特許第6622904号(P6622904)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6622904磁気軸受装置及びこれを含む溶融亜鉛めっき装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6622904
(24)【登録日】2019年11月29日
(45)【発行日】2019年12月18日
(54)【発明の名称】磁気軸受装置及びこれを含む溶融亜鉛めっき装置
(51)【国際特許分類】
   F16C 32/04 20060101AFI20191209BHJP
   C23C 2/06 20060101ALI20191209BHJP
【FI】
   F16C32/04 A
   C23C2/06
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-510054(P2018-510054)
(86)(22)【出願日】2015年10月1日
(65)【公表番号】特表2018-532080(P2018-532080A)
(43)【公表日】2018年11月1日
(86)【国際出願番号】KR2015010362
(87)【国際公開番号】WO2017034068
(87)【国際公開日】20170302
【審査請求日】2018年4月13日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0119744
(32)【優先日】2015年8月25日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】592000691
【氏名又は名称】ポスコ
【氏名又は名称原語表記】POSCO
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】クォン、 ヨン−フン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、 テ−イン
(72)【発明者】
【氏名】チョン、 ヨン−チェ
【審査官】 保田 亨介
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/039019(WO,A1)
【文献】 特表2009−506732(JP,A)
【文献】 特開2009−243635(JP,A)
【文献】 特開平08−326751(JP,A)
【文献】 特表2003−530484(JP,A)
【文献】 特表2012−526249(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/182646(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C2/00−2/40
F16C32/00−32/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール軸に隣接して備えられ、前記ロール軸に向かって磁場を形成する支持ユニットと、
前記ロール軸に結合されており、前記支持ユニットと対面する一部分のみが磁性体で備えられ、磁気力によって磁化される磁力収容ユニットと、を含み、
前記支持ユニットは、
前記ロール軸に隣接して備えられ、前記ロール軸を支持し、前記ロール軸が回転する時に、前記ロール軸の半径方向に前記ロール軸を支持するように前記ロール軸の半径方向に形成された半径方向磁気部材を含む磁気支持部と、
前記磁気支持部が結合されるハウジング部と、
前記半径方向磁気部材の内側に結合され、内側直径が前記半径方向磁気部材の内側直径よりも小さく形成されたディスク状に備えられ、前記半径方向磁気部材の内側面と前記ロール軸の外側面の間に提供される半径方向タッチディスクと、を含む、磁気軸受装置。
【請求項2】
前記磁力収容ユニットは、
前記支持ユニットと対面するロール軸部分に備えられ、磁性体で形成された磁性部材と、
前記磁性部材が提供される部分以外のロール軸部分に備えられ、非磁性体で形成された非磁性部材と、を含む、請求項1に記載の磁気軸受装置。
【請求項3】
前記磁力収容ユニットは、
前記ロール軸に嵌められ、前記磁性部材と非磁性部材が結合される軸外皮部材をさらに含む、請求項2に記載の磁気軸受装置。
【請求項4】
前記磁性部材はシリンダー状に備えられており、
前記磁性部材の幅が、前記支持ユニットと対面するロール軸部分の幅と同一であることを特徴とする、請求項2に記載の磁気軸受装置。
【請求項5】
前記磁性部材はディスク状に備えられており、
前記磁性部材は、前記支持ユニットと対面するロール軸部分の幅に相応する個数で提供されることを特徴とする、請求項2に記載の磁気軸受装置。
【請求項6】
前記ロール軸が非磁性体で備えられることを特徴とする、請求項1に記載の磁気軸受装置。
【請求項7】
前記支持ユニットは、
前記ハウジング部に結合され、前記磁気支持部と電気的に連結され、前記磁気支持部の振動量を測定して制御するセンサー部を含む、請求項1に記載の磁気軸受装置。
【請求項8】
前記磁気支持部は
記ロール軸または前記ロール軸に嵌められる前記磁力収容ユニットの軸外皮部材に形成された段部と前記ロール軸の軸方向に対面するように備えられており、前記ロール軸が回転する時に、前記ロール軸の方向に前記ロール軸を支持する軸方向磁気部材を含む、請求項7に記載の磁気軸受装置。
【請求項9】
前記支持ユニットは、
方向磁気部材と前記ロール軸の段部との間に備えられるように、前記ハウジング部に結合される軸方向タッチディスクをさらに含む、請求項に記載の磁気軸受装置。
【請求項10】
前記磁力収容ユニットは、前記磁気支持部及びセンサー部と対面するロール軸部分にのみ、磁性体からなる磁性部材が備えられることを特徴とする、請求項7に記載の磁気軸受装置。
【請求項11】
溶融亜鉛が収容されるめっき槽と、
前記めっき槽に向かって引き込まれる鋼板の搬送経路上に備えられるポットロールと、
前記ポットロールのロール軸に備えられる請求項1乃至10の何れか一項に記載の磁気軸受装置と、を含む溶融亜鉛めっき装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気軸受装置及びこれを含む溶融亜鉛めっき装置に関し、より詳細には、ロール軸を支持する発明に関する。
【背景技術】
【0002】
溶融亜鉛めっき工程において、鋼板は、スナウトを経て溶融亜鉛で満たされためっきポットに沈積された後、めっき槽内のポットロールに接して支持されながら垂直方向に進行する。
【0003】
上記ポットロールは、シンクロールと矯正ロールとに区別される。上記シンクロールは、鋼板の進行方向を転換させる役割を果たし、上記矯正ロールは、鋼板の形状を矯正する役割を果たす。
【0004】
そして、従来のポットロールのロール軸用軸受は、軸受の軸が回転する方式、または玉軸受を用いて回転させる方式などのように、機械的接触が不可避な場合が殆どである。
【0005】
かかる回転方式を有する軸受がめっきラインで用いられる場合、溶融亜鉛めっき槽内でポットロールが回転しながら摩耗が徐々に発生し、不安定な回転を引き起こして振動と騒音を発生させる。
【0006】
また、接触式軸受方式は、寿命が急激に短縮されるだけでなく、ポットロールの振動に起因するめっき付着量のばらつきといっためっき鋼板の表面欠陥を誘発するという問題を発生させる。
【0007】
一方、近年では、上述の接触式軸受方式の問題を防止するために、磁気軸受装置のような非接触式軸受装置が提示されている。
【0008】
ところが、このような磁気軸受装置の場合、ロール軸との間隔を一定に維持するなどして衝突を防止しなければならない。
【0009】
しかし、ロール軸と磁気軸受装置との間隔を維持するための磁気力の発生を高精度に制御しないと、ロール軸との衝突を防止しにくいという限界がある。
【0010】
すなわち、上記磁気軸受装置を高精度に制御しないと、上記ロール軸との衝突によって、磁気軸受装置の寿命が短縮されるという問題が生じる。
【0011】
さらに、上記磁気軸受装置が高精度に制御されず、上記ロール軸と磁気軸受装置とが衝突すると、上記ポットロールに振動が発生するようになる。
【0012】
そして、上記ポットロールの振動に起因するめっき付着量のばらつきといっためっき鋼板の表面欠陥の問題が、上述の接触式軸受装置と同様に発生する。
【0013】
したがって、上述の問題を解決するための磁気軸受装置、及びこれを含む溶融亜鉛めっき装置に関する研究が必要となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、ロール軸を非接触支持することを高精度に制御することができる磁気軸受装置、及びこれを含む溶融亜鉛めっき装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一実施形態による磁気軸受装置は、ロール軸に隣接して備えられ、上記ロール軸に向かって磁場を形成する支持ユニットと、上記ロール軸に結合されており、上記支持ユニットと対面する一部分のみが磁性体で備えられ、上記磁気力によって磁化される磁力収容ユニットと、を含むことができる。
【0016】
また、本発明の一実施形態による磁気軸受装置の上記磁力収容ユニットは、上記支持ユニットと対面するロール軸部分に備えられ、磁性体で形成された磁性部材と、上記磁性部材が提供される部分以外のロール軸部分に備えられ、非磁性体で形成された非磁性部材と、を含むことができる。
【0017】
また、本発明の一実施形態による磁気軸受装置の上記磁力収容ユニットは、上記ロール軸に嵌められ、上記磁性部材と非磁性部材が結合される軸外皮部材をさらに含むことができる。
【0018】
また、本発明の一実施形態による磁気軸受装置の上記磁性部材はシリンダー状に備えられており、上記磁性部材の幅が、上記支持ユニットと対面するロール軸部分の幅と同一であることを特徴とすることができる。
【0019】
また、本発明の一実施形態による磁気軸受装置の上記磁性部材はディスク状に備えられており、上記磁性部材は、上記支持ユニットと対面するロール軸部分の幅に相応する個数で提供されることを特徴とすることができる。
【0020】
また、本発明の一実施形態による磁気軸受装置の上記ロール軸が、非磁性体で備えられることを特徴とすることができる。
【0021】
また、本発明の一実施形態による磁気軸受装置の上記支持ユニットは、上記ロール軸に隣接して備えられ、上記ロール軸の軸方向及び半径方向の少なくとも1つの方向に上記ロール軸を支持する磁気支持部と、上記磁気支持部と電気的に連結され、上記磁気支持部の振動量を測定して制御するセンサー部と、を含むことができる。
【0022】
また、本発明の一実施形態による磁気軸受装置の上記磁気支持部は、上記ロール軸の半径方向に形成されており、上記ロール軸が回転する時に、上記ロール軸の半径方向に上記ロール軸を支持する半径方向磁気部材と、上記ロール軸または上記ロール軸に嵌められる上記磁力収容ユニットの軸外皮部材に形成された段部と上記ロール軸の軸方向に対面するように備えられており、上記ロール軸が回転する時に、上記ロール軸の方向に上記ロール軸を支持する軸方向磁気部材と、を含むことができる。
【0023】
また、本発明の一実施形態による磁気軸受装置の上記支持ユニットは、上記磁気支持部とセンサー部が結合されるハウジング部と、上記ハウジング部または上記半径方向磁気部材の内側に結合され、内側直径が上記半径方向磁気部材の内側直径よりも小さく形成されたディスク状に備えられる半径方向タッチディスクと、をさらに含むことができる。
【0024】
また、本発明の一実施形態による磁気軸受装置の上記支持ユニットは、上記軸方向磁気部材と上記ロール軸の段部との間に備えられるように、上記ハウジング部に結合される軸方向タッチディスクをさらに含むことができる。
【0025】
また、本発明の一実施形態による磁気軸受装置の上記磁力収容ユニットは、上記磁気支持部とセンサー部が対面するロール軸部分にのみ、磁性体からなる磁性部材が備えられることを特徴とすることができる。
【0026】
また、本発明の他の実施形態による溶融亜鉛めっき装置は、溶融亜鉛が収容されるめっき槽と、上記めっき槽に向かって引き込まれる鋼板の搬送経路上に備えられるポットロールと、上記ポットロールのロール軸に備えられる上記磁気軸受装置と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の磁気軸受装置及びこれを含む溶融亜鉛めっき装置は、ロール軸を非接触支持することができる。
【0028】
特に、本発明の磁気軸受装置及びこれを含む溶融亜鉛めっき装置は、ロール軸を磁気力で支持する際に、磁気力がロール軸の支持される部分にのみ影響するようにすることで、磁気力によるロール軸の支持を高精度に制御することができる効果を奏する。
【0029】
これにより、ロール軸と磁気軸受装置との衝突を防止し、ポットロールの振動に起因するめっき付着量のばらつきを改善するなど、めっき鋼板の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の溶融亜鉛めっき装置を示した斜視図である。
図2】本発明の磁気軸受装置を示した断面図である。
図3】本発明の磁気軸受装置において、磁力収容ユニットを示した側面図である。
図4】本発明の磁気軸受装置において、磁力収容ユニットを示した分解斜視図である。
図5】本発明の磁気軸受装置において、磁力収容ユニットを示した分解斜視図である。
図6】本発明の磁気軸受装置において、半径方向タッチディスクの他の実施形態を示した断面図である。
図7】(a)本発明の磁気軸受装置において、半径方向磁気支持部を示した正面図である。(b)本発明の磁気軸受装置において、半径方向磁気支持部を示した斜視図である。
図8】本発明の磁気軸受装置において、軸方向磁気支持部を示した斜視図である。
図9】本発明の磁気軸受装置において、センサー部を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では、図面を参照して本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。但し、本発明の思想は提示される実施形態に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は、同一の思想の範囲内で、他の構成要素を追加、変更、削除するなど、退歩的な他の発明や本発明の思想の範囲内に含まれる他の実施形態を容易に提案することができるが、これも本発明の思想の範囲内に含まれるといえる。
【0032】
また、各実施形態の図面に示される同一の思想の範囲内における機能が同一の構成要素は、同一の参照符号を用いて説明する。
【0033】
本発明の磁気軸受装置1及びこれを含む溶融亜鉛めっき装置は、ロール軸2を支持する発明に関し、ロール軸2を非接触支持することができる。
【0034】
特に、本発明の磁気軸受装置1及びこれを含む溶融亜鉛めっき装置は、ロール軸2を磁気力で支持する際に、磁気力がロール軸2の支持される部分にのみ影響するようにすることで、磁気力によるロール軸2の支持を高精度に制御することができる。
【0035】
これにより、ロール軸2と磁気軸受装置1との衝突を防止し、ポットロール3の振動に起因するめっき付着量のばらつきを改善するなど、めっき鋼板の品質を向上させることができる。
【0036】
図1は本発明の溶融亜鉛めっき装置を示した斜視図であって、これを参照すると、本発明の例示実施形態による溶融亜鉛めっき装置は、溶融亜鉛が収容されるめっき槽4と、上記めっき槽4に向かって引き込まれる鋼板の搬送経路上に備えられるポットロール3と、上記ポットロール3のロール軸2に備えられる後述の磁気軸受装置1と、を含むことができる。
【0037】
このように、上記鋼板に対する亜鉛めっきのために、上記めっき槽4及びポットロール3が提供されることができる。
【0038】
ここで、上記ポットロール3は、上記鋼板の進行方向を転換させる役割を果たすシンクロールと、上記鋼板の形状を矯正する矯正ロールと、を含むことができる。
【0039】
特に、本発明の溶融亜鉛めっき装置は上記磁気軸受装置1を含んでいるが、これにより、本発明の溶融亜鉛めっき装置は上記ポットロール3のロール軸2を高精度に支持することができる。
【0040】
図2は本発明の磁気軸受装置1を示した断面図であり、図3は本発明の磁気軸受装置1において磁力収容ユニット200を示した側面図である。
【0041】
図2及び図3を参照すると、本発明の一実施形態による磁気軸受装置1は、ロール軸2に隣接して備えられ、上記ロール軸2に向かって磁場を形成する支持ユニット100と、上記ロール軸2に結合されており、上記支持ユニット100と対面する一部分のみが磁性体で備えられ、上記磁気力によって磁化される磁力収容ユニット200と、を含むことができる。
【0042】
換言すると、上記支持ユニット100による磁気力の影響を、上記磁力収容ユニット200が提供されるロール軸2の部分に集中させることができるため、上記ロール軸2の支持を高精度に制御することができる。
【0043】
上記支持ユニット100は、磁気力によって上記ロール軸2を非接触支持する役割を果たす。そのために、上記支持ユニット100は磁場を形成することができ、上記ロール軸2との相互作用によって上記ロール軸2を支持することができる。
【0044】
そのために、上記支持ユニット100は、磁気力によって上記ロール軸2を軸方向及び半径方向の少なくとも1つの方向に支持する磁気支持部110、及び振動を検知するセンサー部120などを含むことができる。これについての詳細な説明は、図7から図9を参照して後述する。
【0045】
尚、上記支持ユニット100は、上記磁気支持部110、センサー部120などを結合させるためのハウジング部130、上記磁気支持部110と上記ロール軸2との衝突を防止するための半径方向タッチディスク140及び軸方向タッチディスク150などを含むことができるが、これについての詳細な説明は、図5及び図6を参照して後述する。
【0046】
ここで、上記ロール軸2が磁性体で形成された場合には、上記ロール軸2が直接的に上記支持ユニット100の磁場の影響を受けて極性が形成されることで、引力または斥力によって支持されることができる。
【0047】
特に、上記ロール軸2が磁性体で提供されていない場合にも、後述の磁力収容ユニット200が結合されているため、上記支持ユニット100と上記磁力収容ユニット200の相互作用によって上記ロール軸2を支持することができる。
【0048】
換言すると、本発明の一実施形態による磁気軸受装置1の上記ロール軸2は非磁性体で備えられることを特徴とすることができる。
【0049】
このように、上記ロール軸2が非磁性体で提供される場合には、上記支持ユニット100で形成される磁場の影響を受けないため、後述の磁力収容ユニット200において磁性体で提供される部分のみに磁気力による影響が与えられるようになる。したがって、上記支持ユニット100によるロール軸2の支持をさらに高精度に制御することができる。
【0050】
換言すると、上記ロール軸2が磁性体で提供される場合には、上記支持ユニット100と対面するロール軸2の部分に伝達された磁気力によって形成された誘導電流、または上記支持ユニット100により形成された磁場が、上記ロール軸2の他の部分にも影響を与えるようになり、制御の誤りが発生し得る。
【0051】
また、上記ロール軸2が非磁性体で形成されると、上記磁場によって発生する誘導電流による発熱の問題も除去することができる。
【0052】
上記磁力収容ユニット200は、上記支持ユニット100により形成された磁場が集中するように提供されることで、上記支持ユニット100による上記ロール軸2の支持を高精度に制御する役割を果たす。
【0053】
そのために、上記磁力収容ユニット200は、上記支持ユニット100と対面する上記ロール軸2の一部分のみが磁性体で提供されることができる。このように上記磁力収容ユニット200において磁性体で提供される部分には、上記支持ユニット100により形成された磁場との相互作用によって磁気力が集中するようになる。
【0054】
特に、上記磁力収容ユニット200において磁性体で提供される部分は、上記支持ユニット100の後述の磁気支持部110及びセンサー部120と対面するロール軸2の部分であることが好ましい。
【0055】
換言すると、本発明の一実施形態による磁気軸受装置1の上記磁力収容ユニット200は、上記磁気支持部110及びセンサー部120と対面するロール軸2の部分にのみ、磁性体からなる磁性部材210が備えられることを特徴とすることができる。
【0056】
これは、上記支持ユニット100において磁気力を発生させる部分が、上記ロール軸2と対面する上記磁気支持部110及びセンサー部120の部分であるためである。
【0057】
上記磁力収容ユニット200は、より具体的な構成として、磁性部材210及び非磁性部材220などを含むことができる。
【0058】
このように、本発明の一実施形態による磁気軸受装置1の上記磁力収容ユニット200は、上記支持ユニット100と対面するロール軸2の部分に備えられ、磁性体で形成された磁性部材210と、上記磁性部材210が提供される部分以外のロール軸2の部分に備えられ、非磁性体で形成された非磁性部材220と、を含むことができる。
【0059】
ここで、上記磁性体としては、一例として、鉄、コバルト、ニッケル、フェライト系/マルテンサイト系ステンレスなどの物質が挙げられる。そして、上記非磁性体としては、一例として、セラミックなどの非金属素材及びオーステナイト系ステンレスなどの金属素材が挙げられる。
【0060】
そして、上記磁性部材210及び非磁性部材220は上記ロール軸2に結合されるために、シリンダー状またはディスク状で提供されることができる。これについての詳細な説明は、図4を参照して後述する。
【0061】
尚、上記磁力収容ユニット200は軸外皮部材230をさらに含み、上記磁性部材210及び非磁性部材220の結合を容易にすることができる。
【0062】
換言すると、本発明の一実施形態による磁気軸受装置1の上記磁力収容ユニット200は、上記ロール軸2に嵌められ、上記磁性部材210と非磁性部材220が結合される軸外皮部材230をさらに含むことができる。
【0063】
このように、上記軸外皮部材230をさらに提供する理由は、上記ロール軸2が一定の直径の棒状ではなく、位置毎に直径が異なる形状である場合には、上記磁性部材210または非磁性部材220が結合しにくいためである。
【0064】
すなわち、上記軸外皮部材230の内側のみを上記ロール軸2に対応する形状に成形すればよいため、上記磁性部材210、非磁性部材220を別のサイズに成形する煩わしさを除去することができる。
【0065】
ここで、上記ロール軸2が非磁性体で形成される場合には、上記軸外皮部材230も非磁性体で形成し、上記磁力収容ユニット200による磁気力の集中効率を高めることが好ましい。
【0066】
図4は、本発明の磁気軸受装置1において、磁力収容ユニット200を示した分解斜視図である。これを参照すると、本発明の一実施形態による磁気軸受装置1の上記磁性部材210はシリンダー状に備えられており、上記磁性部材210の幅が、上記支持ユニット100と対面するロール軸2部分の幅と同一であることを特徴とすることができる。
【0067】
また、本発明の一実施形態による磁気軸受装置1の上記磁性部材210はディスク状に備えられており、上記磁性部材210は、上記支持ユニット100と対面するロール軸2部分の幅に相応する個数が提供されることを特徴とすることができる。
【0068】
換言すると、上記磁性部材210及び非磁性部材220は上記ロール軸2に結合されるために、シリンダー状またはディスク状で提供されることができる。
【0069】
ここで、上記磁性部材210及び非磁性部材220をシリンダー状で提供する場合には、上記ロール軸2への結合が容易であるという利点がある。すなわち、上記支持ユニット100と対面するロール軸2部分の幅と同じ幅に形成されたシリンダー状の磁性部材210、及び上記支持ユニット100と対面していないロール軸2部分の幅と同じ幅に形成されたシリンダー状の非磁性部材220を嵌めるだけで、結合を完了することができる。
【0070】
一方、上記磁性部材210及び非磁性部材220をディスク状で提供する場合には、様々な形状のロール軸2または支持ユニット100に上記磁性部材210及び非磁性部材220を提供する度に、上記磁性部材210及び非磁性部材220を別に製造しなくてもよいという利点がある。すなわち、上記磁性部材210は、上記支持ユニット100と対面するロール軸2部分の幅と同じ幅だけ積層して上記ロール軸2に結合すればよく、上記非磁性部材220は、上記支持ユニット100と対面していないロール軸2部分の幅と同じ幅だけ積層して上記ロール軸2に結合すればよい。
【0071】
図5は、本発明の磁気軸受装置1において磁力収容ユニット200を示した分解斜視図であり、図6は、本発明の磁気軸受装置1において半径方向タッチディスク140の他の実施形態を示した断面図である。
【0072】
図5及び図6を参照すると、本発明の一実施形態による磁気軸受装置1の上記支持ユニット100は、上記磁気支持部110とセンサー部120が結合されるハウジング部130と、上記ハウジング部130または半径方向磁気部材111の内側に結合されており、内側直径D2が上記半径方向磁気部材111の内側直径D1よりも小さく形成されたディスク状に備えられる半径方向タッチディスク140と、をさらに含むことができる。
【0073】
また、本発明の一実施形態による磁気軸受装置1の上記支持ユニット100は、軸方向磁気部材112と上記ロール軸2の段部sとの間に備えられるように、上記ハウジング部130に結合される軸方向タッチディスク150をさらに含むことができる。
【0074】
換言すると、上記支持ユニット100は、上記磁気支持部110と上記ロール軸2との衝突を防止するための半径方向タッチディスク140及び軸方向タッチディスク150などを含むことができる。
【0075】
上記ハウジング部130は、上記磁気支持部110、センサー部120などが結合される部分である。そのために、上記ハウジング部130は基本ベース部材であるハウジング本体131などで構成されることができる。
【0076】
すなわち、上記ハウジング本体131は、上記磁気支持部110、センサー部120などが結合される構成である。そのために、上記ハウジング本体131は、上記磁気支持部110、センサー部120などが結合されることができるように、シリンダー状で提供されることができ、上記磁気支持部110、センサー部120などの直径の差による段差が形成されることもできる。
【0077】
尚、上記ハウジング部130は、上記磁気支持部110、センサー部120などを外部の制御部と電気的に連結するためのケーブル管を含むことができる。すなわち、上記ケーブル管は、上記磁気支持部110、センサー部120のコイルと連結された制御/通信ケーブルを高温環境などから保護する役割を果たす。
【0078】
そして、上記ハウジング部130は、上記ハウジング本体131の内部に上記磁気支持部110、センサー部120などが結合された後、上記磁気支持部110、センサー部120などの離脱を防止するためのハウジングカバー133をさらに含むことができる。上記ハウジングカバー133は、シリンダー状の上記ハウジング本体131の端部に結合されることができる。
【0079】
さらに、上記ハウジング部130には、上記磁気支持部110、センサー部120などの結合時に、溶融めっきなどの外部物質の流入を遮断するためのガスケットgなどが結合されてもよい。
【0080】
上記半径方向タッチディスク140は、上記磁気支持部110の後述の半径方向磁気部材111と上記ロール軸2との衝突を防止する役割を果たすことができる。
【0081】
換言すると、上記半径方向タッチディスク140は、上記半径方向磁気部材111に電流が印加されなくて磁場が形成されない場合に、上記半径方向磁気部材111よりも上記ロール軸2に先に接触するように構成されることで、上記半径方向磁気部材111と上記ロール軸2との衝突を防止することができる。
【0082】
そのために、上記半径方向タッチディスク140は、上記半径方向磁気部材111の内側直径D1に比べて内側直径D2が小さく形成されて提供されることができる。
【0083】
そして、上記半径方向タッチディスク140は、図5に示されたように、上記半径方向磁気部材111の内側に結合されて提供されることができる。
【0084】
他の実施形態として、図6に示されたように、上記半径方向タッチディスク140は、上記ハウジング部130に外側面が結合されて提供され、上記半径方向磁気部材111に隣接して結合されて提供されてもよい。
【0085】
上記軸方向タッチディスク150は、上記磁気支持部110の後述の軸方向磁気部材112と上記ロール軸2との衝突を防止する役割を果たすことができる。
【0086】
換言すると、上記軸方向タッチディスク150は、上記軸方向磁気部材112に電流が印加されなくて磁場が形成されない場合に、上記軸方向磁気部材112よりも上記ロール軸2に先に接触するように構成されることで、上記軸方向磁気部材112と上記ロール軸2との衝突を防止することができる。
【0087】
そのために、上記軸方向タッチディスク150は、上記軸方向磁気部材112と上記ロール軸2の段部sとの間に位置するように、上記ハウジング部130に結合されることができる。
【0088】
図7は、本発明の磁気軸受装置1において半径方向磁気支持部110を示した正面図及び斜視図であり、図8は、本発明の磁気軸受装置1において軸方向磁気支持部110を示した斜視図であり、図9は、本発明の磁気軸受装置1においてセンサー部120を示した斜視図である。
【0089】
図7から図9を参照すると、本発明の一実施形態による磁気軸受装置1の上記支持ユニット100は、上記ロール軸2に隣接して備えられ、上記ロール軸2の軸方向及び半径方向の少なくとも1つの方向に上記ロール軸2を支持する磁気支持部110と、上記磁気支持部110と電気的に連結され、上記磁気支持部110の振動量を測定して制御するセンサー部120と、を含むことができる。
【0090】
換言すると、上記支持ユニット100は、磁気力によって上記ロール軸2を非接触支持するために、上記磁気支持部110及びセンサー部120などを含むことができる。
【0091】
上記磁気支持部110は磁場を形成し、上記ロール軸2を支持する役割を果たす。
【0092】
ここで、上記ロール軸2が磁性体で形成された場合には、上記ロール軸2が直接的に上記磁気支持部110により形成される磁場の影響を受けて極性が形成されることで、引力または斥力によって支持されることができる。
【0093】
特に、上記ロール軸2が磁性体で提供されない場合にも、上記磁力収容ユニット200が結合されているため、上記磁気支持部110と上記磁力収容ユニット200の相互作用によって上記ロール軸2を支持することができる。
【0094】
そのために、上記磁気支持部110は、上記ロール軸2を上記ロール軸2の半径方向に支持する半径方向磁気部材111と、上記ロール軸2を上記ロール軸2の軸方向に支持する軸方向磁気部材112と、を含むことができる。
【0095】
換言すると、本発明の一実施形態による磁気軸受装置1の上記磁気支持部110は、上記ロール軸2の半径方向に形成されており、上記ロール軸2が回転する時に、上記ロール軸2の半径方向に上記ロール軸2を支持する半径方向磁気部材111と、上記ロール軸2または上記ロール軸2に嵌められる上記磁力収容ユニット200の軸外皮部材230に形成された段部sと上記ロール軸2の軸方向に対面するように備えられており、上記ロール軸2が回転する時に、上記ロール軸2の方向に上記ロール軸2を支持する軸方向磁気部材112と、を含むことができる。
【0096】
上記半径方向磁気部材111は、上記ロール軸2を上記ロール軸2の半径方向に支持するために、半径方向磁気部材本体111aと、半径方向コア111bと、半径方向コイル111cと、を含むことができる。
【0097】
上記半径方向磁気部材本体111aは、上記ロール軸2を上記ロール軸2の周方向に包むように構成され、上記ハウジング部130に結合されることができる。そして、上記半径方向磁気部材本体111aの内側には上記半径方向コア111bが形成されて提供されることができる。
【0098】
上記半径方向コア111bは、上記半径方向磁気部材本体111aの内側に一定間隔で形成されてもよく、必要に応じて、その間隔を調整してもよい。そして、上記半径方向コア111bには、電流が印加される半径方向コイル111cが巻かれて提供されることができる。ここで、上記半径方向コア111bの磁極の配置は、N−S−N−Sの交差型に配置する。
【0099】
上記半径方向コイル111cは、電流を印加して磁場を形成する役割を果たす。上記半径方向コイル111cの材質としては、磁気力による支持の性能が460℃の高温の溶融亜鉛めっき槽4などの内部で維持されるように、セラミックコーティングされた高温用電線を用いてもよい。
【0100】
そして、上記半径方向コイル111cは、熱損傷などの外部環境から保護されるように、上記ケーブル管などを介して外部と連結されることができる。
【0101】
ここで、上記半径方向磁気部材111の磁気力は、半径方向コア111bの個数、半径方向コイル111cの巻線数及び印加電流に比例する。
【0102】
上記軸方向磁気部材112は、上記ロール軸2を上記ロール軸2の軸方向に支持するために、軸方向磁気部材本体112aと、軸方向コアと、軸方向コイル112bと、を含むことができる。
【0103】
上記軸方向磁気部材本体112aは、上記ロール軸2または上記軸外皮部材230に形成された段部sと対面するように構成されることができる。但し、上記軸方向タッチディスク150などが上記軸方向磁気部材本体112aと上記段部sとの間に備えられてもよい。
【0104】
そして、上記軸方向磁気部材本体112aは上記ハウジング部130に結合されることができ、上記軸方向磁気部材本体112aには上記軸方向コイル112bが巻かれて提供されることができる。
【0105】
上記軸方向コイル112bは、上記軸方向磁気部材本体112aに周方向に形成された溝に沿って巻回されている。
【0106】
上記軸方向コイル112bは、電流を印加して磁場を形成する役割を果たす。上記軸方向コイル112bの材質としては、磁気力による支持の性能が460℃の高温の溶融亜鉛めっき槽4などの内部で維持されるように、セラミックコーティングされた高温用電線を用いてもよい。
【0107】
ここで、上記軸方向磁気部材112の磁気力は、軸方向コイル112bの巻線数及び印加電流に比例する。
【0108】
上記センサー部120は、上記ロール軸2の半径方向または軸方向の振動を検知して調整する役割を果たす。そのために、上記センサー部120は、センサー121、センサーカバー122、コントローラー123などを含むことができる。
【0109】
上記センサー121は、上記ロール軸2の半径方向または軸方向の振動を検知する役割を果たす。そのために、上記センサー121は、上記ロール軸2の周方向に包むように提供されるセンサー121本体と、上記センサー121本体の内側に形成されたセンサーコア121bと、上記センサーコア121bに巻回されたセンサーコイル121cと、を含むことができる。
【0110】
上記センサーカバー122は、上記センサー121を高温などの外部環境から保護する役割を果たす。そのために、上記センサーカバー122は上記センサー121を包むように提供されることができる。
【0111】
上記コントローラー123は、上記センサー121により検知された振動データを収集し、上記磁気支持部110に印加される電流の大きさを調整する。このようなコントローラー123は、上記センサー121本体と一体に形成されてもよく、外部に形成されて上記センサー121と電気的に連結されてもよい。また、上記コントローラー123は、上記磁気支持部110を制御するために、上記磁気支持部110とも電気的に連結されることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7(a)】
図7(b)】
図8
図9