【課題を解決するための手段】
【0009】
[0008] 一つの広い形態において、本発明は、
生体被験者の大動脈弁の開放を決定する装置であって、
a)前記生体被験者の心臓機能を補助する補助人工心臓のポンプ速度を決定し、
b)前記ポンプ速度を分析して、ポンプ速度の変化を少なくとも部分的に示すポンプ速度インジケータを決定し
c)前記ポンプ速度インジケータを用いて、大動脈弁の開放を示す開放インジケータを決定する
電子処理デバイスを備える装置を提供することを図る。
【0010】
[0009] 典型的に、前記開放インジケータは、大動脈弁の開放の程度、継続期間及びタイミングの少なくとも一つを示す。
【0011】
[0010] 典型的に、前記ポンプ速度インジケータは、
a)ポンプ速度の変化率を示すもの、及び、
b)ポンプ速度の変化率に基づく分布
の少なくとも一つである。
【0012】
[0011] 典型的に、前記分布は、
a)周波数分布、及び、
b)パワースペクトル密度分布
の少なくとも一つである。
【0013】
[0012] 典型的に、前記電子処理デバイスは、
a)前記ポンプ速度インジケータを少なくとも一つの閾値と比較し、
b)前記比較の結果に応じて、前記開放インジケータを決定する。
【0014】
[0013] 典型的に、前記ポンプ速度インジケータは分布であり、
前記電子処理デバイスが、前記分布の最大値に基づき前記閾値を決定する。
【0015】
[0014] 典型的に、前記ポンプ速度インジケータはパワースペクトル密度分布であり、
前記電子処理デバイスは、
a)前記パワースペクトル密度分布において最大パワーを有する周波数に対応する最大パワー周波数を決定し、
b)前記最大パワー周波数に基づき前記閾値を決定する。
【0016】
[0015] 典型的に、前記ポンプ速度インジケータは、ポンプ速度の変化率の分布であり、
前記電子処理デバイスは、
a)前記閾値よりも大きい前記分布の部分を決定し、
b)前記部分を用いて前記開放インジケータを決定する。
【0017】
[0016] 典型的に、前記電子処理デバイスは、
a)前記部分に対する曲線下面積を計算し、
b)前記曲線下面積を用いて前記開放インジケータを決定する。
【0018】
[0017] 典型的に、前記電子処理デバイスは、
a)複数の心周期における前記補助人工心臓のポンプ速度を決定し、
b)前記心周期の少なくとも一つにおける開放インジケータを決定する。
【0019】
[0018] 典型的に、前記電子処理デバイスが、
a)補助人工心臓内の血液の流量を決定し、
b)前記血液の流量を用いて個々の心周期を特定する。
【0020】
[0019] 典型的に、前記電子処理デバイスは、流量最小値から個々の心周期を特定する。
【0021】
[0020] 典型的に、前記電子処理デバイスは、
a)前記開放インジケータを記録すること、及び、
b)前記開放インジケータを表示すること
【0022】
[0021] 典型的に、前記電子処理デバイスは、前記開放インジケータを用いて、
a)心内圧、
b)心房圧、
c)心室充満圧、
d)肺毛細血管楔入圧、
e)心室拡張末期圧、
f)平均静脈圧、
g)心室収縮特性及び
h)心室弛緩特性
の少なくとも一つを示す血行動態パラメータ値を少なくとも部分的に決定する。
【0023】
[0022] 典型的に、前記補助人工心臓は、回転インペラを備え、
前記ポンプ速度が、前記インペラの回転速度に対応している。
【0024】
[0023] 典型的に、前記電子処理デバイスは、
a)センサから受信する信号に従って、
b)補助人工心臓コントローラからポンプ速度データを受信することによって、
の少なくとも一つによって、前記ポンプ速度を決定する。
【0025】
[0024] 典型的に、前記電子処理デバイスは、
a)前記補助人工心臓のポンプの速度を示すポンプ速度データを決定し、
b)前記速度データに対して周波数変換を行って前記速度インジケータを決定する。
【0026】
[0025] 典型的に、前記電子処理デバイスは、
a)前記ポンプ速度データをフィルタリングして高周波数成分を除去し、
b)前記フィルタリングされたポンプ速度データを用いて前記ポンプ速度インジケータを決定する。
【0027】
[0026] 典型的に、前記電子処理デバイスは、
a)窓関数を前記ポンプ速度データに適用して、ポンプ速度データの窓を作成し、
b)前記ポンプ速度データの窓を用いてパワースペクトル密度分布を生成する。
【0028】
[0027] 典型的に、前記電子処理デバイスは、前記開放インジケータに従って前記補助人工心臓を制御する。
【0029】
[0028] 典型的に、前記電子処理デバイスは、前記開放インジケータに従って、前記ポンプ速度を断続的に制御する。
【0030】
[0029] 典型的に、前記電子処理デバイスは、
a)前記ポンプ速度を選択的に低下させて大動脈弁の開放を生じさせること、及び
b)前記ポンプ速度を選択的に増加させて大動脈弁の開放を低減すること
の少なくとも一つを行う。
【0031】
[0030] 典型的に、前記電子処理デバイスは、
a)複数の心周期に亘って開放インジケータを決定し、
b)大動脈弁が最後に開放して以来の複数の心周期を閾値と比較し、
c)前記比較の結果に応じて、前記ポンプ速度を選択的に制御する。
【0032】
[0031] 典型的に、前記電子処理デバイスは、
a)大動脈弁が開放すること、及び、
b)最小ポンプ速度に達すること
の少なくとも一つが起こるまで、連続する心周期に亘って前記ポンプ速度を徐々に低下させる。
【0033】
[0032] 他の一つの広い形態において、本発明は、
生体被験者の大動脈弁の開放を決定する方法であって、
電子処理デバイスにおいて、
a)前記生体被験者の心臓機能を補助する補助人工心臓のポンプ速度を決定することと、
b)前記ポンプ速度を分析して、ポンプ速度の変化を少なくとも部分的に示すポンプ速度インジケータを決定することと、
c)前記ポンプ速度インジケータを用いて、大動脈弁の開放を示す開放インジケータを決定することと
を含む方法を提供することを図る。
【0034】
[0033] 他の一つの広い形態において、本発明は、
補助人工心臓を制御する装置であって、
a)少なくとも一つの心周期に亘って前記補助人工心臓のポンプ速度を決定し
b)前記ポンプ速度を分析して、ポンプ速度の変化を少なくとも部分的に示すポンプ速度インジケータを決定し、
c)前記ポンプ速度インジケータを用いて、大動脈弁が開放しているかどうかを決定し、
d)大動脈弁が開放しているかどうかに応じて前記補助人工心臓を制御する
電子処理デバイスを備える装置を提供することを図る。
【0035】
[0034] 他の一つの広い形態において、本発明は、
補助人工心臓を制御する方法であって、
a)少なくとも一つの心周期に亘って前記補助人工心臓のポンプ速度を決定することと、
b)前記ポンプ速度を分析して、ポンプ速度の変化を少なくとも部分的に示すポンプ速度インジケータを決定することと、
c)前記ポンプ速度インジケータを用いて、大動脈弁が開放しているかどうかを決定することと、
d)大動脈弁が開放しているかどうかに応じて、前記補助人工心臓を制御することと
を含む方法を提供することを図る。
【0036】
[0035] 他の一つの広い形態において、本発明は、
生体被験者の心臓機能を補助する補助人工心臓と共に使用する装置であって、
a)少なくとも一つの心周期に亘って前記補助人工心臓のポンプ速度を決定し、
b)前記ポンプ速度を分析して、ポンプ速度の変化を少なくとも部分的に示すポンプ速度インジケータを決定し、
c)前記ポンプ速度インジケータを用いて、
i)大動脈弁の開放を示す開放インジケータを決定すること、及び、
ii)前記補助人工心臓を制御すること
の少なくとも一つを行う
電子処理デバイスを備える装置を提供することを図る。
【0037】
[0036] 他の一つの広い形態において、本発明は、
生体被験者の心臓機能を補助する補助人工心臓と共に用いる方法であって、
a)少なくとも一つの心周期に亘って前記補助人工心臓のポンプ速度を決定することと、
b)前記ポンプ速度を分析して、ポンプ速度の変化を少なくとも部分的に示すポンプ速度インジケータを決定することと、
c)前記ポンプ速度インジケータを用いて、
i)大動脈弁の開放を示す開放インジケータを決定すること、及び、
ii)前記補助人工心臓を制御すること
の少なくとも一つを行うことと
を含む方法を提供することを図る。