(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ディーゼル排気流体が特定の温度に達したことを示す温度を前記温度センサが検出したとき、前記コントローラーは、前記無流ポジションとなるように前記スプラングゲートバルブに信号を送信する、請求項1に記載のディーゼルエンジン流体リザーバシステム。
前記第1のゲート部材は、前記第2のゲート部材のファスナー受け部材に連結されて、これによって前記第1および第2のゲート部材を一つに固定するファスナーを含む、請求項1に記載のディーゼルエンジン流体リザーバシステム。
前記ファスナーはラッチであり、かつ、前記ファスナー受け部材は前記第2のゲート部材のデテントである、請求項3に記載のディーゼルエンジン流体リザーバシステム。
前記第1のゲート部材は、その後端に第1のファスナーを、そして、その先端に第2のファスナーを含み、かつ、前記第2のゲート部材は、前記第1のファスナーとの位置合わせのために配置された第1のファスナー受け部材と、前記第2のファスナーとの位置合わせのために配置された第2のファスナー受け部材と、を含む、請求項1に記載のディーゼルエンジン流体リザーバシステム。
前記第1および第2のゲート部材はそれぞれ、マルチパートソケットを協働で形成する、その後端から突出する連結部材を含み、前記マルチパートソケットは、前記スプラングゲートが、その中心長手方向軸線を中心として360度以上回転することを可能とする、請求項1に記載のディーゼルエンジン流体リザーバシステム。
前記マルチパートソケットは、前記後端から最も遠位の略環状開口と、前記略環状開口に対して前記後端により近接したより大きなチャンバーと、を含む、請求項7に記載のディーゼルエンジン流体リザーバシステム。
前記第1および第2のゲート部材は、それぞれ、その中に前記エンドレス弾性帯が着座させられるトラックを含む、請求項1に記載のディーゼルエンジン流体リザーバシステム。
前記第1のゲート部材は、その閉ポジション部分において、それを貫通する第2の開口を有し、かつ、前記第2のゲート部材は、その閉ポジション部分において、前記第1のゲート部材における前記第2の開口に向かって、その内面から突出するプラグを含む、請求項1に記載のディーゼルエンジン流体リザーバシステム。
前記導管ループ内のエンジンクーラント流の方向に関して、前記第1のゲート部材に最も近接する前記導管ループの部分は、その長手方向軸線に沿って、前記第1のゲート部材に向って徐々に幅狭になる、請求項1に記載のディーゼルエンジン流体リザーバシステム。
前記第2のゲート部材に最も近接した部分は、その長手方向軸線に沿って、前記第2のゲート部材に向って徐々に幅狭になる、請求項11に記載のディーゼルエンジン流体リザーバシステム。
前記第1のゲート部材に最も近接した前記導管ループの前記部分および前記第2のゲート部材に最も近接した前記導管ループの前記部分は、前記スプラングゲートバルブのハウジングによって形成される、請求項12に記載のディーゼルエンジン流体リザーバシステム。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】リザーバの加熱要素とディーゼルエンジンとの間のエンジンクーラント経路内に配置された、本明細書に開示されたバルブの一つを含むクーラントシステムを有するディーゼルエンジンの概略図である。
【
図2】アクチュエータハウジングおよびバルブ機構を含むバルブの斜視図である。
【
図3】ゲートが能動的に給電された開ポジションにある状態で、長手方向軸線およびバルブ機構の導管の流れ方向に沿って取った
図1のバルブの断面図である。
【
図4】バルブが給電されていない閉ポジションにある状態で、バルブ機構の導管の長手方向軸線に沿って取った
図1および
図2のバルブの断面図である。
【
図5】ゲートが能動的に給電された閉ポジションにある状態で、長手方向軸線およびバルブ機構の導管の流れ方向に対して垂直な平面に沿って取ったバルブの類似の実施形態の断面図である。
【
図6】ゲートが給電されていない開ポジションにある状態で、バルブ機構の導管の流れ方向に対して垂直な平面に沿って取った
図4のバルブの断面図である。
【
図7】スプラングゲートアセンブリの一実施形態の側方から見た斜視図である。
【
図8】スプラングゲートアセンブリの一実施形態の底面図である。
【
図9】スプラングゲートアセンブリの一実施形態の側方から見た分解斜視図である。
【
図10】スプラングゲートアセンブリの別な実施形態の側方から見た斜視図である。
【
図11】スプラングゲートアセンブリの別な実施形態の側方から見た分解斜視図である。
【
図12】変形スプラングゲートアセンブリの正面図であり、一対のラッチ281がコンテクストのために示されている。
【
図13】変形スプラングゲートアセンブリの側方から見た断面図である。
【
図14】変形スプラングゲートアセンブリの上方から見た斜視図である。
【
図15】スプラングゲートアセンブリのさらに別な実施形態の側方から見た斜視図である。
【
図16】スプラングゲートアセンブリのさらに別な実施形態の正面視図である。
【
図17】スプラングゲートアセンブリのさらに別な実施形態の長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明は本発明の一般的原理を示しており、その実例は添付図面に、さらに示されている。図面において、同様の参照番号は同一または機能的に類似の要素を示している。
【0011】
本明細書で使用するように、「流体」とは、液体、懸濁液、コロイド、ガス、プラズマまたはそれらの組み合わせを意味する。
【0012】
図2ないし
図4は、それぞれ、
図1に示すように加熱要素42とディーゼルエンジン14との間を流れるエンジンクーラント48の流れを選択的に制御するよう構成されたゲートバルブ100の一実施形態を示している。
図1はディーゼルエンジンシステムに固有のものであるが、本明細書に開示されたゲートバルブは内燃エンジン内のその他のシステムを含む多くのシステムに組み込まれてもよく、ただし、ゲートバルブ100は
図1のシステムに汚染許容範囲を含む多くの利点を提供する。
図1の概略図を参照すると、ディーゼルエンジンシステム10が示されており、これは、DEF18を含むリザーバ16を有するディーゼル排気流体システム12を含む。加熱要素42は、DEF18および加熱要素42が良好な熱伝達状態に置かれるようにリザーバ16に取り付けられている。高圧エンジンクーラントは、それを通る流体の流れを制御するために、第1の導管20によって形成される流路内に作用的に配置されたゲートバルブ100を含む第1の導管20を通ってフィッティング44から流れる。ディーゼルエンジンシステム10はまた、ディーゼルエンジン14と、リザーバ16に取り付けられた加熱要素42との間の第2の流路を形成する第2の導管22を含む。リザーバ16は、DEF吸引ライン26およびDEFリターンライン28によって計量ポンプ24に対して流体的に結合され、そして計量ポンプ24は、計量制御モジュール30に対して作用的に、かつ、DEF圧力ライン34によってDEFインジェクター32に対して流体的に結合される。DEFインジェクター32は、ディーゼルエンジン14の排気流38内のSCR触媒コンバーター36の上流側に流体的に結合される。ディーゼルエンジンシステム10はまた、ディーゼルエンジン14とSCR触媒コンバーター36との間の排気流38中に、通常はDEFインジェクターの上流側に、ディーゼルパティキュレートフィルター40を含んでもよい。リーンNOxトラップ、酸化触媒、水素発生触媒ならびにこれらおよびその他の組み合わせといった、その他の触媒コンパートメントが組み込まれてもよい。
【0013】
依然として
図1を参照すると、ゲートバルブ100は二つの状態、すなわち(1)無流状態および(ii)流動状態を持つ。計量制御モジュール30、またはディーゼルエンジン14に取り付けられたエンジン制御コンピュータは、温度センサ50を用いて、周囲温度、およびまたはDEF18の温度のいずれかを検出する。周囲またはDEF18の温度がDEFの凍結温度を下回るとき、ゲートバルブ100には流動状態となるように指令が出される。これによってエンジンクーラント48が加熱要素42を通って流れることが可能となる。エンジン温度がDEFの凍結温度を上回って上昇するとき、DEF18は溶融し、ポンプ輸送可能となる。温度センサ50によって測定されたDEF18の温度が特定の温度に達した後、ゲートバルブ100には無流状態となるように指令が出される。一実施形態では、ゲートバルブ100は、無流状態のためのパワーオフ形態および流動状態のためのパワーオン形態を有する。別の実施形態では、パワーオフおよびパワーオフは逆にされてもよい。
【0014】
ここで
図2〜4を参照すると、ゲートバルブ100は、バルブ機構120を作動させるソレノイドコイル104およびアーマチャー106を収容するハウジング102を有することができる。アーマチャー106は、ソレノイドコイル104内に収容された挿入端部106aと、コイルに電流を加えた際にソレノイドコイル104内により完全に収容される隣接ボディ部分107とを含む。ある構造では、挿入端部106aおよびボディ部分107は、磁性または常磁性材料、例えば鉄含有合金またはフェライト含有複合材料から製造されたシリンダーであってもよい。ここでは、アーマチャー106およびソレノイドコイル104は、バルブ機構120に作用する付勢力および摩擦力に打ち勝つのに十分な力を発生するように形作られかつ構成される。
【0015】
一実施形態では、そうした形状および構造は、挿入端部106aと、引き込み力の漸進的増大を実現するためにボディ部分107の方向に挿入端部106aから先細になる内部リセス108を有するシリンダーであるボディ部分107を含むことができる。テーパーは、引き込み力が付勢要素110によって生み出される反対向きの付勢力よりも大きくなるように構成されてもよい。
図2に示すように、付勢要素110は、アーマチャー106のボディ部分107を取り囲むと共にソレノイドコイル104および非挿入端部106bの両方に当接するコイルスプリング112であってもよいが、この付勢要素は、非挿入端部106bに当接するか結合されたダイアフラムあるいはフラットスプリング、非挿入端部106bに当接するか結合されたリーフスプリングなどであってもよいことを理解されたい。ソレノイドが、代替的に、その他の付勢要素を含む双安定ソレノイドであってもよいこともまた当業者にとって明らかである。
【0016】
バルブ機構120は、やはり導管122によって形成されたポケット126を通る開口124を形成する導管122と、それを貫通する少なくとも一つの通路129を有するスプラングゲートアセンブリ128とを含むことができる。スプラングゲートアセンブリ128(
図2〜6)は、
図3に示すように、スプラングゲートを流動状態に置くためにポケット126内で直線的に移動可能であり、この状態では開口124は、流体が導管122を通って入口端部122aから出口端部122bへとまたはその逆に流れることを可能とするために、少なくとも部分的に通路129と整列させられる。一実施形態では、流動状態は、開口124と実質的に整列させられたスプラングゲートアセンブリ128の通路129を有する。閉状態では、
図4に示すように、スプラングゲートアセンブリ128は流体が開口124を通過するのを阻止する。
【0017】
図3および
図4に示すように、導管122は、両端から開口124に向かって長手方向軸線「A」に沿って連続的に漸進的に先細になるかあるは幅狭になり、これによって開口124に本明細書では断面プロファイル125と呼ばれる、その最小内径を有するチューブであってもよい。この断面プロファイル125はゲートバルブ100を横切る圧力降下を最小限に抑える。その他の構造では、導管122は、その全長に沿って均一な内径を有していてもよい。図示された構造において、長手方向軸線「A」に垂直な断面は円形であるが、変形例においては、断面127は(均一または先細になる横および共役直径を有する)楕円形あるいは(均一または先細になる固有幅を有する)多角形などであってもよい。図面に示される導管122は一つの入口と一つの出口とを有するが、これは限定として解釈すべきではない。別の実施形態では、導管122は、二つの入口および一つの出口、または二つの出口および一つの入口、または一つの入口、一つの出口およびブラインド接続部を有していてもよい。
【0018】
図2〜4の実施形態では、スプラングゲートアセンブリ128は、内部リセス108内から突出するステム114によって機械的にアーマチャー106に結合される。代替実施形態では、ステム114は、ソレノイドコイル104およびアーマチャー106がステムをバルブ機構120および開口124に向って引っ張るように構成されるか、あるいはそれらから離れるように引っ張るように構成されるかに依存して、アーマチャー106の挿入端部106aから、あるいはアーマチャー106の非挿入端部から突出していてもよい。
図4および
図5の実施形態に示されるように、ソレノイドコイル104、アーマチャー106、付勢要素110およびステム114の相対的な配置は、(以下でさらに説明するように、スプラングゲートアセンブリ128の細部構成に依存して)常時閉バルブから常時開バルブへとまたはその逆へとゲートバルブ100を変化させるために変更することができる。ソレノイドは、ゲートバルブ100を動作させるために、(1)直流電圧、(2)パルス幅変調(PWM)、または(3)ピーク・ホールド制御を利用可能である。ピーク・ホールドソレノイド(飽和スイッチソレノイドとしても知られる)は、より速い作動時間、低い平均電力消費、低い発熱量、および/またはより小さなパッケージサイズが望まれる場合に有効である。常時閉あるいは常時開ポジション間でゲートバルブ100を作動させる他に、ゲートバルブは、複数の部分的開/部分的閉ポジションの比例制御のために動作させられてもよい。ある構造では、ステム114はアーマチャー106からの一体的突起であってもよいが、別な構造では、ステムは、別のもの、好ましくは非磁性材料から製造された固定突起であってもよい。一実施形態では、電磁石が、所望のポジションへとアーマチャー106を引っ張るべく、吸引力のみを加えるために組み込まれてもよい。アーマチャーを別の位置へと移動させるためにスプリングが組み込まれてもよい。ソレノイドの動作には、その行程の終点でアーマチャー106を拘束するために永久磁石を利用することもできる。
【0019】
ステムの接続開口端部114aはスプラングゲートアセンブリ128に固定されてもよいが、機械的カップリングは、好ましくは、少なくとも導管の長手方向軸線と平行な方向にスプラングゲートアセンブリに対してスライド可能である。ある構造では、機械的カップリングは、長手方向軸線Aと平行な方向にステム114およびスプラングゲートアセンブリ128間の相対的なスライド移動を可能にするレールシステム160を含む。このスライド可能な機械的カップリングは、ソレノイドコイル104およびアーマチャー106が、導管122のいずれかの端部に向かってゲートアセンブリを引っ張ることなく、ポケット126内でスプラングゲートアセンブリ128を直線移動させるように動作することを可能とする。ソレノイドコイル104、アーマチャー106および/またはステム114の、バルブ機構120との完全ではない整列は、さもなければ、その経路からスプラングゲートアセンブリ128を傾けるようとし、したがってゲートアセンブリと導管122の壁との間の摩擦力を増大させようとするであろう。
【0020】
レールシステム160は、
図5および
図6の断面を参照することによって、より良く理解できるが、これらは導管122の長手方向軸線Aに対して交差している。レールシステム160は、その対向する側面に配置されたレースウェイ溝またはレッジ164を備えた、ステムの接続開口端部114a付近に配置されたガイドレール162を含む。スプラングゲートアセンブリ128の上側端部128a(ソレノイドコイル104およびアーマチャー106に近い端部)は、これに対応して、ガイドレール162を包み込みかつレースウェイ溝164内に突出するよう構成されたスライダー166を含む。一実施形態では、ガイドレール162は、スライダー166がその上に載るためのラットフォームあるいはレッジ164を形成するプレート状部材167(
図5および
図6)で終端してもよい。変形構造では、レールシステムは、ガイドレールおよびレーストラック溝(図示せず)を形成するステム114aの一部としてのスライダーおよびスプラングゲートアセンブリ128の上側端部128aを伴って、逆にされてもよい。
【0021】
図4のみに見られるように、バルブ機構120は、任意選択で、スプラングゲートアセンブリ128を越えてポケット126内に漏れる流体を排出するために、ポケット126と流体連通するベントポート170を含んでもよい。
図4において、ベントポート170は、アーマチャー106と開口124との間に配置されたポケット126の一部と流体連通しているが、これに限定されるものではない。ベントポート170は、流体がポケット126から導管の入口端部122aへと流れることを可能とするために、導管122の内部に開口していてもよい。
【0022】
以下でさらに説明するスプラングゲートアセンブリ128の異なる実施形態は、いくつかの用途のためにより適しているであろう。さらに、当業者にとって、ゲートバルブ100が非自動車用途を含むその他の用途において、そして空気以外の流体と共に使用可能であることは明らかである。
【0023】
図7〜9を参照すると、概して参照数字228で示されたスプラングゲートアセンブリの第1実施形態が示されている。スプラングゲートアセンブリ228は、第1のゲート部材230、第2のゲート部材232、そして第1および第2のゲート部材230,232間に収容されたエンドレス弾性帯234を含む。エンドレス弾性帯234は、第1および第2のゲート部材230,232間に挟み込まれるものとして説明することができる。
図9から分かるように、第2のゲート部材232は、その内面252の一部の周りに、エンドレス弾性帯の一部を収容するためのトラック236を含む。
図7〜9では認識できないが、第1のゲート部材230もまたトラック236を含む。
【0024】
第1および第2のゲート部材230,232は、同一または実質的に類似の部材であってもよいが、本質的にこの様式に限定されるものではない。
図7および
図9に示すように。第1および第2のゲート部材230,232は同一であってもよく、したがって導管122の入口端部122aまたは出口端部122bのいずれかに面して配置することができる。これは、導管122内での流体の流れの方向に関係なく、同じような性能を有するバルブをもたらす。
【0025】
特に
図7および
図9を参照すると、第1および第2のゲート部材230,232はいずれも、協働で通路229を形成する開口233をそれ自体に有する。
図3に示すような開ポジションでは、スプラングゲートアセンブリ228を通過する通路229は、流体がそれを通って流れることができるように導管122と整列させられる。通路229を有するゲートの一部は、本明細書では、開ポジション部分240(
図7)と呼ばれ、そして、スライダー266を有する上側端部228aの反対側に示された隣接部分は、ゲート228のこの部分が閉ポジションへと移動させられたときそれを通過する流体の流れを阻止するために導管122を塞ぐので閉ポジション部分242と呼ばれる。この実施形態における各ゲート部材230,232の閉ポジション部分242は、実質的に滑らかな連続的な外面250を有する。当業者にとって、常時閉から常時開へと(またはその逆へと)ゲートバルブ設計を変更する第2の手段を提供して、開ポジション部分240が接続開口端部228aと反対側にあるように、開ポジションおよび閉ポジション部分240,242を逆にすることが可能であることは明らかである。本明細書に開示されたスプラングゲートアセンブリは閉ポジション部分および開ポジション部分を有するものとして示されているが、別な実施形態では、異なる度合の開ポジション部分および少なくとも一つの閉ポジション部分を形成する二つ以上の部分を有していてもよい。一実施形態では、導管122は、少なくとも三つの異なるポジション部分を有するスプラングゲートアセンブリとの組み合わせで、二つの入口および一つの出口を有することができる。
【0026】
この第1の実施形態において、エンドレス弾性帯234は略楕円形に成形されており、これによってオープンスペースを形成する内周282と、外周284と、対向する第1および第2の側面286,288を含む。エンドレス帯234は、第1の側面286が一方のトラック236内に収容され、かつ、第2の側面288が他方のトラック236内に収容された状態で、第1および第2のゲート部材230,232のトラック236内に収容される。エンドレス帯234が第1および第2のゲート部材230,232のトラック236内に収容されたとき、第1および第2のゲート部材230,232は距離D(
図7)だけ互いに離間させられる。トラック236は、エンドレス弾性帯234を、同様にゲート部材の外周からある距離だけ奥まった位置に置くように配置される。
図8から分かるように、この構成は、第1および第2のゲート部材230,232間でエンドレス弾性帯234の外面の周りにチャネル254を形成する。チャネル254は、ポケット126内のスプラングゲート228の周りの流体の流れをもたらす。ベントポート170(
図4)が存在する場合、チャネル254は流体がポケット内で変位させられかつベントポート170を介して出て行くことを可能とし得る。チャネル254を介したこのベントは、概して、導管122を通る流体の流れの方向に略垂直であり、アーマチャー106がゲートをポケット内により完全に移動させるときポケットから流体を排出する。
【0027】
エンドレス弾性帯234は、第1および第2のゲート部材230,232間で圧縮可能であり、したがって導管122を通る流れの方向と平行に作用するスプリングとして機能する。さらに、エンドレス弾性帯234は、このエンドレス弾性帯234と第1および第2のゲート部材230,232におけるトラック236の外壁部との間にシールを形成するために、導管122を通って流れる流体によってエンドレス弾性帯234に加えられる力に応答して、半径方向外側に拡張可能である。
【0028】
作動時、
図3に示すような開ポジションにおいては、導管を通って流れる流体は、左から右へ流れるにせよ、右から左へ流れるにせよ、スプラングゲートアセンブリ228内の通路229を通り、そして流体の圧力は、半径方向外側に向うエンドレス弾性帯234に作用する力を与え、これによってトラック236の外周とシーリング係合するようにエンドレス弾性帯を押圧する。このシーリング係合はコネクター開口124およびポケット126内への流体の漏れを低減または防止し、これによってスプラングゲートアセンブリ228は単一材料の均等に硬質なゲートよりも、より耐漏れ性に優れたものとなる。
【0029】
エンドレス弾性帯234はまた、このエンドレス弾性帯の存在により、特にポケット126の寸法およびゲート部材230,232の厚さに関して、製造公差の影響を受けにくいゲートを形成する。ポケット126は、通常、締まり嵌めを生じるようにスプラングゲートアセンブリ228の無負荷の幅よりも小さい幅を有するように形成される。スプラングゲートアセンブリ228において、エンドレス弾性帯234は、スプラングゲート228がポケット126内に挿入されたとき、第1および第2のゲート部材230,232間で圧縮状態となる。ポケット126内に挿入された(押し込まれた)際に第1および第2のゲート部材230,232へのエンドレス弾性帯のスプリング力は、漏れを低減または防止するためにポケットの壁とシーリング係合状態となるように、それぞれのゲート部材を押圧する。最も重要なことに、硬質ゲート部材230,232のそれに、または単一の剛性ゲートのそれに対する、エンドレス弾性帯の実質的に低い弾性率は、スプラングゲートアセンブリ228に作用する垂直力およびその経路に沿ったアセンブリの直線移動に抗する摩擦力が実質的に僅かであることを意味する。これは、摩擦力(摩擦力は垂直力と摩擦係数の積に等しい)を、したがって必要なソレノイド駆動力を低減する。この利点は、以下で説明するその他の実施形態にも等しく適用可能である。
【0030】
ここで
図10および
図11を参照すると、概して参照数字228’によって示されたスプラングゲートアセンブリの第2実施形態が提示され、これは、同様に、第1のゲート部材230’と、第2のゲート部材232’と、第1および第2のゲート部材230’,232’間に収容されたエンドレス弾性帯235’とを含む。エンドレスの弾性帯235’は、第1および第2のゲート部材230’,232’間に挟み込まれるものとして説明することができる。
図11から分かるように、第2のゲート部材232’は、エンドレス弾性帯235’の一部を受け容れるために、その内面252’の一部の周りにトラック237’を含む。
図10および
図11では認識できないが、第1のゲート部材230’はまたトラック237’を含む。両方のゲート部材230’,232’は、上述したように、アーマチャー106に対してゲートアセンブリ228’をスライド可能に結合するためのスライダー266’を有する上側端部228aを有する。だが、上述したように、全てのそうした実施形態において、部材230,230’,232,232’等は、ステム114のガイドレール162およびレーストラック溝164と同様のガイドレールおよびレーストラック溝を交替で含むことができる。
【0031】
ここで、
図11に示すように、エンドレス弾性帯235’は、概して、弾性材料の8の字形状の帯であり、したがって第1のオープンスペースを形成する第1の内周272と、第2のオープンスペースを形成する第2の内周273と、外周274と、対向する第1および第2の側面276,278とを含む。エンドレス弾性帯235は、第1の側面276が一方のトラック237’内に収容されかつ第2の側面278が他方のトラック237’内に収容された状態で、第1および第2のゲート部材230’,232’のトラック237’内に収容される。エンドレス弾性帯235が8の字形状であるので、トラック237’もまた通常は8の字形状である。エンドレス弾性帯235’が第1および第2のゲート部材230’,232’のトラック237’内に着座させられたとき、第1および第2のゲート部材230’,232’は距離D’(
図10)だけ互いに離間させられる。トラック237は、
図7〜9を参照して先に説明したように、ベントを実現するために、エンドレス弾性帯235’を第1および第2のゲート部材230’,232’の外周からある距離だけ奥まった位置に置くように配置される。
【0032】
第1および第2のゲート部材230’,232’は互いに構造的に異なるが、両者は、流体がそれを通って流れることを可能とするために、開ポジションにおいては導管122と整列させられる通路229’を協同で形成する第1の開口233’をそれ自体に有する。ゲートのこの部分は開ポジション部分240’(
図10)と呼ばれ、そしてスライダー266’と反対側のそれに隣接する部分は、スプラングゲートアセンブリ228’のこの部分は閉ポジションへと移動させられたときそれを通過する流体の流れを阻止するために導管122を塞ぐので、閉ポジション部分242’と呼ばれる。この実施形態において、第1のゲート部材230’の閉ポジション部分242’は、それを貫通する第2の開口244’を含む。第2の開口は、第1の開口233’と実質的に同じ寸法とされてもよい。第2のゲート部材232’は、その閉ポジション部分242’に第2の開口を含んでいない。代わりに、第2のゲート部材232’の閉部分242’は実質的に連続した滑らかな外面を有する。第2のゲート部材232’は、任意選択で、エンドレス弾性帯235’によって形成された第2のオープンスペースの寸法内に嵌るよう構成されると共にエンドレス弾性帯235’の第2の内周273よりも小さな開口を形成する少なくとも第1のゲート部材230’における第2の開口244’のサイズとなるような寸法とされた、その内面252’から突出するプラグ253’を含んでいてもよい。プラグ253’は、第2のゲート部材232’の内面252’の実質的に滑らかな部分であってもよい。
【0033】
開ポジションにおいて、通路229’を通って流れる流体は、半径方向外側に向けられたエンドレス弾性帯235’に作用する力を提供し、これによってエンドレス弾性帯をトラック237’の外周とのシーリング係合状態となるように押圧する。このシーリング係合はポケット126内への流体の漏れを低減または防止し、これは、
図10および
図11の実施形態におけるゲート228’を単一材料の均等に硬質なゲートよりも、より耐漏れ性に優れたものとする。
【0034】
閉ポジションにおいて、導管122内の流体の流れは、第1のゲート部材230’によって形成されたスプラングゲート228’の側に向かう方向であってもよく、すなわち第1のゲート部材230’はゲートバルブ100の入口端部122aに面していてもよい。特に、流れのこの方向は、導管122がフィッティング44からの高圧エンジンクーラントに接続される場合に有益である。これは、クーラント圧力が、第2の開口244を通過すると共に、第1および第2のゲート部材230’,232’のトラック237’に対して、それを密封係合させるためにエンドレス弾性帯に半径方向外側に作用するようにエンドレス弾性帯235’の第2の内周273に向ってプラグ253’によって案内されるので、そうである。第2の開口244’の存在はまた、その上にクーラント圧力が、エンドレス弾性帯235’を軸方向に圧縮するために導管122内の流れ方向と平行に作用する力を加えることができる第1のゲート部材230’の外面の表面積を最小にする。クーラント圧力が軸方向にエンドレス弾性帯235’を圧縮しない場合、ゲート部材230’,232’の一方が他方に近づくように移動し、Dを減少させ、そしてポケット126の一方の壁と、それを通って流体が漏れる可能性があるゲート部材との間にギャップを形成する。これは望ましくない結果である。したがって、ゲート部材228’に関して、第2のゲート部材232’の実質的に連続した滑らかな外面に影響を与えるであろう方向へ導管内にクーラント圧力が流れ込むのは望ましくないであろう。
【0035】
ここで
図12〜14を参照すると、このまたはその他の実施形態において、ゲート部材230’,232’の一方は
図10および
図11のものである。ここで、スプラングゲートアセンブリ228’はラッチ281を含み、かつ、ゲート部材230’,232’の他方は対応するように配置されたデテント283を含むことができる。図示するように、一方が複数のラッチ281を含んでいてもよくかつ他方が複数のデテントを含んでいてもよく、あるいはそれぞれが、ラッチ281およびデテント283が、その相手方要素の配置に対応するように部材230’,232’の両端に配置された状態で、一つのラッチ281および一つのデテント283を含んでいてもよい。ラッチ281およびデテントは、ポケット126内への挿入前に組み立てられた状態でアセンブリを積極的に保持することにより、スプラングゲートアセンブリ228’(または128,228等)の組み立てを助ける。また、このまたはその他の実施形態の変形例では、ゲート部材230’,232’は、
図5および
図6に示すステム114のヘッド167の周りにカチッと嵌るマルチパートソケット268を協働で形成できる。マルチパートソケット268は、ポケット126内への挿入前にステム114上でアセンブリを積極的に保持することにより、スプラングゲートアセンブリ228’(または128,228等)の組み立てを助ける。マルチパートソケット268は、スライドゲートアセンブリ228’の直線動作の経路に垂直な複数の方向へのスライド移動を可能とするために、ステム117のヘッド167の周りにスナップフィット機能を使用してカチッと嵌ることができる。
【0036】
ここで
図15〜17を参照すると、(第1または第2のゲート部材のいずれかに向って案内される流れと連係動作可能な)ユニバーサルスプラングゲートアセンブリが図示されており、参照数字328で示されている。ユニバーサルスプラングゲート328は、
図10および
図11の実施形態と同様の第1のゲート部材230’と、第1のゲート部材230’と同じ一般的構造を有する第2のゲート部材332’と、閉ポジションのために必要な障害物を提供するインナーゲート部材334と、第1のゲート部材230’とインナーゲート部材334との間に形成されたトラック内に配置された第1のエンドレス弾性帯346と、第2のゲート部材332とインナーゲート部材334との間に形成されたトラック内に配置された第2のエンドレス弾性帯348とを有する。第2のゲート部材332(
図16参照)は、スライダー366と、第1の開ポジション部分240’における第1の開口333と、その第2の閉ポジション部分242’における第2の開口344とを含むことができる。インナーゲート部材334は、その開ポジション部分240’に開口336を含み、かつ、閉ポジション部分242’を形成する対向する実質的に連続的な外面を有するが、これは、ユニバーサルスプラングゲート328が閉ポジションにあるとき導管を通る流体の流れを妨げることができる。
【0037】
図15〜17の実施形態では、第1および第2のゲート部材230’,332のそれぞれにおける二つの開口のために、8の字形状のエンドレス弾性帯が好ましい。8の字形状エンドレス弾性帯346,348は上述したようなものである。ここで、第1のエンドレス弾性帯346は、インナーゲート部材334における第1のトラック352内および第1のゲート部材230’のトラック237’内の両方に着座させられるが、これは、好ましくは、第1のエンドレス弾性帯346を収容するような寸法とされた8の字形状である。同様に、第2のエンドレス弾性帯348は、インナーゲート部材334における第2のトラック354内および第2のゲート部材332のトラック337内の両方に着座させられるが、これは、好ましくは、第2のエンドレス弾性帯348を収容するような寸法とされた8の字形状である。
【0038】
動作時、ユニバーサルスプラングゲート328は、開ポジションにおいて、かつ、閉ポジションにおいて、
図10および
図11のスプラングゲート228’の第1のゲート部材側に関して上述したように動作する。そのユニバーサル特性ならびに第1および第2のゲート部材のそれぞれの閉ポジション部分における減少した表面領域の利点によって、導管を通る流れの方向に関係なく、コネクター開口124およびポケット126内への漏れを低減するかまたは防止するために、このゲート機能はゲートを密封する。この実施形態はまた、アクチュエータとベントポート170との間の流体連通を実現するためにエンドレスの弾性帯の外面周りに複数のチャネル254を提供するという利点を有する。
【0039】
ある態様では、本明細書に開示されるのはソレノイド駆動式ゲートバルブである。ソレノイドは、開ポジションにおいてゲートアセンブリを通過する通路を協同で形成する第1のゲート部材および第2のゲート部材間で保持されるエンドレス弾性帯と、ゲートを通過する通路が導管と整列させられた開ポジションと、ゲートの第2の部分がそれを通過する流体の流れを妨げるために導管を塞ぐ閉ポジションとの間でその中で移動可能なゲートを有する導管内のポケットとを備えたスプラングゲートアセンブリを動作させる。
【0040】
一実施形態では、エンドレス弾性帯は概して弾性材料の楕円形帯である。別の実施形態では、エンドレスの弾性帯は概して弾性材料の8の字形状の帯として形成される。一実施形態において、弾性材料は、天然または合成ゴムである。弾性材料は、アクチュエータに過度の摩擦ヒステリシスを付加することなくスプラングゲートアセンブリのシールを強化するが、これは、少なくとも時間および温度に関して制御することが困難であるために好ましくない。
【0041】
一実施形態では、第1および第2のゲート部材の少なくとも一方は、特にゲートの閉ポジション部分に、実質的に滑らかな外面を有する。第1および第2のゲート部材の一方のみが実質的に滑らかな外面を有する別の実施形態では、別のゲート部材は、ゲートの閉ポジション部分に第2の開口を含む。別の実施形態では、第1および第2のゲート部材の両方は、そのそれぞれ閉ポジション部分に第2の開口を含む。したがって、閉部分を提供するために、ゲートはまた、その閉ポジション部分の両面に実質的に連続した外面を有する内側ゲート部材と、内側ゲート部材と第2のゲート部材との間のシールとしての第2のエンドレス弾性帯とを含む。
【0042】
ソレノイドアクチュエータを備えたスプラングゲートアセンブリの使用により提供される利益および利点としては、ポケット内でのスプラングゲートの製造および組み立てにおけるより大きな許容性と、(それがゲート部材に作用する際)それを通って流れる流体の圧力を利用することによるゲート周りの漏れの低減とが挙げられる。これらの利点の結果は、スプラングゲートアセンブリを動作させるために、より少ない電力しか必要としない小さな物理的サイズを有するソレノイドである。これは自動車およびオフハイウェイビークルに関して有利である。というのは、ソレノイドおよびスプラングゲートアセンブリは、そうしたエンジンの電気的および物理的サイズパラメータ内で上首尾に動作するからである。
【0043】
実施形態は、その用途または使用に関して、図面および明細書において説明した部品およびステップの構成および配置の詳細には限定されないことに留意されたい。例示的な実施形態、構成および変形例の特徴は、その他の実施形態、構成、変形例および変更において実施されるか組み込まれてもよく、さまざまな方法で実施または実行されてもよい。さらに、特に断らない限り、本明細書で用いられる用語および表現は、読者の便宜のために本発明の例示的な実施形態を説明するために選択されており、本発明を限定するためではな。