特許第6623157号(P6623157)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6623157光学部品を作製する方法、光学部品、および光学部品を含む製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6623157
(24)【登録日】2019年11月29日
(45)【発行日】2019年12月18日
(54)【発明の名称】光学部品を作製する方法、光学部品、および光学部品を含む製品
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/20 20060101AFI20191209BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20191209BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20191209BHJP
   F21V 9/00 20180101ALI20191209BHJP
【FI】
   G02B5/20
   H01L33/50
   G02F1/13357
   F21V9/00
【請求項の数】49
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-534883(P2016-534883)
(86)(22)【出願日】2014年8月16日
(65)【公表番号】特表2016-529552(P2016-529552A)
(43)【公表日】2016年9月23日
(86)【国際出願番号】US2014051385
(87)【国際公開番号】WO2015024008
(87)【国際公開日】20150219
【審査請求日】2017年8月9日
(31)【優先権主張番号】61/866,540
(32)【優先日】2013年8月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダン,バッダディプタ
(72)【発明者】
【氏名】コウ−サリバン,セス
【審査官】 辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−115351(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0140600(US,A1)
【文献】 特開2007−317787(JP,A)
【文献】 特開2013−016311(JP,A)
【文献】 特表2013−508895(JP,A)
【文献】 特開2011−238970(JP,A)
【文献】 特開2006−351382(JP,A)
【文献】 特開2010−225373(JP,A)
【文献】 特開2006−127909(JP,A)
【文献】 特開2012−069977(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/122626(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/20
F21V 9/00
G02F 1/13357
H01L 33/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルミネッセンス材料を含む光学材料を含む2つ以上のディスクリート領域を含むパターン化された配列を含む表面を含む第1の基体であり、前記ディスクリート領域のそれぞれは周囲を有し、気密封止材料がそれぞれの前記ディスクリート領域の前記周囲に位置する前記基体の表面に配置されている、第1の基体を提供するステップと、
アセンブリを形成する、ディスクリート領域の前記パターン化された配列および封止材料を含む第1の基体の前記表面を覆うように第2の基体を提供するステップと、
前記第1および第2の基体の間の前記気密封止材料を封止して、複数の気密封止された光学部品のアセンブリを形成するステップと、
前記複数の気密封止された光学部品のアセンブリを個々の気密封止された光学部品へと分割するステップと、
を含み、
前記光学材料は液体をさらに含み、前記アセンブリを形成するステップの前に、前記液体を含む前記光学材料を凝固させるステップをさらに含
前記第1の基体を提供するステップおよび前記アセンブリを形成するステップは、酸素が無い状態で実施され、
前記ルミネッセンス材料は無機フォトルミネッセンス材料を含み、
前記無機フォトルミネッセンス材料は無機半導体ナノ結晶を含む、複数の気密封止された光学部品を作製する方法。
【請求項2】
前記第1の基体を提供するステップおよび前記アセンブリを形成するステップは、水が無い状態で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
記光学材料を凝固させるステップは、酸素が無い状態で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の基体を提供するステップ、前記光学材料を凝固させるステップ、および前記アセンブリを形成するステップは、水が無い状態で実施される、請求項1又は3に記載の方法。
【請求項5】
あらかじめ選択された配列における前記2つ以上のディスクリート領域は、前記第1の基体の前記表面のへこんだエリアを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記気密封止材料は、前記第1の基体の前記表面のへこんでいないエリアに含まれる、請求項に記載の方法。
【請求項7】
隣接するディスクリート領域の前記周囲を取り囲む前記気密封止材料の間にすき間が存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記分割するステップは、前記気密封止された光学部品のアセンブリを、隣接するディスクリート領域の間の前記すき間に沿って切断して、個々の気密封止された光学部品を得ることをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の基体の前記表面は、あらかじめ選択された配列の隣接するディスクリート領域の間にへこんだ溝を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記分割するステップは、前記気密封止された光学部品のアセンブリを、隣接するへこんだエリアの間の前記へこんだ溝に沿って切断して、個々の気密封止された光学部品を得ることをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の基体および前記第2の基体は、酸素を通さない光学的に透明な材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の基体および前記第2の基体は、酸素および水を通さない光学的に透明な材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の基体および前記第2の基体は、5mm以下の厚さのガラスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の基体および前記第2の基体は、1mm以下の厚さのガラスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の基体および前記第2の基体は、0.1mm〜1mmの範囲の厚さのガラスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の基体および前記第2の基体は平面形状を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の基体および前記第2の基体は、1つの寸法が100mm〜300mmの範囲である主面を有する平面形状を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記個々の気密封止された光学部品は、少なくとも1つの寸法が1mm〜100mmの範囲である主面を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記個々の気密封止された光学部品は、これらの間にある気密封止材料の境界封止によって封止される、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記境界封止は、前記光学部品のエッジから測定して0.02mm〜2mmの幅を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記気密封止材料はガラスフリットを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記アセンブリを形成するステップはフリット封止を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記アセンブリを形成するステップはレーザー封止を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記アセンブリを形成するステップは加熱を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記アセンブリを形成するステップはイオン接合を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記気密封止材料は、ガラス−金属封止を形成するための金属および金属はんだの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記アセンブリを形成するステップは、はんだ/金属接合を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記分割するステップは、ダイシングソーによる切断を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記分割するステップは、レーザーによる切断を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記光学材料が、パッチコーティング、脱湿潤、スクリーン印刷、スピンコーティング、高精度吐出、インクジェット印刷または密着印刷を含む方法によって、表面を覆うように配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記気密封止材料はディスクリート領域の周囲に途切れなく存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記光学材料が、薄膜コーティング技法を含む方法によって、へこんだエリア内に配置される、請求項に記載の方法。
【請求項33】
前記薄膜コーティング技法は、ブレードコーティング、ロッドコーティングまたはスロットダイコーティングを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ルミネッセンス材料無機リン光体を含む、請求項に記載の方法。
【請求項35】
前記光学材料は前記ルミネッセンス材料を含むUV硬化性組成物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
前記光学材料は前記ルミネッセンス材料を含むUV硬化性組成物を含み、かつ、前記ルミネッセンス材料は半導体ナノ結晶を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項37】
前記光学材料は前記ルミネッセンス材料を含むUV硬化性組成物を含み、かつ、前記ルミネッセンス材料はカルコゲニドリン光体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項38】
前記個々の光学部品が気密封止される、請求項1に記載の方法。
【請求項39】
前記第1の基体は平面である、請求項1に記載の方法。
【請求項40】
前記第2の基体は平面である、請求項1に記載の方法。
【請求項41】
前記第1および第2の基体は平面である、請求項1に記載の方法。
【請求項42】
請求項1に記載の方法により作製された、気密封止された平面光学部品のアセンブリ。
【請求項43】
請求項1に記載の方法により作製された、気密封止された平面光学部品。
【請求項44】
前記ルミネッセンス材料無機リン光体を含む、請求項43に記載の気密封止された平面光学部品。
【請求項45】
請求項43に記載の気密封止された平面光学部品を含む色変換部品を備えるディスプレイ。
【請求項46】
前記ディスクリート領域が正方形状を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項47】
前記ディスクリート領域が長方形状を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項48】
前記ディスクリート領域が正方形状を有する、請求項43に記載の気密封止された平面光学部品。
【請求項49】
前記ディスクリート領域が長方形状を有する、請求項43に記載の気密封止された平面光学部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2013年8月16日に出願した米国仮特許出願第61/866,540号に基づく優先権を主張するものであり、その内容全体は、参照により、あらゆる目的で本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、光学部品、光学部品を含む製品および関連する方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【0003】
遠距離および近距離の照明およびディスプレイにおいて使用される、色変換材料を含む光学部品を改善するという、当技術分野における進歩を示す。遠距離および近距離の照明およびディスプレイに好適である平面ガラス気密パッケージを作製する能力を改善するという、当技術分野におけるさらなる進歩を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(発明の要旨)
本発明は、光学部品を作製する方法、光学部品、および光学部品を含む製品に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によると、ルミネッセンス材料を含む光学材料を含む2つ以上のディスクリート領域を含むパターン化された配列を含む表面を含む第1の基体であり、気密封止材料がそれぞれのディスクリート領域の周囲に位置する基体の表面に配置されている、第1の基体を提供すること;ディスクリート領域のパターン化された配列および封止材料を含む第1の基体の表面を覆うように第2の基体を提供し、これによりアセンブリを形成すること;ならびに第1および第2の基体の間の封止材料を封止し、複数の気密封止されている光学部品のアセンブリを形成することを含む、複数の気密封止されている光学部品を作製する方法が提供される。
【0006】
本発明の別の態様によると、光学材料を含むための2つ以上のディスクリート領域のパターン化された配列を含む表面を含む第1の基体を提供すること;2つ以上のディスクリート領域の周囲に境界を形成する気密封止材料を、第1の基体の表面に含めること;ルミネッセンス材料を含む光学材料を、2つ以上のディスクリート領域内の第1の基体の表面を覆うように配置すること;光学材料を含む第1の基体の表面を覆うように第2の基体を提供し、これによりアセンブリを形成すること;ならびに第1および第2の基体の間の封止材料を封止し、複数の気密封止されている光学部品のアセンブリを形成することを含む、複数の気密封止されている光学部品を作製する方法が提供される。
【0007】
本発明のさらなる態様によると、第1の基体を提供すること;基体の表面のあらかじめ選択された配列における2つ以上のディスクリート領域の外周に境界を定めるように構成された当該表面に封止材料を含めること;ルミネッセンス材料を含む光学材料を、2つ以上のディスクリート領域内の基体の表面を覆うように配置すること;光学材料を含む第1の基体の表面を覆うように第2の基体を提供し、これによりアセンブリを形成すること;ならびに第1および第2の基体の間の封止材料を封止し、複数の気密封止されている光学部品のアセンブリを形成することを含む、複数の気密封止されている光学部品を作製する方法が提供される。
【0008】
本発明のさらなる態様によると、第1の基体を提供すること;ルミネッセンス材料を含む光学材料を、2つ以上のディスクリート領域を含むあらかじめ選択された配列における基体の表面を覆うように配置すること;2つ以上のディスクリート領域の周囲に気密封止材料境界を含めること;光学材料を含む第1の基体の表面を覆うように第2の基体を提供し、これによりアセンブリを形成すること;ならびに第1および第2の基体の間の封止材料を封止し、複数の気密封止されている光学部品のアセンブリを形成することを含む、複数の気密封止されている光学部品を作製する方法が提供される。
【0009】
本発明のさらなる態様によると、気密封止されている材料によって平面ガラス基体の間に封止されたルミネッセンス材料を含む光学材料を含む、気密封止されている平面光学部品が提供される。
【0010】
本発明のさらなる態様によると、本明細書に記載の方法による方法で作製された、気密封止されている平面光学部品が提供される。
【0011】
本発明のさらなる態様によると、本明細書に記載の気密封止されている平面光学部品を備える色変換部品を含むディスプレイが提供される。
【0012】
本発明のさらなる態様によると、発光部品、および本明細書に記載の気密封止されている平面光学部品を含む色変換部品を含む発光デバイスが提供される。
【0013】
本明細書では、気密封止されている(hermetically sealed)および気密封止(hermetic seal)は、封止を通過する酸素の拡散が実質的にまたは完全に無い封止を指す。好ましくは、封止を通過する酸素の拡散は10−8cc/m/日以下である。
【0014】
前述および本明細書に記載の他の態様はすべて、本発明の実施形態を構成する。
【0015】
本発明が関係する当業者によって、本発明の任意の具体的な態様および/または実施形態に関して本明細書に記載される特徴のうちの任意のものを、本発明に記載される本発明の任意の他の態様および/または実施形態に関する他の特徴のうちの1つ以上の任意のものと組み合わせることができる(その組合せの適合性を確保するために適宜修正を伴う)ことが理解されるべきである。そのような組合せは、本開示により検討される本発明の一部分であるとみなされる。
【0016】
前述の大まかな説明および以下の詳細な説明はともに例示的および説明的であるにすぎず、特許請求される発明を限定しないことが理解されるべきである。
【0017】
本明細書に開示の本発明の説明および図面の検討から、特許請求の範囲から、ならびに実施から、他の実施形態は当業者には明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】封止する前の、ルミネッセンス材料を含む光学材料を含む2つ以上のディスクリート領域を含むパターン化された配列を含む表面を含む第1の基体、それぞれのディスクリート領域の周囲に位置する基体の表面に配置された気密封止材料、および第2の基体を含む、本発明によるアセンブリの一例の分解概略図である。
図2】本発明による個々の光学部品の一例の概略図である。
図3】個々の光学部品の実施形態の基体(ガラスとして示される)および光学材料(QD(量子ドット)層として示される)(封止されていない)部品の分解図の一例を概略的に示し、本発明による個々の光学部品の基体の寸法および厚さの一例を示す(封止材料は図示せず)。
図4】本発明による個々の光学部品の一例の平面概略図であり、基体のエッジから光学材料までの封止の幅の寸法の一例を示す。
図5】本発明によるアセンブリの一例を概略的に示し、あらかじめ選択された配列のディスクリート領域の「n」×「m」アレイの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付の図面は、例証の目的のみで提示された簡略図であり、実際の構造は、とりわけ、示される物品の相対的なスケールおよびその態様を含めた多数の点で異なる場合がある。
【0020】
本発明の他の利点および機能と合わせて、本発明のより良い理解のために、以下の開示および添付の特許請求の範囲を上記の図面と一緒に参照する。
【0021】
本発明の様々な態様および実施形態について、以下の詳細な説明でさらに説明する。
【0022】
本発明の一態様において、ルミネッセンス材料を含む光学材料を含む2つ以上のディスクリート領域を含むパターン化された配列を含む表面を含む第1の基体であり、気密封止材料がそれぞれのディスクリート領域の周囲に位置する基体の表面に配置されている、第1の基体を提供すること;ディスクリート領域のパターン化された配列および封止材料を含む第1の基体の表面を覆うように第2の基体を提供し、これによりアセンブリを形成すること;ならびに第1および第2の基体の間の封止材料を封止し、複数の気密封止されている光学部品のアセンブリを形成することを含む、複数の気密封止されている光学部品を作製する方法が提供される。
【0023】
本発明の別の態様において、光学材料を含むための2つ以上のディスクリート領域のパターン化された配列を含む表面を含む第1の基体を提供すること;2つ以上のディスクリート領域の周囲に境界を形成する気密封止材料を、第1の基体の表面に気密封止材料を含めること;ルミネッセンス材料を含む光学材料を、2つ以上のディスクリート領域内の第1の基体の表面を覆うように配置すること;光学材料を含む第1の基体の表面を覆うように第2の基体を提供し、これによりアセンブリを形成すること;ならびに第1および第2の基体の間の封止材料を封止し、複数の気密封止されている光学部品のアセンブリを形成することを含む、複数の気密封止されている光学部品を作製する方法が提供される。
【0024】
本発明のさらなる態様によると、第1の基体を提供すること;表面のあらかじめ選択された配列における2つ以上のディスクリート領域の外周に境界を定めるように構成された基体の表面に封止材料を含めること;ルミネッセンス材料を含む光学材料を、2つ以上のディスクリート領域内の基体の表面を覆うように配置すること;光学材料を含む第1の基体の表面を覆うように第2の基体を提供し、これによりアセンブリを形成すること;ならびに第1および第2の基体の間の封止材料を封止し、複数の気密封止されている光学部品のアセンブリを形成することを含む、複数の気密封止されている光学部品を作製する方法が提供される。
【0025】
本発明のさらに別の態様において、第1の基体を提供すること;ルミネッセンス材料を含む光学材料を、2つ以上のディスクリート領域を含むあらかじめ選択された配列における基体の表面を覆うように配置すること;2つ以上のディスクリート領域の周囲に気密封止材料境界を含めること;光学材料を含む第1の基体の表面を覆うように第2の基体を提供し、これによりアセンブリを形成すること;ならびに第1および第2の基体の間の封止材料を封止し、複数の気密封止されている光学部品のアセンブリを形成することを含む、複数の気密封止されている光学部品を作製する方法が提供される。
【0026】
図1は、ルミネッセンス材料を備える光学材料を含む2つ以上のディスクリート領域を含むパターン化された配列を含む表面を含む第1の基体の一例の図を示し、ここで、気密封止材料が、それぞれのディスクリート領域の周囲に位置する基体の表面に配置されている。プロセスの効率化のために、光学材料がそれぞれのディスクリート領域に含まれてもよい。場合によって、それぞれのディスクリート領域が同一の光学材料を含んでもよい。代替として、1つ以上の異なる光学材料が様々なディスクリート領域に含まれてもよい。
【0027】
気密封止材料は、それぞれのディスクリート領域の周囲に位置する基体の表面に配置されている。好ましくは、気密封止材料は、それぞれのディスクリート領域の周囲にすき間または途切れなく連続している。気密封止材料は、公知の技法によって基体の表面に塗布することができる。
【0028】
場合によって、第1の基体の表面の表面に気密封止材料または溝もしくはバイア(via)の無い、第1の基体の表面のエリアが、隣接するディスクリート領域の周囲の気密封止材料の間に位置してもよく、これは、実施する場合、分割ステップの間、個々の気密封止されている光学部品が分割され得る際に沿うラインであってもよい。
【0029】
好ましい気密封止材料の例としては、金属はんだまたはガラスフリットが含まれるが、これらに限定されない。他の気密封止材料もまた使用することができる。気密封止材料は、当業者によって容易に特定され得る。
【0030】
例えば、限定することなく、気密封止および良好なガラス接着を与える封止材料として有用である好適な金属または金属はんだとしては、インジウム、インジウムスズ、インジウムスズとビスマスとの合金、およびスズとビスマスとの共融合金が含まれる。1つの例示的なはんだとしては、McMaster−Carrから市販されているインジウム#316合金が含まれる。はんだを使用した封止は、当業者に公知の従来のはんだごてまたは超音波はんだ槽を用いて実現され得る。超音波方法は、具体的には、インジウムはんだを使用したフラックスの無い(fluxless)封止を与える。
【0031】
ガラスを用いて気密封止を形成するためのガラスフリットの例が知られている。例えば、参照によりこの内容全体が本明細書に組み込まれる、Logunovらの2011年6月9日発行のUS 2011/0135857「Method For Sealing A Liquid With A Glass Package And The Resulting Glass Package」)、Bayneらの2013年5月23日発行のUS2013/0125516「Hermetically Sealed Glass Package And Method Of Manufacture」を参照のこと。
【0032】
好ましくは、気密封止材料、例えばフリットは、光学材料に好ましくない影響を及ぼさないほど十分に低い温度で封止され得る。好ましくは、気密封止材料、例えばフリットは、光学材料に好ましくない影響を及ぼさないよう十分に低いガス放出を有する。好ましくは、気密封止材料、例えばフリットは、色変換用の光学部品の性能に好ましくない影響を及ぼさないよう十分に低い可視光吸収を有する。
【0033】
図1に示す例において、封止材料は、基体の表面に正方形状または長方形状を有する複数のディスクリート領域を規定する格子配置の基体に配置されている。同じようなサイズおよび形状をしたディスクリート領域の格子配置として示されているが、ディスクリート領域のサイズ、形状および数は、ディスクリート領域の任意のあらかじめ選択されたパターン化された配列とすることができる。場合によって、あらかじめ選択された配列におけるディスクリート領域のサイズおよび形状は、同じもしくは異なってもよくおよび/または定形もしくは不定形であってもよい。ディスクリート領域のサイズおよび形状は、通常、個々の気密封止されている光学部品の意図された最終用途に基づいてあらかじめ選択される。基体のディスクリート領域の数は、基体のサイズおよび個々の光学部品のサイズに左右され得る。
【0034】
図1は、封止前の、第1の基体を覆うように提供されている第2の基体も示している。
【0035】
示された例において、第1および第2の基体は平面である。
【0036】
基体は、この意図された用途での使用中に、光学部品に入射および出射する光の波長に対する材料の光透過性に基づいて選択される材料で組み立てることができる。基体材料はまた、少なくとも酸素の拡散を受けにくいことが好ましい。酸素の拡散および水を通さない基体材料が好ましい場合もある。ガラスは、基体としての使用のために好ましい材料の一例である。他の好ましい例としては、例えばAl、酸化インジウムスズなど、金属酸化物が含まれる。CorningからのWillow(商標)ガラス(200ミクロン以下の厚さで入手可能)もまた、基体として使用することができる。十分に低い酸素および水の拡散率ならびに所望の光透過性を備えた他の材料もまた使用することができる。このような他の材料の特定は、当業者によって容易になされ、確認され得る。
【0037】
第1および第2の基体はそれぞれ、同じ材料で組み立てることができることが好ましい。しかし、第1および第2の基体は異なる材料で組み立てることができる。
【0038】
第1の基体は、(図1に示されるように)平らなまたは特徴付けされていない(unfeatured)表面を有してもよく、封止材料は、あらかじめ選択された配列における基体の表面の2つ以上のディスクリート領域を形成するために使用することができる。基体の表面の封止材料の高さも、ディスクリート領域を規定する境界または堰を作成するために、およびその中に含まれる光学材料を含み得るくぼみまたはせき止められたエリアを作成するためにさらに選択され得る。これは、具体的には、ルミネッセンス材料および液体成分を含む光学材料を含む方法の態様において有利である。
【0039】
封止材料の境界または堰は、公知の技法を使用して配置することができる。
【0040】
場合によって、フリットを含む気密封止材料が、ガラスを含む第1の基体と使用される場合、このフリットは、例えば加熱を含む公知の技法によって、第1のプレートに予備焼結され得る。これは、封止材料が、液体成分をさらに含む光学材料を含むためのくぼみを形成するために使用される場合、有用であり得る。所望の場合、予備焼結されたフリットは、第1の基体のフリットの高さの厚みのばらつきを抑えるために研磨されてもよい。
【0041】
別の態様において、第1の基体は、あらかじめ選択された配列のディスクリート領域に対応する表面に2つ以上のへこみを含み得る。ディスクリート領域のサイズおよび形状に関して上述したように、へこんだエリアのサイズおよび形状は、通常、個々の気密封止されている光学部品の意図された最終用途に基づいてあらかじめ選択される。同様に、基体の表面のへこんだエリアの数は、基体のサイズおよび個々の光学部品のサイズに左右され得る。
【0042】
光学材料は、広範の公知の技法によって、ディスクリート領域に含めることができる。ルミネッセンス材料および液体もしくは液体成分を含む光学材料は、薄膜コーティング(例えば、以下に限定されないが、ブレードコーティング、ロッドコーティング、スロットダイ、スピンコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、密着印刷など)を含む広範な技法によって、第1の基体のディスクリート領域に含めることができる。他の例としては、Nordson Assymtekから入手可能なもの(http://www.nordson.com/en−us/divisions/asymtek/products/fluid−dispensing−systems/pages/fiuid−dispensing−systems.aspx)のような流体吐出システムが含まれるが、これに限定されない。
【0043】
光学材料は、薄膜コーティング技法を含む方法によって、基体の表面にへこんだエリアを含む、ディスクリート領域に含まれ得る。例としては、限定されないが、上に列記したものが含まれる。
【0044】
別の態様では、光学材料は、2つ以上のディスクリート領域を含むあらかじめ選択された配列の(封止材料のない)第1の基体の表面に配置され得、その後、気密封止材料境界が2つ以上のディスクリート領域の周囲に作成され、その後、第2の基体がアセンブリを形成する光学材料を含む第1の基体の表面を覆うように提供され;このアセンブリが第1および第2の基体の間に封止材料を封止することによって封止されて、複数の気密封止されている光学部品のアセンブリを形成する。本態様において、光学材料は、好ましくは液体成分をさらに含むことができる。光学材料は、公知の技法によって第1の基体に塗布することができる。液体をさらに含む光学材料は、パッチコーティング、脱湿潤、スクリーン印刷、スピンコーティング、高精度吐出、インクジェット印刷、密着印刷または本明細書に記載の他のコーティング技法を含むが、これらに限定されない薄膜コーティング技法によって塗布することができる。
【0045】
白色光を生じるために、光学部品が青色光源とともに使用されることが意図されている用途において、光学材料は、白色光を生じるために、青色光源ならびに赤色および緑色発光材料のピーク中心波長に基づき、適切な比率で赤色発光および緑色発光ルミネッセンス材料を含み得る。このような比率の決定は、当業者の技術の範囲内である。これは、以下でより詳細に述べる。
【0046】
ディスクリート領域および封止材料のパターン化された配列を含む第1の基体の表面を覆うように第2の基体を配置し、これによりアセンブリを形成した後、方法は、第1および第2の基体の間に封止材料を封止して、複数の気密封止されている光学部品のアセンブリを形成するステップを含む。
【0047】
上述したように、はんだ/金属接合およびガラスフリットは、好ましい気密封止材料である。このような材料は、ガラスを用いてそれらを一緒に溶解させることによって気密封止接合を形成することが知られている。そのような技法が公知である。はんだ/金属の封止温度の例は、約120℃−200℃の範囲であり得る。金属はんだの封止温度の例は、ガラスフリットで約200℃−400℃の範囲であり得る。封止温度は、具体的な金属はんだまたはフリットに応じて、これらの範囲外となる場合がある。
【0048】
例えば、ガラス基体、およびフリットを含む気密封止材料を用い、封止材料およびフリットを局所的に加熱することによって融着が達成され得る。例えば、集束レーザーを使用することが望ましい場合がある。収束レーザー加熱は、隣接するディスクリート領域内の光学材料に悪影響を及ぼすことなく封止を形成することができる。
【0049】
基体および封止材料の間に気密封止を形成するために使用することができる他の技法の例としては、限定することなく、加熱、イオン接合、はんだ/金属接合が含まれ、これらの技法は公知である。
【0050】
好ましくは、基体および封止材料の間に形成される封止は、封止の気密性にとって好ましくない可能性がある途切れ、ひび割れ、割れ目または他の不具合を含まない。
【0051】
好ましくは、基体および気密封止材料の間に形成される封止は、分割ステップならびにその後の取扱いおよび使用の間に十分な機械的安定性を有している。
【0052】
本明細書に記載の方法は、個々の気密封止されている光学部品へと封止することによって形成された複数の気密封止されている光学部品のアセンブリを分割することをさらに含み得る。この分割ステップは、スコーリング、レーザーカット、ダイシングソーによる切断、または他の技法を含み得る。他の公知の方法は、分割ステップでの使用のために、当業者により特定され得る。好ましくは、封止されたアセンブリは、分割された、または分割後に気密封止されている個々の光学部品の気密封止を維持するように、封止されても分割されていない個々の光学部品の間の位置で切断される。
【0053】
図5は、あらかじめ選択された配列のディスクリート領域の「n」×「m」アレイの一例を概略的に示す。示した例では、アレイの主面の少なくとも1つの寸法の非限定的な典型的な範囲は、約100mmから約300mmである。この範囲内または範囲外のアセンブリの主面の長さおよび/または幅の寸法が、有用または望ましい場合がある。
【0054】
隣接のディスクリート領域の周囲を取り囲む封止材料の間にすき間を含まないアセンブリにおいて、あるディスクリート領域に含まれる光学材料の周囲のエッジから、隣接するディスクリート領域に含まれる光学材料の周囲のエッジまでの距離は、光学材料を含む、隣接する気密封止されているディスクリート領域同士が、分割された部品の封止の気密性に支障を及ぼすことなく互いに分割されるように十分に長いことが好ましい。
【0055】
隣接するディスクリート領域の周囲を取り囲む封止材料の間にすき間を含むアセンブリにおいて、所与のディスクリート領域に含まれる光学材料の周囲のエッジから、この所与のディスクリート領域内の光学材料の周囲のエッジから最も遠位にある封止材料のエッジまでの距離は、光学材料を含む、隣接する気密封止されているディスクリート領域同士が、分割された部品の封止の気密性に支障を及ぼすことなく分割されるように十分に長いことが好ましい。
【0056】
光学材料は、ルミネッセンス材料を含む。好ましくは、ルミネッセンス材料は、無機フォトルミネッセンス材料を含む。無機フォトルミネッセンス材料の例としては、限定されないが、無機リン光体および無機半導体ナノ結晶が含まれる。好ましくは、ルミネッセンス材料は、無機半導体ナノ結晶を含む。
【0057】
いくつかの態様において、光学材料は液体をさらに含む。
【0058】
好ましくは、光学材料は、ルミネッセンス材料が分散されている、重合性組成物を含む液体を含む。
【0059】
一態様によると、重合性組成物は、光重合性である。重合性組成物は、好ましくは、実質的に酸素を含まず、場合によって、実質的に水を含まない。重合性組成物は液体の形態である。
【0060】
好ましくは、光学材料は、無酸素条件下、場合によって、水が無い条件下で、第1の基体に含まれる。好ましくは、封止ステップの終了に至るまでのプロセスの他のステップは、無酸素条件下、場合によって、水が無い条件下で行われる。
【0061】
光学材料の重合性組成部品は、重合性組成物を重合するのに十分な時間、十分な強度および適切な波長を持つ光にさらすことによって硬化または凝固することができる。この時間は、約10秒から約6分の間または約1分から約6分の間の範囲であり得る。
【0062】
好ましくは、重合性組成物は、重合化マトリックスなどのマトリックスの形態である場合、黄変を回避する、黄変に耐える、または黄変を抑える。ルミネッセンス材料が分散されたマトリックスは、ホスト材料と呼ばれる場合もある。ホスト材料は、あらかじめ選択された光の波長に対して少なくとも部分的に透明、好ましくは完全に透明であるポリマー材料および非ポリマー材料を含む。
【0063】
光学材料に含まれ得る重合性組成物の例としては、モノマー、オリゴマーおよびポリマーならびにこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。典型的なモノマーとしては、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ノルボルニル、ebercyl 150(Cytec)、CD590(Cytec)、シリコーン、加熱硬化性シリコーン、ZnO、SnO、SnO、ZrOなどの無機ゾルゲル材料などが含まれるが、これらに限定されない。重合性材料は、光学材料中に50重量パーセント超の量で存在し得る。例としては、50超から約99.5重量パーセント、50超から約98重量パーセント、50超から約95重量パーセント、約80から約99.5重量パーセント、約90から約99.95重量パーセント、約95から約99.95重量パーセントの範囲の量が含まれる。これらの例以外の他の量も、有用または望ましいとして決定され得る。
【0064】
典型的な重合性組成物は、架橋剤、散乱剤、レオロジー改質剤、充填剤、光重合開始剤または熱重合開始剤のうちの1種以上をさらに含み得る。
【0065】
好適な架橋剤としては、エチレングリコールジメタクリレート、Ebecyl 150、ドデシルジメタクリレート、ドデシルジアクリレートなどが含まれる。架橋剤は、重合性組成物を含む光学材料中に約0.5wt%から約3.0wt%の間の量で存在し得る。架橋剤は、一般に、マトリックスの硬化時の収縮による、マトリックスのひび割れを防止するのに役立つ、ポリマーマトリックスの安定性および強度を向上させるために、例えば、1%w/wの量で添加される。
【0066】
好適な散乱剤の例としては、TiO、アルミナ、硫酸バリウム、PTFE、チタン酸バリウムなどが含まれる。散乱剤は、重合性組成物を含む光学材料中に約0.05wt%から約1.0wt%の間の量で存在し得る。散乱剤は、一般に、発せられた光のアウトカップリングを高めるために、例えば、約0.15%w/wの好ましい量で添加される。
【0067】
好適なレオロジー改質剤(チキソトロープ剤)としては、Cabot Corporationから市販されている、TS−720処理済みヒュームドシリカなどのヒュームドシリカ、Cabot Corporationから市販されているTS720、TS500、TS530、TS610などの処理済みシリカならびにCabot Corporationから市販されているM5およびEHSなどの親水性シリカが含まれる。レオロジー改質剤は、重合性組成物を含む光学材料中に約0.5%w/wから約12%w/wの間の量で存在し得る。レオロジー改質剤またはチキソトロープ剤は、マトリックス樹脂の収縮を抑えるように作用し、ひび割れを防止するのに役立つ。
【0068】
好適な充填剤としては、シリカ、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、ガラスビーズ、PMMAビーズなどが含まれる。充填剤は、重合性組成物を含む光学材料中に約0.01%から約60%、約0.01%から約50%、約0.01%から約40%、約0.01%から約30%、約0.01%から約20%の間の量、および重なりがあるかどうかを問わず中間の任意の値または範囲の量で存在し得る。
【0069】
好適な光重合開始剤としては、Irgacure 2022、KTO−46(Lambert)、Esacure 1(Lambert)などが含まれる。光重合開始剤は、重合性組成物を含む光学材料中に約0.1%w/wから約5%w/wの間の量で存在し得る。光重合開始剤は、一般に、光重合のために、重合性組成物をUV光に対して感作させるのに役立つ。
【0070】
好適な熱重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル、ラウリルペルオキシド(lauryl peroxide)、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシドなどが含まれる。
【0071】
無機半導体ナノ結晶(本明細書において量子ドットと呼ばれる場合もある)は、量子閉じ込めによる光学的性質を有し得るナノメートルサイズの粒子である。量子ドットの詳細な組成、構造および/またはサイズは、特定の励起源を用いた刺激時での量子ドットから放出される所望の光の波長を実現するよう選択され得る。本質的に、量子ドットは、これらのサイズを変更することにより、可視スペクトルにわたって光を放出するように調整され得る。
【0072】
量子ドットは、約1から約1000ナノメートル(nm)の範囲、好ましくは、約1から約100nmの範囲の平均粒子径を有し得る。いくつかの実施形態では、量子ドットは、約1から約20nmの範囲(例えば、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20nmなど)の平均粒子径を有する。いくつかの実施形態では、量子ドットは、約1から約10nmの範囲の平均粒子径を有する。量子ドットは、約150オングストローム(Å)未満の平均直径を有し得る。いくつかの実施形態では、約12から約150Aの範囲の平均直径を有する量子ドットが、特に望ましいとされ得る。しかし、量子ドットの組成、構造および所望の放出波長に応じて、平均直径がこれらの範囲外である場合もある。
【0073】
好ましくは、量子ドットは、半導体ナノ結晶を含む。いくつかの実施形態では、半導体ナノ結晶は、約1から約20nmの範囲、好ましくは、約1から約10nmの範囲の平均粒子径を有する。しかし、量子ドットの組成、構造および所望の放出波長に応じて、平均直径がこれらの範囲外である場合もある。
【0074】
量子ドットは、1種以上の半導体材料を含み得る。
【0075】
量子ドットに含まれ得る半導体材料(例えば、半導体ナノ結晶を含む)の例としては、IV族元素、II−VI族化合物、II−V族化合物、III−VI族化合物、III−V族化合物、IV−VI族化合物、I−III−VI族化合物、II−IV−VI族化合物、II−IV−V族化合物、ならびに/または3元および4元混合物もしくは合金を含む、前述のうちの任意のものを含む合金、前述のうちの任意のものを含む混合物が含まれるが、これらに限定されない。例の非限定的なリストとしては、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、MgS、MgSe、GaAs、GaN、GaP、GaSe、GaSb、HgO、HgS、HgSe、HgTe、InAs、InN、InP、InSb、AlAs、AlN、AlP、AlSb、TlN、TlP、TlAs、TlSb、PbO、PbS、PbSe、PbTe、Ge、Si、ならびに/または3元および4元混合物もしくは合金を含む、前述のうちの任意のものを含む合金、前述のうちの任意のものを含む混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0076】
いくつかの実施形態では、量子ドットは、1種以上の半導体材料を含むコアと1つ以上の半導体材料を含むシェルとを含むことができ、このシェルはコアの外部表面の少なくとも一部分、好ましくは全部を覆うように配置される。コアおよびシェルを含む量子ドットは、「コア/シェル」構造体とも呼ばれる。
【0077】
例えば、量子ドットは、式MXを有するコアを含むことができ、式中、Mは、カドミウム、亜鉛、マグネシウム、水銀、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウムまたはこれらの混合物であり、Xは、酸素、硫黄、セレン、テルル、窒素、リン、ヒ素、アンチモンまたはこれらの混合物である。量子ドットコアとしての使用に好適な材料の例としては、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、MgS、MgSe、GaAs、GaN、GaP、GaSe、GaSb、HgO、HgS、HgSe、HgTe、InAs、InN、InP、InSb、AlAs、AlN、AlP、AlSb、TlN、TlP、TlAs、TlSb、PbO、PbS、PbSe、PbTe、Ge、Si、ならびに/または3元および4元混合物もしくは合金を含む、前述のうちの任意のものを含む合金、前述のうちの任意のものを含む混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0078】
シェルは、コアの組成と同じまたは異なる組成を有する半導体材料であり得る。シェルは、コアの表面に、1種以上の半導体材料を含むオーバーコートを含むことができる。シェルに含まれ得る半導体材料の例としては、IV族元素、II−VI族化合物、II−V族化合物、III−VI族化合物、III−V族化合物、IV−VI族化合物、I−III−VI族化合物、II−IV−VI族化合物、II−IV−V族化合物、ならびに/または3元および4元混合物もしくは合金を含む、前述のうちの任意のものを含む合金、前述のうちの任意のものを含む混合物が含まれるが、これらに限定されない。例としては、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、MgS、MgSe、GaAs、GaN、GaP、GaSe、GaSb、HgO、HgS、HgSe、HgTe、InAs、InN、InP、InSb、AlAs、AlN、AlP、AlSb、TlN、TlP、TlAs、TlSb、PbO、PbS、PbSe、PbTe、Ge、Si、前述のうちの任意のものを含む合金および/または前述のうちの任意のものを含む混合物が含まれるが、これらに限定されない。例えば、ZnS、ZnSeまたはCdSオーバーコートは、CdSeまたはCdTe半導体ナノ結晶上で成長させることができる。
【0079】
コア/シェル量子ドットにおいて、シェルまたはオーバーコートは、1つ以上の層を含んでもよい。オーバーコートは、コアの組成と同じまたは異なる少なくとも1種の半導体材料を含むことができる。好ましくは、オーバーコートは、約1から約10の単層の膜厚を有する。オーバーコートは、10超の単層の膜厚を有することもできる。いくつかの実施形態では、2種以上のオーバーコートがコア上に含まれ得る。
【0080】
いくつかの実施形態において、周囲の「シェル」材料は、コア材料のバンドギャップよりも大きいバンドギャップを有することができる。いくつかの他の実施形態において、この周囲のシェル材料は、コア材料のバンドギャップよりも小さいバンドギャップを有し得る。
【0081】
いくつかの実施形態において、シェルは、「コア」基体の原子間隔に近い原子間隔を有するように選択され得る。いくつかの他の実施形態では、シェルおよびコア材料は、同一の結晶構造を有し得る。
【0082】
量子ドット(例えば、半導体ナノ結晶)(コア)シェル材料の例としては、限定することなく:赤色(例えば、(CdSe)CdZnS(コア)シェル)、緑色(例えば、(CdZnSe)CdZnS(コア)シェルなど)、および青色(例えば、(CdS)CdZnS(コア)シェルが含まれる。
【0083】
量子ドットは、球形、ロッド、ディスク、他の形状を含むが、これらに限定されない様々な形状、および様々な形状の粒子の混合物を有し得る。
【0084】
量子ドット(例えば、半導体ナノ結晶を含むが、これに限定されない)を製造する方法の一例は、コロイド成長工程である。結果として生じる量子ドットは、量子ドットの集団のメンバーである。離散的な核形成(discrete nucleation)および制御された成長の結果、得られることが可能な量子ドットの集合は、直径の狭い単分散分布を有する。直径の単分散分布は、サイズと呼ばれる場合もある。好ましくは、粒子の単分散集合は、集合中の粒子の少なくとも約60%が指定された粒子サイズ範囲内にある粒子の集合を含む。単分散粒子の集合は、好ましくは、直径の偏差が15%rms(二乗平均平方根)未満、より好ましくは10%rms未満、最も好ましくは5%未満である。
【0085】
オーバーコーティング工程の一例は、例えば、米国特許第6,322,901号に記載されている。オーバーコーティング中に反応混合物の温度を調節し、コアの吸収スペクトルをモニタリングすることによって、高い放射量子効率および狭いサイズ分布を有するオーバーコートされた材料を得ることができる。
【0086】
量子ドットまたは半導体ナノ結晶の狭いサイズ分布により、狭いスペクトル幅での光放出が可能となる。単分散半導体ナノ結晶については、参照によりこの内容全体が本明細書に組み込まれる、Murray et al.(J. Am. Chem. Soc., 115:8706(1993)に詳細に記載されている。
【0087】
半導体ナノ結晶および他の種類の量子ドットは、好ましくは、これに付着したリガンドを有する。一態様によると、本発明の範囲内の量子ドットは、オレイン酸リガンドを含む緑色CdSe量子ドットおよびオレイン酸リガンドを含む赤色CdSe量子ドットを含む。代替としてまたは追加として、オクタデシルホスホン酸(「ODPA」)リガンドを、オレイン酸リガンドの代わりに使用してもよい。リガンドは、重合性組成物中の量子ドットの溶解性を高め、これにより、赤方シフトをもたらし得る凝集を伴うことなくより高量の装填(loading)が可能となる。
【0088】
リガンドは、成長工程中の反応混合物に含まれ得る配位性溶媒に由来し得る。
【0089】
リガンドは、反応混合物に添加され得る。
【0090】
リガンドは、量子ドットを合成するための反応混合物に含まれる試薬または前駆物質に由来し得る。
【0091】
いくつかの他の実施形態において、量子ドットは、外部表面に付着した2種以上のリガンドを含むことができる。
【0092】
成長工程または他の方法に由来するリガンドを含む量子ドット表面は、過剰の競合リガンド基(例えば、配位基を含むが、これに限定されない)に繰り返しさらすことによって変更されて、上層を形成し得る。例えば、キャップされた量子ドットの分散物は、ピリジンなどの配位性有機化合物で処理され、ピリジン、メタノールおよび芳香族化合物中で容易に分散するが脂肪族溶媒中ではもはや分散しない微結晶を生成し得る。このような表面の交換プロセスは、ナノ粒子の外部表面に配位または結合し得る任意の化合物で実施され得、例えば、ホスフィン、チオール、アミンおよびフォスフェートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0093】
さらなるリガンドの例としては、脂肪酸リガンド、長鎖脂肪酸リガンド、アルキルホスフィン、アルキルホスフィンオキシド、アルキルホスホン酸またはアルキルホスフィン酸、ピリジン、フランおよびアミンが含まれる。より具体的な例としては、ピリジン、トリ−n−オクチルホスフィン(TOP)、トリ−n−オクチルホスフィンオキシド(TOPO)、トリス−ヒドロキシルプロピルホスフィン(tHPP)およびオクタデシルホスホン酸(「ODPA」)が含まれるが、これらに限定されない。技術グレードのTOPOが使用され得る。
【0094】
好適な配位リガンドは、市販されている、または通常の合成有機技術によって作成され得る。
【0095】
光を放出することが可能な量子ドットからの放出は、量子ドットのサイズ、量子ドットの組成、または両方を変えることで、スペクトルの紫外線、可視、または赤外線領域の完全な波長領域を介して調整することが可能な狭いガウス放出帯とすることができる。例えば、CdSeを含む半導体ナノ結晶は、可視領域で調整することが可能で、InAsを含む半導体ナノ結晶は、赤外線領域で調整することが可能である。光を放出することが可能な量子ドットの集合の狭いサイズ分布により、狭いスペクトル範囲での光の放出をもたらすことが可能である。集合は単分散とすることができ、好ましくはこのような量子ドットの直径の15%rms(二乗平均平方根)未満の偏差、より好ましくは10%未満、最も好ましくは5%未満の偏差を示す。約75nm以下、好ましくは約60nm以下、より好ましくは約40nm以下、最も好ましくは約30nm以下の、可視領域で放出するような量子ドットについての半値全幅(FWHM)の狭い領域でのスペクトル放出を観察することができる。赤外線放出量子ドットは、150nm以下または100nm以下のFWHMを有することが可能である。放出のエネルギーを用いて表されるように、この放出は、0.05eV以下または0.03eV以下のFWHMを有することが可能である。発光量子ドットの直径の分散度が減少するにつれて、放出の幅は減少する。
【0096】
量子ドットは、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%を超えるような放出量子効率を有することができる。
【0097】
量子ドットのFWHMが狭いことで、飽和色発光が生じ得る。単一材料系の全可視スペクトルにわたる広範に調整可能な飽和色発光は、いずれの種類の有機発色団にも不適合である(例えば、参照によりこの内容全体が本明細書に組み込まれる、Dabbousi et al., J. Phys. Chem. 101, 9463(1997)を参照)。量子ドットの単分散集合は、波長の狭い範囲に及ぶ光を放出する。
【0098】
本発明による有用な量子ドットは、赤色光に特有の波長特性を放出するものを含む。いくつかの好ましい実施形態において、赤色光を放出することが可能な量子ドットは、約615nmから約635nmの範囲にピーク中心波長を有する光、および重なりがあるかどうかを問わず中間の範囲の任意の波長を有する光を放出する。例えば、量子ドットは、約635nm、約630nm、約625nm、約620nm、約615nmのピーク中心波長を有する赤色光を放出することが可能である。
【0099】
本発明による有用な量子ドットは、緑色光に特有の波長を放出するものも含む。いくつかの好ましい実施形態において、緑色光を放出することが可能な量子ドットは、約520nmから約545nmの範囲にピーク中心波長、および重なりがあるかどうかを問わず中間の範囲の任意の波長を有する光を放出する。例えば、量子ドットは、約520nm、約525nm、約535nm、約540nmまたは約540nmのピーク中心波長を有する緑色光を放出することが可能である。
【0100】
本発明の量子ドットの狭い発光プロフィールは、量子ドットの調整および量子ドットの混合を可能にして飽和色を放出し、これによって、従来のLED照明ディスプレイを超える色域および出力効率を増大させる。一態様によると、例えば、約523nmの主波長を放出するように設計され、例えば、約37nmのFWHMを有する発光プロフィールを有する緑色量子ドットが、組み合わせられる、混合される、または、例えば、約617nmの主波長を放出するように設計され、例えば、約32nmのFWHMを有する発光プロフィールを有する赤色量子ドットと組み合わせて使用される。このような組合せは、青色光によって励起されて、三色白色光を生成することが可能である。
【0101】
本発明の範囲内の光学材料は、本明細書に記載の光学部品に含まれ得るようなホスト材料を含んでもよく、約50重量パーセントから約99.5重量パーセントの量で、および重なりがあるかどうかを問わず中間の任意の重量パーセントの量で存在していてもよい。いくつかの実施形態において、ホスト材料は、約80から約99.5重量パーセントの量で存在していてもよい。有用なホスト材料の具体例としては、ポリマー、オリゴマー、モノマー、樹脂、接合剤、ガラス、金属酸化物および他の非ポリマー材料が含まれるが、これらに限定されない。好ましいホスト材料としては、あらかじめ選択された光の波長に対して少なくとも部分的に透明で、好ましくは完全に透明なポリマーおよび非ポリマー材料が含まれる。いくつかの実施形態において、あらかじめ選択された波長は、電磁スペクトルの可視(例えば、400から700nm)領域の光の波長を含むことが可能である。好ましいホスト材料としては、架橋ポリマーおよび溶媒キャストポリマーが含まれる。他の好ましいホスト材料の例としては、ガラスまたは透明樹脂が含まれるが、これらに限定されない。具体的には、加工可能性の観点から、非硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などの樹脂が好適に使用される。オリゴマーまたはポリマーのいずれかの形態でのこのような樹脂の具体例としては、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、これらの樹脂を形成するモノマーまたはオリゴマーを含む共重合体などが含まれるが、これらに限定されない。他の好適なホスト材料は、当業者によって特定され得る。
【0102】
ホスト材料は、シリコーン材料も含み得る。シリコーン材料を含む好適なホスト材料は、当業者によって特定され得る。
【0103】
本発明により検討される本発明のいくつかの実施形態および態様において、ホスト材料は光硬化性樹脂を含む。光硬化性樹脂は、いくつかの実施形態において、例えば、組成がパターン化される実施形態において、好ましいホスト材料であり得る。光硬化性樹脂として、反応性ビニル基を含むアクリル酸またはメタクリル酸系樹脂などの光重合性樹脂、ポリビニルシンナメート、ベンゾフェノンなどの光増感剤を一般に含む光架橋性樹脂が使用されてもよい。光増感剤が使用されない場合には、熱硬化性樹脂が使用されてもよい。これらの樹脂は、個別にまたは2種以上の組合せで使用されてもよい。
【0104】
いくつかの実施形態において、ホスト材料は、溶媒キャスト樹脂を含むことができる。ポリウレタン樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、これらの樹脂を形成するモノマーまたはオリゴマーを含む共重合体などのポリマーが、当業者に公知の溶媒に溶解され得る。溶媒の蒸発に際して、樹脂は、半導体ナノ粒子用の固体ホスト材料を形成する。
【0105】
いくつかの実施形態において、RadcureおよびSartomerから市販されているアクリレートモノマーおよび/またはアクリレートオリゴマーが好ましい場合がある。
【0106】
量子ドットは、カプセル化され得る。有用である可能性があるカプセル化材料、関連方法および他の情報の非限定例が、Lintonの2009年3月4日出願の国際特許出願PCT/US2009/01372「Particles Including Nanoparticles, Uses Thereof, And Methods」およびNickらの2009年9月9日出願の米国特許出願第61/240932号「Particles Including Nanoparticles, Uses Thereof, And Methods」に記載されており、上記のそれぞれは、参照によりこの開示内容全体が本明細書に組み込まれる。
【0107】
本発明の範囲内の、ホスト材料、例えばポリマーマトリックスなどの光学材料に含まれる量子ドットの全量は、好ましくは、約0.05重量パーセントから約5重量パーセント、より好ましくは約0.1重量パーセントから約5重量パーセントの範囲内および重なりがあるかどうかを問わず中間の任意の値または範囲であることが好ましい。光学材料に含まれる量子ドットの量は、量子ドットが含まれている用途および形態に応じて、上記の範囲内で変化し得、具体的な最終用途に基づき選択され得る。
【0108】
無機リン光体(例えば、限定されないが、カルコゲニドリン光体など)を含むルミネッセンス材料を含む光学材料において、光学材料中のリン光体の重量パーセントは、量子ドットについて記載された重量パーセントの2倍であり得る。
【0109】
光学材料で使用される量子ドットの比は、使用される量子ドットの発光ピークによって決定される。例えば、約514nmから約545nmの範囲のピーク中心波長および重なりがあるかどうかを問わず中間の任意の波長を有する緑色光を放出することが可能な量子ドット、および約615nmから約640nmの範囲のピーク中心波長および重なりがあるかどうかを問わず中間の任意の波長を有する赤色光を放出することが可能な量子ドットが光学材料で使用される場合、赤色発光量子ドットの重量パーセントに対する緑色発光量子ドットの重量パーセントの比は、約12:1から約1:1の範囲、および重なりがあるかどうかを問わず中間の任意の比とすることができる。
【0110】
光学材料中の赤色発光量子ドットの重量パーセントに対する緑色発光量子ドットの重量パーセントの上記比は、代わりにモル比として示されてもよい。例えば、緑色対赤色量子ドットの範囲の上記重量パーセント比は、約24.75対1から約5.5対1の範囲の緑色対赤色量子ドットモル比、および重なりがあるかどうかを問わず中間の任意の比に相当し得る。
【0111】
発光デバイスを含む量子ドット、または青色発光固体無機半導体発光デバイス(約450nmから約460nmの範囲にピーク中心波長および重なりがあるかどうかを問わず中間の任意の波長を有する青色光を有する)を含むディスプレイによって放出された三色白色光における青色対緑色対赤色光出力強度の比、および緑色発光量子ドットおよび赤色発光量子ドットの混合物を含む光学材料は、変化し得る。
【0112】
本発明の範囲内の散乱物質(散乱剤とも呼ばれる)は、例えば、約0.01重量パーセントから約1重量パーセントの間の量で存在してもよい。このような範囲以外の散乱物質の量も有用である場合がある。本明細書に記載の本発明の実施形態および態様において使用可能な光散乱物質(本明細書では散乱物質または光散乱粒子とも呼ばれる)の例としては、金属または金属酸化物粒子、気泡、ならびにガラスおよびポリマービーズ(中実または中空)が含まれるが、これらに限定されない。他の光散乱物質は、当業者により容易に特定され得る。いくつかの実施形態において、散乱物質は、球形を有する。散乱粒子の好ましい例としては、TiO、SiO、BaTiO、BaSOおよびZnOが含まれるが、これらに限定されない。ホスト材料と反応せず、ホスト材料内の励起光の吸収経路長を増大させ得る他の材料の粒子が使用されてもよい。いくつかの実施形態において、光散乱物質は、高い屈折率(例えばTiO、BaSOなど)または低い屈折率(ガス気泡)を有してもよい。
【0113】
散乱物質のサイズおよびサイズ分布の選択は、当業者により容易に決定され得る。サイズおよびサイズ分布は、散乱粒子、および光散乱物質が分散されるホスト材料の屈折率の不一致、ならびにレイリー散乱理論(Rayleigh scattering theory)による散乱されるあらかじめ選択された波長に基づくことが可能である。散乱粒子の表面は、ホスト材料内の分散性および安定性を向上するためにさらに処理されてもよい。一実施形態において、散乱粒子は、約0.01から約1重量%の範囲の濃度で、0.2μmの粒子サイズのTiO(DuPontのR902+)を含む。
【0114】
量子ドットおよび液体を含む光学材料に含まれ得るチキソトロープ剤(レオロジー調整剤とも呼ばれる)の例としては、ヒュームド金属酸化物(例えば、表面処理可能または未処理のヒュームドシリカ(Cabot Corporationから入手可能なCab−O−Sil(商標)ヒュームドシリカ製品など)、ヒュームド金属酸化物ゲル(例えば、シリカゲル)が含まれるが、これらには限定されない。光学材料は、約0.5から約12重量パーセントまたは約5から約12重量パーセントの範囲の量のチキソトロープ剤を含み得る。この範囲以外の他の量も、有用または望ましいとされてもよい。
【0115】
いくつかの実施形態において、量子ドットおよびホスト材料を含む光学材料は、量子ドットおよび液体媒体を含むインクから形成されることが可能であり、ここで、液状媒体は、架橋されることが可能な1つ以上の官能基を含む組成物を含む。官能基ユニットは、例えば、UV処理、熱処理、または当業者によって容易に確認可能な他の架橋技法によって架橋され得る。いくつかの実施形態において、架橋されることが可能な1つ以上の官能基を含む組成物は、液状媒体自体とすることが可能である。いくつかの実施形態において、これは共溶媒とすることが可能である。いくつかの実施形態において、これは液状媒体との混合物の成分とすることが可能である。
【0116】
インクを作製する好ましい方法の1つの具体例は、以下のとおりである。有機溶媒内によく分散された所望の放出特性を有する量子ドットを含む溶液は、量子ドット比に対する所望のモノマーが得られるまで、窒素条件下で所望の樹脂モノマーと混ぜ合わせられる。この混合物は、次いで量子ドットがよく分散されるまで、無酸素条件下でボルテックス混合される。樹脂の最終成分が、次いで量子ドット分散液に添加され、次いで微細分散を確実するために超音波混合される。次いで溶媒が除去されてもよい。
【0117】
このような完成したインクから調製された光学材料を含む光学部品は、その後、無酸素条件下で第1の基体の表面にインクを付着させ、次いで完全硬化のために数秒間、極度の照明下でUV硬化することによって調製され得る。一態様によると、インクは、無酸素条件下、場合により、水が無い条件下で付着される。
【0118】
本明細書で教示される本発明のいくつかの態様および実施形態において、硬化されたインク含有量子ドットを含むこの光学は、この光学材料のフォトルミネッセンス効率を増大させるのに十分な期間、光束にさらされ得る。
【0119】
いくつかの実施形態において、光学材料は、この光学材料のフォトルミネッセンス効率を増大させるのに十分な期間、光および熱にさらされ得る。
【0120】
好ましいいくつかの実施形態において、光または光および熱にさらすことは、フォトルミネッセンス効率が実質的に一定の値に達するまで、ある期間継続される。
【0121】
光重合性組成物内に分散したルミネッセンス材料を含む光学材料を含む態様において、重合または硬化は、封止ステップの前に実施され得る。
【0122】
光重合性組成物内に分散したルミネッセンス材料を含む光学材料を含む態様において、重合または硬化は、封止ステップの後に実施され得る。
【0123】
本発明の方法を実施する際、配置ステップおよび封止ステップは、好ましくは酸素が無い状態で実施される。無酸素条件の例としては、例えば、窒素または他の不活性雰囲気が挙げられる。
【0124】
本発明の方法を実施する際、配置ステップおよび封止ステップは、場合によって、水が無い状態で実施される。
【0125】
本発明の方法を実施する際、配置ステップおよび封止ステップは、好ましくは酸素および水が無い状態で実施される。
【0126】
液体をさらに含む光学材料を含む本発明の方法を実施する際、配置ステップ、凝固ステップおよび封止ステップは、好ましくは酸素が無い状態で実施される。無酸素条件の例としては、例えば、窒素または他の不活性雰囲気が挙げられる。
【0127】
液体をさらに含む光学材料を含む本発明の方法を実施する際、配置ステップ、凝固ステップおよび封止ステップは、場合によって、水が無い状態で実施される。
【0128】
液体をさらに含む光学材料を含む本発明の方法を実施する際、配置ステップ、凝固ステップおよび封止ステップは、好ましくは酸素および水が無い状態で実施される。
【0129】
図2は、一対の基体(好ましくはガラス)、および封止された気密封止材料(好ましくは、封止されたフリットまたは金属/はんだ接合から形成された)を含み、その内側に気密封止されている光学材料を含む側壁を含む、個々の気密封止されている光学部品の例を概略的に示す。
【0130】
図3は、各光学部品の実施形態の基体(ガラスとして示される)および光学材料(QD(量子ドット)層として示される)(封止されていない)部品の分解図の例を概略的に示す。気密封止されている個々の光学部品の厚さは、基体の厚さ、この光学材料の厚さ、ならびに、他の光学層またはフィーチャ(features)が、この内におよび/またはこの上に含まれているかどうかに応じて異なり得る。いくつかの最終用途(例えば、半導体発光ダイオード要素を備える色変換部品など)において有用であり得る個々の光学部品についての厚さの範囲の非限定例は、約0.2mmから約1mmである。上述したように、光学部品の具体的な意図された最終用途に応じて、この厚さの範囲内または範囲以外の他の厚さも有用または望ましい可能性がある。個々の光学部品の幅もまた、この光学部品の意図された最終用途に基づいて選択される。いくつかの最終用途(例えば、半導体発光ダイオード要素を備える色変換部品など)において有用であり得る個々の光学部品についての幅および/または長さ寸法の範囲の非限定例は、約1mmから約100mmである。上述したように、光学部品の具体的な意図された最終用途に応じて、この厚さの範囲内または範囲以外の他の長さおよび/または幅も有用または望ましい可能性がある。図4に示される図示された例において、基体のエッジから、光学材料を含むディスクリート領域の周囲までの気密封止の幅の非限定例は、約0.05mmから約1mmの範囲であるとして示される。上述したように、具体的な基体、封止材料、光学材料、および光学部品の具体的な意図された最終用途に応じて、この厚さの範囲内または範囲以外の他の封止幅も有用または望ましい可能性がある。図3に示される光学部品例に含まれる光学材料層またはフィルムの典型的な厚さは、約50ミクロンから約200ミクロンの範囲である。以下に記載されるように、いくつかの態様において、光学材料は、光学部品を青色LEDとともに使用することで白色光を作成する場合、赤色および緑色量子ドットを含むことができる。光学部品の具体的な意図された最終用途に応じて、光学材料が、このような範囲内および/または範囲以外の他の厚さで光学部品中に含まれ得、光学部品の意図された最終用途に基づいて、様々なルミネッセンス材料を含むことができる。
【0131】
例えば、分割ステップは、複数の気密封止されている光学部品のアセンブリを、光学材料を含む隣接する封止されたディスクリート領域の間の封止領域に沿って切断または細断(dicing)し、個々の気密封止されている光学部品を形成することを含み得る。
【0132】
隣接するディスクリート領域の周囲を取り囲む封止材料の間にすき間が存在する態様において、分割ステップは、封止されたアセンブリを、隣接するディスクリート領域の間のすき間に沿って切断し、個々の封止された光学部品を得ることを含み得る。
【0133】
第1の基体の表面が、あらかじめ選択された配列の隣接するディスクリート領域の間にへこんだ溝を含むいくつかの態様において、分割ステップは、封止されたアセンブリを、隣接するディスクリート領域の間のすき間に沿って切断し、個々の封止された光学部品を得ることを含み得る。
【0134】
あらかじめ選択された配列における2つ以上のディスクリート領域が第1の基体の表面にへこんだエリアを含む態様において、この表面は、へこんだエリアの間にへこんだ溝をさらに含み得、分割ステップは、封止されたアセンブリを、隣接するへこんだエリアの間のへこんだ溝に沿って切断し、個々の封止された光学部品を得ることを含み得る。
【0135】
本発明の別の態様によると、本明細書に記載の方法により作製される気密封止されている平面光学部品のアセンブリが提供される。
【0136】
本発明の別の態様によると、本明細書に記載の方法により作製される気密封止されている平面光学部品が提供される。
【0137】
本発明の別の態様によると、平面ガラス基体の間に気密封止材料によって封止されたルミネッセンス材料を含む光学材料を含む気密封止されている平面光学部品が提供される。場合によって、光学部品は、正方形状または長方形状を有する。
【0138】
本発明の別の態様において、発光部品、および発光部品によって放出される光と光通信状態にある本明細書に記載の気密封止されている平面光学部品を含む色変換部品を含む、発光デバイスが提供される。好ましい発光部品の例としては、無機半導体発光ダイオードが含まれるが、これに限定されない。いくつかの好ましい態様において、発光部品および光学部品の間にすき間が存在する。場合によって、光学部品は、正方形状または長方形状を有する。
【0139】
本発明は、適応性があり、高いコストを伴わずに製造するという容易さを提供し得るプロセスにより、気密封止されている光学部品を作成する方法を提供する。個々の基体サイズで個別に処理および加工することを伴う個々の部品を作製することでコスト目標を達成することはできない。
【0140】
本開示および本明細書に記載の本発明に関連して有用であり得る追加の情報は、Coe−Sullivanらの2009年5月6日出願の国際特許出願PCT/US2009/002796「Optical Components, Systems Including An Optical Component, And Devices」;Coe−Sullivanらの2009年5月6日出願の国際特許出願PCT/US2009/002789「Solid State Lighting Devices Including Quantum Confined Semiconductor Nanoparticles, An Optical Component For A Solid State Light Device, And Methods」;Modiらの2010年4月28日出願の国際特許出願PCT/US2010/32859「Optical Materials, Optical Components, And Methods」;Modiらの2010年4月28日出願の国際特許出願PCT/US2010/032799「Optical Materials, Optical Components, Devices, And Methods」;Sadasivanらの2011年8月10日出願の国際特許出願PCT/US2011/047284「Quantum Dot Based Lighting」;Lintonらの2008年6月25日出願の国際特許出願PCT/US2008/007901「Compositions And Methods Including Depositing Nanomaterial」;Coe−Sullivanらの2008年9月12日出願の米国特許出願第12/283609号「Compositions, Optical Component, System Including An Optical Component, Devices, And Other Products」;Breenらの2008年9月12日出願の国際特許出願PCT/US2008/10651「Functionalized Nanoparticles And Method」;Baretzらの2003年7月29日出願の米国特許第6,600,175号「Solid State White Light Emitter And Display Using Same」;およびShimizuらの2003年8月19日出願の米国特許第6,608,332号「Light Emitting Device and Display」;およびNickらの2013年2月7日出願の米国特許出願第13/762,354号「Methods of Making Components Including Quantum Dots, Methods, and Products」に含まれる。上記のそれぞれは、参照によりその開示内容全体が本明細書に組み込まれる。
【0141】
本明細書では、単数形「a」「an」「the」は、文脈上明らかに他の意味に解さないかぎり、複数を含む。したがって、例えば、1種の発光性材料についての言及は、1種以上のこのような材料についての言及を含む。
【0142】
出願人は、本開示において引用したすべての文献の内容全体を具体的に援用する。さらに、ある量、濃度、または他の値もしくはパラメータが、ある範囲、好ましい範囲、または好ましい上位値と好ましい下位値の一覧として与えられている場合、これは、範囲が別個に開示されているかどうかにかかわらず、任意の範囲上限または好ましい値と任意の範囲下限または好ましい値との任意の組から形成されるすべての範囲を具体的に開示していると理解すべきである。ある範囲の数値が本明細書に列挙されている場合、特に明記しないかぎり、この範囲はこの終点、ならびにこの範囲内のすべての整数および分数を含むものとする。本発明の範囲は、ある範囲を定義する際に列挙される具体的な値に限定されるものではない。
【0143】
本発明の他の実施形態は、本明細書および本明細書に開示される本発明の実施を考慮することで、当業者には明らかとなる。本明細書および実施例は例示としてみなされるにすぎず、本発明の真の範囲および趣旨は、以下の特許請求の範囲およびこの均等物によって示されるものである。
【0144】
主題は、構造的特徴および/または方法論的な行為に特有の用語で説明されているが、添付の特許請求の範囲で定義された主題が、上記の特定の特徴または行為に必ずしも限定されないことが理解される。むしろ、上記の特定の特徴および行為は、特許請求の範囲を実施する例の形態として開示される。
図1
図2
図3
図4
図5