技術分野
例えば燃焼器や内燃機関等の燃焼ガスや排気ガス中に含まれる特定ガスのガス濃度を検出するのに好適に用いられるガスセンサ素子及びガスセンサ
発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋
ところで、固体電解質層のブラックニングやクラックを防止する観点からは、電極リード部の全てを固体電解質層から絶縁することが好ましい。しかしながら、一般に電極部と電極リード部とは、電極材料のペーストを固体電解質層や絶縁層の表面に印刷し焼成して形成される。このため、電極部との境界まで電極リード部を絶縁しようとすると、印刷ズレによって電極部の一部が絶縁層表面に重なって形成されてしまい、電極部の有効面積が減少してセルの性能(酸素のポンピング性能)を損なうおそれがある。
このため、電極部と絶縁層との間には印刷ズレを考慮した間隔が必要となるが、この間隔が大き過ぎると、電極リード部の絶縁が不十分となって上述のブラックニングやクラックが発生してしまう。
一方、図13に示すように、酸素ポンプセルにおいて、測定室1070内の排気ガス中の空燃比(A/F)がリッチからリーンに変化した場合、λセンサである酸素濃度検出セル1300の出力電圧は急激に変化し、それに応じて酸素ポンプセル1400に印加されるVp電圧も急激に変化する。すると、酸素ポンプセル1400から出力されるポンプ電流Ipにオーバーシュート現象(リップル(Ripple)現象)と称される余分な脈動電流Riが重畳され、酸素濃度の検出値が不正確になるという問題がある。
この原因は、図14に示すように、酸素ポンプセル1400の固体電解質層1090と電極1100との間にコンデンサ回路が形成され、コンデンサの電極間の電圧(Vp電圧)が時間的に変化すると、それに比例してコンデンサの電極間の電荷が時間的に変化して電流が流れ出すためと考えられる。つまり、このコンデンサ回路におけるコンデンサの容量Cと、コンデンサの電荷の変化ΔQと、コンデンサの電極間のVp電圧の変化ΔVpとは、次式(1)の関係にある。
ΔQ=C×ΔVp (1)
ΔQ=Riであるから、
Ri=C×ΔVp (2)
となる。式(2)より、Vp電圧の時間変化であるΔVpを小さくするほど、脈動電流(オーバーシュート電流)Riを低減することになる。
一方、図15に示すように、排気ガス中の空燃比(A/F)がストイキ点を跨がないときには、酸素濃度検出セル1300の出力電圧、ひいてはVp電圧は急激に変化しないので、ポンプ電流Ipに脈動電流Riは重畳されない。
そして、固体電解質層1090と電極(電極リード部を含む)1100との間のコンデンサ回路の容量は温度が低くなるほど大きく、そこに溜まる電荷の量も大きくなる。このため、ΔVpが掛かり続ける時間が長くなり、ひいてはRiも大きくなる。
そこで、本発明は、被測定ガスの雰囲気の変化に伴ってセルの起電力が急激に変化してガスの検出精度が低下することを抑制すると共に、固体電解質体の特性劣化を抑制し、さらにポンピング性能の低下を抑制したガスセンサ素子及びガスセンサの提供を目的とする。
課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋
課題を解決するため、本発明のガスセンサ素子は、絶縁層に設けられた貫通孔に固体電解質体を充填してなる複合層と、前記固体電解質体の表面に形成された一対の電極と、前記一対の電極に電気的に接続される一対のリード部とを有する酸素ポンプセルと、前記複合層と間隔を開けて積層される他部材との間に区画され外部から被測定ガスを導入する測定室と、前記複合層と前記他部材との積層方向に配置され前記酸素ポンプセルを・・・ 続きを
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【発明の効果】
この発明によれば、被測定ガスの雰囲気の変化に伴ってガスセンサのセルの起電力が急激に変化してガスの検出精度が低下することを抑制すると共に、固体電解質体の特性劣化を抑制し、さらにポンピング性能の低下を抑制することができる。
この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]
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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋
【図1】 本発明の第1の態様のガスセンサ(酸素センサ)の長手方向に沿う断面図である。
【図2】 ガスセンサ素子の模式分解斜視図である。
【図3】 酸素ポンプセルの電極と複合層との位置関係を示す積層方向から見た平面図である。
【図4】 図3のA−A線に沿う部分断面図である。
【図5】 本発明の第2の態様のガスセンサにおけるガスセンサ素子の模式分解斜視図である。
【図6】 酸素ポンプセルの電極と絶縁層との位置関係を示す積層方向から見た平面図である。
【図7】 図6のB−B線に沿う部分断面図である。
【図8】 排気ガスのλ(空燃比)をストイキ点を跨いで所定の周波数で切り替えたとき、センサ出力と、ガスの雰囲気λとの比(応答強度)を示す図である。
【図9】 排気ガスのλ(空燃比)をストイキ点を跨がずに所定の周波数で切り替えたとき、センサ出力と、ガスの雰囲気λとの比(応答強度)を示す図である。
【図10】 図8の応答強度を図9の応答強度で除したオーバーシュート割合と、周波数との関係を示す図である。
【図11】 最高温度に対する温度差(%)と、オーバーシュート割合との関係を示す図である。
【図12】 従来のガスセンサにおけるセンサ素子の軸線方向に直交する断面図である。
【図13】 ガス中の空燃比(A/F)をリッチからリーンに変化させたときの、酸素酸素ポンプセルのポンプ電流Ipの時間変化を示す図である。
【図14】 酸素酸素ポンプセルの等価回路を示す図である。
【図15】 排気ガス中の空燃比(A/F)ががストイキ点を跨がないときの、酸素酸素ポンプセルのポンプ電流Ipの時間変化を示す図である。
1 ガスセンサ
30 主体金具(ハウジング)
100、100B ガスセンサ素子
105,125,125s 他部材
107c 測定室
109、129s 固体電解質体
108a、110a 電極
108b、110b リード部
117a、117b、129 絶縁層
140、140B 酸素ポンプセル
200 ヒータ
L 軸線
R 最高温度よりも10%以上低温となるリード部の部位
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