特許第6623193号(P6623193)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6623193車両バッテリを充電するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6623193
(24)【登録日】2019年11月29日
(45)【発行日】2019年12月18日
(54)【発明の名称】車両バッテリを充電するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20191209BHJP
   B60L 53/00 20190101ALI20191209BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20191209BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20191209BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20191209BHJP
【FI】
   H02J7/00 P
   B60L53/00
   B60L3/00 S
   H01M10/48 P
   H01M10/44 Q
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-96145(P2017-96145)
(22)【出願日】2017年5月15日
(65)【公開番号】特開2017-209003(P2017-209003A)
(43)【公開日】2017年11月24日
【審査請求日】2017年5月15日
(31)【優先権主張番号】10 2016 109 074.3
(32)【優先日】2016年5月18日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】トーマス クリストフ
【審査官】 坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−275639(JP,A)
【文献】 特開2014−010005(JP,A)
【文献】 特開2005−062028(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/122647(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
B60L 3/00
B60L 53/00
H01M 10/44
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(10)の電気駆動モータのために電力を貯蔵する、車両バッテリ(20)、具体的には高電圧車両バッテリ(20)を充電するための方法であって、前記車両バッテリ(20)は、スイッチ装置(24、24’)を介して充電ソケット(22)に電気的に接続可能であり、以下のステップすなわち、
第1の測定装置(32)を用いて、前記スイッチ装置(24、24’)の前記充電ソケット(22)に面する側で、第1の電圧(U)を測定するステップと、
第2の測定装置(34、34’)を用いて、前記スイッチ装置(24)の前記車両バッテリ(20)に面する側で、第2の電圧(U、U)を測定するステップと、
前記スイッチ装置(24、24’)が開いている間において、前記第1の電圧(U)が所定の設定値に到達した場合、前記スイッチ装置(24、24’)を閉じるステップと、
前記スイッチ装置(24、24’)が閉じている間に前記第1の電圧(U)および前記第2の電圧(U、U)を測定するステップと、
前記スイッチ装置(24、24’)が閉じている間において、前記第1の電圧(U)の測定結果と前記第2の電圧(U、U)の測定結果との間の第1の測定差分(ΔU)が発生した場合、前記第1の電圧(U)の測定結果が前記第2の電圧(U、U)の測定結果に一致するように前記第1の測定装置(32)に対する前記第1の測定差分(ΔU)に応じた補正率を生成し、当該補正率により前記第1の電圧(Uの測定結果を前記第2の電圧(U、Uの測定結果に一致させるように前記第1の電圧(U)が調節されるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第2の電圧(U)及び前記車両バッテリのバッテリ電圧は、前記スイッチ装置(24、24’)が閉じられる前に測定され、前記第2の電圧(U)の測定結果が前記車両バッテリ(20)の前記バッテリ電圧(UBATT)に一致するように第2の電圧(U)が調節される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の電圧(U)は、前記車両バッテリ(20)において測定される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の電圧(U)は、前記スイッチ装置(24’)と、前記スイッチ装置(24’)と前記車両バッテリ(20)との間に接続されたDC/DCコンバータ(60)との間の領域で測定される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の測定差分(ΔU)が所定の第1の差分閾値(ΔUMAX1)を超える場合に対して、エラーメッセージ(F)が出力される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
継続的な調節プロセス(T、T、...)の測定差分(ΔU、ΔU、...)が合計され、このように計算される前記第1の測定差分の前記合計が所定の第2の差分閾値(ΔUMAX2)を超える場合エラーメッセージ(F)が出力される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
自動車(10)のための充電装置(50)であって、固定式の充電ステーション(12)に接続可能な充電ソケットを備え、車両バッテリ端子(29)を備え、前記車両バッテリ端子(29)に車両バッテリ(20)が接続可能であり、スイッチ装置(24、24’)を備え、前記充電ソケット(22)および前記車両バッテリ端子(29)は前記スイッチ装置(24、24’)を用いて電気的に接続可能であり、前記充電ソケット(22)の領域で第1の電圧(U)を測定するように装置された第1の測定装置(32)を備え、前記スイッチ装置(24、24’)の前記車両バッテリ(20)に面する側で第2の電圧(U、U)を測定するように装置された第2の電気的測定装置(34、34’)を備え、前記車両バッテリ(20)の充電プロセスを制御および/または監視するように装置された制御装置(40)を備え、前記制御装置(40)は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の充電方法を実行するように装置され設計される、自動車(10)のための充電装置(50)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の電気駆動モータのために電力を貯蔵する、車両バッテリ、具体的には高電圧車両バッテリを充電するための方法であって、車両バッテリはスイッチ装置を介して充電ソケットに電気的に接続可能であり、第1の測定装置を用いて、スイッチ装置の充電ソケットに面する側で、第1の電気的変数を測定するステップと、第2の測定装置を用いて、スイッチ装置の車両バッテリに面する側で、第2の電気的変数を測定するステップと、第1の電気的変数と第2の電気的変数とを比較し、第1の電気的変数と第2の電気的変数が実質的に一致する場合、スイッチ装置を閉じるステップとを含む、方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は、自動車のための充電装置であって、固定式の充電ステーションに接続可能な充電ソケットを備え、車両バッテリ端子を備え、その車両バッテリ端子に車両バッテリが接続可能であり、スイッチ装置を備え、充電ソケットおよび車両バッテリ端子はそのスイッチ装置を用いて電気的に接続可能であり、充電ソケットの領域で第1の電気的変数を測定するように装置された第1の測定装置を備え、スイッチ装置の車両バッテリに面する側で第2の電気的変数を測定するように装置された第2の電気的測定装置を備え、制御装置を備える、自動車のための充電装置に関する。
【背景技術】
【0003】
電動式自動車または電気自動車は、電気的に充電可能なエネルギー貯蔵を有する。このエネルギー貯蔵は、例えば、定格電圧を800ボルトとすることができる、高電圧バッテリとして装置することができる。このようなエネルギー貯蔵は、通常、外部の充電柱(充電ステーション)と車両に適合した充電ソケットとの間に電気的接続を確立することによって充電される。切替可能な電気的接続は、具体的にはスイッチ装置を用いて、充電ソケットと車両バッテリとの間に設けられ、このスイッチ装置は、例えば、断路器とも呼ぶことができ、接触器として実施することができる。スイッチ装置は、車両バッテリの電圧と充電ソケットの電圧をほぼ同じ値にするために、充電プロセスの始めに最初は開いている。その後、スイッチ装置は閉じられ車両バッテリは充電される。
【0004】
第1の電気的変数および第2の電気的変数を測定するために、例えば電圧測定値の形で、高い測定精度が必要とされる。これは、技術的な理由、法律上の理由および安全に関係する理由で、電圧差はただ非常に小さいことが許されるためである。
【0005】
この場合、電圧測定値の精度は、装置要素の稼働時間全体にわたって低下することが許されない。
【0006】
(特許文献1)は、巻き取り可能な充電ケーブルを介して充電柱に接続することができ、充電することができる、プラグイン自動車のための充電システムを説明する。この場合、電流および電圧が充電プロセスの間に測定され、充電ケーブルの抵抗がそれで計算される。
【0007】
(特許文献2)は、電動式車両のための充電装置を開示し、この充電装置は、接触部とのインタフェース、電力コンバータ、制御ユニットおよび回路遮断器を有し、接触部と回路遮断器との間の電圧を検出するように装置される。
【0008】
さらに、(特許文献3)は、直列に相互接続された複数のバッテリモジュールの電圧測定のための装置を提供することを開示する。差分電圧は、充電状態でおよび非充電状態で2つのコンデンサの放電プロセスの間に決定される。測定誤差が差分電圧から計算される。
【0009】
(特許文献4)は、充電プロセスの間に各々の個別のバッテリセルの現在の電圧を決定し充電電圧を適合させることができる、電気自動車用バッテリ制御ユニットを開示する。
【0010】
最後に、(特許文献5)は、電気的接続が過熱することを防ぐために、充電電流が充電装置と車両との間の電気的接続の温度に適合される、電気自動車を充電するための方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2013 221 970 A1号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10 2014 208 696 A1号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2009/0128158 A1号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2012/0313562 A1号明細書
【特許文献5】国際公開第2012/139778 A2号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
この背景に対して、車両バッテリを充電するための改善された方法、および自動車における、または自動車のための改善された充電装置を特定することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は、請求項1で特許請求される、車両バッテリを充電するための方法を用いて、および請求項8で特許請求される、自動車のための充電装置を用いて達成される。
【0014】
本発明による方法の好ましい実施形態は、従属する請求項2から7に見いだされる。
【0015】
本発明による方法は、有利には、車両バッテリ充電プロセスの間に電圧測定値または他の電気的変数の測定値の調節を実行することを可能にする。
【0016】
スイッチ装置が閉じている場合、第1および第2の電気的変数は、空間的近接のため正確に同一であるべきである。しかしながら、測定装置が異なる測定結果をもたらす場合、測定装置の一方が他方と一致するように調節される必要があると想定することができる。
【0017】
好ましくは、1つの実施形態で、第1の測定装置、すなわちスイッチ装置の充電ソケットに面する側に配置される測定装置が調節される。
【0018】
測定差分が生じる場合、測定装置に対する補正率を計算し、測定装置のソフトウェアに統合するかまたは組み込むことができる。
【0019】
好ましくは、このような調節は、各々の充電プロセスの間に実行される。それにより、稼働時間全体にわたって電気的変数の測定値の精度を高く保つことが可能である。
【0020】
使用される充電ステーションの電圧とバッテリの電圧が異なる場合のために、例えばDC/DCコンバータの形の、コンバータユニットを充電ソケットと車両バッテリとの間に同様に設けてもよい。この場合、スイッチ装置とコンバータユニットとの間に配置される、第3の測定装置が設けられると有利である。さらに、この場合のためのスイッチユニットは、一般に、1つの基本的な実施形態におけるように、2つのスイッチを備えず、むしろ3つの個別のスイッチを備える。
【0021】
この場合、スイッチ装置と充電ソケットとの間の測定装置を調整することができ、かつ/またはスイッチ装置とコンバータユニットとの間の測定装置を調整することができる。
【0022】
上述の特徴および以下でさらに解説する特徴は、本発明の範囲を逸脱することなく、それぞれに示された組合せでだけではなく、他の組合せでまたはそれ自体で、使用され得ることは言うまでもない。
【0023】
本発明の例示的な実施形態は、図面で例示され、以下の説明でより詳細に解説される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】充電ステーションにおける充電装置を持つ車両の略図を示す。
図2】電気的測定変数の、およびスイッチ装置のスイッチ位置のタイミング図を示す。
図3】それぞれの測定差分を用いた継続的な調節プロセスの時系列を示す。
図4】充電装置のさらなる実施形態の、図1に相当する説明図を示す。
図5】本発明による充電方法の流れ図の略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、充電ステーション12に配置された自動車10を概略的に例示する。充電ステーション12は、例えば大きさが400ボルトの充電電圧または大きさが800ボルトの充電電圧を供給することができる、充電端子14を有する。充電端子14は、一般にケーブルを介して、充電電圧が供給される充電プラグ16に接続される。
【0026】
車両バッテリ20は、車両10上に配置され、前記車両バッテリは、車両10の電気駆動モータのために電力を貯蔵し、すなわち一般に1キロワット時より大きい、具体的には10キロワット時より大きい容量を有する。
【0027】
さらに、充電ソケット22が車両10上に配置され、この充電ソケットに充電プラグ16を差し込むことができる。充電ソケット22は、好ましくは、車両の車体構造の外装の上に設けられる。
【0028】
スイッチ装置24は、充電ソケット22と車両バッテリ20との間に設けられ、前記スイッチ装置は、この場合、第1のスイッチS2および第2のスイッチS3を有する。スイッチは、例えば接触器として、高電圧用途のための断路器として装置することができる。
【0029】
第1のスイッチS2は、充電ソケット22と車両バッテリ20との間の第1の線路26に配置される。第2のスイッチS3は、充電ソケット22と車両バッテリ20との間の第2の線路28に配置される。
【0030】
車両バッテリ20は、車両バッテリ端子29の領域で第1の線路26および第2の線路28に接続される。
【0031】
充電ソケット22および車両バッテリ20は、さらに、通信線路30a、30bおよび制御装置を介して互いに結合される。前記通信線路は一般に双方向である。
【0032】
説明図は、充電器が同様に充電ソケット22および充電プラグ16を介して充電ステーション12と、好ましくは同じく双方向に、通信できることを示していない。
【0033】
第1の電気的変数、この場合電圧Uを測定するための第1の測定装置は、スイッチ装置24と充電ソケット22との間に設けられる。第2の電気的変数、好ましくは電圧Uを測定するための第2の測定装置34は、スイッチ装置24と車両バッテリ20または車両バッテリ端子29との間に設けられる。
【0034】
第1の測定装置32は、制御装置に第1の測定結果U1測定値を与える。それに応じて、第2の測定装置34は、制御装置40に測定結果U3測定値を与える。
【0035】
全体的にみれば、図1は自動車10のための充電装置50を例示する。
【0036】
図2は、充電プロセスのタイミング図を示す。
【0037】
時点tにおいて、充電プラグ16は充電ソケット22に接続される。この時点において、スイッチ装置のスイッチS2、S3は開いている。時点tにおいて、第1にいわゆる「事前充電」プロセスが始まり、充電電圧Uは電圧Uに実質的に一致する設定値に適合または設定される。充電電圧がtにおいて設定値に到達した場合、スイッチS2、S3をtにおいて閉じることができ、充電電圧Uおよび電圧Uの調節を実行することができる。
【0038】
充電プロセスは、時点tにおいて終了し、その結果、充電ソケット22とバッテリ20との間で電流は交わされない。スイッチS2、S3は、この時点において閉じられているから、スイッチS1、S2、S3が温度上昇した状態で電圧UおよびUを調節することが可能である。調節が実行された後に時点tにおいて、スイッチS2、S3は再び開かれる。
【0039】
スイッチ装置24が閉じられている場合に対して、測定結果U1MessおよびU3Messは、特に車両内での空間的近接のため、実際に同一であるべきであるから、調節が実行される。
【0040】
したがって、測定差分ΔUが発生したとき、第1の測定装置32は、すなわち本発明による調節によって、修正される必要がある、一定の不正確な測定値を与えると想定される。
【0041】
図3は、それぞれの調節プロセスが異なる時点T、Tにおいて実行されることを例示する。測定差分は、ここでそれぞれ発生することがあり、ΔU、ΔU、などによって概略的にそれぞれ示される。
【0042】
測定差分ΔUが発生する場合、それは第1の所定の差分閾値ΔUMAX1より大きくてはならない。さもなければ、測定装置に欠陥があると想定され得るのでエラーメッセージが出力される。
【0043】
その一方で、継続的な調節プロセスにわたって測定差分ΔUを合計することが可能である。したがって、測定差分の合計値が常に結果として生じる。この場合、測定差分は、正または負の値を想定することができる。例として、測定差分ΔUは、T後の測定差分の合計がT前より再び小さくなるように、負である。
【0044】
時点Tにおいて、測定差分の合計は、第2の差分閾値ΔUMAX2を超える。これは、影響を受けた測定装置に欠陥があると想定されることを意味し、その結果エラー信号Fが時点Tにおいて出力される。
【0045】
ΔUMAX2は、好ましくはΔUMAX1より大きい。
【0046】
図4は、構造および機能に関して図1における充電装置50にほぼ対応する、充電装置50’のさらなる実施形態を示す。したがって、同一の要素は同一の参照記号によって識別される。実質的に相違点を以下に解説する。
【0047】
充電装置50’の場合、スイッチ装置24’と車両バッテリ20との間にコンバータユニット60が設けられ、このコンバータユニットは、例えばDC/DCコンバータとして、具体的にはDC/DCブースタとして装置することができる。
【0048】
さらに、第3のスイッチS1を持つ第3の線路62が第1の測定装置32と第2の測定装置34との間に設けられる。
【0049】
それに加えて、電圧Uを測定するためのさらなる測定装置34’がスイッチ装置24’とコンバータユニット60との間に設けられる。
【0050】
充電ソケット22が、例えば800ボルトなどの、例えば第1の充電電圧を供給する充電ステーション12に接続される場合、スイッチS1、S3は、充電の目的で閉じられる。充電ソケット22に接続された充電ステーションが第2の、例えば400ボルトの、より低い充電電圧を与える場合、スイッチS2、S3は、コンバータユニット60を介して充電プロセスが実行されるように充電の目的で閉じられ、コンバータユニット60は、充電ソケット22で供給される低い充電電圧を高電圧バッテリ用のより高い電圧、例えば800ボルトに上げる。
【0051】
低い充電電圧が供給されコンバータユニット60が使用される、充電ステーションにおける充電プロセスの間に、測定装置34’は、具体的には測定装置34と一致させるために測定装置32の調節について上述したのと同じ方法で、測定装置32とともに調節することができる。
【0052】
図5は、車両バッテリを充電する方法を示す。ステップL1で、充電装置は休止状態にある。
【0053】
ステップL2は、第2の測定装置34をバッテリ電圧に調節すること、すなわちUをUBATTに調節することを伴う。
【0054】
ステップL3は、充電プロセスが800ボルトの高電圧充電ステーションで実行されるかまたは400ボルトの標準的な充電ステーションで実行されるかどうかを決定することを伴う。
【0055】
充電プロセスが800ボルトの高電圧充電ステーションで実行される場合、ステップL4は、このような充電ステーションで充電プロセスを開始することを伴う。
【0056】
ステップL5は、UをUに調節することを伴う。
【0057】
充電プロセスは、ステップL6で終了される。
【0058】
他方、ステップL3で、充電プロセスが400ボルトの充電ステーションで実行されると決定される場合、充電プロセスは、ステップL7で、このような充電ステーションで始まる。
【0059】
ステップL8は、UをUに調節することを伴う。
【0060】
全体的にみれば、ドイツ工業標準規格(DIN)61851−23に従って、車両はスイッチ装置または断路器(接触器)を用いて充電ソケットから切断可能としなければならないと規定される。充電プラグを持つ充電ケーブルがプラグを差し込まれると、充電プロセスが開始される。この場合、スイッチ装置24、24’は、最初は開いている。その後、「事前充電」の充電が行われるのに先立って調整が行われ、充電ステーションによって供給される、充電ソケットにおける電圧(電圧U)は、車両バッテリ20の電圧(電圧測定値U)に調節される。UとUとの間の測定差分が限界値未満である場合、スイッチ装置24または24’は、閉じることを許される。
【0061】
ドイツ工業標準規格(DIN)61851−22によれば、UとUとの間の電圧差分に対する限界値は、正確に20ボルトである。この限界値は、好ましくはさらにより小さく、例えば10ボルトである。最大電圧が800ボルトであると想定すると、前記10ボルトは、正確に800ボルトの1.25%に相当する。したがって、電圧差分を評価するために少なくとも1.25%の測定精度がUおよびUに必要である。したがって、安全率を含めると電圧測定の精度は1%未満でなければならないという必要条件が生じる。好ましくは装置要素の予測される15年の稼働時間およびすべての温度範囲にわたって、この必要条件は、一般に難しさを伴ってのみ満たすことができ、それは従来技術において高価かつ複雑な測定回路をもたらす。
【0062】
本発明によれば、スイッチ装置24または24’は調整プロセス(電圧調節)が成功した後閉じられる。測定装置UおよびUの空間的近接の結果として、実際の測定値U1lst=U3lstと想定することができる。充電プロセスのこの段階は、互いにまたは互いに対して一致するように測定装置を調節するために利用することができる(これは、好ましくは、2つの測定装置の1つのためにソフトウェアで保存される補正率を生成することを伴う)。スイッチ装置の構成要素の温度上昇の結果として、異なる温度に対して複数の補正率を決定することが可能である。
【0063】
このような調節は各々の充電プロセスの間に実行することができるので、UおよびU用の2つの測定装置がそれらの存続期間にわたって離れて行かないようにすることが可能である。したがって、自力では存続期間にわたって測定精度必要条件を満たすことができない、より単純な測定装置を使用することが可能である。
【0064】
本発明による原理は、電圧測定値に適用することができるが、異なるセンサの電流が同じ値を有するという仮定が妥当である動作状態が生じる場合、電流測定値に適用することができる。
【0065】
センサの、または測定装置の補正率は、最大可能値(例えばΔUMAX2)まで監視することができる。制限は、絶対的にも時間的にも実施することができる。このような値に到達する場合、測定装置の欠陥が存在すると想定することができる。
【符号の説明】
【0066】
10 車両
20 車両バッテリ
22 充電ソケット
24、24’ スイッチ装置
32 第1の測定装置
34、34’ 第2の測定装置
第1の電気的変数
、U 第2の電気的変数
ΔU 第1の測定差分
図1
図2
図3
図4
図5