(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る電源装置の構成例を示す回路図である。
図1に示すように、電源装置は、発電装置11と、電源回路12と、負荷1と、負荷2とを備える。本装置は、環境中の微弱なエネルギーを太陽電池、熱電発電素子、圧電素子等の発電素子により電気エネルギーに変換するエネルギーハーベスティングに関する。
【0011】
発電装置11は、太陽電池、熱電発電素子、または圧電素子等の発電素子を少なくとも1つ含む。発電素子は、環境中の微弱なエネルギーを、電気エネルギーに変換する。発電素子は、変換後の電気エネルギーを出力する。変換後の電気エネルギーの電圧は、交流電圧または直流電圧である。圧電素子等の場合は交流電圧、太陽電池や熱電発電素子等の場合は直流電圧である。本実施形態では、発電素子が圧電素子である場合を想定する。したがって、発電装置は、交流電力を出力する。図では、発電素子を、起電力Vopenと、出力抵抗Rharvによりモデル化して示している。
【0012】
電源回路12は、整流回路21と、キャパシタCinと、起動制御回路22と、DC−DC変換器23とを備える。DC−DC変換器はここでは、降圧型DC−DC変換器であるとするが、昇圧型DC−DC変換器でもよい。DC−DC変換器23の出力端子は、負荷1と負荷2とに接続されている。
【0013】
整流回路21は、発電装置11から出力された交流電圧を、直流電圧Vinへと変換する。発電素子が直流電圧を生成する構成の場合には、整流回路21は不要である。整流回路21は、ダイオードブリッジなど任意の構成でよい。本実施形態ではダイオードブリッジを想定する。
【0014】
整流回路21から出力された電流は、キャパシタCinに蓄えられる。エネルギーハーベスティングにおいては発電電力が不安定なため、大容量のキャパシタを用いてエネルギーを蓄えることにより、発電電力の変動に備えているのが一般的である。本実施形態でも、キャパシタCinを用いて、発電装置11により発電されたエネルギーを蓄える。
【0015】
キャパシタCinの電圧(入力電圧Vin)は、DC−DC変換器23に入力される。DC−DC変換器23は、入力電圧Vinを、負荷1および負荷2に適したより低い電圧Voutに変換し、出力する。DC−DC変換器23から出力された電圧Voutは、負荷1と、負荷2とに供給される。
【0016】
DC−DC変換器23には、起動制御回路22からイネーブル信号EN1が入力される。イネーブル信号EN1がハイレベル(以下、High)になったときに変換動作を開始し、イネーブル信号EN1がローレベル(以下、Low)になったときは変換動作を停止する。換言すれば、イネーブル信号EN1がHighの間は、変換動作を行い、Lowの間は、変換動作を行わない。DC−DC変換器23が変換動作を停止した場合、負荷1および2に対して電力は出力されない。
【0017】
負荷1は、DC−DC変換器23から入力される電圧Voutに基づき動作する。負荷1は、センサ43とメモリ44とを備えている。センサ43は、DC−DC変換器23から出力電圧Voutが供給されると動作する。メモリ44は、センサ43で測定されたデータを内部に記憶および保持する。
【0018】
負荷2には、起動制御回路22からイネーブル信号EN2が入力される。負荷2は、イネーブル信号EN2がHighとなったときに、入力される電圧Voutに基づき動作を行い、イネーブル信号EN2がLowとなったときに、動作を停止する。換言すれば、イネーブル信号EN2がHighの間は、動作を行い、Lowの間は、動作を行わない。動作を停止した場合には、負荷2で電力は消費されない。負荷2は、無線送信機45と、少なくとも1本のアンテナ46とを備えている。無線送信機45は、メモリ44に保持されているデータを読み出して、データを無線送信する。
【0019】
起動制御回路22は、直列に接続された抵抗R2と抵抗R1と、2つのコンパレータ(それぞれコンパレータCMP1およびコンパレータCMP2と記述する)と、リニアレギュレータ31とを備える。抵抗R2と抵抗R1とは分圧回路を構成する。この分圧回路は、DC−DC変換器23への入力電圧を分圧して、これより低い電圧Vdiv(すなわち入力電圧に応じた電圧)を生成する。Vdiv=Vin×R1/(R1+R2)である。リニアレギュレータ31は、入力電圧Vinを降圧して、コンパレータCMP1およびCMP2に、各々の電源として供給する。リニアレギュレータ31は、DC/DCコンバータの一種である。
【0020】
コンパレータCMP1は、リファレンス電圧(閾値電圧)Vref1と、分圧電圧Vdiv(=Vin×R1/(R1+R2))との比較を行い、比較結果に基づきイネーブル信号EN1を生成して、DC−DC変換器23に与える。具体的には、VdivがVref1以上の場合、すなわち、入力電圧Vinが、Vref1×(R1+R2)/R1以上になると、Highのイネーブル信号EN1を出力し、VdivがVref1より小さくなると場合、Lowのイネーブル信号EN1を出力する。
【0021】
コンパレータCMP2は、リファレンス電圧Vref1よりも高いリファレンス電圧(閾値電圧)Vref2と、分圧電圧Vdivとの比較を行い、比較結果に基づきイネーブル信号EN2を生成して、負荷2に与える。具体的には、VdivがVref2以上の場合、すなわち、入力電圧VinがVref2×(R1+R2)/R1以上になると、Highのイネーブル信号EN2を出力し、VdivがVref2より小さくなると、Lowのイネーブル信号EN2を出力する。
【0022】
コンパレータCMP1およびコンパレータCMP2として、ヒステリシスコンパレータを用いてもよい。これにより、発電装置11の発電量の変動により、入力電圧Vinが微小変化したときに、イネーブル信号EN1およびイネーブル信号EN2が細いパルスとして出力されることを防ぐことができる。図では、ヒステリシスコンパレータが用いられている例が示されている。
【0023】
図2に、
図1の電源装置における発電電圧Vopen、入力電圧Vin、イネーブル信号EN1、イネーブル信号EN2の電圧波形を示す。
【0024】
発電装置11が発電を開始し、発電電圧Vopenが発生すると、DC−DC変換器23の入力電圧Vinは徐々に増加する。入力電圧Vinが、Vref1×(R1+R2)/R1になると、イネーブル信号EN1がHighとなる。このときDC−DC変換器23が動作を開始して、DC−DC変換器23の出力電圧に応じた電力が、負荷1に対し供給される。この後、入力電圧Vinが上昇し、入力電圧Vinが、Vref2×(R1+R2)/R1になると、イネーブル信号EN2がHighとなる。このとき、負荷2も動作を開始する。この後、入力電圧Vinが上昇し、最終的に入力電圧Vinは、電圧Vfinalになる。
【0025】
ここで
図3を用いて、入力電圧Vinと、発電装置出力電力(発電素子出力電力)Pharvと、電力Pload1(DC−DC変換器23と負荷1が消費する電力の合計)と、電力Pload1+Pload2(DC−DC変換器23と負荷1と負荷2とが消費する電力の合計)と、の関係について説明する。Pload2は、負荷2が消費する電力である。
【0026】
簡単のため、整流回路21を構成するダイオードの順方向電圧は無視する。発電素子として、圧電素子などを用いる場合には、発電素子起電力Vopenはダイオード順方向電圧よりも十分高いため、このような仮定を行っても問題はない。
【0027】
発電素子の出力抵抗Rharvがゼロではない値であれば、発電装置出力電力Pharvは、入力電圧Vinに依存して変化する。すなわち、Vin=0であれば、発電装置出力電圧(発電素子出力電圧)Vharv=0であるから、Pharv=0である。また、Vinが、発電素子の開放電圧Vopenpkに一致する場合、すなわち、Vin=Vopenpkの場合、Vharv=Vopenpkである。よって、発電素子から電流が出力されず、Pharvはやはり0である。最大電力供給定理より、Pharvが最大となるのは、Vin=0.5*Vopenpkの場合である。なお、発電素子の開放電圧Vopenpkは、発電装置11の出力側に何も負荷(整流回路、起動制御回路、DC−DC変換器、負荷1、負荷2等)を接続しないとした場合の電圧に相当する。
【0028】
図3から理解されるように、Vin=Vref1(R1+R2)/R1の時点では、発電装置出力電力Pharvは Pload1+Pload2より小さい(すなわちPharv<Pload1+Pload2)。したがって、もしVin=Vref1(R1+R2)/R1となった時点で、負荷1と負荷2を同時に駆動すると、発電電力が足りないこととなる。この結果、入力電圧VinおよびPharvが低下して、負荷1と負荷2の起動に失敗する。
【0029】
本実施形態では、Vin=Vref1(R1+R2)/R1となった時点で、このときの発電装置出力電力Pharvよりも低い電力Pload1を要求するDC−DC変換器23および負荷1のみを起動する。入力電圧VinおよびPharvが十分大きくなった後に、電力Pload2を要求する負荷2を追加で起動する。具体的に、Vin=Vref2(R1+R2)/R1となる時点で、負荷2を起動する。この時点で、Pharvは Pload1+Pload2より大きい(すなわちPharv>Pload1+Pload2)。よって、DC−DC変換器23、負荷1および負荷2のすべてを同時に駆動しても問題ない。特に、Vref2(R1+R2)/R1を、発電素子の開放電圧Vopenpkの1/2(=0.5)よりもやや大きい値に設定すれば、Pharvの最大値付近で、負荷2を確実に起動することができる。負荷2の起動後、入力電圧Vinは最終的に、PharvがPload1+Pload2に一致する(すなわちPharv=Pload1+Pload2が成立する)電圧Vfinalまで、上昇する。なお、動作上、発電装置出力電力が、発電素子の開放電圧Vopenpkの1/2(=0.5)またはこれより若干小さいときに負荷2を起動しても、Pharv>Pload1+Pload2であれば、問題ない。ただし、上述のように、開放電圧Vopenpkの1/2(最大値)よりもやや大きいときに負荷2を起動することで、一時的にVinが低下しても、Pharv>Pload1+Pload2が維持される。これにより、発電電力が増す方向に行くため、より確実に負荷2を起動できる。例えば、仮にDC−DC変換器23の出力端子と、グランド端子との間に、キャパシタが接続された構成を用いる場合、このキャパシタの充電が終了するまでは、一時的にDC−DC変換器23の出力電流が増え、Vinが一時的に低下する可能性があるが、このような場合も、確実に負荷2を起動できる。
【0030】
このように、入力電圧Vinが上昇する過程で、最初に、DC−DC変換器23および負荷1を起動し、次に負荷2を起動していくことで、発電装置11の発電量に見合った段階的な立ち上げが可能となる。これによって、全ての負荷を確実に起動することが可能となる。またDC−DC変換器23も入力電圧Vinの上昇過程で負荷1とともに起動することで、DC−DC変換器23のみを一番先に(負荷1より先に)起動しておくといったような動作を行う必要もなく、消費電力を抑制できる。
【0031】
また、負荷1を早期に起動できるという利点も有する。例えば発電装置11が発電を開始後早期にセンシングして、センサデータをメモリ44に格納しておく。負荷2が起動したら、メモリ44に格納されているセンサデータを無線で送信する。発電装置出力電力Pharvが十分に大きくなってから負荷1と負荷2との両方を同時に起動するよりも、早期にセンサデータの取得が可能となる。
【0032】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係る電源装置の構成例を示す回路図である。本装置は、無負荷時の入力電圧Vinを抵抗R4と抵抗R3により分圧することにより、コンパレータCMPに入力するリファレンス電圧(閾値電圧)Vrefを自動生成することを特徴の1つとする。
図1と同じ名称の要素には同一の符号を付し、拡張または変更された処理を除き、詳細な説明は省略する。
【0033】
本実施形態の負荷は、センサ43と、メモリ44と、無線送信機45と、アンテナ46とを備える。負荷は、DC−DC変換器23の出力端子に接続されている。負荷には、起動制御回路22からイネーブル信号は入力されず、イネーブル信号による動作の制御はなされない。
【0034】
キャパシタCinの一端(第1端子)は、DC−DC変換器23の入力側に接続されている。キャパシタCinの他端(第2端子)は、スイッチSWinを介して、基準端子であるグランド端子に接続されている。スイッチSWinは、起動制御回路22のタイミング信号生成回路32からのイネーブル信号EN0により、オンおよびオフが制御される。
【0035】
起動制御回路22は、抵抗R1、R2、R3、R4と、スイッチSWshと、スイッチSWinと、リニアレギュレータ31と、タイミング信号生成回路32、コンパレータCMPとを備える。
【0036】
抵抗R4と抵抗R3とは直列に接続され、これらにより分圧回路を構成する。抵抗R4と抵抗R3間の接続点は、スイッチSWshを介して、キャパシタChと、コンパレータCMPのマイナス端子とに接続されている。スイッチSWshは、タイミング信号生成回路32からのサンプル信号SHにより、オンおよびオフが制御される。
【0037】
リニアレギュレータ31からの出力電圧は、コンパレータCMPにその動作電圧として供給されるとともに、タイミング信号生成回路32に入力される。
【0038】
タイミング信号生成回路32は、リニアレギュレータ31からの電圧供給に応じて、その動作を開始する。動作を開始すると、サンプル信号SHを所定期間、ハイレベルにする(所定期間幅のパルスを出力する)。これにより、スイッチSWshを所定期間、オンする。スイッチSWshをオンにすることで、キャパシタChには、抵抗R4と抵抗R3とにより入力電圧Vinを分圧して得られる電圧が保持される。この電圧は、リファレンス電圧Vrefとなる。このとき分圧される入力電圧Vinは、無負荷時(キャパシタCinがグランド端子に接続されていない時)、すなわち、発電装置11から見て何ら負荷回路が接続されていないように見えるときの入力電圧であり、発電素子の開放電圧Vopenpkに相当する。
【0039】
タイミング信号生成回路32は、サンプル信号SHがLowになった後(すなわちサンプル信号SHをHighにしてから所定期間の経過後)、イネーブル信号EN0をHighにすることで、スイッチSWinをオンにする。スイッチSWinがオンにされることで、キャパシタCinの充電が開始される。
【0040】
第1の実施形態と同様に、抵抗R2と抵抗R1とにより、入力電圧Vinを分圧することにより、分圧電圧Vdiv(=Vin×R1/(R1+R2))が生成される。Vdivは、コンパレータCMPのプラス端子に入力される。コンパレータCMPは、分圧電圧Vdivが、キャパシタChに保持されているリファレンス電圧Vref以上になると、イネーブル信号EN1をHighにする。
【0041】
図5に、発電電圧Vopenと、入力電圧Vinと、スイッチ信号SHと、リファレンス電圧Vrefと、イネーブル信号EN0と、イネーブル信号EN1の動作波形を示す。
【0042】
発電装置11が発電を開始する前は、タイミング信号生成回路32から出力されるイネーブル信号EN0およびサンプル信号SHと、コンパレータCMPから出力されるイネーブル信号EN1とは、全てLowである。イネーブル信号EN0およびサンプル信号SHがLowであるため、スイッチSWin、SWshは共にオフである。また、イネーブル信号EN1がLowであるため、DC−DC変換器23は動作を停止している。
【0043】
スイッチSWinおよびDC−DC変換器23がともにオフであることから、発電装置11が発電を開始すると、DC−DC変換器23への入力電圧Vinは急速に上昇する。入力電圧Vinが上昇すると、リニアレギュレータ31により電力を供給されたタイミング信号生成回路32およびコンパレータCMPがそれぞれ動作を開始する。
【0044】
動作を開始したタイミング信号生成回路32は、サンプル信号SHを所定期間ハイレベルにし(所定期間幅のパルスを出力し)、スイッチSWshを所定期間、オンにする。これにより、キャパシタChには、無負荷時(DC−DC変換器23がオフで、スイッチSWinがオフのため、発電装置11から見て、何も負荷回路が接続されていないように見える)の入力電圧を、抵抗R3および抵抗R4により分圧して得られるリファレンス電圧Vrefが保持される。
【0045】
整流回路21を構成するダイオードの順方向電圧を無視し、発電素子の開放電圧VopenをVopenpkとすれば、
Vref={R3/(R3+R4)}×Vopenpk
となる。
【0046】
タイミング信号生成回路32は、所定期間が経過して、サンプル信号SHがLowになった後、イネーブル信号EN0をHighにすることで、スイッチSWinをオンにする。スイッチSWinがオンにされることで、キャパシタCinの充電が開始される。
【0047】
このとき、DC−DC変換器23の入力電圧Vinは、いったん0付近まで低下したのち、徐々に上昇する。入力Vinを、抵抗R2および抵抗R1で分圧した電圧Vdiv(=Vin×R1/(R1+R2))が、キャパシタChに保持されているリファレンス電圧Vrefと等しくなったとき、すなわち
【数1】
となると、コンパレータCMPは、DC−DC変換器23に対して出力するイネーブル信号EN1をHighにする。
【0048】
ここで、
【数2】
が、Vopenpkの1/2よりやや大きな値となるように抵抗R1〜抵抗R4の値を設定すれば、第1の実施形態で用いた
図3に示したように、DC−DC変換器23が動作開始したときに、発電装置出力電力Pharvが、グラフの最大値付近となる。このため、無線送信機45を含む大電力負荷を確実に起動することが可能である。すなわち、DC−DC変換器23がオンになる時点では、発電電力が負荷消費電力(DC−DC変換器、センサ、メモリ、無線送信機の消費電力の合計)よりも大きくなっているため、DC−DC変換器23がオンされても、起動に失敗することはない。
【0049】
発電装置11に用いられる発電素子が異なると、発電電圧Vopenも変わり、発電量も変わることから、リファレンス電圧は、使用する発電素子に応じて適切に設定する必要がある。この点、本実施形態では、無負荷時の入力電圧Vinを抵抗R4と抵抗R3により分圧してリファレンス電圧を生成するため、使用する発電素子に適したリファレンス電圧を自動的に生成することができる。
【0050】
(第3の実施形態)
図6は、第3の実施形態に係る電源装置の構成例を示す回路図である。
図1および
図4と同じ名称の要素には同一の符号を付し、拡張または変更された処理を除き、詳細な説明は省略する。
【0051】
図6の電源装置は、第1の実施形態の電源装置と第2の実施形態の電源装置とを組み合わせたものである。具体的に、複数の負荷の順次起動と、リファレンス電圧の自動生成との両方を同時に実現する電源装置である。具体的に、
図6のコンパレータCMP1の動作は第1の実施形態と同様であり、
図6のコンパレータCMP2の動作およびコンパレータCMP2に与えるリファレンス電圧の自動生成は第2の実施形態と同様である。
【0052】
コンパレータCMP1に入力されるリファレンス電圧Vref1は、第1の実施形態と同様にあらかじめ定められた固定値である。分圧電圧Vdivが、リファレンス電圧Vref1以上になると、コンパレータCMP1は、Highのイネーブル信号EN1を出力する。DC−DC変換器23は、このイネーブル信号EN1により起動して、DC−DC変換処理を開始する。負荷1は、DC−DC変換器23から入力される電圧に基づき動作を開始し、センシングとセンサデータの記憶保持との動作を開始する。
【0053】
コンパレータCMP2に入力されるリファレンス電圧Vref2は、第2の実施形態と同様に、無負荷時の入力電圧Vinを、抵抗R4と抵抗R3により分圧することにより生成する。生成したリファレンス電圧Vref2は、キャパシタChに保持される。コンパレータCMP2は、上記の分圧電圧Vdivが、リファレンス電圧Vref2以上になると、Highのイネーブル信号EN2を出力する。
【0054】
本実施形態によれば、リファレンス電圧Vref1の値を、DC−DC変換器23および負荷1を起動できるだけの最低限の値とすることで、負荷1を早期に起動することができる。また、発電電力が最大値付近にあるところで、消費電力の大きな負荷2を起動することで、換言すれば、DC−DC変換器23と負荷1と負荷2との合計消費電力が、発電電力よりも大きいときに負荷2を起動することにより、確実に負荷2を起動できる。
【0055】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。