(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6622654
(24)【登録日】2019年11月29日
(45)【発行日】2019年12月18日
(54)【発明の名称】画像管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/14 20190101AFI20191209BHJP
G06F 16/174 20190101ALI20191209BHJP
G06F 16/182 20190101ALI20191209BHJP
【FI】
G06F16/14
G06F16/174
G06F16/182
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-113658(P2016-113658)
(22)【出願日】2016年6月7日
(65)【公開番号】特開2017-220016(P2017-220016A)
(43)【公開日】2017年12月14日
【審査請求日】2018年12月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】591057256
【氏名又は名称】株式会社エクサ
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100102576
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 敏章
(74)【代理人】
【識別番号】100153903
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 明
(72)【発明者】
【氏名】安藤 幸央
【審査官】
三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−180637(JP,A)
【文献】
特開平11−184889(JP,A)
【文献】
特開2002−203230(JP,A)
【文献】
特開2005−184063(JP,A)
【文献】
特開2002−342217(JP,A)
【文献】
特開2013−016957(JP,A)
【文献】
特開2010−205252(JP,A)
【文献】
特開2002−236683(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0167522(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0060032(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 12/00
G06F 16/00−16/958
G06T 1/00−19/20
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コンピュータと第2コンピュータが相互に通信することができるネットワーク環境において、画像データを管理する処理を前記第1コンピュータに実行させる画像管理プログラムであって、前記第1コンピュータに、
前記画像データの属性を記述した画像定義データを格納する記憶装置から前記画像定義データを読み取るステップ、
前記画像定義データの記述にしたがって前記画像データを取得する画像取得ステップ、
前記画像定義データの記述にしたがって前記画像データを処理する画像処理ステップ、
を実行させ、
前記画像定義データは、前記ネットワーク環境において前記第2コンピュータが格納している前記画像データのアドレス、および前記第1コンピュータが前記画像データを使用した頻度を、前記画像データの属性として記述しており、
前記画像取得ステップにおいては、前記第1コンピュータに、前記アドレスに対してアクセスすることにより前記アドレスから前記画像データを取得するステップ、および前記取得した画像データの前記第1コンピュータ上における格納場所を前記画像定義データに記録するステップを実行させ、
前記画像処理ステップにおいては、前記第1コンピュータに、前記頻度が縮小閾値以下である場合は前記アドレスから取得した前記画像データを縮小するステップを実行させる
ことを特徴とする画像管理プログラム。
【請求項2】
前記画像管理プログラムは、前記第1コンピュータにさらに、前記第1コンピュータの属性を記述した端末定義データを格納する記憶装置から前記端末定義データを読み取るステップを実行させ、
前記端末定義データは、前記画像管理プログラムが前記第1コンピュータ上で割り当てられた記憶容量を、前記第1コンピュータの属性として記述しており、
前記画像処理ステップにおいては、前記第1コンピュータに、前記画像定義データにおいて前記格納場所を記録している画像データの合計ファイルサイズを計算するステップ、および前記端末定義データが記述している前記記憶容量を前記合計ファイルサイズが超過する場合は前記格納場所を記録している画像データのうち少なくともいずれかを縮小するステップを実行させる
ことを特徴とする請求項1記載の画像管理プログラム。
【請求項3】
前記画像管理プログラムは、前記第1コンピュータにさらに、前記第1コンピュータの属性を記述した端末定義データを格納する記憶装置から前記端末定義データを読み取るステップを実行させ、
前記端末定義データは、前記第1コンピュータが備えるディスプレイの総画素数を、前記第1コンピュータの属性として記述しており、
前記画像処理ステップにおいては、前記第1コンピュータに、前記端末定義データが記述している前記総画素数を前記アドレスから取得した前記画像データの画素数が超過する場合は前記アドレスから取得した前記画像データを縮小するステップを実行させる
ことを特徴とする請求項1記載の画像管理プログラム。
【請求項4】
前記画像管理プログラムは、前記第1コンピュータにさらに、前記第1コンピュータの属性を記述した端末定義データを格納する記憶装置から前記端末定義データを読み取るステップを実行させ、
前記端末定義データは、前記第1コンピュータが前記第2コンピュータと通信するとき確保すべきネットワーク速度を、前記第1コンピュータの属性として記述しており、
前記画像取得ステップにおいては、前記第1コンピュータに、前記端末定義データが記述しているネットワーク速度を前記第1コンピュータが確保しているネットワーク速度が下回っている場合は前記アドレスから前記画像データを取得することを中止させる
ことを特徴とする請求項1記載の画像管理プログラム。
【請求項5】
前記画像取得ステップにおいては、前記第1コンピュータに、前記アドレスから前記画像データを取得することを中止した場合は、その旨を前記画像定義データに記録させるとともに、その記録にしたがって前記アドレスから前記画像データを取得することを再試行させる
ことを特徴とする請求項4記載の画像管理プログラム。
【請求項6】
前記画像管理プログラムは、前記第1コンピュータにさらに、前記第1コンピュータ上における格納場所を前記画像定義データが記述している画像データを前記第2コンピュータへ移動させる画像移動ステップを実行させ、
前記画像移動ステップにおいては、前記第1コンピュータに、前記第2コンピュータへ移動した画像データについて前記画像定義データが記述している前記アドレスを、前記ネットワーク環境における前記第2コンピュータ上のアドレスに書き換えるステップを実行させる
ことを特徴とする請求項1記載の画像管理プログラム。
【請求項7】
前記画像管理プログラムは、前記第1コンピュータに、
前記画像取得ステップにおいて、前記アドレスに対応する第3コンピュータ上のアドレスを前記第2コンピュータから受け取った場合は、受け取った前記第3コンピュータ上のアドレスに対してアクセスすることにより前記画像データを取得するステップを実行させる
ことを特徴とする請求項1記載の画像管理プログラム。
【請求項8】
前記画像取得ステップにおいては、前記第1コンピュータに、前記アドレスに対してアクセスする際に、あらかじめ縮小した前記画像データを送信するように前記第2コンピュータに対してリクエストさせる
ことを特徴とする請求項1記載の画像管理プログラム。
【請求項9】
前記画像管理プログラムは、前記第1コンピュータにさらに、
前記第1コンピュータ上における格納場所を前記画像定義データが記述している画像データを送信するよう要求するリクエストを前記第2コンピュータから受け取るステップ、
前記リクエストに対応する画像データを前記リクエストに対する返信として前記第2コンピュータに対して送信するステップ、
を実行させることを特徴とする請求項1記載の画像管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1は、ファイル共有システムに関する技術を記載している。同文献は、『ネットワーク環境におけるファイル共有システムにおいて、入力装置から入力した画像、音楽、映像などの各種ファイルを保存する際、ファイル名を自動的に設定し保存することが可能な自動ファイル保存システムを提供する。』ことを課題として、『入力機器がファイルを作成して保存する先である一時フォルダのネットワーク内への接続を監視部(S−01)が感知すると、一時フォルダ内に各種ファイルが存在する場合は、そのファイルリストを作成し、外部ファイルなどによって定義された名前付け規則にしたがって、ファイル名変更部(S−02)がリスト内のファイル名を順番に変更して、ファイル転送部(S−03)に渡し、受け取ったファイル名から、オリジナルファイルの圧縮、オリジナルファイル消去、オリジナルファイルの保存先などの保存方法を判断する前記ファイル転送部(S−03)によってファイル保存装置へファイルを転送し、保存する。』という技術を開示している(要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−097244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1においては、入力装置から共有フォルダに対してデータを格納する際にファイル名称設定規則にしたがって格納後のファイル名を定め、必要に応じてファイルサイズを圧縮することを記載している(同文献の0003など参照)。同文献においては、ファイル名を1つずつ手動で変更する作業負担を課題としており(同文献の0003参照)、格納先デバイスの特性については格別考慮していない。またいかなる場合にファイルサイズを圧縮するのか、その具体的条件は明らかではない。
【0005】
他方、近年は1人のユーザが複数のデバイスを所持し、そのデバイス間で同じ画像データを共有する場合がある。例えば高解像度の画像データは自宅のコンピュータ上に保存しておき、持ち歩くデバイス(例えばタブレットなどの携帯端末)に当該画像データのコピーを保存して外出先でそのコピーを閲覧するような用途が考えられる。かかる場合、自宅コンピュータ上の画像データを携帯端末へそのままコピーするのが一般的である。しかしそうすると、携帯端末の性能(記憶容量やディスプレイ解像度)が低い場合は、携帯端末上でコピーした画像データを閲覧する際に支障が生じる可能性がある。
【0006】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、デバイスや画像データの特性に応じて画像データを最適化しつつ、複数のデバイス間で画像データを共有することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像管理プログラムは、コンピュータ間で相互通信できるネットワークにおいて、画像定義データが記述しているアドレスから画像データを遠隔取得し、さらに使用頻度が低い画像データは縮小する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る画像管理プログラムによれば、コンピュータ間で画像データを共有するとともに、画像データの特性に応じて当該画像データを縮小することにより当該画像データを最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態1に係る画像管理プログラム111を実行する第1コンピュータ100とその周辺環境を示す図である。
【
図3】実施形態2に係る画像管理プログラム111を実行する第1コンピュータ100とその周辺環境を示す図である。
【
図5】第1コンピュータ100が独自に保持している画像データ124を第2コンピュータ200へ移動させる様子を示す概念図である。
【
図6】実施形態4に係る画像管理プログラム111とその周辺環境を示す図である。
【
図7】画像管理プログラム111が画像データ123を送信するよう要求するリクエストを発行したときの通信手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る画像管理プログラム111を実行する第1コンピュータ100とその周辺環境を示す図である。第1コンピュータ100は、画像管理プログラム111を用いて画像データを管理するコンピュータである。第1コンピュータ100と第2コンピュータ200は、相互に通信することができるネットワーク環境に配置されている。例えば家庭内無線ネットワークがこのようなネットワーク環境に相当する。
【0011】
ここでいう相互通信とは、必ずしも直接接続を指すわけではなく、途中にスイッチなどの中継装置が介在しても構わない。例えば会社内LAN(Local Area Network)に属するコンピュータと自宅に設置したコンピュータのように、セキュリティやネットワークアドレスの観点から相互通信することができないネットワーク環境は、ここでいう相互通信には当たらない。
【0012】
第1コンピュータ100は、CPU(Central Processing Unit)110と記憶装置120を備える。CPU110は、画像管理プログラム111を実行する。以下では記載の便宜上、画像管理プログラム111を動作主体として説明する場合があるが、実際に画像管理プログラム111を実行するのはCPU110である。記憶装置120は、画像定義データ121と画像データ123を格納する。これらデータの詳細については後述する。
【0013】
第2コンピュータ200も第1コンピュータ100と同様の構成を備える。すなわち第2コンピュータ200上においても、画像管理プログラム111と同等のプログラム(画像管理プログラム211)が動作している。
【0014】
図2は、画像定義データ121の構成図である。ユーザは、第2コンピュータ200が格納している画像データのコピーを第1コンピュータ100上に保存しようとするとき、画像管理プログラム111を介して、画像定義データ121に対してその画像データに関するレコードを記述する。画像定義データ121は、データフィールドとして、アドレス1211、ファイルパス1212、使用頻度1213を有する。
【0015】
アドレス1211は、第2コンピュータ200からコピーを取得しようとする画像データのネットワークアドレスを記述するフィールドである。ファイルパス1212は、第2コンピュータ200から当該画像データを受け取った後、第1コンピュータ100上に当該画像データを格納するときのファイルパスである。この画像データが
図1に示す画像データ123に相当する。使用頻度1213は、画像データ123を第1コンピュータ100上で使用(参照)した頻度を記録するフィールドである。
【0016】
第1コンピュータ100のユーザは、第2コンピュータ200が格納している画像データのコピーを画像管理プログラム111の配下で管理することを希望する(第1コンピュータ100へコピーする)場合は、その旨を画像管理プログラム111に対して指示するとともに、当該画像データのネットワークアドレスを指定する。画像管理プログラム111は、そのネットワークアドレスに対してアクセスし、当該画像データを送信するようリクエストする。
【0017】
第2コンピュータ200上の画像管理プログラム211は、画像管理プログラム111からのリクエストを受け取る。画像管理プログラム211は、指定された画像データを読み出して画像管理プログラム111に対して送信する。アドレス1211と第2コンピュータ200上のファイルパスとの間の対応関係は、例えばあらかじめルールとして定めておくことができる。
【0018】
画像管理プログラム111は、送信された画像データを受け取ると、記憶装置120上の記憶領域のうち自身が管理する場所へ、受け取った画像データを画像データ123として格納する。さらにそのファイルパスをファイルパス1212へ記録する。第1コンピュータ100のユーザは、以後画像管理プログラム111を介して画像データ123を閲覧等する。以後は、画像データ123を閲覧する際に第2コンピュータ200に対して逐一アクセスする必要はなく、第1コンピュータ100上の画像データ123を直接参照すればよい。
【0019】
複数の画像データを画像管理プログラム111の配下で管理する場合は、画像定義データ121内に同様のレコードを追記する。以下では説明簡易のため画像データ123が1つのみであるものとする。
【0020】
画像管理プログラム111は、ユーザが画像管理プログラム111を介して画像データ123を閲覧等する頻度を、使用頻度1213に記録する。使用頻度1213は、例えば使用開始日時/最終使用日時/合計使用回数のペアによって記述することができるが、これに限らない。画像管理プログラム111は、使用頻度1213が閾値を下回っている場合は、画像データ123を縮小することにより、消費する記憶領域を節約する。ここでいう縮小とは、画像内容を同一に維持しつつピクセル数や解像度などの画像品質を下げることによりファイルサイズを小さくすることである。閾値は、例えば画像管理プログラム111内部にあらかじめ定義しておくこともできるし、設定データなど適当な手段によって与えることもできる。
【0021】
<実施の形態1:まとめ>
本実施形態1に係る画像管理プログラム111は、第2コンピュータ200から画像データ123を取得し、以後は第1コンピュータ100上で画像データ123を使用する。さらに画像データ123の使用頻度が低い場合は縮小する。これにより、画像データ123を閲覧等する際に第2コンピュータ200へかける負担を抑制するとともに、第1コンピュータ100上において画像データ123を閲覧等する際に第1コンピュータ100へかける負担を抑制することができる。
【0022】
<実施の形態2>
図3は、本発明の実施形態2に係る画像管理プログラム111を実行する第1コンピュータ100とその周辺環境を示す図である。第1コンピュータ100は、実施形態1で説明した構成に加えてさらに端末定義データ122を格納している。画像管理プログラム111は、画像定義データ121に加えて端末定義データ122を用いて画像データ123を管理する。詳細は後述する。
【0023】
図4は、端末定義データ122の構成図である。ユーザは、画像管理プログラム111を使用する前に端末定義データ122の各フィールドにあらかじめ値を記述することができる。端末定義データ122は、データフィールドとして、割当容量1221、総画素数1222、通信速度1223を有する。
【0024】
割当容量1221は、記憶装置120の記憶容量のうち画像管理プログラム111に対して割り当てる容量を指定する。画像管理プログラム111は、画像定義データ121の各レコードによって管理する画像データの合計ファイルサイズが割当容量1221を超過した(もしくは所定閾値以内に接近した)場合、少なくともいずれかの画像データを縮小する。例えば最も使用頻度1213が小さい画像データを縮小することが考えられるが、これに限らない。
【0025】
総画素数1222は、第1コンピュータ100が備えるディスプレイの総画素数(例えば1280×1024ピクセル)を指定する。画像管理プログラム111は、第2コンピュータ200から取得した画像データ123のピクセル数が総画素数1222を超過している場合は、画像データ123を縮小する。例えば総画素数1222の縦横いずれかに一致するまで画像データ123のピクセルサイズを縮小することが考えられる。これにより画像データ123をディスプレイの表示能力に応じたサイズに調整することができる。第1コンピュータ100が独自に保持している画像データについても同様に縮小することができる。
【0026】
通信速度1223は、画像管理プログラム111が第2コンピュータ200と通信する際に確保すべきネットワーク速度を指定する。ネットワーク速度が通信速度1223を下回っている場合は、ユーザが画像管理プログラム111に対して第2コンピュータ200から画像データを取得するよう指示したとしても、エラーメッセージを通知する。
【0027】
通信速度1223に起因して、画像管理プログラム111が第2コンピュータ200へアクセスすることがエラー終了した場合、画像管理プログラム111はその旨を例えば画像定義データ121に記録することもできる。この場合、画像管理プログラム111は例えば所定時間経過後に改めて第2コンピュータ200へアクセスし、当該画像データを取得することを再試行することができる。
【0028】
<実施の形態2:まとめ>
本実施形態2に係る画像管理プログラム111は、端末定義データ122の記述にしたがって、第1コンピュータ100の記憶容量やディスプレイサイズに応じて画像データ123を縮小する。これにより、第1コンピュータ100のハードウェア性能に応じて画像データ123を最適化し、第1コンピュータ100に対してかける負担を抑制することができる。
【0029】
<実施の形態3>
実施形態1〜2においては、画像管理プログラム111は第2コンピュータ200が保持している画像データのコピーを画像データ123として格納することを説明した。他方で、例えば第1コンピュータ100の記憶容量が残りわずかになった際に、第1コンピュータ100が独自に保持している画像データを第2コンピュータ200へ移動させたい場面が想定される。本発明の実施形態3では、そのような場面における動作例を説明する。第1コンピュータ100と第2コンピュータ200の構成は実施形態1〜2と同様であるので、以下では主に差異点について説明する。
【0030】
図5は、第1コンピュータ100が独自に保持している画像データ124を第2コンピュータ200へ移動させる様子を示す概念図である。記載の簡易のため、CPU110などの構成要素を省略した。
【0031】
ユーザは、画像データ124を第2コンピュータ200へ移動するように画像管理プログラム111に対して指示するとともに、第2コンピュータ200上の格納場所を指定するネットワークアドレスを指定する。画像管理プログラム111は、そのネットワークアドレスにしたがって画像データ124を第2コンピュータ200に対して送信するとともに、指定されたネットワークアドレスを画像定義データ121内の画像データ124に対応するレコードのアドレス1211として記録し、当該レコードのファイルパス1212と使用頻度1213をクリアする。
【0032】
画像管理プログラム211は、画像管理プログラム111から画像データ124を受け取り、ネットワークアドレスに対応するファイルパス上に画像データ224として格納する。さらに画像定義データ221に対して画像データ224に対応するレコードを追加する。アドレスフィールドと使用頻度フィールドは空にセットし、ファイルパスフィールドのみ格納先パスを指定する。
【0033】
ユーザは、第1コンピュータ100上で画像データ124を閲覧等する場合は、画像管理プログラム111に対してその旨を指示する。アドレス1211は既に記録されているので改めて指定する必要はない。画像管理プログラム111は、実施形態1と同様に第2コンピュータ200から画像データ124を取得する。
【0034】
<実施の形態4>
図6は、本発明の実施形態4に係る画像管理プログラム111とその周辺環境を示す図である。本実施形態4においては、第1コンピュータ100と第2コンピュータ200に加えて第3コンピュータ300が存在し、第3コンピュータ300は画像管理プログラム311(画像管理プログラム111、211と同等のプログラム)を実行することにより画像データ323を管理しているものとする。その他構成は実施形態1〜3と同様であるので、以下では差異点を中心に説明する。
【0035】
画像管理プログラム111は、ある時点において画像データ123を管理していたが、ユーザが画像データ123を第2コンピュータ200へ移動させたと仮定する。移動手順は実施形態3で説明したので省略する。これにより、画像定義データ121のアドレス1211は画像データ223を指すことになる。さらにユーザは、画像データ223を第3コンピュータ300へ移動させたと仮定する。これにより、画像定義データ221のアドレス2211は画像データ323を指すことになる。
【0036】
図7は、画像管理プログラム111が画像データ123を送信するよう要求するリクエストを発行したときの通信手順を示す図である。ユーザは第1コンピュータ100上において画像管理プログラム111に対して画像データ123を取得するよう指示する。画像管理プログラム111は、その指示と画像定義データ121の記述にしたがって画像管理プログラム211に対してリクエストを発行する((1))。画像管理プログラム211は、画像定義データ221の記述にしたがって、第3コンピュータ300に対してそのリクエストを転送するよう画像管理プログラム111に対して指示するとともに、画像データ323のアドレスを返信する((2))。画像管理プログラム111は、その指示にしたがって画像管理プログラム311に対して同様のリクエストを発行する((3))。画像管理プログラム311は、画像データ323を返信する((4))。
【0037】
<本発明の変形例について>
以上の実施形態においては、画像管理プログラム111〜311を実行する2〜3台のコンピュータが存在する例を示したが、4台以上のコンピュータが存在するネットワーク環境においても本発明を適用することができる。また各コンピュータが相互に通信することができるネットワーク環境として家庭内無線ネットワークを例示したが、遠隔地に設置されたコンピュータが接続する場合であっても、例えば専用線ネットワークのようにセキュリティやアドレス特定などの支障なく相互通信することができる環境であれば、本発明を適用することができる。
【0038】
以上の実施形態においては、画像管理プログラム111が画像データ123を受け取ってから使用頻度1213などに応じて画像データ123を縮小する例を説明した。これに加えて、画像管理プログラム111が第2コンピュータ200から画像データを取得する際に、あらかじめ縮小した画像データを送信するようにリクエストすることもできる。この場合は例えば縮小率や端末定義データ122の記述内容などをリクエストと併せて第2コンピュータ200に対して送信し、画像管理プログラム211がその内容に応じて適宜縮小した画像データを返信することができる。
【0039】
以上の実施形態においては、コンピュータ間で相互通信することができるネットワーク環境を前提にしているが、さらにコンピュータ間で認証を実施してもよい。例えばユーザIDとパスワードのセットによって認証することが考えられるが、これに限らず任意の認証を実施してもよい。
【符号の説明】
【0040】
100:第1コンピュータ、110:CPU、111:画像管理プログラム、120:記憶装置、121:画像定義データ、122:端末定義データ、123:画像データ、200:第2コンピュータ、211:画像管理プログラム。