象とすべき複数の位置情報送信装置について、各々の位置情報送信装置の近距離無線通信範囲内に存在する位置情報送信装置のネットワークアドレスに初期状態と差異があるかを把握する。これにより、管理サーバ103は、例えば、本来存在する筈の位置情報送信装置の近距離無線範囲内から消失や、本来存在しない筈の位置情報送信装置の近距離無線範囲内への出現を把握できる。これらは、LAN104や位置情報送信装置103のLAN通信部の故障、若しくは電源喪失によるものである可能性もあるが、位置情報送信装置103の意図せぬ移設(撤去、もしくは新設)によるものである可能性もある。管理サーバ103は、そのような情報として、不一致リスト2及び不一致フラグ2を管理する。
【0041】
図9は、本実施例に係る位置情報送信システムにおける、管理サーバでの位置情報送信装置の初期状態把握処理を示すフローチャートの一例である。図9において、図5と同様のS501からS503のステップを実施することにより、管理サーバ103は、LAN104下で、自身が管理対象とすべき複数の位置情報送信装置の初期ネットワークアドレスの状態を把握する。そして、管理サーバ103は、位置情報送信装置101に対し、当該位置情報送信装置101が送出する位置情報の取得を指示する(S901)。位置情報送信装置101はそれに応じ、管理サーバ103に対し、要求された位置情報を送信する(S902)。
【0042】
管理サーバ103は、上記S501からS503、及びS901、S902の手順を、管理サーバの管理対象となるLAN104に接続された複数の位置情報送信装置に対して実行し、その結果得られた情報に基づき、初期ネットワークアドレスと位置情報の対照リストを作成する(S903)。
【0043】
上記フローにより、管理サーバ103は、LAN104下で、自身が管理対象とすべき複数の位置情報送信装置のネットワークアドレスリストと位置情報の対照リストを初期状態として把握する。
【0044】
図10は、本実施例に係る位置情報送信システムにおける、管理サーバでの、位置情報受信装置からの情報に基づく、位置情報送信装置の設置不整合検知処理を示すフローチャートの一例である。図10において、まず、位置情報送信装置101は、位置情報106を送信する(S1001)。位置情報受信装置102は、S1001で送信された位置情報106を受信し、受信した位置情報を時系列に従って記録することで、位置情報ログを生成する(S1002)。
【0045】
位置情報受信装置102は、管理サーバ103に対し、S1002で生成した位置情報ログを送信する(S1003)。管理サーバ103は、S1003で送信された位置情報ログを受信し、集積する(S1004)。複数の位置情報受信装置が、上記S1002,S1003の手順を実施することで、管理サーバ103には、S1004において複数の位置情報ログが集積される。管理サーバ103は、当該複数の位置情報ログを分析、集積(S1005)し、図9のS903で得られた初期位置情報と比較、分析を行なう(S1006)。
【0046】
管理サーバ103は、S1006の比較、分析結果における不整合の有無を確認し(S1007)、不整合がなければ以降動作を実施せず(S1008)、不整合がある場合には、不一致リスト(以降、不一致リスト3とする)を生成、保管する(S1009)と共に、不一致フラグ(以降、不一致フラグ3とする)を登録する(S1010)。
【0047】
上記フローにより、管理サーバ103は、LAN104下で、自身が管理対象とすべき複数の位置情報送信装置の送出する位置情報に初期状態と差異があるかを把握する。これにより、管理サーバ103は、例えば、本来存在する筈の位置情報送信装置のネットワーク上から消失や、本来存在しない筈の位置情報送信装置のネットワーク上への出現を把握できる。これらは、LAN104や位置情報送信装置103のLAN通信部の故障、若しくは電源喪失によるものである可能性もあるが、位置情報送信装置103の意図せぬ移設(撤去、もしくは新設)によるものである可能性もある。管理サーバ103は、そのような情報として、不一致リスト3及び不一致フラグ3を管理する。
【0048】
図11は、本実施例に係る位置情報送信システムにおける、管理サーバでの、設置不整合情報に基づく位置情報送信装置の移設検知処理を示すフローチャートの一例である。図11において、管理サーバ103は、図6、8、10で示した、管理している不一致フラグが有効となっている位置情報送信装置101のエントリが存在するかどうかを抽出し(S101)、当該エントリが存在しなければ、それ以上の処理は実施しない(S1103)。当該エントリが存在する場合には、抽出されたエントリの位置情報送信装置101に異常が生じたと判断し、所定の対策として異常通知を実施する(S1104)。なお、本実施例では、不一致フラグは最大3つであるが、そのうちの少なくとも2つが有効であればS1102での判断で当該エントリが存在すると判断することで、より信頼性の高い管理が可能となる。
【0049】
上記フローにより、管理サーバ103は、LAN104下で、自身が管理対象とすべき複数の位置情報送信装置の異常の有無を、複数の不一致情報から判断することで、より信頼性の高い管理が可能となる。
【0050】
なお、位置情報受信装置102は、所謂モバイル端末の形態で何らかの、個々の独立電源を具備する可能性が高い一方、位置情報送信装置101、管理サーバ103、LAN104は、位置情報送信システム内で電源を共有する可能性がある。当該共有電源の共有状況、及び発生する電源の不具合の組合せによっては、本実施例に示した不一致フラグのみでは異常を十分に検知できない場合、本実施例に示した不一致フラグのみに限定する訳ではなく、例えば電源状態を判断基準のひとつに加えてもよい。
【0051】
図12は、本実施例における位置情報送信システムにおける、設置状態管理リストのデータフォーマットの一例である。管理サーバ104は、位置情報送信装置101の初期設置状態との差異を判断するために、本実施例に示すデータをやり取りする。図12は、各々の位置情報送信装置毎の管理エントリを示しており、設置状態管理リストとしては、当該管理エントリを、管理対象となる位置情報送信の数だけ束ねたものとなる。図12において、1201は、図5のステップS504、図6のステップS604で生成されるNWアドレスリストを示しており、図6のステップS605における比較の結果、S608で、不一致フラグ1の登録を行なう際のデータフォーマットである。
【0052】
1202は、図7のステップS704、図8のステップS804で生成されるNWアドレスリストを示しており、図8のステップS805における比較の結果、S812で不一致フラグ2の登録を行なう際のデータフォーマットである。
【0053】
1203は、図9のステップS903で生成されるNWアドレスと位置情報の対照リストを示しており、図10のステップS1007における比較の結果、S1010で不一致フラグ3の登録を行なう際のデータフォーマットである。
【0054】
また、上記に示すように設置状態管理リストを独立に管理してもよいし、1204に示すように、1201から1203のリストを一括管理する形式で管理してもよい。
【0055】
以上、本実施例によれば、管理サーバ103は、LAN104下で、自身が管理対象とすべき複数の位置情報送信装置の異常の有無を、複数の不一致情報から判断することで、より信頼性の高い管理が可能な位置情報送信システムを提供可能である。
【0056】
以上のように、本実施例は、複数の位置情報送信装置を有する位置情報送信システムにおける位置情報送信装置の設置異常検知方法であって、複数の位置情報送信装置のそれぞれの初期状態ネットワークアドレスリストを生成し、所定タイミングでの複数の位置情報送信装置から複数の通信方式により受信した複数の位置情報送信装置のネットワークアドレスからそれぞれの通信方式に対応した複数の最新ネットワークアドレスリストを生成し、複数の初期状態ネットワークアドレスリストと複数の最新ネットワークアドレスリストとの一致比較をそれぞれ行い、複数の位置情報送信装置のうち、複数の初期状態と複数の最新のネットワークアドレスリストのそれぞれが少なくとも2つ不一致となる位置情報送信装置を設置異常と判断するように構成する。
【0057】
また、複数の位置情報送信装置と管理サーバを有する位置情報送信システムに用いられる位置情報送信装置であって、位置情報を送信する位置情報送信部と、複数の位置情報送信装置間で近距離無線通信を行う近距離無線通信部と、管理サーバと通信情報をやり取りするLAN通信部と、ネットワークアドレスと位置情報を記憶する記憶部を有し、LAN通信部または近距離無線通信部を介してネットワークアドレスを送信するように構成する。
【0058】
また、複数の位置情報送信装置と管理サーバを有する位置情報送信システムであって、位置情報送信装置は、位置情報を送信する位置情報送信部と、複数の位置情報送信装置間で近距離無線通信を行う近距離無線通信部と、管理サーバと通信情報をやり取りするLAN通信部と、ネットワークアドレスと位置情報を記憶する記憶部を有し、LAN通信部または近距離無線通信部を介してネットワークアドレスを送信するように構成する。
【0059】
これにより、複数の位置情報送信装置がネットワーク接続された位置情報送信システムにおいて、位置情報送信装置の設置異常を検知する設置異常検知方法、及びそれを用いた位置情報送信装置及び位置情報送信システムを提供することが可能となる。
【0060】
以上実施例について説明したが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0061】
101…位置情報送信装置、102…位置情報受信装置、103…管理サーバ、104…LAN、105…広域ネットワーク、106…位置情報、107…通信情報、108…通信情報、109…通信情報、201…情報処理部、202…記憶部、203…制御部、204…位置情報送信部、205…近距離無線通信部、206…装置ID、207…位置情報、208…LAN通信部、209…ネットワークアドレス、301…広域無線通信部、302…位置情報受信部、401…屋内空間の床面、402…屋内空間の天井面
図1
図2
図3
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図6
図7
図8
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図10
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図12