(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の第1の実施形態に係る電源装置および電子機器について、図を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電源装置の機能ブロック図である。
【0014】
図1に示すように、電源装置10は、電源電圧入力端子Pin、絶縁型トランス110、スイッチング素子111、制御IC112、一次側の電圧供給ライン113、マイコン114、レギュレータ115、分圧回路116、電源スイッチ117、通信部118、二次側回路119、および、フォトカプラ121を備える。なお、本実施形態では、マイコン114を用いる態様を示すが、FPGA、CPLD等のデバイスを用いてもよく、マイコン114およびこれらのデバイスが、本発明の「電源制御デバイス」に対応する。
【0015】
電源電圧入力端子Pinは、電源ケーブルを介して、分配器23に接続されている。分配器23は、ブレーカースイッチ22を介してバッテリー21に接続されている。なお、図示していないが、分配器23は、電源装置10とは異なる少なくとも1つ(少なくとも1つと記載すれば、1つの場合を含みますので、このままで問題無いと考えます。)の電子機器の電源装置にも接続されている。分配器23は、分配器23にそれぞれ接続された複数の電源装置にバッテリー21の電圧を供給する。
【0016】
絶縁型トランス110は、一次側コイル1101と二次側コイル1102とを備える。一次側コイル1101と二次側コイル1102との巻き数比は、バッテリー21の電圧と、電源装置10の出力電圧との比によって決定されている。
【0017】
一次側コイル1101の第1端は、電圧供給ライン113を介して、電源電圧入力端子Pinに接続されている。一次側コイル1101の第2端は、スイッチング素子111を介して接地されている。
【0018】
二次側コイル1102は、二次側回路119に接続されている。二次側回路119は、絶縁型トランス110を用いた一般的なスイッチング電源回路の二次側回路の構成を備える。二次側回路119の具体的な回路構成は、省略する。二次側回路119は、二次側制御部(図示せず)を備える。二次側制御部は、二次側電圧、すなわち、電源装置10の出力電圧を検出して、出力電圧が一定になるようにフィードバック信号を生成する。
【0019】
フォトカプラ121は、二次側回路119の二次側制御部と、一次側の制御IC112とに接続されている。フォトカプラ121は、二次側制御部からのフィードバック信号を、制御IC112に伝送する。
【0020】
制御IC112は、スイッチング素子111に接続されている。制御IC112からオン信号を受信している期間は、スイッチング素子111は導通し、制御IC112からオン信号を受信していない期間は、スイッチング素子111は開放している。なお、スイッチング素子111が制御IC112からオン信号を受信していない期間は、制御IC112が起動しており制御IC112からオフ信号(オン信号と異なる状態の信号)を受信している期間、または、制御IC112が起動していない期間のいずれであってもよい。
【0021】
また、制御IC112は、フィードバック信号に応じて、スイッチング素子111の開放、導通を制御する。このように、フィードバック信号に応じて、スイッチング素子111の開放時間と導通時間とが調整されることによって、一次側コイル1101の電圧印加時間は制御され、一次側コイル1101に流れる電流は調整される。一次側コイル1101に流れる電流が調整されることによって、二次側コイル1102に流れる電流は調整され、二次側電圧は所望の電圧値に調整される。
【0022】
マイコン114は、レギュレータ115を介して、電圧供給ライン113に接続されている。レギュレータ115は、電圧供給ライン113の電圧から、マイコン114の駆動電圧を生成して出力する。この駆動電圧は、マイコン114に供給され、マイコン114は、この駆動電圧によって駆動する。
【0023】
マイコン114は、制御IC112、分圧回路116、電源スイッチ117、および、通信部118に接続されている。マイコン114は、電圧計測端子、A/D変換部、および、EEPROM等の不揮発性メモリ1140を備える。なお、マイコン114は、他の端子、演算部を備えているが図示および説明を省略している。
【0024】
マイコン114は、制御IC112に対する電源オン制御および電源オフ制御を実行する。具体的には、マイコン114は、電源オン制御として、制御IC112に対して制御IC用駆動電圧PWを供給する。一方、マイコン114は、電源オフ制御として、制御IC112に対する制御IC用駆動電圧PWの供給を停止する。制御IC112は、制御IC用駆動電圧PWが供給されている期間、動作し、上述のスイッチング素子111の制御を実行する。
【0025】
不揮発性メモリには、電源状態フラグが記憶されている。電源状態フラグは、互いに異なる第1の電源状態フラグと第2電源状態フラグとを有する。第1の電源状態フラグは、制御IC112に対する電源オン制御に対応づけられており、第2の電源状態フラグは、制御IC112に対する電源オフ制御に対応づけられている。例えば、第1の電源状態フラグは「H(1)」であり、第2の電源状態フラグは「L(0)」である。
【0026】
マイコン114は、制御IC112に対する電源オン制御を実行すると、第1の電源状態フラグ「H(1)」を不揮発性メモリ1140に記憶する。マイコン114は、制御IC112に対する電源オフ制御を実行すると、第2の電源状態フラグ「L(0)」を不揮発性メモリ1140に記憶する。不揮発性メモリ1140を用いることによって、マイコン114に駆動電圧が供給されていても、マイコン114に駆動電圧が供給されていなくても、電源状態フラグの状態を変える更新を行わなければ、電源状態フラグは状態保持される。
【0027】
電源スイッチ117は、例えば押下型のタクトスイッチである。マイコン114は、電源スイッチ117の押下を検出して、制御IC112に対する電源オン制御または電源オフ制御を実行する。具体的に、マイコン114は、制御IC112に制御IC用駆動電圧PWを供給していない状態において、電源スイッチ117の押下を検出すると、電源オン制御を実行する。マイコン114は、制御IC112に制御IC用駆動電圧PWを供給している状態において、電源スイッチ117の押下を検出すると、電源オフ制御を実行する。なお、これらの電源オン制御および電源オフ制御の詳細は後述する。
【0028】
分圧回路116は、複数の抵抗器を備える。複数の抵抗器(
図1では2つの抵抗器)は、電圧供給ライン113と接地電位との間に直列接続されている。例えば、
図1であれば、分圧回路116は、直列接続された第1の抵抗器と第2の抵抗器とを備える。第1の抵抗器と第2の抵抗器との接続点は、マイコン114の電圧計測端子に接続されている。
【0029】
マイコン114は、次の方法によって入力電圧Vinを計測する。マイコン114は、電圧計測端子としてA/D(アナログ/デジタル)変換端子を備える。マイコン114は、電圧計測端子に印加されたアナログの電圧を、デジタルの電圧値に変換する。すなわち、マイコン114は、電圧供給ライン113の電圧(電源電圧入力端子Pinの入力電圧Vin)を分圧回路116で分圧したアナログの分圧電圧を、デジタルの分圧電圧値に変換する。
【0030】
マイコン114は、デジタルの分圧電圧値から、入力電圧Vinに対応するデジタルの入力電圧値を得る。例えば、マイコン114の不揮発性メモリには、デジタルの分圧電圧値とデジタルの入力電圧値とのリファレンスチャートが記憶されている。マイコン114は、デジタルの分圧電圧値を得ると、デジタルの分圧電圧値とリファレンスチャートとを照らし合わせて、デジタルの入力電圧値を得る。
【0031】
これにより、電源装置10は、絶縁型トランス110の一次側に配置されたマイコン114によって、電源装置10の入力電圧Vinを、容易な回路構成で且つ直接に計測できる。
【0032】
マイコン114は、デジタルの入力電圧値を、通信部118に出力する。通信部118は、デジタルの入力電圧値を、電源装置10の外部に送信する。これにより、電源装置10は、絶縁型トランス110の一次側で計測した電源装置10の入力電圧Vinを、ユーザに通知できる。なお、図示していないが、電源装置10に表示部等の通知部を備え、当該通知部を用いて入力電圧Vinを通知してもよい。
【0033】
なお、マイコン114は、所定の時間間隔で継続的にデジタルの入力電圧値を得てもよい。この際、通信部118は、複数のデジタルの入力電圧値を逐次送信してもよく、所定個数ずつまとめて送信してもよい。
【0034】
また、電源装置10のマイコン114は、次に示す各種の電源制御を実行する。
【0035】
(異常電圧への対処)
図2は、本発明の第1の実施形態に係る電源装置のマイコンによる異常電圧の対処のフローチャートである。
【0036】
マイコン114は、電圧供給ライン113の電圧、すなわち入力電圧Vinを計測する(S101)。マイコン114は、入力電圧Vinが下限閾値電圧TH
VL未満であることを検出すると(S102:YES)、制御IC112に対して電源オフ制御を実行する(S105)。マイコン114は、入力電圧Vinが上限閾値電圧TH
VHよりも高いことを検出すると(S102:NO→S103:YES)、制御IC112に対して電源オフ制御を実行する(S105)。言い換えれば、マイコン114は、入力電圧Vinが正常値の範囲内(下限閾値電圧TH
VL以上、上限閾値電圧TH
VH以下)でなければ、制御IC112に対して電源オフ制御を実行する。この場合、マイコン114は、電源状態フラグFLを「H(1)」から「L(0)」に更新して、不揮発性メモリ1140に記憶する。
【0037】
マイコン114は、入力電圧Vinが下限閾値電圧TH
VL以上であることを検出し(S102:NO)、入力電圧Vinが上限閾値電圧TH
VH以下であることを検出すると(S103:NO)、制御IC112に対して電源オン制御を実行する(S104)。
【0038】
このような処理を実行することによって、電源装置10に対する低電圧保護および過電圧保護、すなわち、異常電圧への対処が容易に且つ確実に実現される。この際、絶縁型トランス110の一次側に配置されたマイコン114で入力電圧Vinを直接計測し、マイコン114で低電圧保護および過電圧保護の判定を実行することによって、低電圧保護および過電圧保護の回路構成を簡素化できる。
【0039】
(電源オン制御)
図3は、本発明の第1の実施形態に係る電源装置のマイコンによる制御ICに対する電源オン制御のフローチャートである。
【0040】
マイコン114は、電圧供給ライン113を介して駆動電圧が供給されると起動する(S201)。例えば、
図1に示す場合、ブレーカースイッチ22は開放であると、バッテリー21から電源電圧入力端子Pinに、入力電圧Vinは供給されない。この場合、マイコン114に駆動電圧が供給されない。したがって、マイコン114は起動せず、電源装置10は動作しない。この状態で、ブレーカースイッチ22が導通になると、バッテリー21から電源電圧入力端子Pinに入力電圧Vinが供給され、マイコン114に駆動電圧が供給され、マイコン114は起動する。
【0041】
マイコン114は、不揮発性メモリ1140に記憶された電源状態フラグFLを読み出し、電源状態フラグFLが「H(1)」であることを検出すると(S202:YES)、入力電圧Vinの状態検知に移行する。
【0042】
マイコン114は、電源状態フラグFLが「L(0)」であることを検出すると(S202:NO)、電源スイッチ117の押下の検出の待機状態となる(S203)。
【0043】
マイコン114は、電源スイッチ117の押下を検出すると(S204:YES)、入力電圧Vinの状態検知に移行する。マイコン114は、電源スイッチ117の押下を検出していなければ(S204:NO)、電源スイッチ117の押下の検出の待機状態を維持する(S203)。
【0044】
マイコン114は、入力電圧Vinの状態検知に移行すると、入力電圧Vinを計測する。マイコン114は、入力電圧Vinが正常値の範囲内(下限閾値電圧TH
VL以上、上限閾値電圧TH
VH以下)にあることを検出すると(S205:YES)、制御IC112に対して電源オン制御を実行し(S206)、電源状態フラグFLを「H(1)」で更新する(S207)。なお、マイコン114は、入力電圧Vinが正常値の範囲内でないことを検出すると(S205:NO)、待機状態となる。
【0045】
(電源オフ制御)
図4は、本発明の第1の実施形態に係る電源装置のマイコンによる制御ICに対する電源オフ制御のフローチャートである。
【0046】
マイコン114は、電源スイッチ117の押下を検出するまでは、電源装置10の通電状態を維持する。(S301:NO)。
【0047】
マイコン114は、電源スイッチ117の押下を検出すると(S301:YES)、正常終了処理と強制終了処理を並行的に実行する。
【0048】
(正常終了処理)
マイコン114は、電源スイッチ117の押下を検出すると(S301:YES)、カウントダウン処理を実行する(S311)。カウントダウンで設定される時間は、電源装置10を正常終了させるために設定した時間である。
【0049】
マイコン114は、カウントダウン中に押下が中断されたことを検出すると(S312:NO)、電源装置10の通電状態を維持し、電源スイッチ117の押下の検出待機状態となる。
【0050】
マイコン114は、カウントダウン中に押下が継続したこと(カウントダウン処理の終了まで押下が継続したこと)を検出すると(S312:YES)、電源状態フラグFLを「H(1)」から「L(0)」に更新する(S313)。
【0051】
マイコン114は、所定時間(例えば、約10秒)、ウェイト処理を実行し(S314)、制御IC112への制御IC用駆動電圧の供給を停止する(S302)。これにより、マイコン114は、電源装置10の正常終了処理を実行する。
【0052】
(強制終了処理)
マイコン114は、電源スイッチ117の押下を検出すると(S301:YES)、押下の継続時間tをカウントアップする(S321)。マイコン114は、継続時間tが閾値時間THt以下でないことを検出すると(S322:NO)、電源装置10の通電状態を維持し、電源スイッチ117の押下の検出待機状態となる。閾値時間THtは、電源装置10を強制終了させるために設定した閾値時間である。閾値時間THtは、正常終了処理のカウントダウン処理で設定される時間よりも長い。
【0053】
マイコン114は、継続時間tが閾値時間THt以下であることを検出すると(S322:YES)、電源状態フラグFLを「H(1)」から「L(0)」に更新する(S323)。
【0054】
マイコン114は、制御IC112への制御IC用駆動電圧の供給を停止する(S302)。これにより、マイコン114は、電源装置10の強制終了処理を実行する。
【0055】
このように、上述の処理を実行することによって、電源装置10を正常にまたは強制的に終了できる。なお、上述の電源オフ制御の処理では、正常な終了と、強制的な終了とを選択できるが、正常な終了と強制的な終了の少なくとも一方を実行できればよい。
【0056】
また、電源スイッチ117の押下を検出したことによって、制御IC112に対する電源オフ制御が実行され、電源状態フラグFLは「L(0)」で更新される。一方、ブレーカースイッチ22を開放にした場合は、入力電圧Vinが供給されなくなり、制御IC112に対する電源オフ制御が実行されずに、電源装置10は強制的に終了となる。したがって、この場合は、電源状態フラグFLは「H(1)」で維持されている。
【0057】
これにより、マイコン114は、ユーザが電源スイッチ117を用いて電源装置10を装置単体で終了させたことと、ユーザがブレーカースイッチ22を開放したことによって電源装置10への電源供給が強制的に終了したこととを識別して、不揮発性メモリ1140に記憶しておくことができる。
【0058】
マイコン114は、この電源状態フラグを上述の電源オン制御に利用している。
【0059】
上述の電源オン制御と電源オフ制御とを用いることによって、マイコン114は、電源装置10の前回の電源オフの状態に応じて、制御IC112に対する電源オン制御を実現できる。具体的には、電源スイッチ117の押下によってユーザが電源装置10を装置単体で終了させた場合には、電源スイッチ117の押下を検出するまで、マイコン114は、制御IC112に制御IC用駆動電圧を供給しない。一方で、ユーザがブレーカースイッチ22を開放したことによって電源装置10への入力電圧Vinが強制的に終了した場合には、電源スイッチ117の押下を検出せずに、入力電圧Vinが正常値の電圧範囲内になれば、マイコン114は、制御IC112に制御IC用駆動電圧を供給する。
【0060】
これにより、前回、ユーザが意図的に電源装置10の電源オフ制御を行っていれば、ブレーカースイッチ22を導通させても、電源スイッチ117が押下されなければ、電源装置10の電源オン制御が開始されない。一方、前回、ユーザが電源装置10の電源オフ制御を行わずにブレーカースイッチ22を開放した場合には、ブレーカースイッチ22を導通させることによって、電源装置10の電源オン制御が開始する。したがって、ユーザの前回の電源オフの意図が反映された電源オン制御を実現できる。
【0061】
次に、本発明の第2の実施形態に係る電子機器について、図を参照して説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る電子機器の機能ブロック図である。
【0062】
図5に示すように、本実施形態に係る電子機器1は、電源装置10Aと機能部20とを備える。電源装置10Aは、第1の実施形態に係る電源装置10に対して、通信部118がフォトカプラ118Aおよびフォトカプラ122の組に置き換えられた点で異なる。電源装置10Aの他の構成は、第1の実施形態に係る電源装置10と同じであり、同じ箇所の説明は省略する。
【0063】
機能部20は、アプリケーション実行部201および表示部202を備える。アプリケーション実行部201および表示部202は、二次側回路119に接続されている。すなわち、機能部20は、電源装置10Aの二次側に接続されている。アプリケーション実行部201および表示部202は、二次側回路119から駆動電圧を供給されている。アプリケーション実行部201と表示部202とは接続されている。
【0064】
アプリケーション実行部201は、CPU、アプリケーションプログラムが記憶された記憶媒体、を備える。アプリケーション実行部201は、記憶媒体からアプリケーションプログラムを、CPUで読み出して実行することによって、電子機器1で実行する各種のアプリケーションを実行する。例えば、電子機器1が航海機器である場合、アプリケーション実行部201は、船舶の航行に関する各種の舶用のアプリケーションを実行する。この場合、具体的なアプリケーションとしては、GPS測位による航行位置および航跡の生成のアプリケーション、漁労支援情報の生成のアプリケーション等である。アプリケーション実行部201、アプリケーションの実行結果を表示部202に出力する。また、アプリケーション実行部201は、フォトカプラ122を介して、マイコン114に各種の制御信号を送信する。
【0065】
表示部202は、例えば、液晶ディスプレイであり、アプリケーションの実行結果を表示する。
【0066】
電源装置10Aのフォトカプラ118Aは、マイコン114から出力されたデジタルの入力電圧値を、アプリケーション実行部201に出力する。アプリケーション実行部201は、このデジタルの入力電圧値を、表示部202に表示させる。この際、アプリケーション実行部201は、アプリケーションの実行結果とともに、デジタルの入力電圧値を表示することもできる。
【0067】
このように、表示部202にデジタルの入力電圧値が表示されることによって、ユーザは、入力電圧Vinの電圧値を確実且つ容易に視認でき、バッテリー21の残容量を推定できる。
【0068】
特に、電子機器1が航海機器であり、電子機器1およびバッテリー21が船体の装備されている場合、バッテリー21を容易に交換できず、海上でバッテリー21の容量が無くなって電子機器1を利用できなくなる虞がある。しかしながら、上述の構成を備えて、ユーザが入力電圧を確実に且つ容易に視認できることによって、このような電子機器1を利用できなくなることを確実に回避できる。
【0069】
また、上述のように、デジタルの入力電圧値が所定の時間間隔で継続的に得られ、複数回のデジタルの入力電圧値が得られる場合、アプリケーション実行部201は、これら複数回のデジタルの入力電圧値から、複数回のデジタルの入力電圧値の推移状態を、グラフ等にして出力し、表示部202に表示させてもよい。また、アプリケーション実行部201は、複数回のデジタルの入力電圧値の推移状態から、バッテリー21が空になる残り時間を推定し、この残り時間を表示部202に表示させてもよい。この際、デジタルの入力電圧値が一次側のマイコン114で計測されていることにより、バッテリー21の状況に素早く対応した残り時間を得られる。
【0070】
なお、電子機器1が航海機器である場合、電子機器1、バッテリー21、および、ブレーカースイッチ22によって、本発明の「舶用アプリケーション実行システム」が実現される。また、電子機器1が複数であって、それぞれの電子機器1がそれぞれに異なるアプリケーションを実行する航海機器である場合、複数の電子機器1、バッテリー21、ブレーカースイッチ22、および分配器23によって、本発明の「舶用アプリケーション実行システム」が実現される。そして、この際、複数の電子機器1は、それぞれに分配器23を介してブレーカースイッチ22に接続されている。
【0071】
この場合、ブレーカースイッチ22を開放することによって、複数の電子機器1を強制的に終了させる状況もある。この状況では、ブレーカースイッチ22の導通により、複数の電子機器1に対する通電は、同時に再開される。しかしながら、上述の電源オン制御および電源オフ制御を用いることによって、複数の電子機器1毎に、電源スイッチ117の押下による起動、通電による強制的(自動的)な起動が選択される。したがって、複数の電子機器1のそれぞれにおいて、ユーザの前回の電源オフの状況に応じた電源オン制御が実行される。
【0072】
また、上述の第1の実施形態に示した電源オフ制御の正常終了処理は、絶縁型トランス110の二次側に接続された本実施形態に電子機器1のアプリケーション実行部201で実行してもよい。この場合、アプリケーション実行部201は、電源スイッチ117の押下の検出信号を、フォトカプラ118Aを介してマイコン114から受信する。アプリケーション実行部201は、上述のステップS311、S312の処理を実行する。アプリケーション実行部201は、ステップS312でYESの場合、ステップS313に対応する処理として、電源状態フラグFLを「H(1)」から「L(0)」に更新する制御信号を生成し、フォトカプラ122を介して、マイコン114に送信する。マイコン114は、ステップS314のウェイト処理を実行後、制御IC112の電源オフ制御(S302)を実行する。
【0073】
次に、本発明の第3の実施形態に係る電源装置について、図を参照して説明する。
図6は、本発明の第3の実施形態に係る電源装置の機能ブロック図である。
【0074】
本実施形態に係る電源装置10Bは、第1の実施形態に係る電源装置10に対して、マイコン114Bによる制御IC112のクロック周波数制御を追加した点で異なる。
【0075】
マイコン114Bは、数値制御発振器(NCO)1141を備えている。マイコン114Bは、数値制御発振器1141を用いて制御IC112のクロック制御信号SNを生成し、制御IC112に出力する。制御IC112は、クロック制御信号SNに同期してスイッチング素子111のスイッチングが実行される。
【0076】
このような構成を用いることによって、制御IC112に専用のクロック発振器を備えなくても、制御IC112は、スイッチング素子11のスイッチング制御を確実に実行できる。これにより、電源装置10Bの回路規模を小さくできる。
【0077】
また、マイコン114Bのクロック周波数は高精度であるので、制御IC112に高精度なクロック周波数を設定できる。これにより、電源装置10Bは、二次側電圧を高精度に制御できる。
【0078】
この際、数値制御発振器を用いることによって、マイコン114Bのクロック周波数と制御IC112のクロック周波数とが整数倍の関係でなくても、制御IC112に正確なクロック周波数を設定できる。
【0079】
なお、上述の各実施形態では、バッテリー21を、電源装置および電子機器の外部電源とする態様を示した。しかしながら、電圧の発生源が経時的に消耗する電源であれば、バッテリー21に置き換えることが可能である。