特許第6622948号(P6622948)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 太陽誘電株式会社の特許一覧

特許6622948監視装置、監視方法、監視プログラム、情報処理装置、および監視システム
<>
  • 特許6622948-監視装置、監視方法、監視プログラム、情報処理装置、および監視システム 図000002
  • 特許6622948-監視装置、監視方法、監視プログラム、情報処理装置、および監視システム 図000003
  • 特許6622948-監視装置、監視方法、監視プログラム、情報処理装置、および監視システム 図000004
  • 特許6622948-監視装置、監視方法、監視プログラム、情報処理装置、および監視システム 図000005
  • 特許6622948-監視装置、監視方法、監視プログラム、情報処理装置、および監視システム 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6622948
(24)【登録日】2019年11月29日
(45)【発行日】2019年12月18日
(54)【発明の名称】監視装置、監視方法、監視プログラム、情報処理装置、および監視システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20191209BHJP
【FI】
   H04N5/232
   H04N5/232 060
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-533124(P2019-533124)
(86)(22)【出願日】2019年1月31日
(86)【国際出願番号】JP2019003526
【審査請求日】2019年6月18日
(31)【優先権主張番号】特願2018-105384(P2018-105384)
(32)【優先日】2018年5月31日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小池 亮
【審査官】 大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−182414(JP,A)
【文献】 特開2009−169551(JP,A)
【文献】 特開2017−005598(JP,A)
【文献】 特開2016−218860(JP,A)
【文献】 特開2016−146020(JP,A)
【文献】 特開2011−229036(JP,A)
【文献】 特許第3984125(JP,B2)
【文献】 国際公開第2017/135226(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0249512(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222− 5/257
G06F 11/07
G06F 11/28 −11/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象機器に対して確認信号を送信する通信制御部と、
前記確認信号に対する前記対象機器からの応答信号が異常を示す場合、前記対象機器を再起動させる再起動制御部と、
前記再起動の再起動回数に基づいて、前記対象機器の故障を予測する予測部と、
を備える監視装置。
【請求項2】
前記予測部は、
前記再起動回数が閾値以上の場合、前記対象機器の故障を予測する、
請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記予測部は、
前記再起動回数と前記再起動の間隔、または、前記再起動回数と前記再起動の時の前記対象機器の設置環境情報、に基づいて、前記対象機器の故障を予測する、
請求項1に記載の監視装置。
【請求項4】
前記予測部の予測結果を出力する出力制御部を備える、
請求項1に記載の監視装置。
【請求項5】
対象機器に対して確認信号を送信するステップと、
前記確認信号に対する前記対象機器からの応答信号が異常を示す場合、前記対象機器を再起動させるステップと、
前記再起動の再起動回数に基づいて、前記対象機器の故障を予測するステップと、
を含む監視方法。
【請求項6】
対象機器に対して確認信号を送信するステップと、
前記確認信号に対する前記対象機器からの応答信号が異常を示す場合、前記対象機器を再起動させるステップと、
前記再起動の再起動回数に基づいて、前記対象機器の故障を予測するステップと、
をコンピュータに実行させるための監視プログラム。
【請求項7】
対象機器に対して送信された確認信号に対する前記対象機器からの応答信号が異常を示す場合に再起動される前記対象機器の前記再起動の再起動回数に基づいて、前記対象機器の故障を予測する予測部、
を備える情報処理装置。
【請求項8】
監視装置と、ネットワークを介して前記監視装置に接続された外部装置と、を備えた監視システムであって、
前記監視装置は、
対象機器に対して確認信号を送信する通信制御部と、
前記確認信号に対する前記対象機器からの応答信号が異常を示す場合、前記対象機器を再起動させる再起動制御部と、
を備え、
前記監視装置および前記外部装置の少なくとも一方が、
前記再起動の再起動回数に基づいて、前記対象機器の故障を予測する予測部を備える、
監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、監視装置、監視方法、監視プログラム、情報処理装置、および監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定範囲を撮影した撮影画像を記録する監視カメラが知られている。また、監視カメラで取得した撮影画像を、ネットワークを介してインターネット上のファイルサーバに転送するシステムが開示されている。
【0003】
従来では、このような監視カメラなどの対象機器が故障した場合、故障したまま放置される場合があった。例えば、メンテナンス時まで対象機器の故障が確認されず、故障が放置される場合があった。そこで、対象機器から出力される信号波形を解析することで、対象機器の故障を予測する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−229036号公報
【特許文献2】特許第3984125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来技術では、対象機器から出力される信号波形を解析する必要があり、対象機器の故障を容易に予測することは困難であった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、対象機器の故障を容易に予測することができる、監視装置、監視方法、監視プログラム、情報処理装置、および監視システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施の形態の監視装置は、通信制御部と、再起動制御部と、予測部と、を備える。通信制御部は、対象機器に対して確認信号を送信する。再起動制御部は、前記確認信号に対する前記対象機器からの応答信号が異常を示す場合、前記対象機器を再起動させる。予測部は、前記再起動の再起動回数に基づいて、前記対象機器の故障を予測する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、監視システムの模式図である。
図2図2は、監視装置のハードウェア構成図である。
図3図3は、監視装置および撮影装置の機能ブロック図である。
図4図4は、監視処理の手順のフローチャートである。
図5図5は、監視システムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、監視装置、監視方法、監視プログラム、情報処理装置、および監視システムの一の実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
図1は、本実施の形態の監視システム1の一例を示す模式図である。監視システム1は、監視装置10と、撮影装置12と、環境検知装置13と、サーバ装置14と、を備える。監視装置10およびサーバ装置14は、情報処理装置の一例である。サーバ装置14は、外部装置の一例である。
【0011】
監視装置10と撮影装置12は、有線または無線により接続されている。本実施の形態では、監視装置10と撮影装置12とが、接続ケーブル18によって有線接続されている場合を一例として説明する。なお、監視装置10とサーバ装置14は、無線接続されていてもよい。また、監視装置10とサーバ装置14は、ネットワーク16を介して有線または無線により接続されていてもよい。
【0012】
監視装置10は、撮影装置12を監視し、撮影装置12の故障を予測する装置である。撮影装置12の故障を予測する、とは、撮影装置12が将来の所定タイミングまでの間に故障する可能性が高い事を推定することを意味する。将来の所定タイミングは、現在のタイミングより所定の期間未来のタイミングであればよい。所定の期間は、予め定めればよい。所定の期間は、例えば、1週間、1ヶ月などであるが、これに限定されない。すなわち、監視装置10は、撮影装置12の故障が近いうちに発生するか否かを予測する。
【0013】
本実施の形態では、監視装置10と撮影装置12は、1対1の関係で有線接続されている場合を一例として説明する。このため、本実施の形態では、1台の監視装置10が、対応する1台の撮影装置12を監視する。
【0014】
なお、図1には、一例として、監視システム1が、1対の監視装置10および撮影装置12を備えた形態を示した。しかし、監視システム1は、監視装置10および撮影装置12の対を、複数備えた構成であってもよい。また、1つの監視装置10が、複数の撮影装置12を監視してもよい。
【0015】
撮影装置12は、対象機器の一例である。対象機器は、監視装置10による故障の監視対象の機器である。対象機器は、例えば、特定領域を撮影することで撮影画像を得る撮影装置12や、特定領域の環境情報を検出する検出装置などである。環境情報は、例えば、大気の成分、気温、水温、紫外線などの光量、音量、などであるが、これらに限定されない。
【0016】
本実施の形態では、対象機器が、撮影装置12である場合を一例として説明する。撮影装置12は、特定の領域を撮影し、撮影画像を取得する。例えば、撮影装置12は、監視カメラとして用いられる。
【0017】
本実施の形態では、撮影装置12は、電柱20に設置された支持部材22によって支持されている。このため、撮影装置12は、電柱20等の空中から地面を撮影可能な位置に配置されている。なお、撮影装置12の設置場所は、限定されない。例えば、撮影装置12は、建物の外壁、建物の天井、などに設置されていてもよい。
【0018】
環境検知装置13は、撮影装置12の設置環境を示す設置環境情報を検知する。設置環境情報は、温度、湿度、風速、紫外線量、気圧、水圧、天気、などを示す情報である。環境検知装置13は、これらの設置環境情報を検知するための、公知の機器であればよい。
【0019】
環境検知装置13は、撮影装置12の設置環境の設置環境情報を検知可能な位置に配置されている。本実施の形態では、環境検知装置13が、撮影装置12上に配置されている場合を一例として説明する。環境検知装置13と監視装置10とは、無線または有線により接続されており、環境検知装置13は、検知した設置環境情報を監視装置10へ順次出力する。
【0020】
サーバ装置14は、ネットワーク16を介して監視装置10と通信する。本実施の形態では、サーバ装置14は、撮影装置12の故障の予測結果(詳細後述)を撮影装置12から受信し、予測結果を管理する。
【0021】
なお、監視システム1は、監視装置10および撮影装置12を少なくとも備えた構成であればよく、環境検知装置13およびサーバ装置14の少なくとも一方を備えない構成であってもよい。本実施の形態では、監視システム1が、監視装置10、撮影装置12、環境検知装置13、およびサーバ装置14を備えた構成である場合を、一例として説明する。
【0022】
図2は、監視装置10のハードウェア構成図の一例である。
【0023】
監視装置10は、CPU(Central Processing Unit)10A、ROM(Read Only Memory)10B、RAM(Random Access Memory)10C、およびI/F部10D等がバス10Eにより相互に接続されており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0024】
CPU10Aは、本実施の形態の監視装置10を制御する演算装置である。ROM10Bは、CPU10Aによる各種処理を実現するプログラム等を記憶する。RAM10Cは、CPU10Aによる各種処理に必要なデータを記憶する。I/F部10Dは、外部装置などに接続するためのインターフェースである。
【0025】
本実施の形態の監視装置10で実行される監視処理を実行するためのプログラムは、ROM10B等に予め組み込んで提供される。なお、本実施の形態の監視装置10で実行されるプログラムは、監視装置10にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供するように構成してもよい。
【0026】
次に、監視装置10および撮影装置12の機能的構成を説明する。
【0027】
図3は、監視装置10および撮影装置12の機能的構成を示す機能ブロック図である。なお、図3には、データの入出力関係や接続関係を明確にするために、監視装置10、撮影装置12、環境検知装置13、およびサーバ装置14を図示した。
【0028】
まず、撮影装置12について説明する。撮影装置12は、撮影部12Aと、記憶部12Bと、通信部12Cと、を備える。撮影部12Aは、撮影によって撮影画像データ(以下、撮影画像と称する)を得る公知の撮像素子である。撮影部12Aは、時系列に沿った撮影によって得られた撮影画像を、順次、記憶部12Bへ記憶する。
【0029】
記憶部12Bは、各種データを記憶する。本実施の形態では、記憶部12Bは、撮影部12Aで撮影された撮影画像を記憶する。記憶部12Bは、例えば、SDカードなどのメモリカード、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、USB(Universal Serial Bus)メモリなどである。
【0030】
通信部12Cは、監視装置10と接続ケーブル18を介して通信する。通信部12Cと監視装置10との通信規格は限定されない。例えば、通信部12Cは、イーサネット(登録商標)規格に沿った接続ケーブル18を介して、監視装置10と通信する。
【0031】
本実施の形態では、通信部12Cは、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)オフロードエンジン(以下、「TOE」という)を搭載し、ICMP(Internet Control Message Protocol)に沿った通信処理を行う場合を一例として説明する。
【0032】
次に、監視装置10について説明する。監視装置10は、撮影装置12を監視し、撮影装置12の故障を予測する。監視装置10は、第1通信部24と、電力供給部26と、出力部28と、記憶部30と、制御部32と、を備える。第1通信部24、電力供給部26、出力部28、記憶部30、および制御部32は、バス40を介してデータや信号を授受可能に接続されている。
【0033】
第1通信部24は、接続ケーブル18を介して撮影装置12と通信する。本実施の形態では、第1通信部24は、TOEを搭載し、制御部32の制御により、ICMPに沿った通信処理を行う。
【0034】
電力供給部26は、電力供給ケーブル19を介して撮影装置12へ電力を供給する。電力供給部26は、制御部32の制御により、撮影装置12への電力供給と電力遮断とを切替える。なお、接続ケーブル18と電力供給ケーブル19を、1つのケーブルで構成してもよい。
【0035】
出力部28は、各種情報を出力する。出力部28は、第2通信部28A、表示部28B、およびスピーカ28Cを含む。第2通信部28Aは、ネットワーク16を介してサーバ装置14と通信する。表示部28Bは、各種情報を表示する。表示部28Bは、公知の表示装置である。スピーカ28Cは、各種情報を示す音を出力する。
【0036】
記憶部30は、各種データを記憶する。本実施の形態では、記憶部30は、設置タイミングを予め記憶する。設置タイミングとは、第1通信部24を介して接続された撮影装置12が、現在の位置に設置されたタイミングを示す情報である。設置タイミングは、例えば、年月日時分秒などで表される。なお、監視装置10は、撮影装置12が新たな環境に設置されたときに、ユーザによる操作指示などを受付けることで、該撮影装置12の設置タイミングを記憶部30へ記憶すればよい。
【0037】
また、本実施の形態では、記憶部30は、再起動タイミングと、再起動回数と、を記憶する。再起動タイミングは、撮影装置12が再起動したタイミングを示す情報である。再起動タイミングは、例えば、年月日時分秒などで表される。再起動回数は、サーバ装置14が再起動した回数である。再起動タイミングおよび再起動回数は、後述する制御部32によって更新される。なお、記憶部30は、少なくとも過去に向かって少なくとも2以上の再起動タイミングを記憶するものとして説明する。
【0038】
記憶部30は、例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク、RAM等である。なお、記憶部38は、監視装置10の外部に設けられた記憶装置であってもよい。また、記憶部38は、1または複数の記憶媒体であってもよい。
【0039】
次に、制御部32について説明する。制御部32は、監視装置10を制御する。制御部32は、通信制御部32Aと、判定部32Bと、再起動制御部32Cと、予測部32Dと、出力制御部32Eと、を含む。
【0040】
通信制御部32A、判定部32B、再起動制御部32C、予測部32D、および出力制御部32Eは、例えば、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば、これらの各部(通信制御部32A、判定部32B、再起動制御部32C、予測部32D、および出力制御部32E)は、CPUなどのプロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。上記各部は、専用のIC(Integrated Circuit)などのプロセッサ、すなわちハードウェアにより実現してもよい。上記各部は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、各プロセッサは、各部のうち1つを実現してもよいし、各部のうち2以上を実現してもよい。
【0041】
通信制御部32Aは、対象機器である撮影装置12に対して、確認信号を送信する。詳細には、通信制御部32Aは、撮影装置12へ確認信号を送信するように、第1通信部24を制御する。
【0042】
確認信号は、撮影装置12と監視装置10の通信確認のための信号である。確認信号には、撮影装置12と監視装置10との接続ケーブル18を介した通信に用いる通信プロトコルで規定された信号を用いればよい。例えば、確認信号は、pingコマンドで利用されるエコー要求であるが、これに限定されない。
【0043】
第1通信部24は、通信制御部32Aから確認信号の送信指示を受付けると、接続ケーブル18を介して撮影装置12へ確認信号を送信する。撮影装置12が動作している場合や、撮影装置12と監視装置10が正常に接続されている場合、撮影装置12の通信部12Cから監視装置10へ、確認信号に対する応答信号が送信される。第1通信部24は、応答信号を受信すると、制御部32へ出力する。
【0044】
応答信号は、確認信号に対する応答信号であればよい。例えば、応答信号は、pingコマンドで利用されるエコー応答である。
【0045】
なお、応答信号は、確認信号に対する応答を示す光信号であってもよい。この場合、例えば、撮影装置12に光を出力するランプ部を設けた構成とする。そして、撮影装置12の通信部12Cは、該ランプ部の点滅パターンや発光色を調整することで、応答信号を出力してもよい。そして、監視装置10の第1通信部24を、受光素子を備えた構成とする。そして、第1通信部24は、撮影装置12から出力される光信号によって表される応答信号を受光することで、該応答信号を受信すればよい。
【0046】
判定部32Bは、確認信号に対する撮影装置12からの応答信号が異常を示すか否かを判定する。異常を示すか否かの判定条件は、予め定めればよい。例えば、判定部32Bは、確認信号の送信から所定時間以上、該確認信号に対する応答信号を未受信である場合、応答信号が異常を示すと判定する。
【0047】
なお、応答信号が、撮影装置12で発生したエラー内容を示す情報を含む場合がある。この場合、判定部32Bは、応答信号にエラー内容を示す情報が含まれる場合、上記所定時間未満の間に該応答信号を受信した場合でああっても、応答信号が異常であると判定してもよい。
【0048】
再起動制御部32Cは、撮影装置12に送信した確認信号に対する、撮影装置12からの応答信号が異常を示す場合、撮影装置12を再起動させる。
【0049】
詳細には、再起動制御部32Cは、判定部32Bで応答信号が異常を示すと判定された場合、電力供給部26を制御することで、撮影装置12を再起動させる。
【0050】
具体的には、再起動制御部32Cは、撮影装置12への電極供給を遮断した後に、撮影装置12への電力供給を再開する電力制御を行うように、電力供給部26を制御する。この処理により、再起動制御部32Cは、撮影装置12を再起動させる。
【0051】
そして、再起動制御部32Cは、撮影装置12を再起動させると、記憶部30に記憶されている再起動回数を“1”カウントアップする。また、再起動制御部32Cは、撮影装置12を再起動させた再起動タイミングを記憶部30へ記憶する。
【0052】
予測部32Dは、撮影装置12の再起動の再起動回数に基づいて、撮影装置12の故障を予測する。
【0053】
例えば、予測部32Dは、再起動回数が閾値以上の場合、撮影装置12の故障を予測する。すなわち、この場合、再起動制御部32Cは、撮影装置12が将来の所定タイミングまでの間に故障する可能性が高い事を予測する。言い換えると、再起動制御部32Cは、撮影装置12の故障が近いうちに発生するか否かを予測する。
【0054】
なお、予測部32Dは、再起動回数と、撮影装置12に関する他のパラメータと、に基づいて、撮影装置12の故障を予測してもよい。
【0055】
例えば、予測部32Dは、再起動回数と、再起動の間隔および再起動時の撮影装置12の設置環境情報の少なくとも一方と、に基づいて、撮影装置12の故障を予測してもよい。
【0056】
予測部32Dは、記憶部30に記憶されている、現在のタイミングから過去に遡って順に2つの再起動タイミングを読取る。そして、予測部32Dは、読取った2つの再起動タイミングの間隔を算出することで、再起動の間隔を取得すればよい。
【0057】
また、予測部32Dは、環境検知装置13によって検知された設置環境情報を記憶部30から読取ることで、撮影装置12の設置環境情報を取得する。なお、予測部32Dは、撮影装置12が直前に再起動したときの再起動タイミングに検知された設置環境情報を、記憶部30から読取ればよい。
【0058】
そして、予測部32Dは、再起動回数と、再起動の間隔および再起動時の撮影装置12の設置環境情報の少なくとも一方と、に基づいて、撮影装置12の故障を予測する。
【0059】
例えば、予測部32Dは、取得した設置環境情報によって示される設置環境がサーバ装置14の動作不具合を引き起こしやすい環境を示すほど、再起動回数の閾値が小さくなるように、また、再起動の所定間隔が短くなるように、これらの閾値および所定間隔の値を補正する。そして、予測部32Dは、補正後の閾値および補正後の所定間隔を用いて、再起動回数が該閾値以上であり、且つ、再起動の間隔が該所定間隔以下の場合、撮影装置12の故障を予測すればよい。
【0060】
なお、予測部32Dは、再起動回数、再起動の間隔、および設置環境情報を入力データとし、撮影装置12の故障の予測の有無を出力データとする学習モデルを、公知の学習方法を用いて予め学習してもよい。なお、学習データには、再起動回数、再起動の間隔、および設置環境情報に対する、実際の撮影装置12の故障発生状況から導出した故障の予測の有無を示す情報を用いればよい。そして、予測部32Dは、再起動回数、再起動の間隔、および設置環境情報を学習モデルに入力することで、撮影装置12の故障の有無を予測してもよい。
【0061】
なお、予測部32Dは、撮影装置12の故障を予測した後に、ユーザによって撮影装置12の故障が復旧されたときに、ユーザの操作指示などに応じて、記憶部30に記憶されている再起動回数をクリアすればよい(再起動回数を示すカウント数を“0”とする)。
【0062】
出力制御部32Eは、各種情報を出力するように出力部28を制御する。本実施の形態では、出力制御部32Eは、予測部32Dによる予測結果を出力するように、出力部28を制御する。
【0063】
すなわち、出力制御部32Eは、予測部32Dによる予測結果として、故障の予測を示す予測結果または故障無を示す予測結果を出力するように、出力部28を制御する。出力制御部32Eの制御によって、出力部28は、予想結果を出力する。
【0064】
例えば、出力部28の第2通信部28Aは、出力制御部32Eから受付けた予測結果を、ネットワーク16を介してサーバ装置14へ送信する。
【0065】
予測結果を受信したサーバ装置14は、受信した予測結果を管理する。例えば、サーバ装置14は、受信した予測結果を、予め登録した装置へ送信する。予め登録した装置は、例えば、監視システム1の管理者の使用する端末装置などである。例えば、サーバ装置14は、公知のメール機能などの通信機能を用いて、予め登録した装置へ、ネットワーク16を介して予測結果を送信すればよい。また、サーバ装置14は、受信した予測結果を、該予測結果の送信元の監視装置10に接続された撮影装置12の識別情報に対応付けて記憶してもよい。そして、サーバ装置14は、所定タイミングごとに、記憶した予測結果を、予め登録した装置へ送信してもよい。所定タイミングは、予め設定した期間であってもよいし、新たな予測結果を受信したタイミングであってもよい。
【0066】
また、出力部28の表示部28Bは、予測結果を示す画像を表示する。また、出力部28のスピーカ28Cは、予測結果を示す音を出力する。
【0067】
このように、出力制御部32Eが予測結果を出力する。すなわち、出力制御部32Eは、撮影装置12の故障が近いうちに発生するか否かの予測結果を出力する。このため、出力制御部32Eは、撮影装置12の故障が近いうちに発生するか否かを、容易に提供することができる。
【0068】
なお、出力制御部32Eは、上記予測結果に加えて、判定部32Bによる判定結果を更に出力してもよい。また、出力制御部32Eは、上記予測結果の導出に用いた情報である、再起動回数、設置環境情報、および撮影装置12の設置からの経過時間の少なくとも1つを、更に出力してもよい。
【0069】
次に、本実施の形態の監視装置10が実行する監視処理の手順を説明する。図4は、本実施の形態の監視装置10が実行する、監視処理の手順の一例を示すフローチャートである。監視装置10は、図4に示す監視処理を繰返し実行する。
【0070】
まず、通信制御部32Aが、対象機器である撮影装置12に対して、確認信号を送信する(ステップS100)。
【0071】
次に、判定部32Bが、上記ステップS100で撮影装置12へ送信された確認信号に対する撮影装置12からの応答信号が異常を示すか否かを判定する(ステップS102)。
【0072】
ステップPS102で異常を示すと判定すると(ステップS102:Yes)、ステップS104へ進む。ステップS104では、再起動制御部32Cが、撮影装置12を再起動させる(ステップS104)。次に、再起動制御部32Cは、記憶部30に記憶されている再起動回数を“1”カウントアップする(ステップS106)。また、再起動制御部32Cは、ステップS104で撮影装置12を再起動させた再起動タイミングを記憶部30へ記憶する。
【0073】
次に、出力制御部32Eが、異常を示す判定結果を出力部28から出力する(ステップS108)。
【0074】
次に、予測部32Dが、記憶部30に記憶されている、撮影装置12の再起動の再起動回数に基づいて、撮影装置12の故障を予測する(ステップS110)。ステップS110で撮影装置12の故障を予測すると(ステップS110:Yes)、ステップS112へ進む。ステップS112では、出力制御部32Eが、故障予測を示す予測結果を出力部28から出力する(ステップS112)。そして、ステップS116へ進む。
【0075】
一方、上記ステップS110で、予測部32Dが撮影装置12の故障を予測しなかった場合(ステップS110:No)、後述するステップS116へ進む。
【0076】
一方、上記ステップS102で、確認信号に対する応答信号が正常であると判定した場合(ステップS102:No)、ステップS114へ進む。ステップS114では、出力制御部32Eが、正常を示す判定結果を出力部28から出力する(ステップS114)。そして、ステップS116へ進む。
【0077】
ステップS116では、制御部32が、監視処理を終了するか否かを判断する(ステップS116)。確認処理を継続する場合(ステップS116:No)、上記ステップS100へ戻る。一方、確認処理を終了する場合(ステップS116:Yes)、本ルーチンを終了する。
【0078】
以上説明したように、本実施の形態の監視装置10は、通信制御部32Aと、再起動制御部32Cと、予測部32Dと、を備える。通信制御部32Aは、撮影装置12(対象機器)に対して確認信号を送信する。再起動制御部32Cは、確認信号に対する撮影装置12(対象機器)からの応答信号が異常を示す場合、撮影装置12(対象機器)を再起動させる。予測部32Dは、再起動の再起動回数に基づいて、撮影装置12(対象機器)の故障を予測する。
【0079】
このように、本実施の形態の監視装置10は、撮影装置12(対象機器)に送信した確認信号に対応する応答信号が異常を示す場合、該撮影装置12を再起動させ、再起動回数に基づいて、撮影装置12の故障を予測する。
【0080】
従って、本実施の形態の監視装置10は、撮影装置12(対象機器)の故障を容易に予測することができる。
【0081】
また、監視装置10は、応答信号が異常を示す場合、撮影装置12を再起動させる。このため、撮影装置12が再起動により復旧可能な状態である場合、故障処理のためにユーザが撮影装置12を直接操作することなく、撮影装置12を容易に復旧させることができる。
【0082】
また、監視装置10の出力制御部32Eは、撮影装置12の故障の予測結果を出力部28へ出力する。このため、本実施の形態の監視装置10は、上記効果に加えて、撮影装置12(対象機器)の故障に迅速に対応するための情報を提供することができる。
【0083】
また、監視装置10は、事前に撮影装置12の故障を予測した予測結果を出力することで、ユーザに対して、撮影装置12の故障前に、故障対応を促すための情報を提供することができる。このため、監視装置10は、上記効果に加えて、撮影装置12の停止時間の短縮を図ることができる。
【0084】
(変形例)
なお、上記実施の形態では、監視装置10が、電力供給部26を備えた構成である場合を一例として説明した。しかし、電力供給部26は、監視装置10とは別体として構成してもよい。この場合、監視システム2は、図5に示す構成とすればよい。
【0085】
図5は、本変形例の監視システム2の一例を示す模式図である。監視システム2は、監視装置11と、撮影装置12と、サーバ装置14と、電力供給部26と、を備える。
【0086】
撮影装置12およびサーバ装置14は、第1の実施の形態と同様である。
【0087】
監視装置11は、電力供給部26を備えない構成である点以外は、第1の実施の形態の監視装置10と同様である。すなわち、監視装置11と、電力供給部26と、は別体として構成されている。この場合、撮影装置12と電力供給部26とを電力供給ケーブル19で接続し、監視装置11と電力供給部26とを接続ケーブル27で接続すればよい。
【0088】
このように、監視装置11と、電力供給部26と、を別体として構成してもよい。
【0089】
なお、本実施の形態では、監視装置10が、予測部32Dを備えた構成である場合を一例として説明した。しかし、サーバ装置14が、予測部32Dを備えた構成としてもよい。
【0090】
この場合、サーバ装置14に供えられた予測部32Dは、監視装置10から、撮影装置12の再起動の再起動回数と再起動の間隔を、ネットワーク16を介して受信すればよい。そして、予測部32Dは、受信した再起動回数、または再起動回数および再起動間隔を用いて、上記と同様にして、撮影装置12の故障を予測すればよい。そして、サーバ装置14は、予測部32Dによる予測結果を、ネットワーク16を介して監視装置10へ送信すればよい。
【0091】
なお、上述した実施の形態における、上記監視処理を実行するためのプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、各種プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0092】
また、上述した実施の形態における、上記監視処理を実行するためのプログラムは、上記各機能部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしては、例えば、CPU(プロセッサ回路)がROMまたはHDDから連携支援プログラムを読み出して実行することにより、上述した各機能部がRAM(主記憶)上にロードされ、上述した各機能部がRAM(主記憶)上に生成されるようになっている。なお、上述した各機能部の一部または全部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field−Programmable Gate Array)などの専用のハードウェアを用いて実現することも可能である。
【0093】
なお、上記には、実施の形態を説明したが、上記実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施の形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0094】
1,2 監視システム
10,11 監視装置
12 撮影装置
14 サーバ装置
28 出力部
32A 通信制御部
32B 判定部
32C 再起動制御部
32D 予測部
32E 出力制御部
【要約】
監視装置(10)は、通信制御部(32A)と、再起動制御部(32C)と、予測部(32D)と、を備える。通信制御部(32A)は、撮影装置(12)に対して確認信号を送信する。再起動制御部(32C)は、確認信号に対する撮影装置(12)からの応答信号が異常を示す場合、撮影装置(12)を再起動させる。予測部(32D)は、再起動の再起動回数に基づいて、撮影装置(12)の故障を予測する。
図1
図2
図3
図4
図5